説明

画像認識装置、画像認識方法および車両制御装置

【課題】画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別して、歩行者であるか、歩行者以外の動物であるかを明確に区別することを課題とする。
【解決手段】画像から検出された判別の候補となる大きさ50cm未満の物体の輪郭および大きさと、犬や猫などの尻尾のパターンの形状および大きさとを比較して、その一致度を示す判定出力値(例えば、A)が、所定の閾値(例えば、I)を超えている場合(例えば、A≧Iである場合)には、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である尻尾が確認されたことから、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、当該判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であるか否か判別する画像認識装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両走行中における歩行者との衝突を回避すること等を目的として、車載のカメラで撮像された画像から検出された物体が歩行者であるか否かを判別する技術が提案されている(特許文献1参照)。そして、画像から検出された物体が歩行者であると判別された場合には、例えば、音声警告などの報知制御や車両速度減速などの車両走行制御を行って、歩行者との衝突を回避する。
【0003】
【特許文献1】特開2006−64653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の技術は、歩行者以外の動物を判別することができず、また、車両走行中に歩行者以外の動物と衝突してしまう場合があるという問題点があった。
【0005】
すなわち、従来の技術は、車載のカメラで撮像された画像から検出された物体が歩行者であるか否かを判別するものであるため、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの動物)を判別することができないという問題点があった。
【0006】
また、従来の技術は、例えば、車載のカメラで撮像された画像から検出された物体が、路上への飛び出した犬や猫などの動物であっても歩行者以外の物体と判別するので、特に報知制御や車両走行制御は行われず、路上への飛び出した犬や猫などの動物と衝突してしまう場合があるという問題点があった。
【0007】
また、歩行者以外の動物を含むパターンを記憶しておいて、歩行者以外の動物を認識した場合には無条件に運転者へ警告を報知することも考えられるが、このように区別なく警告を報知すると運転者はどのような障害物なのか認識することができず、適切な回避行動がとれないという問題点がある。
【0008】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であるか否かを判別することができ、歩行者であるか、歩行者以外の動物であるかを明確に区別することが可能な画像認識装置、画像認識方法および車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、カメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、当該判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であるか否か判別する物体判別手段を備え、当該判別の候補となる物体が歩行者であるか、または歩行者以外の動物であるかを区別することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記物体判別手段は、前記判別の候補となる物体について、前記歩行者以外の所定の動物を構成する所定の部位に関する判定を行って、その結果得られる当該所定の部位についての判別値が所定の閾値を超えている場合には、当該歩行者以外の所定の動物であると判別することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記物体判別手段は、前記判別の候補となる物体について、前記歩行者以外の所定の動物を構成する複数の所定の部位に関する判定をそれぞれ行って、その結果得られる各判別値を加算した合計値が所定の閾値を超えている場合には、当該歩行者以外の所定の動物であると判別することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、前記物体判別手段は、前記各判別値のいずれかに重み付けを行った上で、当該各判別値を加算した合計値が所定の閾値を超えている場合には、前記歩行者以外の所定の物体であると判別することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、前記物体判別手段は、前記判別の候補となる物体について画素値に関する判定を行って、その結果得られる当該画素値が所定の閾値を超えている場合であって、かつ当該判定位置が所定の高さ以内である場合には、前記歩行者以外の所定の動物であると判別することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係る発明は、上記の発明において、前記物体判別手段は、複数の連続画像から検出された判別の候補となる同一物体について、前記歩行者以外の所定の動物の所定の部位の動作に関する判定を行って、その結果得られる判別値が所定の閾値を超えている場合には、当該歩行者以外の所定の動物であると判別することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る発明は、上記の発明において、前記物体判別手段は、前記判別の候補となる物体を歩行者であるか否か判別し、当該判別の候補となる物体を歩行者ではないと判別した場合には、当該判別の候補となる物体について、当該歩行者以外の所定の動物であるか否か判別することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に係る発明は、上記の発明において、前記判別の候補となる物体の大きさを測定する測定手段をさらに備え、前記物体判別手段は、前記測定手段により測定された前記判別の候補となる物体の大きさが所定の大きさ未満である場合には、当該判別の候補となる物体を歩行者ではないと判別することを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に係る発明は、カメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、当該判別の候補となる物体が、歩行者以外の所定の動物であるか否か判別する物体判別手段により前記判別の候補となる物体が前記歩行者以外の所定の動物であると判別された場合に運転者に警告を報知する警告報知手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に係る発明は、上記の発明において、前記物体判別手段により前記判別の候補となる物体が前記歩行者以外の所定の動物であると判別された場合に、当該歩行者以外の所定の動物に対して威嚇する威嚇制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項11に係る発明は、上記の発明において、前記警告報知手段は、前記物体判別手段による判別結果に応じて運転者に警告を報知することを特徴とする。
【0020】
また、請求項12に係る発明は、上記の発明において、前記威嚇制御手段は、前記物体判別手段による判別結果に応じて前記歩行者以外の所定の動物に対して威嚇することを特徴とする。
【0021】
また、請求項13に係る発明は、カメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、当該判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であるか否か判別する物体判別工程を備え、当該判別の候補となる物体が歩行者であるか、または歩行者以外の動物であるかを区別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1または13の発明によれば、カメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であるか否か判別する(例えば、パターンマッチング手法やニューラルネットワーク手法により判別する)ので、画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別することができ、歩行者であるか、歩行者以外の動物であるかを明確に区別することが可能である。
