説明

画像形成装置

【課題】、同じ現像剤が現像装置内を回り続けたとしても、劣化しにくい現像装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】静電潜像が形成される感光体3と、トナーとキャリアを含む現像剤と、該現像剤を担持すると共に前記静電潜像を前記現像剤中に含まれるトナーにより顕像化する現像ローラ41と、現像ローラ41に現像剤を供給する現像供給ローラ43,44とを備える現像装置40と、を有する画像形成装置1において、感光体3と現像ローラ41とで形成する近接部(以下、「現像領域」と記す。)に存在する現像剤量が、画像形成する時の現像剤量と画像形成しない時の現像剤量とが異なり、かつ、画像形成しない時の現像剤量が画像形成する時の現像剤量より少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に係り、詳しくは、二成分現像剤を用いて画像形成動作を行う画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、二成分現像剤を用いる現像装置において、低画像面積の画像を出力しつづけた場合、トナーが現像装置から出て行くことなく同じ現像剤が現像装置内を回り続けるため、現像剤の劣化が起こってしまった。
現像剤が劣化すると、新トナー補給時にトナー飛散が起こったり、非画像部への地汚れが起こったり、と様々な問題が発生してしまった。
それを防ぐため、例えば、引用文献1では、像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像剤を用いる現像装置により現像する画像形成装置において、作像する画像の面積率を検知する画像面積率検知手段と、前記現像装置の現像駆動時間を検知する現像駆動時間検知手段とを備え、現像の単位駆動時間あたりの画像面積率に応じて現像剤を強制消費させるに記載の画像形成装置が開示されている。しかし、この吐き出しモードを設けた画像形成装置では、トナーを強制的に廃棄することで、トナーの消費が非効率でトナーイールドを下げるという不具合がある。
また、特許文献2では、現在のドクターギャップを検知するセンサと、前記現像剤供給量規制部材を移動してドクターギャップを修正する駆動装置と、前記センサの検知結果に基づき前記駆動装置を駆動する制御装置とを備える現像装置が開示されている。しかし、構造が複雑になり、さらに、現像剤の劣化の防止には不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、同じ現像剤が現像装置内を回り続けたとしても、劣化しにくい現像装置を備える画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体と、トナーとキャリアを含む現像剤と、該現像剤を担持すると共に前記静電潜像を前記現像剤中に含まれるトナーにより顕像化する現像剤担持体と、該現像剤担持体に前記現像剤を供給する現像剤供給部材とを備える現像装置と、を有する画像形成装置において、前記像担持体と前記現像剤担持体とで形成する近接部(以下、「現像領域」と記す。)に存在する現像剤量が、画像形成する時の現像剤量と画像形成しない時の現像剤量とが異なり、かつ、画像形成しない時の現像剤量が画像形成する時の現像剤量より少ないことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記画像形成しない時の現像剤量が、前記画像形成する時の現像剤量の1/10以下であることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記像担持体と前記現像装置とを、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック用を備えていることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えるタイミングは、記録媒体の間であることを特徴とする。
【0005】
また、本発明の画像形成装置は、さらに、カラー画像形成ユニット(Y、C,M)の現像領域の現像剤量を前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えるタイミングは、モノクロ画像作像時であることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記現像領域の現像剤量を前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えるタイミングは、画像形成が行われない時間が、ある規定した時間T(sec.)に達した時であることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えるタイミングは、朝一に行われる画像形成装置の調整時であることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えた時も現像ローラ・現像剤供給部材は駆動していることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替える際には、現像ローラの回転方向を通常と逆方向に回転させることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記規制部材は、現像剤担持体の下側(重力方向)に設置されていることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記現像剤担持体の剤ばなれ位置に現像剤分離板が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替える際には、現像剤担持体内のマグネットを回転させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、さらに、現像剤担持体内のマグネットの剤離れ位置に、ドクターの位置にくるように回転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記課題を解決する手段である本発明によって、以下のような特有の効果を奏する。
