説明

画像補正プログラム

【課題】画像の誤補正を防止し、補正の精度を高めること。
【解決手段】入力画像データ格納部110に格納された入力画像データを所定の縮小率で縮小し縮小画像データを生成する縮小画像データ生成部101と、縮小画像データの複雑度を算出する複雑度算出部102と、複雑度に応じて、画像の画質を補正するためのカラーバランス・ハイライト補正量を算出するカラーバランス・ハイライト補正量算出部103と、カラーバランス・ハイライト補正量に基づいて、入力画像データに補正をかける画像補正部104とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画質向上を目的として画像に補正をかけるための画像補正プログラムに関するものであり、画像の誤補正を防止し、補正の精度を高めることができる画像補正プログラムに関するものである。
【0002】
近時では、デジタルカメラやカラープリンタなどの画像関連機器の普及や、計算機性能の向上により、一般ユーザがデジタルカラー画像を扱う機会が増えている。
【0003】
ところが、デジタルカメラなどから得られたデジタルカラー画像の画質は、例えば、暗すぎたり、コントラストが足りなかったりして、常に一般ユーザが満足のいくものとは限らない。このことから、従来より、一般ユーザが満足するようなきれいな画像になるように、画質を補正する技術が必要とされている。
【0004】
【従来の技術】
特開平11−317959号公報には、画像形成時にホワイトバランス補正を行う画像補正方法が開示されている。ここで、ホワイトバランス補正は、画像中の最も明るいハイライト部分、または最も暗いシャドウ部分の輝度値に補正をかけ、コントラストのより鮮明な画像を得ることを目的としている。
【0005】
図18は、従来の画像補正方法(ホワイトバランス補正方法)を説明するフローチャートである。同図に示したステップSA1では、R(赤)、G(緑)およびB(青)ごとの平均輝度であるRH 、GH およびBH に基づいて、画像の示すシーン(「夕焼け」のシーン等)、すなわち、画像特徴が判定される。
【0006】
ここで、平均輝度であるRH 、GH およびBH は、輝度が「240」以上「245」以下である画像領域に存在する画素のR、GおよびBごとの平均輝度であり、ヒストグラム解析から得られる統計的な特徴量である。
【0007】
ここで、上記シーンの判定方法としては、基本的にR、GおよびBの輝度の大きさの順番、および最大輝度を有する色と他の色の割合に応じて、シーンが判定される。例えば、画像のRH を「100」としたときのGH およびBH の値(0〜100)、およびGH とBH との大小関係によって、シーンが判定される。
【0008】
ステップSA2では、ステップSA1で判定されたシーンからホワイトバランス強度が設定される。図19(a)および(b)は、上記シーンとホワイトバランス強度との関係を示す図である。同図においては、ホワイトバランスを完全にとる場合をホワイトバランス強度が100%、全くとらない場合がホワイトバランス強度が0%と定義する。
【0009】
図19(a)に示した例では、シーンA、B、Cに応じて、ホワイトバランス強度(%)が適当に設定されることによって、ホワイトバランスのとりかたが変更される。
【0010】
一方、図19(b)に示した例では、通常のシーンの場合、完全に真っ白にならないように、ホワイトバランス強度が70%に設定される。これに対して、夕焼けのシーンの場合には、通常のシーンよりも弱めにホワイトバランスが調整されるように、ホワイトバランス強度が30%に設定される。
【0011】
ステップSA3では、ステップSA2で設定されたホワイトバランス強度に基づいて、平均輝度であるRH 、GH およびBH が補正される。
【0012】
このように、従来の画像補正方法では、シーン別にホワイトバランス強度(補正量)を低減し、不正に大きな補正がかからないようにしている。
【0013】
例えば、夕焼けのシーンに対応する画像では、図19(b)に示したように、ホワイトバランス強度を30%という具合に、大きく抑えて(70%減)、画質劣化が防止される。また、通常のシーンに対応する画像では、ホワイトバランス強度を70%という具合に多少抑えて(30%減)いる。
【0014】
このように、従来の画像補正方法では、シーン判定にミスが発生した場合であっても、補正後の画像に大きな不具合が生じないように、ホワイトバランス強度が設定される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、従来の画像補正方法においては、画像のシーンを判別した後、図19(a)および(b)に示したように、シーンに応じて補正量としてのホワイトバランス強度を設定している。
【0016】
しかしながら、精度高くシーンを判別することが難しく、誤補正(補正過剰や補正不足)が発生する。例えば、図19(b)に示した例では、通常のシーンで70%のホワイトバランス強度としているが、誤補正の程度が画像の内容に大きく依存するため、必ずしも70%で誤補正を回避できるとは限らない。
【0017】
また、従来の画像補正方法においては、画像の統計的な特徴量に基づいて補正が行われているが、画像の構成によっては誤補正が生じるという問題があった。
【0018】
例えば、図20に示したカラー画像10と図22に示したカラー画像20とでは、図21および図23に示したように、得られるヒストグラムの形状が大きく異なる。
【0019】
すなわち、図20に示したカラー画像10は、赤色の花11、茶色の土12および緑色の茎13という各要素から構成されている。
【0020】
図21(a)は、図20に示したカラー画像10におけるR(赤色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。図21(b)は、カラー画像10におけるG(緑色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。図21(c)は、カラー画像10におけるB(青色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。
【0021】
一方、図22に示したカラー画像20は、赤色の花21、白色の花22、茶色の土23および緑色の茎24という各要素から構成されている。このカラー画像20は、図20に示した赤色の花11に隣接した白色の花22も撮影されたものである。従って、図22に示した赤色の花21は、赤色の花11(図20参照)に対応している。
【0022】
図23(a)は、図22に示したカラー画像20におけるR(赤色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。図23(b)は、カラー画像20におけるG(緑色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。図23(c)は、カラー画像20におけるB(青色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。
【0023】
ここで、図21(a)、(b)および(c)にそれぞれ示したヒストグラムを比べてみると、図21(a)に示したR(赤色)のヒストグラムだけが高い輝度が分布しており、他のG(緑色)およびB(青色)のヒストグラムに高い輝度が分布していないことから、ホワイトバランスが悪い。
【0024】
従って、図21(a)、(b)および(c)にそれぞれ示したヒストグラムを基準として、カラーバランス補正を行った場合には、誤補正となる。
【0025】
これに対して、図23(a)、(b)および(c)にそれぞれ示したヒストグラムを比べてみると、R(赤色)、G(緑色)およびB(青色)のヒストグラムにそれぞれ高い輝度が分布していることから、ホワイトバランスが良い。
【0026】
従って、図23(a)、(b)および(c)にそれぞれ示したヒストグラムを基準として、カラーバランス補正を行った場合には、適切な補正となる。
【0027】
このように、従来では、画像における構成要素の数や配置状況によって、誤補正が生じたり、生じなかったりという不安定な現象が発生する。例えば、カラー画像10(図20参照)、カラー画像20(図22参照)およびカラー画像30(図24参照)という構成要素数が異なるカラー画像を比較した場合には、構成要素数が少ないほど、補正に関して不安定さが増加する傾向にある。
【0028】
また、図25に示したカラー画像40の場合には、青色の青空41および白色の雪42という極めて明るい色の構成要素しか存在しないため、誤補正が発生しやすい傾向にある。なお、図26に示したカラー画像50の場合には、青色の青空51、白色の雪52および家53という具合に構成要素の数が多いため、誤補正が発生しにくい傾向にある。
【0029】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、画像の誤補正を防止し、補正の精度を高めることができる画像補正プログラムを提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータを、画像の複雑度を算出する複雑度算出手段、前記複雑度に応じて、前記画像の画質を補正するための補正量を算出する補正量算出手段、前記補正量に基づいて、前記画像の画質を補正する補正手段として機能させるための画像補正プログラムである。
