説明

発泡成形方法及びその装置

【課題】発泡材料の発泡成形において、独立発泡セルの変形や型崩れが起きない発泡成形方法を提供する。
【解決手段】発泡材料を発泡させる発泡成形方法であって、内部空間12を有する成形型10を提供するステップと、前記成形型10の内部空間12を加圧状態にするステップと、前記加圧状態下における前記成形型10の内部空間12で、前記発泡材料を発泡させて、前記発泡材料の発泡を適宜に制御するようにしたステップと、前記成形型10の内部空間12に対する加圧状態を解除するステップとを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、発泡成形方法及びその装置に関し、特に、成形型内に発泡材料を注入し、これを発泡させることで、成形型の内部空間を充填させ、これにより所定形状の発泡材料を成形する方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の技術においては、機械的にガスを混合した発泡材料を成形型に注入し、脱型して、多数の発泡セルを有する所望形状の発泡成形体を得ることが望まれていた。このようなガス混合発泡材料が成形型に注入されたとき、ガスは、成形型内の雰囲気(通常、大気圧となっている)に解放されることから、その解放された略瞬間に膨張し、その結果、略真球状に独立発泡した多数の発泡セルが発泡材料に形成される。
【0003】
真球状に膨張した発泡セルを含む発泡材料は、成形型の内壁に沿って隅々に流動するが、この発泡材料が流動する間、真球状の発泡セルは変形、または、連接して大きくなる傾向にある。
【0004】
真球状の独立発泡セルを含んだ発泡材料の流動は、流体自身の粘性により、内壁に接触する部分と内壁から離れた部分の領域とで、その発泡材料の流動速度や挙動が異なっている。具体的に、内壁と接触する領域(内壁に隣接する領域)に比べ、内壁から離れた領域(例えば、成形型や管の中央付近)の流速は増加する。この挙動の相違により、内壁から離れた領域では、上記真球状の独立発泡セルの形状の型崩れや連接が生じてしまう(図4a参照)。
【0005】
特に、成形型の注入口から他端部まで発泡材料を瞬時に注入することができない場合、独立発泡セルが、様々な大きさや形状になったり、あるいは、発泡材料表面への露出などが発生したりして、発泡成形体の表面外観や所望の初期物性が得られないばかりでなく、圧縮永久歪が大きくなるなど耐久性の面においても問題が生じる場合があった。
【0006】
上記課題を解決する手法として、機械的にガスを混合した発泡材料を成形型に注入するとき、注入ノズルを成形型の奥から順次移動させながら注入する手法が試行されている。この注入ノズルを移動させる手法の場合、発泡セルを含む発泡材料は流動しないので、独立発泡セルが変形、型崩れ、連接することはない。しかし、成形型が大きかったり細長かったする場合など、成形型の形状が複雑になると、注入ノズルを移動させることが困難となり、その実施は困難であった。特に、上記注入ノズルを移動させる手法は、発泡材料の成形を自動化したり、また、連続成形する場合に実施化が困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は、発泡材料を成形型に注入するとき、独立発泡セルを含む発泡材料の流動を、成形型の内壁(接触面)近傍と、この接触面から離れた部分の領域とで同様とし、前記独立発泡セルの変形や型崩れが起きないようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本願発明は、発泡材料を発泡させる発泡成形方法であって、
内部空間を有する成形型を提供するステップと、
前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップと、
前記加圧状態下における前記成形型の内部空間で、前記発泡材料を発泡させて、前記発泡材料の発泡を適宜に制御するようにしたステップと、
前記成形型の内部空間に対する加圧状態を解除するステップとを備えたことを特徴とする。
【0009】
本願発明は、発泡材料を注入する成形型の内部空間を加圧状態としておくことで、内壁から離れた領域における発泡材料の流動を抑制し、これによりこの領域における発泡セルの変形や型崩れ、連接などの不具合を回避するものである。また、これにより均一な発泡を実現する。なお、加圧状態を解除するステップの前後において、必要に応じて上記内部空間を加熱するステップを設けてもよい。
【0010】
本発明における加圧状態とは、発泡材料の発泡(発泡倍率、発泡セルの大きさなど)を適宜に制御できる程度の加圧状態をいう。その程度は、発泡材料の粘度粘性や流動特性などの性質や、発泡材料に求められる強度、その用途などによって適宜に決められる。また、本発明における発泡材料とは、成形型に注入されると発泡するように調整された材料であって、かつ、適宜な粘稠性を備えた材料である。なお、本願においては、ガスが混合される前の発泡材料を発泡原料とし、発泡後成形されたものを発泡成形体とする。
【0011】
本発明の作用ないし効果を図4を用いて説明する。図4(a)は円筒状の内部空間を備えた成形型の横断面図である。図中、上下の部材は成形型10とその内壁11である。内壁11の間で左から右へ凸状の点線23と実線25は、それぞれ流動する発泡材料20の先端を示すものである。点線23は加圧されていない状態における発泡材料20の流動状態を示し、実線25は加圧状態下における流動状態を示す。矢印27は発泡材料の各部位における流速の大きさを表している。図中、右から左方向への矢印21は、内部空間12のガス(その気圧)により発泡材料20に働く力の方向である。
【0012】
点線23及び矢印27が示すように、内壁11付近の発泡材料の流速は小さく、中央付近の流速は大きい。この流速の違いにより、加圧のない状態では独立発泡セルの変形や連接などが生じてしまう。一方、実線25が示すように、加圧状態下では圧力21の働きにより、発泡材料20の流速は全体に小さくなっている。そして、その小さくなる程度は、流速の大きな中央付近ほど顕著である。このように中央付近の流速を大きく低減させることにより、加圧状態下における発泡材料の流動状態(実線25)は、加圧されていない状態(点線23)より、速度差の小さい、均一な流動となる。その結果、発泡セルの変形や連接といった事態を回避することが可能となる。
【0013】
図4(b)は内部空間に拡散する形態で発泡材料が注入される形態での、成形型の断面図である。同図は、注入口94から発泡材料20が内部空間12に注入され、注入口94を中心として放射状に拡散する形態を示すものである。この図においても、点線23と実線25で示すように、加圧状態下では、発泡材料20の拡散の程度は、圧力21により抑制され、内壁11付近と、それ以外の領域との流速の違いが小さくなり、均一な流動が実現されるものである。
【0014】
また、本発明を実施する場合、発泡材料の注入開始時から終了時まですべて上記加圧状態である必要はない。形成された発泡材料が所望の品質(均一な発泡状態、強度、外観など)を実現できる程度の範囲で、加圧状態であればよい。例えば、複雑な形状又は用途に応じた形状の発泡成形体の場合、発泡材料の注入状況に応じて加圧状態を増減させることにより発泡倍率等異なる部位を有する発泡成形体を得ることができる。従って、本発明は、注入開始後の数秒間や、注入終了の数秒の間など、又は注入途中においても、上記加圧状態以外の状態下で発泡する場合を含む形態であってもよい。なお、望ましい形態として、発泡材料が注入される時間を上記加圧状態とする。
【0015】
上記発泡成形方法において、前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップは、前記成形型の内部空間を密閉するステップを備えることができる。このように、内部空間を密閉したステップを設けることで、効率的に加圧状態とすることが可能となる。なお、内部空間を加圧状態とするその他の形態としては、内部空間から流出するガス量より多くのガスを供給し続ける形態などである。
【0016】
内部空間を加圧状態にする形態としては、様々な形態で実施可能である。上記発泡成形方法において、前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップは、前記内部空間を密閉するステップの後又は同時に、前記発泡材料を注入するステップを備えることができる。これは、内部空間を密閉後、発泡材料を注入・発泡させ、内部空間を発泡材料で充填させることで内部空間を加圧状態にする形態である。発泡材料の注入量と内部空間の圧力との関係を図5に示す。図中、横軸が注入量、縦軸が成形型の内部空間の圧力を示す。この発泡材料の注入による加圧は、図5の(a)、(b)のように、内部空間が密閉され、発泡材料の注入開始直後は加圧状態ではないものの(同図i)、発泡材料が注入されるに従って圧力が増加し(同図ii)、適度な注入が行われた時点(同図iii)から加圧状態を実現するものである。この形態であれば、発泡材料を注入する装置を利用して、加圧状態を実現できるため、加圧手段としての特段の装置が不要となる。
