説明

渦電流式試料測定方法と、渦電流センサと、渦電流式試料測定システム

【課題】 フェライトコアに巻かれた励磁コイルと交流電源の間に接続されるリード線のインダクタンス及び抵抗成分の影響を受けて、励磁コイルに供給される交流電圧を一定に保つことが出来ず測定誤差の要因となっている。
【解決手段】 渦電流センサの磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に電圧検出コイルを設け、渦電流発生時の電圧検出コイルの誘起電圧を検出コイルのインピーダンスに対して高入力インピーダンスである検出器で検出する。前記検出器で検出された検出電圧で励磁コイルに印加する高周波電圧を制御する。測定用渦電流センサと試料を測定しない非測定用渦電流センサを使用し、夫々の渦電流センサの磁心に励磁コイルとは別に設けた電圧検出コイルを夫々の誘起電圧が逆方向となるように直列接続し、非測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧と、試料測定した測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧との電圧差を前記直列接続した電圧検出コイルの測定端子で検出するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体ウェハやガラス基板等の各種基板上に、スパッタリング法、CVD法、PVD法等の各種方法により形成された金属薄膜(導電膜)などの被測定物(試料)の抵抗率、シート抵抗といった電気特性、膜厚、傷といった物理的状況等を、試料に非接触で測定できる渦電流式試料測定方法と、それに使用できる渦電流センサと、その渦電流センサを使用した渦電流式試料測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
渦電流式試料測定方法及びそれに使用される渦電流センサは従来からある。従来の渦電流センサの一例を図9、図10に示す。図9の渦電流センサは片面方式であり、図10の渦電流センサは両面方式である。図9、図10の渦電流センサでは自励発振器Aから発振される交流電流をフェライト製のコアBに巻かれたセンサコイル(励磁コイル)Cに加えると試料Dに渦電流が流れ、渦電流の影響で励磁コイルCに流れる電流が変化することを利用して試料Dの導電膜を測定できるものである。この場合、自励発振器Aから発振される交流電流は検波器Eで検波され、検波された電圧と基準電圧発生器Fから発生される基準電圧とが誤差増幅器Gで比較され、誤差増幅器Gの出力で振幅電圧制御器Hが制御されて自励発振器Aから発振される交流電圧が一定にコントロールされる。電流検波器Iでは渦電流の影響による前記電流変化を検出し、検出信号を演算処理して試料Dのシート抵抗、抵抗率、膜厚等を測定することができる。渦電流センサ、渦電流式測定方法はこの他にも各種ある(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−333439
【特許文献2】特開2006−208331
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
渦電流方式の測定原理は前記したとおり、励磁コイルCに供給される高周波電圧を一定に制御し、測定する試料Dの抵抗値により変化する電流を検出することにある。実際の測定ではコアBに巻かれた励磁コイルCと自励発振器Aの間に接続用のリード線が必要であり、リード線の長さは測定する試料の大きさにもよるが長い場合は数10cm以上必要となることがある。この場合の図9の等価回路は図11のようになる。図11のL1は励磁コイルCのインダクタンス、R1は試料Dの等価抵抗、R2は磁心の鉄損に起因する抵抗、L2、L3はリード線のインダクタンス、R3、R4はリード線の抵抗成分、V2は印加電圧、Iは電流検出器である。実際の測定では図9、図10の自励発振器Aの振幅電圧を一定に制御しているため、励起コイルCと直列に存在するリード線のインダクタンスL2、L3及び抵抗成分R3、R4の影響を受けて、励磁コイルCに供給される高周波電圧を一定に保つことが出来ず測定誤差の要因となっている。
【0005】
本発明の目的は従来の測定方法の前記課題を解決し、リード線によるインダクタンス及び抵抗成分の影響を解消して測定精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の渦電流式試料測定方法は、請求項1記載のように、試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流式試料測定方法において、渦電流センサの磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に検出コイルを設け、渦電流発生時の検出コイルの誘起電圧を高入力インピーダンスの検出器で検出する方法である。この場合、請求項2記載のように、前記渦電流式試料測定方法において、高入力インピーダンスの検出器で検出された検出電圧を、励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に使用することができる。
