説明

画像形成装置

【課題】現像スリーブ表面の経時劣化によって、現像スリーブによる現像剤の汲み上げ量が低下しても、現像能力低下による画像濃度低下を、より確実に且つ容易に回避できる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】回転可能な現像スリーブ14の表面に付着した現像剤のうち余分な現像剤を掻き取るドクターブレード17に負荷された圧力の変化で現像剤を定量的に検知したり、ドクターブレード17で規制された現像剤の反射光を検知して間接的に現像剤の量を定量的に検知したりし、回転制御手段が、その検知結果に応じて感光ドラム2と現像スリーブ14との線速比を変化させて、トナー像の画像濃度の変化を抑制するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関し、さらに詳しくは、現像装置の構成部材の経時劣化による画像品質低下を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置として、現像剤収容容器内に設けられた攪拌部材によって、現像剤収容容器内から搬送されてきた現像剤を現像剤担持体に供給し、現像剤担持体に付着した現像剤のうち余分な現像剤を現像剤量規制部材によって掻き取り、現像剤担持体の現像剤を所定の厚さに規制した後、感光体表面に形成された静電潜像に現像剤を供給して現像を行う、とした現像装置を備えたものがある。
【0003】
このような画像形成装置は、現像剤量規制部材により現像剤量を一定に保っているため、現像能力の変動を抑え画像品質を安定させることが可能ではあるものの、しかしながら、この現像剤量規制部材により規制された現像剤量(以下、「汲み上げ量」という)は、現像剤担持体の表面の経時劣化により減少していく傾向がある。
【0004】
詳しく説明すると、現像剤担持体による現像剤の搬送能力を高めるため、現像剤担持体の表面に等間隔の細かい溝を設けたり、表面を粗面にしたりするものがあり、このような溝等を形成した現像剤担持体は、経時劣化により溝と溝との間の尖った箇所や粗面が摩耗し、丸くなる(平滑化)ことで、現像剤搬送能力が落ちてしまう。そのため、現像剤担持体表面が経時劣化すると汲み上げ量が低下してしまい、現像能力低下による画像濃度低下といった画像品質の劣化を引き起こしてしまう。
【0005】
また、汲み上げ量の低下は、このような現像剤担持体表面の経時劣化にのみならず、低面積率画像の連続出力による現像剤の流動性低下や、現像剤量規制部材部へのトナー固着によっても発生してしまい、同様に現像能力低下による画像濃度低下といった画像品質の劣化を引き起こしてしまう。
【0006】
この汲み上げ量の低下を起因とした画像品質の劣化を解決する技術手段として、例えば、以下のようなものが挙げられる。
汲み上げ量を検知し、現像バイアスにフィードバックすることで現像能力を安定化するもの(例えば特許文献1参照)や、汲み上げ量を検知し、汲み上げ量を一定に保つために現像剤搬送スクリューの速度を変えるもの(例えば特許文献2参照)や、汲み上げ量を検知して、汲み上げ量に応じて感光体とスリーブ間のギャップを変化させて現像能力を一定にするもの(例えば特許文献3参照)や、走行距離等から現像能力の変動を予測し、スリーブ線速を変動させるもの(例えば特許文献4参照)等が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1〜4は、以下の問題点を有する。
特許文献1は、現像能力の低下分を現像バイアスで補っている。したがって、その分感光体上の非画像部へのトナー付着の余裕度が下がるため、カブリ汚れが生じやすくなってしまう。また、カブリ汚れを回避するために現像バイアスを上げた分、感光体上非画像部の電位を上げるという制御も広く知られているが、帯電電位を上げると静電破壊が起きやすくなり、また帯電ユニットの寿命低下等の問題が生じてしまうため、おのずと帯電電位の限界値も決まり、制御としての限界がある。
【0008】
特許文献2は、現像スリーブへの汲み上げ量を増加させるために搬送スクリューの速度を遅くすると、一瞬、現像スリーブへと汲み上げられる現像剤の量は増加するが、現像スリーブの汲み上げ能力に対してスクリューによる現像剤供給能力が足らなくなる恐れも考えられるため、より好適な他の解決手段を講じる必要があった。
【0009】
特許文献3は、感光体とスリーブ間のギャップ(以下、PG)は、画像品質におよぼす影響が大きく、PGの精度が非常に重要になってきている。したがって、このPGを高い精度で変動させるのは容易ではなく、より好適な他の解決手段を講じる必要があった。
【0010】
特許文献4は、汲み上げ量を予測しているため、使われ方によってはばらつきが生じ、予測した汲み上げ量と実際の汲み上げ量の間にズレが生じ、画像品質のばらつきが発生してしまう。また、走行距離が進むにつれ現像剤帯電量が高くなりすぎるのを防ぐためにスリーブの線速を遅くしていることが記載されているが、本件発明者が行った実験結果によれば、スリーブ線速を遅くすると現像能力は下がってしまうため、汲み上げ量低下による現像能力低下に対応できていない。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、現像剤担持体表面の経時劣化によって、現像剤担持体による現像剤の汲み上げ量が低下しても、現像能力低下による画像濃度低下を、より確実に且つ容易に回避できる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置は、下記の技術的手段を講じた。
