説明

異常事態の通知方法及び通知装置

【課題】 子供などの保護対象者の異常事態を早期に察知し、速やかに指定先に通知することができる異常事態の通知方法及び通知装置を提供する。
【解決手段】 携帯電話機1を所有する子供の現在位置を特定する位置検出部4と、歩数を計算する計算部3と、時刻及び現在位置の座標情報を記憶するメモリ部5と、移動速度を計算する速度計算部6と、計算部3からの加速度値と基準加速度値とを比較する第1比較部7Aと、速度計算部6からの移動速度の値と基準速度値とを比較する第2比較部7Bと、メモリ部5からの座標情報と行動範囲とを比較する第3比較部7Cと、第1〜第3比較部から送られてきた結果により警告信号を生成する判定部8と、警告信号を出力する無線通信部9と、判定部8から送出された警告信号により警告音を発出する音声部11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小学生など(以下、保護対象者とよぶ)が、現在、身体や生命に重大な危険性を及ぼすおそれのある誘拐などに合う危険な状態などにあるかどうかの判定を的確に行うことができる異常事態の通知方法及び通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在位置の情報を得ることができるGPS(Global Positioning System;非静止型人工衛星を使った、汎地球測位システム)などを利用し、子供などの保護対象者に対して許容する行動範囲を予め設定しておき、その範囲を越えた場合に保護者に警告することで、迷子や交通事故あるいは誘拐事件などから保護対象者を守るためのシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、子供や女性などの保護対象者に対して、身体や生命に重大な危険性を及ぼすおそれのある誘拐や強制的な連行後の暴行など(異常事態)を防止するため、保護対象者の移動速度を常時モニタし、その速度が予め設定された閾値を越えた場合に、その位置を保護者などに無線で送信する防犯システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−123167号公報
【特許文献2】特開2004−297356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、保護対象者である小学生などが下校途中で道草をしたような場合、誤判定するおそれがある。
一方、特許文献2に記載のシステムでは、下校途中で知り合いの人の車に乗せてもらったような場合には、誤判定する可能性がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、子供などの保護対象者が誘拐などの危険な状況に至った場合に、この異常事態を早期に察知して速やかに指定先に通知することができる異常事態の通知方法及び通知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の異常事態の通知方法は、保護対象者の歩数と移動速度と現在位置にもとづいて、前記保護対象者に異常事態が発生したか否かを通知する異常事態の通知方法であって、前記歩数のカウントが停止するとともに、前記移動速度が一定値を上回り、かつ、前記現在位置が予め定められた一定領域から外へ出ると、所定の者へ警告信号を送り前記異常事態の発生を知らせるものである。
【0006】
また、本発明の異常事態の通知方法は、携帯端末機器を所有する保護対象者の歩数と移動速度と現在位置にもとづいて、前記保護対象者に異常事態が発生したか否かを通知する、異常事態の通知方法であって、衛星からの信号を受信して前記保護対象者の現在位置の座標情報を特定するステップと、前記座標情報をもとに前記保護対象者の移動速度値を計算するステップと、前記保護対象者の歩行動作に起因する加速度値を求めるステップと、前記加速度値から前記保護対象者の歩数のカウント値を計算するステップと、前記加速度値と予め設定されている基準加速度値とをそれぞれを比較する第1の比較ステップと、前記移動速度値と予め設定されている基準速度値とを比較する第2の比較ステップと、前記座標情報と予め設定されている行動範囲とを比較する第3の比較ステップと、前記第1〜第3の比較ステップで求めた比較結果を確認して前記結果が全て異常と判定した場合に警告信号を生成するステップと、前記警告信号を受信器の保持者へ警告無線信号として送信するステップとを備えるものである。
【0007】