【0031】
この発明によれば、画像の複雑度を算出し、この複雑度に応じた、画像の画質を補正するための補正量に基づいて、画像の画質を補正することとしたので、従来の画像のシーンの判定結果に基づく補正に比べて、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明にかかる画像補正プログラムの実施の形態1〜4について詳細に説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかる実施の形態1の構成を示すブロック図である。この図において、画像補正装置100は、画像の複雑度に着目し、複雑度に応じて、画像に対して、カラーバランス・ハイライトの補正をかける装置である。
【0034】
ここで、実施の形態1の動作原理について、図2(a)〜(i)を参照して説明する。図2(a)に示した入力画像データ60は、補正前の原画像データであり、赤色の花61、茶色の土62、緑色の茎63および白色の虫64という構成要素からなる。
【0035】
実施の形態1では、入力画像データ60の画素数を減らし、図2(a)に示した縮小画像データ60A(第一縮小画像のデータ)が生成される。この縮小画像データ60Aは、例えば、20000画素から構成されており、入力画像データ60に比べて、解像度が低い。
【0036】
実施の形態1では、縮小画像データ60Aの複雑度が、予め設定された複雑度しきい値を超えている場合、すなわち、複雑度が中、高である場合、縮小画像データ60Aに対応するヒストグラム(図2(c)、(d)および(e))に基づいて、カラーバランス・ハイライト補正量が算出される。
【0037】
図2(c)は、図2(b)に示した縮小画像データ60AにおけるR(赤色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。図2(d)は、縮小画像データ60AにおけるG(緑色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。図2(e)は、縮小画像データ60AにおけるB(青色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。
【0038】
具体的には、図2(c)〜(e)に示した各ヒストグラムにおける輝度の上位1%の平均輝度に基づいて、カラーバランス・ハイライト補正量が算出され、入力画像データ60が補正される。
【0039】
カラーバランス・ハイライト補正は、図3に示したように、入力画像データにおけるR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各輝度を表す入力(R、G、B)を出力(R、G、B)へと比例式で変換することである。
【0040】
ここで、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)に対応するカラーバランス・ハイライト補正量を(R、G、B)、補正前のRGB輝度値を(R、G、B)、補正後のRGB輝度値を(R、G、B)とすると、(R、G、B)は、以下の(1)式〜(3)式で表される。但し、RGB輝度値の最大値は、255である。
【0041】
=255(255−R)R  ・・・・(1)
=255(255−G)G  ・・・・(2)
=255(255−B)B  ・・・・(3)
【0042】
つまり、(1)式〜(3)式では、(255−カラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B))を255に変換するように比例演算することにより、カラーバランス・ハイライト補正が行われる。言い換えれば、カラーバランス・ハイライト補正では、(255−R、255−G、255−B)が(255、255、255)、つまり白色に変換される。
【0043】
例えば、(255−R、255−G、255−B)が何らかの色味(緑色っぽさ)を帯びている場合、カラーバランス・ハイライト補正では、その色がちょうど白くなるように補正されるため、その色味が消える。
【0044】
また、上記色味がカラーバランスのくずれ(色かぶり)に相当している場合には、カラーバランスが是正されることになる。
【0045】
さらに、(255−R、255−G、255−B)が255より低いレベルのやや暗い色の場合には、その色がちょうど白くなるため、やや暗かった色が白くなるように補正される。また、ハイライトが白くなく、やや暗い色である場合には、白くしたいハイライト相当の色がちょうどよく補正されることになる。
【0046】
一方、図2(b)に示した縮小画像データ60Aの複雑度が、予め設定された複雑度しきい値以下である場合、すなわち、複雑度が低である場合、縮小率を落として入力画像データ60から、図2(f)に示した縮小画像データ60B(第二縮小画像のデータ)が生成される。この縮小画像データ60Bは、例えば、100000画素から構成されており、入力画像データ60に比べて、解像度が低いが、縮小画像データ60Aに比べて解像度が高い。
【0047】
つぎに、図2(f)に示した縮小画像データ60Bに対応するヒストグラム(図2(g)、(h)および(i))に基づいて、カラーバランス・ハイライト補正量が算出される。
【0048】
図2(g)は、図2(f)に示した縮小画像データ60BにおけるR(赤色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。図2(h)は、縮小画像データ60BにおけるG(緑色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。図2(i)は、縮小画像データ60BにおけるB(青色)の輝度分布(0〜255)を表すヒストグラムである。
【0049】
具体的には、図2(g)〜(i)に示した各ヒストグラムにおける輝度の上位0.5%の平均輝度に基づいて、カラーバランス・ハイライト補正量が算出され、入力画像データ60が補正される。
【0050】
図1に戻り、画像補正装置100において、入力画像データ格納部110は、補正対象である入力画像データを格納する。入力画像データは、例えば、デジタルカメラで撮影されたデジタルカラー画像のデータである。
【0051】
縮小画像データ生成部101は、入力画像データ格納部110からの入力画像データを所定の縮小率で縮小、すなわち、画素数を減らし、縮小画像データを生成する。従って、縮小画像データは、入力画像データ(原画像データ)に比べて、画素数が少ないため、解像度が低く、粗い画像のデータとなる。
【0052】
ここで、入力画像データを縮小する理由は、ある程度画素数を減らした画像であっても画像の特徴を解析が可能であるため、処理対象の画像のデータ量を減らし、後段の処理の高速化を図るためである。
【0053】
なお、超高速処理が可能な場合や、高速処理が要求されていない場合には、入力画像データを縮小せずに、入力画像データを使って後段の処理を行ってもよい。
【0054】
縮小画像データ格納部120は、縮小画像データ生成部101で生成された縮小画像データを格納する。複雑度算出部102は、縮小画像データ格納部120に格納された縮小画像データを対象として、クラスタリングの手法により画像の複雑度を算出する。クラスタリングとは、画像中の点集合(構成要素)を位置関係等によってグループ分けすることをいう。
【0055】
複雑度データ格納部130は、複雑度算出部102により算出された複雑度を複雑度データとして格納する。カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、複雑度データ格納部130からの複雑度データに応じて、入力画像データに対するカラーバランス・ハイライト補正量(図3参照)を算出する。
【0056】
カラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140は、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103により算出されたカラーバランス・ハイライト補正量をカラーバランス・ハイライト補正量データとして格納する。
【0057】
画像補正部104は、カラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140に格納されたカラーバランス・ハイライト補正量データに基づいて、入力画像データ格納部110に格納された入力画像データのカラーバランス・ハイライトを補正し、補正済画像データを生成する。補正済画像データ格納部150は、画像補正部104により生成された補正済画像データを格納する。
【0058】
つぎに、実施の形態1の動作について、図4〜図8に示したフローチャートを参照しつつ説明する。図4に示したステップSB1では、縮小画像データ生成部101は、入力画像データ格納部110に格納された入力画像データから縮小画像データを生成するための縮小画像データ生成処理を実行する。