【0017】
内部空間を加圧状態にするその他の形態として、前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップは、前記成形型の内部空間を密閉するステップの後、前記密閉された内部空間に所定のガスを供給するステップを備えることができる。これは、所定のガスを内部空間に適量供給することで加圧状態を実現するものである。この発明は図5(c)に示すように、発泡材料の注入を開始する時点(同図i)において既にに加圧状態とすることが可能となる。
【0018】
このようにガスを供給する形態により、迅速な加圧が可能となり、注入開始直後、すなわち、発泡開始から均質な制御された発泡状態にすることができる他、作業効率・生産効率の向上を図ることが可能となる。ガスを供給する手段としてはコンプレッサなど公知の装置を用いて実施可能である。供給される所定のガスとしては、様々なガスを用いることができる。例えば、大気中の空気の他、炭酸ガス、窒素ガスなどである。その他、活性度が著しくない他の等価な気体であってもよい。
【0019】
前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップは、前記内部空間を密閉するステップの前後または同時、前記所定のガスを供給するステップと、前記発泡材料を注入するステップと、を備えることができる。ガスを供給するステップと発泡材料を注入するステップとは、どちらを先に実施してもよく、また、同時に実施してもよい。図5(d)は、ガスを供給した後に発泡材料を注入する実施形態である。同図に示すように、この発明は発泡材料の注入を開始する時点において(同図i)、充分な加圧状態には至らないものの、その後発泡材料を注入することで、圧力が増加し(同図ii)加圧状態となるものである(同図iii)。このように、ガスを供給するステップと発泡材料を注入するステップを組み合わせて加圧状態を実現することも可能である。
【0020】
本発明の実現において、必要な加圧状態は、生産速度、発泡材料の種類や性質、また、その用途、発泡成形型の形状、発泡倍率や発泡成形体に求められる物性などによって適宜に変化する。上記実施形態は、様々な加圧状態の実現に柔軟に対応可能とするものである。
【0021】
なお、加圧のその他の形態としては、密封した内部空間の容積を減少させる形態、密封した内部空間を加熱しガスを膨張させる形態などである。容積を減少させる形態の一例は、内部空間がシリンダーとピストンによって密閉される形態であって、上記ピストンをスライドさせてシリンダーの容積を減少させることでその内部を加圧状態とするものである。
【0022】
上記加圧状態は、発泡材料の注入にしたがって増加する形態や、ある程度の圧力から減少していく形態など様々な形態で実施可能である。発泡成形体の発泡倍率、発泡セルの大きさ、形状など発泡状態は、成形型の内部空間の圧力に依存するため、加圧状態における圧力を変動させて、均一な発泡成形体や部分的に所望の発泡成形体を得ることも可能となる。
【0023】
そこで、上記発泡成形方法において、さらに、前記内部空間の加圧状態を、所定時間、ほぼ一定の圧力に維持するステップを備えるようにしてもよい。これにより、より均一な発泡状態の発泡材料を得ることが可能となる。
【0024】
上記発泡成形方法において、前記圧力を制御するステップは、前記内部空間の加圧状態が所定の圧力になったときから開始するようにしてもよい。また、上記発泡成形方法において、前記圧力を制御するステップは、前記発泡材料を前記内部空間に注入開始する前後又は同時に開始するようにしてもよい。
【0025】
このように、本発明は所定の条件をもって、圧力の制御ステップを実行する形態で実施可能である。そして、より均一な発泡成形体を生成する観点からは、圧力制御としては内部空間の充填が完了する時点まで、ほぼ一定の圧力に維持するかもしくは内部空間の充填が完了する時点数秒前までとするのが望ましい。
【0026】
上記維持ステップを開始する時期は、加圧状態となったときに限られない。図5(b)に示すように、加圧状態となった時点(同図iii)から更に加圧し、その後、所定の条件を満たした時点(同図iv)から維持ステップを開始する形態であってもよい。
【0027】
上記発泡成形方法において、前記圧力を制御するステップは、前記成形型の内部空間のガスを外部に排出するステップを備えるようにしてもよい。なお、その他の制御ステップとしては、注入される発泡材料の容量に応じて内部空間の容積を拡大する形態であってもよい。
【0028】
上記制御する圧力の具体的数値は、発泡材料の粘度粘性、流動特性などの性質や発泡成形体の形状、大きさ、発泡倍率、物性、成型型の形状、大きさ、用途などを考慮して適宜に決められる。従来からある発泡材料を用いた場合を考えると、0.1Kg/cmより小さな値では、発泡を制御する充分な効果が得られないおそれがある。一方、発泡材料の注入圧力よりも大きくすると、発泡材料が成型型から注入ノズルに逆流するおそれがある。そこで、前記圧力を制御するステップは、前記成形型の内部空間を0.1Kg/cm以上(ゲージ圧)、発泡材料の注入圧力以下の範囲とすることが好ましい。なお、本発明における圧力の制御とは、変動する内部空間の圧力をほぼ上記範囲内に制御することをいい、厳密に維持することではない。一時的に圧力が増減変動する場合をも含むものである。
【0029】
上記発泡成形方法において、前記成形型の内部空間に対する加圧状態を解除するステップは、前記成形型の密閉を開放するステップを備えてもよい。
また、本発明は、発泡材料の発泡成形装置を提供するものである。かかる発泡材料の発泡成形装置は、内部空間を有する成形型と、前記成形型の内部空間に発泡材料を注入可能な発泡材料の注入手段と、前記成形型の内部空間を加圧するための加圧手段と、前記注入手段により前記成形型の内部空間に注入された発泡材料の発泡を制御するために、前記成形型の内部空間の圧力を調整する調整手段と、を備えている。この装置は、加圧手段のみならず上記内部空間の圧力を調整する調整手段を備え、発泡材料の流動や発泡状態を適宜に制御する。これにより、より均一な発泡を可能とする。
【0030】
上記発泡成形装置において、前記加圧手段は、前記成形型の内部空間に所定のガスを供給する手段を備えることができる。
上記発泡成形装置において、前記成形型は、前記成形型の内部空間と外気とを連通する管路と、前記管路の開閉を行う排気バルブとを備え、前記加圧手段は、前記発泡材料が注入される前後、もしくは、注入されているときに、前記内部空間が密閉するように前記排気バルブを制御し、これにより、該内部空間を加圧状態とすることができる。このように、適宜なタイミングで内部空間を閉鎖し、その後、発泡材料を注入可能な装置とすることでも本発明の実施は可能である。
【0031】
上記発泡成形装置において、前記成形型は、前記成形型の内部空間と外気とを連通する管路と、前記管路の開閉を行う排気バルブとを備え、前記調整手段は、前記排気バルブを適宜に開放もしくは閉鎖することで、前記成形型の内部空間が所定の圧力となるように調節を行うことができる。
【0032】
上記発泡成形装置において、さらに、前記成形型の内部空間の圧力を測定する圧力計を備え、前記調整手段は、前記圧力計の測定結果に基づいて、前記排気バルブを自動的に開放もしくは閉鎖し、前記成形型の内部空間が所定の圧力となるように調節を行うことができる。
【0033】
さらに、前記成形型の内部空間への発泡材料の流入量を測定する流量計を備え、前記調整手段は、前記流量計の測定結果に基づいて、前記排気バルブを自動的に開放もしくは閉鎖し、前記成形型の内部空間が所定の圧力となるように調節を行うことができる。
【0034】
更に、望ましくは、上記発泡成形装置において、前記調整手段は、前記流量計の測定結果が、発泡材料を前記成形型の内部空間に充填する開始と同時又は前後に、前記排気バルブを自動的に開放もしくは閉鎖し、前記成形型の内部空間が所定の圧力となるように調節を行うことができる。これにより、単に加圧状態下で発泡させるよりも、より均一な発泡を実現することができ、均一な発泡倍率の発泡成形体が得られ、強度不足の発生、強度のバラツキ、不良率などを低減することが可能となる。
【0035】
上記発泡成形装置において、前記所定の圧力は、0.1Kg/cm以上(ゲージ圧)の範囲とする。なお、本発明の趣旨に反しない範囲であれば、意図的に圧力を増減させて、複数回にわたって上記範囲外としてもよい。但し、発泡材料の注入圧力より大きくすると発泡材料が注入できなくなり、成形型から注入ノズルに逆流するので望ましくない。
【0036】
