説明

画像形成装置および処理プログラム

【課題】画像の位置合わせ用の基準部の検知精度を向上させる画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写部材の軸方向両端部の内側の設けられ、転写部材が循環移動する方向に延び、回転体の端部と接触して当該転写部材の斜行を規制する規制部と、転写部材における回転体の軸方向一端部の外側の予め設定された位置に設けられ、画像の位置合わせの基準となる第1の基準部と、転写部材の軸方向他端部の外側の予め設定された位置に設けられ、画像の位置合わせの基準となる第2の基準部と、第1の基準部を検知する第1の検知部と、第2の基準部を検知する第2の検知部と、第1の検知部または第2の検知部の検知結果に基づいて画像の位置合わせ制御を行う制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式で画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置において、感光体上に形成したトナー像を中間転写体上に転写(一次転写)した後、印刷用紙等の記録媒体に再転写(二次転写)することで、記録媒体上に画像を形成する構成が従来より知られている。
【0003】
中間転写体を設けた構成におけるフルカラー画像の形成の一方式として、同一のフルカラー画像に対応するY(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(黒)等の各色成分のトナー像を単一の画像形成部で順次形成すると共に、各色成分のトナー像が中間転写体上で互いに重なり合うように各色成分のトナー像を中間転写体上へ順次一次転写するいわゆる4サイクル方式がある。
【0004】
この4サイクル方式の画像形成装置は、中間転写体へのトナー像の一次転写が記録媒体の材質に左右されないなどの特徴を有し、フルカラー画像を形成する際の高画質化に有利である。
【0005】
ところで、4サイクル方式の画像形成装置におけるフルカラー画像形成は、中間転写体としての転写ベルトの軸方向の一端部側に取り付けた基準マーク(反射シール等)を非接触式のフォトセンサで検知し、その検知結果を画像処理における書込み開始のトリガとすることで、色間の副走査方向の画素の位置合わせを行っている。
【0006】
ここで、高精度な検知を行うためには基準マークの姿勢とフォトセンサの作動距離とを安定させることが重要となる。
【0007】
4サイクル方式の画像形成装置に関する技術は、例えば特開2006−64777号公報など種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−64777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、画像の位置合わせ用の基準部の検知精度を向上させることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る画像形成装置は、循環移動が自在に構成され、画像が転写される転写部材と、前記転写部材が巻き掛けられる回転体と、前記転写部材における前記回転体の軸方向両端部の内側に設けられ、当該転写部材が循環移動する方向に延び、前記回転体の端部に設けられる案内部と接触して当該転写部材の斜行を規制する規制部と、前記転写部材における前記回転体の軸方向一端部の外側の予め設定された位置に設けられ、前記画像の位置合わせの基準となる第1の基準部と、前記転写部材における前記回転体の軸方向他端部の外側の予め設定された位置に設けられ、前記画像の位置合わせの基準となる第2の基準部と、前記第1の基準部を検知する第1の検知部と、前記第2の基準部を検知する第2の検知部と、前記第1の検知部または前記第2の検知部の検知結果に基づいて前記画像の位置合わせ制御を行う制御部とを備え、前記第1の基準部および前記第2の基準部が設けられる位置は、前記規制部材と前記案内部とが接触した状態において、斜行方向と反対側にある前記第1の検知部または前記第2の検知部の何れか一方のみで前記第1の基準部または前記第2の基準部を検知し、且つ、前記規制部材と前記案内部とが接触しない状態において、前記第1の検知部および前記第2の検知部が共に前記第1の基準部または前記第2の基準部を検知する位置であることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明に係る画像形成装置は、請求項1に記載の発明について、前記第1の基準部および前記第2の基準部が設けられる位置は、前記規制部材と前記案内部とが接触した状態において、前記転写部材の斜行方向側にある前記第1の検知部または前記第2の検知部の検知領域よりも軸方向外側となる位置であることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明に係る画像形成装置は、請求項1または請求項2の何れかに記載の発明について、前記第1の基準部および前記第2の基準部は、前記転写部材が循環移動する方向にそれぞれ複数箇所に等間隔で設けられ、且つ、前記第1の基準部および前記第2の基準部は、互いに位相が異なるように設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明に係る画像形成装置は、請求項1から請求項3の何れかに記