説明

画像形成装置

【課題】低コストで廃トナーの蓄積量の推移を随時予告可能な構成を有する画像形成装置において、従来例に比べより高い精度での廃トナーの蓄積量の把握を可能とする。
【解決手段】像担持体に形成したトナー像を転写材に転写し、該転写後に前記像担持体に残留した廃トナーを除去して回収部へ回収する電子写真画像形成装置において、回収した廃トナーの蓄積量を、像担持体の表面に占めるトナー像の被覆面積から算出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いる画像形成装置に関し、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
中間転写体を用いた画像形成装置の構成は、例えばフルカラーや多重画像形成機能を備えた画像形成装置に多く採用されている。
【0003】
これは、電子写真感光体や静電記録誘電体等の第1の像担持体(感光体ドラム)に適宜の画像形成プロセス手段で目的のフルカラー画像や多重画像の複数の色成分像に対応する成分色トナー画像を順次形成し、それらの成分色トナー画像を、回転ベルト型を一般的とする第2の像担持体としての中間転写体に一次転写部にて順次重畳転写させることで中間転写体に目的のフルカラー画像や多重画像に対応したフルカラー画像や多重トナー画像を合成形成させる。この中間転写体に合成形成したトナー画像を二次転写部にて転写材に一括転写し、この転写材を定着器に導入して画像定着させることによりフルカラー画像形成物を得るものである。
【0004】
ここで、第2の像担持体(中間転写体)としてベルト体を採用した場合の画像形成装置を図16に基づいて説明する。尚、図16には中間転写ユニット100及びクリーナユニット120を中心として示している。
【0005】
感光体ドラム101(101Y,101M,101C,101K)に形成された複数の色成分像に対応する成分色トナー画像が、感光体ドラム101と一次転写対向ローラ102とのニップで形成された一次転写部T1(T1Y,T1M,T1C,T1K)で順次転写され、中間転写ベルト103上に目的のフルカラー画像が形成される。この中間転写ベルト103上のフルカラー画像を二次転写ローラ118と二次転写対向ローラ105とが形成する二次転写部T2で転写材Pに一括転写し、定着器(不図示)で画像定着させることでフルカラー形成物を得る。
【0006】
中間転写ユニット100は、一次転写対向ローラ102、中間転写ベルト103、中間転写ベルト103を支持する3軸の駆動ローラ104、二次転写対向ローラ105及び可動ローラとしてのテンションローラ106を備えており、装置本体から着脱可能とされている。
【0007】
中間転写ベルト103は、揺動可能なテンションローラ106の軸受107を圧縮バネ108により加圧することで、その張力が一定に保持されている。
【0008】
又、中間転写ベルト103の周囲には二次転写で転写されずに中間転写ベルト103上に転写残として残ったトナーをクリーニングするためのクリーナユニット120を配置している。クリーナユニット120は、中間転写ベルト103に当接するクリーニング部材としてのクリーニングブレード121と、クリーニングブレード121により除去された残トナーを収容するクリーナ容器122、除去した廃トナー131を搬送するスクリュー123とを有している。クリーニングブレード121は、クリーナ容器122に保持されている。
【0009】
又、クリーニングブレード121の対向部にはバックアップローラとしてテンションローラ106が配置されている。そして、クリーナユニット120はテンションローラ106の両端部にある軸受け部材に位置決めされ中間転写ユニット100に固定されている。従って、簡単な構成でクリーニング性能を維持することができる。クリーニングブレード121により除去した廃トナー131は、スクリュー123により送られ、廃トナーボトル130へ排出される。そして、廃トナーボトル130に蓄積された廃トナー131が満タンになると、廃トナーボトル130入口付近に配置された光透過式の廃トナー満タン検知センサ132の光軸を遮るので、本体を停止させ、廃トナー131が溢れ機内及び周囲を汚すことがない構成になっている。
【0010】
しかしながら、上記従来例では、廃トナーボトル130の満タン状態は満タン検知センサ132の光軸を遮った場合に検知されるので、ジョブの途中であっても突然本体が停止してしまい、印字を継続できないことがあった。
【0011】
又、満タン検知センサ132と平行且つ下方に同様のセンサをもう一組配置し、下方の光軸を遮ったときに満タン予告を発する方法もあるが、予告後の印字率により、予告から満タンまでの可能プリント枚数にばらつきを生じていた。更に、センサを増やした分コストアップになってしまうことが課題となっていた。
【0012】
そこで、コストアップを生じることなく、廃トナーの蓄積量を逐次知る手段として、消費トナー量から廃トナーの蓄積量を推定する方法等も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
【特許文献1】特開2003−316224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、廃トナーの発生量は消費されたトナー量との間に相関は見られるが、十分な精度を得られなかった。例えば、上記従来例では、モノクロ印字とフルカラー印字、若しくは低濃度の印字と複数色を重ね合わせた高濃度の印字等、消費されるトナー量は同じでも転写効率が異なり、発生する廃トナー量が異なるため、推定精度が悪くなるという問題があった。
【0015】
