説明

現像装置、画像形成装置及びトナー水位制御方法

【課題】 低コストながら高精度な現像装置、画像形成装置及びトナー水位制御方法を提供する。
【解決手段】 トナーを担持する現像剤担持体52Yと、現像剤担持体52Yに現像剤を供給するトナー供給部材53Yと、現像剤担持体52Y及びトナー供給部材53Yを有する現像室51Yと、現像室51Yに配設され、印字状況に対応して異なる位置でトナー水位を検知する検知手段150Yと、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真の現像装置、画像形成装置及びトナー水位制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、劣化した現像剤を強制消費させる画像形成装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−255771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、トナー水位を検出するセンサは、通常水位とトナー強制消費用の水位を検知するための2つのセンサを用いる必要があった。
【0005】
本発明は、1つの検知手段で高い検知精度を有する現像装置、画像形成装置及びトナー水位制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の現像装置は、トナーを担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に現像剤を供給するトナー供給部材と、前記現像剤担持体及びトナー供給部材を有する現像室と、前記現像室に配設され、印字状況に対応して異なる位置でトナー水位を検知する検知手段と、を備えたことを特徴とするので、1つの検知手段で、異なるトナー水位を検知することができ低コストながら高精度とすることが可能となる。
【0007】
また、前記検知手段を上下移動させる移動手段を有するので、円滑に移動させることが可能となる。
【0008】
さらに、本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成される潜像担持体と、前記静電潜像を現像して前記潜像担持体に像を形成する現像装置と、前記潜像担持体の像を転写する転写部と、を少なくとも備え、前記現像装置を搭載したことを特徴とするので、トナー水位を的確に検知することができ検知結果に応じて良好な画像を形成することが可能となる。
【0009】
さらに、本発明のトナー水位制御方法は、トナー水位をあらかじめ設定した初期位置に対応する第1の状態とする工程と、第1の印字工程と、前記第1の印字工程において低duty印字が所定時間あった場合、トナー補給を停止する工程と、前記検知手段を前記第1の状態よりも低い所定の低水位ポイントに下降させる工程と、第2の印字工程と、前記第2の印字工程によりトナー水位が前記低水位ポイントに到達した場合、トナーを第1の状態まで補給する工程と、を有するので、低duty印字後のトナーが低水位ポイントに到達した時点でNEWトナーを補給しトナーを早く第1の状態に近づけることが可能となる。
【0010】
また、前記トナーを補給する工程は、前記検知手段を所定高さ上昇させる工程と、前記トナーを前記検知手段の検知する所定高さまで補給する工程と、前記トナーを撹拌する工程と、を前記検知手段があらかじめ設定した初期位置に到達し、トナー水位が前記第1の状態になるまで所定回数繰り返すので、急激に多量のNEWトナーを補給することにより生じるカブリ等を低減することが可能となる。
【0011】
さらに、本発明のトナー水位制御方法は、トナー水位をあらかじめ設定した初期位置に対応する第1の状態とする工程と、第1の印字工程と、前記第1の印字工程において低duty印字が所定時間あった場合、トナー補給を停止する工程と、前記検知手段を所定のトナー強制消費ポイントに下降させる工程と、第2の印字工程と、トナー水位が前記トナー強制消費ポイントに到達した時点で、前記第2の印字工程において低duty印字が所定より多い場合、トナー強制消費を行う工程と、前記トナー強制消費を行った後、トナーを第1の状態まで補給する工程と、を有することを特徴とするので、dutyに対応した制御が可能となる。
【0012】
また、トナー水位が前記トナー強制消費ポイントに到達した時点で、前記第2の印字工程において低duty印字が所定より少ない場合、第3の印字を行いながらトナーを前記第1の状態まで補給する工程を有するので、dutyに対応した制御が可能となる。
【0013】
