説明

画像形成装置

【課題】位置ずれの検出を好適なタイミングで実行することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】定常的検出を実行する際に、パターン検出センサによる第1パターンの測定結果に基づいて変動的検出の実行要否を判断するため、変動的検出を好適なタイミングで実行することができる。これにより、変動的検出を単に定期的におこなう場合に比べると、トナーの消費を抑えたり、検出処理にかかる時間を抑えたりすることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に画像形成位置のずれを検出しそれを補正する機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より画像形成装置として、複数の画像形成部が用紙搬送用のベルトに沿って並んで配置されており、ベルト上を搬送される用紙に対して各画像形成部から順次各色のトナー像が転写される方式のものなどが知られている。こうした画像形成装置では、形成される画像の品質を確保するために、各色の画像形成位置のずれを検出してそれを補正するレジストレーション等と呼ばれる技術が採用されている。この位置ずれ補正技術によれば、各画像形成部によってベルト表面に複数のマークからなるパターンを形成し、各マークの位置を光学センサで測定して各色のずれ量を検出し、その結果に基づいて各色の形成位置のずれを補正する。
このような位置ずれ補正は、一般的には、各画像形成部の構成部品(感光ドラムや露光部の光学部品等)の取付位置のずれなどに起因する定常的な位置ずれを補正するものである。これに対し、感光ドラムやベルトを支持するローラの偏心やこれらを回転駆動するギアのピッチの狂い等に起因する、特定の周期を持った変動的な位置ずれを補正する技術も知られている(例えば特許文献1参照)。この変動的な位置ずれ補正では、ベルト上に定常的な位置ずれの検出時とは別のパターンを形成して画像形成位置の周期的な位置ずれ量を検出することにより補正を行う。
【特許文献1】特開2005−346094公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした位置ずれの検出を頻繁に行うことにより、形成される画像の品質を確保することができる。しかしながら、位置ずれの検出を実行する回数が多いほど、着色剤の消費が増えたり、あるいはユーザの待ち時間を増えたりする等の不具合が生じる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、位置ずれの検出を好適なタイミングで実行することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明に係る画像形成装置は、担持体と、前記担持体上にパターンを形成可能な複数の形成手段と、前記担持体上に形成されたパターンを測定する測定手段と、前記形成手段により前記担持体上に第1パターンを形成し、前記測定手段により前記第1パターンを測定した結果に基づいて定常的な画像形成位置のずれを検出する定常的検出と、前記形成手段により前記担持体上に第2パターンを形成し、前記測定手段により前記第2パターンを測定した結果に基づいて特定の周期を有する変動的な画像形成位置のずれを検出する変動的検出とをそれぞれ実行可能であって、前記各検出の結果に基づいて前記形成手段による画像形成位置を補正する補正手段と、を備え、前記補正手段は、前記2つの検出のうちの少なくとも一方における前記測定手段の測定結果に基づいて他方の検出の実行要否を判断し、前記他方の検出の実行が必要と判断した場合に前記他方の検出を実行する。
【0005】
第1の発明によれば、定常的検出と変動的検出のうちの一方における、測定手段によるパターンの測定結果に基づいて他方の検出の実行要否を判断するため、他方の検出を好適なタイミングで実行することができる。これにより、他方の検出を単に定期的におこなう場合に比べると、着色剤の消費を抑えたり、検出処理にかかる時間を抑えたりすることが可能である。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、前記補正手段は、前記定常的検出の際に、前記測定手段により前記第1パターンを測定した結果に基づいて前記変動的検出の実行の要否を判断し、前記変動的検出の実行が必要と判断した場合に前記変動的検出を実行する。
【0007】
第2の発明によれば、定常的検出の際に第1パターンの測定結果に基づいて変動的検出の要否を判断するため、変動的検出を好適なタイミングで実行することができる。これにより、変動的検出を単に定期的におこなう場合に比べると、着色剤の消費を抑えたり、検出処理にかかる時間を抑えたりすることが可能である。
【0008】
第3の発明は、第2の発明において、前記補正手段は、前記複数の形成手段のそれぞれについて前記変動的検出の要否を判断し、前記変動的検出が必要と判断した形成手段のみについて前記変動的検出を実行する。
【0009】
第3の発明によれば、形成手段ごとに変動的検出の要否を判断し、必要と判断した形成手段のみに対して変動的検出を実行するため、常に全ての形成手段について変動的検出を実行するものに比べると、着色剤の消費を抑えたり、検出処理にかかる時間を抑えたりすることができる。
【0010】
第4の発明は、第2または第3の発明において、前記第1パターンは、前記複数の形成手段により形成される複数のマークを有しており、前記補正手段は、前記第1パターンにおける異なる形成手段により形成されたマーク間の位置関係に基づいて前記定常的な画像形成位置のずれ量を求めることで前記定常的検出を行い、さらに同一の形成手段により形成されたマーク間の位置関係に基づいて周期的な画像形成位置のずれ量を求めることで前記変動的検出の要否を判断する。
