説明

画像形成装置

【課題】像担持体にかかる圧力負荷を低減し、動作の安定化を実現することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成装置100は、筐体に固定された回転軸により回転可能に支持される像担持体と、像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成ユニットと、周面に現像剤を担持して移送する現像剤担持体を有し、像担持体上の静電潜像を現像してトナー像を生成する現像ユニットと、像担持体上のトナー像を転写体に転写する転写ユニットと、像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング部材を有するクリーニングユニットとを備える。現像ユニットとクリーニングユニットとは像担持体に対して略対向するように設けられる。そして、現像剤担持体とクリーニング部材とは、像担持体を略均等に加圧するように連結部材により連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の画像形成装置は、像担持体である感光体に形成された静電潜像を現像した後転写体に転写して定着させることにより、所望の画像を形成する。一般に、画像形成装置10は、図5に示すように、感光体11と、感光体11を帯電する帯電ローラ12と、帯電された感光体11を露光する露光ユニット13と、露光により感光体11上に形成された静電潜像を現像する現像ユニットと、静電潜像を現像して生成されたトナー像を転写体(図示せず。)に転写する転写ユニット(図示せず。)と、トナー像を転写した後の感光体11上に残存するトナーを除去するクリーニングブレード16等から構成される。現像ユニットは、現像剤を攪拌する2つのオーガ14a、14bと、感光体11上の静電潜像を現像する現像ローラ15とからなる。画像形成装置10は、感光体11の周方向に他のユニットを配置して構成されている。
【0003】
このような画像形成装置10の感光体11には、現像ユニットの現像ローラ15と、クリーニングブレード16との2つの部材が圧接している。現像ローラ15やクリーニングブレード16の圧接方法には、ばねを用いて低荷重方式で行われるものや、回転軸位置を固定した定変位方式で行われるものがある(例えば、特許文献1〜3)。感光体11に対する現像ローラ15の圧接力は、現像ローラ15上の現像剤量や画像形成装置10の使用環境、あるいは当接部材の摩耗などによって変動する。感光体11に対するクリーニングブレード16の圧接力も同様に、部材の材質変化や変形、摩耗などにより変動する。
【0004】
【特許文献1】特開平7−146634号公報
【特許文献2】特開平9−281869号公報
【特許文献3】特開2001−22248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、画像形成装置10の小型化、軽量化が進むにつれて、感光体11に圧接する現像ローラ15やクリーニングブレード16による当接圧が、感光体11の駆動および感光体11の回転軸に及ぼす影響を無視できなくなってきている。特に、現像ローラ15とクリーニングブレード16とが感光体11に対して略対向して設けられている場合、いずれかの圧力が他方よりも大きくなるとその影響により感光体11の回転軸が変形したり歪みを生じたりする。このため、駆動の安定性が損なわれる恐れがある。感光体11の回転軸の剛性を上げる方法として、回転軸の軸径を大きくすることが考えられるが、装置を大きくすることになってしまう。
【0006】
また、現像ローラ15の感光体11に対する当接力が強すぎる場合には、感光体11がクリーニングブレード16側に歪んでしまう。このとき、クリーニングブレード16は、感光体11から押圧されて、図6に示すように感光体11との接触部分が反ってしまい、クリーニングブレード16の摩耗や劣化を促進させてしまう。逆に、クリーニングブレード16の感光体11に対する当接力が強すぎる場合には、感光体11と現像ローラ15との間の距離の変動が大きくなり、画質劣化を引き起こす要因となる。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、像担持体にかかる圧力負荷を低減し、動作の安定化を実現することが可能な、新規かつ改良された画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、筐体に固定された回転軸により回転可能に支持される像担持体と、像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成ユニットと、周面に現像剤を担持して移送する現像剤担持体を有し、像担持体上の静電潜像を現像してトナー像を生成する現像ユニットと、像担持体上のトナー像を転写体に転写する転写ユニットと、像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング部材を有するクリーニングユニットと、を備える画像形成装置が提供される。現像ユニットとクリーニングユニットとは像担持体に対して略対向するように設けられる。そして、現像剤担持体とクリーニング部材とは、像担持体を略均等に加圧するように連結部材により連結される。