また、前記トナーを補給する工程は、前記検知手段を所定高さ上昇させる工程と、前記トナーを前記検知手段の検知する所定高さまで補給する工程と、前記トナーを撹拌する工程と、を前記検知手段があらかじめ設定した初期位置に到達し、トナー水位が前記第1の状態になるまで所定回数繰り返すので、急激に多量のNEWトナーを補給することにより生じるカブリ等を低減することが可能となる。
【0014】
また、前記第3の印字工程において高duty印字が多い場合、前記トナー補給を停止する工程に戻るので、dutyに対応した制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の画像形成装置を示す図である。
【図2】感光体周辺及び現像カートリッジの主要構成要素を示した断面図である。
【図3】第1実施形態の現像カートリッジの軸に直交する断面の概略図である。
【図4】第1実施形態の現像カートリッジの平面図である。
【図5】トナー水位センサの高さ変更機構の実施例1を示す図である。
【図6】トナー水位センサの高さ変更機構の実施例2を示す図である。
【図7】実施例1のトナー水位制御のフローチャートを示す図である。
【図8】実施例2のトナー水位制御のフローチャートを示す図である。
【図9】第2実施形態の現像カートリッジの軸に直交する断面の概略図である。
【図10】第2実施形態の現像カートリッジの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1は、本発明の現像装置を備えた画像形成装置の実施形態を示す図であり、図2は図1のイエロー画像形成ステーションを拡大した図である。
【0018】
図1に示すように、画像形成装置10は、4つの画像形成ステーション15(Y、M、C、K)、中間転写ベルト70、二次転写ユニット80を有し、さらに、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルからなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御し画像形成装置としての動作を司る制御部としての制御ユニット100を有している。
【0019】
画像形成ステーション15(Y、M、C、K)は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーで画像を形成する機能を有している。画像形成ステーション15(Y、M、C、K)の構成は同様であるので、以下、画像形成ステーション15Yについて説明する。
【0020】
画像形成ステーション15Yは、図2に示すように、潜像担持体の一例としての感光体20Yの回転方向に沿って、帯電ユニット30Y、露光ユニット40Y、現像装置としての現像カートリッジ50Y、一次転写部B1、感光体クリーニングユニット75Yを有している。
【0021】
感光体20Yは、円筒状の基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、矢印で示すように時計回りに回転する。
【0022】
帯電ユニット30Yは、感光体20Yを帯電するための装置である。露光ユニット40Yからは、レーザを照射することによって帯電された感光体20Y上に潜像を形成する。
【0023】
露光ユニット40Yは、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20Y上に照射する。
【0024】
現像カートリッジ50Yは、感光体20Y上に形成された潜像を、イエロー(Y)のトナーを用いて現像するための装置である。現像カートリッジ50Yは、交換可能な図示しないトナーカートリッジから新品トナーが供給される現像室51Y内に現像剤担持体としての現像ローラ52Y、トナー供給部材としてのトナー供給ローラ53Yが配置され、現像ローラ52Yには、規制部材としての規制ブレード54Yが当接し現像ローラ52Y上のトナーを薄層化する。
【0025】
規制ブレード54Yは、現像ローラ52Yの上方又は下方に配され、現像ローラ52Yに担持されるトナー量を規制するものである。規制ブレード54Yを現像ローラ52Yの下方に現像ローラ52Yの回転方向に対してカウンタ方向に当接するように設けた場合、現像ローラ52Yとトナー供給ローラ53Yとのニップ部を通過したトナーがより下部搬送路55bYに落下しやすくなる。
【0026】
一次転写部B1は、感光体20Yに形成されたイエロートナー像を中間転写ベルト70に転写するところである。各一次転写部B1、B2、B3、B4で4色のトナーが順次重ねて転写された場合には、中間転写ベルト70にフルカラートナー像が形成される。
