説明

画像出力システム、制御装置、画像出力方法、その画像出力方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体

【課題】 小ロット印刷とプルーフ用画像出力とを単一の画像出力装置により有効に行える画像出力システムを提供する。
【解決手段】 画像データに基づく印刷用画像を所定の出力設定値にて記録用紙Pに出力するカラーレーザープリンタ200(画像出力装置)と、このカラーレーザープリンタ200に対して画像データを送信する制御装置100とを備えた画像出力システム1であって、画像データに基づく印刷用画像がプルーフ用画像である場合にカラーレーザープリンタ200の出力設定値を補正する補正部113と、カラーレーザープリンタ200に設けられ、補正部113により補正された出力設定値を用いて当該画像データに基づく印刷用画像を記録用紙Pに出力する画像出力部220とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力システム、制御装置、画像出力方法、その画像出力方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体に関し、より詳細には、プルーフ用画像を出力可能な画像出力装置による画像の出力を好適に行うための技術に関する。特に、当該画像出力装置として電子写真方式のカラーレーザープリンタを適用した場合における画像出力処理を有効に実施するための制御に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、DTP(Desk Top Publishing)等の普及により、印刷発注者が自身の端末にスキャナで取り込んだ画像をコンピュータソフトウェア上で編集し、ページ面付けを行うような作業工程が一般化しており、フルデジタルでの編集も珍しくなくなってきている。
【0003】
このような印刷製版工程においては、更なる効率化を図るために、そのページ面付け済みの画像データをフィルムに直接出力するイメージセッタ出力や、印刷版に直接画像記録を行うCTP(Computer to Plate)出力、更には印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行うCTC(Computer to Cylinder)出力などが行われている。
【0004】
この際、校正を行うためにフィルム出力や印刷版出力を行うことは、フィルムや印刷版にムダが生じ、また、余計な作業が多くなるという問題があった。そこで、DDCP(Direct Digital Color Proof)、すなわち、画像データから直接に校正用のカラー画像を出力するシステムが求められるようになった。
【0005】
このDDCPシステムによれば、例えばページ面付け済みの画像データをイメージセッタ等で製版用フィルム上に記録する前や、プレートセッタ(CTP出力システムにおいて印刷版を出力する機械)で直接印刷版を作成する印刷作業を行う前や、CTCで印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行う前などに、目的の画像を再現するDCP(Digital Color Proof)を作成できるため、校正担当者は、このDCPを参照して画像の絵柄や色調等を校正することができる。
【0006】
近時、電子写真方式のカラーレーザープリンタやスキャナ・コピア・ファクシミリ等の機能を有する複合機(以下、まとめてカラーレーザープリンタと称する)をDDCPシステムに適用させる動きが注目を集めている。従来、カラーレーザープリンタは、画像の仕上がりを理解するためのカンプ用途には使用されていたが、近年におけるカラーレーザープリンタの高画質化に伴ってプルーフ用画像の出力にも適用されるようになってきている。また、高品位のカラー画像を安価にかつ高速に出力可能となってきたことを反映して、小ロット印刷等における最終印刷物の作成用途にも使用されるようになってきた。このような背景のなか、小ロット印刷及びDCP出力の双方について、単一のカラーレーザープリンタで賄いたいとの要求が高まっている。
【0007】
しかし、小ロット印刷とDCP出力とでは、ユーザに求められる作業特性が異なっているのが現状である。すなわち、小ロット印刷では、作業の生産性とともに同一ロットにおける色調の均一性が重要視される一方、DCP出力においては、色再現性、すなわち、オフセット印刷機など他の出力デバイスによる出力物に対する色調の適合性が重要視される。
【0008】
ところで、電子写真方式のカラーレーザープリンタは、温度や湿度等の環境条件の変動や部品寿命等の経年変化による影響を受けやすいため、その使用においては各種の補正が必要とされている。
【0009】
特許文献1は、そのような補正処理の一例を開示するものである。当該文献に記載の制御装置(画像処理装置)は、画素内の所定領域にドットを形成し、複数のドットからなる網点により階調を表現して画像を形成するもので、階調データを供給され、画素ごとに階調データと画像形成情報との対応を有する変換テーブルを参照して、階調データに従う画素内のドット面積に対応する画像形成情報を生成するハーフトーン処理部と、テスト印刷結果を供給され、テスト印刷結果に従って変換テーブルの変更設定する変換テーブル補正部とを備えている。したがって、当該変換テーブルをテスト印刷の結果に応じて変更設定することにより、電子写真方式のカラーレーザープリンタのガンマ値の変化に対する補正を行うようになっている。
【0010】
なお、ガンマ値とは、画像の階調の応答特性を表わす数値(レーザー出力の設定値と、実際の出力色の濃度との関係を表わす数値)であり、レーザー出力と出力される色の濃度との関係を表わす特性曲線(ガンマ曲線)を構成するパラメータとして表される。このガンマ値は、環境条件の変動や経年変化に伴うレーザー出力特性、感光体ドラムの露光感度、帯電手段の帯電能力、中間転写体(転写ベルトや転写ドラム等)への転写感度などの各種条件によって変化し、同一の画像データであっても実際に出力される画像の濃度が変化してしまうことから、補正処理が必要となる。例えばレーザー出力を段階的に変化させて各色を出力し、その各色の濃度値が所定の基準値になるようにガンマ値を補正するのが一般的である。このような補正処理は、ガンマ補正などと呼ばれている。
【0011】
特許文献1に示すようなカラーレーザープリンタの補正処理は、一般に、装置の電源投入時や、あらかじめ設定された出力枚数毎あるいは使用時間毎に実行されるようになっている。しかし、補正処理中には画像を出力できないため、当該補正処理を頻繁に行うと画像出力の生産性が低下してしまう。また、ロット処理中に補正が実行されると、補正の前後において出力画像の色調が変化し、単一ロットにおける色調の均一性を確保できないケースが起こりうる。したがって、特許文献1に記載の構成は、特に小ロット印刷への適用に問題があると思われる。
【0012】
また、特許文献2には、突発的な外乱等のノイズが制御量に混入した場合に、その異常値を漸近的に除去して制御ルールの誤りを軽減するために、補正幅に制限を設けた制御装置(画像形成装置)が開示されている。すなわち、本文献に記載の制御装置(画像形成装置)は、画像品質に関する制御量の目標値を設定する手段と、操作量の設定値を切替える手段と、制御用の基準パターンを作成する手段と、基準パターン上の制御量を測定する手段と、操作量と制御量との対応関係から制御ルールを作成する手段と、制御ルールに従って、目標値および制御量の測定値の間の誤差に応じて、操作量の補正量を算出する補正量算出手段と、目標値および制御量の測定値の間の誤差を誤差が所定の最大誤差を越えないように減衰させるフィルタ手段を含み、目標値および制御量の測定値の間の誤差の大きさに応じて、操作量の補正量を(当該最大誤差の範囲において)調整する補正量調整手段とを有している。
【0013】
本文献の制御装置のように補正幅に制限を設けると、補正前後における色調の相違が小さくなることから小ロット印刷には適しているが、補正可能な色調の幅が小さくなるため、プルーフ用途における色再現性を満足するには十分でないと考えられる。
【0014】
したがって、従来の構成では、小ロット印刷等の最終印刷物の出力及びプルーフ用画像の出力の双方の処理を、単一の画像出力装置(電子写真式のカラーレーザープリンタ等)により有効に行うことは困難であった。
【0015】
【特許文献1】特開2000−333012号公報(請求項1)
【特許文献2】特開平10−148978号公報(請求項2、明細書段落[0019]、[0020])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、小ロット印刷等の最終印刷物の印刷処理と、印刷・製版作業における色校正工程におけるプルーフ用画像の出力処理とを、単一の画像出力装置によって有効に行うことを可能とする画像出力システム、制御装置、画像出力方法、その画像出力方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、画像データに基づく印刷用画像を所定の出力設定値にて記録用紙に出力する画像出力装置と、前記画像出力装置に対して前記画像データを送信する制御装置とを備えた画像出力システムであって、前記画像データに基づく前記印刷用画像がプルーフ用画像である場合に、前記画像出力装置の前記出力設定値を補正する補正手段と、前記画像出力装置に設けられ、前記補正手段により補正された前記出力設定値を用いて前記画像データに基づく前記印刷用画像を前記記録用紙に出力する画像出力手段と、を備えている、ことを特徴とする。
【0018】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像出力システムであって、前記補正手段により補正される前の前記出力設定値を記録する設定値記録手段と、前記補正後の出力設定値による前記印刷用画像の出力後に、前記画像出力装置の出力設定値を、前記設定値記録手段に記録された前記補正前の出力設定値に復帰させる復帰手段と、を更に備えている、ことを特徴とする。
【0019】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像出力システムであって、前記画像データに基づく前記印刷用画像を前記プルーフ用画像に指定するための指定手段を更に備え、前記補正手段は、前記指定手段により前記プルーフ用画像に指定された前記印刷用画像に対して前記補正を行う、ことを特徴とする。
【0020】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像出力システムであって、上流端末により前記プルーフ用画像に指定された前記画像データが選択的に格納されるプルーフ用画像格納手段を更に備え、前記補正手段は、前記プルーフ用画像格納手段に格納された前記画像データに基づく前記印刷用画像に対して前記補正を行う、ことを特徴とする。
【0021】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の画像出力システムであって、前記補正手段は、前記印刷用画像の階調を変更するように前記出力設定値を補正することを特徴とする。
【0022】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の画像出力システムであって、前記画像データをスクリーニングして各基本色毎の網点画像データを作成する網点化処理手段を更に備え、前記画像出力装置は、前記画像出力手段として、前記作成された前記各基本色毎の網点画像データに基づくトナー画像を感光体上に形成するトナー画像形成手段と、前記感光体上に形成された前記各基本色毎のトナー画像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に転写された前記トナー画像を前記記録用紙に転写する二次転写手段と、前記記録用紙に転写された前記トナー画像を定着させて前記印刷用画像を形成する定着手段と、を備え、前記スクリーニングによる網点によって前記印刷用画像の階調を表現する電子写真式のカラーレーザープリンタである、ことを特徴とする。
【0023】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像出力システムであって、前記一次転写手段により前記中間転写体上に転写された前記トナー画像を測定して濃度値を取得する濃度取得手段を更に備え、前記補正手段は、前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、所定の補正用画像を形成するように前記画像出力手段に指示する補正用画像形成指示手段を備え、前記指示に応じて前記中間転写体上に転写された前記補正用画像のトナー画像について前記濃度取得手段により取得された前記濃度値に基づいて前記出力設定値を補正する、ことを特徴とする。
【0024】
