画像形成装置及び画像形成方法
【課題】 メンテナンス時期を警告し、また全階調パッチの濃度計測等を行うことなく濃度変動等を抑制し、画像品質の安定化を図ることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成する、または、時間的差異をつけて形成する階調パターン発生手段131と、前記階調パターン発生手段131によって形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測する明度計測手段132と、前記明度計測手段132により計測された第1の明度と第2の明度の差を算出し、その明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出する検出手段133とを備えた画像形成装置。
【解決手段】 像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成する、または、時間的差異をつけて形成する階調パターン発生手段131と、前記階調パターン発生手段131によって形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測する明度計測手段132と、前記明度計測手段132により計測された第1の明度と第2の明度の差を算出し、その明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出する検出手段133とを備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画質の安定性を得ることを目的とした画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真技術を応用したデジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置では、近年、画像情報の高精度な再現性が求められている。これに伴い、画像形成状態を安定化させる技術や、より細かな階調表現を可能にする技術等の研究開発が進められている。
この種の画像処理装置においては、使用する部品のバラつき、使用する現像剤等の製造ロット差や放置時間等によって、画像濃度・階調性が機械毎に異なる。そのため、γ変換回路のγ変換テーブルを用いて潜像γ特性、例えばイメージスキャナからの画像信号と感光体表面電位との対応特性を変えることにより、機械毎の画像濃度や階調性のバラつきを補正するようにしている。
他方、初期状態で最適な階調性を有する状態に画像信号を補正されていても、現像剤や感光体などの経時変動により、最適な階調補正状態でなくなってしまう。そのため、現像剤などの経時変動に応じて経時的に、上記テーブルを変更していくことが行われている。
従って、γ変換回路は、機械毎のバラつきを吸収し、機械によらず一定の階調性及び画像濃度とするための役割と、現像剤の現像特性や感光体の光滅衰特性などの経時変化を吸収し、経時的に変化せずに常に安定な画像濃度及び階調性を得るための役割とを有することになる。
しかし、原稿の画像濃度に忠実で、精度のよい階調補正を行うためには、上記テーブルの数が膨大になるとともに、これらのテーブルから使用するテーブルを選択するアルゴリズムが複雑になる。このため、上記テーブルの数が増えるにつれて上記テーブルを記憶するために必要なメモリ容量が膨大になるという問題点が挙げられる。
この問題を解決する方法としては、定期的に階調パターンを感光体ドラム上に形成し、全ての階調パッチについての濃度を計測し、初期濃度と比較することにより入力値と明度の調整を行い、γテーブルを変更していく、またはエンジンパラメータの変更等を行う方法等がとられる。
例えば、特許文献1には、感光体上の潜像パターンの表面電位を検出し、検出した表面電位により階調補正情報を変更することで、出力する1枚毎に最適な階調補正情報をリアルタイムで設定し、連続出力でも安定した画像を形成する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平9−187997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、調整毎に階調パターンとなる全階調パッチを形成し、全パッチの濃度を計測することは、時間的ロスも大きく、また感光体の劣化にも繋がるなどの問題点が挙げられる。この問題を解決するために、特定階調のみ濃度計測を行い、その結果に基づいて、γテーブルの変更を行う、またはエンジンパラメータを調整することが行われるが、特定階調が適切に選択されているかどうかによってγテーブルの変更、エンジンパラメータ調整が左右される等の問題点があった。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、メンテナンス時期を警告し、また全階調パッチの濃度計測等を行うことなく濃度変動等を抑制し、画像品質の安定化を図ることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成する、または時間的差異をつけて形成する階調パターン発生手段と、前記階調パターン発生手段によって形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測する明度計測手段と、前記明度計測手段により計測された第1の明度と第2の明度との明度差を算出し、明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出する明度差最大階調領域検出手段と、を備えた画像形成装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記明度差最大階調領域検出手段による検出結果に基づいて、画像の異常状態を検出する、または判定する異常状態検出/判定手段を備えた画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果を表示する画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果に基づいて、γ補正を行う画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果に基づいて、画像形成のプロセス条件を調整する画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記階調パターン発生手段は、階調パターン像を実印字時間外に形成する画像形成装置を主要な特徴とする。
【0005】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記階調パターン発生手段は、階調パターン像を像担持体上の実画像形成領域外に形成する画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項8記載の発明は、像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成、または時間的差異をつけて形成し、形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測し、計測された第1の明度と第2の明度との明度差を算出し、その明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出する画像形成方法を最も主要な特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の画像形成方法において、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、画像の異常状態を検出する、または判定する画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果を表示する画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