【0007】
本発明の渦電流式試料測定方法は、請求項3記載のように、試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流式試料測定方法において、渦電流センサとして試料を測定する測定用渦電流センサと試料を測定しない非測定用渦電流センサを使用し、夫々の渦電流センサは磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に検出コイルを備えており、両渦電流センサの検出コイルをそれらの誘起電圧が逆方向となるように直列接続して試料がセットされない場合はこの直列回路に電圧が発生しないようにし、非測定用渦電流センサに試料をセットせず測定用渦電流センサには試料をセットして両渦電流センサに励磁電圧を印加して、試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧と非測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧との電圧差を前記直列回路において高入力インピーダンスの検出器で検出し、検出された電圧を試料測定に使用する方法である。
【0008】
本発明の渦電流式試料測定方法は、請求項4記載のように、請求項3記載の渦電流式試料測定方法において、測定用渦電流センサの磁心に前記検出コイル(第一検出コイル)の他に第二検出コイルをも設け、非測定用渦電流センサに試料をセットせず測定用渦電流センサには試料をセットして両渦電流センサに励磁電圧を印加して、試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの第一検出コイルの誘起電圧と非測定用渦電流センサの第一検出コイルの誘起電圧との電圧差を前記第一検出コイルの直列回路で検出するときに、測定用渦電流センサの前記第二検出コイルの誘起電圧を高入力インピーダンス検出器で検出し、その検出電圧を励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用する方法である。
【0009】
本発明の渦電流式試料測定方法は、請求項5記載のように、請求項3記載の渦電流式試料測定方法において、測定用渦電流センサと非測定用渦電流センサの双方の磁心に前記検出コイル(第一検出コイル)の他に第二検出コイルをも設け、両渦電流センサの第二検出コイルはそれらの誘起電圧が同方向となるように直列接続し、非測定用渦電流センサに試料をセットせず測定用渦電流センサには試料をセットして両渦電流センサに励磁電圧を印加して、試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの第一検出コイルの誘起電圧と非測定用渦電流センサの第一検出コイルの誘起電圧との電圧差を前記第一検出コイルの直列回路で検出するときに、測定用渦電流センサの前記第二検出コイルの誘起電圧を高入力インピーダンス検出器で検出し、その検出電圧を励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用する方法である。
【0010】
本発明の渦電流センサは、請求項6記載のように、試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流センサにおいて、渦電流センサ磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に、試料測定により渦電流の影響を受けた渦電流センサの誘起電圧を検出する検出コイルを設けてある。
【0011】
本発明の渦電流センサは、請求項7記載のように、試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流センサにおいて、渦電流センサ磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に、試料測定により渦電流の影響を受けた渦電流センサの誘起電圧を検出する第一検出コイルと第二検出コイルを設けてある。
【0012】
本発明の渦電流式試料測定システムは、請求項8記載のように、試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流式試料測定システムにおいて、渦電流センサに請求項6記載の渦電流センサが使用され、その渦電流センサの検出コイルに高入力インピーダンスの検出器が接続され、前記渦電流発生時の検出コイルの誘起電圧を前記検出器で検出できるようにしてある。
