説明

炊飯器

【課題】予約炊飯を行って浸水時間が長くなった場合でも、焦げができることなくおいしく御飯を炊き上げることができる炊飯器を提供する。
【解決手段】予約炊飯メニューによる炊飯を行う場合には、すぐに炊飯の工程を開始する通常炊飯を行う場合よりも低い温度で加熱手段による釜の加熱を終了させて、炊飯の工程を完了させる。また、予約炊飯時は、水分を蒸発させて米の温度を上昇させる工程であるドライアップ工程での加熱手段の出力を、通常炊飯におけるドライアップ工程での出力よりも弱い出力とする。これにより、米が長時間水に浸されている間に、焦げやすい米の澱粉が水に溶け出して沈殿し、釜の底部に層を形成しても、焦げができることがない。さらに、釜内全体の温度を目標の温度に調節することができるため、御飯を希望した状態に炊き上げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炊飯器に関し、詳細には、炊飯を終了させる時点を使用者が設定できる予約炊飯モードを備えた炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガス、電気を問わず、使用者によって設定された炊飯終了時点に御飯を炊き上げることができる予約炊飯モードを備えた炊飯器が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の炊飯器では、使用者が米と水を入れた釜を炊飯器に載置して蓋をし、使用者が希望する炊飯終了時点を入力して予約炊飯をセットする。すると、炊飯器は、入力された炊飯終了時点の所定時間前から炊飯を開始し、予め設定された炊飯の工程に従って炊飯を行って、炊飯終了時点に御飯を炊き上げるので、使用者にとって便利である。
【特許文献1】特開平9−252935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の炊飯器では、米を長時間浸水させることで釜の底部に沈殿する米の澱粉の問題を解決することはできなかった。すなわち、米を長時間浸水させると、米の澱粉が水に溶け出して釜の底部に沈殿する。このように沈殿した澱粉は炊き上げの際に焦げやすく、焦げると米の味が変化すると共に見栄えが変わるという問題点があった。さらに、沈殿した澱粉の層は水に比べて温度上昇しやすいため、沈殿した澱粉が釜の底部に層を作ると、釜の底部の米と他の部分の米との間に温度差が発生してしまう。すると、米の全体を目標の温度に調節することができないため、御飯が希望した状態に炊き上がらないという問題点があった。これらの問題点は、電気に比べて強い火力で御飯を炊き上げるガス炊飯器にて特に顕著に現れている。そこで、予約炊飯を行った場合でも焦げ付くことがなく、御飯を希望した状態に炊き上げることができる炊飯器が希求されていた。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、予約炊飯を行って浸水時間が長くなった場合でも、焦げができることなくおいしく御飯を炊き上げることができる炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の炊飯器は、炊飯を終了させる時点を設定する炊飯終了時点設定手段により予め設定された炊飯終了時点にて炊飯の工程を終了させる予約炊飯モードを有する炊飯器において、釜を加熱する加熱手段と、前記釜の内部の温度を検出する温度検出手段と、炊飯の工程における前記加熱手段の動作を制御すると共に、前記温度検出手段によって検出される温度が所定温度に達した際に前記加熱手段による前記釜の加熱を停止させて炊飯の工程を完了させる炊飯制御手段と前記加熱手段を制御して、前記炊飯終了時点に炊飯の工程を完了させる予約炊飯制御手段とを備え、前記予約炊飯モードによる炊飯に際しては、当該予約炊飯制御手段は、前記所定温度よりも低い温度で前記加熱手段による前記釜の加熱を停止させることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る発明の炊飯器は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記予約炊飯制御手段は、前記予約炊飯モードによる炊飯を行う場合であって、前記炊飯終了時点設定手段の設定時点から前記炊飯終了時点までの時間が所定時間以上である場合には、前記所定温度よりも低い温度で前記加熱手段による前記釜の加熱を終了させることