説明

液晶表示装置

【課題】画素の開口率の大幅な低下を惹起せしめることなく、画素電極と対向電極との間の容量を大きくできる液晶表示装置の提供。
【解決手段】横電界方式、一本のドレイン信号線から2つの画素列に対しドレイン信号を供給する構成において、隣接する画素の間にドレイン信号線が形成されていない部分を有し、薄膜トランジスタの画素電極と接続されるソース電極を、容量素子の一方の電極として、実質的に画素領域として機能しない領域となる隣接画素の領域にまで延在させて構成する。各画素には、対向電極が形成されており、容量素子の前記一方の電極は、絶縁膜を介して前記対向電極と重畳させて配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に係り、特に、一本のドレイン信号線から2つの画素列に対しドレイン信号を供給する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一本のドレイン信号線から2つの画素列に対しドレイン信号を供給する液晶表示装置は、たとえば下記特許文献1に開示がなされている。
【0003】
このような液晶表示装置は、マトリックス状に配置された各画素のうち、行方向に配列される各画素の画素群において、一つおきに配置される画素(たとえば奇数番目の画素)を前記画素群の一方の側に形成されたゲート信号線(第1ゲート信号線と称する場合がある)によって選択し、他の画素(偶数番目の画素)を前記画素群の他方の側に形成されたゲート信号線(第2ゲート信号線と称する場合がある)によって選択されるようになっている。
【0004】
また、ドレイン信号線は、たとえば隣接する奇数番目の画素と偶数番目の画素との間に走行するように配置され、隣接する偶数番目の画素と奇数番目の画素との間に配置されていない構成となっている。第1ゲート信号線によって奇数番目の画素が選択された際には、この画素に隣接するドレイン信号線から前記画素に映像信号が供給されるようになっており、第2ゲート信号線によって偶数番目の画素が選択された際には、この画素に隣接するドレイン信号線から前記画素に映像信号が供給されるようになっている。
【0005】
このことから、一本のドレイン信号線によって、このドレイン信号線の両脇に配置される2つの画素のそれぞれに映像信号を供給できるようになっている。したがって、このような構成からなる液晶表示装置は、各画素に映像信号を供給するドレイン信号線の数を従来の1/2にできる効果を奏する。
【0006】
また、液晶表示装置は、いわゆる横電界方式と称され、それぞれの各画素において、たとえば、面状パターンからなる対向電極と、この対向電極と絶縁膜を介して重畳される複数の線状パターンからなる画素電極とを備えたものが知られている。
【0007】
このように構成された液晶表示装置は、画素電極と対向電極との間に基板に対して平行な成分を有する電界を発生させて液晶分子を駆動させることから、いわゆる広視野角特性に優れたものを得ることができる。そして、対向電極および画素電極のそれぞれをたとえばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電膜によって構成することにより、画素の開口率を向上させることができる。
【0008】
なお、このような構成された液晶表示装置は、対向電極と画素電極が絶縁膜を介して重畳された構成となっており、画素電極と対向電極との間に前記絶縁膜を誘電体膜とする容量素子が特別な領域を要することなく形成されるようになっている。この容量素子は、画素電極に映像信号が供給された際に、画素電極に前記映像信号を長い時間蓄積させるための素子となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平2−42420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
横電界方式からなる液晶表示装置を駆動させる場合、上述した効果を得ることができ、さらに高精細な表示を可能とすることができる。
【0011】
しかし、液晶表示装置を高精細化させた場合、各画素における画素電極と対向電極との間の容量が充分でなくなり、容量をさらに増加するため新たな容量素子の形成が必要となってくる。この場合、製造工数の増大をもたらすことなく、画素領域内に新たな容量素子を形成することは、前記容量素子によって実質的な画素領域を狭め、画素の開口率を大幅に低減させることになる。
【0012】
本発明の目的は、画素の開口率の大幅な低下を惹起せしめることなく、画素電極と対向電極との間の容量を大きくできる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の液晶表示装置は、一本のドレイン信号線から2つの画素列に対しドレイン信号を供給する構造とした場合、隣接する画素の間にドレイン信号線が形成されていない箇所があることに鑑み、薄膜トランジスタの画素電極と接続されるソース電極を、容量素子の一方の電極として、実質的に画素領域として機能しない領域となる、隣接画素の領域に、あるいは隣接画素との境界部にまで延在させて構成したものである。横電界方式における各画素には、対向電極が形成されており、容量素子の前記一方の電極は、絶縁膜を介して前記対向電極と容易に重畳させて配置させることができる。
【0014】
本発明の構成は、たとえば、以下のようなものとすることができる。
【0015】
(1)本発明の液晶表示装置は、第1基板と第2基板が液晶を挟持して配置され、
前記第1基板の前記液晶側の面に面状パターンの第1電極と、この第1電極と第1絶縁膜を介して重畳される複数の線状パターンからなる第2電極とを備え、これら第1電極および第2電極のうち一方の電極を各画素ごとに独立した信号を供給する画素電極とし、他方の電極を対向電極として構成する液晶表示装置において、
第1方向に並設される複数の前記画素を間にして前記第1方向に延在する第1ゲート信号線と第2ゲート信号線が形成され、
第1ゲート信号線と第2ゲート信号線の間に並設される画素であって隣接する2つの画素を第1画素および第2画素とした場合、
これら第1画素および第2画素を間にして前記第1方向に交差する第2方向に延在する第1ドレイン信号と第2ドレイン信号線が配置され、
前記第1画素は、第1ゲート信号線からの信号によって駆動され前記第1ゲート信号線に近接されて配置される第1薄膜トランジスタを通して第1ドレイン信号線からの映像信号が前記画素電極に供給されるように構成され、
前記第2画素は、第2ゲート信号線からの信号によって駆動され前記第2ゲート信号線に近接されて配置される第2薄膜トランジスタを通して第2ドレイン信号線からの映像信号が前記画素電極のうちの一方の電極に供給されるように構成され、