また、本発明の異常事態の通知方法は、前記歩数のカウントが停止するとともに、前記移動速度が一定値を上回り、かつ、前記現在位置が予め定められた一定領域から外へ出ると、所定の者へ警告信号を送り前記異常事態の発生を知らせるものである。
【0008】
また、本発明の異常事態の通知方法は、前記保護対象者の歩数のカウント値が停止すると、第1信号を出力するとともに、前記保護対象者の移動速度が一定値を上回ると、第2信号を出力し、かつ、前記保護対象者の現在位置が前記一定領域から出ると、第3信号を出力し、前記第1信号〜第3信号の全てが出力されると、前記異常事態と判断して前記所定の者へ前記異常事態を知らせる警告信号を送信するものである。
【0009】
また、本発明の異常事態の通知装置は、携帯端末機器を所有する保護対象者の歩数と移動速度と現在位置にもとづいて、前記保護対象者に異常事態が発生したか否かを通知する、前記携帯端末機器に設けた異常事態の通知装置であって、衛星からの信号を受信して前記保護対象者の現在位置の座標情報を特定する位置検出部と、前記座標情報をもとに前記保護対象者の移動速度値を計算する速度計算部と、前記保護対象者の歩行動作に起因する加速度値を求める加速度センサーと、前記加速度値から前記保護対象者の歩数のカウント値を計算する計算部と、前記加速度値と予め設定されている基準加速度値とをそれぞれを比較する第1比較部と、前記移動速度値と予め設定されている基準速度値とを比較する第2比較部と、前記座標情報と予め設定されている行動範囲とを比較する第3比較部と、前記第1〜第3比較部から送られてきた結果を確認して前記結果が全て異常と判定した場合に警告信号を生成する判定部と、前記判定部から送出された警告信号を受信器の保持者へ警告無線信号として送信する無線通信部とを備えるものである。
【0010】
また、本発明の異常事態の通知装置は、前記歩数のカウント値が停止するとともに、前記移動速度が一定値を上回り、かつ、前記現在位置が予め定められた一定領域から外へ出ると、警告信号を送信することによって前記異常事態の発生を知らせるものである。
【0011】
また、本発明の異常事態の通知装置は、前記第1〜第3比較部から送られてきた前記結果が全て異常と判定した場合、警告音を放つ警告手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、子供や女性などの保護対象者が誘拐や暴行などの危険にさらされるおそれのある状況に立ち至った場合に、この異常事態を早期に察知し、速やかに指定先に通知することができる異常事態の通知方法及び通知装置を提供できる。また、誘拐や暴行(或いは誘拐や暴行などのおそれがある)と正しく通知する確率を下げることなく、誤った通知を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る異常事態の通知装置を示すものであり、この通知装置は、携帯電話機などの携帯端末装置1に設けられており、加速度センサー2と、計算部3と、位置検出部4と、速度計算部5と、メモリ部6と、第1比較部7Aと、第2比較部7Bと、第3比較部7Cと、判定部8と、無線通信部9と、音声部11とを備える。
【0014】
加速度センサー2は、携帯端末装置1を携帯する保護対象者(本実施形態では小学生)が小学校へ登下校する際に、その小学生自身の歩行動作に起因するX軸加速度及びY軸加速度の値(α,α)を求め、そのX軸加速度値及びY軸加速度値(α,α)についてのデータを計算部3へ出力する。そのため、この加速度センサー2の出力が計算部3の入力に接続されている。
【0015】
計算部3は、加速度センサー2から送られてきたX軸加速度値及びY軸加速度値(α,α)についてのデータからその小学生の活動量または歩数のカウント値を計算して第1比較部7Aへ出力するものであり、出力が第1比較部7Aの入力に接続されている。
【0016】
位置検出部4は、人工衛星10(GPS)からのGPS信号を携帯端末装置1に設けた受信アンテナ1Aで受信してその小学生の現在位置(r)を特定しメモリ部5へ送出するものであり、入力が受信アンテナ1Aの出力に接続されているとともに出力がメモリ部5の入力に接続されている。
【0017】
メモリ部5は、位置検出部4から一定時間間隔で送られてくる時刻(t)及び現在位置(r)に関する情報、つまり座標情報(r、t)を随時記憶するのと同時にその座標情報(r、t)を一定時間間隔で速度計算部6へ送出するものであり、入力が位置検出部4の出力に接続されているとともに、出力が速度計算部6の入力及び第3比較部7Cの入力に接続されている。
【0018】