また、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の画像出力システムであって、前記二次転写手段により前記記録用紙に転写された前記トナー画像を測定して濃度値を取得する濃度取得手段を更に備え、前記補正手段は、前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、所定の補正用画像を形成するように前記画像出力手段に指示する補正用画像形成指示手段を備え、前記指示に応じて前記記録用紙に転写された前記補正用画像のトナー画像について前記濃度取得手段により取得された前記濃度値に基づいて前記出力設定値を補正する、ことを特徴とする。
【0025】
また、請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の画像出力システムであって、前記画像出力装置の前記定着手段により前記記録用紙に定着され形成された前記印刷用画像を測定して濃度値を取得する濃度取得手段を更に備え、前記補正手段は、前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、所定の補正用画像を形成するように前記画像出力手段に指示する補正用画像形成指示手段を備え、前記指示に応じて前記定着手段により形成された前記補正用画像の前記印刷用画像について前記濃度取得手段により取得された前記濃度値に基づいて前記出力設定値を補正する、ことを特徴とする。
【0026】
また、請求項10に記載の発明は、請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載の画像出力システムであって、前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記画像出力手段により出力される前記印刷用画像の階調の応答特性を表すガンマ値であり、前記補正手段は、前記画像出力手段により出力される前記各基本色の濃度が所定の基準値になるように前記ガンマ値を補正する、ことを特徴とする。
【0027】
また、請求項11に記載の発明は、請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載の画像出力システムであって、前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記画像出力手段が前記感光体上に前記トナー画像を形成するときのトナー濃度であり、前記補正手段は、前記画像出力手段により出力される前記各基本色の濃度が所定の基準値になるように前記トナー濃度を補正する、ことを特徴とする。
【0028】
また、請求項12に記載の発明は、請求項6に記載の画像出力システムであって、前記画像出力手段の前記感光体は、前記各基本色毎に設けられており、前記画像出力手段の前記トナー画像形成手段は、前記各基本色毎に設けられ、前記感光体の表面を帯電させる帯電手段と、前記各基本色毎に設けられ、前記帯電された前記感光体の表面をレーザー露光して前記静電潜像を形成する露光手段と、前記各基本色毎に設けられ、前記感光体上に形成された前記静電潜像を現像して前記トナー画像を形成する現像手段と、を備え、前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記帯電手段による帯電電位である、ことを特徴とする。
【0029】
また、請求項13に記載の発明は、請求項6に記載の画像出力システムであって、前記画像出力手段の前記感光体は、前記各基本色毎に設けられており、前記画像出力手段の前記トナー画像形成手段は、前記各基本色毎に設けられ、前記感光体の表面を帯電させる帯電手段と、前記各基本色毎に設けられ、前記帯電された前記感光体の表面をレーザー露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記各基本色毎に設けられ、前記感光体上に形成された前記静電潜像を現像して前記トナー画像を形成する現像手段と、を備え、前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記露光手段による露光量である、ことを特徴とする。
【0030】
また、請求項14に記載の発明は、請求項6に記載の画像出力システムであって、前記一次転写手段は、前記感光体上に形成された前記トナー画像を前記中間転写体上に転写させるための転写電流を印可し、前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記一次転写手段により印可される前記転写電流の電流値である、ことを特徴とする。
【0031】
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の画像出力システムであって、前記画像出力装置内の湿度を測定する湿度測定手段を更に備え、前記補正手段は、前記湿度測定手段により測定された前記湿度に基づいて前記一次転写手段の前記転写電流の電流値を補正する、ことを特徴とする。
【0032】
また、請求項16に記載の発明は、請求項6に記載の画像出力システムであって、前記二次転写手段は、前記中間転写体上に形成された前記トナー画像を前記記録用紙に転写させるための転写電流を印可し、前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記二次転写手段により印可される前記転写電流の電流値である、ことを特徴とする。
【0033】
また、請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の画像出力システムであって、前記補正手段は、前記画像出力手段により前記画像データに基づく前記印刷用画像が出力される前記記録用紙の種類を判別する用紙種類判別手段を備え、前記判別された前記記録用紙の種類に基づいて前記二次転写手段の前記転写電流の電流値を補正する、ことを特徴とする。
【0034】
また、請求項18に記載の発明は、画像データに基づく印刷用画像を所定の出力設定値にて記録用紙に出力する画像出力装置に対して前記画像データを送信する制御装置であって、前記画像データに基づく前記印刷用画像がプルーフ用画像である場合に、前記画像出力装置の前記出力設定値を補正する補正手段と、前記補正後の前記出力設定値を前記画像出力装置に送信することにより、当該補正後の出力設定値を用いて前記画像データに基づく前記印刷用画像を前記記録用紙に出力させる送信手段と、を備えていることを特徴とする。
【0035】
また、請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の制御装置であって、前記補正手段により補正される前の前記出力設定値を記録する設定値記録手段を更に備え、前記送信手段は、前記設定値記録手段に記録された前記補正前の出力設定値を前記画像出力装置に送信することにより、前記補正後の出力設定値による前記印刷用画像の出力後に、前記画像出力装置の前記出力設定値を、前記設定値記録手段に記録された前記補正前の出力設定値に復帰させる、ことを特徴とする。
【0036】
また、請求項20に記載の発明は、画像データに基づく印刷用画像を所定の出力設定値にて記録用紙に出力する画像出力装置と、前記画像出力装置に対して前記画像データを送信する制御装置とを備えた画像出力システムによりプルーフ用画像を出力する画像出力方法であって、前記画像データに基づく前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、前記画像出力装置の前記出力設定値を補正する補正ステップと、前記画像出力装置が、前記補正された前記出力設定値を用いて前記画像データに基づく前記印刷用画像を前記記録用紙に出力する画像出力ステップと、を含んでいることを特徴とする。
【0037】
また、請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の画像出力方法であって、前記補正ステップにより補正される前の前記出力設定値を記録する設定値記録ステップと、前記画像出力ステップによる前記印刷用画像の出力後に、前記画像出力装置の出力設定値を前記補正前の出力設定値に復帰させるステップと、を更に含んでいることを特徴とする。
【0038】
また、請求項22に記載の発明は、請求項20又は請求項21に記載の画像出力方法であって、前記制御装置は、前記画像データをスクリーニングして各基本色毎の網点画像データを作成する網点化処理手段を備え、前記画像出力装置は、前記作成された前記各基本色毎の網点画像データに基づくトナー画像を感光体上に形成するトナー画像形成手段と、前記感光体上に形成された前記各基本色毎のトナー画像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に転写された前記トナー画像を前記記録用紙に転写する二次転写手段と、前記記録用紙に転写された前記トナー画像を定着させて前記印刷用画像を形成する定着手段と、を備え、前記スクリーニングによる網点によって前記印刷用画像の階調を表現する電子写真式のカラーレーザープリンタであり、前記補正ステップにより補正される前記出力設定値は、前記画像出力装置により出力される前記印刷用画像の階調の応答特性を表すガンマ値、又は、前記画像出力装置が前記感光体上に前記トナー画像を形成するときのトナー濃度であり、前記補正ステップは、前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、所定の補正用画像を前記中間転写体上又は前記記録用紙上に形成するように前記画像出力装置に指示するステップと、前記指示に応じて前記中間転写体上に転写された前記補正用画像の前記トナー画像を測定して濃度値を取得するステップと、を含み、前記取得された前記補正用画像の前記トナー画像についての前記濃度値に基づいて前記出力設定値を補正する、ことを特徴とする。
【0039】
また、請求項23に記載の発明は、請求項20又は請求項21に記載の画像出力方法であって、前記制御装置は、前記画像データをスクリーニングして各基本色毎の網点画像データを作成する網点化処理手段を備え、前記画像出力装置は、前記作成された前記各基本色毎の網点画像データに基づくトナー画像を感光体上に形成するトナー画像形成手段と、前記感光体上に形成された前記各基本色毎のトナー画像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に転写された前記トナー画像を前記記録用紙に転写する二次転写手段と、前記記録用紙に転写された前記トナー画像を定着させて前記印刷用画像を形成する定着手段と、を備え、前記スクリーニングによる網点によって前記印刷用画像の階調を表現する電子写真式のカラーレーザープリンタであり、前記補正ステップにより補正される前記出力設定値は、前記帯電ステップにおける帯電電位、前記露光ステップにおける露光量、一次転写ステップにおける前記転写電流、又は、二次転写ステップにおける前記転写電流である、ことを特徴とする。
【0040】
また、請求項24に記載の発明は、請求項20ないし請求項23のいずれか一項に記載の画像出力方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0041】
また、請求項25に記載の発明は、請求項24に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体である。
【発明の効果】
【0042】
本発明に係る画像出力システム、制御装置、画像出力方法、プログラム及び記憶媒体によれば、小ロット印刷等の最終印刷物を出力するときには現状の出力設定値を用いて画像出力を行う一方、プルーフ用途の画像を出力する場合には、現状の出力設定値を補正してから画像を出力するので、最終印刷物の出力処理においては生産性を損なうことがなく、また、プルーフ用画像の出力においては、色再現性の良好な画像を出力できる。したがって、小ロット印刷等の最終印刷物の印刷処理とプルーフ用画像の出力処理との双方を、単一の画像出力装置を用いて有効に行うことができる。
【0043】
また、本発明によれば、プルーフ用画像の出力用に補正される前の出力設定値を記録しておくとともに、画像出力装置の出力設定値が、当該プルーフ用画像の出力後に、補正前の出力設定値に自動的に復帰される。したがって、最終印刷物の出力処理の最中にプルーフ用画像の出力処理が割り込んできたような場合であっても、単一ジョブにおける各印刷物の色調を均一に保つことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明に係る画像出力システム、制御装置、画像出力方法、その方法を実行させるコンピュータプログラム、及び、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体を好適に実施するための構成の一例について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。
【0045】
〈第1の実施形態〉
以下、本発明に係る画像出力システムの第1の実施形態の概略構成、当該システムの画像出力装置としてのカラーレーザープリンタの内部構成、当該システムの制御系の構成、当該システムの動作態様及びその作用効果について順に説明する。また、当該システムの他の動作形態についても説明をする。
【0046】
