説明

画像形成装置及びトナー補給方法

【課題】必要な分量のトナーを精度よく補給する。
【解決手段】貯留しているトナーを用いて感光体ドラム上の静電潜像を現像する現像部と、現像により消費されるトナー消費量を算出する算出部110と、現像部に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知部と、現像部に貯留されているトナー量が第2閾値であることを検知する第2検知部と、第1閾値であることが検知されてから第2閾値であることが検知されるまでの期間内に算出部110により算出されたトナー消費量の合計である第1トナー消費量と、第1閾値及び第2閾値から定まるトナー量であって期間内に実際に消費されたトナー量である第2トナー消費量とを用いて、補正値を算出する制御部130と、を備え、算出部110は、新たに算出するトナー消費量を、補正値を用いて算出し、制御部130は、新たに算出されたトナー消費量と同量のトナーをトナー補給部から現像部に補給させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びトナー補給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、トナー容器から現像部にトナーが補給され、現像部が現像部内のトナーを用いて感光体ドラム上の静電潜像を現像しトナー像を形成する。
【0003】
トナー容器から補給されるトナーと現像部内のトナーとでは劣化状態が異なるため、その比率が大きく崩れると、現像プロセスが不安定になる。この結果、例えば、地肌汚れ(地カブリ)や濃度変動などが生じてしまう。このため、このような画像形成装置では、消費されたトナー量に見合った適切な分量のトナーを、トナー容器から現像部へ正確に補給できることが望まれている。
【0004】
例えば特許文献1には、現像装置の現像に伴うトナー消費量を算出するとともに、現像装置内のトナー量を2レベルで検知し、トナー量が少ないレベルで検知された場合にトナー消費量よりも多い量のトナーをトナー容器から現像装置へ補給し、トナー量が多いレベルで検知された場合にトナー消費量よりも少ない量のトナーをトナー容器から現像装置へ補給する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような従来技術では、現像により実際に消費されるトナー消費量と現像により消費されると予測されるトナー消費量との誤差を考慮してトナーを補給しているものの、その誤差の大きさを正確に把握できていない。このため上述したような従来技術では、必要な分量のトナーを精度よく補給することが困難であった。
【0006】
本発明は、必要な分量のトナーを精度よく補給することができる画像形成装置及びトナー補給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様にかかる画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体と、トナーを貯留し、貯留しているトナーを用いて前記像担持体上の前記静電潜像を現像する現像部と、前記現像により消費されるトナー消費量を算出する算出部と、前記現像部に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知部と、前記現像部に貯留されているトナー量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値であることを検知する第2検知部と、前記第1閾値であることが検知されてから前記第2閾値であることが検知されるまでの期間内に前記算出部により算出されたトナー消費量の合計である第1トナー消費量と、前記第1閾値及び前記第2閾値から定まるトナー量であって前記期間内に実際に消費されたトナー量である第2トナー消費量とを用いて、補正値を算出する制御部と、を備え、前記算出部は、新たに算出するトナー消費量を、前記補正値を用いて算出し、前記制御部は、新たに算出された前記トナー消費量と同量のトナーをトナー補給部から前記現像部に補給させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の態様にかかる画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体と、トナーを貯留し、貯留しているトナーを用いて前記像担持体上の前記静電潜像を現像する現像部と、前記現像部に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知部と、前記現像部に貯留されているトナー量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値であることを検知する第2検知部と、前記第2閾値であることが検知されてから前記第1閾値であることが検知されるまでの期間トナー補給部から前記現像部へトナーを補給させ、前記期間及び単位時間当たりの単位トナー補給量から定まる第1トナー補給量と、前記第1閾値及び前記第2閾値から定まるトナー量であって前記期間内に実際に補給されたトナー量である第2トナー補給量とを用いて、補正値を算出する制御部と、前記現像により消費されるトナー消費量を算出する算出部と、を備え、前記制御部は、前記単位トナー補給量及び前記補正値を用いて、前記トナー消費量と同量のトナーの補給に必要な補給時間を算出し、算出した前記補給時間前記トナー補給部から前記現像部へトナーを補給させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の態様にかかるトナー補給方法は、像担持体上に形成された静電潜像を貯留部に貯留されているトナーを用いて現像する現像ステップと、前記現像により消費されるトナー消費量を算出する第1消費量算出ステップと、前記貯留部に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知ステップと、前記貯留部に貯留されているトナー量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値であることを検知する第2検知ステップと、前記第1閾値であることが検知されてから前記第2閾値であることが検知されるまでの期間内に前記第1消費量算出ステップにより算出されたトナー消費量の合計である第1トナー消費量と、前記第1閾値及び前記第2閾値から定まるトナー量であって前記期間内に実際に消費されたトナー量である第2トナー消費量とを用いて、補正値を算出する補正値算出ステップと、新たに算出するトナー消費量を、前記補正値を用いて算出する第2消費量算出ステップと、新たに算出された前記トナー消費量と同量のトナーをトナー補給部から前記貯留部に補給させる補給ステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の別の態様にかかるトナー補給方法は、像担持体上に形成された静電潜像を貯留部に貯留されているトナーを用いて現像する現像ステップと、前記貯留部に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知ステップと、前記貯留部に貯留されているトナー量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値であることを検知する第2検知ステップと、前記第2閾値であることが検知されてから前記第1閾値であることが検知されるまでの期間トナー補給部から前記貯留部へトナーを補給させ、前記期間及び単位時間当たりの単位トナー補給量から定まる第1トナー補給量と、前記第1閾値及び前記第2閾値から定まるトナー量であって前記期間内に実際に補給されたトナー量である第2トナー補給量とを用いて、補正値を算出する補正値算出ステップと、前記現像により消費されるトナー消費量を算出する消費量算出ステップと、前記単位トナー補給量及び前記補正値を用いて、前記トナー消費量と同量のトナーの補給に必要な補給時間を算出し、算出した前記補給時間前記トナー補給部から前記貯留部へトナーを補給させる補給ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、必要な分量のトナーを精度よく補給することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1実施形態の印刷装置の一例を示す機械的構成図である。
