説明

渋滞発生予防装置及び渋滞発生予防システム

【課題】簡単な構成によって不要な警告を行うことなく交通渋滞を緩和できる渋滞発生予防装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置3の制御装置10は、自車両の現在位置が、地図データ上に設定されている渋滞発生測される地点;A地点に対して所定距離内となる位置に到達すると、VICSセンタ31から交通情報を取得する。そして、A地点において渋滞が発生していない場合は、車両の乗員に対し、車両の走行速度の維持を促すメッセージを報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上における渋滞の発生を予防する装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通渋滞は、多くの人に不利益を及ぼすため、その改善は非常に有意義であるが、本質的な改善には道路を増設するといったインフラレベルでの対応が必要であり、容易に対処することはできない。渋滞の緩和に寄与する従来技術として、例えば特許文献1に開示されているものがある。この技術は、交通流をシミュレーションして渋滞予測を行い、円滑な交通を実現するための推奨運転を支援するものである。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、交通流をシミュレーションするため、大規模な演算処理を行う必要がある。また、より実際の交通状況に適応したシミュレーション行うには、渋滞が発生し易い手前の地点にNシステムなどを設置しておくなど、やはりある程度インフラが整備されていることが前提となっている。
【0003】
また、特許文献2には、渋滞の発生が予測される地点を予め地図データ上に登録しておき、走行車両が上記地点に接近した場合は車両の速度を低下させないように、ドライバに対して事前に警告を行うようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−282275公報
【特許文献2】特開2005−300184公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されている技術では、渋滞発生の予測地点に車両が接近したことのみを条件に、ドライバに対して警告を行っている。しかしながら、実際の交通状況は時々刻々に変化するものであるから、本来は警告が不要な状態にあるはずにもかかわらず、一律に警告を行ってしまう場合も想定される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡単な構成によって不要な警告を行うことなく交通渋滞を緩和できる渋滞発生予防装置,及び渋滞発生予防システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の渋滞発生予防装置によれば、制御手段は、車両の現在位置が、地図データ上で渋滞発生が予測される地点又は道路区間(以下、渋滞発生予測地点等と称す)に対して所定距離内となる位置に到達すると、交通情報取得手段を介して、例えば交通情報センタなどの外部から交通情報を取得し、前記地点又は道路区間において渋滞が発生していない場合には、車両の乗員に対し、車両の走行速度の維持を促すメッセージを報知する。すなわち、渋滞発生予測地点等において、外部より取得した交通情報に基づき未だ渋滞が発生していないことが確実である場合にだけメッセージを報知するので、車両の乗員に適切な報知を行うことができる。
【0007】
請求項2記載の渋滞発生予防装置によれば、制御手段は、車両の走行速度が低下する傾向を示す場合にメッセージを報知するので、より必要性が高い場合に適切な報知を行うことができる。
【0008】
請求項3記載の渋滞発生予防装置によれば、制御手段は、自車両の前方側の所定領域内に先行車両が存在しない場合は、自車両の走行速度を維持するメッセージを報知すると共に、制御指令出力手段を介し、自車両に対して現在の走行速度を維持させるための制御指令を出力する。したがって、ドライバが走行速度を維持するための運転操作を積極的に行わずとも、自車両前方の安全が確認された上で走行速度が自動的に維持されるようになる。
【0009】
請求項4記載の渋滞発生予防装置によれば、制御手段は、渋滞発生予測地点等において渋滞が発生している情報が得られた場合は、車両の乗員に対して走行速度の低下を促すメッセージを報知する。したがって、実際に渋滞が発生している場合は、予めドライバに走行速度を低下させるようにして、更なる渋滞の延伸を防止することができる。
【0010】
請求項5記載の渋滞発生予防装置によれば、制御手段は、自車両の前方側の所定領域に内に先行車両が存在しない場合には、自車両の走行速度を低下させるメッセージを報知すると共に、制御指令出力手段を介し、自車両に対して走行速度を低下させるための制御指令を出力する。したがって、実際に渋滞が発生している場合についても請求項3と同様に、ドライバが運転操作を積極的に行わずとも、自車両前方の安全が確認された上で走行速度を自動的に低下させることができる。
【0011】
請求項6記載の渋滞発生予防装置によれば、車速維持車両報知手段は、自車両が渋滞の発生を回避するための走行速度を維持する車両となることを後続車両に報知する。したがって、後続車両のドライバは、上記報知に基づいて前方車両と同じ走行速度を維持するようにすれば、渋滞の延伸を防止することができる。