【0009】
本発明によれば、像担持体に対して略対向するように設けられた現像ユニットとクリーニングユニットの、現像剤担持体とクリーニング部材とを連結部材により連結する。このとき、現像剤担持体とクリーニング部材とが像担持体を略均等に加圧するように連結部材を設けることにより、像担持体に対するいずれか一方からの圧力が大きくなるのを防止することができる。これにより、像担持体にかかる圧力負荷を低減することができる。
【0010】
ここで、連結部材には、弾性部材を用いることができる。弾性部材としては、例えば、現像剤担持体の回転軸とクリーニング部材とを連結して、像担持体側へ加圧させる引張ばねを用いることができる。あるいは、弾性部材として、例えば、現像剤担持体の回転軸を移動可能に支持する支持部材とクリーニング部材とを連結して、像担持体側へ加圧させる圧縮ばねを用いることができる。
【0011】
また、現像剤担持体が所定の圧力以上で像担持体を加圧することを防止する第1の規制部材と、クリーニング部材が所定の圧力以上で像担持体を加圧することを防止する第2の規制部材と、を備えるようにしてもよい。
【0012】
クリーニング部材としては、例えばクリーニングブレードやクリーニングブラシを用いることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、像担持体にかかる圧力負荷を低減し、動作の安定化を実現することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
(第1の実施形態)
まず、図1に基づいて、本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置100の概略構成について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる画像形成装置100の概略構成を示す概略説明図である。
【0016】
<画像形成装置の構成>
本実施形態にかかる画像形成装置100は、例えばレーザプリンタや複写機、ファクシミリ等である。画像形成装置100の一例として、図1に、4つのローラ107a、107b、107c、107dによって懸架される転写ベルト105上に一次転写されたトナー像を用紙Pに対して二次転写して画像を得る方式の画像形成装置100を示す。かかる画像形成装置100は、用紙供給ユニット110と、画像形成ユニット120と、定着ユニット(図示せず。)とを備える。
【0017】
用紙供給ユニット110は、後述する画像形成ユニット120により形成されたトナー像を転写させる用紙Pをスタックし、用紙Pを転写ローラ109へ出力するユニットである。
【0018】
画像形成ユニット120は、用紙Pに転写するトナー像を形成するユニットであり、例えば4色(ブラック、シアン、イエロー、マゼンタ)のトナー像を形成するため4つの画像形成ユニット120B、120C、120Y、120Mを有する。画像形成ユニット120B、120C、120Y、120Mはそれぞれ、静電潜像が形成される感光体121と、感光体121の周面を帯電する帯電ローラ122と、帯電された感光体121の周面を露光して静電潜像を形成する露光装置123とを備える。さらに、画像形成ユニット120は、現像剤であるトナーを攪拌する攪拌器124と、攪拌器124から供給されたトナーを感光体121に形成された静電潜像に付着させて、トナー像を形成する現像ローラ125と、トナー像を用紙Pに転写した後、感光体121上に残存したトナーを除去するクリーニングブレード126とを備える。また、トナー像を用紙Pに転写させるための転写ローラ106が、転写ベルト105を介して感光体121と対向して配置される。
【0019】
