説明

発光素子及び照明装置

【課題】発光素子の光抽出効率を改善して、光効率を向上させること。
【解決手段】実施例は、第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む発光構造物と、前記発光構造物の下部に形成されて、前記活性層から放出される光を放出する透明支持層と、前記透明支持層の下部に形成され、前記透明支持層を取り囲む反射層と、前記反射層の下部に形成され、前記反射層を取り囲む伝導層と、を含む発光素子を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、発光素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の3-5族または2-6族化合物半導体物質を用いた発光ダイオード(Light Emitting Diode)やレーザーダイオードのような発光素子は、薄膜成長技術及び素子材料の開発によって赤色、緑色、青色及び紫外線などの様々な色を具現することができ、蛍光物質を用いたり、色を組み合わせることで効率の良い白色光線も具現可能であり、蛍光灯、白熱灯などの既存の光源に比べて低消費電力、半永久的な寿命、速い応答速度、安全性、環境親和性の長所を有する。
【0003】
したがって、光通信手段の送信モジュール、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置のバックライトを構成する冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescence Lamp)を代替する発光ダイオードバックライト、蛍光灯や白熱電球を代替することができる白色発光ダイオード照明装置、自動車のヘッドライト及び信号灯にまで応用が拡大されている。
【0004】
一方、このような発光素子の光効率は、発光素子の性能を決定する非常に重要な要素であり、光効率を増加させることのできる発光素子及びその発光素子の製造方法が開発される必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施例は、発光素子の光抽出効率を改善して、光効率を向上しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例は、第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む発光構造物と、前記発光構造物の下部に形成される反射層と、前記発光構造物と前記反射層との間に形成される透明支持層と、を含み、前記反射層は、前記発光構造物の方向に形成される少なくとも一つ以上の突出部を含み、前記突出部の側面は前記透明支持層と接する、発光素子を提供する。
【0007】
また、他の実施例は、第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む発光構造物と、前記発光構造物の下部に形成される反射層と、前記発光構造物と前記反射層との間に形成される透明支持層と、を含み、前記反射層は凹凸形状を含むように形成され、前記透明支持層は前記凹凸形状に対応される形状を具備する、発光素子を提供する。
【発明の効果】
【0008】
実施例による発光素子は、光抽出効率を改善して光効率を向上させるという効果がある。また、実施例による発光素子は、側面の光抽出効率を改善して光効率を向上させ、発光素子の安全性及び信頼性を改善するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】発光素子の一実施例を示す図である。
【図2a】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2b】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2c】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2d】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2e】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2f】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2g】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2h】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2i】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2j】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図2k】発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【図3】発光素子の他の実施例を示す図である。
【図4】また他の実施例による発光素子を示す図である。
【図5】また他の実施例の発光素子を示す図である。
【図6】また他の実施例の発光素子を示す図である。
【図7】実施例による発光素子の指向角が改善された効果を示す図である。
【図8】発光素子パッケージの一実施例の断面図である。
【図9】発光素子パッケージを含む照明装置の一実施例の分解斜視図である。
【図10a】発光素子パッケージを含むバックライトを示す図である。
【図10b】発光素子パッケージを含むバックライトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0011】
上記の各実施例の説明において、各層(膜)、領域、パターンまたは構造物が基板、各層(膜)、領域、パッドまたはパターンの“上(on)”にまたは“下(under)”に形成されると記載される場合において、“上(on)”と“下(under)”は、“直接(directly)”または“別の層を介在して(indirectly)”形成されることを全て含む。また、各層の上または下は、図面を基準にして説明する。
【0012】
図面において、各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたり、省略されたり、又は概略的に図示されている。また、各構成要素の大きさは実際の大きさを全的に反映するものではない。
【0013】
図1は、発光ダイオードを含む発光素子の一実施例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、第1実施例の発光素子は、支持基板160上に形成された結合層150と、結合層150上に形成された伝導層170と、伝導層170上に形成された反射層140と、反射層140上に形成された透明支持層200と、反射層140または透明支持層200上に形成されたオーミック層130と、オーミック層130上に形成された電流遮断層135と、透明支持層200上に形成された保護層180と、第1導電型半導体層122、活性層124及び第2導電型半導体層126を含む発光構造物120と、第1導電型半導体層122の少なくとも一部上に形成される第1電極190と、を含むことができる。
【0015】
図示のように、発光素子には、支持基板160上に結合層150及び伝導層170が具備されることができる。
【0016】
伝導層170は、ニッケル(Ni−nickel)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W),バナジウム(V)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)で構成される群から選択される物質、またはこれらが選択的に含まれた合金からなることができる。