本発明は様々な形状の成形型で実施可能であり、また、上記圧力の調節手段としての管路及び排気バルブも任意の位置に設置することが可能である。しかし、内部空間の圧力の調節を行う観点からすると、上記管路が前記発泡材料によって埋まってしまうと、その後の圧力調節が困難となる。そこで、記発泡成形装置において、前記管路を、前記成形型の内部空間のうち、発泡した前記発泡材料によって最後に充填される領域に配置することが好ましい。これにより、発泡材料の充填が完了するときまで、圧力の調節を容易に行うことができる。この管路の位置は、必ずしも内壁に限られない。内部空間の周辺から複数の注入ノズルも用いて発泡材料を注入した場合なども、内部空間の最後に充填される領域に設けるのがよい。内壁以外に管路を設ける形態としては、内部空間に管路を突出させ、その管路の先端を最後に充填される領域に配置する形態などである。
【0037】
上記発泡成形装置において、前記成形型の内部空間の形状が一方向に延在する細長い形状であり、前記成形型の長手方向の一端に前記注入手段を設け、前記成形型の他端に前記管路を設けることができる。細長い形状の内部空間を備えた成形型の場合、その両端の一方に注入手段を配し、他端に管路を設けることで、加圧状態の実現、及び、圧力調節が容易に行える。または中央部分に注入手段を配し他端に管路を設けることで、加圧状態の実現及び圧力調節を行うこともできる。
【0038】
発泡材料は、注入前にガスと混合することが望ましい。そこで、上記発泡成形装置において、前記注入手段は、発泡原料にガスを物理的に混合する混合装置を備えることができる。
【0039】
本発明は、注入手段を成形型に対して相対移動させることで、均一な発泡成形体の自動化製造を実現する。かかる観点から、上記発泡成形装置において、前記注入手段は、前記発泡材料を注入するための注入ノズルを備え、前記注入ノズルは、前記成形型に対して固定しても自由自在に移動できるように相対移動させてもよい。。これにより、発泡成形装置において、構造上の簡略化、発泡成形体の自動化製造システム、メンテナンスの容易化を図ることが可能となる。なお、本発明において注入ノズルが固定され、注入口(ノズルの先端)も移動しないもののほか、注入ノズル自体は移動しないものの上下方向に移動したり、首振り程度に動くものを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る発泡成形装置の全体構成図である。
【図2】図2は、調整装置の機能ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る混合装置の全体構成図である。
【図4(a)】図4(a)は、本発明における加圧効果の説明図であり、図4(a)は円筒状の内部空間を備えた成形型の横断面図である。
【図4(b)】図4(b)は内部空間に拡散する形態で発泡材料が注入される形態での成形型の断面図である。
【図5】図5は、発泡材料の注入量と内部空間の圧力との関係図である。
【図6】図6は、本実施例に係る方法又は装置によって成形された発泡成形体を、歯ブラシのグリップ部分に被覆成形した歯ブラシの斜視図である。
【図7】図7は、本発明の別実施例に係る発泡成形装置の回路系統図である。
【図8】図8(a)は、成形型がセットされた状態を示す成形型の概略図である。 図8(b)は、発泡材料を成形型に注入している状態を示す成形型の概略図である。 図8(c)は、成形型に注入され発泡した発泡成形体を硬化させている状態を示す成形型の概略図である。 図8(d)は、発泡材料が発泡後、硬化されて成形された発泡成形体を取り出している状態を示す成形型の概略図である。
【図9】図9(a)は、成形型がセットされた状態を示す成形型の概略図である。 図9(b)は、ガスが分散状態にある発泡材料を成形型に注入している状態を示す成形型の概略図である。 図9(c)は、成形型に注入され発泡材料が発泡して加熱硬化される状態を示す成形型の概略図である。 図9(d)は、発泡材料が発泡後、硬化されて成形された発泡成形体を取り出している状態を示す成形型の概略図である。
【図10】図10(a)は、成形型がセットされた状態を示す成形型の概略図である。 図10(b)は、ガスが分散状態にある発泡材料を成形型に注入している状態を示す成形型の概略図である。 図10(c)は、成形型に注入された発泡材料が発泡した後(あるいは、発泡途中で)成形型をプレスし、その後、加熱硬化させる状態を示す成形型の概略図である。 図10(d)は、発泡材料が発泡後、硬化されて成形された発泡成形体を取り出している状態を示す成形型の概略図である。
【図11】図11(a)は、成形型がセットされた状態を示す成形型の概略図である。 図11(b)は、ガスが分散状態にある発泡材料を成形型に加圧注入している状態を示す成形型の概略図である。 図11(c)は、発泡材料を成形型に注入した後、瞬時に成形型を一定量バックさせて発泡材料中の加圧ガスの膨張を促し、これにより該発泡材料を発泡させて成型し、その後、加熱硬化させる状態を示す成形型の概略図である。 図11(d)は、発泡材料が発泡後、硬化されて成形された発泡成形体を取り出している状態を示す成形型の概略図である。
【図12】図12(a)、(b)及び(c)は、加圧圧縮成型方法を用いて、プラスチックからなる成形体の表面に発泡成形層を被覆成形する方法の一実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本願発明の一実施形態に係る発泡成形装置を図面を用いて説明する。図1は、発泡成形装置の全体概略図である。図2は調節装置の機能ブロック図であり、図3は混合装置の全体構成図である。
【0042】
<A.発泡形成装置の構成>
(1)発泡材料
本発明の一実施態様で用いる発泡材料として熱硬化性組成物は、ポリウレタンを主成分とした発泡原料にガスを混合することによって生成する。発泡原料の構成は次の通りである。まず、ポリウレタンプレポリマーとしてポリエーテルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートとを、温度80℃で2時間反応させ、末端NCO基含有量2.4%、粘度100000cps/20℃の末端活性イソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを得る。また潜在性硬化剤である不活性化した固形ポリアミンは、中心粒径約8ミクロンの1,12−ドデカンジアミン(融点71℃)76.9重量部と中心粒径0.02ミクロンの酸化チタンの微粉体23.1重量部とを混合し、ジェットミルにて粉砕することにより、中心粒径約8ミクロンの微粉体コーティングアミン100重量部を得る。次に、上記末端活性イソシアネート基を含有するポリウレタンプレポリマー50重量部と潜在性硬化剤5重量部、炭酸カルシウム15重量部、カーボン10重量部、可塑剤20部とを混合して、熱硬化臨界温度が約80℃である一液型の熱硬化ウレタン樹脂の発泡原料を得る。そして、この発泡原料にガスを混合し、発泡材料を得る。なお、発泡原料については詳細を後述する。
【0043】
発泡材料としては、熱硬化ポリウレタン樹脂に限らず、室温で硬化ないし加熱、紫外線などによって硬化ないし架橋する材料、または熱可塑性樹脂であって加熱で溶融し、室温冷却で固化する材料であれば良く、特に制限するものではない。例えば、ポリウレタン樹脂、シリコーン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、それらの共重合体、合成ゴム、天然ゴム、合成樹脂、天然樹脂など流動状態から硬化、架橋ないし固化するものが含まれる。エラストマーと指称するものが含まれる。
【0044】
(2)成形型
本願発明の一実施形態に係る成形型を図1に示す。図1は、内部空間12の形状が横方向に延在する細長い形状(円筒や直方体など)の成形型10であって、その長手方向の横断面を示す。図中の一端(左側)には、注入手段としての注入装置90を設ける。他端には、管路14と排気バルブ16、及び、調整手段としての調節装置50を設けたものである。この実施形態において、内部空間は直径φ=25mmとし、その長さL=800mmとする。
【0045】
管路14は、内部空間12と排気口(外気)との間を連通しており、該管路14の途中に排気バルブ16を備える。この排気バルブ16は、スイッチングバルブとし、排気口と内部空間12とを連通させる機能のほか、加圧手段としてのコンプレッサー70と内部空間12とを連通可能とする機能を備える。その機能の切替は、調節装置50やコンプレッサ70が自動的に行う。なお、実施形態によっては、作業者自身が手動で切り替えてもよい。加圧手段のための管路と調節手段のための管路は必ずしも同じ管路である必要はなく、それぞれ独自の管路を備えてもよい。
【0046】
管路14には、内部空間12の圧力を測定する圧力計18が設けられている。成形型10の周囲には発泡材料の加熱手段を設ける(図中省略)。加熱手段としては、電熱抵抗加熱法、赤外線加熱法、電磁誘導加熱法、超音波誘導法および高周波誘電加熱法など任意の手法で実施する。なお、加熱手段は成形型に対して直接に加熱しても、間接的に加熱してもよい。
【0047】