【0012】
請求項7記載の渋滞発生予防装置によれば、地図データ記憶手段に記憶される渋滞発生予測地点等の情報を、外部と通信することで取得して更新する機能を備えるので、道路状況の変化などによって渋滞発生予測地点等が消滅したり、新たに発生した場合でも、地図データ記憶手段の情報を最新の状態に維持することができる。
【0013】
請求項8記載の渋滞発生予防システムによれば、車載機の制御手段は、車両の現在位置が、渋滞発生予測地点等に対して所定距離内となる位置に到達すると、自車両のID情報と、現在位置情報と、速度情報とを交通情報センタに送信する。交通情報センタは、前記各情報を受信すると、前記車両が接近しつつある渋滞発生予測地点等に渋滞が発生していない場合で、且つ、前記車両の走行速度が所定速度以下である場合は、前記車載機に対して走行速度の維持若しくは上昇を促すためのメッセージ情報を送信する。すると、車載機の制御手段は、そのメッセージ情報を受信して報知する。
【0014】
すなわち、交通情報センタは、所定の領域内の道路交通情報を収集して各地における渋滞発生の有無を把握し、前記領域内を走行している車両の情報も車載機を介して得ることができる。したがって、渋滞発生予測地点等に実際に渋滞が発生しているか否かも判断することができ、渋滞発生予測地点等に接近しつつある車両に対してどのような情報を与えるべきかも客観的に判断可能である。そして、車両の乗員は、車載機を介して交通情報センタからのメッセージを受信することで、自車両が渋滞発生予測地点等に接近しつつある場合に、どのように運転を行えば良いかを認識できるので、未だ渋滞が発生していない状況にある場合は走行速度の低下を防止するようにして、渋滞の発生を予防することができる。
【0015】
請求項9記載の渋滞発生予防システムによれば、交通情報センタは、前記車両が接近しつつある渋滞発生予測地点等に渋滞が発生している場合で、且つ、前記車両の走行速度が所定速度を超えている場合は、前記車両の車載機に対して走行速度の低下を促すためのメッセージ情報を送信し、前記車載機の制御手段は、そのメッセージ情報を受信すると、当該メッセージの内容を報知する。したがって、実際に渋滞が発生している場合は、ドライバが走行速度を低下させるようにして渋滞に備えることができる。
【0016】
請求項10記載の渋滞発生予防システムによれば、交通情報センタは、車載機に対して走行速度の低下を促すためのメッセージ情報を送信する場合は、渋滞車列の最後尾に位置する車両より受信した速度情報とメッセージ情報の送信対象車両の走行速度とを比較して、渋滞を緩和する,若しくは更なる渋滞の延伸を防止するために適切な走行速度を計算すると、その速度情報も併せて送信する。そして、車載機の制御手段は、受信したメッセージの内容と共に設定すべき走行速度を報知する。したがって、車両の乗員は、渋滞を緩和するために適切な速度を設定して運転することができる。
【0017】
請求項11記載の渋滞発生予防システムによれば、車載機の制御手段は、交通情報センタに対して渋滞発生予測地点等の情報の送信を要求すると、交通情報センタは、その時点で自身が保持している渋滞発生予測地点等の情報を前記車載機に送信する。そして、車載機の制御手段は、送信された情報を受信すると、地図データ記憶手段における渋滞発生予測地点等の情報を更新する。したがって、道路状況等の変化などによって渋滞発生予測地点等が消滅したり、新たに発生した場合でも、車載機側の地図データ記憶手段の情報を最新の状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施例であり、渋滞発生予防システムの全体構成を示す機能ブロック図
【図2】制御装置が行う処理内容を示すフローチャート
【図3】A地点の一例を示す図
【図4】表示装置に表示されるナビゲーション画面の一例を示す図
【図5】第2実施例であり、渋滞発生予測道路区間の一例を示す図
【図6】図2相当図
【図7】第3実施例を示す図3相当図
【図8】図2相当図
【図9】図4相当図
【図10】第4実施例であり、ナビゲーション装置,情報センタそれぞれの処理内容を示すフローチャート
【図11】第5実施例を示す図8相当図
【図12】第6実施例を示す図1相当図
【図13】図2相当図
【図14】第7実施例を示す図10相当図
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施例)
以下、第1実施例について図1ないし図4を参照して説明する。図1は、渋滞発生予防システム1の全体構成を示す概略的な機能ブロック図である。この渋滞発生予システム1は、情報センタ2と、車両用ナビゲーション装置(渋滞発生予防装置,車載機)3とを含んで構成されている。車両用ナビゲーション装置3は、位置検出器(現在位置取得手段)4、地図データ入力部(地図データ記憶手段)8、操作スイッチ群9、制御装置(制御手段,報知手段)10、外部メモリ11、表示装置(報知手段)12、送受信機(交通情報取得手段)13、音声コントローラ(報知手段)14、スピーカ(報知手段)15、音声認識装置16、マイク17、リモコンセンサ18、リモートコントロール端末(以下リモコンと称する)19、データ通信手段(交通情報取得手段)20を備えて構成されている。