本発明は上記問題に鑑みてなされてもので、その目的とする処は、低コストで廃トナーの蓄積量の推移を随時予告することを可能な構成を有する画像形成装置において、従来例に比べ廃トナーの蓄積量を把握する精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の代表的な構成は、像担持体に形成したトナー像を転写材に転写し、該転写後に前記像担持体に残留した廃トナーを除去して回収部へ回収する画像形成装置において、前記回収した廃トナーの蓄積量を、トナー被覆面積と転写効率から算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、補給したトナー量と転写効率から回収部へ蓄積される廃トナー量をユーザに告知することができるため、逐次正確な廃トナー蓄積量を把握することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0019】
<実施の形態1>
[画像形成装置の全体の説明]
先ず、ずカラー画像形成装置の全体構成について、図1を参照して概略説明する。
【0020】
図1はカラー画像形成装置の一形態であるレーザープリンタの全体構成説明図である。
【0021】
カラーレーザープリンタは図1に示すように、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックBkの各色毎に一定速度で回転する電子写真感光体である感光体ドラム1(1Y,1M,1C,1K)とカラー現像器を持つ画像形成部と画像形成部で現像され多重転写されたカラー画像を保持し給送部から給送された転写材2に更に転写する中間転写体18とから成る。カラー画像を転写された転写材2を定着部50へ搬送してカラー画像を転写材2に定着し、排出ローラによって装置上面の排出部65へ排出するものである。尚、上記4色のカラー現像器はプリンタ本体に対して個別に着脱可能に構成されている。
【0022】
次に、上記画像形成装置の各部の構成について順次詳細に説明する。
【0023】
[感光体ドラム]
感光体ドラム1は、現像器のホルダの容器3(3Y,3M,3C,3K)と一体的に構成され、この現像ユニットはプリンタ本体に対して着脱自在に支持され、感光体ドラム1の寿命に合わせて容易にユニット交換可能であるよう構成されている。本実施の形態に係る感光体ドラム1は、アルミシリンダの外側に有機光導電体層を塗布して構成し、感光体ドラム1のホルダの容器3に回転自在に支持されている。又、図示後方の一方端に図示しない駆動モータの駆動力を伝達することにより、感光体ドラム1を画像形成動作に応じて図示反時計回りに回転させるようにしている。
【0024】
[帯電手段]
帯電手段5は、ローラ帯電方法を用いたものであり、帯電ローラにより印加電圧を感光体ドラム1の表面に一様に帯電させるものである。
【0025】
[露光手段]
上記感光体ドラム1への露光はスキャナ部6(6Y,6M,6C,6K)から行われる。即ち、画像信号がレーザーダイオードに与えられると、このレーザーダイオードは、画像信号に対応する画像光をポリゴンミラー6a(6Ya,6Ma,6Ca,6Ka)へ照射する。このポリゴンミラー6aはスキャナモータによって高速回転し、ポリゴンミラー6aで反射した画像光が結像レンズ6b(6Yb,6Mb,6Cb,6Kb)を介して一定速度で回転する感光体ドラム1の表面を選択的に露光し、その結果、感光体ドラム1上に静電潜像を形成する。
【0026】
[現像手段]
現像手段は、上記静電潜像を可視像化するために、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色現像を可能とする4個の現像器4(4Y,4M,4C,4K)から構成される。4色の各現像器4は、感光体ドラム1に対向した位置にスリーブ3S(3YS,3MS,3CS,3KS)が感光体ドラム1に対し微小間隔をもって配置され、感光体ドラム1に各色トナーによる可視像を形成する。
【0027】
各色の現像器4は、容器内のトナーを送り機構によって送り込み、スリーブ3Sの外周にトナー(非磁性)と現像剤(磁性)を混合させた粉末を図示時計方向に回転するスリーブ3Sの外周にコートする。その後、粉末の中のトナーを感光体ドラム1の静電潜像に対応してトナー現像を行うものである。
【0028】
又、各色の現像器4には別途配置されている各色のトナー容器4T(4TY,4TM,4TC,4TK)から随時トナーが補給される構成になっている。更に、トナー容器4Tからのトナー補給量をトナー送りスクリューの回転数により制御し、スクリューの回転数から補給したトナー量及び残トナー量を随時計測している。
【0029】
[中間転写体]
像担持体としての中間転写体18は、カラー画像形成動作時には各現像器により可視化された感光体ドラム1上のトナー画像を多重転写するため感光体ドラム1の外周速度と同期して図示時計回りに回転し、又、多重転写を受けた中間転写体18は、電圧を印加された二次転写ローラ60とによって転写材2を挟み込み搬送することにより転写材2に中間転写体上の各色トナー像を同時多重転写する。
【0030】
本実施の形態に係る中間転写体(中間転写ベルト)18は、周長約1000mmのシームレス樹脂ベルトで形成されていて、駆動ローラ14、二次転写対向ローラ15、テンションローラ16の3軸で張架され、テンションローラ16の両端にバネ21で荷重し、中間転写体18の周長が本体内の温湿度や径時変化により変化しても、変化量を吸収できる構成になっている。
【0031】
中間転写体18の内側の両縁部全周には、ゴムで形成されたガイドリブ19が接着剤により貼り付けられている。そして、テンションローラ16の両端部には勾配を持ち、樹脂で形成したフランジ20,20’が配置されていて、ガイドリブ19とフランジ20,20’で中間転写体18の走行方向と直交する方向の動き(以下、「寄り」と言う)を規制している。中間転写体18の寄りが発生した場合、中間転写体18に具備されたガイドリブ19の一方が、テンションローラ16の両端に配置したフランジ20,20’の一方の勾配に当り、それ以上の寄りを規制している。