【0027】
中間転写ベルト70は、ベルト駆動ローラ71a、従動ローラ71bに張架されたエンドレスのベルトであり、感光体20(Y、M、C、K)と当接しながら回転駆動される。
【0028】
二次転写ユニット80は、中間転写ベルト70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の転写材に転写するための装置である。
【0029】
定着ユニット90は、定着ローラ90aと加圧ローラ90bにより構成され、転写材上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を転写材に融着させて永久像とするための装置である。
【0030】
感光体クリーニングユニット75Yは、感光体20Yの表面に当接されたゴム製の感光体クリーニングブレード76Yを有し、一次転写部B1で中間転写ベルト70上にトナー像が転写された後に、感光体20Y上に残存するトナーを感光体クリーニングブレード76Yにより掻き落として除去するための装置である。
【0031】
次に、このように構成された画像形成装置10の動作について説明する。
【0032】
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイスを介して画像形成装置のメインコントローラに入力されると、このメインコントローラからの指令に基づくユニットコントローラの制御により感光体20Y、現像カートリッジ50Yに備えられた現像ローラ52Y及び供給ローラ53Y、並びに、中間転写ベルト70等が回転する。感光体20Yは、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30Yにより順次帯電される。
【0033】
感光体20Yの帯電された領域は、感光体20Yの回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40Yによって、イエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。
【0034】
感光体20Y上に形成された潜像は、感光体20Yの回転に伴って現像位置に至り、現像カートリッジ50Yによって現像される。これにより、感光体20Y上にトナー像が形成される。
【0035】
感光体20Y上に形成されたトナー像は、感光体20Yの回転に伴って一次転写部B1位置に至り、一次転写ユニットによって、中間転写ベルト70に転写される。この際、一次転写ユニットには、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。この結果、各感光体20(Y、M、C、K)上に形成された4色のトナー像は、中間転写ベルト70に重なり合って転写され、中間転写ベルト70上にはフルカラートナー像が形成される。
【0036】
中間転写ベルト70は、モータ等のベルト駆動手段からの駆動力がベルト駆動ローラ71aを介して伝達されることによって駆動される。
【0037】
中間転写ベルト70上に形成されたフルカラートナー像は、二次転写ユニット80によって紙等の転写材に転写される。このような転写材は、給紙トレイから、給紙ローラ94a、レジストローラ94bを介して二次転写ユニット80へ搬送される。
【0038】
転写材に転写されたフルカラー液体現像剤像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて転写材に融着される。定着ユニット90の通過後、排紙ローラ94cにより排紙される。
【0039】
一方、感光体20(Y、M、C、K)は一次転写部B1、B2、B3、B4位置を経過した後に、除電ユニット(図示せず)によって除電され、さらに、感光体クリーニングユニット75(Y、M、C、K)に支持された感光体クリーニングブレード76(Y、M、C、K)によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、感光体クリーニングユニット75(Y、M、C、K)が備える残存トナー回収部に回収される。
【0040】
二次転写後の中間転写ベルト70の従動ローラ71b側に中間転写ベルトクリーニング装置(図示せず)が設置され、二次転写後の中間転写ベルト70をクリーニングする。なお、中間転写ベルトを用いた中間転写方式の実施例に基づいて説明してきたが、直接転写式の画像形成装置であっても良い。
【0041】