【図2】図2は、第1実施形態の現像装置の一例を示す機械的構成図である。
【図3】図3は、第1実施形態の攪拌部材の一例を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態の攪拌部材の一例を示す図である。
【図5】図5は、劣化トナー及び未劣化トナーの混合割合と地汚れレベルとの関係を示すグラフである。
【図6】図6は、第1実施形態の印刷装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は、第1実施形態の印刷装置で行われる消費量補正係数算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第1実施形態の印刷装置で行われる通常のトナー補給処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第2実施形態の印刷装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図10】図10は、第2実施形態の印刷装置で行われる補給量補正係数算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、第2実施形態の印刷装置で行われる通常のトナー補給処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、各実施形態の印刷装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる画像形成装置及びトナー補給方法の実施形態を詳細に説明する。以下の各実施形態では、本発明の画像形成装置を電子写真方式のカラー印刷装置、具体的には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色の画像を形成する印刷装置に適用した場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。本発明の画像形成装置は、電子写真方式で画像を形成する装置であれば、カラー、モノクロを問わず適用でき、例えば、電子写真方式のファクシミリ装置、複写機、及び複合機(MFP:Multifunction Peripheral)などにも適用できる。なお、複合機とは、印刷機能、複写機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する装置である。
【0014】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の印刷装置の構成について説明する。
【0015】
図1は、第1実施形態の印刷装置1の一例を示す機械的構成図である。図1に示すように、印刷装置1は、画像形成部10と、光走査部30と、中間転写ベルト40と、支持ローラ41、42と、給紙部50と、給紙ローラ51と、パッド52と、搬送ローラ対53と、二次転写ローラ60と、定着部70と、排紙ローラ対80と、排紙台81とを、備える。
【0016】
画像形成部10は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色それぞれに対応したプロセスカードリッジ11Y、11M、11C、及び11Kにより構成される。プロセスカードリッジ11Y、11M、11C、及び11Kは、それぞれ作像部12Y、12M、12C、12Kを有しており、図1に示すように、中間転写ベルト40の移動方向(矢印S方向)の上流側から、作像部12Y、12M、12C、12Kの順番で中間転写ベルト40に沿って配置されている。このように本実施形態の印刷装置1では、中間転写ベルト40に沿って各色の作像部が配列されたいわゆるタンデム方式を用いているが、これに限定されるものではない。
【0017】
作像部12Yは、感光体ドラム13Yと、帯電ローラ14Yと、現像装置20Yと、一次転写ローラ15Yと、クリーニング装置16Yとを、備える。作像部12Y及び光走査部30は、感光体ドラム13Y上で作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、及びクリーニング工程)を行うことにより、感光体ドラム13Y上にイエローのトナー画像を形成し、中間転写ベルト40に転写する。
【0018】
なお、作像部12M、12C、及び12Kは、いずれも作像部12Yと共通の構成要素を備えており、作像部12Mは、作像プロセスを行うことによりマゼンタのトナー画像を形成し、作像部12Cは、作像プロセスを行うことによりシアンのトナー画像を形成し、作像部12Kは、作像プロセスを行うことによりブラックのトナー画像を形成する。このため、以下では、作像部12Yの構成要素についての説明を主に行い、作像部12M、12C、及び12Kの構成要素については、作像部12Yの構成要素の符号に付したYに替えてそれぞれM、C、Kを付すに留め、その説明を省略する。また本実施形態では、トナーは、非磁性の1成分トナーを用いるものとするが、これに限定されるものではない。
【0019】
感光体ドラム13Yは、像担持体であり、図示せぬ感光体ドラム駆動装置により矢印a方向に回転駆動される。
【0020】
まず、帯電工程では、感光体ドラム13Yに当接している帯電ローラ14Yは、回転駆動されている感光体ドラム13Yの表面を暗中にて一様に高電位で初期化帯電する。
【0021】
続いて、露光工程では、光走査部30(露光部の一例)は、感光体ドラム13Yの帯電面に光変調されたレーザ光Lを、図示せぬASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの画像処理部により画像処理が施された画像データに基づき選択的に露光走査し、感光体ドラム13Yの表面にイエローの色成分画像に対応した静電潜像を形成する。この結果、レーザ光Lで露光走査され感光体ドラム13Yの表面部分の電位が減衰した低電位部が静電潜像(画像部)となり、レーザ光Lが照射されず電位が変わらない高電位部が地肌部となる。なお本実施形態では、光走査部30は、LEDA(発光ダイオードアレイ:Light Emitting Diode Array)を用いてレーザ光Lを発光して感光体ドラム13Yを露光し、静電潜像を形成するものとするが、これに限定されるものではない。
【0022】
続いて、現像工程では、現像装置20Yは、感光体ドラム13Y上に形成された静電潜像をイエロートナーで現像し、感光体ドラム13Y上にイエローのトナー画像を形成する。具体的には、現像装置20Yは、感光体ドラム13Yの低電位部にイエロートナーを転移させて静電潜像を可視像化することにより、感光体ドラム13Y上にイエローのトナー像を形成する。なお、現像装置20Yは、感光体ドラム13Yの高電位部にイエロートナーを転移させて、感光体ドラム13Y上にイエローのトナー像を形成してもよい。
【0023】
続いて、転写工程では、一次転写ローラ15Yは、感光体ドラム13Y上に形成されたイエローのトナー画像を中間転写ベルト40に転写する。なお、感光体ドラム13Y上には、トナー画像の転写後においても未転写トナーが僅かながら残存する。
【0024】
続いて、クリーニング工程では、クリーニング装置16Yは、感光体ドラム13Y上に残存している未転写トナーを払拭する。
【0025】
中間転写ベルト40は、支持ローラ41、42などの複数のローラに掛け回されたエンドレスのベルトであり、支持ローラ41、42の一方が回転駆動させられることにより矢印S方向に無端移動する。中間転写ベルト40には、まず、作像部12Yによりイエローのトナー画像が転写され、続いて、作像部12Mによりマゼンタのトナー画像、作像部12Cによりシアンのトナー画像、作像部12Kによりブラックのトナー画像が順次重畳して転写される。これにより、中間転写ベルト40上にフルカラーのトナー画像が形成される。
【0026】
