説明

画像形成装置、その制御方法及びプログラム

【課題】コストを増大させることなく、安全性の高いコピーリプリント機能を実現する画像形成装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】本画像形成装置においては、画像形成処理を実行した際に、認証したユーザのユーザプロファイルのプロファイル種別と、リプリント機能の可否情報とに従って、リプリントデータの保存期間を決定する。さらに、画像形成装置は、決定した保存期間におけるリプリントデータの保存を対象の外部装置に指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、一度コピーした原稿を、再度読み取ることなくプリントする機能(以下では、コピーリプリント機能と称する。)が知られている。例えば、特許文献1では、コピーが行われたときの履歴情報と画像を保存し、履歴情報から再度プリントする技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−154541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、以下に記載する問題がある。例えば、上記従来技術では、画像形成装置の内部にコピー履歴情報と画像を保存するための記録装置を必要とするため、コストの増大に繋がっていた。したがって、廉価な画像形成装置では、コスト面を考慮すると、記憶容量の増大が困難であるため、コピーリプリント機能を実現することが困難であった。
【0005】
また、コピー履歴情報と画像を外部装置に保存し、コピーリプリント機能を実現する場合には、画像形成装置の記憶容量を増大させる必要は無くなるが、コピー画像が外部装置に残ってしまうため情報漏洩などのセキュリティ面での問題が生じてしまう。そのため、コピー履歴情報と画像を適切に管理する必要があった。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、コストを増大させることなく、安全性の高いコピーリプリント機能を実現する画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、外部装置と連携して画像形成処理を実行可能な画像形成装置として実現できる。画像形成装置は、ユーザ認証を行う認証手段と、ユーザ情報を管理するデータベースにおいて認証したユーザに設定されている接続先となる外部装置から、以前実行された画像形成処理を再度実行するリプリント機能の実行が有効であるか否かを示すリプリント情報と、プロファイル種別を示す種別情報とを少なくとも含むユーザプロファイルを取得するプロファイル取得手段と、リプリント情報が有効を示す場合に、画像形成処理に用いられる画像データの外部装置における保存期間を、ユーザプロファイルの種別情報に従って決定し、決定した保存期間を外部装置に指示する指示手段と、外部装置と連携して画像形成処理を実行するとともに、リプリント情報が有効である場合に、実行した画像形成処理に用いた画像データを外部装置に送信する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、コストを増大させることなく、安全性の高いコピーリプリント機能を実現する画像形成装置及びその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る画像形成システム10の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る操作部110の一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る操作部110に表示される画面例を示す図である。
【図4】本実施形態に係るユーザプロファイルの一例である。
【図5】本実施形態に係るユーザ情報データベースの一例である。
【図6】本実施形態に係る画像処理アプリケーションのユーザプロファイルの設定及び送信画面の一例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る画像処理アプリケーションのサーバ設定及び登録画面の一例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る画像処理アプリケーションによるユーザプロファイルの送信手順を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る画像処理アプリケーションによるサーバ登録手順を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る複写機100が外部装置からの要求に対する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る複写機100の拡張コピーの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る画像処理アプリケーションの拡張コピーの実行とリプリントデータを生成する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態に係るコピーリプリント機能の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