速度計算部6は、メモリ部5から随時送られてきた時刻及び座標情報(r、t)をもとにして、その小学生の移動速度(v)を次式
v=dr/dt ・・・(1)
から計算し、その結果を第2比較部7Bへ送出するものであり、入力がメモリ部5の出力に接続されているとともに、出力が第2比較部7Bの入力に接続されている。
【0019】
第1比較部7Aは、計算部3から送られてきた活動量または歩数のカウント値Vwと予め設定されている基準の活動量または基準の歩数のカウント値Vwrとをそれぞれ比較し、次式
Vw>Vwr ・・・(2)
を満たすときに、第1信号を判定部8に出力するものであり、入力が計算部3の出力に接続されているとともに、出力が判定部8の入力に接続されている。
【0020】
第2比較部7Bは、速度計算部6から送られてきた移動速度の値(v)と予め設定されている基準速度値(s)とを比較し、次式
v>s ・・・(3)
を満たすときに、第2信号を判定部8に出力するものであり、入力が速度計算部6の出力に接続されているとともに、出力が判定部8の入力に接続されている。
【0021】
第3比較部7Cは、メモリ部5から送られてきた時刻及び座標情報(r、t)と予め設定されている行動範囲(β)とを比較し、例えば普段、小学校での授業を受けている時間内での座標情報(r、t)が学校の敷地内から外れている場合、登校時間から学校到着予定時間までの時間内に行動範囲(β)を外れている場合、下校時間以後の時間に行動範囲(β)を外れている場合などには、第3信号を判定部8に出力するものであり、入力がメモリ部5の出力に接続されているとともに、出力が判定部8の入力に接続されている。
【0022】
判定部8は、第1比較部7A〜第3比較部7Cから送られてきた第1〜第3信号の入力結果を確認し、全て異常と判定した場合、警告信号を生成して無線通信部9へ出力することで、入力が第1比較部7A〜第3比較部7Cの各出力に接続されているとともに、出力が無線通信部9の入力に接続されている。なお、さらに、警告信号を音声部11へも出力することで、出力が音声部11の入力に接続することもできる。
【0023】
無線通信部9は、判定部8から送出された警告信号を受信すると、送信アンテナ1Bからこの警告信号を送信して受信器を保持する保護者(本実施形態では、両親)に異常事態が発生したことを無線電波で知らせるものであり、入力が判定部8の出力に接続されているととともに、出力が送信アンテナ1Bに接続されている。
なお、音声部11を備える場合には、さらに、音声部11は、判定部8から送出された警告信号を受信すると、異常事態を周囲に知らせるべく警告音を発出してもよい。
【0024】
次に、本実施形態の作用について、図2を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは、本実施形態に係るGPS機能付き携帯端末装置1を持った対象者(例:小学生)について、自分の学校から自宅まで行動に異常がないかどうか判定するものである。また、本実施形態において、異常事態の判定を行うために判定する項目は、1)歩行動作、2)移動速度、3)行動範囲、の3つである。
【0025】
先ず、1)の項目に関しては、携帯端末装置1に付いている加速度センサー2を用いて、その携帯端末装置1を携帯する対象者が歩行しているか、していないかの判定を行う。加速度センサー2は、X軸及びY軸の加速度値(α,α)を求め(ステップS1)、その値を計算部3に送る。計算部3は、その値(α,α)から活動量または歩数のカウント値を求め(ステップS2)、その結果(Vw)を第1比較部7Aに送る。
この第1比較部7Aでは、送られてきた(Vw)と第1比較部7A内部にある値(Vwr)とを比較した後(ステップS3)、その結果(C1)を判定部8に送る。ここで、Vwrの値はゼロより大きく、かつ、ある範囲を持っており、対象者の歩行速度によって設定値を変更することができる。即ち、
Vwr1≦Vwr≦Vwr2
但し、Vwr1;Vwrの下限
Vwr2;Vwrの上限
となる。
例えば、携帯端末装置1を携帯する小学生が下校途中に誘拐犯に車に乗せられた場合、Vwはゼロになる(歩行していない)。第1比較部7Aでは、VwとVwrとを比較した結果C1を、判定部8に送る。
【0026】
次に、2)の項目に関しては、GPS信号を用いた位置検出データから計算する。GPS信号を受信した位置検出部4は、位置を特定し(ステップS4)、そのときの時刻及び現在位置、つまり座標情報(r、t)をメモリ部5に送出する。一方、メモリ部5では、一定時間間隔で送られてくる時刻及び座標についてのデータ、つまり座標情報(r、t)を記憶し、同時にそのデータを速度計算部6に送出する(ステップS5)。