【0023】
また、請求項2の発明によれば、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物を構成する所定の部位に関する判定を行って、その結果得られる当該所定の部位についての判別値(例えば、出力値)が所定の閾値を超えている場合には、歩行者以外の所定の動物であると判定するので、例えば、四足動物の特徴部分である四本足や尻尾などの部位に基づいて、画像から検出された物体が歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)であるか否か効率的に判別することが可能である。
【0024】
また、請求項3の発明によれば、判別の候補となる物体について、歩行者以外の所定の動物を構成する複数の所定の部位に関する判定をそれぞれ行って、その結果得られる各判別値を加算した合計値が所定の閾値を超えている場合には、歩行者以外の所定の動物であると判別するので、例えば、四本足や尻尾などの動物の各部位に関する判定をそれぞれ行うことにより、画像から検出された物体を動物であるか否かを総合的に判別することができ、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を精度よく判別することが可能である。
【0025】
また、請求項4の発明によれば、各判別値のいずれかに重み付けを行った上で、各判別値を加算した合計値が所定の閾値を超えている場合には、歩行者以外の所定の動物であると判別するので、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別する精度を簡易な操作で向上させることが可能である。
【0026】
また、請求項5の発明によれば、判別の候補となる物体について画素値に関する判定を行って、その結果得られる画素値(判別の候補となる物体の画素値)が所定の閾値を超えている場合であって、かつ、その判定位置が所定の高さ以内(例えば、50cm以内)である場合には、歩行者以外の所定の動物であると判定するので、例えば、車両のライトを受けて光る動物の目の特性に基づいて、画像から検出された物体が動物であるか判別することができ、夜間であっても歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別することが可能である。
【0027】
また、請求項6の発明によれば、複数の連続画像から検出された判別の候補となる同一物体について、歩行者以外の所定の動物の所定の部位の動作に関する判定(例えば、尻尾や頭、足の動きなど、歩行者以外の動物特有の動作に関する判定)を行って、その結果得られる判別値が所定の閾値を超えている場合には、歩行者以外の所定の動物であると判別するので、静止していることが少ないと考えられる動物の動きに着目することで、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を精度よく判別することが可能である。
【0028】
また、請求項7の発明によれば、判別の候補となる物体を歩行者であるか否か判別し、判別の候補となる物体を歩行者ではないと判別した場合には、歩行者以外の所定の動物であるか否か判別するので、歩行者が判別されない事態を防止することができるだけでなく、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別することも可能である。
【0029】
また、請求項8の発明によれば、判別の候補となる物体の大きさを測定して、その大きさが所定の大きさ(例えば、50cm)未満である場合には歩行者ではないと判別するので、歩行者以外の動物である蓋然性の高い物体を高さによって予め選別して、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)をより効率的に判別することが可能である。
【0030】
また、請求項9の発明によれば、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別された場合には、運転者に警告を報知するので、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)の存在を運転者に認識させることができ、車両走行中における動物との衝突を回避することが可能である。
【0031】
また、請求項10の発明によれば、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別された場合に、歩行者以外の所定の動物に対して威嚇するので、例えば、音や光、においなどによる威嚇を行って、車両と衝突する可能性のある位置から歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を退避させることができ、車両走行中における動物との衝突を回避することが可能である。
【0032】
また、請求項11の発明によれば、画像から検出された判別の候補となる物体の判別結果に応じて運転者に警告を報知するので、画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者である場合と歩行者以外の動物である場合(例えば、犬や猫などの四足動物)を区別した適切な警告を行うことが可能である。
【0033】
また、請求項12の発明によれば、画像から検出された判別の候補となる物体の判別結果に応じて所定の動物に対して威嚇するので、画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者および歩行者以外の動物の複数である場合に、動物だけである場合よりも弱めに威嚇を行うなど程度を考慮した適切な威嚇を行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像認識装置、画像認識方法および車両制御装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る画像認識装置および車両制御装置を車両に搭載する場合を実施例1として説明した後に、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【実施例1】
【0035】
以下の実施例1では、本発明の実施例1に係る概要および特徴、構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。
【0036】
[概要および特徴(実施例1)]
まず最初に、図1を用いて、実施例1の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1の概要および特徴を説明するための図である。
【0037】
同図に示すように、実施例1は、車載のカメラ(例えば、単眼カメラやステレオカメラなど)で撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、その物体を判別するとともに所定の制御(警告報知制御や車両走行制御)を行うことを概要とするが、その物体を歩行者以外、すなわち人間以外の所定の動物であるか否か判別する点に主たる特徴がある。なお、ここでは、物体の判別の効率化を図るため、画像上の道路内に存在する物体のみを判別対象とする。
【0038】
この主たる特徴について具体的に説明すると、図1に示すように、入力画像から判別の候補となる物体を検出すると(図1の(1)参照)、画像上の位置から検出した物体までの距離を測定する(図1の(2)参照)とともに、その距離に基づいて検出した物体の大きさを測定する(図1の(3)参照)。
【0039】
次に、測定した判別の候補となる物体の大きさに基づいて、歩行者判別あるいは動物判別のどちらを実行するか判別種別の決定を行う(図1の(4)参照)。例えば、画像から検出された判別の候補となる物体の50cm未満であれば動物判別(例えば、犬や猫などの四足動物の判別)を実行するように決定し、大きさが50cm以上であれば歩行者判別を実行するように決定する(図1の(5)参照)。