<画像形成システムの構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成システム10の構成例について説明する。各ブロックはモジュールを示す。図1に示すように、画像形成システム10は、画像形成装置である複写機100、及び、外部装置であるPC200、300、400を備える。本画像形成システム10では、複写機100がPC200、300、400と連携して画像形成処理を実行可能である。本実施形態では、複写機とPCとが連携した画像形成処理として、複写機で原稿を読み取り、読み取った画像データをPCに送信し、PCで当該画像データに画像処理を施し、画像処理後の画像データを複写機で印刷する処理を例に説明する。
【0012】
複写機100は、CPU101、操作部110、画像処理部140、メモリ150、外部IF160、スキャナ170及びプリンタ180を備える。CPU101は、メモリ150等に格納されたプログラムを実行することにより、複写機100内にあるモジュールを統括的に制御する。操作部110は、ユーザへ情報を通知するとともに、ユーザ指示を受け付けて複写機100内の各ブロックに伝える。
【0013】
スキャナ170は、原稿の読み取りを行ない、画像を後段のモジュールに出力する。画像処理部140はスキャナ170で読み取った画像データの画像処理を行う。メモリ150は、画像処理部140で処理された画像及びその属性を蓄積する。外部IF160は、例えば、メモリ150に蓄積されている画像データ及びその属性を読み出して、PC200、300、400へ送信したり、PC200、300、400からの情報を受信する。プリンタ180は、メモリ150に蓄積されている画像の印刷を行う。その際に、必要があれば画像処理部140で出力用の画像処理が行われる。本実施形態では、スキャナ170及びプリンタ180が複写機100に設けられる構成としたが、少なくとも一方が外部に設けられてもよい。
【0014】
以下では、PC200の構成について説明する。本実施形態においてPC200はサーバを示しており、PC300及びPC400は一般ユーザのPCである。なお、PC300、400もPC200と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0015】
PC200は、CPU201、外部IF202、メモリ203、画像処理アプリケーション210、及びプロファイル・データベース(以下、プロファイルDBと略記する。)220を備える。CPU201は、メモリ203等に格納されたプログラムを実行することにより、PC200内のモジュールを統括的に制御する。外部IF202は、他の装置と通信を行う。
【0016】
メモリ203は、外部IF202を介して受信したデータの蓄積や外部IF202を通して送出するデータを一時的に格納する。画像処理アプリケーション210は、プロファイルDB220の設定に応じた画像処理やユーザプロファイルの管理を行う。画像処理が行われたデータは、外部IF202を介して複写機100へ送出される。プロファイルDB220は、ユーザ毎にどのような画像処理を行うかを示すプロファイル情報が格納されている。
【0017】
<画像形成装置の操作部>
次に、図2を参照して、複写機100の操作部110の詳細について説明する。111から114はそれぞれ「コピー」「拡張コピー」「ファックス」「スキャン」ジョブのファンクションキーである。押下することで、当該ジョブの基本画面に遷移する。選択されているファンクションはファンクションキーが点灯する。
【0018】
図2では「拡張コピー」が選択されていることを示している。115は認証キーであり、ユーザのログイン/ログアウト時の操作で使用する。116はOKキーであり、項目の選択時に使用する。117から120は上下左右の矢印キーであり、項目の移動に使用する。121はLCDであり、操作画面を表示する。122は白黒プリントのスタートキーであり、押下可能な状態ではスタートキーが点灯する。同様に123はカラープリントのスタートキーであり、押下可能な状態ではスタートキーが点灯する。124はストップキーであり、ジョブの停止などで使用する。125は状況確認キーである。状況確認キー125を押下することで、図14に示す状況確認画面910に遷移し、デバイス状況や各ジョブの状況・履歴を確認することができる。
【0019】
<画面例>