【0013】
本発明の渦電流式試料測定システムは、請求項9記載のように、試料に交流磁界を印加
して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流式試料測定システムにおいて、渦電流センサに請求項6記載の渦電流センサが2セット使用され、両渦電流センサの一方は測定用渦電流センサ、他方は非測定用渦電流センサとされ、両渦電流センサの検出コイルはそれらの誘起電圧が逆方向となるように直列接続されて試料がセットされない場合はこの直列回路に電圧が発生しないようにし、非測定用渦電流センサに試料をセットせず測定用渦電流センサには試料をセットして両渦電流センサに励磁電圧を印加して試料測定すると、渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧と非測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧との電圧差が前記直列回路で検出できるようにしたものである。
【0014】
本発明の渦電流式試料測定システムは、請求項10記載のように、請求項9記載の渦電流式試料測定システムにおいて、測定用渦電流センサに請求項7記載の渦電流センサが使用され、非測定用渦電流センサに請求項6記載の渦電流センサが使用され、両渦電流センサの第一検出コイルはそれらの誘起電圧が逆方向となるように直列接続され、第一検出コイルの前記直列回路での誘起電圧の差分電圧検出時に測定用渦電流センサの第二検出コイルの誘起電圧をも検出でき、前記直列回路で検出した差分電圧は試料測定に、前記第二検出コイルで検出した誘起電圧は励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用できるようにしてある。
【0015】
本発明の渦電流式試料測定システムは、請求項11記載のように、請求項9記載の渦電流式試料測定システムにおいて、測定用渦電流センサと非測定用渦電流センサに請求項7記載の渦電流センサが使用され、両渦電流センサの第一検出コイルはそれらの誘起電圧が逆方向となるように直列接続され、両渦電流センサの第二検出コイルは誘起電圧が同方向となるように直列接続され、第一検出コイルの前記直列回路での誘起電圧の差分電圧検出時に第二検出コイルの前記直列回路において測定用渦電流センサの第二検出コイルの誘起電圧をも検出でき、前記直列回路で検出した差分電圧は試料測定に、前記第二検出コイルで検出した誘起電圧は励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用できるようにし手ある。
【発明の効果】
【0016】
本発明の渦電流式測定方法は次のような効果がある。
(1)請求項1記載の渦電流式測定方法では、渦電流センサの磁心に励磁コイルとは別の電圧検出コイルを設けて、試料測定時に電圧検出コイルに誘起される誘起電圧を検出するので、励磁コイルのリード線のインダクタンス、抵抗等の影響を受けることなく励磁コイルの励起電圧を検出でき、試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚などを従来方式に比べて高精度、高感度で測定可能となり、励磁コイルの入力端子で励起電圧を検出していた従来の測定方法では検出困難であった試料の潜在的課題を検出することも可能となる。
(2)請求項2記載の渦電流式測定方法は、高入力インピーダンスの検出器で検出された検出電圧を、励磁コイルに印加する印加電圧の制御に使用するので、印加電圧の安定化を図ることができる。
(3)請求項3記載の渦電流式測定方法は、非測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧と試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧との電圧差を検出する差動方式であるため、渦電流による影響を受けた励磁コイルの印加電圧のみを高精度、高感度で検出できる。
(4)請求項4、5記載の渦電流式測定方法は、非測定用渦電流センサの誘起電圧と試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの誘起電圧との電圧差検出時に、測定用渦電流センサの第二検出コイルの誘起電圧を検出し、その検出電圧を励磁コイルに印加する印加電圧の制御に使用するので、印加電圧のより一層の安定化を図ることができる。
(5)請求項1〜5記載の渦電流式測定方法は、検出コイルの誘起電圧を、そのコイルのインピーダンスに対して高入力インピーダンスの検出器で検出するので、電圧測定回路には微少電流しか流れず、励磁コイルのリード線のインダクタンス、抵抗等の影響を受けることなく励磁コイルの印加電圧を高精度、高感度で検出できる。
【0017】
本発明の渦電流センサは次のような効果がある。
