画像形成装置およびプログラム
【課題】複数の同一基板を有する画像形成装置において、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した制御プログラムを基板にダウンロードする。
【解決手段】画像形成装置1は、複数の同一基板3〜5と、各基板3〜5の画像形成動作を実行する第1の制御プログラム16〜18と、第1の制御プログラム16〜18を基板3〜5にダウンロードする第2の制御プログラム19と、基板3〜5に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する第3の制御プログラム20とを備え、第3の制御プログラム20によって、ダウンロードすべき第1の制御プログラム16〜18の種別が決定される。
【解決手段】画像形成装置1は、複数の同一基板3〜5と、各基板3〜5の画像形成動作を実行する第1の制御プログラム16〜18と、第1の制御プログラム16〜18を基板3〜5にダウンロードする第2の制御プログラム19と、基板3〜5に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する第3の制御プログラム20とを備え、第3の制御プログラム20によって、ダウンロードすべき第1の制御プログラム16〜18の種別が決定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、基板に搭載されるROM(Read Only Memory)にプログラムを書き込む場合に、誤って違うプログラムを書き込んでしまうことがある。また、プログラムが書き込まれたROMを基板に搭載したり、その基板を装置に実装する場合に、誤って違うROMを基板に搭載したり、誤って違う基板を装置に実装してしまうことがある。
【0003】
このような課題を解決する技術が、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1に記載の発明は、ROMにはシステム識別情報を記憶させ、基板にはシステム識別情報を設定可能な設定スイッチを備えたデータ処理装置である。データ処理装置は、電源投入時やプログラムのダウンロード時に、ROMと基板のシステム識別情報を比較することにより、基板とROM間の整合性がないときには、運転を開始しない。
【0004】
一方、特許文献2に記載の発明は、同型CPU(Central Processing Unit)を備えた複数ユニットから成る装置である。基板に搭載するCPUのI/Oポート(Input/Outputポート)は、他の基板と異なるID番号を記憶するID番号記憶部を備える。プログラムを実行する際、このID番号を読み出し、プログラムが有しているプログラム内のID番号とを比較する。一致する場合には、センサ、アクチュエータ類のポートの初期化処理を実行する。
【特許文献1】特開平11−120083号公報
【特許文献2】特開2002−108477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような背景を鑑み、複数の同一基板を有する画像形成装置において、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した制御プログラムを基板にダウンロードする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、複数の同一基板と、前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムと、前記第1の制御プログラムを前記基板にダウンロードする第2の制御プログラムと、前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する第3の制御プログラムとを備え、前記第3の制御プログラムによって、ダウンロードすべき第1の制御プログラムが決定されることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基板にダウンロード済みの第1の制御プログラムと、前記第1の制御プログラム内に含まれる第1の制御プログラムの種別情報とをさらに備え、前記第1の制御プログラムの種別と前記第3の制御プログラムによって特定された基板の種別とが不一致となった場合に、前記第2の制御プログラムは、前記基板の種別に一致する第1の制御プログラムをダウンロードして上書きすることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、複数の同一基板と、前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムと、前記第1の制御プログラムを前記基板にダウンロードする第2の制御プログラムと、前記第1の制御プログラム内に含まれるプログラムの種別情報およびダウンロード済みである旨の識別情報と、他の基板にダウンロード済みの第1の制御プログラム内に含まれる種別情報に基づいて、ダウンロード済みでない基板にダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定する第4の制御プログラムとを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第3の制御プログラムは、前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、ダウンロードすべき第1の制御プログラムのバージョンを判断することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複した場合に、デバイスの故障を通知することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1、2、4、5のいずれかに記載の発明において、異なる機種の画像形成装置で同一基板を使用する場合に、前記第3の制御プログラムは、基板に接続しているデバイスの状態に基づいて機種を特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第3の制御プログラムが自身の基板の種別を特定するために参照するデバイスの状態は、各基板で異なるように設定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、複数の同一基板を有する画像形成装置に、各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムをダウンロードさせるためのプログラムであって、前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する手順と、前記基板の種別に対応する第1の制御プログラムをダウンロードする手順とを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードすることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、故障した基板をダウンロード済みの基板に交換する場合に、取り付ける基板を間違えた場合であっても、再度交換する必要がない。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置の一つの基板を交換する場合に、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、基板にバージョン情報を設定せずに、バージョンに対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、第1の制御プログラムをダウンロードする際に、基板に接続しているデバイスの故障を通知することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、異なる機種の画像形成装置で同一基板を使用する場合に、基板に機種情報を設定せずに、画像形成装置の機種に対応した第1の制御プログラムをダウンロードすることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードすることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置に、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
1.第1の実施形態
以下、複数の同一基板を備えた画像形成装置において、基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、基板にダウンロードすべき制御プログラムを決定する画像形成装置の一例について説明する。
【0023】
(画像形成装置の構成)
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。画像形成装置1は、操作パネル2、基板3〜5、走査書込手段6、記録材搬送手段7、記録制御手段8を備える。
【0024】
操作パネル2は、タッチパネル方式の液晶ディスプレイ、キーボードで構成する。画像形成装置1は、操作パネル2によって操作される。操作パネル2は、基板3〜5および外部記憶手段9を接続する。
【0025】
外部記憶手段9は、RAM(Random Access Memory)などの半導体記憶装置、ハードディスクなどの磁気記憶装置等で構成する。外部記憶手段9は、基板3〜5にダウンロードさせる第1の制御プログラム16〜18を記憶する。第1の制御プログラム16は、走査書込手段6を制御するためのプログラムである。第1の制御プログラム17は、記録材搬送手段7を制御するためのプログラムである。第1の制御プログラム18は、記録制御手段8を制御するためのプログラムである。
【0026】
基板3〜5は、同一のCPU、RAM、ROM等で構成した基板である。基板3は、走査書込手段6に接続し、基板4は、記録材搬送手段7に接続し、基板5は、記録制御手段8に接続する。基板3〜5は、制御手段10〜12、記憶手段13〜15を備える。
【0027】
制御手段10〜12は、I/Oポートを備えたCPUであり、記憶手段13〜15は、RAMやROMである。制御手段10〜12は、記憶手段13〜15に記憶された制御プログラムを実行する。記憶手段13〜15は、第1の制御プログラム16〜18を記憶するための記憶領域A〜Cを有する。記憶手段13〜15には、第2の制御プログラム19と第3の制御プログラム20を予め記憶させる。第2の制御プログラム19と第3の制御プログラム20は、各基板3〜5に共通のプログラムである。
