説明

現像ローラカバーおよび現像カートリッジ

【課題】現像カートリッジに対する装着時に、現像ローラの表面に接触することを防止することができる現像ローラカバー、および、そのような現像ローラを備える現像カートリッジを提供すること。
【解決手段】現像ローラカバー134において、長手状のカバー本体部135の長手方向の両端部に、現像カートリッジ30に係止される係止部136,137を設ける。また、カバー本体部135のローラ対向部138を断面円弧状に形成し、その上端縁部139に上側案内部146を設けるとともに、下端縁部140に下側案内部151を設ける。現像ローラカバー134が現像カートリッジ30に装着された状態で、上側案内部146は、バックサポート部材111の延設部132に対して上方から対向し、下側案内部151は、筐体36の補強部80に対して下方から対向する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に備えられる現像カートリッジ、および、その現像カートリッジに装着される現像ローラカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの電子写真方式の画像形成装置には、静電潜像が形成される感光ドラムが備えられており、その感光ドラムの表面にトナーを供給するための現像カートリッジが着脱自在に装着されている。
現像カートリッジは、現像剤を収容する筐体と、この筐体に回転可能に支持され、現像剤を担持する現像ローラとを備えている。筐体には、長手状の開口部が形成されており、現像ローラは、その開口部において、表面の一部が露出し、感光ドラムの表面に対向するように配置されている。そして、筐体内の現像剤は、現像ローラの表面上に担持され、現像ローラの回転に伴って、感光ドラムの表面に接触するときに、感光ドラムの表面に形成されている静電潜像に供給される。
【0003】
現像ローラの表面の一部が筐体から露出しているので、現像カートリッジが画像形成装置から取り外された状態において、その現像ローラの表面の露出した部分が傷つくおそれがある。そのため、現像カートリッジには、通常、画像形成装置から取り外された状態において、現像ローラを保護するためのカバー部材が装着される。
このようなカバー部材として、たとえば、現像ローラに対向配置される現像ローラ保護カバーと、この現像ローラ保護カバーの上端部中央に形成されたカバー把手および爪部と、下端部両端に形成されたリブとを備えるものが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。そして、このカバー部材では、カバー把手を把持し、各リブを現像カートリッジの下端部に引っ掛けて、その各リブと現像カートリッジとの引っ掛かり部分を支点として、カバー部材を回動させて、爪部を現像カートリッジに係止させることにより、カバー部材を現像カートリッジに対して装着させることができる。
【特許文献1】特開2003−195730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、上記のような構成の他に、たとえば、カバー部材を現像カートリッジの筐体の開口部の長手方向両側に係止させる構成が考えられる。たとえば、筐体の両側壁から現像ローラの軸端部が突出している場合、その現像ローラの一方の軸端部にカバー部材の長手方向の一端部を係止させた後、現像ローラの他方の軸端部にカバー部材の長手方向の他端部を係止させることにより、カバー部材を筐体の開口部を塞ぐように装着することができる。
【0005】
ところが、カバー部材の長手方向の一端部を現像ローラの軸端部に係止させた状態では、その軸端部を中心として、カバー部材が長手方向と交差する方向に振れるため、カバー部材の装着時に、カバー部材の長手方向に延びる縁部を筐体の開口部の縁部に沿うように配置されないと、そのカバー部材の長手方向に延びる縁部が、開口部に入り込んで、現像ローラの表面に接触し、現像ローラの表面を傷つけてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、現像カートリッジに対する装着時に、現像ローラの表面に接触することを防止することができる現像ローラカバー、および、そのような現像ローラを備える現像カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、長手状の開口部が形成された筐体と、その一部が前記筐体の外部に露出するように前記開口部に配置される現像ローラと、を備える現像カートリッジに対して着脱可能に装着され、前記現像カートリッジに対して装着された装着状態で、前記現像ローラの表面を保護する現像ローラカバーにおいて、前記装着状態において、前記現像ローラの表面に対向配置され、前記開口部の長手方向に延びるカバー本体部と、前記カバー本体部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、前記装着状態において、前記現像カートリッジに対して係止される係止部と、前記カバー本体部の長手方向に延びるカバー縁部に設けられ、前記現像カートリッジに対する装着時に、前記カバー縁部が前記開口部の周縁において長手方向に延びる開口縁部に沿って配置されるように、前記カバー縁部を案内するための案内部とを備えていることを特徴としている。
【0008】
このような構成によると、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時には、案内部によって、カバー本体部の長手方向に延びるカバー縁部が、筐体の開口部の周縁において長手方向に延びる開口縁部に沿って配置されるように案内される。これにより、カバー縁部が筐体の開口部に入り込むことを防止することができる。そのため、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、カバー縁部が現像ローラの表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記カバー縁部は、前記カバー本体部の長手方向と直交する方向において互いに対向する第1カバー縁部および第2カバー縁部を含み、前記案内部は、前記第1カバー縁部および前記第2カバー縁部にそれぞれ設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時には、第1カバー縁部に設けられる案内部内によって、第1カバー縁部が開口縁部に沿って配置されるように案内され、その一方で、第2カバー縁部に設けられる案内部によって、第2カバー縁部が開口縁部に沿って配置されるように案内される。すなわち、カバー本体部の長手方向と直交する方向の両側において、各カバー縁部(第1カバー縁部および第2カバー縁部)が開口縁部に沿って配置されるように案内される。これにより、両カバー縁部が筐体の開口部に入り込むことを確実に防止することができる。そのため、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、両カバー縁部が現像ローラの表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1カバー縁部に設けられる前記案内部は、前記装着状態において、前記開口縁部を挟んで前記現像ローラと反対側に配置されることを特徴としている。
このような構成によると、現像ローラカバーが現像カートリッジに装着された状態において、第1カバー縁部に設けられる案内部は、開口縁部を挟んで現像ローラと反対側に配置される。そのため、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、その案内部が筐体の開口部に入り込むことを防止することができる。その結果、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、案内部が現像ローラの表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記筐体は、前記開口部の長手方向において前記開口部を挟んで互いに対向する2つの側壁を備えており、前記第1カバー縁部に設けられる前記案内部は、前記装着状態において、2つの前記側壁間に入り込むことを特徴としている。
このような構成によると、第1カバー縁部に設けられる案内部が筐体の両側壁間に入り込むので、現像ローラカバーが開口部の長手方向にがたつくことを防止することができる。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第1カバー縁部に設けられる前記案内部は、前記第1カバー縁部に沿って延び、その長手方向の両端部に前記側壁との干渉を避けるための切欠部が形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、第1カバー縁部に設けられる案内部の長手方向両端部が筐体の側壁に接触(干渉)することを回避することができる。そのため、第1カバー縁部に設けられる案内部を筐体の両側壁間にスムーズに入り込ませることができる。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2ないし5のいずれかに記載の発明において、前記現像カートリッジは、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材を備えており、前記第1カバー縁部は、前記装着状態において、前記層厚規制部材に沿って配置されることを特徴としている。