(1)請求項6記載の渦電流センサは、磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に、試料測定により渦電流の影響を受けた渦電流センサの誘起電圧を検出する検出コイルを備えているので、検出コイルに高入力インピーダンスである検出器で接続することにより前記誘起電圧を検出可能であり、この検出電圧を励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用できるため、励磁コイルのリード線のインダクタンス、抵抗等の影響を受けることなく励磁コイルの印加電圧を高精度、高感度で検出可能となる。
(2)請求項7記載の渦電流センサは、磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に、試料測定により渦電流の影響を受けた渦電流センサの誘起電圧を検出する第一検出コイルと第二検出コイルを備えたので、両検出コイルに高入力インピーダンスである検出器を接続することにより前記誘起電圧を検出可能であり、第一検出コイルの検出電圧は励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用でき、第二検出コイルの検出電圧は試料測定に利用できるため、励磁コイルのリード線のインダクタンス、抵抗等の影響を受けることなく励磁コイルの印加電圧をより一層高精度、高感度で検出可能となる。
【0018】
本発明の渦電流式試料測定システムは次のような効果がある。
(1)請求項8記載の渦電流式試料測定システムは、渦電流センサの磁心に励磁コイルとは別に検出コイルを設けて両コイルを完全に独立させて設け、検出コイルに接続された高入力インピーダンスの検出器により、試料へ高周波電圧印加時に電圧検出コイルに誘起される誘起電圧を測定できるようにしたので、励磁コイルのリード線のインダクタンス、抵抗等の影響を受けることなく励磁コイルへの印加電圧を検出でき、高精度、高感度となり、微小単位の抵抗値も測定可能となる。この検出電圧を励磁コイルに印加する高周波電圧発振器の電圧制御に使用できるので印加電圧の安定化を図ることができる。
(2)請求項9記載の渦電流式試料測定システムでは、非測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧と試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧との電圧差を検出できる差動式であるため、渦電流による影響を受けた励磁コイルの印加電圧のみを高精度、高感度で検出できる。この場合、電圧検出回路は差動電圧の振幅に対する感度設定でよいので高感度測定が可能となると共にセンサの温度によるドリフトなども軽減できる。
(3)請求項10、請求項11記載の渦電流式試料測定システムでは、非測定用渦電流センサと測定用渦電流センサに第一検出コイルの他に第二検出コイルをも設けて、非測定用渦電流センサの第二コイルの誘起電圧と試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの第二検出コイルの誘起電圧との電圧差を検出するときに、測定用渦電流センサの第二検出コイルの誘起電圧を検出できるようにしたので、その検出電圧を励磁コイルに印加する印加電圧の制御に使用でき、印加電圧のより一層の安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(渦電流式測定方法及び渦電流式試料測定システムの実施形態1)
本発明の渦電流センサの実施形態の一例を図1に示す。この渦電流センサは図1(c)の形状のコア(磁心)Bに図1(a)のようにセンサコイル(励磁コイル)Cを巻いてその両端子を交流電圧印加端子とし、励磁コイルCの上に重ねて検出コイル1を巻いて、その両端子を検出端子としてある。コアBはフェライト製が適するが他の材質であってもよい。検出コイル1は励磁コイルCとは別の箇所に巻くこともできる。励磁コイルCの巻き数と検出コイル1の巻き数は任意に選択することができる。
【0020】
本発明の渦電流式測定方法及び渦電流式試料測定システムの一例を図2に示す。図2は図1に示す渦電流センサ2を試料Dの一面側に配置した片面センサ式である。図2では渦電流センサ2のコアBに巻かれた励磁コイルCに自励発振器Aから発振される交流電圧(高周波電圧)を加えると、渦電流センサ2に対向させた(セットした)試料Dに渦電流が流れ、渦電流の影響で励磁コイルCに流れる電流が変化する。この電流変化に伴う電圧変化が検出コイル1の両端(測定端)に接続された高入力インピーダンス検出器Jで検出される。その検出電圧は検波器Eで検波され、この検波電圧と、基準電圧発生器Fから発生される基準電圧とが誤差増幅器Gで比較され、誤差増幅器Gからの出力で振幅電圧制御器Hが制御されて自励発振器Aから発振される交流電圧が一定にコントロールされて励磁コイルCに加えられるようにしてある。このとき、前記渦電流の影響で励磁コイルCに流れる電流変化が電流検出器Iで検出され、その検出値から、試料Dに渦電流が発生することより生じた消費電力、即ち、試料Dの抵抗率やシート抵抗等を知ることができ、その検知に基づいて導電膜の膜厚、傷等を知ることができる。前記高入力インピーダンス検出器Jのインピーダンスは検出コイル1のリード線のインダクタンス及び抵抗分(インピーダンス)に対して数倍の高インピーダンスである。図2の渦電流式試料測定システムの等価回路は図3のようになる。