【0028】
第2の制御プログラム19は、第1の制御プログラム16〜18を外部記憶手段9から基板3〜5にダウンロードするためのプログラムである。第3の制御プログラム20は、基板3〜5に接続するデバイスの状態に基づいて、基板3〜5の種別(走査書込手段6用、記録材搬送手段7用、記録制御手段8用)を特定し、基板3〜5にダウンロードすべき第1の制御プログラム16〜18を決定する。なお、これらのプログラムおよび後述するフローチャートのプログラムは、有線または無線の通信手段によって提供することはもちろん、CDROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0029】
走査書込手段6は、ROS(Raser Output Scanner)またはLPH(LED Output Scanner)等で構成される。走査書込手段6は、図示省略した感光体ドラムにレーザー光を露光して静電潜像を形成する。基板3は、制御手段10のI/Oポートにデバイス(ポリゴンモータ21,22のドライバー回路)を接続する。基板3のポートNは、ポリゴンモータ21の待機状態を記憶し、ポートN+1は、ポリゴンモータ22の待機状態を記憶するように配線設定する。なお、Nは任意の整数を表す。
【0030】
例えば、ポリゴンモータ21,22が待機状態にある場合に、ポートNとポートN+1の所定ビットがLow(GND)に変わり、ポリゴンモータ21,22が運転状態にある場合に、ポートNとポートN+1の所定ビットがHigh(例えば5V)に変わるように設定する。
【0031】
ポリゴンモータ21,22がいずれも待機状態にある場合、すなわち、ポートNとポートN+1の所定ビットがいずれもLowである場合、第3の制御プログラム20は、基板3の種別は走査書込手段6用である、と特定する。この場合、基板3がダウンロードすべき第1の制御プログラムは、符号16の第1の制御プログラム16となる。第2の制御プログラム19は、第1の制御プログラム16を外部記憶手段9から基板3にダウンロードする。
【0032】
なお、デバイスの状態は、I/Oポートに記憶するデータの他、デジタル入力データ、アナログ入力データ、または通信データでもよい。また、デバイスの状態ではなく、デバイスから出力される結果を利用してもよい。
【0033】
記録材搬送手段7は、ナジャーロール、フィードロール、テイクアウェイロール、レジストロール、排出ロール等の搬送ロール、搬送ロールを駆動するモータ、およびソレノイド等で構成される。基板4は、制御手段11のI/Oポートにデバイス(左右のフロントカバーのインターロックスイッチ23,24の制御回路)を接続する。基板4のポートNは、右フロントカバー23の開閉状態を記憶し、ポートN+1は、左フロントカバー24の開閉状態を記憶するように配線設定する。
【0034】
例えば、左右のフロントカバー23,24が閉じている場合に、ポートNとポートN+1の所定ビットがHighに変わり、左右のフロントカバー25,26が開いている場合に、ポートNとポートN+1の所定ビットがLowに変わるように設定する。
【0035】
左右のフロントカバー25,26がいずれも閉じている場合、すなわち、ポートNとポートN+1の所定ビットがいずれもHighである場合、第3の制御プログラム20は、基板4の種別は記録材搬送手段7用である、と特定する。この場合、基板4がダウンロードすべき第1の制御プログラムは、符号17の第1の制御プログラム17となる。第2の制御プログラム19は、第1の制御プログラム17を外部記憶手段9から基板4にダウンロードする。
【0036】
記録制御手段8は、帯電、現像、転写制御を行うための手段である。記録制御手段8は、コロトロンやスコロトロン等の帯電手段、攪拌ロールやマグロール等の現像手段、1次転写ロールや2次転写ロール等の転写手段、これらを駆動するモータ、バイアス電圧を印加する高圧電源回路等で構成される。基板5は、制御手段12のI/Oポートにデバイス(トナーカバーのインターロックスイッチ25と定着器カバーのインターロックスイッチ26の制御回路)に接続する。基板5のポートNは、トナーカバー29の開閉状態を記憶し、ポートN+1は、定着器カバーの開閉状態を記憶するように配線設定する。
【0037】
例えば、トナーカバーが閉じている場合、ポートNの所定ビットがLowに変わり、定着器カバーが閉じている場合、ポートN+1の所定ビットがHighに変わるように配線を設定する。
【0038】
トナーカバーと定着器カバーがいずれも閉じている場合、すなわち、ポートNの所定ビットがLowであり、かつ、ポートN+1の所定ビットがHighである場合、第3の制御プログラム20は、基板5の種別は記録制御手段8用である、と特定する。この場合、基板5がダウンロードすべき第1の制御プログラムは、符号18の第1の制御プログラム18となる。第2の制御プログラム19は、第1の制御プログラム18を外部記憶手段9から基板5にダウンロードする。
【0039】
以下の表1は、デバイスの状態(ポートNとポートN+1の状態)と、基板にダウンロードすべき第1の制御プログラムとの関係を示している。第3の制御プログラム20は、ポートNとポートN+1がいずれもLowならば、基板の種別は走査書込手段用であると特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムは、走査書込手段用のプログラムであると決定する。ポートNとポートN+1がいずれもHighならば、基板の種別は記録材搬送手段用であると特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムは、記録材搬送手段用であると決定する。ポートNがLowであり、ポートN+1がHighならば、基板の種別は記録制御手段用であると特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムは、記録制御手段用のプログラムであると決定する。
【0040】
【表1】
【0041】
(工場組立時におけるダウンロード手順)
以下、工場において画像形成装置1を組み立てる場合に、基板3,4に第1の制御プログラム16〜18をダウンロードさせる手順について説明する。図2は、第1の実施形態に係るフローチャートである。
【0042】
オペレータは、操作パネル2を操作して、走査書込手段6を制御するための第1の制御プログラム16を選択する(ステップS11)。操作パネル2は、第1の制御プログラム16の種別信号を各基板3〜5に送信する(ステップS12)。以下、走査書込手段6用の種別信号をR、記録搬送手段7用の種別信号をP、記録制御手段8用の種別信号をMとする。
【0043】
各基板の第3の制御プログラム20は、デバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する(ステップS13)。例えば、ポートNとポートN+1がいずれもLowである場合、基板の種別を走査書込手段6用と特定する。次に、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別信号(R)と基板の種別(R)とが合致するか否かを判断する(ステップS14)。
【0044】
両者が合致する場合、基板3の第2の制御プログラム19は、走査書込手段6を制御するための第1の制御プログラム16をダウンロードする(ステップS15)。ダウンロードが終了すると、操作パネル2に基板3のダウンロードが終了した旨を表示する(ステップS16)。両者が合致しない場合、ダウンロードせずに終了する。
【0045】
次に、オペレータは、操作パネル2を操作して、記録材搬送手段7を制御するための第1の制御プログラム17を選択する(ステップS11)。そして、上述したステップS12〜ステップS16までの手順が繰り返される。また、同様に、オペレータは、操作パネル2を操作して、記録制御手段8を制御するための第1の制御プログラム18を選択する(ステップS11)。そして、ステップS12〜ステップS16までの手順が繰り返される。
【0046】
これにより、画像形成装置1の同一基板3〜5に、その種別に対応した第1の制御プログラム16〜18がダウンロードされる。
【0047】
(第1の実施形態の優位性)
第1の実施形態によれば、複数の同一基板3〜5を有する画像形成装置1において、基板3〜5に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラム16〜17をダウンロードすることができる。
【0048】
2.第2の実施形態
以下、複数の同一基板を有する画像形成装置において、故障した基板をダウンロード済みの基板に交換する場合の画像形成装置の動作例について説明する。
【0049】
(画像形成装置の構成)
図3は、第2の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。図3には、基板交換後の画像形成装置31が示されている。新しい基板32は、記録制御手段8を制御するための第1の制御プログラム18がダウンロードされており、走査書込手段6に誤って取り付けられている。
【0050】
また、第1の制御プログラム16〜18は、その内部に制御対象の種別情報33(R、P、またはM)を有する。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0051】
(基板交換時におけるダウンロード手順)
図4は、第2の実施形態に係るフローチャートである。オペレータは、操作パネル2を操作して、基板交換が正常に行われたか否かをチェックする。この際、基板交換信号が各基板に送信される(ステップS21)。
【0052】
各基板の第3の制御プログラム20は、デバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する(ステップS22)。図3の場合、基板32のポートNとポートN+1がいずれもLowであるため、基板5の種別は走査書込手段6(R)である、と特定される。次に、基板32にダウンロードされている第1の制御プログラム18の種別(M)と、基板32の種別(R)とが合致するか否かを判断する(ステップS23)。
【0053】
両者が合致しない場合、基板32の第2の制御プログラム19は、外部記憶手段9から走査書込手段6用の第1の制御プログラム16をダウンロードして、既にダウンロードされている第1の制御プログラム18に上書きする(ステップS24)。上書きが終了すると、操作パネル2に基板交換が終了した旨を表示する(ステップS25)。両者が合致する場合、ダウンロードせずに終了する。