【0040】
ここで、判別種別の決定の結果、判別の候補となる物体について、動物判別を実行するものと決定した場合には、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を構成する所定の部位(例えば、尻尾や頭、四本足など)に関する判定を行って、その結果得られる所定の部位についての判定出力値が所定の閾値を超えている場合には、歩行者以外の所定の動物であると判別する。
【0041】
具体的には、図2に例示するように、画像から検出された判別の候補となる大きさ50cm未満の物体の輪郭および大きさと、犬や猫などの尻尾のパターンの形状および大きさとを比較して、その一致度を示す判定出力値(例えば、A)が、所定の閾値(例えば、I)を超えている場合(例えば、A≧Iである場合)には、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である尻尾が確認されたことから、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。なお、尻尾に関する判定を行う場合に限定されるものではなく、四足動物の特徴部分である四本足に関する判定を行うようにしてもよいし、尻尾および四本足等の別の部位に関する判定をそれぞれおこなうようにしてもよい。
【0042】
また、同様に、判別種別の決定の結果、判別の候補となる物体について、歩行者判別を実行するものと決定した場合には、判別の候補となる物体について歩行者判別を行う。
【0043】
続いて、動物判別の結果等に基づいて衝突危険度判定を行う。具体的には、この車両制御装置は、判別の候補となる物体を歩行者以外の所定の動物である」と判別した場合に、画像上の位置から先ほど測定した動物までの距離(図1の(2)参照)などに応じて、歩行者以外の所定の動物であると判別された物体との衝突危険度を判定する。そして、この車両制御装置は、衝突危険度判定結果に応じて運転者への警告や動物への威嚇を行う。
【0044】
また、同様に、歩行者判別の結果等に基づいて衝突危険度判定を行う。そして、判別の候補となる物体を歩行者であると判別した場合には、歩行者であると判別された物体との衝突危険度を判定し、その衝突危険度判定結果に応じて運転者への警告や車両の制御を行う。
【0045】
このようなことから、上述した主たる特徴の如く、画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別することができ、歩行者であるか、歩行者以外の動物であるかを明確に区別することが可能である。さらには、歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)の存在を運転者に認識させることができ、車両走行中における動物との衝突を回避することが可能である。
【0046】
[実施例1の構成]
次に、図3を用いて、実施例1に係る画像認識装置および車両制御装置の構成を説明する。図3は、実施例1に係る画像認識装置および車両制御装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この車両は、車両制御装置10、撮像装置(単眼カメラ)11、ナビ部12、レーダ部13、車内通知部14、画像認識装置20を搭載している。また、車両制御装置10は、報知制御部15と、車両制御部16と、威嚇制御部17とから構成され、画像認識装置20は、前処理部21と、記憶部22と、制御部(マイコン)23とから構成される。
【0047】
このうち、ナビ部12は、GPS(Global Positioning System)人工衛星と通信を行って、特定した自動車の位置と地図データとから走行経路の設定および誘導を行う手段である。また、ナビ部12は、自動車の位置情報や道路形状、路幅、傾斜など車両運転操作に有用な各種の情報を、後述する車内通知部14を介して運転者に供給する。
【0048】
レーダ部13は、レーダ(例えば、76.5GHzのミリ波レーダや光レーダなど)を照射して、前方の車両や障害物(例えば、歩行者や歩行者以外の動物)との距離や速度、方向などを測定する手段である。例えば、このレーダ部13は、車両前方に位置する歩行者や歩行者以外の動物の存在を検知すると、その足元(接地面)を自動的に認識して、その接地面から車両までの距離をレーダによって取得(測定)した後、衝突危険度判定部23dにその距離情報(車両から歩行者までの距離)を出力する。
【0049】
車内通知部14は、ナビ部12や後述する報知制御部15からの情報を通知する手段であり、モニタやスピーカなどで構成される。例えば、この車内通知部14は、報知制御部15からの指令を受け付けて、動物の存在を示す画像をモニタに出力して運転者の注意を促したり、メッセージやアラーム音をスピーカから流すことにより運転者に対して警告を行ったりする。
【0050】
車両制御装置10の報知制御部15は、後に詳述する衝突危険度判定部23dから受け付けた衝突危険度判定結果に応じて報知制御を行う処理部である。例えば、この報知制御部15は、図5に例示するように、危険度レベルに応じた制御項目を記憶して構成する制御テーブルを記憶しており、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル1である場合には、車内通知部14に対して動物の存在を示す画像やアラーム音によって、運転者への注意や警告を行うように指令を出力する。なお、画像認識装置20において、衝突危険度判定部23dを設けない構成とする場合には、報知制御部15が自ら衝突危険度を判定して報知制御を実行するようにしてもよい。
【0051】
車両制御装置10の車両制御部16は、衝突危険度判定部23dから受け付けた衝突危険度判定結果に応じて車両制御(車両走行制御)を行う処理部である。例えば、この車両制御部16は、図5に例示するように、危険度レベルに応じた制御項目を記憶して構成する制御テーブルを記憶しており、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル2である場合には、ブレーキ制御を実行して速度減速を行う。また、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル3である場合には、ハンドル制御を実行して衝突回避を行う。なお、画像認識装置20において、衝突危険度判定部23dを設けない構成とする場合には、車両制御部16が自ら衝突危険度を判定して報知制御を実行するようにしてもよい。
【0052】
車両制御装置10の威嚇制御部17は、衝突危険度判定部23dから受け付けた衝突危険度判定結果に応じて威嚇制御を行う処理部である。例えば、この威嚇制御部17は、図5に例示するように、危険度レベルに応じた制御項目を記憶して構成する制御テーブルを記憶しており、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル2である場合には、クラクション音やライトなど音や光による威嚇を行う。また、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル3である場合には、においによる威嚇を行う。なお、画像認識装置20において、衝突危険度判定部23dを設けない構成とする場合には、威嚇制御部17が自ら衝突危険度を判定して報知制御を実行するようにしてもよい。
【0053】
なお、図5に例示する制御テーブルは、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。また、図5に例示する制御テーブルは、歩行者以外の所定の動物および歩行者に対する報知制御および車両制御に関して共用する場合に限られるものではなく、別の制御テーブルを同様に構成して記憶するようにしてもよい。
【0054】
また、画像認識装置20の前処理部21は、撮像装置10によって撮像された画像に前処理を行う処理部であり、フィルタ部21aと輪郭抽出部21bとから構成される。このうち、フィルタ部21aは、画像内に映し出された物体の輪郭を強調するための前処理(例えば、シャープネス、コントラスト調整、彩度調整)を行う手段である。また、輪郭抽出部21bは、フィルタ部21aによって施されたフィルタリングに基づいて、画像内の物体の輪郭を抽出する手段である。