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る発明の炊飯器は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記予約炊飯制御手段は、炊飯の工程中の、水分を蒸発させて米の温度を上昇させる工程であるドライアップ工程での前記加熱手段の出力を、前記炊飯制御手段による炊飯の際の前記ドライアップ工程での前記加熱手段の出力よりも弱くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明の炊飯器では、予約炊飯モードによる炊飯を行い、設定された炊飯終了時点に炊飯を完了させる場合には、すぐに炊飯の工程を開始する通常の炊飯を行う場合よりも低い温度で釜の加熱を終了させる。よって、炊飯の工程が開始されるまでに、焦げやすい米の澱粉が水に溶け出して沈殿して、釜の底部に層が形成されている場合であっても、その澱粉の層が焦げ付くことを防止することができる。従って、焦げができることによって米の味や見栄えが変化することを防ぐことができる。
【0009】
また、請求項2に係る発明の炊飯器では、炊飯終了時点を設定した時点から、設定された炊飯終了時点までの時間が所定時間以上であれば、所定時間未満である場合よりも低い温度で釜の加熱を終了させることができる。よって、釜の加熱を終了させる温度を、予約炊飯を設定した時点から炊飯終了時点までの時間の長さに応じた適切な温度とすることができる。
【0010】
また、請求項3に係る発明の炊飯器では、水分を蒸発させて米の温度を上昇させる工程であるドライアップ工程での加熱手段の出力を、通常の炊飯を行う場合に比べて弱くする。沈殿した澱粉の層は水に比べて温度上昇しやすいため、釜の底部の米と、その他の部分の米とでは温度差が発生しやすいが、弱火でドライアップ工程を行うことで、釜内温度の温度勾配が緩やかになり、釜内の温度差が縮小される。従って、米の全体の温度を目標の温度に調節することができるため、御飯を希望した状態に炊き上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態である炊飯器1について、図面を参照して説明する。尚、本発明の炊飯器1は、ガスを燃焼させて炊飯を行うガス炊飯器である。そして、使用者が米と水を入れた釜を炊飯器1に載置して蓋をし、使用者が希望する炊飯終了時点を入力して予約炊飯をセットすると、炊飯器は入力された炊飯終了時点の所定時間前から炊飯工程を開始し、炊飯終了時点にて炊飯を終了させる予約炊飯モードによる炊飯を行う。本実施の形態では、予約炊飯モードによる炊飯を行う場合には、ガスの燃焼を停止させる温度(以下、「カット温度」という。)及び燃焼の火力を切り替える点に本発明の特徴を備えている。
【0012】
まず、図1を参照して、炊飯器1の構造について概略的に説明する。図1は、炊飯器1の概略構成図である。図1に示すように、炊飯器1には、米及び水を収納して炊飯器1に着脱自在に収容される釜2と、釜2の上部開口を開閉する内蓋3と、ガスを燃焼させて釜2を加熱するバーナ4と、外部からバーナ4へガスを供給するガス供給路5とが設けられている。ガス供給路5には、ガスの供給を遮断する元電磁弁6と、元電磁弁6とバーナ4との間に並列に配設されて、それぞれ異なるガス量の供給及びガスの遮断を行う第1電磁弁7及び第2電磁弁8とが設けられている。強火での燃焼が行われる場合には、第1電磁弁7及び第2電磁弁8の両方が開弁され、弱火での燃焼が行われる場合には、第1電磁弁7のみが開弁されて第2電磁弁8は閉弁される。
【0013】
また、炊飯器1には、載置された釜2の底面の中央部に当接して釜2の底部の温度を検出する釜底温度センサ9と、内蓋3に設けられて釜内の温度を検出する内蓋温度センサ10とが設けられている。また、炊飯器1の外周部には操作パネル11が設けられており、この操作パネル11及び2つの温度センサ9,10はコントローラ12に電気的に接続されている。コントローラ12には、中央演算処理装置であるCPU13と、当該CPU13を中心に相互に接続されたROM14、RAM15、EEPROM16、現在時刻及び炊飯工程の経過時間を計時する計時装置17、図示外のI/Oインタフェイスが設けられている。そして、コントローラ12は、2つの温度センサ9,10によって検出される温度データ信号と、操作パネル11から送信される各信号とを受信し、予めROM14に記憶されているプログラムに従って、3つの電磁弁6〜8と、操作パネル11に設けられた表示画面20及び各種表示ランプ(図示外)とを制御する。
