説明

滑動テーブル

【課題】テーブル板の回転可能角度が大きく、そして十分な耐荷重性を示す滑動テーブルを提供すること。
【解決手段】基台11の上にテーブル板13を複数の支持ユニット21を介して滑動可能に支持してなり、支持ユニット21が、基台に固定された中央に開口22aを備える固定支持板22と、固定支持板の上面に複数の球体27が保持された中央に開口23aを備える球体保持板23を介して滑動可能に配設され、上記固定支持板の開口22aの内部に延びる滑動制限軸28を持つ滑動支持板25とを含み、そして上記開口22a、23aが、共に一方の径が長い長方形をなし、その長い径の方向が共にテーブル板の中心点を中心とする円弧の接線13cに沿うように配設され、そして上記開口22aの領域内に球体27が移動しないよう、球体保持板23と固定支持板22とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段33が設けられていることを特徴とする滑動テーブル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決めテーブルに組み込んで使用するのに適した滑動テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
位置決めテーブルは、基台表面に沿って滑動可能なテーブル板を備える滑動テーブルと、テーブル板を滑動させる駆動装置とから構成される。
【0003】
位置決めテーブルは、例えば、液晶セルを構成する二枚のガラス基板を位置決めする際に用いられる。液晶セルの一方のガラス基板をテーブル板の上に乗せ、このガラス基板の上方に僅かな間隙を介して他方のガラス基板を配置し、そして駆動装置を作動させてテーブル板を前者のガラス基板と共に滑動(直線移動あるいは回転移動)させることにより、後者のガラス基板に対して位置決めすることができる。
【0004】
特許文献1の図1及び図2には、基台の上にテーブル板をテーブル板の周縁に沿って互いに間隔をあけて配設された三個の支持ユニットを介して滑動可能に支持した構成の滑動テーブルが開示されている。
【0005】
同文献の図3及び図4には、基台(支持台)に支柱(取付部材)を介して固定された固定支持板(内側支持板)と、固定支持板の上面に複数の球体(ボール)が保持された上側球体保持板(保持部材)を介して滑動可能に配設された滑動支持板(外側支持板)と、滑動支持板の周縁から下方に延びる接続部に固定されていて、前記固定支持板の下面に複数の球体が保持された中央に開口(遊び孔)を備える下側球体保持板(保持部材)を介して接触下に配設された中央に開口(遊び孔)を備える滑動補助板(外側支持板)とを備える支持ユニットが開示されている。
【0006】
同文献の図7及び図8には、基台に固定された中央に開口(遊び孔)を備える固定支持板(内側支持板)と、前記固定支持板の上面に複数の球体が保持された中央に開口(遊び孔)を備える球体保持板を介して滑動可能に配設され、中央部の下側に固定支持板の開口の内部に延びる滑動制限軸(結合部材)を有する滑動支持板(外側支持板)とを備える支持ユニットが開示されている。同文献には、上記の固定支持板及び球体保持板のそれぞれの開口を細長形状にすることにより、長さ方向の移動ストロークが大きくなるとの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−155666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、位置決め対象物(例えば、液晶セルを構成するガラス基板)の大型化に伴い、滑動テーブルの大型化が進んでいる。
【0009】
滑動テーブルが大型化しても、位置決め対象物を乗せたテーブル板を所定距離にて直線移動させる場合には、テーブル板の中央部あるいは周縁部の移動距離もまた上記所定距離に等しくなる。
【0010】
しかし、位置決め対象物を乗せたテーブル板を所定角度にて回転移動させる場合には、滑動テーブルが大型化してテーブル板のサイズが大きくなるほど、テーブル板の周縁部の回転方向(周方向)への移動距離が大きくなる。従って、各支持ユニットにより、テーブル板の周縁部を回転方向になるべく大きな距離にて移動することができるように支持する必要がある。
【0011】
本発明の課題は、テーブル板の直線方向への移動可能距離に対してテーブル板の回転可能角度が大きく、そして十分な耐荷重性を示す滑動テーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、滑動テーブルのテーブル板を支持する各支持ユニットとして、固定支持板及び球体保持板のそれぞれの開口を細長い形状に設定したものを用い、そして各支持ユニットを上記の細長い開口が概ねテーブル板の回転移動の方向に沿うように配設することにより、テーブル板の回転可能角度を大きくすることについて検討した。
【0013】
一方、上記の球体保持板の滑動可能範囲、すなわち球体保持板に保持された球体の転動可能範囲は、球体保持板の開口を通る滑動制限軸により制限される。ところが、上記のように固定支持板及び球体保持板のそれぞれの開口が細長い形状に設定されていると、固定支持板の開口の面積が大きくなることに加えて、固定支持板の開口の内部での滑動制限軸の移動可能距離が長くなり、これに伴い球体保持板に保持された球体の転動可能範囲が広くなることから、球体保持板が滑動(特に、回転移動)した際に、球体が固定支持板の開口の領域内に移動し易くなり、その結果、幾つかの球体が開口内に落下することがある。滑動テーブルの耐荷重性は、支持ユニットの固定支持板及び滑動支持板の対向面により挟まれている球体の個数により定まる。従って、上記のように球体が固定支持板の開口の領域内に移動すると、滑動テーブルの耐荷重性が低下する。
【0014】
本発明者は、更に研究を進めた結果、上記のように各支持ユニットの配置を工夫することに加えて、更に各支持ユニットの球体保持板と固定支持板(もしくは滑動支持板)とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段を設けることにより、テーブル板の回転可能角度を大きくすることができ、そして球体の固定支持板の開口の領域内への移動(そして、その結果として発生する球体の開口内への落下)も防止できることを見出し、本発明に到達した。
