説明

画素型エネルギ識別検出器の電荷共有を低減する方法及び装置

【課題】直接変換検出器のピクセルの間の電荷共有を低減した計算機式断層写真法(CT)装置及び方法を設計する。
【解決手段】CT検出器が、複数の金属化アノード(102)を含んでおり、各々の金属化アノード(102)は間隙(125)によって他の金属化アノード(102)から離隔されている。直接変換物質(101)が、複数の金属化アノード(102)に電気的に結合されており、直接変換物質(101)に入射するX線によって発生される電荷が複数の金属化アノード(102)の少なくとも2個の間で共有されるような電荷共有領域(124)を有している。X線減弱物質(110)が、電荷共有領域(124)に向かうX線を減弱するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、診断撮像に関し、さらに具体的には、フォトン数データ及び/又はエネルギ・データを提供することが可能な直接変換検出器であって、ピクセルの間での電荷共有を低減した直接変換検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、X線及び計算機式断層写真法(CT)のような放射線イメージング・システムでは、X線源が患者又は手荷物のような被検体又は対象に向かってX線を放出する。以下では、「被検体」及び「対象」との用語は、撮像されることが可能な任意の物体を記述するために互換的に用いられる場合がある。ビームは、被検体によって減弱された後に放射線検出器のアレイに入射する。検出器アレイにおいて受光される減弱後のビーム放射の強度は典型的には、X線の減弱量に依存している。検出器アレイ内の各々の検出器素子が、各々の検出器素子によって受光される減弱後のビームを示す別個の電気信号を発生する。電気信号はデータ処理システムへ伝送されて解析され、解析から最終的に画像が形成される。
【0003】
幾つかのCTイメージング・システムでは例えば、X線源及び検出器アレイは、ガントリの内部で撮像平面内を被検体の周りに回転する。かかるCTイメージング・システムのX線源としては典型的には、限定しないがX線管、固体X線源、熱電子X線源及び電界放出子等があり、焦点から発するファン(扇形)・ビームとしてX線を放出する。かかるCTイメージング・システムのX線検出器は典型的には、焦点スポットを中心とした円弧を成して構成されている。加えて、かかる検出器は、検出器において受光され焦点スポットに集束するX線ビームをコリメートするコリメータを含んでいる。かかる検出器は、コリメータに隣接して設けられておりX線を光エネルギへ変換するシンチレータと、隣接するシンチレータから光エネルギを受け取ってここから電気信号を発生するフォトダイオードとを含んでいる。典型的には、シンチレータ・アレイの各々のシンチレータがX線を光エネルギに変換する。各々のフォトダイオードが光エネルギを検出し、対応するフォトダイオードによって放出される光の関数として対応する電気信号を発生する。次いで、フォトダイオードの出力はデータ処理システムへ伝送されて画像再構成を施される。
【0004】
従来のCTイメージング・システムは、検出器を用いて放射線撮像エネルギを電流信号へ変換し、電流信号を時間にわたって積分した後に測定して最終的にディジタル化する。しかしながら、かかる検出器の欠点は、検出されたフォトンの数及び/又はエネルギについてのデータ又はフィードバックを与え得ないことである。すなわち、従来のCT検出器はシンチレータ構成要素及びフォトダイオード構成要素を有しており、シンチレータ構成要素は放射線撮像エネルギを受け取ると発光し、フォトダイオードはシンチレータ構成要素の発光を検出して発光強度の関数として電気信号を与える。電荷積分動作モードでは、フォトダイオードはシンチレーションからエネルギ・レベル又はフォトン数を特定することができない。例えば、2個のシンチレータが同等の強度で発光する場合があり、するとこれらのシンチレータはそれぞれのフォトダイオードに同等の出力を供給する。しかしながら、各々のシンチレータによって受光されたX線の数は異なっているかも知れず、X線強度も同様であるにも関わらず、同等の光出力を生じ得る。
【0005】
エネルギ識別直接変換検出器は、X線計数ばかりでなく、検出された各々のX線のエネルギ・レベルの測定値を与えることが可能である。従って、かかる検出器を、可能性としてはSPECT撮像又はPET撮像に用いることができる。また、エネルギ識別検出器を用いて、測定されたエネルギ・レベルに物質識別アルゴリズムを適用することにより撮像対象の組成情報を与えることができる。直接変換エネルギ識別検出器の構築には多くの物質を用いることができるが、典型的にはテルル化カドミウム亜鉛(CZT)及びテルル化カドミウム(CdTe)のような半導体が好ましい物質であることが判明している。
【0006】
典型的な撮像応用では、X線は直接変換物質に吸収され、直接変換物質での電荷の発生を生ずる。ディジタル画像情報を生成するために、発生された電荷は、典型的には電荷積分電子回路又は電荷パルス計数電子回路のいずれかを用いてセグメント分割されたアノードに収集される。
【0007】