載の発明について、前記第1の検知部および前記第2の検知部について、前記転写部材の平均周期に対する位置ずれの標準偏差をそれぞれ算出する算出手段を備え、前記制御手段は、前記第1の検知部および前記第2の検知部が共に前記第1の基準部または前記第2の基準部を検知し得る場合には、前記算出手段の算出結果に基づいて、前記標準偏差が小さい方の前記第1の検知部または前記第2の検知部の検知結果に基づいて前記画像の位置合わせ制御を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明に係る画像形成装置は、請求項4に記載の発明について、前記制御手段は、前記第1の検知部または前記第2の検知部の何れか一方のみで前記第1の基準部または前記第2の基準部を検知し得る場合には、当該検知し得る方の前記第1の検知部または前記第2の検知部の検知結果に基づいて前記画像の位置合わせ制御を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明に係る処理プログラムは、第1の検知部および第2の検知部について、転写部材の平均周期に対する位置ずれの標準偏差をそれぞれ算出する算出過程と、第1の検知部および第2の検知部が共に第1の基準部または第2の基準部を検知し得る場合には、算出過程の算出結果に基づいて、前記標準偏差が小さい方の第1の検知部または第2の検知部の検知結果に基づいて画像の位置合わせ制御を行い、第1の検知部または第2の検知部の何れか一方のみで第1の基準部または第2の基準部を検知し得る場合には、当該検知し得る方の第1の検知部または第2の検知部の検知結果に基づいて画像の位置合わせ制御を行う制御過程とを演算手段に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0017】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、転写部材に斜行が発生していない状態および斜行が発生した状態における画像の位置合わせ用の基準部の検知精度を向上させる画像形成装置を提供することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、転写部材に斜行が発生していない状態における画像の位置合わせ用の基準部の検知精度をより向上させる画像形成装置を提供することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、転写部材に巻き癖がついた場合における画像の位置合わせ用の基準部の検知精度を向上させる画像形成装置を提供することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、装置構成を大型化することなく画像の位置合わせ用の基準部の検知精度を向上させる画像形成装置を提供することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、装置構成を大型化することなく画像の位置合わせ用の基準部の検知精度をより向上させる画像形成装置を提供することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像の位置合わせ用の基準部の検知精度を向上させる処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図4】転写ベルトの斜行の有無と第1の基準マークまたは第2の基準マークの検知状況との関係を示す説明図である。
【図5】転写ベルトの斜行の有無と第1の基準マークまたは第2の基準マークの検知状況との関係を示す説明図である。
【図6】転写ベルトの斜行の有無と第1の基準マークまたは第2の基準マークの検知状況との関係を示す説明図である。
【図7】フォトセンサの選択処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態を適用した場合の色ずれの例を示すグラフである。
【図9】本実施の形態を適用しない場合の色ずれの例を示すグラフである。
【図10】比較対象の要部の構成を示す構成図である。
【図11】比較対象の要部の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0025】
本発明についての実施の形態に係る画像形成装置について説明する前に、図10、図11を参照して比較対象となる例について述べる。
【0026】
一般的に、4サイクル方式の画像形成装置におけるフルカラー画像形成は、中間転写体としての転写ベルト100の軸方向の端部側に取り付けた反射シール等で構成される基準マーク200を非接触式のフォトセンサ(図示せず)で検知し、その検知結果を画像処理における書込み開始のトリガとすることで、色間の副走査方向の画素の位置合わせを行っているが、高精度な検知を行うために、基準マークの姿勢とフォトセンサの作動距離とを安定させる必要があった。
【0027】
そこで、図10に示す比較対象では、基準マーク200を設けた部位の転写ベルト100の背面をロール102で支えて、検知精度を向上させようとしている。
【0028】
なお、図10および図11において、符号101は、転写ベルト100の軸方向両端部の内側に設けられ、ロール102の端部に設けられるリブガイド103と接触して転写ベルト100の斜行を規制するリブ(規制部)である。また、符号300は、フォトセンサの検知領域を示す。