【0017】
伝導層170は、発光構造物120を全体的に支持して、発光素子の製造工程上で発生し得る機械的損傷(割れまたは剥離など)を最小化することができ、支持基板160または結合層150を構成する金属物質が発光構造物120に拡散することを防止するという効果がある。また、伝導層170は、反射層140または透明支持層200を取り囲む形態で形成されて、発光素子の製造工程上で発生し得る反射層140及び透明支持層200の機械的損傷を最小化することができる。例えば、伝導層170の両側端部が突出されて反射層140を取り囲む構造で形成されることができる。
【0018】
反射層140は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、或いは、Al、Ag、PtまたはRhを含む合金を、含む金属層からなることができる。アルミニウムや銀などは、前記活性層124から発生された光を效果的に反射して、発光素子の光抽出効率を大きく改善することができる。
【0019】
この時、反射層140は、発光構造物の方向に形成される少なくとも一つ以上の突出部を含むことができ、突出部の側面は透明支持層200と接することができる。
【0020】
透明支持層200は、活性層124から発光する光が発光素子の側面に放出されるように経路を形成して、発光素子の指向角を広げ、発光素子の側面の発光効率を改善するためのものである。
【0021】
すなわち、従来技術の発光素子は、活性層124から発光された光が反射層140で反射されて、発光素子の上部にのみ抽出されるようにしたが、実施例の発光素子の透明支持層200は、活性層124から発光されて透明支持層200に入射されたり、反射層140で反射された光の入射角を変化させて、透明支持層200の側面または発光素子の上部に放出されるようにして、活性層124から発光されて支持基板160の方向に向かう光が、発光素子の内部で吸収されることを減少させて、光効率を高めることができる。
【0022】
また、実施例の発光素子は、透明支持層200の下部に反射層140を形成し、従来技術の発光素子よりも長さが長い反射層140を形成することによって、活性層124から発光された光が発光素子の上部だけでなく、透明支持層200の側面に放出されるようにして、発光素子の光効率を高めることができるという効果がある。
【0023】
透明支持層200は、所定の基準値以上の光透過度を有する絶縁物質からなることができ、前記絶縁物質は、非伝導性である酸化物や窒化物からなることができる。例えば、前記透明支持層200は、光透過度が70%以上であるシリコン酸化物(SiO)、酸化チタン(TiO)、及び酸化アルミニウム(Al)から選択される非伝導性物質、またはこれらが選択的に含まれる非伝導性物質で形成されることができる。
【0024】
透明支持層200は、スパッタリング蒸着方法または化学的蒸着方法によって形成されることができる。
【0025】
スパッタリング蒸着方法を使用する場合、イオン化された原子を電場によって加速させて、透明支持層200のソース材料(source material)に衝突させると、ソース材料の各原子が飛び出して蒸着される。また、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition)方法を使用する場合、光透過性を有する酸化物を蒸着することによって生成されることができる。
【0026】
透明支持層200が形成される厚さは、実施例によって様々な値を有することができ、活性層124から放出される光が発光素子の側面、すなわち、透明支持層200の側面に放出されることができる厚さで決定され得る。
【0027】
例えば、透明支持層200が形成される厚さは、1μm〜100μmの範囲内の値で設定されることができる。
【0028】
また、実施例によって透明支持層200の側面には、活性層124から放出される光の放出のための凹凸構造が形成されることができる。
【0029】
実施例によって、オーミック層130と反射層140の電気的連結のために電流遮断層135の下にはオーミック層130及び反射層140が形成されることができ、透明支持層200は形成されなくても良い。
【0030】
また、実施例によって反射層140の突出部は、電流遮断層135と垂直に重なるように形成されることができる。
【0031】
そして、前記オーミック層130は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IZON(IZO Nitride)、AGZO(Al-Ga ZnO)、IGZO(In-Ga ZnO)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、及びNi/IrOx/Au/ITO、Ag、Ni、Cr、Ti、Al、Rh、Pd、Ir、Sn、In、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hfのうち少なくとも一つを含んで形成されることができ、これらの材料に限定されない。
【0032】
保護層180は、金属物質及び絶縁物質のうち少なくとも一つを含むことができ、金属物質である場合にはオーミック層130をなす物質よりも電気伝導性が低い物質を使用して、オーミック層130に印加される電源が保護層180に印加されないようにすることができる。
【0033】
このような保護層180は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、鉛(Pb)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)及びタングステン(W)のうち少なくとも一つを含み、または酸化アルミニウム(Al)、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)及び酸化チタン(TiOx)のうち少なくとも一つを含み、または酸化インジウム錫(ITO、Indium Tin Oxide)、アルミニウム酸化亜鉛(AZO、Aluminum Zinc Oxide)及びインジウム亜鉛酸化物(IZO、Indium Zinc Oxide)のうち少なくとも一つを含むことができるが、好ましくは、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、鉄(Fe)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0034】
保護層180は、発光構造物120のエッチング時に保護層180の下部に位置した各構成をエッチングから保護し、発光素子を安定的に支持して製造工程上で発生し得る損傷から保護するという効果がある。
【0035】
前記第1導電型半導体層122は、第1導電型ドーパントがドーピングされた3族-5族化合物半導体で具現されることができ、前記第1導電型半導体層122がN型半導体層である場合、前記第1導電型ドーパントはN型ドーパントとして、Si、Ge、Sn、Se、Teを含むことができるが、これに限定されない。また、実施例によって前記第1導電型半導体層122の表面には凹凸が形成されることができる。本発明による凹凸の形状は制限されない。
【0036】
そして、前記活性層124は、第1導電型半導体層122を通じて注入される電子と、以後形成される第2導電型半導体層126を通じて注入される正孔とが互いに結合して、活性層(発光層)物質固有のエネルギーバンドによって決定されるエネルギーを有する光を放出する層である。