このような構成によると、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時には、第1カバー縁部に設けられる案内部によって、第1カバー縁部が層厚規制部材に沿って配置されるように案内される。これにより、第1カバー縁部が筐体の開口部に入り込むことを防止することができる。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6のいずれかに記載の発明において、前記筐体は、前記開口部に対してその長手方向と直交する方向における一方側に、前記開口部の長手方向に沿って延びる補強部を備えており、前記第2カバー縁部は、前記装着状態において、前記補強部に沿って配置されることを特徴としている。
このような構成によると、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時には、第2カバー縁部に設けられる案内部によって、第2カバー縁部が補強部に沿って配置されるように案内される。これにより、第2カバー縁部が筐体の開口部に入り込むことを防止することができる。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の発明において、前記装着状態において、前記現像ローラカバーを前記開口部の長手方向において位置決めするための位置決め部を備えていることを特徴としている。
このような構成によると、現像ローラカバーが開口部の長手方向において位置決めされるので、現像ローラカバーが開口部の長手方向にずれて装着されることを防止することができる。そのため、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、現像ローラカバーの長手方向端部が筐体の開口部に入り込むことを防止することができ、その長手方向端部の接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。また、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着後には、現像ローラカバーが開口部の長手方向にがたつくことを防止することができる。
【0016】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記係止部の一方は、可撓性を有しており、前記位置決め部は、可撓性を有する前記係止部と反対側に片寄った位置に設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、係止部の一方が可撓性を有している場合、その係止部と反対側の係止部を現像カートリッジに係止させ、これを支点として、現像ローラカバーが現像カートリッジに対して装着されるので、可撓性を有する係止部と反対側に片寄った位置に位置決め部が設けられていることにより、現像ローラカバーの装着過程で、現像ローラカバーを開口部の長手方向に位置決めすることができる。そのため、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、現像ローラカバーの長手方向端部が現像ローラに接触することをより確実に防止することができる。その結果、現像ローラカバーの接触による現像ローラの表面の損傷をより一層防止することができる。また、位置決め部を支点となる方の係止部に片寄らせることにより、現像ローラカバーの装着過程での位置決め公差を小さくすることができる。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の発明において、前記開口縁部は、前記開口部の長手方向と直交する方向に延びる嵌合部を備えており、前記位置決め部は、前記カバー縁部に切り込みを入れることにより形成され、前記装着状態で前記嵌合部を嵌合させることを特徴としている。
このような構成によると、カバー縁部に切り込みを入れることにより形成された位置決め部に、開口縁部に備えられる嵌合部を嵌合させることによって、現像ローラカバーの長手方向の位置決めが達成される。そのため、簡素な構成により、現像ローラカバーの長手方向における確実な位置決めを達成することができる。
【0018】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の発明において、前記係止部の一方は、可撓性を有していることを特徴としている。
このような構成によると、可撓性を有する係止部と反対側の係止部を現像カートリッジに係止させ、これを支点として、現像ローラカバーを現像カートリッジに近づけて、可撓性を有する係止部を現像カートリッジに係止させるときに、その可撓性を有する係止部を容易に変形させることができる。そのため、可撓性を有する係止部を現像カートリッジに容易に係止させることができ、現像ローラカバーを現像カートリッジに対して装着するときの手間を軽減することができる。
【0019】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の発明において、前記現像ローラは、その軸の両端部が前記筐体の外部に突出した状態で前記筐体に支持されており、前記係止部は、前記筐体から突出する前記軸の端部に係止されることを特徴としている。
このような構成によると、係止部が現像ローラの軸の端部に係止されるので、現像カートリッジに係止部を係止させるための部材を別途設ける必要がない。そのため、現像カートリッジの部品点数の削減を図ることができ、現像カートリッジの構成を簡素化することができる。さらに、係止部を現像ローラの軸に係止させることにより、現像ローラカバの装着の際に、その現像ローラカバーが軸を支点として振れやすくなるが、案内部を有しているため、カバー縁部が筐体の開口部に入り込むことを防止することができる。
【0020】
また、請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の発明において、前記カバー本体部は、その長手方向に直交する平面で切断したときの断面形状が弧状のローラ対向部を備えていることを特徴としている。
このような構成によると、カバー本体部に断面弧状のローラ対向部が備えられているので、カバー本体部の強度の増大を図ることができる。
【0021】
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記カバー本体部から膨出し、前記装着状態において、前記現像カートリッジが梱包されるときに、前記現像カートリッジを梱包する梱包材に受けられる受け部を備えていることを特徴としている。
このような構成によると、カバー本体部に受け部が備えられているので、現像カートリッジが梱包されたときに、受け部が梱包材に受けられることにより、現像カートリッジを安定した状態に梱包することができる。また、受け部がカバー本体部から膨出していることによって、受け部とカバー本体部との間に段差が形成されるので、カバー本体部の強度のさらなる増大を図ることができる。
【0022】
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、前記受け部は、前記カバー本体部の長手方向の両端部にそれぞれ形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、カバー本体部の長手方向の両端部に受け部が形成されているので、現像カートリッジをより安定した状態に梱包することができながら、カバー本体部の強度の一層の増大を図ることができる。
【0023】
また、請求項16に記載の発明は、長手状の開口部が形成された筐体と、その一部が前記筐体の外部に露出するように前記開口部に配置される現像ローラと、を備える現像カートリッジに対して着脱可能に装着され、前記現像カートリッジに対して装着された装着状態で、前記現像ローラの表面を保護する現像ローラカバーにおいて、前記装着状態において、前記現像ローラの表面に対向配置され、前記開口部の長手方向に延びるカバー本体部と、前記カバー本体部に設けられ、前記カバー本体部の長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状が弧状のローラ対向部と、前記カバー本体部の長手方向の両端部に設けられ、前記カバー本体部から膨出し、前記装着状態において、前記現像カートリッジを梱包する梱包材を受けるための受け部とを備えていることを特徴としている。
【0024】
このような構成によると、カバー本体部に断面弧状のローラ対向部が備えられているので、カバー本体部の強度の増大を図ることができる。そのうえ、受け部がカバー本体部から膨出していることによって、受け部とカバー本体部との間に段差が形成されるので、カバー本体部の強度のさらなる増大を図ることができる。また、カバー本体部が受け部を備えているので、現像カートリッジが梱包されたときに、受け部が梱包材に受けられることにより、現像カートリッジを安定した状態に梱包することができる。
【0025】