【0059】
具体的には、図5に示したステップSC1では、縮小画像データ生成部101は、入力画像データ格納部110から読み出した入力画像データ(入力画像データ60:図2(a)参照)の画素数が、画素しきい値TH1未満であるか否かを判断する。
【0060】
ステップSC1の判断結果が「Yes」である場合には、縮小画像データ生成部101は、画像の特徴を解析するのに十分な画素数を有さないため、処理対象外として処理を終了する。
【0061】
なお、ステップSC1の判断結果が「Yes」である場合に、強制的に処理を続行してもよい。この場合には、明示的な縮小処理を行わず、画素数が画素しきい値TH1以下の入力画像データが、縮小画像データとして縮小画像データ格納部120に格納される。
【0062】
一方、ステップSC1の判断結果が「No」である場合、ステップSC2では、縮小画像データ生成部101は、入力画像データの画素数が画素しきい値TH1を超えているか否かを判断する。
【0063】
ステップSC2の判断結果が「Yes」である場合、ステップSC3では、縮小画像データ生成部101は、縮小処理後の画素数が画素しきい値TH1/画素数(入力画像データの画数数)となるように、画素数を減らし、縮小画像データ(縮小画像データ60A:図2(b)参照)を生成する。この縮小画像データは、入力画像データに比べて、画素数が減っているため、解像度が低い。
【0064】
ステップSC4では、縮小画像データ生成部101は、縮小画像データ格納部120に、ステップSC3で生成された縮小画像データを格納する。
【0065】
一方、ステップSC2の判断結果が「No」である場合、すなわち、入力画像データの画素数が画素しきい値TH1と等しい場合、ステップSC4では、縮小画像データ生成部101は、明示的な縮小処理を行わず、上記入力画像データを縮小画像データとして縮小画像データ格納部120に格納する。
【0066】
図4に戻り、ステップSB2では、複雑度算出部102は、縮小画像データ格納部120に格納された縮小画像データを対象として、画像の複雑度を算出するための複雑度算出処理を実行する。
【0067】
具体的には、図6に示したステップSD1では、複雑度算出部102は、縮小画像データ格納部120に格納された縮小画像データに基づいて、縮小画像をクラスタリングする。
【0068】
このクラスタリングは、縮小画像データに対応する特徴空間に与えられた複数の画素集合(特徴)を、それらの分布状態からいくつからのクラスタに自動的に分割する処理である。
【0069】
クラスタリングの手法としては、NN(Nearest Neighbor)法などが挙げられる。上記NN法においては、しきい値は例えば32とし、ノイズを除去するために100画像以下の画素集合をクラスタに含めないようにしてもよい。なお、NN法においては、RGB値を均等色空間であるL空間などに変換してもよい。
【0070】
ステップSD2では、複雑度算出部102は、上記クラスタリングの結果よりクラスタ数を確認する。ステップSD3では、複雑度算出部102は、クラスタ数を複雑度とする。ステップSD4では、複雑度算出部102は、複雑度を複雑度データとして複雑度データ格納部130に格納する。
【0071】
図4に戻り、ステップSB3では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、複雑度データ格納部130に格納された複雑度データから得られる複雑度が、例えば、10以下(複雑度が低)であるか否かを判断する。
【0072】
ステップSB3の判断結果が「No」である場合、ステップSB4では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、例えば、図2(b)に示した縮小画像データ60Aに対応する複雑度が中または高の場合の補正量を算出するための中高複雑度補正量算出処理を実行する。
【0073】
具体的には、図7に示したステップSE1では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、図2(b)に示した縮小画像データ60Aに対応するR(赤色)、G(緑色)、B(青色)のヒストグラム(図2(c)、(d)および(e))を求め、各ヒストグラム(R、G、B)における輝度の上位1%の平均輝度(R、G、B)を算出する。
【0074】
ステップSE2では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、最大輝度255と、ステップSE1で算出された平均輝度(R、G、B)との差分(255−R、255−G、255−B)をカラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)とする。
【0075】
ステップSE3では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、カラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)をカラーバランス・ハイライト補正量データとしてカラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140に格納する。
【0076】
一方、図4に示したステップSB3の判断結果が「Yes」である場合、ステップSB7では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、複雑度が低の場合の補正量を算出するための低複雑度補正量算出処理を実行する。
【0077】
具体的には、図8に示したステップSF1では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、複雑度が低く、画像補正の信頼性が低いと想定されるため、縮小率を落として入力画像データ格納部110の入力画像データ(入力画像データ60(図2(a)参照))から、図2(f)に示した縮小画像データ60B(第二縮小画像のデータ)を生成する。
【0078】
この縮小画像データ60Bは、例えば、100000画素から構成されており、入力画像データ60に比べて、解像度が低いが、縮小画像データ60Aに比べて解像度が高い。
【0079】
ステップSF2では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、図2(f)に示した縮小画像データ60Bに対応するR(赤色)、G(緑色)、B(青色)のヒストグラム(図2(g)、(h)および(i))を求め、各ヒストグラム(R、G、B)における輝度の上位0.5%の平均輝度を(R、G、B)として算出する。
【0080】
ステップSF3では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、最大輝度255と、ステップSF2で算出された平均輝度(R、G、B)との差分(255−R、255−G、255−B)をカラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)とする。
【0081】
ステップSF4では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部103は、カラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)をカラーバランス・ハイライト補正量データとしてカラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140に格納する。
【0082】
なお、実施の形態1では、ステップSE1(図7参照)およびステップSF2(図8参照)で平均輝度を算出する範囲を表す比率(1%、0.5%)や、ステップSF1(図8参照)における第二縮小画像データを生成する際の画素数を一義的に定めた例について説明したが、上記比率(NP )および上記画素数(RP )をつぎの(4)式および(5)式から算出してもよい。但し、NR は、複雑度である。
【0083】
=−8000・N+108000 ・・・・(4)
=0.05・N+0.45    ・・・・(5)
【0084】
図4に戻り、ステップSB5では、画像補正部104は、入力画像データ格納部110から入力画像データを読み出した後、カラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140からカラーバランス・ハイライト補正量データを読み出す。
【0085】
つぎに、画像補正部104は、前述した(1)式から(3)式により、入力画像データに、カラーバランス・ハイライト補正量データに対応するカラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)を適用し、補正済画像データを生成する。
【0086】
