画像形成装置
【課題】 画像形成装置の使用開始後には不要である現像部材と像担持体とを大きく離隔した状態では、より大きなトルクが必要である。また、部品に余計な圧力がかかり、部品の磨耗させる恐れがある。
【解決手段】 画像形成装置はカムとカムに係合するカム係合部とを相対移動可能に設けている。カムとカム係合部の相互位置関係を、画像形成装置の使用開始前には現像部材を像担持体から大きく離隔させる第三の位置関係とする。また、画像形成装置の使用開始後の、画像形成時には現像部材を像担持体に接触させる第一の位置関係とし、非画像形成時には現像部材を像担持体より第三の位置関係時より小さく離隔させる第二の位置関係とする。使用開始後に第三の位置関係をとることを阻止する阻止手段を設けており、カムの回転に伴いカムとカム係合部がカム回転軸方向に相対移動し、前記相互位置関係が第三の位置関係から移行されることで、この阻止手段は作用する。
【解決手段】 画像形成装置はカムとカムに係合するカム係合部とを相対移動可能に設けている。カムとカム係合部の相互位置関係を、画像形成装置の使用開始前には現像部材を像担持体から大きく離隔させる第三の位置関係とする。また、画像形成装置の使用開始後の、画像形成時には現像部材を像担持体に接触させる第一の位置関係とし、非画像形成時には現像部材を像担持体より第三の位置関係時より小さく離隔させる第二の位置関係とする。使用開始後に第三の位置関係をとることを阻止する阻止手段を設けており、カムの回転に伴いカムとカム係合部がカム回転軸方向に相対移動し、前記相互位置関係が第三の位置関係から移行されることで、この阻止手段は作用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式に係る画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、接触現像方式の画像形成装置においては、像担持体に対する現像部材(現像ローラ)の状態を画像形成のタイミングに合わせて当接、離隔と切り替えられるプロセスカートリッジが知られている。このプロセスカートリッジは、像担持体を支持する第一支持部材と、現像ローラを支持する第二支持部材とで構成され、現像ローラを像担持体に接触させるように第一支持部材に対して第二支持部材が弾性的に付勢されている。上記の構成とすることで、現像ローラが像担持体に接触する状態と、付勢力に抗する力を加えることにより現像ローラを像担持体から離隔した状態とをとることができる。
【0003】
このプロセスカートリッジは、少なくともユーザーの手元に届くまでの物流時には、現像ローラはその圧縮変形を防ぐために像担持体に対して離隔された状態で保持されている。
【0004】
ところが、上記のプロセスカートリッジを画像形成装置内に装着した状態で出荷する際、物流時にこの画像形成装置に過度の衝撃が加わると現像ローラが像担持体に接触する恐れがあった。
【0005】
上記の問題点は、接触、離隔の他に、現像ローラと像担持体とを前述の離隔の状態よりも大きく離隔させた状態(大離隔)をとることができる画像形成装置(特許文献1)であれば解決できる。すなわち、大離隔の状態で出荷されると、衝撃が加わっても現像ローラが像担持体に接触しにくく、物流中に離隔された位置を保持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−99517
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、カムの一回転で上記三つの状態を順にとる構成であるため、出荷・物流時にのみ必要である現像ローラを像担持体から大きく離隔させた状態を、ユーザーによる画像形成装置の使用開始後も、カムの一回転ごとにとる。この状態ではカム回転により大きなトルクが必要である。また、部品に大きな圧力がかかるため不要に部品を磨耗させる恐れがある。
【0008】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、本発明の目的は、出荷・物流時には現像ローラを像担持体から大きく離隔させた状態を保ち、ユーザーによる画像形成装置の使用開始後には大離隔の状態をとらず、画像形成動作とこの動作の休止に対応して接触・離隔の状態をとる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、(A)像担持体と、前記像担持体を支持する第一支持部材と、前記像担持体に接触して前記像担持体上の静電潜像を現像する現像部材と、前記現像部材を支持し、前記第一支持部材に対して変位可能に結合された第二支持部材と、前記現像部材を前記像担持体に接触させるように前記第二支持部材を前記第一支持部材に対して弾性的に付勢する支持部材付勢部材と、を有するプロセスカートリッジと、(B)前記プロセスカートリッジが取り外し可能に装填される装填部と、(C)一方向に回転するカムと、(D)前記カムと係合するカム係合部を有し、前記カムの回転により作動するカム従動手段であって、前記支持部材付勢部材の付勢力に抗して前記第二支持部材に作用することにより前記像担持体から前記現像部材を離隔させるカム従動手段と、を備え、前記カムと前記カム係合部の相互位置関係として、前記現像部材を前記像担持体に接触させる第一の位置関係、前記現像部材を前記像担持体から離隔させる第二の位置関係、前記現像部材を前記像担持体から前記第二の位置関係時よりも大きく離隔させる第三の位置関係を有する画像形成装置において、前記カムと前記カム係合部とはカム回転軸方向に相対移動可能に設けられており、画像形成装置の使用開始前には前記相互位置関係を前記第三の位置関係にさせ、画像形成装置の使用開始後、画像形成時には前記相互位置関係を前記第一の位置関係にさせ、非画像形成時には前記相互位置関係を前記第二の位置関係にさせ、前記画像形成装置の使用開始後に前記相互位置関係が前記第三の位置関係をとることを阻止する阻止手段を備えており、前記カムの回転に伴い前記カムと前記カム係合部が前記カム回転軸方向に相対移動することにより前記相互位置関係が前記第三の位置関係から移行され、前記阻止手段が作用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明において、物流中で画像形成装置の使用開始前には現像ローラが像担持体から大きく離隔された状態であるので、物流時に現像ローラが像担持体に接触する恐れを低減させることができる。また、画像形成装置の使用開始後には、現像ローラが像担持体から大きく離隔された状態をとらないので、トルクの負担を軽減でき、また、部品の不要な磨耗を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プロセスカートリッジを装着した状態の本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの実施例1の概略断面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの実施例1の概略斜視図である。
【図4】実施例1で、カムとカム係合部が第一の位置関係にある時のプロセスカートリッジの斜視図である。
【図5】実施例1で、カムとカム係合部が第二の位置関係にある時のプロセスカートリッジの斜視図である。
【図6】実施例1で、カムとカム係合部が第三の位置関係にある時のプロセスカートリッジの斜視図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置に用いられる一実施例のカムの斜視図及び外面図である。
【図8】本発明に係る現像部材と帯電部材の像担持体に対する状態を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの実施例1の概略断面図であり、帯電部材が像担持体から離隔された状態を示す図である。
【図10】本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの実施例1の概略断面図であり、帯電部材が像担持体に接触した状態を示す図である。
【図11】本発明に係る画像形成装置に用いられる他の実施例のカムの斜視図及び外面図である。
【図12】画像形成装置の使用開始前における実施例2のカムとカム従動手段を示す図である。
【図13】カムとカム係合部が第二の位置関係にある時の実施例2のカムとカム従動手段を示す図である。
【図14】画像形成装置の使用開始前における実施例3のカムとカム従動手段を示す図である。
【図15】カムとカム係合部が第二の位置関係にある時の実施例3のカムとカム従動手段を示す図である。
【図16】画像形成装置の使用開始前における実施例4の画像形成装置の断面概略図である。
【図17】画像形成装置の使用開始前における実施例5のカムとカム従動手段を示す図である。
【図18】カムとカム係合部が第二の位置関係にある時の実施例5のカムとカム従動手段を示す図である。
【図19】画像形成装置の使用開始前における実施例6の画像形成装置の断面概略図である。
【図20】カムとカム係合部が第一の位置関係にある時の実施例6の画像形成装置の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0013】
〔実施例1〕
本発明の実施例に係る画像形成装置について、図1〜図10を参照して説明する。
【0014】
(画像形成装置の全体構成)
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施例であるカラー電子写真画像形成装置の全体構成を示す。図1の画像形成装置100は、各々異なった色のトナー像を形成する4個のプロセスカートリッジ7(7a〜7d)と、プロセスカートリッジ7を取り外し可能に装填する装填部22(22a〜22d)を有する。プロセスカートリッジ7は像担持体としての感光体ドラム1(1a〜1d)を備えている。感光体ドラム1はモーター(不図示)によって図1に示す矢印Qの方向に回転する。
【0015】
画像形成装置100にプロセスカートリッジ7が装着された状態では、感光体ドラム1の周辺には、感光体ドラム1に作用するプロセス手段として、クリーニング部材6(6a〜6d)、スキャナユニット3、帯電部材としての帯電ローラ2(2a〜2d)、現像ローラ25(25a〜25d)、転写手段としての中間転写ベルト5及び一次転写ローラ12(12a〜12d)が配置される。