また、請求項17に記載の発明は、現像カートリッジにおいて、長手状の開口部が形成された筐体と、その一部が前記筐体の外部に露出するように前記開口部に配置される現像ローラと、請求項1ないし16のいずれかに記載の現像ローラカバーとを備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、現像カートリッジに対する装着時に、カバー縁部が現像ローラの表面に接触することを防止することができる現像ローラカバーを備えているので、その現像ローラカバーの装着時に、現像ローラカバーのカバー縁部の接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、カバー縁部が現像ローラの表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、両カバー縁部が現像ローラの表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
【0027】
請求項3に記載の発明によれば、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、第1カバー縁部に設けられる案内部が現像ローラの表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、現像ローラカバーが開口部の長手方向にがたつくことを防止することができる。
【0028】
請求項5に記載の発明によれば、第1カバー縁部に設けられる案内部を筐体の両側壁間にスムーズに入り込ませることができる。
請求項6に記載の発明によれば、第1カバー縁部が筐体の開口部に入り込むことを防止することができる。
請求項7に記載の発明によれば、第2カバー縁部が筐体の開口部に入り込むことを防止することができる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、現像ローラカバーの現像カートリッジに対する装着時に、現像ローラカバーの接触による現像ローラの表面の損傷を一層防止することができながら、その装着後には、現像ローラカバーが開口部の長手方向にがたつくことを防止することができる。
請求項9に記載の発明によれば、現像ローラカバーの接触による現像ローラの表面の損傷をより一層防止することができる。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、簡素な構成により、現像ローラカバーの長手方向における確実な位置決めを達成することができる。
請求項11に記載の発明によれば、可撓性を有する係止部を現像カートリッジに容易に係止させることができ、現像ローラカバーを現像カートリッジに対して装着するときの手間を軽減することができる。
【0031】
請求項12に記載の発明によれば、現像カートリッジの部品点数の削減を図ることができ、現像カートリッジの構成を簡素化することができる。さらに、係止部を現像ローラの軸に係止させることにより、現像ローラカバの装着の際に、その現像ローラカバーが軸を支点として振れやすくなるが、案内部を有しているため、カバー縁部が筐体の開口部に入り込むことを防止することができる。
【0032】
請求項13に記載の発明によれば、カバー本体部の強度の増大を図ることができる。
請求項14に記載の発明によれば、現像カートリッジを安定した状態に梱包することができながら、カバー本体部の強度のさらなる増大を図ることができる。
請求項15に記載の発明によれば、現像カートリッジをより安定した状態に梱包することができながら、カバー本体部の強度の一層の増大を図ることができる。
【0033】
請求項16に記載の発明によれば、現像カートリッジを安定した状態に梱包することができながら、カバー本体部の強度の増大を図ることができる。
請求項17に記載の発明によれば、現像ローラカバーの装着時に、現像ローラカバーのカバー縁部の接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
1.レーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の現像カートリッジが備えられるレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2と、その本体ケーシング2内に、用紙3を給紙するためのフィーダ部4と、フィーダ部4により給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2の一方側の側壁には、後述するプロセスカートリッジ20を着脱するための着脱口6が形成されており、その着脱口6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。このフロントカバー7は、その下端部に挿通されたカバー軸8に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー7を、カバー軸8を支点として閉じると、フロントカバー7によって着脱口6が閉鎖され、フロントカバー7を、カバー軸8を支点として開くと、着脱口6が開放され、この着脱口6を介して、プロセスカートリッジ20を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0035】
なお、以下の説明では、このレーザプリンタ1において、フロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。また、プロセスカートリッジ20(現像カートリッジ30)においては、本体ケーシング2に装着された状態で、フロントカバー7側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。
(2)フィーダ部
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、前後方向に沿って着脱自在に装着される給紙トレイ9と、給紙トレイ9の前端部の上方に設けられる分離ローラ10および分離パッド11と、分離ローラ10の後側(分離パッド11に対して用紙3の搬送方向上流側)に設けられる給紙ローラ12とを備えている。また、フィーダ部4は、分離ローラ10の前側上方(分離ローラ10に対して用紙3の搬送方向下流側)に設けられる紙粉取りローラ13と、その紙粉取りローラ13に対向配置されるピンチローラ14とを備えている。
【0036】
フィーダ部4における用紙3の搬送経路は、紙粉取りローラ13の近傍から略U字形状に後側へ折り返され、プロセスカートリッジ20に向けて略水平に延びている。そして、フィーダ部4は、その搬送経路の略水平に延びる部分上に、1対のローラからなるレジストローラ15を備えている。
給紙トレイ9の内部には、用紙3を積層状に載置可能な用紙押圧板16が設けられている。この用紙押圧板16は、後端部において揺動可能に支持されることによって、前端部が下方に配置され、給紙トレイ9の底板に沿う載置位置と、前端部が上方に配置され、傾斜する供給位置との間で揺動可能とされている。
【0037】
また、給紙トレイ9の前端部には、用紙押圧板16の前端部を上方に持ち上げるためのレバー17が設けられている。このレバー17は、用紙押圧板16の前端部下方位置において、後端部がレバー軸18にて揺動自在に支持され、前端部が給紙トレイ9の底板に伏した姿勢と、前端部が用紙押圧板16を持ち上げるように傾斜した姿勢との間で揺動可能とされている。そして、レバー軸18に駆動力が入力されると、レバー17がレバー軸18を支点として回転し、レバー17の前端部が用紙押圧板16の前端部を持ち上げ、用紙押圧板16を供給位置に移動させる。
【0038】
用紙押圧板16が供給位置に位置されると、用紙押圧板16上の最上位の用紙3は、給紙ローラ12に押圧され、給紙ローラ12の回転によって、分離ローラ10と分離パッド11との間の分離位置に向けて給紙が開始される。
なお、給紙トレイ9を本体ケーシング2から離脱させると、用紙押圧板16が載置位置に位置される。用紙押圧板16が載置位置に位置されると、用紙押圧板16上に用紙3を積層状に載置することができる。
【0039】
給紙ローラ12によって分離位置に向けて送り出された用紙3は、分離ローラ10の回転によって、分離ローラ10と分離パッド11との間に挟まれたときに、1枚ごとに捌かれて給紙される。給紙された用紙3は、紙粉取りローラ13とピンチローラ14との間を通過し、そこで紙粉が取り除かれた後、U字状の給紙側搬送経路に沿って折り返され、レジストローラ15に向けて搬送される。
【0040】
レジストローラ15は、用紙3を、レジスト後に、感光ドラム28と転写ローラ31との間であって、感光ドラム28上のトナー像を用紙に転写する転写位置に搬送する。
(3)画像形成部
画像形成部5は、スキャナ部19、プロセスカートリッジ20および定着部21を備えている。
<スキャナ部>
スキャナ部19は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー22、fθレンズ23、反射鏡24、レンズ25および反射鏡26を備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー22で偏向されてfθレンズ23を通過した後、反射鏡24によって光路が折り返され、さらにレンズ25を通過した後、反射鏡26によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ20の感光ドラム28の表面上に照射される。