【0020】
制御装置10はマイクロコンピュータにより構成され、内部にはCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)を備えている。制御装置10は、位置検出器4、地図データ入力部8、操作スイッチ群9、外部メモリ11、表示装置12、送受信機13、音声コントローラ14、スピーカ15、音声認識装置16、リモコンセンサ18から入力された各種情報に基づき、所定の処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内開始処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理、報知制御処理等)を実行する。また、制御装置10は、操作スイッチ群9を使ったユーザ指示や、定期時間毎にデータ通信手段20に指示して相方向通信を行う。
【0021】
位置検出器4は、ジャイロスコープ5、距離センサ6、及び衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機7,車速センサ(速度検知手段)30を有している。これらの各センサ5、6、7、30は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更にステアリングの回転角センサ、各転動輪に配置される車輪速センサ等を用いてもよい。
【0022】
地図データ入力部8は、記憶媒体(図示せず)が装着され、該記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための装置である。記憶媒体は、例えばCD−ROM,DVD−ROM,HDD(ハード・ディスク・ドライブ),メモリカード等である。制御装置10は、位置検出器4により検出した自車両位置と、前記地図データとにより、自車両の走行道路の道路種別を判定可能である。また、上記の地図データには、渋滞の発生が予測される地点(渋滞発生予測地点,A地点と称す)が予め記憶されている。
【0023】
操作スイッチ群9は、例えば表示装置12と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御装置10に各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等)の操作指示を行う。また、リモコン19には複数の操作スイッチが設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ18を介して各種指令信号を制御装置10に入力し、制御装置10に各種機能を実行させる。なお、操作スイッチ群9とリモコン19は、何れのスイッチ操作によっても制御装置10に同じ機能を実行させることが可能である。
【0024】
リモコン19を介してリモコンセンサ18から、あるいは操作スイッチ群9により目的地が設定されると、制御装置10は、位置検出器4により検出された現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に探索して誘導経路を設定し表示する。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。設定された経路は、地図データ入力部8の情報に基づき表示装置12に表示される表示地図上に位置検出器4により検出された現在位置マークと共に重畳表示される。表示地図には、現在位置、経路のほかに、現在時刻、渋滞情報、注意喚起情報など他の情報も付加表示できる。
【0025】
外部メモリ11は、HDD等の書き込み可能な大容量記憶装置である。外部メモリ11には大量のデータや電源をOFFしても保持すべきデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力部8からコピーして利用する等の用途がある。なお、外部メモリ11は、比較的記憶容量の小さいリムーバルなメモリ(フラッシュメモリなど)であってもよい。
【0026】
表示装置12は、ナビゲーションとして地図や目的地選択画面、さらに注意喚起情報の案内事項等を表示により報知するもので、フルカラー表示が可能であり、例えば液晶表示デバイスや、有機EL表示デバイス等を用いて構成される。
送受信機13は、外部,例えばVICS(登録商標)センタ31などから提供される交通情報等を受信し、また外部へ車両情報、ユーザ情報等を発信する装置である。外部から受け取った情報は制御装置10で処理する。また必要であれば、その制御装置10で処理した情報を送受信機13から送信することもできる。
【0027】
スピーカ15は、音声コントローラ14から入力された音声出力信号に基づき所定の音声(案内のための音声や画面操作の説明、音声認識結果、注意喚起情報の案内事項等)を外部に報知する。マイク17は、操作者が発声した音声を電気信号として音声認識装置16に入力する。音声認識装置16は、マイク17を介し発声された操作者の入力音声と、内部に記憶する認識辞書(図示せず)中の語彙データ(比較対象パターン)とを照合し、最も一致度の高いものを認識結果として音声コントローラ14に入力する。
音声コントローラ14は、音声認識装置16を制御すると共に、音声入力のあった操作者に対し、スピーカ15を通じてトークバック出力制御(音声出力)する。また、音声認識装置16の認識結果を制御装置10に入力する処理も行う。