かかる画像形成装置100は、画像データに応じて画像形成ユニット120により各色のトナー像を生成して、中間転写体である転写ベルト105に順次転写させて重ね合わせることによりフルカラートナー像を生成する。フルカラートナー像は、転写ローラ109とローラ107dとにより構成される二次転写部にて、用紙供給ユニット110から搬出された用紙Pに一括して転写される。フルカラートナー像が転写された用紙Pは、定着ユニットへ搬送される。定着ユニットにおいて、熱や圧力などの手段によって用紙Pにフルカラートナー像が固定される。一方、転写ベルト105は、二次転写部にてフルカラートナー像を用紙Pへ転写した後、クリーニング部のクリーナ108に移送され、転写ベルト105上に残存するトナーが除去される。なお、クリーナ108と対向するローラ107aは、クリーナ108を加圧する加圧ローラとして機能する。ローラaは、加圧ばね107eによってクリーナ108側へ押圧されることによりクリーナ108を加圧する。
【0020】
以上、本実施形態にかかる画像形成装置100の構成について説明した。本実施形態にかかる画像形成装置100の画像形成ユニット120は、現像ローラ125とクリーニングブレード126とが感光体121に対して加える圧力のバランスが略均等となるように構成される。これにより、感光体121の回転軸の撓みなどの動的な位置的不具合が解消される。以下、図2および図3に基づいて、感光体121にかかる圧力のバランスを調整する圧力バランス調整機構の構成について、詳細に説明する。なお、図2は、本実施形態にかかる画像形成装置100の画像形成ユニット120の構成を示す概略側面図である。図3は、本実施形態にかかる画像形成装置100の画像形成ユニット120の構成を示す概略平面図である。なお、図2および図3では、画像形成ユニット120を構成する帯電ローラ122および露光装置123の記載を省略した。
【0021】
<画像形成ユニットにおける圧力バランス調整機構>
画像形成ユニット120は、上述したように、感光体121の周方向に、帯電ローラ122、露光装置123、現像ローラ125、そしてクリーニングブレード126が配置されている。これらの構成要素のうち、現像ローラ125およびクリーニングブレード126は、感光体121に当接して設けられており、図2に示すように、感光体121に対して略対向するように配置されている。このため、感光体121は、現像ローラ125とクリーニングブレード126とからの押圧力を受けて、その駆動や感光体121の回転軸121に影響を及ぼすことがある。例えば、現像ローラ125またはクリーニングブレード126のうちいずれか一方の圧力が他方の圧力よりも大きくなると、感光体121の回転軸121aが他方側への変形、歪みを生じ、駆動の安定性が損なわれる。そこで、本実施形態にかかる画像形成ユニット120では、感光体121に対する圧力のバランスを調整する圧力バランス調整機構を設け、そのような不具合を解消する。
【0022】
本実施形態にかかる画像形成ユニット120は、図2に示すように、現像ローラ125の回転軸125aとクリーニングブレード126を支持する支持部材127に設けられた取付部127aとを弾性部材128で連結して構成された、感光体121に対する圧力バランス調整機構を有する。取付部127aは、図3に示すように、支持部材127の両側面から軸方向に突出して設けられる。また、取付部127aは、図2に示すように、クリーニングブレード126の回転の支点Fよりクリーニングブレード126側に配置されている。すなわち、取付部127aは、クリーニングブレード126の回転方向と同一方向に回転移動する。
【0023】
本実施形態にかかる感光体121に対する圧力バランスを調整する弾性部材128は、現像ローラ125とクリーニングブレード126とを感光体121側に向かって加圧する弾性力を有するものである。弾性部材128としては、例えば引張ばねを用いることができる。弾性部材128は、図3に示すように、感光体121の両端側にそれぞれ設けられる。
【0024】
より具体的には、弾性部材128は、図2に示すように、一端128aが現像ローラ125の回転軸125aの端部に取り付けられ、他端128bがクリーニングブレード126の支持部材127に設けられた取付部127aに取り付けられる。本実施形態にかかる弾性部材128は引っ張り力を有するものであるから、接続された現像ローラ125とクリーニングブレード126とは弾性部材128によって同一の引っ張り力で感光体121側に引き付けられるようになる。このとき、弾性部材128により、現像ローラ125の感光体121に対する当接力とクリーニングブレード126の感光体121に対する当接力とは略均等となる。
【0025】
なお、感光体121の回転軸121aは、画像形成装置100の筐体に固定されているため、現像ローラ125およびクリーニングブレード126による感光体121への当接力によって感光体121の位置が移動することはない。
【0026】
このような感光体121に対する圧力バランス調整機構を備える画像形成ユニット120は、弾性部材128を用いて、現像ローラ125とクリーニングブレード126とが感光体121に対して加える圧力のバランスを略均等とすることができる。