<プロセスカートリッジ>
図2は、プロセスカートリッジの側断面図である。
【0041】
プロセスカートリッジ20は、本体ケーシング2内におけるスキャナ部19の下方に設けられ、本体ケーシング2に対して着脱口6を介して着脱自在に装着されている。
このプロセスカートリッジ20は、図2に示すように、ドラムフレーム27と、そのドラムフレーム27内に設けられる、感光ドラム28、スコロトロン型帯電器29、現像カートリッジ30、転写ローラ31およびクリーニング部32とを備えている。
【0042】
ドラムフレーム27には、ドラムフレーム27外から転写位置に用紙3を搬送するためのドラム前側開口部113と、転写位置からドラムフレーム27外に用紙3を搬送するためのドラム後側開口部114とが形成されている。ドラム前側開口部113は、現像カートリッジ30の下方であって、転写位置の前側に配置され、転写ローラ31の軸方向(以下、単に「軸方向」という場合がある。)に沿ってドラムフレーム27の内外を連通するように開口されている。ドラム後側開口部114は、ドラム前側開口部113に対して転写位置を挟んで対向するように、転写位置の後側に配置され、軸方向に沿ってドラムフレーム27の内外を連通するように開口されている。
【0043】
感光ドラム28は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体33と、このドラム本体33の軸心において、ドラム本体33の軸方向に沿って延びる金属製のドラム軸34とを備えている。ドラム軸34がドラムフレーム27に支持され、このドラム軸34に対してドラム本体33が回転自在に支持されることにより、感光ドラム28は、ドラムフレーム27において、ドラム軸34を中心に回転自在に設けられている。また、感光ドラム28は、図示しないモータからの駆動力が入力されることにより、回転駆動される。
【0044】
スコロトロン型帯電器29は、感光ドラム28の後側斜め上方において、ドラムフレーム27に支持されており、感光ドラム28と接触しないように間隔を隔てて、感光ドラム28と対向配置されている。このスコロトロン型帯電器29は、感光ドラム28と間隔を隔てて対向配置された放電ワイヤ35と、放電ワイヤ35と感光ドラム28との間に設けられ、感光ドラム28への放電量を制御するためのグリッド49とを備えている。このスコロトロン型帯電器29では、グリッド49にバイアス電圧を印加すると同時に、放電ワイヤ35に高電圧を印加して、放電ワイヤ35をコロナ放電させることにより、感光ドラム28の表面を一様に正極性に帯電させる。
【0045】
現像カートリッジ30は、ドラムフレーム27に着脱自在に装着される。そのため、現像カートリッジ30は、本体ケーシング2に対して、ドラムフレーム27に装着された状態で着脱させることができ、また、ドラムフレーム27を本体ケーシング2に残したまま、単体で着脱させることもできる。
この現像カートリッジ30は、筐体36と、その筐体36内に設けられる供給ローラ37、現像ローラ38および開口縁部としての層厚規制部材39とを備えている。
【0046】
筐体36は、後で詳述するが、後側が開放されるボックス状に形成されている。筐体36の内部には、隔壁40と、その隔壁40によって仕切られるトナー収容室41および現像室42とが設けられている。
トナー収容室41は、隔壁40によって仕切られた筐体36の前側の内部空間として区画されている。トナー収容室41内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが収容されている。トナーには、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などによって共重合させることにより得られる重合トナーが用いられる。この重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
【0047】
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。トナーの平均粒径は、約6〜10μmである。
また、トナー収容室41内には、トナーを攪拌するためのアジテータ45が設けられている。このアジテータ45は、トナー収容室41のほぼ中央において幅方向(前後方向および上下方向に直交する方向、以下同じ。)に延びるアジテータ回転軸46と、アジテータ回転軸46に設けられた攪拌部材47とを備えている。図示しないモータからの駆動力がアジテータ回転軸46に入力されると、アジテータ回転軸46が回転され、攪拌部材47が、アジテータ回転軸46を中心として、トナー収容室41を周方向に移動する。そうすると、トナー収容室41内のトナーが、攪拌部材47によって攪拌され、隔壁40の下方の連通口43から現像室42に放出される。
【0048】
現像室42は、隔壁40によって仕切られた筐体36の後側の内部空間として区画されている。
供給ローラ37は、現像室42において、連通口43の後側に配置されている。この供給ローラ37は、金属製の供給ローラ軸50と、その供給ローラ軸50を被覆する導電性の発泡材料からなるスポンジローラ51とを備えている。供給ローラ軸50は、幅方向に延び、その両端部が筐体36に回転自在に支持されている。供給ローラ37は、図示しないモータからの駆動力が供給ローラ軸50に入力されることにより回転駆動される。
【0049】
現像ローラ38は、現像室42において、供給ローラ37の後側に配置され、供給ローラ37と互いに圧縮されるように接触した状態に設けられている。また、この現像ローラ38は、現像カートリッジ30がドラムフレーム27に装着された状態で、感光ドラム28に対して斜め前側上方から対向配置され、後側へ最も突出する上下方向中央部よりも下側の部分が感光ドラム28に接触している。この現像ローラ38は、金属製の現像ローラ軸52と、その現像ローラ軸52を被覆する導電性のゴム材料からなるゴムローラ53とを備えている。現像ローラ軸52は、幅方向に延び、その両端部が筐体36に回転自在に支持されている。ゴムローラ53は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムから形成され、その表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。現像ローラ38は、図示しないモータからの駆動力が現像ローラ軸52に入力されることにより回転駆動される。また、現像ローラ38には、現像時に現像バイアスが印加される。
【0050】
層厚規制部材39は、金属製の板ばね材からなるブレード本体54と、そのブレード本体54の遊端部に設けられる絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部55と、ブレード本体54の基端部を筐体36の後端部に取り付けるための取付部材109とを備えている。取付部材109と筐体36の後端部との間には、その間からのトナーの漏れを防止するためのシール部材110が介在されている。
【0051】
取付部材109は、ブレード本体54の基端部を挟持するフロントサポート部材115およびバックサポート部材111と、これらを一体的に固定するための複数本(この実施形態では4本)の組みねじ112とを備えている。
フロントサポート部材115は、幅方向に延びる矩形状の金属板からなり、前面がシール部材110に接し、後面がブレード本体54の基端部に接している。
【0052】
バックサポート部材111は、金属板を断面略L字状に屈曲させて形成されており、ブレード本体54の基端部に対して後側に対向配置されている。より具体的には、バックサポート部材111は、幅方向に延び、ブレード本体54の基端部に接する挟持部131と、この挟持部131の下端縁から後方に向けて延びる延設部132とを一体的に備えている。
【0053】
組みねじ112は、ブレード本体54の基端部がバックサポート部材111とフロントサポート部材115の挟持部131との間に挟まれた状態で、それらを前後方向に貫通している。
そして、層厚規制部材39は、取付部材109のフロントサポート部材115がシール部材110を挟んで筐体36の後端部に対向し、その幅方向の両端部を貫通する固定ねじ130により筐体36に対して固定される(図3および図4参照)。層厚規制部材39が筐体36に固定された状態で、ブレード本体54は、現像ローラ38の上方から前側斜め下方に向けて延び、ブレード本体54の遊端部に設けられる押圧部55は、ブレード本体54の弾性力によって現像ローラ38上に圧接される。
【0054】
連通口43から放出されたトナーは、供給ローラ37の回転により、現像ローラ38に供給され、このとき、供給ローラ37と現像ローラ38との間で正極性に摩擦帯電される。現像ローラ38上に供給されたトナーは、現像ローラ38の回転に伴って、層厚規制部材39の押圧部55と現像ローラ38のゴムローラ53との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ38上に担持される。