【0037】
そして、前記第2導電型半導体層126は、第2導電型ドーパントがドーピングされた3族-5族化合物半導体、例えば、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質を含むことができる。前記第2導電型半導体層126がP型半導体層である場合、前記第2導電型ドーパントはP型ドーパントとして、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどを含むことができる。
【0038】
そして、第1導電型半導体層122の少なくとも一部の上には第1電極190が形成され、前記第1電極190は、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、バナジウム(V)、タングステン(W)、鉛(Pd)、銅(Cu)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)のうちから選択されたいずれか一つの金属、または前記各金属の合金からなる。
【0039】
各構成に対する詳細は、図2a乃至図2kを参照して詳細に説明する。
【0040】
図2a乃至図2kは、発光素子の一実施例の製造方法を示す図である。
【0041】
図2aに示すように、基板100を準備する。前記基板100は伝導性基板または絶縁性基板からなることができ、例えば、サファイア(Al)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、GaP、InP、Ge、そしてGaのうち少なくとも一つを使用することができる。前記基板100上には凹凸構造が形成されることができ、これに限定されるものではない。前記基板100に対して湿式洗浄を行って、表面の不純物を除去することができる。
【0042】
そして、基板100上に第1導電型半導体層122、活性層124及び第2導電型半導体層126を含む発光構造物120を形成することができる。
【0043】
この時、前記発光構造物120と基板100との間にはバッファ層(図示せず)を成長させることができ、材料の格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和するためのものである。前記バッファ層の材料は、3族-5族化合物半導体からなることができ、例えば、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNのうち少なくとも一つで形成されることができる。前記バッファ層上には、非ドープ(undoped)の半導体層が形成されることができるが、これに限定されない。
【0044】
また、前記発光構造物120は、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成されることができ、これに限定されるものではない。
【0045】
第1導電型半導体層122は、第1導電型ドーパントがドーピングされた3族-5族化合物半導体で具現されることができ、前記第1導電型半導体層122がN型半導体層である場合、前記第1導電型ドーパントはN型ドーパントとして、Si、Ge、Sn、Se、Teを含むことができるが、これに限定されない。
【0046】
前記第1導電型半導体層122は、AlInGa(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質を含むことができる。例えば、第1導電型半導体層122は、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、InGaAs、AlInGaAs、GaP、AlGaP、InGaP、AlInGaP、InPのうち、いずれか一つ以上で形成されることができる。
【0047】
前記第1導電型半導体層122は、化学蒸着(CVD)、分子線成長(MBE)、スパッタリングまたは水素化物気相成長(HVPE)などの方法を使用してN型GaN層を形成することができる。また、前記第1導電型半導体層122は、チャンバーにトリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)、及びシリコン(Si)のようなn型不純物を含むシランガス(SiH)が注入されて形成されることができる。
【0048】
前記活性層124は、第1導電型半導体層122と第2導電型半導体層126を通じて注入されるキャリア(Carrier)が互いに会って活性層(発光層)物質固有のエネルギーバンドによって決定されるエネルギーを有する光を放出する層である。
【0049】
前記活性層124は、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)、量子細線(Quantum-Wire)構造、または量子ドット(Quantum Dot)構造のうち少なくとも一つで形成されることができる。例えば、前記活性層124は、トリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)、及びトリメチルインジウムガス(TMIn)が注入されて、多重量子井戸構造が形成されることができるが、これに限定されない。
【0050】
前記活性層124の井戸層/障壁層は、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN、InAlGaN/GaN、GaAs(InGaAs)/AlGaAs、GaP(InGaP)/AlGaPのうち、いずれか一つ以上のペア構造で形成されることができるが、これに限定されない。前記井戸層は、前記障壁層のバンドギャップよりも低いバンドギャップを有する物質で形成されることができる。
【0051】
前記活性層124の上又は/及び下には、導電型クラッド層(図示せず)が形成されることができる。前記導電型クラッド層は、AlGaN系半導体で形成されることができ、前記活性層124のバンドギャップよりは高いバンドギャップを有することができる。
【0052】
前記第2導電型半導体層126は、第2導電型ドーパントがドーピングされた3族-5族化合物半導体、例えば、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質を含むことができる。前記第2導電型半導体層126がP型半導体層である場合、前記第2導電型ドーパントはP型ドーパントとして、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどを含むことができる。
【0053】
前記第2導電型半導体層126は、チャンバーにトリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH)、窒素ガス(N)、及びマグネシウム(Mg)のようなp型不純物を含むビセチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCpMg){Mg(C}が注入されてp型GaN層が形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0054】
実施例で、前記第1導電型半導体層122は、P型半導体層として、前記第2導電型半導体層126はN型半導体層として具現することができる。また、前記第2導電型半導体層126上には、前記第2導電型と極性が異なる半導体、例えば、前記第2導電型半導体層がP型半導体層である場合、N型半導体層(図示せず)を形成することができる。これによって、発光構造物120は、N-P接合構造、P-N接合構造、N-P-N接合構造、P-N-P接合構造のうちいずれか一つの構造として具現することができる。
【0055】