【0015】
本発明は、基台の上にテーブル板をテーブル板の周縁に沿って互いに間隔をあけて配設された複数の支持ユニットを介して滑動可能に支持してなり、前記の支持ユニットが、基台に固定された中央に開口を備える固定支持板と、固定支持板の上面に複数の球体が保持された中央に開口を備える球体保持板を介して滑動可能に配設され、中央部の下側に固定支持板の開口の内部に延びる滑動制限軸を有する滑動支持板とを含む支持ユニットである滑動テーブルであって、上記の固定支持板と球体保持板の双方に備えられた開口が、共に一方の径が長い長方形もしくは長円形をなし、その長い径の方向が共にテーブル板の中心点を中心とする円弧の接線に沿うように配設され、そして上記の固定支持板の開口の領域内に球体が移動することのないよう、球体保持板と固定支持板もしくは滑動支持板とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が設けられていることを特徴とする滑動テーブルにある。
【0016】
本発明はまた、基台に固定される中央に開口を備える固定支持板と、固定支持板の上面に複数の球体が保持された中央に開口を備える球体保持板を介して滑動可能に配設され、中央部の下側に固定支持板の開口の内部に延びる滑動制限軸を有する滑動支持板とを含む支持ユニットであって、上記の固定支持板と球体保持板の双方に備えられた開口が、共に一方の径が長い長方形もしくは長円形をなし、そして上記の固定支持板の開口の領域内に球体が移動することのないよう、球体保持板と固定支持板もしくは滑動支持板とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が設けられていることを特徴とする支持ユニットにもある。
【0017】
上記の滑動制限軸を有する滑動支持板を備える本発明の滑動テーブル及び支持ユニットにおいては、球体保持板と固定支持板もしくは滑動支持板とのそれぞれに設けられた球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が、一方の板に形成された突起と他方の板に設けられた凹部もしくは孔部から構成されていることが好ましい。
【0018】
本発明はまた、基台の上にテーブル板をテーブル板の周縁に沿って互いに間隔をあけて配設された複数の支持ユニットを介して滑動可能に支持してなり、前記の支持ユニットが、基台に固定された支柱を中央部の下側に有する固定支持板と、固定支持板の上面に複数の球体が保持された上側球体保持板を介して滑動可能に配設された滑動支持板と、滑動支持板の周縁から下方に延びる接続部に固定されていて、固定支持板の下面に複数の球体が保持された中央に開口を備える下側球体保持板を介して接触下に配設された中央に開口を備える滑動補助板とを含む支持ユニットである滑動テーブルであって、上記の下側球体保持板と滑動補助板の双方に備えられた開口が、共に一方の径が長い長方形もしくは長円形をなし、その長い径の方向が共にテーブル板の中心点を中心とする円弧の接線に沿うように配設され、そして上記の滑動補助板の開口の領域内に球体が移動することのないよう、下側球体保持板と固定支持板もしくは滑動補助板とのそれぞれに、互いに係合して下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が設けられていることを特徴とする滑動テーブルにもある。
【0019】
本発明はまた、基台に固定される支柱を中央部の下側に有する固定支持板と、固定支持板の上面に複数の球体が保持された上側球体保持板を介して滑動可能に配設された滑動支持板と、滑動支持板の周縁から下方に延びる接続部に固定されていて、固定支持板の下面に複数の球体が保持された中央に開口を備える下側球体保持板を介して接触下に配設された中央に開口を備える滑動補助板とを含む支持ユニットであって、上記の下側球体保持板と滑動補助板の双方に備えられた開口が、共に一方の径が長い長方形もしくは長円形をなし、そして上記の滑動補助板の開口の領域内に球体が移動することのないよう、下側球体保持板と固定支持板もしくは滑動補助板とのそれぞれに、互いに係合して下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が設けられていることを特徴とする支持ユニットにもある。
【0020】
上記の支柱を有する固定支持板を備える本発明の滑動テーブル及び支持ユニットにおいては、下側球体保持板と固定支持板もしくは滑動補助板とのそれぞれに設けられた下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が、一方の板に形成された突起と他方の板に設けられた凹部もしくは孔部から構成されていることが好ましい。
【0021】
なお、本明細書において、上記の「テーブル板の中心点」とは、テーブル板の表面上でテーブル板の重心の上方に位置する点を中心とし、かつテーブル板に外接する円の半径の15%(好ましくは10%)以内の長さの半径を有する円の内側の領域内にある点であることを意味する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の滑動テーブルは、テーブル板の直線方向への移動可能距離に対して、テーブル板を大きな角度にて回転移動させることができ、そして十分な耐荷重性を示す。従って、本発明の滑動テーブルは、大型の位置決め対象物、例えば、大型の液晶セルを構成する大きなサイズのガラス基板の位置決めに有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の滑動テーブル(滑動制限軸を有する滑動支持板を備えるもの)の構成例を示す一部切り欠き平面図である。但し、図1にはテーブル板13の駆動装置60a、60b、60cを記入してある。
【図2】図1に記入した切断線II−II線に沿って切断した滑動テーブル10の拡大断面図である。