請求項1にかかる発明は、回転可能に設けられ、表面に静電潜像が形成される感光体と、該感光体に対向するように且つ回転可能に設けられ、前記静電潜像をトナー像に現像する現像剤を担持させて回転移動させる現像剤担持体と、該現像剤担持体の表面に付着した前記現像剤のうち余分な現像剤を掻き取り可能に設けられ、前記表面に付着した前記現像剤の量を規制する現像剤量規制部材と、該現像剤量規制部材による前記現像剤の量の規制中に前記現像剤量規制部材に負荷された圧力を検知する圧力検知部材と、該圧力検知部材で検知された圧力に応じて前記感光体と前記現像剤担持体との線速比を変化させて、前記トナー像の画像濃度の変化を抑制させる回転制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1において、前記現像剤量規制部材は、ブレード状に形成され、前記圧力検知部材は、そのブレード状に形成された前記現像剤量規制部材に、長手方向、所定の間隔をおいて止着された複数からなり、前記回転制御手段は、前記圧力検知部材で検知された複数の圧力の平均値に応じて前記感光体と前記現像剤担持体との線速比を変化させることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項2において、前記現像剤を攪拌しながら搬送する現像剤搬送スクリューが、前記現像剤担持体の下方に沿うように設けられ、複数の前記圧力検知部材は、その配設ピッチが前記現像剤搬送スクリューのスクリューピッチ以下であることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記現像剤担持体は、非磁性材料で円筒軸状に形成されてなり、周方向に交互に磁極が配設され、前記現像剤担持体の表面に前記現像剤を汲み上げると共に穂立ちさせるマグネットローラが、前記現像剤担持体に内挿されると共に、前記現像剤量規制部材に対応する位置に前記マグネットローラの磁極が位置するように、前記現像剤量規制部材と前記マグネットローラとが配設されていることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記圧力検知部材に換えて、前記現像剤量規制部材により規制された前記現像剤の反射光を検知する光学センサとし、前記圧力検知部材で検知された圧力に応じて前記感光体と前記現像剤担持体との線速比を変化させて、前記トナー像の画像濃度の変化を抑制させる前記回転制御手段に換えて、前記光学センサの検知結果に応じて前記感光体と前記現像剤担持体との線速比を変化させて、前記トナー像の画像濃度の変化を抑制させる回転制御手段としたことを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5の何れか1項において、前記回転制御手段は、前記現像剤担持体の線速を制御させて前記線速比を変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、現像剤担持体の表面に付着した現像剤のうち余分な現像剤を掻き取る現像剤量規制部材に負荷された圧力の変化で現像剤を定量的に検知したり、現像剤量規制部材で規制された現像剤の反射光を検知して間接的に現像剤の量を定量的に検知したりし、回転制御手段が、その検知結果に応じて感光体と現像剤担持体との線速比を変化させて、トナー像の画像濃度の変化を抑制するように制御するから、現像剤担持体表面の経時劣化によって、現像剤担持体による現像剤の汲み上げ量が低下しても、現像能力低下による画像濃度低下を、より確実に且つ容易に回避できる画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態にかかる画像形成装置の概略を示す模式的な縦断面図である。
【図2】本実施の形態にかかるプロセスユニットの概略を示す模式的な縦断面図である。
【図3】圧力検知センサ(圧力検知部材)の配置を示したドクターブレード(現像剤量規制部材)の模式的な正面図である。
【図4】感光ドラムと現像スリーブとの線速比(Vs/Vp)と圧力検知センサの出力(V)との関係を示す線図である。
【図5】トナー付着量と線速比(Vs/Vp)との関係を示す線図である。
【図6】プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光体上トナー付着量(mg))との関係を示す線図である。
【図7】圧力検知センサの他の配置例を示したドクターブレード(現像剤量規制部材)の模式的な正面図である。
【図8】プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光体上トナー付着量(mg))との関係を示す線図である。
【図9】圧力検知センサの他の配置例を示し、圧力検知センサの配設ピッチと第二搬送スクリューのスクリューピッチとの関係を示す線図である。
【図10】プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光体上トナー付着量(mg))との関係を示す線図である。
【図11】圧力検知センサ出力と汲み上げ量との関係を示す線図である。
【図12】プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光体上トナー付着量(mg))との関係を示す線図である。
【図13】ドクターブレードと磁極との配設関係を示した模式的な縦断面図1である。
【図14】ドクターブレードと磁極との配設関係を示した模式的な縦断面図2である。