そして、図2bに示すように、第2導電型半導体層126上に保護層180を積層する。ここで、前記保護層180は絶縁物質からなることができ、前記絶縁物質は非伝導性である酸化物や窒化物からなることができる。一例として、前記保護層180は、シリコン酸化物(SiO)層、シリコン窒化物(Si)層、酸化チタン(TiOx)層、または酸化アルミニウム(Al)層で構成されることができる。保護層180は、後述する発光構造物120のエッチング時に保護層180の下部に位置した各構成をエッチングから保護し、発光素子を安定的に支持して製造工程上で発生し得る損傷から保護するという効果がある。
【0056】
そして、保護層180をエッチングして溝を形成する。このような溝はマスクを利用した乾式エッチングなどの工程によって形成されることができる。
【0057】
そして、図2cに示すように形成された溝に位置した第2導電型半導体層126上にオーミック層130及び電流遮断層135を積層する。
【0058】
この時、オーミック層130は、約200Aの厚さで積層されることができる。前記オーミック層130は、透光性伝導層と金属を選択的に使用することができ、例えば、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IZON(IZO Nitride)、AGZO(Al-Ga ZnO)、IGZO(In-Ga ZnO)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、及びNi/IrOx/Au/ITO、Ag、Ni、Cr、Ti、Al、Rh、Pd、Ir、Sn、In、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hfのうち少なくとも一つを含んで形成されることができ、これらの材料に限定されない。そして、前記オーミック層130は、スパッタリング法または電子ビーム蒸着法によって形成されることができる。また、実施例によってオーミック層130には溝が形成され、電流遮断層135が形成されて、電流の流れを水平方向に分散して、過電流による発光素子の誤作動を防止することによって、発光素子の安全性及び信頼性を高めることができるという効果がある。
【0059】
電流遮断層135は、オーミック層130と発光構造物120との間に形成されることができる。電流遮断層135は、反射層140またはオーミック層130よりも電気伝導性が低い物質、第2導電型半導体層126とショットキー接触(Schottky contact)を形成する物質、または電気絶縁性物質を用いて形成されることができる。例えば、電流遮断層135は、ZnO、SiO、SiON、Si、Al、TiO、Ti、Al、Crのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0060】
電流遮断層135は、オーミック層130と第2導電型半導体層126との間に形成されたり、反射層140とオーミック層130との間に形成されることができ、これに限定されるものではない。電流遮断層135は、発光構造物120内で電流が広く拡散して流れるようにするためのもので、必ず形成しなければならないものではない。
【0061】
そして、図2dに示すように、オーミック層130または保護層180上に透明支持層200を形成する。透明支持層200は、活性層124から発光する光が発光素子の側面に放出されるように経路を形成して、発光素子の指向角を広げ、発光素子の側面の発光効率を改善するためのものである。
【0062】
透明支持層200は、所定の基準値以上の光透過度を有する絶縁物質からなることができ、前記絶縁物質は、非伝導性である酸化物または窒化物からなることができる。例えば、前記透明支持層200は、シリコン酸化物(SiO)層、酸化チタン(TiO)層、または酸化アルミニウム(Al)層で構成されることができる。
【0063】
透明支持層200は、スパッタリング蒸着方法または化学的蒸着方法によって形成されることができる。
【0064】
スパッタリング蒸着方法を使用する場合、イオン化された原子を電場によって加速させて、透明支持層200のソース材料に衝突させると、ソース材料の各原子が飛び出して蒸着される。また、化学蒸着方法を使用する場合、光透過性を有する酸化物を蒸着することによって生成されることができる。
【0065】
透明支持層200が形成される厚さは、実施例によって様々な値を有することができ、活性層124から放出される光が発光素子の側面、すなわち、透明支持層200の側面に放出されることができる厚さで決定され得る。
【0066】
例えば、透明支持層200が形成される厚さは、1μm〜100μmの範囲内の値で設定されることができる。
【0067】
また、実施例によって透明支持層200の側面には、活性層124から放出される光を放出するための凹凸構造が形成されることができる。
【0068】
実施例によって、オーミック層130と反射層140の電気的連結のために電流遮断層135上にはオーミック層130が形成されることができ、透明支持層200は形成されなくても良い。
【0069】
そして、図2eに示すように、オーミック層130または透明支持層200上に反射層140を形成する。
【0070】
前記オーミック層130または透明支持層200上に反射層140を約2500Aの厚さで形成することができる。前記反射層140は、例えば、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、AuまたはHfのうち少なくとも一つを含む金属、または合金で形成されることができる。または、前記金属または合金と、ITO、IZO、IZTO、IAZO、IGZO、IGTO、AZO、ATOなどの透光性伝導性物質を用いて多層で形成することができ、具体的には、IZO/Ni、AZO/Ag、IZO/Ag/Ni、AZO/Ag/Ni、Ag/Cu、Ag/Pd/Cuなどで積層されることができる。アルミニウムまたは銀などは、前記活性層124から発生された光を效果的に反射して、発光素子の光抽出効率を大きく改善することができる。
【0071】
特に、反射層140は、活性層124から発生されて透明支持層200を通過して入射される光を、透明支持層200の前面及び側面に反射して発光素子の光抽出効率を改善することができる。このとき、反射層140は、発光構造物の方向に形成される少なくとも一つ以上の突出部を含むことができ、突出部の側面は透明支持層200と接することができる。また、反射層140の前記突出部は、前記電流遮断層135と垂直に重なるように形成されることができる。
【0072】
そして、図2fに示すように、前記反射層140上に伝導層170を形成する。前記伝導層170は、ニッケル(Ni−nickel)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)で構成される群から選択される物質、またはこれらが選択的に含まれた合金からなることができる。
【0073】
この時、伝導層170はスパッタリング蒸着方法を使用して形成することができる。スパッタリング蒸着方法を使用する場合、イオン化された原子を電場によって加速させて、伝導層170のソース材料に衝突させると、ソース材料の各原子が飛び出して蒸着される。また、実施例によって、電気化学的な金属蒸着方法やユーテクティック(Eutectic)金属を用いたボンディング方法などを使用することもできる。実施例によって伝導層170は複数のレイヤーで形成されることもできる。
【0074】
伝導層170は、発光構造物120を全体的に支持して、発光素子の製造工程上で発生し得る機械的損傷(割れまたは剥離など)を最小化することができるという効果がある。