【0055】
画像認識装置20の記憶部22は、制御部23による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)である。そして、特に本発明に密接に関連するものとしては、学習基底記憶部22a、学習モデル記憶部22bおよび衝突危険度判定テーブル22cを備える。
【0056】
このうち、学習基底記憶部22aは、後に詳述する物体検出部23aによる物体検出処理に必要な学習基底を記憶する記憶手段である。具体的には、判別の対象となる物体(例えば、犬や猫などの四足動物)が存在しない同一のオブジェクト(道路等を含む背景)を車両走行中に撮影した複数の学習用画像を入力して学習領域を切り出す(例えば、20×20ピクセル)。続いて、この切り出した学習領域をN次元のベクトル(Nは画素値であり、例えば、20×20ピクセルであれば400次元)として扱い、このN次元ベクトルからなる学習領域内について主成分分析を行って、特徴ベクトル(N次元ベクトルの主成分)を抽出する。そして、入力される全ての学習画像に対して特徴ベクトルの抽出を行って、同一のオブジェクトに対して共通する特徴ベクトル成分から学習基底を生成して記憶する。
【0057】
学習モデル記憶部22bは、後に詳述する歩行者判別部23bおよび動物判別部23cによる物体判別処理に必要な学習モデルを記憶する記憶手段である。具体的には、例えば、判別の対象となる物体の一つである犬や猫などの四足動物の部位についてのパターン(例えば、四足動物を構成する各部位である頭、手足、胴体、尻尾などのパターン)を様々な条件(例えば、車両からの距離や動物が見えにくくなる時間帯等)に応じて予め学習して記憶する。また、同様に、歩行者についてのパターンを学習して記憶する。
【0058】
衝突危険度判定テーブル22cは、後に詳述する衝突危険度判定部23dによる衝突危険度判定処理に必要な判定テーブルを記憶する記憶手段である。具体的には、図4に例示するように、画像から検出され判別の候補となる物体(候補物体)が「動物でない」あるいは「歩行者でない」という判別結果である場合には、その候補物体までの距離にかかわらず(つまり「ALL」)危険度「0」とし、一方、候補物体が「動物である」あるいは「歩行者である」という判別結果である場合には、その候補物体までの距離「30m以上」で危険度「レベル1」とし、距離「10〜30m」で危険度「レベル2」とし、距離「10m未満」で危険度「レベル3」とするように規定して構成される。
【0059】
なお、図4に例示する衝突危険度判定テーブル22cは、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。また、図4に例示する衝突危険度判定テーブル22cを、動物との衝突危険度判定に関するものと、歩行者との衝突危険度判定にものとをそれぞれ生成して記憶するようにしてもよい。
【0060】
画像処理装置20の制御部(マイコン)23は、所定の制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部である。そして、特に本発明に密接に関連するものとしては、物体検出部23aと、歩行者判別部23bと、動物判別部23cと、衝突危険度判定部23cとを備える。
【0061】
このうち、物体検出部23aは、入力画像内から判別の候補となる物体を顕著性算出法によって検出する処理部である。具体的には、この物体検出部23aは、学習基底記憶部22aから学習基底を読み出し、撮像装置10から現在入力されている入力画像と比較して、入力画像内に学習基底には見られない顕著な特徴(例えば、特異なベクトル)が現れている場合には、判別の候補となる物体が存在するものとしてその領域を画像内から検出する。なお、物体検出部23aは、顕著性算出法によって入力画像内から判別の候補となる物体を検出する場合に限られるものではなく、例えば、背景差分法による画像処理やエッジ抽出処理などによって検出するようにしてもよい。なお、物体検出部23aは、前処理部21から入力される所定の画像フレーム(例えば、1フレームや数フレーム)ごとに候補物体の検出処理を行う。
【0062】
また、物体検出部23aは、入力画像内から検出された判別の候補となる物体までの距離および物体の大きさを測定し、歩行者判別あるいは動物判別のどちらを実行するか決定する。具体的には、この物体検出部23aは、入力画像から検出された判別の候補となる物体までの距離を画像上の位置から測定して、その測定した距離に基づいて判別の候補となる物体の大きさを測定する。そして、物体検出部23aは、測定した判別の候補となる物体の大きさに基づいて、動物判別または歩行者判別のどちらを実行するか判別種別の決定を行う。例えば、測定した物体の大きさが50cm以上であれば歩行者判別を実行するように決定して歩行者判別部23bへ判別指令を出力し、50cm未満であれば動物判別を実行するように決定して動物判別部23cへ判別指令を出力する。
【0063】
歩行者判別部23bは、物体検出部23aによって入力画像から検出された判別の候補となる物体をニューラルネットワーク手法によって判別する処理部である。具体的には、この歩行者判別部23bは、物体検出部23からの指令を受け付けると、学習モデル記憶部22bに記憶されている歩行者のパターンに基づいて、例えば、判別の候補となる大きさ50cm以上の物体を歩行者であるか否か詳細に判別する。
【0064】
また、この歩行者判別部23bは、判別結果(例えば、「歩行者である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する。
【0065】
動物判別部23cは、物体検出部23aによって入力画像から検出された判別の候補となる物体が、歩行者以外の動物であるか否かニューラルネットワーク手法によって判別する処理部である。具体的には、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を構成する所定の部位(例えば、尻尾や頭、四本足など)に関する判定を行って、その結果得られる所定の部位についての判定出力値が所定の閾値を超えている場合には、歩行者以外の所定の動物であると判別する。
【0066】
詳細には、この動物判別部23cは、画像から検出された判別の候補となる大きさ50cm未満の物体の輪郭および大きさと、学習モデル記憶部22bに記憶されている犬や猫などの尻尾のパターンの形状および大きさとを比較して、その一致度を示す判定出力値(例えば、A)が、所定の閾値(例えば、I)を超えている場合(例えば、A≧Iである場合)には、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である尻尾が確認されたことから、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。
【0067】
なお、尻尾に関する判定を行う場合に限定されるものではなく、四足動物の特徴部分である四本足に関する判定を行うようにしてもよいし、尻尾および四本足等の別の部位に関する判定をそれぞれおこなうようにして、いずれかに該当すれば歩行者以外の所定の動物であると判別するようにしてもよい。
【0068】
また、この動物判別部23cは、判別の結果、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別した場合には、判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する。
【0069】
また、動物判別部23cにおいて実行される物体判別処理は、入力画像から検出された判別の候補となる物体をニューラルネットワーク手法によって判別する場合に限定されるものではなく、パターンマッチング手法によって判別する場合についても同様に適用できる。
【0070】
衝突危険度判定部23dは、歩行者判別部23bまたは動物判別部23cによる判別結果等に基づいて、入力画像から検出された判別の候補となる物体との衝突危険度を判定して、その判定結果を報知制御部15、車両制御部16および威嚇制御17に出力する処理部である。具体的には、衝突危険度判定部23dは、歩行者判別部23bあるいは動物判別部23cから、例えば、「歩行者である」あるいは「動物である」という判別結果を受け付けると、衝突危険度判定テーブル22cから衝突危険度判定テーブル(図4参照)を読み出す。そして、衝突危険度判定部23dは、動物判別部23cから受け付けた判別結果、およびレーダ部13から受け付けた距離情報に応じて衝突危険度を判定して、その衝突危険度判定結果(例えば、危険度レベル0〜3など)を報知制御部15、車両制御部16および威嚇制御17にそれぞれ出力する。なお、衝突危険度判定部23dは、歩行者判別部23bあるいは動物判別部23cから、例えば、「歩行者である」あるいは「動物である」という判別結果を受け付けた場合以外には衝突危険度判定を行わない。