【図3】図2に示す支持ユニット21の分解斜視図である。
【図4】図1にて基台11の左下に配置されている支持ユニット21を、球体保持板23が右側の方向に移動した状態で示す拡大図である。
【図5】図1にて基台11の左下に配置されている支持ユニット21を、球体保持板23が上側の方向に移動した状態で示す拡大図である。
【図6】図1にて基台11の左下に配置されている支持ユニット21を、球体保持板23が左斜め上側の方向に移動した状態で示す拡大図である。
【図7】図1にて基台11の左下に配置されている支持ユニット21を、球体保持板23が回転移動した状態で示す拡大図である。
【図8】球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が備えられていない支持ユニット121を球体保持板23が回転移動した状態で示す図である。
【図9】図8の支持ユニット121を、滑動制限軸28が固定支持板22及び球体保持板23の各々の開口22a、23aの隅部に移動して、かつ球体保持板23が滑動制限軸28を中心に回転移動した状態で示す図である。
【図10】図1に示す駆動装置60aの近傍の部位の拡大図である。
【図11】図10の駆動装置60aの近傍の部位を図の下側から見た図である。
【図12】本発明の滑動テーブル(滑動制限軸を有する滑動支持板を備えるもの)の別の構成例を示す断面図である。
【図13】本発明の滑動テーブル(支柱を有する固定支持板を備えるもの)の構成例を示す断面図である。
【図14】図13に示す支持ユニット41の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の滑動テーブルを、添付の図面を用いて説明する。図1は、本発明の滑動テーブル(滑動制限軸28を有する滑動支持板25を備えるもの)の構成例を示す一部切り欠き平面図である。図2は、図1に記入した切断線II−II線に沿って切断した滑動テーブル10の拡大断面図である。そして図3は、図2に示す支持ユニット21の分解斜視図である。
【0025】
図1の滑動テーブル10は、テーブル板13の一部を切り欠いた状態で示している。また、上記テーブル板13には、駆動装置60a、60b、60cが接続されていている。滑動テーブル10と駆動装置60a、60b、60cとにより位置決めテーブルが構成される。
【0026】
図1の滑動テーブル10が備える合計で4個の支持ユニット21としては、例えば、互いに同一の構成のものが用いられている。但し、図1にて基台11の左下隅部に配置された支持ユニット21は、滑動支持板を取り外した状態で、また基台11の右下隅部に配置された支持ユニット21は、滑動支持板と球体保持板とを取り外した状態で記入してある。
【0027】
図1〜図3に示す本発明の滑動テーブル10は、基台11の上にテーブル板13をテーブル板13の周縁に沿って互いに間隔をあけて配設された複数(例えば、合計で4個)の支持ユニット21を介して滑動可能に支持した構成を有していて、上記の支持ユニット21は、基台11に固定された中央に開口22aを備える固定支持板22と、固定支持板22の上面に複数の球体27が保持された中央に開口23aを備える球体保持板23を介して滑動可能に配設され、中央部の下側に固定支持板22の開口22aの内部に延びる滑動制限軸28を有する滑動支持板25とを備えている。
【0028】
そして、この滑動テーブル10は、上記の支持ユニット21の固定支持板22と球体保持板23の双方に備えられた開口22a、23aが、共に一方の径が長い長方形をなし、その長い径の方向が共にテーブル板13の中心点13aを中心とする円弧13bの接線13cに沿うように配設され、そして上記の固定支持板22の開口22aの領域内に球体27が移動することのないよう、球体保持板23と固定支持板22とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段33が設けられていることに主な特徴がある。
【0029】
このように、各支持ユニット21の固定支持板22と球体保持板23の双方に備えられた開口22a、23aが、共に一方の径が長い長方形(もしくは長円形)をなし、その長い径の方向が共にテーブル板13の中心点13aを中心とする円弧13bの接線13cに沿うように配設されていると、各支持ユニット21の滑動支持板25は滑動制限軸28と共に固定支持板22の開口22aの長さ方向(概ねテーブル板の回転方向)に沿って長距離にて移動することができる。従って、本発明の滑動テーブル10は、従来の滑動テーブルと比較して、テーブル板13の直線方向への移動可能距離に対するテーブル板13の回転可能角度が大きい。
【0030】
なお、本明細書で云う「長方形」もしくは「長円形」とは、滑動支持板25のテーブル板13の中心点13aを通る直線方向への移動可能距離に対して、テーブル板13の回転方向への移動可能距離を大きくすることができれば、厳密な(幾何学的な)長方形もしくは長円形である必要はない。例えば、本明細書で云う「長方形」には、長方形の隅部を円弧で形成した形状、そして長方形の隅部を面取りした形状、長方形の各辺を湾曲させた形状も含まれる。また、例えば、本明細書で云う「長方形」もしくは「長円形」には、長方形もしくは長円形をテーブル板13の中心点13aを中心とする円弧13bに沿って湾曲させた形状も含まれる。
【0031】
また、固定支持板22の開口22aと球体保持板23の開口23aが、共に一方の径が長い長方形(もしくは長円形)の形状とされ、これらの開口22a、23aの面積が大きくなった場合であっても、球体保持板23と固定支持板22(もしくは滑動支持板25)とのそれぞれに設けられた球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段33を介して、球体保持板23と固定支持板22(もしくは滑動支持板25)とが互いに係合するため、球体保持板23の滑動可能範囲は、球体27が固定支持板22の開口22aの領域内に移動することのない範囲に制限される。従って、本発明の滑動テーブル10は、十分な耐荷重性(特に、テーブル板13に下向きに付与される荷重に対する耐荷重性)を示す。