本発明の画像形成装置では、現像剤の劣化が格段に抑えられ、帯電量や流動性が安定し、トナー飛散・地汚れ・トナーイールドが向上するだけでなく、非画像部での感光体と現像剤の接触がなくなるため、感光体へのトナーフィルミングも低減させることができ、感光体寿命も延ばすことができた。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態であるタンデム型の内部の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成装置の一実施形態で、画像形成部の主要な構成を示す顔略図である。
【図3】4つのプロセスカートリッジのうち1つを拡大して、その構成を示す概略図である。
【図4】二成分現像剤を用いた劣化実験1の結果を示す帯電量分布のグラフである。
【図5−1】二成分現像剤を用いた劣化実験2の結果を示す帯電量分布のグラフである。
【図5−2】二成分現像剤を用いた劣化実験2の結果を示す帯電量分布のグラフである。
【図5−3】二成分現像剤を用いた劣化実験2の結果を示す帯電量分布のグラフである。
【図6】二成分現像剤を用いた劣化実験3の結果を示す帯電量分布のグラフである。
【図7】二成分現像剤を用いた劣化実験3の300sec.後におけるトナー表面のSEM写真である。
【図8】二成分現像剤を用いた劣化実験3の6000sec.後におけるトナー表面のSEM写真である。
【図9】本発明の画像形成装置が用いる現像装置の磁力を示す図である。
【図10】本発明の画像形成装置が用いる現像装置で、現像剤の流れを示す概略図である。
【図11】本発明の画像形成装置が用いる現像装置で、マグネットを回転させた時の現像剤の流れを示す概略図である。
【図12】ドクターが現像ローラの上にある現像装置で、現像剤の流れを示す概略図である。
【図13】ドクターが現像ローラの上にある現像装置で、マグネットを回転させた時の現像剤の流れを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態であるタンデム型の内部の構成を示す概略図である。
図2は、本発明の画像形成装置の一実施形態で、画像形成部の主要な構成を示す顔略図である。
本発明に係る画像形成装置1は、上の方から、置かれた原稿を自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)5と、原稿を読み取る読取装置4、トナー画像を形成する画像形成部6、そして、その下に給紙装置70が配置されている。その他に、読取装置4と画像形成部6との間に、画像が形成された記録部材9を積載する排紙装置90は配置されている。
画像形成装置1は、その中央部に画像形成部6が配置されている。画像形成部6では、その内部の略中央に、画像形成ユニットとしてプロセスカートリッジ2をブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナーに対応した4つを並列に並べたタンデム型に配列している。なお、図1及び図2で、各色トナーに対応した4つプロセスカートリッジ2の配列が異なるが、この配列は所望の画質に応じて適宜変更可能である。その上に、ポリイミドやポリアミド等の耐熱性材料からなり、中抵抗に調整された基体からなる無端状ベルトで、4つのローラ531、532、533、534に掛け回して支持され、回転駆動する中間転写ベルト51を備えている。
また、図1及び図2を参照すると、4つのプロセスカートリッジの下方には、帯電した各感光体3の表面に各色の画像データに基づいて露光をし、潜像を形成する露光装置9が備えられている。中間転写ベルト51を挟んで、各感光体3と対向する位置には、感光体3上に形成されたトナー像を中間転写ベルト51上に一次転写する一次転写ローラ52がそれぞれ配置されている。一次転写ローラ52は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。
【0010】
中間転写ベルト51の支持ローラ532で支持された部分の外側には、二次転写ローラ54が圧接されている。二次転写ローラ54は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。二次転写ローラ54と中間転写ベルト51との接触部が二次転写部であり、中間転写ベルト51上のトナー像が記録部材9に転写される。
中間転写ベルト51の支持ローラ531で支持された部分の外側には、二次転写後の中間転写ベルト51の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置55が設けられている。
二次転写部の上方には、記録部材9上のトナー像を記録部材9に半永久的に定着させる定着装置70が備えられている。定着装置70は、定着ローラ71と、これに対向し、圧接して配置される、内部にハロゲンヒータを有する加圧ローラ72とから構成されている。この他に、定着ローラ71の代わりに、図示しないが、内部にハロゲンヒータを有する加熱ローラ及び定着ローラに巻き掛けられた無端の定着ベルトを用いても良い。
画像形成装置の下部には、記録部材9を載置し、二次転写部に向けて記録部材9を送り出す給紙装置60が備えられている。
【0011】