【0016】
画像形成時には以下の動作が行われる。まず、クリーニング部材6により感光体ドラム1の表面に残留するトナーが除去される。次に感光体ドラム1は帯電ローラ2に接触して、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1表面には、更に、スキャナユニット3により画像情報に基づく光ビームが露光され、静電潜像が形成される。感光体ドラム1に当接した現像ローラ25により感光体ドラム1にトナーを付着させ、この静電潜像をトナー像として可視化する。第二支持部材28内に収容されているトナーは供給ローラ34によって現像ローラ25に供給される。感光体ドラム1表面に形成されたトナー像を、矢印R方向に回転する中間転写ベルト5上に一次転写ローラ12(12a〜12d)により順次転写する。4色のトナー像が中間転写ベルト5上に重なった状態で、二次転写部15まで搬送される。二次転写部15では、これらの動作に同期させて給送装置13によって搬送されたシートS上に、二次転写ローラ18によって中間転写ベルト5上のトナー像が転写される。定着部14ではシートS上のトナー像が加熱及び加圧されて、シートSに定着される。定着後、このシートSは排出トレイ20に排出される。
【0017】
非画像形成時には現像ローラ25を感光体ドラム1から離隔させることで、現像ローラ25の塑性変形を抑制する。
【0018】
(プロセスカートリッジの構成)
図2は本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの概略断面図を示す。
【0019】
本実施例におけるプロセスカートリッジ7は、金属製シリンダにOPC等の感光体層を被覆した感光体ドラム1、クリーニング部材6、帯電ローラ2、現像ローラ25を備えている。現像ローラ25は金属製芯ローラに導電性ゴム層、あるいは更に導電性合成樹脂層を被覆した弾性ローラである。また、帯電ローラ2も金属製芯ローラに導電性ゴム層、あるいは更に導電性合成樹脂層を被覆した弾性ローラである。なお、本実施例においてはプロセスカートリッジを上記の構成としたが、プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1と、少なくとも現像ローラ25を備えていれば足りる。
【0020】
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1、クリーニング部材6、帯電ローラ2を第一支持部材としての箱状の枠体27に支持して構成された第一ユニット26と、現像ローラ25と供給ローラ34を第二支持部材としての箱状の枠体28に支持して構成された第二ユニット4から構成される。感光体ドラム1、帯電ローラ2、現像ローラ25、供給ローラ34は軸受部材を介して回転自在に各支持部材に支持されている。
【0021】
図3は本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの概略斜視図を示す。第二支持部材28の両端に設けられた軸受部材47の穴47aが、第一支持部材27の両端に設けられた軸49に嵌合し、第二ユニット4は第一ユニット26に対して軸49を中心に揺動可能に取り付けられる。これにより感光体ドラム1に対する現像ローラ25の接触、離隔が可能となる。更に、第一支持部材27、第二支持部材28間に配設された支持部材付勢部材としての圧縮バネ等の弾性部材54によって、現像ローラ25が感光体ドラム1に接触するように第二ユニット4は第一ユニット26に弾性的に付勢されている(図2)。
【0022】
(カム及びカム従動手段の構成)
本実施例において、現像ローラ25は感光体ドラム1に対して、接触、離隔、大離隔の三つの状態をとる。これらの三つの状態をとらせるための手段として、図4〜図6に示すように画像形成装置100にはカム81とこれに従動して作動するカム従動手段としての押圧部材82が設けられている。
【0023】
まず、押圧部材82について図4〜図6を用いて説明する。図4〜図6のプロセスカートリッジ7は画像形成装置100のプロセスカートリッジ装填部22に装填されているものである。押圧部材82は、画像形成装置100に設けられた軸83を中心に回転可能に画像形成装置100に設けられている。押圧部材82の一端であって、カム81に係合するカム係合部82aが、カム81に接触するように不図示のバネの弾性力で付勢されている。カム81の回転により押圧部材82は軸83を中心に揺動し、押圧部材82の他端である支持部材作用部としての第二ユニット作用部82bが第二支持部材28に設けられた被押圧突起29を押圧する。弾性部材54の付勢力に抗して第二ユニット作用部82bで第二ユニット4を押圧することで、現像ローラ25を感光体ドラム1から離隔させる。すなわち、カム81によって押圧部材82の揺動量を変化させることにより、現像ローラ25は感光体ドラム1に対して接触(図4)、離隔(図5)、大離隔(図6)と三つの状態をとることができる。
【0024】
なお、本実施例では前記の軸83は押圧部材82上の固定位置で押圧部材82に嵌合している。よってカム係合部82aと軸83との距離と第二ユニット作用部82bと軸83との距離の比は固定値となっている。
【0025】
続いて、上記三つの状態をとらせるためのカム81及びカム81とカム係合部82aの相互位置関係について説明する。カム81はモーター(不図示)の回転駆動によって、カム支持軸84を軸として矢印Aで示す一方向に回転する。また、本発明はカム81とカム係合部82aが相対移動可能に設けられる構成である。本実施例ではカム81がその回転軸方向に移動可能になるように、カム支持軸84に軸長手方向に摺動移動可能に設置されている。
【0026】
図7に示すように、カム81は第一カム区域81a、第二カム区域81b、第三カム区域81cと三つの異なるカム区域を有している。押圧部材82のカム係合部82aが係合するカム区域が移行、すなわち、カム81とカム係合部82aの相互位置関係が変わることで、現像ローラ25の感光体ドラム1に対する状態が変わる。
【0027】
なお、本実施例では、回転軸からのカム81の径に関しては、第三カム区域81aのカム径が最も大きく、第二カム区域81b、第一カム区域81aの順にカム径は小さくなる。そして回転軸方向に関して第二カム区域81bと第三カム区域81cとは隣り合っている(図7)。すなわち、カム81はカム回転軸方向に関してカム最大径が変化する形状である。また、第二カム区域81bと第三カム区域81cとの間には、カム81面に対して急角度をなす斜面81sが設けられている。なお、カム81は、カム回転軸方向に関し、第一カム区域81aと第三カム区域81cを隣り合わせた構成であってもよい。
【0028】
カム81とカム係合部82aの相互位置関係としては、現像ローラ25を感光体ドラム1に接触させる第一の位置関係(図4)、現像ローラ25を感光体ドラム1から離隔させる第二の位置関係(図5)、現像ローラを感光体ドラム1から第二の位置関係時よりも大きく離隔させる第三の位置関係(図6)がある。
【0029】
カム係合部82aが第一カム区域81aと係合する(第一の位置関係)と、押圧部材82の揺動量は小さく、第二ユニット作用部82bは第二ユニット4には係合せず、弾性部材54の付勢力によって現像ローラ25が感光体ドラム1に接触する状態となる。カム係合部82aが第二カム区域81bと係合する(第二の位置関係)と、第二ユニット作用部82bが第二ユニット4に係合して被押圧突起29を押圧し、現像ローラ25が感光体ドラム1から離隔された状態となる。カム係合部82aが第三カム区域81cと係合する(第三の位置関係)と、第二ユニット作用部82bは第二ユニット4の被押圧突起29を更に押圧することにより、現像ローラ25は第二の位置関係時よりも大きく感光体ドラム1から離隔された状態となる。
【0030】
なお、本実施例ではカム81とカム係合部82aが第一の位置関係にあると、カム係合部82aが第一カム区域81aに係合した状態である。しかし、押圧部材82の揺動範囲を不図示のストッパーで規制して、カム係合部82aが第一カム区域81aに係合しない場合を第一の位置関係として、弾性部材54の付勢力によって現像ローラ25を感光体ドラム1に接触させる構成であってもよい。
【0031】
また、本実施例では第二ユニット作用部82bが第二ユニット4と係合しないときに現像ローラ25が感光体ドラム1に接触した状態となるが、弾性部材54の付勢力以下の押圧力であれば押圧時にも接触した状態をとる。そのため、第二ユニット作用部82bを第二ユニット4に係合させた状態で現像ローラ25を接触させる構成であってもよい。
【0032】
(現像部材の像担持体に対する状態の移行)
次に、現像ローラ25の感光体ドラム1に対する状態の移行について説明する。図8には現像ローラ25の感光体ドラム1に対する状態を表すタイミングチャートが示されている。
【0033】
画像形成装置100のプロセスカートリッジ装填部22にプロセスカートリッジ7を装着した状態での出荷・物流時、すなわち画像形成装置100のユーザーによる使用開始前には、カム81とカム係合部82aの相互位置関係は第三の位置関係で保持されている。すなわち、現像ローラ25は感光体ドラム1から第二の位置関係時より大きく離隔された状態である(図6)。
【0034】
出荷後のユーザーによる画像形成装置100の使用開始時、すなわち初回電源投入時に、カム81が回転により、カム係合部82aが第一カム区域81aに係合し、現像ローラ25は感光体ドラム1に当接する。それとともに感光体ドラム1、現像ローラ25、帯電ローラ2等が回転し、画像形成条件のキャリブレーションが行われる。このキャリブレーション終了後、感光体ドラム1、現像ローラ25、帯電ローラ2の回転が停止する一方、カム81が回転してカム係合部82aが第二カム区域81bに係合し、現像ローラ25は感光体ドラム1から離隔する。以後、カム81が回転して、画像形成時と非画像形成時でカム係合部82aが係合するカム区域が移行する。つまり、使用開始後の画像形成時にはカム81とカム係合部82aの相互位置関係は第一の位置関係となり、現像ローラ25は感光体ドラム1に接触した状態をとる。一方、非画像形成時には、第二の位置関係となり、現像ローラ25は感光体ドラム1から離隔した状態をとる。
【0035】