前記第1薄膜トランジスタの前記画素電極と電気的に接続されるソース電極は、前記第1ゲート信号線に近接する第2画素の領域にまで延在する延在部を有し、この延在部は、平面的に視た場合、前記第2画素に形成された前記対向電極と第2絶縁膜を介して重ねられて形成され、
前記第2薄膜トランジスタの前記画素電極と電気的に接続されるソース電極は、前記第2ゲート信号線に近接する第1画素の領域にまで延在する延在部を有し、この延在部は、平面的に視た場合、前記第1画素に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成されていることを特徴とする。
【0016】
(2)本発明の液晶表示装置は、(1)において、前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極は、平面的に視た場合、前記第1画素の前記画素電極と前記第2画素の前記画素電極との間の領域に走行する延在部を有し、この延在部は前記領域に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成され、
前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極は、平面的に視た場合、前記第2画素の前記画素電極と前記第1画素の前記画素電極との間の領域に走行する延在部を有し、この延在部は前記領域に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成されていることを特徴とする。
【0017】
(3)本発明の液晶表示装置は、(1)において、前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第1ゲート信号線と隣接して、前記第1画素の画素電極とコンタクトをとる第1パッド部を備え、前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第2薄膜トランジスタおよび前記第2ゲート信号線と隣接して、前記第2画素の前記画素電極とコンタクトをとるパッド部を備えることを特徴とする。
【0018】
(4)本発明の液晶表示装置は、(3)において、前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極と、前記ソース電極の前記第1ゲート信号線に近接する第2画素の領域にまで延在する延在部との間に前記第1パッド部が形成され、前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極と、前記ソース電極の前記第2ゲート信号線に近接する第1画素の領域にまで延在する延在部との間に前記第2パッド部が形成されていることを特徴とする。
【0019】
(5)本発明の液晶表示装置は、(1)において、前記第2基板の液晶側の面に、平面的に視た場合、少なくとも、前記第1ゲート信号線、前記第1薄膜トランジスタを被う第1遮光膜、前記第2ゲート信号線、前記第2薄膜トランジスタを被う第2遮光膜が形成され、
前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極の前記延在部は、少なくも一部において、前記第1遮光膜に重ねられて形成され、
前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極の前記延在部は、少なくも一部において、前記第2遮光膜に重ねられて形成されていることを特徴とする。
【0020】
(6)本発明の液晶表示装置は、第1基板と第2基板が液晶を挟持して配置され、
前記第1基板上の前記液晶側の面にマトリックス状に配置される画素のそれぞれに、面状パターンの第1電極と、この第1電極と第1絶縁膜を介して重畳される複数の線状パターンからなる第2電極とを備え、これら第1画素および第2画素のうち一方の電極を各画素ごとに独立した信号を供給する画素電極とし、他方の電極を対向電極として構成する液晶表示装置において、
第1方向に並設される複数の前記画素を間にして前記第1方向に延在する第1ゲート信号線と第2ゲート信号線が形成され、
第1ゲート信号線と第2ゲート信号線の間に並設される画素であって隣接する2つの画素を第1画素および第2画素とした場合、
これら第1画素および第2画素を間にして前記第1方向に交差する第2方向に延在する第1ドレイン信号と第2ドレイン信号線が配置され、
前記第1画素は、第1ゲート信号線からの信号によって駆動され前記第1ゲート信号線に近接されて配置される第1薄膜トランジスタを通して第1ドレイン信号線からの映像信号が前記画素電極に供給されるように構成され、
前記第2画素は、第2ゲート信号線からの信号によって駆動され前記第2ゲート信号線に近接されて配置される第2薄膜トランジスタを通して第2ドレイン信号線からの映像信号が前記画素電極に供給されるように構成され、
第1薄膜トランジスタの前記画素電極に電気的に接続されるソース電極は、平面的に視た場合、第1画素の前記画素電極と第2画素の前記画素電極との間の領域を走行する延在部を有し、この延在部は前記領域に形成された前記対向電極と第2絶縁膜を介して重ねられて形成され、
第2薄膜トランジスタの前記画素電極に電気的に接続されるソース電極は、平面的に視た場合、第2画素の前記画素電極と第1画素の前記画素電極との間の領域を走行する延在部を有し、この延在部は前記領域に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成されていることを特徴とする。
【0021】
(7)本発明の液晶表示装置は、(6)において、前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第1ゲート信号線に近接する第2画素の領域にまで延在する延在部を有し、この延在部は、平面的に視た場合、前記第2画素に形成された前記対向電極と第2絶縁膜を介して重ねられて形成され、
前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第2ゲート信号線に近接する第1画素の領域にまで延在する延在部を有し、この延在部は、平面的に視た場合、前記第1画素に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成されていることを特徴とする。
【0022】
(8)本発明の液晶表示装置は、(6)において、前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第1ゲート信号線と隣接して、前記第1画素の画素電極とコンタクトをとる第1パッド部を備え、前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第2薄膜トランジスタおよび前記第2ゲート信号線と隣接して、前記第2画素の前記画素電極とコンタクトをとるパッド部を備えることを特徴とする。