【0075】
特に、伝導層170は、反射層140及び透明支持層200を取り囲む形態で形成されて、発光素子の製造工程上で発生し得る反射層140及び透明支持層200の機械的損傷を最小化することができる。例えば、伝導層170の両側端部が突出されて反射層140を取り囲む構造で形成されることができる。
【0076】
そして、図2gに示すように、伝導層170上に前記伝導層170と支持基板160との結合のために結合層150を形成することができる。結合層150は、金(Au)、錫(Sn)、インジウム(In)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、ニオビウム(Nb)及び銅(Cu)で構成される群から選択される物質、またはこれらの合金で形成されることができる。
【0077】
そして、図2hに示すように、結合層150上に支持基板160を形成することができる。
【0078】
前記支持基板160は、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タングステン(W)、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)で構成される群から選択される物質、又はこれらの合金からなることができ、また、金(Au)、銅合金(Cu Alloy)、ニッケル(Ni-nickel)、銅-タングステン(Cu-W)、キャリアウエハ(例:GaN、Si、Ge、GaAs、ZnO、SiGe、SiC、SiGe、Ga等)などを選択的に含むことができる。前記挑戦性支持基板160を形成させる方法は、電気化学的な金属蒸着方法やユーテクティック金属を用いたボンディング方法などを使用することができる。
【0079】
実施例によって、伝導層170を通じて第2導電型半導体層126に正孔が注入される場合、支持基板160は絶縁物質からなることができ、前記絶縁物質は非伝導性である酸化物または窒化物からなることができる。一例として、前記支持基板160は、シリコン酸化物(SiO)層、酸化窒化物層、酸化アルミニウム層からなることができる。
【0080】
そして、図2iに示すように、前記基板100を分離する。
【0081】
前記基板100の除去は、エキシマレーザーなどを用いたレーザーリフトオフ(Laser Lift Off:LLO)の方法で行っても良く、乾式及び湿式エッチングの方法で行っても良い。
【0082】
レーザーリフトオフ法を例に挙げると、前記基板100の方向に一定領域の波長を有するエキシマレーザー光をフォーカシング(focusing)して照射すると、前記基板100と発光構造物120との境界面に熱エネルギーが集中されて、境界面がガリウムと窒素分子に分離されながら、レーザー光が通過する部分において瞬間的に基板100の分離が発生する。
【0083】
そして、図2jに示すように、発光構造物120の側面をエッチングする。このとき、終点検出方法によって保護層180をなす物質が検出されるとエッチングを止める方法で、前記発光構造物120の側面の一部をエッチングすることができる。
【0084】
この時、エッチングされる発光構造物120の下部には保護層180が位置するようにエッチング位置を調節することができる。
【0085】
保護層180は、発光構造物120のエッチング時に保護層180の下部に位置した各構成をエッチングから保護し、発光素子を安定的に支持して製造工程上で発生し得る損傷から保護するという効果がある。
【0086】
そして、前記第1導電型半導体層122上に凹凸構造を形成して光抽出効率を向上させる。このとき、凹凸構造は、PEC方法、またはマスクを形成したあとにエッチングを通じて形成することができる。
【0087】
前記PEC方法で、エッチング液(例えば、KOHまたはNaOH)の量及びGaNの結晶性によるエッチング速度の差などを調節することによって、微細な大きさの凹凸の形状を調節することができる。前記凹凸構造は周期的または非周期的に形成されることができる。
【0088】
また実施例によって、第1導電型半導体層122の表面には2次元フォトニック結晶が形成されることができ、その構造は、光の波長の半分程度の周期で相違する屈折率を有する少なくとも二つの誘電体を周期的に配列して得られる。このとき、それぞれの誘電体は互いに同一のパターンで具備されることができる。
【0089】
フォトニック結晶は、前記第1導電型半導体層122の表面に光バンドギャップ(photonic band gap)を形成して光の流れを制御することができる。
【0090】
このような発光構造物の溝及びパターン構造は、発光構造物の表面積増加によって光抽出効果を増大させることができ、また、表面の微細な凹凸構造は、光が発光構造物の内部で吸収されることを減少させて発光効率を高めることができる。
【0091】
そして、図2kに示すように、第1導電型半導体層122の少なくとも一部の上及び発光構造物120の側面に第1電極190を形成することができる。
【0092】
前記第1電極190は、例えば、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、白金(Pt)、バナジウム(V)、タングステン(W)、鉛(Pd)、銅(Cu)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)のうちから選択されたいずれか一つの金属、または前記各金属の合金からなる。
【0093】
図3は、他の実施例の発光素子を示す図である。
【0094】
図3を参照すると、実施例の発光素子の透明支持層200の側面には、活性層124から放出される光を放出するための凹凸構造が形成されることができる。このとき、凹凸構造は周期的または非周期的に形成されることができ、凹凸の形状は制限されない。例えば、凹凸形状は、四角、半球、三角、台形、マルチレイヤー、マルチステップ形状など単一または複合的な形態の形状をいずれも含む。
【0095】
前記凹凸構造は、湿式エッチング工程またはドライエッチング工程を使用したり、湿式エッチング工程及びドライエッチング工程を使用して形成することができる。前記ドライエッチング方法は、プラズマエッチング、スパッタエッチング、イオンエッチングなどが使用されることができ、湿式エッチング工程はPEC(Photo Chemical Wet-etching)工程などが使用されることができる。
【0096】
この時、PEC工程の場合、エッチング液(例えば、KOH)の量及び透明支持層200の結晶性によるエッチング速度の差などを調節することによって、微細な大きさの凹凸の形状を調節することができる。また、マスクを形成したあとにエッチングを通じて凹凸形状を調整することもできる。
【0097】
したがって、発光素子は、活性層124から発光する光が発光素子の側面に放出されるように経路を形成して、側面の発光効率を改善することができるという効果がある。特に、反射層140は、活性層124から発生されて透明支持層200を通過して入射される光を、透明支持層200の前面及び側面に反射して、発光素子の光抽出効率を改善することができる。
【0098】
図4は、また他の実施例による発光素子を示す図である。
【0099】
実施例によって透明支持層200の下部には凹凸構造が形成されることができる。
【0100】
実施例によって透明支持層200の下部に凹凸構造が形成される場合、反射層140及び伝導層170もこれに対応する凹凸構造で形成されることができる。
【0101】
反射層140の下部の凹凸構造は、反射層140から反射されて透明支持層200に入射される光の反射角を多様に変化させて透明支持層200の側面に放出されるようにし、活性層124から発光された光がこの発光構造物の内部で吸収されることを減少させて発光効率を高めることができる。凹凸構造は周期的または非周期的に形成されることができ、凹凸形状は制限されない。