【図15】プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光体上トナー付着量(mg))との関係を示す線図である。
【図16】光学センサの配置を示した、ドクターブレード、現像スリーブ、感光ドラムまわりの模式的な縦断面図である。
【図17】感光ドラムと現像スリーブとの線速比(Vs/Vp)と光学センサの出力(V)との関係を示す線図である。
【図18】トナー付着量と線速比(Vs/Vp)との関係を示す線図である。
【図19】光学センサの出力と汲み上げ量との関係を示す線図である。
【図20】プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光体上トナー付着量(mg))との関係を示す線図である。
【図21】光学センサの他の配置例を示したドクターブレード(現像剤量規制部材)と現像スリーブの模式的な正面図である。
【図22】プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光体上トナー付着量(mg))との関係を示す線図である。
【図23】光学センサの他の配置例を示し、圧力検知センサの配設ピッチと第二搬送スクリューのスクリューピッチとの関係を示す線図である。
【図24】プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光体上トナー付着量(mg))との関係を示す線図である。
【図25】プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光体上トナー付着量(mg))との関係を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明にかかる画像形成装置の実施の形態を説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置は、外部から送信された画像情報を受信し、その画像情報に基づいて用紙に画像を形成するフルカラー出力対応のレーザープリンタを例示しており、先ず、この画像形成装置の概略を、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態にかかる画像形成装置は、図1に示すように、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つのプロセスユニット1を備えている。この4つのプロセスユニット1は、使用するトナーの色が夫々違うが、それ以外は同じ構成になっている。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1を例にすると、図2に示すように、感光体ユニットと現像ユニットとを有している。これら感光体ユニットと現像ユニットは一体的に画像形成装置本体に対して着脱可能となっている。
【0017】
図2にプロセスユニット1の断面概略図を示す。
感光体ユニットは、感光体としての感光ドラム2、感光ドラム2に付着した転写残トナー等を除去し回収するドラムクリーニング装置3、感光ドラム2の表面摩擦係数を所定の値にするための滑剤塗布ブラシ4および滑剤5(ステアリン酸亜鉛)、滑剤5を感光ドラム2上に均一に塗布するための滑剤塗布ブレード6、感光ドラム2を均一に帯電するための帯電ローラ7などを有している。
【0018】
帯電ローラ7は、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動する感光ドラム2の表面を、図示しない帯電バイアス印加手段からAC電圧にDC電圧を重畳した帯電バイアスを印加して一様に帯電させる。つづいて、画像信号に対応した露光ユニット18(図1)から発せられるレーザ光によって露光走査されて静電潜像を形成する。
【0019】
現像ユニットは、第一搬送スクリュー11が配設された第一現像剤収容部8と、現像剤搬送スクリューとしての第二搬送スクリュー12が配設された第二現像剤収容部9を有している。第一現像剤収容部8の下面には、透磁率センサからなるトナー濃度センサ10が設置されており、磁性体であるキャリアとトナーとの混合比を透磁率から算出し、所定のトナー濃度になるように、図示しないトナー補給装置から必要によってトナーを補給している。
【0020】
第一搬送スクリュー11は、図示しない駆動手段によって回転駆動され、第一現像剤収容部8内の現像剤を、図2において奥側から手前側に搬送され、第一現像剤収容部8と第二現像剤収容部9との間に立設された仕切り壁13に設けられた図示しない連通口を経て、第二現像剤収容部9内に進入する。
【0021】
第二現像剤収容部9内の第二搬送スクリュー12は、図示しない駆動手段によって回転駆動されることで、現像剤を図2において、手前側から奥側に搬送される。第二搬送スクリュー12の上方には、現像剤担持体としての現像スリーブ14が第二搬送スクリュー12と平行な姿勢で配設されており、その現像スリーブ14は、図中反時計回り方向に回転駆動されるようになっている。
【0022】
この現像スリーブ14は、現像剤の搬送能力を高めるために、表面をサンドブラストで粗面化処理された非磁性材料(アルミ)で円筒軸状に形成され、図示しない駆動手段で、図2中、反時計回りに回転するようになっている。この現像スリーブ14の内部には、周方向に交互に磁極15を形成したマグネットローラ16が内挿されており、第二搬送スクリュー12によって搬送された現像剤の一部が、このマグネットローラ16の発する磁力によって、現像スリーブ14表面に汲み上げられ、穂立ちするようになっている。