図3は、4つのプロセスカートリッジのうち1つを拡大して、その構成を示す概略図である。いずれのプロセスカートリッジでも同様の構成であるので、この図においては、色の区別を示すK、Y、M、Cの表示を省略する。各プロセスカートリッジ2は感光体3K、3Y、3M、3Cを有し、各感光体3の周りには、感光体3表面に電荷を与える帯電装置10、感光体3表面に形成された潜像を各色トナーで現像してトナー像とする現像装置40、感光体3表面に潤滑剤32を塗布する潤滑剤塗布装置30、トナー像転写後の感光体3表面のクリーニングをするクリーニング装置20がそれぞれ配置されている。
上述した各装置は、さらに、帯電装置10は、帯電ローラ11と図示しない帯電ローラ加圧バネと帯電クリーナローラ12とから構成されている。潤滑剤塗布装置30は、固形潤滑剤32と潤滑剤加圧バネ33と潤滑剤を塗布するブラシローラ31と潤滑剤を均す潤滑剤塗布ブレード34とから構成されている。現像装置40は、感光体3に二成分現像剤(以下、単に「現像剤」と記す。)を搬送する現像ローラ41、現像ローラ41上の現像剤量を規制する現像規制部材42、補給されたトナーをキャリアと攪拌しながら現像ローラ41に供給する供給・撹拌スクリュ43、44、現像ローラ41上の現像剤を分離させる現像剤分離板46等から構成されている。クリーニング装置20は、クリーニングブレード21と廃トナー回収コイル22とから構成されている。
図3では、これで、一つのプロセスカートリッジ2を形成しているが、プロセスカートリッジ2は、感光体3と、帯電装置10、現像装置40、クリーニング装置20、潤滑剤塗布装置のいずれか1つ以上を一体的に支持していて、画像形成装置1に着脱可能になっていればよく、本実施形態のプロセスカートリッジ2に限定するものではない。
【0012】
以下、各装置について詳述する。
感光体3は、有機感光体であり、ポリカーボネート系の樹脂で表面保護層が形成されている。
帯電装置10は、帯電部材として導電性芯金の外側に中抵抗の弾性層を被覆して構成される帯電ローラ11を備える。帯電ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。帯電ローラ11は、感光体3に対して微小な間隙をもって配設される。この微小な間隙は、例えば、帯電ローラ11の両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体3表面に当接させることで、設定することができる。また、帯電ローラ11は、感光体に接触させずに、近接させても良い。ローラ形状であり、感光体3に近接している部分で、放電して、感光体3を帯電させることができる。また、非接触にすることで、帯電ローラ11の転写残トナーによる汚れの発生を抑えることができる。また、帯電ローラ11には、帯電ローラ11表面に接触してクリーニングする帯電クリーナローラ13が設けられている。
現像装置40は、感光体3と対向する位置に、図示しないが内部に磁界発生手段のマグネットを備える現像ローラ41が配置されている。現像ローラ41の下方には、図示しないトナーボトルから投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像ローラ41へ汲み上げる機構を併せて有する2つの供給・撹拌スクリュ43、44が備えられている。現像ローラ41によって搬送されるトナーと磁性キャリア(以下、単に「キャリア」と記す。)とからなる二成分現像剤(以下、単に「現像剤」と記すことがある。)は、規制部材42によって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像ローラ41に担持される。現像ローラ41は、感光体3との対向位置において同方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを感光体3の潜像面に供給する。そして、現像ローラ41上の現像剤を現像剤分離板46で分離して現像装置40内に回収し、補給されたトナーとサイド攪拌させて帯電させ、現像工程に供する。また、未使用のトナーが収納された各色のトナーカートリッジ45Y、45C、45M、45Kが、着脱可能に感光体3上部の空間に収納される。図示しないモーノポンプやエアーポンプなどのトナー搬送手段により、図2に示すように、各現像装置5に必要に応じトナーをトナー補給経路48を通じて供給するようになっている。消耗の多いブラックトナー用のトナーカートリッジ45Kを、特に大容量としておくことも可能である。
【0013】
クリーニング装置20は、クリーニングブレード21が感光体3と当接・離間する機構を備え、画像形成装置本体の制御部にて、任意に当接・離間させることができる。クリーニングブレード21をカウンタ方式で、感光体3に当接し、これによって、感光体3上に残留するトナー、汚れとして付着している記録部材のタルク、カオリン、炭酸カルシウム等の添剤を感光体3から除去してクリーニングする。除去したトナー等は、廃トナー回収コイル22で、図示しない廃トナー容器に搬送し、貯留する。
潤滑剤塗布装置30は、固定されたケースに収容された固形潤滑剤32と、固形潤滑剤32に接触して潤滑剤を削り取り、感光体3に塗布するブラシローラ31とブラシローラ31で塗布された潤滑剤を均す潤滑剤塗布ブレード34を備える。固形潤滑剤32は、直方体状に形成されており、加圧バネ33によってブラシローラ31側に付勢されている。固形潤滑剤32はブラシローラ31によって削り取られ消耗し、経時的にその厚みが減少するが、加圧バネ33で加圧されているために常時ブラシローラ31に当接している。ブラシローラ31は、回転しながら削り取った潤滑剤を感光体3表面に塗布する。
本実施形態においては、上記ブラシローラ31による潤滑剤塗布位置に対して移動方向の下流側の感光体表面に潤滑剤均し手段としての潤滑剤塗布ブレード34を当接させている。潤滑剤塗布ブレード34は弾性体であるゴムから構成されているものであり、クリーニング手段としての機能も持たせ、感光体3の移動方向に対してカウンタ方向に当接してある。