【0071】
[画像認識装置による処理(実施例1)]
次に、図6を用いて、実施例1に係る画像認識装置の制御部(マイコン)による処理を説明する。図6は、実施例1に係る画像認識装置の制御部(マイコン)23の処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下に説明する車両制御装置による処理は、画像が1フレーム入力されるたびに繰り返し実行される
【0072】
同図に示すように、入力画像から判別の候補となる物体を検出した場合には(ステップS601肯定)、物体検出部23aは、入力画像内から検出された判別の候補となる物体までの距離および物体の大きさを測定する(ステップS602)。
【0073】
続いて、物体検出部23aは、測定した判別の候補となる物体の大きさに基づいて、歩行者判別あるいは動物判別のどちらを実行するか判別種別の決定を行う(ステップS603)。すなわち、判別の候補となる物体の大きさが50cm未満である場合には(ステップS603肯定)、動物判別(例えば、犬や猫などの四足動物の判別)を実行するように決定し、動物判別を実行するように動物判別部23cへ判別指令を出力する。
【0074】
動物判別指令を受け付けた動物判別部23cは、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を構成する所定の部位(例えば、尻尾や頭、四本足など)に関する判定を行って、その結果得られる所定の部位についての判定出力値が所定の閾値を超えている場合には、歩行者以外の所定の動物であると判別する動物判別を実行する(ステップS604)。
【0075】
具体的には、動物判別部23cは、画像から検出された判別の候補となる大きさ50cm未満の物体の輪郭および大きさと、学習モデル記憶部22bに記憶されている犬や猫などの尻尾のパターンの形状および大きさとを比較して、その一致度を示す判定出力値が、所定の閾値を超えている場合には、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である尻尾が確認されたことから、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。
【0076】
そして、動物判別部23cは、判別の結果、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別した場合には、判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する。
【0077】
動物判別部23cから判別結果を受け付けた衝突危険度判定部23dは、衝突危険度判定テーブル22cから衝突危険度判定テーブル(図4参照)を読み出し、動物判別部23cから受け付けた判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)、およびレーダ部13から受け付けた距離情報に応じて衝突危険度を判定する(ステップS605)。そして、衝突危険度判定部23dは、その衝突危険度判定結果(例えば、危険度レベル0〜3など)を報知制御部15、車両制御部16および威嚇制御17にそれぞれ出力する(ステップS606)。なお、衝突危険度判定部23dは、歩行者判別部23bあるいは動物判別部23cから、例えば、「動物である」という判別結果を受け付けた場合以外には衝突危険度判定を行わない。
【0078】
ここで、ステップS603の説明に戻ると、判別の候補となる物体の大きさが50cm以上である(50cm未満でない)場合には(ステップS603否定)、歩行者判別を実行するように歩行者判別部23bへ判別指令を出力する。歩行者判別指令を受け付けた歩行者判別部23bは、学習モデル記憶部22bに記憶されている歩行者のパターンに基づいて、判別の候補となる大きさ50cm以上の物体を歩行者であるか否か詳細に判別する(ステップS607)。
【0079】
そして、歩行者判別部23bは、判別の結果、判別の候補となる物体が歩行者であると判別した場合には、判別結果(例えば、「歩行者である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する。
【0080】
歩行者判別部23bから判別結果を受け付けた衝突危険度判定部23dは、ステップS605で説明したのと同様に、衝突危険度判定テーブル22cから衝突危険度判定テーブル(図4参照)を読み出し、動物判別部23cから受け付けた判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)、およびレーダ部13から受け付けた距離情報に応じて衝突危険度を判定する(ステップS608)。そして、衝突危険度判定部23dは、ステップS606で説明したのと同様に、その衝突危険度判定結果(例えば、危険度レベル0〜3など)を報知制御部15、車両制御部16および威嚇制御17にそれぞれ出力する(ステップS609)。なお、衝突危険度判定部23dは、例えば、歩行者判別部23bから「歩行者である」という判別結果を受け付けた場合以外には衝突危険度判定を行わない。
【0081】
[動物判別処理(実施例1)]
続いて、図7を用いて、実施例1に係る画像認識装置の制御部(マイコン)を構成する動物判別部23cによる処理を説明する。図7は、実施例1に係る画像認識装置を構成する動物判別部23cの処理の流れを示すフローチャートである。
【0082】
物体検出部23aから動物判別指令を受け付けると、動物判別部23cは動物判別処理を実行する。具体的には、図7に示すように、動物判別部23cは、画像から検出された判別の候補となる大きさ50cm未満の物体の輪郭および大きさと、犬や猫などの尻尾のパターンの形状および大きさとを比較して、その一致度を示す判定出力値が、所定の閾値を超えているか否か判定することで、判別の候補となる物体に尻尾があるか否か確認する(ステップS701)。
【0083】
その結果、動物判別部23cは、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である尻尾が有るものと確認できた場合には(ステップS701肯定)、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。そして、動物判別部23cは、判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する(ステップS702)。
【0084】
これとは反対に、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である尻尾を確認できなかった場合には(ステップS701否定)、動物判別部23cは、次に、判別の候補となる物体の輪郭および形状と、四足動物の特徴部分の一つである四本足のパターンの形状および大きさとを比較して、その一致度を示す判定出力値が所定の閾値を超えているか否か判定することで、判別の候補となる物体に四本足があるか否か確認する(ステップS703)。
【0085】
その結果、動物判別部23cは、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である四本足が有るものと確認できた場合(ステップS703肯定)、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。そして、動物判別部23cは、判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する(ステップS702)。
【0086】
一方、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である四本足を確認できなかった場合には(ステップS701否定)、動物判別部23cは、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物ではないと判別し、衝突危険度判定部23dへ判別結果の出力は行わない。
