説明

炭素膜製造装置、および炭素膜の製造方法

【課題】新規な炭素膜製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の炭素膜製造装置は、供給ガスに電子ビームを照射し、プラズマを発生させる電子ビーム発生装置7と、炭素源を収容し、炭素源を加熱して気化させる炭素源容器4と、炭素膜を堆積させる基板3を有する。ここで、供給ガスは、アルゴンガスであることが好ましい。また、電子ビーム発生装置7の電子通過量は10〜100Aの範囲内にあることが好ましい。また、炭素源は、フラーレンC60、フラーレンC70、その他ナノメートルスケールのカーボン粒子であることが好ましい。また、基板3の広さは1〜100cm2 の範囲内にあることが好ましい。また、基板3のバイアス電圧は-500〜0Vの範囲内にあることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な炭素膜製造装置に関する。
また、本発明は、新規な炭素膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水素フリーのアモルファス炭素(ダイヤモンドライクカーボン)膜を合成するには、スパッタリング法(特許文献1参照)、質量分離イオンビーム蒸着法(特許文献2参照)、真空アーク蒸着法(特許文献3参照)などがある。水素フリーのアモルファス炭素膜は水素含有アモルファス炭素膜に比べて硬度が高いという特質を有している。
【0003】
一方、ECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマ成膜装置が提案されている(特許文献4参照)。この装置においては、気化器内のフラーレンを気化ヒーターにより加熱・気化し、キャビティに導入する。また、気化カーボンと電磁コイルで発生する磁界およびマイクロ波により、カーボンイオンおよび電離電子のみの純度の高いECRプラズマを発生させる。ECRプラズマ中のカーボンイオンを基板に向けて加速し、基板の表面に堆積させダイヤモンドライクカーボン膜を作製している。
【0004】
なお、発明者は、本発明に関連する技術内容を開示している(非特許文献1参照。)。これは、特許法第30条第1項を適用できるものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−271917号公報
【特許文献2】特開2003−34865号公報
【特許文献3】特表2001−506319号公報
【特許文献4】特開2007−191762号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Hamed Vaez Taghavi and Atsushi Hirata, Deposition of Amorphous Carbon Films by Sublimation of Fullerene in Electron Beam Excited Plasma [online]. Retrieved from the Internet: <URL: http://www.mrs.org/s_mrs/doc.asp?CID=19306&DID=243005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、水素フリーのアモルファス炭素膜は、切削工具やバルブリフターへのコーティング、磁気ヘッド保護膜に応用されている程度である。これは、スパッタリング法および質量分離イオンビーム蒸着法では成膜速度が遅く、また真空アーク蒸着法では膜中へのドロップレットの混入により表面平滑性に劣るためである。
【0008】
一方、特許文献4においては、ECRプラズマ成膜装置の構成、使用方法が記載されているが、具体的な条件が記載されていない。また、生成したとするダイヤモンドライクカーボン膜の物性が記載されていない。
【0009】
そのため、このような課題を解決する、新規な炭素膜製造装置、および新規な炭素膜の製造方法の開発が望まれている。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規な炭素膜製造装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、新規な炭素膜の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の炭素膜製造装置は、供給ガスに電子ビームを照射し、プラズマを発生させる電子ビーム発生装置と、炭素源を収容し、炭素源を加熱して気化させる炭素源容器と、炭素膜を堆積させる基板を有する。