【0032】
図1及び図3に示す構成では、球体保持板23と固定支持板22とのそれぞれに設けられた球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段33は、一方の板(固定支持板)22に形成された突起35と、他方の板(球体保持板)23に設けられた孔部36とから構成されている。
【0033】
球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段は、球体保持板に形成された突起と、固定支持板に設けられた孔部とから構成することもできる。また前記孔部に代えて、凹部(例、上記突起に係合する非貫通孔あるいは切り欠き)を用いることもできる。
【0034】
図2及び図3に示す構成では、支持ユニット21は、中央部の上側が上記滑動制限軸28の下端部に接続されていて、固定支持板22の下面に複数の球体27が保持された中央に開口24aを備える球体保持板24を介して接触下に配設された滑動補助板26を更に備えていることが好ましい。
【0035】
上記の滑動補助板26と滑動支持板25との間隔を調節する(例えば、滑動制限軸28の長さを短くする)ことにより、滑動支持板25が複数の球体27を介して固定支持板22の上に緊密に支持される。このため、滑動支持板25を水平方向に高い精度で滑動させることができる。
【0036】
上記の球体保持板24に備えられた開口24aもまた、一方の径が長い長方形(もしくは長円形)をなし、その長い径の方向が共にテーブル板13の中心点13aを中心とする円弧13bの接線13cに沿うように配設され、そして上記の固定支持板22の開口22aの領域内に球体27が移動することのないよう、球体保持板24と滑動補助板26(もしくは固定支持板22)とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段34が設けられていることが好ましい。
【0037】
図3に示す構成では、球体保持板24と滑動補助板26とのそれぞれに設けられた球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段34は、一方の板(滑動補助板)26に形成された突起35と、他方の板(球体保持板)24に設けられた凹部(切り欠き)37とから構成されている。
【0038】
次に、本発明の支持ユニットの球体保持板の滑動可能範囲について、上記支持ユニット21を代表例として説明する。なお、下記の図4〜図7において、支持ユニット21の滑動支持板25、滑動制限軸28、および固定支持板22の背面側(図2にて下側)の部品は記入していない。
【0039】
図4は、図1にて基台11の左下に配置されている支持ユニット21を、球体保持板23が右側の方向に移動した状態で示す拡大図である。
【0040】
図4に示すように、球体保持板23が右側の方向(X軸方向)に移動した場合、球体保持板23の孔部36と固定支持板22の突起35とが互いに接触して係合するため、この球体保持板23が更に右側の方向に移動することはない。従って、球体保持板23に保持されている球体27が固定支持板22の開口22aの領域内に移動することがなく、開口22aの内部に落下することもない。
【0041】
図5は、図1にて基台11の左下に配置されている支持ユニット21を、球体保持板23が上側の方向に移動した状態で示す拡大図である。
【0042】
図5に示すように、球体保持板23が上側の方向(Y軸方向)に移動した場合もまた、球体保持板23の孔部36と固定支持板22の突起35とが互いに接触して係合するため、この球体保持板23が更に上側の方向に移動することはない。従って、球体保持板23に保持されている球体27が固定支持板22の開口22aの領域内に移動することがなく、開口22aの内部に落下することもない。
【0043】
図6は、図1にて基台11の左下に配置されている支持ユニット21を、球体保持板23が左斜め上側の方向に移動した状態で示す拡大図である。
【0044】
図6に示すように、球体保持板23が左斜め上側の方向に移動した場合もまた、球体保持板23の孔部36と固定支持板22の突起35とが互いに接触して係合するため、この球体保持板23が更に左斜め上側の方向に移動することはない。従って、球体保持板23に保持されている球体27が固定支持板22の開口22aの領域内に移動することがなく、開口22aの内部に落下することもない。
【0045】
図7は、図1にて基台11の左下に配置されている支持ユニット21を、球体保持板23が回転移動した状態で示す拡大図である。
【0046】
図7に示すように、球体保持板23が回転移動(滑動)した場合もまた、球体保持板23の孔部36と固定支持板22の突起35とが互いに接触して係合するため、この球体保持板23が更に回転移動することはない。従って、球体保持板23に保持されている球体27が固定支持板22の開口22aの領域内に移動することがなく、開口22aの内部に落下することもない。
【0047】
このように、支持ユニット21では、固定支持板22の開口22aと球体保持板23の開口23aとがそれぞれ細長い形状(長方形もしくは長円形)に設定されている場合であっても、球体保持板23に保持されている球体27が固定支持板22の開口22aの領域内に移動することができないようにされている。
【0048】
なお、球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段33は、詳細に説明すると、球体27が固定支持板22と滑動支持板(図2:25)との対向面のそれぞれに接触した状態が維持されるよう、球体保持板23の滑動可能範囲を制限する機能を有している。すなわち、図4〜図7に示すように、球体保持板23の滑動可能範囲が制限された際に、球体27が固定支持板22の外周縁よりも外周側に移動することもなく、滑動支持板(図2:25)の外周縁よりも外周側に移動することもないようにされている。
【0049】