次に、第1実施形態の現像カートリッジ50Yの現像室51Y内のトナー水位センサ150Yについて説明する。図3は第1実施形態の現像カートリッジ50Yの軸に直交する断面の概略図、図4は第1実施形態の現像カートリッジ50Yの平面図である。
【0042】
トナー水位センサ150Yは、現像カートリッジ50Yの現像室51Y内の現像ローラ52Y及びトナー供給ローラ53Yの上方に配設される。トナー水位センサ150Yは、光を投光する投光部151Yと、投光部151Yが投光する光を受光する受光部152Yと、を有する。投光部151Yと受光部152Yとは、現像ローラ52Y及びトナー供給ローラ53Yの軸方向に、対向して配設される。また、投光部151Yと受光部152Yとは、高さを変更することが可能となっている。
【0043】
トナー水位センサ150Yは、投光部151Yから投光された光が、受光部152Yに受光されないことで、トナーの存在を検知しON信号を出力する。また、トナー水位センサ150Yは、投光部151Yから投光された光が、受光部152Yに受光されることで、トナーの存在が無いことを検知しOFF信号を出力する。
【0044】
図5は、トナー水位センサ150Yの高さ変更機構の実施例1を示す図である。実施例1の高さ変更機構160Yは、ステッピングモータ等の駆動部161Yと、駆動部161Yの駆動力により駆動する螺子状の駆動軸162Yと、駆動軸162Yと螺合され駆動軸162Yの回転により移動する移動部材163Yと、移動部材163Yに取り付けられトナー水位センサ150Yを支持する支持部材164Yとを有する。また、移動部材163Yの移動量を規制する図示しない規制部材を有する。そして、移動部材163Yの移動が規制された時点を基準とすると好ましい。
【0045】
図6は、トナー水位センサ150Yの高さ変更機構の実施例2を示す図である。実施例2の高さ変更機構170Yは、ステッピングモータ等の駆動部171Yと、駆動部171Yの駆動力により回転する回転軸172Yと、回転軸172Yと一体に回転し駆動部171Yの駆動力を伝達する伝達部材としての歯車173Yと、歯車173Yと噛み合い歯車173Yの回転により移動する移動部材174Yと、移動部材174Yに取り付けられトナー水位センサ150Yを支持する支持部材175Yとを有する。また、移動部材174Yの移動量を規制する規制部材176Yを有する。そして、移動部材174Yの移動が規制された時点を基準とすると好ましい。
【0046】
次に、高さ変更可能なトナー水位センサ150Yを用いたトナー水位制御について説明する。
【0047】
図7は、実施例1のトナー水位制御のフローチャートを示す図である。実施例1のトナー水位制御は、あらかじめ設定したトナー水位センサ150Yの初期位置に対応する第1の状態としての通常水位にトナー水位を戻したい場合に行うものである。
【0048】
まず、ステップ1で、トナー水位を通常水位にする(ST1)。続いて、ステップ2で、第1の印字を行う(ST2)。次に、ステップ3で、所定時間低dutyが続いたか否か判定する(ST3)。ステップ3において、所定時間、低dutyが続いていない場合、ステップ2に戻る。ステップ3において、所定時間、低dutyが続いた場合には、トナーが劣化していると判断して、ステップ4で、トナー補給を停止する(ST4)。
【0049】
次に、ステップ5で、トナー水位センサ150Yを通常水位よりも低い所定の低水位ポイントまで下降させる(ST5)。続いて、ステップ6で、第2の印字を行う(ST6)。次に、ステップ7で、低水位ポイントまで下降させたトナー水位センサ150Yにより、トナーが低水位ポイントになったか否かを判定する(ST7)。ステップ7において、トナーが低水位ポイントになっていない場合、ステップ6に戻る。
【0050】
ステップ7において、トナーが低水位ポイントになった場合、ステップ8で、センサを所定高さ上昇させる(ST8)。次に、ステップ9で、NEWトナーを所定量補給する(ST9)。さらに、ステップ10で、トナーを所定時間撹拌する(ST10)。
【0051】
ステップ8〜10において、一度に大量のNEWトナーを補給すると、カブリの増加や規制漏れの原因となるので、NEWトナーは少しずつ補給すると好ましい。
【0052】
次に、ステップ11で、トナー水位が通常水位か否かを判定する(ST11)。ステップ11において、通常水位でないと判定された場合、ステップ8に戻る。ステップ11において、通常水位であると判定された場合、制御を終了する。
【0053】
なお、このトナー水位制御は、電源ONの間、常に行うことが好ましい。
【0054】