【0012】
ここで、限定されるわけではないが、供給ガスは、アルゴンガスであることが好ましい。また、限定されるわけではないが、電子ビーム発生装置の電子通過量は10〜100Aの範囲内にあることが好ましい。また、限定されるわけではないが、炭素源は、フラーレンC60、フラーレンC70、その他ナノメートルスケールのカーボン粒子であることが好ましい。また、限定されるわけではないが、基板の広さは1〜100cm2 の範囲内にあることが好ましい。また、限定されるわけではないが、基板のバイアス電圧は-500〜0Vの範囲内にあることが好ましい。
【0013】
本発明の炭素膜の製造方法は、電子ビーム発生装置を用いて、供給ガスに電子ビームを照射し、プラズマを発生させ、炭素源を加熱して気化させ、基板に炭素膜を堆積させる方法である。
【0014】
ここで、限定されるわけではないが、供給ガスは、アルゴンガスであることが好ましい。また、限定されるわけではないが、電子ビーム発生装置の電子通過量は10〜100Aの範囲内にあることが好ましい。また、限定されるわけではないが、炭素源は、フラーレンC60、フラーレンC70、その他ナノメートルスケールのカーボン粒子であることが好ましい。また、限定されるわけではないが、基板の広さは1〜100cm2 の範囲内にあることが好ましい。また、限定されるわけではないが、基板のバイアス電圧は-500〜0Vの範囲内にあることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
【0016】
本発明の炭素膜製造装置は、供給ガスに電子ビームを照射し、プラズマを発生させる電子ビーム発生装置と、炭素源を収容し、炭素源を加熱して気化させる炭素源容器と、炭素膜を堆積させる基板を有するので、新規な炭素膜製造装置を提供することができる。
【0017】
本発明の炭素膜の製造方法は、電子ビーム発生装置を用いて、供給ガスに電子ビームを照射し、プラズマを発生させ、炭素源を加熱して気化させ、基板に炭素膜を堆積させるので、新規な炭素膜の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】炭素膜製造装置の構成を示す図である。
【図2】実施例1の炭素膜表面の原子力顕微鏡観察像を示す図である。
【図3】実施例1〜4、比較例1、および原料のフラーレンC60のラマンスペクトルを示す図である。
【図4】実施例1、比較例1、およびフラーレンC60のX線回折パターンを示す図である。
【図5】実施例1および比較例1の摩擦係数変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、炭素膜製造装置、および炭素膜の製造方法にかかる発明を実施するための形態について説明する。
【0020】
本発明の炭素膜製造装置は、供給ガスに電子ビームを照射し、プラズマを発生させる電子ビーム発生装置と、炭素源を収容し、炭素源を加熱して気化させる炭素源容器と、炭素膜を堆積させる基板を有するものである。
【0021】
本発明の炭素膜の製造方法は、電子ビーム発生装置を用いて、供給ガスに電子ビームを照射し、プラズマを発生させ、炭素源を加熱して気化させ、基板に炭素膜を堆積させる方法である。
【0022】
炭素源としては、フラーレンC60、フラーレンC70、その他ナノメートルスケールのカーボン粒子などを採用することができる。
【0023】
炭素源容器の容量は1〜120cm3 範囲内にあることが好ましい。炭素源容器の容量が1cm3 以上であると、多量の原料を充填でき、長時間成膜できるという利点がある。炭素源容器の容量が120cm3 以下であると、市販のルツボや蒸着装置が利用できるという利点がある。
【0024】
炭素源容器の材質としては、アルミナ、タングステン、モリブデン、タンタル、カーボン、各種セラミックなどを採用することができる。
【0025】
炭素源容器の加熱方法としては、抵抗加熱法、電子ビーム加熱法、誘導加熱法、赤外線加熱法などを採用することができる。
【0026】
炭素源容器の加熱温度は500〜1500℃の範囲内にあることが好ましい。加熱温度が500℃以上であると、フラーレンなどの気化が生じはじめるという利点がある。加熱温度が1500℃以下であると、原料とルツボとの反応を抑制することができるという利点がある。
【0027】
基板の広さは1〜100cm2 の範囲内にあることが好ましい。基板の広さが1cm2 以上であると、大面積に合成できるという利点がある。基板の広さが100cm2 以下であると、均一に合成できるという利点がある。