しかしながら、直接変換半導体検出器の一つの欠点は、各アノードの間隙又は外周の近くの直接変換物質に吸収されたX線が内部に電荷を発生し、この電荷が少なくとも2個の隣り合ったピクセル・アノードによって共有され得ることである。電荷積分電子回路を用いる場合には、電荷共有は隣り合ったピクセルの間でのクロストークとして現われる場合があり、すると電子回路が電子的雑音増幅及び画像の空間的ボケを蒙り易くなる。パルス計数電子回路を用いる場合は、電荷共有は少なくとも2個のアノードの間で電荷の分配を生じ、アノードの少なくとも1個に収集された電荷パルスの振幅が識別閾値を下回ると欠損計数を生じ得る。加えて、パルス計数のときに、高エネルギX線は、2以上の個数の生成が2以上の隣り合ったアノードに収集されることにより検出量子効率(DQE)の損失を引き起こし、このようにして事象を数え損ねたり、例えば単一の高エネルギ事象を2以上の低エネルギ事象として振り分け(ビニング)したりする場合がある。事象の数え損ね及びエネルギに関する振り分けは、物質識別の能力を低下させる。
【0008】
CT撮像に関する直接変換半導体検出器のもう一つの欠点は、直接変換結晶の端辺及び隅部での応答が再現可能でないことである。直接変換結晶のこのような位置は典型的には、入射X線束が変化するのに伴って内部電界の変化を引き起こす電荷捕獲中心を有している。内部電界が変化することにより検出器応答が低下し、非最適画像を生じ得る。
【0009】
CT撮像に関する直接変換半導体検出器のもう一つの欠点は、これらの形式の検出器が、従来のCTシステムに典型的に見受けられる例えば平方ミリメートル当たり秒当たり500万個〜1億個(Mcps)以上の極めて高いX線フォトン線束量(flux rate)では計数を行ない得ないことである。極めて高いX線フォトン線束量はパイルアップ及び偏極を生じ、最終的には検出器飽和を招き得る。すなわち、これらの検出器は典型的には、比較的低いX線束レベル閾値で飽和する。これらの閾値を上回ると、検出器応答が予測可能でなくなるか又は線量利用が低下する。飽和は、検出器と放射線撮像エネルギ源又はX線管との間に厚みの小さい被検体を介在させている検出器位置で起こり得る。これらの飽和領域は、検出器の扇形の弧に投影される被検体の幅の近く又は外部の被検体の厚みの小さい経路に対応することが判明している。多くの例で、被検体は、X線束の減弱及び続く検出器への入射強度に対する効果において概ね円形又は楕円形である。この場合には、飽和領域は扇形の弧の両端の2箇所の離隔領域に相当する。他の例では、飽和は他の位置において検出器の2箇所よりも多い離隔領域で起こる。楕円形の被検体の場合には、被検体とX線源との間でのボウタイ・フィルタの付置によって扇形の弧の端辺での飽和が低減される。典型的には、フィルタは扇形の弧にわたってフィルタ及び被検体の全減弱を等化するように被検体の形状に合わせて構築される。すると、検出器に入射する線束は、扇形の弧にわたってさらに綿密に一様となり、飽和を生じない。しかしながら、被検体集団が著しく一様に満たず形状が厳密には楕円でないとすると、ボウタイ・フィルタは最適とは言えない。このような場合には、1若しくは複数の離隔飽和領域が発生したり、又は反対にX線束を過度に濾波して極く低線束の領域を生成したりする可能性がある。画像投影における低X線束は、被検体の再構成画像に雑音を増加させる傾向がある。
【0010】
検出器飽和は撮像情報の損失を招き、X線投影及びCT画像にアーティファクトを引き起こす。加えて、検出器飽和に近い線束量及び検出器飽和を超える線束量において、ヒステリシス及び他の非線形効果が起こる。直接変換検出器は「偏極」と呼ばれる現象を蒙り易く、この現象では、物質の内部の電荷捕獲が内部電界を変化させ、検出器の計数及びエネルギ応答を予測不可能な方法で変化させて、応答が前段の照射履歴によって変化するヒステリシスを生ずる。具体的には、フォトン計数直接変換検出器は、各々のX線フォトン事象に関連する固有の電荷収集時間(すなわち不感時間)に起因して飽和する。飽和は、各々のピクセルのX線フォトン吸収速度が電荷収集時間の逆数程度であるときに、パルスのパイルアップに起因して起こる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
直接変換検出器での電荷共有の問題に取り組むために多くの手法が開発されている。エネルギ識別検出器は典型的には、画素型構造を画定する多数のセグメント型アノードを含んでおり、これらのアノードに直接変換物質が電気的に取り付けられている。アノードは、検出平面の面積をセグメント分割する撮像ピクセルから成る応答面積を画定している。小さいピクセルの方が望ましい、というのは、ピクセルが小さいほど高空間分解能の情報が入手可能となり、高分解能の画像を得ることができ、またピクセルが小さいほど線束量の容量が全般に改善されるからである。しかしながら、ピクセル寸法を小さくすると、読み出し電子回路に接続されることを必要とする単位面積当たりのチャネルの数が増えるため経費が増大し得る。加えて、ピクセル又は検出器素子が小さいと外周対面積比が大きくなり、検出器の単位面積当たりの電荷共有領域の百分率が増加する。
【0012】
ピクセルの外周は2以上のピクセルの間で電荷が共有され得る領域であり、読み出し電子回路は隣り合ったピクセルの近同時信号を結合するように構成されていないため、かかる電荷について不完全なエネルギ情報及び/又はX線フォトンの数え損ねが起こる。読み出し電子回路は時間同時計数回路を組み入れることができ、時間同時計数回路は、画定された時間窓の範囲内で発生する事象を識別するように構成されており、時間窓は、一旦識別された検出事象が振り分け計数を受けないように画定されている。しかしながら、かかる電子回路は具現化するのが高価で困難である場合がある。時間同時計数回路はまた、2以上のピクセルの間で共有されるX線事象についてのエネルギ情報を保存するときに、隣接する領域での2以上のフォトンの近同時到達によって起こる偶発的な同時計数に起因した劣化を蒙らざるを得ず、上述のエネルギ情報を十分に保存することができない。