すなわち、カラーバランス・ハイライト補正では、入力画像データにおけるR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各輝度を表す入力(R、G、B)が、出力(R、G、B)へ変換される(図3参照)。なお、(R、G、B)は、前述した(1)式〜(3)式で表される。
【0087】
ステップSB6では、画像補正部104は、補正済画像データを補正済画像データ格納部150に格納する。
【0088】
なお、実施の形態1では、画像の構成要素の数を複雑度としてもよい。構成要素の数は、画像のレベル値や、レベル値を変換して得られた値(例えば、RGB値を均等色空間に変換して得られた値)に基づく特徴空間を対象とするクラスタリングにより算出される。また、上記特徴空間に代えて、画像空間を対象としてクラスタリングを行ってもよい。
【0089】
また、実施の形態1では、画像の周波数分布を解析した結果に基づいて、複雑度を算出してもよい。この場合には、画像を、例えば8×8のブロックに分割して、ブロックごとに直交変換を行い、予め設定されたしきい値以上の高周波成分が存在するブロックの数を計数すればよい。ここでは、計数されたブロック数が多い画像ほど、複雑度が高い。
【0090】
また、実施の形態1では、画像の部位ごとのレベル値の変動に応じて複雑度を算出してもよい。この場合には、4隣接(上下左右)画素とのレベル差の最大値が、しきい値を超える画素の数を計数すればよい。ここでは、計数された画素の数が多いほど、複雑度が高い。
【0091】
また、実施の形態1では、画像のエッジを検出し、検出されたエッジをレベル値が大きい上記部位としてもよい。この場合には、エッジの強度が、しきい値よりも大きい画素の数を計数すればよい。ここでは、計数された画素の数が多いほど、複雑度が高い。
【0092】
以上説明したように、実施の形態1によれば、複雑度算出部102で画像の複雑度を算出し、この複雑度に応じた、画像の画質を補正するためのカラーバランス・ハイライト補正量に基づいて、入力画像データに対してカラーバランス・ハイライト補正を行うこととしたので、従来の画像のシーンの判定結果に基づく補正に比べて、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができる。
【0093】
また、実施の形態1によれば、複雑度に応じて、補正量の算出方法(ステップSB4、ステップSB7:図4参照)を変更することしたので、よりきめ細かい基準で補正を行うことができ、さらに補正の精度を高めることができる。
【0094】
また、実施の形態1によれば、図7および図8を参照して説明したように、複雑度に応じた所定の縮小率で縮小された縮小画像に基づいて、複雑度を算出することとしたので、縮小に伴う処理量の低減により、処理速度の高速化を図ることができる。
【0095】
また、実施の形態1によれば、複雑度が高であるほど複雑度係数を小さくすることとしたので、例えば、図24に示したような複雑な構図の画像(複雑度が高)に対してカラーバランス・ハイライト補正量が過剰に抑制されることがないため、補正の精度を高めることができる。なお、図20に示したような単純な構図の画像(複雑度が低)においては、カラーバランス・ハイライト補正量が抑制され、画像の誤補正を防止することができる。
【0096】
(実施の形態2)
さて、前述した実施の形態1では、図4に示したように、画像の複雑度に応じて(ステップSB3)、カラーバランス・ハイライト補正量の算出方法を変更(ステップSB4またはステップSB7)する例について説明したが、複雑度に応じて、カラーバランス・ハイライト補正量に重み付けを行うように構成してもよい。以下では、この構成例を実施の形態2として説明する。
【0097】
図9は、本発明にかかる実施の形態2の構成を示すブロック図である。この図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0098】
同図に示した画像補正装置200においては、図1に示したカラーバランス・ハイライト補正量算出部103に代えて、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201と、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202とが設けられており、カラーバランス・ハイライト仮補正量データ格納部210が新たに設けられている。
【0099】
カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201は、前述した中高複雑度補正量算出処理(図7参照)と同様の処理を経て、入力画像データに対するカラーバランス・ハイライト仮補正量を算出し、これをカラーバランス・ハイライト仮補正量データとしてカラーバランス・ハイライト仮補正量データ格納部210に格納する。
【0100】
カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、画像の複雑度に応じて重みとしての複雑度係数を求め、カラーバランス・ハイライト仮補正量に上記複雑度係数を乗算した結果をカラーバランス・ハイライト補正量として算出する。
【0101】
つぎに、実施の形態2の動作について図10および図11に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
【0102】
図10に示したステップSG1では、図9に示した縮小画像データ生成部101は、ステップSB1(図4参照)と同様にして、入力画像データ格納部110に格納された入力画像データから縮小画像データを生成するための縮小画像データ生成処理を実行する。
【0103】
ステップSG2では、複雑度算出部102は、ステップSB2(図4参照)と同様にして、縮小画像データ格納部120に格納された縮小画像データを対象として、画像の複雑度を算出する。
【0104】
ステップSG3では、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201は、カラーバランス・ハイライト仮補正量を算出するためのカラーバランス・ハイライト仮補正量算出処理を実行する。
【0105】
具体的には、図11に示したステップSH1では、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201は、ステップSE1(図7参照)と同様にして、例えば、図2(b)に示した縮小画像データ60Aに対応するR(赤色)、G(緑色)、B(青色)のヒストグラム(図2(c)、(d)および(e))を求め、各ヒストグラム(R、G、B)における輝度の上位1%の平均輝度を(R、G、B)として算出する。
【0106】
ステップSH2では、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201は、ステップSE2(図7参照)と同様にして、最大輝度255と、ステップSH1で算出された平均輝度(R、G、B)との差分(255−R、255−G、255−B)をカラーバランス・ハイライト仮補正量(R、G、B)とする。
【0107】
ステップSH3では、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201は、ステップSE3(図7参照)と同様にして、カラーバランス・ハイライト仮補正量(R、G、B)をカラーバランス・ハイライト仮補正量データとしてカラーバランス・ハイライト仮補正量データ格納部210に格納する。
【0108】
図10に戻り、ステップSG4では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、複雑度データ格納部130に格納された複雑度データに基づいて、画像の複雑度に応じた複雑度係数を求めた後、カラーバランス・ハイライト仮補正量に上記複雑度係数を乗算した結果をカラーバランス・ハイライト補正量として算出する。
【0109】
具体的には、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、複雑度データから得られる複雑度N が、複雑度しきい値(例えば、10)以下である場合、複雑度係数S を(NR /10)とする。一方、複雑度NR が、上記複雑度しきい値を超えている場合、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、複雑度係数SR を1とする。
【0110】
つぎに、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、つぎの(6)式〜(8)式に示したように、カラーバランス・ハイライト仮補正量(R、G、B)の各値に上記複雑度係数SR を乗算した結果をカラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)とする。
【0111】
=S・R  ・・・(6)
=S・G  ・・・(7)
=S・B  ・・・(8)
【0112】