果に基づいて、γ補正を行う画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果に基づいて、画像形成のプロセス条件を調整する画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項8記載の画像形成方法において、階調パターン像は実印字時間外に形成する画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項8記載の画像形成方法において、階調パターン像は像担持体上の実画像形成領域外に形成する画像形成方法を主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1及び請求項8記載の発明によれば、像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、形成する像担持体の位置を異ならせて形成、または、時間的差異をつけて形成し、形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測し、計測された第1の明度と第2の明度の差を算出し、その明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出することで、全階調領域の中で最も明度が不安定となる階調領域を検出することが可能となる。また、この検出結果を利用することにより、効率的に明度の安定性を向上させ、より良好な画像を得ることに繋がる。
請求項2及び請求項9記載の発明によれば、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、明度差最大階調領域の明度計測を行い画像の異常状態を検出/判定することで、全階調の明度計測を行うことなく、階調の異常状態の検出/判定が可能となり、効率的な異常状態検出が可能になる。
請求項3及び請求項10記載の発明によれば、前記異常状態検出/判定結果を表示することで、ユーザへの警告が可能となり、メンテナンス時期等を的確に把握することが可能となる。
【0007】
請求項4及び請求項11記載の発明によれば、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、明度差最大階調領域の明度計測を行い画像の異常状態を検出/判定しγテーブルの変更を行うことで、全階調の明度計測を行うことなくγテーブルの変更が可能となり、γテーブル変更に伴う処理の煩雑さ等を回避することができ、またそれによりγテーブルの更新頻度を高くすることも可能となり、より安定した良好な画像を得ることができる。
請求項5及び請求項12記載の発明によれば、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、明度差最大階調領域の明度計測を行い画像の異常状態を検出/判定し、画像形成のプロセス条件を調整することで、全階調の明度計測を行うことなくプロセス条件を調整することが可能となり、プロセス条件の調整に伴う処理の煩雑さ等を回避することができ、またそれによりプロセス条件の調整頻度を高くすることも可能となり、より安定した良好な画像を得ることができる。また、最も明度が不安定な階調の明度変動量に基づいてプロセス条件の調整を行うので、最も画像劣化が著しい階調の画質改善が効率的に行われ、より良好な画質を得ることができる。
請求項6及び請求項13記載の発明によれば、階調パターン像を実印字時間外に形成し、明度差最大諧調領域を検出するので、ユーザの負担になることなく、より安定した良好な画像を得ることができる。
請求項7及び請求項14記載の発明によれば、像担持体の実画像形成領域外に階調パターン像を形成し、明度差最大階調領域を検出するので、実印字時間においても、より安定した良好な画像を得ることができる。また、像担持体の実画像形成領域外に階調パターン像を形成することで、像担持体への余計な負担を軽減し、像担持体の劣化を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の画像形成装置及び画像形成方法における実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、CPU(中央処理部)10、画像入力手段11、画像出力手段12、明度差最大階調領域検出、及び異常状態検出/判定を行う明度差最大階調領域検出及び異常状態検出/判定部(以下、単に「検出判定部」という)13、画像処理手段14から構成されている。
検出判定部13は、階調パターン発生手段131、明度計測手段132、明度差最大階調領域を検出する明度差最大階調領域検出手段(以下、単に「検出手段」と表記する)133、及び異常状態の検出/判定を行う異常状態検出/判定手段(以下、単に「検出/判定手段」という)134から構成されている(詳細後述)。
CPU10では、この画像形成装置の制御が行われる。画像入力手段11では、CCDなどで読み取ったアナログデータを1画素あたり8ビットのデジタル値に変換する。そしてそのデータが画像処理手段14に入力される。画像処理手段14では、検出/判定手段134による検出/判定結果に基づく処理が行われる。
画像出力手段12では、検出/判定手段134による検出/判定結果に基づくプロセス条件の調整が行われ、変調されたレーザ光によって、後述する図4に示す像担持体に潜像が形成された後、現像、転写、定着などの一連のプロセスを経て画像が出力される。
図2は画像処理手段の構成を示すブロック図である。ここで、画像処理手段14で行われるデジタル画像処理の一例を、図2を参照して説明する。まず、入力データは、シェーディング補正部21で、光源、光学系、読み取り素子のばらつきが取り除かれた後、スキャナγ補正部22でスキャナγ補正が行われる。
そして、フィルタ処理部23によって画像のエッジ強調や平滑化等のフィルタ処理が行われ、変倍処理部24で、スキャナのキャリッジ移動速度を変えたり、画像データの補間演算を行ったりするなどにより拡大縮小の変倍処理が行われる。そして、プリンタγ補正部25でプリンタγ補正が行われた後、中間調処理部26によって、ディザ処理や誤差拡散処理等の中間調処理方法によりプリンタの出力ビット数に量子化して送出する。以上代表的なデジタル画像処理について説明したが、他にも様々な形態があり、図2に示す構成に限定されるものではない。
【0009】
[実施例1]
図3は実施例1に係る画像形成装置による全体の処理フローチャートである。まず、図1の検出判定部13の階調パターン発生手段131により、図5に示すような白〜黒(入力値0〜255)へ段階的に明度が低下するような複数のパッチからなる階調パターン像の信号が書込み手段(図示せず)に送られる(S31)。図5は150線のディザマトリクスにて処理された17階調を有する階調パターン像であるが、階調パターン像の中間調処理、パッチ数、階調間隔等は、これに限定されるものではない。
次いで、書込み手段の、階調パターン信号に従って変調されたレーザ光によって像担持体上に潜像が形成され、現像手段(図示せず)によって、階調パターンのトナー像が形成される(S32)。
次いで、図1の検出判定部13の明度計測手段132によって像担持体上にある階調パターン像の各パッチの明度が計測される(S33)。本発明において、明度計測には例えば、図4に示すような光学センサ40を用いる。
像担持体44上に隣接して設けられた光学センサ40は、物理特性量データを像担持体44の回転に従って時系列に取り出す。光学センサ40はCCDラインセンサ41、照明手段42及び光学部材43から構成されており、照明手段42により像担持体44上に形成された階調パターンの各パッチのトナー像に照射光が射出され、反射した光を、光学部材43によってCCDラインセンサ41に結像させて受光させることにより、各パッチの物理特性量データが計測され、その物理特性量データから明度が計測される。