[画像出力システムの概略構成]
図1は、本発明に係る画像出力システム1の構成及びそのワークフローの一例を表している。本実施形態の画像出力システム1は、制御装置100とカラーレーザープリンタ200(画像出力装置)とを含んで構成されている。画像出力システム1は、上流端末であるクライアント端末300からネットワークを介して送信される画像データに基づく印刷用画像を記録用紙に出力するための構成を有している。なお、詳細については後述するが、本実施形態の画像出力システム1は、小ロット印刷等による通常の印刷物に加えて、プルーフ用画像の出力も可能に構成されたシステムである。
【0047】
クライアント端末300は、クライアントが画像データの画像編集、例えば面付け作業を行うための少なくとも1台のコンピュータ端末からなる。クライアント端末300から制御装置100に送信される画像データは、例えばPostScript等の記述言語にて形成されたカンプ用の画像データ(ページ面付けする前の単ページの画像データ)や、印刷用の画像データ(複数面付けした画像データ)である。画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK又はK)の各色版データに分解されてクライアント端末300から制御装置100に送信される。
【0048】
なお、この画像出力システム1は、更に他の装置とネットワーク経由で接続されていてもよい。そのような装置としては、例えば、CTP用RIP(CTP用ラスターイメージプロセッサ)、CTP、DCP制御装置、DCP作成装置などが一般に用いられている。CTP用RIPは、クライアント端末300から送信された印刷用の画像データにRIP処理を施し、それを制御装置100やCTP、あるいは高精度なDCPが必要な場合には、DCP制御装置に送信する装置である。CTPは、CTP用RIPから送信された印刷用の画像データに基づく画像をPS版に直接出力する装置である。DCP作成装置は、CTP用RIPからDCP制御装置を介して送信された印刷用の画像データに基づく画像をDCPとして出力する装置である。ここで、DCP制御装置は、CTP用RIPから送信された印刷用の画像データを網点化してDCP作成装置に送信する。DCP作成装置は、複数の光源より波長の異なるレーザー光で感光材料を露光して各色の網点を形成することにより、DCP制御装置から送信された印刷用の画像データに基づく網点画像を出力してDCPを作成する。
【0049】
なお、上述の“RIP処理”とは、PostScript等で記述された画像データをカラーレーザープリンタ200やCTP、DCP作成装置等の出力解像度に合わせたビットマップデータに展開する処理のことを指す。
【0050】
また、制御装置100、クライアント端末300、CTP用RIP及びDCP制御装置は、各々コンピュータ端末として動作するものであって、コンピュータ本体、マウスやキーボード等の操作部、モニタ等の表示部を備え、所定の動作プログラムが組み込まれている。更に、クライアント端末300は、画像編集を行うための編集プログラム、イメージスキャナ等の画像入力機器を備えている。
【0051】
画像出力システム1の制御装置100は、クライアント端末300からネットワークを介して送信されたカンプ用の画像データや印刷用の画像データにRIP処理を施すとともに、スクリーニングによる網点化処理を施し、出力指示や記録用紙のサイズ、位置等の各種設定情報等を含む出力指示信号とともにカラーレーザープリンタ200に送信する。
【0052】
なお、“スクリーニング”とは、目的の画像の階調を表現するスクリーン角度やスクリーン線数を設定して網点画像データを形成する処理のことを示している。
【0053】
カラーレーザープリンタ200は、例えば電子写真方式のコピー部やイメージスキャナ等のスキャン部を備えたマルチファンクションプリンタであり、制御装置100から送信された出力指示信号に従って、スクリーニングされたカンプ用の画像データや印刷用の画像データに基づく網点画像を記録用紙の該当位置に出力する。
【0054】
[カラーレーザープリンタの内部構成]
図2は、多色マルチビーム式のカラーレーザープリンタ200の内部構成の一例を示す断面側面図である。カラーレーザープリンタ200は、制御装置100から送信された画像データに基づいて制御される各基本色の露光ビームを像形成体上に走査するなどして各基本色のトナー画像を形成し、それを中間転写体に逐次転写(一次転写)し、この中間転写体に転写された複数のトナー画像を記録用紙に更に転写(二次転写)することにより画像を出力する装置である。なお、このカラーレーザープリンタ200においては、上述の“基本色”として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK又はK)の4色が使用される。
【0055】
カラーレーザープリンタ200は、画像の出力処理を実行する装置本体201と、この装置本体201の上部に形成され、コピーに供される原稿などをスキャンする画像読取装置202とを備えている。
【0056】
まず、カラーレーザープリンタ200のスキャン機能及びコピー機能について簡単に説明する。画像読取装置202は、自動原稿給紙装置203と原稿画像走査露光装置204とを有している。自動原稿給紙装置203は、原稿台d上に載置された原稿(図示せず)を原稿画像走査露光装置204に搬送する。原稿画像走査露光装置204は、自動原稿給紙装置203により搬送された原稿の片面又は両面の画像に光を照射してスキャンを行い、当該原稿画像を反映したその光をラインイメージセンサCCDにより検出する。ラインイメージセンサCCDは、当該検出光をアナログ画像信号に光電変換する。そのアナログ画像信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が施されてデジタル画像データとされる。
【0057】
装置本体201は、このデジタル画像データに基づいて、原稿のコピー画像を記録用紙に出力する。なお、このコピー画像の出力処理は、以下に説明する装置本体201による画像出力処理と同様である。
【0058】
なお、本発明における画像出力装置は、当該カラーレーザープリンタ200のようなスキャン機能やコピー機能を有している必要はなく、画像データに基づき画像を出力するプリンタ機能のみを備えていれば十分である。
【0059】
続いて、装置本体201の詳細構成及び装置本体201が実行する画像出力処理について説明する。
【0060】
装置本体201は、各基本色毎のトナー画像を形成する画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、各基本色のトナー画像が転写される環状の中間転写ベルト6と、記録用紙を搬送して中間転写ベルト6上のトナー画像を転写させる用紙搬送機構(後述)と、記録用紙に転写されたトナー画像を定着させる定着装置17とを備えている。
【0061】
中間転写ベルト6は、上述の中間転写体を構成するものであり、複数のローラに巻回された状態で支持されている。この中間転写ベルト6は、当該複数のローラの回転に伴って回転されるようになっている。
【0062】
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、Y色のトナー画像が形成される像形成体としての感光体ドラム1Yと、この感光体ドラム1Yの周囲に配置された帯電手段2Yと、露光手段3Yと、現像手段4Yと、感光体ドラム1Yに付着したトナーをクリーニングするクリーニング手段8Yとを有する。
【0063】
露光手段3Yは、図示は省略するが、画像データに基づいて例えば4本のレーザービームを感光体ドラム1Yに同時に照射して露光処理を行うことにより、4ライン分のY色の静電潜像を同時に形成するようになっている。また、現像手段4Yによる現像処理は、使用するトナーの極性と同極性(例えば負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスを印可することにより行われる。
【0064】
感光体ドラム1Yとともに中間転写ベルト6を挟み込むように、一次転写ローラ7Yが設けられている。この一次転写ローラ7Yには、トナーと反対極性(例えば正極性)の一次転写バイアスが印可され、それにより、画像形成ユニット10Yによって感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー画像が中間転写ベルト6に転写される。
【0065】
マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、M色のトナー画像が形成される像形成体としての感光体ドラム1Mと、この感光体ドラム1Mの周囲に配置された帯電手段2Mと、露光手段3Mと、現像手段4Mと、感光体ドラム1Mに付着したトナーをクリーニングするクリーニング手段8Mとを有する。
【0066】
露光手段3Mは、Y色に関する構成と同様に、画像データに基づいて例えば4本のレーザービームを感光体ドラム1Mに同時に照射して露光処理を行うことにより、4ライン分のM色の静電潜像を同時に形成するようになっている。また、現像手段4Mによる現像処理は、使用するトナーの極性と同極性(例えば負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスを印可することにより行われる。
【0067】
感光体ドラム1Mとともに中間転写ベルト6を挟み込むように、一次転写ローラ7Mが設けられている。一次転写ローラ7Mには、トナーと反対極性(例えば正極性)の一次転写バイアスが印可され、それにより、画像形成ユニット10Mによって感光体ドラム1Mに形成されたM色のトナー画像が中間転写ベルト6に転写される。
【0068】
シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、C色のトナー画像が形成される像形成体としての感光体ドラム1Cと、この感光体ドラム1Cの周囲に配置された帯電手段2Cと、露光手段3Cと、現像手段4Cと、感光体ドラム1Cに付着したトナーをクリーニングするクリーニング手段8Cとを有する。
【0069】
露光手段3Cは、Y色に関する構成と同様に、画像データに基づいて例えば4本のレーザービームを感光体ドラム1Cに同時に照射して露光処理を行うことにより、4ライン分のC色の静電潜像を同時に形成するようになっている。また、現像手段4Cによる現像処理は、使用するトナーの極性と同極性(例えば負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスを印可することにより行われる。
【0070】
各感光体ドラム1Cとともに中間転写ベルト6を挟み込むように、一次転写ローラ7Yが設けられている。一次転写ローラ7Yは、トナーと反対極性(例えば正極性)の一次転写バイアスが印可され、それにより、画像形成ユニット10Cによって感光体ドラム1Cに形成されたC色のトナー画像が中間転写ベルト6に転写される。
【0071】
黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、K色のトナー画像が形成される像形成体としての感光体ドラム1Kと、この感光体ドラム1Kの周囲に配置された帯電手段2Kと、露光手段3Kと、現像手段4Kと、感光体ドラム1Kに付着したトナーをクリーニングするクリーニング手段8Kとを有する。
【0072】
露光手段3Kは、Y色に関する構成と同様に、画像データに基づいて例えば4本のレーザービームを感光体ドラム1Kに同時に照射して露光処理を行うことにより、4ライン分のK色の静電潜像を同時に形成するようになっている。また、現像手段4Kによる現像処理は、使用するトナーの極性と同極性(例えば負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスを印可することにより行われる。
【0073】
各感光体ドラム1Kとともに中間転写ベルト6を挟み込むように、一次転写ローラ7Kが設けられている。一次転写ローラ7Kは、トナーと反対極性(例えば正極性)の一次転写バイアスが印可され、それにより、画像形成ユニット10Kによって感光体ドラム1Kに形成されたK色のトナー画像が中間転写ベルト6に転写される。
【0074】
このようにして、Y色のトナー画像、M色のトナー画像、C色のトナー画像、K色のトナー画像は、一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kにより一次転写バイアス(転写電流)が印可されることによって、回動する中間転写ベルト6上に重なるようにそれぞれ転写される。それにより、各色のトナー画像が合成された合成トナー画像が中間転写ベルト6上に形成される。
【0075】
なお、一次転写後に各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残ったトナーは、ドラムクリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによってそれぞれクリーニングされ、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、次の画像形成処理に移行するようになっている。