なお、この現像スリーブ14は、現像剤の搬送能力を高めるために、サンドブラストによる粗面のほかに、等間隔の細かい溝(軸方向の溝やアヤメ状、格子状など)を設けたものが挙げられる。
【0023】
また、現像スリーブ14の表面に汲み上げられて付着した現像剤のうち、余分な現像剤を掻き取り可能に、現像剤量規制部材としてのドクターブレード17が現像スリーブ14と所定の間隙を保持するように設けられている。このドクターブレード17によって、現像剤の層厚が規制された後、感光ドラム2と対向する現像領域まで搬送され、図示しない現像バイアス印加手段から現像スリーブ14に印加される現像バイアスによって、感光ドラム2上に形成された静電潜像にトナーを付着させ、トナー像に現像する。この現像によってトナーを消費した現像剤は、現像スリーブ14の回転に伴って第二搬送スクリュー12上に戻される。そして、図中奥端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第一収容部内に戻る。
【0024】
トナー濃度センサ10による現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。
現像剤の透磁率は、現像剤のトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ10はトナー濃度に応じた値の電圧を出力する。
上記制御部はRAM等の情報記憶手段を備えており、この中にトナー濃度センサ10からの出力電圧の目標値を格納しており、トナー濃度センサ10からの出力電圧値と目標値とを比較し、図示しないトナー供給装置から比較結果に応じたトナー量を、現像ユニット中の第一現像剤収容部8の図中奥側からトナーを補給し、現像剤中のトナー濃度を所望の値に維持する。トナー濃度センサ10とトナー供給装置による本制御は、各色個別に実施されている。
【0025】
プロセスユニット1の下方には、静電潜像書き込み手段としての露光ユニット18が配設されている。この露光ユニット18は、画像情報に基づいてレーザ光を各プロセスユニット1の感光ドラム2表面に照射する。これによって、感光ドラム2上に静電潜像を形成する。なお、露光ユニット18は、光源たるレーザーダイオードから発したレーザ光をモータによって回転駆動されるポリゴンミラーによって走査され、複数の光学レンズやミラーを介して感光ドラム2に照射するものである。かかる構成に代えて、LEDアレイによる露光ユニット18を採用することもできる。
【0026】
露光ユニット18の下方には、第一給紙カセット19、第二給紙カセット20が配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体たる記録紙が収容されており、複数のローラ等で構成された給紙手段21により、記録紙が給紙路22に排出されるようになっている。
【0027】
給紙路22には、レジストローラ対23が配設されている。このレジストローラ対23は、記録紙を挟持して待機し、後述する中間転写ベルト24上に形成されたトナー画像が二次転写ニップに到達するタイミングに合わせて駆動し、記録紙を二次転写ニップに向けて送り出すようになっている。
【0028】
各プロセスユニット1の上方には、中間転写ベルト24を備え、その中間転写ベルト24を図中反時計回りに回動する転写ユニットが配設されている。この転写ユニットの上方には、Y、C、M、Kの各色のトナーを夫々収容する4つのトナーボトル25が配設されている。トナーボトル25に収容された各色のトナーは、各色のプロセスユニット1の現像ユニットに適宜供給される。これらトナーボトル25は、ボトル内のトナー残量がなくなったら交換できるように画像形成装置本体から着脱可能となっている。
【0029】
上述した転写ユニットは、上述の中間転写ベルト24の他、ベルトクリーニングユニット26、各色の感光ドラム2の対向する位置に配設された一次転写ローラ27、外部からの駆動を受け、中間転写ベルト24を駆動せしめる駆動ローラ28、駆動ローラ28から所要の間隔をおいて設けられた従動ローラ29等で構成されている。なお、駆動ローラ28は、二次転写ローラ30の対向ローラを兼ねている。
【0030】
一次転写ローラ27は、中間転写ベルト24の下側のベルトを挟んで感光ドラム2に当接し、一次転写ニップを形成している。一次転写ローラ27に感光ドラム2上に形成されたトナー画像のトナーとは逆極性の転写バイアスを印加することで、感光ドラム2上のトナー画像を中間転写ベルト24上に転写する。各色の作像ユニットで形成された各色のトナー画像は、重畳するように中間転写ベルト24上に順次一次転写され、中間転写ベルト24上にカラートナー画像が形成される。
【0031】
駆動ローラ28である二次転写対向ローラとベルトを挟んで対向する位置に、二次転写ローラ30が配設され、バネ荷重によって、駆動ローラ28に所定の荷重で当接し、二次転写ニップが形成される。
中間転写ベルト24上に形成されたカラートナー画像は、中間転写ベルト24の回転駆動によって二次転写ニップに移動され、同時に、レジストローラ対23からトナー画像の二次転写ニップ進入と同期して記録紙が二次転写ニップに進入される。
【0032】
カラートナー像は、二次転写ローラ30と二次転写対向ローラとの間に形成される二次転写電界とニップ圧によって、記録紙に二次転写される。二次転写の電界は、二次転写対向ローラにトナーと同極性の転写バイアスを印加し、二次転写ローラ30を接地することで形成している。