ここで計測された各パッチの明度が、本発明で言う「第1の明度」である。そして、例えば、第1の明度として測定した階調パターンを形成した像担持体44上の別の場所に、先述した階調パターンのトナー像が同様に形成され、各パッチの明度が計測される(S34〜S36)。これが「第2の明度」である。
例えば、「第1の明度」は画像形成装置の初期状態においての階調パターンの明度とし、「第2の明度」は複数枚の画像出力後における階調パターンの明度としてもよい。つまり、「第1の明度」と「第2の明度」は、面内、経時等による明度の違いを意味する。
【0010】
ここで、発明者が行ったシミュレーション実験の結果を図6に示して説明する。図6の実線の●プロットが画像形成装置の初期状態での各階調の明度であり、これが第1の明度にあたる。また、破線の△プロットがある一定枚数出力後の各階調の明度であり、第2の明度にあたる。
つまり、経時変化によって、これだけ明度が変化するということである。ここで、明度を計測するのは、人間の視覚特性は、濃度よりもむしろ明度に対してリニアな特性を有することが知られているからである。また、この明度が変化しないこと、つまり明度が安定することが画質の安定化にも繋がる。
ここで述べた像担持体44は、感光体としてもよいし、中間転写体としてもよい。また、階調パターン像の明度計測についても、転写後、または定着後における紙上のトナー像の明度を計測するように構成したものでもよい。
このようにして計測された第1の明度と第2の明度は、図1の検出判定部13内の検出手段133に送られる。検出手段133では、各階調の第1の明度と第2の明度の差が算出され、明度差の最大値が検出される(S37)。次いで明度差の最大値の階調を含むある一定の階調範囲が明度差最大階調領域として検出される(S38)。
明度差最大階調領域とされる範囲に関しては、例えば、明度差最大階調を中心とした任意の割合の範囲とするがこれに限定されるものではない。また、明度差最大階調をある領域として検出することで、明度差最大階調の検出誤差を考慮することが可能になる。
【0011】
ここで、発明者が行ったシミュレーション実験の結果を図7に示して説明する。図7は、図6で示した各階調の第1の明度と第2の明度の差をプロットした図である。これにより、べた少し手前の階調が最も明度差が大きく、明度の変動が大きいことがわかる。本発明は、この明度変動が最大になる領域、つまり明度が最も不安定になる階調領域を検出することが特徴となっている。
次いで、検出された明度差最大階調領域情報は、検出判定部13内のRAM(図示せず)に記憶される(S39)。
以上、図3にて説明した明度差最大階調領域の検出処理は、画像形成装置出荷時等、使用初期にて行うことが望ましい。また、検出結果は経時で変化することも考えられるので、その後は長期定期的に検出処理を行い、明度差最大階調領域の更新を行うことが精度向上に繋がる。
以上説明したようにして、像担持体44上に形成した階調パターンの各パッチにおける第1の明度と第2の明度を計測して明度差を検出し、明度差最大階調領域を検出することで、最も明度が不安定な階調領域を知り得ることができ、これを利用することにより効率的に明度の安定性を向上させ、より高画質を得ることに繋がる。
【0012】
次に、先述の明度差最大階調領域検出結果に基づいた画像の異常状態検出/判定について図8の処理フローチャートを用いて説明する。検出判定部13内のRAMに記憶された明度差最大階調領域が参照され(S81)、その階調領域の階調パターン像の信号が、図1の検出判定部13内の階調パターン発生手段131により書込み手段(図示せず)に送られる(S82)。
次いで、書込み手段における、階調パターン信号に従って変調されたレーザ光によって像担持体上に潜像が形成され、現像手段(図示せず)によって、明度差最大階調領域の階調パターンのトナー像が形成される(S83)。
次いで、図1の検出判定部13の明度計測手段132によって像担持体44上の明度差最大階調領域における階調パターン像の明度が計測される(S84)。計測された明度データが図1の検出判定部13内の検出/判定手段134に送られる。
検出/判定手段134では、あらかじめRAM(図示せず)に全階調の理想の明度データを保持しており、送られた明度差最大階調領域の明度の計測結果と、その階調に該当する理想の明度との比較が行われ、階調の異常状態検出/判定がなされる(S85)。
異常状態検出/判定方法としては、例えば、明度差最大階調領域の明度と理想の明度との差を評価値として、これに許容値を設定し、評価値が許容値を超えた場合を異常状態として検出/判定する方法がある。許容値に関しては、変更可能とし、これによりユーザの主観を反映することが可能となる。
そして、異常状態と判定された場合(S86のYes)は、異常状態であることが画像形成装置に設けられた異常状態表示手段(図示せず)に表示され、ユーザへの警告が行われる(S87)。異常状態と判定されなかった場合(S86のNo)は、異常状態の表示は行われない、または、異常がないことが表示される(S88)。また、この図8で説明した処理フローは、短期定期的に行われることが望ましい。
以上説明したようにして、明度差最大階調領域検出結果を用いて明度が最も不安定な階調の明度変化を検出することで、全階調の明度変化を追うことなく、階調の異常状態の検出/判定が可能となる。また、異常状態検出/判定結果を表示することで、ユーザへの警告が可能となり、メンテナンス時期等を的確に把握することが可能となり、常に安定した良好な画質を得ることに繋がる。
【0013】
[実施例2]
本実施例では、明度差最大階調領域検出結果に基づいた異常状態検出/判定結果を、γ補正にフィードバックする方法について図9の処理フローチャートに基づいて説明する。S91〜S95までの、異常状態の検出/判定までは実施例1と同様であるので説明は省略する。
そして、異常状態と判定された場合(S96のYes)は、その検出/判定結果が、図1の画像処理手段14へ送られる。そして、画像処理手段14内のγテーブルが、異常状態検出/判定結果に基づいて変更され(S97)、画像処理手段14内のRAM(図示せず)に記憶される。また、異常状態と判定されなかった場合(S96のNo)は、γテーブルの変更は行わず現状維持とする(S98)。
ここで、発明者が行ったシミュレーション実験の結果を図10に示してγテーブルの変更方法の例を説明する。図10は、ある経時によるプロセス変動による第1の明度と第2の明度の差をプロットした図であり、破線の△プロット(プロセス変動0.5)は、実線の●プロット(プロセス変動1)に対してプロセス変動が半分であった場合を示している。
この図から、プロセス変動が減少すると、それに伴い明度差も各階調についてほぼ同比率で減少することが分かる。つまり、各階調の明度差は明度差最大階調の関数で表すことが可能である。
本実施例においては、実施例1において、図3の処理フローチャートで説明したS37の工程にて、各階調の第1の明度と第2の明度の明度差が明度差最大値の関数として検出され、あらかじめ画像処理手段14内のRAMに記憶されているものとする。
そして、異常状態の検出/判定が行われ、異常状態と判定された場合は、RAMに記憶されている関数が参照され、各階調の明度変動量が算出され、その算出結果に基づいてγテーブルの変更が行われる。以上、γテーブル変更方法について述べたがこれに限定されるものではない。
次いで、図1の画像入力手段11により画像データが入力されると(S99)、画像処理手段14においてRAMに記憶されているγテーブルが参照され、入力された画像データに画像処理が施される(S100)。そして、書込み手段、像担持体44、現像手段を介して、転写、定着などの一連の処理が行われ画像が出力される(S101)。
以上説明したようにして、明度差最大階調領域検出結果に基づいて明度差最大階調領域の明度計測を行い、画像の異常状態を検出/判定し、γテーブルの変更を行うことで、全階調の明度計測を行うことなくγテーブルの変更が可能となり、γテーブル変更に伴う処理の煩雑さ等を回避することができ、またそれによりγテーブルの更新頻度を高くすることも可能となり、より安定した良好な画像を得ることができる。