【0011】
第4の発明によれば、第1パターンにおける異なる形成手段により形成されたマーク間の位置関係から定常的な位置ずれ量を求めて定常的検出を行い、さらに同一の形成手段により形成されたマーク間の位置関係から変動的検出の要否を判断する。同一の形成手段により形成されたマーク間では、定常的な位置ずれの影響を受けにくいので周期的な位置ずれ量を的確に求めることができる。
【0012】
第5の発明は、第2から第4のいずれか一つの発明において、前記補正手段は、前記第1パターンが有するマークの理想位置からのずれ量の大きさが第1基準値以上である場合に前記変動的検出が必要と判断し、前記第1基準値より小さい場合に前記変動的検出が不要と判断する。
【0013】
第5の発明によれば、第1パターンから求めたずれ量の大きさが第1基準値以上である場合に変動的検出が必要と判断する。これにより、変動的検出の要否を的確に判断することができる。
【0014】
第6の発明は、第5の発明において、前記補正手段は、前記第1パターンを構成する複数のマークの理想位置からのずれ量の大きさの総和に基づいて変動的検出の要否を判断する。
【0015】
第6の発明によれば、第1パターンにおける複数のマークの理想位置からのずれ量の大きさの総和に基づいて変動的検出の要否を判断する。これにより、各マークの測定誤差の影響が抑制されるため、変動的検出の要否をより的確に判断することができる。
【0016】
第7の発明は、第5または第6の発明において、前記補正手段は、前記第1パターンにより求めた理想位置からのずれ量の大きさが前記第1基準値よりも大きい第2基準値以上である場合に、前記変動的検出を実行した後に前記変動的検出の結果に基づいて画像形成位置を補正した状態で前記定常的検出を実行する。
【0017】
第7の発明によれば、変動的な位置ずれ量が大きい状態で定常的検出を行うと精度が低くなると考えられるため、そのような場合には、変動的検出を行った後にその結果に基づいて画像形成位置の補正をした状態で第1パターンを形成し、定常的検出を行うことで定常的検出の精度を確保することができる。
【0018】
第8の発明は、第5から第7のいずれか一つの発明において、前記第1基準値は、当該画像形成装置の稼働量が大きくなるに従って大きい値をとる。
【0019】
第8の発明によれば、装置の稼働量が大きくなるに従って各部品が劣化し、周期的な変動が大きくなる傾向にある。そこで、装置の稼働量に応じて第1基準値を大きくすることで、過度に頻繁に変動的補正が行われることを防ぐことができる。
【0020】
第9の発明は、第1から第8のいずれか一つの発明において、前記補正手段は、前回の変動的検出からの前記担持体の回転数に基づいて前記変動的検出の要否を判断する。
【0021】
第9の発明によれば、前回の変動的検出からの担持体の回転数に基づいて変動的検出の要否を判断することで、好適なタイミングで変動的検出を実行することができる。
【0022】
第10の発明は、第1から第9のいずれか一つの発明において、前記複数の形成手段は着脱可能であって、前記補正手段は、前記形成手段の着脱が行われた場合に前記変動的検出が必要と判断する。
【0023】
第10の発明によれば、形成手段が着脱された場合には、例えば形成手段へ本体側から動力を伝達するためのギアの噛み合わせが変わる等により、周期的な位置ずれの状態が変化することがある。そこで、このような場合に変動的検出を実行することで、好適なタイミングで検出を行うことができる。
【0024】
第11の発明は、第10の発明において、前記複数の形成手段は個別に着脱可能であって、前記補正手段は、前記着脱が行われた形成手段のみについて前記変動的検出が必要と判断する。
【0025】
第11の発明によれば、着脱された形成手段のみについて変動的検出を実行することで、常に全ての形成手段について変動的検出を行う場合に比べて、着色剤の消費を抑えたり、検出処理にかかる時間を抑えたりすることができる。
【0026】
第12の発明は、第1から第11のいずれか一つの発明において、前記担持体は、着脱可能であって前記補正手段は、前記担持体の着脱が行われた場合に前記変動的検出が必要と判断する。
【0027】
第12の発明によれば、担持体が交換などで着脱された場合には、例えば担持体へ本体側から動力を伝達するためのギアの噛み合わせが変わる等により、周期的な位置ずれの状態が変化することがある。そこで、このような場合に変動的検出を実行することで、好適なタイミングで検出を行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、定常的検出と変動的検出のうちの一方における、測定手段によるパターンの測定結果に基づいて他方の検出の実行要否を判断するため、他方の検出を好適なタイミングで実行することができる。これにより、他方の検出を単に定期的におこなう場合に比べると、着色剤の消費を抑えたり、検出処理にかかる時間を抑えたりすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
<実施形態1>
次に本発明の実施形態1について図1から図9を参照して説明する。
【0030】
(プリンタの全体構成)
図1は、本発明の画像形成装置の一例であるプリンタ1の概略構成を示す側断面図である。本プリンタ1は4色(ブラックK、イエローY、マゼンタM、シアンC)のトナーを用いてカラー画像を形成するダイレクトタンデム式のカラープリンタである。以下の説明においては、図1における左側を前方とする。また、図1において、各色間で同一の構成部品については、適宜符号を省略する。