給紙部50には、複数の記録紙が重ね合わせて収容される。給紙ローラ51は、給紙部50の最上部に位置する記録紙に当接されており、当接している記録紙を給紙する。パッド52は、給紙ローラ51により複数枚の記録紙が給紙された場合、1枚の記録紙に分離する。搬送ローラ対53は、給紙ローラ51により給紙された記録紙を、支持ローラ41と二次転写ローラ60との間に所定のタイミングで搬送する。
【0027】
二次転写ローラ60は、中間転写ベルト40により搬送されたフルカラーのトナー画像を、搬送ローラ対53により搬送された記録紙上に一括転写する。
【0028】
定着部70は、フルカラーのトナー像が転写された記録紙を加熱及び加圧することにより、フルカラーのトナー像を記録紙に定着する。
【0029】
排紙ローラ対80は、定着部70によりフルカラーのトナー像が定着された記録紙を排紙台81に排紙する。
【0030】
図2は、第1実施形態の現像装置20Yの一例を示す機械的構成図である。図2に示すように、現像装置20Yは、現像部21と、トナー検知部22と、トナー容器23とを、備える。
【0031】
現像部21は、トナーを貯留し、貯留しているトナーを用いて、感光体ドラム13Y上の静電潜像を現像するものであり、ハウジング210と、現像ローラ211と、供給ローラ212と、現像ブレード213と、攪拌部材214と、透過窓215a、215bと、を備える。
【0032】
ハウジング210(貯留部の一例)は、現像剤として用いられるトナーを貯留する現像槽であり、上部に開口が設けられている。
【0033】
現像ローラ211は、トナー担持体であり、現像工程では、矢印b方向に回転する。これにより、感光体ドラム13Y上の静電潜像をトナーで可視像化する。現像ローラ211は、金属の芯金を有し、外周は体積抵抗値を約10E5〜10E7Ω程度に調整した導電性ゴム(例えば、導電性ウレタンゴムやシリコーンゴム)で構成されている。本実施形態では、現像ローラ211は、ゴム硬度Hs75、芯金径φ6、ゴム部外径φ12とするが、これに限定されるものではない。
【0034】
供給ローラ212は、トナー供給部材であり、現像ローラ211に回転可能に当接されている。供給ローラ212は、例えば、金属製の芯金の外周にカーボンを混合させることで半導電化させた発泡ポリウレタンを付着させたスポンジローラなどが適当である。本実施形態では、供給ローラ212は、芯金径φ6、ゴム部外径φ12であり、現像ローラ211との間のニップが2mm、回転数比が1に設定されているものとするが、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態では、供給ローラ212と現像ローラ211との間の当接ニップを約1〜3mm程度に設定して、供給ローラ212を現像ローラ211に対して矢印c方向に回転させることで、ハウジング210内部のトナーを現像ローラ211の表層まで効率よく搬送する機能が得られる。
【0035】
現像ブレード213は、現像ローラ211に当接されることにより、供給ローラ212により搬送された現像ローラ211表面上のトナーの層厚を所定量に制御し、同時に、現像ローラ211表面上のトナーを摩擦荷電する。本実施形態では、現像ブレード213は、板厚0.1mmのSUS材で構成され、線圧45N/m、ニップ位置が先端から0.2mm、支持端部から自由端までの長さ(自由長)が14mmに設定されているものとするが、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態では、現像ブレード213を金属板で構成でき、現像ブレード213の現像ローラ211に対する当接圧を通常線圧20〜60N/m、当接ニップ位置を現像ブレード213の先端から0.5±0.5mm程度に設定することで、現像ローラ211上に安定したトナー薄層を形成させることができるが、これらの値は、使用するトナー、現像ローラ、供給ローラなどの特性に合わせて適宜決定される。
【0036】
攪拌部材214は、矢印d方向に回転し、ハウジング210内部のトナーを攪拌する。これにより、ハウジング210内部のトナーの粉圧が供給ローラ212に集中し、負荷が大きくなってしまうことを低減できる。図3及び図4に、攪拌部材214の一例を示す。攪拌部材214は、図3に示すように、φ0.8〜2mm程度の金属の棒材の両端を曲げた形状のパドルや、図4に示すように、回転軸とトナーを攪拌するハネ形状とを一体に成型した樹脂製のパドルなどにより実現できる。なお、後述するトナー容器23のトナーほぐし部材であるアジテータと同様の構成のアジテータにより攪拌部材214を実現してもよい。
【0037】
透過窓215a、215bは、ハウジング210の側壁の一部を構成し、対向して配置されている。
【0038】
トナー検知部22は、現像部21内に貯留されているトナー量を検知するセンサであり、現像部21内に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知部220と、現像部21内に貯留されているトナー量が第1閾値よりも小さい第2閾値であることを検知する第2検知部221とを有する。
【0039】
第1検知部220は、透過窓215aの上側に配置された発光素子220aと、透過窓215bの上側に配置された受光素子220bとを備え、第2検知部221は、透過窓215aの下側に配置された発光素子221aと、透過窓215bの下側に配置された受光素子221bとを備える。発光素子220a及び受光素子220bは、発光素子220aから発生した光が透過窓215a、215bを透過して受光素子220bに受光されるように配置され、発光素子221a及び受光素子221bは、発光素子221aから発生した光が透過窓215a、215bを透過して受光素子221bに受光されるように配置されている。
【0040】
ハウジング210内部にトナーが十分残っている場合、発光素子220a、221aから発生した光は、それぞれ、ハウジング210内部のトナーに遮られて受光素子220b、221bまで到達しない。しかし、印刷装置1が印刷動作を繰り返し、ハウジング210内部のトナーの消費が進むと、ハウジング210内部のトナーの喫水面が低下し、まず、発光素子220aから発生した光が受光素子220bに到達する(受光される)ようになり、その後、発光素子221aから発生した光も受光素子221bに到達する(受光される)ようになる。
【0041】
本実施形態では、発光素子220aから発生した光が受光素子220bに到達するようになった時点でのハウジング210内部のトナー残量が第1閾値として設定されており、発光素子221aから発生した光が受光素子221bに到達するようになった時点でのハウジング210内部のトナー残量が第2閾値として設定されている。このため本実施形態では、受光素子220b、221bの光の検知の有無からハウジング210内部のトナー残量が第1閾値となったか否か、第2閾値となったか否かを把握することができる。
【0042】
なお本実施形態では、トナー検知部22を光センサで実現する例について説明したが、圧電振動素子を用いた粉体検知センサで実現するようにしてもよい。粉体検知センサは、検知面が常に微小振動しており検知面にトナーが接触すると振動が抑えられるため、トナーの有無を検知できる。
【0043】
トナー容器23(トナー補給部の一例)は、現像部21に補給するトナーを収容している容器であり、ハウジング210の上部に着脱可能に取り付けられるようになっている。トナー容器23は、アジテータ230と、トナー補給ローラ231とを備える。
【0044】
アジテータ230は、矢印e方向に回転し、トナー容器23内部のトナーをほぐす。アジテータ230は、例えば、回転軸にシート状のハネを接着した部材などにより実現できる。なお、アジテータ230とトナー補給ローラ231とは、同期して駆動する。
【0045】
トナー補給ローラ231は、回転することにより、トナー容器23に収容されているトナーを現像部21のハウジング210の上部に設けられた開口を介してハウジング210に補給する。ここで、トナー容器23から現像部21へのトナー補給量は、トナー補給ローラ231の駆動時間により定まる。このため、トナー補給ローラ231の駆動時間を制御することでトナー容器23から現像部21へのトナー補給量を制御でき、駆動時間を長くすればトナー補給量が増え、駆動時間を短くすればトナー補給量が減る。
【0046】