次に、実施例2のトナー水位制御について説明する。図8は、実施例2のトナー水位制御のフローチャートを示す図である。実施例2のトナー水位制御は、あらかじめ設定したトナー水位センサ150Yの初期位置に対応する第1の状態としての通常水位にトナー水位を戻す過程において、dutyに応じて水位を微調整する場合に行うものである。
【0055】
まず、ステップ21で、トナー水位を通常水位にする(ST21)。続いて、ステップ22で、第1の印字を行う(ST22)。次に、ステップ23で、低dutyが所定時間になったか否か判定する(ST23)。ステップ23において、低dutyが所定時間になっていない場合、ステップ22に戻る。ステップ23において、低dutyが所定時間になった場合には、トナーが劣化していると判断して、ステップ24で、トナー補給を停止する(ST24)。
【0056】
次に、ステップ25で、トナー水位センサ150Yをあらかじめ定めたトナー強制消費ポイントまで下降させる(ST25)。次に、ステップ26で、第2の印字を行う(ST26)。続いて、ステップ27で、トナー強制消費ポイントまで下降させたトナー水位センサ150Yにより、トナーがトナー強制消費ポイントになったか否かを判定する(ST27)。ステップ27において、トナーがトナー強制消費ポイントに到達していない場合、ステップ26に戻る。
【0057】
ステップ27において、トナーがトナー強制消費ポイントに到達した場合、ステップ28で、トナーがトナー強制消費ポイントに到達するまでの第2の印字中に低duty印字が多かったか、高duty印字が多かったか判定する(ST28)。ステップ28において、トナーがトナー強制消費ポイントに到達するまでの第2の印字中に低duty印字が多かった場合、ステップ29において、トナー強制消費を実行する(ST29)。続いて、ステップ30で、トナーを通常水位まで補給し(ST30)、制御を終了する。
【0058】
ステップ28において、トナーがトナー強制消費ポイントに到達するまでの第2の印字中に高duty印字が多かった場合、ステップ31で、第3の印字を行う(ST31)。次に、ステップ32で、センサを所定高さ上昇させる(ST32)。次に、ステップ33で、NEWトナーを所定量補給する(ST33)。さらに、ステップ34で、トナーを所定時間撹拌する(ST34)。
【0059】
ステップ32〜34は、劣化トナーがトナー強制消費ポイントに到達するまでに印字により消費されたものとして、トナー強制消費をせず、トナー補給を行うための工程である。ステップ32〜34において、一度に大量のNEWトナーを補給すると、カブリの増加や規制漏れの原因となるので、NEWトナーは少しずつ補給する。
【0060】
次に、ステップ35で、第3の印字中に、低duty印字が多かったか、高duty印字が多かったか判定する(ST35)。ステップ35において、低duty印字が多かった場合、ステップ24に戻り、トナー強制消費の準備をする。
【0061】
ステップ35において、高duty印字が多かった場合、ステップ36で、通常水位か否かを判定する(ST36)。ステップ36において、通常水位でないと判定された場合、ステップ31に戻る。ステップ36において、通常水位であると判定された場合、制御を終了する。
【0062】
なお、このトナー水位制御は、電源ONの間、常に行うことが好ましい。
【0063】
次に、第2実施形態について説明する。図9は第2実施形態の現像カートリッジ50Yの軸に直交する断面の概略図、図10は第2実施形態の現像カートリッジ50Yの平面図である。第2実施形態は、トナー水位センサクリーニング部155Yを有するものである。
【0064】
第2実施形態では、現像室51Y内のトナー水位センサ150Yに近接して、トナー水位センサクリーニング部155Yを有する。トナー水位センサクリーニング部155Yは、現像ローラ52Y及びトナー供給ローラ53Yの軸方向、並びに、トナー水位センサ150Yの発光面151aYと受光面152aYを結ぶ線に対して、平行に延伸する回転軸156Yと、回転軸156Yに取り付けられ回転軸156Yと共に回転する発光面クリーニング部材157Yと、受光面クリーニング部材158Yとを有する。発光面クリーニング部材157Yは、発光面151aYに摺接し、受光面クリーニング部材158Yは、受光面152aYに摺接することで、それぞれ清掃する。図9及び図10は、投光面クリーニング部材157Y及び受光面クリーニング部材158Yが、投光面151aY及び受光面152aYをクリーニングしている状態である。
【0065】
また、軸156Y、投光面クリーニング部材157Y及び受光面クリーニング部材158Yは、一部の範囲を往復回動する構成でもよい。