次に、図3を参照して、操作部110のLCD121に表示される画面について説明する。図3は、コピー機能の画面例を示す。350は、コピーの基本画面であり、5行から構成され、最初の1行目に現在の状態が表示される。2行目は複写倍率と選択されている給紙段情報を表示する。1行目と2行目の右端に大きく数字でコピー部数を表示する。3行目から5行目はコピージョブに指定可能な動作モード項目352を表示する。表示しきれない場合は、スクロールバー351を右端に表示する。
【0020】
360は拡張コピー機能の基本画面である。PC300及びPC400などの一般ユーザのPCと接続されている場合、一般外部装置接続アイコン361が表示される。370も拡張コピー機能の画面を示す。PC200などサーバと接続されている場合、サーバ装置接続アイコン371が表示される。
【0021】
380は認証画面である。認証画面380は、ユーザ認証が有効な設定の場合に表示され、ログイン後、コピー機能や拡張コピー機能を使用する場合は画面350、360、370のいずれかの画面に遷移する。381でユーザIDの入力を行い、382で暗証番号の入力を行う。また、認証画面380は、図14に示す920でリプリント921を選択した場合も表示され、ログイン後に図14に示す画面940が表示される。
【0022】
390は拡張コピー機能が選択されたが、PC200、300、400のいずれも使用できない場合に表示される画面である。画面390が操作部110に表示されている際に、OKキー116が押下されると、通常コピー111が選択された状態に遷移する。
【0023】
<ユーザプロファイル>
次に、図4を参照して、本実施形態におけるユーザプロファイルについて説明する。510は、一般ユーザPC(PC300、400)で生成したユーザプロファイルである。プロファイル種別(種別情報)511は、ユーザプロファイルのオリジナルであることを示す「マスタ」が設定されている。このように、プロファイル種別には、当該プロファイルがマスタであるか、マスタのコピーであるか、又は、サーバへコピーしたことを示す情報が設定される。マスタプロファイル510では、ユーザID512とパスワード513、コピー設定情報、コピーリプリント機能使用の可否を示すコピーリプリント設定(リプリント情報)514が設定されている。ここでは、コピーリプリント設定514が「する」と設定されているため、当該ユーザはコピーリプリント機能を使用することができる。コピーリプリント機能とは、以前実行したコピー機能等に用いられた画像データを用いて、コピーを再度実行する機能を示す。
【0024】
520は、一般ユーザPCで生成されたユーザプロファイルを複写機100経由で他の一般ユーザPCへ送信するユーザプロファイルの一例である。プロファイル種別521にはユーザプロファイルをコピーしたことを示す「コピー」が設定されている。パスワードの管理はマスタプロファイル510と複写機100で管理するユーザ情報データベース600で行うため、コピープロファイル520では保持しない。
【0025】
530は、一般ユーザPCで生成されたユーザプロファイルを複写機100経由でサーバ(PC200)へ送信するユーザプロファイルの一例である。プロファイル種別531には、サーバへコピーしたことを示す「サーバ」が設定されている。サーバプロファイル530もコピープロファイル520と同様にパスワードの管理は行わない。
【0026】
540は、マスタプロファイル510において、コピーリプリント設定514を使用しない設定にした場合に、一般ユーザPCへ送られたプロファイルの一例である。コピープロファイル540ではコピーリプリント設定541で、リプリント機能が使用できないように設定されている。
【0027】
<ユーザ情報データベース>
次に、図5を参照して、複写機100において、一般ユーザPCから送られたユーザプロファイルに基づき生成したユーザ情報データベースについて説明する。ユーザ情報データベース600では、ユーザID601、パスワード602、PC情報603、及び、コピーリプリント設定604の情報が管理されている。ユーザID601は、各ユーザに対して固有に割り当てられた識別番号である。パスワード602は、当該ユーザIDの認証を行うために使用される。PC情報603は、マスタプロファイルを保持するPCの情報を示す。コピーリプリント設定604は、当該ユーザがコピーリプリント機能を使用可能であるか否かを示す。PC200(サーバ)から送られたプロファイルは、サーバであることを判別するために、605に示すように、ユーザIDにDefaultを設定する。このように、ユーザ情報データベースは、図4に示すような各ユーザのユーザプロファイルの情報をまとめて管理するデータベースであり、複写機100のメモリ150等に格納される。
【0028】
<ユーザプロファイルの設定>