【0032】
中間転写体18は、本体に駆動ローラ14を支点として支持され、駆動ローラ14の図示後方の一方端に図示しない駆動モータの駆動力を伝達することにより、中間転写体18を画像形成動作に応じて図示時計回りに回転させるようにしている。更に、この中間転写体ユニット13は、図示右方向に簡単に着脱することができる。
【0033】
[給紙部]
給紙部は、画像形成部へ転写材2を給送するものであり、複数枚の転写材2を収納したカセット7と給紙ローラ8、給送ローラ9、重送防止のリタードローラ10、給紙ガイド11、搬送ローラ対61、レジストローラ対12から主に構成される。
【0034】
画像形成時には給紙ローラ8が画像形成動作に応じて駆動回転し、カセット7内の転写材2を1枚ずつ分離給送すると共に、給紙ガイド11によってガイドし、搬送ローラ対61を経由してレジストローラ対12に至る。画像形成動作中にレジストローラ対12は、転写材2を静止待機させる非回転の動作と転写材2を中間転写体18に向けて搬送する回転の動作とを所定のシーケンスで行い、次工程である転写工程時の画像と転写材2との位置合わせを行う。
【0035】
[転写部]
転写部は、揺動可能な転写ローラ60から成る。転写ローラ60は、金属軸を中抵抗発泡弾性体で巻いてあり、図示上下に移動可能で且つ駆動を有している。上記中間転写体18上に4色のトナー像を形成している間、即ち中間転写体18上のトナー像が二次転写部T2に至るまではその画像を乱さぬよう、図1の点線に示すように転写ローラ60は下方に位置して中間転写体18とは離れている。
【0036】
その後、転写材2にカラー画像を転写するタイミングに合わせて転写ローラ60は位置に図示しないカム部材により図示実線で示す上方の位置、即ち、転写材2を介して中間転写体18に所定の圧で押し付けられる。このとき、同時に転写ローラ60にはバイアスが印加され、中間転写体18上のトナー画像は転写材2に転写される。ここで、中間転写体18と転写ローラ60とはそれぞれ駆動されているため、両者に挟まれた状態の転写材2は転写工程が行われると同時に、図示左方向に所定の速度で搬送され次工程である定着部50に向けて送られる。
【0037】
[中間転写体クリーニング部]
中間転写体18をクリーニングするクリーナユニット30は、クリーニングブレード31と、クリーニングブレード31を中間転写体18に押し当てるための加圧バネ36と、これらを保持するクリーナ容器34から成る。
【0038】
クリーニングブレード31の材質はウレタンゴムで金属板で構成したブレード保持板33上に形成させていて、クリーナ容器34に保持された軸32を回転中心として加圧バネ36により中間転写体18に所定の角度をもって押し当てられているため、中間転写体18に対して均一に当接することができる。
【0039】
尚、クリーニングブレード31の対向部にはバックアップローラとしてテンションローラ16が配置されていて、クリーニングブレード31が所定の当接圧で中間転写体18に当接できる構成になっている。このクリーニングブレード31が当接した点でトナー画像を中間転写体18から掻き落とし、中間転写体18をクリーニングする。
【0040】
クリーニングブレード31により回収された廃トナーは、クリーナ容器34に回収され、クリーナ容器34の最下部に配置されているスクリュー35により本体内に別途配置されている廃トナーボトル40に送られ回収される。このスクリュー35は、図示後方の一方端に図示しない駆動モータの駆動力を伝達することによりスクリュー35の搬送方向に回転させるようにしている。
【0041】
[廃トナーボトル]
図2に示すように、廃トナーボトル40は、廃トナー取入口γにクリーナユニット30の排出口δを差し込む構成になっていて、両ユニットの接続部でのトナー漏れが防止できる。又、廃トナーボトル40は、本体に配置されている廃トナーボトル保持部材70により保持されていて、廃トナーが蓄積しても接続部に荷重が掛かることはない。更に、廃トナーボトル保持部材70は、中間転写体ユニット13の当接離間動作に連動して上下する構成になっており、他の関係ない消耗品を交換するときや、ジャム処理時等関係ないときに着脱する必要はない。
【0042】
[定着部]
定着部50は、上記現像手段により形成されたトナー画像を中間転写体18を介して転写材2上に形成したトナー画像を定着させるものであり、図1に示すように、転写材2に熱を加えるための定着ローラ51と、転写材2を定着ローラ51に圧接させるための加圧ローラ52とから成り、各ローラは中空ローラであり、内部にそれぞれヒータ(不図示)を有し、回転駆動され同時に転写材2を搬送するよう構成されている。即ち、トナー像を保持した転写材2は、定着ローラ51と加圧ローラ52とにより搬送されると共に熱及び圧力を加えられることによりトナーが転写材2に定着される。
【0043】
[画像形成動作]
次に、上記のように構成された装置によって画像形成を行う場合の動作について説明する。
【0044】
先ず、図1に示す給紙ローラ8を回転して給紙カセット1内の転写材2を1枚分離し、レジストローラ対12へと搬送する。
【0045】
一方、感光体ドラム1と中間転写体18とが各々所定の外周速度V(以下、「プロセス速度」と呼ぶ)で図示矢印方向へ回転する。
【0046】
中間転写体18の外周の任意の点が図1のSの位置に来たときに、帯電手段5によって表面を均一に帯電された感光体ドラム1は、図1の露光位置E(EY,EM,EC,EK)の位置でレーザー露光を受け画像形成を行う。感光体ドラム1の露光位置Eから反時計回りに中間転写体18との接触部T1(T1Y,T1M,T1C,T1K)までの距離と中間転写体18の図示S点からT1までの距離は等しく、従って、時間経過後には画像の書き初めの露光位置Eと中間転写体18上の点SはT1の位置で一致する。即ち、中間転写体18に対して画像はS点を先端に反時計回りに形成される。