【0028】
基板の材質としては、シリコン、プラスチック、金属材料、ガラス、セラミックなどを採用することができる。
【0029】
基板のバイアス電圧は-500〜0Vの範囲内にあることが好ましい。また、バイアス電圧は-300〜-50vの範囲内にあることがさらに好ましい。
【0030】
バイアス電圧が-500V以上であると、プラズマによる炭素膜のエッチング作用が小さいという利点がある。バイアス電圧が-300V以上であると、この効果がより顕著になる。
【0031】
バイアス電圧が0V以下であると、炭素膜の成膜速度が増加するという利点がある。バイアス電圧が-50V以下であると、この効果がより顕著になる。
【0032】
電子ビーム発生装置としては、熱電子発生装置などを採用することができる。
【0033】
電子ビーム発生装置の陰極の温度は1200〜1800℃の範囲内にあることが好ましい。陰極の温度が1200℃以上であると、熱電子放出能が高くなるという利点がある。陰極の温度が1800℃以下であると、基板などへの熱影響が小さくなるという利点がある。
【0034】
電子ビーム発生装置の陽極の電圧は50〜150Vの範囲内にあることが好ましい。陽極の電圧が50V以上であると、アルゴンガス、フラーレン等の励起が促進されるという利点がある。陽極の電圧が150V以下であると、陽極の加熱が抑制されるという利点がある。
【0035】
電子ビーム発生装置の電子通過量は10〜100Aの範囲内にあることが好ましい。電子通過量が10A以上であると、アルゴンガス、フラーレン等の励起が促進されるという利点がある。電子通過量が100A以下であると、陽極、基板の加熱が抑制されるという利点がある。
【0036】
供給ガスとしては、アルゴンガスなどを採用することができる。
【0037】
供給ガスの供給速度は0.1〜25cc/minの範囲内にあることが好ましい。供給ガスの供給速度が0.1cc/min以上であると、安定してガスが供給できるという利点がある。供給ガスの供給速度が25cc/min以下であると、圧力設定が容易であるという利点がある。
【0038】
真空容器の圧力は1×10-2〜1Paの範囲内にあることが好ましい。圧力が1×10-2Pa以上であると、高密度のプラズマが生成されるという利点がある。圧力が1Pa以下であると、炭素源が気化、拡散しやすいという利点がある。
【0039】
炭素膜の膜厚は0.001〜10μmの範囲内にあることが好ましい。炭素膜の膜厚が0.001μm以上であると、摩耗の点で長寿命になるという利点がある。炭素膜の膜厚が10μm以下であると、コストが低減されるという利点がある。
【0040】
炭素膜の用途としては、表面保護、摩擦・摩耗低減、絶縁性付与、光透過性低減などがある。
【0041】
本発明の炭素膜製造装置、および炭素膜の製造方法の効果としては、(1)原料気化装置とプラズマ源を組み合わせたものであるため、従来のイオンプレーティング装置などが流用できる、(2)装置のスケールアップが容易であり、大面積に炭素膜を合成できる、(3)炭素膜を高速に合成できる、(4)炭素膜に他の元素を添加することが容易である、などがある。
【0042】
なお、本発明は上述の発明を実施するための形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【実施例1】
【0043】
つぎに、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0044】
<試料の調製>
【0045】
実施例1
炭素膜の製造方法について、図1を参照しながら説明する。
基板3としてシリコンウェハ(信越化学工業株式会社製、CZ-P)を使用した。基板3の形状は平板状であり、基板3の寸法は直径100mm×厚さ5mm以内である。基板3をアセトン中、60分間、超音波洗浄する。基板3を基板ホルダー2に取り付ける。基板ホルダー2は電子ビーム励起プラズマ源7の上方350mm離れた位置にある。
【0046】
炭素源のフラーレンC60(フロンティアカーボン株式会社製、nanom purple ST)を0.1g量りとり、セラミックルツボ4(材質:アルミナ、容量:3.0cm3)に入れる。
セラミックルツボ4には、抵抗加熱装置が設置されている。抵抗加熱装置は、セラミックルツボ4にタングステンヒーターを付けたものであり、セラミックルツボ4外面に沿って直径0.8mmのタングステン線3本を撚って作られたヒーターが巻かれている。
【0047】