次に、図6を参照して、画像処理アプリケーション210、310、410のユーザプロファイルの設定及び送信画面の一例について説明する。図6に示す設定及び送信画面700には、基本設定701として、ユーザ情報702、コピー設定703、リプリント設定704、及び接続先プリンタ情報705の設定項目が含まれる。設定及び送信画面700は、PC200、300、400の表示部に表示される。
【0029】
ユーザ情報702では、ユーザIDとパスワードとが設定される。コピー設定703では、拡張コピーのための設定を登録する。リプリント設定704では、リプリント情報として、リプリントの可否とリプリントデータの保存先とが設定される。接続先プリンタ情報705では、接続する複写機100の情報を設定又は確認することができる。
【0030】
プロファイル送信キー706を押下することで、設定したユーザプロファイルを送信対象の複写機100、即ち、接続先プリンタ情報705に設定されたプリンタに送信することができる。プロファイル削除キー707を押下することで、基本設定701の項目をクリアするとともに、複写機100のデータベースに既に格納されているユーザプロファイルの削除を指示する。
【0031】
<サーバ設定>
次に、図7を参照して、画像処理アプリケーション210、310、410のサーバ設定及び登録画面の一例について説明する。図7に示すサーバ設定及び登録画面800には、サーバ設定801として、接続先プリンタ802、プリンタ管理者情報803、及びリプリント設定804の設定項目が含まれる。サーバ設定及び登録画面800は、PC200、300、400の表示部に表示される。つまり、上記サーバは、複写機100に接続された外部装置であるPC200、300、400の何れかが登録されうるものである。
【0032】
接続先プリンタ802では、接続する複写機100の情報を設定又は確認することができる。プリンタ管理者情報803では、複写機100で登録されている管理者情報が入力される。入力した管理者情報が複写機100の管理者情報と一致しない場合はサーバ登録することはできない。リプリント設定804では、リプリントの可否と保存先を設定することができる。サーバ登録キー805を押下することで、複写機100に当該PCがサーバ登録される。プリンタ管理者情報803が複写機100に保持されている設定と一致しない場合には、図示しないポップアップ画面により、登録できなかった旨のメッセージが表示される。サーバ登録解除キー806を押下することで、複写機100にサーバ登録を解除するように指示することができる。
【0033】
<処理フロー>
以下では、図8乃至図12を参照して、本実施形態に関わる制御の処理フローについて説明する。まず、図8を参照して、画像処理アプリケーション210、310、410がユーザプロファイルを送信する際の処理フローについて説明する。各ステップはそれぞれ各PC200、300、400のCPU201、301、401がメモリ203、303、403に格納されたプログラムを実行することにより実現される。ここでは、一例としてCPU201によって制御される画像処理アプリケーション210の処理について説明する。
【0034】
まず、S1001において、画像処理アプリケーション210は、設定及び送信画面700で設定されたユーザ情報702を取得する。さらに、S1002において、画像処理アプリケーション210は、設定情報(コピー設定703、リプリント設定704)を取得する。次に、S1003において、画像処理アプリケーション210は、PC200上のOSからPC情報を取得し、ユーザ情報と設定情報をまとめてユーザプロファイルを生成し、接続先プリンタ708に登録された複写機100へ当該ユーザプロファイルを送信する。
【0035】
次に、S1004において、画像処理アプリケーション210は、S1003で送信した結果を複写機100から取得する。送信に失敗した場合はS1005へ進み、成功した場合はS1006へ進む。S1005において、画像処理アプリケーション210は、ユーザプロファイルを登録できなかった旨のメッセージをPC200の表示部に表示し、処理を終了する。一方、S1006において、画像処理アプリケーション210は、ユーザプロファイルの登録に成功した旨のメッセージをPC200の表示部に表示し、処理を終了する。
【0036】
次に、図9を参照して、画像処理アプリケーション210、310、410によるサーバ登録する際の処理フローについて説明する。各ステップはそれぞれ各PC200、300、400のCPU201、301、401がメモリ203、303、403に格納されたプログラムを実行することにより実現される。ここでは、一例としてCPU201によって制御される画像処理アプリケーション210の処理について説明する。
【0037】