【0013】
直接変換結晶の端辺及び隅部での応答の再現性に関する問題を解決するために、保護環が装置のアノード表面又は結晶壁の側壁に典型的に載置される。しかしながら、保護環は半導体の内部の電荷の捕獲を防がず、半導体の内部に変化する電界が発生することも防がない。
【0014】
従って、直接変換検出器のピクセルの間の電荷共有を低減したCT装置及び方法を設計することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、以上に述べた欠点を克服する方法及び装置を提供する。
【0016】
本発明の一観点によれば、CTイメージング・システムが、複数の金属化アノードを含んでおり、各々の金属化アノードは間隙によって他の金属化アノードから離隔されている。直接変換物質が、複数の金属化アノードに電気的に結合されており、直接変換物質に入射するX線によって発生される電荷が複数の金属化アノードの少なくとも2個の間で共有されるような電荷共有領域を有している。X線減弱物質が、電荷共有領域に向かうX線を減弱するように配置されている。
【0017】
本発明のもう一つの観点によれば、CT検出器を製造する方法が、複数の金属化アノードを設けるステップと、複数の金属化アノードを間隙によって互いから離隔するステップとを含んでいる。方法はさらに、直接変換物質を複数の金属化アノードに取り付けるステップと、直接変換物質の電荷共有領域に向かうX線が吸収されるようにX線吸収材料を配置するステップとを含んでいる。
【0018】
本発明のさらにもう一つの観点によれば、CTシステムが、走査される対象を収容する開口を有する回転式ガントリを含んでいる。高周波電磁エネルギ投射源が、高周波電磁エネルギ・ビームを対象に向かって投射するように構成されており、検出器が、対象を透過するX線を受け取るように配置されている。検出器は、間に間隙を有する1対の電荷検出器と、該1対の電荷検出器に電気的に結合された直接変換物質と、高周波電磁エネルギ・ビームと直接変換物質との間に配置されているX線遮断体であって、上述の1対の電荷検出器の各々によって検出可能な電荷を発生することが可能な直接変換物質の領域に向かうX線を遮断するように構成されているX線遮断体とを含んでいる。
【0019】
本発明の様々な他の特徴および利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図面は、本発明を実施するために現状で思量される好ましい一実施形態を示す。
【0021】
64スライス型計算機式断層写真法(CT)システムに関連して本発明の動作環境を説明する。但し、当業者であれば、本発明が他のマルチスライス型構成での利用にも同等に適用可能であることを理解されよう。さらに、X線の検出及び変換に関して本発明を説明する。しかしながら、当業者は、本発明が他の高周波電磁エネルギの検出及び変換にも同等に適用可能であることをさらに理解されよう。本発明を「第三世代」CTスキャナに関して説明するが、本発明は他のCTシステムでも同等に適用可能である。
【0022】
図1及び図2には、計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム10が、「第三世代」CTスキャナに典型的なガントリ12を含むものとして示されている。ガントリ12はX線源14を有しており、X線源14は、ガントリ12の反対側にある検出器アセンブリ又はコリメータ18に向かってX線ビーム16を投射する。検出器アセンブリ18は、複数の検出器20及びデータ取得システム(DAS)32によって形成されている。複数の検出器20は、患者22を透過する投射X線を感知し、DAS32は後続の処理のためにデータをディジタル信号に変換する。各々の検出器20は、入射X線ビームの強度を表わし従って患者22を透過する際の減弱後のビームを表わすアナログ電気信号を発生する。X線投影データを取得するための1回の走査の間に、ガントリ12及びガントリ12に装着されている構成部品は回転中心24の周りを回転する。
【0023】
ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構26によって制御される。制御機構26は、X線制御器28とガントリ・モータ制御器30とを含んでおり、X線制御器28はX線源14に電力信号及びタイミング信号を供給し、ガントリ・モータ制御器30はガントリ12の回転速度及び位置を制御する。画像再構成器34が、サンプリングされてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取って高速画像再構成を実行する。再構成された画像はコンピュータ36への入力として印加され、コンピュータ36は大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
【0024】