【0055】
転写ローラ31は、ドラムフレーム27において、感光ドラム28の下方に設けられ、感光ドラム28と上下方向において対向して接触し、感光ドラム28との間にニップを形成するように配置されている。この転写ローラ31は、金属製の転写ローラ軸56と、その転写ローラ軸56を被覆する導電性のゴム材料からなるゴムローラ57とを備えている。転写ローラ軸56は、幅方向に延び、ドラムフレーム27に回転自在に支持されている。転写ローラ31は、図示しないモータからの駆動力が入力されることにより、回転駆動される。また、転写ローラ31には、転写時に転写バイアスが印加される。
【0056】
クリーニング部32は、ドラムフレーム27に取り付けられ、感光ドラム28の後側において、感光ドラム28と対向配置されている。クリーニング部32は、感光ドラム28と対向して接触するように配置され、感光ドラム28に付着した紙粉などを掻き取るためのクリーニングブラシ58を備えている。
図1を参照して、感光ドラム28の表面は、その感光ドラム28の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器29により一様に正極性に帯電された後、スキャナ部19からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0057】
次いで、現像ローラ38の回転により、現像ローラ38上に担持されかつ正極性に帯電されているトナーが、感光ドラム28に対向して接触するときに、感光ドラム28の表面上に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正極性に帯電されている感光ドラム28の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム28の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム28の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0058】
その後、感光ドラム28の表面上に担持されたトナー像は、レジストローラ15によって搬送されてくる用紙3が、ドラムフレーム27外からドラム前側開口部113を介してドラムフレーム27内に搬送され、感光ドラム28と転写ローラ31との間の転写位置を通過する間に、転写ローラ31に印加される転写バイアスによって、用紙3に転写される。トナー像が転写された用紙3は、ドラムフレーム27内からドラム後側開口部114を介してドラムフレーム27外に搬送され、定着部21に搬送される。
【0059】
なお、転写後に感光ドラム28上に残存する転写残トナーは、現像ローラ38で回収される。また、転写後に感光ドラム28上に付着する用紙3からの紙粉は、クリーニング部32のクリーニングブラシ58によって回収される。
<定着部>
定着部21は、プロセスカートリッジ20の後側に設けられている。この定着部21は、定着フレーム59と、その定着フレーム59内に、加熱ローラ60および加圧ローラ61とを備えている。
【0060】
加熱ローラ60は、表面がフッ素樹脂によってコーティングされている金属管と、その金属管内に挿入されている加熱のためのハロゲンランプとを備えている。この加熱ローラ60は、図示しないモータからの駆動力が入力されることによって回転駆動される。
加圧ローラ61は、加熱ローラ60の下方において、加熱ローラ60を押圧するように対向配置されている。この加圧ローラ61は、金属製のローラ軸と、そのローラ軸を被覆するゴム材料からなるゴムローラとを備えている。加圧ローラ61は、加熱ローラ60の回転駆動に従って従動される。
【0061】
定着部21では、転写位置において用紙3上に転写されたトナー像を、用紙3が加熱ローラ60と加圧ローラ61との間を通過する間に熱定着させる。トナー像が定着した用紙3は、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ62に向かって搬送される。
定着部21から排紙トレイ62までの用紙3の排紙側搬送経路は、定着部21から略U字状に前側へ折り返されている。この排紙側搬送経路において、途中には搬送ローラ63が、下流側端部には排紙ローラ64が、それぞれ設けられている。
【0062】
定着部21において熱定着された用紙3は、搬送ローラ63によって、定着部21から排紙トレイ62までの搬送経路を搬送され、排紙ローラ64によって、排紙トレイ62上に排紙される。
2.現像カートリッジの筐体の具体的構成
図3は、現像カートリッジの斜め後方から見た斜視図であり、図4は、現像カートリッジの背面図であり、図5は、現像カートリッジの側面図であり、図6は、現像カートリッジの底面図である。
【0063】
現像カートリッジ30の筐体36は、図2および図3に示すように、上壁70、前壁72、両側壁69および底壁71を一体的に備える、後側が開放されるボックス状に形成されており、その後側の開放された部分が開口部94として形成されている。
開口部94は、図3に示すように、層厚規制部材39のバックサポート部材111の後端縁、両側壁69の後端縁および底壁71の後端縁(後述する後側底壁76の後端部68)によって区画され、幅方向に延び、背面視略矩形状に開口されている。この開口部94には、現像ローラ38の現像ローラ軸52の両端部が筐体36の両側壁69から突出した状態で回転自在に支持されて、現像ローラ38のゴムローラ53が開口部94から筐体36の外部に露出するように配置されている。より具体的には、筐体36の両側壁69の後端部には、幅方向において互いに対向する挿通孔121が設けられており、その挿通孔121に現像ローラ軸52を挿通し、ゴムローラ53の上下方向中央部が筐体36内から開口部94を介して筐体36外へ最も突出するように、現像ローラ38が筐体36に回転自在に支持されている。
【0064】
上壁70は、図2に示すように、平面視平板状をなし、トナー収容室41および現像室42の上方を閉鎖している。
前壁72は、正面視平板状をなし、上壁70の前端部から下方に延びるように形成され、トナー収容室41の前側を閉鎖している。
両側壁69は、図3および図5に示すように、前後方向に延びる板状に形成され、トナー収容室41および現像室42の側方を閉鎖している。両側壁69によって、アジテータ回転軸46、供給ローラ軸50および現像ローラ軸52が回転自在に支持されており、一方の側壁69には、図3に示すように、アジテータ回転軸46、供給ローラ軸50および現像ローラ軸52を回転駆動するためのギヤ機構部(図示せず)と、このギヤ機構部を覆うギヤカバー79とが設けられている。
【0065】
底壁71は、図2に示すように、トナー収容室41および現像室42の下方を閉鎖し、前側底壁74、中央底壁75および後側底壁76を一体的に備えている。
前側底壁74は、トナー収容室41内のアジテータ45の回転軌跡に沿う断面略半円弧状に形成されている。
中央底壁75は、前側底壁74の後側に配置され、現像室42内の供給ローラ37に沿う断面略半円弧状に形成されている。
【0066】
後側底壁76は、中央底壁75の後側に配置され、前側から後側へ向かって下方に傾斜する舌板状に形成されている。
この後側底壁76の上面には、後側底壁76と現像ローラ38との間からのトナーの漏れを防止するためのロアフィルム87が設けられている。このロアフィルム87は、PET(ポリエチレンテレフタレート)を材質とし、後側底壁76の上面から前側斜め上方へ延び、現像ローラ38のゴムローラ53の周面に接触するように配置されている。
【0067】
後側底壁76の後端部68は、図3および図4に示すように、筐体36の幅方向に沿って延びている。この後側底壁76の後端部68には、その幅方向両端部に部分後壁73が設けられ、それらの間において開口縁部としての補強部80が設けられている。
両部分後壁73は、幅方向に互いに間隔を隔てて対向配置されており、それぞれ後端部68における幅方向両端部から上方に延びるように設けられている。部分後壁73は、その下部の幅方向内側の部分が切り欠かれた、背面視略L字板形状に形成されている。
【0068】
補強部80は、両部分後壁73の間において、後端部68に沿って延び、両部分後壁73の切り欠かれた部分に嵌合するように設けられている。この補強部80は、図3に示すように、補強上壁82、補強前壁85、補強底壁83および両補強側壁84を一体的に備え、後側が開放された箱状に形成されている。
補強上壁82は、後端部68と連続して後端部68に沿って設けられ、後方に向かって突出するように形成されている。
【0069】
補強前壁85は、後端部68に沿って設けられ、補強上壁82の前端部から下方に延びる略矩形細長平板状に形成されている。
補強底壁83は、後端部68に沿って延びる略矩形細長平板状をなし、補強上壁82と上下方向に対向するように配置され、補強前壁85の下端部から、後方斜め下方に向かって延びるように形成されている。この補強底壁83の上面には、一方の補強側壁84側(背面視における右側)に片寄った位置に、上下方向および前後方向に延びる平板状の嵌合部133が形成されている。
【0070】