まず、S1101において、画像処理アプリケーション210は、サーバ設定及び登録画面800で設定されたプリンタ管理者情報803を取得する。さらに、S1102において、画像処理アプリケーション210は、設定情報(リプリント設定804)を取得する。次に、S1103において、画像処理アプリケーション210は、PC200上のOSからPC情報を取得し、プリンタ管理者情報と設定情報をまとめてサーバ登録情報を生成し、接続先プリンタ802に登録された複写機100へ当該サーバ登録情報を送信する。
【0038】
次に、S1104において、画像処理アプリケーション210は、S1103で送信した結果を複写機100から取得する。送信に失敗した場合はS1105へ進み、成功した場合はS1106へ進む。S1105において、画像処理アプリケーション210は、サーバ登録できなかった旨のメッセージをPC200の表示部に表示し、処理を終了する。一方、S1106において、画像処理アプリケーション210は、サーバ登録に成功した旨のメッセージをPC200の表示部に表示し、処理を終了する。
【0039】
次に、図10を参照して、複写機100がPC200、300、400から、プロファイルの登録・削除、サーバ登録・削除が要求された場合の処理フローについて説明する。各ステップは複写機100のCPU101がメモリ150に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0040】
まず、S1201において、CPU101は、PCから指示を受け付けると、当該指示がプロファイルの登録要求であるか否かを判定する。プロファイルの登録要求であった場合はS1202へ進み、そうでない場合はS1208へ進む。S1202において、CPU101は、ユーザプロファイルを受信し、ユーザ情報データベース600に受信したユーザプロファイルを登録する。
【0041】
続いて、S1203において、CPU101は、ユーザ情報データベース600に登録されているPCがあるか否かを判定する。登録されたPCがある場合はS1204へ進み、登録されているPCがない場合は処理を終了する。S1204において、CPU101は、登録されたPCがサーバであるか否かを判定する。サーバPCであるかの判定は、ユーザ情報データベース600のユーザIDがDefaultであるか否かによって行う。サーバである場合はS1205へ進み、サーバでない場合はS1206へ進む。S1205において、CPU101は、プロファイル種別をサーバに設定したサーバプロファイル530を生成し、S1207に進む。一方、S1206において、CPU101は、プロファイル種別をコピーに設定したコピープロファイル520を生成し、S1207に進む。S1207において、CPU101は、生成したユーザプロファイルを対象のPCへ送信し、処理をS1203へ戻す。
【0042】
S1201でユーザプロファイルの登録ではないと判定されると、S1208において、CPU101は、PCからの指示がプロファイルの削除要求である否かを判定する。プロファイルの削除要求である場合はS1209へ進み、そうでない場合はS1212へ進む。S1209において、CPU101は、ユーザ情報データベース600から対象のPC・ユーザIDに一致するユーザプロファイルを削除する。続いて、S1210において、CPU101は、ユーザ情報データベース600に登録PCがあるか否か判定する。登録されたPCがある場合はS1211へ進み、登録されたPCがない場合は処理を終了する。S1211において、CPU101は、当該PCにユーザIDが一致するプロファイルの削除を指示し、処理をS1210へ戻す。
【0043】
S1208でユーザプロファイルの削除ではないと判定されると、S1212において、CPU101は、PCからの指示がサーバ登録要求であるか否かを判定する。サーバ登録要求である場合はS1213へ進み、そうでない場合はS1214へ進む。S1213において、CPU101は、サーバ情報をユーザ情報データベース600へ登録し(サーバ情報606)、処理を終了する。
【0044】
一方、S1214において、CPU101は、PCからの指示がサーバ登録の削除要求であるか否かを判定する。サーバ登録の削除要求の場合はS1215へ進み、そうでない場合は処理を終了する。S1215において、CPU101は、ユーザ情報データベース600からサーバ情報を削除し、処理を終了する。
【0045】
次に、図11を参照して、複写機100における拡張コピーの処理フローについて説明する。ステップは複写機100のCPU101がメモリ150に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0046】
まず、S1301において、CPU101は、認証画面380を介して入力されたユーザIDとパスワードを取得し、ユーザ認証を行い、ユーザ認証が成功した場合はS1302へ進み、失敗した場合はS1301へ戻る。S1302において、CPU101は、ログアウトしたか否かを判定する。ログアウトしなかった場合はS1303へ進み、ログアウトした場合はS1314へ進む。
【0047】