【0029】
ここで、図10の(a)は転写ベルト100が矢印A側に斜行した状態を、(b)は転写ベルト100が矢印B側に斜行した状態を示す。
【0030】
図10の(a)、(b)に示すように、この比較対象の構成によれば、転写ベルト100が矢印A、Bの何れの方向に斜行しても、フォトセンサの検知領域300内に基準マーク200が位置するため基準マークの姿勢とフォトセンサの作動距離とが安定し、検知精度が向上される。
【0031】
しかしながら、この構成では、基準マーク200を設けた部位の転写ベルト100の背面をロール102で常に支えるために、ロール102の長さを「画像形成幅+基準マークの軸方向の長さ+斜行による転写ベルトの軸方向移動量」以上とする必要があり、画像形成装置自体のサイズが大きくなってしまうという難点があった。
【0032】
一方、図11に示す比較対象では、ロール102の軸方向長の外側における転写ベルト100上に基準マークを設けている。
【0033】
この構成では、画像形成装置自体のサイズが大きくなることは避けられるが、転写ベルト100の端部の変形による検知バラツキが発生してしまうという不都合があった。
【0034】
より具体的には、図11の(a)に示すように矢印A側に斜行した場合に発生する基準マーク200の変形部210または図11の(b)に示すように矢印B側に斜行した場合に発生する基準マーク200の変形部211において、フォトセンサへ入射されるべき光の一部が乱反射され、フォトセンサへの入射光量が変化してしまう。
【0035】
このようなフォトセンサへの入射光量の変化により、結果的に画像ずれを生じるなどの不具合が発生する。
【0036】
そこで、本発明者は、上記課題を解消すべく鋭意研究の結果、本発明に係る画像形成装置を案出するに至った。
【0037】
図1から図9を参照して、本発明についての実施の形態に係る画像形成装置PR1について説明する。
【0038】
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置PR1の全体構成は、上下方向の下側から上側へ向けて、記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上側に設けられ、用紙収容部12から供給される記録用紙Pに画像を形成する画像形成部14と、画像形成部14の上側に設けられ、原稿Gを読み取る原稿読取部16と、画像形成部14内に設けられ、画像形成装置PR1の各部の動作を制御する制御部20とを含んで構成されている。
【0039】
用紙収容部12には、それぞれサイズの異なる記録用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、第3収容部26が設けられている。
【0040】
第1収容部22、第2収容部24、第3収容部26には、それぞれ収容された記録用紙Pを画像形成装置PR1内の搬送路28へ送り出す送出ロール32が設けられている。
【0041】
そして、各送出ロール32よりも下流側の搬送路28には、記録用紙Pを1枚ずつ搬送する一対の搬送ロール34、36がそれぞれ設けられている。
【0042】
さらに、第3収容部26の搬送ロール36よりも下流側には、後述する反転搬送路29から送られて来た記録用紙Pが搬送路28に合流されて搬送されるように、一対の搬送ロール50が設けられている。
【0043】
そして、その搬送ロール50よりも下流側には、記録用紙Pを一旦停止させると共に、予め決められたタイミングで、後述する二次転写位置へ送り出す位置合わせロール38が設けられている。
【0044】
なお、搬送ロール50を含む上流側の搬送路28は、上下方向に直線状に形成されている。また、位置合わせロール38を含む下流側の搬送路28は、画像形成部14の左側から右側、即ち装置本体10Aの右側面に設けられた排紙部15まで略直線状に形成されている。さらに、位置合わせロール38を含む下流側の搬送路28の下側には、記録用紙Pが反転されて搬送される反転搬送路29が設けられている。
【0045】
反転搬送路29には、搬送路28から反転搬送路29へ記録用紙Pを案内する第1案内部材31と、画像形成部14の右側下部から用紙収容部12の右側下部まで上下方向に直線状に設けられた反転部30と、反転部30に搬送された記録用紙Pを反転部30から後述する搬送部37へ案内する第2案内部材35と、第2案内部材35によって案内された記録用紙Pを搬送する搬送部37とを有している。
【0046】
なお、この搬送部37の下流側は、第3収容部26の搬送ロール36と搬送ロール50との間における搬送路28に合流されるようになっている。そして、反転部30には、一対の搬送ロール42が予め決められた間隔を隔てて複数箇所に設けられており、搬送部37には、一対の搬送ロール44が予め決められた間隔を隔てて複数箇所に設けられている。
【0047】
第1案内部材31は、略三角柱状とされており、図示しない駆動手段によって先端部が搬送路28又は反転搬送路29の何れか一方に移動されることで、記録用紙Pを搬送路28又は反転搬送路29へ案内するようになっている。
【0048】
同様に、第2案内部材35も、略三角柱状とされており、図示しない駆動手段によって先端部が反転部30又は搬送部37の何れか一方に移動されることで、記録用紙Pを反転部30又は搬送部37へ案内するようになっている。