【0014】
図1及び図2を参照して、画像形成装置1は、感光体3上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われ、感光体3上に所望のトナー像が形成される。
感光体3は、不図示の駆動部によって回転駆動される。そして、帯電装置10の位置で、感光体3の表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体3の表面は、不図示の露光部から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体3の表面は、現像装置40との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される(現像工程である。)。
本発明の画像形成装置1では、この現像工程で、所定の該当するタイミングで、現像ローラ41の回転方向、マグネットの角度の切り替えを行う。この切り換えのタイミングとしては、出力する画像の中に、ある色のトナーが形成する画像面積率が0%の場合に、その画像面積率が0%の色のトナーを収納している現像装置40で切り替えを行うことができる。その他に、連続した記録部材9の搬送における記録部材9間の間隔で、また、朝一等の画像形成装置の立ち上げ時における画像形成装置の調整時であってもよい。
その後、感光体3の表面は、中間転写ベルト51及び一次転写ローラ52との対向位置に達して、この位置で感光体3上のトナー像が中間転写ベルト51上に転写される(1次転写工程である。)。
このとき、感光体3上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体3の表面は、クリーニング装置20との対向位置に達して、この位置で感光体3上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード21によって回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体3の表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体3上の残留電位が除去される。
こうして、感光体3上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
なお、本発明でいう「画像形成時の現像領域の単位面積あたりの現像剤量(以下、単に「画像形成する時の現像剤量」と記すことがある。)」、「画像形成しないときの現像領域の他に単位面積あたりの現像剤量(以下、単に「画像形成しない時の現像剤量」と記すことがある。)」における画像形成とは、少なくとも現像工程を含む工程を示しており、その他に、帯電工程、露光工程等を含んでいても良い。
なお、これらの「画像形成時の現像領域の単位面積あたりの現像剤量」と「画像形成しないときのの現像領域の他に単位面積あたりの現像剤量」とにおける現像剤量は、「現像ローラで感光体近接部部分(円周方向10mm×長手方向30mmの長方形の領域)にある現像剤を磁石でとり、天秤で重さW[mg]を量り、重さW÷面積(3[cm])で単位面積あたりの現像剤量を求める」ことで測定した。
【0015】
図1及び図2を参照して、具体的に画像形成動作を説明する。
画像形成部6の下方に配設された露光装置7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各プロセスカートリッジ2K、2Y、2M、2Cの感光体3K、3Y、3M、3C上に向けて照射される。
露光装置7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体3上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体3上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト51上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト51上にカラー画像が形成される。
4つの1次転写バイアスローラ52K、52Y、52M、52Cは、それぞれ、中間転写ベルト51を感光体3K、3Y、3M、3Cとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ52K、52Y、52M、52Cに、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
【0016】
そして、中間転写ベルト51は、各1次転写バイアスローラ52K、52Y、52M、52Cの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体3K、3Y、3M、3C上の各色のトナー像が、中間転写ベルト51上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト51は、二次転写ローラ54との対向位置に達する。この位置では、二次転写バックアップローラともなっている中間転写ベルト51の支持ローラ532が、二次転写ローラ54との間に中間転写ベルト51を挟み込んで二次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト51上に形成されたカラートナー像は、この二次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録部材9上に転写される。このとき、中間転写ベルト51には、記録部材9に転写されなかった未転写トナーが残存する。