【0033】
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト24上には、記録紙に転写されなかったトナーが僅かに残って付着している。これは、ベルトクリーニングユニット26によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット26は、クリーニングブレードを中間転写ベルト24の表面に当接させており、これによって、ベルト上の転写残トナーを掻きとって除去する。
中間転写ベルト24上から除去された転写残トナーは、廃トナーボトル31に収容され、廃棄される。
【0034】
二次転写ニップの上方には、定着ユニットが配設されている。この定着ユニットは、電磁誘導発熱層を内包する定着ローラ32、定着ローラ32と所定圧力で当接され、所定のニップ幅を形成する加圧ローラ33、図示しない温度センサ等で構成されている。定着ローラ32の図中左側に、定着ローラ32内の電磁誘導発熱層を発熱させるための電磁誘導手段であるIHコイルユニット34を有する。定着ローラ32は、IHコイルによる電磁誘導で加熱される。各ローラは図示しない駆動源によって加圧ローラ33が時計方向に、定着ローラ32は反時計方向に回転する。
【0035】
二次転写ニップを通過した記録紙は、中間転写ベルト24から分離した後、定着ユニット内に送られる。そして、定着ユニットの定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ローラ32によって加熱され、同時に定着ニップで加圧されてトナー画像が記録紙上に定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録紙は、排紙ローラ対を経由して機外に排出され、画像形成装置本体の上面にスタックされる。
【0036】
このように、上述した画像形成装置は、なんら問題が無いようではあるが、しかしながら、以下の問題点を含んでいる。すなわち、現像剤の搬送能力を高めるために、サンドブラストで粗面化処理した現像スリーブ14の表面が、経時劣化により溝と溝との間の尖った箇所や粗面が摩耗し、丸くなる(平滑化)ことで、現像剤搬送能力が落ちてしまう。そのため、現像剤担持体表面が経時劣化すると汲み上げ量が低下してしまい、現像能力低下による画像濃度低下といった画像品質の劣化を引き起してしまう。
そこで、以下の各実施の形態に挙げた技術手段を講じることで上述した問題点を解決する。なお、上述した画像形成装置の基本的な性能として、印刷速度が35枚/分(A4Y)、プロセス速度が205mm/sとして、以下の各実施の形態を詳述する。
【0037】
(実施の形態1)
実施の形態1は、圧電素子を備えて構成され、圧力検知部材としての圧力検知センサ35と、回転制御手段(図示せず)とを備える。
圧力検知センサ35は、図2及び図3に示すように、現像剤量規制部材としてのドクターブレード17の、第二搬送スクリュー12側の側面中央部に設けられており、ドクターブレード17による現像剤の量の規制中に、現像剤がドクターブレード17に負荷した圧力を検知するようになっている。
【0038】
回転制御手段は、圧力検知センサ35と、感光ドラム2及び現像スリーブ14の各駆動モータとに電気的に接続され、圧力検知センサ35で検知された圧力(出力電圧)に応じて、駆動モータを回転制御して、感光ドラム2と現像スリーブ14との線速比を変化させて、トナー像の画像濃度の変化を抑制させるようになっている。
【0039】
詳述すると、画像形成装置本体の電源ON時と、前回のプロセスコントロール実行時から積算250枚以上のプリント終了後に、プロセスコントロールとしてトナー付着量検出パターンを形成して現像能力を検知し、電位テーブルから電位条件を決定し、画像濃度の調整を行う際に、圧力検知センサ35の検知結果に応じて、図4に示すように、感光ドラム2の線速(Vpとする)と現像スリーブ14の線速(Vsとする)との比Vs/Vpを1.6から1.9の間で変化させている。
【0040】
これにより、図5に示すように、線速比Vs/Vpを変化させることでトナー付着量を変化させることができるため、圧力検知センサ35で汲み上げ量を検知し、汲み上げ量が低下することによる現像能力の低下に応じて線速比Vs/Vpを変化させ、現像能力の低下を抑制している。
【0041】
従来例(感光ドラム2と現像スリーブ14との線速比を制御しないもの)と実施の形態1を適用した画像形成装置について、プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光ドラム2上トナー付着量(mg))の関係を図6に示す。図6に示す通り、実施の形態1では、従来例と比較してプリント枚数に対する現像γの低下が小さく、画像濃度の安定性が高く長寿命な画像形成装置となっている。
【0042】
(実施の形態2)
実施の形態2は、図7に示すように、ドクターブレード17に配置する圧力検知センサ35を、ドクターブレード17の、第二搬送スクリュー12側の側面中央部だけでなく、両端部にも配置し、3つの圧力検知センサ35の平均値を算出し、その平均値を用いて線速比Vs/Vpを制御させた例であり、その他の構成は実施の形態1と同じである。
【0043】
これにより、現像スリーブ14の長手方向で汲み上げ量の偏差が生じている場合においても、偏差をとりいれた制御を行うことができるため、より高精度に汲み上げ量の低下による現像能力の低下を抑制することができる。
【0044】