コンピュータ36はまた、キーボードを有するコンソール40を介して操作者から指令及び走査用パラメータを受け取る。付設されている陰極線管表示器42によって、操作者は、再構成された画像及びコンピュータ36からのその他のデータを観察することができる。操作者が供給した指令及びパラメータはコンピュータ36によって用いられて、DAS32、X線制御器28及びガントリ・モータ制御器30に制御信号及び情報を供給する。加えて、コンピュータ36は、電動テーブル46を制御するテーブル・モータ制御器44を動作させて、患者22及びガントリ12を配置する。具体的には、テーブル46は患者22の各部分をガントリ開口48を通して移動させる。
【0025】
図3及び図4に示すように、検出器アセンブリ18は複数の検出器20及びDAS32を含んでおり、各々の検出器20は、パック51として構成されている多数の検出器素子50を含んでいる。検出器アセンブリ18のレール17が、コリメート用ブレード又はプレート19を間に配置して有している。検出器アセンブリ18は、X線ビームが検出器20に入射する前にX線16をコリメートするように配置されている。図3に示す一実施形態では、検出器アセンブリ18は57個の検出器20を含んでおり、各々の検出器20が64×16個のピクセル素子50のアレイ寸法を有している。結果として、検出器アセンブリ18は64列の横列及び912列の縦列(16×57個の検出器)を有し、ガントリ12の各回の回転で64枚の同時スライスのデータを収集することを可能にしている。
【0026】
検出器20は、検出器素子50に対してパック51の内部に配置されたピン52を含んでいる。パック51は、複数のダイオード59を有するダイオード・アレイ53の上に配置されている。次に、ダイオード・アレイ53は多層基材54の上に配置されている。スペーサ55が多層基材54の上に配置されている。検出器素子50はダイオード・アレイ53に光学的に結合され、次にダイオード・アレイ53は多層基材54に電気的に結合されている。軟質(フレックス)回路56が、多層基材54の面57及びDAS32に取り付けられている。検出器20は、ピン52の利用によって検出器アセンブリ18の内部に配置される。
【0027】
動作時には、検出器素子50の内部に入射するX線がフォトンを発生し、フォトンがパック51を横断することによりアナログ信号を発生して、この信号がダイオード・アレイ53の内部のダイオード58において検出される。発生されるアナログ信号は、多層基材54を通り、フレックス回路56の一つを通ってDAS32まで運ばれて、ここでアナログ信号がディジタル信号に変換される。
【0028】
本発明の一実施形態では、各々の検出器は、放射線撮像エネルギをエネルギ識別データ又はフォトン数データを含む電気信号に直接変換するように設計されている。本発明は、これらの検出器、検出器構成要素、及びデータが読み出される態様について多くの構成を思量している。一好適実施形態では、半導体はテルル化カドミウム又はテルル化カドミウム亜鉛(CZT)から製造される。しかしながら、当業者は、放射線撮像エネルギの直接変換が可能な他の物質を用い得ることを容易に認められよう。後述するように、直接変換物質とX線源との間にグリッド・アセンブリが配置されて、直接変換検出器を形成するアノード同士の間の間隙に向かうX線を減弱する。これらのグリッドは、改善された検出器性能を提供すると共に、直接変換の領域において発生される電荷であってグリッドを設けなければ直接変換検出器の隣り合ったアノードの間で共有されたであろう電荷を低減する。
【0029】
直接変換物質に入射するX線が直接変換物質の大部分において電荷を発生し、電荷は直接変換物質を通って移動して、電荷を収集するように配置されているアノード構造に達することは広く知られている。撮像応用での検出器の動作は、セグメント分割されたアノードにおいて電荷を収集することによる電荷の測定を必要とする。セグメント分割されたアノードは、検出平面の応答面積を画定している。しかしながら、X線がアノードの間の間隙の近くの領域において直接変換物質に入射すると、電荷は少なくとも2個の隣り合ったアノードの間で共有される。かかる電荷共有は画像アーティファクトを生じ得る。
【0030】
一般的には、直接変換検出器を用いて画像を形成するために、電荷積分電子回路又は電荷パルス計数電子回路のいずれかが用いられる。電荷積分の場合には、電荷はピクセルの面積にわたって積分され、積分された電荷を用いて、X線計数を示すと共に検出された各々のX線のエネルギ・レベルの測定値を与えるディジタル信号を発生する。パルス計数の場合には、フォトン・エネルギを記録するために、電流パルスの振幅を閾値レベルと比較して振り分けカウンタに記憶させる。
【0031】
図5及び図6には、本発明の一実施形態によるX線検出器98の一部が示されている。検出器98は、好ましくはテルル化カドミウム亜鉛(CZT)及びテルル化カドミウム(CdTe)等のような半導体物質で構築された直接変換物質101を有する半導体層100を含んでいる。半導体層100はまた、直接変換物質101の表面104に付着されている金属化された接点102を有している。
【0032】
一好適実施形態では、金属化表面108が、直接変換物質101のための高電圧接触電極となっている。当業者には、X線吸収特性を低減するように高電圧電極108を比較的薄くすべきであることが理解されよう。従って、高電圧電極108は好ましくは、厚みが数百オングストロームである。高電圧電極108は、気相堆積のような金属化工程によって直接変換物質101に付着させることができ、典型的には金、白金、銀、銅又はアルミニウム等のような金属を含んでいる。