両補強側壁84は、略矩形平板状をなし、補強上壁82、補強前壁85および補強底壁83の幅方向両端部に、幅方向に互いに対向するように配置されている。
また、底壁71の下面には、図3および図6に示すように、用紙3を案内するためのガイド部81が設けられている。ガイド部81は、前後方向に延びる平板状をなし、底壁71から下方に向かって突出するように形成され、幅方向において互いに間隔を隔てて平行するように複数設けられている。各ガイド部81は、図2に示すように、その後端部105が補強前壁85および補強底壁83に連結され、その前端部104が前側底壁74に連結されている。
【0071】
なお、この筐体36には、現像カートリッジ30およびプロセスカートリッジ20を着脱するときに把持される把持部77が設けられている。把持部77は、筐体36の前壁72の上部から前方に向かって突出するように形成されている。
3.現像ローラカバーの構成
図7は、現像ローラカバーが装着された現像カートリッジの幅方向一方側斜め後方から見た斜視図であり、図8は、その現像カートリッジの幅方向他方側斜め後方から見た斜視図である。また、図9は、現像ローラカバーが装着された現像カートリッジの平面図であり、図10は、その現像カートリッジの背面図であり、図11は、その現像カートリッジの底面図であり、図12は、その現像カートリッジの側断面図であり、図13は、その現像カートリッジの平断面図である。さらに、図14は、現像ローラカバーの正面斜視図(現像カートリッジに装着された状態を基準とすると、現像ローラカバーの斜め後方から見た斜視図)であり、図15は、現像ローラカバーの背面斜視図である。
【0072】
この現像カートリッジ30では、図5に示すように、現像ローラ38のゴムローラ53が筐体36の開口部94から後方に露出するように設けられているため、現像カートリッジ30のみを本体ケーシング2から離脱させた状態で、現像ローラ38のゴムローラ53が傷つくおそれがある。そのため、現像カートリッジ30のみが本体ケーシング2から離脱されたときには、図7〜図11に示すように、現像カートリッジ30に対して、樹脂製の現像ローラカバー134が筐体36の開口部94を覆うように装着される。
【0073】
現像ローラカバー134は、長手状のカバー本体部135と、このカバー本体部135の長手方向の両端部に設けられ、現像カートリッジ30に係止される係止部136,137とを一体的に備えている。
カバー本体部135は、現像ローラカバー134が現像カートリッジ30に装着された状態(以下、単に「装着状態」という。)において、現像ローラ38の軸方向に延びる正面視略矩形状に形成されている。このカバー本体部135は、装着状態において、現像ローラ38(ゴムローラ53)の表面に対向するローラ対向部138と、ローラ対向部138の上端縁に沿って設けられ、層厚規制部材39のバックサポート部材111の延設部132に対向する第1カバー縁部としての上端縁部139と、ローラ対向部138の下端縁に沿って設けられ、筐体36の補強部80に対向する第2カバー縁部としての下端縁部140と、ローラ対向部138の両側端縁に沿って設けられ、筐体36の側壁69に対向する側縁部141とを一体的に備えている。
【0074】
ローラ対向部138は、図10に示すように、現像ローラ38の軸方向に延びる正面視略矩形状であって、断面形状が略円弧状をなすように形成されている。このローラ対向部138の長手方向両端部には、図12に示すように、上下方向中央より下側の部分を外側に膨出させることにより、現像カートリッジ30を梱包する梱包材142(図10参照)を受けるための断面略L字状の受け部143が形成されている。受け部143が形成されていることによって、受け部143とローラ対向部138との間には、上下方向に延びるリブ状の段差が形成されている。
【0075】
上端縁部139は、図12、図14および図15に示すように、ローラ対向部138の上端縁の全幅から装着状態における前方に延出する上側前方延出部144と、この上側前方延出部144の先端縁から上方に延出する上方延出部145とを一体的に備えている。
上方延出部145には、図9に示すように、装着状態において、その上端縁から層厚規制部材39のバックサポート部材111の挟持部131に向けて延びる案内部としての上側案内部146が設けられている。
【0076】
上側案内部146は、平面視において、上端縁部139に沿って延びる細長い矩形状から両角部を切り落とした扁平な台形状に形成されている。言い換えれば、上側案内部146は、上端縁部139に沿って延びる板状に形成され、その両端部に平面視三角形状の切欠部147を有している。また、上側案内部146は、その長手方向の長さが筐体36の両側壁69間の間隔よりも少し短く形成されており、装着状態において、それら両側壁69間に入り込み、層厚規制部材39のバックサポート部材111の延設部132に対して上方から対向する。
【0077】
下端縁部140は、図12、図14および図15に示すように、ローラ対向部138の下端縁の全幅から装着状態における前方に延出する下側前方延出部148と、この下側前方延出部148の長手方向両端部の下面から下方に延出する下方延出部149とを一体的に備えている。
下側前方延出部148の先端部は、図15に示すように、ローラ対向部138よりも幅狭に形成されており、装着状態において、補強部80の補強上壁82、補強前壁85、補強底壁83および両補強側壁84によって区画される空間内に入り込む。この下側前方延出部148の先端部には、図13に示すように、装着状態において、補強底壁83上に形成された嵌合部133が嵌合する位置決め部としての切り込み150が形成されている。
【0078】
両下方延出部149は、下側前方延出部148の長手方向に間隔を隔てて配置されており、それぞれ下側前方延出部148の長手方向に長い矩形板状に形成されている。下方延出部149には、装着状態において筐体36の補強部80の下方において前方に向かって延びる案内部としての下側案内部151が設けられている。
下側案内部151は、図11に示すように、底面視略台形状に形成されている。この下側案内部151は、装着状態において、筐体36の補強部80に対して下方から対向する。
【0079】
一方の係止部136は、図15に示すように、カバー本体部135の長手方向一方側の側縁部141から長手方向外側に向けて延び、カバー本体部135の長手方向と直交する方向に間隔を隔てて設けられた2つの係止基部152と、各係止基部152の遊端部から装着状態における前方に延びる係止延部153と、各係止延部153の遊端部を連結する係止連結部154とを一体的に備えている。そして、係止部136は、カバー本体部135の長手方向外側から見たときの形状がU字状をなしており、各係止延部153の間に、筐体36の側壁69から突出した現像ローラ軸52の端部を挿通可能な係止孔155が形成されている。
【0080】
また、他方の係止部137は、図14に示すように、カバー本体部135の長手方向他方側の側縁部141から長手方向外側に向けて延び、カバー本体部135の長手方向と直交する方向に間隔を隔てて設けられた2つの係止基部156と、各係止基部156の遊端部から装着状態における前方に延びる係止延部157と、各係止延部157の遊端部を連結する係止連結部158と、係止連結部158から斜め外側に延びる操作部159とを一体的に備えている。そして、係止部137は、カバー本体部135の長手方向外側から見たときの形状がU字状をなしており、各係止延部157の間に、筐体36の側壁69から突出した現像ローラ軸52の端部を挿通可能な係止孔160が形成されている。また、係止延部157および操作部159は、それぞれ薄板状に形成されることによって、カバー本体部135の長手方向外側に開くように弾性変形可能な可撓性を有している。
4.現像ローラカバーの装着
図16および図17は、現像ローラカバーの装着過程を示す斜視図であって、図16は、現像カートリッジの幅方向一方側斜め後方から見た斜視図であり、図17は、幅方向他方側斜め後方から見た斜視図である。
【0081】
現像ローラカバー134を現像カートリッジ30に装着するときには、まず、現像ローラカバー134をカバー本体部135が現像ローラ38に対向するように配置する。そして、現像ローラカバー134の係止部136に形成されている係止孔155に、現像カートリッジ30を後方から見たときの右側の側壁69から突出した現像ローラ軸52の端部(右端部)を挿通させて、その現像ローラ軸52の右端部に係止部136を係止させる。
【0082】
次に、係止部137の操作部159を幅方向(カバー本体部135の長手方向)外側に向けて引っ張り、係止部137の係止延部157および操作部159を幅方向外側に開くように弾性変形させながら、現像ローラカバー134を、係止部136を支点として、現像ローラ38(ゴムローラ53)の表面に近づくように回転させる。このとき、現像ローラカバー134の上側案内部146が層厚規制部材39のバックサポート部材111の延設部132に対して上方から対向し、両下側案内部151が筐体36の補強部80に対して下方から対向するように、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する傾きを調整して、現像ローラカバー134を回転させる。これにより、上側案内部146によって、カバー本体部135の上端縁部139が、バックサポート部材111の延設部132に沿って配置されるように案内される。また、両下側案内部151によって、カバー本体部135の下端縁部140が、筐体36の補強部80に沿って配置されるように案内される。