【0054】
なお、ステップS24において、外部記憶手段9が操作パネル2に接続されていない場合には、第2の制御プログラム19は、外部記憶手段9を操作パネル2に接続するように通知する。
【0055】
(第2の実施形態の優位性)
第2の実施形態によれば、故障した基板をダウンロード済みの基板32に交換する場合に、取り付ける基板を間違えた場合であっても、再度交換する必要がない。
【0056】
3.第3の実施形態
以下、複数の同一基板を有する画像形成装置において、他の基板にダウンロードされている第1の制御プログラムの種別に基づいて、基板にダウンロードすべき制御プログラムを決定する画像形成装置の一例について説明する。
【0057】
(画像形成装置の構成)
図5は、第3の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。図5には、基板交換後の画像形成装置41が示されている。新しい基板43は、まだ第1の制御プログラムをダウンロードしていない。基板43は、第2の制御プログラム19、第4の制御プログラム46を備える。
【0058】
第4の制御プログラム46は、外部記憶手段9に記憶されている第4の制御プログラム42と連携して、他の基板44,45にダウンロードされている第1の制御プログラム17,18の種別に基づき、新しい基板43にダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定する。
【0059】
基板44は、第1の制御プログラム17、第2の制御プログラム19、第4の制御プログラム46を備える。基板45は、第1の制御プログラム18、第2の制御プログラム19、第4の制御プログラム46を備える。第2の制御プログラム19と第4の制御プログラム46は、基板43〜45で共通のプログラムである。
【0060】
第1の制御プログラム16〜18は、その内部に制御対象の種別情報47と、ダウンロード済みである旨の識別情報48を有する。図5の場合、基板44の第1の制御プログラム17の内部には、記録材搬送手段7の種別(P)と、ダウンロード済である旨の情報とが格納されている。また、基板45の第1の制御プログラム18の内部には、記録制御手段8の種別(M)と、ダウンロード済みである旨の情報とが格納されている。
【0061】
なお、基板43〜基板45は、図1に示す第3の制御プログラム20を備えていてもよい。この場合、画像形成装置41は、第3の制御プログラム20によってダウンロードするモードと、第4の制御プログラムによってダウンロードするモードとを切り替えることができる。
【0062】
(基板交換時におけるダウンロード手順)
図6は、第3の実施形態に係るフローチャートである。オペレータは、操作パネル2を操作して、第4の制御プログラム42を起動する。第4の制御プログラム42は、第1の制御プログラムの種別確認信号を各基板43〜45に送信する(ステップS31)。種別確認信号を受信した各基板43〜45の第4の制御プログラム46は、第1の制御プログラムの種別情報47を読み出して返信する(ステップS32)。
【0063】
全ての種別信号(R、P、M)が返信された場合(ステップS33のNO)、各基板43〜45は、第1の制御プログラム16〜18をダウンロード済みであることが分かる。この場合、操作パネル2に基板交換が終了した旨を表示する(ステップS39)。
【0064】
一方、図5の場合、新しい基板43は、まだ第1の制御プログラムをダウンロードしていないため、種別信号(R)を返信しない(ステップS33のYES)。これにより、第4の制御プログラム42は、返信のなかった種別(R)の第1の制御プログラム16がダウンロードされていないと分かる。
【0065】
この場合、第4の制御プログラム42は、ダウンロード実施確認信号を各基板43〜45に送信する(ステップS34)。各基板43〜45の第4の制御プログラム46は、ダウンロード済みである旨の識別情報48に基づいて、ダウンロードが未実施の場合には未実施信号を返信する(ステップS35)。図5の場合、新しい基板43は、まだ第1の制御プログラムをダウンロードしていないため、ダウンロード未実施信号を返信する。
【0066】
ダウンロード未実施信号の返信がない場合には(ステップS36のNO)、第4の制御プログラム42は、操作パネル2に、基板が未実装であるか、異常が存在する旨を表示させる(ステップS37)。
【0067】
一方、ダウンロード未実施信号の返信があれば(ステップS36のYES)、新しい基板43は取り付けられているが、基板43は第1の制御プログラムをダウンロードしていないと判断する。そして、第4の制御プログラム42は、ステップS33で返信がなかった種別(R)の第1の制御プログラム16を基板43にダウンロードさせる(ステップS38)。
【0068】
ダウンロードが終了すると、第4の制御プログラム42は、操作パネル2に、基板交換が終了した旨を表示させる(ステップS39)。
【0069】
(第3の実施形態の優位性)
第3の実施形態によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置41の一つの基板を交換する場合に、基板43に種別情報を設定せずに、基板43の種別に対応した第1の制御プログラム16をダウンロードすることができる。
【0070】
4.第4の実施形態
以下、複数の同一基板を備えた画像形成装置において、基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、ダウンロードすべき第1の制御プログラムのバージョンを判断する画像形成装置の一例について説明する。
【0071】
(画像形成装置の構成)
図7は、第4の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。画像形成装置51は、新たにセンサーユニット52を備える。センサーユニット52は、画像形成装置51の給紙トレイに記録紙が給紙されているか否かを検知する。センサーユニット52は、基板4の空きポートN+2に接続する。ポートN+2の所定のビットは、給紙トレイに記録紙が給紙されている状態でHighになり、記録紙が給紙されていない状態でLowになるように配線設定する。
【0072】
外部記憶手段9は、記録材搬送手段7を制御する制御プログラムとして、2つのバージョンの制御プログラム(第1の制御プログラム17V1、第1の制御プログラム17V2)を記憶する。第1の制御プログラム17V1は、センサーユニット52に対応していないバージョンの制御プログラムであり、バージョン番号はV1である。第1の制御プログラム17V2は、センサーユニット52に対応したバージョンの制御プログラムであり、バージョン番号はV2である。
【0073】
第3の制御プログラム20は、空きポートN+2に入力されたデバイスの状態に基づいて、プログラムのバージョンを判断する。空きポートN+2がLowの場合、第3の制御プログラム20は、第1の制御プログラム17のバージョンをV1と判断し、空きポートN+2がHighの場合、第1の制御プログラム17のバージョンをV2と判断する。
【0074】
なお、基板3〜5が空きポートN+3,ポートN+4,ポートN+5・・・を備えており、新たなデバイスをさらに空きポートに接続する場合、第3の制御プログラム20は、新たなデバイスの状態(ポートN+3,ポートN+4,ポートN+5・・・の状態)に基づいて、第1の制御プログラムのバージョンを判断する。
【0075】
(工場組立時におけるダウンロード手順)
図8は、第4の実施形態に係るフローチャートである。以下、工場組立時に第1の制御プログラムをダウンロードする手順について説明する。ステップS41〜ステップS44は、図2と同様の手順である。
【0076】
ステップS44において、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別と、第3の制御プログラム20によって特定された基板の種別が合致する場合には、第3の制御プログラム20は、デバイスの状態(ポートN+2の状態)に基づいて、第1の制御プログラムのバージョンを判断する(ステップS45)。図7の場合、ポートN+2の所定ビットがHighであるため、第1の制御プログラムのバージョンはV2と判断される。
【0077】
第2の制御プログラム19は、ステップS45で判断されたバージョンの第1の制御プログラムを外部記憶手段9からダウンロードする(ステップS46)。図7の場合、第1の制御プログラム17V2が外部記憶装置9からダウンロードされる。
【0078】
なお、ステップS44において、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別と、第3の制御プログラム20によって特定された基板の種別が合致しない場合には、その基板はダウンロードせずに終了する。
【0079】
(第4の実施形態の優位性)
第4の実施形態によれば、複数の同一基板3〜5を有する画像形成装置51において、基板4にバージョン情報を設定せずに、バージョンV2に対応した第1の制御プログラム17V2を基板4にダウンロードすることができる。
【0080】
5.第5の実施形態
以下、ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複した場合に、デバイスの故障を通知する画像形成装置の一例について説明する。画像形成装置は、図1と同様の構成である。
【0081】
(工場組立時におけるダウンロード手順)
図9は、第5の実施形態に係るフローチャートである。ステップS51〜S54は、図1と同様の手順である。
【0082】
ステップS54において、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別と、第3の制御プログラム20によって特定された基板の種別が合致する場合には、第2の制御プログラム19は、ダウンロード要求する(ステップS55)。
【0083】
操作パネル2は、ダウンロード要求のあった第1の制御プログラムの種別が他の基板でダウンロード要求された第1の制御プログラムの種別と重複していないかを判断する(ステップS56)。ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複している場合には、ポートNとポートN+1の状態が異常であるため、操作パネル2にデバイスが故障している旨を表示する(ステップS57)。