【0021】
(渦電流式測定方法及び渦電流式試料測定システムの実施形態2)
本発明の渦電流式測定方法及び渦電流式試料測定システムの第二の例を図4に示す。この渦電流式測定方法は図1に示す渦電流センサ2を2つ使用し、両渦電流センサ2を対向させ、両渦電流センサ2間のギャップに試料Dを入れる(セットできる)ようにした両面センサ方式である。図4の両渦電流センサ2のコアBに巻かれた励磁コイルCの巻き方向は、両渦電流センサ2の磁束φの発生方向(フレミングの右手の法則に基づく磁力発生方向)が図4のように互いに加算される方向になるようにする。磁束φの発生方向は励磁コイルCに流れる高周波電流の変化に応じて反転する。
【0022】
図4では、両渦電流センサ2のコアBに巻かれた励磁コイルCに、自励発振器Aから発振される交流電圧(高周波電圧)を加えると、ギャップ内にセットした試料Dに渦電流が流れ、渦電流の影響で励磁コイルCに流れる電流が変化する。この電流変化に伴う電圧変化が検出コイル1の両端(測定端)に接続された高入力インピーダンス検出器Jで検出される。その検出電圧は検波器Eで検波され、その検波電圧と基準電圧発生器Fから発生される基準電圧とが誤差増幅器Gで比較され、誤差増幅器Gからの出力で振幅電圧制御器Hが制御されて自励発振器Aから発振される交流電圧が一定にコントロールされて励磁コイルCに加えられるようにしてある。このときも、前記渦電流の影響で励磁コイルCに流れる電流変化が電流検出器Iで検出され、その検出値から、試料Dに渦電流が発生することより生じた消費電力、即ち、試料Dの抵抗率やシート抵抗等を知ることができ、その検知に基づいて導電膜の膜厚、傷等を知ることができる。
【0023】
(渦電流式試料測定方法及び渦電流式試料測定システムの実施形態3)
本発明の渦電流式試料測定方法及び渦電流式試料測定システムの第三の例を図5に示す。図5は片面式の渦電流センサ2を2セット使用した片面センサ差動方式であり、第一渦電流センサ2はその励磁コイルCに励磁電流を流して試料Dを測定する測定用センサとし、第二渦電流センサ2は試料をセットせずに励磁コイルCに励磁電流を流すだけの非測定用としてあり、両渦電流センサ2の検出コイル1は夫々の誘起電圧が逆方向となるように直列接続して、試料がない場合は励磁コイルCに励磁電圧を印加してもこの直列回路に誘起電圧が発生しないようにしてある。
【0024】
図5において、両渦電流センサ2の励磁コイルCに自励発振器Gから発振される交流電圧を加えると、測定用渦電流センサ(第一渦電流センサ)2のギャップ内にセットした試料Dに渦電流が流れ、渦電流の影響で励磁コイルCに流れる電流が変化するが、非測定用渦電流センサ(第二渦電流センサ)2のギャップ内には試料がセットされていないので渦電流損が発生しない。このとき両渦電流センサ2の検出コイル1に電圧が誘起されるが、前記直列接続された両検出コイル1の両端(測定端)電圧は両誘起電圧の差分電圧となる。この差分電圧が高入力インピーダンス検出器Jで検出される。高入力インピーダンス検出器Jのインピーダンスは両検出コイル1のリード線のインダクタンス及び抵抗分(インピーダンス)に対して数倍の高インピーダンスであるため前記差分電圧は測定用渦電流センサで試料測定されたときの渦電流の影響による電圧のみとなり、両検出コイル1と高入力インピーダンス検出器Jの間のリード線のインピーダンスは無視できる値(相殺された値)となる。
【0025】
図5の渦電流式試料測定方法では、励磁コイルCに印加される交流電圧が変動しても、高入力インピーダンス検出器Jで検出される出力は、前記のように差分電圧、即ち、測定用渦電流センサ2の試料Dに渦電流が発生することより生じた消費電力、即ち、試料Dの抵抗率やシート抵抗等だけとなる。この出力は試料の導電膜の膜厚、傷等の演算処理に使用し、振幅電圧制御器Hの制御には使用しな。図5では、振幅電圧制御器Hの制御には基準電圧発生器Fから発生される基準電圧と、自励発振器Aから検波した検波電圧とを誤差増幅器Gで比較し、誤差増幅器Gからの出力で振幅電圧制御器Hを制御して、自励発振器Aから発振される交流電圧を一定にコントロールして励磁コイルCに加えるようにしてある。
【0026】
(渦電流式試料測定方法及び渦電流式試料測定システムの実施形態4)