なお、画像形成装置100の使用開始後は、カムの斜面81sが阻止手段として機能し、カム係合部82aの係合するカム区域が第一カム区域81a及び第二カム区域81bから第三カム区域81cへ戻ることを阻止する。そのため、現像ローラ25は感光体ドラム1に対して離隔と接触の状態を繰り返し、大離隔の状態をとることはない。つまり、カム81の回転時にカム係合部82aは斜面81sを乗り上げることはできない。また、図7(a)、(c)、(e)に示されるように、斜面81sは、カム係合部82aが当接した状態でカム81の回転に伴いカム81を回転軸方向に変位させるために、回転軸方向に関して傾斜した区域Sを有している。このようにしてカム係合部82aが第三カム区域81cに戻ることが阻止される。
【0036】
このように、画像形成装置100の使用開始前には現像ローラ25は感光体ドラム1から大きく離隔した状態をとり、使用開始後には大きく離隔した状態をとらず、離隔及び接触した状態をとるため、物流時の現像ローラ25と感光体ドラム1の接触を抑制できる。また、使用開始後のカム81の回転トルクが小さいもので済むとともに、部品の磨耗を低減させることができる。
【0037】
(帯電部材の像担持体に対する状態の移行)
次に、帯電ローラ2の感光体ドラム1に対する状態の移行について説明する。図9は画像形成装置100の使用開始前におけるプロセスカートリッジの概略断面図、図10は画像形成装置100の使用開始後におけるプロセスカートリッジの概略断面図を示す。図8には帯電ローラ2の感光体ドラム1に対する位置を表すタイミングチャートが示されている。
【0038】
帯電ローラ2は、帯電部材付勢部材としてのバネ等の弾性部材64によって、感光体ドラム1に接触するように弾性的に付勢されている。また、帯電ローラ2は、その軸2eを第一支持部材27に設けた長孔(不図示)に嵌めて支持する等して、感光体ドラム1に接触した位置と感光体ドラム1から離隔した位置とを変位可能に第一支持部材27に支持されている。
【0039】
画像形成装置100の使用開始前の物流時に、帯電ローラ2の塑性変形を防ぐため、帯電ローラ2を感光体ドラム1から離隔させた状態で保持するための帯電部材離隔手段として、アーム状の帯電ローラ離隔部材58が設けられている。帯電ローラ離隔部材58は、第一ユニット26に設けられた円筒形状の支持部材26b内で、遊動可能に支持されている。
【0040】
画像形成装置100の使用開始前における帯電ローラ離隔部材58の状態は以下のとおりである(図9)。帯電ローラ離隔部材58の一端に設けられた穴58aは、帯電ローラ2のローラ軸2eに嵌合されている。また、第一ユニット26に設けられた引掛け部材26aは、プロセスカートリッジ7の組立工程において、帯電ローラ離隔部材58の他端に設けられた引掛け部58bに引掛けられている。上記の構成によって、帯電ローラ2は、弾性部材64の付勢力に抗して帯電ローラ離隔部材58で帯電ローラ2の軸2eを変位させることにより、感光体ドラム1から離隔された状態で保持される。
【0041】
画像形成装置100の使用開始時に、カム係合部82aは第一カム区域81aに係合し現像ローラ25が感光体ドラム1に接触するように第二ユニット4が揺動する。すると、第二支持部材28に設けられた引掛け部材4eが帯電ローラ離隔部材58の他端に設けられた穴58cの内周縁を引っ張る。これにより、第一ユニット26側の引掛け部材26aが引掛け部58bから外れて、帯電ローラ離隔部材58が解除され、弾性部材64の付勢力によって帯電ローラ2が感光体ドラム1に接触する(図10)。以後、図8に示すように、画像形成時にも非画像形成時にも、帯電ローラ2は感光体ドラム1に接触した状態を保つ。
【0042】
使用開始前に現像ローラ25を感光体ドラム1から大きく離隔した状態で保持するように第一ユニット26、第二ユニット4の相互角度を保持することで、引掛け部材4eとこれに係合する穴58cの内周縁との間隔Wが広くなる。そのため、出荷時の衝撃が加わることによって帯電ローラ離隔部材58が解除されて帯電ローラ2が感光体ドラム1に接触する、といった恐れを低減させることができる。
【0043】
〔実施例2〕
本実施例は、実施例1のカム81に替えて、カムの表面にカム係合部82aのカム表面上での相対移動案内する溝壁形状の案内面81x及び81yを設けたカム81(図11)を用いたものである。案内面81xは第三カム区域81cから第二カム区域81bを繋ぐように、案内面81yは第一カム区域81aと第二カム区域81bを繋ぐように設けられている。他の構成は実施例1と同様であり、記載を省略する。
【0044】
図12のように、画像形成装置100の使用開始前にはカム係合部82aは第三カム区域81cに係合されている(第三の位置関係)。使用開始時にカム81が回転し始めると、カム係合部82aが案内面81xに案内されて、第三カム区域81cから第二カム区域81bへと移動する(図13)。案内面81xはカム回転軸方向に関して図11のように傾いているので、カム係合部82aがこの案内面81xに案内されているとき、カム81はその回転軸方向に変位する。カム81が更に回転し、カム係合部82aは第一カム区域81aと係合し、この状態で前記のように画像形成装置100のキャリブレーションが実行される。キャリブレーション終了とともにカム81が回転し、カム係合部82aは第二カム区域81bに係合して停止する。その後は、画像形成時には第一カム区域81aに係合し(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bに係合する(第二の位置関係)ように、カム係合部82aは案内面81yに案内される。使用開始時にカム係合部82aが第一カム区域81a及び第二カム区域81bに一度移動すると、案内面81xと案内面81yを接続する接続部81jが阻止手段として作用して、カム係合部82aが第三カム区域81cへは戻らない構成となっている。
【0045】
このようにカム81に案内面81x、81yを設けたことで、画像形成装置100の使用開始時に、確実にカム81と押圧部材82をカム回転軸方向に相対移動させることができる。
【0046】
〔実施例3〕
図14、15は本実施例におけるカム81と押圧部材82を示す図である。実施例1と共通する構成については必要ない限り説明を省略する。
【0047】
本実施例では、カム81は支持軸84に固着されている。そしてカム支持手段としてのカム回転軸保持部材86に設けられた穴86aにカム81の支持軸84が回転可能に、かつカム回転軸方向に移動可能に係合している。よって、カム81は回転可能に、かつカム回転軸方向に変位可能に穴86aにより支持される。また、カム81はカム付勢手段としての圧縮バネ85により弾性的にカム回転軸と平行な図14の矢印B方向に付勢されている。カム支持軸84にはピン81zが植設されており、このピンzはカム回転軸保持部材86に設けられた穴86aに通過可能である。
【0048】
画像形成装置100の使用開始前には、ピン81zは穴86aと位相がずれて保持部材86に係合されているため、圧縮バネ85の付勢力に抗して、カム係合部82aが第三カム区域81cと係合する位置にカム81は保持される(第三の位置関係)。このとき、カム回転軸保持部材86とピン81zはカム位置保持手段として作用する。
【0049】
画像形成装置100の使用開始時に、カム81が回転し始めると、ピン81zと穴86aの位相が合ったときに、カム位置保持手段としての作用が解除される。その際、圧縮バネ85の付勢力によりカム81は矢印B方向に移動し、カム係合部82aが係合するカム区域が第三カム区域81cから第二カム区域81bと第一カム区域81aとに限られる区域へと移行される(図15)。その後、カム係合部82aは画像形成時には第一カム区域81aに係合し(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bに係合する(第二の位置関係)。使用開始後は、圧縮バネ85が阻止手段として働き、カム係合部82aの係合するカム区域が第一カム区域81a及び第二カム区域81bから第三カム区域81cへ戻ることを阻止する。
【0050】
本実施例のように構成することで、画像形成装置100の使用開始時に、確実にカムをカム回転軸方向に移動させて、カム係合部82aを第三カム区域81cから第一カム区域81bへ移行させることができる。
【0051】
〔実施例4〕
前述までの実施例ではカム従動手段として揺動する押圧部材82を用いたが、本実施例はカム従動手段が第二ユニット4に一体的に固定された例である。つまり、カム従動手段は第二支持部材28に一体的に固設された従動子であり、カム係合部4eを持つ。カム81と係合するカム係合部4eを介して第二ユニット4が第一ユニット26に対して押圧される(図16)。
【0052】
カム81は実施例1や実施例3と同様のものを用いる。
【0053】
画像形成装置100の使用開始前には、カム係合部4eは第三カム区域81cと係合する(第三の位置関係)。使用開始時にカム81は回転することで、カム81がカム回転軸方向(紙面に対して垂直奥方向)へ移動し、カム係合部4eは第二カム区域81b、第一カム区域81aとのみ係合することになる。以後、画像形成時にはカム係合部4eカム81と係合せず(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bと係合する(第二の位置関係)。
【0054】
本実施例ではカム従動手段を第二ユニット4の一部で構成したため、前述した実施例の押圧部材82のように別の可動部品を用いる必要がない。
【0055】
(帯電部材の像担持体に対する状態の移行)
プロセスカートリッジ7内で感光体ドラム1から帯電ローラ2を離隔させる帯電部材離隔手段は前述までの実施例とは異なった下記の構成をとる。それ以外の構成については前述の実施例と同様である。本実施例では、帯電ローラ2はリンク52の一端が結合されており、リンク52の他端は第一ユニット26に設けられたクランク56に相互回動可能に結合されている。クランク56は第一支持部材27に設けた軸57を中心に回転自在に結合されており、第二ユニット4に設けられた作用部55によってクランク56の被作用部56aが押圧されて、クランク56は回転する。これにより、リンク52が弾性部材64の付勢力に抗して帯電ローラ2を感光体ドラム1から離隔させる。
【0056】