球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段33を構成する固定支持板22の突起35の形成位置や形状、そして球体保持板23の孔部36の形成位置や形状は、例えば、コンピュータ援用設計システム(CAD:computer-aided design)上にて球体保持板を滑動させ、その滑動可能範囲を確認することによって簡単に設定することができる。
【0050】
一方、支持ユニット21では、前記のように球体保持板23の開口23aを通る滑動制限軸28により、球体保持板23の滑動可能範囲、すなわち球体27の転動可能範囲がある程度の範囲内に制限されるが、仮に球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段33が備えられていない場合には、球体保持板23に保持された球体27が固定支持板22の開口22aの領域内に移動することを防止することはできない。
【0051】
以下では、図8及び図9を参照しながら、上記のような球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段を備えていない支持ユニット、すなわち本発明に包含されない支持ユニットの球体保持板の滑動可能範囲について説明する。なお、図8及び図9において、支持ユニット121の滑動支持板、および固定支持板22の背面側の部品は記入していない。
【0052】
図8は、球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が備えられていない、すなわち本発明に包含されない支持ユニット121を球体保持板23が回転移動した状態で示す図である。
【0053】
図8に示すように、上記の球体保持板23の回転移動により、球体保持板23に保持された複数の球体のうち、合計で4個の球体27が固定支持板22の開口22aの領域内に移動する。
【0054】
図9は、図8の支持ユニット121を、滑動制限軸28が固定支持板22及び球体保持板23の各々の開口22a、23aの隅部に移動して、かつ球体保持板23が滑動制限軸28を中心に回転移動した状態で示す図である。
【0055】
図9に示すように、上記の滑動制限軸28の移動と球体保持板23の回転移動とにより、球体保持板23に保持された複数の球体のうちの更に多くの数の球体27が、固定支持板22の開口22aの領域内に移動したり、固定支持板22の外周縁よりも外周側に移動したりする。
【0056】
このように、球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段を備えていない、すなわち本発明に包含されない支持ユニット121では、例えば、上記の図8及び図9に示すような球体保持板23の回転移動(滑動)により、固定支持板22及び滑動支持板(図示していない)の対向面に挟まれている球体の数が少なくなる。従って、このような支持ユニット121の複数によりテーブル板を支持して滑動テーブルを構成すると、例えば、上記の図8及び図9に示すように球体保持板23が回転移動した際に滑動テーブルの耐荷重性が低下する。
【0057】
本発明の滑動テーブルのテーブル板の駆動方法は、公知の滑動テーブル、例えば、前記の特許文献1の滑動テーブルの場合と同様である。以下では、図1の滑動テーブル10のテーブル板13の駆動方法について、図1、図10及び図11に示す駆動装置60a〜60cを用いる場合を代表例として説明を行なう。
【0058】
図10は、図1に示す駆動装置60aの近傍の部位の拡大図であり、そして図11は、図10の駆動装置60aの近傍の部位を図の下側から見た図である。
【0059】
テーブル板13には、例えば、合計で三台の駆動装置60a、60b、60cが接続されている。駆動装置60a、60b、60cの構成は互いに同一である。
【0060】
駆動装置60aは、滑動テーブル10の基台11の側面に固定された補助台12の上に設置されている。
【0061】
駆動装置60aは、回転駆動装置(代表例、ステッピングモータ)61、そして回転駆動装置61の回転軸61aにカップリング62を介して接続されたねじ軸63aと、ねじ軸63aの周囲に嵌め合わされたナット63bとからなる送りねじ63を備えている。
【0062】
送りねじ63のねじ軸63aは、補助台12に設置された回転軸受64a、64bにより回転可能に支持されている。一方、送りねじ63のナット63bには、二本のロッド65が接続されている。各々のロッド65は、補助台12に設置された直動軸受66により、その長さ方向に滑動可能に支持されている。
【0063】
二本のロッド65の先端には、一対の回転軸受67を介して軸体68が回転可能に支持されている。軸体68には、レール69aとスライダ69bとからなるリニアガイド69が揺動可能に支持されている。リニアガイド69のレール69aは接続部材71を介してテーブル板13に固定されている。
【0064】
回転駆動装置61の回転軸61aを送りねじ63のねじ軸63aと共に回転させ、ねじ軸63aに嵌め合わされたナット63bをX軸方向(図にて右側の方向)に移動させることにより、ナット63bにロッド65を介して接続された接続部材71をX軸方向に移動させることができる。その一方で、回転駆動装置61の回転軸61aを前記の回転の向きとは逆向きに回転させることにより、接続部材71をX軸方向とは逆向きの方向(図にて左側の方向)に移動させることができる。
【0065】
そして、図1に示す駆動装置60a、60bの各々の接続部材71をX軸方向に互いに等しい距離にて移動させることにより、テーブル板13をX軸方向に滑動させることができる。この際に、駆動装置60cの接続部材71に固定されているリニアガイド69のレール69aがスライダ69bに支持された状態にてX軸方向に滑動する。このため、駆動装置60cがテーブル板13のX軸方向への移動を妨げることはない。
【0066】
また、駆動装置60cの接続部材71をY軸方向に移動させることにより、テーブル板13をY軸方向に滑動させることができる。この際に、駆動装置60a、60bの各々の接続部材71に固定されているリニアガイド69のレール69aがスライダ69bに支持された状態にてY軸方向に滑動する。このため、駆動装置60a、60bがテーブル板13のY軸方向への移動を妨げることはない。