S1303において、CPU101は、ユーザが操作部110を使用して、接続するPCを選択したか否かを判定する。PCが選択された場合はS1304へ進み、PCが選択されなかった場合はS1302へ戻る。なお、S1303において、CPU101は、接続するPCをユーザに選択させずに、ユーザ認証したIDとユーザ情報データベース600に登録されたユーザIDに一致するPCを自動選択するようにしてもよい。また、ユーザIDに一致するPCが見つからなかった場合は、ユーザIDがDefaultに設定されたPC、即ち、サーバ(ここではPC200となる。)を優先的に自動選択してもよい。
【0048】
S1304において、CPU101は、プロファイル取得手段として機能し、選択されたPCのプロファイルDBからS1301で認証したユーザに対応するユーザプロファイルを取得する。次に、S1305において、CPU101は、拡張コピー画面360、370を介して入力された情報に基づいて、拡張コピーの設定を行なう。続いて、S1306において、CPU101は、スタートキー122、123が押下されたか否かを判定する。押下された場合はS1307へ進み、押下されなかった場合はS1302へ戻る。S1307において、CPU101は、S1304で取得したユーザプロファイルにおいてコピーリプリント機能が有効であるか否かを判定する。有効である場合はS1308へ進み、有効でない場合はS1313へ進む。
【0049】
S1308において、CPU101は、S1304で取得したユーザプロファイルのプロファイル種別を判定する。プロファイル種別が「マスタ」の場合はS1309へ進み、「コピー」の場合はS1310へ進み、「サーバ」の場合はS1312へ進む。S1309において、CPU101は、対象のPCに対して、保存期間をしていることなく、リプリントデータの保存を指示し、S1313に進む。つまり、ユーザプロファイルがマスタである場合は、保存期間に制限を設けることなく対象のPCに対して保存が指示される。
【0050】
また、S1310において、CPU101は、対象のPCに対して、保存期間としてユーザ認証中を指定し、リプリントデータの保存を指示し、S1311へ進む。つまり、ユーザプロファイルがコピープロファイルである場合は、対象のPCに対して、当該ユーザが複写機100にログインしている期間を対象とし、リプリントデータの保存が指示される。S1311において、CPU101は、ログアウトした場合に対象のPCに対してログアウト通知を発行することを示すフラグをセットする。なお、フラグは拡張コピーを実行したPCごとにセットされる。
【0051】
S1312において、CPU101は、対象のPCに対して一定期間のリプリントデータの保存を指示し、S1313に進む。つまり、ユーザプロファイルがサーバプロファイルである場合は、対象のPCに対して、保存期間として一定期間を設定し、リプリントデータの保存が指示される。なお、リプリントデータには、再度プリントするための画像・設定情報、ユーザ情報、実行日時が含まれる。次に、S1313において、CPU101は、スキャナ170で読み取った画像データと設定情報、ユーザ情報を対象のPCへ送信し、送信した情報に基づきPCの画像処理アプリケーションが処理したプリントデータを受け取り、プリントする。プリント後、S1302へ戻る。このように、本実施形態においては、ユーザプロファイルのプロファイル種別に従ってリプリントデータの保存期間が決定される。
【0052】
S1302でログアウトしたと判定した場合、S1314において、CPU101は、ログアウト通知フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていた場合はS1315へ進み、セットされていない場合はS1301へ戻る。S1315において、CPU101は、対象のPCに対してログアウト通知を行いS1301へ戻る。
【0053】
次に、図12を参照して、画像処理アプリケーション210、310、410の拡張コピーの実行とリプリントを生成する際の処理フローについて説明する各ステップはそれぞれ各PC200、300、400のCPU201、301、401がメモリ203、303、403に格納されたプログラムを実行することにより実現される。ここでは、一例としてCPU201によって制御される画像処理アプリケーション210の処理について説明する。
【0054】
まず、S1401において、画像処理アプリケーション210は、複写機100からのプロファイル送信要求を監視し、プロファイル送信要求を受信するとS1402に進む。S1402において、画像処理アプリケーション210は、複写機100でログイン中のユーザIDと一致するユーザプロファイルを複写機100へ送信する。続いて、S1403において、画像処理アプリケーション210は、複写機100からリプリント指示を受け取った場合は、リプリント指示を保持する。
【0055】