【0033】
金属化接点102は直接変換物質101の層に電気的に接続され、好ましくは二次元パターンで配列される。但し、当業者であれば、接点102が、例えば横列を交互にずらしたスタガード型ピクセル配列のような他のパターン又は配列で構成されてもよいことが認められよう。接点102はまた、寸法が典型的には0.2mm〜2.0mmにわたっており間隙を有する六角形、長方形及び正方形等として成形されていてもよい。
【0034】
検出器98は、X線を減弱させるグリッド・アセンブリ110を含んでいる。グリッド・アセンブリ110は複数の棒材(bar)又は桟材(rung)114、116を含んでおり、これらの棒材又は桟材114、116が外周フレーム111の間に又は外周フレーム111に沿って散在して、開口115を形成している。外周フレーム111及び桟材114、116は、X線吸収性又はX線遮断性の物質で少なくとも部分的に形成されている。外周フレーム111は、直接変換物質101の外周113に実質的に沿って配置される。一実施形態では、外周フレーム111及び桟材114、116は、タングステン、モリブデン及び鉛等のような原子番号の大きい金属又は高密度の金属で形成され、例えば0.1mm〜0.5mmの厚みを有する。もう一つの実施形態では、外周フレーム111及び桟材114、116は、例えばタングステン、モリブデン及び鉛等の粉末を充填したポリマーで形成され、例えば0.5mm〜1.5mmの厚みを有する。外周フレーム111及び桟材114、116の厚みは実質的に同様であってよいが、外周フレーム111の厚みが桟材114、116の厚みよりも厚くても薄くてもよいものと思量される。
【0035】
外周フレーム111は、図1のX線源14のようなX線源から放出されて直接変換物質101の外側端辺若しくは外周127に向かうX線を遮断する又は減弱するように配置されている。同様に、桟材114、116は、図1のX線源14のようなX線源から直接変換物質101の電荷共有領域124に向けて放出されるX線を遮断する又は減弱するように配置されている。電荷共有領域124は、直接変換物質101の領域であって、X線入射の結果として内部で発生される電荷が少なくとも2個の電気接点102の間で共有され得るような領域である。一実施形態では、電荷共有領域124は、電気接点102の間に形成される間隙125に実質的に一致する。
【0036】
さらに図5及び図6を参照すると、本発明の一実施形態では、グリッド・アセンブリ110は選択随意で、隣り合った桟材114、116の間で開口115に配置されている低X線減弱性の構造又は支持材122を含んでいる。支持材122は、ポリスチレン、ポリメタクリルイミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン及びポリエチレン等のような発泡又は押し出し低密度ポリマー充填材料を含んでいる。支持材122は、グリッド・アセンブリ110に付加的な支持を設ける構造膜となる。支持材122は低X線減弱性であるため、支持材122に向かうX線の大部分が支持材122を透過する。
【0037】
一好適実施形態では、検出器98は半導体層100とグリッド・アセンブリ110との間に配置された絶縁アセンブリ118を含んでいる。高電圧絶縁物質119が好ましくは、マイラ、シリコン・ゴム及びポリイミドのような高電圧絶縁特性を有する高分子フィルムで構築される。絶縁アセンブリ118はまた、高電圧絶縁物質119に付着された高電圧電極120を含んでいる。高電圧電極120は、高圧電源123に電気的に接続されたワイヤ121を含んでいる。高電圧電極120はまた、X線又はガンマ線の検出工程時に高圧電源123から高電圧電極108に電圧が印加されるように、高電圧電極108に電気的に接続される。当業者は、X線吸収特性を低減するように高電圧電極120を比較的薄くすべきであることを理解されよう。一好適実施形態では、高電圧電極120は厚みが数百オングストロームである。高電圧電極120は、気相堆積のような金属化工程によって高電圧絶縁物質119に付着させることができ、典型的には金、白金、銀、銅又はアルミニウム等のような金属を含んでいる。
【0038】
図7を参照すると、検出器98の一部の平面図が、グリッド・アセンブリ110の外周フレーム111を含んでいる。桟材114、116は開口115を形成し、開口115の内部に選択随意で支持材122が配置されている。金属化接点102は隠れ線で示されており、間に間隙125が形成されている。直接変換物質101に形成された電荷共有領域124には、上方に桟材114、116が配置されており、このようにして、電荷共有領域124に向かうX線を減弱する。同様に、外周フレーム111は直接変換物質101の外周113に向かうX線を減弱する。
【0039】
図8には、検出器98の側面平面図が示されている。直接変換物質101は、表面104に取り付けられた金属化接点102と、隣り合った接点102の間に形成された間隙125とを有している。高電圧電極108が直接変換物質101の上に形成されて、半導体層100を形成している。絶縁物質119には高電圧電極120が付着されて絶縁アセンブリ118を形成しており、かかる絶縁物質119が半導体層100の高電圧電極108の上に配置されている。グリッド・アセンブリ110の桟材116は、電荷共有領域124に向かう図2及び図3のX線16を減弱するように配置されている。同様に、外周フレーム111は、直接変換物質101の外周113に向かう図2及び図3のX線16を減弱するように配置されている。