(3)注入手段
成形型10の左上には注入手段としての注入装置90を設ける。注入装置90は、発泡材料に圧力を加えて、成形型10の内部空間12に発泡材料を注入する機能を備えた注入ノズル92と、発泡原料に物理的にガスを混合し発泡材料を生成する機能を備えた混合装置100を有する。この混合装置100は従来構造の装置を用いることができ、その詳細は後述する。注入ノズル92は、成形型10に対して上下移動の他、固定する。注入ノズル92及び混合装置100の制御は、調節装置50が行うほか、手動で行ってもよい。
【0048】
なお、注入ノズル92の先端である注入口94は固定式とすることが好ましいが、注入口94に首振り機能を設けるようにしてもよい。また、固定と首振りとを適宜に切り替える機能を設けてもよい。これにより、加圧状態と注入状態を組み合わせ、様々な条件下での発泡が可能となる。
【0049】
注入ノズル92の一端には、内部空間12への発泡材料の流入量を測定するための流量計96が設けられている。流量計96の測定結果は、後述する調整手段としての調整装置50に送られる。
【0050】
(4)加圧手段
排気バルブ16には、加圧手段としてのコンプレッサ70が設られており、排気バルブ16の切替により、このコンプレッサ70から送られる所定のガスを内部空間12に供給可能とする。望ましい実施形態として、この加圧手段には、適宜なタイミングで排気バルブ16を切り替える機能を設ける。更に望ましくは、発泡材料の注入速度(量)に応じて連続的、自動的に排気バルブを開閉し、加圧排気を行う機能にするとよい。なお、コンプレッサ70は、排気バルブ16を経由せずに、直接内部空間12と連通し、ガスを供給してもよい。
【0051】
(5)調節手段
排気バルブ16は、調節手段としての調節装置50により制御されるようになっている。調節装置50は、排気バルブ16の切替を制御し、排気バルブ16を適宜に開放もしくは閉鎖する。調節装置50の機能ブロック図を図2に示す。
【0052】
図2に示すように、調節装置50は、入力部52、制御部54、駆動部56を備える。入力部52は、圧力計18及び流量計96から送信される測定結果を受信し、これを制御部54に転送する。入力部52は、また、コンプレッサ70及び注入装置90からの信号を受信している。制御部54は、CPU及びメモリなどにより構成され、メモリに記憶されたプログラム(ソフトウェア)をCPU上で適宜に実行する。所定の圧力値や圧力範囲、流量が必要な場合は、制御部内に設けられたメモリ(図示せず)に記憶させておく。なお、制御部54は、専用のハードウェア(処理回路)で構成されてもよい。制御部54での処理の一例は、排気バルブ16の開閉であって、圧力計18から送られてきた測定結果に基き、駆動部56を通じて排気バルブ16の開閉を制御するものである。なお、以下説明する実施例では、この調整装置50は、加圧手段及び注入手段の一部としての機能を備え、排気バルブ16とコンプレッサ70と注入装置90の制御を行う。
【0053】
<B.発泡形成方法>
以下、上記発泡形成装置を用いて、発泡材料を成形型の内部空間で発泡させ、これにより発泡材料の形成を行う方法(発泡形成方法)を説明する。
【0054】
(1)発泡成形方法1
発泡成形方法1は、図5(b)に示す実施形態であり、内部空間12が大気圧の状態から発泡材料の注入を開始し、発泡材料を注入することで加圧状態とする実施例である。そして、理論的にはn倍の発泡倍率の発泡成形体を得る場合には成形型の内部空間容量の1/nの充填量に満たす時点まで内部空間の加圧状態を一定圧力に維持する。
【0055】
(S1)成形型10の提供ステップ
発明の実施の前提として、上記成形型10を提供する。
(S2)加圧ステップ
次に、成形型10の内部空間12を加圧状態とする。
(S2−1)この実施例では、先ず、発泡材料の注入開始前に、排気バルブ16を開放し、内部空間12を大気圧とする。図5(b)の符号(i)と示すように、圧力(ゲージ圧)は0Kg/cm、注入量は0ccである。
(S2−2)密閉ステップ
次に、加圧手段としての機能を備える調整装置50は、発泡材料を注入する前に、排気バルブ16を閉鎖(制御)する。これにより、内部空間12と外気とを遮断し、内部空間を密閉する。
(S2−3)注入ステップ
密閉後、調整装置50は、注入装置90を稼動し、注入ノズル92から発泡材料を内部空間12に注入する。注入された発泡材料は、瞬時に発泡し内部空間12の空間を埋めていく。
【0056】
注入量が増加するに従い、密閉された内部空間12の圧力は増加する(同図ii)。ある程度注入すると、内部状態は0.1Kg/cmの圧力以上となり、本発明における加圧状態となる(同図iii‐iv)。この実施例は、排気バルブ16を閉鎖し、この状態で発泡材料を注入することで、内部空間12を加圧状態とするものである。なお、注入装置90及び混合装置100の稼動は手動で行ってもよい。
【0057】
(S3)発泡ステップ
上記加圧状態となった内部空間12に、注入装置90は発泡材料を更に注入する。注入された発泡材料は、加圧状態下にあるため、その発泡は適宜に制御される。発泡材料の注入は継続され、内部空間12は発泡した発泡材料により充填される。
【0058】
(S4)制御ステップ
上記発泡ステップと並行して、この実施例では、内部空間12の加圧状態を、所定量を注入するまでの時間、ほぼ一定の圧力に維持する。
(S4−1)具体的に、流量計96は、注入される発泡材料の流量を逐次計測し、その測定結果を測定装置50に送信する。
(S4−2)入力部52で上記測定結果を受信した調節装置50は、制御部54により、その値が予め設定された充填量に該当するか否かを判断する。この実施例では、測定結果が内部空間12を1/n程度(n倍の発泡倍率)充填する注入量であることを条件に、所定の充填率に該当すると判断する。
(S4−3)測定結果が所定の流量に該当すると判断するまで調整装置50は、前記駆動部56を稼動させ、排気バルブ16を自動的に開放する(制御ステップを開始する)。
(S4−4)開放された排気バルブ16から、内部空間12に存在するガスが外部に排出される。ガスを排出することにより、発泡材料が注入される内部空間の加圧状態は、ほぼ一定圧力に維持される(同図iv−v)。
【0059】
排気バルブ16の開放の程度は、排出されるガスの量と、注入される発泡材料とを考慮し、増加している内部空間12の加圧状態が増減しない程度とする。また、この制御ステップは発泡材料の充填が終了するまで(所定時間)実施する。排出されるガスの量が多すぎたために内部空間の圧力が低下した場合、制御部54は駆動部56を用いて、排気バルブ16を閉鎖、もしくは、開放の程度を小さくする。
【0060】
(S5)解除ステップ
発泡材料の充填後、内部空間12に対する加圧状態を解除する。この実施例では、調節装置50が自動的に排気バルブ16を開放することで、密閉された成形型を開放する(同図vi−vii)。
【0061】
(S6)加熱、取出ステップ
成形型10を電熱抵抗加熱法により加熱し、発泡材料を硬化成形し、その後、成形型10から取出す。
【0062】
なお、本発明のその他の実施例としては、上記制御ステップS4を実施せず、充填の開始直後から、発泡材料の注入に応じて圧力が一定になるように成形型の内部空間の容量を増減できるように制御してもよい。
【0063】
(2)発泡成形方法2
発泡成形方法2は、図5(c)に示す実施形態であり、発泡材料の注入前に、内部空間12を密閉し、更に、所定のガスを所定量供給する。これにより、発泡材料の注入開始時には、すでに加圧状態となっている実施形態である。
【0064】
この発泡成形方法2においても、成形型10の提供ステップS1、発泡ステップS3、解除ステップS5、加熱、取出ステップS6は上記発泡成形方法1と同様である。以下、加圧ステップS2について説明する。
【0065】
(S2)加圧ステップ
この実施例において、加圧ステップは次の各ステップにより構成される。
(S2−7)密閉ステップ
加圧手段としての機能を備える調整装置50は、発泡材料が注入される前に、排気バルブ16を切り替えてコンプレッサ70に連通させ、これにより内部空間12を密閉する。
(S2−8)ガス供給ステップ
調整装置50は、コンプレッサ70を稼動させ、密閉された内部空間12に所定のガスを供給する。供給するガスは大気とする。圧力計18は、測定した測定結果を調整装置50に送信し、その測定結果が所定の圧力になったことを条件に、調整装置50はコンプレッサ70の稼動を停止、排気バルブ16を閉じてコンプレッサ70と内部空間12とを切り離す。このガス供給ステップにより、内部空間12は所定の加圧状態となる(同図i)。
【0066】
加圧状態となった以降は、発泡材料が注入され、加圧状態下で発泡させる。なお、成形型10は密封されているため、注入に応じて圧力も増加する(同図ii)。
(S4)制御ステップ
発泡ステップと並行して、内部空間12の加圧状態を、注入による時間、注入量に応じて維持する。この実施例では、内部空間12の圧力注入量を測定し、その測定結果に基づいて制御ステップを実行する。