【0023】
(9)本発明の液晶表示装置は、(6)において、前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極と、前記ソース電極の前記第1画素の前記画素電極と前記第2画素の前記画素電極との間の領域を走行する延在部との間に前記第1パッド部が形成され、前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極と、前記ソース電極の前記第2画素の前記画素電極と前記第1画素の前記画素電極との間の領域を走行する延在部との間に前記第2パッド部が形成されていることを特徴とする。
【0024】
(10)第1基板と第2基板が液晶を挟持し、前記第1基板の前記液晶側の面に、映像信号が供給される画素電極と、前記画素電極と第1絶縁膜を介して配置される対向電極を有する画素を備え、前記画素は、第1の方向に沿って複数配置されて画素行を構成し、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って画素列を構成し、1つの画素行に対して2本のゲート線を配置し、2つの画素列に対して1本の映像信号線を配置した液晶表示装置であって、前記画素行は、前記第1ゲート信号線に接続する第1薄膜トランジスタを有する第1画素と、前記第2ゲート信号線に接続する第2薄膜トランジスタを有する第2画素を備え、前記第1薄膜トランジスタのソース電極は前記第1画素の画素電極と電気的に接続され、前記第1薄膜トランジスタのソース電極は、前記第2画素の領域に延在し、且つ、前記第2画素の対向電極と第2絶縁膜を介して重ねられて配置された第1延在部を有し、前記第2薄膜トランジスタのソース電極は前記第2画素の画素電極と電気的に接続され、前記第2薄膜トランジスタのソース電極は、前記第1画素の領域に延在し、且つ、前記第1画素に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0025】
(11)第1基板と第2基板が液晶を挟持し、前記第1基板の前記液晶側の面に、映像信号が供給される画素電極と、前記画素電極と第1絶縁膜を介して配置される対向電極を有する画素を備え、前記画素は、第1の方向に沿って複数配置されて画素行を構成し、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って画素列を構成し、1つの画素行に対して2本のゲート線を配置し、2つの画素列に対して1本の映像信号線を配置した液晶表示装置であって、前記画素行は、前記第1ゲート信号線に接続する第1薄膜トランジスタを有する第1画素と、前記第2ゲート信号線に接続する第2薄膜トランジスタを有する第2画素を備え、前記第1薄膜トランジスタのソース電極は前記第1画素の画素電極と電気的に接続され、前記第1画素と前記第2画素の間を前記第1の方向に沿って延在する第1延在部を有し、前記第2薄膜トランジスタのソース電極は前記第2画素の画素電極と電気的に接続され、前記第1画素と前記第2画素の間を前記第1の方向に沿って延在する第2延在部を有し、前記第1延在部と前記第2延在部とは離間して配置したことを特徴とする液晶表示装置。
【0026】

なお、上記した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、上記した構成以外の本発明の構成の例は、本願明細書全体の記載または図面から明らかにされる。
【発明の効果】
【0027】
このように構成した液晶表示装置は、画素の開口率の大幅な低下を惹起せしめることなく、画素電極と対向電極との間の容量を大きくできるようになる。
【0028】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の液晶表示装置の実施例1の表示領域における画素の構成を示した平面図である。
【図2】本発明の液晶表示装置の実施例1の表示領域における等価回路を示した図である。
【図3】図1のIII−III線における断面図である。
【図4】本発明の液晶表示装置の実施例2の構成図である。
【図5】本発明の液晶表示装置の実施例3の構成図である。
【図6】本発明の液晶表示装置の実施例4の構成図である。
【図7】本発明の液晶表示装置の実施例5の構成図である。
【図8】本発明の液晶表示装置の実施例5の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。なお、各図および各実施例において、同一または類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
【実施例1】
【0031】
〈表示領域の等価回路〉
図2は、液晶表示装置の液晶を介して対向配置される一対の基板のうち、一方の基板(以下、第1基板SUB1と称する)の液晶側の面の表示領域に形成される等価回路図である。この等価回路は、一本のドレイン信号線から2つの画素列に対しドレイン信号を供給する駆動方式を採用した回路となっている。また、この等価回路は、一つの画素行に対し2本のゲート信号線を配置してある。この等価回路は、表示領域においてマトリックス状に配置される多数の画素のうち、隣接するたとえば6個の画素を信号線とともに実際の幾何学的配置に対応づけて描画している。
【0032】
まず、図2において、上段にたとえば3個の画素がx方向に並設され、下段にたとえば3個の画素がx方向に並設されている。この場合、たとえば、上段の画素に対して下段の画素は半ピッチずれており、このずれの方向は、段の下降ごとに、交互に異なるようにして、各画素が配列されている。しかし、各画素は、このようなずれを有することなく、図中y方向に直線状に配置されるようになっていてもよい。
【0033】
上段の各画素からなる第1画素行(図中符号PG1で示す)を間にして、一方の側(図中下側)に第1ゲート信号線GL1が配置され、他方の側(図中上側)に第2ゲート信号線GL2が配置されている。また、下段の各画素からなる第2画素行(図中符号PG2で示す)を間にして、一方の側(図中上側)に第1ゲート信号線GL1が配置され、他方の側(図中下側)に第2ゲート信号線GL2が配置されている。なお、第1画素行PG1と第2画素行PG2とで第1ゲート信号線GL1と第2ゲート信号線GL2の配置が逆となっているのは、画素列PG1の各画素と画素列PG2の各画素において、構成部材が上下に反転されて配置されているためである。このように、一つの画素列に対して2本のゲート信号線GLを配置し、各画素列のそれぞれの画素の選択を第1ゲート信号線GL1および第2ゲート信号線GL2によって行うようになっている。