【0049】
また、装置本体10Aの左側面には、折り畳み式の手差給紙部46が設けられている。手差給紙部46から供給された記録用紙Pは、搬送ロール48によって搬送され、搬送ロール50よりも下流側で、かつ位置合わせロール38よりも上流側の搬送路28に合流されるようになっている。
【0050】
原稿読取部16は、原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置52と、原稿搬送装置52の下側に配置され、1枚の原稿Gが載せられるプラテンガラス54と、原稿搬送装置52によって搬送された原稿Gまたはプラテンガラス54に載せられた原稿Gを読み取る原稿読取装置56とを有している。
【0051】
原稿搬送装置52は、一対の搬送ロール58が複数配置された自動搬送路55を有しており、自動搬送路55の一部は、記録用紙Pがプラテンガラス54上を通るように配置されている。また、原稿読取装置56は、プラテンガラス54の左端部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された原稿Gを読み取るか、または右方向に移動しながらプラテンガラス54に載せられた原稿Gを読み取るようになっている。
【0052】
画像形成部14は、装置本体10Aの略中央に、装置本体10Aの手前側から奥側に向かう方向が軸方向とされて配置された円筒状の感光体62を有している。
【0053】
この感光体62は、図示しない駆動手段によって矢印R方向(図示の時計回り)に回転駆動されるとともに、光照射によって形成される静電潜像を保持するようになっている。また、感光体62の上方で、かつ感光体62の表面(外周面)と対向する位置には、感光体62の表面を帯電するコロトロン方式の帯電部材64が設けられている。
【0054】
帯電部材64よりも感光体62の回転方向下流側で、かつ感光体62の表面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、LEDで構成されており、帯電部材64によって帯電した感光体62の表面に、各トナー色に対応した画像信号に基づいて光を照射(露光)し、静電潜像を形成するようになっている。
【0055】
なお、露光装置66はLED方式に限らず、例えば、レーザー光をポリゴンミラーで走査するものであってもよい。また、露光装置66によって光が照射される部位よりも感光体62の回転方向下流側には、感光体62の表面に形成された静電潜像を、予め決められた各色のトナーで現像して可視化させる回転切替方式の現像装置70が設けられている。
【0056】
この現像装置70は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナ一色にそれぞれ対応する現像器(図示省略)を有している。各現像器は、周方向に並んで配置されており、回転駆動源であるモーター(図示省略)によって中心角で60°ずつ回転することで切り替えられ、感光体62の表面と対向するようになっている。
【0057】
なお、第1特別色(E)及び第2特別色(F)とは、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)以外の特別色(透明を含む)から選択される色であり、第1特別色(E)及び第2特別色(F)を使用する場合には、Y、M、C、K、E、Fの6色で画像が形成されるようになっている。
【0058】
また、Y、M、C、Kの4色と第1特別色(E)又は第2特別色(F)の5色で画像を形成するようにしてもよいし、第1特別色(E)及び第2特別色(F)を除く4色で画像を形成するようにしてもよい。
【0059】
現像装置70よりも感光体62の回転方向下流側で、かつ感光体62の下側には、感光体62の表面に形成されたトナー画像が一次転写される転写装置の一例としての中間転写ユニット60が設けられている。
【0060】
中間転写ユニット60は、矢印C方向(図示の反時計回り)に循環移動する像保持体の一例としての無端状の転写ベルト100(中間転写ベルト:転写部材の一例)を有している。
【0061】
この転写ベルト100は、制御部20により回転駆動される駆動ロール61と、転写ベルト100に張力を付与するための張力付与ロール63と、転写ベルト100の裏面(内周面)に接触して従動回転する複数の搬送ロール(張力付与ロール)65と、後述する二次転写位置において転写ベルト100の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。
【0062】
また、転写ベルト100を挟んで感光体62の反対側には、感光体62の表面に形成されたトナー画像を転写ベルト100の表面(外周面)に一次転写させるための一次転写ロール67が設けられている。
【0063】
この一次転写ロール67は、感光体62と転写ベルト100とが接触する位置から転写ベルト100の移動方向下流側に離れた位置で、転写ベルト100の裏面に接触している。 そして、一次転写ロール67は、図示しない電源から通電されることにより、接地されている感光体62との電位差で、感光体62のトナー画像を転写ベルト100の表面に一次転写するようになっている。
【0064】
また、一次転写ロール67よりも感光体62の回転方向下流側には、転写ベルト100の表面に一次転写されずに、感光体62の表面に残留している残留トナー等を除去するクリーニング装置74が設けられている。