【0084】
ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複していない場合には、第2の制御プログラム19は、ダウンロードを開始する(ステップS58)。ダウンロードが終了した場合、操作パネル2に終了した旨を表示する(ステップS59)。
【0085】
なお、ステップS54において、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別と、第3の制御プログラム20によって特定された基板の種別が合致しない場合には、その基板はダウンロードせずに終了する。
【0086】
(第5の実施形態の優位性)
第5の実施形態によれば、複数の同一基板3〜5を有する画像形成装置1において、第1の制御プログラムをダウンロードする際に、基板3〜5に接続しているデバイスの故障を通知することができる。
【0087】
6.第6の実施形態
以下、異なる機種の画像形成装置で同一基板を使用する場合に、基板に接続するデバイスの状態に基づいて機種を特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定する画像形成装置の一例について説明する。
【0088】
(画像形成装置の構成)
図10は、第6の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。画像形成装置61〜画像形成装置63は、異なる機種であるが、同一基板3〜5を使用している。基板3は、画像形成装置61の走査書込手段64を制御し、基板4は、画像形成装置62の走査書込手段65を制御し、基板5は、画像形成装置63の走査書込手段66を制御する。
【0089】
基板3のポートNは、ポリゴンモータ67の待機状態を記憶し、ポートN+1は、ポリゴンモータ68の待機状態を記憶するように配線設定する。基板4のポートNは、ポリゴンモータ69の待機状態を記憶し、ポートN+1は、ポリゴンモータ70の待機状態を記憶するように配線設定する。基板4のポートNは、ポリゴンモータ71の待機状態を記憶し、ポートN+1はポリゴンモータ72の待機状態を記憶するように配線設定する。
【0090】
画像形成装置61は、ポリゴンモータ67とポリゴンモータ68が待機状態であるとき、ポートNとポートN+1がLowになるように設定する。画像形成装置62は、ポリゴンモータ69とポリゴンモータ70が待機状態であるとき、ポートNとポートN+1がHighになるように設定する。画像形成装置63は、ポリゴンモータ71が待機状態にあるとき、ポートNがLowになるように設定し、ポリゴンモータ72が待機状態であるとき、ポートN+1がHighになるように設定する。
【0091】
画像形成装置61〜63の操作パネル77〜79は、外部記憶手段9に接続する。外部記憶手段9は、第1の制御プログラム74〜76を記憶する。第1の制御プログラム74は、画像形成装置61の機種における走査書込手段64を制御するための制御プログラムである。第1の制御プログラム75は、画像形成装置62の機種における走査書込手段65を制御するための制御プログラムである。第1の制御プログラム76は、画像形成装置63の機種における走査書込手段66を制御するための制御プログラムである。
【0092】
(工場組立時におけるダウンロード手順)
図11は、第6の実施形態に係るフローチャートである。オペレータは、操作パネル77を操作することで、第1の制御プログラム74を選択する(ステップS61)。操作パネル77は、第1の制御プログラム74の種別信号(α)を各画像形成装置61〜63に送信する(ステップS62)。以下では、画像形成装置61の機種をα、画像形成装置62の機種をβ、画像形成装置63の機種をγとする。
【0093】
各画像形成装置61〜63の第3の制御プログラム20は、デバイスの状態に基づいて、画像形成装置61〜63の機種を特定する(ステップS63)。例えば、ポートNとポートN+1がいずれもLowである場合、画像形成装置の機種はαであると判断する。そして、操作パネル77で選択した第1の制御プログラム74の種別信号(α)と、画像形成装置の機種(α)とが合致するか否かを判断する(ステップS64)。
【0094】
両者が合致する場合、第2の制御プログラム19は、選択した第1の制御プログラム74を外部記憶手段9からダウンロードする(ステップS65)。ダウンロードが終了した場合、操作パネル77に終了した旨を表示する(ステップS66)。
【0095】
次に、オペレータは、操作パネル78を操作することで、第1の制御プログラム75を選択し(ステップS61)、上述したステップS62〜ステップS66までの処理を繰り返す。さらに、オペレータは、操作パネル79を操作することで、第1の制御プログラム76を選択し(ステップS61)、上述したステップS62〜ステップS66までの処理を繰り返す。これにより、異なる機種の画像形成装置61〜63の同一基板3〜5に、その機種に対応した第1の制御プログラム74〜76がダウンロードされる。
【0096】
(第6の実施形態の優位性)
第6の実施形態によれば、異なる機種の画像形成装置61〜63で同一基板3〜5を使用する場合に、基板3〜5に機種情報(α、β、γ)を設定せずに、画像形成装置61〜63の機種に対応した第1の制御プログラム74〜76をダウンロードすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、コピー機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、およびこれらを備えた複合機などの画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るフローチャートである。
【図3】第2の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図4】第2の実施形態に係るフローチャートである。
【図5】第3の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図6】第3の実施形態に係るフローチャートである。
【図7】第4の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図8】第4の実施形態に係るフローチャートである。
【図9】第5の実施形態に係るフローチャートである。
【図10】第6の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図11】第6の実施形態に係るフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
1…画像形成装置、2…操作パネル、3〜5…基板、6…走査書込手段、7…記録材搬送手段、8…記録制御手段、9…外部記憶手段、10〜12…制御手段、13〜15…記憶手段、16〜18…第1の制御プログラム、19…第2の制御プログラム、20…第3の制御プログラム、21,22…ポリゴンモータ、23…右フロントカバーのインターロックスイッチ、24…左フロントカバーのインターロックスイッチ、25…トナーカバーのインターロックスイッチ、26…定着器のインターロックスイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、基板に搭載されるROM(Read Only Memory)にプログラムを書き込む場合に、誤って違うプログラムを書き込んでしまうことがある。また、プログラムが書き込まれたROMを基板に搭載したり、その基板を装置に実装する場合に、誤って違うROMを基板に搭載したり、誤って違う基板を装置に実装してしまうことがある。
【0003】
このような課題を解決する技術が、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1に記載の発明は、ROMにはシステム識別情報を記憶させ、基板にはシステム識別情報を設定可能な設定スイッチを備えたデータ処理装置である。データ処理装置は、電源投入時やプログラムのダウンロード時に、ROMと基板のシステム識別情報を比較することにより、基板とROM間の整合性がないときには、運転を開始しない。
【0004】
一方、特許文献2に記載の発明は、同型CPU(Central Processing Unit)を備えた複数ユニットから成る装置である。基板に搭載するCPUのI/Oポート(Input/Outputポート)は、他の基板と異なるID番号を記憶するID番号記憶部を備える。プログラムを実行する際、このID番号を読み出し、プログラムが有しているプログラム内のID番号とを比較する。一致する場合には、センサ、アクチュエータ類のポートの初期化処理を実行する。
【特許文献1】特開平11−120083号公報
【特許文献2】特開2002−108477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような背景を鑑み、複数の同一基板を有する画像形成装置において、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した制御プログラムを基板にダウンロードする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、複数の同一基板と、前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムと、前記第1の制御プログラムを前記基板にダウンロードする第2の制御プログラムと、前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する第3の制御プログラムとを備え、前記第3の制御プログラムによって、ダウンロードすべき第1の制御プログラムが決定されることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基板にダウンロード済みの第1の制御プログラムと、前記第1の制御プログラム内に含まれる第1の制御プログラムの種別情報とをさらに備え、前記第1の制御プログラムの種別と前記第3の制御プログラムによって特定された基板の種別とが不一致となった場合に、前記第2の制御プログラムは、前記基板の種別に一致する第1の制御プログラムをダウンロードして上書きすることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