【0031】
プリンタ1は、本体ケーシング2を備えており、その上面には開閉可能なカバー2Aが設けられている。また、本体ケーシング2内の底部には、複数の用紙3(被記録媒体の一例)を積載可能な供給トレイ4が設けられている。供給トレイ4の前端上方には給紙ローラ5が設けられており、この給紙ローラ5の回転に伴って供給トレイ4内の最上位に積載された用紙3がレジストローラ6へ送り出される。レジストローラ6は、用紙3の斜行補正を行った後、その用紙3をベルトユニット11上へ搬送する。
【0032】
ベルトユニット11は、前側に配置されたベルト支持ローラ12Aと、後側に配置されたベルト駆動ローラ12Bとの間に、ポリカーボネート等からなる環状のベルト13(担持体の一例)を張架した構成となっている。ベルト13の内側には、後述する各プロセス部19K〜19Cの感光ドラム28とベルト13を挟んで対向する位置に転写ローラ14が設けられている。ベルトユニット11は、本体ケーシング2のカバー2Aを開け、各プロセス部19K〜19Cを取り外した状態で、本体ケーシング2に対して着脱可能である。
【0033】
ベルト駆動ローラ12Bは、ベルトユニット11が本体ケーシング2内に装着された状態において、本体ケーシング2内に設けられた駆動モータ47(図2参照)と図示しないギア機構を介して連結される。そして、駆動モータの動力によりベルト駆動ローラ12Bが回転駆動されることで、ベルト13が図示時計周り方向に循環移動し、それによりベルト13上面に静電吸着された用紙3が後方に搬送される。
【0034】
また、ベルト13の下面に対向して、ベルト13上に形成されるパターン等を検出するためのパターン検出センサ15(測定手段の一例)が設けられている。パターン検出センサ15は、光源よりベルト13に光を当てたときの反射光をフォトダイオードで受光し、受光した光の強度に対応した電気信号を出力する。また、ベルトユニット11の下側には、ベルト13表面に付着したトナーや紙粉等を回収するクリーニング装置16が設けられている。
【0035】
ベルトユニット11の上方には、4つの露光部17K,17Y,17M,17Cと、4つのプロセス部19K,19Y,19M,19Cとが前後方向に並んで設けられている。露光部17K〜17C、プロセス部19K〜19C及び既述の転写ローラ14は、それぞれ一つずつで一組の画像形成部20K,20Y,20M,20C(形成手段の一例)を構成しており、プリンタ1全体では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応した4組の画像形成部20K,20Y,20M,20Cが設けられている。
【0036】
各露光部17K〜17C、は、カバー2Aの下面に支持されており、その下端部に複数のLEDが一列に並んで設けられたLEDヘッド18を備えている。各露光部17K〜17Cは、形成すべき画像データに基づいて発光制御され、LEDヘッド18から対応する感光ドラム28の表面に一ラインごとに光を照射することで露光を行う。
【0037】
各プロセス部19K〜19Cは、カートリッジフレーム21と、このカートリッジフレーム21に対し着脱可能に装着される現像カートリッジ22とを備えている。カバー2Aを開放すると、各露光部17K〜17Cがカバー2Aと共に上方に退避して、各プロセス部19K〜19Cが本体ケーシング2に対して個別に着脱可能となる。
【0038】
現像カートリッジ22は、現像剤である各色のトナーを収容するトナー収容室23を備え、その下側に供給ローラ24、現像ローラ25、層厚規制ブレード26等を備えている。トナー収容室23から放出されたトナーは、供給ローラ24の回転により現像ローラ25に供給され、供給ローラ24と現像ローラ25との間で正に摩擦帯電される。さらに、現像ローラ25上に供給されたトナーは、現像ローラ25の回転に伴って、層厚規制ブレード26と現像ローラ25との間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電されて、一定厚さの薄層として現像ローラ25上に担持される。
【0039】
カートリッジフレーム21の下部には、表面が正帯電性の感光層によって覆われた感光ドラム28と、スコロトロン型の帯電器29とが設けられている。画像形成時には、感光ドラム28が回転駆動され、それに伴って感光ドラム28の表面が帯電器29により一様に正帯電される。そして、その正帯電された部分が露光部17K〜17Cの走査により露光されて、感光ドラム28の表面に静電潜像が形成される。
【0040】
次いで、現像ローラ25上に担持され正帯電されているトナーが感光ドラム28表面の静電潜像に供給され、これにより感光ドラム28の静電潜像が可視像化される。その後、各感光ドラム28の表面上に担持されたトナー像は、用紙3が感光ドラム28と転写ローラ14との間の各ニップ位置を通過する間に、転写ローラ14に印加される負極性の転写電圧によって用紙3上に順次転写される。トナー像が転写された用紙3は、次に定着器31に搬送され、そこでトナー像が熱定着され、その後、その用紙3は上方へ搬送され、カバー2Aの上面に排出される。
【0041】
(プリンタの電気的構成)
図2は、プリンタ1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【0042】
プリンタ1は、同図に示すように、CPU40(補正手段の一例)、ROM41、RAM42、NVRAM(不揮発性メモリ)43、ネットワークインターフェイス44を備え、これらに既述の画像形成部20K〜20C、パターン検出センサ15や、表示部45、操作部46、駆動モータ47、カバー開閉センサ48などが接続されている。
【0043】