【0087】
[車両制御装置の処理(実施例1)]
続いて、図8を用いて、実施例1に係る車両制御装置による処理を説明する。図8は、実施例1に係る車両制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。同図に示すように、衝突危険度判定部23dから衝突危険度判定結果を受け付けると(ステップS801肯定)、報知制御部15、車両制御部16および威嚇制御部17は、受け付けた判定結果に応じて、報知制御、車両制御および威嚇制御をそれぞれ行う(ステップS802)。
【0088】
具体的には、報知制御部15は、図5に例示するように、危険度レベルに応じた制御項目を記憶して構成する制御テーブルを記憶しており、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル1である場合には、車内通知部14に対して動物の存在を示す画像やアラーム音によって、運転者への注意や警告を行うように指令を出力する。なお、画像認識装置20において、衝突危険度判定部23dを設けない構成とする場合には、報知制御部15が自ら衝突危険度を判定して報知制御を実行するようにしてもよい。
【0089】
また、車両制御部16は、図5に例示するように、危険度レベルに応じた制御項目を記憶して構成する制御テーブルを記憶しており、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル2である場合には、ブレーキ制御を実行して速度減速を行う。また、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル3である場合には、ハンドル制御を実行して衝突回避を行う。なお、画像認識装置20において、衝突危険度判定部23dを設けない構成とする場合には、車両制御部16が自ら衝突危険度を判定して報知制御を実行するようにしてもよい。
【0090】
また、威嚇制御部17は、図5に例示するように、危険度レベルに応じた制御項目を記憶して構成する制御テーブルを記憶しており、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル2である場合には、クラクション音やライトなど音や光による威嚇を行う。また、衝突危険度判定部23dから受け付けた危険度判定結果が危険度レベル3である場合には、においによる威嚇を行う。なお、画像認識装置20において、衝突危険度判定部23dを設けない構成とする場合には、威嚇制御部17が自ら衝突危険度を判定して報知制御を実行するようにしてもよい。
【0091】
このように、画像から検出された物体が歩行者であると判別された場合には、歩行者を示す表示やアラームを出し、動物であると判別された場合には、動物の存在を示す表示やアラームを出すことにより、運転者は、歩行者や動物のそれぞれに応じた適切な回避行動(例えば、歩行者に対してはブレーキ、動物に対してはクラクションなど)をとることができる。さらに、歩行者の場合は動物に比べてアラームの音量を大きくする等、歩行者や動物のそれぞれに応じた警告の報知ができる。
【0092】
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1によれば、車載のカメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であるか否か判別する(例えば、パターンマッチング手法やニューラルネットワーク手法により判別する)ので、画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別することができ、歩行者であるか、歩行者以外の動物であるかを明確に区別することが可能である。
【0093】
また、実施例1によれば、判別の候補となる物体の大きさを測定して、その大きさが所定の大きさ(例えば、50cm)未満である場合には歩行者ではないと判別するので、歩行者以外の動物である蓋然性の高い物体を高さによって予め選別して、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を効率的に判別することが可能である。
【0094】
また、実施例1によれば、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別された場合に、運転者に警告を報知するので、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)の存在を運転者に認識させることができ、車両走行中における動物との衝突を回避することが可能である。
【0095】
また、実施例1によれば、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別された場合に、所定の動物を威嚇するので、例えば、音や光、においなどによる威嚇を行って、車両と衝突する可能性のある位置から歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を退避させることができ、車両走行中における動物との衝突を回避することが可能である。
【0096】
また、上記の実施例において、画像から検出された物体の大きさによって動物判別を実施するか否か決定する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像から検出された物体を歩行者であるか否か判別した後に、歩行者でなければ動物判別を実施するようにしてもよい。これにより、歩行者が判別されない事態を防止することができるだけでなく、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別することも可能である。
【0097】
また、上記の実施例において、画像から検出された物体について初めから動物判別を実施するようにしてもよい。これにより、画像から検出された判別の候補となる物体が、歩行者であるか、歩行者以外の動物であるかを明確に区別することが可能である。
【0098】
また、上記の実施例において、画像から検出された判別の候補となる物体が、例えば、犬である場合には、犬の泣き声などによって運転者に警告するなど、画像から検出された判別の候補となる物体の判別結果に応じて運転者に警告を報知するようにしてもよい。これにより、画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者である場合と歩行者以外の動物である場合(例えば、犬や猫などの四足動物)を区別した適切な警告を行うことが可能である。
【0099】
また、上記の実施例において、画像から検出された判別の候補となる物体が、例えば、犬とその犬を散歩させている飼い主であると判別された場合には、飼い主を狼狽させないようにボリュームを抑えた音声による威嚇を行うなど、画像から検出された判別の候補となる物体の判別結果に応じて所定の動物を威嚇するようにしてもよい。これにより、画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者および歩行者以外の動物の複数である場合などに、動物だけである場合よりも弱めに威嚇を行うなど程度を考慮した適切な威嚇を行うことが可能である。
【実施例2】
【0100】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0101】
(1)複数部位による動物判別
上記の実施例1では、判別の候補となる物体について、歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を構成する所定の部位(例えば、尻尾や四本足など)に関する判定を行って、所定の動物であるか否か判別する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判別の候補となる物体について、歩行者以外の所定の動物を構成する複数の所定の部位に関する判定をそれぞれ行って、所定の動物であるか否か判別するようにしてもよい。
【0102】