次に、S1404において、画像処理アプリケーション210は、複写機100から拡張コピー実行の指示があったか否かを判定し、実行の指示があった場合はS1405へ進み、実行の指示がなかった場合はS1403へ戻る。S1405において、画像処理アプリケーション210は、複写機100から画像データと設定情報を受信し、設定情報に基づき画像データに対して画像処理を施すことによってプリントデータを生成し、プリントデータを複写機100へ送信する。
【0056】
次に、S1406において、画像処理アプリケーション210は、リプリントの指示があったか否かを判定し、リプリントの指示があった場合はS1407へ進み、リプリントの指示がなかった場合はS1411へ進む。S1407において、画像処理アプリケーション210は、画像データ、設定情報、送信したプロファイル情報、実行日時からリプリントデータを生成する。
【0057】
次に、S1408において、画像処理アプリケーション210は、S1403で取得したリプリント指示内容を判定する。リプリント指示が保持だった場合は、S1411へ進み、リプリント指示がログイン中保持の場合はS1409へ進み、リプリント指示が一定期間保持の場合はS1410に進む。S1409において、画像処理アプリケーション210は、複写機100でログアウトが行われたかを監視するタスクを起動し、S1411に進む。ログアウト監視タスクは、複写機100からログアウトの通知を受けると、保持していたリプリントデータを削除してタスクを終了する。また、S1410において、画像処理アプリケーション210は、リプリントデータ管理タスクを起動し、S1411に進む。リプリント管理タスクは、リプリントデータ中の実行日時と現在の時刻を比較し、一定時間経過したリプリントデータを削除しタスクを終了する。なお、時間の指定は、画像処理アプリケーション210、又は、複写機100の操作部110で設定できるものとする。S1411において、画像処理アプリケーション210は、拡張コピーに使用した画像データと設定情報を削除し、処理を終了する。
【0058】
<画面例>
次に、図13を参照して、コピーリプリント機能における操作部110の画像表示について説明する。910は、操作部110の状況確認キー125を押下したときに表示される画面の一例である。3行目のコピージョブ状況/履歴/リプリント911を選択することで920の画面に遷移する。920は、コピージョブ状況の確認、コピー履歴の表示、リプリント実行を選択する画面の一例である。リプリント921を選択することで930の画面に遷移する。
【0059】
930は、ユーザ情報データベース600に登録されたPCからログイン中のユーザIDに一致するリプリントデータの表示情報を取得し表示する画面の一例である。リプリントデータの保存先がサーバに設定されたPCの場合は931のようなサーバアイコンを表示する。一方、リプリントデータの保存先がユーザPCである場合は932のようなPCアイコンを表示する。リプリントデータを指定する933ことで、940の画面に遷移する。
【0060】
940は、選択したリプリントデータのプリントを実行する画面の一例である。プリント開始941を選択することで、PCからプリントデータを受信し、リプリントを実行する。なお、設定詳細942を選択し、図示しない画面でコピージョブに指定可能な動作モード項目352を再度設定できるようにしてもよい。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置においては、画像形成処理を実行した際に、認証したユーザのユーザプロファイルのプロファイル種別と、リプリント機能の可否情報とに従って、リプリントデータの保存期間を決定する。さらに、画像形成装置は、決定した保存期間におけるリプリントデータの保存を対象の外部装置に指示する。これにより、本画像形成装置は、リプリントデータの保存を外部装置に依頼することにより、自身のメモリ資源を消費することなく、リプリント機能を実現することができる。さらに、本画像形成装置は、リプリントデータの保存における保存期間を当該外部装置に対して指示することにより、当該リプリントデータの情報漏洩を軽減することがき、安全性の高いリプリント機能を実現することができる。
【0062】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と連携して画像形成処理を実行可能な画像形成装置であって、
ユーザ認証を行う認証手段と、
ユーザ情報を管理するデータベースにおいて認証したユーザに設定されている接続先となる外部装置から、以前実行された前記画像形成処理を再度実行するリプリント機能の実行が有効であるか否かを示すリプリント情報と、プロファイル種別を示す種別情報とを少なくとも含むユーザプロファイルを取得するプロファイル取得手段と、
前記リプリント情報が有効を示す場合に、前記画像形成処理に用いられる画像データの前記外部装置における保存期間を、前記ユーザプロファイルの前記種別情報に従って決定し、決定した該保存期間を前記外部装置に指示する指示手段と、