カム係合部4eが第三カム区域81cと係合するときに、作用部55が被作用部56aを押圧するように構成されているので、画像形成装置100の使用開始前には帯電ローラ2は感光体ドラム1から離隔される。
【0057】
カム係合部4eは第二カム区域81bと係合するとき、及び、カム係合部4eがカム81と係合しないときは、作用部55は被作用部56aを押圧しないため、帯電ローラ2は弾性部材64の付勢力によって感光体ドラム1に接触した状態で保持される。
【0058】
本実施例においても、画像形成装置100の使用開始前には帯電ローラ2を感光体ドラム1から離隔した状態であるので、物流時の衝撃で帯電ローラ2が感光体ドラム1に接触する恐れを低減させることができる。
【0059】
〔実施例5〕
前述までの実施例はカム81がカム回転軸方向に移動することでカム係合部82aと係合するカム区域を移行させたが、本実施例はカム81が固定され、カム従動手段としての押圧部材82がカム回転軸方向に沿って移動する構成である。それ以外の構成は前述した実施例と同様であるので、特に必要ない限りその記載は省略する。
【0060】
カム81はカム回転軸方向に関して位置固定されて設けられている。図17、図18に示すように、カム81はその最大径がカム回転軸方向に関して一定である形状を有する。つまり、第三カム区域81cのカム径と第二カム区域81bのカム径とは同じであり、第一カム区域81aのカム径はこれらより小さくなっている。また、実施例2で説明したカム81と同様に、その表面にはカム係合部82aを案内する案内面81X及び案内面81Yが設けられている。案内面Xは第三カム区域81cから第二カム区域81bへの移行を案内し、案内面81Yは第二カム区域81bと第一カム区域81a間の移行を案内する。
【0061】
一方、押圧部材82には長穴82cが設けられており、長穴82cが画像形成装置100に対して位置固定された軸83に係合されることで、押圧部材82はカム回転軸方向に移動可能に取り付けられる。押圧部材82が長穴82cに沿って移動することにより、押圧部材82に関し、支点・力点間距離と支点・作用点間距離の和は一定であるが、その比率が変更されることになる。
【0062】
図17のように、画像形成装置100の使用開始前にはカム係合部82aは第三カム区域81cに係合されている(第三の位置関係)。その際、押圧部材82と軸83は長穴82cのカム係合部82a側で係合される。
【0063】
使用開始時にカム81が回転し始めると、カム係合部82aが案内面81Xに案内されて、第三カム区域81cから第二カム区域81bへと移動する。図18はカム係合部82aが第二カム区域81bに係合している状態を示す。その後は、前記各実施例と同様であり、画像形成時には第一カム区域81aに係合し(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bに係合する(第二の位置関係)。その際、押圧部材82と軸83は長穴82cの第二ユニット作用部82b側で係合される。第一の位置関係での前記比率と第二の位置関係での前記比率は同じであるが、第三の位置関係での前記比率よりも第二の位置関係での比率の方が大きい。そのため、第二カム区域81bのカム径と第三カム区域81cのカム径が同一であっても、第二の位置関係において第二ユニット作用部82bの第二ユニット4に対する押圧力は、第三の位置関係においてよりも弱くなる。従って、現像ローラ25は感光体ドラム1に対して大きな離隔位置から非画像形成時の離隔位置に変位する。一方、第一の位置関係においては、現像ローラ25は感光体ドラム1に当接する。案内面81Xと案内面81Yとの接続部81Jが阻止手段として作用し、カム係合部82aが一旦第一カム区域81a及び第二カム区域81bに移動すると、第三カム区域81cへ戻らない構成となっている。
【0064】
このように、押圧部材82の揺動支点となる軸83とカム係合部82aとの距離を変化させることで、最大径が一定であるカムであっても、また、カムをカム回転軸方向に移動させなくても、実施例1、2と同様の効果が得られる。
【0065】
なお、本実施例は押圧部材82全体がカム回転軸方向に移動する例であるが、押圧部材82全体が移動するのではなく、軸83を位置固定するとともにカム係合部82aを押圧部材82に対して、その長手方向に移動可能に取り付けた構成であっても良い。
【0066】
〔実施例6〕
前述までの実施例の中で、カム従動手段として押圧部材82を用いた例では、軸83を中心に揺動する押圧部材82を用いたが、本実施例はカム従動手段としての押圧部材82が往復直動する構成をとる。
【0067】
カム81は実施例1、3、4で説明したものと同じ構成のものを使用する。
【0068】
図19、図20に示すように第二ユニット4の被押圧突起29を押圧する押圧部材82は長穴82cを有し、長穴82cは位置固定されて設けられた軸87に係合し、カム81に押されて軸87の案内下に直動する。
【0069】
画像形成装置100の使用開始前は第三カム区域81cとカム係合部82aが係合し(第三の位置関係)、使用開始時にカムが回転軸方向に移動することでカム係合部82aが係合するカム区域が移行する。以降、カム係合部82aは画像形成時には図20に示すようにカム81と係合せず(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bと係合する(第二の位置関係)。
【符号の説明】
【0070】
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
4 第二ユニット
7 プロセスカートリッジ
25 現像ローラ
26 第一ユニット
27 第一支持部材
28 第二支持部材
81 カム
82 押圧部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式に係る画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、接触現像方式の画像形成装置においては、像担持体に対する現像部材(現像ローラ)の状態を画像形成のタイミングに合わせて当接、離隔と切り替えられるプロセスカートリッジが知られている。このプロセスカートリッジは、像担持体を支持する第一支持部材と、現像ローラを支持する第二支持部材とで構成され、現像ローラを像担持体に接触させるように第一支持部材に対して第二支持部材が弾性的に付勢されている。上記の構成とすることで、現像ローラが像担持体に接触する状態と、付勢力に抗する力を加えることにより現像ローラを像担持体から離隔した状態とをとることができる。
【0003】
このプロセスカートリッジは、少なくともユーザーの手元に届くまでの物流時には、現像ローラはその圧縮変形を防ぐために像担持体に対して離隔された状態で保持されている。
【0004】
ところが、上記のプロセスカートリッジを画像形成装置内に装着した状態で出荷する際、物流時にこの画像形成装置に過度の衝撃が加わると現像ローラが像担持体に接触する恐れがあった。
【0005】
上記の問題点は、接触、離隔の他に、現像ローラと像担持体とを前述の離隔の状態よりも大きく離隔させた状態(大離隔)をとることができる画像形成装置(特許文献1)であれば解決できる。すなわち、大離隔の状態で出荷されると、衝撃が加わっても現像ローラが像担持体に接触しにくく、物流中に離隔された位置を保持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−99517
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、カムの一回転で上記三つの状態を順にとる構成であるため、出荷・物流時にのみ必要である現像ローラを像担持体から大きく離隔させた状態を、ユーザーによる画像形成装置の使用開始後も、カムの一回転ごとにとる。この状態ではカム回転により大きなトルクが必要である。また、部品に大きな圧力がかかるため不要に部品を磨耗させる恐れがある。
【0008】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、本発明の目的は、出荷・物流時には現像ローラを像担持体から大きく離隔させた状態を保ち、ユーザーによる画像形成装置の使用開始後には大離隔の状態をとらず、画像形成動作とこの動作の休止に対応して接触・離隔の状態をとる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、(A)像担持体と、前記像担持体を支持する第一支持部材と、前記像担持体に接触して前記像担持体上の静電潜像を現像する現像部材と、前記現像部材を支持し、前記第一支持部材に対して変位可能に結合された第二支持部材と、前記現像部材を前記像担持体に接触させるように前記第二支持部材を前記第一支持部材に対して弾性的に付勢する支持部材付勢部材と、を有するプロセスカートリッジと、(B)前記プロセスカートリッジが取り外し可能に装填される装填部と、(C)一方向に回転するカムと、(D)前記カムと係合するカム係合部を有し、前記カムの回転により作動するカム従動手段であって、前記支持部材付勢部材の付勢力に抗して前記第二支持部材に作用することにより前記像担持体から前記現像部材を離隔させるカム従動手段と、を備え、前記カムと前記カム係合部の相互位置関係として、前記現像部材を前記像担持体に接触させる第一の位置関係、前記現像部材を前記像担持体から離隔させる第二の位置関係、前記現像部材を前記像担持体から前記第二の位置関係時よりも大きく離隔させる第三の位置関係を有する画像形成装置において、前記カムと前記カム係合部とはカム回転軸方向に相対移動可能に設けられており、画像形成装置の使用開始前には前記相互位置関係を前記第三の位置関係にさせ、画像形成装置の使用開始後、画像形成時には前記相互位置関係を前記第一の位置関係にさせ、非画像形成時には前記相互位置関係を前記第二の位置関係にさせ、前記画像形成装置の使用開始後に前記相互位置関係が前記第三の位置関係をとることを阻止する阻止手段を備えており、前記カムの回転に伴い前記カムと前記カム係合部が前記カム回転軸方向に相対移動することにより前記相互位置関係が前記第三の位置関係から移行され、前記阻止手段が作用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明において、物流中で画像形成装置の使用開始前には現像ローラが像担持体から大きく離隔された状態であるので、物流時に現像ローラが像担持体に接触する恐れを低減させることができる。また、画像形成装置の使用開始後には、現像ローラが像担持体から大きく離隔された状態をとらないので、トルクの負担を軽減でき、また、部品の不要な磨耗を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プロセスカートリッジを装着した状態の本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの実施例1の概略断面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの実施例1の概略斜視図である。