【0083】
現像ローラカバー134が現像ローラ38に近づけられる過程で、補強部80の補強底壁83上に形成された嵌合部133が、現像ローラカバー134の下側前方延出部148の先端部に形成されている切り込み150に嵌合し、これによって、現像ローラカバー134が開口部94の長手方向において位置決めされる。
そして、係止部137に形成されている係止孔160が、現像ローラ軸52の背面視における左側の側壁69から突出した現像ローラ軸52の端部(左端部)に幅方向外側から対向すると、操作部106の引っ張りを解除する。すると、係止部137の係止延部157および操作部159の復元力によって、係止延部157および操作部159が元の状態に戻り、係止孔160に現像ローラ軸52の左端部が挿通されて、係止部137が現像ローラ軸52の左端部に係止される。これによって、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30への装着が達成される。
5.作用効果
以上のように、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する装着時には、現像ローラカバー134の上側案内部146によって、カバー本体部135の上端縁部139が、層厚規制部材39のバックサポート部材111の延設部132に沿って配置されるように案内される。これにより、上端縁部139が筐体36の開口部94に入り込むことを防止することができる。そのため、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する装着時に、上端縁部139が現像ローラ38(ゴムローラ53)の表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラ38の表面の損傷を防止することができる。
【0084】
しかも、この実施形態では、現像ローラカバー134が現像カートリッジ30に装着された状態において、上側案内部146は、バックサポート部材111の延設部132を挟んで現像ローラ38と反対側、つまり延設部132の上方に配置される。そのため、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する装着時に、上側案内部146が筐体36の開口部94に入り込むことを防止することができる。その結果、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する装着時に、上側案内部146が現像ローラ38の表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
【0085】
また、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する装着時には、現像ローラカバー134の両下側案内部151によって、カバー本体部135の下端縁部140が、筐体36の補強部80に沿って配置されるように案内される。これにより、下端縁部140が筐体36の開口部94に入り込むことを防止することができる。そのため、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する装着時に、下端縁部140が現像ローラ38(ゴムローラ53)の表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラ38の表面の損傷を防止することができる。
【0086】
しかも、この実施形態では、現像ローラカバー134が現像カートリッジ30に装着された状態において、両下側案内部151は、筐体36の補強部80を挟んで現像ローラ38と反対側、つまり補強部80の下方に配置される。そのため、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する装着時に、両下側案内部151が筐体36の開口部94に入り込むことを防止することができる。その結果、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する装着時に、両下側案内部151が現像ローラ38の表面に接触することを防止することができ、そのような接触による現像ローラの表面の損傷を防止することができる。
【0087】
また、装着状態において、上側案内部146が筐体36の両側壁69間に入り込むので、現像ローラカバー134が開口部94の長手方向にがたつくことを防止することができる。
さらにまた、上側案内部146の長手方向両端部に切欠部147が形成されているので、現像ローラ軸52に係止された係止部136を支点として、現像ローラカバー134を現像カートリッジ30に近づけるときに、上側案内部146の長手方向両端部が両側壁69に接触することを回避することができる。そのため、上側案内部146を筐体36の両側壁69間にスムーズに入り込ませることができる。
【0088】
また、現像ローラカバー134が現像カートリッジ30に装着された状態で、補強部80の補強底壁83上に形成された嵌合部133が、現像ローラカバー134の下側前方延出部148の先端部に形成されている切り込み150に嵌合し、これによって、現像ローラカバー134が開口部94の長手方向において位置決めされる。そのため、現像ローラカバー134が開口部94の長手方向にがたつくことを防止することができる。
【0089】
しかも、現像ローラカバー134の下側前方延出部148に切り込み150を形成するといった、簡素な構成により、現像ローラカバー134の長手方向における確実な位置決めを達成することができる。
さらに、切り込み150は、装着時に支点とされる係止部136側に片寄った位置に形成されているので、現像ローラカバー134を現像カートリッジ30に近づけていく過程で、補強部80の補強底壁83上に形成された嵌合部133が、現像ローラカバー134の下側前方延出部148の先端部に形成されている切り込み150に嵌合し、これによって、現像ローラカバー134が開口部94の長手方向において位置決めされる。そのため、現像ローラカバー134が開口部94の長手方向にずれて装着されることを防止することができる。よって、現像ローラカバー134の長手方向端部、つまり係止部137が開口部94に入り込むことを防止することができ、その係止部137の接触による現像ローラ38の表面の損傷を防止することができる。すなわち、現像ローラカバー134の現像カートリッジ30に対する装着時には、現像ローラカバー134の係止部137の接触による現像ローラ38の表面の損傷を防止することができながら、その装着後には、現像ローラカバー134が開口部94の長手方向にがたつくことを防止することができる。また、切り込み150を現像ローラカバー134の装着時に支点とされる係止部136側に片寄らせることにより、現像ローラカバー134の装着過程での位置決め公差を小さくすることができる。
【0090】
また、係止部137が弾性変形可能な可撓性を有しているので、その係止部137を現像ローラ軸52に係止させるときに、係止部137を容易に変形させることができる。そのため、係止部137を現像ローラ軸52に容易に係止させることができ、現像ローラカバー134を現像カートリッジ30に対して装着するときの手間を軽減することができる。
【0091】
さらにまた、係止部136,137が現像ローラ軸52の端部に係止されるので、現像カートリッジ30の筐体36に係止部136,137を係止させるための部材を別途設ける必要がない。そのため、現像カートリッジ30の部品点数の削減を図ることができ、現像カートリッジ30の構成を簡素化することができる。なお、係止部136を現像ローラ軸52に係止させることにより、現像ローラカバ−134の装着の際に、その現像ローラカバー134が現像ローラ軸52を支点として振れやすくなるが、上側案内部146および下側案内部151を有しているため、カバー本体部135の上端縁部139および下端縁部140が筐体36の開口部94に入り込むことを防止することができる。
【0092】
また、現像ローラカバー134のカバー本体部135には、断面弧状のローラ対向部138が備えられているので、カバー本体部135の強度の増大を図ることができる。さらに、そのローラ対向部138の長手方向両端部に受け部143が膨出して形成され、その受け部143とローラ対向部138との間に段差が形成されているので、カバー本体部135の強度のさらなる増大を図ることができる。
【0093】
さらに、現像カートリッジ30が梱包されるときには、受け部143が梱包材142に受けられることにより、現像カートリッジ30を安定した状態に梱包することができる。
なお、受け部143は、ローラ対向部138の長手方向一方端部にのみ設けられていてもよいが、ローラ対向部138の長手方向両端部に設けられることにより、現像カートリッジ30をより安定した状態に梱包することができながら、カバー本体部135の強度の一層の増大を図ることができる。