【0028】
制御装置10は、音声認識装置16からの情報に基づき、操作者の発声に対する所定の処理(例えば、上述した各種機能に対応する処理等)を実行する。また、制御装置10で処理された経路案内音声情報等は、音声コントローラ14を介してスピーカ15から適宜報知される。
【0029】
データ通信手段20は、データによる相方向通信機能を有しており、例えば携帯電話や自動車電話等で構成され、制御装置10に接続されている。また、データ通信手段20が情報センタ2からの要求を受信した場合にも相互通信が可能な状態になる。また、制御装置10は、データ通信手段20を介して情報要求(文字情報、気象情報、他車情報、施設情報、広告情報など)を要求することで情報センタ2より情報を得る。
情報センタ2は、電話局22を介して通信する回線端末装置23と、文字情報、音楽情報、交通情報、気象情報、他車情報、施設情報、広告情報など必要な情報をコンテンツとして加工するサーバ24と、それらの各情報など必要なデータをコンテンツとして蓄積しておくデータベース25を備え、電話局22を通じて無線基地局21に接続されており、無線基地局21から車両用ナビゲーション装置3との間でデータの送受信を行う。
【0030】
上述の車両用ナビゲーション装置3には、自車両(プローブカー)の各種センサからのセンサ信号や、各部の動作状況情報といった車両情報を取得可能であり、これら車両情報や自車両の位置情報などをプローブ情報として情報センタ2に送信するようになっている。また、目的地を設定した場合は、その目的地情報を前記情報センタ2に送信する。
情報センタ2は、通信によって得た前記プローブ情報をサーバ24によって加工し、種々の走行関連情報をデータベース25に蓄積する。前記走行関連情報には、施設情報や、注意喚起情報(路面情報や天候情報、又、渋滞情報など)などが含まれる。そして、情報センタ2は、車両から案内情報要求が送信されると、サーバ24が必要な注意喚起情報をデータベース25より検索し、回線端末装置23を使用してデータ送信する。
【0031】
次に、本実施例の作用について図2ないし図4を参照して説明する。図2は、制御装置10が行う処理内容を示すフローチャートである。尚、この処理は、例えば1分程度の周期で繰り返し実行されるようになっている。制御装置10は、自車両の現在位置が、地図データ上で進行方向に位置する最も近いA地点に対して、所定距離(例えば、数km〜数100m)以内に近付いたか否かを判断する(ステップS1)。
【0032】
ここで、図3にはA地点の一例を示す。このように、ある程度の上り勾配であり、且つ距離が比較的長い坂道が続くような場合は、ドライバが意識することなく、車両の速度が上り坂を走行している間に自然に低下してしまうことが多い。そして、前方車両の速度が低下すると、それに伴い後続車両の速度も連鎖的に低下するため、渋滞の発生が予測されるA地点となる。その他、A地点としては、例えばトンネルの入口や、道路上で車線が減少する地点などが想定される。
【0033】
上記のようなA地点(例えば、上り勾配が始まる地点)に対して、自車両が所定距離以内に近付いた場合(ステップS1:YES)、制御装置10は、VICSセンタ31(又は情報センタ2)から提供される交通情報等を受信し、自車両の前方で、A地点の周辺に渋滞が発生していないか否かを判断する(ステップS2)。
ステップS2で取得した交通情報から、A地点の周辺に渋滞が発生していないと判断すると(YES)、制御装置10は、車速センサ30から、自車両の走行速度が渋滞を回避するのに適切な速度よりも低下しているか否かを判断する(ステップS3)。ここで、「渋滞を回避するのに適切な速度」とは、例えば走行中の道路に設定されている制限速度の80%を上回るような速度とする。
【0034】
ステップS3で走行速度が低下していると判断すると(YES)、制御装置10は、例えばスピーカ15より音声によるメッセージを出力することで、ドライバに対して走行速度を低下させないように注意を喚起する。例えば「この先、自然渋滞発生ポイントです。速度低下に注意して走行してください。」といったメッセージを出力する(ステップS4)。図4は、この場合に表示装置12に表示されるナビゲーション画面の一例である(但し、車両がA地点を通過した直後の状態を示す)。また、図4に示すように、表示装置12の画面に文字メッセージを同時に表示させても良い。
【0035】
以上のように本実施例によれば、ナビゲーション装置3の制御装置10は、自車両の現在位置が、地図データ上に設定されている渋滞発生予測地点;A地点に対して所定距離内となる位置に到達すると、VICSセンタ31等から交通情報を取得する。そして、A地点において渋滞が発生していない場合は、車両の乗員に対して走行速度の維持(又は速度の上昇でも良い)を促すメッセージを報知するようにした。
したがって、A地点において、外部より取得した交通情報に基づき未だ渋滞が発生していないことが確実である場合にだけメッセージを報知するので、車両の乗員により適切な報知を行うことができる。また、制御装置10は、車両の走行速度が低下する傾向を示す場合にメッセージを報知するので、より必要性が高い場合に適切な報知を行うことができる。
【0036】
(第2実施例)