(S4−6)具体的に、圧力計18は、内部空間12の圧力を逐次計測し、その測定結果を調整装置50に送信する。また流量計96により注入した流量を逐次計測し、この測定結果を調整装置50に送信する。
(S4−7)入力部52で上記測定結果を受信した調節装置50は、制御部54により、その値が所定の流量と圧力に該当するか否かを判断する。
(S4−8)測定結果が維持ステップを開始する所定の圧力に該当すると判断した調整装置50は、前記駆動部56を稼動させ、排気バルブ16を自動的に開放する(維持ステップの開始、同図v)(iv−vi)。
(S5−9)開放された排気バルブ16から、内部空間12に存在するガスが外部に排出される。ガスを排出することにより、発泡材料が注入される内部空間の加圧状態は、一定圧力に維持される(同図v)。望ましくは、次ぎの実施形態に示すようにコンプレサ70から圧縮ガスを供給しながら、同時に排気バブル16からガスを排出させる手法により一定圧力に維持するのがよい。
【0067】
なお、実施の形態によっては、この制御ステップS4において、圧力を一定とせず、少しづつ圧力を上昇させる形態の他、少しずつ圧力を減少させる形態であってもよい。
<C.その他の実施形態>
(1)加圧ステップS2
上記加圧ステップS2は、ガスを供給するステップと発泡材料を注入するステップを組み合わせて実施してもよい。その実施形態を図5(d)に示す。
【0068】
この実施形態は、まず、成形型とコンプレッサ70を連通し、その状態でガスを供給し加圧する。この状態を図中符号iと示す。内部空間12の気圧は、所定の加圧状態には達していない。次に、排気バルブ16を切り替えて、成形型10を密閉する。この状態で発泡材料を注入する。発泡材料が注入されるに従って、内部空間12の圧力は上昇し(同図ii)、加圧状態となる(同図iii)。
【0069】
なお、この実施形態においても、上記維持ステップS4を実施してもよい(同図iv)。図5dに示す実施形態は、維持圧力の範囲内で、圧力を少しずつ上昇させる形態(同図v)である。
【0070】
<D.発泡材料及び混合装置の説明>
(1)混合装置100(図3)
混合装置100は、図3に示されているように、空気や窒素などのガスを供給するガス供給装置102と、発泡原料を圧送するポンプ104と、一対のピストンポンプ106、108と、プレミキサー110と、一対の加圧装置112、114とを備えている。発泡原料は、ピストンポンプ106、108及びプレミキサー110でガスと混合され、これにより発泡材料が生成される。発泡材料は、加圧装置112、114から経路118を通じて注入ノズル92に送られ、注入ノズル92から内部空間12に吐出される。
【0071】
ピストンポンプ106、108は、まず、そのシリンダ107a、109a内にガス供給装置102からガスをバッチ式に供給し、次いで、ポンプ104から発泡原料をバッチ式に供給し、その後、アクチュエーター107c、109cによりピストン107b、109bをシリンダ107a、109a内に押し進めることにより、ガスと発泡原料とからなる発泡材料をプレミキサー110に供給するようになっている。また、ピストンポンプ106、108は、一方がガス及び発泡原料を受けるステップにあるとき、他方がガスと発泡原料とからなる発泡材料をプレミキサー110に供給するステップになっており、これによって、交互に発泡材料をプレミキサー110に圧送できるようになっている。
【0072】
ピストンポンプ106、108から送られてきた発泡材料は、プレミキサー110でより事前に混合されてから、加圧装置112、114に供給され、加圧装置112、114で一定量の発泡材料が交互に注入ノズル92に供給される。そして、発泡材料が加圧装置112、114と注入ノズル92とを連結する分散管118を通ることにより、ガスがより微細に分散された状態となり、このようにガスがより微細に分散された状態となった発泡材料が、注入ノズル92から成形型の内部空間12に注入される。そして、注入されたときに、ガスが膨張して発泡材料が発泡し、成形型の内部空間12を充填する。充填された発泡材料は、充填完了後、熱硬化される。発泡材料の発泡倍率は2倍ないし5倍とすることができる。
【0073】
(2)発泡原料とする熱硬化性組成物
本発明の発泡材料の発泡原料に関する詳細な実施要領は、本出願人が先に出願し開示した国際公開番号WO95/26374号公報によるが、その要点を記載すると、発泡材料の発泡原料はポリイソシアネート化合物と、ポリオール成分に過剰量のポリイソシアネート化合物を反応させて得られる末端活性イソシアネート基を含有するウレタンポリマーの夫々単独又は混合物と、不活性化した固形ポリアミン系潜在性硬化剤とするものであって、固形ポリアミン系潜在性硬化剤は融点50℃以上で中心粒径20ミクロン程度の固形ポリアミンの粒子の表面に中心粒径2ミクロンの微粉体を固着させて活性アミノ基を被覆して不活性化した微粉体コーティングアミンとを配合して用いるものである。なお、該固形ポリアミンと微紛体の重量比が1/0.001〜0.5となるように固着させて、表面の活性アミノ基を被覆した不活性化された固形ポリアミンである。
【0074】
具体的には、ポリイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族または脂環族に属するものが使用できる。たとえばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3‘−ジメチルー4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1、4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシネート、ナフチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンー4,4‘−ジイソシアネート、粗製TDI、ポリメチレン・ポリフェニルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、これらのイソシアヌレート化物、カルボジイミド化物、ビューレット化物等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0075】
また末端活性イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーとは、ポリオール成分のOH基に対し過剰量の前記ポリイソシアネート化合物のNCO基が1.1〜3.5となるように反応させて得られるものである。反応は、触媒(具体的にはジブチル錫ジラウレート等の有機錫系触媒、オクチル酸ビスマス等のビスマス系触媒、第三級アミン系触媒等)等の存在下、常温ないし60〜100°Cに加熱して1〜24時間反応させる。末端活性イソシアネート基が0.5〜10重量%、粘度3000〜50000センチポイズ/20°Cのポリウレタンプレポリマーが得られる。
【0076】
上記ポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖などの多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合させたポリエーテルポリオール類、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびこれらのオリゴグリコール類、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール類のポリオール類、ポリカプロラクトンポリオールやポリエチレンアジペートのようなポリエステルポリオール類、ポリブタジエンポリオール、ヒマシ油のようなヒドロキシル基を有する高級脂肪酸エステル類、ポリエーテルポリオールまたはポリエステル類にビニルモノマーをグラフト反応させたポリマーポリオール等が挙げられる。
【0077】
ポリウレタンプレポリマーに対する潜在性硬化剤として用いる固形ポリアミンとしては、融点50℃以上で常温固形であって、芳香族または脂肪族ポリアミンで、具体的には、4,4‘−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3‘―ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2‘―ジアミノビフェニル、2,4’―ジアミノビフェニル、3,3‘−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、O―フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,3−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,5−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,4−トリレンジアミン等の芳香族固形ポリアミン、1,12−ドデカンジアミン、2,10−デカンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン等の脂肪族固形ポリアミンが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用する。固形ポリアミンは、通常中心粒径20ミクロン以下、好ましくは3〜15ミクロンに粉砕調整する。