【0014】
尚、図示しないが、炊飯器1にはガスに点火するための点火装置や、電力を取得するための電源コード等が設けられている。また、コントローラ12は、書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM16を配設しているため、電源が切断された際に電源切断前の炊飯器1の設定等が記憶される。
【0015】
また、先述した操作パネル11は、図1に示すように、7セグメントディスプレイからなる表示画面20及び各種入力ボタンにより構成されている。ここで、表示画面20はLCD等の他の表示装置も使用可能である。また、入力ボタンとしては、使用者が現在時刻及び炊飯終了時点を調節するための時刻調節ボタン21と、通常炊飯ボタン22と、予約炊飯ボタン23とが設けられている。
【0016】
次に、バーナ4によるガスの燃焼を制御するための温度と、燃焼の火力について説明する。炊飯の工程において、沸騰終了後に水分を蒸発させて米の温度を上昇させる工程をドライアップ工程という。一般的に炊飯器は、このドライアップ工程での釜内の温度を検出し、予め決められたカット温度まで釜内の温度が上昇すると、ガスの燃焼を停止させ、蒸らし工程に移行する。
【0017】
ここで、短い浸水時間を経た米と、予約炊飯モードによる長時間の浸水を経た米とを、同じカット温度を設定して同じ火力で炊飯すると、以下のような問題点が生じる場合がある。すなわち、予約炊飯を行う場合には、浸水した米を炊飯器1に載置した後に予約炊飯をセットするため、予約炊飯をセットしてから炊飯工程が開始されるまでの間、米は常に浸水している状態となる。そして、米を長時間浸水させると、焦げやすい米の澱粉が水に溶け出して釜2の下部に沈殿する。このため、米を長時間浸水するか、短時間浸水するかによって、米の炊きあがりにばらつきが生じるという問題点が生じる場合がある。また、沈殿した澱粉の層は水に比べて温度上昇しやすいため、沈殿した澱粉が釜2の底部に層を作ると、釜2の底部の米だけが先にカット温度に到達する。すると、他の部分の米の温度はカット温度に到達しないまま蒸らし工程へ移行するため、御飯が希望する状態に炊き上がらないという問題点が生じる場合がある。
【0018】
そこで、本実施の形態に係る炊飯器1では、すぐに炊飯を行う通常炊飯の場合には、ドライアップ工程におけるカット温度をTn℃に設定すると共に、燃焼の火力を強火に設定しているのに対し、予約炊飯モードによる炊飯を行う場合には、カット温度をTr℃(Tr<Tn)に下げ、火力を弱火に設定している。カット温度を下げることで、沈殿した澱粉が焦げ付くことを防ぐことができる。また、弱火でドライアップ工程を行うことで、ドライアップ時に上昇する温度の勾配が緩やかになって、釜内の温度がカット温度に到達するまでの時間が強火の場合よりも長くなる。従って、釜2内の温度差が縮小され、米の全体を目標の温度に調節することができる。
【0019】
以下、本発明の要部である炊飯器1の炊飯制御について、図2乃至図4を参照して説明する。図2は、炊飯処理のフローチャートであり、図3は、通常炊飯時における温度変化を示すグラフであり、図4は、予約炊飯時における温度変化を示すグラフである。炊飯器1では、米と水が入れられた釜2が載置されて通常炊飯ボタンが押下されるとすぐに炊飯が開始される。また、使用者によって時刻調節ボタン21が操作され、表示画面20に表示される炊飯終了時点が使用者の希望する時点に設定されている際に予約炊飯ボタン23が押下されると、予約炊飯モードによる炊飯が行われる。また、炊飯器1の制御を行うプログラムはコントローラ12に設けられたROM14に記憶され、CPU13において実行される。
【0020】
通常炊飯ボタン22若しくは予約炊飯ボタン23が押下されると、炊飯処理が開始される。まず、押下された炊飯ボタンが通常炊飯ボタン22であるか予約炊飯ボタン23であるかの判断が行われる(S1)。通常炊飯ボタン22が押下された場合には(S1:NO)、すぐに点火が行われて炊飯工程が開始され(S5)、釜内温度は上昇する。一方で、予約炊飯ボタン23が押下された場合、すなわち、予約炊飯モードによる炊飯を行う場合には(S1:YES)、炊飯工程を開始するまでの待機時間が算出されて、コントローラ12のRAM15に記憶される(S2)。この待機時間とは、予約炊飯ボタン23が押下されてから、炊飯工程が開始されるまでの時間である。そして、炊飯工程が開始される時点は、使用者によって設定された炊飯終了時点よりも、予約炊飯時の炊飯に要する所定時間だけ前となる。