ステップSG5では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、上記カラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)をカラーバランス・ハイライト補正量データとしてカラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140に格納する。
【0113】
ステップSG6では、画像補正部104は、入力画像データ格納部110から入力画像データを読み出した後、カラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140からカラーバランス・ハイライト補正量データを読み出す。
【0114】
つぎに、画像補正部104は、ステップSB5(図4参照)と同様にして、前述した(1)式から(3)式により、入力画像データに、カラーバランス・ハイライト補正量データに対応するカラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)を適用し、補正済画像データを生成する。
【0115】
ステップSG7では、画像補正部104は、補正済画像データを補正済画像データ格納部150に格納する。
【0116】
以上説明したように、実施の形態2によれば、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201でカラーバランス・ハイライト仮補正量を算出した後、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202で、複雑度に応じてカラーバランス・ハイライト仮補正量を調整した結果、すなわち、複雑度に応じて複雑度係数をカラーバランス・ハイライト仮補正量に乗算した結果を補正量とすることとしたので、従来の画像のシーンの判定結果に基づく補正に比べて、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができる。
【0117】
(実施の形態3)
さて、前述した実施の形態2においては、図9に示したカラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201およびカラーバランス・ハイライト補正量算出部202を別々に設けた例について説明したが、これらを統合する構成としてもよい。以下では、この構成例を実施の形態3として説明する。
【0118】
図12は、本発明にかかる実施の形態3の構成を示すブロック図である。この図において、図9の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。
【0119】
同図に示した画像補正装置300においては、図9に示したカラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202およびカラーバランス・ハイライト仮補正量データ格納部210に代えてカラーバランス・ハイライト補正量算出部301が設けられている。
【0120】
カラーバランス・ハイライト補正量算出部301は、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201およびカラーバランス・ハイライト補正量算出部202の双方の機能を備えている。
【0121】
つぎに、実施の形態3の動作について図13に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
【0122】
図13に示したステップSI1では、図12に示した縮小画像データ生成部101は、ステップSB1(図4参照)と同様にして、縮小画像データ生成処理を実行する。
【0123】
ステップSI2では、複雑度算出部102は、ステップSB2(図4参照)と同様にして、画像の複雑度を算出する。
【0124】
ステップSI3では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部301は、図11に示したステップSH1およびステップSH2と同様にして、カラーバランス・ハイライト仮補正量を算出するためのカラーバランス・ハイライト仮補正量算出処理を実行する。
【0125】
すなわち、カラーバランス・ハイライト補正量算出部301は、カラーバランス・ハイライト仮補正量(R、G、B)を算出する。
【0126】
ステップSI4では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部301は、ステップSG4(図10参照)と同様にして、複雑度データ格納部130に格納された複雑度データに基づいて、画像の複雑度に応じた複雑度係数を求めた後、カラーバランス・ハイライト仮補正量に上記複雑度係数を乗算した結果をカラーバランス・ハイライト補正量として算出する。
【0127】
具体的には、カラーバランス・ハイライト補正量算出部301は、複雑度データから得られる複雑度N が、複雑度しきい値(例えば、10)以下である場合、複雑度係数S を(NR /10)とする。一方、複雑度NR が、上記複雑度しきい値を超えている場合、カラーバランス・ハイライト補正量算出部301は、複雑度係数SR を1とする。
【0128】
つぎに、カラーバランス・ハイライト補正量算出部301は、前述した(6)式〜(8)式に示したように、カラーバランス・ハイライト仮補正量(R、G、B)の各値に上記複雑度係数SR を乗算した結果をカラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)とする。
【0129】
ステップSI5では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部301は、ステップSG5(図10参照)と同様にして、上記カラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)をカラーバランス・ハイライト補正量データとしてカラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140に格納する。
【0130】
ステップSI6では、画像補正部104は、入力画像データ格納部110から入力画像データを読み出した後、カラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140からカラーバランス・ハイライト補正量データを読み出す。
【0131】
つぎに、画像補正部104は、前述した(1)式から(3)式により、入力画像データに、カラーバランス・ハイライト補正量データに対応するカラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)を適用し、補正済画像データを生成する。
【0132】
ステップSI7では、画像補正部104は、補正済画像データを補正済画像データ格納部150に格納する。
【0133】
以上説明したように、実施の形態3によれば、実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0134】
(実施の形態4)
さて、前述した実施の形態1〜3においては、画像の複雑度に応じて、画質補正の一つとしてカラーバランス・ハイライト補正を行う例について説明したが、複数の補正(例えば、カラーバランス・ハイライト補正およびガンマ補正)を複雑度に応じて順次行うように構成してもよい。以下では、この構成例を実施の形態4として説明する。
【0135】
図14は、本発明にかかる実施の形態4の構成を示すブロック図である。同図において、図9の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。同図に示した画像補正装置400は、画像の複雑度に応じて、カラーバランス・ハイライト補正およびガンマ補正を行う機能を備えている。
【0136】
第一複雑度算出部401は、複雑度算出部102(図9参照)と同様の機能を備えており、縮小画像データ格納部120に格納された縮小画像データを対象として、クラスタリングの手法により画像の複雑度(実施の形態4では、第一複雑度と称する)を算出する。
【0137】
第一複雑度データ格納部410は、第一複雑度算出部401で算出された第一複雑度を第一複雑度データとして格納する。
【0138】
カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、実施の形態2の場合と同様にして、複雑度(但し、実施の形態4では第一複雑度)に応じて重みとしての複雑度係数を求める。
【0139】
また、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201で算出されたカラーバランス・ハイライト仮補正量に上記複雑度係数を乗算した結果をカラーバランス・ハイライト補正量として算出する。
【0140】
カラーバランス・ハイライト補正部402は、カラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140に格納されたカラーバランス・ハイライト補正量データに基づいて、縮小画像データ格納部120に格納された縮小画像データのカラーバランス・ハイライトを補正し、補正済縮小画像データを生成する。補正済縮小画像データ格納部420は、カラーバランス・ハイライト補正部402で生成された補正済縮小画像データを格納する。