本発明の渦電流式試料測定方法及び渦電流式試料測定システムの第四の例を図6に示す。図6に示すものは両面式の渦電流センサ2を2セット使用した両面センサ差動方式である。図6の両渦電流センサ2のコアBに巻かれた励磁コイルCの巻き方向も、両渦電流センサ2の磁束φの発生方向が図6のように互いに加算される方向になるようにしてある。この磁束φも励磁コイルCに流れる高周波電流の変化に対応して発生方向が反転する。
【0027】
図6の2つの渦電流センサ2の検出コイル1は夫々の誘起電圧が逆方向となるように直列接続されており、第一渦電流センサ2は励磁コイルCに励磁電流を流して試料Dを測定する測定用センサ、第二渦電流センサ2は試料をセットせずに励磁コイルCに励磁電流を流すだけの非測定用渦電流センサとしてある。両渦電流センサ2の夫々の励磁コイルCに励磁電流が流れることにより両渦電流センサ2の夫々の検出コイル1には誘起電圧が誘起される。図6では両検出コイル1は誘起電圧が逆方向になるように直列接続されている。
【0028】
図6において、両渦電流センサ2の励磁コイルCに自励発振器Gから発振される交流電圧を加えると、測定用渦電流センサ(第一渦電流センサ)2のギャップ内にセットした試料Dには渦電流が流れ、渦電流の影響で励磁コイルCに流れる電流が変化するが、非測定用渦電流センサ(第二渦電流センサ)2のギャップ内には試料がセットされていないので渦電流損が発生しない。このとき両検出コイル1に誘起電圧が誘起されるが、前記直列接続された両検出コイル1の両端(測定端)の電圧は両誘起電圧の差分電圧となる。この差分電圧が高入力インピーダンス検出器Jで検出される。検出される出力は図5の場合と同様に差分電圧、即ち、測定用渦電流センサ2の試料Dに渦電流が発生することより生じた消費電力、即ち、試料の抵抗率やシート抵抗等だけとなるため、振幅電圧制御器Hの制御には利用せず、試料の導電膜の膜厚、傷等の演算処理に使用する。図6でも基準電圧発生器Fから発生される基準電圧と、自励発振器Aから検波した検波電圧とが誤差増幅器Gで比較され、誤差増幅器Gからの出力で振幅電圧制御器Hが制御されて、自励発振器Aから発振される交流電圧が一定にコントロールされて励磁コイルCに加えられるようにしてある。
【0029】
(渦電流式試料測定方法及び渦電流式試料測定システムの実施形態5)
本発明の渦電流式試料測定方法及び渦電流式試料測定システムの第五の例を図7に示す。
図7に示すものは図1(b)のように励磁コイルC、検出コイル1の他に第二検出コイル3を設けた渦電流センサ2を2セット使用した両面センサ差動方式であり、2セットの渦電流センサ2に第二検出コイル3を巻き、2セットの渦電流センサ2の第二検出コイル3を夫々の誘起電圧が同方向となるように直列接続してある。図7の両渦電流センサ2の励磁コイルCの巻き方向も、両渦電流センサ2の磁束φの発生方向が図7のように互いに加算される方向になるようにしてある。この磁束φも励磁コイルCに流れる高周波電流の変化に対応して発生方向が反転する。
【0030】
図7でも第一渦電流センサ2は励磁コイルCに励磁電流を流して試料Dを測定する測定用センサとし、第二渦電流センサ2は試料をセットせずに励磁コイルCに励磁電流を流すだけの非測定用渦電流センサとしてある。図7の非測定用渦電流センサ(第二渦電流センサ)2に試料をセットせず、測定用渦電流センサ(第一渦電流センサ)2には試料Dをセットして両渦電流センサ2に励磁電圧を印加すると、非測定用渦電流センサ2の第一検出コイル1の誘起電圧と測定用渦電流センサ2の第一検出コイル1の誘起電圧の差が高入力インピーダンス検出器Jで検出される。このとき、試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの第二検出コイル3の誘起電圧が第二の高入力インピーダンス検出器K(図7)で検出され、その検出電圧が検波器Eで検波され、誤差増幅器Gに入力されて、振幅電圧制御器Hの制御に使用できるようにしてある。
【0031】
(渦電流式試料測定方法及び渦電流式試料測定システムの実施形態6)
本発明の渦電流式試料測定方法及び渦電流式試料測定システムの第六の例を図8に示す。これは第二検出コイル3を測定用渦電流センサ2のコアのみに巻いて、非測定用渦電流センサ2のコアには巻かない方式である。この場合も、非測定用渦電流センサ2に試料をセットせず、測定用渦電流センサ2には試料Dをセットして両渦電流センサ2に励磁電圧を印加すると、非測定用渦電流センサ2の第一検出コイル1の誘起電圧と測定用渦電流センサ2の第一検出コイルの誘起電圧の差が高入力インピーダンス検出器Jで検出され、同時に、試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサ2の第二検出コイル3の誘起電圧が第二の高入力インピーダンス検出器K(図8)で検出される。この検出電圧を検波器Eで検波し、誤差増幅器Gに入力して、振幅電圧制御器Hの制御に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)、(b)は本発明の検出コイル付き渦電流式センサの異なる巻線例を示す概要図、(c)は渦電流式センサのコアの斜視図。