中間転写ベルト51上に残存する未転写トナーは、クリーニング装置20によって除去されることで初期状態に復帰する。
こうして、中間転写ベルト51上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0017】
ここで、二次転写ニップの位置に搬送された記録部材9は、画像形成装置1の下方に配設された給紙装置60にある給紙カセット61から、給紙ローラ62やレジストローラ対63等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙装置60には、転写紙等の記録部材9が複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ62が回転駆動されると、一番上の記録部材9がレジストローラ対63のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対63に搬送された記録部材9は、回転駆動を停止したレジストローラ対63のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト51上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対63が回転駆動されて、記録部材9が二次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録部材9上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、二次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録部材9は、定着装置70の位置に搬送される。
二次転写ニップの上方に設けられている定着装置70は、定着ローラ71及び圧力ローラ72による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録部材9上に定着される。
その後、記録部材9は、排紙ローラ対93のローラ間を経て、画像形成装置1の外へと排出される。
排紙ローラ対93によって画像形成装置1外に排出された記録部材9は、出力画像として、排紙部91上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0018】
このような画像形成装置1で、キャリアとトナーとを有する二成分現像剤を用いている。現像剤は磁性・非磁性一成分現像剤と二成分現像剤とがある。二成分現像剤の方が、現像ローラ41上への搬送量、トナーの帯電量の制御が容易であるため、広く用いられている。
二成分現像剤(以下、単に「現像剤」と記す。)中のキャリアの含有量は、90〜98重量%であることが好ましく、93〜97重量%がさらに好ましい。
キャリアは、特に限定されないが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有することが好ましい。芯材は、体積平均粒径が10〜150μmであることが好ましく、20〜80μmがさらに好ましい。樹脂層の材料としては、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。また、樹脂層は、必要に応じて、導電粉等を含有してもよい。
トナー材料としては、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂、エポキシ系樹脂等のトナーバインダーと、着色剤とを含有し、必要に応じて、荷電制御剤、ワックス等のその他の成分を含有する。これらの材料を各種有機溶媒に溶解し、着色剤を分散、かつ、離型剤を分散又は溶解し、これを前記トナー製造方法により微小液滴とし乾燥固化させることで、目的とするトナー粒子を作製することが可能である。また、上記材料を熱溶融混練し得られた混練物を各種溶媒に一度溶解乃至分散した液を、前記トナー製造方法により微小液滴とし乾燥固化させることで、目的のトナーを得ることも可能である。
【0019】
しかしながら、現像剤は長期にわたって画像形成動作を行っていると、劣化してくる。劣化の具体的な形態としては、一つはトナー帯電量が不安定になる。更に、具体的には、帯電量分布が広くなったり、また、逆帯電トナーが発生することがあげられる。この原因としては、トナー表面に外添される外添剤のトナー内部への埋没、飛散してトナー表面の存在量が減少、キャリアへの移行等の状況が発生するためである。
さらに、このような現象が現像装置40のどこで発生するかという問題がある。実際には、二成分現像剤が大きなストレスを受ける場所が考えられる。そこで、以下のような実験を行うこととし、上述した二成分現像剤を用いて、従来の現像装置40を用いて、現像剤劣化実験を行った。
【0020】
図4は、二成分現像剤を用いた劣化実験1の結果を示す帯電量分布のグラフである。
図5−1、5−2、5−3は、二成分現像剤を用いた劣化実験2の結果を示す帯電量分布のグラフである。
劣化実験1は、従来どおり現像領域に現像剤が存在する状態で画像面積率0%の画像を5000枚分連続して画像形成動作を行い、現像剤を劣化させた後、画像面積率100%の画像を20枚連続して画像形成動作を行い出力し、新トナーを消費した分補給した後、現像装置40を撹拌した。このとき、図4に現像剤のトナー帯電量分布の経時変化を示している。時間の経過と共に、トナーの帯電量分布が広くなり、さらに、プラス極性の逆帯電のトナーが増加していることがわかる。
劣化実験2−1では、劣化実験1の中で、画像形成動作中に現像領域に現像剤が供給されないよう制御して行った。つまり、画像形成しない時の現像剤量を0.0mg/cmとした。図5−1に、このときの現像剤のトナー帯電量分布の経時変化を示している。