なお、トナー補給ローラ231の駆動速度が可変である場合は、トナー補給ローラ231の駆動時間を固定したままでも駆動速度を変更することでトナー補給量を制御でき、駆動速度を速くすればトナー補給量が増え、駆動速度を遅くすればトナー補給量が減る。
【0047】
なお、現像装置20M、20C、及び20Kについては、トナー色が異なる点を除き、現像装置20Yと共通の構成要素を備えているため、詳細な説明は省略する。
【0048】
図5は、劣化トナー及び未劣化トナーの混合割合と地汚れレベルとの関係を示すグラフである。ここで、劣化トナーとは、現像部内に貯留されているトナーを指す。現像部内に貯留されているトナーは、現像部の駆動に伴い物理的なストレスを受けており、全くの未使用状態のトナーに比べて特性が劣化しているため、ここでは、このように称する。また、未劣化トナーとは、トナー容器から現像部へ補給されるトナーを指す。トナー容器は、トナー補給時のみ駆動し、収容しているトナーにストレスを与える部材がほとんどなく、全くの未使用状態のトナーと比較しても特性の劣化がほとんどないため、ここでは、このように称する。
【0049】
なお、図5に示すグラフは、印刷耐久後に現像部内部に残っている劣化トナーとトナー容器に収容されている未劣化トナーとを混合し、再度現像部内に充填して地汚れを測定した結果を示したものである。なお、図5に示す例では、非磁性1成分トナーを使用しており、劣化トナーとして、通常の使用状態による劣化を想定した印刷耐久時間25時間後のトナーと、より劣化レベルの悪化した状態を想定した印刷耐久時間50時間後のトナーとの2種類を用いている。図5に示すグラフの横軸は、劣化トナー及び未劣化トナーを混合した混合トナーに占める劣化トナーの割合を示し、図5に示すグラフの縦軸は、未劣化トナー100%の状態の地汚れを1(基準)とした場合の地汚れレベルを示している。
【0050】
図5に示すグラフからは、未劣化トナーのみを(未劣化トナーを100%)使用した場合が地汚れレベルが最も良く、劣化トナーのみを(劣化トナーを100%)使用した場合、未劣化トナーのみを使用した場合よりも地汚れレベルが悪化することが分かる。これは、現像部内の劣化トナーは、物理的なストレスが掛け続けられており、トナーの外添剤が剥がれ落ちたり、トナー自体が割れたりすることで、未劣化トナーに対して特性(特に、荷電性や流動性)が変化(劣化)しているためである。具体的には、現像部内の劣化トナーは、通常、供給ローラによって現像ローラに搬送され、現像ブレードにより現像ローラ上の付着量が適正化された後、感光体とのニップ部で現像され、現像に用いられなかった劣化トナーは、再び供給ローラによって回収されるというプロセスが繰り返されることにより、物理的なストレスが掛け続けられる。
【0051】
また図5に示すグラフからは、劣化トナー及び未劣化トナーを混合すると、劣化トナーのみを使用した場合よりも地汚れレベルが更に悪化することが分かる。これは、劣化トナー及び未劣化トナーが混合されると、互いのトナーが相互作用してしまい、トナーの荷電性がより不安定となるためである。
【0052】
ここで、実使用上許容できる画像上の地汚れレベルは、通常、0.97以上となるため、通常の使用状態によるトナーの劣化を想定した場合、良好な画質を維持するためには、混合トナーに占める劣化トナーの割合を78%以上又は35%以下とする必要がある。これは、トナー容器から現像部へのトナー補給比率に換算すると、22%以下又は65%以上ということになる。なお、トナー補給比率とは、トナー容器から現像部へ1回の補給で補給されるトナー(未劣化トナー)と、現像部内に貯留されているトナー(劣化トナー)との比率を指し、具体的には、劣化トナーに対する未劣化トナーの割合を指す。
【0053】
トナー補給比率を65%以上とすると、トナー容器から現像部への1回のトナー補給量が多くなってしまい、現像装置の大型化を招いてしまう。また、1回のトナー補給量が多くなってしまうと、補給前後で例えば現像バイアスなどの適切に設定されるべき現像条件が大きく変化してしまい、作像システムが不安定になるため、好ましくない。
【0054】
これに対し、トナー補給比率を22%以下とすると、トナー容器から現像部への1回のトナー補給量を少なくすることができ、現像装置を小型化することができる。また、1回のトナー補給量が少ないと、補給前後で現像部内部のトナー特性の変動が少ないため、作像システムを安定に維持することができる。
【0055】
つまり、トナー補給比率は、小さい方が好ましい。なお、劣化トナーの劣化状態が更に悪化すると(印刷耐久時間50時間以上になると)、地汚れレベルを許容することができるトナー補給比率はより狭い領域になることから、トナー補給比率は15%未満にすることが望ましい。
【0056】
なお、図5に示す例で使用したトナーは、体積平均粒径8.5μm、ポリエステル系樹脂を主成分とし、ワックス及び顔料が混粘粉砕して作成されたトナー母体100部に対してシリカ1部を外添処理して製作したもので、一般的なレーザビームプリンタなどで使用されている様々なトナーとほぼ同じ特性を有する。
【0057】
また、図5に示す例では、非磁性1成分粉砕トナーを使用したが、図5で示されるトナーの特性は非磁性1成分トナーにおいては一般的な特性であり、重合トナーであってもほぼ同じ特性を示す。また、使用するトナーが磁性1成分トナー又は2成分トナーであっても、トナー補給前後でのトナー特性の変化を抑えるために、1回のトナー補給量が少量であることが好ましい。従って、非磁性1成分粉砕トナーではなく他のトナーを用いてもよく、非磁性1成分粉砕トナーを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0058】
図6は、第1実施形態の印刷装置1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、印刷装置1は、算出部110と、記憶部120と、制御部130と、タイマ部140とを、備える。ここでは、算出部110、記憶部120、制御部130、及びタイマ部140の現像装置20Yに対する処理について説明し、現像装置20M、20C、及び20Kに対する処理については、現像装置20Yに対する処理と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
算出部110は、現像部21の現像により消費されるトナー消費量を算出するものであり、例えば、ドットカウンタなどのハードウェアである。但し、これに限定されるものではなく、算出部110は、ソフトウェアであってもよい。
【0060】
ここで、感光体ドラム13Y上の静電潜像は、光走査部30からのレーザ光Lが照射されることによって形成されるが、静電潜像自体は当該静電潜像の生成に用いられる印刷対象の画像に応じて決定されるドットの集合である。そして、1ドットあたりのトナーの消費量は、現像部21の諸設定(例えば、バイアスやレーザービームの出力パワー)、使用環境(温度や湿度)、及びドットの形成条件(ドットが連続している(ベタ画像)か否かなどの情報)から推定できる。このため、現像部21の現像により消費されるトナー消費量は、印刷対象の画像のドット数である印字量(印字面積)から算出(推測)できる。但し、印字量から推測したトナー消費量と現像部21の現像により実際に消費されるトナー消費量とには、誤差が生じる。
【0061】
このため本実施形態では、算出部110は、現像部21の現像により消費されるトナー消費量を、補正値を用いて算出する。具体的には、算出部110は、1ドットあたりのトナーの消費量と印刷対象の画像の印字量(ドット数)とを乗算し、更に補正係数(以下では、「消費量補正係数」と称する)で補正してトナー消費量を算出する。なお、補正値(消費量補正係数)は、後述の制御部130により算出される。
【0062】
記憶部120は、印刷装置1で実行される各種プログラムや印刷装置1で行われる各種処理に使用される各種情報などを記憶する。記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の記憶装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0063】