図5及び図6は第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例は、地図上に、A地点に替えて、渋滞発生が予測される道路区間(渋滞発生予測区間,S地点−E地点の間)が設定されている場合の処理を示す。
【0037】
先ずステップS5において、渋滞発生予測区間の開始地点であるS地点に、所定距離(以内に近付いたか否かを判断し、所定距離以内に近付いている場合は(YES,この場合、S地点を通過済みである場合も含む)、渋滞発生予測区間の終了地点であるE地点を抜けて(通過して)いないか否かを判断する(ステップS6)。E地点を抜けていなければ(YES)、VICSセンタ31などから交通情報等を受信し、自車両の前方における渋滞発生予測区間に渋滞が発生しておらず、且つE地点の周辺も渋滞が発生していないか否かを判断する(ステップS7)。そして、渋滞が発生していなければ(YES)、第1実施例と同様に、ステップS3,S4を実行する。
以上のように第2実施例によれば、地図データ上に設定されている渋滞発生予測区間についても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0038】
(第3実施例)
図7ないし図9は第3実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。第3実施例は、図7に示すように第1実施例のA地点において既に渋滞が発生している場合に、これからA地点に向かおうとしている車両の乗員に減速を促すメッセージを与えることで、渋滞の緩和・解消を図る,若しくは更なる渋滞の延伸を防止するための処理を示す。すなわち、通常は、渋滞が発生しているA地点に接近した段階で速度を急激に低下させる車両が多いため、それが渋滞の延伸を助長する原因となる場合がある。
【0039】
図8に示すフローチャートにおいて、先ず、自車両がA地点の手前に来ているか否かを判断する(ステップS11)。この場合の「手前」とは、第1実施例のステップS1における「所定距離」以上の距離に設定するのが好ましい。A地点の手前に来ている場合(YES)、やはりVICSセンタ31などから交通情報等を受信し、自車両の前方で、A地点までの間に渋滞が発生しているか否かを判断する(ステップS12)。
【0040】
ステップS12において、A地点までの間に渋滞が発生している場合(YES)、自車両から渋滞車列の最後尾までの距離が規定値(例えば、数km程度)以下か否かを判断し(ステップS13)、規定値以下であれば(YES)自車両の速度情報を取得する。そして、現在の走行速度で上記渋滞車列の最後尾に到達するまでの予測時間を求め、その予測時間が規定値(例えば、数分程度)以下か否かを判断する(ステップS14)。
【0041】
ステップS14において、予測時間が規定値以下であれば(YES)、第1実施例等と同様に、例えばスピーカ15より音声によるメッセージを出力することで、ドライバに対して走行速度を低下させるように注意を喚起する(ステップS15)。例えば「この先、自然渋滞発生中です。速度を50km/kに落とせば、渋滞緩和ができます。」といったメッセージを出力する。図9は、この場合に表示装置12に表示されるナビゲーション画面の一例である。
【0042】
以上のように第3実施例によれば、制御装置10は、A地点において既に渋滞が発生している情報が得られた場合は、自車両の乗員に対して走行速度の低下を促すメッセージを報知するので、実際に渋滞が発生している場合は、予めドライバに走行速度を低下させるようにして、A地点における渋滞を緩和することができ、または渋滞が更に延伸することを防止できる。
【0043】
また、この場合、図1に破線で示すように、ナビゲーション装置3がペースカー表示器(車速維持車両報知手段)50を備えている場合、当該表示器50をドライバの選択に応じて表示させても良い。すなわち、ペースカー表示器50は、車両の後部に配置され、当該車両が渋滞の発生を予防するための速度を維持して走行している車両であることを後続車両に示すために配置される。例えば、「渋滞予防ペースで走行中」といった文字メッセージを点滅させるなどの表示を行うようにする。斯様に構成すれば、後続車両のドライバが、上記報知に基づいて前方車両と同じ走行速度を維持することで、渋滞の発生を予防できるようになる。
【0044】
(第4実施例)
図10は本発明の第4実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。第4実施例は、第1実施例と同様の処理内容を、ナビゲーション装置3が情報センタ2と通信を行い、情報を送受信しながら行う場合を示す。図10は、ナビゲーション装置3並びに情報センタ2それぞれの処理内容である。
ナビゲーション装置3(車載機Xとする)は、ステップS1と同様にA地点に接近すると(ステップS21:YES)、自身に設定されているID情報,自車両の現在位置及び速度情報を情報センタ2に送信する(ステップS22)。すなわち、前記車両は、この場合プローブカーとしても機能している。
【0045】
情報センタ2側では、他の車載機(ナビゲーション装置)からも同様に送信される各種の情報や、VICSセンタ31より提供される交通情報を受信している(ステップS31)。そして、自身が管理しているエリア内に存在する全てのA地点について渋滞情報を生成したり、各車両の車載機より受信した位置や走行速度の情報を把握して随時更新しながら、データベース25を構築している(ステップS32)。