ROM41には、後述する位置ずれ検出処理など、このプリンタ1の各種の動作を実行するためのプログラムが記憶されており、CPU40は、ROM41から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM42またはNVRAM43に記憶させながら各部の制御を行う。ネットワークインターフェイス44は、通信回線を介して外部のコンピュータ(図示せず)等に接続され、これにより相互のデータ通信が可能となっている。
【0044】
表示部45は、液晶ディスプレイやランプ等を備え、各種の設定画面や装置の動作状態等を表示することが可能である。操作部46は、複数のボタンを備え、ユーザにより各種の入力操作が可能である。駆動モータ47は、複数のモータからなり、図示しないギア機構を介して既述のレジストローラ6、ベルト駆動ローラ12B、現像ローラ25、感光ドラム28等を回転駆動させる。カバー開閉センサ48は、カバー2Aの開閉状態を検知し、その検知信号を出力する。
【0045】
(位置ずれ検出処理)
次にプリンタ1において実行される位置ずれ検出処理の動作について説明する。図3及び図4は、位置ずれ検出処理の流れを示すフローチャートであり、図5は、第1パターンP1、図6は第2パターンを示す図である。また、図7は、変動的検出の要否を判断するための基準値と印刷枚数との関係を示すグラフである。
【0046】
この位置ずれ検出処理は、例えば、電源投入直後や、カバー2Aが開閉されたことをカバー開閉センサ48により検知した場合、若しくは前回の位置ずれ検出処理から所定の時間が経過するか、または所定枚数の印刷を行った場合など、所定の条件が満たされた場合にCPU40の制御により実行される。
【0047】
CPU40は、図3に示す位置ずれ検出処理を開始すると、まず色の順番を示すパラメータmの値に0をセットし(S101)、続いて各画像形成部20K〜20Cによりベルト13上に第1パターンP1を形成する(S102)。なお、後述するように、NVRAM43等には、各色の画像形成位置のずれを補正するための定常的補正値及び変動的補正値が記憶されており、CPU40は、これらの値を読み込んで各画像形成部20K〜20Cの露光部17K〜17Cに与えるデータに補正を加えた上で第1パターンP1を形成する。
【0048】
第1パターンP1は、図5に示すように、主走査方向(ベルト13の幅方向)に細長い各色のマーク50K,50Y,50M,50Cから構成され、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順に並んだ4つのマーク50K〜50Cを一組として、複数組のマーク50K〜50Cを副走査方向(ベルト13の移動方向)に間隔を開けてベルト13の全周にわたって配置したものである。隣り合うマーク50K〜50Cの間隔は、各マーク50K〜50Cが位置ずれのない理想位置に形成された場合に等しくなる。
【0049】
なお、図5において、各マーク50K〜50Cの右側に示した波状の線Dは、ブラック色についての副走査方向への周期的な画像形成位置のずれ量の一例を示しており、線Dの中央から左側にある部分が理想位置から上側(前側)へのずれ、右側にある部分が理想位置から下側(後側)へのずれを示している。この波状の線Dの周期成分は、例えば感光ドラム28、ベルト駆動ローラ12Bやその他のギア部品等の回転周期に一致する。
【0050】
続いてCPU40は、各組のマーク50K〜50Cについて、各マーク50K〜50Cがパターン検出センサ15の検出位置を通過するタイミングをパターン検出センサ15からの信号により測定し(S103)、その結果に基づいてブラック(基準色という)のマーク50Kを基準とする他の色(補正色という)のマーク50Y,50M,50Cの副走査方向の位置ずれ量を求める。そして、各補正色の位置ずれ量について、全組の平均値をそれぞれ算出し、この平均値の位置ずれを打ち消す値をNVRAM43等に記憶された各補正色の定常的補正値に加算することでその値を更新する(S104)。
【0051】
そして、CPU40は、mに1を加え(S105)、m色目の画像形成部20K〜20Cについて、変動的検出処理の要否判断を行う(S106)。ここでは、先の定常的な位置ずれ検出処理(S102〜S104)において第1パターンP1を測定した結果に基づいて、周期的な位置ずれの大きさを算出する。以下に1色目のブラック色について、周期的な位置ずれの大きさを算出する手順を説明する。
【0052】
CPU40は、まず、測定開始時より1個目からn個目までの各ブラックのマーク50Kを検出するまでの時間を、それぞれK1〜Knとし、次式によりK1〜Knの平均値K_Aveを求める。
[数1]
K_Ave = (K1 + K2 + ... + Kn) / n
【0053】
ここで、1番目のマーク50Kが理想位置にある場合の検出時間をK1iとし、同様にn番目のマーク50Kが理想位置にある場合の検出時間をKniとする。また、全てのマーク50Kが理想位置にある場合のK1i〜Kniの平均値を数1と同様に求めた値をK_Aveiとする。そして、次式のように1番目のマーク50Kが理想位置にある場合の検出時間K1iと平均値K_Aveiとの差をK1tとし、
[数2]
K1t = K_Avei - K1i
同様に2〜n番目のマーク50Kが理想位置にある場合の検出時間K2i〜Kniと平均値K_Aveiとの差をK2t〜Kntとする。
【0054】
そして、次式により1番目のマーク50Kの理想位置からのずれ量(ずれ時間)K1_dを求める。
[数3]
K1_d = K_Ave - K1 - K1t
また、2〜n番目のマーク50Kについても理想位置からのずれ量K2_d〜Kn_dを同様に求める。
【0055】