【0034】
ここで、たとえば第1画素行PG1において、隣接する2つの画素をそれぞれ第1画素PIX1および第2画素PIX2と命名する。この理由は、第1画素PIX1と第2画素PIX2は、それぞれ同じ構成部材を備えるが、平面的に視た前記構成部材の配置が上下および左右に反転された位置関係となっているからである。
【0035】
すなわち、第1画素PIX1は、第1ゲート信号線GL1からの信号(走査信号)によって駆動(ON)され前記第1ゲート信号線GL1に近接されて配置される薄膜トランジスタTFT(図中符号TFT1で示す)を通して、ドレイン信号線DL(図中符号DL1で示す)からの信号(映像信号)が画素電極PXに供給されるようなっている。第1画素につながるドレイン信号線DL1は、前記第2画素PIX2とは反対側の辺に配置され、図中y方向に沿って延在する。また、第2画素PIX1は、第2ゲート信号線GL2からの信号(走査信号)によって駆動(ON)され前記第2ゲート信号線GL2に近接されて配置される薄膜トランジスタTFT(図中符号TFT2で示す)を通して、ドレイン信号線DL(図中符号DL2で示す)からの信号(映像信号)が画素電極PXに供給されるようなっている。第2画素につながるドレイン信号線DL2は、前記第1画素PIX1とは反対側の辺に配置され、図中y方向に沿って延在する。
【0036】
このような第1画素PIX1と第2画素PIX2の構成関係は、第1画素列PIX1において、図中x方向へ順次繰り返して配置される第1画素PIX1と第2画素PIX2においても同様となっている。このため、前記ドレイン信号線DL1およびドレイン信号線DL2は、それぞれ、それらの両隣の各画素に映像信号を供給できるように構成され、第1画素PIX1と第2画素PIX2との間に、ドレイン信号線DLは存在しないようになっている。なお、ドレイン信号線DL1およびドレイン信号線DL2は、上述したように各画素列PGが段の下降にともなって順次異なる方向に画素の半ピッチ分だけずれて配置されているため、図中y方向に蛇行しながら延在するパターンで形成されている。
【0037】
第1画素PIX1および第2画素PIX2には、それぞれ、画素電極PXとの間で電界を生じせしめる対向電極CTが形成されている。画素電極PXと対向電極CTとの間に生じる電界は、第1基板SUB1に対して平行となる成分を有するようになっており、いわゆる横電界方式による表示がなされるようになっている。なお、画素電極PXと対向電極CTの具体的な構成は、後に、図1を用いて説明する。各画素の対向電極CTは、少なくとも、各画素列GPにおいてコモン信号線CLによって共通に接続されるようになっている。対向電極CTにはコモン信号線CLを通して基準信号が供給されるのに対し、画素電極PXにはドレイン信号線DLおよび薄膜トランジスタTFTを通して画素信号が供給され、これらの信号の電圧差によって前記電界を発生せしめるようになっている。
【0038】
なお、図2の一点鎖線枠Q内に示すように、画素行PG1における上述した第1画素PIX1および第2画素PIX2に対し、画素行PG2において対応する第1画素(図中符号PIX1’で示す)および第2画素(図中符号PIX2’で示す)は、構成部材が上下に反転した配置となっている。しかし、画素行PG2における第1画素と第2画素の位置関係は、上下反転を除いて、画素行PG1における第1画素と第2画素の位置関係と同様になっている。
【0039】
図8は、第1画素行と第2画素行の構成が同じ場合の図である。図2ではた画素構造が反転していたが、図8では画素構造が反転していない。上段の各画素からなる第1画素行(図中符号PG1で示す)を間にして、一方の側(図中下側)に第1ゲート信号線GL1が配置され、他方の側(図中上側)に第2ゲート信号線GL2が配置されている。また、下段の各画素からなる第2画素行(図中符号PG2で示す)を間にして、一方の側(図中下側)に第1ゲート信号線GL1が配置され、他方の側(図中上側)に第2ゲート信号線GL2が配置されている。その他は図2と同じであるため説明を省略する。
【0040】
〈画素の構成〉
図1は、第1基板SUB1の液晶側の面に形成される画素の平面図を示し、図2の一点鎖線枠Q内における構成の部分を示している。また、図3は、図1のIII−III線における断面を示す図で、液晶を介して対向配置される第2基板SUB2とともに示している。
【0041】
図1において、第1基板SUB1(図3参照)の液晶側の面(表面)に、ゲート信号線GLが形成されている。ゲート信号線GLは図中x方向に延在され、図中上側から、第1画素行PG1のゲート信号線GLとなる第2ゲート信号線GL2、第1ゲート信号線GL1、第2画素行PG2のゲート信号線GLとなる第1ゲート信号線GL1、第2ゲート信号線GL2が形成されている。
【0042】
そして、たとえば第1画素行PG1の場合を例にとると、ゲート信号線GL1において第1画素PIX1の形成領域側に突出部PJ1を有し、ゲート信号線GL2において第2画素PIX2の形成領域側に突出部PJ2を有している。突出部PJ1は薄膜トランジスタTFT1のゲート電極GT1として、突出部PJ2は薄膜トランジスタTFT2のゲート電極GT2として機能するようになっている。なお、薄膜トランジスタTFT1は後述の第1ドレイン信号線DL1に近接し、薄膜トランジスタTFT2は後述の第2ドレイン信号線DL2に近接して形成されるようになっている。
【0043】
第1基板の表面には、ゲート信号線GLをも被って絶縁膜GI(図3参照)が形成されている。この絶縁膜GIは薄膜トランジスタTFTの形成領域においてゲート絶縁膜として機能するようになっている。
【0044】
そして、第1画素列PG1の第1画素PIX1を例にとって示すと、前記絶縁膜GI上の前記ゲート電極GT2に重ねられる部分にたとえばアモルファスシリコンからなる島状の半導体層ASが形成されている。この半導体層ASはたとえば半円形からなっている。この半導体層ASは、薄膜トランジスタTFT1の半導体層となるものであり、その上面に互いに対向するドレイン電極DTおよびソース電極STを形成することによっていわゆるMIS(Metal Insulator Semiconductor)構造の薄膜トランジスタTFT1が形成される。ここで、ドレイン電極DTは、第1ドレイン信号線DL1の形成と同時に形成され、第1ドレイン信号線DL1の一部の延在部によって形成されるようになっている。また、ソース電極STは、ドレイン電極DTの形成と同時に形成され、第1ゲート信号線GL1と近接して配置されるバッド部PD(図中符号PD1で示す)とともに形成されるようになっている。