【0047】
スキャナ部6Yによりイエロー画像のレーザー照射を行い、感光体ドラム1上にイエロー潜像を形成する。この潜像形成と同時にイエロー現像器4Yを駆動し、感光体ドラム1上の潜像にイエロートナーが付着するように感光体ドラム1の帯電極性と同極性で略同電位の電圧を印加してイエロー現像を行う。同時に現像部の少し下流の第1転写位置T1Yで感光体ドラム1上のイエロートナー像を中間転写体18の外周に一次転写する。このとき、中間転写体18には上記イエロートナーと逆特性の電圧を印加して一次転写を行う。
【0048】
形成する画像がA3サイズの場合長さ420mmであり、中間転写体18の外周S点からL1点まで画像が形成される。
【0049】
同様にしてマゼンタ、シアン、ブラックの各色画像を順に感光体ドラム1M,1C,1Kに形成するとともに、そのトナー像を中間転写体18に順次重畳転写する。
【0050】
以上、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で潜像形成及び現像及び中間転写体18へのトナー転写をそれぞれの一次転写位置T1Y,T1M,T1C,T1Kで行い、中間転写体18の表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種のトナーから成るフルカラーの画像を形成することになる。
【0051】
ブラックトナーの中間転写体18への転写が終了する前に、即ち4色目のブラックトナーの一次転写を終えてフルカラー画像を形成した中間転写体18の画像先端Sが二次転写部T2へ到達する前に、先述のレジストローラ対12で待機させておいた転写材2をタイミングを合わせて搬送スタートさせる。
【0052】
上記4色の中間転写体18上への各色の画像形成時には下方に待機し、中間転写体18とは非接触状態であった転写ローラ60を同時に上方へカム(図示せず)で移動させ転写材2を中間転写体18の二次転写部T2で圧接すると同時に転写ローラ60にトナーと逆特性のバイアスを印加することで、中間転写体18上のフルカラー画像を転写材2に一気に4色同時に転写する。
【0053】
二次転写部T2を経た転写材2は、中間転写体18から剥離され定着部50へ搬送されてトナー定着を行った後に排出ローラ対62,63,64を介して本体上部の排出トレイ65上へ画像面を下向きにして排出され、画像形成動作を終了する。
【0054】
[廃トナー回収構成]
次に、廃トナーの回収構成について図2〜図7を用いて詳述する。
【0055】
図3の斜視図に示すように、中間転写体ユニット13には、クリーナユニット30を位置決めするボス24,24’が2箇所配置されている。前記ボス24,24’は、前記テンションローラ16の両端部にテンショナー17,17’と一体に形成されており、前記テンションローラ16が動いても、テンションローラ軸16aの軸線Oと、両端の前記ボス24,24’の軸線を結んだ線O’は常に平行に保たれる。図3の後方にある前記テンショナー17’の一方には前記クリーナユニット30のスクリュー駆動入力部41が嵌り込む長丸穴25があり、前記クリーナユニット30がセットされた時には回り止めの役割を果たす。又、前記クリーナユニット30には図示前方の回り止め部材42があり、この回り止め部材42は図示前方にある前記テンショナー17の一方に位置決めされる。
【0056】
更に、前記ボス24,24’に前記クリーナユニット30に具備されている位置決め溝43,43’が嵌り込み、更に、ラッチ44,44’により前記クリーナユニット30を前記中間転写体ユニット13に位置決めすることができる。又、図6に示すように、前記クリーナ容器34には中間転写体18をクリーニングするためのクリーニングブレード31が前記テンションローラ16の対向部に配置されていて、揺動軸32を回動中心とし、中間転写体18に対して所定の角度で当接するように保持されている。又、前記クリーニングブレード31は、圧縮バネ36により所定の当接圧で当接する構成になっている。又、前記クリーニングブレード31は、ブレード保持板33に固定されている。
【0057】
従って、前記クリーニングブレード31は、前記テンションローラ16の位置によらず常に一定の当接状態を保つことができるので、非常に簡単な構成且つ低コストで良好なクリーニング性能を維持することが可能となる。
【0058】
前記二次転写部T2で転写材2に転写し切れないで前記中間転写体18上に残り、前記クリーニングブレード31により回収された廃トナー90は、図2に示すように、クリーナ容器34の最下部に配置されている廃トナー搬送スクリュー35で前方に搬送され、前記クリーナ容器34と廃トナーボトル40の接続部から前記廃トナーボトル40に落下して回収される。前記廃トナー搬送スクリュー35は、後方の一方端の駆動入力部41(図3参照)に図示しない駆動モータから駆動力を伝達され回転している。
【0059】
又、前記クリーナユニット30の接続部には前記廃トナーボトル40の着脱動作に合わせて開閉するシャッタがあり、前記クリーナユニット30を単体で持ち運びするときに前記廃トナー90が漏れない構成になっている。
【0060】
前記廃トナー搬送スクリュー35の駆動源は定着駆動源としており、モータの数を減らすことができ構造が簡略化する。
【0061】
又、中間転写体ユニット13の寿命とクリーナユニット30の寿命が一致しない場合、両ユニットを同時に交換するのは不効率であるため、それぞれが独立して交換可能に構成されている。
【0062】