、複数の同一基板と、前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムと、前記第1の制御プログラムを前記基板にダウンロードする第2の制御プログラムと、前記第1の制御プログラム内に含まれるプログラムの種別情報およびダウンロード済みである旨の識別情報と、他の基板にダウンロード済みの第1の制御プログラム内に含まれる種別情報に基づいて、ダウンロード済みでない基板にダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定する第4の制御プログラムとを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第3の制御プログラムは、前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、ダウンロードすべき第1の制御プログラムのバージョンを判断することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複した場合に、デバイスの故障を通知することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1、2、4、5のいずれかに記載の発明において、異なる機種の画像形成装置で同一基板を使用する場合に、前記第3の制御プログラムは、基板に接続しているデバイスの状態に基づいて機種を特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第3の制御プログラムが自身の基板の種別を特定するために参照するデバイスの状態は、各基板で異なるように設定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、複数の同一基板を有する画像形成装置に、各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムをダウンロードさせるためのプログラムであって、前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する手順と、前記基板の種別に対応する第1の制御プログラムをダウンロードする手順とを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードすることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、故障した基板をダウンロード済みの基板に交換する場合に、取り付ける基板を間違えた場合であっても、再度交換する必要がない。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置の一つの基板を交換する場合に、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、基板にバージョン情報を設定せずに、バージョンに対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、第1の制御プログラムをダウンロードする際に、基板に接続しているデバイスの故障を通知することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、異なる機種の画像形成装置で同一基板を使用する場合に、基板に機種情報を設定せずに、画像形成装置の機種に対応した第1の制御プログラムをダウンロードすることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置において、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードすることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置に、基板に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラムを基板にダウンロードさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
1.第1の実施形態
以下、複数の同一基板を備えた画像形成装置において、基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、基板にダウンロードすべき制御プログラムを決定する画像形成装置の一例について説明する。
【0023】
(画像形成装置の構成)
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。画像形成装置1は、操作パネル2、基板3〜5、走査書込手段6、記録材搬送手段7、記録制御手段8を備える。
【0024】
操作パネル2は、タッチパネル方式の液晶ディスプレイ、キーボードで構成する。画像形成装置1は、操作パネル2によって操作される。操作パネル2は、基板3〜5および外部記憶手段9を接続する。
【0025】
外部記憶手段9は、RAM(Random Access Memory)などの半導体記憶装置、ハードディスクなどの磁気記憶装置等で構成する。外部記憶手段9は、基板3〜5にダウンロードさせる第1の制御プログラム16〜18を記憶する。第1の制御プログラム16は、走査書込手段6を制御するためのプログラムである。第1の制御プログラム17は、記録材搬送手段7を制御するためのプログラムである。第1の制御プログラム18は、記録制御手段8を制御するためのプログラムである。
【0026】
基板3〜5は、同一のCPU、RAM、ROM等で構成した基板である。基板3は、走査書込手段6に接続し、基板4は、記録材搬送手段7に接続し、基板5は、記録制御手段8に接続する。基板3〜5は、制御手段10〜12、記憶手段13〜15を備える。
【0027】
制御手段10〜12は、I/Oポートを備えたCPUであり、記憶手段13〜15は、RAMやROMである。制御手段10〜12は、記憶手段13〜15に記憶された制御プログラムを実行する。記憶手段13〜15は、第1の制御プログラム16〜18を記憶するための記憶領域A〜Cを有する。記憶手段13〜15には、第2の制御プログラム19と第3の制御プログラム20を予め記憶させる。第2の制御プログラム19と第3の制御プログラム20は、各基板3〜5に共通のプログラムである。
【0028】
第2の制御プログラム19は、第1の制御プログラム16〜18を外部記憶手段9から基板3〜5にダウンロードするためのプログラムである。第3の制御プログラム20は、基板3〜5に接続するデバイスの状態に基づいて、基板3〜5の種別(走査書込手段6用、記録材搬送手段7用、記録制御手段8用)を特定し、基板3〜5にダウンロードすべき第1の制御プログラム16〜18を決定する。なお、これらのプログラムおよび後述するフローチャートのプログラムは、有線または無線の通信手段によって提供することはもちろん、CDROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0029】
走査書込手段6は、ROS(Raser Output Scanner)またはLPH(LED Output Scanner)等で構成される。走査書込手段6は、図示省略した感光体ドラムにレーザー光を露光して静電潜像を形成する。基板3は、制御手段10のI/Oポートにデバイス(ポリゴンモータ21,22のドライバー回路)を接続する。基板3のポートNは、ポリゴンモータ21の待機状態を記憶し、ポートN+1は、ポリゴンモータ22の待機状態を記憶するように配線設定する。なお、Nは任意の整数を表す。
【0030】
例えば、ポリゴンモータ21,22が待機状態にある場合に、ポートNとポートN+1の所定ビットがLow(GND)に変わり、ポリゴンモータ21,22が運転状態にある場合に、ポートNとポートN+1の所定ビットがHigh(例えば5V)に変わるように設定する。
【0031】
ポリゴンモータ21,22がいずれも待機状態にある場合、すなわち、ポートNとポートN+1の所定ビットがいずれもLowである場合、第3の制御プログラム20は、基板3の種別は走査書込手段6用である、と特定する。この場合、基板3がダウンロードすべき第1の制御プログラムは、符号16の第1の制御プログラム16となる。第2の制御プログラム19は、第1の制御プログラム16を外部記憶手段9から基板3にダウンロードする。
【0032】
なお、デバイスの状態は、I/Oポートに記憶するデータの他、デジタル入力データ、アナログ入力データ、または通信データでもよい。また、デバイスの状態ではなく、デバイスから出力される結果を利用してもよい。
【0033】
記録材搬送手段7は、ナジャーロール、フィードロール、テイクアウェイロール、レジストロール、排出ロール等の搬送ロール、搬送ロールを駆動するモータ、およびソレノイド等で構成される。基板4は、制御手段11のI/Oポートにデバイス(左右のフロントカバーのインターロックスイッチ23,24の制御回路)を接続する。基板4のポートNは、右フロントカバー23の開閉状態を記憶し、ポートN+1は、左フロントカバー24の開閉状態を記憶するように配線設定する。
【0034】
例えば、左右のフロントカバー23,24が閉じている場合に、ポートNとポートN+1の所定ビットがHighに変わり、左右のフロントカバー25,26が開いている場合に、ポートNとポートN+1の所定ビットがLowに変わるように設定する。
【0035】
左右のフロントカバー25,26がいずれも閉じている場合、すなわち、ポートNとポートN+1の所定ビットがいずれもHighである場合、第3の制御プログラム20は、基板4の種別は記録材搬送手段7用である、と特定する。この場合、基板4がダウンロードすべき第1の制御プログラムは、符号17の第1の制御プログラム17となる。第2の制御プログラム19は、第1の制御プログラム17を外部記憶手段9から基板4にダウンロードする。
【0036】
記録制御手段8は、帯電、現像、転写制御を行うための手段である。記録制御手段8は、コロトロンやスコロトロン等の帯電手段、攪拌ロールやマグロール等の現像手段、1次転写ロールや2次転写ロール等の転写手段、これらを駆動するモータ、バイアス電圧を印加する高圧電源回路等で構成される。基板5は、制御手段12のI/Oポートにデバイス(トナーカバーのインターロックスイッチ25と定着器カバーのインターロックスイッチ26の制御回路)に接続する。基板5のポートNは、トナーカバー29の開閉状態を記憶し、ポートN+1は、定着器カバーの開閉状態を記憶するように配線設定する。
