説明

現像装置、画像形成装置、キャリア、トナーおよび現像剤

【課題】画像面積率によらず、常に安定して像担持体への滑剤塗布を行うことができ、長期間にわたり安定した高品質な画像を得ることのできる現像装置を実現する。
【解決手段】本発明の現像装置では、滑剤が添加された現像剤を内部に備えた現像装置本体4と、現像装置本体内に設けられ現像剤を磁気ブラシとして担持搬送する現像剤坦持体41と、現像剤坦持体の軸線方向に沿って現像剤を攪拌搬送し現像剤坦持体に現像剤を供給する供給搬送部材44bを有する供給搬送路44aと、現像剤坦持体から現像終了後の現像剤を回収し回収した現像剤を供給搬送部材と同方向に搬送する回収搬送部材43bを有する回収搬送路43aと、供給搬送部材と逆方向に攪拌搬送する攪拌搬送部材45bを有し供給搬送路から現像剤坦持体に供給されなかった余剰現像剤と回収搬送路からの回収現像剤とを攪拌した現像剤を供給搬送路に循環供給する攪拌搬送路45aとを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した画像形成装置に関するものであり、より詳しくは、その画像形成装置に用いられる現像装置、その現像装置を備えた複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置、前記現像装置あるいは前記画像形成装置に用いられる現像剤のキャリア、前記現像装置あるいは前記画像形成装置に用いられる現像剤のトナー、前記キャリアと前記トナーを用いた現像剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より電子写真方式の画像形成装置では、転写効率の向上やクリーニング性の向上を目的として、像担持体である感光体の摩擦係数を下げるように該感光体へ滑剤(潤滑剤とも言う)を塗布する方式が行われている。
しかし、感光体に滑剤塗布部を設ける方式では、装置の大型化、交換作業の手間などが発生してしまうため、画像形成装置の小型化に対応して、現像剤に滑剤を外添して現像部から感光体に滑剤を供給する方式が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、保護層がフィラーを含有し、該保護層中における該フィラー含有量を長手方向で単調に変化させてなる像坦持体(感光体)を用い、前記像坦持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段を備え、該現像手段が、少なくとも前記像坦持体に対向配置する現像剤坦持体と、該現像剤坦持体と平行に近接配置して該現像剤坦持体の長手方向に現像剤を搬送する第一の現像剤搬送部材と、該第一の現像剤搬送部材と反対方向に現像剤を搬送する第二の現像剤搬送部材を備え、前記現像手段で使用するトナーに、定着補助剤または潤滑剤の少なくとも一方が含まれたトナーを使用し、前記第一の現像剤搬送部材の搬送方向上流側において、前記像坦持体保護層中のフィラー含有量が少なくなるように配置したことを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、表面に粒子を含有した保護層を有し該保護層の膜厚を長手方向に単調に変化させた構成の像担持体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段及びクリーニング手段を有する画像形成装置であって、前記現像手段は、少なくとも像担持体に対向して配置される現像剤担持体と、現像剤担持体と平行に近接して配置され現像剤担持体の長手方向に現像剤を搬送する第一の現像剤搬送部材と、第一の現像剤搬送部材と反対方向に現像剤を搬送する第二の現像剤搬送部材とを備え、第一の現像剤搬送部材の現像剤搬送方向上流側における前記像担持体の保護層の膜厚が、下流側よりも小さくなるように配置したことを特徴とし、前記現像手段で使用されるトナーが、定着補助剤及び、又は潤滑剤を含むことを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【0005】
特許文献3には、ドラム状もしくはベルト状に形成された潜像担持体を連続的もしくは間欠的に回動させ、その周面を定方向へ循環的に移動させつつ、上記周面に、記録画像に対応する静電潜像を形成し、この静電潜像を乾式現像し、得られる粉体の可視像を記録シート上へ転写・定着する方式の記録装置において、クリーニング助剤がトナーに対して0.01〜1.0wt%添加された現像剤を用いて現像を行なうとともに、固型化されて不動部材に取付けられたクリーニング助剤と潜像担持体とに共通に接触しつつ回転しているクリーニング部材を介して潜像担持体にクリーニング助剤を供給しつつクリーニングすることを特徴とする潜像担持体のクリーニング方法が記載されている。
【0006】
特許文献4には、導電性支持体上に感光層を設けた有機感光体表面にトナーを現像し、記録材に転写後感光体上に残留したトナーを弾性ゴムブレードでクリーニングするクリーニング部材を有する電子写真画像形成装置において、前記トナー中にステアリン酸亜鉛がトナー重量に対し0.01%以上、0.5%以下の量含有し、且つ、前記弾性ゴムブレードが前記クリーニング部材に固定するための支持部材に、クリーニングブレードの感光体当接面側で実質的に保持されていることを特徴とする電子写真画像形成装置が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特許第3732109号(特開2002−318461)公報
【特許文献2】特開2002−341577号公報
【特許文献3】特公平2−55790号公報
【特許文献4】特開平11−184340号公報
【特許文献5】特開昭53−95033号公報
【特許文献6】特開昭53−138229号公報
【特許文献7】特開昭53−133455号公報
【特許文献8】特開昭53−132547号公報
【特許文献9】特開昭54−21728号公報
【特許文献10】特開昭54−12742号公報
【特許文献11】特開昭54−22834号公報
【特許文献12】特開昭54−17733号公報
【特許文献13】特開昭54−2129号公報
【特許文献14】特開昭54−17734号公報
【特許文献15】特開昭57−195767号公報
【特許文献16】特開昭57−195758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の特許文献1や特許文献2等の従来技術で用いている現像装置は、現像剤を搬送・攪拌する部材を二つ備えた二軸搬送タイプの現像装置である。ここで、二軸搬送タイプの現像装置の構成例を図15に示す。
図15において、この二軸搬送タイプの現像装置は、現像剤担持体である現像ローラ103への現像剤供給及び回収用の搬送部材(スクリュー、オーガ等)107及び供給回収搬送路と、トナー補給後の搬送攪拌用の搬送部材(スクリュー、オーガ等)108及び攪拌搬送搬送路の、2つの搬送部材107,108及び2つの搬送路で構成され、現像ローラ103の下方に水平方向に配置されている。
【0009】
現像装置から感光体へ滑剤を供給する系において、図15に示すような従来構成の二軸搬送・攪拌の現像装置にてカラー画像形成を行った場合、経時においてカラー画像にスジ状の画像不良が発生した。本発明者らがこの画像不良位置について解析したところ、スジ状の画像不良発生部に対応する感光体軸方向位置において感光体の摩擦係数が高くなっているということがわかった。その位置において転写率の低下による転写不良やクリーニング不良が発生していることもわかった。これはその部分において滑剤の供給が不足していることを表し、また、その部分は感光体に対向する現像ローラ103のスリーブにおいて、現像部の剤循環部における下流部分の位置に対応することがわかった。また、その原因については次のように考察できる。
【0010】
二軸搬送タイプの現像装置においては、現像に使用した現像剤が供給及び回収用の搬送部材(例えば供給スクリュー)上に落下し、また、すぐに現像に使用されてしまうため、高画像面積率の画像を連続で出力した場合には、供給スクリューの下流に行くにつれて現像剤のトナー濃度が低下していくため、現像スリーブの軸方向の下流位置においてはトナー濃度が低下した現像剤が汲み上げられ、感光体と接触して現像が行われることになる。すなわちトナー濃度に比例して感光体へ滑剤が供給されるために、高画像面積率の画像の連続出力を行うと、滑剤の塗布ムラが生じて、現像軸方向下流部に対向する感光体部分においては滑剤の塗布量が減り、結果として画像不良が発生したのである。従って、従来の二軸搬送タイプの現像装置による滑剤塗布方式では、長期間安定な画像形成が行えないという問題があった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、画像面積率によらず、常に安定して像担持体(感光体)への滑剤塗布を行うことができ、長期間にわたり安定した高品質な画像、特にカラー画像を得ることのできる現像装置及び、その現像装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。また、本発明は、その現像装置あるいは画像形成装置に用いるのに好適なキャリア、トナーまたは現像剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成するため、本発明では以下のような手段を採っている。
本発明の第1の手段は、現像装置であって、少なくとも滑剤が添加されたトナーとキャリアからなる現像剤を内部に備えた現像装置本体と、前記現像装置本体内に設けられ、前記現像剤を磁気ブラシとして担持搬送する現像剤坦持体と、前記現像剤坦持体の軸線方向に沿って現像剤を攪拌搬送するとともに、前記現像剤坦持体に前記現像剤を供給する供給搬送部材を有する供給搬送路と、前記現像剤坦持体から現像終了後の現像剤を回収するとともに、回収した現像剤を前記供給搬送部材と同方向に搬送する回収搬送部材を有する回収搬送路と、前記供給搬送部材と逆方向に攪拌搬送する攪拌搬送部材を有し、前記供給搬送路から前記現像剤坦持体に供給されなかった余剰現像剤と前記回収搬送路からの回収現像剤とを攪拌した現像剤を前記供給搬送路に循環供給する攪拌搬送路と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の手段は、第1の手段の現像装置において、前記現像剤担持体は、非磁性の現像スリーブと、該スリーブ内に固定配置された磁界発生手段とからなることを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の現像装置において、少なくとも未使用のトナーが入ったトナー貯蔵部と、該トナー貯蔵部の所定量のトナーを前記現像装置本体へ移送するトナー補給手段とを備え、前記滑剤は予め未使用のトナーと混合されて前記トナー貯蔵部に蓄えられ、前記トナー補給手段によってトナーとともに前記現像装置本体へ供給されることを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の現像装置において、前記供給搬送路と前記攪拌搬送路とはほぼ水平に配置されており、かつ前記回収搬送路は前記供給搬送路および前記攪拌搬送路よりも上部に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の現像装置において、前記回収搬送路と前記供給搬送路および前記攪拌搬送路は、略水平に配置されていることを特徴とする。