図2及び図4に示すように、前記廃トナーボトル40は、本体側板53に配置されている廃トナーボトル保持部材70に保持されつつ、前記廃トナーボトル40の上部の廃トナー取入口γと、前記クリーナユニット30の排出口δを嵌合させて接続し位置決めされている。このとき、前記廃トナーボトル40は、前記廃トナーボトル保持部材70に図示水平方向に隙間を保ちつつ保持されており、前記クリーナユニット30と前記廃トナーボトル40の位置決め部には影響を及ぼさず、前記廃トナーボトル40の姿勢を保持できる構成になっている。
【0063】
従って、前記中間転写体18の経時変化や熱による伸び縮みに伴う前記テンションローラ16の位置変動(図4の水平左右方向)し、これに伴って前記クリーナユニット30の排出口δが位置変動して前記廃トナーボトル40との接続部が位置変動しても、前記廃トナーボトル保持部材70もこれに追随して移動、保持される構成になっている。
【0064】
このため、前記廃トナーボトル40に廃トナー90が蓄積された際に増加する前記廃トナーボトル40の重量を前記廃トナーボトル保持部材70で支えることができ、前記クリーナユニット30の排出口δに不要な外力を加え前記廃トナー搬送スクリュー35が撓み、変音が発生するとか、駆動トルクが大きくなる等の弊害が起こらない構成になっている。
【0065】
このように、前記廃トナーボトル40が前記クリーナユニット30と同期して動く構成になっているので、前記クリーナユニット30は、前記廃トナーボトル40と接続部材を介することなく直接接続でき、部品点数が削減され構成が簡略化できる。更に、接続部を嵌合させることができるので、別途シール部材を用いることなくシール性を向上することができる。
【0066】
図5に示すように、前記廃トナーボトル40には、本体から外したときに前記廃トナー取入口γから回収した前記廃トナー90が簡単にこぼれないようにするためのシャッタ73が具備されている。このシャッタ73にはシール部材74が貼り付けられており、前記シャッタ73はバネ75で前記廃トナー取入口γに付勢された状態で、前記廃トナー取入口γが完全にシールされる構成になっている。そして、図2に示すように、前記シャッタ73は、前記クリーナユニット30の前記廃トナー排出口δが前記廃トナー取入口γに挿入されると前記廃トナーボトル40に配置されているガイドに沿って押し込まれて開く構成になっている。
【0067】
図6及び図7に示すように、前記クリーナユニット30には、前記クリーニングブレード31に掻き落とされた前記廃トナー90が、前記クリーナユニット30外に飛散したり、漏れたりするのを防止し、確実に前記クリーナ容器34内に回収させるために、前記クリーニングブレード31の両端近傍にあり、前記クリーナ容器34と前記中間転写体18との隙間を塞ぐための端部シール37が配置されている。前記端部シール37は、スポンジ等の弾性体で形成されている。本実施の形態における前記端部シール37は、モルトプレンの上にPTFE繊維パイルを接着したものを用いている。更に、前記クリーニングブレード31と平行で、前記中間転写体18に対して前記クリーニングブレード31の当接位置より上流側に当接するようにスクイシート38が前記クリーナ容器34に配置されている。尚、前記スクイシート38は、板金39に両面テープで貼り付けられ、前記板金39は、前記クリーナ容器34に両面テープで貼り付けられている。
【0068】
[廃トナー量検知方法]
次に、本発明の中心となる廃トナーの蓄積量検知方法を図8、図9及び図12〜図15に基づいて詳述する。
【0069】
本実施の形態では前記廃トナー90の蓄積量を演算により算出し、廃トナーボトル40の寿命(満タン状態)や寿命予告をユーザに告知する構成になっている。
【0070】
始めに、図12の構成図1を用いて検知構成について説明する。
【0071】
ホストコンピュータ400から画像形成装置のコントローラ410に送られてきたディザ等の面積階調処理前の画像データから、像担持体上におけるトナー被覆面積Sa(cm2)を算出する。算出方法は、(M×N)個のピクセルから成る画像データについて、各ピクセル毎に有色データの存在の有無を識別し、有色データの存在するピクセル数から被覆面積を求めるものである。このとき、画像データはRGBデータであっても、YMCKデータであっても良く、何れかの色データが存在する場合は有色データが存在し、無色(何も印字しない)の場合には有色データが存在しないとする。即ち、256階調で表されるRGBデータの場合は、(R,G,B)=(255,255,255)の時のみそのピクセルには有色データが存在せず、それ以外の場合は有色データが存在することとなる。同様に、256階調で表されるYMCKデータの場合は、(Y,M,C,K)=(0,0,0,0)の時のみ有色データが存在せず、それ以外の場合は有色データが存在する。
【0072】
上記の有色データの存在の識別をコントローラ410内のカウンタ411で行い、識別結果の有色データの存在するピクセル数はメモリ414に蓄積される。有色データの存在するピクセル数を基に演算部415において廃トナーボトル充填率を得て、適宜画像形成装置のエンジン部420に送る。若しくは、充填率を元に印字動作の禁止等の指令を出す。
【0073】
又、一方で画像データは412でディザ等の面積階調処理を行った後、PWM制御部413でレーザ発光信号に変換され、エンジン420に送られる。
【0074】
続いて、被覆面積の算出手順の一例を図8のフローチャートを用いて示す。
【0075】
ステップ201で、メモリ414に蓄積された累積有色ピクセル数P=0として算出を開始する。
【0076】
ステップ202で、カウンタ411は、(m, n)の位置にある未だ判別を行っていないピクセルについて、有色データの存在の有無を判別する。有色データが存在する場合にはステップ203に、存在しない場合には何もせずにステップ204に進む。