制御部130は、印刷装置1の全体を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。制御部130は、第1検知部220により第1閾値であることが検知されてから第2検知部221により第2閾値であることが検知されるまでの期間内に算出部110により算出されたトナー消費量の合計である第1トナー消費量と、第1閾値及び第2閾値から定まるトナー量であって当該期間内に実際に消費されたトナー量である第2トナー消費量とを用いて、補正値を算出する。例えば、制御部130は、第2トナー消費量を第1トナー消費量で除算して消費量補正係数を算出する。
【0064】
なお制御部130は、感光体ドラム13Y上に形成される静電潜像が現像部21により現像されない調整処理の実行前に、現像部21に貯留されているトナー量が第1閾値となるようにトナー容器23から現像部21へのトナー補給を制御し、補正値を算出するようにしてもよい。ここで、調整処理とは、濃度調整処理や色合わせ調整処理など記録紙への画像形成が不要な処理である。
【0065】
また制御部130は、静電潜像の生成に用いられる印刷対象の画像の印字量が所定量以上であるか否かを判定し、所定量以上であると判定した場合、現像部21に貯留されているトナー量が第1閾値となるようにトナー容器23から現像部21へのトナー補給を制御し、補正値を算出するようにしてもよい。これにより、例えば、印刷対象の画像がベタ画像である場合に補正値の算出を開始することができる。
【0066】
また制御部130は、現像部21の経時的変化が所定の条件を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たすと判定した場合、現像部21に貯留されているトナー量が第1閾値となるようにトナー容器23から現像部21へのトナー補給を制御し、補正値を算出するようにしてもよい。ここで、所定の条件とは、例えば、印刷枚数が所定の枚数に達した場合や、印刷装置1のいずれかの部品の走行距離が所定距離に達した場合などを設定できる。
【0067】
また制御部130は、補正値の算出後に算出部110により新たに算出されたトナー消費量と同量のトナーをトナー容器23から現像部21に補給させる。具体的には、制御部130は、トナー容器23から現像部21への単位時間当たりの単位トナー補給量から、算出部110により算出されたトナー消費量と同量のトナーの補給に必要な補給時間を算出する。そして制御部130は、算出した補給時間をタイマ部140でカウントし、タイマ部140がカウントしている間、トナー容器23から現像部21へトナーを補給させる。
【0068】
タイマ部140は、補給時間など各種時間をカウントするハードウェアである。但し、これに限定されるものではなく、タイマ部140は、ソフトウェアであってもよい。
【0069】
次に、第1実施形態の印刷装置の動作について説明する。ここでも、現像装置20Yに対する処理について説明し、現像装置20M、20C、及び20Kに対する処理については、現像装置20Yに対する処理と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
また以下では、第1閾値のトナー量が100g、第2閾値のトナー量が90gであり、現像部21に貯留されているトナー残量が90g〜100gを推移する場合を例に取り説明する。なお、この場合、図7で説明する消費量補正係数算出処理時においてもトナー補給比率は、10/90%となるため、15%未満となる。
【0071】
現像部の構成によっても異なるが、第1実施形態のような一般的な現像部の構成では、ベタ画像などの画像印字比率の高い画像に対して良好な画質を維持するためには、現像部内に30〜40g以上のトナーを残しておく必要がある。また、トナー容器が空であると判断されるまでに消費されるトナーや、トナー容器が空となってから新たなトナー容器に交換されるまでの間に消費されるトナーなども考慮する必要がある。このため第1実施形態では、上述したような数値を設定しているが、各数値はこれに限定されるものではなく、適宜設定できる。
【0072】
図7は、第1実施形態の印刷装置1で行われる消費量補正係数算出処理の一例を示すフローチャートである。なお、図7で説明する消費量補正係数算出処理は、消費量補正係数算出契機になると実行される。
【0073】
まず、制御部130は、消費量補正係数算出契機になると、トナー容器23から現像部21にトナーを補給させ(ステップS110)、現像部21内のトナー残量が100g以下の間(ステップS112でNo)、ステップS110の処理を継続する。ここで、消費量補正係数算出処理の実行契機とは、例えば、調整処理の実行タイミング、ベタ画像の印刷開始時、現像部21の経時的変化が所定の条件を満たした場合、トナー残量が90gを下回った場合などが該当するが、これに限定されるものではない。なお、トナー残量が100g以上となった場合を、消費量補正係数算出処理の実行契機としてもよい。この場合、ステップS114から処理を開始する。
【0074】
続いて、現像部21内のトナー残量が100gになると(ステップS112でYes)、印刷装置1が印刷を開始するので、算出部110は、印刷対象の画像の印字量からトナー消費量を算出し、第1トナー消費量に加算する(ステップS114)。ここで、現像部21内のトナー残量が100gなった時点では、第1トナー消費量は0であるものとする。また、制御部130により消費量補正係数が算出済みである場合には、算出部110は、消費量補正係数で補正してトナー消費量を算出する。
【0075】
続いて、現像部21は、現像部21内のトナーを用いて感光体ドラム13Y上に形成された静電潜像を現像する(ステップS116)。
【0076】
そして、現像部21内のトナー残量が90g以上の間(ステップS118でNo)、算出部110、現像部21は、それぞれ、ステップS114、S116の処理を繰り返す。なお、現像部21内のトナー残量が90g以上の間(ステップS118でNo)、トナー補給は行われない。また、ベタ画像の印刷開始時を契機として消費量補正係数算出処理を行った場合、1回目のステップS116でベタ画像が印刷される。
【0077】
続いて、現像部21内のトナー残量が90gになると(ステップS118でYes)、制御部130は、第1トナー消費量と第2トナー消費量とを用いて、消費量補正係数を算出する(ステップS120)。ここで、第2トナー消費量は、第1閾値のトナー量が100g、第2閾値のトナー量が90gであるため、10gとなる。従って、例えば、第1トナー消費量が10.5gである場合、消費量補正係数は、10/10.5となる。なお、調整処理の実行タイミングを契機として消費量補正係数算出処理を行った場合、この後、調整処理が開始される。
【0078】
図8は、第1実施形態の印刷装置1で行われる通常のトナー補給処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8で説明するトナー補給処理は、消費量補正係数算出処理中を除き、印刷装置1の印刷毎に行われる。
【0079】
まず、算出部110は、印刷装置1が印刷を開始すると、印刷対象の画像の印字量及び消費量補正係数算出処理により算出された消費量補正係数からトナー消費量を算出する(ステップS130)。例えば、前述したように、消費量補正係数の値が、10/10.5である場合、算出部110は、印刷対象の画像の印字量から算出したトナー消費量に10/10.5を乗じることにより補正したトナー消費量を算出する。これにより、印字量から算出(推測)したトナー消費量と現像部21の現像により実際に消費されるトナー消費量との誤差を無くし、印字量から算出したトナー消費量と現像により実際に消費されるトナー消費量とを一致させることができる。
【0080】
続いて、現像部21は、現像部21内のトナーを用いて感光体ドラム13Y上に形成された静電潜像を現像する(ステップS132)。
【0081】
続いて、制御部130は、算出部110により算出されたトナー消費量と同量のトナーをトナー容器23から現像部21に補給させる(ステップS134)。
【0082】
以上のように第1実施形態によれば、現像部21の現像により実際に消費されるトナー消費量との誤差を修正して印字量からトナー消費量を推測(算出)しているので、現像により実際に消費されるトナー消費量と同量のトナーを精度よく補給することができる。これにより、トナー補給比率を安定させることができる。