【0065】
さらに、転写ベルト100の端部には、画像の位置合わせの基準となる反射シール等で構成される第1の基準マークおよび第2の基準マーク(ともに図には現れない)が設けられ、その通過位置に対向させて第1のフォトセンサSN1および第2のフォトセンサSN2が設けられている。
【0066】
また、図1で示すように、二次転写位置よりも下流側には、二次転写ロール72によってトナー画像が転写された記録用紙Pに、そのトナー画像を定着させる定着装置80が設けられている。定着装置80は、通電により発熱する熱源を有するとともに、記録用紙Pのトナー画像面側(上側)に配置される加熱ロール82と、加熱ロール82の下側に配置され、記録用紙Pを加熱ロール82の外周面に向けて加圧する加圧ロール84とで構成されている。
【0067】
なお、定着装置80の下流側には、排紙部15又は反転部30へ向けて記録用紙Pを搬送する搬送ロール40が設けられている。また、原稿読取装置56の下側で現像装置70よりも上側には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナーを収容するトナーカートリッジ78Y、78M、78C、78K、78E、78Fが水平方向に並んで交換するように設けられている。
【0068】
また、二次転写後に、記録用紙Pに転写されずに転写ベルト100の表面に残留している残留トナーを除去して回収する清掃装置の一例としてのクリーニング装置150が設けられている。
【0069】
次に、図2および図3を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置PR1の要部の構成について説明する。
【0070】
図2および図3に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置PR1の要部は、循環移動が自在に構成され、画像を転写するポリイミド等で形成される帯状の転写ベルト100(転写部材の一例)と、転写ベルト100を巻き掛ける金属製のロール61、63等(回転体の一例)と、転写ベルト100の軸方向両端部の内側に設けられ、転写ベルト100が循環移動する方向に延び、ロール61、65等の端部に設けられる樹脂製のリブガイド250(案内部の一例)と接触して転写ベルト100の斜行を規制するリブ101a、101b(規制部の一例)とを備える。
【0071】
なお、特には限定されないが、リブ101a、101bは、幅5mm、厚さ1mmのウレタンゴム等で構成される。
【0072】
また、転写ベルト100における前記回転体の軸方向一端部の外側の予め設定された位置に設けられ、画像の位置合わせの基準となる反射シール等で構成される第1の基準マーク(第1の基準部の一例)200a(200a1、200a2・・・)と、転写ベルト100の軸方向他端部の外側の予め設定された位置に設けられ、画像の位置合わせの基準となる反射シール等で構成される第2の基準マーク(第2の基準部の一例)200b(200b1、200b2・・・)とを備える。
【0073】
なお、特には限定されないが、第1の基準マーク200aおよび第2の基準マーク200bは、12×12mmの反射テープで構成される。
【0074】
また、図3に示すように、本実施の形態においては、第1の基準マーク200aおよび第2の基準マーク200bは、転写ベルト100を円筒状に保った状態において、円周方向に90度ずつの等間隔で各4つずつ設けられる。
【0075】
また、図3に示すように、本実施の形態においては、第1の基準マーク200a1、200a2、200a3、200a4(図2および図3では、200a1、200a2のみが見えている)と、第2の基準マーク200b1、200b2、200b3、200b4(図2および図3では、200a1、200a2のみが見えている)は、互いに位相が45度ずれるようになっている。
【0076】
なお、位相のずれは、45度に限らず任意の角度であってもよい。
【0077】
これにより、画像形成装置PR1を稼働させない状態において、転写ベルト100に巻き癖がついた場合における第1の基準マーク200aおよび第2の基準マーク200bの検知精度が向上される。
【0078】
さらに、第1の基準マーク200aからの反射光を検知する第1のフォトセンサSN1(第1の検知部の一例)と、第2の基準マーク200bからの反射光を検知する第2のフォトセンサSN2(第2の検知部の一例)とを備える。
【0079】
ここで、第1の基準マーク200aおよび第2の基準マーク200bが設けられる位置は、リブ101aまたはリブ101bとロール61、65等のリブガイド250とが接触した状態(即ち、転写ベルト100に矢印A方向または矢印B方向の斜行が発生した状態)において、斜行方向と反対側にある第1のフォトセンサSN1または第2のフォトセンサSN2の何れか一方のみで第1の基準マーク200aまたは第2の基準マーク200bを検知し、且つ、リブ101aおよびリブ101bとロール61、65等のリブガイド250とが接触しない状態(即ち、転写ベルト100に斜行が発生していない状態)において、第1のフォトセンサSN1および第2のフォトセンサSN2が共に第1の基準マーク200aまたは第2の基準マーク200bを検知する位置とされている。
【0080】