【0021】
次いで、算出された待機時間を計測するカウンタがセットされ(S3)、この待機時間カウンタの値を用いて、待機時間が経過したか否かの判断が行われる(S4)。時間が経過するまでこの判断は繰り返し行われ(S4:NO)、待機時間中はバーナ4によるガスの燃焼は行われないため、釜内温度は周囲の温度に同調して推移する(図4のp11〜p12参照)。待機時間が経過したと判断されると(S4:YES)、炊飯工程が開始される。
【0022】
次いで、炊飯工程では、元電磁弁6、第1電磁弁7、第2電磁弁8の全てが開弁されて点火装置(図示外)によってガスに点火され、強火での燃焼が行われて(S5)、釜内温度は上昇する(図3のp1〜p3及び図4のp12〜p14参照)。そして、沸騰しているか否かの判断が行われる(S6)。沸騰中はバーナ4による燃焼熱が水の蒸発に用いられ、沸騰中の温度は略一定となる。従って、この沸騰状態であるか否かの判断は、釜内温度が所定温度以上である場合に、単位時間tc(図3のp2〜p3及び図4のp13〜p14参照)あたりの上昇温度が所定の範囲内に収まっているか否かによって行われる。沸騰していると判断された場合には(S6:YES)、第2電磁弁8のみが閉弁されて火力が強火から弱火に変更されて(S7)、沸騰維持状態となる。
【0023】
次いで、炊飯処理開始時に押下された炊飯ボタンが通常炊飯ボタン22であるか予約炊飯ボタン23であるかの判断が行われる(S8)。RAM15には、予約炊飯ボタン23が押下されたか否かを示すフラグが記憶されており、S8の判断はこのフラグを用いて行われる。通常炊飯ボタン22が押下されていた場合には(S8:NO)、沸騰が終了しているか否かの判断が行われる(S10)。水の蒸発が進んで沸騰が終了すると釜内温度が上昇するため、沸騰が終了したか否かの判断は、単位時間tc(図3のp4〜p5参照)あたりの上昇温度が所定の温度以上となったか否かによって行われる。沸騰が終了するまでこの判断は繰り返し行われ(S10:NO)、沸騰が終了したと判断された場合には(S10:YES)、再び第2電磁弁8が開弁されて火力が強火に変更され(S11)、ドライアップ工程が強火で行われる(図3のp5〜p6参照)。次いで、釜内温度がカット温度であるTn℃以上となったか否かの判断が行われる(S12)。釜内温度がTn℃以上となるまでこの判断は繰り返し行われ(S12:NO)、Tn℃以上となれば(S12:YES)、電磁弁6〜8の全てが閉弁されて消火が行われ(S13)、蒸らし工程を経て(S14)、炊飯処理が終了する(図3のp6〜p7参照)。
【0024】
一方で、予約炊飯ボタン23が押下されていた場合には(S8:YES)、消火までのドライアップ工程を弱火のまま行う(図4のp14〜p15参照)。そして、釜内温度がカット温度であるTr℃以上となったか否かの判断が行われる(S9)。釜内温度がTr℃以上となるまでこの判断は繰り返し行われ(S9:NO)、Tr℃以上となれば(S9:YES)、電磁弁6〜8の全てが閉弁されて消火が行われ(S13)、蒸らし工程を経て(S14)、炊飯処理が終了する(図4のp15〜p16参照)。
【0025】
以上説明したように、本発明に係る炊飯器によると、予約炊飯メニューによる炊飯を行う場合には、ガスの燃焼を停止させる温度であるカット温度を適切な温度とすることができる。よって、米を長時間浸水させることにより、米の澱粉が水に溶け出して沈殿し、釜の底部に層が形成されている場合であっても、焦げやすい性質を持つこの澱粉の層が焦げ付くことを防止することができる。従って、焦げができることによって味や見栄えが変化することを防ぐことができる。
【0026】
また、本発明に係る炊飯器によると、予約炊飯メニューによる炊飯を行う場合には、ドライアップ工程における燃焼の火力を通常炊飯時の火力よりも弱くすることができる。沈殿した澱粉の層は水に比べて温度上昇しやすいため、澱粉が沈殿した釜の底部と、その他の部分とでは温度差が発生しやすいが、弱火でドライアップ工程を行うことで、釜内温度の温度勾配が緩やかになり、温度差が縮小される。従って、釜内全体の温度を目標温度へ上昇させることができ、御飯を希望した状態に炊き上げることができる。
【0027】