【0067】
更にまた、駆動装置60aの接続部材71をX軸方向とは逆向きに、駆動装置60bの接続部材71をX軸方向に、互いに等しい距離にて移動させることにより、テーブル板13を図に記入したθ方向に回転移動(滑動)させることができる。この際に、駆動装置60a、60b、60cの各々の接続部材71に固定されているリニアガイド69が、テーブル板13の回転移動の角度に応じて、リニアガイド69とロッド65との間に備えられた軸体(図11:68)を中心として傾斜移動する。
【0068】
滑動テーブル10は、各支持ユニット21の滑動支持板25が滑動制限軸28と共に固定支持板22の開口22aの長さ方向(概ねテーブル板13の回転方向)に沿って長距離にて移動することができるため、テーブル板13の直線方向への移動可能距離に対するテーブル板13の回転可能角度が大きい。従って、テーブル板13のサイズが大きい場合であっても、テーブル板13を大きな角度で回転移動させることができる。
【0069】
本発明の滑動テーブル(滑動制限軸を有する滑動支持板を備えるもの)において、支持ユニットの数は2〜8個の範囲にあることが好ましく、3個又は4個であることが更に好ましく、4個であることが特に好ましい。
【0070】
支持ユニットの数が4個である場合には、図1及び図3に示すように、支持ユニット21の固定支持板22の形状が矩形(例、正方形)とされていて、この固定支持板22の長方形(もしくは長円形)の開口22aが、その長い径の方向(長さ方向)が固定支持板22の対角線に沿うように配設されていることが好ましい。
【0071】
これにより、固定支持板22のサイズ(すなわち支持ユニット21のサイズ)が同じであれば、開口22aの長さを長くすることができるため、滑動支持板25を滑動制限軸28と共に開口22aに沿って長距離にて移動させることが可能になる。
【0072】
本発明の滑動テーブルにおいては、テーブル板の中心点の下側を、上記の支持ユニットとは別の支持ユニットで更に支持することもできる。
【0073】
テーブル板の中心点の下側を支持する支持ユニットとしては、例えば、上記支持ユニット21と同一の構成を有する支持ユニットを用いることもできるし、上記支持ユニット21とは異なる構成を有する支持ユニット(例えば、固定支持板の開口や球体保持板の開口の形状が円形であるもの)を用いることもできる。
【0074】
また、図3に示すように、球体保持板23と固定支持板22(あるいは滑動支持板25)とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段33が2個(あるいは3個以上)備えられていることが好ましい。これにより、球体保持板23の滑動(特に回転移動)の範囲を制限することが容易になる。
【0075】
上記の2個の球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段33は、球体保持板23の開口23aの幅方向の両外側の位置にそれぞれ設けられていることが更に好ましい。これにより、固定支持板22と球体保持板23の双方に備えられた開口22a、23aの長さを長くすることができる。
【0076】
同様に、球体保持板24と滑動補助板26(あるいは固定支持板22)とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段34が2個(あるいは3個以上)備えられていることが好ましく、上記の2個の球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段34が、球体保持板24の開口24aの幅方向の両外側の位置にそれぞれ設けられていることが更に好ましい。
【0077】
図12は、本発明の滑動テーブル(滑動制限軸28を有する滑動支持板25を備えるもの)の別の構成例を示す断面図である。
【0078】
図12の滑動テーブル20の構成は、支持ユニット31の固定支持板22と基台11aとの固定が、基台11aに滑動補助板26が接触することのないよう、スペーサ38を介してなされていること以外は、図2に示す滑動テーブル10の構成と同様である。
【0079】
支持ユニット31を用いる場合、基台11aに滑動補助板26を収容する開口を形成する必要はない。
【0080】
図13は、本発明の滑動テーブル(支柱48を有する固定支持板42を備えるもの)の構成例を示す断面図であり、そして図14は、図13に示す支持ユニット41の分解斜視図である。図13の滑動テーブル30の構成は、支持ユニット41の構成が異なること以外は図12の滑動テーブル20の構成と同様である。
【0081】
滑動テーブ30が備える支持ユニット41は、基台11aに固定された支柱48を中央部の下側に有する固定支持板42と、固定支持板42の上面に複数の球体27が保持された上側球体保持板43を介して滑動可能に配設された滑動支持板45と、滑動支持板45の周縁から下方に延びる接続部47に固定されていて、固定支持板42の下面に複数の球体27が保持された中央に開口44aを備える下側球体保持板44を介して接触下に配設された中央に開口46aを備える滑動補助板46とを備えている。
【0082】
そして、この滑動テーブル30は、上記の支持ユニット41の下側球体保持板44と滑動補助板46の双方に備えられた開口44a、46aが、共に一方の径が長い長方形をなし、その長い径の方向が共にテーブル板13の中心点を中心とする円弧の接線に沿うように配設され、そして上記の滑動補助板46の開口46aの領域内に球体が移動することのないよう、下側球体保持板44と滑動補助板46とのそれぞれに、互いに係合して下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段54が設けられていることに主な特徴がある。
【0083】