劣化実験2−2では、劣化実験2−1の実験条件をさらに厳しく変更した場合で、画像面積率0%の画像を20000枚分連続して印刷した後、画像面積率100%の画像を20枚出力し、新トナーを画像消費した分補給した後、現像装置40を撹拌した。図5−2に、このときの現像剤のトナー帯電量分布の経時変化を示している。
劣化実験2−3では、劣化実験2−1の実験条件から、画像形成しない時の現像剤量を0.0mg/cmから4.5mg/cmと変更した。図5−3に、このときの現像剤のトナー帯電量分布の経時変化を示している。
トナー帯電量分布の測定は、細川ミクロン社製E−spartアナライザーを用いた。
なお、0sec.とは、新トナーを補給した時間で、それから何秒撹拌したかを凡例に示している。
【0021】
図4に示すように、新トナーを補給してしばらく撹拌するとプラス極性の帯電のトナーが多く発生している。したがって、現像剤劣化の一つの兆候が現れていることがわかる。
図5−1、図5−2では、プラス帯電のトナーがほとんど発生せず帯電量分布の広がりも抑えられている様子が分かる。この結果から現像領域に現像剤を供給しなければ、長時間撹拌しても現像剤のトナー帯電量の安定性は維持できることが分かる。
図5−3では、プラス帯電のトナーが発生している。図5−3に示すように、現像装置40の攪拌が、110sec.を過ぎた付近からプラス帯電のトナーが発生し始めてしまっている。したがって、画像形成しない時の現像剤量を0.0mg/cmから4.5mg/cmと変更したことで、現像剤劣化が始まっていると結論することができる。この結果からも、画像形成しないときのの現像領域の他に単位面積あたりの現像剤量は、画像形成時の現像領域の単位面積あたりの現像剤量の1/10以下にすることが望ましい。
【0022】
図6は、二成分現像剤を用いた劣化実験3の結果を示す帯電量分布のグラフである。
さらに、劣化実験1の実験として劣化実験3を引き続き行った。現像装置40を引き続き画像出力せず撹拌し続けた。つまり、画像を形成しないときは、現像領域に現像剤が供給されないようにした。これにより、図6に示すように、長時間撹拌することにより、帯電量分布が再度1山に戻った。
この原因を確認するため、SEM(走査型電子顕微鏡)でトナーを観察したところ、新トナー補給直後は、劣化トナーと新トナーの差がはっきり分かった。
図7は、二成分現像剤を用いた劣化実験3の300sec.後におけるトナー表面のSEM写真である。
つまり、劣化実験3を300sec.行ったときのSEMで、トナー表面を観察すると、劣化したトナーの表面には外添剤が少なくなっていることがわかる。一方、新たに投入したトナーの表面には、劣化したトナーの表面と比較すると、明らかに多くの外添剤が存在していることがわかる。
図8は、二成分現像剤を用いた劣化実験3の6000sec.後におけるトナー表面のSEM写真である。
つまり、劣化実験3を6000sec.行ったときのSEMで、トナー表面を観察すると、劣化したトナーの表面には外添剤が少ないことは同じであるが、新たに投入したトナーの表面も、劣化したトナーの表面と同様に、明らかに外添剤が少なくなっていることがわかる。
このように、新たに投入したトナーも劣化したトナーと同様の表面状態になったことで、トナーの帯電量分布が狭くなり、一山になると共に、逆帯電のプラス極性のトナーが発生しないことがわかる。
これによって、トナー帯電量分布のグラフとSEMによるトナー表面の観察結果が合致していることがわかった。この結果から、撹拌により、外添剤が新トナーから劣化トナーへ移動したため、帯電量分布が再度1山になったと予測される。このように、現像領域に現像剤がいない状態での撹拌は劣化トナーと新トナーの状態を均す(劣化度合いを平均化する)というプラスの効果につながることが分かる。
現像装置40内で起こる劣化の原因を調査したところ、主要因は感光体3と現像ローラ41の接触部(現像領域)であることが明らかになった。そこで、現像領域の現像剤量を制御する機構を設け、現像作業をしない間は、現像領域になるべく現像剤を存在させないよう制御する画像形成装置1を提供する。
【0023】
そこで、本発明の画像形成装置1では、感光体と現像ローラ41とで形成する現像領域に存在する現像剤量が、画像形成する時の現像剤量と画像形成しない時の現像剤量とが異なり、かつ、画像形成しない時の現像剤量が画像形成する時の現像剤量より少ないことを特徴としている。
次に、本発明の画像形成装置1が用いる現像装置40について説明する。
図9は、本発明の画像形成装置が用いる現像装置の磁力を示す図である。
図9に示すように、非磁性体を円筒形に形成した現像ローラ41の内側には、複数の磁極が着磁されたマグネットローラが配接されている。供給・攪拌スクリュ43、44によって循環しながら混合攪拌されているキャリアを含む現像剤は、現像ローラ41内のマグネットの磁力により磁気的に吸着される。このときの、図9における点線は、マグネットの法線方向の磁束密度を表わしている。
現像ローラ41の回転に伴い、現像ローラ41の表面に設けられた図示しない凹凸により搬送される。搬送された現像剤は、現像ローラ41上の現像剤量をある一定量に規制する規制部材42(以後、「ドクター」と記す。)で均一にされる。本実施形態では、現像領域の単位面積あたりの現像剤量を45mg/cmに規制した。
図10は、本発明の画像形成装置が用いる現像装置で、現像剤の流れを示す概略図である。
感光体3との対向する位置に形成される現像領域にて感光体3上に、トナーが現像される。ここで、感光体3に付着するのはトナーのみであり、現像されなかったトナーおよびトナーを搬送してきたキャリアは現像ローラ41の回転に伴い剤離れ位置で現像ローラ41から離れ再度供給・撹拌スクリュ43、44に戻される。