【0077】
ステップ203で、メモリ414に蓄積されたPに1を加算する。
【0078】
ステップ204で、画像データ中に未だ判別を行っていないピクセルが存在する場合は、ステップ202に戻り、新たなピクセルの判別を行う。画像データ中の全てのピクセルの判別が終了した場合は、ステップ205に進む。
【0079】
ステップ205で、演算部415は、累積有色ピクセル数P(pixel)と1ピクセル当たりの像担持体表面に占める面積Sp(cm2/pixel)から、被覆面積Sa(cm 2)を、
Sa=P×Sp
によって算出する。
【0080】
こうして得られた被覆面積から廃トナー充填率を算出する。
【0081】
廃トナー充填率を求める手順の一例を図9のフローチャートを用いて示す。
【0082】
ステップ211で、新品時若しくは新たな廃トナーボトルが装着された時に、メモリ414に蓄積された廃トナー蓄積量ΣTw(g)をリセットする。
【0083】
ΣTw=0
ステップ212で、ユーザ若しくは画像形成装置の要求により、印字動作を行う。
【0084】
ステップ213で、演算部415は、該印字動作での被覆面積Saに転写残係数Trを掛けることで、該印字動作による廃トナー発生量Tw(g)を得る。
【0085】
Tw=Sa×Rt
ここで、転写残係数Rt(g/cm2)は、単位面積当たりの廃トナー発生量であり、前記二次転写部での転写効率からプリンタ毎に決まり、使用環境や転写材の種類等によって適宜変化させるものである。
【0086】
ステップ214で、演算部415は、該印字動作による廃トナー発生量Twをメモリ414に蓄積された廃トナー蓄積量ΣTwに加算する。
【0087】
ΣTw=ΣTw+Tw
ステップ215で、演算部415は、廃トナー充填率Waを算出する。前記廃トナーボトル40の容量をW(本実施の形態では約1000cc)、廃トナーボトル内での廃トナーの嵩密度Dw(本実施の形態では約0.5g/cc)とすると、前記廃トナーボトル40の充填率Waは、
Wa={ΣTw/(Dw×W)}×λ×100
である。ここで、λは前記廃トナーボトル40が溢れないための安全係数(例えば1.05)を示す。
【0088】
ステップ216で、演算部415は、廃トナー充填率が100%に到達したかを判断する。廃トナー充填率Waが100%に到達していない場合は、ステップ212に戻り、Waが100%に到達した場合はステップ217に進む。
【0089】
ステップ217で、演算部415はエンジン420に対し、廃トナーボトル満タンを通知する。これによって、画像形成装置は印字動作を禁止する、ユーザに対して廃トナーボトルの交換を要求する等の動作を行う。
【0090】
又、満タンを告知するだけでなく、前記廃トナーボトル40に蓄積した廃トナー量を随時把握できるので、ユーザに前記廃トナーボトル40の充填率Waを適時告知でき、例えば上記Wa=80(%)のときに満タン予告をユーザに知らせること等も可能である。
【0091】
以下、図13及び図15を用いて、実際に画像データから廃トナー量を算出した場合の、本実施の形態による算出結果の従来例との違いを説明する。
【0092】
図13の(1)及び(2)は、文字データから成る画像データの一例である。
【0093】
図中の(1)は1次色(例えばY単色)の文字群80と別の1次色(例えばM単色)の文字群81から成り、(2)は2次色(例えばRed)の文字群82から成っている。(1)と(2)は消費されるトナー量は同じだが、(2)は(1)に対してトナー像の被覆面積が半分となっているとする。
【0094】
本発明者が検討したところ、廃トナー量は像担持体の表面に占める被覆面積と強い相関があることが判明した。図15のグラフは、横軸に印字枚数、縦軸に廃トナー量を取ったもので、実際の廃トナー発生量を×印で示し、実線で本実施の形態による算出結果を、破線で従来例による算出結果を示している。(1)の(a)及び(b)のグラフは、それぞれ図13の(1)若しくは(2)の画像データを印字し続けた場合の発生量及び算出結果である。(1)の(a)及び(b)に見られるように、(b)の画像データで実際に発生する廃トナー量は、(1)の画像データの約半分となる。しかし、従来のトナー消費量から廃トナー発生量を推定する方法では、(a)と(b)で消費されるトナー量は同量のため、発生する廃トナー量も同等という算出結果となり、誤差が生じてしまう。
【0095】
しかしながら、本実施の形態によれば、2色以上の重なり合いを考慮した被覆面積から廃トナー量を算出するため、より精度の高い推定が可能となる。
【0096】
上記のようにトナー像の被覆面積から廃トナー量を算出することにより、低コストで廃トナーの蓄積量の推移を随時把握可能であり、且つ、従来例に比べより正確に算出することが可能となる。
【0097】
<実施の形態2>
次に、廃トナー量の検知方法の実施の形態について図10、図12、図14及び図15を用いて説明する。
【0098】
本実施の形態は、図12の構成図2に見られるように、面積階調処理412での処理後の画像データを基にして被覆面積の算出を行うという点で、実施の形態1と異なっている。一般的に、ディザ等の面積階調処理を行うと、処理前に比べて画像データ上の被覆面積が変化する。
【0099】
そこで、本実施の形態では、より正確な被覆面積を得るため、ディザ等の面積階調処理後の画像データから得た被覆面積Sa’を代わりに用いる。尚、装置の基本的な構成は前述した実施形態と同一であるため、ここでは前述した実施の形態と異なる検知構成についてのみ説明する。
【0100】
面積階調処理後の画像データを基にした像担持体の表面に占める被覆面積Sa’の算出方法を以下に示す。
【0101】