【0076】
各給紙カセット20A、20B、20C内には、種類やサイズの異なる記録用紙Pがそれぞれ収納されている。記録用紙Pは、各給紙カセット20A、20B、20Cに設けられた送り出しローラ21により1枚ずつ取り出され、給紙ローラ22A、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等によって二次転写ローラ7Aに搬送される。
【0077】
二次転写ローラ7Aは、二次転写用の転写電流を印可することにより、中間転写ベルト6上に形成された合成トナー画像を記録用紙Pの一方の面(表面)に転写する。合成トナー画像が転写された記録用紙Pは、定着装置17に送られて定着処理が施され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
【0078】
ここで、二次転写後に中間転写ベルト6上に残留したトナーは、ベルトクリーニング手段8Aによって除去される。
【0079】
また、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ格納された記録用紙を選択的に二次転写ローラ7Aに搬送する送り出しローラ21、給紙ローラ22A、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等、更に、二次転写処理及び定着処理がなされた記録用紙を排紙トレイ25に搬送する排紙ローラ24などは、上述の用紙搬送機構を構成している。
【0080】
なお、記録用紙Pの両面に画像を出力する場合、定着装置17から排出された記録用紙Pは、分岐手段26によって用紙排出路から分岐され、循環通紙路27Aにより再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bに送られる。記録用紙Pは、この反転搬送路27Bによって表裏が反転され、再給紙搬送部27Cを経由して搬送ローラ22Dに再び送られる。そして、表裏が反転された記録用紙Pは、レジストローラ23を介して二次転写ローラ7Aに送られて他方の面(裏面)に合成トナー画像が転写され、定着処理を経て排紙トレイ25に排出される。
【0081】
本実施形態のカラーレーザープリンタ200には、中間転写ベルト6上に形成された合成トナー画像の濃度測定を行う濃度センサ28が設けられている。この濃度センサ28は、装置本体201内の例えばK色の画像形成ユニット10Kの下方の中間転写ベルト6近傍に設けられており、例えば、中間転写ベルト6上の合成トナー画像に向けて光を照射し、その反射光を解析して濃度値(例えばY濃度、M濃度、C濃度)を取得する通常の濃度計によって構成されている。
【0082】
カラーレーザープリンタ200の画像出力処理は、装置本体201内に配設された制御部15の制御の下に実行される。この制御部15は、CPU等の演算制御装置によって構成されている。当該制御部15による各種制御態様の詳細については後述するものとする。
【0083】
[画像出力システムの制御系の構成]
図3に示すブロック図は、本実施形態の画像出力システム1の制御系の一例の概略構成を表している。以下、制御装置100及びカラーレーザープリンタ200の制御系についてそれぞれ説明する。
【0084】
〔制御装置の制御系〕
制御装置100は、本発明に係る処理態様等において装置各部の制御を行う制御部110と、クライアント端末300から送信される画像データなどの各種データを記憶する記憶部120と、カラーレーザープリンタ200の出力設定値を記録する出力設定記録部130と、画像データに基づいて出力する画像の用途を指定するための画像用途指定部140と、各種画像を表示する表示モニタ150と、クライアント端末300やカラーレーザープリンタ200との間におけるデータの送受信を司る送受信部160とを含んで構成されている。
【0085】
(制御部)
制御部110は、CPU等の演算制御装置によって構成され、ROMやハードディスクドライブ等のプログラム格納部(図示省略)に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより装置各部の制御を行う。制御部110は、当該コンピュータプログラムにしたがって、網点化処理部111、画像用途判断部112及び補正部113として動作する。補正部113には、補正用画像形成指示部114と出力設定補正部115とが含まれている。
【0086】
網点化処理部111は、本発明の網点化処理手段を構成するもので、画像データをスクリーニングして各基本色Y、M、C、Kの網点画像データを作成する処理を実行する。より詳しく説明すると、網点化処理部111は、写真やイラストなどのように階調を有する原稿画像を、細かい点の集まり(網、網点、ハーフトーンドット等)からなる印刷用の形式に置き換える処理を行うものである。
【0087】
画像用途判断部112は、画像データに基づきカラーレーザープリンタ200により出力される画像がプルーフ用画像であるか否かを判断する処理を行う。当該判断処理の詳細については後述するものとする。
【0088】
補正部113は、本発明の補正手段を構成するもので、画像データに基づく印刷用画像がプルーフ用画像であると画像用途判断部112が判断したときに、出力設定記録部130に記録された出力設定値などカラーレーザープリンタ200の各種出力設定値を補正する処理を行うものである。この補正部113は、以下の補正用画像形成指示部114と出力設定補正部115によって出力設定値の補正処理を行う。
【0089】
補正部113の補正用画像形成指示部114は、本発明にいう補正用画像形成指示手段を構成するもので、画像データに基づく印刷用画像がプルーフ用画像であると画像用途判断部112が判断したことに対応して、所定の補正用画像を形成するように指示する信号を、送受信部160を介してカラーレーザープリンタ200に送信する処理を実行する。なお、この補正用画像としては、Y、M、Cの組合せからなるパッチを全色空間に亘って多数出力したカラーパッチ画像などを用いることができる。
【0090】
また、補正部113の出力設定補正部115は、補正用画像形成指示部114の指示に応じてカラーレーザープリンタ200が形成した補正用画像を測定して取得される濃度値に基づいて出力設定値の補正を行う。なお、補正用画像の濃度値は、カラーレーザープリンタ200の前述の濃度センサ28によって測定される。
【0091】
(記憶部)
記憶部120は、ハードディスクドライブやイメージメモリ等の記憶装置によって構成され、特に、クライアント端末300から送信される画像データを記憶するために用いられる。この記憶部120の所定領域(ディレクトリ)には、プルーフ用画像の画像データを格納するホットフォルダ121が形成されている。
【0092】
制御部110の画像用途判断部112は、ホットフォルダ121に画像データが格納されているか監視し、ホットフォルダ121に格納された画像データをプルーフ用途と判断するようになっている。なお、ホットフォルダ121は、本発明にいうプルーフ用画像格納手段を構成している。
【0093】
なお、記憶部120に対する画像データ等の各種データの記録処理及び読み出し処理等は、制御部110によって実行される。
【0094】
(出力設定記録部)
出力設定記録部130は、ハードディスクドライブ等の記憶装置によって構成され、特に、カラーレーザープリンタ200のガンマ値の設定値を示すガンマ特性情報131を記録している。この出力設定記録部130には、ガンマ特性情報131の他にも、カラーレーザープリンタ200が画像を形成するときのトナー濃度の設定情報、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの帯電手段2Y、2M、2C、2Kの帯電電位の設定情報、露光手段3Y、3M、3C、3Kの露光量の設定情報、一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kにより印可される転写電流の電流値の設定情報、二次転写ローラ7Aにより印可される転写電流の電流値の設定情報など、カラーレーザープリンタ200の各種の出力設定値が適宜記録されるようになっている。なお、出力設定記録部130は、詳細は後述するが、本発明の設定値記録手段を構成するものである。
【0095】
なお、出力設定記録部130に対する各種出力設定値の記録処理及び読み出し処理等は、制御部110によって実行される。
【0096】
また、制御部110は、従来の画像出力システムと同様に、システム起動時や、所定の時間間隔など、あらかじめ設定されたタイミングにて上述のガンマ補正を実行するようになっていることが好ましい。それにより、出力画像の色再現性を良好に保持することができる。特に、日常的な小ロット印刷時においては、画像の色再現性はそれほど考慮されないことから、ガンマ補正の実行頻度はそのようなタイミングでの実行で十分である。
【0097】
このように、あらかじめ設定されたタイミングにおけるガンマ補正が実行されると、制御部110は、ガンマ特性情報131を当該補正されたガンマ値に更新して出力設定記録部130に記録するようになっている。したがって、出力設定記録部130に記録されているガンマ特性情報131は、あらかじめ設定されたタイミングでのガンマ補正において更新された最新のガンマ値を示している。なお、本発明に係る補正処理によって得られるガンマ値は、このガンマ特性情報131を更新するものではない(詳細は後述する)。
【0098】
(画像用途指定部)
画像用途指定部140は、本発明の指定手段を構成するもので、キーボード等の入力デバイスや、マウス・トラックボール等のポインティングデバイスなど、オペレータが各種の入力操作を行うためのデバイスから構成される。オペレータは、例えば、表示モニタ150に表示される所定の操作画面(図示省略)を参照しながら、画像データに基づく印刷用画像の用途を指定する。
【0099】
この画像用途指定部140による指定態様としては、例えば、印刷用画像をプルーフ用画像として指定するためのチェックボックスを操作画面内に設け、マウスをクリックして当該チェックボックスにチェックマークを入力することにより、プルーフ用画像の指定を行うように構成することができる。
【0100】
(表示モニタ及び送受信部)
表示モニタ150は、LCDやCRTなど、コンピュータに接続された通常のモニタ装置により構成される。表示モニタ150は、制御部110の指示に従って各種の画面(特に上述の操作画面など)を表示させる。また、送受信部160は、送受信インターフェイス回路などから構成される。送受信部160は、制御部110の指示に従って各種データをカラーレーザープリンタ200やクライアント端末300に送信する処理を実行するとともに、カラーレーザープリンタ200やクライアント端末300から送信された各種データを受信して制御部110に送る処理を実行する。なお、送受信部160は、本発明の送信手段を構成するものである。
【0101】
〔カラーレーザープリンタの制御系〕
次に、カラーレーザープリンタ200の制御系の構成について説明する。カラーレーザープリンタ200の制御系は、上述の制御部15及び濃度センサ28と、制御装置100から送信される(網点)画像データに基づく印刷用画像を出力する画像出力部220と、送受信インターフェイス回路などから構成される送受信部230とを備えている。ここで、濃度センサ28は、本発明の濃度取得手段を構成している。
【0102】
(制御部)
制御部15は、CPU等の演算制御装置によって構成され、コンピュータプログラムに従ってカラーレーザープリンタ200の各部の制御を行う。なお、制御部15により実行されるコンピュータプログラムは、カラーレーザープリンタ200自体に格納されていてもよいし、また、制御装置100の制御部110に格納された上述のコンピュータプログラムであってもよい。
【0103】
制御部15は、カラーレーザープリンタ200が印刷用画像を出力するときの各種の出力設定値を制御装置100の指示に従って変更する出力設定変更部211を備えている。この出力設定変更部211がその設定を変更する出力設定値としては、例えば、ガンマ値、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kのトナー濃度、帯電手段2Y、2M、2C、2Kの帯電電位、露光手段3Y、3M、3C、3Kの露光量、一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kにより印可される転写電流の電流値、二次転写ローラ7Aにより印可される転写電流の電流値などがある。なお、詳細については後述するが、出力設定変更部211は、本発明の復帰手段を構成している。
【0104】
(画像出力部)
画像出力部220は、本発明の画像出力手段を構成するもので、制御装置100から受けた画像データに基づいて各基本色Y、M、C、Kのトナー画像を形成するトナー画像形成部221と、そのトナー画像を中間転写ベルト6に転写する一次転写部222と、中間転写ベルト6に転写されたトナー画像を記録用紙Pに転写する二次転写部223とを含んでいる。