【0083】
特に第1実施形態のように、光走査部にLEDAを用いている場合、主走査方向に配置された複数の発光装置それぞれがレーザを照射することでドットを再現するため、印字量からトナー消費量を推測する際に、一つ一つの発光装置の誤差が重畳して誤差が大きくなるので、より効果的である。
【0084】
なお第1実施形態のように、調整処理の前に補正値を算出するようにすれば、調整処理では地汚れが目立たないため、補正値の算出に伴うトナー補給比率の変動による地汚れの影響を少なくすることができる。
【0085】
また第1実施形態のように、印字量が所定量以上である(ベタ画像の)場合に補正値を算出するようにすれば、光走査部にLEDAを用いている場合、多くの発光装置で静電潜像を形成している状態でトナー消費量を算出して補正値を算出することができるので、精度よく誤差を修正することができる。
【0086】
また第1実施形態のように、現像部の経時的変化が所定の条件を満たす場合に補正値を算出するようにすれば、現像部の経時的変化に伴う誤差の変動も考慮して、誤差を修正することができる。
【0087】
(第2実施形態)
第2実施形態では、トナー補給量の誤差を修正する例について説明する。なお以下では、第1実施形態との相違点の説明を主に行い、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
【0088】
まず、第2実施形態の印刷装置の構成について説明する。
【0089】
図9は、第2実施形態の印刷装置301の電気的構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、第2実施形態の印刷装置301では、算出部310及び制御部330が第1実施形態の印刷装置1と相違する。ここでも、算出部310及び制御部330の現像装置20Yに対する処理について説明し、現像装置20M、20C、及び20Kに対する処理については、現像装置20Yに対する処理と同様であるため、説明を省略する。
【0090】
算出部310は、現像部21の現像により消費されるトナー消費量を算出する。具体的には、算出部310は、1ドットあたりのトナーの消費量と印刷対象の画像の印字量(ドット数)とを乗算してトナー消費量を算出する。
【0091】
制御部330は、第2検知部221により第2閾値であることが検知されてから第1検知部220により第1閾値であることが検知されるまでの期間トナー容器23から現像部21にトナーを補給させる。具体的には、制御部330は、第2検知部221により第2閾値であることが検知されると、トナー容器23から現像部21にトナー補給を開始させるとともに、タイマ部140にカウントを開始させる。また制御部330は、第1検知部220により第1閾値であることが検知されると、トナー容器23から現像部21へのトナー補給を終了させるとともに、タイマ部140にカウントを終了させる。これにより、第2閾値であることが検知されてから第1閾値であることが検知されるまでの期間であるトナー補給実行期間を計測できる。
【0092】
そして制御部330は、トナー補給実行期間及び単位時間当たりの単位トナー補給量から定まる第1トナー補給量と、第1閾値及び第2閾値から定まるトナー量であってトナー補給実行期間内に実際に補給されたトナー量である第2トナー補給量とを用いて、補正値を算出する。例えば、制御部330は、第2トナー補給量を第1トナー補給量で除算して補正係数(以下では、「補給量補正係数」と称する)を算出する。
【0093】
なお制御部330は、感光体ドラム13Y上に形成される静電潜像が現像部21により現像されない調整処理の実行前に、第2検知部221により第2閾値であることが検知されてから第1検知部220により第1閾値であることが検知されるまでの期間トナー容器23から現像部21にトナーを補給させ、補正値を算出するようにしてもよい。
【0094】
また制御部330は、トナー容器23の経時的変化が所定の条件を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たすと判定した場合、第2検知部221により第2閾値であることが検知されてから第1検知部220により第1閾値であることが検知されるまでの期間トナー容器23から現像部21にトナーを補給させ、補正値を算出するようにしてもよい。
【0095】
また制御部330は、単位トナー補給量及び補正値を用いて、補正値の算出後に算出部310により新たに算出されたトナー消費量と同量のトナーの補給に必要な補給時間を算出し、算出した補給時間トナー容器23から現像部21にトナーを補給させる。具体的には、制御部330は、算出部310により新たに算出されたトナー消費量を単位トナー補給量で除算し、更に補給量補正係数で補正して補給時間を算出する。そして制御部330は、算出した補給時間をタイマ部140でカウントし、タイマ部140がカウントしている間、トナー容器23から現像部21へトナーを補給させる。
【0096】
次に、第2実施形態の印刷装置の動作について説明する。ここでも、現像装置20Yに対する処理について説明し、現像装置20M、20C、及び20Kに対する処理については、現像装置20Yに対する処理と同様であるため、説明を省略する。また以下でも、第1実施形態同様、第1閾値のトナー量が100g、第2閾値のトナー量が90gであり、現像部21に貯留されているトナー残量が90g〜100gを推移する場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
【0097】
図10は、第2実施形態の印刷装置301で行われる補給量補正係数算出処理の一例を示すフローチャートである。なお、図10で説明する補給量補正係数算出処理は、補給量補正係数算出契機になると実行される。
【0098】
まず、補給量補正係数算出契機になり、印刷装置301が印刷を開始すると、現像部21は、現像部21内のトナーを用いて感光体ドラム13Y上に形成された静電潜像を現像し(ステップS210)。以降、現像部21は、現像部21内のトナー残量が90gを超えている間(ステップS212でNo)、感光体ドラム13Y上に新たに静電潜像が形成される毎にステップS210の処理を繰り返す。なお、この間、制御部330は、トナー容器23から現像部21にトナーを補給させない。ここで、補給量補正係数算出契機とは、例えば、調整処理の実行タイミング、トナー容器23の経時的変化が所定の条件を満たした場合、又はトナー残量が100gを超えた場合などが該当するが、これに限定されるものではない。なお、トナー残量が90g以下となった場合を、補給量補正係数算出処理の実行契機としてもよい。この場合、ステップS214から処理を開始する。
【0099】
続いて、現像部21内のトナー残量が90gになると(ステップS212でYes)、
制御部330は、トナー容器23から現像部21にトナーを補給させ(ステップS214)、タイマ部140は、トナー補給実行期間を計測する(ステップS216)。
【0100】
そして、現像部21内のトナー残量が100g未満の間(ステップS218でNo)、制御部330、タイマ部140は、それぞれ、ステップS214、S216の処理を継続する。なお、現像部21内のトナー残量が100g未満の間(ステップS218でNo)、印刷(静電潜像の現像)は行われない。
【0101】
続いて、現像部21内のトナー残量が100gになると(ステップS218でYes)、制御部330は、第1トナー補給量と第2トナー補給量とを用いて、補給量補正係数を算出する(ステップS220)。ここで、第1トナー補給量は、ステップS216で計測されたトナー補給実行期間に単位トナー補給量を乗じた値であり、既に、制御部330により補給量補正係数が算出済みである場合には、更に補給量補正係数で補正した値となる。第2トナー補給量は、第1閾値のトナー量が100g、第2閾値のトナー量が90gであるため、10gとなる。従って、例えば、第1トナー補給量が10.5gである場合、補給量補正係数は、10/10.5となる。なお、調整処理の実行タイミングを契機として補給量補正係数算出処理を行った場合、この後、調整処理が開始される。
【0102】