【0037】
例えば、トナーカバーが閉じている場合、ポートNの所定ビットがLowに変わり、定着器カバーが閉じている場合、ポートN+1の所定ビットがHighに変わるように配線を設定する。
【0038】
トナーカバーと定着器カバーがいずれも閉じている場合、すなわち、ポートNの所定ビットがLowであり、かつ、ポートN+1の所定ビットがHighである場合、第3の制御プログラム20は、基板5の種別は記録制御手段8用である、と特定する。この場合、基板5がダウンロードすべき第1の制御プログラムは、符号18の第1の制御プログラム18となる。第2の制御プログラム19は、第1の制御プログラム18を外部記憶手段9から基板5にダウンロードする。
【0039】
以下の表1は、デバイスの状態(ポートNとポートN+1の状態)と、基板にダウンロードすべき第1の制御プログラムとの関係を示している。第3の制御プログラム20は、ポートNとポートN+1がいずれもLowならば、基板の種別は走査書込手段用であると特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムは、走査書込手段用のプログラムであると決定する。ポートNとポートN+1がいずれもHighならば、基板の種別は記録材搬送手段用であると特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムは、記録材搬送手段用であると決定する。ポートNがLowであり、ポートN+1がHighならば、基板の種別は記録制御手段用であると特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムは、記録制御手段用のプログラムであると決定する。
【0040】
【表1】
【0041】
(工場組立時におけるダウンロード手順)
以下、工場において画像形成装置1を組み立てる場合に、基板3,4に第1の制御プログラム16〜18をダウンロードさせる手順について説明する。図2は、第1の実施形態に係るフローチャートである。
【0042】
オペレータは、操作パネル2を操作して、走査書込手段6を制御するための第1の制御プログラム16を選択する(ステップS11)。操作パネル2は、第1の制御プログラム16の種別信号を各基板3〜5に送信する(ステップS12)。以下、走査書込手段6用の種別信号をR、記録搬送手段7用の種別信号をP、記録制御手段8用の種別信号をMとする。
【0043】
各基板の第3の制御プログラム20は、デバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する(ステップS13)。例えば、ポートNとポートN+1がいずれもLowである場合、基板の種別を走査書込手段6用と特定する。次に、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別信号(R)と基板の種別(R)とが合致するか否かを判断する(ステップS14)。
【0044】
両者が合致する場合、基板3の第2の制御プログラム19は、走査書込手段6を制御するための第1の制御プログラム16をダウンロードする(ステップS15)。ダウンロードが終了すると、操作パネル2に基板3のダウンロードが終了した旨を表示する(ステップS16)。両者が合致しない場合、ダウンロードせずに終了する。
【0045】
次に、オペレータは、操作パネル2を操作して、記録材搬送手段7を制御するための第1の制御プログラム17を選択する(ステップS11)。そして、上述したステップS12〜ステップS16までの手順が繰り返される。また、同様に、オペレータは、操作パネル2を操作して、記録制御手段8を制御するための第1の制御プログラム18を選択する(ステップS11)。そして、ステップS12〜ステップS16までの手順が繰り返される。
【0046】
これにより、画像形成装置1の同一基板3〜5に、その種別に対応した第1の制御プログラム16〜18がダウンロードされる。
【0047】
(第1の実施形態の優位性)
第1の実施形態によれば、複数の同一基板3〜5を有する画像形成装置1において、基板3〜5に種別情報を設定せずに、基板の種別に対応した第1の制御プログラム16〜17をダウンロードすることができる。
【0048】
2.第2の実施形態
以下、複数の同一基板を有する画像形成装置において、故障した基板をダウンロード済みの基板に交換する場合の画像形成装置の動作例について説明する。
【0049】
(画像形成装置の構成)
図3は、第2の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。図3には、基板交換後の画像形成装置31が示されている。新しい基板32は、記録制御手段8を制御するための第1の制御プログラム18がダウンロードされており、走査書込手段6に誤って取り付けられている。
【0050】
また、第1の制御プログラム16〜18は、その内部に制御対象の種別情報33(R、P、またはM)を有する。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0051】
(基板交換時におけるダウンロード手順)
図4は、第2の実施形態に係るフローチャートである。オペレータは、操作パネル2を操作して、基板交換が正常に行われたか否かをチェックする。この際、基板交換信号が各基板に送信される(ステップS21)。
【0052】
各基板の第3の制御プログラム20は、デバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する(ステップS22)。図3の場合、基板32のポートNとポートN+1がいずれもLowであるため、基板5の種別は走査書込手段6(R)である、と特定される。次に、基板32にダウンロードされている第1の制御プログラム18の種別(M)と、基板32の種別(R)とが合致するか否かを判断する(ステップS23)。
【0053】
両者が合致しない場合、基板32の第2の制御プログラム19は、外部記憶手段9から走査書込手段6用の第1の制御プログラム16をダウンロードして、既にダウンロードされている第1の制御プログラム18に上書きする(ステップS24)。上書きが終了すると、操作パネル2に基板交換が終了した旨を表示する(ステップS25)。両者が合致する場合、ダウンロードせずに終了する。
【0054】
なお、ステップS24において、外部記憶手段9が操作パネル2に接続されていない場合には、第2の制御プログラム19は、外部記憶手段9を操作パネル2に接続するように通知する。
【0055】
(第2の実施形態の優位性)
第2の実施形態によれば、故障した基板をダウンロード済みの基板32に交換する場合に、取り付ける基板を間違えた場合であっても、再度交換する必要がない。
【0056】
3.第3の実施形態
以下、複数の同一基板を有する画像形成装置において、他の基板にダウンロードされている第1の制御プログラムの種別に基づいて、基板にダウンロードすべき制御プログラムを決定する画像形成装置の一例について説明する。
【0057】
(画像形成装置の構成)
図5は、第3の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。図5には、基板交換後の画像形成装置41が示されている。新しい基板43は、まだ第1の制御プログラムをダウンロードしていない。基板43は、第2の制御プログラム19、第4の制御プログラム46を備える。
【0058】
第4の制御プログラム46は、外部記憶手段9に記憶されている第4の制御プログラム42と連携して、他の基板44,45にダウンロードされている第1の制御プログラム17,18の種別に基づき、新しい基板43にダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定する。
【0059】
基板44は、第1の制御プログラム17、第2の制御プログラム19、第4の制御プログラム46を備える。基板45は、第1の制御プログラム18、第2の制御プログラム19、第4の制御プログラム46を備える。第2の制御プログラム19と第4の制御プログラム46は、基板43〜45で共通のプログラムである。
【0060】
第1の制御プログラム16〜18は、その内部に制御対象の種別情報47と、ダウンロード済みである旨の識別情報48を有する。図5の場合、基板44の第1の制御プログラム17の内部には、記録材搬送手段7の種別(P)と、ダウンロード済である旨の情報とが格納されている。また、基板45の第1の制御プログラム18の内部には、記録制御手段8の種別(M)と、ダウンロード済みである旨の情報とが格納されている。
【0061】
なお、基板43〜基板45は、図1に示す第3の制御プログラム20を備えていてもよい。この場合、画像形成装置41は、第3の制御プログラム20によってダウンロードするモードと、第4の制御プログラムによってダウンロードするモードとを切り替えることができる。
【0062】
(基板交換時におけるダウンロード手順)
図6は、第3の実施形態に係るフローチャートである。オペレータは、操作パネル2を操作して、第4の制御プログラム42を起動する。第4の制御プログラム42は、第1の制御プログラムの種別確認信号を各基板43〜45に送信する(ステップS31)。種別確認信号を受信した各基板43〜45の第4の制御プログラム46は、第1の制御プログラムの種別情報47を読み出して返信する(ステップS32)。
【0063】
全ての種別信号(R、P、M)が返信された場合(ステップS33のNO)、各基板43〜45は、第1の制御プログラム16〜18をダウンロード済みであることが分かる。この場合、操作パネル2に基板交換が終了した旨を表示する(ステップS39)。
【0064】
一方、図5の場合、新しい基板43は、まだ第1の制御プログラムをダウンロードしていないため、種別信号(R)を返信しない(ステップS33のYES)。これにより、第4の制御プログラム42は、返信のなかった種別(R)の第1の制御プログラム16がダウンロードされていないと分かる。
【0065】
この場合、第4の制御プログラム42は、ダウンロード実施確認信号を各基板43〜45に送信する(ステップS34)。各基板43〜45の第4の制御プログラム46は、ダウンロード済みである旨の識別情報48に基づいて、ダウンロードが未実施の場合には未実施信号を返信する(ステップS35)。図5の場合、新しい基板43は、まだ第1の制御プログラムをダウンロードしていないため、ダウンロード未実施信号を返信する。