なお、薄膜トランジスタTFTのドレイン電極DTおよびソース電極STは、バイアスの印加状態によって入れ替わって動作するが、この明細書では、便宜上、ドレイン信号線DLと接続される電極をドレイン電極DTとし、画素電極PXと接続される電極をソース電極STと定義して以下説明する。ドレイン電極DTは、たとえば半導体層ASの円弧部に沿って湾曲したパターンをなし、ソース電極STはドレイン電極DTの凹面に対向して配置されている。これによって、薄膜トランジスタTFT1のチャネル幅を大きく構成できるようにしている。前記パッド部PD1は、第1ゲート信号線GL1に近接して配置され、第1画素PIX1における後述の画素電極PXとコンタクトされる部分となっている。また、このバッド部PD1には、このパッド部PD1と同時に形成される延在部EX(図中符号EX1で示す)を備え、この延在部EX1は、第1ゲート信号線GL1に近接して、第2画素PIX2の形成領域にまで至って延在されている。この延在部EX1は、後述する容量素子CEの一方の電極TM(図中符号TM1で示す)として機能するようになっている。この延在部EX1に関しては後に詳述する。
【0045】
第1画素列PG1の第2画素PIXにおいても、薄膜トランジスタTFT2、パッド部PD(図中符号PD2で示す)は同様に形成され、また、パッド部PD2には、このパッド部PD2と同時に形成される延在部EX(図中符号EX2で示す)を備えている。この場合、これらは、第1画素PIX1の場合と上下および左右に反転させた位置関係で形成されている。すなわち、薄膜トランジスタTFT2は、第2ゲート信号線GL2のゲート電極GT2に重ねて形成されている。薄膜トランジスタTFT2のドレイン電極DTは、第2ドレイン信号線DL2の一部における延在部によって形成され、ソース電極STは、第2ゲート信号線GL2と近接して配置されるパッド部PD2とともに形成されるようになっている。また、延在部EX2は、第2ゲート信号線GL2に近接して、第1画素のPIX1の形成領域にまで至って延在されている。この延在部EX2も、後述する容量素子の一方の電極TM(図中符号TM2で示す)として機能するようになっている。
【0046】
第1基板SUB1の表面には、薄膜トランジスタTFT、ドレイン信号線DL等をも被って保護膜PAS(図3参照)が形成されている。この保護膜PASは、たとえば、無機絶縁膜からなる保護膜PAS1(図3参照)と有機絶縁膜からなる保護膜PAS2(図3参照)の順次積層体から構成されている。上層の保護膜PAS2を塗布によって形成できる有機絶縁膜とすることによって、保護膜PASの表面を平坦化することができる。
【0047】
保護膜PASの上面には対向電極CTが形成されている。対向電極CTはたとえばITO(Indium Tin Oxide)からなる透光性導電膜によって構成されている。対向電極CTは、同じ画素列PGにおける各画素PIXを共通に被うように配置された帯状をなし、これにより、図2に示したコモン信号線CLを具備させた構成となっている。すなわち、対向電極CTは、各画素PIXにおいて面状のパターンとして形成され、同じ画素列PGにおいて隣接する画素PIXの対向電極CTと連続して形成されている。この場合、前記対向電極CTは、平面的に視て、一方の辺(図中下側の辺)が第1ゲート信号線GL1に近接あるいは重畳して形成され、他方の辺(図中上側の辺)が第2ゲート信号線GL2に近接あるいは重畳して形成されるとともに、前記パッド部PDと重なる部分において切り欠き部LKを有している。パッド部PDはコンタクトホール(図中符号TH)を通して後述の画素電極PXと接続する必要があり、この場合、前記切り欠き部LKによって、画素電極PXと対向電極CTがショートするのを回避できるようになっている。また、対向電極は画像表示領域一面に連続して形成してもよい。
【0048】
第1基板SUB1の表面には、対向電極CTをも被って絶縁膜IN(図3参照)が形成され、この絶縁膜INの上面には、各画素PIXの領域ごとに画素電極PXが形成されている。画素電極PXはたとえばITO(Indium Tin Oxide)からなる透光性導電膜によって構成されている。画素電極PXは、たとえば図中y方向に延在しx方向に並設される複数(図ではたとえば3個示している)の線状パターンで形成されている。図2に示した線状パターンの画素電極PXはx方向よりもy方向に長い形状とした。この場合、線状パターンの複数の画素電極PXは、それぞれ、その両端が共通接続され、薄膜トランジスタTFT側の共通接続部は、絶縁膜INおよび保護膜PASに形成されたコンタクトホールTHを通して前記バッド部PDに接続されている。これにより、画素電極PXは薄膜トランジスタTFTのソース電極STに電気的に接続されるようになる。
【0049】
ここで、画素電極PXは絶縁膜INを介して対向電極CT上に重ねられて形成され、画素電極PXと対向電極CTとの間には前記絶縁膜INを誘電体膜とする容量素子が形成されることになる。そして、近年の液晶表示装置の高精細化にともない、各画素における前記容量素子の容量が充分でなくなっていることは上述したとおりである。このため、この実施例1では、上述したように、第1画素列PB1の第1画素PIX1を例にとって示せば、薄膜トランジスタTFT1のソース電極STを、第1ゲート信号線GL1に近接させて、第2画素PIX2の形成領域にまで延在させた延在部EXを設けている。この場合、第1画素PIX1と第2画素PIX2の境界部には、ドレイン信号線DLが走行していないことから、ドレイン信号線DLの形成と同時に形成する前記延在部EX1は、独立した電極として第2画素PIX2の形成領域にまで延在させて配置させることができる。延在部EX1は、図3に示すように、保護膜PASを介して対向電極CTと重ねられて形成されていることから、延在部EX1と対向電極CTとの間に前記保護膜PASを誘電体膜とする容量素子CEが形成されることになる。延在部EX1は画素電極PXと同電位となることから、前記容量素子CEによって画素電極PXと対向電極CTとの間の容量を増大させることができる。ここで、延在部EX1を第1ゲート信号線GL1に近接させて配置させているのは、前記延在部EX1が第2画素PIX2の実質的な画素領域(後述するブラックマトリックスBMの開口領域)にまで侵入させないためである。
【0050】
第2画素列PG2の第1画素PIX1’、第2画素PIX2’においても、上述した第1画素PIX1、第2画素PIX2と上下の反転がなされた配置となっているが、同様の構成となっている。
【0051】
なお、第1基板SUB1の表面には画素電極PXをも被って配向膜が形成されているが、この配向膜の描画は省略している。この配向膜は液晶と直接に接触する膜で、液晶の分子の初期配向方向を決定するようになっている。
【0052】