【図2】本発明の片面センサ方式の渦電流式測定システムの一例の説明図。
【図3】図2の渦電流式測定用システムの等価回路図。
【図4】本発明の両面センサ方式の渦電流式測定システムの一例の説明図。
【図5】本発明の片面センサ差動方式の渦電流式測定システムの一例の説明図。
【図6】本発明の両面センサ差動方式の渦電流式測定システムの一例の説明図。
【図7】本発明の第二検出センサを設けた片面センサ差動方式の渦電流式測定システムの一例の説明図。
【図8】本発明の第二検出センサを設けた両面センサ差動方式の渦電流式測定システムの一例の説明図。
【図9】従来の片面センサ方式の渦電流式測定システムの説明図。
【図10】従来の両面センサ方式の渦電流式測定システムの説明図。
【図11】従来の片面センサ方式の渦電流式測定システムの等価回路図。
【符号の説明】
【0033】
1 検出コイル(第一検出コイル)
2 渦電流センサ
3 第二検出コイル
A 自励発信器
B コア(磁心)
C センサコイル(励磁コイル)
D 試料
E 検波器
F 基準電圧発生器
G 誤差増幅器
H 振幅電圧制御器
I 電流検出器
J 高入力インピーダンス検出器
K 第二の高入力インピーダンス検出器
L1 励磁コイルのインダクタンス
L2、L3 リード線のインダクタンス
R1 試料の等価抵抗
R2 磁心の鉄損に起因する抵抗
R3、R4 リード線の抵抗成分
V1 検出電圧
V2 印加電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流式試料測定方法において、渦電流センサの磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に検出コイルを設け、渦電流発生時の検出コイルの誘起電圧を高入力インピーダンスの検出器で検出することを特徴とする渦電流式試料測定方法。
【請求項2】
請求項1記載の渦電流式試料測定方法において、高入力インピーダンスの検出器で検出された検出電圧を、励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に使用することを特徴とする渦電流式試料測定方法。
【請求項3】
試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流式試料測定方法において、渦電流センサとして試料を測定する測定用渦電流センサと試料を測定しない非測定用渦電流センサを使用し、夫々の渦電流センサは磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に検出コイルを備えており、両渦電流センサの検出コイルをそれらの誘起電圧が逆方向となるように直列接続して試料がセットされない場合はこの直列回路に電圧が発生しないようにし、非測定用渦電流センサに試料をセットせず測定用渦電流センサには試料をセットして両渦電流センサに励磁電圧を印加して、試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧と非測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧との電圧差を前記直列回路において高入力インピーダンスの検出器で検出し、検出された電圧を試料測定に使用することを特徴とする渦電流式試料測定方法。
【請求項4】
請求項3記載の渦電流式試料測定方法において、測定用渦電流センサの磁心に前記検出コイル(第一検出コイル)の他に第二検出コイルをも設け、非測定用渦電流センサに試料をセットせず測定用渦電流センサには試料をセットして両渦電流センサに励磁電圧を印加して、試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの第一検出コイルの誘起電圧と非測定用渦電流センサの第一検出コイルの誘起電圧との電圧差を前記第一検出コイルの直列回路で検出するときに、測定用渦電流センサの前記第二検出コイルの誘起電圧を高入力インピーダンス検出器で検出し、その検出電圧を励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用することを特徴とする渦電流式試料測定方法。
【請求項5】