実施の形態1とは、既にYMCKの各色の画像データに分解された後に、算出を行っている点で異なっている。各色の画像データの被覆面積を4色分単純に足し合わせると、重複が生じてしまうため、実施の形態1とは若干異なる算出手順を行う必要がある。そこで、下記の例では、各色の画像データの同一位置のピクセルについて、Y,M,C,Kの順に有色データの存在の有無を確認し、どれか1つでも有色データが存在する場合はそのピクセルには有色データが存在し、又、何れの画像データにも有色データが存在しなかった場合は、そのピクセルには有色データは存在しないと判断している。
【0102】
算出の手順の一例を図10のフローチャートを用いて示す。
【0103】
ステップ221で、メモリ414に蓄積された累積有色ピクセル数P’=0として算出を開始する。
【0104】
ステップ222で、カウンタ411は、Y画像データ中の(m, n)の位置にある未だ判別を行っていないピクセルについて、有色データの存在の有無を判別する。有色データが存在する場合にはステップ226Yに、存在しない場合には何もせずにステップ223に進む。
【0105】
ステップ223で、カウンタ411は、M画像データ中の、ステップ222においてY画像データ中で判別を行ったピクセルと同一の位置(m, n)にあるピクセルについて、有色データの存在の有無を判別する。有色データが存在する場合にはステップ226Yに、存在しない場合には何もせずにステップ224に進む。
【0106】
ステップ224で、カウンタ411は、C画像データ中の、ステップ222においてY画像データ中で判別を行ったピクセルと同一の位置(m, n)にあるピクセルについて、有色データの存在の有無を判別する。有色データが存在する場合にはステップ226Yに、存在しない場合には何もせずにステップ225に進む。
【0107】
ステップ225で、カウンタ411は、K画像データ中の、ステップ222においてY画像データ中で判別を行ったピクセルと同一の位置(m, n)にあるピクセルについて、有色データの存在の有無を判別する。有色データが存在する場合にはステップ226Yに、存在しない場合には何もせずにステップ226Nに進む。
【0108】
ステップ226Yでは、メモリ414に蓄積されたP’に1を加算してステップ227に進む。
【0109】
ステップ226Nでは、P’に対する処理は行わないでステップ227に進む。
【0110】
ステップ227で、画像データ中に未だ判別を行っていないピクセルが存在する場合は、ステップ222に戻り、新たなピクセルの判別を行う。画像データ中の全てのピクセルの判別が終了した場合は、ステップ228に進む。
【0111】
ステップ228で、演算部415は、累積有色ピクセル数P’(pixel)と1ピクセル当たりの像担持体の表面に占める面積Sp(cm2/pixel)から、被覆面積Sa’(cm2)を、
Sa’=P’×Sp
によって算出する。
【0112】
以下の手順は実施の形態1と同様のため、フローチャートは省略し、概要のみ述べる。被覆面積Sa’から、廃トナー発生量Tw’は、
Tw’=Sa’×Rt
となる。廃トナー蓄積量ΣTw’は、
ΣTw’=ΣTw’+Tw’
となる。廃トナーボトルの充填率Waは、
Wa={ΣTw’/(Dw×W)}×λ×100
となる。
【0113】
以下、図14及び図15を用いて、本実施の形態による算出結果の効果と実施の形態1との違いを説明する。
【0114】
図14は面積階調処理の一例として、ディザ処理前の画像データ(1)とディザ処理後の画像データ(2)の例を示している。それぞれ画像のごく一部を拡大したもので、図中破線で示した四角はピクセルを表しており、ここではピクセル9つ分のみを表記している。
【0115】
ディザ処理前の画像データ(1)は50%のハーフトーン画像であり、これにディザ処理を行うことで、ディザ処理後の画像データ(2)に変わる。ここで、ディザ処理の結果は一例であり、画像形成装置によって結果は異なる。
【0116】
一般的に、ハーフトーン画像に対してディザ処理を行うと、画像データ(2)に見られるように、印字するピクセルと印字しないピクセルに分かれ、トナー像の被覆面積としては減少する。従って、この例においては、ディザ処理前の画像データ(1)では有色データが存在するとして数えるピクセル数が9であるのに対し、ディザ処理後の画像データ(2)ではピクセル数は4となる。
【0117】
図15中の実施の形態2のグラフは、上記ハーフトーン画像を印字し続けた場合の廃トナー発生量である。実線は実施の形態1による算出結果を、破線は実施の形態1による算出結果を示している。グラフから分かるように、ディザ処理後の画像データを基に被覆面積を算出することで、より精度の高い算出を行うことができた。
【0118】
以上のように、本実施の形態によれば、ディザ等の面積階調処理による被覆面積の変化を考慮し、特にハーフトーン画像等を含む印字において、より高精度な廃トナー発生量の算出が可能となる。
【0119】
以上、廃トナー発生量の算出を画像形成装置で行う実施の形態について説明したが、画像データの送り元となるホストコンピュータにおいて算出を行い、画像データと共にその算出結果を画像形成装置に送信しても良い。この場合、画像形成装置が高速の演算処理能力を持たない場合でも、画像処理に影響するような負荷を画像形成装置に掛けないで済むという利点がある。
【0120】
尚、前述した各実施の形態で説明した構成は、中間転写体18として中間転写ベルトを用いた画像形成装置を例示したが、これに限るものではなく、感光ベルト、転写ベルトを用いた画像形成装置に対しても同様に有効な構成である。
【0121】
又、前述した各実施の形態では中間転写体18に残留したトナーをクリーナユニット30で除去回収する例を示したが、本発明に係るクリーナユニットは像担持体としての感光体ドラムに残留した転写残りトナーを除去回収するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】画像形成装置の全体構成の概略を示す主断面図である。