尚、上記実施形態において、バーナ4が「加熱手段」に相当し、炊飯終了時点を設定する操作パネル11の時刻調節ボタン21が「炊飯終了時点設定手段」に相当する。また、釜底温度センサ9及び内蓋温度センサ10が「温度検出手段」に相当し、電磁弁6〜8を制御してバーナ4の燃焼を調節するコントローラ12のCPU13が「炊飯制御手段」及び「予約炊飯制御手段」に相当する。
【0028】
また、本発明は、本実施の形態に限定されることなく各種の変形が可能である。まず、本実施の形態では、予約炊飯モードによる炊飯を行う場合は必ず、通常炊飯時のカット温度Tnよりも低い温度Trをカット温度とし、ドライアップ工程時の燃焼の火力を弱火で行うが、これに限られない。例えば、予約炊飯が設定された時点から炊飯終了時点までの時間である待機時間が、基準とする所定時間以上であるか否かにより、カット温度やドライアップ工程時の燃焼の火力を変更してもよい。この場合には、待機時間が所定時間以上であるか否かを判断する待機時間判断手段を設け、図2のフローチャートにおけるS8の判断処理で、「押下されたボタンは予約炊飯ボタンか否か」の判断を行う代わりに、「待機時間が所定時間以上であるか否か」の判断を行うようにすればよい。
【0029】
また、予約炊飯が設定された時点からの経過時間が所定時間経過する毎(例えば1時間毎)にカット温度を変更してもよいし、基準とする経過時間を複数設定して、経過時間に応じてカット温度及び燃焼の火力を変更してもよい。また、本実施形態では、予約炊飯メニューによる炊飯に要する時間を、米の重量や単位時間当たりの温度上昇率等から算出してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、ガス炊飯器に限らず、電気炊飯器等の他の加熱手段を用いた炊飯器にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】炊飯器1の概略構成図である。
【図2】炊飯処理のフローチャートである。
【図3】通常炊飯時における温度変化を示すグラフである。
【図4】予約炊飯時における温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
1 炊飯器
2 釜
3 内蓋
4 バーナ
9 釜底温度センサ
10 内蓋温度センサ
11 操作パネル
12 コントローラ
13 CPU
14 ROM
15 RAM
16 EEPROM
17 計時装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯を終了させる時点を設定する炊飯終了時点設定手段により予め設定された炊飯終了時点にて炊飯の工程を終了させる予約炊飯モードを有する炊飯器において、
釜を加熱する加熱手段と、
前記釜の内部の温度を検出する温度検出手段と、
炊飯の工程における前記加熱手段の動作を制御すると共に、前記温度検出手段によって検出される温度が所定温度に達した際に前記加熱手段による前記釜の加熱を停止させて炊飯の工程を完了させる炊飯制御手段と
前記加熱手段を制御して、前記炊飯終了時点に炊飯の工程を完了させる予約炊飯制御手段と
を備え、
前記予約炊飯モードによる炊飯に際しては、当該予約炊飯制御手段は、前記所定温度よりも低い温度で前記加熱手段による前記釜の加熱を停止させることを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記予約炊飯制御手段は、前記予約炊飯モードによる炊飯を行う場合であって、前記炊飯終了時点設定手段の設定時点から前記炊飯終了時点までの時間が所定時間以上である場合には、前記所定温度よりも低い温度で前記加熱手段による前記釜の加熱を終了させることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記予約炊飯制御手段は、炊飯の工程中の、水分を蒸発させて米の温度を上昇させる工程であるドライアップ工程での前記加熱手段の出力を、前記炊飯制御手段による炊飯の際の前記ドライアップ工程での前記加熱手段の出力よりも弱くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−36249(P2008−36249A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216491(P2006−216491)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000112015)パロマ工業株式会社 (298)
【Fターム(参考)】