【0102】
例えば、凹凸形状は、四角、半球、三角、台形、マルチレイヤー、マルチステップ形状など単一または複合的な形態の形状をいずれも含む。
【0103】
また、反射層140または透明支持層200に形成される凹凸形状は、前記発光構造物の方向に形成される少なくとも一つ以上の突出部を含んだり、複数のステップ構造を含んで形成されることができる。
【0104】
例えば、反射層140または透明支持層200はマルチレイヤー、例えば、3つの層で形成されることができる。
【0105】
前記凹凸構造は、湿式エッチング工程またはドライエッチング工程を使用したり、湿式エッチング工程及びドライエッチング工程を使用して形成することができる。このとき、マスクを形成したあとにエッチングを通じて凹凸形状を調整することもできる。
【0106】
前記ドライエッチング方法は、プラズマエッチング、スパッタエッチング、イオンエッチングなどが使用されることができ、湿式エッチング工程はPEC工程などが使用されることができる。
このとき、PEC工程の場合、エッチング液(例えば、KOH)の量及びGaNの結晶性によるエッチング速度の差などを調節することによって、微細な大きさの凸凹の形状を調節することができる。
【0107】
実施例によって、透明支持層200は、複数の層(Multilayer)で形成されることができ、各層の厚さは1μm〜100μmの範囲内の値で設定されることができる。
【0108】
実施例によって、透明支持層200の下部の凹凸構造は、複数のステップ構造で形成されることができる。
【0109】
実施例によって、透明支持層200が複数の層で形成される場合、透明支持層200の下部に形成される反射層140及び伝導層170も複数の層で形成されることができる。
【0110】
実施例によって、透明支持層200の下部が複数のステップ構造で形成される場合、反射層140及び伝導層170もこれに対応される複数のステップ構造で形成されることができる。
【0111】
このように、透明支持層200が複数の層またはステップで形成されると、透明支持層200の側面の面積が広くなり、発光素子の側面の光抽出効率が著しく改善されるという効果がある。
【0112】
また、反射層140及び伝導層170が複数の層で形成されたり、凹凸構造が形成される場合、発光素子を安定的に支持して、発光素子の製造工程上で発生し得る機械的損傷(割れまたは剥離など)を最小化することができるという効果がある。
【0113】
また、実施例によって透明支持層200の側面には活性層124から放出される光を放出するための光抽出構造が形成されて、発光素子の側面の光抽出効率を改善することができる。
【0114】
また、実施例によって透明支持層200の上部には複数の貫通部が形成されて、透明支持層200とオーミック層130との接合力を改善することもできる。
【0115】
実施例によって透明支持層200の上部に凹凸構造が形成される場合、透明支持層200と第2導電型半導体層126が接触されることができる。
【0116】
図5は、また他の実施例の発光素子を示す図である。
【0117】
図5を参照すると、複数の層またはステップで形成された透明支持層200の側面には、活性層124から放出される光の放出のための凹凸構造、すなわち、光抽出構造が形成されることができる。透明支持層200の側面の光抽出構造は、透明支持層200の側面に入射される光の入射角を変化させて、透明支持層200の表面での全反射を減少させることで、発光素子の側面の光抽出効果を増大させることができ、光抽出効率を高めることができる。
【0118】
前記透明支持層200の側面に形成される光抽出構造は、周期的または非周期的に形成されることができ、光抽出構造の形状は制限されない。
【0119】
例えば、光抽出構造の形状は、四角、半球、三角、台形、マルチレイヤー、マルチステップ形状など単一または複合的な形態の形状をいずれも含む。
【0120】
前記光抽出構造は、湿式エッチング工程またはドライエッチング工程を使用したり、湿式エッチング工程及びドライエッチング工程を使用して形成することができる。このとき、マスクを形成したあとにエッチングを通じて光抽出構造の形状を調整することもできる。
【0121】
前記ドライエッチング方法は、プラズマエッチング、スパッタエッチング、イオンエッチングなどが使用されることができ、湿式エッチング工程はPEC工程などが使用されることができる。
このとき、PEC工程の場合、エッチング液(例えば、KOH)の量及びGaNの結晶性によるエッチング速度の差などを調節することによって、微細な大きさの凸凹の形状を調節することができる。
【0122】
したがって、発光素子は、活性層124から発光する光が発光素子の側面に放出されるように経路を形成し、透明支持層200の側面に光抽出構造を形成することによって、側面の光抽出効率を改善することができるという効果がある。特に、反射層140は、活性層124から発生されて透明支持層200を通過して入射される光を、透明支持層200の前面及び側面に反射して発光素子の光抽出効率を改善することができる。
【0123】
図6は、また他の実施例の発光素子を示す図である。
【0124】
図6を参照すると、実施例によって透明支持層200の上部には複数の貫通部が形成されて、透明支持層200とオーミック層130との接合力を改善することもできる。すなわち、透明支持層200の一部領域は、前記オーミック層130を貫通して前記発光構造物と接する複数の貫通部を含むことができる。
【0125】
実施例によって透明支持層200の上部に複数の貫通部が形成される場合、透明支持層200と第2導電型半導体層126が接触されることができる。
【0126】
前記透明支持層200の側面または上部に形成される複数の貫通部は、周期的または非周期的に形成されることができ、貫通部の形状は制限されない。
【0127】
例えば、貫通部の形状は、四角、半球、三角、台形、マルチレイヤー、マルチステップ形状など単一または複合的な形態の形状をいずれも含む。
【0128】
前記貫通部の構造は、湿式エッチング工程またはドライエッチング工程を使用したり、湿式エッチング工程及びドライエッチング工程を使用して形成することができる。このとき、マスクを形成したあとにエッチングを通じて凹凸形状を調整することもできる。
【0129】
前記ドライエッチング方法は、プラズマエッチング、スパッタエッチング、イオンエッチングなどが使用されることができ、湿式エッチング工程はPEC工程などが使用されることができる。
このとき、PEC工程の場合、エッチング液の量及び結晶性によるエッチング速度の差などを調節することによって、微細な大きさの貫通部の形状を調節することができる。
【0130】
図7は、実施例による発光素子の指向角が改善された効果を示す図である。
【0131】
図7を参照すると、従来技術の発光素子の指向角401よりも実施例の発光素子の指向角402の範囲が広くなる効果があることが分かる。これは、上述のように、実施例の発光素子は透明支持層を含んで構成されることによって、側面の光抽出効率が改善されるためである。
【0132】
図8は、発光素子パッケージの一実施例の断面図である。
【0133】
図8に示すように、上述した各実施例による発光素子パッケージは、パッケージボディー520と、前記パッケージボディー520に設置された第1電極層511及び第2電極層512と、前記パッケージボディー520に設置されて、前記第1電極層511及び第2電極層512と電気的に連結される実施例による発光素子500と、前記発光素子500を包囲する充填材540と、を含む。