画像形成しない時で現像剤が現像領域に必要ないときには、現像ローラ41を図10のように逆回転させる。逆回転により、現像剤は現像領域通過前に、剤離れ位置を通過してしまうため、現像領域に現像剤が供給されなくなる。また、現像剤分離板46を剤離れ位置に設置することにより、現像剤のつれまわりを防ぎ、現像ローラ41の回転数によらず確実に現像領域の現像剤量を0.0mg/cmにすることができる。
通常、現像ローラ41と供給・撹拌スクリュ43、44はギアで介して1つのモーターで駆動させている。しかしながら、本発明の画像形成装置が用いる現像装置40では、現像ローラ41と供給・撹拌スクリュ43、44の駆動モーターを別に用意し、独立に回転方向を選べるようにしている。
図11は、本発明の画像形成装置が用いる現像装置で、マグネットを回転させた時の現像剤の流れを示す概略図である。
図11に示すように、現像ローラ41を逆回転するのではなく、現像ローラ41内に配置されているマグネットを回転させる。このときに、剤離れ位置をドクター42の位置に回転させることで、同様に、現像領域に現像剤が供給されなくなる。
このように、画像形成しない時の現像剤量が画像形成する時の現像剤量より少なくすることで、画像形成時の待ち時間を少なくするためには、現像剤を現像ローラに搬送しておかないと現像ローラ41上に現像剤を搬送するのに時間がかかる。かつ、現像領域での圧力を受けて疲労させないための両立として少ない現像剤量にする制御をすることとした。さらに、画像形成しない時の現像剤量は、まったく存在させないことが好ましいが、それだと現像装置40の設計の成立範囲が小さくなりすぎてしまうため、少ない現像剤量が存在しても劣化に対する効果が得られる。
【0024】
図12は、ドクターが現像ローラの上にある現像装置で、現像剤の流れを示す概略図である。
図10に示す現像装置40は、ドクター42が現像ローラ41の下にある下ドクター方式である。この場合は、上述したように、現像ローラ41を逆転させることで、現像領域に現像剤が供給されなくなる。しかし、図12に示すように、逆にドクター42の位置が現像ローラ41の上側にある上ドクター方式の現像装置40では、逆回転させてもマグネットの設計によっては現像剤がつれまわってしまう場合がある。
図13は、ドクターが現像ローラの上にある現像装置で、マグネットを回転させた時の現像剤の流れを示す概略図である。
上ドクター方式のように、現像ローラ41の回転方向の制御では、現像領域の現像剤量を低減させるのが難しい場合には、剤離れ位置がドクター42の位置に一致するようマグネットを回転させることにより現像領域の現像剤量を低減させることができる。
【0025】
また、本発明における現像装置40で、現像ローラ41の回転方向、マグネットの角度の切り替えは、以下の(1)、(2)、(3)に該当するタイミングで行った。この切り換えのタイミングの(1)、(2)、(3)が連続して続く場合には、元の回転方向、マグネットの角度に戻さずに切り替えた状態のままにしておいた。
(1)出力する画像の中に、ある色のトナーが形成する画像面積率が0%の場合に、その画像面積率が0%の色のトナーを収納している現像装置40の現像ローラ41の回転方向、マグネットの角度の切り替える。例えば、モノクロ印刷時のカラートナー、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の現像装置40で切り替える。また、例えば、イエロー(Y)の画像を出力中の、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像装置40で切り替える。
(2)記録部材9の搬送するときに、記録部材9を隙間無く連続して搬送するのではなく、ある一定の間隔を設けながら搬送している。記録部材9の搬送におけるその間隔で、現像装置40の現像ローラ41の回転方向、マグネットの角度の切り替える。
(3)また、朝一等の画像形成装置の立ち上げ時における画像形成装置の調整時、また、現像剤を攪拌してトナー帯電量を調整する立ち上げ時に現像装置40の現像ローラ41の回転方向、マグネットの角度の切り替える。
この他にも、現像装置40の動作を止める場合に適宜に現像装置40の現像ローラ41の回転方向、マグネットの角度の切り替えることができる。
【0026】
また、現像領域に現像剤を供給しないように切り替える際、現像領域から完全に現像剤がいなくなるまでには、現像ローラ41を1〜2周回転させる。
また、逆に、再度現像領域に現像剤を供給するよう切り替えた際に、供給量が安定するまでに、現像ローラ41を1〜2周回転させる。
したがって、例えば、上記(2)の場合では、プロセス線速a[mm/s]、紙間b[mm]、スリーブ線速c[mm/s]、スリーブ径d[mm]の場合、
記録部材9の間の時間b/a>現像ローラの1周にかかる時間πd/c[s]×(1〜2[周])………式(1)
上記式(1)を満足する関係にないと、切り替えることによる効果は得られない。
【0027】
また、現像領域に現像剤がいかないよう現像ローラ41の回転方向、マグネットの角度の切り替えている際も、供給・撹拌スクリュ43、44や現像ローラ41は駆動させた。
この場合でも、現像領域さえ通過させないようにすれば、現像剤の撹拌は、現像装置40内にひどく劣化しているトナーも、補給された直後の新トナーがある場合でも、トナーの劣化度合いを平均化することができる。
ただし、現像ローラ41へ現像剤を供給する供給・撹拌スクリュ43、44と現像ローラ41から離れた剤を回収する図示しない回収スクリュとが異なる現像装置40の場合は、現像領域に現像剤を供給しない状態で回収スクリュを回転させてしまうと、現像ローラ41上の剤バランスが崩れてしまうという問題が発生してしまう。したがって、この現像装置40で現像領域に現像剤がいかないよう制御している間は、回収スクリュの回転を止める必要がある。