速度計算部6では、送られてきたデータから移動速度(Vm)を求め(ステップS6)、その結果を第2比較部7Bに送る。この第2比較部7Bでは、送られてきた(Vm)と第2比較部7Bの内部にある値(Vmr)とを比較した後、その結果(C2)を判定部8に送る(ステップS7)。ここで、Vmrの値は、
0<Vmr≦(走る速度)
の範囲に設定しておく。この(走る速度)は、個人差もあるが、対象者が小学生であれば時速15km程度に設定しておく。
例えば、携帯端末装置1を携帯する小学生が下校途中に誘拐犯に車に乗せられた揚合、Vmは15kmより速い値となる。第2比較部7BではVmとVmrとを比較した結果(C2)を判定部8に送る。
【0027】
最後に、3)の項目に関しては、予め登録されていた下校ルートの範囲と現在位置の比較を行う。第3比較部7Cでは、メモリ部5から随時送られてくる時刻及び現在位置についての情報、つまり座標情報(r、t)と、予め登録されている下校ルートの範囲とを比較し、その結果(C3)を判定部8に送る(ステップS8)。
【0028】
判定部8では、以上から得られた3種類の情報、つまりC1〜C3の結果から、後述する図3に示す判定表に基づき、携帯端末装置1を携帯する小学生の現在の状況について、異常事態にあるか否か、つまり誘拐などのおそれがあるか否かの判定を行う(ステップS9)。そして、もし、判定部8で“異常”であるとの判定がなされると、警告信号により、その小学生が携帯する携帯端末装置1のアンテナ1Bから警告を告げる電波が発振される(ステップS10)。なお、この警告信号は特定先(例えば、小学生の両親の携帯電話機、自宅のPC(パーソナルコンピュータ)、学校のPC、或いは契約先の警備会社など)に送られる。
なお、このとき、同時に、この警告信号は音声部11にも送出される。音声部11は警告信号を受信すると、異常事態を周囲に知らせるべく警告音を発出することもできる(ステップS11)。
【0029】
ここで、前述した結果(C1)〜(C3)の組み合わせにより得られる判定結果について、図3に示す判定表に基づき、具体的に説明する。
a.歩行速度が通常歩行範囲内にあり、かつ、走る速度内にあり、しかも下校ルートの範囲内にあるので、通常の下校であると容易に推測でき、“正常”と判定。
b.移動速度が正常の範囲内ではあるが、下校ルートを外れているので、“異常”と判定。
c.移動速度は異常であるが、所定の下校ルートの範囲内にいるので、単に走っている可能性があるだけであり、警告信号を発信しない“保留”と判定。
d.移動速度は異常であり、下校ルートの範囲外であるが、歩いているので、“保留”と判定。
e.〜h.歩いていないのに移動速度(e.及びf.では、通常の移動速度ではあるが)が確認されているので、“異常”と判定。
【0030】
なお、b.〜d.について、同じ状況が長く続く場合は、“異常”に切り替わる。また、全ての場合において、結果(C1)〜(C3)は随時刻々変化する可能性があり、もし状況が変化してe.〜h.の場合に該当すれば、警告信号の発信を行う。また、一度警告信号を発信したが、後で“正常”になったと判定した場合、その後“正常”であること知らせる信号を速やかに発信する。
【0031】
以上述べてきたように、本実施形態によれば、子供や女性などの保護対象者が誘拐や暴行などの危険にさらされるおそれのある状況に立ち至った場合に、この異常事態を早期に察知し、速やかに指定先に通知することができる異常事態の通知方法及び通知装置を提供できる。また、3つの要素での判定(結果(C1)〜結果(C3))を行うことで、誘拐や暴行(或いは誘拐や暴行などのおそれがある)と正しく通知する確率を下げることなく、誤った通知を減らすことができる。
【0032】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の異常事態の通知装置は、子供や女性などの保護対象者が誘拐や暴行などの危険にさらされるおそれのある状況に立ち至った場合に、この異常事態を早期に察知し、速やかに指定先に通知することができる効果を有し、子供等が外出の際に安全を守るセキュリティ機器等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る異常事態の通知装置を示す構成図
【図2】本発明の実施形態に係る異常事態の通知方法を示すフローチャート
【図3】その異常事態の通知方法に用いる判定表
【符号の説明】
【0035】
1 携帯端末装置
1A 受信アンテナ
1B 送信アンテナ