【0027】
例えば、本実施形態にかかる画像形成ユニット120において、現像ローラ125の感光体121に対する当接力が強すぎる状態になったとする。すなわち、図2において、現像ローラ125は感光体121側(図2の紙面右側)に向かって感光体121を強く押圧している。このとき、弾性部材128は縮むので、弾性部材128が現像ローラ125を引っ張る力は弱くなる。一方、現像ローラ125が感光体121を押圧することによって感光体121がクリーニングブレード126を押圧するようになる。このため、クリーニングブレード126は図2の紙面右方向に移動する。このとき、弾性部材128は伸びるので、弾性部材128がクリーニングブレード126を引っ張る力が強くなる。すなわち、現像ローラ125が感光体121に当接する力とクリーニングブレード126が感光体121に当接する力とが相違するようになる。
【0028】
このような状態となると、弾性部材128は、現像ローラ125を引っ張る力とクリーニングブレード126を引っ張る力とが異なるため、弾性部材128はこれらの引っ張り力が釣り合うように現像ローラ125およびクリーニングブレード126の位置を調整する。すなわち、現像ローラ125は感光体121から離隔する方向に移動し、クリーニングブレード126は感光体121に近接する方向に移動する。そして、弾性部材128の引っ張り力の均衡がとれた状態で、現像ローラ125とクリーニングブレード126との感光体121に対する当接力は略均等となり、現像ローラ125が感光体121に対して強く当接する状態は解消される。
【0029】
このように、現像ローラ125による感光体121への当接力が強すぎる場合に、感光体121がクリーニングブレード126側へ歪むのを防止することができる。これにより、クリーニングブレード126の摩耗や劣化を低減することができる。
【0030】
一方、クリーニングブレード126の感光体121に対する当接力が強すぎる状態になった場合には、図2において、クリーニングブレード126は感光体121側(図2の紙面左側)に向かって感光体121を強く押している状態となる。このとき、弾性部材128は縮むので、弾性部材128がクリーニングブレード126を引っ張る力は弱くなる。一方、クリーニングブレード126が感光体121を押圧することによって感光体121が現像ローラ125を押圧するようになる。このため、現像ローラ125は、図2の紙面左方向に移動する。このとき、弾性部材128は伸びるので、弾性部材128が現像ローラ125を引っ張る力が強くなる。すなわち、現像ローラ125が感光体121に当接する力とクリーニングブレード126が感光体121に当接する力とが相違するようになる。
【0031】
このような状態となると、弾性部材128は、現像ローラ125を引っ張る力とクリーニングブレード126を引っ張る力とが異なるため、弾性部材128はこれらの引っ張り力が釣り合うように現像ローラ125およびクリーニングブレード126の位置を調整する。すなわち、現像ローラ125は感光体121に近接する方向に移動し、クリーニングブレード126は感光体121から離隔する方向に移動する。そして、弾性部材128の引っ張り力の均衡がとれた状態で、現像ローラ125とクリーニングブレード126との感光体121に対する当接力は略均等となり、クリーニングブレード126が感光体121に対して強く当接する状態は解消される。
【0032】
このように、クリーニングブレード126による感光体121への当接力が強すぎる場合にも、感光体121が現像ローラ125側へ歪むのを防止することができる。これにより、感光体121と現像ローラ125との間の距離の変動を抑制することができ、画質が劣化するのを防止することができる。
【0033】
なお、本実施形態にかかる画像形成ユニット120には、現像ローラ125が所定の圧力以上で感光体121を押圧しないように、現像ローラ125の感光体121側への移動を規制する第1の規制部材を備えるようにしてもよい。同様に、クリーニングブレード126が所定の圧力以上で感光体121を押圧しないように、クリーニングブレード126の感光体121側への移動を規制する第2の規制部材を備えるようにしてもよい。これにより、感光体121と現像ローラ125との間の大きな距離変動による画質の劣化や、クリーニングブレード126の摩耗や劣化をより防止することができる。
【0034】