本実施の形態において、より具体的には、転写ベルト100に矢印A方向の斜行が発生した場合には、このA方向と反対側に位置する第2のフォトセンサSN2のみが第2の基準マーク200bを検知し、転写ベルト100に矢印B方向の斜行が発生した場合には、このB方向と反対側に位置する第1のフォトセンサSN1のみが第1の基準マーク200aを検知する位置とされ、さらに、転写ベルト100に斜行が発生していない状態において、第1のフォトセンサSN1が第1の基準マーク200aを検知すると共に、第2のフォトセンサSN2が第2の基準マーク200bを検知する位置とされる。
【0081】
さらに、第1の基準マーク200aおよび第2の基準マーク200bが設けられる位置は、リブ101aまたはリブ101bとロール61、65等の端部とが接触した状態(即ち、転写ベルト100に矢印A方向または矢印B方向の斜行が発生した状態)において、転写ベルト100の斜行方向側にある第1のフォトセンサSN1または第2のフォトセンサSN2の検知領域よりも軸方向外側となる位置としてもよい。
【0082】
また、図2に示すように、第1のフォトセンサSN1および第2のフォトセンサSN2について、転写ベルト100の平均周期に対する位置ずれの標準偏差をそれぞれ算出する標準偏差算出部500(算出手段の一例)と、第1のフォトセンサSN1および第2のフォトセンサSN2が共に第1の基準マーク200aまたは第2の基準マーク200bを検知する場合には、標準偏差算出部500の算出結果に基づいて、標準偏差が小さい方の第1のフォトセンサSN1または第2のフォトセンサSN2の検知結果に基づいて画像の位置合わせ制御を行うマイクロコンピュータ等で構成される制御装置501(制御手段の一例)とを備える。
【0083】
また、本実施の形態において、制御装置501は、第1のフォトセンサSN1または第2のフォトセンサSN2の何れか一方のみで第1の基準マーク200aまたは第2の基準マーク200bを検知する場合には、検知する方の第1のフォトセンサSN1または第2のフォトセンサSN2の検知結果に基づいて画像の位置合わせ制御を行うようになっている。
【0084】
上記構成を備える本実施の形態に係る画像形成装置PR1によれば、上述の比較対象に比して、装置のサイズを大型化することなく第1の基準マーク200aおよび第2の基準マーク200bの検知精度が向上される。
【0085】
次に、図4から図6を参照して、本実施の形態における転写ベルト100の斜行の有無と第1の基準マーク200aまたは第2の基準マーク200bの検知状況との関係について述べる。
【0086】
まず、図4の(a)は、リブ101aおよびリブ101bとロール65等のリブガイド250とが接触しない状態(即ち、転写ベルト100に斜行が発生していない状態)を示す。
【0087】
なお、特には限定されないが、ここに示す例では、第1の基準マーク200aおよび第2の基準マーク200bは12×12mm、第1のフォトセンサSN1および第2のフォトセンサSN2の検知領域(センサスポット)300は直径7mm、ロール65は直径33.6mm、リブガイド250の幅は2mmとされる。
【0088】
この状態において、検知領域300の直径Dと、第1の基準マーク200aまたは第2の基準マーク200bの副走査方向の長さL1と、検知される反射光の最小領域600と、この最小領域が検知されるまでの副走査方向の距離L2との関係は、図4の(b)に示すようになる。
【0089】
この場合の第1のフォトセンサSN1および第2のフォトセンサSN2の出力波形(縦軸は電圧V、横軸は時間t)は、図4の(c)に示すようになる。
【0090】
また、この場合に、2値化閾値(スレッシュホールド)Eを下回る時間は、L1+D−2×L2となり、充分な検知出力が得られて、第1のフォトセンサSN1または第2のフォトセンサSN2の検知結果に基づいて高精度の色合わせが行われる。
【0091】
なお、第1のフォトセンサSN1または第2のフォトセンサSN2の何れを選択するかの具体的な処理については後述する。
【0092】
図5の(a)は、リブ101aとロール65等のリブガイド250とが接触した状態(即ち、転写ベルト100に矢印B方向の斜行が発生した状態)における第1の基準マーク200a側の状態を示す。
【0093】
この状態において、検知領域300の直径Dと、第1の基準マーク200aの副走査方向の長さL1と、検知される反射光の最小領域600と、この最小領域が検知されるまでの副走査方向の距離L3との関係は、図5の(b)に示すようになる。
【0094】
この場合の第1のフォトセンサSN1の出力波形(縦軸は電圧V、横軸は時間t)は、図5の(c)に示すようになる。
【0095】
また、この場合に、2値化閾値(スレッシュホールド)Eを下回る時間は、L1+D−2×L3となり、充分な検知出力が得られる。
【0096】
一方、図6の(a)は、図5の(a)のようにリブ101aとロール65等のリブガイド250とが接触した状態(即ち、転写ベルト100に矢印B方向の斜行が発生した状態)における第2の基準マーク200b側の状態を示す。
【0097】
この状態において、検知領域300の直径Dと、第2の基準マーク200bの副走査方向の長さL1と、検知される反射光の最小領域600と、この最小領域が検知されるまでの副走査方向の距離L3(なお、このケースでは検知不可能であり、L3は図示していない)との関係は、図6の(b)に示すようになる。