具体的には、図9に例示するように、画像から検出された判別の候補となる物体の輪郭および大きさと、歩行者以外の所定の動物を構成する複数の所定の部位(例えば、尻尾、四本足、頭、胴体など)のパターンの形状および大きさとを比較して、その一致度を示す各判定出力値(例えば、尻尾についてC、四本足についてD、頭についてE、胴体についてF)を加算した合計値が、所定の閾値(例えば、H)を超えている場合には、判別の候補となる物体に歩行者以外の所定の動物の特徴である各部位が確認されたことから、歩行者以外の所定の動物であると判別する。
【0103】
これにより、例えば、四本足や尻尾などの動物の各部位に関する判定をそれぞれ行うことにより、画像から検出された物体を動物であるか否かを総合的に判別することができ、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を精度よく判別することが可能である。
【0104】
(2)出力値への重み付け、多数決等による判別
また、上記の(1)において、歩行者以外の所定の動物を構成する複数の所定の部位に関する判定の結果出力される各判定出力値に重み付けを行って(例えば、四本足の動物の特徴部分である尻尾に関する判定出力値に重み付けを行う)、画像から検出された判別の候補となる物体について、歩行者以外の所定の動物であるか否か詳細に判別するようにしてもよい。また、判定結果を、例えば、歩行者と判別すれば○、歩行者と判別しなければ×等で出力して、その判別結果の多数決によって、判別の候補として入力画像から検出された物体について、歩行者であるか否か詳細に判別するようにしてもよい。
【0105】
これにより、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別する精度を簡易な操作で向上させることが可能である。
【0106】
(3)目の反射による判別
また、上記の実施例1において、判別の候補となる物体について画素値に関する判定(例えば、パターンマッチングなどによる判定)を行って、その結果得られる画素値(判別の候補となる物体の画素値)が所定の閾値を超えている場合であって、かつ、その判定位置が所定の高さ以内(例えば、50cm以内)である場合には、所定の動物であると判定するようにしてもよい。
【0107】
これにより、例えば、車両のライトを受けて光る動物の目の特性に基づいて、画像から検出された物体が歩行者以外の動物であるか判別することができ、夜間であっても歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別することが可能である。
【0108】
(4)動きによる判別
また、上記の実施例1において、複数の連続画像(車載のカメラから入力される複数フレームの画像)から検出された判別の候補となる同一物体について、歩行者以外の所定の動物を構成する所定の部位の動作に関する判定(例えば、尻尾や頭、足の動きなど、歩行者以外の動物特有の動作に関する判定)を行って、その結果得られる判定出力値が所定の閾値を超えている場合には歩行者以外の所定の動物であると判別するようにしてもよい。
【0109】
これにより、静止していることが少ないと考えられる動物の動きに着目することで、歩行者以外の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を精度よく判別することが可能である。
【0110】
(5)判別方法の組合せ
また、上記の実施例1、実施例2の(3)および(4)において説明した複数の判別方法を適宜組合わせて、動物判別を実行するようにしてもよい。そこで、以下では、図10を用いて、この場合の処理の流れを簡単に説明する。図10は、実施例2に係る車両制御装置に適用される画像認識装置の動物判別処理の流れを示すフローチャートである。
【0111】
物体判別部23aから動物判別指令を受け付けると、動物判別部23cは動物判別処理を実行する。具体的には、同図に示すように、動物判別部23cは、画像から検出された判別の候補となる大きさ50cm未満の物体の輪郭および大きさと、犬や猫などの尻尾のパターンの形状および大きさとを比較して、その一致度を示す判定出力値が、所定の閾値を超えているか否か判定することで、判別の候補となる物体に尻尾があるか否か確認する(ステップS1001)。
【0112】
その結果、動物判別部23cは、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である尻尾が有るものと確認できた場合には(ステップS1001肯定)、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。そして、動物判別部23cは、判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する(ステップS1002)。
【0113】
これとは反対に、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である尻尾を確認できなかった場合には(ステップS1001否定)、動物判別部23cは、次に、判別の候補となる物体の輪郭および形状と、四足動物の特徴部分の一つである四本足のパターンの形状および大きさとを比較して、その一致度を示す判定出力値が所定の閾値を超えているか否か判定することで、判別の候補となる物体に四本足があるか否か確認する(ステップS1003)。
【0114】
その結果、動物判別部23cは、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である四本足が有るものと確認できた場合には(ステップS1003肯定)、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。そして、動物判別部23cは、判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する(ステップS1002)。
【0115】
また、これとは反対に、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である四本足を確認できなかった場合には(ステップS1003否定)、動物判別部23cは、次に、判別の候補となる物体について、画素値に関する判定(例えば、パターンマッチングなどによる判定)を行って、その結果、判別の候補となる物体の画素値が所定の閾値を超えている場合であって、かつ、その判定位置が所定の高さ以内(例えば、50cm以内)であるか否か確認する(ステップS1004)。
【0116】
その結果、動物判別部23cは、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である目の反射が有るものと確認できた場合には(ステップS1003肯定)、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。そして、動物判別部23cは、判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する(ステップS1002)。
【0117】
また、これとは反対に、判別の候補となる物体について歩行者以外の所定の動物の特徴である目の反射を確認できなかった場合には(ステップS1004否定)、動物判別部23cは、次に、判別の候補となる物体について、判別の候補となる物体の輪郭および形状と、四足動物を構成する所定の部位の動きパターン(頭や尻尾、足などの動きのパターン)の形状および大きさとを比較して、その一致度を示す判定出力値が所定の閾値を超えているか否か判定することで、判別の候補となる物体に動きがあるか否か確認する(ステップS1005)。
【0118】
その結果、動物判別部23cは、判別の候補となる物体について、歩行者以外の所定の動物としての動きが有るものと確認できた場合には(ステップS1005肯定)、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であると判別する。そして、動物判別部23cは、判別結果(例えば、「動物である」という判別結果)を衝突危険度判定部23dへ出力する(ステップS1002)。
【0119】
一方、歩行者以外の所定の動物としての動きが確認できなかった場合には(ステップS1005否定)、動物判別部23cは、判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物ではないと判別し、衝突危険度判定部23dへ判別結果の出力は行わない。
【0120】