【図4】実施例1で、カムとカム係合部が第一の位置関係にある時のプロセスカートリッジの斜視図である。
【図5】実施例1で、カムとカム係合部が第二の位置関係にある時のプロセスカートリッジの斜視図である。
【図6】実施例1で、カムとカム係合部が第三の位置関係にある時のプロセスカートリッジの斜視図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置に用いられる一実施例のカムの斜視図及び外面図である。
【図8】本発明に係る現像部材と帯電部材の像担持体に対する状態を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの実施例1の概略断面図であり、帯電部材が像担持体から離隔された状態を示す図である。
【図10】本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの実施例1の概略断面図であり、帯電部材が像担持体に接触した状態を示す図である。
【図11】本発明に係る画像形成装置に用いられる他の実施例のカムの斜視図及び外面図である。
【図12】画像形成装置の使用開始前における実施例2のカムとカム従動手段を示す図である。
【図13】カムとカム係合部が第二の位置関係にある時の実施例2のカムとカム従動手段を示す図である。
【図14】画像形成装置の使用開始前における実施例3のカムとカム従動手段を示す図である。
【図15】カムとカム係合部が第二の位置関係にある時の実施例3のカムとカム従動手段を示す図である。
【図16】画像形成装置の使用開始前における実施例4の画像形成装置の断面概略図である。
【図17】画像形成装置の使用開始前における実施例5のカムとカム従動手段を示す図である。
【図18】カムとカム係合部が第二の位置関係にある時の実施例5のカムとカム従動手段を示す図である。
【図19】画像形成装置の使用開始前における実施例6の画像形成装置の断面概略図である。
【図20】カムとカム係合部が第一の位置関係にある時の実施例6の画像形成装置の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0013】
〔実施例1〕
本発明の実施例に係る画像形成装置について、図1〜図10を参照して説明する。
【0014】
(画像形成装置の全体構成)
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施例であるカラー電子写真画像形成装置の全体構成を示す。図1の画像形成装置100は、各々異なった色のトナー像を形成する4個のプロセスカートリッジ7(7a〜7d)と、プロセスカートリッジ7を取り外し可能に装填する装填部22(22a〜22d)を有する。プロセスカートリッジ7は像担持体としての感光体ドラム1(1a〜1d)を備えている。感光体ドラム1はモーター(不図示)によって図1に示す矢印Qの方向に回転する。
【0015】
画像形成装置100にプロセスカートリッジ7が装着された状態では、感光体ドラム1の周辺には、感光体ドラム1に作用するプロセス手段として、クリーニング部材6(6a〜6d)、スキャナユニット3、帯電部材としての帯電ローラ2(2a〜2d)、現像ローラ25(25a〜25d)、転写手段としての中間転写ベルト5及び一次転写ローラ12(12a〜12d)が配置される。
【0016】
画像形成時には以下の動作が行われる。まず、クリーニング部材6により感光体ドラム1の表面に残留するトナーが除去される。次に感光体ドラム1は帯電ローラ2に接触して、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1表面には、更に、スキャナユニット3により画像情報に基づく光ビームが露光され、静電潜像が形成される。感光体ドラム1に当接した現像ローラ25により感光体ドラム1にトナーを付着させ、この静電潜像をトナー像として可視化する。第二支持部材28内に収容されているトナーは供給ローラ34によって現像ローラ25に供給される。感光体ドラム1表面に形成されたトナー像を、矢印R方向に回転する中間転写ベルト5上に一次転写ローラ12(12a〜12d)により順次転写する。4色のトナー像が中間転写ベルト5上に重なった状態で、二次転写部15まで搬送される。二次転写部15では、これらの動作に同期させて給送装置13によって搬送されたシートS上に、二次転写ローラ18によって中間転写ベルト5上のトナー像が転写される。定着部14ではシートS上のトナー像が加熱及び加圧されて、シートSに定着される。定着後、このシートSは排出トレイ20に排出される。
【0017】
非画像形成時には現像ローラ25を感光体ドラム1から離隔させることで、現像ローラ25の塑性変形を抑制する。
【0018】
(プロセスカートリッジの構成)
図2は本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの概略断面図を示す。
【0019】
本実施例におけるプロセスカートリッジ7は、金属製シリンダにOPC等の感光体層を被覆した感光体ドラム1、クリーニング部材6、帯電ローラ2、現像ローラ25を備えている。現像ローラ25は金属製芯ローラに導電性ゴム層、あるいは更に導電性合成樹脂層を被覆した弾性ローラである。また、帯電ローラ2も金属製芯ローラに導電性ゴム層、あるいは更に導電性合成樹脂層を被覆した弾性ローラである。なお、本実施例においてはプロセスカートリッジを上記の構成としたが、プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1と、少なくとも現像ローラ25を備えていれば足りる。
【0020】
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1、クリーニング部材6、帯電ローラ2を第一支持部材としての箱状の枠体27に支持して構成された第一ユニット26と、現像ローラ25と供給ローラ34を第二支持部材としての箱状の枠体28に支持して構成された第二ユニット4から構成される。感光体ドラム1、帯電ローラ2、現像ローラ25、供給ローラ34は軸受部材を介して回転自在に各支持部材に支持されている。
【0021】
図3は本発明に係る画像形成装置に適用されるプロセスカートリッジの概略斜視図を示す。第二支持部材28の両端に設けられた軸受部材47の穴47aが、第一支持部材27の両端に設けられた軸49に嵌合し、第二ユニット4は第一ユニット26に対して軸49を中心に揺動可能に取り付けられる。これにより感光体ドラム1に対する現像ローラ25の接触、離隔が可能となる。更に、第一支持部材27、第二支持部材28間に配設された支持部材付勢部材としての圧縮バネ等の弾性部材54によって、現像ローラ25が感光体ドラム1に接触するように第二ユニット4は第一ユニット26に弾性的に付勢されている(図2)。
【0022】
(カム及びカム従動手段の構成)
本実施例において、現像ローラ25は感光体ドラム1に対して、接触、離隔、大離隔の三つの状態をとる。これらの三つの状態をとらせるための手段として、図4〜図6に示すように画像形成装置100にはカム81とこれに従動して作動するカム従動手段としての押圧部材82が設けられている。
【0023】
まず、押圧部材82について図4〜図6を用いて説明する。図4〜図6のプロセスカートリッジ7は画像形成装置100のプロセスカートリッジ装填部22に装填されているものである。押圧部材82は、画像形成装置100に設けられた軸83を中心に回転可能に画像形成装置100に設けられている。押圧部材82の一端であって、カム81に係合するカム係合部82aが、カム81に接触するように不図示のバネの弾性力で付勢されている。カム81の回転により押圧部材82は軸83を中心に揺動し、押圧部材82の他端である支持部材作用部としての第二ユニット作用部82bが第二支持部材28に設けられた被押圧突起29を押圧する。弾性部材54の付勢力に抗して第二ユニット作用部82bで第二ユニット4を押圧することで、現像ローラ25を感光体ドラム1から離隔させる。すなわち、カム81によって押圧部材82の揺動量を変化させることにより、現像ローラ25は感光体ドラム1に対して接触(図4)、離隔(図5)、大離隔(図6)と三つの状態をとることができる。
【0024】
なお、本実施例では前記の軸83は押圧部材82上の固定位置で押圧部材82に嵌合している。よってカム係合部82aと軸83との距離と第二ユニット作用部82bと軸83との距離の比は固定値となっている。
【0025】
続いて、上記三つの状態をとらせるためのカム81及びカム81とカム係合部82aの相互位置関係について説明する。カム81はモーター(不図示)の回転駆動によって、カム支持軸84を軸として矢印Aで示す一方向に回転する。また、本発明はカム81とカム係合部82aが相対移動可能に設けられる構成である。本実施例ではカム81がその回転軸方向に移動可能になるように、カム支持軸84に軸長手方向に摺動移動可能に設置されている。
【0026】
図7に示すように、カム81は第一カム区域81a、第二カム区域81b、第三カム区域81cと三つの異なるカム区域を有している。押圧部材82のカム係合部82aが係合するカム区域が移行、すなわち、カム81とカム係合部82aの相互位置関係が変わることで、現像ローラ25の感光体ドラム1に対する状態が変わる。
【0027】