真空容器1を1×10-4 Pa程度まで真空排気する。電子ビーム励起アルゴンプラズマを生成する。プラズマの発生には、電子ビーム励起プラズマ源7(ライボルト株式会社製、Advanced Plasma Source)を用いる。プラズマは、加熱した陰極6から放出された熱電子により、プラズマ源内に供給されたアルゴンガスを励起することで発生される。プラズマ発生条件は、陰極の温度が1500℃、陽極の電圧が最高140V、電子通過量が最大80A、アルゴンガスの供給速度が最大25cc/minである。プラズマ発生時の真空容器1内圧力は6×10-2 Pa程度である。
【0048】
基板ホルダー2に-800Vのバイアス電圧を印加して、10分間、基板表面をクリーニングする。その後、バイアス電圧を-200Vに設定し、フラーレンC60が入ったセラミックルツボ4を850℃に加熱する。フラーレンC60を気化させ、電子ビーム励起アルゴンプラズマ中で分解、励起する。生成した炭素を、バイアス電圧を印加した基板3の表面に堆積して炭素膜が形成する。1時間合成を行った後に、プラズマ発生とルツボ加熱を停止する。その後、真空容器1内を常圧に戻し、基板3を取り出す。生成した炭素膜の面積は78.5cm2 以下であった。
【0049】
実施例2
バイアス電圧を-300Vとしたこと以外は、実施例1と同様である。
【0050】
実施例3
バイアス電圧を-500Vとしたこと以外は、実施例1と同様である。
【0051】
実施例4
バイアス電圧を0Vとしたこと以外は、実施例1と同様である。
【0052】
実施例5
合成時間を10分間としたこと以外は、実施例1と同様である。
【0053】
比較例1
アルゴンガスの供給量を0とし、電子ビーム励起アルゴンプラズマを生成せず、基板表面のクリーニングをしないこと以外は、実施例1と同様である。
【0054】
<評価方法>
【0055】
外観観察
炭素膜の表面を原子間力顕微鏡(セイコースンスツルメンツ社製、ナノピクス2100)にて観察した。
【0056】
ラマンスペクトル
ラマン分光分析機(日本分光株式会社製、NRS-1000)を用いて、アルゴンレーザを炭素膜に照射してラマンスペクトルを測定した。
【0057】
X線回折
X線回折装置(フィリップス社製、X’Pert Pro MRD)を用いて、炭素膜のX線回折分析を行った。
【0058】
表面粗さ
原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社製、ナノピクス2100)にて炭素膜の表面粗さを測定した。
【0059】
ナノインデンテーション硬さ
ナノインデンター(Hysitron社製、Triboscope)により、ベルコビッチ型ダイヤモンド圧子を用いてナノインデンテーション硬さを測定した。
【0060】
摩擦係数
自作のボールオンディスク式摩擦試験機を用い、ステンレス鋼球と炭素膜との間の摩擦力を測定し、摩擦係数を算出した。
【0061】
成膜速度
基板表面の一部をマスクして炭素膜を合成し、炭素膜端部の段差を膜厚として原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社製、ナノピクス2100)にて測定した。膜厚と合成時間との関係から成膜速度を算出した。
【0062】
<評価結果>
【0063】
外観観察
実施例1の炭素膜表面の原子力顕微鏡観察像は図2に示すとおりである。大きな粒子の堆積が見られない平滑な表面であることがわかる。実施例2,3,5の炭素膜も同様である。
【0064】
ラマンスペクトル
実施例1〜4、比較例1、および原料のフラーレンC60のラマンスペクトルは図3に示すとおりである。電子ビーム励起アルゴンプラズマ中で生成した炭素膜の炭素原子結合状態はフラーレンおよびフラーレン膜とは全く異なり、ダイヤモンドライクカーボン膜と同様である。
【0065】
X線回折
実施例1、比較例1、およびフラーレンC60のX線回折パターンは図4に示すとおりである。フラーレンおよびフラーレン膜は結晶構造を有するが、炭素膜は結晶構造を持たないアモルファス構造であることがわかる。
【0066】
表面粗さ
図2に示した実施例1の炭素膜表面の原子間力顕微鏡観察像から表面粗さを測定した結果、平均粗さが約0.2nmである。実施例2および3の炭素膜も同様である。電子ビーム励起アルゴンプラズマにより原料のフラーレンが原子レベルに分解され、基板表面に堆積して炭素膜となるためと考えられる。
【0067】
ナノインデンテーション硬さ