そして、次式によりK1_dを二乗してその二乗根をとることで1番目のマーク50Kの理想位置からのずれ量の大きさ(絶対値)を求める。
[数4]
K1_s = √(K1_d × K1_d)
また、2〜n番目のマーク50Kについても、それぞれ理想位置からのずれ量の大きさK2_s〜Kn_sを同様に求める。
【0056】
さらに、次式によりn個のマーク50Kの理想位置からのずれ量の大きさK1_s〜Kn_sの総和の平均値K_d_sumを求める。
[数5]
K_d_sum = (K1_s + K2_s + ... + Kn_s) / n
【0057】
CPU40は、図3のS106において、以上のようにして求めた周期的な位置ずれ量の大きさK_d_sumが第1基準値R1以上であるかを判断することにより周期的検出処理の要否を判断する。この第1基準値R1は、図7に示すように、ベルトユニット11による印刷枚数に応じて変化する。即ち、第1基準値R1は、ある印刷枚数までは一定であり、所定の印刷枚数を超えたところから印刷枚数に応じて増加する。なお、CPU40は、プリンタ1の印刷枚数やベルトユニット11の交換時期に関する情報をNVRAM43に記憶させており、それらの情報に基づいてベルトユニット11による印刷枚数を取得する。
【0058】
上記のように、第1基準値R1がベルトユニット11による印刷枚数に応じて変化するのは、ベルトユニット11の稼働量がある程度以上大きくなると、稼働量の増加に伴って部品の劣化のために周期的な位置ずれ量が大きくなっていく傾向があることに対応している。なお、部品の劣化とは、具体的には、例えばベルト駆動ローラ12Bと駆動モータ47とを連結するギアの摩耗などである。ベルトユニット11の稼働量が大きくなるのに伴って第1基準値R1が増加することにより、ベルトユニット11の劣化が進んだ場合に変動的検出が過度に頻繁に行われる状態になることを防ぐことができる。
【0059】
CPU40は、周期的な位置ずれ量のずれ量の大きさK_d_sumが第1基準値R1以上である場合(S106:Yes)、即ち変動的検出が必要と判断した場合には、以下に述べる変動的検出処理を行う(S107)。また、K_d_sumが第1基準値R1未満である場合(S106:No)、即ち変動的検出が不要と判断した場合には、変動的検出処理を実行しない。そして、CPU40は、mが5未満の値である場合(S108:Yes)、即ち次の色が存在する場合には、S105に戻り、次の色についてブラックと同様に変動的検出の要否判断を行う。また、mが5未満の値でない場合(S108:No)、即ち全ての色について変動的検出の要否を判断し終えた場合には、この位置ずれ検出処理を終了する。
【0060】
CPU40は、図4に示す変動的検出処理を開始すると、まず対応する色の画像形成部20K〜20Cによりベルト13上に第2パターンP2を形成する(S201)。第2パターンP2は、図6に示すように、主走査方向に細長い単色のマーク51K(ここではブラックのマーク)を副走査方向に間隔を開けて配置したものである。隣り合うマーク51Kの間隔は、第1パターンP1の各マーク50K〜50Cの間隔よりも小さくされ、また、マーク51Kの数は第1パターンP1におけるマーク50Kの数よりも多くされている。各マーク51Kの間隔は、各マーク51Kが位置ずれのない理想位置に形成された場合に等しくなる。また、第2パターンP2の副走査方向の長さは、少なくとも感光ドラム28やベルト駆動ローラ12Bの周長よりも大きくされている。
【0061】
続いて、CPU40は、第2パターンP2の各マーク51Kがパターン検出センサ15の検出位置を通過するタイミングをパターン検出センサ15からの信号により測定し(S202)、その結果に基づいて感光ドラム28やベルト駆動ローラ12B等の回転周期に一致する周期的な位置ずれ量を検出する。そして、その変動的な位置ずれ量を打ち消すための補正値をNVRAM43等に記憶された対応する色の変動的補正値に加算することでその値を更新し(S203)、この変動的検出処理を終了する。
【0062】
以上の位置ずれ検出処理により、第1パターンP1の測定に基づいて各補正色の定常的補正値が更新され、また、第1パターンP1の測定に基づいて変動的検出が必要と判断された色の変動的補正値が更新される。CPU40は、画像形成を行う際に、定常的補正値と変動的補正値とを読み込み、それらの値に基づいて各露光部17K〜17Cによる感光ドラム28に対する各ラインの書き込みタイミングが調整される。より詳細には、定常的補正値に基づいて、各補正色の各ラインの書き込みタイミングが一定量調整されることで、副走査方向の定常的な位置ずれが補正される。また、変動的補正値に基づいて、各色の各ラインの書き込みタイミングが、感光ドラム28やベルト駆動ローラ12B等の周期的な変動に合わせてその変動量に応じた量だけ調整されることで、副走査方向の変動的な位置ずれが補正される。
【0063】
(第1要否判断処理)
次に印刷実行前や印刷実行後などに変動的検出の要否を判断するために実行される第1要否判断処理について説明する。図8は、第1要否判断処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
CPU40は、図8に示す第1要否判断処理を開始すると、前回の変動的検出実行時からの印刷枚数が所定の基準値以上であるかを判断する(S301)。なお、CPU40は、NVRAM43に現在のプリンタ1による印刷枚数と前回変動的検出を実行した時点での印刷枚数とを記憶させており、これらの情報に基づいて上記判断を行う。そして、印刷枚数が基準値以上である場合(S301:Yes)には全色について変動的検出を実行し(S302)、印刷枚数が基準値未満の場合(S301:No)には変動的検出を実行せずに、この第1要否判断処理を終了する。