【0141】
第二複雑度算出部403は、第一複雑度算出部401と同様にして、補正済縮小画像データ格納部420に格納された補正済縮小画像データを対象として、クラスタリングの手法により画像の第二複雑度を算出する。
【0142】
第二複雑度データ格納部430は、第二複雑度算出部403で算出された第二複雑度を第二複雑度データとして格納する。
【0143】
ガンマ補正量算出部404は、補正済縮小画像データ格納部420に格納された補正済縮小画像データよりガンマ補正のためのガンマ仮補正量γP を算出する。
【0144】
ここで、画像の階調の応答特性を表わすときには、図16に示した「ガンマ(γ)」という数値が使われる。例えば、ディスプレイの場合、出力(表面の明るさ)は、入力(入力電圧)に正比例せずに指数関数的な変化をする。
【0145】
同図に示したように、入力が小さいときは出力変化は緩やかで、入力が大きくなると明るさの変化が急激に大きくなる。この関係が2.0乗のカーブを描くとき、ガンマは2.0(γ=2.0)であるという。
【0146】
γ=1のときには、カーブが直線となる。ここで、スキャナやカラープリンタなど、画像データの入出力機器は、それぞれ固有のガンマ値をもっている。画像を忠実に再現するためには、入力から出力までの全体のガンマ値が1になるように補正するというガンマ補正を行う必要がある。
【0147】
一般に、ガンマ値が1より大きければ、コントラストがきつくなり、中間調のつぶれが起きやすくなる。一方、ガンマ値が1より小さいと、軟調なコントラストになり、ねぼけた画像になる。
【0148】
また、ガンマ補正量算出部404は、第二複雑度データ格納部430に格納された第二複雑度データに応じた複雑度係数SRR を算出する。また、ガンマ補正量算出部404は、つぎの(9)式に示したように、ガンマ仮補正量γ に複雑度係数SRR をべき乗した結果をガンマ補正量γc とする。
【0149】
γ=γ^SRR  (但し、「^」はべき乗を表す) ・・・(9)
【0150】
ガンマ補正量データ格納部440は、ガンマ補正量算出部404で算出されたガンマ補正量γ をガンマ補正量データとして格納する。
【0151】
画像補正部405は、カラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140に格納されたカラーバランス・ハイライト補正量データ、ガンマ補正量データ格納部440に格納されたガンマ補正量データの双方に基づいて、入力画像データ格納部110に格納された入力画像データに対してカラーバランス・ハイライト補正、ガンマ補正を行い、補正済画像データを生成する。補正済画像データ格納部450は、画像補正部405により生成された補正済画像データを格納する。
【0152】
つぎに、実施の形態4の動作について図15に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
【0153】
図15に示したステップSJ1では、図14に示した縮小画像データ生成部101は、ステップSB1(図4参照)と同様にして、縮小画像データ生成処理を実行する。これにより、縮小画像データ格納部120には、縮小画像データが格納される。
【0154】
ステップSJ2では、第一複雑度算出部401は、ステップSB2(図4参照)と同様にして、上記縮小画像データを対象として、第一複雑度を算出した後、第一複雑度データを第一複雑度データ格納部410に格納する。
【0155】
ステップSJ3では、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部201は、ステップSG3(図10参照)と同様にして、カラーバランス・ハイライト仮補正量算出処理を実行する。これにより、カラーバランス・ハイライト仮補正量データ格納部210には、カラーバランス・ハイライト仮補正量データが格納される。
【0156】
ステップSJ4では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、ステップSG4(図10参照)と同様にして、第一複雑度データ格納部410に格納された第一複雑度データに基づいて、画像の第一複雑度に応じた複雑度係数を求めた後、カラーバランス・ハイライト仮補正量に上記複雑度係数を乗算した結果をカラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)として算出する。
【0157】
ステップSJ5では、カラーバランス・ハイライト補正量算出部202は、上記カラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)をカラーバランス・ハイライト補正量データとしてカラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140に格納する。
【0158】
ステップSJ6では、カラーバランス・ハイライト補正部402は、縮小画像データ格納部120から縮小画像データを読み出した後、カラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140からカラーバランス・ハイライト補正量データを読み出す。
【0159】
つぎに、カラーバランス・ハイライト補正部402は、ステップSB5(図4参照)と同様にして、前述した(1)式から(3)式により、縮小画像データに、カラーバランス・ハイライト補正量データに対応するカラーバランス・ハイライト補正量(R、G、B)を適用し、補正済縮小画像データを生成する。
【0160】
ステップSJ7では、カラーバランス・ハイライト補正部402は、補正済縮小画像データを補正済縮小画像データ格納部420に格納する。
【0161】
ステップSJ8では、第二複雑度算出部403は、第一複雑度算出部401と同様にして、補正済縮小画像データ格納部420に格納された補正済縮小画像データを対象として、第二複雑度を算出した後、第二複雑度データとして第二複雑度データ格納部430に格納する。
【0162】
ステップSJ9では、ガンマ補正量算出部404は、補正済縮小画像データ格納部420に格納された補正済縮小画像データよりガンマ補正のためのガンマ仮補正量γP を算出する。
【0163】
ステップSJ10では、ガンマ補正量算出部404は、第二複雑度データ格納部430に格納された第二複雑度データに応じた複雑度係数SRR を算出した後、上述した(9)式からガンマ補正量γc を算出する。そして、ガンマ補正量算出部404は、ガンマ補正量γc をガンマ補正量データとしてガンマ補正量データ格納部440に格納する。
【0164】
ステップSJ11では、画像補正部405は、カラーバランス・ハイライト補正量データ格納部140に格納されたカラーバランス・ハイライト補正量データ、およびガンマ補正量データ格納部440に格納されたガンマ補正量データの双方に基づいて、入力画像データ格納部110に格納された入力画像データに対してカラーバランス・ハイライト補正およびガンマ補正を行い、補正済画像データを生成する。
【0165】
ステップSJ12では、画像補正部405は、ステップSJ11で生成された補正済画像データを補正済画像データ格納部450に格納する。
【0166】
以上説明したように、実施の形態4によれば、第一複雑度、第二複雑度に応じて、画像の画質にかかる複数種類の補正(カラーバランス・ハイライト補正、ガンマ補正)を行うための複数の補正量(カラーバランス・ハイライト補正量、ガンマ補正量)をカラーバランス・ハイライト補正量算出部202およびガンマ補正量算出部404でそれぞれ算出し、それぞれの補正量に基づいて、画像補正部405で複数種類の補正を行うこととしたので、従来の画像のシーンの判定結果に基づく補正に比べて、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができる。
【0167】
また、実施の形態4によれば、ガンマ補正量算出部404で、上述した(9)式に示したように、ガンマ仮補正量γ を調整した結果、すなわち、複雑度係数SRR をべき乗した結果をガンマ補正量γc とすることとしたので、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができる。
【0168】
以上本発明にかかる実施の形態1〜4について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこれらの実施の形態1〜4に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0169】
例えば、前述した実施の形態1〜4においては、画像補正装置100、200、300または400の機能を実現するためのプログラムを図17に示したコンピュータ読み取り可能な記録媒体600に記録して、この記録媒体600に記録されたプログラムを同図に示したコンピュータ500に読み込ませ、実行することにより各機能を実現してもよい。