このようなことから、画像から検出された物体が歩行者以外の所定の動物であるか否か感度よく判別することが可能である。
【0121】
(6)装置構成等
また、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0122】
また、図3示した車両制御装置10および画像認識装置20の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、車両制御装置10および画像認識装置20の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、例えば、画像認識装置20の歩行者判別部23bおよび動物判別部23cを統合するなど、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、車両制御装置10および画像認識装置20にて行なわれる各処理機能(車両制御装置10の車両制御機能や画像認識装置20の物体検出機能、歩行者判別機能および動物判別機能など)は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0123】
なお、本実施例で説明した各処理方法(図6、図7、図8および図10参照)は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
以上のように、本発明に係る画像認識装置、画像認識方法および車両制御装置は、カメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、判別の候補となる物体を判別する場合に有用であり、特に、画像から検出された判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物(例えば、犬や猫などの四足動物)を判別して、歩行者であるか、歩行者以外の動物であるかを明確に区別することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】実施例1の概要および特徴を説明するための図である。
【図2】実施例1の概要および特徴を説明するための図である。
【図3】実施例1に係る画像認識装置および車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】衝突危険度判定テーブルの構成例を示す図である。
【図5】制御テーブルの構成例を示す図である。
【図6】実施例1に係る画像処理装置の制御部(マイコン)23の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施例1に係る画像認識装置を構成する動物判別部23cの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施例1に係る車両制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施例2に係る動物判別処理の概要を説明するための図である。
【図10】実施例2に係る画像認識装置の動物判別部23cの処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0126】
10 車両制御装置
11 撮像装置
12 ナビ部
13 レーダ部
14 車内通知部
15 報知制御部
16 車両制御部
17 威嚇制御部
20 画像認識装置
21 前処理部
21a フィルタ部
21b 輪郭抽出部
22 記憶部
22a 学習規定記憶部
22b 学習モデル記憶部
22c 衝突危険度判定テーブル
23 制御部(マイコン)
23a 物体検出部
23b 歩行者判別部
23c 動物判別部
23d 衝突危険度判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、当該判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であるか否か判別する物体判別手段を備え、当該判別の候補となる物体が歩行者であるか、または歩行者以外の動物であるかを区別することを特徴とする画像認識装置。
【請求項2】
前記物体判別手段は、前記判別の候補となる物体について、前記歩行者以外の所定の動物を構成する所定の部位に関する判定を行って、その結果得られる当該所定の部位についての判別値が所定の閾値を超えている場合には、当該歩行者以外の所定の動物であると判別することを特徴とする請求項1に記載の画像認識装置。
【請求項3】
前記物体判別手段は、前記判別の候補となる物体について、前記歩行者以外の所定の動物を構成する複数の所定の部位に関する判定をそれぞれ行って、その結果得られる各判別値を加算した合計値が所定の閾値を超えている場合には、当該歩行者以外の所定の動物であると判別することを特徴とする請求項2に記載の画像認識装置。
【請求項4】
前記物体判別手段は、前記各判別値のいずれかに重み付けを行った上で、当該各判別値を加算した合計値が所定の閾値を超えている場合には、前記歩行者以外の所定の物体であると判別することを特徴とする請求項3に記載の画像認識装置。
【請求項5】
前記物体判別手段は、前記判別の候補となる物体について画素値に関する判定を行って、その結果得られる当該画素値が所定の閾値を超えている場合であって、かつ当該判定位置が所定の高さ以内である場合には、前記歩行者以外の所定の動物であると判別することを特徴とする請求項1に記載の画像認識装置。
【請求項6】
前記物体判別手段は、複数の連続画像から検出された判別の候補となる同一物体について、前記歩行者以外の所定の動物の所定の部位の動作に関する判定を行って、その結果得られる判別値が所定の閾値を超えている場合には、当該歩行者以外の所定の動物であると判別することを特徴とする請求項1に記載の画像認識装置。
【請求項7】
前記物体判別手段は、前記判別の候補となる物体を歩行者であるか否か判別し、当該判別の候補となる物体を歩行者ではないと判別した場合には、当該判別の候補となる物体について、当該歩行者以外の所定の動物であるか否か判別することを特徴とする請求項1に記載の画像認識装置。
【請求項8】
前記判別の候補となる物体の大きさを測定する測定手段をさらに備え、
前記物体判別手段は、前記測定手段により測定された前記判別の候補となる物体の大きさが所定の大きさ未満である場合には、当該判別の候補となる物体を歩行者ではないと判別することを特徴とする請求項7に記載の画像認識装置。
【請求項9】
カメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、当該判別の候補となる物体が、歩行者以外の所定の動物であるか否か判別する物体判別手段により前記判別の候補となる物体が前記歩行者以外の所定の動物であると判別された場合に運転者に警告を報知する警告報知手段を備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項10】
前記物体判別手段により前記判別の候補となる物体が前記歩行者以外の所定の動物であると判別された場合に、当該歩行者以外の所定の動物に対して威嚇する威嚇制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の車両制御装置。
【請求項11】
前記警告報知手段は、前記物体判別手段による判別結果に応じて運転者に警告を報知することを特徴とする請求項9に記載の車両制御装置。
【請求項12】
前記威嚇制御手段は、前記物体判別手段による判別結果に応じて前記歩行者以外の所定の動物に対して威嚇することを特徴とする請求項9に記載の車両制御装置。
【請求項13】
カメラで撮像された画像から判別の候補となる物体が検出された場合に、当該判別の候補となる物体が歩行者以外の所定の動物であるか否か判別する物体判別工程を備え、当該判別の候補となる物体が歩行者であるか、または歩行者以外の動物であるかを区別することを特徴とする画像認識方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−21035(P2008−21035A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190865(P2006−190865)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】