【0040】
図9には、本発明の一実施形態による散乱線除去アセンブリ128が示されている。散乱線除去アセンブリ128は、図3にも示すように複数のブレード19を含んでおり、ブレード19はグリッド・アセンブリ110に隣接して配置されていてもグリッド・アセンブリ110と一体化されていてもよく、桟材116に平行に整列している。ブレード19は、各々のブレード19によって画定される平面が、該平面に直に隣接して通過するX線16と実質的に平行となるように、散開した配列で配置されている。支持ワイヤ131が、図3の検出器アセンブリ18のプレート19に接して配置されている。
【0041】
散乱線除去アセンブリ128は、機械加工、エッチング又は成形によって形成されてもよいし、積層された薄層で構築されてもよい。散乱線除去アセンブリ128は好ましくは、タングステン、鉛及びモリブデン等のような高密度を有する物質又は原子番号の大きい物質から製造される。但し、散乱線除去アセンブリ128は鉛、モリブデン及び鉛等の粉末を有するポリマーで製造されてもよいものと思量される。
【0042】
図10には、本発明のもう一つの実施形態による散乱線除去グリッド・アセンブリ140が示されている。散乱線除去アセンブリ140は、第一の複数のブレード141を含んでおり、第一の複数のブレード141は、当該ブレード141と直交する第二の複数の平行ブレード142と一体化されている。散乱線除去アセンブリ140は、グリッド・アセンブリ110に隣接して配置されていてもグリッド・アセンブリ110と一体化されていてもよい。ブレード141、142は、それぞれグリッド・アセンブリ110の桟材114、116と実質的に整列している。プレート141、142は好ましくは、プレート141、142によって画定される平面が、該平面に直に隣接して通過する図2及び図3のX線16と実質的に平行となるように、桟材114、116に関して散開した配列で配置されている。従って、プレート141、142は、X線16をコリメートして、図5〜図8の電荷共有領域124に向かうX線16を減弱するのに役立つ。
【0043】
散乱線除去アセンブリ140は、機械加工、エッチング又は成形によって形成されてもよいし、積層された薄層で構築されてもよい。散乱線除去アセンブリ140は好ましくは、タングステン、鉛及びモリブデン等のような高密度を有する物質又は原子番号の大きい物質から製造される。但し、散乱線除去アセンブリ128は鉛、モリブデン及び鉛等の粉末を有するポリマーで製造されてもよいものと思量される。
【0044】
図11は、本発明の一実施形態による1:1のグリッド対ピクセル構成を示す。グリッド・アセンブリ・パターン150は、グリッド・アセンブリ110の外周材料111及び桟材114、116の配置を表わす。ピクセル・パターン152は、半導体層100の接点102の配置を表わす。図示のように、各々の接点102が、桟材114、116及び/又は外周材料111によって境界を画定される単一の空間開口115に相互に関連している。
【0045】
図12は、1:4のグリッド・アセンブリ・パターン160対ピクセル・パターン162を示す。グリッド・アセンブリ・パターン160は、図5及び図6の接点102のピクセル・パターン162に一致するグリッド・アセンブリ110のパターンである。この実施形態では、ピクセル・パターン162の接点102は、図11に示すようなピクセル寸法よりも実質的に小さく、このようにして図5の検出器98の空間分解能を改善している。グリッド・アセンブリ110は、この平面図において接点102の間隙125の一つ置きのものに実質的に一致する桟材114、116を有する。グリッド・アセンブリ110は、図5及び図6の直接変換物質101の外周113に実質的に一致する外周材料111を有する。当業者は、図9の散乱線除去ブレード19又は図10の二次元散乱線除去グリッド・アセンブリ140を用いて、散乱線の低減のために本書に説明するパターンに一致させ得ることを認められよう。
【0046】
図13は、グリッド・アセンブリ・パターン170と1:1一致を有する高分解能ピクセル・パターン172を示す。グリッド・アセンブリ・パターン170は、接点102のピクセル・パターン172に一致するグリッド・アセンブリ110のパターンである。この実施形態では、ピクセル・パターンの接点102は、図11に示すようなピクセル寸法よりも実質的に小さく、このようにして図5及び図6の検出器98の空間分解能が改善している。グリッド・アセンブリ170は、この平面図において接点102の間隙125に実質的に一致する桟材114、116を有する。グリッド・アセンブリは、図5及び図6の直接変換物質の外周101の外周113に実質的に一致する外周材料111を有する。当業者は、図9の散乱線除去ブレード19又は図10の二次元散乱線除去グリッド・アセンブリ140を用いて、散乱線の低減のために本書に説明するパターンに一致させ得ることを認められよう。一好適実施形態では、図13に示すように、図10の散乱線除去ブレード141、142が開口176のパターン174を有し、開口176の各々が、グリッド・アセンブリ170の4個の要素及びピクセル・パターン172の4個の要素を実質的に包含している。