【0065】
上記印刷枚数は、ベルト13の回転数、若しくは稼働量に対応しており、前回の変動的検出からのベルト13の回転数に基づいて変動的検出の要否を判断することで、好適なタイミングで変動的検出を実行することができる。
【0066】
(第2要否判断処理)
次にプリンタ1の待機状態などに定期的に実行される第2要否判断処理について説明する。図9は、第2要否判断処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
CPU40は、図9に示す第2要否判断処理を開始すると、カバー開閉センサ48からの出力に基づいてカバー2Aの開閉動作が行われたかを判断し(S401)、行われていない場合(S401:No)には、この第2要否判断処理を終了する。また、カバー2Aの開閉動作が行われた場合(S401:Yes)には、ベルト13を所定期間駆動し、パターン検出センサ15からの出力に基づいてベルト13表面の反射率を測定する(S402)。
【0068】
続いて、CPU40は、測定されたベルト13表面の反射率に基づいてベルトユニット11が新品に交換されたかを判断する(S403)。より詳細には、測定されたベルト13表面の反射率をNVRAM43に記憶された前回の測定時の反射率と比較し、反射率が所定の基準値以上増加している場合には、ベルトユニット11が交換されたと判断し、基準値以上の増加がない場合には、ベルトユニット11が交換されていないと判断する。これは、新品のベルトユニット11では、ベルト13表面に傷や汚れがなく反射率が高いのに対し、使い古されたベルトユニット11では、ベルト13表面の傷等により反射率が低くなることに基づいている。
【0069】
そして、ベルトユニット11が交換されたと判断した場合(S403:Yes)には、全ての画像形成部20K〜20Cについての変動的検出を実行し(S404)、この第2要否判断処理を終了する。また、ベルトユニット11が交換されていないと判断した場合(S403:No)には、各プロセス部19K〜19Cのうちに着脱されたものが存在するかを判断する(S405)。ここでは、例えば、各プロセス部19K〜19Cに初回使用時に新品位置から旧品位置へと不可逆的に移動される新品検知部材を設け、その新品検知部材の位置をセンサで検知し、新品位置にあった場合にプロセス部19K〜19Cが着脱されたと判断するようにしても良い。
【0070】
そして、着脱されたプロセス部19K〜19Cが存在する場合(S405:Yes)には、画像形成部20K〜20Cのうち着脱されたプロセス部19K〜19Cを有する画像形成部20K〜20Cのみについて、変動的検出を行い(S406)、この第2要否判断処理を終了する。また、着脱されたプロセス部19K〜19Cが存在しない場合(S405:No)には、変動的検出を実行せずに第2要否判断処理を終了する。
【0071】
(本実施形態の効果)
以上のように本実施形態によれば、定常的検出を実行する際に、パターン検出センサ15による第1パターンP1の測定結果に基づいて変動的検出の実行要否を判断するため、変動的検出を好適なタイミングで実行することができる。これにより、変動的検出を単に定期的におこなう場合に比べると、トナー(着色剤)の消費を抑えたり、検出処理にかかる時間を抑えたりすることが可能である。
【0072】
また、画像形成部20K〜20Cごとに変動的検出の要否を判断し、必要と判断したもののみに対して変動的検出を実行するため、常に全ての画像形成部20K〜20Cについて変動的検出を実行するものに比べると、トナーの消費を抑えたり、検出処理にかかる時間を抑えたりすることができる。
【0073】
また、第1パターンP1における画像形成部20K〜20Cにより形成されたマーク50K〜50C間の位置関係から定常的な位置ずれ量を求めて定常的検出を行い、さらに同一の画像形成部20K〜20Cにより形成されたマーク50K〜50C間の位置関係から変動的検出の要否を判断する。同一の画像形成部20K〜20Cにより形成されたマーク50K〜50C間では、定常的な位置ずれの影響を受けにくいので周期的な位置ずれ量を的確に求めることができる。
【0074】
また、第1パターンP1から求めたずれ量の大きさK_d_sumが第1基準値R1以上である場合に変動的検出が必要と判断する。これにより、変動的検出の要否を的確に判断することができる。
【0075】
また、第1パターンP1における複数のマーク50K〜50Cの理想位置からのずれ量の大きさの総和に基づいて変動的検出の要否を判断する。これにより、各マーク50K〜50Cの測定誤差の影響が抑制されるため、変動的検出の要否をより的確に判断することができる。
【0076】
また、プリンタ1の稼働量が大きくなるに従って各部品が劣化し、周期的な変動が大きくなる傾向にある。そこで、プリンタ1の稼働量に応じて第1基準値R1を大きくすることで、過度に頻繁に変動的補正が行われることを防ぐことができる。
【0077】
また、前回の変動的検出からの印刷枚数(ベルト13の回転数)に基づいて変動的検出の要否を判断することで、好適なタイミングで変動的検出を実行することができる。
【0078】
また、画像形成部20K〜20Cの一部であるプロセス部19K〜19Cが着脱された場合には、例えばプロセス部19K〜19Cへ本体側から動力を伝達するためのギアの噛み合わせが変わる等により、周期的な位置ずれの状態が変化することがある。そこで、このような場合に変動的検出を実行することで、好適なタイミングで検出を行うことができる。
【0079】