なお、本実施例では、回転軸からのカム81の径に関しては、第三カム区域81aのカム径が最も大きく、第二カム区域81b、第一カム区域81aの順にカム径は小さくなる。そして回転軸方向に関して第二カム区域81bと第三カム区域81cとは隣り合っている(図7)。すなわち、カム81はカム回転軸方向に関してカム最大径が変化する形状である。また、第二カム区域81bと第三カム区域81cとの間には、カム81面に対して急角度をなす斜面81sが設けられている。なお、カム81は、カム回転軸方向に関し、第一カム区域81aと第三カム区域81cを隣り合わせた構成であってもよい。
【0028】
カム81とカム係合部82aの相互位置関係としては、現像ローラ25を感光体ドラム1に接触させる第一の位置関係(図4)、現像ローラ25を感光体ドラム1から離隔させる第二の位置関係(図5)、現像ローラを感光体ドラム1から第二の位置関係時よりも大きく離隔させる第三の位置関係(図6)がある。
【0029】
カム係合部82aが第一カム区域81aと係合する(第一の位置関係)と、押圧部材82の揺動量は小さく、第二ユニット作用部82bは第二ユニット4には係合せず、弾性部材54の付勢力によって現像ローラ25が感光体ドラム1に接触する状態となる。カム係合部82aが第二カム区域81bと係合する(第二の位置関係)と、第二ユニット作用部82bが第二ユニット4に係合して被押圧突起29を押圧し、現像ローラ25が感光体ドラム1から離隔された状態となる。カム係合部82aが第三カム区域81cと係合する(第三の位置関係)と、第二ユニット作用部82bは第二ユニット4の被押圧突起29を更に押圧することにより、現像ローラ25は第二の位置関係時よりも大きく感光体ドラム1から離隔された状態となる。
【0030】
なお、本実施例ではカム81とカム係合部82aが第一の位置関係にあると、カム係合部82aが第一カム区域81aに係合した状態である。しかし、押圧部材82の揺動範囲を不図示のストッパーで規制して、カム係合部82aが第一カム区域81aに係合しない場合を第一の位置関係として、弾性部材54の付勢力によって現像ローラ25を感光体ドラム1に接触させる構成であってもよい。
【0031】
また、本実施例では第二ユニット作用部82bが第二ユニット4と係合しないときに現像ローラ25が感光体ドラム1に接触した状態となるが、弾性部材54の付勢力以下の押圧力であれば押圧時にも接触した状態をとる。そのため、第二ユニット作用部82bを第二ユニット4に係合させた状態で現像ローラ25を接触させる構成であってもよい。
【0032】
(現像部材の像担持体に対する状態の移行)
次に、現像ローラ25の感光体ドラム1に対する状態の移行について説明する。図8には現像ローラ25の感光体ドラム1に対する状態を表すタイミングチャートが示されている。
【0033】
画像形成装置100のプロセスカートリッジ装填部22にプロセスカートリッジ7を装着した状態での出荷・物流時、すなわち画像形成装置100のユーザーによる使用開始前には、カム81とカム係合部82aの相互位置関係は第三の位置関係で保持されている。すなわち、現像ローラ25は感光体ドラム1から第二の位置関係時より大きく離隔された状態である(図6)。
【0034】
出荷後のユーザーによる画像形成装置100の使用開始時、すなわち初回電源投入時に、カム81が回転により、カム係合部82aが第一カム区域81aに係合し、現像ローラ25は感光体ドラム1に当接する。それとともに感光体ドラム1、現像ローラ25、帯電ローラ2等が回転し、画像形成条件のキャリブレーションが行われる。このキャリブレーション終了後、感光体ドラム1、現像ローラ25、帯電ローラ2の回転が停止する一方、カム81が回転してカム係合部82aが第二カム区域81bに係合し、現像ローラ25は感光体ドラム1から離隔する。以後、カム81が回転して、画像形成時と非画像形成時でカム係合部82aが係合するカム区域が移行する。つまり、使用開始後の画像形成時にはカム81とカム係合部82aの相互位置関係は第一の位置関係となり、現像ローラ25は感光体ドラム1に接触した状態をとる。一方、非画像形成時には、第二の位置関係となり、現像ローラ25は感光体ドラム1から離隔した状態をとる。
【0035】
なお、画像形成装置100の使用開始後は、カムの斜面81sが阻止手段として機能し、カム係合部82aの係合するカム区域が第一カム区域81a及び第二カム区域81bから第三カム区域81cへ戻ることを阻止する。そのため、現像ローラ25は感光体ドラム1に対して離隔と接触の状態を繰り返し、大離隔の状態をとることはない。つまり、カム81の回転時にカム係合部82aは斜面81sを乗り上げることはできない。また、図7(a)、(c)、(e)に示されるように、斜面81sは、カム係合部82aが当接した状態でカム81の回転に伴いカム81を回転軸方向に変位させるために、回転軸方向に関して傾斜した区域Sを有している。このようにしてカム係合部82aが第三カム区域81cに戻ることが阻止される。
【0036】
このように、画像形成装置100の使用開始前には現像ローラ25は感光体ドラム1から大きく離隔した状態をとり、使用開始後には大きく離隔した状態をとらず、離隔及び接触した状態をとるため、物流時の現像ローラ25と感光体ドラム1の接触を抑制できる。また、使用開始後のカム81の回転トルクが小さいもので済むとともに、部品の磨耗を低減させることができる。
【0037】
(帯電部材の像担持体に対する状態の移行)
次に、帯電ローラ2の感光体ドラム1に対する状態の移行について説明する。図9は画像形成装置100の使用開始前におけるプロセスカートリッジの概略断面図、図10は画像形成装置100の使用開始後におけるプロセスカートリッジの概略断面図を示す。図8には帯電ローラ2の感光体ドラム1に対する位置を表すタイミングチャートが示されている。
【0038】
帯電ローラ2は、帯電部材付勢部材としてのバネ等の弾性部材64によって、感光体ドラム1に接触するように弾性的に付勢されている。また、帯電ローラ2は、その軸2eを第一支持部材27に設けた長孔(不図示)に嵌めて支持する等して、感光体ドラム1に接触した位置と感光体ドラム1から離隔した位置とを変位可能に第一支持部材27に支持されている。
【0039】
画像形成装置100の使用開始前の物流時に、帯電ローラ2の塑性変形を防ぐため、帯電ローラ2を感光体ドラム1から離隔させた状態で保持するための帯電部材離隔手段として、アーム状の帯電ローラ離隔部材58が設けられている。帯電ローラ離隔部材58は、第一ユニット26に設けられた円筒形状の支持部材26b内で、遊動可能に支持されている。
【0040】
画像形成装置100の使用開始前における帯電ローラ離隔部材58の状態は以下のとおりである(図9)。帯電ローラ離隔部材58の一端に設けられた穴58aは、帯電ローラ2のローラ軸2eに嵌合されている。また、第一ユニット26に設けられた引掛け部材26aは、プロセスカートリッジ7の組立工程において、帯電ローラ離隔部材58の他端に設けられた引掛け部58bに引掛けられている。上記の構成によって、帯電ローラ2は、弾性部材64の付勢力に抗して帯電ローラ離隔部材58で帯電ローラ2の軸2eを変位させることにより、感光体ドラム1から離隔された状態で保持される。
【0041】
画像形成装置100の使用開始時に、カム係合部82aは第一カム区域81aに係合し現像ローラ25が感光体ドラム1に接触するように第二ユニット4が揺動する。すると、第二支持部材28に設けられた引掛け部材4eが帯電ローラ離隔部材58の他端に設けられた穴58cの内周縁を引っ張る。これにより、第一ユニット26側の引掛け部材26aが引掛け部58bから外れて、帯電ローラ離隔部材58が解除され、弾性部材64の付勢力によって帯電ローラ2が感光体ドラム1に接触する(図10)。以後、図8に示すように、画像形成時にも非画像形成時にも、帯電ローラ2は感光体ドラム1に接触した状態を保つ。
【0042】
使用開始前に現像ローラ25を感光体ドラム1から大きく離隔した状態で保持するように第一ユニット26、第二ユニット4の相互角度を保持することで、引掛け部材4eとこれに係合する穴58cの内周縁との間隔Wが広くなる。そのため、出荷時の衝撃が加わることによって帯電ローラ離隔部材58が解除されて帯電ローラ2が感光体ドラム1に接触する、といった恐れを低減させることができる。
【0043】
〔実施例2〕
本実施例は、実施例1のカム81に替えて、カムの表面にカム係合部82aのカム表面上での相対移動案内する溝壁形状の案内面81x及び81yを設けたカム81(図11)を用いたものである。案内面81xは第三カム区域81cから第二カム区域81bを繋ぐように、案内面81yは第一カム区域81aと第二カム区域81bを繋ぐように設けられている。他の構成は実施例1と同様であり、記載を省略する。
【0044】
図12のように、画像形成装置100の使用開始前にはカム係合部82aは第三カム区域81cに係合されている(第三の位置関係)。使用開始時にカム81が回転し始めると、カム係合部82aが案内面81xに案内されて、第三カム区域81cから第二カム区域81bへと移動する(図13)。案内面81xはカム回転軸方向に関して図11のように傾いているので、カム係合部82aがこの案内面81xに案内されているとき、カム81はその回転軸方向に変位する。カム81が更に回転し、カム係合部82aは第一カム区域81aと係合し、この状態で前記のように画像形成装置100のキャリブレーションが実行される。キャリブレーション終了とともにカム81が回転し、カム係合部82aは第二カム区域81bに係合して停止する。その後は、画像形成時には第一カム区域81aに係合し(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bに係合する(第二の位置関係)ように、カム係合部82aは案内面81yに案内される。使用開始時にカム係合部82aが第一カム区域81a及び第二カム区域81bに一度移動すると、案内面81xと案内面81yを接続する接続部81jが阻止手段として作用して、カム係合部82aが第三カム区域81cへは戻らない構成となっている。
【0045】
このようにカム81に案内面81x、81yを設けたことで、画像形成装置100の使用開始時に、確実にカム81と押圧部材82をカム回転軸方向に相対移動させることができる。
【0046】
〔実施例3〕
図14、15は本実施例におけるカム81と押圧部材82を示す図である。実施例1と共通する構成については必要ない限り説明を省略する。
【0047】