【0105】
ここで、トナー画像形成部221は、本発明のトナー画像形成手段を構成するもので、図2に示した各基本色の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kによって構成されている。また、一次転写部222は、本発明の一次転写手段を構成し、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kによりそれぞれ形成されたY色、M色、C色、K色のトナー画像を中間転写ベルト6に転写する一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kにより構成される。また、二次転写部223は、本発明の二次転写手段を構成し、二次転写ローラ7Aにより構成される。更に、本発明において、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kは感光体を、中間転写ベルト6は中間転写体を、定着装置17は定着手段を、それぞれ構成している。
【0106】
[画像出力システムの動作態様]
本実施形態の画像出力システム1の動作態様の一例について、当該システム1を用いたワークフローについても触れながら説明する。図4及び図5に示すフローチャートは、画像出力システム1の動作の一例を表している。両図に示すシステム1の動作は、画像データに基づく印刷用画像の用途(プルーフ用途又は通常の小ロット印刷用途)をオペレータが手動で設定する構成に対応するものである。なお、ホットフォルダ121を使用して用途設定を行う必要のない場合の動作態様については、[画像出力システムの他の動作態様]として後述する。
【0107】
クライアント端末300から送信された編集済みの画像データは、制御装置100の送受信部160によって受信され、制御部110により記憶部120に格納される(S1)。制御装置100のオペレータは、画像用途指定部140を操作して当該画像データに基づく印刷用画像の用途を指定する(S2)。このとき、例えば、プルーフ用途に指定された画像データに対してフラグを付与することにより、それがプルーフ用途であるか否かを判別可能とする。
【0108】
制御部110の画像用途判断部112は、ステップS2において指定された用途に基づいて(例えばフラグの有無を検知して)、当該画像データに基づく印刷用画像がプルーフ用途であるか否か判断する(S3)。
【0109】
当該画像データに基づく印刷用画像がプルーフ用途でない(例えばフラグがない)と判断された場合(S3;N)、制御部110は、網点化処理部111によって当該画像データを網点画像データに変換し(S15)、カラーレーザープリンタ200に送信する(S16)。このとき、当該画像データに基づく印刷用画像を出力する記録用紙の種類、サイズ、向き、あるいは出力枚数など、各種の出力条件に関するデータも、網点画像データとともにカラーレーザープリンタ200に送信される。
【0110】
カラーレーザープリンタ200の画像出力部220は、現状の出力設定値を用いて、当該網点画像データに基づく印刷用画像を所定の記録用紙Pに所定の枚数だけ出力する(S17)。当該画像データに基づく印刷用画像がプルーフ用途でない場合には、当該画像データに係る処理は以上で終了となり、次の画像データの出力処理に移行する。
【0111】
一方、当該画像データに基づいて出力される画像がプルーフ用途である(例えばフラグがある)と判断された場合(S3;Y)、制御装置100の制御部110は、網点化処理部111によって当該画像データを網点画像データに変換し(S4)、更に、補正用画像形成指示部114により、補正用画像(例えば上述のカラーパッチ画像)を形成する旨の指示信号を、送受信部160を介してカラーレーザープリンタ200へと送信する(S5)。
【0112】
カラーレーザープリンタ200の制御部15は、制御装置100からの当該指示信号を受信すると、画像出力部220を制御して中間転写ベルト6上に補正用画像を形成させる(S6)。このとき、画像出力部220は、例えば、トナー画像形成部221によって、カラーパッチ画像の網点画像データを基に各基本色のトナー画像を形成するとともに、一次転写部222により、この各基本色のトナー画像を中間転写ベルト6にそれぞれ転写させることにより、補正用画像としてのカラーパッチ画像の合成トナー画像を中間転写ベルト6上に形成する。
【0113】
制御部15は、濃度センサ28を制御して、中間転写ベルト6上に形成された補正用画像の濃度を測定する(S7)。その測定結果は、制御部15により、送受信部230を介して制御装置100に送信される。
【0114】
制御装置100の制御部110の出力設定補正部115は、カラーレーザープリンタ200から送られた補正用画像の濃度値に基づいて、カラーレーザープリンタ200の出力設定値を補正するとともに(S8)、この補正前における出力設定値を出力設定記録部130に記録する(S9)。以下、ステップS8にて補正された出力設定値を「補正出力設定値」と称することがある。
【0115】
ここで、ステップS8における出力設定値の補正処理は、次のようにして実行される。まず、その補正対象としては、例えば、出力設定記録部130に記録されているカラーレーザープリンタ200のガンマ特性情報131がある。なお、上述したように、このガンマ特性情報131は、トナー画像形成部221を構成する各基本色の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの露光手段3Y、3M、3C、3Kのレーザー出力の設定値と、実際の出力色の濃度との関係を表わすものである。
【0116】
このガンマ特性情報131の補正方法の一例としては、通常のガンマ補正、すなわち、測定された補正用画像のY濃度、M濃度、C濃度の値を各色についての基準値とするようなガンマ値を算出し、そのガンマ値をガンマ特性情報131の補正出力設定値として設定することができる。それにより、補正露光手段3Y、3M、3C、3Kのレーザー出力強度は、各基本色の基準の濃度値に対応する強度に調整されるので、実際に出力される画像は、補正をせずにそのまま出力する場合に比べて階調が良好に表現される。
【0117】
また、ステップS9においては、当該補正がなされる前のガンマ値、すなわち補正対象とされたガンマ特性情報131がそのまま出力設定記録部130に記録される。このとき、当該ガンマ特性情報131とともに、補正されたガンマ特性情報を記録するようにしてもよい。
【0118】
さて、ステップS9における補正前の出力設定値の記録処理が終わると、制御部110は、ステップS8にて取得された補正出力設定値を、ステップS4にて作成された当該画像データの網点画像データとともにカラーレーザープリンタ200へと送信する(S10)。
【0119】
カラーレーザープリンタ200は、制御装置100から送信された補正出力設定値と網点画像データを受信すると、制御部15の出力設定変更部211によって、画像出力部220の出力設定値をこの補正出力設定値に変更し(S11)、画像出力部220により、当該網点画像データに基づくプルーフ用途の印刷用画像を出力する(S12)。当該画像データに関する画像出力が終了すると、制御部15は、その旨を表す制御信号を制御装置100に向けて送信する。
【0120】
制御装置100は、カラーレーザープリンタ200から当該制御信号を受信すると、制御部110により、ステップS9で記録した補正前の出力設定値をカラーレーザープリンタ200に送信する(S13)。カラーレーザープリンタ200は、この補正前の出力設定値を制御装置100から受信すると、制御部15の出力設定変更部211により、画像出力部220の出力設定値を当該補正前の出力設定値に変更する(S14)。それにより、カラーレーザープリンタ200の出力設定値は、当該画像データの処理前の状態に復帰される。以上で、当該画像データに関する処理を終了し、次の画像データの出力処理に移行する。
【0121】
[画像出力システムの作用・効果など]
以上のような本実施形態の画像出力システム1による作用、効果について、各種の変形例とともに説明する。
【0122】
本実施形態の画像出力システム1は、上述したように、通常の小ロット印刷などのときには現状の出力設定値を用いて画像出力を行う一方で、プルーフ用途の画像を出力する場合には、現状の出力設定値を補正してから画像を出力するように作用する。それにより、色再現性よりも生産性が重視される小ロット印刷においては、補正処理を行わずにそのまま画像を出力するので、生産性に支障はない。一方、生産性よりも色再現性が重視されるプルーフ用画像を出力する場合には、出力設定値の補正を行ってから画像を出力するので、色再現性の良好な環境下にて画像が出力される。したがって、小ロット印刷等の最終印刷物の印刷処理と、色校正工程におけるプルーフ用画像の出力処理との双方を、単一の画像出力装置(カラーレーザープリンタ200)によって有効に行うことができる。
【0123】
特に、プルーフ用画像の出力時にガンマ補正を行うことにより階調が補正され、したがって出力画像の中間調が補正される。通常、出力画像の色再現性は中間調に大きく影響されるので、本実施形態によれば、中間調が補正された良好な色再現性のプルーフ画像を出力することが可能となる。
【0124】
また、小ロット印刷では、単一ジョブにおける各印刷物の色調の均一性が要望される。そこで、本実施形態の画像出力システム1は、プルーフ用画像の出力用に補正される前の出力設定値を記録しておくとともに(図5のステップS9)、当該プルーフ用画像の出力後、補正を行う前の出力設定値に復帰させるように作用する(ステップS14)。それにより、小ロット印刷の最中にプルーフ用画像の出力処理が割り込んできたような場合において、プルーフ用画像の出力用に補正された出力設定値が、その画像出力後に元の値に自動的に復帰される。
【0125】
例えば、1000枚の小ロット印刷を行っている最中にプルーフ用画像の出力要求がなされ、500枚目で印刷を一旦中断してプルーフ用画像を出力する場合においては、1枚目〜500枚目まで現状の出力設定値で出力し、補正処理を行ってプルーフ用画像を出力した後、出力設定値を1枚目〜500枚目と同じ値に復帰させて501枚目〜1000枚目の印刷を行う。したがって、1枚目〜1000枚目までの全ての画像が同一の出力設定値にて出力されるので、単一ジョブ内の各印刷物の色調の均一性が保たれ、小ロット印刷に対する上記要望が充足される。
【0126】
なお、図4及び図5に示すフローチャートでは、プルーフ用画像の出力後の出力設定値の復帰処理を必ず行うようになっているが、当該復帰処理を行わないようにしてもよいし、また、当該復帰処理の実行/不実行を設定できるようにしてもよい。その設定方法としては、上述したキーボードやマウス等の入力操作用のデバイスを用いてオペレータが手動で行うことが可能である。また、制御装置100の制御部110により、当該プルーフ用画像の出力処理が小ロット印刷処理への割込ジョブであるか否かを判断し、割込ジョブである場合は当該復帰処理を実行し、割込ジョブでない場合には当該復帰処理を実行しないように自動制御することも可能である。
【0127】
また、この出力設定値の復帰処理において、補正前の出力設定値を制御装置100からカラーレーザープリンタ200に送信するタイミングは、印刷用画像の出力処理(ステップS12)の後である必要はなく、それより以前であってもよい。その場合、送信された補正前の出力設定値をカラーレーザープリンタ200に記憶しておき、印刷用画像の出力後に出力設定値を復帰させるようにする。
【0128】
本実施形態の画像出力システム1では、画像用途指定部140を操作することにより、出力される画像の用途を制御装置100のオペレータが指定できるようになっている。それにより、特に、クライアント端末300から用途指定がなされずに送信された画像データに対処する場合や、出力現場の判断によってプルーフ用画像を出力する必要がある場合などに容易に対応することができる。
【0129】
本実施形態の画像出力システム1は、中間転写ベルト6上に形成された補正用画像(の合成トナー画像)の濃度の測定値を用いて出力設定値を補正するように構成されていることから、記録用紙Pを消費することなく当該補正処理を実行できるので、コスト面、省資源面の観点において有効である。
【0130】
なお、本発明においては、補正用画像を中間転写ベルト6以外のものに形成するようにしてもよい。例えば、二次転写ローラ7Aにより中間転写ベルト6から記録用紙Pに転写された補正用画像の濃度を求めるようにしてもよい。その場合、濃度センサ28は、二次転写ローラ7Aと定着装置17との間の記録用紙Pの搬送路近傍位置や、定着装置17から排紙トレイ25との間の搬送路近傍位置に配置されることとなる。
【0131】
また、制御装置100に濃度計を接続して測定値を取得可能に構成すれば、カラーレーザープリンタ200により記録用紙Pに出力されて排紙トレイ25上に載置された補正用画像の濃度を測定して補正処理に用いることができる。ただし、補正処理の自動化の観点を考慮すると、補正用画像を中間転写ベルト6上に形成する上記構成の方が好ましい。
【0132】