図11は、第2実施形態の印刷装置301で行われる通常のトナー補給処理の一例を示すフローチャートである。なお、図11で説明するトナー補給処理は、補給量補正係数算出処理中を除き、印刷装置301の印刷毎に行われる。
【0103】
まず、算出部310は、印刷装置301が印刷を開始すると、印刷対象の画像の印字量からトナー消費量を算出する(ステップS230)。
【0104】
続いて、現像部21は、現像部21内のトナーを用いて感光体ドラム13Y上に形成された静電潜像を現像する(ステップS232)。
【0105】
続いて、制御部330は、算出部310により算出されたトナー消費量と同量のトナーの補給に必要な補給時間を、単位トナー補給量及び補給量補正係数から算出し、算出した補給時間トナー容器23から現像部21に補給させる(ステップS234)。例えば、前述したように、補給量補正係数の値が、10/10.5である場合、制御部330は、算出部310により算出されたトナー消費量を単位トナー補給量で除算し、10/10.5を乗じることにより補正した補給時間を算出する。これにより、補給時間から算出(推測)したトナー補給量と実際に補給されるトナー補給量との誤差を無くし、補給時間から算出したトナー補給量と実際に補給されるトナー補給量とを一致させることができる。
【0106】
以上のように第2実施形態によれば、実際に補給されるトナー補給量との誤差を修正して補給時間を推測(算出)しているので、現像により実際に消費されるトナー消費量と同量のトナーを精度よく補給することができる。これにより、トナー補給比率を安定させることができる。
【0107】
なお第2実施形態においても、調整処理の前に補正値を算出するようにすれば、調整処理では地汚れが目立たないため、補正値の算出に伴うトナー補給比率の変動による地汚れの影響を少なくすることができる。
【0108】
また第2実施形態のように、トナー容器の経時的変化が所定の条件を満たす場合に補正値を算出するようにすれば、トナー容器の経時的変化に伴う誤差の変動も考慮して、誤差を修正することができる。
【0109】
(ハードウェア構成)
図12は、上記各実施形態の印刷装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図12に示すように、上記各実施形態の印刷装置は、コントローラ910とエンジン部(Engine)960とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ910は、複合機全体の制御、描画、通信、及び操作表示部920からの入力を制御するコントローラである。エンジン部960は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部960には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0110】
コントローラ910は、CPU911と、ノースブリッジ(NB)913と、システムメモリ(MEM−P)912と、サウスブリッジ(SB)914と、ローカルメモリ(MEM−C)917と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)916と、ハードディスクドライブ(HDD)918とを有し、ノースブリッジ(NB)913とASIC916との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス915で接続した構成となる。また、MEM−P912は、ROM912aと、RAM912bとをさらに有する。
【0111】
CPU911は、印刷装置の全体制御をおこなうものであり、NB913、MEM−P912およびSB914からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0112】
NB913は、CPU911とMEM−P912、SB914、AGPバス915とを接続するためのブリッジであり、MEM−P912に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0113】
MEM−P912は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM912aとRAM912bとからなる。ROM912aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM912bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0114】
SB914は、NB913とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB914は、PCIバスを介してNB913と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部なども接続される。
【0115】
ASIC916は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス915、PCIバス、HDD918およびMEM−C917をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC916は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC916の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C917を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部960との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC916には、PCIバスを介してUSB(Universal Serial Bus)940、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース950が接続される。操作表示部920はASIC916に直接接続されている。
【0116】
MEM−C917は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD918は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0117】
AGPバス915は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P912に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0118】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記第1、2実施形態を組み合わせるようにしてもよい。また、上記第2実施形態において、トナーが消費される毎ではなく、トナー残量が第2閾値以下となった場合に所定量のトナーを補給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1、301 印刷装置
10 画像形成部
11Y、11M、11C、11K プロセスカードリッジ
12Y、12M、12C、12K 作像部
13Y、13M、13C、13K 感光体ドラム
14Y、14M、14C、14K 帯電ローラ
15Y、15M、15C、15K 一次転写ローラ
16Y、16M、16C、16K クリーニング装置
20Y、20M、20C、20K 現像装置
21 現像部
22 トナー検知部
23 トナー容器
30 光走査部
40 中間転写ベルト
41、42 支持ローラ
50 給紙部
51 給紙ローラ
52 パッド
53 搬送ローラ対
60 二次転写ローラ
70 定着部
80 排紙ローラ対
81 排紙台
110、310 算出部
120 記憶部
130、330 制御部
140 タイマ部
210 ハウジング
211 現像ローラ
212 供給ローラ
213 現像ブレード
214 攪拌部材
215a、215b 透過窓
220 第1検知部
221 第2検知部
220a、221a 発光素子
220b、221b 受光素子
230 アジテータ
231 トナー補給ローラ
910 コントローラ
911 CPU
912 システムメモリ