以上、本実施形態にかかる画像形成装置100について説明した。本実施形態によれば、画像形成ユニット120に感光体121に対する現像ローラ125およびクリーニングブレード126からの圧力のバランスを調整する圧力バランス調整機構を設ける。これにより、現像ローラ125およびクリーニングブレード126から感光体121にかかる圧力を略均等とすることができる。したがって、いずれか一方の圧力が他方よりも大きくなることを防止でき、感光体121の駆動軸121aの変形や歪みの発生を防止することができる。これにより、画像形成ユニット120の安定した動作を実現することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、図4に基づいて、本発明の第2の実施形態にかかる画像形成ユニット220について説明する。本実施形態にかかる画像形成ユニット220は、第1の実施形態にかかる画像形成ユニット120の代替として画像形成装置100に設けることができる。本実施形態にかかる画像形成ユニット220は、第1の実施形態の画像形成ユニット120と比較して、弾性部材の配置位置が相違する。以下、図4に基づいて、本実施形態にかかる画像形成ユニット220の構成および圧力バランス調整機構の作用について説明する。なお、図4は、本実施形態にかかる画像形成ユニット220の構成を示す概略側面図である。また、第1の実施形態で説明した画像形成装置100の全体構成および画像形成ユニット120と同一の構成については、詳細な説明を省略する。
【0036】
本実施形態にかかる画像形成ユニット220は、第1の実施形態の画像形成ユニット120と同様、図4に示すように、感光体221と、帯電ローラ(図示せず。)と、露光装置(図示せず。)と、攪拌器224a、224bと、現像ローラ225と、支持部材227に支持されたクリーニングブレード226とを備える。かかる画像形成ユニット220は、現像ローラ225とクリーニングブレード226とを弾性部材228で連結して構成された、感光体221に対する圧力バランス調整機構を有する。
【0037】
本実施形態にかかる現像ローラ225には、回転軸225aを支持軸229aのまわりに回動可能に支持する支持部材229が設けられる。支持部材229は、現像ローラ225の回転軸225aの両端に、回転軸方向に対して略垂直に設けられた板状部材である。支持部材229は、弾性部材228の一端228aと連結されている。弾性部材228の一端228aは、支持軸229aに対して現像ローラ225の回転軸225aと反対側に設けられる。したがって、支持部材229が弾性部材228によって図4の紙面左側へ押圧されると、現像ローラ225は感光体221を押圧する方向に移動する。
【0038】
クリーニングブレード226は、支持部材227によって支持されており、支持部材227は弾性部材228の他端228bと連結されている。弾性部材228の他端228bは、支点Fに対してクリーニングブレード226と反対側に設けられる。したがって、支持部材227が弾性部材228によって図4の紙面右側へ押圧されると、クリーニングブレード226は感光体221を押圧する方向に移動する。
【0039】
感光体に対する圧力バランスを調整する弾性部材228は、現像ローラ225とクリーニングブレード226とを感光体221側に向かって加圧する弾性力を有するものであって、例えば圧縮ばねを用いることができる。弾性部材228は、第1の実施形態と同様、感光体221の両端側にそれぞれ設けられる。
【0040】
弾性部材228は、図4に示すように、一端228aが現像ローラ225の回転軸225aを支持する支持部材229に取り付けられ、他端228bがクリーニングブレード226の支持部材227に取り付けられる。本実施形態にかかる弾性部材228は外部からの押圧力に対して元の状態に戻ろうとする力を有するものであるから、弾性部材228によって押圧された支持部材229は支持軸229aの周りに回転移動し、支持部材227は支点Fの周りに回転移動する。そうすると、現像ローラ225およびクリーニングブレード226は感光体221側に押し付けられるようになる。このとき、弾性部材228により、現像ローラ225の感光体221に対する当接力とクリーニングブレード226の感光体221に対する当接力とは略均等となる。
【0041】
なお、感光体221の回転軸221aは、画像形成装置100の筐体に固定されているため、現像ローラ225およびクリーニングブレード226による感光体221への当接力によって感光体221の位置が移動することはない。
【0042】
このような感光体に対する圧力バランス調整機構を備える画像形成ユニット220は、第1の実施形態と同様に、弾性部材228を用いて、現像ローラ225とクリーニングブレード226とが感光体221に対して加える圧力のバランスを略均等とすることができる。
【0043】