【0170】
同図に示したコンピュータ500は、上記プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)510と、キーボード、マウス等の入力装置520と、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)530と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)540と、記録媒体600からプログラムを読み取る読取装置550と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置560と、装置各部を接続するバス570とから構成されている。
【0171】
CPU510は、読取装置550を経由して記録媒体600に記録されているプログラムを読み込んだ後、プログラムを実行することにより、前述した機能を実現する。なお、記録媒体600としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。
【0172】
(付記1)コンピュータを、
画像の複雑度を算出する複雑度算出手段、
前記複雑度に応じて、前記画像の画質を補正するための補正量を算出する補正量算出手段、
前記補正量に基づいて、前記画像の画質を補正する補正手段、
として機能させるための画像補正プログラム。
【0173】
(付記2)前記補正量算出手段は、前記複雑度に応じて、補正量の算出方法を変更することを特徴とする付記1に記載の画像補正プログラム。
【0174】
(付記3)前記コンピュータを、所定の縮小率で前記画像を縮小する縮小手段、前記複雑度に応じて前記画像の縮小率を決定する縮小率決定手段として機能させ、前記補正量算出手段は、前記縮小手段により縮小された縮小画像に基づいて、前記補正量を算出することを特徴とする付記1に記載の画像補正プログラム。
【0175】
(付記4)前記補正量算出手段は、前記画像の画質を補正するための仮補正量を算出した後、前記複雑度に応じて前記仮補正量を調整した結果を補正量とすることを特徴とする付記1に記載の画像補正プログラム。
【0176】
(付記5)前記補正量算出手段は、前記複雑度が高であるほど前記係数を小さくすることを特徴とする付記4に記載の画像補正プログラム。
【0177】
(付記6)前記複雑度算出手段は、前記画像を構成する要素の数を評価した結果に基づいて、前記複雑度を算出することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の画像補正プログラム。
【0178】
(付記7)前記複雑度算出手段は、画像の特徴部分をクラスタリングし、クラスタ数を前記複雑度とすることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の画像補正プログラム。
【0179】
(付記8)前記複雑度算出手段は、前記画像のレベル値に基づく特徴空間を対象としてクラスタリングを行うことを特徴とする付記7に記載の画像補正プログラム。
【0180】
(付記9)前記複雑度算出手段は、画像空間を対象としてクラスタリングを行うことを特徴とする付記7に記載の画像補正プログラム。
【0181】
(付記10)前記複雑度算出手段は、前記画像の周波数分布を解析した結果に基づいて、前記複雑度を算出することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の画像補正プログラム。
【0182】
(付記11)前記複雑度算出手段は、前記画像の部位ごとのレベル値の変動に応じて前記複雑度を算出することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の画像補正プログラム。
【0183】
(付記12)前記複雑度算出手段は、前記画像のエッジを検出し、検出されたエッジを前記レベル値が大きい前記部位とすることを特徴とする付記11に記載の画像補正プログラム。
【0184】
(付記13)前記補正量算出手段は、前記画像に対してカラーバランス・ハイライト補正を行うための補正量を算出することを特徴とする付記1〜12のいずれか一つに記載の画像補正プログラム。
【0185】
(付記14)前記補正量算出手段は、前記複雑度に応じて、前記画像の画質にかかる複数種類の補正を行うための複数の補正量をそれぞれ算出し、前記補正手段は、それぞれの補正量に基づいて、前記複数種類の補正を行うことを特徴とする付記1〜13のいずれか一つに記載の画像補正プログラム。
【0186】
(付記15)前記補正量算出手段は、前記画像に対してカラーバランス・ハイライト補正およびガンマ補正を行うための補正量を算出することを特徴とする付記14に記載の画像補正プログラム。
【0187】
(付記16)画像の複雑度を算出する複雑度算出手段と、
前記複雑度に応じて、前記画像の画質を補正するための補正量を算出する補正量算出手段と、
前記補正量に基づいて、前記画像の画質を補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像補正装置。
【0188】
(付記17)前記補正量算出手段は、前記複雑度に応じて、補正量の算出方法を変更することを特徴とする付記16に記載の画像補正装置。
【0189】
(付記18)所定の縮小率で前記画像を縮小する縮小手段と、前記複雑度に応じて前記画像の縮小率を決定する縮小率決定手段とを備え、前記補正量算出手段は、前記縮小手段により縮小された縮小画像に基づいて、前記補正量を算出することを特徴とする付記16に記載の画像補正装置。
【0190】
(付記19)前記補正量算出手段は、前記画像の画質を補正するための仮補正量を算出した後、前記複雑度に応じて前記仮補正量を調整した結果を補正量とすることを特徴とする付記16に記載の画像補正装置。
【0191】
(付記20)前記補正量算出手段は、前記複雑度が高であるほど前記係数を小さくすることを特徴とする付記19に記載の画像補正装置。
【0192】
(付記21)前記複雑度算出手段は、前記画像を構成する要素の数を評価した結果に基づいて、前記複雑度を算出することを特徴とする付記16〜20のいずれか一つに記載の画像補正装置。
【0193】
(付記22)前記複雑度算出手段は、画像の特徴部分をクラスタリングし、クラスタ数を前記複雑度とすることを特徴とする付記16〜20のいずれか一つに記載の画像補正装置。
【0194】
(付記23)前記複雑度算出手段は、前記画像のレベル値に基づく特徴空間を対象としてクラスタリングを行うことを特徴とする付記22に記載の画像補正装置。
【0195】
(付記24)前記複雑度算出手段は、画像空間を対象としてクラスタリングを行うことを特徴とする付記22に記載の画像補正装置。
【0196】
(付記25)前記複雑度算出手段は、前記画像の周波数分布を解析した結果に基づいて、前記複雑度を算出することを特徴とする付記16〜20のいずれか一つに記載の画像補正装置。
【0197】
(付記26)前記複雑度算出手段は、前記画像の部位ごとのレベル値の変動に応じて前記複雑度を算出することを特徴とする付記16〜20のいずれか一つに記載の画像補正装置。
【0198】
(付記27)前記複雑度算出手段は、前記画像のエッジを検出し、検出されたエッジを前記レベル値が大きい前記部位とすることを特徴とする付記26に記載の画像補正装置。
【0199】
(付記28)前記補正量算出手段は、前記画像に対してカラーバランス・ハイライト補正を行うための補正量を算出することを特徴とする付記16〜27のいずれか一つに記載の画像補正装置。
【0200】
(付記29)前記補正量算出手段は、前記複雑度に応じて、前記画像の画質にかかる複数種類の補正を行うための複数の補正量をそれぞれ算出し、前記補正手段は、それぞれの補正量に基づいて、前記複数種類の補正を行うことを特徴とする付記16〜28のいずれか一つに記載の画像補正装置。
【0201】
(付記30)前記補正量算出手段は、前記画像に対してカラーバランス・ハイライト補正およびガンマ補正を行うための補正量を算出することを特徴とする付記29に記載の画像補正装置。
【0202】
(付記31)画像の複雑度を算出する複雑度算出工程と、
前記複雑度に応じて、前記画像の画質を補正するための補正量を算出する補正量算出工程と、
前記補正量に基づいて、前記画像の画質を補正する補正工程と、
を含むことを特徴とする画像補正方法。
【0203】
(付記32)前記補正量算出工程では、前記複雑度に応じて、補正量の算出方法を変更することを特徴とする付記31に記載の画像補正方法。
【0204】
(付記33)所定の縮小率で前記画像を縮小する縮小工程と、前記複雑度に応じて前記画像の縮小率を決定する縮小率決定工程とを含み、前記補正量算出工程では、前記縮小工程により縮小された縮小画像に基づいて、前記補正量を算出することを特徴とする付記31に記載の画像補正方法。
【0205】
(付記34)前記補正量算出工程では、前記画像の画質を補正するための仮補正量を算出した後、前記複雑度に応じて前記仮補正量を調整した結果を補正量とすることを特徴とする付記31に記載の画像補正方法。