【0014】
[実施例3]
本実施例では、明度差最大階調領域検出結果に基づいた異常状態検出/判定結果を、プロセス条件の調整にフィードバックする方法について図11の処理フローチャートに基づいて説明する。S111〜S115までの、異常状態の検出/判定までは実施例1と同様であるので説明は省略する。
そして、異常状態と判定された場合(S116のYes)は、異常状態検出/判定結果が、図1の画像出力手段12へ送られる。そして、画像出力手段12内で異常状態検出/判定結果に基づいてプロセス条件の変更が行われる(S117)。また、異常状態と判定されなかった場合(S116のNo)は、プロセス条件の変更は行わず現状維持とする(S118)。
ここで、プロセス条件の変更方法の例を説明する。異常状態と判定された場合の、明度差最大階調領域の明度が理想の明度に対して低かった場合は、理想の明度と比較して暗すぎることを意味する。つまり、トナー付着量が多すぎるということであり、トナー付着量を減少するプロセス制御が必要である。
また、明度差最大階調領域の明度が理想の明度に対して高かった場合は、理想の明度と比較して明る過ぎることを意味し、トナー付着量が少なすぎるということであり、トナー付着量を増加するプロセス制御が必要となる。
従って、これを利用してプロセス条件の変更を行う。トナー付着量を増加したい場合には例えば、感光体の帯電量を減少する方向に、現像バイアスを増加させる方向に制御すればよい。また、トナー帯電量を減少させることでもトナー付着量の増加が見込める。トナー付着量を減少させたい場合には上記の逆方向にプロセス条件を制御すればよい。
以上説明したようにして、明度差最大階調領域の明度が理想の明度に対して明るい側、暗い側のどちらに変化しているのか及びその変化量に応じてプロセス条件を変更する。また、プロセス条件の変更方法についてはここで述べたものに限定するものではない。
次いで、図1の画像入力手段により、画像データが入力されると(S119)、画像処理手段において、入力画像データに画像処理が施される(S120)。そして、書込み手段、像担持体、現像手段を介して、転写、定着などの一連の処理が行われ画像が出力される(S121)。
【0015】
以上説明したようにして、明度差最大階調領域検出結果に基づいて明度差最大階調領域の明度計測を行い、画像の異常状態を検出/判定し、画像形成のプロセス条件を調整することで、全階調の明度計測を行うことなくプロセス条件を調整することが可能となり、プロセス条件の調整に伴う処理の煩雑さ等を回避することができる。
またそれによりプロセス条件の調整頻度を高くすることも可能となり、より安定した良好な画像を得ることができる。また、最も明度が不安定な階調の明度変動量に基づいてプロセス条件の変更を行うので、最も画像劣化が著しい階調の画質改善が効率的に行われ、より良好な画質を得ることができる。
また、明度は、使用する部品のバラつき、使用する現像剤等の製造ロット差、また、現像剤、感光体、その他様々な経時的変化を伴うものによる影響を受けて変化し、それに伴い明度差も影響を受けることが考えられるので、本発明で述べた明度差最大階調領域の検出による一連の処理は長期定期的に行われることが、また異常状態検出/判定処理は短期定期的に行われることが望ましい。
定期的に一連の処理を行うにあたって、実印字時間外に、例えば初期設定に基づいて行われるようにしてもよい。それによって自動的に明度差最大階調領域の更新が行われ、最適な画像処理が画像データに施され、常に安定した良好な画質を得ることが可能になる。
また、像担持体44の実画像形成領域外に階調パターン像を形成し、明度差最大階調領域の検出を行うようにしてもよい。これにより実印字時間であっても、明度差最大階調領域の検出による一連の処理が可能になり、常に安定した良好な画質を得ることができる。また、像担持体の実画像形成領域外に階調パターン像を形成することは、像担持体への余計な負担を軽減し、像担持体の劣化を防ぐことにも繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る画像形成装置の構成を示すブロック図。
【図2】画像処理手段の構成を示すブロック図。
【図3】実施例1の処理フローチャート。
【図4】光学センサが像担持体に対向している様子を示す図。
【図5】階調パターン像を示す図。
【図6】各階調における第1、第2明度を示す図。
【図7】実施例1における入力値に対する明度差の変化を示す図。
【図8】実施例1の処理フローチャート。
【図9】実施例2の処理フローチャート。
【図10】実施例2における入力値に対する明度差の変化を示す図。
【図11】実施例3の処理フローチャート。
【符号の説明】
【0017】
10 CPU、11 画像入力手段、12 画像出力手段、13 明度差最大階調領域検出及び異常状態検出/判定部、14 画像処理手段、131 階調パターン発生手段、132 明度計測手段、133 明度差最大階調領域検出手段、134 異常状態検出/判定手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、画質の安定性を得ることを目的とした画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真技術を応用したデジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置では、近年、画像情報の高精度な再現性が求められている。これに伴い、画像形成状態を安定化させる技術や、より細かな階調表現を可能にする技術等の研究開発が進められている。
この種の画像処理装置においては、使用する部品のバラつき、使用する現像剤等の製造ロット差や放置時間等によって、画像濃度・階調性が機械毎に異なる。そのため、γ変換回路のγ変換テーブルを用いて潜像γ特性、例えばイメージスキャナからの画像信号と感光体表面電位との対応特性を変えることにより、機械毎の画像濃度や階調性のバラつきを補正するようにしている。
他方、初期状態で最適な階調性を有する状態に画像信号を補正されていても、現像剤や感光体などの経時変動により、最適な階調補正状態でなくなってしまう。そのため、現像剤などの経時変動に応じて経時的に、上記テーブルを変更していくことが行われている。
従って、γ変換回路は、機械毎のバラつきを吸収し、機械によらず一定の階調性及び画像濃度とするための役割と、現像剤の現像特性や感光体の光滅衰特性などの経時変化を吸収し、経時的に変化せずに常に安定な画像濃度及び階調性を得るための役割とを有することになる。
しかし、原稿の画像濃度に忠実で、精度のよい階調補正を行うためには、上記テーブルの数が膨大になるとともに、これらのテーブルから使用するテーブルを選択するアルゴリズムが複雑になる。このため、上記テーブルの数が増えるにつれて上記テーブルを記憶するために必要なメモリ容量が膨大になるという問題点が挙げられる。
この問題を解決する方法としては、定期的に階調パターンを感光体ドラム上に形成し、全ての階調パッチについての濃度を計測し、初期濃度と比較することにより入力値と明度の調整を行い、γテーブルを変更していく、またはエンジンパラメータの変更等を行う方法等がとられる。