【0098】
この場合の第2のフォトセンサSN2の出力波形(縦軸は電圧V、横軸は時間t)は、図6の(c)に示すようになり、2値化閾値(スレッシュホールド)Eを下回る領域は無いので、第2のフォトセンサSN2によっては第2の基準マーク200bは検知されないこととなる。
【0099】
したがって、図5、図6に示す場合には、第1のフォトセンサSN1の検知結果に基づいて高精度の色合わせが行われる。
【0100】
一方、リブ101bとロール65等のリブガイド250とが接触した場合(即ち、転写ベルト100に矢印A方向の斜行が発生した場合)については、第2のフォトセンサSN2の出力波形が図5の(c)のようになり、且つ、第1のフォトセンサSN1の出力波形が図6の(c)のようになる。
【0101】
この場合には、第2のフォトセンサSN2の検知結果に基づいて高精度の色合わせが行われる。
【0102】
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施の形態に係る画像形成装置PR1で実行されるフォトセンサの選択処理の処理手順について説明する。
【0103】
この処理が開始されると、まずステップS10で転写ベルト100の速度が予め設定された速度で安定するまで待機し、速度が安定するとステップS11に移行する。
【0104】
ステップS11では、第1のフォトセンサSN1は第1の基準マーク200aを検知しているか否かが判定され、「No」の場合にはステップS16に移行して、画像の位置合わせを行うために第2のフォトセンサSN2を選択して処理を終了する。
【0105】
また、「Yes」の場合にはステップS12に移行して、第2のフォトセンサSN2は第2の基準マーク200bを検知しているか否かが判定される。
【0106】
判定結果が「No」の場合には、ステップS15に移行して、画像の位置合わせを行うために第1のフォトセンサSN1を選択して処理を終了する。
【0107】
また、判定結果が「Yes」の場合にはステップS13に移行して、第1のフォトセンサSN1と第2のフォトセンサSN2の検知精度を測定する。
【0108】
具体的には、標準偏差算出部500で第1のフォトセンサSN1と第2のフォトセンサSN2について、転写ベルト100の平均周期に対する位置ずれの標準偏差をそれぞれ算出する。
【0109】
次いで、ステップS14では、算出した位置ずれの標準偏差に基づいて、第1のフォトセンサSN1の方が検知精度が高いか否かが判定され、「No」の場合にはステップS16に移行して、画像の位置合わせを行うために第2のフォトセンサSN2を選択して処理を終了する。
【0110】
また、「Yes」の場合には、ステップS15に移行して、画像の位置合わせを行うために第1のフォトセンサSN1を選択して処理を終了する。
【0111】
ここで、図8に本実施の形態を適用した場合の色ずれの例、図9に本実施の形態を適用しなかった場合の色ずれの例を示す。
【0112】
図8の(ロ)および(ハ)を見れば分かるように、本実施の形態を適用した場合にはYMCKの4色間の色ずれは比較的小さくなっており、図8の(ニ)に示すように、Y−K、M−K、C−Kの各色間の色ずれは10μm以下に抑えられていることが分かる。
【0113】
一方、図9の(ロ)および(ハ)を見れば分かるように、本実施の形態を適用しない場合にはYMCKの4色間の色ずれは比較的大きくなっており、図9の(ニ)に示すように、Y−K、M−K、C−Kの各色間の色ずれは60μm程度となっている。
【0114】
このように、本実施の形態に係る画像形成装置PR1は、装置本体を大型化することなく、色ずれの抑制に有効である。
【0115】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0116】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。
【0117】
即ち、画像処理プログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0118】
例えば、所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、この所定のプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0119】
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0120】
さらには、画像形成装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、この所定のプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この所定のプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明による画像形成装置および処理プログラムは、プリンタや複合機等に適用することができる。
【符号の説明】
【0122】
PR1 画像形成装置
SN1 第1のフォトセンサ
SN2 第2のフォトセンサ
12 用紙収容部
14 画像形成部
15 排紙部
16 原稿読取部
20 制御部
22 収容部
24 収容部
26 収容部
28 搬送路