本実施例では、カム81は支持軸84に固着されている。そしてカム支持手段としてのカム回転軸保持部材86に設けられた穴86aにカム81の支持軸84が回転可能に、かつカム回転軸方向に移動可能に係合している。よって、カム81は回転可能に、かつカム回転軸方向に変位可能に穴86aにより支持される。また、カム81はカム付勢手段としての圧縮バネ85により弾性的にカム回転軸と平行な図14の矢印B方向に付勢されている。カム支持軸84にはピン81zが植設されており、このピンzはカム回転軸保持部材86に設けられた穴86aに通過可能である。
【0048】
画像形成装置100の使用開始前には、ピン81zは穴86aと位相がずれて保持部材86に係合されているため、圧縮バネ85の付勢力に抗して、カム係合部82aが第三カム区域81cと係合する位置にカム81は保持される(第三の位置関係)。このとき、カム回転軸保持部材86とピン81zはカム位置保持手段として作用する。
【0049】
画像形成装置100の使用開始時に、カム81が回転し始めると、ピン81zと穴86aの位相が合ったときに、カム位置保持手段としての作用が解除される。その際、圧縮バネ85の付勢力によりカム81は矢印B方向に移動し、カム係合部82aが係合するカム区域が第三カム区域81cから第二カム区域81bと第一カム区域81aとに限られる区域へと移行される(図15)。その後、カム係合部82aは画像形成時には第一カム区域81aに係合し(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bに係合する(第二の位置関係)。使用開始後は、圧縮バネ85が阻止手段として働き、カム係合部82aの係合するカム区域が第一カム区域81a及び第二カム区域81bから第三カム区域81cへ戻ることを阻止する。
【0050】
本実施例のように構成することで、画像形成装置100の使用開始時に、確実にカムをカム回転軸方向に移動させて、カム係合部82aを第三カム区域81cから第一カム区域81bへ移行させることができる。
【0051】
〔実施例4〕
前述までの実施例ではカム従動手段として揺動する押圧部材82を用いたが、本実施例はカム従動手段が第二ユニット4に一体的に固定された例である。つまり、カム従動手段は第二支持部材28に一体的に固設された従動子であり、カム係合部4eを持つ。カム81と係合するカム係合部4eを介して第二ユニット4が第一ユニット26に対して押圧される(図16)。
【0052】
カム81は実施例1や実施例3と同様のものを用いる。
【0053】
画像形成装置100の使用開始前には、カム係合部4eは第三カム区域81cと係合する(第三の位置関係)。使用開始時にカム81は回転することで、カム81がカム回転軸方向(紙面に対して垂直奥方向)へ移動し、カム係合部4eは第二カム区域81b、第一カム区域81aとのみ係合することになる。以後、画像形成時にはカム係合部4eカム81と係合せず(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bと係合する(第二の位置関係)。
【0054】
本実施例ではカム従動手段を第二ユニット4の一部で構成したため、前述した実施例の押圧部材82のように別の可動部品を用いる必要がない。
【0055】
(帯電部材の像担持体に対する状態の移行)
プロセスカートリッジ7内で感光体ドラム1から帯電ローラ2を離隔させる帯電部材離隔手段は前述までの実施例とは異なった下記の構成をとる。それ以外の構成については前述の実施例と同様である。本実施例では、帯電ローラ2はリンク52の一端が結合されており、リンク52の他端は第一ユニット26に設けられたクランク56に相互回動可能に結合されている。クランク56は第一支持部材27に設けた軸57を中心に回転自在に結合されており、第二ユニット4に設けられた作用部55によってクランク56の被作用部56aが押圧されて、クランク56は回転する。これにより、リンク52が弾性部材64の付勢力に抗して帯電ローラ2を感光体ドラム1から離隔させる。
【0056】
カム係合部4eが第三カム区域81cと係合するときに、作用部55が被作用部56aを押圧するように構成されているので、画像形成装置100の使用開始前には帯電ローラ2は感光体ドラム1から離隔される。
【0057】
カム係合部4eは第二カム区域81bと係合するとき、及び、カム係合部4eがカム81と係合しないときは、作用部55は被作用部56aを押圧しないため、帯電ローラ2は弾性部材64の付勢力によって感光体ドラム1に接触した状態で保持される。
【0058】
本実施例においても、画像形成装置100の使用開始前には帯電ローラ2を感光体ドラム1から離隔した状態であるので、物流時の衝撃で帯電ローラ2が感光体ドラム1に接触する恐れを低減させることができる。
【0059】
〔実施例5〕
前述までの実施例はカム81がカム回転軸方向に移動することでカム係合部82aと係合するカム区域を移行させたが、本実施例はカム81が固定され、カム従動手段としての押圧部材82がカム回転軸方向に沿って移動する構成である。それ以外の構成は前述した実施例と同様であるので、特に必要ない限りその記載は省略する。
【0060】
カム81はカム回転軸方向に関して位置固定されて設けられている。図17、図18に示すように、カム81はその最大径がカム回転軸方向に関して一定である形状を有する。つまり、第三カム区域81cのカム径と第二カム区域81bのカム径とは同じであり、第一カム区域81aのカム径はこれらより小さくなっている。また、実施例2で説明したカム81と同様に、その表面にはカム係合部82aを案内する案内面81X及び案内面81Yが設けられている。案内面Xは第三カム区域81cから第二カム区域81bへの移行を案内し、案内面81Yは第二カム区域81bと第一カム区域81a間の移行を案内する。
【0061】
一方、押圧部材82には長穴82cが設けられており、長穴82cが画像形成装置100に対して位置固定された軸83に係合されることで、押圧部材82はカム回転軸方向に移動可能に取り付けられる。押圧部材82が長穴82cに沿って移動することにより、押圧部材82に関し、支点・力点間距離と支点・作用点間距離の和は一定であるが、その比率が変更されることになる。
【0062】
図17のように、画像形成装置100の使用開始前にはカム係合部82aは第三カム区域81cに係合されている(第三の位置関係)。その際、押圧部材82と軸83は長穴82cのカム係合部82a側で係合される。
【0063】
使用開始時にカム81が回転し始めると、カム係合部82aが案内面81Xに案内されて、第三カム区域81cから第二カム区域81bへと移動する。図18はカム係合部82aが第二カム区域81bに係合している状態を示す。その後は、前記各実施例と同様であり、画像形成時には第一カム区域81aに係合し(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bに係合する(第二の位置関係)。その際、押圧部材82と軸83は長穴82cの第二ユニット作用部82b側で係合される。第一の位置関係での前記比率と第二の位置関係での前記比率は同じであるが、第三の位置関係での前記比率よりも第二の位置関係での比率の方が大きい。そのため、第二カム区域81bのカム径と第三カム区域81cのカム径が同一であっても、第二の位置関係において第二ユニット作用部82bの第二ユニット4に対する押圧力は、第三の位置関係においてよりも弱くなる。従って、現像ローラ25は感光体ドラム1に対して大きな離隔位置から非画像形成時の離隔位置に変位する。一方、第一の位置関係においては、現像ローラ25は感光体ドラム1に当接する。案内面81Xと案内面81Yとの接続部81Jが阻止手段として作用し、カム係合部82aが一旦第一カム区域81a及び第二カム区域81bに移動すると、第三カム区域81cへ戻らない構成となっている。
【0064】
このように、押圧部材82の揺動支点となる軸83とカム係合部82aとの距離を変化させることで、最大径が一定であるカムであっても、また、カムをカム回転軸方向に移動させなくても、実施例1、2と同様の効果が得られる。
【0065】
なお、本実施例は押圧部材82全体がカム回転軸方向に移動する例であるが、押圧部材82全体が移動するのではなく、軸83を位置固定するとともにカム係合部82aを押圧部材82に対して、その長手方向に移動可能に取り付けた構成であっても良い。
【0066】
〔実施例6〕
前述までの実施例の中で、カム従動手段として押圧部材82を用いた例では、軸83を中心に揺動する押圧部材82を用いたが、本実施例はカム従動手段としての押圧部材82が往復直動する構成をとる。
【0067】
カム81は実施例1、3、4で説明したものと同じ構成のものを使用する。
【0068】
図19、図20に示すように第二ユニット4の被押圧突起29を押圧する押圧部材82は長穴82cを有し、長穴82cは位置固定されて設けられた軸87に係合し、カム81に押されて軸87の案内下に直動する。
【0069】
画像形成装置100の使用開始前は第三カム区域81cとカム係合部82aが係合し(第三の位置関係)、使用開始時にカムが回転軸方向に移動することでカム係合部82aが係合するカム区域が移行する。以降、カム係合部82aは画像形成時には図20に示すようにカム81と係合せず(第一の位置関係)、非画像形成時には第二カム区域81bと係合する(第二の位置関係)。
【符号の説明】
【0070】
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
4 第二ユニット
7 プロセスカートリッジ
25 現像ローラ
26 第一ユニット
27 第一支持部材
28 第二支持部材
81 カム
82 押圧部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、前記像担持体を支持する第一支持部材と、前記像担持体に接触して前記像担持体上の静電潜像を現像する現像部材と、前記現像部材を支持し、前記第一支持部材に対して変位可能に結合された第二支持部材と、前記現像部材を前記像担持体に接触させるように前記第二支持部材を前記第一支持部材に対して弾性的に付勢する支持部材付勢部材と、を有するプロセスカートリッジと、
前記プロセスカートリッジが取り外し可能に装填される装填部と、
一方向に回転するカムと、