このように、各支持ユニット41の下側球体保持板44と滑動補助板46の双方に備えられた開口44a、46aが、共に一方の径が長い長方形(もしくは長円形)をなし、その長い径の方向が共にテーブル板13の中心点を中心とする円弧の接線に沿うように配設されていると、各支持ユニット41の滑動支持板45は滑動補助板46と共に開口46aの長さ方向(概ねテーブル板の回転方向)に沿って長距離にて移動することができる。従って、本発明の滑動テーブル30もまた、従来の滑動テーブルと比較して、テーブル板13の直線方向への移動可能距離に対するテーブル板13の回転可能角度が大きい。
【0084】
また、下側球体保持板44の開口44aと滑動補助板46の開口46aが、共に一方の径が長い長方形(もしくは長円形)の形状とされ、これらの開口44a、46aの面積が大きくなった場合であっても、下側球体保持板44と滑動補助板46(もしくは固定支持板42)とのそれぞれに設けられた下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段54を介して、下側球体保持板44と滑動補助板46(もしくは固定支持板42)とが互いに係合するため、下側球体保持板44の滑動可能範囲は、球体27が滑動補助板46の開口46aの領域内に移動することのない範囲に制限される。従って、滑動テーブル30は十分な耐荷重性(特に、テーブル板13に上向きに付与される荷重に対する耐荷重性)を示す。
【0085】
図14に示すように、下側球体保持板44と滑動補助板46とのそれぞれに設けられた下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段54は、一方の板(滑動補助板)46に形成された突起35と、他方の板(下側球体保持板)44に設けられた凹部(切り欠き)37とから構成することができる。
【0086】
下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段は、下側球体保持板に形成された突起と、滑動補助板に設けられた凹部とから構成することもできる。
【0087】
支持ユニット41の上側球体保持板43が保持する球体27が、固定支持板42と滑動支持板45との対向面のそれぞれに接触した状態が維持されるよう、上側球体保持板43と固定支持板42(あるいは滑動支持板45)とのそれぞれに、互いに係合して上側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段53が設けられていることが好ましい。
【0088】
図14に示すように、上側球体保持板43と固定支持板42とのそれぞれに設けられた球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段53は、一方の板(固定支持板)42に形成された突起35と、他方の板(上側球体保持板)43に設けられた孔部36とから構成することができる。
【0089】
支持ユニット41では、例えば、滑動支持板45と滑動補助板46との周縁部を接続部47を介して隙間無く接続することにより、固定支持板42と滑動支持板45もしくは滑動補助板46との間に塵や埃が侵入することを抑制することができる。
【0090】
本発明の滑動テーブル(支柱を有する固定支持板を備えるもの)においてもまた、支持ユニットの数は、2〜8個の範囲にあることが好ましく、3個又は4個であることが更に好ましく、4個であることが特に好ましい。
【0091】
支持ユニットの数が4個である場合には、図14に示すように、支持ユニット41の滑動補助板46の形状が矩形(例、正方形)とされていて、この滑動補助板46の長方形(もしくは長円形)の開口46aが、その長い径の方向(長さ方向)が滑動補助板46の対角線に沿うように配設されていることが好ましい。
【0092】
これにより、滑動補助板46のサイズ(すなわち支持ユニット41のサイズ)が同じであれば、開口46aの長さを長くすることができるため、滑動支持板45を滑動補助板46と共に開口46aに沿って長距離にて移動させることが可能になる。
【0093】
また、図14に示すように、下側球体保持板44と滑動補助板46(あるいは固定支持板42)とのそれぞれに、互いに係合して下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段54が2個(あるいは3個以上)備えられていることが好ましい。これにより、下側球体保持板44の滑動(特に回転移動)の範囲を制限することが容易になる。
【0094】
上記の2個の下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段54は、下側球体保持板44の開口44aの幅方向の両外側の位置にそれぞれ設けられていることが更に好ましい。これにより、下側球体保持板44と滑動補助板46の双方に備えられた開口44a、46aの長さを長くすることができる。
【0095】
同様に、上側球体保持板43と固定支持板42(あるいは滑動支持板45)とのそれぞれに、互いに係合して上側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段53が2個(あるいは3個以上)備えられていることが好ましい。
【符号の説明】
【0096】
10、20、30 滑動テーブル
11、11a 基台
12 補助台
13 テーブル板
13a テーブル板の中心点
13b 円弧
13c 接線
21、31 支持ユニット
22 固定支持板
22a 開口
23、24 球体保持板
23a、24a 開口
25 滑動支持板
26 滑動補助板
27 球体
28 滑動制限軸
33 球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段
34 球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段
35 突起
36 孔部
37 凹部
38 スペーサ
41 支持ユニット
42 固定支持板
43 上側球体保持板
44 下側球体保持板
44a 開口
45 滑動支持板
46 滑動補助板
46a 開口
47 接続部
48 支柱
53 上側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段
54 下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段