さらに本発明の第6の手段は、第3乃至第5のいずれか1つの手段の現像装置において、前記トナー補給手段によって前記滑剤は、前記回収搬送路中で前記現像装置本体へ補給されることを特徴とする。
【0015】
本発明の第7の手段は、第1乃至第6のいずれか1つの手段の現像装置において、前記滑剤は、脂肪酸金属塩であることを特徴とする。
また、本発明の第8の手段は、第1乃至第6のいずれか1つの手段の現像装置において、前記滑剤は、フッ素含有樹脂であることを特徴とする。
【0016】
本発明の第9の手段は、第7の手段の現像装置において、前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする。
また、本発明の第10の手段は、第9の手段の現像装置において、前記ステアリン酸亜鉛の添加量が、トナー重量に対して0.01〜5%であることを特徴とする。
【0017】
本発明の第11の手段は、第8の手段の現像装置において、前記フッ素含有樹脂は、ポリ四フッ化エチレン樹脂であることを特徴とする。
また、本発明の第12の手段は、第11の手段の現像装置において、前記ポリ四フッ化エチレン樹脂の添加量が、トナー重量に対して0.01〜5%であることを特徴とする。
【0018】
本発明の第13の手段は、画像形成装置であって、静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、現像剤を収納し前記静電潜像を現像してトナー像として顕像化する第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置と、前記像担持体上のトナー像を記録材に直接または中間転写体を介して転写する転写手段とを少なくとも備え、前記記録材上に画像を形成することを特徴とする。
【0019】
本発明の第14の手段は、画像形成装置であって、静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、現像剤を収納し前記静電潜像を現像してトナー像として顕像化する第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置とを少なくとも備えた画像形成ユニットを各色毎に複数備えるとともに、前記像担持体上のトナー像を記録材に直接または中間転写体を介して転写する転写手段を少なくとも備え、前記複数の画像形成ユニットの前記像担持体上に各色のトナー像を形成した後、前記転写手段で前記記録材に転写し、前記記録材上に多色またはカラー画像を形成することを特徴とする。
【0020】
本発明の第15の手段は、第13または第14の手段の画像形成装置において、前記帯電装置にはAC電圧が重畳印加された帯電ローラを用いることを特徴とする。
また、本発明の第16の手段は、第15の手段の画像形成装置において、前記帯電ローラは前記像担持体と一定の間隙を有して設置されていることを特徴とする。
【0021】
本発明の第17の手段は、第13乃至第16のいずれか1つの手段の画像形成装置において、前記像担持体は表面層にフィラーを含有していることを特徴とする。
また、本発明の第18の手段は、第17の手段の画像形成装置において、前記フィラーとして、少なくとも1種の無機フィラーを用いることを特徴とする。
【0022】
本発明の第19の手段は、第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置あるいは第13乃至第18のいずれか1つの手段の画像形成装置に用いられる現像剤のキャリアであって、体積平均粒径が20〜60μmであることを特徴とする。
【0023】
本発明の第20の手段は、第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置あるいは第13乃至第18のいずれか1つの手段の画像形成装置に用いられる現像剤のトナーであって、体積平均粒径(D4)が3〜8μmであり、該体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が、1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
また、本発明の第21の手段は、第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置あるいは第13乃至第18のいずれか1つの手段の画像形成装置に用いられる現像剤のトナーであって、形状係数SF−1が100〜150の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜150の範囲にあることを特徴とする。
さらに本発明の第22の手段は、第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置あるいは第13乃至第18のいずれか1つの手段の画像形成装置に用いられる現像剤のトナーであって、トナー母体粒子表面に平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3g/cm3以上の微粒子が外添加されていることを特徴とする。
【0024】
本発明の第23の手段は、第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置あるいは第13乃至第18のいずれか1つの手段の画像形成装置に用いられる現像剤であって、第19の手段のキャリアと、第20乃至第22のいずれか1つの手段のトナーを用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1、第2の手段の現像装置は、少なくとも滑剤が添加されたトナーとキャリアからなる現像剤を内部に備えた現像装置本体と、前記現像装置本体内に設けられ、前記現像剤を磁気ブラシとして担持搬送する現像剤坦持体(非磁性の現像スリーブと、該スリーブ内に固定配置された磁界発生手段とからなる)と、前記現像剤坦持体の軸線方向に沿って現像剤を攪拌搬送するとともに、前記現像剤坦持体に前記現像剤を供給する供給搬送部材を有する供給搬送路と、前記現像剤坦持体から現像終了後の現像剤を回収するとともに、回収した現像剤を前記供給搬送部材と同方向に搬送する回収搬送部材を有する回収搬送路と、前記供給搬送部材と逆方向に攪拌搬送する攪拌搬送部材を有し、前記供給搬送路から前記現像剤坦持体に供給されなかった余剰現像剤と前記回収搬送路からの回収現像剤とを攪拌した現像剤を前記供給搬送路に循環供給する攪拌搬送路と、を備えた構成であり、この現像装置は、現像後の現像剤を全て回収部にて回収し供給部に戻さない構成である一方向循環方式であることにより、出力画像によらず常に一定のトナー濃度の現像剤を現像スリーブに供給することができるため、像担持体(例えば感光体)へは軸方向に均一な滑剤の塗布を行うことが可能となる。
【0026】
本発明の第3の手段の現像装置では、第1または第2の手段の構成に加え、少なくとも未使用のトナーが入ったトナー貯蔵部と、該トナー貯蔵部の所定量のトナーを前記現像装置本体へ移送するトナー補給手段とを備え、前記滑剤は予め未使用のトナーと混合されて前記トナー貯蔵部に蓄えられ、前記トナー補給手段によってトナーとともに前記現像装置本体へ供給されるので、滑剤を別途に供給する必要がなく、メンテナンス性に優れている。
【0027】
ところで、現像装置の現像剤循環経路において現像剤に剤ストレスがかかる部分があると、トナーが現像装置内で固着したりキャリアにトナーがスペントしたりして現像剤の寿命が著しく短命化するという問題がある。また、滑剤がキャリアや現像スリーブに固着することによる現像能力の低下も発生し、長期的に安定な滑剤の供給が行えない。
【0028】
そこで、本発明の第4の手段の現像装置では、第1乃至第3のいずれか1つの手段の構成に加え、前記供給搬送路と前記攪拌搬送路とはほぼ水平に配置されており、かつ前記回収搬送路は前記供給搬送路および前記攪拌搬送路よりも上部に配置されている構成としており、現像剤の持ち上げは現像スリーブで行い、現像剤循環部にて現像剤を押し上げる部分をなくすことで、無駄なストレスをかけることがないので、長期的に安定して滑剤の供給を行うことができる。また、装置のコンパクト化も図れる。
【0029】
本発明の第5の手段の現像装置では、第1乃至第3のいずれか1つの手段の構成に加え、前記回収搬送路と前記供給搬送路および前記攪拌搬送路は、略水平に配置されている構成としており、現像剤循環部を水平に配置して、現像剤循環部にて現像剤を押し上げる部分をなくすことで、無駄なストレスをかけることがないので、長期的に安定して滑剤の供給を行うことができる。また、攪拌部材の大径化が容易なため、現像剤循環の高速化が可能となり、高線速における像担持体への滑剤の安定供給を行うことができる。
【0030】
本発明では、滑剤を現像剤中に均一に混合させることで、滑剤の塗布ムラやトナー飛散や地肌汚れなどの不具合を防止するものであり、第6の手段の現像装置では、第3乃至第5のいずれか1つの手段の構成に加え、前記トナー補給手段によって前記滑剤は、前記回収搬送路中で前記現像装置本体へ補給される構成としており、回収搬送路にて滑剤の補給を行うことで、補給された滑剤の搬送される距離を長くすることができ、拡散性が高まる。さらには回収部から攪拌部、攪拌部から供給部の二回の受渡し部を通過することで確実に現像剤中に滑剤が分散される。従って、現像装置内の滑剤の濃度を一定に保つことができ、安定な滑剤の像担持体への塗布が可能となる。また、補給トナーの分散性も向上するため、画像濃度安定性を保つことが可能となる。
【0031】
本発明の第7の手段の現像装置では、第1乃至第6のいずれか1つの手段の構成に加え、前記滑剤として、脂肪酸金属塩を用いることにより、脂肪酸金属塩は潤滑性に優れ、かつ電界によって容易に像担持体表面に転移しやすいため、像担持体へ安定的に滑剤を塗布することが可能となる。