【0066】
ダウンロード未実施信号の返信がない場合には(ステップS36のNO)、第4の制御プログラム42は、操作パネル2に、基板が未実装であるか、異常が存在する旨を表示させる(ステップS37)。
【0067】
一方、ダウンロード未実施信号の返信があれば(ステップS36のYES)、新しい基板43は取り付けられているが、基板43は第1の制御プログラムをダウンロードしていないと判断する。そして、第4の制御プログラム42は、ステップS33で返信がなかった種別(R)の第1の制御プログラム16を基板43にダウンロードさせる(ステップS38)。
【0068】
ダウンロードが終了すると、第4の制御プログラム42は、操作パネル2に、基板交換が終了した旨を表示させる(ステップS39)。
【0069】
(第3の実施形態の優位性)
第3の実施形態によれば、複数の同一基板を有する画像形成装置41の一つの基板を交換する場合に、基板43に種別情報を設定せずに、基板43の種別に対応した第1の制御プログラム16をダウンロードすることができる。
【0070】
4.第4の実施形態
以下、複数の同一基板を備えた画像形成装置において、基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、ダウンロードすべき第1の制御プログラムのバージョンを判断する画像形成装置の一例について説明する。
【0071】
(画像形成装置の構成)
図7は、第4の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。画像形成装置51は、新たにセンサーユニット52を備える。センサーユニット52は、画像形成装置51の給紙トレイに記録紙が給紙されているか否かを検知する。センサーユニット52は、基板4の空きポートN+2に接続する。ポートN+2の所定のビットは、給紙トレイに記録紙が給紙されている状態でHighになり、記録紙が給紙されていない状態でLowになるように配線設定する。
【0072】
外部記憶手段9は、記録材搬送手段7を制御する制御プログラムとして、2つのバージョンの制御プログラム(第1の制御プログラム17V1、第1の制御プログラム17V2)を記憶する。第1の制御プログラム17V1は、センサーユニット52に対応していないバージョンの制御プログラムであり、バージョン番号はV1である。第1の制御プログラム17V2は、センサーユニット52に対応したバージョンの制御プログラムであり、バージョン番号はV2である。
【0073】
第3の制御プログラム20は、空きポートN+2に入力されたデバイスの状態に基づいて、プログラムのバージョンを判断する。空きポートN+2がLowの場合、第3の制御プログラム20は、第1の制御プログラム17のバージョンをV1と判断し、空きポートN+2がHighの場合、第1の制御プログラム17のバージョンをV2と判断する。
【0074】
なお、基板3〜5が空きポートN+3,ポートN+4,ポートN+5・・・を備えており、新たなデバイスをさらに空きポートに接続する場合、第3の制御プログラム20は、新たなデバイスの状態(ポートN+3,ポートN+4,ポートN+5・・・の状態)に基づいて、第1の制御プログラムのバージョンを判断する。
【0075】
(工場組立時におけるダウンロード手順)
図8は、第4の実施形態に係るフローチャートである。以下、工場組立時に第1の制御プログラムをダウンロードする手順について説明する。ステップS41〜ステップS44は、図2と同様の手順である。
【0076】
ステップS44において、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別と、第3の制御プログラム20によって特定された基板の種別が合致する場合には、第3の制御プログラム20は、デバイスの状態(ポートN+2の状態)に基づいて、第1の制御プログラムのバージョンを判断する(ステップS45)。図7の場合、ポートN+2の所定ビットがHighであるため、第1の制御プログラムのバージョンはV2と判断される。
【0077】
第2の制御プログラム19は、ステップS45で判断されたバージョンの第1の制御プログラムを外部記憶手段9からダウンロードする(ステップS46)。図7の場合、第1の制御プログラム17V2が外部記憶装置9からダウンロードされる。
【0078】
なお、ステップS44において、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別と、第3の制御プログラム20によって特定された基板の種別が合致しない場合には、その基板はダウンロードせずに終了する。
【0079】
(第4の実施形態の優位性)
第4の実施形態によれば、複数の同一基板3〜5を有する画像形成装置51において、基板4にバージョン情報を設定せずに、バージョンV2に対応した第1の制御プログラム17V2を基板4にダウンロードすることができる。
【0080】
5.第5の実施形態
以下、ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複した場合に、デバイスの故障を通知する画像形成装置の一例について説明する。画像形成装置は、図1と同様の構成である。
【0081】
(工場組立時におけるダウンロード手順)
図9は、第5の実施形態に係るフローチャートである。ステップS51〜S54は、図1と同様の手順である。
【0082】
ステップS54において、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別と、第3の制御プログラム20によって特定された基板の種別が合致する場合には、第2の制御プログラム19は、ダウンロード要求する(ステップS55)。
【0083】
操作パネル2は、ダウンロード要求のあった第1の制御プログラムの種別が他の基板でダウンロード要求された第1の制御プログラムの種別と重複していないかを判断する(ステップS56)。ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複している場合には、ポートNとポートN+1の状態が異常であるため、操作パネル2にデバイスが故障している旨を表示する(ステップS57)。
【0084】
ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複していない場合には、第2の制御プログラム19は、ダウンロードを開始する(ステップS58)。ダウンロードが終了した場合、操作パネル2に終了した旨を表示する(ステップS59)。
【0085】
なお、ステップS54において、操作パネル2で選択した第1の制御プログラムの種別と、第3の制御プログラム20によって特定された基板の種別が合致しない場合には、その基板はダウンロードせずに終了する。
【0086】
(第5の実施形態の優位性)
第5の実施形態によれば、複数の同一基板3〜5を有する画像形成装置1において、第1の制御プログラムをダウンロードする際に、基板3〜5に接続しているデバイスの故障を通知することができる。
【0087】
6.第6の実施形態
以下、異なる機種の画像形成装置で同一基板を使用する場合に、基板に接続するデバイスの状態に基づいて機種を特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定する画像形成装置の一例について説明する。
【0088】
(画像形成装置の構成)
図10は、第6の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。画像形成装置61〜画像形成装置63は、異なる機種であるが、同一基板3〜5を使用している。基板3は、画像形成装置61の走査書込手段64を制御し、基板4は、画像形成装置62の走査書込手段65を制御し、基板5は、画像形成装置63の走査書込手段66を制御する。
【0089】
基板3のポートNは、ポリゴンモータ67の待機状態を記憶し、ポートN+1は、ポリゴンモータ68の待機状態を記憶するように配線設定する。基板4のポートNは、ポリゴンモータ69の待機状態を記憶し、ポートN+1は、ポリゴンモータ70の待機状態を記憶するように配線設定する。基板4のポートNは、ポリゴンモータ71の待機状態を記憶し、ポートN+1はポリゴンモータ72の待機状態を記憶するように配線設定する。
【0090】
画像形成装置61は、ポリゴンモータ67とポリゴンモータ68が待機状態であるとき、ポートNとポートN+1がLowになるように設定する。画像形成装置62は、ポリゴンモータ69とポリゴンモータ70が待機状態であるとき、ポートNとポートN+1がHighになるように設定する。画像形成装置63は、ポリゴンモータ71が待機状態にあるとき、ポートNがLowになるように設定し、ポリゴンモータ72が待機状態であるとき、ポートN+1がHighになるように設定する。
【0091】
画像形成装置61〜63の操作パネル77〜79は、外部記憶手段9に接続する。外部記憶手段9は、第1の制御プログラム74〜76を記憶する。第1の制御プログラム74は、画像形成装置61の機種における走査書込手段64を制御するための制御プログラムである。第1の制御プログラム75は、画像形成装置62の機種における走査書込手段65を制御するための制御プログラムである。第1の制御プログラム76は、画像形成装置63の機種における走査書込手段66を制御するための制御プログラムである。
【0092】
(工場組立時におけるダウンロード手順)
図11は、第6の実施形態に係るフローチャートである。オペレータは、操作パネル77を操作することで、第1の制御プログラム74を選択する(ステップS61)。操作パネル77は、第1の制御プログラム74の種別信号(α)を各画像形成装置61〜63に送信する(ステップS62)。以下では、画像形成装置61の機種をα、画像形成装置62の機種をβ、画像形成装置63の機種をγとする。
【0093】
各画像形成装置61〜63の第3の制御プログラム20は、デバイスの状態に基づいて、画像形成装置61〜63の機種を特定する(ステップS63)。例えば、ポートNとポートN+1がいずれもLowである場合、画像形成装置の機種はαであると判断する。そして、操作パネル77で選択した第1の制御プログラム74の種別信号(α)と、画像形成装置の機種(α)とが合致するか否かを判断する(ステップS64)。
【0094】
両者が合致する場合、第2の制御プログラム19は、選択した第1の制御プログラム74を外部記憶手段9からダウンロードする(ステップS65)。ダウンロードが終了した場合、操作パネル77に終了した旨を表示する(ステップS66)。