【0046】
情報センタ2は、ステップS22で送信された車載機Xからの情報を受信すると(ステップS33)、その車載機Xが、現在の交通状況下で走行速度を上昇させた方が良いか否かを判断する(ステップS34)。すなわち、ここではステップS32での情報を利用して、第1実施例におけるステップS2,S3の判断を情報センタ2が行う。そして、走行速度を上昇させた方が良いと判断すると(YES)、その旨を示す情報を車載機Xに送信して通知を行う(ステップS35)。それから、ステップS31に戻る。
【0047】
一方、車載機X側では、ステップS23において情報センタ2から走行速度を上昇させるべき旨の通知があったか否かを判断し、通知があった場合は(YES)ステップS4と同様に、音声によるメッセージを出力する(ステップS24)。また、ステップS23において、情報センタ2からの通知がなければ(NO)、A地点を通過したか否かを判断し(ステップS25)、通過していなければ(NO)ステップS22に戻り、通過していれば(YES)処理を終了する。
【0048】
以上のように第4実施例によれば、ナビゲーション装置3の制御装置10は、自車両がA地点に接近すると、自車両のID情報と、現在位置情報と、速度情報とを情報センタ2に送信する。情報センタ2は、各情報を受信すると、前記車両が接近しつつあるA地点に渋滞が発生していない場合で、且つ、前記車両の走行速度が所定速度以下である場合は、ナビゲーション装置3に対して走行速度の維持若しくは上昇を促すためのメッセージ情報を送信する。すると、制御装置10は、そのメッセージ情報を受信して報知する。
【0049】
すなわち、情報センタ2は、所定のエリア内について道路交通情報を収集して各地における渋滞発生の有無を把握し、前記エリア内を走行している各車両の情報も車載機を介して得ることができるので、A地点に実際に渋滞が発生しているか否かも判断でき、そのA地点に接近しつつある車両に対してどのような情報を与えるべきかも客観的に判断できる。そして、車両の乗員は、ナビゲーション装置3を介して情報センタ2からのメッセージを受信することで、自車両がA地点に接近しつつある場合に、どのように運転を行えば良いかを認識できるので、未だ渋滞が発生していない状況であれば走行速度を維持するようにして、渋滞の発生を予防できる。
【0050】
(第5実施例)
図11は本発明の第5実施例を示すものであり、第3,第4実施例と異なる部分について説明する。第5実施例は、第3実施例と同様に、A地点までの間に渋滞が発生している場合に、更なる渋滞の発生防止するため走行速度を低下させるようにメッセージを出力する処理を、第4実施例のように情報センタ2側で行う場合を示す。図11は、第3実施例の図8相当図であると共に、第4実施例のステップS34に対応する処理(但し第5実施例では、走行速度を低下させた方が良いか?を判断する)部分を詳細に示したものである。
【0051】
情報センタ2は、ステップS41〜S44において、図8のステップS11〜S14と同様の処理を行い、ステップS44で(YES)と判断すると、車載機Xの車両の速度と、渋滞車列の最後尾に位置する車両の走行速度とから、どのくらい減速するのが良いかを計算する(ステップS45)。そして、ステップS35と同様に、車載機Xに対して推奨する走行速度の情報を送信する(ステップS46)。すると、車載機Xは、ステップS22,S23に対応する処理において、情報センタ2より送信された推奨走行速度を、音声メッセージにより出力する。
【0052】
以上のように第5実施例によれば、情報センタ2は、車載機Xに対して走行速度の低下を促すためのメッセージ情報を送信する場合は、渋滞車列の最後尾に位置する車両より受信した速度情報と、車載機Xの車両の走行速度とを比較して、渋滞を緩和するために適切な走行速度を計算すると、その速度情報も併せて送信する。すると、車載機Xの制御装置10は、受信したメッセージの内容と共に設定すべき走行速度を報知するので、車両の乗員は、渋滞を緩和するために適切な速度を設定して運転することができる。
【0053】
(第6実施例)
図12及び図13は第6実施例を示すもので、第1実施例と異なる部分について説明する。第6実施例のナビゲーション装置32は、車内通信インターフェイス(I/F)33を備えており、例えば車内LAN(Local Area Network)等の通信プロトコルにより車両制御装置(車両制御手段)34と通信が可能となっている。車両制御装置34は、マイクロコンピュータ若しくはECU(Electronic Control Unit)で構成され、車両の運転制御を行うことが可能となっている。そして、制御装置(制御指令出力手段)10は、車両制御装置34に対して、自車両を運転制御するための指令を出力する。
【0054】
また、ナビゲーション装置32は、例えば超音波センサやレーザセンサなどで構成される先行車両検知センサ(先行車両検知手段)35を備えており、自車両前方における数10m〜100m程度の距離内に、先行車両が存在するか否かを検知可能となっている。尚、図12では、都合上データ通信手段20や情報センタ2等の図示を省略している。以上が、渋滞発生予防システム36を構成している。
【0055】