さらに、プロセス部19K〜19Cが着脱された画像形成部20K〜20Cのみについて変動的検出を実行することで、常に全ての画像形成部20K〜20Cについて変動的検出を行う場合に比べて、トナーの消費を抑えたり、検出処理にかかる時間を抑えたりすることができる。
【0080】
また、ベルト13が交換などで着脱された場合には、例えばベルト13へ本体側から動力を伝達するためのギアの噛み合わせが変わる等により、周期的な位置ずれの状態が変化することがある。そこで、このような場合に変動的検出を実行することで、好適なタイミングで検出を行うことができる。
【0081】
<実施形態2>
次に本発明の実施形態2について図7及び図10,図11を参照して説明する。
図10は、位置ずれ検出処理の流れを示すフローチャートであり、図11は、第2パターンP3を示す図である。なお、以下の説明において、実施形態1と同様の処理については適宜説明を省略する。
【0082】
CPU40は、図10に示す位置ずれ検出処理を開始すると、ベルト13上に第1パターンP1を形成し(S501)、その第1パターンP1の測定を行うことにより定常的な位置ずれの検出を行い(S502)、定常的補正値を更新する(S503)。続いて、各色の周期的な位置ずれ量の大きさK_d_sumを求め、各色のK_d_sumの値が第2基準値R2未満となるかを判断する(S504)。この第2基準値R2は、図7に示すように、第1基準値R1と同様に、ある印刷枚数までは一定であり、所定の印刷枚数を超えたところから印刷枚数に応じて増加するとともに、第1基準値R1よりも所定量大きな値となっている。
【0083】
そして、周期的な位置ずれ量の大きさK_d_sumが第2基準値R2以上となる色がある場合(S504:No)にはフラグFに1をセットし(S505)、全ての色のK_d_sumが第2基準値R2未満の場合(S504:Yes)にはフラグFに0をセットする(S506)。
【0084】
次にCPU40は、各色の周期的な位置ずれ量の大きさK_d_sumが第1基準値R1未満であるかを判断し(S507)、K_d_sumの値が第1基準値R1以上になる色が存在した場合(S507:Yes)には、全ての画像形成部20K〜20Cに対しての変動的検出処理を行う(S508)。変動的検出処理の基本的な流れは実施形態1の図4と同様であるが、ここでは、図11に示すように各色のマーク群が副走査方向に並んで配置された第2パターンP3を形成する(図11ではブラックのマーク51K群とイエローのマーク51Y群のみを示している)。CPU40は、この第2パターンP3の測定を行うことで、各色の変動的な位置ずれを検出し、各色の変動的補正値を更新する。
【0085】
図10のS508にて変動的検出を行った後、続いてCPU40は、フラグFの値が0であるかを判断し(S509)、フラグFの値が1である場合(S509:No)には、S501に戻り、定常的な位置ずれの検出(S501〜S503)を再度行う。このとき、第1パターンP1の形成の際には、S508の変動的検出処理において更新された変動的補正値に基づいて位置ずれが補正される。また、CPU40は、フラグFの値が0である場合(S509:Yes)、即ち各色の周期的な位置ずれ量の大きさK_d_sumが第2基準値R2未満である場合には、この位置ずれ検出処理を終了する。
【0086】
本実施形態によれば、変動的な位置ずれ量が大きい状態で定常的検出を行うと精度が低くなると考えられるため、そのような場合に、変動的検出を行った後にその結果に基づいて画像形成位置の補正をした状態で第1パターンP1を形成し、定常的検出を行うことで定常的検出の精度を確保することができる。
【0087】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0088】
(1)上記実施形態では、定常的な位置ずれ量を検出するための第1パターンP1の測定結果から変動的な検出の要否を判断するものを示したが、本発明によれば、逆に変動的な位置ずれ量を検出するための第2パターンから定常的な位置ずれ検出の要否を判断しても良い。例えば、図11に示すような第2パターンP3の測定結果より、ブラックのマーク51Kを基準としたイエローのマーク51Yの理想位置からのずれ量を求め、そのずれ量が所定の基準値以上である場合に、定常的な位置ずれ検出が必要と判断するようにしても良い。
【0089】
(2)上記実施形態では、いわゆる直接転写方式の画像形成装置において、用紙を搬送するベルト上にパターンを形成することにより位置ずれ検出を行うものを示したが、本発明は、中間転写方式の画像形成装置において、各形成手段により中間転写ベルト上にパターンを形成することにより位置ずれ検出を行うものにも適用することができる。
【0090】
(3)上記実施形態では、ベルトやプロセス部の交換を検知することで、変動的検出の要否を判断したが、本発明によれば、画像形成位置に影響を与える部品の着脱を検知する手段を設けて、着脱が検知されたときに変動的検出を実行するようにしてもよく、また、ユーザにより操作部から部品の着脱(交換)を行った旨が入力されたことに基づいて、変動的検出を実行するようにしても良い。
【0091】
(4)上記実施形態では、位置ずれの補正を行うために、露光部による感光ドラムに対する書き込みタイミングを調整するものを示したが、本発明によれば、例えば、レーザ光で露光を行うものにおいて、感光ドラムとレーザ発光部との間に介在するミラーの角度を変更することで感光ドラムに対する書き込み位置を調整するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施形態1におけるプリンタの概略構成を示す側断面図
【図2】プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図