912a ROM
912b RAM
913 ノースブリッジ
914 サウスブリッジ
915 AGPバス
916 ASIC
917 ローカルメモリ
918 ハードディスクドライブ
920 操作表示部
940 USB
950 IEEE1394インタフェース
960 エンジン部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2006−65079号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、
トナーを貯留し、貯留しているトナーを用いて前記像担持体上の前記静電潜像を現像する現像部と、
前記現像により消費されるトナー消費量を算出する算出部と、
前記現像部に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知部と、
前記現像部に貯留されているトナー量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値であることを検知する第2検知部と、
前記第1閾値であることが検知されてから前記第2閾値であることが検知されるまでの期間内に前記算出部により算出されたトナー消費量の合計である第1トナー消費量と、前記第1閾値及び前記第2閾値から定まるトナー量であって前記期間内に実際に消費されたトナー量である第2トナー消費量とを用いて、補正値を算出する制御部と、を備え、
前記算出部は、新たに算出するトナー消費量を、前記補正値を用いて算出し、
前記制御部は、新たに算出された前記トナー消費量と同量のトナーをトナー補給部から前記現像部に補給させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記像担持体上に形成される静電潜像が前記現像部により現像されない調整処理の実行前に、前記現像部に貯留されているトナー量が前記第1閾値となるように前記トナー補給部から前記現像部へのトナー補給を制御し、前記補正値を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記静電潜像の生成に用いられる印刷対象の画像の印字量が所定量以上であるか否かを判定し、前記所定量以上であると判定した場合、前記現像部に貯留されているトナー量が前記第1閾値となるように前記トナー補給部から前記現像部へのトナー補給を制御し、前記補正値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記現像部の経時的変化が所定の条件を満たすか否かを判定し、前記所定の条件を満たすと判定した場合、前記現像部に貯留されているトナー量が前記第1閾値となるように前記トナー補給部から前記現像部へのトナー補給を制御し、前記補正値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記静電潜像の生成に用いられる印刷対象の画像の印字量からトナー消費量を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
LED(Light Emitting Diode)を用いて前記像担持体上に静電潜像を形成する露光部を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
静電潜像が形成される像担持体と、
トナーを貯留し、貯留しているトナーを用いて前記像担持体上の前記静電潜像を現像する現像部と、
前記現像部に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知部と、
前記現像部に貯留されているトナー量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値であることを検知する第2検知部と、
前記第2閾値であることが検知されてから前記第1閾値であることが検知されるまでの期間トナー補給部から前記現像部へトナーを補給させ、前記期間及び単位時間当たりの単位トナー補給量から定まる第1トナー補給量と、前記第1閾値及び前記第2閾値から定まるトナー量であって前記期間内に実際に補給されたトナー量である第2トナー補給量とを用いて、補正値を算出する制御部と、
前記現像により消費されるトナー消費量を算出する算出部と、を備え、
前記制御部は、前記単位トナー補給量及び前記補正値を用いて、前記トナー消費量と同量のトナーの補給に必要な補給時間を算出し、算出した前記補給時間前記トナー補給部から前記現像部へトナーを補給させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記像担持体上に形成される静電潜像が前記現像部により現像されない調整処理の実行前に、前記期間トナー補給部から前記現像部へトナーを補給させ、前記補正値を算出することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記トナー補給部の経時的変化が所定の条件を満たすか否かを判定し、前記所定の条件を満たすと判定した場合、前記期間トナー補給部から前記現像部へトナーを補給させ、前記補正値を算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記算出部は、前記静電潜像の生成に用いられる印刷対象の画像の印字量からトナー消費量を算出することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項11】
像担持体上に形成された静電潜像を貯留部に貯留されているトナーを用いて現像する現像ステップと、
前記現像により消費されるトナー消費量を算出する第1消費量算出ステップと、
前記貯留部に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知ステップと、
前記貯留部に貯留されているトナー量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値であることを検知する第2検知ステップと、
前記第1閾値であることが検知されてから前記第2閾値であることが検知されるまでの期間内に前記第1消費量算出ステップにより算出されたトナー消費量の合計である第1トナー消費量と、前記第1閾値及び前記第2閾値から定まるトナー量であって前記期間内に実際に消費されたトナー量である第2トナー消費量とを用いて、補正値を算出する補正値算出ステップと、
新たに算出するトナー消費量を、前記補正値を用いて算出する第2消費量算出ステップと、
新たに算出された前記トナー消費量と同量のトナーをトナー補給部から前記貯留部に補給させる補給ステップと、
を含むことを特徴とするトナー補給方法。
【請求項12】
像担持体上に形成された静電潜像を貯留部に貯留されているトナーを用いて現像する現像ステップと、
前記貯留部に貯留されているトナー量が第1閾値であることを検知する第1検知ステップと、
前記貯留部に貯留されているトナー量が前記第1閾値よりも小さい第2閾値であることを検知する第2検知ステップと、
前記第2閾値であることが検知されてから前記第1閾値であることが検知されるまでの期間トナー補給部から前記貯留部へトナーを補給させ、前記期間及び単位時間当たりの単位トナー補給量から定まる第1トナー補給量と、前記第1閾値及び前記第2閾値から定まるトナー量であって前記期間内に実際に補給されたトナー量である第2トナー補給量とを用いて、補正値を算出する補正値算出ステップと、
前記現像により消費されるトナー消費量を算出する消費量算出ステップと、
前記単位トナー補給量及び前記補正値を用いて、前記トナー消費量と同量のトナーの補給に必要な補給時間を算出し、算出した前記補給時間前記トナー補給部から前記貯留部へトナーを補給させる補給ステップと、
を含むことを特徴とするトナー補給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−194360(P2012−194360A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58106(P2011−58106)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】