例えば、本実施形態にかかる画像形成ユニット220において、現像ローラ225の感光体221に対する当接力が強すぎる状態になったとする。このとき、図4において、現像ローラ225は感光体221側(図4の紙面右側)に向かって感光体221を強く押圧している。このとき、弾性部材228は伸びるので、弾性部材228がクリーニングブレード226を感光体221側に押し付ける力が小さくなる。一方、現像ローラ225が感光体221を押圧することによって感光体221がクリーニングブレード226を押圧するようになる。このため、クリーニングブレード226は図4の紙面右方向に移動する。このとき、弾性部材228は縮むので、弾性部材228がクリーニングブレード226を押圧する力が強くなる。すなわち、現像ローラ225が感光体221に当接する力とクリーニングブレード226が感光体221に当接する力とが相違するようになる。
【0044】
このような状態となると、弾性部材228は、現像ローラ225を押圧する力とクリーニングブレード226を押圧する力とが異なるため、弾性部材228はこれらの押圧力が釣り合うように現像ローラ225およびクリーニングブレード226の位置を調整する。すなわち、現像ローラ225は感光体221から離隔する方向に移動し、クリーニングブレード226は感光体221に近接する方向に移動する。そして、弾性部材228の押圧する力の均衡がとれた状態で、現像ローラ225とクリーニングブレード226との感光体221に対する当接力は略均等となり、現像ローラ225が感光体221に対して強く当接する状態は解消される。
【0045】
このように、現像ローラ225による感光体221への当接力が強すぎる場合に、感光体221がクリーニングブレード226側へ歪むのを防止することができる。これにより、クリーニングブレード226の摩耗や劣化を低減することができる。
【0046】
一方、クリーニングブレード226の感光体221に対する当接力が強すぎる状態になった場合には、図4において、クリーニングブレード226は感光体221側(図4の紙面左側)に向かって感光体221を強く押している状態となる。この状態では弾性部材228は伸びるので、弾性部材228が現像ローラ225を感光体221側に押し付ける力が小さくなる。一方、クリーニングブレード226が感光体221を押圧することによって感光体221が現像ローラ225を押圧するようになる。このため、現像ローラ225は、図4の紙面左方向に移動する。このとき、弾性部材228は縮むので、弾性部材228が現像ローラ225を押し出す力が強くなる。すなわち、クリーニングブレード226が感光体221に当接する力と現像ローラ225が感光体221に当接する力とが相違する。
【0047】
このような状態となると、弾性部材228は、現像ローラ225を押圧する力とクリーニングブレード226を押圧する力とが異なるため、弾性部材228はこれらの押圧力が釣り合うように現像ローラ225およびクリーニングブレード226の位置を調整する。すなわち、現像ローラ225は感光体221に近接する方向に移動し、クリーニングブレード226は感光体221から離隔する方向に移動する。そして、弾性部材228の押圧する力の均衡がとれた状態で、現像ローラ225とクリーニングブレード226との感光体221に対する当接力は略均等となり、クリーニングブレード226が感光体221に対して強く当接する状態は解消される。
【0048】
このように、クリーニングブレード226による感光体221への当接力が強すぎる場合にも、感光体221が現像ローラ225側へ歪むのを防止することができる。これにより、感光体221と現像ローラ225との間の距離の変動を抑制することができ、画質が劣化するのを防止することができる。
【0049】
なお、本実施形態にかかる画像形成ユニット220も、第1の実施形態の画像形成ユニット120と同様に、現像ローラ225が所定の圧力以上で感光体221を押圧しないように、現像ローラ225の感光体221側への移動を規制する第1の規制部材を備えるようにしてもよい。同様に、クリーニングブレード226が所定の圧力以上で感光体221を押圧しないように、クリーニングブレード226の感光体221側への移動を規制する第2の規制部材を備えるようにしてもよい。これにより、感光体221と現像ローラ225との間の大きな距離変動による画質の劣化や、クリーニングブレード226の摩耗や劣化をより防止することができる。
【0050】
以上、本実施形態にかかる画像形成ユニット220について説明した。本実施形態によれば、画像形成ユニット220に感光体221に対する現像ローラ225およびクリーニングブレード226からの圧力のバランスを調整する圧力バランス調整機構を設ける。これにより、現像ローラ225およびクリーニングブレード226から感光体221にかかる圧力を略均等とすることができる。したがって、いずれか一方の圧力が他方よりも大きくなることを防止でき、感光体221の駆動軸221aの変形や歪みの発生を防止することができる。これにより、画像形成ユニット220の安定した動作を実現することができる。