また、本発明の第8の手段の現像装置では、第1乃至第6のいずれか1つの手段の構成に加え、前記滑剤として、フッ素含有樹脂を用いることにより、フッ素含有樹脂は潤滑性に優れ、かつ電界によって容易に像担持体表面に転移しやすいため、像担持体へ安定的に滑剤を塗布することが可能となる。
【0032】
本発明の第9の手段の現像装置では、第7の手段の構成に加え、前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸亜鉛であることにより、副作用が少なく、かつ像担持体上への延展性に優れている。
また、本発明の第10の手段の現像装置では、第9の手段の構成に加え、前記ステアリン酸亜鉛の添加量が、トナー重量に対して0.01〜5%であることにより、像担持体の摩擦係数を低く維持するように、現像装置から像担持体へ安定してステアリン酸亜鉛を供給することが可能となる。なお、添加量が0.01%未満であると、像担持体の軸方向全域へのステアリン酸亜鉛の塗布が困難となり塗布ムラが生じる。一方、添加量が5%を超えてステアリン酸亜鉛が現像装置内に滞留すると、現像剤の帯電量低下、及び流動性の悪化による現像不良を引き起こすため好ましくない。
【0033】
本発明の第11の手段の現像装置では、第8の手段の構成に加え、前記フッ素含有樹脂は、ポリ四フッ化エチレン樹脂であることにより、副作用が少なく、かつ高い潤滑性が得られる。
また、本発明の第12の手段の現像装置では、第11の手段の構成に加え、前記ポリ四フッ化エチレン樹脂の添加量が、トナー重量に対して0.01〜5%であることにより、像担持体の摩擦係数を低く維持するように、現像装置から像担持体へ安定してポリ四フッ化エチレン(PTFE)樹脂を供給することが可能となる。なお、添加量が0.01%未満であると、像担持体の軸方向全域へのPTFE樹脂の塗布が困難となり塗布ムラが生じる。一方、添加量が5%を超えてPTFE樹脂が現像装置内に滞留すると、現像剤の帯電量低下、及び流動性の悪化による現像不良を引き起こすため好ましくない。
【0034】
本発明の第13の手段の画像形成装置では、静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、現像剤を収納し前記静電潜像を現像してトナー像として顕像化する第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置と、前記像担持体上のトナー像を記録材に直接または中間転写体を介して転写する転写手段とを少なくとも備え、前記記録材上に画像を形成する構成であるので、滑剤(脂肪酸金属塩またはフッ素含有樹脂)が安定に供給された像担持体を用いて画像を作像することで、転写性が良くなり、粒状性の優れた画像を長期的に安定して得ることができる。
【0035】
本発明の第14の手段の画像形成装置では、静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、現像剤を収納し前記静電潜像を現像してトナー像として顕像化する第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置とを少なくとも備えた画像形成ユニットを各色毎に複数備えるとともに、前記像担持体上のトナー像を記録材に直接または中間転写体を介して転写する転写手段を少なくとも備え、前記複数の画像形成ユニットの前記像担持体上に各色のトナー像を形成した後、前記転写手段で前記記録材に転写し、前記記録材上に多色またはカラー画像を形成する構成であるので、滑剤(脂肪酸金属塩またはフッ素含有樹脂)が安定に供給された像担持体を各色毎の画像形成ユニットで用いてカラー画像を作像することで、転写性が良くなり、粒状性や色再現性の優れたカラー画像を長期的に安定して得ることができる。
【0036】
本発明の第15の手段の画像形成装置では、第13または第14の手段の構成に加え、前記帯電装置にはAC電圧が重畳印加された帯電ローラを用いることにより、高画質の画像を長期的に安定して得ることができる。すなわち、本発明の現像装置を備えた画像形成装置においては、像担持体(感光体)表面の磨耗が激しくなるAC帯電の系においても滑剤(脂肪酸金属塩またはフッ素含有樹脂)が保護膜として有効に働くために、像担持体(感光体)の長寿命化に寄与するとともに、AC帯電による帯電電位安定性も得られて画質が向上する。
【0037】
上記の構成で、帯電ローラを像担持体に接触させて使用する場合には、トナーや滑剤がローラ表面に付着して帯電ローラ表面を汚し、帯電不良を引き起こすという問題があるが、本発明の第16の手段の画像形成装置では、第15の手段の構成に加え、前記帯電ローラは前記像担持体と一定の間隙を有して設置されていることにより、トナーおよび滑剤のローラ表面への付着を防止することができ、帯電ローラの長寿命化がなされる。よって粒状性や色再現性の優れた画像を長期的に安定して得ることができる。
【0038】
本発明の第17の手段の画像形成装置では、第13乃至第16のいずれか1つの手段の構成に加え、前記像担持体は表面層にフィラーを含有していることにより、像担持体の削れを防止することができ、像担持体の長寿命化がなされる。よって粒状性や色再現性の優れた画像を長期的に安定して得ることができる。
また、本発明の第18の手段の画像形成装置では、第17の手段の構成に加え、前記フィラーとして、少なくとも1種の無機フィラーを用いることにより、更に像担持体表面の機械的強度が向上し、耐摩耗性に優れる。よって粒状性や色再現性の優れた画像を長期的に安定して得ることができる。
【0039】
本発明の第19の手段のキャリアは、体積平均粒径が20〜60μmであることにより、このような小粒径のキャリアを、第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置あるいは第13乃至第18のいずれか1つの手段の画像形成装置に用いることで、磁気ブラシの緻密化により現像能力の向上が図れるため、汲み上げ量をさらに低減でき、それにより回収および供給部における搬送部材(例えばスクリュー等)の回転数の低減が図れ、現像剤循環によるストレスの低減に寄与する。さらには現像領域における磁気ブラシがより緻密になるために高画質化や画質の安定性が達成される。
なお、キャリアの体積平均粒径が60μmより大きいと現像剤循環部でオーバーフローする現像剤が多くなり、安定な現像剤循環が行えない。さらには磁気ブラシが粗くなるため満足の行く画質を得ることができない。また、キャリアの体積平均粒径が20μmより小さいと、像担持体にキャリアが付着したり、現像装置からキャリアが飛散しやすくなるという不具合が発生する。
【0040】
本発明の第20の手段のトナーは、体積平均粒径(D4)が3〜8μmであり、該体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が、1.00〜1.40の範囲にあることにより、このような粒径が小さくかつ粒径分布のシャープなトナーを、第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置あるいは第13乃至第18のいずれか1つの手段の画像形成装置に用いることで、トナー粒子間の間隙が小さくなるため、色再現性を損なうことなくトナーの必要付着量を低減することができる。よって現像における濃度変動を小さくすることができる。また、微小なドット画像の安定再現性が向上し、長期間安定した高画質な画像を得ることができる。
なお、トナーの体積平均粒径(D4)が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった不具合が発生しやすい。また、体積平均粒径(D4)が8μmを超えると、現像剤の流動性が悪化するとともに、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しく長期間画質を安定に維持することが困難となる。
【0041】
本発明の第21の手段のトナーは、形状係数SF−1が100〜150の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜150の範囲にあり、トナーが球形に近いことにより、このような球形に近いトナーを、第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置あるいは第13乃至第18のいずれか1つの手段の画像形成装置に用いることで、現像剤の流動性がよくなることで、現像剤循環におけるストレスがさらに小さくなり、長期的に安定した現像剤循環と現像を行うことが可能となり、画像濃度の安定化に寄与することができる。
【0042】
本発明の第22の手段のトナーは、トナー母体粒子表面に平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3g/cm3以上の微粒子が外添加されていることにより、このようなトナーを、第1乃至第12のいずれか1つの手段の現像装置あるいは第13乃至第18のいずれか1つの手段の画像形成装置に用いることで、トナーにおける外添剤の埋没が少なく、経時にて現像剤の流動性および帯電特性の変化が小さいため、さらに長期的に安定した現像剤循環と現像を行うことが可能となり、画像濃度の安定化に寄与することができる。
【0043】
本発明の第23の手段の現像剤は、第19の手段のキャリアと、第20乃至第22のいずれか1つの手段のトナーを用いたことにより、高画質化や画質の安定性が達成でき、かつ、現像における濃度変動を小さくすることができ、微小なドット画像の安定再現性が向上し、長期間安定した高画質な画像を得ることができる。また、長期的に安定した現像剤循環と現像を行うことが可能となり、画像濃度の安定化に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0045】
<現像装置についての説明>
本発明に係る現像装置についての詳細な説明を、図示の実施例に基づいて行う。
まず図1において現像装置の構成例について説明する。図1は現像装置4の本体部の一構成例を示す概略断面構成図であり、この現像装置4の本体は、主に現像剤担持体である現像ローラ41と、回収搬送部材である回収スクリュー43bを備えた回収搬送路43aと、供給搬送部材である供給スクリュー44bを備えた供給搬送路44aと、攪拌搬送部材である攪拌スクリュー45bを備えた攪拌搬送路45aと、現像剤層規制部材42と、回収部ケーシング46aと、回収ケーシング先端部46bと、トナー濃度センサ47等、から構成されている。後述する滑剤(例えば脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂)が添加された、トナーとキャリアからなる現像剤は、現像装置内部にて各搬送路を搬送部材(スクリュー)によって搬送循環する。