【0066】
このように、本実施形態の現像カートリッジ50Yは、トナーを担持する現像ローラ52Yと、現像ローラ52Yに現像剤を供給するトナー供給ローラ53Yと、現像ローラ52Y及びトナー供給ローラ53Yを有する現像室51Yと、現像室51Yに配設され、印字状況に対応して異なる位置でトナー水位を検知するトナー水位センサ150Yと、を備えたことを特徴とするので、1つのトナー水位センサ150Yで、異なるトナー水位を検知することができ低コストながら高精度とすることが可能となる。
【0067】
また、トナー水位センサ150Yを上下移動させる移動手段を有するので、円滑に移動させることが可能となる。
【0068】
さらに、本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成される潜像担持体と、静電潜像を現像して潜像担持体に像を形成する現像カートリッジ50Yと、潜像担持体の像を転写する転写部と、を少なくとも備え、現像カートリッジ50Yを搭載したことを特徴とするので、トナー水位を的確に検知することができ検知結果に応じて良好な画像を形成することが可能となる。
【0069】
さらに、本発明のトナー水位制御方法は、トナー水位をあらかじめ設定した初期位置に対応する第1の状態とする工程と、第1の印字工程と、第1の印字工程において低duty印字が所定時間あった場合、トナー補給を停止する工程と、トナー水位センサ150Yを第1の状態よりも低い所定の低水位ポイントに下降させる工程と、第2の印字工程と、第2の印字工程によりトナー水位が低水位ポイントに到達した場合、トナーを第1の状態まで補給する工程と、を有するので、低duty印字後のトナーが低水位ポイントに到達した時点でNEWトナーを補給しトナーを早く第1の状態に近づけることが可能となる。
【0070】
また、トナーを補給する工程は、トナー水位センサ150Yを所定高さ上昇させる工程と、トナーをトナー水位センサ150Yの検知する所定高さまで補給する工程と、トナーを撹拌する工程と、をトナー水位センサ150Yがあらかじめ設定した初期位置に到達し、トナー水位が第1の状態になるまで所定回数繰り返すので、急激に多量のNEWトナーを補給することにより生じるカブリ等を低減することが可能となる。
【0071】
さらに、本発明のトナー水位制御方法は、トナー水位をあらかじめ設定した初期位置に対応する第1の状態とする工程と、第1の印字工程と、第1の印字工程において低duty印字が所定時間あった場合、トナー補給を停止する工程と、トナー水位センサ150Yを所定のトナー強制消費ポイントに下降させる工程と、第2の印字工程と、トナー水位がトナー強制消費ポイントに到達した時点で、第2の印字工程において低duty印字が所定より多い場合、トナー強制消費を行う工程と、トナー強制消費を行った後、トナーを第1の状態まで補給する工程と、を有することを特徴とするので、dutyに対応した制御が可能となる。
【0072】
また、トナー水位がトナー強制消費ポイントに到達した時点で、第2の印字工程において低duty印字が所定より少ない場合、第3の印字を行いながらトナーを第1の状態まで補給する工程を有するので、dutyに対応した制御が可能となる。
【0073】
また、トナーを補給する工程は、トナー水位センサ150Yを所定高さ上昇させる工程と、トナーをトナー水位センサ150Yの検知する所定高さまで補給する工程と、トナーを撹拌する工程と、をトナー水位センサ150Yがあらかじめ設定した初期位置に到達し、トナー水位が第1の状態になるまで所定回数繰り返すので、急激に多量のNEWトナーを補給することにより生じるカブリ等を低減することが可能となる。
【0074】
また、第3の印字工程において高duty印字が多い場合、トナー補給を停止する工程に戻るので、dutyに対応した制御が可能となる。
【符号の説明】
【0075】
10Y,10M,10C,10K…画像形成装置、15Y,15M,15C,15K…画像形成ステーション、20Y,20M,20C,20K…感光体(潜像担持体)、30Y,30M,30C,30K…帯電器、40Y,40M,40C,40K…露光ユニット、50Y,50M,50C,50K…現像カートリッジ(現像装置)、51Y,51M,51C,51K…現像室、52Y,52M,52C,52K…現像ローラ(現像剤担持体)、53Y,53M,53C,53K…トナー供給ローラ(トナー供給部材)、54Y,54M,54C,54K…規制ブレード、55Y,55M,55C,55K…搬送部、56Y,56M,56C,56K…下部搬送部材、57Y,57M,57C,57K