図8に、実施の形態1と実施の形態2とについて、現像スリーブ14の長手方向の装置手前側位置の汲み上げ量が、現像スリーブ14の中央部の汲み上げ量よりも10mg/cm2だけ少ない偏差が生じている場合における、プリント枚数と、現像スリーブ14の長手方向、装置手前側位置における現像γの関係を示す。図8に示す通り、実施の形態2の場合は、実施の形態1と比較して、汲み上げ量偏差が10mg/cm2生じている場合においても、プリント枚数に対する現像γの低下が小さく、画像濃度の安定性が高く、長寿命な画像形成装置となっている。
【0045】
なお、この実施の形態2は、圧力検知センサ35の個数や回転制御手段を限定するものではなく、例えば、3つの圧力検知センサ35の最低値を検知結果と出力し、最も汲み上げ量の少ない箇所に応じてVs/Vpを制御し、汲み上げ量低下による画像品質劣化を防止しても良い。
【0046】
(実施の形態3)
実施の形態3は、図9に示すように、ドクターブレード17に配置する圧力検知センサ35を、第二搬送スクリュー12のスクリューピッチPの間隔以下で配置し、全ての圧力検知センサ35の平均値を算出し、その平均値を用いて線速比Vs/Vpを制御させた例であり、その他の構成は実施の形態1と同じである。
【0047】
これにより、現像スリーブ14の長手方向で汲み上げ量偏差が生じている場合はもちろんのこと、第二搬送スクリュー12のスクリューピッチの影響で汲み上げ量の検知結果がばらついてしまうという問題も解消することができる。
【0048】
図10に、高温高湿環境下でトナー濃度が低めに制御されている状態におけるプリント枚数と現像γとの関係について、実施の形態2と実施の形態3とを比較した結果を示す。トナー濃度が低いと現像剤の嵩が低下し、汲み上げ量に対するスクリューピッチの影響が大きくなるため、実施の形態2では、検知結果のばらつきにより現像γがばらついてしまっているが、実施の形態3は、スクリューピッチの影響を受けにくく安定しているため、画像濃度の安定性が高く、長寿命な画像形成装置となっている。なお、スクリューピッチの影響を受けにくくする他の手段としては、汲み上げ量検知時間を長めにし、複数回の検知結果の平均値を検知結果として出力することが挙げられる。
【0049】
(実施の形態4)
実施の形態4は、上述した実施の形態1において、感光ドラム2の線速(Vp)と現像スリーブ14の線速(Vs)との線速比Vs/Vpを変化させるために、現像スリーブ14の線速(Vs)を制御した例である。具体的な制御値を表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
この表1に示す制御は、本件発明者が行った圧力検知センサ35出力と汲み上げ量の関係を測定した実験結果(図11に示す)に従って決定したものである。なお、この制御値は一例であり回転制御手段を限定するものではない。
【0052】
感光ドラム2の線速と現像スリーブ14の線速との比であるVs/Vpを変化させる手段としては、現像スリーブ14の線速を変える手段と、感光ドラム2の線速を変える手段とがあるが、感光ドラム2の線速を変えると、中間転写ベルト24や定着ローラ32、用紙搬送等の速度も変更する必要があり、制御が複雑になるだけでなく生産性の低下も招いてしまう。よってVs/Vpを変化させる手段としては、現像スリーブ14の線速を制御する方が望ましい。ただし、現像スリーブ14の線速だけを変化させると、現像ユニット内の現像剤搬送のバランスが崩れるため、実施の形態4においては、第一搬送スクリュー11及び第二搬送スクリュー12の速度も現像スリーブ14の線速の変化率と等倍率で変化させている。
【0053】
また、感光ドラム2の線速を、線速比Vs/Vpを変える以外の目的(線速ダウンによる搬送性や定着性の向上等)で変化させる場合においても、感光ドラム2の線速変化に応じて現像スリーブ14の線速を等倍率で変化させる制御とすることで対応可能である。
実施の形態4と、従来例(感光ドラム2と現像スリーブ14との線速比を制御しないもの)とについて、図6と同様の測定を行った結果を図12に示す。この図12に示す通り、実施の形態4においても、実施の形態1と同様に従来例と比較して、プリント枚数に対する現像γの低下が小さく、画像濃度の安定性が高く、長寿命な画像形成装置となっている。
【0054】
(実施の形態5)
実施の形態5は、図13に示すように、ドクターブレード17に対応する位置に、マグネットローラ16の磁極15が位置するように、ドクターブレード17とマグネットローラ16とを配設した例であり、その他の構成は実施の形態1と同じである。
【0055】
これによって、現像剤量を規制する際の現像剤を穂立ちの状態にできるため、汲み上げ量変動に対する圧力検出センサの感度を高めることができる。これによって、図14に示すような、ドクターブレード17に対応する位置に磁極15を設けない構成(磁極15と磁極15との間にドクターブレード17に位置する構成)よりも、汲み上げ量低下に対して高感度な制御が可能になるため、図15に示すように、よりプリント枚数に対する現像γの低下が小さく、画像濃度の安定性が高く長寿命な画像形成装置を提供することができる。なお、図15は、図14に示すようなドクターブレード17に対応する位置に磁極15を設けない構成と、実施の形態5について、図6と同様の実験を行った結果を示している。
【0056】
(実施の形態6)