【0046】
回収スクリュー43bの軸中心位置は、現像ローラ41の軸中心位置よりも下方に、かつ、供給スクリュー44bと攪拌スクリュー45bの軸中心位置よりも上方になるように、回収部が配置されている。供給搬送路44aと攪拌搬送路45aは端部にて連通しており、現像剤が循環するようになっている。その他の部分ではケースにより仕切られていて供給搬送路44aと攪拌搬送路45a間で現像剤の移動はない。本実施例の現像ローラ41の外径は18mm、各スクリューの外径は14mm、軸径は5mmとした。また、各スクリューのスクリューピッチは25mmとした。なお、これらの値は本発明の構成を限定するものではなく、一例を示したものである。
【0047】
図2に示すように、現像ローラ41は、回転可能な非磁性の現像スリーブ41aと、その内部に固定された磁界発生手段41bとから主に構成されている。磁界発生手段41bとしては、現像スリーブ41aの内部に固定配置された複数の磁石(N1,S2,N2,N3,S1)、あるいは複数の磁極(N1,S2,N2,N3,S1)が着磁された磁石ロールが用いられ、これらの磁界発生手段41bにより、現像スリーブ41aの周りには磁界が発生するが、そのスリーブ表面における磁束密度の法線成分を図中に破線で図示してある。
【0048】
現像装置4の供給搬送路44aから現像ローラ41へ現像ローラ41内の磁極N3により汲み上げられた現像剤は、現像剤層規制部材42により薄層化され、像担持体である感光体1と近接する現像領域(現像磁極N1の位置)に搬送されて現像が行われる。現像領域を通過した回収現像剤は反発磁極N2,N3により現像ローラ41から離れ、回収搬送部43aに落下する。ここで、図2において、回収ケーシング先端部46bと現像ローラ41の近傍の位置(点線部)における現像スリーブ41a表面の磁束密度の法線成分の値は10mT以下にする必要がある。10mTを超えると一度現像ローラ41より離れた現像剤が再び現像ローラ41に付着し、供給搬送部へと進入してしまう恐れがある。
【0049】
また、回収ケーシング先端部46bと現像ローラ41は当接することなく、所定の間隙を保って設置することが望ましい。本実施例においては、回収ケーシング先端部46bは薄いリン青銅板を回収ケーシング46aの端部に貼り付けてあり、現像ローラ41とのギャップを1mmに管理してある。例えば回収ケーシング先端部46bの部材をマイラ等の部材を用いて現像ローラ41に当接させて設置した場合、供給への回収剤戻りは初期的には防止できるものの、連続運転時にはマイラと現像ローラ間での摩擦が生じているところにトナーが入り込んで融着し、現像スリーブ41aへのトナー固着や現像剤の凝集などの不具合を生じてしまう。
【0050】
次に現像剤の流れについて図3および図4を用いて説明する。図3は現像装置4の斜視図、図4は図1において現像装置の上部をA、下部をBとしたときに、それぞれにおける現像剤の流れ(矢印)を示したものである。
回収搬送路43aにおける回収現像剤は下流にて量を増やしながら回収スクリュー43bにより搬送されていき、開口部46cから下部の攪拌搬送路45aに落下する。回収搬送路上にてトナー補給手段5により未使用トナー5bが補給される。特にトナー補給を前記開口部46cの上方より行うことにより、回収剤の落下時に混ざりながらトナー補給がなされるため攪拌性が良くなる。また、回収部端部にトナー補給手段が設置可能なため、さらなるコンパクト化が図れる。
【0051】
トナー補給手段5の例としては、図6(a)に示すような一軸偏心スクリューポンプ(通称:モーノポンプ)50を使用することができる。トナー貯蔵部であるトナー収納容器52には滑剤(例えば脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂)が予め添加された未使用トナーが貯蔵されており、連結されたトナー補給搬送チューブ51を介してトナー補給手段である一軸偏心スクリューポンプ(モーノポンプ)50へと送りこまれる。また、トナーバンクなどに一時的にトナーを溜めておいてから、トナーを現像装置4へ搬送する構成でもよい。トナー収納容器52としては円筒状のトナーボトルなどを用いることができ、ボトル側面の螺旋上の突起によって、ボトルの回転によってトナーがボトル開口部へと搬送されるような構造になっている。なお、トナー収納容器52はボトル形状に限定されるものではなく、フレキシブルな形状でも構わない
【0052】
モーノポンプ50の構成としては、図6(b)に示すように、金属または樹脂などの剛性部材を用いて偏心させたスクリュー形状のローラ50Aとゴム材料により内側が2条のスクリュー形状とされたステータ50Bと、これら両部材を内包するホルダ50Cからなり、チューブであるトナー補給搬送路51の一端が取り付けられて、トナー収納容器52とつながっている。駆動モータ50Dによりローラ50Aが回転するとポンプ内に吸引圧力が発生し、チューブ51内を吸引負圧化することになり、収納容器52内のトナーを吸引力により移送し、補給口50Fより現像装置内へ供給することが可能となる。また、駆動モータ50Dにつながれた補給クラッチ50Eによってローラ50Aへの回転動作(時間)が制御されることでトナーの補給量を細かく設定することが出来る。トナー補給動作は、現像装置内の現像剤のトナー濃度が一定化されるように、主にトナー濃度センサ47の出力値から必要トナー量が算出されて行われる。
【0053】
攪拌搬送路45aには前記回収搬送路43aからの回収現像剤と、供給搬送路44aからの余剰現像剤とが流入する。これらの現像剤を攪拌しつつ搬送してトナー濃度を均一化させて、供給搬送路44aの上流へ現像剤を供給する。供給搬送路44aは現像ローラ41へ現像剤を供給しつつ、その量を減らしながら下流へ現像剤を搬送する。本実施例においては、現像スリーブ41aの回転数は425rpm、各スクリューの回転数は480rpmとした。なお、この値は一例であり、限定されるものではない。
【0054】
また、現像装置4の他の形態として、図5に示すように回収搬送路、供給搬送路、攪拌搬送路が略水平に配置されたものを用いることもできる。この形態においても現像剤搬送中のストレスは小さいので、経時的に安定した剤循環を行うことが可能となる。また、設置スペースが大きくなるが、攪拌部材を大きくすることで高速での画像出力への対応性もある。以下に図5の現像装置の詳細な説明を行う。
【0055】
図5において、符号6は回収搬送部材である回収スクリュー、7は回収搬送路、8は供給搬送部材である供給スクリュー、9は供給搬送路、10は攪拌搬送路、11は攪拌搬送部材である攪拌搬送スクリュー、12は下ケーシング、13は上ケーシング、15は現像剤担持体である現像ローラ、16は現像剤層規制部材である。
各スクリュー6,8,11、及び各搬送路7、9、10は現像ローラ15の下方に横方向(略水平)に配置されている。また、各搬送路7,9,10は、一体の下ケーシング12及び上ケーシング13に保持された仕切り板により形成されている。ここで回収搬送路7と供給搬送路9は仕切り板134にて、供給搬送路9と攪拌搬送路10は仕切り板133にて、それぞれが仕切られている。仕切り板134は画像出力領域すなわち現像ローラ15のある領域において搬送路7と9が完全に遮断される。
【0056】
現像ローラ15は、図1,2に示した現像装置の現像ローラと同様に、非磁性の現像スリーブと、その内部に固定配置された磁界発生手段とで構成されている。この現像ローラ15に現像剤を供給する場合、適正な現像剤量が供給されても、現像剤層規制部材16で規制される現像剤量より多いことが望ましいため、稼動していくうちに現像剤層規制部材16の上流側17で余剰現像剤がどんどん増加していく。その増加していく余剰現像剤が滞留し、循環対流を起こさないように、ある程度の量以上になった場合、迂回して供給搬送路9に還流させる余剰現像剤回収部材18が設置されている。また、現像ローラ15の磁力が影響し、還流現像剤が滞留しないように余剰現像剤回収部材18の位置が設置されている。
【0057】
現像剤層規制部材16は上ケーシング13に固定された放熱用部材19に密着固定される。現像剤層規制部材16は現像剤からの熱を放熱用部材19に伝達し、放熱用部材の内側にはフィン20が形成され稼動中の空気流により放熱を行い、現像剤の温度上昇の低減を図っている。また、放熱用部材19には現像装置或いは感光体ユニット(図示せず)の機械本体(図示せず)への脱着時に案内ガイドとして使用されるガイド部21が設けられている。下ケーシング12には、放熱フィン28が設けられ、機械前部から後部へ送られる冷却風により、現像装置全体の温度上昇を低減、冷却できるようになっている。
現像ローラ15の下流側には、現像剤捕捉ローラ22が設置され、感光体1に付着した現像剤及び現像ローラ15から落下した現像剤を捕捉し、現像ローラ15と逆回転させ、現像ローラ15に戻すか、スクレーパ23により回収搬送路7に回収させるようになっている。
【0058】
次に上記の下ケーシング12で構成される各搬送路及び各搬送部材の構成例を、図9を用いて説明する。図9は下ケーシングで構成される各搬送路及び各搬送部材を、感光体ドラム側から見た斜視図である。
図9において、下ケーシング12には、図の手前より回収スクリュー6、供給スクリュー8、及び攪拌搬送スクリュー11が設置され、それぞれのスクリューを取り巻くように、下ケーシング12には、各搬送路が形成されている。但し、供給搬送路9及び回収搬送路7は、上ケーシング(図示せず)に保持され、下ケーシング12と勘合する仕切り板134により隔離されている。仕切り板134は画像形成領域において回収部から供給部へ現像剤が進入しないように現像ローラ(図示せず)に十分近接して設置されている。現像剤は、回収スクリュー6及び供給スクリュー8では矢印135,136の方向に、攪拌搬送スクリュー11では逆方向の矢印137の方向に搬送されている。
【0059】
各スクリューの構成を、攪拌搬送スクリュー11を例として説明する。攪拌搬送スクリュー11には、現像剤搬送方向に向かって現像剤を攪拌搬送する搬送用スクリュー138、現像剤を隣接する供給スクリュー8側に移送する移送用パドル139、及び軸受部に現像剤を送り込まないように、搬送用スクリュー138と逆の巻方向の逆転スクリュー140が設けられている。また、回収スクリュー6、及び供給スクリュー8も同様な構成となっている。
なお本実施例のスクリューの形状は、
撹拌スクリュー:外径φ30mm、ピッチ36mm(2条)
供給スクリュー:外径φ27mm、ピッチ36mm(2条)