【0078】
上記潜在性硬化剤として固形ポリアミンを不活性化する方法の一例としては、固形ポリアミンの粒子表面のアミノ基を不活性化剤で被覆して不活性化するものである。不活性化剤としては有機系または無機系微紛体を用い、固形ポリアミンの粒子表面に固着させる。微粉体は無機系の酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ジルコニア、カーボン、アルミナ、タルク等が挙げられ、有機系のポリ塩化ビニル、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン等の微粒子紛体を用いることもできる。微粉体の中心粒径は2ミクロン以下、好ましくは1ミクロン以下のものを用いる。固形ポリアミンの不活性化処理は固形ポリアミンの粒子表面に上記の微紛体を被覆するものである。不活性化処理は固形ポリアミン粉末/微粉体の重量比が1/0.001〜0.5程度とする。固形ポリアミンを所定の粒径に粉砕しつつ微粉体材科を分散混合して固形ポリアミンの表面に微粉体を固着させる。
【0079】
以上のようにして得られたポリウレタンプレポリマーと不活性化した固形ポリアミン系潜在性硬化剤とは、加熱して再活性化した時のポリアミンのアミノ基とイソシアネート基が1/0.5〜2.0の当量比になるよう配合使用するものである。
【0080】
こうのようにして得られる発泡材料の発泡原料の熱硬化性組成物であって、熱硬化ウレタン樹脂には、さらに必要に応じて通常の添加剤、たとえば上記の触媒、可塑剤(たとえばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジベンジルフタレート、トリオクチルホスフェート、エポキシ系可塑剤、アジピン酸エステル等のポリエステル系可塑剤等)、溶剤、揺変剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、接着付与剤、脱水剤、発泡調整剤、粘度粘性調整剤等を適宜適量配合して構成される。
【0081】
上記により得た発泡原料の熱硬化ウレタン樹脂は加熱により硬化する。特に加熱温度に対して臨界的な硬化特性を有し、60℃未満では硬化しないが、80°C以上では不活性化された固形ポリアミンが再活性化されて硬化が始まりほぼ硬化反応が完了するものである。
【0082】
次ぎに、発泡原料にガスを撹拌混合して物理的に混合分散し、発泡材料とする。実施例ではガスとして空気を使用しているが、活性度が著しくない他の等価な気体であってもよいことは言うまでもない。尚、発泡原料とガスとを物理的に混合する技術は、特開平11−128709号公報に詳述されている。
【0083】
上述したように、本発明に用いる発泡材料を得る混合装置100(図3にその構成する概略図を示す)は、ピストンポンプ106、108を用いて発泡原料とガスを所望の比率で秤量混合する。ガスと発泡原料は、ピストンポンプ106、108によって混合される。
【0084】
熱硬化臨界温度未満で注入され発泡した熱硬化ウレタン樹脂の発泡材料は、加熱温度が熱硬化臨界温度未満(約60℃)であるから硬化すること無く発泡する。次に発泡材料の熱硬化臨界温度以上(約80℃)に加熱すると未硬化の発泡材料は早々に熱硬化臨界温度以上となり、約10秒程度以上の僅少時間で所定の形状に硬化する。
【0085】
本実施例に係る方法又は装置によって成形された発泡成形体は、例えば、ローラー、ガスケット、シール材、緩衝材、クション材、スリップ防止材などの発泡成形体等への用途の他、容器、包装材料、任意形状の大小物のプラスチック発泡成形体などの発泡成形体の成形があるし、応用例として長尺物の被覆(ケーブル被覆)、筆記具、歯ブラシ、ラケット、バット、ゴルフクラブ、ステッキ、のこぎり、ハンマー、ドリル等の手動又は電動利器、自動車ハンドルなどのグリップ部分(換言すれば、把持部分)に発泡成形体を適用することができる。かかるグリップ部分は、芯材(中空体も含む)に対して、前記発泡成形体を被覆成形することによって構成することができ、被覆成形された発泡成形体によって緩衝や滑り防止効果を得ることができると共に、ユーザーがグリップ部分を握った際にユーザーに対して適正な感触を与えることもできる。また、被覆成形される発泡成形体の表面に外観模様や表示機能を与えることも可能である。
【0086】
このようなグリップ部分は、成形型10の内部空間12内にその長手方向に沿って長尺状の芯材(図示せず)を配置し、芯材の周囲で発泡材料を発泡させながら、芯材の周囲に発泡成形体を被覆することによって形成される。しかも、成形型10の内部側壁からの間隔が均等となるように芯材を支持部材(図示しない)を介して内部空間12に位置決めすることによって、成形型10の内部空間12に注入された発泡材料が芯材の周囲全体に一様に付着して均一に被覆させることができる。また、成形型の内部空間の圧力を調整手段としての調節装置50により調節することにより、注入装置90により成形型の内部空間に注入された発泡材料の発泡を、芯材の周囲において制御することができ、これによって、芯材の周囲においてより均一な発泡成形体を被覆成形することができる。
【0087】
上記芯材としては、円柱状をした中実な芯材であることが好ましい。
本実施例に係る方法又は装置によって成形された発泡成形体を、歯ブラシのグリップ部分(換言すれば、把持部分)に適用した具体例を図6に基づいて説明する。
【0088】
図6に示されるように、歯ブラシ200は、ブラシ部202と、ブラシ部202を支持する支持部204と、支持部204から延在する円柱形状のグリップ部206とを備えている。支持部204と円柱形状のグリップ部206とは、一体に形成されている。
【0089】
円柱形状のグリップ部206には、その先端側(すなわち、支持部側)に第1の発泡成形体210が設けられており、その基端側に第2の発泡成形体212が設けられている。
グリップ部206は、その先端側に、その周囲に沿って凹部208が形成されている。第1の発泡成形体210は、凹部208内に被覆成形されている。第1の発泡成形体210の厚みは、凹部208の深さ方向の長さとほぼ同一となっており、そのため、第1の発泡成形体210の外表面は、グリップ部206の表面と同一平面上にある。
【0090】
第2の発泡成形体212は、グリップ部206の基端側の表面に被覆成形されている。したがって、第2の発泡成形体212が設けられたグリップ部206の部分では、グリップ部206と第2の発泡成形体212とにより、拡径された把持部が形成されている。
【0091】
このように、歯ブラシ200のグリップ部206に、第1の発泡成形体210と第2の発泡成形体212とを被覆したので、被覆された第1及び第2の発泡成形体によって緩衝や滑り防止効果を得ることができると共に、ユーザーがグリップ部分を握った際にユーザーに対して適正な感触を与えることもできる。
【0092】
このように、グリップ部分206に、第1の発泡成形体210と第2の発泡成形体212とを被覆するには、上述したように、成形型10の内部空間12内にその長手方向に沿ってグリップ部分206を配置し、グリップ部分206の周囲で発泡材料を発泡させながら、グリップ部分206の周囲に発泡成形体210、212を被覆成形する。しかも、成形型10の内部側壁からの間隔が均等となるようにグリップ部分206を支持部材(図示しない)を介して内部空間12に位置決めすることによって、成形型10の内部空間12に注入された発泡材料が芯材の周囲全体に一様に付着して均一に被覆させることができる。
【0093】
本願発明である芯材に発泡材料を被覆成形する実施例の1つとして、上記歯ブラシについて図6で示されるブラシ部202と、ブラシ部202を支持する支持部204と、支持部204から延在する円柱形状のグリップ部206を備え、円柱形状のグリップ部206には、その先端側に第1の発泡成形体210と基端側に第2の発泡成形体212を成形したもの説明したが、図6の歯ブラシのブラシ部202、支持部204、グリップ部206、発泡形状体210、212の形状、大きさ、発泡成形体を設ける数などに限定されるものでないことはいうまでもないことであり、様々なグリップ部に発泡成形体を被覆させることができる。
【0094】