請求項3記載の渦電流式試料測定方法において、測定用渦電流センサと非測定用渦電流センサの双方の磁心に前記検出コイル(第一検出コイル)の他に第二検出コイルをも設け、両渦電流センサの第二検出コイルはそれらの誘起電圧が同方向となるように直列接続し、非測定用渦電流センサに試料をセットせず測定用渦電流センサには試料をセットして両渦電流センサに励磁電圧を印加して、試料測定により渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの第一検出コイルの誘起電圧と非測定用渦電流センサの第一検出コイルの誘起電圧との電圧差を前記第一検出コイルの直列回路で検出するときに、測定用渦電流センサの前記第二検出コイルの誘起電圧を高入力インピーダンス検出器で検出し、その検出電圧を励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用することを特徴とする渦電流式試料測定方法。
【請求項6】
試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流センサにおいて、渦電流センサ磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に、試料測定により渦電流の影響を受けた渦電流センサの誘起電圧を検出する検出コイルを設けたことを特徴とする渦電流センサ。
【請求項7】
試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流センサにおいて、渦電流センサ磁心に交流磁界を発生させる励磁コイルとは別に、試料測定により渦電流の影響を受けた渦電流センサの誘起電圧を検出する第一検出コイルと第二検出コイルを設けたことを特徴とする渦電流センサ。
【請求項8】
試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流式試料測定システムにおいて、渦電流センサに請求項6記載の渦電流センサが使用され、その渦電流センサの検出コイルに高入力インピーダンスの検出器が接続され、前記渦電流発生時の検出コイルの誘起電圧を前記検出器で検出できるようにしたことを特徴とする渦電流式試料測定システム。
【請求項9】
試料に交流磁界を印加して渦電流を発生させ、その渦電流による電力吸収に伴う電流変動を検出して試料の抵抗率、シート抵抗、膜厚といった各種測定を行う渦電流式試料測定システムにおいて、渦電流センサに請求項6記載の渦電流センサが2セット使用され、両渦電流センサの一方は測定用渦電流センサ、他方は非測定用渦電流センサとされ、両渦電流センサの検出コイルはそれらの誘起電圧が逆方向となるように直列接続されて試料がセットされない場合はこの直列回路に電圧が発生しないようにし、非測定用渦電流センサに試料をセットせず測定用渦電流センサには試料をセットして両渦電流センサに励磁電圧を印加して試料測定すると、渦電流の影響を受けた測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧と非測定用渦電流センサの検出コイルの誘起電圧との電圧差が前記直列回路で検出されるようにしたことを特徴とする渦電流式試料測定システム。
【請求項10】
請求項9記載の渦電流式試料測定システムにおいて、測定用渦電流センサに請求項7記載の渦電流センサが使用され、非測定用渦電流センサに請求項6記載の渦電流センサが使用され、両渦電流センサの第一検出コイルはそれらの誘起電圧が逆方向となるように直列接続され、第一検出コイルの前記直列回路での誘起電圧の差分電圧検出時に測定用渦電流センサの第二検出コイルの誘起電圧をも検出でき、前記直列回路で検出した差分電圧は試料測定に、前記第二検出コイルで検出した誘起電圧は励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用できるようにしたことを特徴とする渦電流式試料測定システム。
【請求項11】
請求項9記載の渦電流式試料測定システムにおいて、測定用渦電流センサと非測定用渦電流センサに請求項7記載の渦電流センサが使用され、両渦電流センサの第一検出コイルはそれらの誘起電圧が逆方向となるように直列接続され、両渦電流センサの第二検出コイルは誘起電圧が同方向となるように直列接続され、第一検出コイルの前記直列回路での誘起電圧の差分電圧検出時に第二検出コイルの前記直列回路において測定用渦電流センサの第二検出コイルの誘起電圧をも検出でき、前記直列回路で検出した差分電圧は試料測定に、前記第二検出コイルで検出した誘起電圧は励磁コイルに印加する高周波電圧の制御に利用できるようにしたことを特徴とする渦電流式試料測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−186433(P2009−186433A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29495(P2008−29495)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【出願人】(592177096)ナプソン株式会社 (6)
【Fターム(参考)】