回収スクリュー:外径φ25mm、ピッチ34mm(2条)
としている。ただし、この値は一例であり、限定するものではない。
【0060】
現像剤の搬送方向下流側では、各搬送路が通じており、攪拌搬送路からの現像剤は攪拌搬送スクリュー11の移送パドル139により供給スクリュー8側に移送され、現像ローラ(図示せず)に供給される。また、回収搬送路からの回収現像剤は回収スクリュー6の移送パドル131により供給スクリュー8側に移送され、さらに、現像ローラ(図示せず)に送られなかった供給搬送路の現像剤とともに、供給スクリュー8の移送パドル132により、攪拌搬送スクリュー11側に移送される。
【0061】
次に本発明に用いられる現像剤の特性について説明する。
キャリアについては、体積平均粒径が20〜60μmが好ましい。体積平均粒径が60μm以下の小粒径のキャリアを用いることで、現像能力を低下させることなく、汲み上げ量を低減することができ、現像装置内で循環する現像剤量を低減することができる。特にストレスのかかる現像剤層規制部材を通過する現像剤量が少なくなることから、長寿命化に寄与する。さらには現像領域における磁気ブラシがより緻密になるために、さらなる高画質化や画質の安定性が達成される。なお、キャリアの体積平均粒径が60μmより大きいと現像剤循環部でオーバーフローがおきやすくなり、安定な剤循環が行えない。また体積平均粒径が20μmより小さいと、感光体にキャリアが付着したり、現像装置からキャリアが飛散しやすくなるという不具合が発生する。
キャリアの平均粒径測定については、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7[μm]以上、125[μm]以下のレンジ設定で行うことができる。
【0062】
次にトナーの特性について説明する。
トナーの粒径について、トナーの体積平均粒径(D4)は3〜8μmが好ましい。粒径が小さくかつ粒径分布のシャープなトナーを用いることで、トナー粒子間の間隙が小さくなるため、色再現性を損なうことなくトナーの必要付着量を低減することができる。よって現像における濃度変動を小さくすることができる。また600dpi以上の微小なドット画像の安定再現性が向上し、長期間安定した高画質を得ることができる。一方、体積平均粒径(D4)が3μm未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。体積平均粒径(D4)が8μmを超えると、画像のパイルハイトが大きくなり、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
【0063】
また、同時に体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)は、1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。
上記の比(D4/D1)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
【0064】
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
【0065】
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
【0066】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
【0067】
トナーの形状係数SF−1は100〜150、形状係数SF−2は100〜150の範囲にあることが好ましい。図7、図8は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するために、トナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記の式(1)で表される。これは、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
このSF−1の値が100の場合、トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
【0068】
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記の式(2)で表される。これは、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π) ・・・式(2)
このSF−2の値が100の場合、トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
【0069】
上記の形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナー間の接触状態が点接触となるためにトナー同士の吸着力は弱まりしたがって流動性が高くなる。ゆえに現像剤の循環性が向上するため、ストレスが小さくなり、長期的に安定した一方向循環を行うことが可能となる。また、トナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率が高くなり高画質化に寄与する。一方、形状係数SF−1、SF−2のいずれかが150を超えると、流動性が悪化し、現像剤の循環性が悪いために好ましくない。また、転写率も低下するため好ましくない。
【0070】
本発明のトナーは、トナーの粒子表面に平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3mg/cm3以上の微粒子(以下、単に微粒子という)を付着させたものである。なお、通常の流動性向上剤にはシリカ等がよく用いられるが、例えば、このシリカの平均一次粒径は通常10〜30nm、嵩密度が0.1〜0.2mg/cm3である。
【0071】
本発明において、トナーの表面に適切な特性の微粒子が存在することで、トナー粒子と対象体との間に適度な空隙が形成される。また、微粒子は、トナー粒子、感光体、帯電付与部材との接触面積が非常に小さく、均等に接触するので付着力低減効果が大きく、現像・転写効率の向上に有効である。また、現像剤の流動性が高まるためストレスの低減効果があり、長寿命化にも寄与する。さらに、コロの役割を果たすため、感光体を摩耗または損傷させることなく、クリーニングブレードと感光体との高ストレス(高荷重、高速度等)下でのクリーニングの際も、トナー粒子に埋没し難く、あるいは少々埋没しても離脱、復帰が可能であるので、長期間にわたって安定した特性を得ることができる。さらに、トナーの表面から適度に脱離し、クリーニングブレードの先端部に蓄積し、いわゆるダム効果によって、ブレードからトナーが通過する現象を防止する効果がある。これらの特性は、トナー粒子の受けるシェアを低減させる作用を示すので、高速定着(低エネルギー定着)のためトナーに含有されている低レオロジー成分によるトナー自身のフィルミングの低減効果を発揮する。しかも、微粒子として、平均一次粒径が50〜500μmの範囲のものを用いると、十分にその優れたクリーニング性能を活かすことができる上、極めて小粒径であるため、トナーの粉体流動性を低下させることがない。さらに、詳細は明らかでないが、表面処理された微粒子はトナーに外部添加されても、仮にキャリアを汚染した場合においても現像剤劣化の度合が少ない。よって経時的にトナーの流動性および帯電性の変化が少ないため、長期的に現像剤の循環を安定に行うことができる。また画質の安定性も高くなる。
【0072】
微粒子の平均一次粒径(以下、平均粒径と言う)は、50〜500nmのものが用いられ、特に100〜400nmのものが好ましい。50nm未満であると、微粒子がトナー表面の凹凸の凹部分に埋没してコロの役割を低下する場合が生じる。一方、500μmよりも大きいと、微粒子がブレードと感光体表面の間に位置した場合、トナー自身の接触面積と同レベルのオーダーとなり、クリーニングされるべきトナー粒子を通過させてしまう。即ちクリーニング不良を発生させやすくなる。
【0073】
また、嵩密度が0.3mg/cm3未満では、流動性向上への寄与はあるものの、トナー及び微粒子の飛散性および付着性が高くなるために、トナーとコロとしての効果や、クリーニング部で蓄積して、トナーのクリーニング不良を防止する、いわゆるダム効果といった働きが低下してしまう。
【0074】
本発明のトナーに添加される微粒子において、無機化合物としてはSiO、TiO、Al、MgO、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO、SrTiO等を例示することができ、好ましくは、SiO、TiO、Alが挙げられる。特にこれら無機化合物は各種のカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン等で疎水化処理が施されていてもよい。
【0075】
また,有機化合物の微粒子としては、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよく、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
【0076】
ビニル系樹脂の具体的な例としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0077】
なお、微粒子の嵩密度は下記の方法により測定した。100mlのメスシリンダーを用いて、微粒子を徐々に加え100mlにした。その際、振動は与えなかった。
このメスシリンダーの微粒子を入れる前後の重量差により嵩密度を測定した。
嵩密度(g/cm3)=微粒子量(g/100ml)÷100
【0078】
本発明の微粒子を、トナー表面に外添加し付着させる方法としては、トナー母体粒子と微粒子を各種の公知の混合装置を用いて、機械的に混合して付着させる方法や、液相中でトナー母体粒子と微粒子を界面活性剤などで均一に分散させ、付着処理後、乾燥させる方法などがある。
【0079】
さらに、本発明においては、感光体表面への潤滑性付与、及び帯電プロセスからの感光体表面保護を目的として、現像剤中に滑剤を含有させる。ここで、本発明で用いる滑剤としては、例えば脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂が挙げられる。
形態としては脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂を微粒子化したものが好ましく用いられる。これらの脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂の微粒子は主に現像電界によってトナーと共に感光体上に供給された後、クリーニング部材等で摺擦塗布されることにより感光体上に薄膜を形成し、潤滑性及び感光体表面保護機能を発揮する。