実施の形態6は、実施の形態1で例示した圧力検知センサ35に換えて、図16に示すように、発光素子と受光素子とを備えて構成された光学センサ36を、ドクターブレード17の、感光ドラム2側の側面中央部に設け、ドクターブレード17により規制された現像剤の反射光を検知するようになっている。これに加え、回転制御手段が、光学センサ36の圧力(出力電圧)に応じて感光ドラム2と現像スリーブ14との線速比を変化させて、トナー像の画像濃度の変化を抑制させるようになっている。
【0057】
詳述すると、実施の形態1で例示したように、画像形成装置本体の電源ON時と、前回のプロセスコントロール実行時から積算250枚以上のプリント終了後に、プロセスコントロールとしてトナー付着量検出パターンを形成して現像能力を検知し、電位テーブルから電位条件を決定し、画像濃度の調整を行う際に、光学センサ36の出力に応じて、図17に示すように、感光ドラム2の線速(Vpとする)と現像スリーブ14の線速(Vsとする)との比Vs/Vpを1.6から1.9の間で変化させている。
【0058】
これにより、図18に示すように、Vs/Vpを変化させることでトナー付着量を変化させることができるため、光学センサ36で汲み上げ量を検知し、汲み上げ量が低下することによる現像能力の低下に応じてVs/Vpを変化させ、現像能力の低下を抑制している。
光学センサ36出力と汲み上げ量の関係を各色のトナー毎に測定した結果を図19に示す。この結果に基づいて汲み上げ量変動に対応したVs/Vpの制御を行っている。
【0059】
また、図20に、従来例(感光ドラム2と現像スリーブ14との線速比を制御しないもの)と実施の形態6とについて、プリント枚数と現像γ(現像ポテンシャル(kV)に対する感光ドラム2上トナー付着量(mg))の関係を示す。図20に示す通り、実施の形態6では、従来例と比較して、プリント枚数に対する現像γの低下が小さく、画像濃度の安定性が高く長寿命な画像形成装置となっている。
【0060】
(実施の形態7)
実施の形態7は、図21に示すように、ドクターブレード17に配置する光学センサ36を、ドクターブレード17の、感光ドラム2側の側面中央部だけでなく、両端部位置にも配置し、3つの光学センサ36の平均値を算出し、その平均値を用いて線速比Vs/Vpを制御させた例であり、その他の構成は実施の形態6と同じである。
【0061】
これにより、現像スリーブ14の長手方向で汲み上げ量の偏差が生じている場合においても、偏差をとりいれた制御を行うことができるため、より高精度に汲み上げ量の低下による現像能力の低下を抑制することができる。
【0062】
図22に、実施の形態6と実施の形態7とについて、現像スリーブ14の長手方向の装置手前側位置の汲み上げ量が、現像スリーブ14の中央部の汲み上げ量よりも10mg/cm2少ない偏差が生じている場合における、プリント枚数と、現像スリーブ14の長手方向マシン手前側位置における現像γの関係を示す。図22に示す通り、実施の形態7の場合は、実施の形態6と比較して、汲み上げ量偏差が10mg/cm2生じている場合においても、プリント枚数に対する現像γの低下が小さく、画像濃度の安定性が高く、長寿命な画像形成装置となっている。
【0063】
なお、この実施の形態7は、光学センサ36の個数や回転制御手段を限定するものではなく、例えば、3つの光学センサ36の最低値を検知結果と出力し、最も汲み上げ量の少ない箇所に応じてVs/Vpを制御し、汲み上げ量低下による画像品質劣化を防止しても良い。
【0064】
(実施の形態8)
実施の形態8は、図23に示すように、ドクターブレード17に配置する光学センサ36を、第二搬送スクリュー12のスクリューピッチの間隔以下で配置し、全ての光学センサ36の平均値を算出し、その平均値を用いて線速比Vs/Vpを制御させた例であり、その他の構成は実施の形態6と同じである。
【0065】
これにより、現像スリーブ14の長手方向で汲み上げ量偏差が生じている場合はもちろんのこと、第二搬送スクリュー12のスクリューピッチの影響で汲み上げ量の検知結果がばらついてしまうという問題も解消することができる。
【0066】
図24に、高温高湿環境下でトナー濃度が低めに制御されている状態におけるプリント枚数と現像γの関係について、実施の形態7と実施の形態8とを比較した結果を示す。トナー濃度が低いと現像剤の嵩が低下し、汲み上げ量に対するスクリューピッチの影響が大きくなるため、実施の形態7では、検知結果のばらつきにより現像γがばらついてしまっているが、実施の形態8は、スクリューピッチの影響を受けにくく安定しているため、画像濃度の安定性が高く、長寿命な画像形成装置となっている。なお、スクリューピッチの影響を受けにくくする他の手段としては、汲み上げ量検知時間を長めにし、複数回の検知結果の平均値を検知結果として出力することが挙げられる。
【0067】
(実施の形態9)
実施の形態9は、上述した実施の形態6において、感光ドラム2の線速(Vp)と現像スリーブ14の線速(Vs)との線速比Vs/Vpを変化させるために、現像スリーブ14の線速(Vs)を制御した例である。具体的な制御値は、上記した表1を参照。
【0068】
感光ドラム2の線速と現像スリーブ14の線速の比であるVs/Vpを変化させる手段としては、現像スリーブ14の線速を変える手段と、感光ドラム2の線速を変える手段とがあるが、感光ドラム2の線速を変えると中間転写ベルト24や定着ローラ32、用紙搬送等の速度も変更する必要があり、制御が複雑になるだけでなく生産性の低下も招いてしまう。よってVs/Vpを変化させる手段としては、現像スリーブ14の線速を制御する方が望ましい。ただし、現像スリーブ14の線速だけを変化させると、現像ユニット内の現像剤搬送のバランスが崩れるため、実施の形態9においては、第一搬送スクリュー11及び第二搬送スクリュー12の速度も現像スリーブ14の線速の変化率と等倍率で変化させている。