また、図1には、第2基板SUB2(図3参照)の液晶側の面に形成されるブラックマトリックス(遮光膜)BMを平面的に重ねて示している。このブラックマトリックスBMは、図1に示すように、隣接する画素列PGの境界に形成されている。図中では、第1画素列PG1における第1ゲート信号線GL1、第1薄膜トランジスタTFT1、パッド部PD1、延在部EX1を被うブラックマトリックスを符号BM1で示し、第2ゲート信号線GL2、第2薄膜トランジスタTFT2、パッド部PD2、延在部EX2を被うブラックマトリックスを符号BM2で示している。この場合、たとえばブラックマトリックスBM1は、第2画素列PG1における第1ゲート信号線GL1、この第1ゲート信号線に近接して配置される薄膜トランジスタTFT、パッド部PD、延在部EXを被うブラックマトリックスBM(このブラックマトリックスBMも図中符号BM1で示す)とは、背中合わせの配置となるため、それぞれ一体化して形成されるようになっている。
【0053】
なお、第2基板SUB2の液晶側の面には、前記ブラックマトリックスBMのほかに、カラーフィルタ、平坦化膜等が形成されているが、これらの描画は省略している。
【0054】
このように構成した液晶表示装置において、ブラックマトリックスBM1は、第1基板SUB1と第2基板SUB2との貼り合わせにおける合わせずれを考慮して、長手方向辺のそれぞれを画素領域側に若干張り出させるようにして形成している。このため、たとえば第1画素列PG1の第2画素PIX2において、第1ゲート信号線GL1近傍の領域であって、ブラックマトリックスBMによって被われた領域は、いわゆるデッドスペースとなっていた。上述した実施例1では、このデッドスペースにおいて、第1画素PIX1における容量素子CEを形成することにより、画素の開口率の低下を回避させるようにしたものである。この場合、画素の開口率よりも容量素子CEの容量値の増大を優先させる場合、ソース電極STの前記延在部EX1をより大きな面積で構成し、これにより、前記延在部EX1の一部がブラックマトリックスBM1から露出するようにしてもよい。このようにすることによって、画素の開口率の大幅な低下を惹起せしめることなく、画素電極と対向電極との間の容量を大きくすることができる効果を奏する。
【0055】
なお、本実施例では、2本のゲート信号線と2本のドレイン信号線で囲まれた領域の内には2つの画素領域が存在し、画素電極により囲まれた領域を1つの画素領域とし、画素領域の間には境界部が存在する。また、ブラックマトリクスにより更に制限されてバックライトからの光を透過する領域を実質的な画素領域とした。
【実施例2】
【0056】
図4は、本発明の液晶表示装置の実施例2を示す構成図で、図1と対応させて描画した図となっている。
【0057】
図4において、図1の場合と比較して異なる構成は、薄膜トランジスタTFTのソース電極STの延在部EXにある。すなわち、第1画素PIX1において、パッドPD1と同時に形成される延在部EX(図中符号EX10で示す)は、平面的に視て、たとえば第1画素PIX1と第2画素PIX2の境界部、すなわち、第1画素PIX1における画素電極PXと第2画素PIX2における画素電極PXの間に位置づけられるように延在されている。同様に、第2画素PIX2においても、パッドPD2と同時に形成される延在部EX(図中符号EX20で示す)は、平面的に視て、たとえば第1画素PIX1と第2画素PIX2の境界部、すなわち、第1画素PIX1における画素電極PXと第2画素PIX2における画素電極PXの間に位置づけられるように延在されている。延在部EX10と延在部EX20は、いずれも第1画素PIX1と第2画素PIX2の境界に位置づけられることになり、前記延在部EX10の先端部と前記延在部EX20の先端部は接続されることなく、互いに対向して離間されている。
【0058】
第1画素PIX1と第2画素PIX2の境界部は、ドレイン信号線DLが形成されていない領域となっており、この領域は、第1画素PIX1の画素電極PXからの電界が第2画素PIX2側に影響を及ぼさないよう、また、第2画素PIX1の画素電極PXからの電界が第1画素PIX1側に影響を及ぼさないように、幅が比較的広く形成されている。このため、この領域に、前記延在部EX10、EX20と対向電極CTとの間に保護膜PASを誘電体膜とする容量素子EC(図中符号CE1で示す)を形成することにより、画素の開口率の低減を惹起せしめることなく容量の増大を図ることができるようになる。
【実施例3】
【0059】
図5は、本発明の液晶表示装置の実施例3を示す構成図で、図1と対応させて描画した図となっている。
【0060】
図5において、図1の場合と比較して異なる構成は、図1に示した構成を前提として、実施例2(図4)に示した延在部EX10、EX20を付加させた構成としたものとなっている。すなわち、画素列PG1の第1画素PIX1を例に示せば、容量素子CEの他に、容量素子CE1を新たに増設させた構成となっている。
【0061】
これにより、画素の開口率の低減を惹起せしめることなくさらになる容量の増大を図ることができるようになる。
【実施例4】
【0062】
上述した各実施例では、各画素PXにおいて、保護膜PAS上に面状パターンからなる対向電極CTが形成され、この対向電極CTの上面に絶縁膜INを介して線状パターンからなる複数の画素電極PXを形成した構成としたものである。しかし、前記対向電極CTは、前記保護膜PASよりも下層に形成するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0063】
図6は、実施例4を示す断面図(図1のVI−VI線に相当する箇所の断面図)であり、対向電極CTがたとえば第1基板SUB1の表面に形成されている場合を示している。すなわち、図示していなゲート信号線GLと同層であって、前記ゲート信号線GLと電気的に接続されることなく形成されている。このため、この対向電極CTの平面的に視たパターンは、図1に示した対向電極CTのパターンとほぼ同様となっている。
【0064】
第1基板SUB1の表面には、前記対向電極CT(ゲート信号線GL)をも被って絶縁膜GIが形成され、この絶縁膜GIの表面にはドレイン信号線DLが形成されている。ここで、容量素子CEの一方の電極(上述した延在部EX)はドレイン信号線DLと同時に形成されるようになっている。したがって、容量素子CEは、前記絶縁膜GIを誘電体膜とし、他方の電極を対向電極CTとして形成されるようになる。
【0065】
また、第1基板SUB1の表面には、ドレイン信号線DL、延在部EX等を被って保護膜PASが形成され、この保護膜PASの表面には画素電極PXが形成されるようになっている。画素電極PXは、図示していないが、保護膜PASに形成されるコンタクトホールを通して薄膜トランジスタTFTのソース電極STに電気的に接続されるようになっている。