【0080】
本発明で滑剤として用いられる脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸鉛、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、二塩基性ステアリン酸鉛等が挙げられるが、中でもステアリン酸亜鉛が最も副作用が少なく、かつ感光体上への延展性にも優れていることから好適に使用することができる。添加量としてはトナー重量に対して0.01〜5%の範囲が好ましい。0.01%以下であると感光体表面への潤滑性付与が十分に行われない。また、5%以上になると現像剤特性への影響が大きくなり、帯電量が低下してトナー飛散の原因となる、或いは流動性が悪化して十分に現像ローラ上に現像剤が汲み上げられない等の不具合が発生するため好ましくない。
なお、本発明においては、これらの脂肪酸金属塩のうち一種のみを用いても、或いは二種以上を混合して用いても良い。
【0081】
また、本発明で滑剤として用いられるフッ素含有樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、パーフルオロアルコキシ・フッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)等を用いることができるが、中でもポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)が最も副作用が少なく、かつ優れた潤滑性を得られることから好適に使用することができる。添加量としてはトナー重量に対して0.01〜5%の範囲が好ましい。0.01%以下であると感光体表面への潤滑性付与が十分に行われない。また、5%以上になると現像剤特性への影響が大きくなり、帯電量が低下してトナー飛散の原因となる、或いは流動性が悪化して十分に現像ローラ上に現像剤が汲み上げられない等の不具合が発生するため好ましくない。
なお、本発明においては、これらのフッ素含有樹脂のうち一種のみを用いても、或いは二種以上を混合して用いても良い。本実施例では、フッ素含有樹脂を滑剤に用いる場合には、フッ素含有樹脂としてPTFE微粒子をトナー重量に対して0.5%添加した。
【0082】
<画像形成装置全体の詳細説明>
本発明に係る画像形成装置の一実施例を図10を用いて説明する。
図10は画像形成装置100の内部構成を示した概略中央断面図である。この画像形成装置100は各色(y:イエロー、m:マゼンタ、c:シアン、k:ブラック)のトナー像を形成する4つの画像形成ユニット90y,90m,90c,90kと、各色のトナー像を重ね合わせて搬送する中間転写ベルト60Aと該中間転写ベルト60Aが張架される複数のローラ63〜66及び一次転写ローラ61からなる中間転写部60と、サイズの異なる記録材(例えば用紙)P1,P2を収納する用紙収納部71,72と、記録材(用紙)を給紙する給紙部73と、記録材(用紙)を搬送する用紙搬送部Pと、中間転写部60の中間転写ベルト60A上のトナー像を記録材へ転写する二次転写部(例えば二次転写ローラ)62と、記録材上の未定着トナー像を、加熱手段を備えたローラ82,83間に張架される定着ベルト81と加圧ローラ84で定着させる定着部(定着装置)80と、定着後の記録材を排紙する排紙ローラ74と、各色(y:イエロー、m:マゼンタ、c:シアン、k:ブラック)の未使用トナーを収納するトナー収納容器52y,52m,52c,52kと、図示しない画像処理部等から主に構成されている。
【0083】
上記の4つの画像形成ユニット90y,90m,90c,90kの構成は同じであるので、ここでは一つの画像形成ユニット90(y〜k)について図11を用いて説明する。図11は一つの画像形成ユニットの構成例を示す概略断面図である。
画像形成ユニット90は、像担持体である感光体1と、帯電ローラなどを用いた帯電装置2と、前述した本発明に係る現像装置4(例えば図1,2に示した構成の現像装置)と、転写後の転写残トナーなどを感光体1から除去するクリーニングブレードなどを用いたクリーニング装置70などから主に構成されている。
【0084】
次に画像形成ユニット90及び画像形成装置100の動作について説明する。
図示しないパーソナルコンピュータ(PC)やスキャナなどの入力装置から画像出力命令が画像形成装置100へ送られると、画像信号は画像処理部(図示せず)にて画像処理されて各色(y:イエロー、m:マゼンタ、c:シアン、k:ブラック)の信号に分解された後に露光装置30へ送られる。露光装置30は、例えばレーザ光源と光偏向器(ポリゴンミラー等)と走査結像光学系等を用いたレーザスキャン方式の露光装置などが用いられる。各色の画像形成ユニット90(y〜k)では感光体1が駆動し、帯電装置2により感光体1が一様帯電される。その後、露光装置30より画像信号に応じた露光3が行われ、感光体1上に静電潜像が形成される。その静電潜像は現像装置4の現像部において、現像ローラ41のスリーブ41aに担持された現像剤のトナーで現像されることでトナー像として顕像化される。感光体1上のトナー像は一次転写ローラ61へのバイアス印加により中間転写ベルト60Aへと転写される。転写後に感光体1上に残った転写残トナーはクリーニング装置70のクリーニングブレード等により除去されて感光体表面が清掃された後、次の画像形成のための帯電が行われるというサイクルで動作がなされる。現像で消費されたトナーは、トナー収納容器52から各現像装置4へ図6に示したようなトナー補給手段50を用いて補給される。
【0085】
一方、中間転写ベルト60Aへのトナー像の転写は、各色の画像形成ユニット90y,90m,90c,90kから順次行われていき、中間転写ベルト60A上にて各色のトナー像が重ね合わせられる。記録材P1(又はP2)は、用紙収納部71(又は72)より給紙ローラ73で給紙され、用紙搬送部Pを通り、二次転写部62においてトナー像を転写される。未定着のトナー像を載せた記録材は、定着部(定着装置)80に進入することで、熱と圧力によりトナーが記録材に融着し定着される。そしてトナー像が定着された記録材は、排紙ローラ74により画像形成装置外へと出力されて画像形成が終了する。
【0086】
なお、以上の実施例では、4つの画像形成ユニットを備えたタンデム型のカラー画像形成装置の構成及び動作の一例を説明したが、図11に示すような画像形成ユニット90は単独で用いることもでき、モノクロ画像を形成するプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成部に利用することができる。
また、図11に示す画像形成ユニットでは、感光体1と帯電装置2及びクリーニング装置7が一体化されてプロセスカートリッジを構成しており、組み付けや調整、交換などのメンテナン性を良くしている。また、プロセスカートリッジに現像装置4も一体に組み込むことにより、画像形成ユニット90の組み付けや交換等がさらに容易になる。
【0087】
<帯電装置の説明>
次に本発明の画像形成装置に用いる帯電装置2について説明する。この帯電装置2は、近接放電を用いて感光体1を帯電する。近接放電を用いて感光体1を帯電する方法としては、回動可能なローラ状の帯電部材(以下、帯電ローラという)を感光体1に接触させて配置する接触帯電方式と、帯電ローラを感光体1に非接触に配置する非接触帯電方式とがある。本実施例においては、非接触帯電方式を用いている。
【0088】
本発明は接触帯電方式にも適用できるが、接触帯電方式においては感光体表面との接触性を向上させ、かつ感光体に機械的ストレスを与えない弾性部材を用いる事が好ましい。しかし、弾性部材を用いた場合には帯電ニップ幅が広くなり、これによって帯電ローラ側にトナーや滑剤(脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂)が付着しやすくなることがある。よって、高耐久化のためには、非接触帯電方式を採用する方が有利である。本実施例においては、図12に示すように、感光体表面における少なくとも画像形成領域に対して所定の帯電ギャップ114をもって対向するように帯電ローラ121を配置した非接触帯電方式を採用した。
【0089】
ここで、図12は本発明の画像形成装置に用いられる非接触帯電方式の帯電装置2の説明図である。
帯電ローラ121は軸部121aとローラ部121bとからなる。ローラ部121bは軸部121aの回転によって回動可能であり、感光体1表面のうち画像が形成される画像形成領域111に対向する部分は感光体1と非接触である。帯電ローラ121は、その長手方向(軸方向)の寸法が画像形成領域よりも少し長く設定されており、その長手方向の両端部にスペーサ122を設けている。これら2つのスペーサを感光体表面の両端部の非画像形成領域112に当接させることによって、感光体1と帯電ローラ121との間に微小なギャップ114を形成している。この微小なギャップ114は、帯電ローラ121と感光体1との最近接部における距離が5〜100[μm]に維持できるよう構成している。このギャップ114のより好ましい範囲は、30〜65[μm]であり、本発明の装置では、50μmに設定した。また、軸部121aをスプリングからなる加圧バネ115によって感光体側に加圧している。これにより、微小なギャップ114を精度よく維持することができる。また、帯電ローラ121はスペーサ122を介して感光体表面に連れ回って回転する。
【0090】
帯電ローラ121には帯電用の電源116を接続している。これにより、感光体表面と帯電ローラ表面との間の微小な空隙での近接放電により、感光体表面を均一に帯電する。印加電圧は、本発明においては直流成分であるDC電圧に交流成分であるAC電圧を重畳した交番電圧を用いている。帯電ローラ121に印加する印加電圧としてDC電圧にAC電圧を重畳させた交番電圧を印加すると、微小ギャップ変動による帯電電位のばらつきなどの影響が抑制されて均一な帯電が可能となる。
【0091】
帯電ローラ121は円柱状を呈する導電性支持体としての芯金と、芯金の外周面上に形成された抵抗調整層を有する。帯電ローラ121の表面は硬質であることが望ましい。ローラ部材としてはゴム部材も使用できるが、ゴム部材のように変形しやすい部材であると感光体1との微小ギャップ114の均一な維持が困難となり、作像条件によっては帯電ローラ121の中央部のみが感光体表面に突発的に接触する可能性がある。帯電ローラ121が感光体表面に局所的/突発的に接触する事によって生じる、トナーや滑剤(脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂)の乱れに対応することは困難であるため、非接触帯電方式を使用する場合には、撓みが少ない硬質の部材が望ましい。