例えば、特許文献1には、感光体上の潜像パターンの表面電位を検出し、検出した表面電位により階調補正情報を変更することで、出力する1枚毎に最適な階調補正情報をリアルタイムで設定し、連続出力でも安定した画像を形成する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平9−187997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、調整毎に階調パターンとなる全階調パッチを形成し、全パッチの濃度を計測することは、時間的ロスも大きく、また感光体の劣化にも繋がるなどの問題点が挙げられる。この問題を解決するために、特定階調のみ濃度計測を行い、その結果に基づいて、γテーブルの変更を行う、またはエンジンパラメータを調整することが行われるが、特定階調が適切に選択されているかどうかによってγテーブルの変更、エンジンパラメータ調整が左右される等の問題点があった。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、メンテナンス時期を警告し、また全階調パッチの濃度計測等を行うことなく濃度変動等を抑制し、画像品質の安定化を図ることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成する、または時間的差異をつけて形成する階調パターン発生手段と、前記階調パターン発生手段によって形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測する明度計測手段と、前記明度計測手段により計測された第1の明度と第2の明度との明度差を算出し、明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出する明度差最大階調領域検出手段と、を備えた画像形成装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記明度差最大階調領域検出手段による検出結果に基づいて、画像の異常状態を検出する、または判定する異常状態検出/判定手段を備えた画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果を表示する画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果に基づいて、γ補正を行う画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果に基づいて、画像形成のプロセス条件を調整する画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記階調パターン発生手段は、階調パターン像を実印字時間外に形成する画像形成装置を主要な特徴とする。
【0005】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記階調パターン発生手段は、階調パターン像を像担持体上の実画像形成領域外に形成する画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項8記載の発明は、像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成、または時間的差異をつけて形成し、形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測し、計測された第1の明度と第2の明度との明度差を算出し、その明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出する画像形成方法を最も主要な特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の画像形成方法において、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、画像の異常状態を検出する、または判定する画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果を表示する画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果に基づいて、γ補正を行う画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果に基づいて、画像形成のプロセス条件を調整する画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項8記載の画像形成方法において、階調パターン像は実印字時間外に形成する画像形成方法を主要な特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項8記載の画像形成方法において、階調パターン像は像担持体上の実画像形成領域外に形成する画像形成方法を主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1及び請求項8記載の発明によれば、像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、形成する像担持体の位置を異ならせて形成、または、時間的差異をつけて形成し、形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測し、計測された第1の明度と第2の明度の差を算出し、その明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出することで、全階調領域の中で最も明度が不安定となる階調領域を検出することが可能となる。また、この検出結果を利用することにより、効率的に明度の安定性を向上させ、より良好な画像を得ることに繋がる。
請求項2及び請求項9記載の発明によれば、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、明度差最大階調領域の明度計測を行い画像の異常状態を検出/判定することで、全階調の明度計測を行うことなく、階調の異常状態の検出/判定が可能となり、効率的な異常状態検出が可能になる。
請求項3及び請求項10記載の発明によれば、前記異常状態検出/判定結果を表示することで、ユーザへの警告が可能となり、メンテナンス時期等を的確に把握することが可能となる。
【0007】
請求項4及び請求項11記載の発明によれば、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、明度差最大階調領域の明度計測を行い画像の異常状態を検出/判定しγテーブルの変更を行うことで、全階調の明度計測を行うことなくγテーブルの変更が可能となり、γテーブル変更に伴う処理の煩雑さ等を回避することができ、またそれによりγテーブルの更新頻度を高くすることも可能となり、より安定した良好な画像を得ることができる。
請求項5及び請求項12記載の発明によれば、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、明度差最大階調領域の明度計測を行い画像の異常状態を検出/判定し、画像形成のプロセス条件を調整することで、全階調の明度計測を行うことなくプロセス条件を調整することが可能となり、プロセス条件の調整に伴う処理の煩雑さ等を回避することができ、またそれによりプロセス条件の調整頻度を高くすることも可能となり、より安定した良好な画像を得ることができる。また、最も明度が不安定な階調の明度変動量に基づいてプロセス条件の調整を行うので、最も画像劣化が著しい階調の画質改善が効率的に行われ、より良好な画質を得ることができる。
請求項6及び請求項13記載の発明によれば、階調パターン像を実印字時間外に形成し、明度差最大諧調領域を検出するので、ユーザの負担になることなく、より安定した良好な画像を得ることができる。
請求項7及び請求項14記載の発明によれば、像担持体の実画像形成領域外に階調パターン像を形成し、明度差最大階調領域を検出するので、実印字時間においても、より安定した良好な画像を得ることができる。また、像担持体の実画像形成領域外に階調パターン像を形成することで、像担持体への余計な負担を軽減し、像担持体の劣化を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の画像形成装置及び画像形成方法における実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、CPU(中央処理部)10、画像入力手段11、画像出力手段12、明度差最大階調領域検出、及び異常状態検出/判定を行う明度差最大階調領域検出及び異常状態検出/判定部(以下、単に「検出判定部」という)13、画像処理手段14から構成されている。