【0206】
(付記35)前記補正量算出工程では、前記複雑度が高であるほど前記係数を小さくすることを特徴とする付記34に記載の画像補正方法。
【0207】
(付記36)前記複雑度算出工程では、前記画像を構成する要素の数を評価した結果に基づいて、前記複雑度を算出することを特徴とする付記31〜35のいずれか一つに記載の画像補正方法。
【0208】
(付記37)前記複雑度算出工程では、画像の特徴部分をクラスタリングし、クラスタ数を前記複雑度とすることを特徴とする付記31〜35のいずれか一つに記載の画像補正方法。
【0209】
(付記38)前記複雑度算出工程では、前記画像のレベル値に基づく特徴空間を対象としてクラスタリングを行うことを特徴とする付記37に記載の画像補正方法。
【0210】
(付記39)前記複雑度算出工程では、画像空間を対象としてクラスタリングを行うことを特徴とする付記37に記載の画像補正方法。
【0211】
(付記40)前記複雑度算出工程では、前記画像の周波数分布を解析した結果に基づいて、前記複雑度を算出することを特徴とする付記31〜35のいずれか一つに記載の画像補正方法。
【0212】
(付記41)前記複雑度算出工程では、前記画像の部位ごとのレベル値の変動に応じて前記複雑度を算出することを特徴とする付記31〜35のいずれか一つに記載の画像補正方法。
【0213】
(付記42)前記複雑度算出工程では、前記画像のエッジを検出し、検出されたエッジを前記レベル値が大きい前記部位とすることを特徴とする付記41に記載の画像補正方法。
【0214】
(付記43)前記補正量算出工程では、前記画像に対してカラーバランス・ハイライト補正を行うための補正量を算出することを特徴とする付記31〜42のいずれか一つに記載の画像補正方法。
【0215】
(付記44)前記補正量算出工程では、前記複雑度に応じて、前記画像の画質にかかる複数種類の補正を行うための複数の補正量をそれぞれ算出し、前記補正工程では、それぞれの補正量に基づいて、前記複数種類の補正を行うことを特徴とする付記31〜43のいずれか一つに記載の画像補正方法。
【0216】
(付記45)前記補正量算出工程では、前記画像に対してカラーバランス・ハイライト補正およびガンマ補正を行うための補正量を算出することを特徴とする付記44に記載の画像補正方法。
【0217】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像の複雑度を算出し、この複雑度に応じた、画像の画質を補正するための補正量に基づいて、画像の画質を補正することとしたので、従来の画像のシーンの判定結果に基づく補正に比べて、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0218】
また、本発明によれば、画像の画質を補正するための仮補正量を算出した後、複雑度に応じて仮補正量を調整した結果を補正量とすることとしたので、従来の画像のシーンの判定結果に基づく補正に比べて、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0219】
また、本発明によれば、複雑度が高であるほど係数を小さくすることとしたので、複雑な構図の画像(複雑度が高)に対して補正量が過剰に抑制されることがないため、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0220】
また、本発明によれば、画像の特徴部分をクラスタリングし、クラスタ数を複雑度とすることとしたので、従来の画像のシーンの判定結果に基づく補正に比べて、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0221】
また、本発明によれば、複雑度に応じて、画像の画質にかかる複数種類の補正(カラーバランス・ハイライト補正、ガンマ補正)を行うための複数の補正量(カラーバランス・ハイライト補正量、ガンマ補正量)をそれぞれ算出し、それぞれの補正量に基づいて、複数種類の補正を行うこととしたので、従来の画像のシーンの判定結果に基づく補正に比べて、画像の誤補正を防止することができ、補正の精度を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態1の動作原理を説明する図である。
【図3】同実施の形態1におけるカラーバランス・ハイライト補正の原理を説明するグラフである。
【図4】同実施の形態1の動作を説明するフローチャートである。
【図5】図4に示した縮小画像データ生成処理を説明するフローチャートである。
【図6】図4に示した複雑度算出処理を説明するフローチャートである。
【図7】図4に示した中高複雑度補正量算出処理を説明するフローチャートである。
【図8】図4に示した低複雑度補正量算出処理を説明するフローチャートである。
【図9】本発明にかかる実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図10】同実施の形態2の動作を説明するフローチャートである。
【図11】図10に示したカラーバランス・ハイライト仮補正量算出処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明にかかる実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図13】同実施の形態3の動作を説明するフローチャートである。
【図14】本発明にかかる実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図15】同実施の形態4の動作を説明するフローチャートである。
【図16】ガンマ補正を説明するグラフである。
【図17】実施の形態1〜4の変形例の構成を示すブロック図である。
【図18】従来の画像補正方法を説明するフローチャートである。
【図19】従来の画像補正方法におけるシーンとホワイトバランス強度との関係を示す図である。
【図20】従来の画像補正方法の問題点を説明する図である。
【図21】図20に示したカラー画像10のヒストグラムを示すグラフである。
【図22】従来の画像補正方法の問題点を説明する図である。
【図23】図22に示したカラー画像20のヒストグラムを示すグラフである。
【図24】従来の画像補正方法の問題点を説明する図である。
【図25】従来の画像補正方法の問題点を説明する図である。
【図26】従来の画像補正方法の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
100 画像補正装置
101 縮小画像データ生成部
102 複雑度算出部
103 カラーバランス・ハイライト補正量算出部
104 画像補正部
200 画像補正装置
201 カラーバランス・ハイライト仮補正量算出部
202 カラーバランス・ハイライト補正量算出部
300 画像補正装置
301 カラーバランス・ハイライト補正量算出部
400 画像補正装置
401 第一複雑度算出部
402 カラーバランス・ハイライト補正部
403 第二複雑度算出部
404 ガンマ補正量算出部
405 画像補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
画像の複雑度を算出する複雑度算出手段、
前記複雑度に応じて、前記画像の画質を補正するための補正量を算出する補正量算出手段、
前記補正量に基づいて、前記画像の画質を補正する補正手段、
として機能させるための画像補正プログラム。
【請求項2】
前記補正量算出手段は、前記画像の画質を補正するための仮補正量を算出した後、前記複雑度に応じて前記仮補正量を調整した結果を補正量とすることを特徴とする請求項1に記載の画像補正プログラム。
【請求項3】
前記補正量算出手段は、前記複雑度が高であるほど前記係数を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の画像補正プログラム。
【請求項4】
前記複雑度算出手段は、画像の特徴部分をクラスタリングし、クラスタ数を前記複雑度とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像補正プログラム。
【請求項5】
前記補正量算出手段は、前記複雑度に応じて、前記画像の画質にかかる複数種類の補正を行うための複数の補正量をそれぞれ算出し、前記補正手段は、それぞれの補正量に基づいて、前記複数種類の補正を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像補正プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2004−70431(P2004−70431A)
【公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−225200(P2002−225200)
【出願日】平成14年8月1日(2002.8.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】