【0092】
表面が硬質な帯電ローラ121の具体例としては、例えば、抵抗調整層を高分子型イオン導電剤が分散する熱可塑性樹脂組成物(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びその共重合体等)により形成し、抵抗調整層の表面を硬化剤により硬化皮膜処理されたものが挙げられる。また、硬化皮膜処理は、例えば、イソシアネート含有化合物を含む処理溶液に抵抗調整層を浸漬させることにより行われるが、抵抗調整層の表面に改めて硬化処理皮膜層を形成することにより行われてもよい。本実施例では、帯電ローラ121を直径φ10mmで形成した。
【0093】
<感光体の説明>
次に、本発明の画像形成装置において像担持体として用いられる感光体1について詳細に説明する。
本実施例における感光体1は負帯電性の有機電子写真感光体(OPC)であり、直径φ30mmのドラム状の導電性支持体(または導電性基体)上に感光層を設けたものである。本発明において用いられる感光体は、導電性支持体上に有機感光層を設けてなる有機電子写真感光体として広く一般に知られたものを使用することができるが、中でも図13に示すような、電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層した機能分離型の感光体が性能面から最も好ましく用いられる。ここで、図中(ア)は導電性支持体(基体)、(イ)は電荷発生層、(ウ)は電荷輸送層である。
【0094】
本発明において用いることのできるドラム状或いはベルト状の導電性支持体(ア)としては、Al、Ni、Fe、Cu、Au等の金属または合金;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチック又はガラス等の絶縁性基板上にAl、Ag、Au等の金属膜又はIn、SnO等の金属酸化物膜を設けたもの等が例示できる。
機能分離型の感光体は、これらの導電性支持体(ア)上に電荷発生層(イ)と電荷輸送層(ウ)とを積層して形成される。
【0095】
電荷発生層(イ)は電荷発生物質のみから形成されていても、あるいは電荷発生物質がバインダー中に均一に分散されて形成されていてもよい。電荷発生層(イ)はこれらの成分を適当な溶媒中に分散し、これを導電性支持体(ア)上に塗布、乾燥することにより形成される。
【0096】
電荷発生物質としては、例えばシーアイピグメントブルー25(カラーインデックス(CI21180)、シーアイピグメントレッド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3(CI45210)等の他に、ポルフィリン骨格を有するフタロシアニン系顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特許文献5参照)、スチルベン骨格を有するアゾ顔料(特許文献6参照)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特許文献7参照)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特許文献8参照)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特許文献9参照)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特許文献10参照)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特許文献11参照)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特許文献12参照)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特許文献13参照)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特許文献14参照)、カルバゾール骨格を有するトリスアゾ顔料(特許文献15参照、特許文献16参照)、等、更にはシーアイピグメントブルー16(CI74100)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI173410)等のインジゴ顔料、アルゴスカーレッドB(バイオレット社製)インダンスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔料、スクエアリック顔料等の有機顔料を使用することができる。
【0097】
バインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド等が用いられる。
バインダー樹脂の量は電荷発生物質100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部が適当である。
ここで用いられる溶媒としてはテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロメタン、エチルセルソルブ等の単独溶媒または混合溶媒が好ましい。
なお、電荷発生層の平均膜厚は0.01〜2μm、好ましくは0.1〜1μmである。
【0098】
電荷輸送層(ウ)は、電荷輸送物質、バインダー樹脂及び必要ならば可塑剤、レベリング剤を適当な溶媒に溶解し、これを電荷発生層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
電荷輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−スチルベン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0099】
電荷輸送層を形成するための溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、モノクロルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン及びこれらの混合溶媒が望ましい。
なお、電荷輸送層の膜厚は10〜100μm、好ましくは20〜40μmである。
【0100】
本発明においては、接着性、電荷ブロッキング性を向上させるために、必要に応じて導電性支持体(ア)と電荷発生層(イ)との間に下引き層を設けてもよい。更に、耐摩耗性を向上させるために最表面に保護層を設けても良い。
【0101】
本発明においては、耐摩耗性の向上、及び滑剤(脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂)の塗布性向上のために、図14に示すように、感光体の表面層中にフィラーを含有させることが好ましい。ここで図中(エ)は感光体表面層、(オ)はフィラーである。尚、本発明における表面層とは、感光体の最表面に設けられた層のことであり、一般的には電荷輸送層あるいは保護層である。
【0102】
表面層(エ)中に含有されるフィラー(オ)としては、有機フィラーと無機フィラーのどちらを用いても良いが、機械的強度向上の面から無機フィラーが特に好ましく用いられる。
有機フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機フィラー材料としては、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素等が挙げられる。これらのフィラーは単独で用いても、あるいは2種以上を混合して用いても良い。また、分散性を向上させるために、これらのフィラーは表面処理剤で表面処理を行っても良い。
【0103】
これらのフィラーはボールミル、サンドミル等公知の手段で表面層塗工液中に分散させ、使用することができる。フィラーの含有量としては、全固形分に対して5〜40重量%が好ましく、更に好ましくは10〜30%である。また、フィラーの体積平均粒径は、前述のように0.05〜1.0μmが好ましい。
【0104】
本発明者らの実験では、このように表面層中にフィラーを含有した感光体は、フィラーを含有しない従来の感光体と比較して、コピープロセス内での繰り返し使用時の摩耗量が3〜10倍程度少なくなっており、大幅に耐摩耗性を改善できる構成となっている。さらに、フィラーを含有させることによる表面粗さの変化が、滑剤(脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂)の塗布性に対しても有利であることが確認できており、感光体表面劣化を防止するのに必要な滑剤(脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂)の量が、フィラーを含有しない場合に比べて少量で済むというメリットもある。
【0105】
図10、図11に示す実施例の画像形成装置の構成において、図1および図5に示す本発明の一方向循環方式の現像装置4と、図15に示すような従来の二軸搬送タイプの現像装置とを用いて、耐久試験を行った。ここでは出力画像を誤差因子として、ランダムなパターンが発生するようにしてある。その結果、従来の二軸搬送タイプの現像装置では、二万枚ほどで画像に黒スジなどの異常が発生してしまうのに対して、図1、図5に示す本発明の一方向循環方式の現像装置では、五万枚以上の耐久性が得られることがわかり、滑剤(脂肪酸金属塩あるいはフッ素含有樹脂)の感光体1への塗布が経時的に安定に行われていることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施例を示す図であって、現像装置(現像装置本体)の一構成例を示す概略断面構成図である。
【図2】図1に示す現像装置の現像ローラを構成する現像スリーブ及び磁界発生手段と、その磁界発生手段によって発生される磁界の説明図である。
【図3】図1に示す個性の現像装置の上ケースを外した状態の斜視図である。
【図4】図1において現像装置の上部をA、下部をBとしたときに、それぞれにおける現像剤の流れ(矢印)を示した図である。
【図5】本発明の別の実施例を示す図であって、回収搬送路と供給搬送路および攪拌搬送路が略水平に配置されている現像装置の一構成例を示す概略断面構成図である。
【図6】トナー補給手段の構成例を説明する図である。