検出判定部13は、階調パターン発生手段131、明度計測手段132、明度差最大階調領域を検出する明度差最大階調領域検出手段(以下、単に「検出手段」と表記する)133、及び異常状態の検出/判定を行う異常状態検出/判定手段(以下、単に「検出/判定手段」という)134から構成されている(詳細後述)。
CPU10では、この画像形成装置の制御が行われる。画像入力手段11では、CCDなどで読み取ったアナログデータを1画素あたり8ビットのデジタル値に変換する。そしてそのデータが画像処理手段14に入力される。画像処理手段14では、検出/判定手段134による検出/判定結果に基づく処理が行われる。
画像出力手段12では、検出/判定手段134による検出/判定結果に基づくプロセス条件の調整が行われ、変調されたレーザ光によって、後述する図4に示す像担持体に潜像が形成された後、現像、転写、定着などの一連のプロセスを経て画像が出力される。
図2は画像処理手段の構成を示すブロック図である。ここで、画像処理手段14で行われるデジタル画像処理の一例を、図2を参照して説明する。まず、入力データは、シェーディング補正部21で、光源、光学系、読み取り素子のばらつきが取り除かれた後、スキャナγ補正部22でスキャナγ補正が行われる。
そして、フィルタ処理部23によって画像のエッジ強調や平滑化等のフィルタ処理が行われ、変倍処理部24で、スキャナのキャリッジ移動速度を変えたり、画像データの補間演算を行ったりするなどにより拡大縮小の変倍処理が行われる。そして、プリンタγ補正部25でプリンタγ補正が行われた後、中間調処理部26によって、ディザ処理や誤差拡散処理等の中間調処理方法によりプリンタの出力ビット数に量子化して送出する。以上代表的なデジタル画像処理について説明したが、他にも様々な形態があり、図2に示す構成に限定されるものではない。
【0009】
[実施例1]
図3は実施例1に係る画像形成装置による全体の処理フローチャートである。まず、図1の検出判定部13の階調パターン発生手段131により、図5に示すような白〜黒(入力値0〜255)へ段階的に明度が低下するような複数のパッチからなる階調パターン像の信号が書込み手段(図示せず)に送られる(S31)。図5は150線のディザマトリクスにて処理された17階調を有する階調パターン像であるが、階調パターン像の中間調処理、パッチ数、階調間隔等は、これに限定されるものではない。
次いで、書込み手段の、階調パターン信号に従って変調されたレーザ光によって像担持体上に潜像が形成され、現像手段(図示せず)によって、階調パターンのトナー像が形成される(S32)。
次いで、図1の検出判定部13の明度計測手段132によって像担持体上にある階調パターン像の各パッチの明度が計測される(S33)。本発明において、明度計測には例えば、図4に示すような光学センサ40を用いる。
像担持体44上に隣接して設けられた光学センサ40は、物理特性量データを像担持体44の回転に従って時系列に取り出す。光学センサ40はCCDラインセンサ41、照明手段42及び光学部材43から構成されており、照明手段42により像担持体44上に形成された階調パターンの各パッチのトナー像に照射光が射出され、反射した光を、光学部材43によってCCDラインセンサ41に結像させて受光させることにより、各パッチの物理特性量データが計測され、その物理特性量データから明度が計測される。
ここで計測された各パッチの明度が、本発明で言う「第1の明度」である。そして、例えば、第1の明度として測定した階調パターンを形成した像担持体44上の別の場所に、先述した階調パターンのトナー像が同様に形成され、各パッチの明度が計測される(S34〜S36)。これが「第2の明度」である。
例えば、「第1の明度」は画像形成装置の初期状態においての階調パターンの明度とし、「第2の明度」は複数枚の画像出力後における階調パターンの明度としてもよい。つまり、「第1の明度」と「第2の明度」は、面内、経時等による明度の違いを意味する。
【0010】
ここで、発明者が行ったシミュレーション実験の結果を図6に示して説明する。図6の実線の●プロットが画像形成装置の初期状態での各階調の明度であり、これが第1の明度にあたる。また、破線の△プロットがある一定枚数出力後の各階調の明度であり、第2の明度にあたる。
つまり、経時変化によって、これだけ明度が変化するということである。ここで、明度を計測するのは、人間の視覚特性は、濃度よりもむしろ明度に対してリニアな特性を有することが知られているからである。また、この明度が変化しないこと、つまり明度が安定することが画質の安定化にも繋がる。
ここで述べた像担持体44は、感光体としてもよいし、中間転写体としてもよい。また、階調パターン像の明度計測についても、転写後、または定着後における紙上のトナー像の明度を計測するように構成したものでもよい。
このようにして計測された第1の明度と第2の明度は、図1の検出判定部13内の検出手段133に送られる。検出手段133では、各階調の第1の明度と第2の明度の差が算出され、明度差の最大値が検出される(S37)。次いで明度差の最大値の階調を含むある一定の階調範囲が明度差最大階調領域として検出される(S38)。
明度差最大階調領域とされる範囲に関しては、例えば、明度差最大階調を中心とした任意の割合の範囲とするがこれに限定されるものではない。また、明度差最大階調をある領域として検出することで、明度差最大階調の検出誤差を考慮することが可能になる。
【0011】
ここで、発明者が行ったシミュレーション実験の結果を図7に示して説明する。図7は、図6で示した各階調の第1の明度と第2の明度の差をプロットした図である。これにより、べた少し手前の階調が最も明度差が大きく、明度の変動が大きいことがわかる。本発明は、この明度変動が最大になる領域、つまり明度が最も不安定になる階調領域を検出することが特徴となっている。
次いで、検出された明度差最大階調領域情報は、検出判定部13内のRAM(図示せず)に記憶される(S39)。
以上、図3にて説明した明度差最大階調領域の検出処理は、画像形成装置出荷時等、使用初期にて行うことが望ましい。また、検出結果は経時で変化することも考えられるので、その後は長期定期的に検出処理を行い、明度差最大階調領域の更新を行うことが精度向上に繋がる。
以上説明したようにして、像担持体44上に形成した階調パターンの各パッチにおける第1の明度と第2の明度を計測して明度差を検出し、明度差最大階調領域を検出することで、最も明度が不安定な階調領域を知り得ることができ、これを利用することにより効率的に明度の安定性を向上させ、より高画質を得ることに繋がる。
【0012】
次に、先述の明度差最大階調領域検出結果に基づいた画像の異常状態検出/判定について図8の処理フローチャートを用いて説明する。検出判定部13内のRAMに記憶された明度差最大階調領域が参照され(S81)、その階調領域の階調パターン像の信号が、図1の検出判定部13内の階調パターン発生手段131により書込み手段(図示せず)に送られる(S82)。
次いで、書込み手段における、階調パターン信号に従って変調されたレーザ光によって像担持体上に潜像が形成され、現像手段(図示せず)によって、明度差最大階調領域の階調パターンのトナー像が形成される(S83)。
次いで、図1の検出判定部13の明度計測手段132によって像担持体44上の明度差最大階調領域における階調パターン像の明度が計測される(S84)。計測された明度データが図1の検出判定部13内の検出/判定手段134に送られる。
検出/判定手段134では、あらかじめRAM(図示せず)に全階調の理想の明度データを保持しており、送られた明度差最大階調領域の明度の計測結果と、その階調に該当する理想の明度との比較が行われ、階調の異常状態検出/判定がなされる(S85)。
異常状態検出/判定方法としては、例えば、明度差最大階調領域の明度と理想の明度との差を評価値として、これに許容値を設定し、評価値が許容値を超えた場合を異常状態として検出/判定する方法がある。許容値に関しては、変更可能とし、これによりユーザの主観を反映することが可能となる。