図13は、第1実施例の図2相当図である。この場合、ステップS3で「YES」と判断すると、制御装置10は、先行車両検知センサ35が、自車両の前方に先行車両を検知しているか否かを判断する(ステップS8)。先行車両を検知していれば(YES)ステップS4に移行し、先行車両を検知していれなければ、車両制御装置34に車速維持指令を出力すると共に、その旨を音声メッセージで出力する(ステップS9)。すると、車両制御装置34は、上記指令を受けて、車両の速度を維持するようにスロットルの開度を調整する。また、音声メッセージは、「只今、渋滞発生を防止するため、走行速度を維持するための指令を出力しています。」といった内容の音声を出力する。
【0056】
以上のように第6実施例によれば、制御装置10は、自車両の前方側の所定領域内に先行車両が存在しない場合は、自車両の走行速度を維持するメッセージを報知すると共に、自車両に対して現在の走行速度を維持させるための制御指令を車両制御装置34に出力するので、ドライバが走行速度を維持するための運転操作を積極的に行わずとも、自車両前方の安全が確認された上で走行速度が自動的に維持されるようになる。
【0057】
(第7実施例)
図14は、本発明の第7実施例である。第7実施例は、ナビゲーション装置3側の地図データ入力部8における地図データ上のA地点を、情報センタ2より送信されるデータによって更新する場合を示す。車両のキースイッチにおいてACC(アクセサリ)がONされると、ナビゲーション装置3に電源が投入されて起動する(ステップS51)。すると、制御装置10は、自身のIDと共に、情報センタ2に対して最新のA地点情報の送信要求を行う(ステップS52)。
【0058】
情報センタ2は、上記送信要求(更新要求)を受信すると(ステップS61)、その時点で保持している最新のA地点情報を、車載機X側に送信する(ステップS62)。すると、車載機Xは、地図データ入力部8のA地点情報と、情報センタ2より送信されたA地点情報とに差分があるか否かを判断し(ステップS53)、差分がある場合は(YES)地図データ入力部8のA地点情報を更新する(ステップS54)。
【0059】
以上のように第7実施例によれば、制御装置10は、情報センタ2に対して渋滞発生予測地点等の情報の送信を要求すると、情報センタ2は、その時点で自身が保持している渋滞発生予測地点等の情報を送信する。そして、制御装置10は、送信された情報を受信すると、地図データ入力部8における渋滞発生予測地点等の情報を更新する。したがって、道路状況の変化などによって渋滞発生予測地点等が消滅したり、新たに発生した場合でも、車載機側の地図データ記憶手段の情報を最新の状態に維持することができる。
【0060】
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
送受信機13,データ通信手段20の何れか一方だけを設けても良い。
例えば第1実施例において、ステップS3の判断を行うことなくステップS4を実行しても良い。
第3ないし第6実施例を、第2実施例のような渋滞発生予測区間について適用しても良い。また、渋滞発生予測地点と渋滞発生予測区間とを、双方共に取り扱っても良いことは勿論である。
第6実施例を、第3実施例のように、走行速度を低下させる場合について適用しても良い。
また、第6実施例において、ペースカー表示器50による表示を自動的に行うようにしても良い。
【符号の説明】
【0061】
図面中、1は渋滞発生予防システム、2は情報センタ(交通情報センタ)、3は車両用ナビゲーション装置(渋滞発生予防装置,車載機)、4は位置検出器(現在位置取得手段)、8は地図データ入力部(地図データ記憶手段)、10は制御装置(制御手段,報知手段,制御指令出力手段)、12は表示装置(報知手段)、13は送受信機(交通情報取得手段)、14は音声コントローラ(報知手段)、15はスピーカ(報知手段)、20はデータ通信手段(交通情報取得手段)、30は車速センサ(速度検知手段)、31はVICSセンタ(交通情報センタ)、32は車両用ナビゲーション装置(渋滞発生予防装置,車載機)、34は車両制御装置(車両制御手段)、35は先行車両検知センサ(先行車両検知手段)、36は渋滞発生予防システム、50はペースカー表示器(車速維持車両報知手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
地図データと共に、渋滞の発生が予測される地点及び/又は道路区間が記憶される地図データ記憶手段と、
外部と通信を行うことで交通情報を取得する交通情報取得手段と、
前記車両の乗員に対して報知を行うための報知手段と、
前記車両の現在位置が、前記地図データ上で渋滞発生が予測される地点又は道路区間に対して所定距離内となる位置に到達すると前記交通情報を取得し、前記地点又は道路区間において渋滞が発生していない場合には、前記車両の乗員に対し、車両の走行速度の維持を促すメッセージを報知するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする渋滞発生予防装置。
【請求項2】
前記車両の走行速度を検知する速度検知手段を備え、
前記制御手段は、前記車両の走行速度が低下する傾向を示す場合に、前記メッセージを報知することを特徴とする請求項1記載の渋滞発生予防装置。
【請求項3】
前記車両に対して走行制御指令を出力する制御指令出力手段と、
前記車両の前方側の所定領域について、先行車両の有無を検知する先行車両検知手段とを備え、