60a、60b、60c 駆動装置
61 回転駆動装置
61a 回転軸
62 カップリング
63 送りねじ
63a ねじ軸
63b ナット
64a、64b 回転軸受
65 ロッド
66 直動軸受
67 回転軸受
68 軸体
69 リニアガイド
69a レール
69b スライダ
71 接続部材
121 支持ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台の上にテーブル板を該テーブル板の周縁に沿って互いに間隔をあけて配設された複数の支持ユニットを介して滑動可能に支持してなり、該支持ユニットが、基台に固定された中央に開口を備える固定支持板と、該固定支持板の上面に複数の球体が保持された中央に開口を備える球体保持板を介して滑動可能に配設され、中央部の下側に固定支持板の開口の内部に延びる滑動制限軸を有する滑動支持板とを含む支持ユニットである滑動テーブルであって、
上記の固定支持板と球体保持板の双方に備えられた開口が、共に一方の径が長い長方形もしくは長円形をなし、その長い径の方向が共にテーブル板の中心点を中心とする円弧の接線に沿うように配設され、そして上記の固定支持板の開口の領域内に球体が移動することのないよう、球体保持板と固定支持板もしくは滑動支持板とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が設けられていることを特徴とする滑動テーブル。
【請求項2】
球体保持板と固定支持板もしくは滑動支持板とのそれぞれに設けられた球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が、一方の板に形成された突起と他方の板に設けられた凹部もしくは孔部からなる請求項1に記載の滑動テーブル。
【請求項3】
基台に固定される中央に開口を備える固定支持板と、該固定支持板の上面に複数の球体が保持された中央に開口を備える球体保持板を介して滑動可能に配設され、中央部の下側に固定支持板の開口の内部に延びる滑動制限軸を有する滑動支持板とを含む支持ユニットであって、
上記の固定支持板と球体保持板の双方に備えられた開口が、共に一方の径が長い長方形もしくは長円形をなし、そして上記の固定支持板の開口の領域内に球体が移動することのないよう、球体保持板と固定支持板もしくは滑動支持板とのそれぞれに、互いに係合して球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が設けられていることを特徴とする支持ユニット。
【請求項4】
球体保持板と固定支持板もしくは滑動支持板とのそれぞれに設けられた球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が、一方の板に形成された突起と他方の板に設けられた凹部もしくは孔部からなる請求項3に記載の支持ユニット。
【請求項5】
基台の上にテーブル板を該テーブル板の周縁に沿って互いに間隔をあけて配設された複数の支持ユニットを介して滑動可能に支持してなり、該支持ユニットが、基台に固定された支柱を中央部の下側に有する固定支持板と、該固定支持板の上面に複数の球体が保持された上側球体保持板を介して滑動可能に配設された滑動支持板と、該滑動支持板の周縁から下方に延びる接続部に固定されていて、該固定支持板の下面に複数の球体が保持された中央に開口を備える下側球体保持板を介して接触下に配設された中央に開口を備える滑動補助板とを含む支持ユニットである滑動テーブルであって、
上記の下側球体保持板と滑動補助板の双方に備えられた開口が、共に一方の径が長い長方形もしくは長円形をなし、その長い径の方向が共にテーブル板の中心点を中心とする円弧の接線に沿うように配設され、そして上記の滑動補助板の開口の領域内に球体が移動することのないよう、下側球体保持板と固定支持板もしくは滑動補助板とのそれぞれに、互いに係合して下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が設けられていることを特徴とする滑動テーブル。
【請求項6】
下側球体保持板と固定支持板もしくは滑動補助板とのそれぞれに設けられた下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が、一方の板に形成された突起と他方の板に設けられた凹部もしくは孔部からなる請求項5に記載の滑動テーブル。
【請求項7】
基台に固定される支柱を中央部の下側に有する固定支持板と、該固定支持板の上面に複数の球体が保持された上側球体保持板を介して滑動可能に配設された滑動支持板と、該滑動支持板の周縁から下方に延びる接続部に固定されていて、該固定支持板の下面に複数の球体が保持された中央に開口を備える下側球体保持板を介して接触下に配設された中央に開口を備える滑動補助板とを含む支持ユニットであって、
上記の下側球体保持板と滑動補助板の双方に備えられた開口が、共に一方の径が長い長方形もしくは長円形をなし、そして上記の滑動補助板の開口の領域内に球体が移動することのないよう、下側球体保持板と固定支持板もしくは滑動補助板とのそれぞれに、互いに係合して下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が設けられていることを特徴とする支持ユニット。
【請求項8】
下側球体保持板と固定支持板もしくは滑動補助板とのそれぞれに設けられた下側球体保持板の滑動可能範囲を制限する手段が、一方の板に形成された突起と他方の板に設けられた凹部もしくは孔部からなる請求項7に記載の支持ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−209298(P2012−209298A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71588(P2011−71588)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(394000493)ヒーハイスト精工株式会社 (76)
【Fターム(参考)】