前記カムと係合するカム係合部を有し、前記カムの回転により作動するカム従動手段であって、前記支持部材付勢部材の付勢力に抗して前記第二支持部材に作用することにより前記像担持体から前記現像部材を離隔させるカム従動手段と、
を備え、
前記カムと前記カム係合部の相互位置関係として、前記現像部材を前記像担持体に接触させる第一の位置関係、前記現像部材を前記像担持体から離隔させる第二の位置関係、前記現像部材を前記像担持体から前記第二の位置関係時よりも大きく離隔させる第三の位置関係を有する画像形成装置において、
前記カムと前記カム係合部とはカム回転軸方向に相対移動可能に設けられており、
前記画像形成装置の使用開始前には前記相互位置関係を前記第三の位置関係にさせ、
前記画像形成装置の使用開始後、画像形成時には前記相互位置関係を前記第一の位置関係にさせ、非画像形成時には前記相互位置関係を前記第二の位置関係にさせ、
前記画像形成装置の使用開始後に前記相互位置関係が前記第三の位置関係をとることを阻止する阻止手段を備えており、
前記カムの回転に伴い前記カムと前記カム係合部が前記カム回転軸方向に相対移動することにより前記相互位置関係が前記第三の位置関係から移行され、前記阻止手段が作用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カムはカム最大径が前記カム回転軸方向に関して変化する形状を有し、
前記画像形成装置の使用開始前に前記カム係合部と係合するカム区域のカム径は、前記画像形成装置の使用開始後に前記カム係合部と係合するカム区域のカム径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カムを前記カム回転軸方向に変位可能に支持するカム支持手段と、
前記カムを前記カムの回転軸方向に弾性的に付勢するカム付勢手段と、
前記相互位置関係が前記カム付勢手段の付勢力に抗して前記第三の位置関係をとるように、前記カム係合部を前記カムに係合させた状態で前記カムを保持するカム位置保持手段と、を有し、
前記カムの回転によって前記カム位置保持手段が解除されて、前記カムが前記カム回転軸方向へ移動することにより、前記カムと前記カム係合部が相対移動されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カム従動手段は前記第二支持部材を押圧する支持部材作用部を有し、前記カム従動手段上の固定位置であって、前記カム係合部と前記支持部材作用部との間の固定位置に設けた支点を中心に揺動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カムは前記カム回転軸方向に関して位置固定されており、
前記カム従動手段は、前記第二支持部材を押圧する支持部材作用部を有しており、前記カム回転軸方向に変位可能、且つ、前記カム係合部と前記支持部材作用部との間で前記回転軸方向に関して位置固定された揺動支点を中心に揺動可能に設けられ、
前記画像形成装置の使用開始後、前記カム従動手段が前記カム回転軸方向に変位することにより、前記画像形成装置の使用開始後における前記揺動支点と前記カム係合部との距離が、前記画像形成装置の使用開始前における該距離よりも長くなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カム従動手段は前記第二支持部材に対して一体的に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カムは前記カム係合部を案内する溝壁形状の案内面を有し、
前記案内面により前記カム係合部を案内することで、前記カムと前記カム係合部が前記カム回転軸方向に相対移動されることを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセスカートリッジは、前記像担持体から離隔した位置と前記像担持体に接触する位置との間を変位可能に前記第一支持部材に支持され、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材を前記像担持体に接触させるように弾性的に付勢する帯電部材付勢部材と、前記帯電部材付勢部材の付勢力に抗して前記帯電部材を前記像担持体から離隔させる帯電部材離隔手段と、を有し、
前記画像形成装置の使用開始後、前記相互位置関係を前記第三の位置関係から移行する際に、前記帯電部材離隔手段が解除されることにより、前記帯電部材が前記像担持体から離隔された位置から接触する位置へ変位することを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
像担持体と、前記像担持体を支持する第一支持部材と、前記像担持体に接触して前記像担持体上の静電潜像を現像する現像部材と、前記現像部材を支持し、前記第一支持部材に対して変位可能に結合された第二支持部材と、前記現像部材を前記像担持体に接触させるように前記第二支持部材を前記第一支持部材に対して弾性的に付勢する支持部材付勢部材と、を有するプロセスカートリッジと、
前記プロセスカートリッジが取り外し可能に装填される装填部と、
一方向に回転するカムと、
前記カムと係合するカム係合部を有し、前記カムの回転により作動するカム従動手段であって、前記支持部材付勢部材の付勢力に抗して前記第二支持部材に作用することにより前記像担持体から前記現像部材を離隔させるカム従動手段と、
を備え、
前記カムと前記カム係合部の相互位置関係として、前記現像部材を前記像担持体に接触させる第一の位置関係、前記現像部材を前記像担持体から離隔させる第二の位置関係、前記現像部材を前記像担持体から前記第二の位置関係時よりも大きく離隔させる第三の位置関係を有する画像形成装置において、
前記カムと前記カム係合部とはカム回転軸方向に相対移動可能に設けられており、
前記画像形成装置の使用開始前には前記相互位置関係を前記第三の位置関係にさせ、
前記画像形成装置の使用開始後、画像形成時には前記相互位置関係を前記第一の位置関係にさせ、非画像形成時には前記相互位置関係を前記第二の位置関係にさせ、
前記画像形成装置の使用開始後に前記相互位置関係が前記第三の位置関係をとることを阻止する阻止手段を備えており、
前記カムの回転に伴い前記カムと前記カム係合部が前記カム回転軸方向に相対移動することにより前記相互位置関係が前記第三の位置関係から移行され、前記阻止手段が作用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カムはカム最大径が前記カム回転軸方向に関して変化する形状を有し、
前記画像形成装置の使用開始前に前記カム係合部と係合するカム区域のカム径は、前記画像形成装置の使用開始後に前記カム係合部と係合するカム区域のカム径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カムを前記カム回転軸方向に変位可能に支持するカム支持手段と、
前記カムを前記カムの回転軸方向に弾性的に付勢するカム付勢手段と、
前記相互位置関係が前記カム付勢手段の付勢力に抗して前記第三の位置関係をとるように、前記カム係合部を前記カムに係合させた状態で前記カムを保持するカム位置保持手段と、を有し、
前記カムの回転によって前記カム位置保持手段が解除されて、前記カムが前記カム回転軸方向へ移動することにより、前記カムと前記カム係合部が相対移動されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カム従動手段は前記第二支持部材を押圧する支持部材作用部を有し、前記カム従動手段上の固定位置であって、前記カム係合部と前記支持部材作用部との間の固定位置に設けた支点を中心に揺動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カムは前記カム回転軸方向に関して位置固定されており、
前記カム従動手段は、前記第二支持部材を押圧する支持部材作用部を有しており、前記カム回転軸方向に変位可能、且つ、前記カム係合部と前記支持部材作用部との間で前記回転軸方向に関して位置固定された揺動支点を中心に揺動可能に設けられ、
前記画像形成装置の使用開始後、前記カム従動手段が前記カム回転軸方向に変位することにより、前記画像形成装置の使用開始後における前記揺動支点と前記カム係合部との距離が、前記画像形成装置の使用開始前における該距離よりも長くなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カム従動手段は前記第二支持部材に対して一体的に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カムは前記カム係合部を案内する溝壁形状の案内面を有し、
前記案内面により前記カム係合部を案内することで、前記カムと前記カム係合部が前記カム回転軸方向に相対移動されることを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセスカートリッジは、前記像担持体から離隔した位置と前記像担持体に接触する位置との間を変位可能に前記第一支持部材に支持され、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材を前記像担持体に接触させるように弾性的に付勢する帯電部材付勢部材と、前記帯電部材付勢部材の付勢力に抗して前記帯電部材を前記像担持体から離隔させる帯電部材離隔手段と、を有し、
前記画像形成装置の使用開始後、前記相互位置関係を前記第三の位置関係から移行する際に、前記帯電部材離隔手段が解除されることにより、前記帯電部材が前記像担持体から離隔された位置から接触する位置へ変位することを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか一項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−217547(P2010−217547A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64684(P2009−64684)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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