【図2】クリーナユニットと廃トナーボトルの関係を示す断面図である。
【図3】中間転写体ユニットとクリーナユニットの関係を示す斜視図である。
【図4】クリーナユニットと廃トナーボトルの廃トナー取り入れ口部分の形状を示す正面図である。
【図5】廃トナーボトルを本体から除去した状態を示す断面図である。
【図6】クリーナユニットと中間転写体ユニットの関係を示す断面図である。
【図7】クリーナユニットを示す上面図である。
【図8】本発明の実施の形態1における被覆面積の算出方法の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態1における廃トナー充填率の算出方法の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2における被覆面積の算出方法の一例を示すフローチャートである。
【図11】廃トナーボトルに廃トナーが満タンになった状態を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1及び2における廃トナー量検知構成の一例を示す構成図である。
【図13】本発明の実施の形態1による効果を示す画像データの一例である。
【図14】本発明の実施の形態2による効果を示す画像データの一例である。
【図15】本発明の実施の形態1及び2による算出結果と実際の検討結果との相関を示すグラフである。
【図16】従来例を示す主断面図である。
【符号の説明】
【0123】
γ 廃トナー取入口
δ 排出口
E 露光位置
O 軸線
T1 一次転写位置
T2 二次転写部
1 感光体ドラム
2 転写材
3S スリーブ
4 現像器
4T トナー容器
5 帯電手段
6 スキャナ部
6a ポリゴンミラー
6b 結像レンズ
7 カセット
8 給紙ローラ
9 給送ローラ
10 リタードローラ
11 給紙ガイド
12 レジストローラ対
13 中間転写体ユニット
14 駆動ローラ
15 二次転写対向ローラ
16 テンションローラ
16a テンションローラ軸
17,17’ テンショナー
18 中間転写体
19 ガイドリブ
20,20’ フランジ
21 バネ
24,24’ ボス
25 長丸穴
30 クリーナユニット
31 クリーニングブレード
32 揺動軸
33 ブレード保持板
34 クリーナ容器
35 スクリュー
36 加圧バネ
37 端部シール
38 スクイシート
39 板金
40 廃トナーボトル
41 スクリュー駆動入力部
42 回り止め部材
43,43’ 位置決め溝
44,44’ ラッチ
50 定着部
51 定着ローラ
52 加圧ローラ
53 本体側板
60 二次転写ローラ
61 搬送ローラ対
62〜64 排出ローラ対
65 排出トレイ
70 廃トナーボトル保持部材
71 満タン検知センサ
71a 発光部
71b 受光部
73 シャッタ
74 シール部材
75 バネ
80 1次色の文字群
81 1次色の文字群
82 2次色の文字群
90 廃トナー
100 中間転写ユニット
101 感光体ドラム
102 一次転写対向ローラ
103 中間転写ベルト
104 駆動ローラ
105 二次転写対向ローラ
106 テンションローラ
107 軸受
108 圧縮バネ
118 二次転写対向ローラ
120 クリーナユニット
121 クリーニングブレード
122 クリーナ容器
123 スクリュー
130 廃トナーボトル
131 廃トナー
132 廃トナー満タン検知センサ
400 ホストコンピュータ
410 画像形成装置のコントローラ
411 カウンタ
412 面積階調処理等
413 PWM
414 メモリ
415 演算部
420 画像形成装置のエンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に形成したトナー像を転写材に転写し、該転写後に前記像担持体に残留した廃トナーを除去して回収部へ回収する画像形成装置において、
前記回収した廃トナーの発生量Twを、像担持体の表面に占めるトナー像の被覆面積Saと単位面積当たりの廃トナー発生量を表す転写残係数Rtを用いた、
Tw=Sa×Rt
の式によって算出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記被覆面積は、像担持体上に少なくとも2色以上のトナー像を転写した後、 転写材に転写し、該転写後に前記像担持体に残留した廃トナーを除去して回収部へ回収する画像形成装置であって、
2色以上の重なり合いを考慮した、 少なくとも1色以上のトナー像が存在する面積であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記被覆面積は、画像形成装置のコントローラにおいて画像データから算出することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記被覆面積は、画像形成装置のコントローラでの面積階調処理後の画像データから算出することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記被覆面積は、画像データの送り元となるホストコンピュータにおいて算出され、画像データと共に画像形成装置に送信されることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−30863(P2006−30863A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213054(P2004−213054)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】