なお、補正用画像の濃度値を取得するための構成は、濃度値を直接に測定する濃度センサや濃度計に限定されるものではなく、その測定結果に基づいて濃度値を算出できるような測定手段であれば十分である。そのような測定手段としては、三刺激値(X値、Y値、Z値)を測定する測色計(測色センサ)や、輝度を測定する輝度計(輝度センサ)などがある。なお、このような測定手段を用いる場合、制御装置100の制御部110等によって濃度値の算出を行う。また、この場合、本発明にいう濃度取得手段は、上記測定手段と、制御部110等の濃度値算出手段とによって構成されることとなる。
【0133】
本実施形態では、補正対象の出力設定値として、カラーレーザープリンタ200により出力される印刷用画像の階調の応答特性を示すガンマ値を採用したが、それに限定されるものではない。例えば、カラーレーザープリンタ200の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像手段4Y、4M、4C、4Kによる上述の現像処理におけるトナー濃度などを補正するようにしてもよい。その場合、制御装置100の出力設定記録部130には、トナー濃度設定値情報が記録される。
【0134】
[画像出力システムの他の動作態様]
図4及び図5に示した画像出力システム1の動作態様は、出力画像の用途の設定が制御装置100のオペレータにより手動で行われる場合に対応するものであったが、以下に説明する動作態様は、ホットフォルダ121を使用することにより、小ロット印刷とプルーフ用画像の出力とを自動的に判別しながら画像を出力するものである。したがって、本動作態様によれば、画像出力現場のオペレータの手を煩わせずに、小ロット印刷とプルーフ用画像の出力と好適に行うことができる。
【0135】
以下、図6及び図7のフローチャートを参照して当該他の動作態様及びそのワークフローの一例について説明する。なお、両図中において、図4及び図5に示した動作態様と同様の処理ステップについては、同一のステップ番号が付されている。
【0136】
まず、クライアント端末300のオペレータは、印刷用画像の用途を指定して制御装置100に送信する(S21)。その指定方法としては、通常の小ロット印刷用の画像データについては、そのまま制御装置100へと送信し、一方、プルーフ用途の画像データについては、クライアント端末300の表示モニタに表示されるホットフォルダ(図示せず)に当該画像データを保存して制御装置100に送信するなどの方法がある。
【0137】
制御装置100がクライアント端末300から送信された画像データを受信すると、制御部110は、その画像データの用途を識別する(S22)。
【0138】
当該画像データがプルーフ用画像でないと識別されると(S22;N)、制御部110は、当該画像データを記憶部120のホットフォルダ121以外のディレクトリに記憶させる(S23)。ホットフォルダ121以外の記憶部120のディレクトリに記憶された画像データは、画像用途判断部112によりプルーフ用画像でない(小ロット印刷用である)と判断され(S24)、網点化処理部111により網点画像データに変換されて(S15)、カラーレーザープリンタ200に送信される(S16)。カラーレーザープリンタ200は、現状の出力設定値を用いて、当該網点画像データに基づく印刷用画像を所定の記録用紙Pに出力し(S17)、次の画像データの出力処理に移行する。
【0139】
一方、ステップS22においてプルーフ用画像であると識別された画像データは(S22;Y)、制御部110によって記憶部120のホットフォルダ121に記憶される(S25)。ホットフォルダ121に記憶された画像データは、画像用途判断部112によりプルーフ用画像であると判断される(S26)。網点化処理部111は、当該画像データを網点画像データに変換する(S4)。更に、補正用画像形成指示部114は、補正用画像を形成する旨の指示信号をカラーレーザープリンタ200へと送信する(S5)。
【0140】
カラーレーザープリンタ200は、当該指示信号にしたがって中間転写ベルト6上に補正用画像を形成し(S6)、濃度センサ28によりその濃度を測定する(S7)。
【0141】
制御装置100の制御部110の出力設定補正部115は、測定された補正用画像の濃度値に基づいて、カラーレーザープリンタ200の出力設定値を補正するとともに(S8)、補正前の出力設定値を出力設定記録部130に記録する(S9)。そして、制御部110は、補正出力設定値と網点画像データをカラーレーザープリンタ200へと送信する(S10)。
【0142】
カラーレーザープリンタ200の制御部15の出力設定変更部211は、画像出力部220の出力設定値を当該補正出力設定値に変更し(S11)、当該網点画像データに基づくプルーフ用途の印刷用画像が画像出力部220によって出力される(S12)。
【0143】
制御装置100は、当該画像データに関する画像が出力された旨の制御信号を受信すると、出力設定記録部130に記録した補正前の出力設定値をカラーレーザープリンタ200に送信する(S13)。カラーレーザープリンタ200は、画像出力部220の出力設定値を当該補正前の出力設定値に変更して、当該画像データの処理前の状態に復帰させる(S14)。以上で、当該画像データに関する処理を終了する。
【0144】
〈第2の実施形態〉
本発明に係る画像出力システムの第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態の画像出力システム1は、プルーフ用画像を出力する場合に、補正用画像を実際に形成して濃度値を取得し、その濃度値に基づいてカラーレーザープリンタ200の出力設定値を補正するように構成されていた。本実施形態においては、補正用画像を形成せずに出力設定値の補正処理を行う構成の画像出力システムを取り上げる。なお、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して説明することとする。
【0145】
本実施形態の画像出力システムは、図1に示した第1の実施形態の画像出力システム1と同様のシステム構成からなり、クライアント端末から送信される画像データに各種の処理を施す制御装置と、この制御装置により処理された画像データに基づく印刷用画像を出力するカラーレーザープリンタとを含んで構成される。
【0146】
[カラーレーザープリンタの内部構成]
図8は、本実施形態の画像出力システムのカラーレーザープリンタ200′の内部構成を表す。同図に示すように、カラーレーザープリンタ200′は、第1の実施形態のカラーレーザープリンタ200とほぼ同一に構成されている。ただし、本実施形態のカラーレーザープリンタ200′には、補正用画像の濃度を測定するための濃度センサ28の代わりに、装置本体201内の湿度を測定する本発明の湿度測定手段としての湿度センサ29が設けられている。
【0147】
[画像出力システムの制御系の構成]
図9は、本実施形態の画像出力システム1′の制御系の構成を表している。この画像出力システム1′の制御装置100′とカラーレーザープリンタ200′は、第1の実施形態の画像出力システム1とほぼ同様の制御系を備えている。
【0148】
〔制御装置の制御系〕
制御装置100′は、制御部110、記憶部120、出力設定記録部130、画像用途指定部140、表示モニタ150及び送受信部160を有する。
【0149】
出力設定記録部130には、帯電電位情報132、露光量情報133、一次転写電流情報134及び二次転写電流情報135が記録されている。
【0150】
帯電電位情報132は、カラーレーザープリンタ200′の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの帯電手段2Y、2M、2C、2Kが、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kをそれぞれ帯電させるときの帯電電位に関する情報であって、帯電電位の現状における設定値や基準値などが含まれている。
【0151】
また、露光量情報133は、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの露光手段3Y、3M、3C、3Kが、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kをそれぞれレーザー露光するときの露光量に関する情報であって、各露光手段3Y、3M、3C、3Kの露光量の現状における設定値や基準値などが含まれている。
【0152】
また、一次転写電流情報134は、カラーレーザープリンタ200′の画像出力部220の一次転写部222としての一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kが印可する一次転写用の転写電流(一次転写電流)に関する情報であって、現状における一次転写電流の設定値や、様々な湿度値に対応する一次転写電流の基準値(テーブル形式やグラフ形式で形成される)などが含まれている。
【0153】
同様に、二次転写電流情報135は、画像出力部220の二次転写部223としての二次転写ローラ7Aが印可する二次転写用の転写電流(二次転写電流)に関する情報であって、現状における二次転写電流の設定値や、様々な記録用紙Pの種類に対応する二次転写電流の基準値(テーブル形式やグラフ形式で形成される)などが含まれている。
【0154】
制御部110は、第1の実施形態と同様に、網点化処理部111、画像用途判断部112及び補正部113を有する。また、制御部110は、画像データに基づく印刷用画像を出力する記録用紙Pの種類、サイズ、向き、出力枚数など、当該印刷用画像の各種出力条件に関するデータ(出力条件データ)を、(網点化された)画像データとともにカラーレーザープリンタ200′に送信する。この出力条件データは、クライアント端末300にて設定された出力条件や、制御装置100のオペレータがマウス等を操作して設定した出力条件をデータ化したものである。なお、特に出力条件が設定されない画像データについては、デフォルト設定の出力条件データを用いるようにしてもよい。
【0155】
制御部110の補正部113には、湿度センサ29による測定を指示する信号をカラーレーザープリンタ200′に送信する湿度測定指示部116と、出力条件データを参照して記録用紙Pの種類を判別する本発明の用紙種類判別手段を構成する用紙種類判別部117と、カラーレーザープリンタ200′の出力設定値、特に上述の帯電電位、露光量、一次転写電流の電流値、二次転写電流の電流値を補正する出力設定補正部115とが設けられている。
【0156】
〔カラーレーザープリンタの制御系〕
画像出力システム1′のカラーレーザープリンタ200′は、装置各部の制御を行う制御部15と、記録用紙Pに印刷用画像を出力する画像出力部220と、この画像出力部220に記録用紙Pを供給する用紙供給部30と、送受信部230とを有する。
【0157】
用紙供給部30は、任意の種類やサイズの記録用紙Pをそれぞれ格納する給紙カセット20A、20B、20Cと、給紙カセット20A、20B、20Cに格納された記録用紙Pを選択的に二次転写ローラ7Aに搬送する用紙搬送機構31とを備えている。
【0158】
給紙カセット20A、20B、20Cには、アート紙、コート紙、上質紙、中質紙など様々な種類の記録用紙Pが格納される。なお、各給紙カセット20A、20B、20Cに格納されている記録用紙Pの種類やサイズの情報は、制御部15に記録されている。更に、記録用紙Pの種類等の情報は、制御装置100′の制御部110にも記録されている。以下、記録用紙Pの種類に関する情報を「記録用紙の種類情報」と呼ぶことがある。
【0159】
用紙搬送機構31は、送り出しローラ21、給紙ローラ22A、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等によって構成されている。
【0160】
画像出力部220のトナー画像形成部221は、上述のように各基本色の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kによって構成されている。更に、各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、帯電手段2Y、2M、2C、2Kと、露光手段3Y、3M、3C、3Kと、現像手段4Y、YM、4C、4Kとを有している。なお、図9では、各基本色の帯電手段2Y、2M、2C、2Kをまとめて「帯電手段2」と表し、露光手段3Y、3M、3C、3Kをまとめて「露光手段3」と表し、現像手段4Y、YM、4C、4Kをまとめて「現像手段4」と表している。
【0161】
制御部15は、画像を出力するときに用紙供給部30に制御信号を送信し、給紙カセット20A、20B、20Cのいずれかを選択し、それに格納された記録用紙Pを用紙搬送機構31により二次転写部223へと搬送させる。
【0162】
また、制御部15の出力設定変更部211は、画像出力部220のトナー画像形成部221の帯電手段2による帯電電圧や露光手段3によるレーザー露光の露光量、更には、一次転写部222により印可される一次転写電流や、二次転写部223により印可される二次転写電流などの出力設定値を変更する処理を行う。