【0134】
前記パッケージボディー520は、シリコン材質、合成樹脂材質、または金属材質を含んで形成されることができ、前記発光素子500の周囲に傾斜面が形成されて光抽出効率を高めることができる。
【0135】
前記第1電極層511及び第2電極層512は互いに電気的に分離され、、前記発光素子500に電源を提供する。また、前記第1電極層511及び第2電極層512は、前記発光素子500から発生された光を反射させて光効率を増加させることができ、前記発光素子500から発生された熱を外部に排出させる役割をすることもできる。
【0136】
前記発光素子500は、前記パッケージボディー520上に設置されたり、前記第1電極層511または第2電極層512上に設置されることができる。
【0137】
前記発光素子500は、前記第1電極層511及び第2電極層512とワイヤー方式、フリップチップ方式またはダイボンディング方式のうち、いずれか一つによって電気的に連結されることもできる。
【0138】
前記充填材540は、前記発光素子500を包囲して保護することができる。また、前記充填材540には蛍光体が含まれて、前記発光素子500から放出された光の波長を変化させることができる。
【0139】
図9は、発光素子パッケージを含む照明装置の一実施例の分解斜視図である。
【0140】
実施例による照明装置は、光を投射する光源720と、前記光源720が内蔵されるハウジング700と、前記光源720の熱を放出する放熱部710と、前記光源720と放熱部710とを前記ハウジング700に結合するホルダー730と、を含んでなる。
【0141】
前記ハウジング700は、電気ソケット(図示せず)に結合されるソケット結合部701と、前記ソケット結合部710と連結され、光源720が内蔵されるボディー部702とを含む。ボディー部702には一つの空気流動口703が貫通して形成されることができる。
【0142】
前記ハウジング700のボディー部720上に複数個の空気流動口703が具備されており、前記空気流動口703は、一つの空気流動口からなることもでき、複数個の流動口を、図示のような放射状の配置以外に多様に配置することもできる。
【0143】
そして、前記光源720は、基板705上に複数個の発光素子パッケージ704が具備される。ここで、前記基板705は、前記ハウジング700の開口部に挿入可能な形状とすることができ、後述のように、放熱部710に熱を伝達するために熱伝導率の高い物質からなることができる。
【0144】
そして、前記光源720の下部にはホルダー730が具備され、前記ホルダー730はフレームと、また他の空気流動口とを含むことができる。また、図示されていないが、前記光源720の下部には光学部材が具備されて、前記光源720の発光素子パッケージ704から投射される光を拡散、散乱または収斂させることができる。
【0145】
図10a及び図10bは、発光素子パッケージを含むバックライトを示す図である。
【0146】
図示のように、バックライトは、ボトムカバー810(Bottom cover)と、前記ボトムカバー810の内部の一側に設けられる発光素子パッケージモジュール(図示せず)と、前記ボトムカバー810の前面に配置される反射板820と、前記反射板820の前方に配置され、前記発光モジュールから発散される光を表示装置の前方に案内する導光板830と、前記導光板830の前方に配置される光学部材840と、を含む。そして、バックライトを含むディスプレイ装置は、上述した構成の他に、前記光学部材840の前方に配置される液晶表示パネルと、前記液晶表示パネル860の前方に設けられるトップカバー870(Top cover)と、前記ボトムカバー810と前記トップカバー870との間に配置されて、前記ボトムカバー810と前記トップカバー870を共に固定させる固定部材850と、を含むことができる。
【0147】
前記導光板830は、前記発光モジュール(図示せず)から放出される光が面光源の形態で出射されるように案内する役割を果たし、前記導光板830の後方に配置される反射板820は、前記発光素子パッケージモジュール(図示せず)から放出された光が前記導光板830の方向に反射されるようにして、光効率を提供する役割を果たす。
【0148】
ただし、前記反射板820は、本図面のように別途の構成要素として設けられることもでき、前記導光板830の後面や前記ボトムカバー810の前面に反射度の高い物質でコーティングされる形態で設けられることも可能である。
【0149】
ここで、反射板820は、反射率が高く、超薄型で使用可能な素材を使用することができ、ポリエチレンテレフタレート(PolyEthylene Terephtalate;PET)を使用することができる。
【0150】
そして、導光板830は、発光素子パッケージモジュールから放出される光を散乱させて、その光が液晶表示装置の画面の全領域にわたって均一に分布されるようにする。したがって、導光板830は、屈折率と透過率の良い材料からなり、ポリメチルメタクリレート(PolyMethylMethAcrylate;PMMA)、ポリカーボネート(PolyCarbonate;PC)、又はポリエチレン(PolyEthylene;PE)などで形成されることができる。
【0151】
そして、光学部材840が前記導光板830の上部に具備されて、導光板830から出射される光を所定の角度で拡散させる。光学部材840は、前記導光板830によって導かれた光を液晶表示パネル860の方向に均一に照射させる。
【0152】
光学部材840としては、拡散シート、プリズムシート又は保護シートなどの光学シートを選択的に積層したり、マイクロレンズアレイを使うこともできる。このとき、複数個の光学シートを使うこともでき、光学シートは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂又はシリコン樹脂などの透明樹脂からなることができる。そして、上述したプリズムシート内に蛍光シートが含まれることもできることは、上述した通りである。
【0153】
そして、前記光学部材840の前面には液晶表示パネル860が具備されることができる。ここで、液晶表示パネル860の他に、光源を必要とする他の種類のディスプレイ装置が具備され得ることは勿論である。
【0154】
図10bは、バックライトの光源部分の断面図である。
【0155】
図示のように、ボトムカバー810上には前記反射板820が置かれ、前記反射板820の上には前記導光板830が置かれる。したがって、前記反射板820は前記放熱部材(図示せず)と直接接触されることもできる。
【0156】
そして、それぞれの発光素子パッケージ881が固定された印刷回路基板882は、ブラケット812上に接合されることができる。ここで、ブラケット812は、前記発光素子パッケージ881の固定の他に、熱放出のために熱伝導率が高い物質からなることができ、図示されていないが、ブラケット812と発光素子パッケージ881との間には熱パッドが具備されて、熱伝達を容易にすることができる。
【0157】
そして、ブラケット812は、図示のように、“L”字状で具備されて、横部812aはボトムカバー810によって支持され、縦部812bは前記印刷回路基板882を固定することができる。
【0158】
前記発光素子パッケージは、上記に開示した各実施例の発光素子のうち少なくとも一つを、1個または複数個で搭載することができ、これに限定されない。
【0159】