【0051】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0052】
例えば、上記実施形態では感光体上の残トナー等を除去する部材としてクリーニングブレードを用いたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、クリーニングブラシを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す概略説明図である。
【図2】同実施形態にかかる画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す概略側面図である。
【図3】同実施形態にかかる画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す概略平面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態にかかる画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す概略側面図である。
【図5】従来の画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す概略側面図である。
【図6】従来の画像形成ユニットにおいて、現像ローラの当接力が強すぎる場合の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0054】
100 画像形成装置
120、220 画像形成ユニット
121、221 感光体
125、225 現像ローラ
126、226 クリーニングブレード
127、227、229 支持部材
128、228 弾性部材
229a 支持軸
F 支点



【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に固定された回転軸により回転可能に支持される像担持体と、
前記像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成ユニットと、
周面に現像剤を担持して移送する現像剤担持体を有し、前記像担持体上の静電潜像を現像してトナー像を生成する現像ユニットと、
前記像担持体上のトナー像を転写体に転写する転写ユニットと、
前記像担持体上に残存するトナーを除去するクリーニング部材を有するクリーニングユニットと、
を備え、
前記現像ユニットと前記クリーニングユニットとは前記像担持体に対して略対向するように設けられ、
前記現像剤担持体と前記クリーニング部材とは、前記像担持体を略均等に加圧するように連結部材により連結される、画像形成装置。
【請求項2】
前記連結部材は、弾性部材である、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記現像剤担持体の回転軸と前記クリーニング部材とを連結して、前記像担持体側へ加圧させる引張ばねである、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記現像剤担持体の回転軸を移動可能に支持する支持部材と前記クリーニング部材とを連結して、前記像担持体側へ加圧させる圧縮ばねである、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像剤担持体が所定の圧力以上で前記像担持体を加圧することを防止する第1の規制部材と、
前記クリーニング部材が所定の圧力以上で前記像担持体を加圧することを防止する第2の規制部材と、
を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記クリーニング部材はクリーニングブレードである、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記クリーニング部材はクリーニングブラシである、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−128022(P2010−128022A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300215(P2008−300215)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】