【0069】
また、感光ドラム2の線速を、線速比Vs/Vpを変える以外の目的(線速ダウンによる搬送性や定着性の向上等)で変化させる場合においても、感光ドラム2の線速変化に応じて現像スリーブ14の線速を等倍率で変化させる制御とすることで対応可能である。
実施の形態9と、従来例(感光ドラム2と現像スリーブ14との線速比を制御しないもの)とについて、図20と同様の測定を行った結果を図25に示す。図25に示す通り、実施の形態9においても、実施の形態6と同様に従来例と比較して、プリント枚数に対する現像γの低下が小さく、画像濃度の安定性が高く、長寿命な画像形成装置となっている。
【0070】
以上、本実施の形態にかかる画像形成装置を説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0071】
1‥プロセスユニット 2‥感光ドラム 3‥ドラムクリーニング装置 4‥滑剤塗布ブラシ 5‥滑剤 6‥滑剤塗布ブレード 7‥帯電ローラ 8‥第一現像剤収容部 9‥第二現像剤収容部 10‥トナー濃度センサ 11‥第一搬送スクリュー 12‥第二搬送スクリュー 13‥仕切り壁 14‥現像スリーブ 15‥磁極 16‥マグネットローラ 17‥ドクターブレード 18‥露光ユニット 19‥第一給紙カセット 20‥第二給紙カセット 21‥給紙手段 22‥給紙路 23‥レジストローラ対 24‥中間転写ベルト 25‥トナーボトル 26‥ベルトクリーニングユニット 27‥一次転写ローラ 28‥駆動ローラ 29‥従動ローラ 30‥二次転写ローラ 31‥廃トナーボトル 32‥定着ローラ 33‥加圧ローラ 34‥IHコイルユニット 35‥圧力検知センサ 36‥光学センサ Vs/Vp‥線速比
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開平08−211729号公報
【特許文献2】特開2006−058377号公報
【特許文献3】特許3357398号公報
【特許文献4】特許3925019号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に設けられ、表面に静電潜像が形成される感光体と、
該感光体に対向するように且つ回転可能に設けられ、前記静電潜像をトナー像に現像する現像剤を担持させて回転移動させる現像剤担持体と、
該現像剤担持体の表面に付着した前記現像剤のうち余分な現像剤を掻き取り可能に設けられ、前記表面に付着した前記現像剤の量を規制する現像剤量規制部材と、
該現像剤量規制部材による前記現像剤の量の規制中に前記現像剤量規制部材に負荷された圧力を検知する圧力検知部材と、
該圧力検知部材で検知された圧力に応じて前記感光体と前記現像剤担持体との線速比を変化させて、前記トナー像の画像濃度の変化を抑制させる回転制御手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤量規制部材は、ブレード状に形成され、
前記圧力検知部材は、そのブレード状に形成された前記現像剤量規制部材に、長手方向、所定の間隔をおいて止着された複数からなり、
前記回転制御手段は、前記圧力検知部材で検知された複数の圧力の平均値に応じて前記感光体と前記現像剤担持体との線速比を変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤を攪拌しながら搬送する現像剤搬送スクリューが、前記現像剤担持体の下方に沿うように設けられ、
複数の前記圧力検知部材は、その配設ピッチが前記現像剤搬送スクリューのスクリューピッチ以下であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像剤担持体は、非磁性材料で円筒軸状に形成されてなり、
周方向に交互に磁極が配設され、前記現像剤担持体の表面に前記現像剤を汲み上げると共に穂立ちさせるマグネットローラが、前記現像剤担持体に内挿されると共に、前記現像剤量規制部材に対応する位置に前記マグネットローラの磁極が位置するように、前記現像剤量規制部材と前記マグネットローラとが配設されている
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記圧力検知部材に換えて、前記現像剤量規制部材により規制された前記現像剤の反射光を検知する光学センサとし、
前記圧力検知部材で検知された圧力に応じて前記感光体と前記現像剤担持体との線速比を変化させて、前記トナー像の画像濃度の変化を抑制させる前記回転制御手段に換えて、前記光学センサの検知結果に応じて前記感光体と前記現像剤担持体との線速比を変化させて、前記トナー像の画像濃度の変化を抑制させる回転制御手段としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記回転制御手段は、前記現像剤担持体の線速を制御させて前記線速比を変化させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−81172(P2011−81172A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233130(P2009−233130)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】