ナノインデンテーション硬さは実施例1で12.0〜20.6GPa、実施例2で11.4〜12.5GPa、実施例3で8.5〜12.0GPa、実施例4で7.7〜11.3GPa、比較例1で0.8〜1.2GPaである。炭素膜の硬さは炭素イオンのエネルギーすなわちバイアス電圧に関係すると考えられ、-200V付近で最も硬い膜になる。
【0068】
摩擦係数
実施例1および比較例1の摩擦係数変化は図5に示すとおりである。炭素膜はフラーレン膜より低い摩擦係数を示す。炭素膜が硬く平滑であり、さらに基板から剥離しにくいためと考えられる。
【0069】
成膜速度
成膜速度は実施例1で1.0μm/h、実施例2で0.5μm/h、実施例3で0.2μm/h、実施例4で0.35μm/h、比較例1で0.1μm/hである。気化したフラーレンを電子ビーム励起アルゴンプラズマで分解、励起することで成膜に寄与する活性種量が増加し、バイアス電圧を基板ホルダーに印加することで基板にイオンを引きよせるため、成膜速度が増加すると考えられる。ただし、バイアス電圧を高くするにつれて炭素膜のエッチング作用が増し、成膜速度は最大値から低下する。
【符号の説明】
【0070】
1‥‥真空容器、2‥‥基板ホルダー、3‥‥基板、4‥‥セラミックルツボ、5‥‥陽極、6‥‥陰極、7‥‥電子ビーム励起プラズマ源、8‥‥アルゴンガス供給口、9‥‥電子ビーム、10‥‥バイアス電圧用電源、11‥‥真空ポンプ、12‥‥絶縁体、15‥‥プラズマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給ガスに電子ビームを照射し、プラズマを発生させる電子ビーム発生装置と、
炭素源を収容し、炭素源を加熱して気化させる炭素源容器と、
炭素膜を堆積させる基板を有する
炭素膜製造装置。
【請求項2】
供給ガスは、アルゴンガスである
請求項1記載の炭素膜製造装置。
【請求項3】
電子ビーム発生装置の電子通過量は10〜100Aの範囲内にある
請求項1記載の炭素膜製造装置。
【請求項4】
炭素源は、フラーレンC60、フラーレンC70、その他ナノメートルスケールのカーボン粒子である
請求項1記載の炭素膜製造装置。
【請求項5】
基板の広さは1〜100cm2 の範囲内にある
請求項1記載の炭素膜製造装置。
【請求項6】
基板のバイアス電圧は-500〜0Vの範囲内にある
請求項1記載の炭素膜製造装置。
【請求項7】
供給ガスは、アルゴンガスであり、
電子ビーム発生装置の電子通過量は10〜100Aの範囲内にあり、
炭素源は、フラーレンC60、フラーレンC70、その他ナノメートルスケールのカーボン粒子であり、
基板の広さは1〜100cm2 の範囲内にあり、
基板のバイアス電圧は-500〜0Vの範囲内にある
請求項1記載の炭素膜製造装置。
【請求項8】
電子ビーム発生装置を用いて、供給ガスに電子ビームを照射し、プラズマを発生させ、
炭素源を加熱して気化させ、
基板に炭素膜を堆積させる
炭素膜の製造方法。
【請求項9】
供給ガスは、アルゴンガスである
請求項8記載の炭素膜の製造方法。
【請求項10】
電子ビーム発生装置の電子通過量は10〜100Aの範囲内にある
請求項8記載の炭素膜の製造方法。
【請求項11】
炭素源は、フラーレンC60、フラーレンC70、その他ナノメートルスケールのカーボン粒子である
請求項8記載の炭素膜の製造方法。
【請求項12】
基板の広さは1〜100cm2 の範囲内にある
請求項8記載の炭素膜の製造方法。
【請求項13】
基板のバイアス電圧は-500〜0Vの範囲内にある
請求項8記載の炭素膜の製造方法。
【請求項14】
供給ガスは、アルゴンガスであり、
電子ビーム発生装置の電子通過量は10〜100Aの範囲内にあり、
炭素源は、フラーレンC60、フラーレンC70、その他ナノメートルスケールのカーボン粒子であり、
基板の広さは1〜100cm2 の範囲内にあり、
基板のバイアス電圧は-500〜0Vの範囲内にある
請求項8記載の炭素膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−280937(P2010−280937A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134304(P2009−134304)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年5月1日 インターネットアドレス「http://www.mrs.org/s_mrs/sec.asp?CID=16207&DID=215644」に発表
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】