2 加速度センサー
3 計算部
4 位置検出部
5 速度計算部
6 メモリ部
7A 第1比較部
7B 第2比較部
7C 第3比較部
8 判定部
9 無線通信部
10 衛星
11 音声部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護対象者の歩数と移動速度と現在位置にもとづいて、前記保護対象者に異常事態が発生したか否かを通知する異常事態の通知方法であって、
前記歩数のカウントが停止するとともに、前記移動速度が一定値を上回り、かつ、前記現在位置が予め定められた一定領域から外へ出ると、所定の者へ警告信号を送り前記異常事態の発生を知らせる異常事態の通知方法。
【請求項2】
携帯端末機器を所有する保護対象者の歩数と移動速度と現在位置にもとづいて、前記保護対象者に異常事態が発生したか否かを通知する、異常事態の通知方法であって、
衛星からの信号を受信して前記保護対象者の現在位置の座標情報を特定するステップと、
前記座標情報をもとに前記保護対象者の移動速度値を計算するステップと、
前記保護対象者の歩行動作に起因する加速度値を求めるステップと、
前記加速度値から前記保護対象者の歩数のカウント値を計算するステップと、
前記加速度値と予め設定されている基準加速度値とをそれぞれを比較する第1の比較ステップと、
前記移動速度値と予め設定されている基準速度値とを比較する第2の比較ステップと、
前記座標情報と予め設定されている行動範囲とを比較する第3の比較ステップと、
前記第1〜第3の比較ステップで求めた比較結果を確認して前記結果が全て異常と判定した場合に警告信号を生成するステップと、
前記警告信号を受信器の保持者へ警告無線信号として送信するステップと
を備える異常事態の通知方法。
【請求項3】
前記歩数のカウントが停止するとともに、前記移動速度が一定値を上回り、かつ、前記現在位置が予め定められた一定領域から外へ出ると、所定の者へ警告信号を送り前記異常事態の発生を知らせる請求項2記載の異常事態の通知方法。
【請求項4】
前記保護対象者の歩数のカウント値が停止すると、第1信号を出力するとともに、
前記保護対象者の移動速度が一定値を上回ると、第2信号を出力し、かつ、
前記保護対象者の現在位置が前記一定領域から出ると、第3信号を出力し、
前記第1信号〜第3信号の全てが出力されると、前記異常事態と判断して前記所定の者へ前記異常事態を知らせる警告信号を送信する請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の異常事態の通知方法。
【請求項5】
携帯端末機器を所有する保護対象者の歩数と移動速度と現在位置にもとづいて、前記保護対象者に異常事態が発生したか否かを通知する、前記携帯端末機器に設けた異常事態の通知装置であって、
衛星からの信号を受信して前記保護対象者の現在位置の座標情報を特定する位置検出部と、
前記座標情報をもとに前記保護対象者の移動速度値を計算する速度計算部と、
前記保護対象者の歩行動作に起因する加速度値を求める加速度センサーと、
前記加速度値から前記保護対象者の歩数のカウント値を計算する計算部と、
前記加速度値と予め設定されている基準加速度値とをそれぞれを比較する第1比較部と、
前記移動速度値と予め設定されている基準速度値とを比較する第2比較部と、
前記座標情報と予め設定されている行動範囲とを比較する第3比較部と、
前記第1〜第3比較部から送られてきた結果を確認して前記結果が全て異常と判定した場合に警告信号を生成する判定部と、
前記判定部から送出された警告信号を受信器の保持者へ警告無線信号として送信する無線通信部と
を備える異常事態の通知装置。
【請求項6】
前記歩数のカウント値が停止するとともに、前記移動速度が一定値を上回り、かつ、前記現在位置が予め定められた一定領域から外へ出ると、警告信号を送信することによって前記異常事態の発生を知らせる請求項5記載の異常事態の通知装置。
【請求項7】
前記第1〜第3比較部から送られてきた前記結果が全て異常と判定した場合、警告音を放つ警告手段を備える請求項5または請求項6に記載の異常事態の通知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−58790(P2007−58790A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246452(P2005−246452)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】