上記グリップ部分は、芯材に対して発泡成形体を被覆成形することによって構成するようにしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、内部が中空になっていると共に両端が開口した強靭なまたは柔軟な(あるいは可撓性を有する)表皮体(すなわち、外形成形体)の当該内部中空部分に、発泡材料を注入あるいは充填して発泡させることにより、軽量なグリップ部分を得るようにしてもよい。かかる表皮体は、両端が開口した円筒形状となっていることが好ましい。
【0095】
このようなグリップ部分は、成形型10の内部空間12内にその長手方向に沿って円筒形状の表皮体(図示せず)を配置し、表皮体の内部中空部分に発泡材料を注入あるいは充填しつつ、表皮体の内部中空部分で発泡材料を発泡させながら、表皮体の内部に発泡成形体を形成することによって構成される。しかも、表皮体を成形型10の内に配置した際に、表皮体が成形型10の内部側壁によってある程度押圧されるように表皮体と成形型との間の相対的な寸法を調整することにより、成形型内に表皮体を位置決めすることができる。また、成形型の内部空間の圧力を調整手段としての調節装置50により調節することにより、注入装置90により表皮体の内部中空部分に充填された発泡材料の発泡を制御することができ、これによって、表皮体の内部において均一な発泡成形体を形成することができる。
【0096】
歯ブラシ等のグリップ部分の発泡被覆体あるいは充填材としては、本願発明の一実施例で記載されている熱硬化ウレタン樹脂以外にシリコーン、ポリプロピレン等を適用してもよい。また、熱硬化ないし室温硬化樹脂以外に熱可塑性樹脂(ポリオレフィンプラスチック、エンジニアリングプラスチック、合成ゴム、合成樹脂等)を熱熔融した発泡原料にガスを機械的に混合して発泡材料とすることができ、熱可塑性材料を用いる場合、ガスの混合、注入発泡時には加熱熔融させておき発泡成形した後、冷却硬化させて発泡成形体にすることができる。
【0097】
上記実施例で説明したように、成形型の内部空間を適宜な加圧状態とすることで、発泡材料の流動や、発泡を適宜に制御することが可能となった。特に、円筒状の成形型の場合、内壁から離れた円筒の中心部分の流動を抑制することが可能となった。これにより、独立発泡セルの変形、型崩れ、連接などの不具合が生ずるのを抑制することが可能となり、その結果、永久歪みによる強度不足などが生じず、また外観も美しく、より均一な発泡倍率と独立の発泡セルにした発泡状態の高品質の発泡成形体を形成することが可能となった。同様に、不良率を低減することができ、生産コストの低減をも図ることが可能となった。
【0098】
また、注入ノズルと成形型を相対移動して、発泡材料を注入する場合であっても、固定式の注入ノズルでも品質のよい発泡成形体を成形することが可能となる。これにより、発泡成形装置の構成の簡略化、及び、メンテナンスの容易化が図られる。更に発泡成形方法を自動化することができる。
【0099】
さらに、内部空間の圧力を所定の範囲に制御するステップ及びその手段により、より均一で任意の発泡状態の発泡成形体を得ることができる。
次に、本発明の別実施例に係る発泡成形装置を説明する。
【0100】
発泡成形装置は、図7に示されているように、内部空間302を有する成形型300と、成形型の内部空間302に発泡材料を注入可能な発泡材料の注入装置350と、注入装置350により成形型300の内部空間302に注入された発泡材料の発泡を制御するために、内部空間302内の圧力を調整するするための真空ポンプ512と、真空ポンプ512を制御するための制御装置510とを備えている。
【0101】
注入装置350は、発泡原料にガスを物理的又は機械的に混合して発泡材料を形成する混合装置400と、発泡材料を成形型の内部空間302内に注入するための注入ノズル490とを備えている。
【0102】
混合装置400は、空気や窒素などのガスを供給するガス供給装置411と、発泡原料としての熱硬化性組成物410を圧送するポンプ412と、一対のピストンポンプ装置406、408と、一対の加圧装置440、442とを備えている。発泡原料の熱硬化性組成物として、例えば、熱硬化ウレタン、熱硬化シリコーン等の他、汎用の熱硬化性樹脂が望ましいが、熱可塑性樹脂(プラスチック)も熱熔融―冷却硬化させることにより発泡原料として挙げられる。発泡原料の熱硬化性組成物410は、ピストンポンプ装置406、408でガスと混合され、これにより発泡材料が生成される。発泡材料は、加圧装置440、442から分散管418を通じて注入ノズル490に送られ、注入ノズル490から内部空間302に吐出注入される。
【0103】
ピストンポンプ装置406、408は、各々、ピストンポンプ453、453と、ピストンポンプ453、453を駆動するモータ454、454とを備えている。ピストンポンプ453、453は、まず、そのシリンダ451、451内にガス供給装置411からガスをバッチ式に供給し、次いで、ポンプ412から熱硬化性組成物410をバッチ式に供給し、その後、モータ454、454によりピストン452、452をシリンダ451、451内に押し進めることにより、ガスと熱硬化性組成物410とからなる発泡材料を加圧装置440、442に供給するようになっている。また、ピストンポンプ453、453は、一方がガス及び熱硬化性組成物410を受けるステップにあるとき、他方がガスと熱硬化性組成物410とからなる発泡材料を加圧装置440、442に供給するステップになっており、これによって、交互に発泡材料を加圧装置440、442に圧送できるようになっている。
【0104】
ピストンポンプ453、453から送られてきた発泡材料は、加圧装置440、442に供給され、加圧装置440、442で一定量の発泡材料が、分散管418を介して交互に注入ノズル490に供給される。そして、発泡材料が加圧装置440、442と注入ノズル490とを連結する分散管418を通ることにより、ガスがより微細に分散された状態となり、このようにガスがより微細に分散された状態となった発泡材料が、注入ノズル490から成形型の内部空間302に射出して注入される。そして、成形型300の内部空間302に注入されたときに、ガスが膨張して発泡材料が発泡し、成形型の内部空間302を充填する。充填された発泡材料は、充填完了後、熱硬化される。発泡材料の発泡倍率は2倍ないし5倍とすることができる。
【0105】
次に、図7に示す回路系統図の動作について説明する。
ガス供給装置411からのガス411と、ポンプ412で圧送された発泡原料としての熱硬化性組成物410とが、一対のピストンポンプ453、453によって混合される。ピストンポンプ453は、シリンダー451とピストン452とからなり、吸入工程ないし吸入工程後において発泡用のガス411を吸入する。次いでガス411を注入したシリンダー451が、ポンプ412からの熱硬化性組成物410を供給を受ける。次いでピストンポンプ453の吐出工程においてガス411と熱硬化性組成物410とを押出し、機械的に混合分散する。混合された発泡材料(発泡性熱硬化性組成物)は、加圧装置440、442のピストンポンプまたはブースターポンプなどによる加圧工程を経て、分散管418を通り、注入ノズル490から、成形型300に吐出注入される。発泡材料には、ガスが圧縮されて混合されているので、注入ノズル490から大気圧下に吐出された瞬間に圧縮ガスが膨張して物理的に発泡する。
【0106】
成形型300は、注入用通路が形成された第1の成形型304と、第1の成形型304に対向して配置された第2の成形型306とを備えている。第1の成形型304と第2の成形型306とを、互いに対して接する方向と離間する方向に移動させるためのアクチュエーター514が設けられている。制御装置512がアクチュエーター514を制御して、第1の成形型304と第2の成形型306とが、互いに対して接する方向に移動したり、あるいは互いから離間する方向に移動したりできるようになっている。第1の成形型304と第2の成形型306とが互いに対して接したとき、内部空間302は密閉状態となり、発泡材料が内部空間302内に射出注入されると、内部空間が加圧状態となる。このとき、制御装置510からの指令に基づいて真空ポンプ512を稼働して、内部空間302内の圧力を減圧して、内部空間302内の圧力を調整し、発泡材料の流動や発泡を適宜に制御する。このように、真空ポンプ512を制御することにより、内部空間302に対する加圧状態が制御され、発泡成型装置においても、発泡材料の流動や発泡を適宜に制御することができる。
【0107】
図7に示した発泡成型装置を用いて発泡成形体を形成する場合、図8(a)ないし(d)に示されているように、まず、アクチュエーター514を駆動して、第1の成形型304と第2の成形型306とを互いに対して接した状態にして、内部空間302が密閉した状態となるように成形型300をセットする(図8(a))。
【0108】
次に、発泡材料を、注入ノズル490から、成形型300の内部空間302内に吐出注入する。この際、上述したように真空ポンプ512を駆動して、内部空間302に対する加圧状態を制御する(図8(b))。
【0109】