【0094】
そして、この現像カートリッジ30には、現像カートリッジ30に対する装着時に、上端縁部139および下端縁部140が現像ローラ38の表面に接触することを防止することができる現像ローラカバー134が装着されるので、その現像ローラカバー134の装着時に、現像ローラカバー134の上端縁部139および下端縁部140の接触による現像ローラ38の表面の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の現像カートリッジが備えられるレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示すプロセスカートリッジの側断面図である。
【図3】現像カートリッジの斜め後方から見た斜視図である。
【図4】図3に示す現像カートリッジの背面図である。
【図5】図3に示す現像カートリッジの側面図である。
【図6】図3に示す現像カートリッジの底面図である。
【図7】現像ローラカバーが装着された現像カートリッジの幅方向一方側斜め後方から見た斜視図である。
【図8】図7に示す現像カートリッジの幅方向他方側斜め後方から見た斜視図である。
【図9】図7に示す現像カートリッジの平面図である。
【図10】図7に示す現像カートリッジの背面図である。
【図11】図7に示す現像カートリッジの底面図である。
【図12】図7に示す現像カートリッジの側断面図である。
【図13】図7に示す現像カートリッジの平断面図である。
【図14】現像ローラカバーの正面斜視図である。
【図15】図14に示す現像ローラカバーの背面斜視図である。
【図16】現像ローラカバーの装着過程を示す斜視図であって、現像カートリッジの幅方向一方側斜め後方から見た斜視図である。
【図17】現像ローラカバーの装着過程を示す斜視図であって、図16に示す現像カートリッジの幅方向他方側斜め後方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0096】
30 現像カートリッジ
36 筐体
38 現像ローラ
39 層厚規制部材
52 現像ローラ軸
69 側壁
80 補強部
94 開口部
133 嵌合部
134 現像ローラカバー
135 カバー本体部
136 係止部
137 係止部
138 ローラ対向部
139 上端縁部
140 下端縁部
142 梱包材
143 受け部
146 上側案内部
147 切欠部
150 切り込み
151 下側案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手状の開口部が形成された筐体と、その一部が前記筐体の外部に露出するように前記開口部に配置される現像ローラと、を備える現像カートリッジに対して着脱可能に装着され、前記現像カートリッジに対して装着された装着状態で、前記現像ローラの表面を保護する現像ローラカバーにおいて、
前記装着状態において、前記現像ローラの表面に対向配置され、前記開口部の長手方向に延びるカバー本体部と、
前記カバー本体部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、前記装着状態において、前記現像カートリッジに対して係止される係止部と、
前記カバー本体部の長手方向に延びるカバー縁部に設けられ、前記現像カートリッジに対する装着時に、前記カバー縁部が前記開口部の周縁において長手方向に延びる開口縁部に沿って配置されるように、前記カバー縁部を案内するための案内部とを備えていることを特徴とする、現像ローラカバー。
【請求項2】
前記カバー縁部は、前記カバー本体部の長手方向と直交する方向において互いに対向する第1カバー縁部および第2カバー縁部を含み、
前記案内部は、前記第1カバー縁部および前記第2カバー縁部にそれぞれ設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の現像ローラカバー。
【請求項3】
前記第1カバー縁部に設けられる前記案内部は、前記装着状態において、前記開口縁部を挟んで前記現像ローラと反対側に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の現像ローラカバー。
【請求項4】
前記筐体は、前記開口部の長手方向において前記開口部を挟んで互いに対向する2つの側壁を備えており、
前記第1カバー縁部に設けられる前記案内部は、前記装着状態において、2つの前記側壁間に入り込むことを特徴とする、請求項2または3に記載の現像ローラカバー。
【請求項5】
前記第1カバー縁部に設けられる前記案内部は、前記第1カバー縁部に沿って延び、その長手方向の両端部に前記側壁との干渉を避けるための切欠部が形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の現像ローラカバー。
【請求項6】
前記現像カートリッジは、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材を備えており、
前記第1カバー縁部は、前記装着状態において、前記層厚規制部材に沿って配置されることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の現像ローラカバー。
【請求項7】
前記筐体は、前記開口部に対してその長手方向と直交する方向における一方側に、前記開口部の長手方向に沿って延びる補強部を備えており、
前記第2カバー縁部は、前記装着状態において、前記補強部に沿って配置されることを特徴とする、請求項2ないし6のいずれかに記載の現像ローラカバー。
【請求項8】
前記装着状態において、前記現像ローラカバーを前記開口部の長手方向において位置決めするための位置決め部を備えていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の現像ローラカバー。
【請求項9】
前記係止部の一方は、可撓性を有しており、
前記位置決め部は、可撓性を有する前記係止部と反対側に片寄った位置に設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の現像ローラカバー。
【請求項10】
前記開口縁部は、前記開口部の長手方向と直交する方向に延びる嵌合部を備えており、
前記位置決め部は、前記カバー縁部に切り込みを入れることにより形成され、前記装着状態で前記嵌合部を嵌合させることを特徴とする、請求項8または9に記載の現像ローラカバー。
【請求項11】
前記係止部の一方は、可撓性を有していることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の現像ローラカバー。
【請求項12】
前記現像ローラは、その軸の両端部が前記筐体の外部に突出した状態で前記筐体に支持されており、
前記係止部は、前記筐体から突出する前記軸の端部に係止されることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の現像ローラカバー。
【請求項13】
前記カバー本体部は、その長手方向に直交する平面で切断したときの断面形状が弧状のローラ対向部を備えていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の現像ローラカバー。
【請求項14】
前記カバー本体部から膨出し、前記装着状態において、前記現像カートリッジが梱包されるときに、前記現像カートリッジを梱包する梱包材に受けられる受け部を備えていることを特徴とする、請求項13に記載の現像ローラカバー。
【請求項15】
前記受け部は、前記カバー本体部の長手方向の両端部にそれぞれ形成されていることを特徴とする、請求項14に記載の現像ローラカバー。
【請求項16】
長手状の開口部が形成された筐体と、その一部が前記筐体の外部に露出するように前記開口部に配置される現像ローラと、を備える現像カートリッジに対して着脱可能に装着され、前記現像カートリッジに対して装着された装着状態で、前記現像ローラの表面を保護する現像ローラカバーにおいて、
前記装着状態において、前記現像ローラの表面に対向配置され、前記開口部の長手方向に延びるカバー本体部と、
前記カバー本体部に設けられ、前記カバー本体部の長手方向と直交する平面で切断したときの断面形状が弧状のローラ対向部と、
前記カバー本体部の長手方向の両端部に設けられ、前記カバー本体部から膨出し、前記装着状態において、前記現像カートリッジを梱包する梱包材を受けるための受け部とを備えていることを特徴とする、現像ローラカバー。
【請求項17】
長手状の開口部が形成された筐体と、
その一部が前記筐体の外部に露出するように前記開口部に配置される現像ローラと、
請求項1ないし16のいずれかに記載の現像ローラカバーとを備えていることを特徴とする、現像カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−337532(P2006−337532A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159720(P2005−159720)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】