29 反転搬送路
30 反転部
31 案内部材
32 送出ロール
34 搬送ロール
35 案内部材
36 搬送ロール
37 搬送部
38 ロール
40 搬送ロール
42 搬送ロール
44 搬送ロール
46 手差給紙部
48 搬送ロール
50 搬送ロール
52 原稿搬送装置
54 プラテンガラス
55 自動搬送路
56 原稿読取装置
58 搬送ロール
60 中間転写ユニット
61 駆動ロール
62 感光体
63 張力付与ロール
64 帯電部材
65 搬送ロール
66 露光装置
67 一次転写ロール
69 補助ロール
70 現像装置
72 二次転写ロール
74 クリーニング装置
78 トナーカートリッジ
80 定着装置
82 加熱ロール
84 加圧ロール
100 転写ベルト
101a、101b リブ
102 ロール
103 リブガイド
150 クリーニング装置
200a 第1の基準マーク
200b 第2の基準マーク
210、211 変形部
250 リブガイド
300 検知領域
500 標準偏差算出部
501 制御装置
600 反射光の最小領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環移動が自在に構成され、画像が転写される転写部材と、
前記転写部材が巻き掛けられる回転体と、
前記転写部材における前記回転体の軸方向両端部の内側に設けられ、当該転写部材が循環移動する方向に延び、前記回転体の端部に設けられる案内部と接触して当該転写部材の斜行を規制する規制部と、
前記転写部材における前記回転体の軸方向一端部の外側の予め設定された位置に設けられ、前記画像の位置合わせの基準となる第1の基準部と、
前記転写部材における前記回転体の軸方向他端部の外側の予め設定された位置に設けられ、前記画像の位置合わせの基準となる第2の基準部と、
前記第1の基準部を検知する第1の検知部と、
前記第2の基準部を検知する第2の検知部と、
前記第1の検知部または前記第2の検知部の検知結果に基づいて前記画像の位置合わせ制御を行う制御部と、
を備え、
前記第1の基準部および前記第2の基準部が設けられる位置は、
前記規制部材と前記案内部とが接触した状態において、斜行方向と反対側にある前記第1の検知部または前記第2の検知部の何れか一方のみで前記第1の基準部または前記第2の基準部を検知し、且つ、前記規制部材と前記案内部とが接触しない状態において、前記第1の検知部および前記第2の検知部が共に前記第1の基準部または前記第2の基準部を検知する位置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の基準部および前記第2の基準部が設けられる位置は、
前記規制部材と前記案内部とが接触した状態において、前記転写部材の斜行方向側にある前記第1の検知部または前記第2の検知部の検知領域よりも軸方向外側となる位置であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の基準部および前記第2の基準部は、前記転写部材が循環移動する方向にそれぞれ複数箇所に等間隔で設けられ、且つ、前記第1の基準部および前記第2の基準部は、互いに位相が異なるように設けられることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の検知部および前記第2の検知部について、前記転写部材の平均周期に対する位置ずれの標準偏差をそれぞれ算出する算出手段を備え、
前記制御手段は、
前記第1の検知部および前記第2の検知部が共に前記第1の基準部または前記第2の基準部を検知し得る場合には、前記算出手段の算出結果に基づいて、前記標準偏差が小さい方の前記第1の検知部または前記第2の検知部の検知結果に基づいて前記画像の位置合わせ制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記第1の検知部または前記第2の検知部の何れか一方のみで前記第1の基準部または前記第2の基準部を検知し得る場合には、当該検知し得る方の前記第1の検知部または前記第2の検知部の検知結果に基づいて前記画像の位置合わせ制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
第1の検知部および第2の検知部について、転写部材の平均周期に対する位置ずれの標準偏差をそれぞれ算出する算出過程と、
第1の検知部および第2の検知部が共に第1の基準部または第2の基準部を検知し得る場合には、算出過程の算出結果に基づいて、前記標準偏差が小さい方の第1の検知部または第2の検知部の検知結果に基づいて画像の位置合わせ制御を行い、
第1の検知部または第2の検知部の何れか一方のみで第1の基準部または第2の基準部を検知し得る場合には、当該検知し得る方の第1の検知部または第2の検知部の検知結果に基づいて画像の位置合わせ制御を行う制御過程と、
を演算手段に実行させることを特徴とする処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−98680(P2012−98680A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248725(P2010−248725)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】