前記外部装置と連携して画像形成処理を実行するとともに、前記リプリント情報が有効である場合に、実行した前記画像形成処理に用いた画像データを前記外部装置に送信する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記種別情報は、当該ユーザプロファイルがマスタであるか、コピーであるか、又は、前記画像形成装置に接続されたサーバにコピーされたユーザプロファイルであるかを示す情報であり、
前記指示手段は、
前記種別情報において当該ユーザプロファイルがマスタであることが示される場合に、前記画像形成処理を連携して実行する外部装置に対して、前記画像データを保存するように指示し、
前記種別情報において当該ユーザプロファイルがコピーであることが示される場合に、前記画像形成処理を連携して実行する外部装置に対して、当該ユーザが前記画像形成装置にログインしている間のみ前記画像データを保存するように指示し、
前記種別情報においてサーバにコピーされたユーザプロファイルであることが示される場合に、前記画像形成処理を連携して実行する外部装置に対して、一定期間のみ前記画像データを保存するように指示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
認証したユーザがログアウトすると、前記画像形成処理を連携して実行する外部装置に対して、当該ユーザのログアウトを通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロファイル取得手段は、前記データベースに前記認証手段によって認証されたユーザに対応するユーザ情報が無い場合は、前記サーバから認証されたユーザの前記ユーザプロファイルを取得することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記外部装置からユーザプロファイルとともに、該ユーザプロファイルの登録要求を受信する手段と、
前記外部装置がサーバであるか否かに基づき、受信した前記ユーザプロファイルの前記種別情報を設定するとともに、前記データベースに該ユーザプロファイルをユーザ情報として登録する手段と、
前記種別情報が設定された前記ユーザプロファイルを、前記登録要求を要求した前記外部装置に送信する手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記外部装置から登録されているユーザプロファイルの削除要求を受信する手段と、
前記削除要求に対応する、前記データベースに登録されたユーザプロファイルを削除する手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記外部装置から該外部装置をサーバとして登録するためのサーバ登録要求を受信する手段と、
前記データベースにおいて、前記サーバ登録要求を要求した外部装置をサーバとして登録する手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記外部装置から前記サーバとしての登録を削除する要求を受信する手段と、
前記データベースにおいて、前記外部装置に対する前記サーバとしての登録を削除する手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
外部装置と連携して画像形成処理を実行可能な画像形成装置の制御方法であって、
認証手段が、ユーザ認証を行う認証ステップと、
プロファイル取得手段が、ユーザ情報を管理するデータベースにおいて認証したユーザに設定されている接続先となる外部装置から、以前実行された前記画像形成処理を再度実行するリプリント機能の実行が有効であるか否かを示すリプリント情報と、プロファイル種別を示す種別情報とを少なくとも含むユーザプロファイルを取得するプロファイル取得ステップと、
指示手段が、前記リプリント情報が有効を示す場合に、前記画像形成処理に用いられる画像データの前記外部装置における保存期間を、前記ユーザプロファイルの前記種別情報に従って決定し、決定した該保存期間を前記外部装置に指示する指示ステップと、
画像形成手段が、前記外部装置と連携して画像形成処理を実行するとともに、前記リプリント情報が有効である場合に、実行した前記画像形成処理に用いた画像データを前記外部装置に送信する画像形成ステップと
を実行することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−255651(P2011−255651A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134457(P2010−134457)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】