そして、異常状態と判定された場合(S86のYes)は、異常状態であることが画像形成装置に設けられた異常状態表示手段(図示せず)に表示され、ユーザへの警告が行われる(S87)。異常状態と判定されなかった場合(S86のNo)は、異常状態の表示は行われない、または、異常がないことが表示される(S88)。また、この図8で説明した処理フローは、短期定期的に行われることが望ましい。
以上説明したようにして、明度差最大階調領域検出結果を用いて明度が最も不安定な階調の明度変化を検出することで、全階調の明度変化を追うことなく、階調の異常状態の検出/判定が可能となる。また、異常状態検出/判定結果を表示することで、ユーザへの警告が可能となり、メンテナンス時期等を的確に把握することが可能となり、常に安定した良好な画質を得ることに繋がる。
【0013】
[実施例2]
本実施例では、明度差最大階調領域検出結果に基づいた異常状態検出/判定結果を、γ補正にフィードバックする方法について図9の処理フローチャートに基づいて説明する。S91〜S95までの、異常状態の検出/判定までは実施例1と同様であるので説明は省略する。
そして、異常状態と判定された場合(S96のYes)は、その検出/判定結果が、図1の画像処理手段14へ送られる。そして、画像処理手段14内のγテーブルが、異常状態検出/判定結果に基づいて変更され(S97)、画像処理手段14内のRAM(図示せず)に記憶される。また、異常状態と判定されなかった場合(S96のNo)は、γテーブルの変更は行わず現状維持とする(S98)。
ここで、発明者が行ったシミュレーション実験の結果を図10に示してγテーブルの変更方法の例を説明する。図10は、ある経時によるプロセス変動による第1の明度と第2の明度の差をプロットした図であり、破線の△プロット(プロセス変動0.5)は、実線の●プロット(プロセス変動1)に対してプロセス変動が半分であった場合を示している。
この図から、プロセス変動が減少すると、それに伴い明度差も各階調についてほぼ同比率で減少することが分かる。つまり、各階調の明度差は明度差最大階調の関数で表すことが可能である。
本実施例においては、実施例1において、図3の処理フローチャートで説明したS37の工程にて、各階調の第1の明度と第2の明度の明度差が明度差最大値の関数として検出され、あらかじめ画像処理手段14内のRAMに記憶されているものとする。
そして、異常状態の検出/判定が行われ、異常状態と判定された場合は、RAMに記憶されている関数が参照され、各階調の明度変動量が算出され、その算出結果に基づいてγテーブルの変更が行われる。以上、γテーブル変更方法について述べたがこれに限定されるものではない。
次いで、図1の画像入力手段11により画像データが入力されると(S99)、画像処理手段14においてRAMに記憶されているγテーブルが参照され、入力された画像データに画像処理が施される(S100)。そして、書込み手段、像担持体44、現像手段を介して、転写、定着などの一連の処理が行われ画像が出力される(S101)。
以上説明したようにして、明度差最大階調領域検出結果に基づいて明度差最大階調領域の明度計測を行い、画像の異常状態を検出/判定し、γテーブルの変更を行うことで、全階調の明度計測を行うことなくγテーブルの変更が可能となり、γテーブル変更に伴う処理の煩雑さ等を回避することができ、またそれによりγテーブルの更新頻度を高くすることも可能となり、より安定した良好な画像を得ることができる。
【0014】
[実施例3]
本実施例では、明度差最大階調領域検出結果に基づいた異常状態検出/判定結果を、プロセス条件の調整にフィードバックする方法について図11の処理フローチャートに基づいて説明する。S111〜S115までの、異常状態の検出/判定までは実施例1と同様であるので説明は省略する。
そして、異常状態と判定された場合(S116のYes)は、異常状態検出/判定結果が、図1の画像出力手段12へ送られる。そして、画像出力手段12内で異常状態検出/判定結果に基づいてプロセス条件の変更が行われる(S117)。また、異常状態と判定されなかった場合(S116のNo)は、プロセス条件の変更は行わず現状維持とする(S118)。
ここで、プロセス条件の変更方法の例を説明する。異常状態と判定された場合の、明度差最大階調領域の明度が理想の明度に対して低かった場合は、理想の明度と比較して暗すぎることを意味する。つまり、トナー付着量が多すぎるということであり、トナー付着量を減少するプロセス制御が必要である。
また、明度差最大階調領域の明度が理想の明度に対して高かった場合は、理想の明度と比較して明る過ぎることを意味し、トナー付着量が少なすぎるということであり、トナー付着量を増加するプロセス制御が必要となる。
従って、これを利用してプロセス条件の変更を行う。トナー付着量を増加したい場合には例えば、感光体の帯電量を減少する方向に、現像バイアスを増加させる方向に制御すればよい。また、トナー帯電量を減少させることでもトナー付着量の増加が見込める。トナー付着量を減少させたい場合には上記の逆方向にプロセス条件を制御すればよい。
以上説明したようにして、明度差最大階調領域の明度が理想の明度に対して明るい側、暗い側のどちらに変化しているのか及びその変化量に応じてプロセス条件を変更する。また、プロセス条件の変更方法についてはここで述べたものに限定するものではない。
次いで、図1の画像入力手段により、画像データが入力されると(S119)、画像処理手段において、入力画像データに画像処理が施される(S120)。そして、書込み手段、像担持体、現像手段を介して、転写、定着などの一連の処理が行われ画像が出力される(S121)。
【0015】
以上説明したようにして、明度差最大階調領域検出結果に基づいて明度差最大階調領域の明度計測を行い、画像の異常状態を検出/判定し、画像形成のプロセス条件を調整することで、全階調の明度計測を行うことなくプロセス条件を調整することが可能となり、プロセス条件の調整に伴う処理の煩雑さ等を回避することができる。
またそれによりプロセス条件の調整頻度を高くすることも可能となり、より安定した良好な画像を得ることができる。また、最も明度が不安定な階調の明度変動量に基づいてプロセス条件の変更を行うので、最も画像劣化が著しい階調の画質改善が効率的に行われ、より良好な画質を得ることができる。
また、明度は、使用する部品のバラつき、使用する現像剤等の製造ロット差、また、現像剤、感光体、その他様々な経時的変化を伴うものによる影響を受けて変化し、それに伴い明度差も影響を受けることが考えられるので、本発明で述べた明度差最大階調領域の検出による一連の処理は長期定期的に行われることが、また異常状態検出/判定処理は短期定期的に行われることが望ましい。
定期的に一連の処理を行うにあたって、実印字時間外に、例えば初期設定に基づいて行われるようにしてもよい。それによって自動的に明度差最大階調領域の更新が行われ、最適な画像処理が画像データに施され、常に安定した良好な画質を得ることが可能になる。
また、像担持体44の実画像形成領域外に階調パターン像を形成し、明度差最大階調領域の検出を行うようにしてもよい。これにより実印字時間であっても、明度差最大階調領域の検出による一連の処理が可能になり、常に安定した良好な画質を得ることができる。また、像担持体の実画像形成領域外に階調パターン像を形成することは、像担持体への余計な負担を軽減し、像担持体の劣化を防ぐことにも繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る画像形成装置の構成を示すブロック図。
【図2】画像処理手段の構成を示すブロック図。
【図3】実施例1の処理フローチャート。
【図4】光学センサが像担持体に対向している様子を示す図。
【図5】階調パターン像を示す図。
【図6】各階調における第1、第2明度を示す図。
【図7】実施例1における入力値に対する明度差の変化を示す図。