【0047】
単一のCT検出器の内部で検出器素子アレイ寸法を変化させると、直接変換検出器の飽和特性に大きく影響する。ピクセル面積を小さくすると、所与の計数速度飽和閾値に対する線束量飽和閾値が面積縮小に比例して高くなることを意味する。このようなものとして、検出器素子の寸法が小さくなるにつれて対応する検出器層の線束量限度が高まり、これによりCZT検出器の飽和特性が改善される。1個のピクセルでの線束はピクセル面積に比例するので、図12及び図13の相対的に小さいピクセル・パターンの結合線束量飽和閾値は、図11でのような単一のピクセルによって達成されるものの4倍となり、4個のサブピクセルの面積をカバーする。加えて、図12及び図13の各々のサブピクセルは、層の厚みに対する寸法の縮小のため、さらに高速の電荷収集時間を有する。さらに高速の電荷収集時間は、単に検出器素子の寸法の縮小によって達成される計数速度性能の改善を凌ぐさらに大きい飽和線束量限度を示す。
【0048】
図14を参照すると、小荷物/手荷物検査システム510が、内部に開口514を有する回転ガントリ512を含んでおり、この開口514を通して小荷物又は手荷物を通過させることができる。回転ガントリ512は、本発明の一実施形態による高周波電磁エネルギ源516と、シンチレータ・セルで構成されたシンチレータ・アレイを有する検出器アセンブリ518とを収容している。また、コンベヤ・システム520が設けられており、コンベヤ・システム520は、構造524によって支持されており走査のために小荷物又は手荷物526を自動的に且つ連続的に開口514に通すコンベヤ・ベルト522を含んでいる。対象526をコンベヤ・ベルト522によって開口514に送り込み、次いで撮像データを取得し、コンベヤ・ベルト522によって開口514から小荷物526を除去することを、制御された連続的な態様で行なう。結果として、郵便物検査官、手荷物積み降ろし員及び他の保安人員が、爆発物、刃物、銃及び密輸品等について小荷物526の内容を非侵襲的に検査することができる。加えて、かかるシステムを、部品及びアセンブリの非破壊評価のために産業応用に用いることもできる。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、検出器が、複数の金属化アノードを含んでおり、各々の金属化アノードは間隙によって他の金属化アノードから離隔されている。直接変換物質が、複数の金属化アノードと電気的に結合されており、直接変換物質に入射するX線によって発生される電荷が複数の金属化アノードの少なくとも2個の間で共有されるような電荷共有領域を有している。X線減弱物質が、電荷共有領域に向かうX線を減弱するように配置されている。
【0050】
本発明のもう一つの実施形態によれば、CT検出器を製造する方法が、複数の金属化アノードを設けるステップと、複数の金属化アノードを間隙によって互いから離隔するステップとを含んでいる。方法はさらに、直接変換物質を複数の金属化アノードに取り付けるステップと、直接変換物質の電荷共有領域に向かうX線が吸収されるようにX線吸収材料を配置するステップとを含んでいる。
【0051】
本発明のさらにもう一つの実施形態によれば、CTシステムが、走査される対象を収容する開口を有する回転式ガントリを含んでいる。高周波電磁エネルギ投射源が、高周波電磁エネルギ・ビームを対象に向かって投射するように構成されており、検出器が、対象を透過するX線を受け取るように配置されている。検出器は、間に間隙を有する1対の電荷検出器と、該1対の電荷検出器に電気的に結合された直接変換物質と、高周波電磁エネルギ・ビームと直接変換物質との間に配置されているX線遮断体であって、上述の1対の電荷検出器の各々によって検出可能な電荷を発生することが可能な直接変換物質の領域に向かうX線を遮断するように構成されているX線遮断体とを含んでいる。
【0052】
本発明は好適実施形態について説明されており、明示的に述べたもの以外の均等構成、代替構成及び改変が可能であり特許請求の範囲に属することが認められよう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】CTイメージング・システムの見取り図である。
【図2】図1に示すシステムのブロック模式図である。
【図3】CTシステム検出器アレイの一実施形態の遠近図である。
【図4】検出器の一実施形態の遠近図である。
【図5】直接変換CT検出器の一実施形態の遠近図である。
【図6】本発明の一実施形態による直接変換検出器の構成要素の拡大遠近図である。
【図7】本発明の一実施形態による直接変換アノード接点を有するグリッド・アセンブリの平面図である。
【図8】本発明の一実施形態による直接変換検出器の電荷共有領域の図である。
【図9】本発明の一実施形態によるグリッド構造及びコリメータ・アセンブリの図である。
【図10】本発明の一実施形態によるグリッド構造及びコリメータ・アセンブリの図である。
【図11】本発明の一実施形態によるグリッド対ピクセルのパターンの図である。
【図12】本発明の一実施形態によるグリッド対ピクセルのパターンの図である。
【図13】本発明の一実施形態によるグリッド対ピクセルのパターンの図である。
【図14】本発明の一実施形態を組み入れた非侵襲型小荷物検査システムと共に用いられるCTシステムの見取り図である。
【符号の説明】
【0054】