【実施例5】
【0066】
上述した実施例は、対向電極CTを画素電極PXに対して下層に位置づけられるように形成したものである。しかし、これに限定されることはなく、対向電極CTを画素電極PXよりも上層に形成するようにしてもよいことはもちろんである。
【0067】
図7は、図6に対応づけて描画した図である。図7において、保護膜PASの上面には画素電極PXが形成されている。この画素電極PXは各画素ごとに独立して形成された面状パターンとして形成される。この画素電極PXは、図示していないが、保護膜PASに形成されるコンタクトホールを通して薄膜トランジスタTFTのソース電極STに電気的に接続されるようになっている。そして、この画素電極PXの上面に絶縁膜INを介して線状パターンからなる複数の対向電極CTが形成されている。この対向電極CTは、表示領域の全域に形成した透光性導電膜に複数の並設されたスリット(図中符号STで示す)を形成することにより、複数の線状パターンを構成するようになっている。このため、図示していないが、容量素子CEの一方の電極(延在部EX)を形成する領域には、この領域に重なるようにして対向電極CTが形成されており、前記絶縁膜INと保護膜PASを誘電体膜とする容量素子CEが形成されることになる。
【0068】
以上、本発明を実施例を用いて説明してきたが、これまでの各実施例で説明した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、それぞれの実施例で説明した構成は、互いに矛盾しない限り、組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0069】
PG1……第1画素行、PG2……第2画素行、PIX1……第1画素、PIX2……第2画素、DL……ドレイン信号線、GL……ゲート信号線、PJ……突起部、TFT……薄膜トランジスタ、DT……ドレイン電極、ST……ソース電極、PD……パッド部、PX……画素電極、CT……対向電極、CL……コモン信号線、EX……ソース電極の延在部、TM……容量素子の一方の電極、SUB1……第1基板、SUB2……第2基板、GI……絶縁膜、PAS……保護膜、PAS1……無機絶縁膜、PAS2……有機絶縁膜、IN……絶縁膜、TH……スルーホール、BM……ブラックマトリックス、CE……容量素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と第2基板が液晶を挟持して配置され、
前記第1基板の前記液晶側の面に第1電極と、この第1電極と第1絶縁膜を介して配置される第2電極とを有し、第1電極および第2電極のうち一方の電極を映像信号が供給される画素電極とし、他方の電極を対向電極として構成する画素を備えた液晶表示装置において、
前記画素は第1の方向に沿って複数配置されて画素行を形成し、
前記画素行が前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数配置され、
前記画素行は前記第1の方向に沿って延在する第1ゲート信号線と第2ゲート信号線によりゲート信号が供給され、前記第1ゲート信号線に接続する第1画素と前記第2ゲート信号線に接続する第2画素を有し
前記第1画素と前記第2画素を挟んで前記第2方向に延在する第1ドレイン信号線と第2ドレイン信号線が配置され、
前記第1画素は、第1ゲート信号線からの信号によって駆動され前記第1ゲート信号線に近接されて配置される第1薄膜トランジスタを通して第1ドレイン信号線からの映像信号が前記画素電極に供給されるように構成され、
前記第2画素は、第2ゲート信号線からの信号によって駆動され前記第2ゲート信号線に近接されて配置される第2薄膜トランジスタを通して第2ドレイン信号線からの映像信号が前記画素電極のうちの一方の電極に供給されるように構成され、
前記第1薄膜トランジスタの前記画素電極と電気的に接続されるソース電極は、前記第1ゲート信号線に近接する第2画素の領域にまで延在する延在部を有し、この延在部は、平面的に視た場合、前記第2画素に形成された前記対向電極と第2絶縁膜を介して重ねられて形成され、
前記第2薄膜トランジスタの前記画素電極と電気的に接続されるソース電極は、前記第2ゲート信号線に近接する第1画素の領域にまで延在する延在部を有し、この延在部は、平面的に視た場合、前記第1画素に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極は、平面的に視た場合、前記第1画素の前記画素電極と前記第2画素の前記画素電極との間の領域に走行する延在部を有し、この延在部は前記領域に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成され、
前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極は、平面的に視た場合、前記第2画素の前記画素電極と前記第1画素の前記画素電極との間の領域に走行する延在部を有し、この延在部は前記領域に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第1ゲート信号線と隣接して、前記第1画素の画素電極とコンタクトをとる第1パッド部を備え、前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第2薄膜トランジスタおよび前記第2ゲート信号線と隣接して、前記第2画素の前記画素電極とコンタクトをとるパッド部を備えることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極と、前記ソース電極の前記第1ゲート信号線に近接する第2画素の領域にまで延在する延在部との間に前記第1パッド部が形成され、前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極と、前記ソース電極の前記第2ゲート信号線に近接する第1画素の領域にまで延在する延在部との間に前記第2パッド部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第2基板の液晶側の面に、平面的に視た場合、少なくとも、前記第1ゲート信号線、前記第1薄膜トランジスタを被う第1遮光膜、前記第2ゲート信号線、前記第2薄膜トランジスタを被う第2遮光膜が形成され、
前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極の前記延在部は、少なくも一部において、前記第1遮光膜に重ねられて形成され、