【図8】実施例1の処理フローチャート。
【図9】実施例2の処理フローチャート。
【図10】実施例2における入力値に対する明度差の変化を示す図。
【図11】実施例3の処理フローチャート。
【符号の説明】
【0017】
10 CPU、11 画像入力手段、12 画像出力手段、13 明度差最大階調領域検出及び異常状態検出/判定部、14 画像処理手段、131 階調パターン発生手段、132 明度計測手段、133 明度差最大階調領域検出手段、134 異常状態検出/判定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成する、または時間的差異をつけて形成する階調パターン発生手段と、前記階調パターン発生手段によって形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測する明度計測手段と、前記明度計測手段により計測された第1の明度と第2の明度との明度差を算出し、明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出する明度差最大階調領域検出手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、前記明度差最大階調領域検出手段による検出結果に基づいて、画像の異常状態を検出する、または判定する異常状態検出/判定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果を表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果に基づいて、γ補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果に基づいて、画像形成のプロセス条件を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像形成装置において、前記階調パターン発生手段は、階調パターン像を実印字時間外に形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、前記階調パターン発生手段は、階調パターン像を、像担持体上の実画像形成領域外に形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成、または時間的差異をつけて形成し、形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測し、計測された第1の明度と第2の明度との明度差を算出し、その明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出することを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成方法において、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、画像の異常状態を検出する、または判定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果を表示することを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果に基づいて、γ補正を行うことを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果に基づいて、画像形成のプロセス条件を調整することを特徴とする画像形成方法。
【請求項13】
請求項8記載の画像形成方法において、階調パターン像は実印字時間外に形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項14】
請求項8記載の画像形成方法において、階調パターン像は像担持体上の実画像形成領域外に形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項1】
像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成する、または時間的差異をつけて形成する階調パターン発生手段と、前記階調パターン発生手段によって形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測する明度計測手段と、前記明度計測手段により計測された第1の明度と第2の明度との明度差を算出し、明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出する明度差最大階調領域検出手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、前記明度差最大階調領域検出手段による検出結果に基づいて、画像の異常状態を検出する、または判定する異常状態検出/判定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果を表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果に基づいて、γ補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2記載の画像形成装置において、前記異常状態検出/判定手段による検出/判定結果に基づいて、画像形成のプロセス条件を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像形成装置において、前記階調パターン発生手段は、階調パターン像を実印字時間外に形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、前記階調パターン発生手段は、階調パターン像を、像担持体上の実画像形成領域外に形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
像担持体上に2つの同じ階調パターン像を、像担持体上の位置を異ならせて形成、または時間的差異をつけて形成し、形成された2つの階調パターン像のうち、一方の明度を第1の明度とし、他方の明度を第2の明度として計測し、計測された第1の明度と第2の明度との明度差を算出し、その明度差が最大となる階調を検出し、検出した階調を含む所定領域範囲を明度差最大階調領域として検出することを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成方法において、前記明度差最大階調領域検出結果に基づいて、画像の異常状態を検出する、または判定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果を表示することを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果に基づいて、γ補正を行うことを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
請求項9記載の画像形成方法において、前記異常状態検出/判定結果に基づいて、画像形成のプロセス条件を調整することを特徴とする画像形成方法。
【請求項13】
請求項8記載の画像形成方法において、階調パターン像は実印字時間外に形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項14】
請求項8記載の画像形成方法において、階調パターン像は像担持体上の実画像形成領域外に形成することを特徴とする画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図5】
【公開番号】特開2006−58697(P2006−58697A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241559(P2004−241559)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]