実施例による発光素子パッケージは、複数個が基板上にアレイされ、前記発光素子パッケージの光経路上に光学部材である導光板、プリズムシート、拡散シートなどが配置されることができる。このような発光素子パッケージ、基板、光学部材は、ライトユニットとして機能することができる。また他の実施例は、上述した各実施例に記載された半導体発光素子または発光素子パッケージを含む表示装置、指示装置、照明システムとして具現されることができ、例えば、照明システムはランプ及び街灯を含むことができる。
【0160】
以上で各実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ず一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは各実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって、他の各実施例に対しても組み合わせまたは変形されて実施可能である。したがって、このような組み合わせ及び変形に関する内容は、本発明の範囲に含まれるものと解析されるべきである。
【符号の説明】
【0161】
100 基板
120 発光構造物
122 第1導電型半導体層
124 活性層
126 第2導電型半導体層
130 オーミック層
135 電流遮断層
140 反射層
150 結合層
160 支持基板
170 伝導層
180 保護層
190 第1電極
200 透明支持層
500 発光素子
511 第1電極層
512 第2電極層
520 パッケージボディー
540 充填材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む発光構造物と、
前記発光構造物の下部に形成される反射層と、
前記発光構造物と前記反射層との間に形成される透明支持層と、を含み、
前記反射層は前記発光構造物の方向に形成される少なくとも一つ以上の突出部を含み、前記突出部の側面は前記透明支持層と接する、発光素子。
【請求項2】
前記発光構造物の下部に形成される電流遮断層をさらに含み、
前記突出部は前記電流遮断層と垂直に重なるように形成される、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記発光構造物の下部に形成されるオーミック層と保護層をさらに含み、
前記透明支持層は、前記オーミック層と前記保護層の下部に形成され、前記電流遮断層の下部には形成されない、請求項1〜2のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項4】
前記反射層の下部に形成される伝導層をさらに含む、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項5】
前記伝導層の両側端部が突出されて前記反射層を取り囲む、請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記透明支持層は、70%以上の光透過度を有する絶縁物質で形成される、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項7】
前記透明支持層は、シリコン酸化物(SiO)、酸化チタン(TiO)、及び酸化アルミニウム(Al)から選択される非伝導性物質、またはこれらが選択的に含まれる非伝導性物質で形成される、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項8】
前記透明支持層の厚さは1μm〜100μmの範囲内の値で設定される、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項9】
前記透明支持層の側面には光抽出構造が形成される、請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項10】
第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含む発光構造物と、
前記発光構造物の下部に形成される反射層と、
前記発光構造物と前記反射層との間に形成される透明支持層と、を含み、
前記反射層は凹凸形状を含むように形成され、
前記透明支持層は前記凹凸形状に対応される形状を具備する、発光素子。
【請求項11】
前記凹凸形状は複数のステップ構造を含んで形成される、請求項10に記載の発光素子。
【請求項12】
前記透明支持層は、複数の層(Multilayer)で形成されることができ、各層の厚さは1μm〜100μmの範囲内の値で設定される、請求項10〜11のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項13】
前記反射層の下部に形成される伝導層をさらに含む、請求項10〜12のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項14】
前記伝導層の両側端部が突出されて前記反射層を取り囲む、請求項13に記載の発光素子。
【請求項15】
前記透明支持層は、70%以上の光透過度を有する絶縁物質で形成される、請求項10〜14のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項16】
前記透明支持層は、シリコン酸化物(SiO)、酸化チタン(TiO)、及び酸化アルミニウム(Al)から選択される非伝導性物質、またはこれらが選択的に含まれる非伝導性物質で形成される、請求項10〜15のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項17】
前記透明支持層の側面には光抽出構造が形成される、請求項10〜16のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項18】
前記透明支持層の一部領域は、前記オーミック層を貫通して前記発光構造物と接する複数の貫通部を含む、請求項10〜17のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項19】
前記発光構造物の下部に形成されるオーミック層、保護層及び電流遮断層をさらに含み、
前記透明支持層は、前記オーミック層と前記保護層の下部に形成され、前記電流遮断層の下部には形成されない、請求項10〜18のうちいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項20】
発光素子を含む発光素子パッケージが少なくとも2個以上位置される支持基板と、
少なくとも一部が、前記発光素子パッケージによって放出される光が透過される光透過性物質からなるケースと、を含む、請求項1〜19のうちいずれか1項に記載の照明装置。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図2h】
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【図2i】
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【図2j】
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【図2k】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【公開番号】特開2012−134452(P2012−134452A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218747(P2011−218747)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(510039426)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】