【図7】形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図8】形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図9】図5に示す現像装置の下ケーシングで構成される各搬送路及び各搬送部材を、感光体ドラム側から見た斜視図である。
【図10】本発明の一実施例を示す図であって、画像形成装置の内部構成を示した概略中央断面図である。
【図11】図10に示す画像形成装置に用いられる画像形成ユニットの構成例を示す概略断面図である。
【図12】本発明の画像形成装置に用いられる非接触帯電方式の帯電装置の説明図である。
【図13】有機電子写真感光体の層構成の一例を示す概略要部断面図である。
【図14】感光体の表面層中にフィラーを含有させた例を示す概略要部断面図である。
【図15】従来の二軸搬送タイプの現像装置の構成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0107】
1:感光体(像担持体)
2:帯電装置
3:露光
4:現像装置(現像装置本体)
5:トナー補給手段
6:回収スクリュー(回収搬送部材)
7:回収搬送路
8:供給スクリュー(供給搬送部材)
9:供給搬送路
10:攪拌搬送路
11:攪拌搬送スクリュー(攪拌搬送部材)
15:現像ローラ(現像剤担持体)
16:現像剤層規制部材
41:現像ローラ(現像剤担持体)
41a:現像スリーブ
41b:磁界発生手段
42:現像剤層規制部材
43a:回収搬送路
43b:回収スクリュー(回収搬送部材)
44a:供給搬送路
44b:供給スクリュー(供給搬送部材)
45a:攪拌搬送路
45b:攪拌スクリュー(攪拌搬送部材)
46a:回収部ケーシング
46b:回収ケーシング先端部
47:トナー濃度センサ
50:一軸偏心スクリューポンプ(トナー補給手段)
51:トナー補給搬送チューブ
52:トナー収納容器(トナー貯蔵部)
60:中間転写部
60A:中間転写ベルト(中間転写体)
61:一次転写ローラ
62:二次転写部(二次転写ローラ)
70:クリーニング装置
71,72:用紙収納部
80:定着装置
90:画像形成ユニット
97:クリーニング装置
121:帯電ローラ
P1,P2:記録材(用紙)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも滑剤が添加されたトナーとキャリアからなる現像剤を内部に備えた現像装置本体と、
前記現像装置本体内に設けられ、前記現像剤を磁気ブラシとして担持搬送する現像剤坦持体と、
前記現像剤坦持体の軸線方向に沿って現像剤を攪拌搬送するとともに、前記現像剤坦持体に前記現像剤を供給する供給搬送部材を有する供給搬送路と、
前記現像剤坦持体から現像終了後の現像剤を回収するとともに、回収した現像剤を前記供給搬送部材と同方向に搬送する回収搬送部材を有する回収搬送路と、
前記供給搬送部材と逆方向に攪拌搬送する攪拌搬送部材を有し、前記供給搬送路から前記現像剤坦持体に供給されなかった余剰現像剤と前記回収搬送路からの回収現像剤とを攪拌した現像剤を前記供給搬送路に循環供給する攪拌搬送路と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1記載の現像装置において、
前記現像剤担持体は、非磁性の現像スリーブと、該スリーブ内に固定配置された磁界発生手段とからなることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の現像装置において、
少なくとも未使用のトナーが入ったトナー貯蔵部と、該トナー貯蔵部の所定量のトナーを前記現像装置本体へ移送するトナー補給手段とを備え、
前記滑剤は予め未使用のトナーと混合されて前記トナー貯蔵部に蓄えられ、前記トナー補給手段によってトナーとともに前記現像装置本体へ供給されることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
前記供給搬送路と前記攪拌搬送路とはほぼ水平に配置されており、
かつ前記回収搬送路は前記供給搬送路および前記攪拌搬送路よりも上部に配置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、
前記回収搬送路と前記供給搬送路および前記攪拌搬送路は、略水平に配置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、
前記トナー補給手段によって前記滑剤は、前記回収搬送路中で前記現像装置本体へ補給されることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置において、
前記滑剤は、脂肪酸金属塩であることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置において、
前記滑剤は、フッ素含有樹脂であることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項7記載の現像装置において、
前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
請求項9記載の現像装置において、
前記ステアリン酸亜鉛の添加量が、トナー重量に対して0.01〜5%であることを特徴とする現像装置。
【請求項11】
請求項8記載の現像装置において、
前記フッ素含有樹脂は、ポリ四フッ化エチレン樹脂であることを特徴とする現像装置。
【請求項12】
請求項11記載の現像装置において、
前記ポリ四フッ化エチレン樹脂の添加量が、トナー重量に対して0.01〜5%であることを特徴とする現像装置。
【請求項13】
静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、現像剤を収納し前記静電潜像を現像してトナー像として顕像化する請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置と、前記像担持体上のトナー像を記録材に直接または中間転写体を介して転写する転写手段とを少なくとも備え、前記記録材上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体を帯電する帯電装置と、現像剤を収納し前記静電潜像を現像してトナー像として顕像化する請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置とを少なくとも備えた画像形成ユニットを各色毎に複数備えるとともに、前記像担持体上のトナー像を記録材に直接または中間転写体を介して転写する転写手段を少なくとも備え、前記複数の画像形成ユニットの前記像担持体上に各色のトナー像を形成した後、前記転写手段で前記記録材に転写し、前記記録材上に多色またはカラー画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載の画像形成装置において、
前記帯電装置にはAC電圧が重畳印加された帯電ローラを用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項15に記載の画像形成装置において、
前記帯電ローラは前記像担持体と一定の間隙を有して設置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項13乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記像担持体は表面層にフィラーを含有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項17に記載の画像形成装置において、
前記フィラーとして、少なくとも1種の無機フィラーを用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置あるいは請求項13乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置に用いられる現像剤のキャリアであって、
体積平均粒径が20〜60μmであることを特徴とするキャリア。
【請求項20】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置あるいは請求項13乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置に用いられる現像剤のトナーであって、
体積平均粒径(D4)が3〜8μmであり、該体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)が、1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とするトナー。
【請求項21】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置あるいは請求項13乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置に用いられる現像剤のトナーであって、
形状係数SF−1が100〜150の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜150の範囲にあることを特徴とするトナー。
【請求項22】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置あるいは請求項13乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置に用いられる現像剤のトナーであって、
トナー母体粒子表面に平均一次粒径が50〜500nmで、嵩密度が0.3g/cm3以上の微粒子が外添加されていることを特徴とするトナー。
【請求項23】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の現像装置あるいは請求項13乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置に用いられる現像剤であって、
請求項19に記載のキャリアと、請求項20乃至22のいずれか1項に記載のトナーを用いたことを特徴とする現像剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−152099(P2008−152099A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341197(P2006−341197)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】