【0095】
次に、オペレータは、操作パネル78を操作することで、第1の制御プログラム75を選択し(ステップS61)、上述したステップS62〜ステップS66までの処理を繰り返す。さらに、オペレータは、操作パネル79を操作することで、第1の制御プログラム76を選択し(ステップS61)、上述したステップS62〜ステップS66までの処理を繰り返す。これにより、異なる機種の画像形成装置61〜63の同一基板3〜5に、その機種に対応した第1の制御プログラム74〜76がダウンロードされる。
【0096】
(第6の実施形態の優位性)
第6の実施形態によれば、異なる機種の画像形成装置61〜63で同一基板3〜5を使用する場合に、基板3〜5に機種情報(α、β、γ)を設定せずに、画像形成装置61〜63の機種に対応した第1の制御プログラム74〜76をダウンロードすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、コピー機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、およびこれらを備えた複合機などの画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るフローチャートである。
【図3】第2の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図4】第2の実施形態に係るフローチャートである。
【図5】第3の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図6】第3の実施形態に係るフローチャートである。
【図7】第4の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図8】第4の実施形態に係るフローチャートである。
【図9】第5の実施形態に係るフローチャートである。
【図10】第6の実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
【図11】第6の実施形態に係るフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
1…画像形成装置、2…操作パネル、3〜5…基板、6…走査書込手段、7…記録材搬送手段、8…記録制御手段、9…外部記憶手段、10〜12…制御手段、13〜15…記憶手段、16〜18…第1の制御プログラム、19…第2の制御プログラム、20…第3の制御プログラム、21,22…ポリゴンモータ、23…右フロントカバーのインターロックスイッチ、24…左フロントカバーのインターロックスイッチ、25…トナーカバーのインターロックスイッチ、26…定着器のインターロックスイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の同一基板と、
前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムと、
前記第1の制御プログラムを前記基板にダウンロードする第2の制御プログラムと、
前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する第3の制御プログラムとを備え、
前記第3の制御プログラムによって、ダウンロードすべき第1の制御プログラムが決定されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記基板にダウンロード済みの第1の制御プログラムと、
前記第1の制御プログラム内に含まれる第1の制御プログラムの種別情報とをさらに備え、
前記第1の制御プログラムの種別と前記第3の制御プログラムによって特定された基板の種別とが不一致となった場合に、前記第2の制御プログラムは、前記基板の種別に一致する第1の制御プログラムをダウンロードして上書きすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の同一基板と、
前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムと、
前記第1の制御プログラムを前記基板にダウンロードする第2の制御プログラムと、
前記第1の制御プログラム内に含まれる第1の制御プログラムの種別情報およびダウンロード済みである旨の識別情報と、
他の基板にダウンロード済みの第1の制御プログラム内に含まれる種別情報に基づいて、ダウンロード済みでない基板にダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定する第4の制御プログラムとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記第3の制御プログラムは、前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、ダウンロードすべき第1の制御プログラムのバージョンを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複した場合に、デバイスの故障を通知することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項6】
異なる機種の画像形成装置で同一基板を使用する場合に、前記第3の制御プログラムは、基板に接続しているデバイスの状態に基づいて機種を特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定することを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第3の制御プログラムが自身の基板の種別を特定するために参照するデバイスの状態は、各基板で異なるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
複数の同一基板を有する画像形成装置に、前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムをダウンロードさせるためのプログラムであって、
前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する手順と、
前記基板の種別に対応する第1の制御プログラムをダウンロードする手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項1】
複数の同一基板と、
前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムと、
前記第1の制御プログラムを前記基板にダウンロードする第2の制御プログラムと、
前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する第3の制御プログラムとを備え、
前記第3の制御プログラムによって、ダウンロードすべき第1の制御プログラムが決定されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記基板にダウンロード済みの第1の制御プログラムと、
前記第1の制御プログラム内に含まれる第1の制御プログラムの種別情報とをさらに備え、
前記第1の制御プログラムの種別と前記第3の制御プログラムによって特定された基板の種別とが不一致となった場合に、前記第2の制御プログラムは、前記基板の種別に一致する第1の制御プログラムをダウンロードして上書きすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の同一基板と、
前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムと、
前記第1の制御プログラムを前記基板にダウンロードする第2の制御プログラムと、
前記第1の制御プログラム内に含まれる第1の制御プログラムの種別情報およびダウンロード済みである旨の識別情報と、
他の基板にダウンロード済みの第1の制御プログラム内に含まれる種別情報に基づいて、ダウンロード済みでない基板にダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定する第4の制御プログラムとを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記第3の制御プログラムは、前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、ダウンロードすべき第1の制御プログラムのバージョンを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ダウンロードすべき第1の制御プログラムの種別が他の基板と重複した場合に、デバイスの故障を通知することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項6】
異なる機種の画像形成装置で同一基板を使用する場合に、前記第3の制御プログラムは、基板に接続しているデバイスの状態に基づいて機種を特定し、ダウンロードすべき第1の制御プログラムを決定することを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第3の制御プログラムが自身の基板の種別を特定するために参照するデバイスの状態は、各基板で異なるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
複数の同一基板を有する画像形成装置に、前記各基板の画像形成動作を実行する第1の制御プログラムをダウンロードさせるためのプログラムであって、
前記基板に接続しているデバイスの状態に基づいて、自身の基板の種別を特定する手順と、
前記基板の種別に対応する第1の制御プログラムをダウンロードする手順とを実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−124134(P2010−124134A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294735(P2008−294735)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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