前記制御手段は、前記所定領域内に先行車両が存在しない場合には、自車両の走行速度を維持するメッセージを報知すると共に、前記制御指令出力手段を介し、前記自車両に対して現在の走行速度を維持させるための制御指令を出力することを特徴とする請求項1又は2記載の渋滞発生予防装置。
【請求項4】
前記交通情報取得手段を介して、前記地点又は道路区間において渋滞が発生している情報が得られた場合、
前記制御手段は、前記車両の乗員に対して走行速度の低下を促すメッセージを報知することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の渋滞発生予防装置。
【請求項5】
前記車両に対して走行制御指令を出力する制御指令出力手段と、
前記車両の前方側の所定領域について、先行車両の有無を検知する先行車両検知手段とを備え、
前記制御手段は、前記所定領域に内に先行車両が存在しない場合には、自車両の走行速度を低下させるメッセージを報知すると共に、前記制御指令出力手段を介し、前記自車両に対して走行速度を低下させるための制御指令を出力することを特徴とする請求項4記載の渋滞発生予防装置。
【請求項6】
前記車両が渋滞の発生を回避するための走行速度を維持する車両となることを、後続車両に報知するための車速維持車両報知手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の渋滞発生予防装置。
【請求項7】
前記地図データ記憶手段に記憶される渋滞発生が予測される地点及び/又は道路区間の情報を、外部と通信することで取得して更新する機能を備えたことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の渋滞発生予防装置。
【請求項8】
車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、前記車両の走行速度を取得する車速取得手段と、地図データが記憶される地図データ記憶手段と、外部と通信を行う通信手段と、前記車両の乗員に対して報知を行うための報知手段と、上記の各手段を制御する制御手段とを備えてなる車載機と、
前記車載機と通信を行う通信手段と、外部と通信を行うことで交通情報を取得する交通情報取得手段と、地図データと共に、渋滞の発生が予測される地点及び/又は道路区間が記憶される地図データ記憶手段と、前記取得した交通情報に基づいて、前記地図データに記憶されている地点又は道路区間について、渋滞発生の有無を判定する渋滞判定手段とを備えてなる交通情報センタとで構成され、
前記車載機の制御手段は、前記車両の現在位置が、前記地図データ上で渋滞発生が予測される地点又は道路区間に対して所定距離内となる位置に到達すると、前記車両のID情報,前記現在位置情報,前記車両の車速情報を前記交通情報センタに送信し、
前記交通情報センタは、前記各情報を受信すると、前記車両が接近しつつある渋滞発生予測地点又は渋滞発生予測道路区間に渋滞が発生していない場合で、且つ、前記車両の走行速度が所定速度以下である場合は、前記車載機に対して走行速度の維持若しくは上昇を促すためのメッセージ情報を送信し、
前記車載機の制御手段は、前記メッセージ情報を受信すると、当該メッセージの内容を報知するように制御することを特徴とする渋滞発生予防システム。
【請求項9】
前記交通情報センタは、前記車両が接近しつつある渋滞発生予測地点又は渋滞発生予測道路区間に渋滞が発生している場合で、且つ、前記車両の走行速度が所定速度を超えている場合は、前記車載機に対して走行速度の低下を促すためのメッセージ情報を送信し、
前記車載機の制御手段は、前記メッセージ情報を受信すると、当該メッセージの内容を報知するように制御することを特徴とする請求項8記載の渋滞発生予防システム。
【請求項10】
前記交通情報センタは、前記車載機に対して走行速度の低下を促すためのメッセージ情報を送信する場合は、前記渋滞車列の最後尾に位置する車両より受信した車速情報と、前記メッセージ情報を送信する対象の車両の走行速度とを比較することで渋滞を緩和するために適切な走行速度を計算すると、その速度情報も併せて送信し、
前記車載機の制御手段は、前記メッセージ情報と共に前記速度情報を受信すると、当該メッセージの内容と共に、設定すべき走行速度を報知するように制御することを特徴とする請求項8又は9記載の渋滞発生予防システム。
【請求項11】
前記車載機の制御手段は、前記交通情報センタに対して渋滞の発生が予測される地点及び/又は道路区間の情報の送信を要求すると、前記交通情報センタは、その時点で自身が保持している前記地点及び/又は前記道路区間の情報を前記車載機に対して送信し、
前記車載機の制御手段は、前記送信された情報を受信すると、当該車載機側の地図データ記憶手段における地点及び/又は道路区間の情報を更新することを特徴とする請求項8ないし10の何れかに記載の渋滞発生予防システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−69640(P2011−69640A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218970(P2009−218970)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】