【0163】
[画像出力システムの動作態様]
以上のような構成を有する画像出力システム1′の動作態様について、図10及び図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0164】
以下に説明する動作態様では、帯電手段2による帯電電位、露光手段3による露光量、一次転写部222による一次転写電流、及び、二次転写部223による二次転写電流の全ての出力設定値を補正するようになっているが、それらの内の少なくとも1つの出力設定値のみを補正するように構成してもよい。また、補正対象となる出力設定値をオペレータが手動で指定できるようにしてもよいし、制御装置100′が自動的に指定するようにしてもよい。
【0165】
記録用紙Pの種類情報等の出力条件データとともにクライアント端末300から送信された編集済みの画像データは、制御装置100′の送受信部160により受信され、制御部110によって記憶部120に格納される(S31)。なお、クライアント端末300にて出力条件が設定されない場合や出力条件を変更する場合などには、制御装置100′の入力操作用のデバイスを操作して出力条件を設定できる。制御装置100′のオペレータは、画像用途指定部140を操作して当該画像データに基づく印刷用画像の用途を指定する(S32)。プルーフ用途に指定されたときには、当該画像データにフラグが付与される。
【0166】
制御部110の画像用途判断部112は、画像データにフラグが付されているか否かを検知して、当該画像データに基づく印刷用画像がプルーフ用途であるか否か判断する(S33)。
【0167】
当該画像データに基づく印刷用画像がプルーフ用途でないと判断された場合(S33;N)、制御部110は、網点化処理部111によって当該画像データを網点画像データに変換し(S46)、出力条件データとともにカラーレーザープリンタ200′に送信する(S47)。カラーレーザープリンタ200′の画像出力部220は、この網点画像データに基づく印刷用画像を、現状の出力設定値を用いて、出力条件に応じた種類の記録用紙Pに出力する(S48)。当該画像データに基づく印刷用画像がプルーフ用途でない場合の処理はこれで終了となる。
【0168】
一方、当該画像データに基づいて出力される画像がプルーフ用途である(フラグがある)と判断された場合(S33;Y)、制御装置100′の制御部110は、網点化処理部111によって当該画像データを網点画像データに変換処理する(S34)。また、補正部113の出力設定補正部115は、出力設定記録部130の帯電電位情報132を参照するなどして、帯電手段2による帯電電位を上記基準値に補正する(S35)。同様に、出力設定補正部115は、露光量情報133を参照するなどして、露光手段3によるレーザー露光の露光量を上記基準値に補正する(S36)。
【0169】
また、補正部113の湿度測定指示部116は、湿度測定を指示する制御信号をカラーレーザープリンタ200′に送信する(S37)。この制御信号を受信すると、カラーレーザープリンタ200′の制御部15は、湿度センサ29を制御して装置本体201内の湿度を測定させ、その測定結果を制御装置100′に送信する(S38)。制御装置100′の出力設定補正部115は、この湿度の測定結果に基づいて、一次転写部222により印可される一次転写電流の電流値を補正する(S39)。この補正処理は、例えば、出力設定記録部130の一次転写電流情報134を参照し、湿度の測定値に対応する電流値に補正することによりなされる。
【0170】
更に、補正部113の用紙種類判断部117は、出力条件データに含まれる記録用紙Pの種類情報を参照することにより、当該画像データに基づく印刷用画像が出力される記録用紙Pの種類を判別する(S40)。出力設定補正部115は、この判別結果に基づいて、二次転写部223により印可される二次転写電流の電流値を補正する(S41)。この補正処理は、例えば、出力設定記録部130の二次転写電流情報135を参照して、記録用紙Pの種類の判別結果に対応する電流値に二次転写電流を補正することによりなされる。
【0171】
制御装置100′の制御部110は、帯電手段2による帯電電位の補正値、露光手段3による露光量の補正値、一次転写部222による一次転写電流の補正値、及び、二次転写部223による二次転写電流の補正値を含む補正出力設定値を、当該画像データの網点画像データ及び出力条件データとともにカラーレーザープリンタ200′に送信する(S42)。
【0172】
カラーレーザープリンタ200′の制御部15の出力設定変更部221は、画像出力部221の帯電手段2、露光手段3、一次転写部222及び二次転写部223の各出力設定値を、補正出力設定値に示す補正値にそれぞれ変更する(S43)。また、制御部15は、用紙供給部30を制御して、出力条件データに示す種類の記録用紙Pを選択し画像出力部220に搬送させる(S44)。画像出力部220は、補正された出力設定値を用いて、網点画像データに基づくプルーフ用途の印刷用画像を当該記録用紙Pに出力する(S45)。以上で、プルーフ用画像の出力処理は終了する。
【0173】
なお、第1の実施形態と同様に、ステップS35、S36、S39、S41において出力設定値を補正するときに、その補正前の出力設定値を出力設定記録部130に記録し、ステップS45における画像出力の終了後に、画像出力部220の出力設定値を補正前の値に復帰させるように構成できる。
【0174】
また、第1の実施形態の他の動作態様に示したように、クライアント端末300にて印刷用画像の用途が指定される場合には、ホットフォルダ121を用いた用途判断処理を実行することができる。
【0175】
[画像出力システムの作用・効果]
本実施形態の画像出力システム1′によれば、第1の実施形態と同様に、通常の小ロット印刷などのときには現状の出力設定値をそのまま用いて画像が出力される一方、プルーフ用途の画像を出力する場合には、補正された出力設定値を用いて画像が出力される。それにより、生産性の良好な小ロット印刷と色再現性の良好なプルーフ用画像の出力を、単一の画像出力装置によって実現できる。
【0176】
また、第1の実施形態では、実際に形成した補正用画像の濃度値に基づいて出力設定値を補正することにより、現在の出力状態に即した高精度の補正処理を行っているが、本実施形態では、補正用画像の形成や濃度測定を行わないことによる補正処理時間の短縮が図られている。
【0177】
〈プログラム及び記憶媒体〉
以上の実施形態にて説明した画像出力システム1、1′において行われる処理を、制御装置100、100′のコンピュータ本体及びカラーレーザープリンタ200、200′に内蔵のコンピュータ(制御部15)に実行させるためのプログラムは、これらの装置それぞれにインストールされ、若しくは、これらの装置に接続される記憶媒体に格納されている。後者の場合、各装置にそれぞれ別個の記憶媒体を接続してもよいし、両装置を共通の記憶媒体に接続するようにしてもよい。また、各装置が個別のプログラムを実行するように構成される場合には、各装置は、それぞれのプログラムを連動して動作するようになっている。各装置は、その制御部110、15が当該プログラムを読み出し実行することにより、上述の処理(図4、5、6、7、10、11)を実現する。
【0178】
また、このプログラムを記憶する記憶媒体の具体例としては、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、並びに、集積回路等のメモリ装置、更には、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(磁気ディスク:ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などが挙げられる。
【0179】
〈その他変形例〉
以上の実施形態において詳述した構成は、本発明を実施するための一例に過ぎないものであり、本発明の要旨の範囲内において各種の変形を施すことができる。
【0180】
例えば、本発明においては、第1及び第2の実施形態の補正対象(ガンマ値、トナー濃度、帯電電位、露光量、一次転写電流値、二次転写電流値)のうちの少なくともいずれかの出力設定値を補正すればよい。また、複数の出力設定値を補正可能とするとともに、それらを選択的に補正対象に指定できるように構成することもできる。この補正対象の選択指定は、入力操作用のデバイスからの手入力によるものでもよいし、制御装置100が自動的に行ってもよい。
【0181】
また、本発明の画像出力システムは、従来のように、装置の電源投入時や、あらかじめ設定された出力枚数毎あるいは使用時間毎に、出力設定値の補正処理を実行することが好ましい。それにより、小ロット印刷についても良好な色再現性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】本発明に係る画像出力システムの第1の実施形態の全体構成及びそのワークフローの一例を表す図である。
【図2】本発明に係る画像出力システムの第1の実施形態に含まれるカラーレーザープリンタの内部構成の一例を表す断面側面図である。
【図3】本発明に係る画像出力システムの第1の実施形態の制御系の構成の一例を表すブロック図である。
【図4】本発明に係る画像出力システムの第1の実施形態の動作態様の一例を表すフローチャートである。
【図5】本発明に係る画像出力システムの第1の実施形態の動作態様の一例を表すフローチャートである。
【図6】本発明に係る画像出力システムの第1の実施形態の動作態様の一例を表すフローチャートである。
【図7】本発明に係る画像出力システムの第1の実施形態の動作態様の一例を表すフローチャートである。
【図8】本発明に係る画像出力システムの第2の実施形態に含まれるカラーレーザープリンタの内部構成の一例を表す断面側面図である。
【図9】本発明に係る画像出力システムの第2の実施形態の制御系の構成の一例を表すブロック図である。
【図10】本発明に係る画像出力システムの第2の実施形態の制御系の構成の一例を表すフローチャートである。
【図11】本発明に係る画像出力システムの第2の実施形態の制御系の構成の一例を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0183】
1 画像出力システム
100 制御装置
110 制御部
111 網点化処理部
112 画像用途判断部
113 補正部
114 補正用画像形成指示部
115 出力設定補正部
120 記憶部
121 ホットフォルダ
130 出力設定記録部
131 ガンマ特性情報
140 画像用途指定部
150 表示モニタ
160 送受信部
200 カラーレーザープリンタ
15 制御部
211 出力設定変更部
220 画像出力部
221 トナー画像形成部
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像手段
222 一次転写部
7Y、7M、7C、7K 一次転写ローラ
6 中間転写ベルト
223 二次転写部
7A 二次転写ローラ
230 送受信部
28 濃度センサ
P 記録用紙
300 クライアント端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づく印刷用画像を所定の出力設定値にて記録用紙に出力する画像出力装置と、前記画像出力装置に対して前記画像データを送信する制御装置とを備えた画像出力システムであって、
前記画像データに基づく前記印刷用画像がプルーフ用画像である場合に、前記画像出力装置の前記出力設定値を補正する補正手段と、
前記画像出力装置に設けられ、前記補正手段により補正された前記出力設定値を用いて前記画像データに基づく前記印刷用画像を前記記録用紙に出力する画像出力手段と、
を備えている、
ことを特徴とする画像出力システム。
【請求項2】
前記補正手段により補正される前の前記出力設定値を記録する設定値記録手段と、
前記補正後の出力設定値による前記印刷用画像の出力後に、前記画像出力装置の出力設定値を、前記設定値記録手段に記録された前記補正前の出力設定値に復帰させる復帰手段と、
を更に備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の画像出力システム。
【請求項3】
前記画像データに基づく前記印刷用画像を前記プルーフ用画像に指定するための指定手段を更に備え、
前記補正手段は、前記指定手段により前記プルーフ用画像に指定された前記印刷用画像に対して前記補正を行う、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像出力システム。
【請求項4】
上流端末により前記プルーフ用画像に指定された前記画像データが選択的に格納されるプルーフ用画像格納手段を更に備え、
前記補正手段は、前記プルーフ用画像格納手段に格納された前記画像データに基づく前記印刷用画像に対して前記補正を行う、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像出力システム。
【請求項5】