【図3】位置ずれ検出処理の流れを示すフローチャート
【図4】位置ずれ検出処理の流れを示すフローチャート
【図5】第1パターンを示す図
【図6】第2パターンを示す図
【図7】変動的検出の要否を判断するための基準値と印刷枚数との関係を示すグラフ
【図8】第1要否判断処理の流れを示すフローチャート
【図9】第2要否判断処理の流れを示すフローチャート
【図10】実施形態2における位置ずれ検出処理の流れを示すフローチャート
【図11】第2パターンを示す図
【符号の説明】
【0093】
1…プリンタ(画像形成装置)
13…ベルト(担持体)
15…パターン検出センサ(測定手段)
20K〜20C…画像形成部(形成手段)
40…CPU(補正手段)
P1…第1パターン
P2,P3…第2パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
担持体と、
前記担持体上にパターンを形成可能な複数の形成手段と、
前記担持体上に形成されたパターンを測定する測定手段と、
前記形成手段により前記担持体上に第1パターンを形成し、前記測定手段により前記第1パターンを測定した結果に基づいて定常的な画像形成位置のずれを検出する定常的検出と、前記形成手段により前記担持体上に第2パターンを形成し、前記測定手段により前記第2パターンを測定した結果に基づいて特定の周期を有する変動的な画像形成位置のずれを検出する変動的検出とをそれぞれ実行可能であって、前記各検出の結果に基づいて前記形成手段による画像形成位置を補正する補正手段と、
を備え、
前記補正手段は、前記2つの検出のうちの少なくとも一方における前記測定手段の測定結果に基づいて他方の検出の実行要否を判断し、前記他方の検出の実行が必要と判断した場合に前記他方の検出を実行する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記補正手段は、前記定常的検出の際に、前記測定手段により前記第1パターンを測定した結果に基づいて前記変動的検出の実行の要否を判断し、前記変動的検出の実行が必要と判断した場合に前記変動的検出を実行する画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記補正手段は、前記複数の形成手段のそれぞれについて前記変動的検出の要否を判断し、前記変動的検出が必要と判断した形成手段のみについて前記変動的検出を実行する。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像形成装置において、
前記第1パターンは、前記複数の形成手段により形成される複数のマークを有しており、前記補正手段は、前記第1パターンにおける異なる形成手段により形成されたマーク間の位置関係に基づいて前記定常的な画像形成位置のずれ量を求めることで前記定常的検出を行い、さらに同一の形成手段により形成されたマーク間の位置関係に基づいて周期的な画像形成位置のずれ量を求めることで前記変動的検出の要否を判断する。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記補正手段は、前記第1パターンが有するマークの理想位置からのずれ量の大きさが第1基準値以上である場合に前記変動的検出が必要と判断し、前記第1基準値より小さい場合に前記変動的検出が不要と判断する。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記補正手段は、前記第1パターンを構成する複数のマークの理想位置からのずれ量の大きさの総和に基づいて変動的検出の要否を判断する。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の画像形成装置において、
前記補正手段は、前記第1パターンにより求めた理想位置からのずれ量の大きさが前記第1基準値よりも大きい第2基準値以上である場合に、前記変動的検出を実行した後に前記変動的検出の結果に基づいて画像形成位置を補正した状態で前記定常的検出を実行する。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記第1基準値は、当該画像形成装置の稼働量が大きくなるに従って大きい値をとる。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記補正手段は、前回の変動的検出からの前記担持体の回転数に基づいて前記変動的検出の要否を判断する。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記複数の形成手段は着脱可能であって、
前記補正手段は、前記形成手段の着脱が行われた場合に前記変動的検出が必要と判断する。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置において、
前記複数の形成手段は個別に着脱可能であって、
前記補正手段は、前記着脱が行われた形成手段のみについて前記変動的検出が必要と判断する。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記担持体は、着脱可能であって
前記補正手段は、前記担持体の着脱が行われた場合に前記変動的検出が必要と判断する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−66403(P2010−66403A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231250(P2008−231250)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】