10 計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム
12 ガントリ
14 X線源
16 X線のビーム
17 レール
18 検出器アセンブリ又はコリメータ
19 コリメート用ブレード又はプレート
20 複数の検出器
22 患者
24 回転中心
26 制御機構
28 X線制御器
30 ガントリ・モータ制御器
32 データ取得システム(DAS)
34 画像再構成器
36 コンピュータ
38 大容量記憶装置
40 コンソールを介した操作者
42 キーボード。付設されている陰極線管表示器
44 テーブル・モータ制御器
46 電動テーブル
48 ガントリ開口
50 素子
51 パック
52 ピン
53 ダイオード・アレイ
54 多層基材
55 スペーサ
56 フレックス回路
57 表面
59 ダイオード
98 X線検出器の部分
100 半導体層
101 直接変換物質
102 金属化接点
104 表面
108 金属化表面
110 X線を減弱するグリッド・アセンブリ
111 外周フレーム
113 外周
114、116 複数の棒材又は桟材
115 開口
118 絶縁アセンブリ
119 高電圧絶縁物質
120 高電圧電極
121 ワイヤ
122 構造又は支持材
123 高圧電源
124 電荷共有領域
125 間隙
127 外周
128 散乱線除去アセンブリ
131 支持ワイヤ
140 散乱線除去グリッド・アセンブリ
141 第一の複数のブレード
142 第二の複数の平行ブレード
150 グリッド・アセンブリ・パターン
152 ピクセル・パターン
160 1対4のグリッド・アセンブリ・パターン
162 ピクセル・パターン
172 高分解能ピクセル・パターン
170 グリッド・アセンブリ・パターン
174 パターン
176 開口
510 小荷物/手荷物検査システム
512 回転ガントリ
514 開口
516 高周波電磁エネルギ源
518 検出器アセンブリ
520 コンベヤ・システム
522 コンベヤ・ベルト
524 構造
526 小荷物又は手荷物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金属化アノード(102)であって、各々の金属化アノード(102)が間隙(125)により他の金属化アノード(102)から離隔されている、複数の金属化アノード(102)と、
該複数の金属化アノード(102)に電気的に結合されている直接変換物質(101)であって、当該直接変換物質(101)に入射するX線により発生される電荷が前記複数の金属化アノード(102)の少なくとも2個の間で共有されるような電荷共有領域(124)を有する直接変換物質(101)と、
前記電荷共有領域(124)に向かうX線を減弱するように配置されているX線減弱物質(110)と
を備えた計算機式断層写真法(CT)検出器。
【請求項2】
前記X線減弱物質(110)は、タングステン、モリブデン、鉛、並びにタングステン、モリブデン及び鉛の一つで充填されたポリマーの一つである、請求項1に記載の計算機式断層写真法検出器。
【請求項3】
前記X線減弱物質(110)と前記直接変換物質(101)との間に配置された高電圧絶縁物質(119)をさらに含んでいる請求項1に記載の計算機式断層写真法検出器。
【請求項4】
前記高電圧物質(119)と前記直接変換物質(101)との間に配置されており、前記高電圧絶縁物質(119)の表面に付着されている金属化表面(120)をさらに含んでいる請求項3に記載の計算機式断層写真法検出器。
【請求項5】
前記直接変換物質(101)と前記X線減弱物質(110)との間に配置されており、前記直接変換物質(101)の表面に付着されている金属化表面(108)をさらに含んでいる請求項1に記載の計算機式断層写真法検出器。
【請求項6】
前記X線減弱物質は、前記直接変換物質(101)の複数の前記電荷共有領域(124)に向かうX線を減弱するように配置された桟材(114、116)を有する二次元グリッドとして形成されている、請求項1に記載の計算機式断層写真法検出器。
【請求項7】
前記二次元グリッド(110)の前記桟材(114、116)に実質的に整列しているプレート(19)の二次元パターンを有する散乱線除去コリメータ(128)をさらに含んでいる請求項6に記載の計算機式断層写真法検出器。
【請求項8】
焦点スポットと、対応する電荷共有領域(124)との間に延在する射線と同一線上に各々配置されている複数の散乱線除去ブレード(19)をさらに含んでいる請求項6に記載の計算機式断層写真法検出器。
【請求項9】
前記二次元グリッド(110)は、前記複数の金属化アノード(102)により形成される間隙(152)のパターンに実質的に一致するパターン(150)を形成する、請求項6に記載の計算機式断層写真法検出器。
【請求項10】
前記グリッドにより形成される複数の開口(176)の各々が、前記直接変換物質(101)の4個のピクセル(102)を包含する、請求項9に記載の計算機式断層写真法検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−180713(P2008−180713A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9962(P2008−9962)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】