…持上搬送部材、58Y,58M,58C,58K…上部搬送部材、59Y,59M,59C,59K…バッファ部搬送部材、70…中間転写ベルト(中間転写部材)、75Y,75M,75C,75K…感光体クリーニングユニット(潜像担持体クリーニングユニット)、80…二次転写ユニット、90…定着ユニット、150Y…トナー水位センサ(検知手段)、151Y…発光部(検知部)、152Y…受光部(検知部)、155Y…トナー水位センサクリーニング部(クリーニング部)、156Y…回転軸、157Y…発光面クリーニング部材、158Y…受光面クリーニング部材、160Y…高さ変更機構、161…駆動部、162…駆動軸、163…移動部材、164…支持部材、170Y…高さ変更機構171…駆動部、172…回転軸、173…歯車、174…移動部材、175…支持部材、176…規制部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に現像剤を供給するトナー供給部材と、
前記現像剤担持体及びトナー供給部材を有する現像室と、
前記現像室に配設され、印字状況に対応して異なる位置でトナー水位を検知する検知手段と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記検知手段を上下移動させる移動手段を有する請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
静電潜像が形成される潜像担持体と、
前記静電潜像を現像して前記潜像担持体に像を形成する現像装置と、
前記潜像担持体の像を転写する転写部と、
を少なくとも備え、
前記現像装置として、前記請求項1又は請求項2に記載の現像装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
トナー水位をあらかじめ設定した初期位置に対応する第1の状態とする工程と、
第1の印字工程と、
前記第1の印字工程において低duty印字が所定時間あった場合、トナー補給を停止する工程と、
前記検知手段を前記第1の状態よりも低い所定の低水位ポイントに下降させる工程と、
第2の印字工程と、
前記第2の印字工程によりトナー水位が前記低水位ポイントに到達した場合、トナーを第1の状態まで補給する工程と、
を有することを特徴とするトナー水位制御方法。
【請求項5】
前記トナーを補給する工程は、
前記検知手段を所定高さ上昇させる工程と、
前記トナーを前記検知手段の検知する所定高さまで補給する工程と、
前記トナーを撹拌する工程と、
を前記検知手段があらかじめ設定した初期位置に到達し、トナー水位が前記第1の状態になるまで所定回数繰り返す請求項4に記載のトナー水位制御方法。
【請求項6】
トナー水位をあらかじめ設定した初期位置に対応する第1の状態とする工程と、
第1の印字工程と、
前記第1の印字工程において低duty印字が所定時間あった場合、トナー補給を停止する工程と、
前記検知手段を所定のトナー強制消費ポイントに下降させる工程と、
第2の印字工程と、
トナー水位が前記トナー強制消費ポイントに到達した時点で、前記第2の印字工程において低duty印字が所定より多い場合、トナー強制消費を行う工程と、
前記トナー強制消費を行った後、トナーを第1の状態まで補給する工程と、
を有することを特徴とするトナー水位制御方法。
【請求項7】
トナー水位が前記トナー強制消費ポイントに到達した時点で、前記第2の印字工程において低duty印字が所定より少ない場合、第3の印字を行いながらトナーを前記第1の状態まで補給する工程を有する請求項6に記載のトナー水位制御方法。
【請求項8】
前記トナーを補給する工程は、
前記検知手段を所定高さ上昇させる工程と、
前記トナーを前記検知手段の検知する所定高さまで補給する工程と、
前記トナーを撹拌する工程と、
を前記検知手段があらかじめ設定した初期位置に到達し、トナー水位が前記第1の状態になるまで所定回数繰り返す請求項7に記載のトナー水位制御方法。
【請求項9】
前記第3の印字工程において高duty印字が多い場合、前記トナー補給を停止する工程に戻る請求項7又は請求項8に記載のトナー水位制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−224138(P2010−224138A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70170(P2009−70170)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】