前記補正手段は、前記印刷用画像の階調を変更するように前記出力設定値を補正することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の画像出力システム。
【請求項6】
前記画像データをスクリーニングして各基本色毎の網点画像データを作成する網点化処理手段を更に備え、
前記画像出力装置は、
前記画像出力手段として、前記作成された前記各基本色毎の網点画像データに基づくトナー画像を感光体上に形成するトナー画像形成手段と、前記感光体上に形成された前記各基本色毎のトナー画像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に転写された前記トナー画像を前記記録用紙に転写する二次転写手段と、前記記録用紙に転写された前記トナー画像を定着させて前記印刷用画像を形成する定着手段と、を備え、
前記スクリーニングによる網点によって前記印刷用画像の階調を表現する電子写真式のカラーレーザープリンタである、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の画像出力システム。
【請求項7】
前記一次転写手段により前記中間転写体上に転写された前記トナー画像を測定して濃度値を取得する濃度取得手段を更に備え、
前記補正手段は、
前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、所定の補正用画像を形成するように前記画像出力手段に指示する補正用画像形成指示手段を備え、
前記指示に応じて前記中間転写体上に転写された前記補正用画像のトナー画像について前記濃度取得手段により取得された前記濃度値に基づいて前記出力設定値を補正する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像出力システム。
【請求項8】
前記二次転写手段により前記記録用紙に転写された前記トナー画像を測定して濃度値を取得する濃度取得手段を更に備え、
前記補正手段は、
前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、所定の補正用画像を形成するように前記画像出力手段に指示する補正用画像形成指示手段を備え、
前記指示に応じて前記記録用紙に転写された前記補正用画像のトナー画像について前記濃度取得手段により取得された前記濃度値に基づいて前記出力設定値を補正する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像出力システム。
【請求項9】
前記画像出力装置の前記定着手段により前記記録用紙に定着され形成された前記印刷用画像を測定して濃度値を取得する濃度取得手段を更に備え、
前記補正手段は、
前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、所定の補正用画像を形成するように前記画像出力手段に指示する補正用画像形成指示手段を備え、
前記指示に応じて前記定着手段により形成された前記補正用画像の前記印刷用画像について前記濃度取得手段により取得された前記濃度値に基づいて前記出力設定値を補正する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像出力システム。
【請求項10】
前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記画像出力手段により出力される前記印刷用画像の階調の応答特性を表すガンマ値であり、
前記補正手段は、前記画像出力手段により出力される前記各基本色の濃度が所定の基準値になるように前記ガンマ値を補正する、
ことを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載の画像出力システム。
【請求項11】
前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記画像出力手段が前記感光体上に前記トナー画像を形成するときのトナー濃度であり、
前記補正手段は、前記画像出力手段により出力される前記各基本色の濃度が所定の基準値になるように前記トナー濃度を補正する、
ことを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載の画像出力システム。
【請求項12】
前記画像出力手段の前記感光体は、前記各基本色毎に設けられており、
前記画像出力手段の前記トナー画像形成手段は、
前記各基本色毎に設けられ、前記感光体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記各基本色毎に設けられ、前記帯電された前記感光体の表面をレーザー露光して前記静電潜像を形成する露光手段と、
前記各基本色毎に設けられ、前記感光体上に形成された前記静電潜像を現像して前記トナー画像を形成する現像手段と、
を備え、
前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記帯電手段による帯電電位である、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像出力システム。
【請求項13】
前記画像出力手段の前記感光体は、前記各基本色毎に設けられており、
前記画像出力手段の前記トナー画像形成手段は、
前記各基本色毎に設けられ、前記感光体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記各基本色毎に設けられ、前記帯電された前記感光体の表面をレーザー露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記各基本色毎に設けられ、前記感光体上に形成された前記静電潜像を現像して前記トナー画像を形成する現像手段と、
を備え、
前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記露光手段による露光量である、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像出力システム。
【請求項14】
前記一次転写手段は、前記感光体上に形成された前記トナー画像を前記中間転写体上に転写させるための転写電流を印可し、
前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記一次転写手段により印可される前記転写電流の電流値である、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像出力システム。
【請求項15】
前記画像出力装置内の湿度を測定する湿度測定手段を更に備え、
前記補正手段は、前記湿度測定手段により測定された前記湿度に基づいて前記一次転写手段の前記転写電流の電流値を補正する、
ことを特徴とする請求項14に記載の画像出力システム。
【請求項16】
前記二次転写手段は、前記中間転写体上に形成された前記トナー画像を前記記録用紙に転写させるための転写電流を印可し、
前記補正手段により補正される前記出力設定値は、前記二次転写手段により印可される前記転写電流の電流値である、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像出力システム。
【請求項17】
前記補正手段は、前記画像出力手段により前記画像データに基づく前記印刷用画像が出力される前記記録用紙の種類を判別する用紙種類判別手段を備え、
前記判別された前記記録用紙の種類に基づいて前記二次転写手段の前記転写電流の電流値を補正する、
ことを特徴とする請求項16に記載の画像出力システム。
【請求項18】
画像データに基づく印刷用画像を所定の出力設定値にて記録用紙に出力する画像出力装置に対して前記画像データを送信する制御装置であって、
前記画像データに基づく前記印刷用画像がプルーフ用画像である場合に、前記画像出力装置の前記出力設定値を補正する補正手段と、
前記補正後の前記出力設定値を前記画像出力装置に送信することにより、当該補正後の出力設定値を用いて前記画像データに基づく前記印刷用画像を前記記録用紙に出力させる送信手段と、
を備えていることを特徴とする制御装置。
【請求項19】
前記補正手段により補正される前の前記出力設定値を記録する設定値記録手段を更に備え、
前記送信手段は、前記設定値記録手段に記録された前記補正前の出力設定値を前記画像出力装置に送信することにより、前記補正後の出力設定値による前記印刷用画像の出力後に、前記画像出力装置の前記出力設定値を、前記設定値記録手段に記録された前記補正前の出力設定値に復帰させる、
ことを特徴とする請求項18に記載の制御装置。
【請求項20】
画像データに基づく印刷用画像を所定の出力設定値にて記録用紙に出力する画像出力装置と、前記画像出力装置に対して前記画像データを送信する制御装置とを備えた画像出力システムによりプルーフ用画像を出力する画像出力方法であって、
前記画像データに基づく前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、前記画像出力装置の前記出力設定値を補正する補正ステップと、
前記画像出力装置が、前記補正された前記出力設定値を用いて前記画像データに基づく前記印刷用画像を前記記録用紙に出力する画像出力ステップと、
を含んでいることを特徴とする画像出力方法。
【請求項21】
前記補正ステップにより補正される前の前記出力設定値を記録する設定値記録ステップと、
前記画像出力ステップによる前記印刷用画像の出力後に、前記画像出力装置の出力設定値を前記補正前の出力設定値に復帰させるステップと、
を更に含んでいることを特徴とする請求項20に記載の画像出力方法。
【請求項22】
前記制御装置は、前記画像データをスクリーニングして各基本色毎の網点画像データを作成する網点化処理手段を備え、
前記画像出力装置は、前記作成された前記各基本色毎の網点画像データに基づくトナー画像を感光体上に形成するトナー画像形成手段と、前記感光体上に形成された前記各基本色毎のトナー画像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に転写された前記トナー画像を前記記録用紙に転写する二次転写手段と、前記記録用紙に転写された前記トナー画像を定着させて前記印刷用画像を形成する定着手段と、を備え、前記スクリーニングによる網点によって前記印刷用画像の階調を表現する電子写真式のカラーレーザープリンタであり、
前記補正ステップにより補正される前記出力設定値は、前記画像出力装置により出力される前記印刷用画像の階調の応答特性を表すガンマ値、又は、前記画像出力装置が前記感光体上に前記トナー画像を形成するときのトナー濃度であり、
前記補正ステップは、
前記印刷用画像が前記プルーフ用画像である場合に、所定の補正用画像を前記中間転写体上又は前記記録用紙上に形成するように前記画像出力装置に指示するステップと、
前記指示に応じて前記中間転写体上に転写された前記補正用画像の前記トナー画像を測定して濃度値を取得するステップと、を含み、
前記取得された前記補正用画像の前記トナー画像についての前記濃度値に基づいて前記出力設定値を補正する、
ことを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の画像出力方法。
【請求項23】
前記制御装置は、前記画像データをスクリーニングして各基本色毎の網点画像データを作成する網点化処理手段を備え、
前記画像出力装置は、前記作成された前記各基本色毎の網点画像データに基づくトナー画像を感光体上に形成するトナー画像形成手段と、前記感光体上に形成された前記各基本色毎のトナー画像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に転写された前記トナー画像を前記記録用紙に転写する二次転写手段と、前記記録用紙に転写された前記トナー画像を定着させて前記印刷用画像を形成する定着手段と、を備え、前記スクリーニングによる網点によって前記印刷用画像の階調を表現する電子写真式のカラーレーザープリンタであり、
前記補正ステップにより補正される前記出力設定値は、前記帯電ステップにおける帯電電位、前記露光ステップにおける露光量、一次転写ステップにおける前記転写電流、又は、二次転写ステップにおける前記転写電流である、
ことを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の画像出力方法。
【請求項24】
請求項20ないし請求項23のいずれか一項に記載の画像出力方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項25】
請求項24に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−41922(P2006−41922A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218900(P2004−218900)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】