本実施形態の構成でランニング試験を行ったところ、現像領域に現像剤がいる時間を従来の約半分に減らすことができた。それにより、吐き出しモードを設定しなくても、今まで起こっていたトナー飛散・地汚れや流動性低下による汲み上げ不良が観察されなくなった。
【符号の説明】
【0028】
1 画像形成装置
2 画像形成ユニット/プロセスカートリッジ
3 像担持体/感光体
4 読取装置
5 自動原稿搬送装置(ADF)
6 画像形成部
7 露光装置
9 記録部材
10 帯電装置
11 帯電ローラ
20 クリーニング装置
21 クリーニングブレード
22 廃トナー回収コイル
30 潤滑剤塗布装置
31 ブラシローラ
32 固形潤滑剤
33 加圧バネ
34 潤滑剤塗布ブレード
40 現像装置
41 現像ローラ
42 規制部材
43、44 供給・撹拌スクリュ
45 トナー補給カートリッジ
46 現像剤分離板
48 トナー補給経路
50 転写装置
51 中間転写ベルト
52 一次転写ローラ
531、532、533、534 支持ローラ
54 二次転写ローラ
55 中間転写ベルトクリーニング装置
60 給紙装置
61 給紙カセット
62 給紙ローラ
63 レジストローラ
64 排紙ローラ
70 定着装置
90 排紙装置
91 排紙部
92 排紙口
93 排紙ローラ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】特開2003−076079
【特許文献2】特開2004−279616

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、
トナーとキャリアを含む現像剤と、該現像剤を担持すると共に前記静電潜像を前記現像剤中に含まれるトナーにより顕像化する現像剤担持体と、該現像剤担持体に前記現像剤を供給する現像剤供給部材とを備える現像装置と、を有する画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
前記像担持体と前記現像剤担持体とで形成する近接部(以下、「現像領域」と記す。)に存在する現像剤量が、画像形成する時の現像剤量と画像形成しない時の現像剤量とが異なり、かつ、画像形成しない時の現像剤量が画像形成する時の現像剤量より少ない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成しない時の現像剤量が、前記画像形成する時の現像剤量の1/10以下である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、
像担持体と現像装置とを、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック用に備えている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えるタイミングは、記録媒体の間である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成装置において、
画像形成ユニット(イエロー、シアン、マゼンタ)の現像領域の現像剤量を前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えるタイミングは、モノクロ画像作像時である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像領域の現像剤量を前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えるタイミングは、画像形成が行われない時間が、ある規定した時間T(sec.)に達した時である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えるタイミングは、朝一に行われる画像形成装置の調整時である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替えた時も現像ローラ・現像剤供給部材は駆動している
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、
現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替える際には、現像ローラの回転方向を通常と逆方向に回転させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、
前記規制部材は、現像剤担持体の下側(重力方向)に設置されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置において、
現像剤担持体の剤ばなれ位置に現像剤分離板が設けられている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像領域の現像剤量を、前記画像形成しない時の現像剤量に切り替える際には、現像剤担持体内のマグネットを回転させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成装置において、
現像剤担持体内のマグネットの剤離れ位置に、ドクターの位置にくるように回転させる
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−163885(P2012−163885A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25752(P2011−25752)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】