前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極の前記延在部は、少なくも一部において、前記第2遮光膜に重ねられて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
第1基板と第2基板が液晶を挟持して配置され、
前記第1基板上の前記液晶側の面に第1電極と、この第1電極と第1絶縁膜を介して配置される第2電極とを有し、第1電極および第2電極のうち一方の電極を映像信号が供給される画素電極とし、他方の電極を対向電極として構成する画素を備えた液晶表示装置において、
前記画素は第1の方向に沿って複数配置されて画素行を形成し、
前記画素行が前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数配置され、
前記画素行は前記第1の方向に沿って延在する第1ゲート信号線と第2ゲート信号線によりゲート信号が供給され、前記第1ゲート信号線に接続する第1画素と前記第2ゲート信号線に接続する第2画素を有し、
前記第1画素と前記第2画素を間に配置して、前記第2方向に延在する第1ドレイン信号線と第2ドレイン信号線が配置され、
前記第1画素は、第1ゲート信号線からの信号によって駆動され前記第1ゲート信号線に近接されて配置される第1薄膜トランジスタを通して第1ドレイン信号線からの映像信号が前記画素電極に供給されるように構成され、
前記第2画素は、第2ゲート信号線からの信号によって駆動され前記第2ゲート信号線に近接されて配置される第2薄膜トランジスタを通して第2ドレイン信号線からの映像信号が前記画素電極に供給されるように構成され、
第1薄膜トランジスタの前記画素電極に電気的に接続されるソース電極は、平面的に視た場合、第1画素の前記画素電極と第2画素の前記画素電極との間の領域を走行する延在部を有し、この延在部は前記領域に形成された前記対向電極と第2絶縁膜を介して重ねられて形成され、
第2薄膜トランジスタの前記画素電極に電気的に接続されるソース電極は、平面的に視た場合、第2画素の前記画素電極と第1画素の前記画素電極との間の領域を走行する延在部を有し、この延在部は前記領域に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第1ゲート信号線に近接する第2画素の領域にまで延在する延在部を有し、この延在部は、平面的に視た場合、前記第2画素に形成された前記対向電極と第2絶縁膜を介して重ねられて形成され、
前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第2ゲート信号線に近接する第1画素の領域にまで延在する延在部を有し、この延在部は、平面的に視た場合、前記第1画素に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第1ゲート信号線と隣接して、前記第1画素の画素電極とコンタクトをとる第1パッド部を備え、前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極は、前記第2薄膜トランジスタおよび前記第2ゲート信号線と隣接して、前記第2画素の前記画素電極とコンタクトをとるパッド部を備えることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記第1薄膜トランジスタの前記ソース電極と、前記ソース電極の前記第1画素の前記画素電極と前記第2画素の前記画素電極との間の領域を走行する延在部との間に前記第1パッド部が形成され、前記第2薄膜トランジスタの前記ソース電極と、前記ソース電極の前記第2画素の前記画素電極と前記第1画素の前記画素電極との間の領域を走行する延在部との間に前記第2パッド部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
第1基板と第2基板が液晶を挟持し、
前記第1基板の前記液晶側の面に、映像信号が供給される画素電極と、前記画素電極と第1絶縁膜を介して配置される対向電極を有する画素を備え、
前記画素は、第1の方向に沿って複数配置されて画素行を構成し、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って画素列を構成し、
1つの画素行に対して2本のゲート線を配置し、2つの画素列に対して1本の映像信号線を配置した液晶表示装置であって、
前記画素行は、前記第1ゲート信号線に接続する第1薄膜トランジスタを有する第1画素と、前記第2ゲート信号線に接続する第2薄膜トランジスタを有する第2画素を備え、
前記第1薄膜トランジスタのソース電極は前記第1画素の画素電極と電気的に接続され、前記第1薄膜トランジスタのソース電極は、前記第2画素の領域に延在し、且つ、前記第2画素の対向電極と第2絶縁膜を介して重ねられて配置された第1延在部を有し、
前記第2薄膜トランジスタのソース電極は前記第2画素の画素電極と電気的に接続され、前記第2薄膜トランジスタのソース電極は、前記第1画素の領域に延在し、且つ、前記第1画素に形成された前記対向電極と前記第2絶縁膜を介して重ねられて配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
第1基板と第2基板が液晶を挟持し、
前記第1基板の前記液晶側の面に、映像信号が供給される画素電極と、前記画素電極と第1絶縁膜を介して配置される対向電極を有する画素を備え、
前記画素は、第1の方向に沿って複数配置されて画素行を構成し、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って画素列を構成し、
1つの画素行に対して2本のゲート線を配置し、2つの画素列に対して1本の映像信号線を配置した液晶表示装置であって、
前記画素行は、前記第1ゲート信号線に接続する第1薄膜トランジスタを有する第1画素と、前記第2ゲート信号線に接続する第2薄膜トランジスタを有する第2画素を備え、
前記第1薄膜トランジスタのソース電極は前記第1画素の画素電極と電気的に接続され、前記第1画素と前記第2画素の間を前記第1の方向に沿って延在する第1延在部を有し、
前記第2薄膜トランジスタのソース電極は前記第2画素の画素電極と電気的に接続され、前記第1画素と前記第2画素の間を前記第1の方向に沿って延在する第2延在部を有し、
前記第1延在部と前記第2延在部とは離間して配置したことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−150153(P2011−150153A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11670(P2010−11670)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】