次に、成形型に設けられた経路(図示せず)に加熱媒体あるいは冷却媒体を適宜流すことにより、発泡材料が発泡して成形された発泡成形体を適宜加熱あるいは冷却して、発泡成形体を硬化させる(図8(c))。
【0110】
最後に、アクチュエーター514を駆動して、第1の成形型304と第2の成形型306とを互いに対して離間する方向に移動させて、発泡成形体310を金型から取り出す(図8(d))。
【0111】
図7及び図8に示した成形型300は、第1の成形型304も第2の成形型306の雌型成形型が用いられているが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、第1の成形型を雌型成形型として、第2の成形型を雄型成形型として構成することもできる。この場合、第1の雌型成形型の一方に発泡材料(発泡性熱硬化性組成物)を注入して発泡させ、もう一方の雄型成形型を嵌合圧締して発泡成形する開放成形型発泡成形法を提供することができる。
【0112】
より具体的に説明すると、このような開放成形型発泡成形法は、ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合した発泡材料を用いる発泡成形方法であって、雌型成形型と雄型成形型とを備えた成形型を提供する工程と、該発泡材料を雌型成形型に注入して発泡させる工程と、雌型成形型に雄型成形型を嵌合圧締する工程と、雌型成形型及び雄型成形型を嵌合圧締した状態で、雌型成形型及び雄型成形型の少なくとも一方を加熱し、これにより、発泡材料が発泡成形してなる発泡成形体を硬化させる工程と、前記硬化した発泡成形体を成形型から取出す工程とから構成することができる。このように、雌型成形型と雄型成形型とをいったん開放して、一方の雌型成形型に発泡材料を注入して発泡させ、この後、雌型成形型に雄型成形型を嵌合圧締するようにしたので(すなわち、発泡後圧縮成形を行うようにしたので)、真空ポンプを設けて成形型の内部空間に対する加圧状態を制御する必要なく、均一発泡(マイクロセル)と成型性(表面の均一性)とを確保できる。したがって、単に密閉状態にある成形型の内部空間(キャビティー)内へ発泡材料を加圧注入すると、発泡エアがキャビティー内で圧縮されほとんど発泡しない状態で成形されるという問題も、あるいは、キャビティー内の加圧を防ぐべく注入材料量を低めに設定すると、発泡することが確認できるが、成型性(表面状態と隅々までの注入)が悪く、また、発泡性状(セル状態)が不均一となるという問題も生じることもない。
【0113】
また、別実施例として、発泡材料を密閉成形型に加圧注入すると同時に発泡させながら、成形型内全体に注入した後、硬化させ成形する密閉成形型発泡成形法を提供することもできる。この実施例は、発泡材料が熱硬化組成物であるころから、成形型が加熱されていれば硬化するので、成形型全体に注入ができないという課題を解決したものである。
【0114】
より具体的に説明すると、密閉成形型発泡成形法は、ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合した熱硬化性組成物の発泡材料を用いる発泡成形方法であって、図7及び図8に示したような、第1の成形型も第2の成形型も雌型成形型からなる成形型を提供する工程と、成形型に設けられた経路に冷却媒体を流すことにより、所定温度(例えば、60°C)以下に成形型を冷却する工程と、熱硬化性組成物の発泡材料を密閉状態にある成形型の内部空間内に加圧注入する工程と(この場合、真空ポンプにより成形型の内部空間内の圧力を調整することが好ましい)、熱硬化性の発泡材料が成形型内で発泡するのを許容する工程と(この場合も、真空ポンプにより成形型の内部空間内の圧力を調整することが好ましい)、成形型に設けられた経路に加熱媒体を流すことにより、成形型を加熱し、発泡した発泡成形体を硬化させる工程と、成形型から発泡成形体を取出す工程とを備えている。
【0115】
この実施例によれば、成形型を冷却することにより、熱硬化性組成物の発泡材料を成形型に注入する際に熱硬化性組成物の発泡材料の硬化が防止され、発泡材料を成形型全体に円滑に注入でき、これによって、熱硬化性組成物の発泡材料の均一発泡(マイクロセル)と成形性(表面の均一性)とを確保することができる。
【0116】
また、別実施例として、成形型に発泡材料を注入にあたり、予め減圧した成形型の内部空間内に発泡材料を注入し減圧した状態で発泡させる密閉成形型の減圧注入発泡成形方法を提供できる。
【0117】
この実施例は、図7に示された成形型300に換えて、図9に示された成形型600を用い、その他の構成は図7に示されたものと同様の構成を用いることができる。図7及び図8に示した成形型300は、第1の成形型304も第2の成形型306も雌型成形型が用いられているが、図9に示された成形型600は、雌型成形型604と雄型成形型606とからなっている。
【0118】
密閉成形型の減圧注入発泡成形方法を実施する場合、まず、雌型成形型604と雄型成形型606とからなる成形型600を図9(a)に示されているように内部空間602が密閉状態となるようにセットし、真空ポンプ512を駆動して成形型600の内部空間602の減圧を行う。次に、図9(b)に示されているように、ガスと発泡原料(例えば、熱硬化性組成物410)とをピストンポンプ453で機械的に混合してガスが分散した発泡材料610を、発泡倍率に応じて(換言すれば、発泡後の体積を考慮して)所定量だけ成形型600の内部空間602に注入する。この際も、真空ポンプ512を継続して駆動して、成形型600の内部空間602の減圧を行う。この後、図9(c)に示されているように、成形型600の内部空間に沿って発泡材料610を発泡させ、発泡成形体を形成する。発泡材料は、減圧された内部空間602に注入されるので、当該発泡材料内部の加圧ガスの膨張により、発泡(体積膨張)が瞬時に行われる。その後、成形型600を加熱することなどにより、発泡材料が発泡した発泡成形体を加熱硬化させる。そして、図9(d)に示されているように、アクチュエーター514を駆動させて、雌型成形型604と雄型成形型606とを互いに対して離れる方向(図中の矢印A方向)に移動させ、雌型成形型604内に設けられた押圧装置612を図中矢印B方向に駆動させて、硬化されて成形された発泡成形体、すなわち、成形品614を図中矢印C方向から取り出す。
【0119】
かかる実施例によれば、減圧された内部空間602に発泡材料が注入されることから、発泡材料の発泡ガスが内部空間602で圧縮されることがなく、発泡ガスのほとんどが発泡した状態で成型される。また、内部空間の隅々まで発泡材料の注入が行き届き、成形性が良好となり、また、発泡性状(セル状態)が均一となる。
【0120】
また、別実施例として、減圧した成形型に発泡材料を注入発泡させた後、成形型を圧縮(金型を絞る)し発泡成形する、密閉成形型の減圧注入発泡圧縮成形方法を提供できる。
この実施例も、図7に示された成形型300に換えて、図10に示された成形型600を用い、その他の構成は図7に示されたものと同様の構成を用いることができる。図10に示された成形型600は、図9に示された成形型600と同じ構成となっており、雌型成形型604と雄型成形型606とからなっている。
【0121】
当該発泡成形方法を実施する場合、まず、雌型成形型604と雄型成形型606とからなる成形型600を図10(a)に示されているように内部空間602が密閉状態となるようにセットし、真空ポンプ512を駆動して成形型600の内部空間602の減圧を行う。
【0122】
次に、図10(b)に示されているように、ガスと発泡原料(例えば、熱硬化性組成物410)とをピストンポンプ453で機械的に混合してガスが分散した発泡材料610を、発泡倍率に応じて(換言すれば、発泡後の体積を考慮して)所定量だけ成形型600の内部空間602に注入する。この際も、真空ポンプ512を継続して駆動して、成形型600の内部空間602の減圧を行う。発泡材料610を成形型600の内部空間602に注入するとき、内部空間602は減圧状態にあるので、発泡材料610は、当該発泡材料内部の加圧ガスの膨張により瞬時に発泡する。そして、発泡材料610は、成形型の内部空間602全体にわたって発泡し続ける。この後、図10(c)に示されているように、制御装置510からの指示に基づいてアクチュエーター514を駆動させて、雌型成形型604と雄型成形型606とを互いに対して接近する方向(図中矢印D方向)に移動させ、発泡した発泡材料を圧縮成型すなわちプレスして発泡成形体614を形成する。このプレスは、成形型に注入された発泡材料が完全に発泡した後にしても良いし、あるいは、発泡材料が発泡途中にある状態でしても良い。もっとも、発泡材料610が、内部空間602全体に行き渡るまで発泡した後に、成形型をプレスすることが好ましい。その後、成形型600を加熱することなどにより、かかる発泡成形体を加熱硬化させる。そして、図10(d)に示されているように、アクチュエーター514を駆動させて、雌型成形型604と雄型成形型606とを互いに対して離れる方向(図中の矢印A方向)に移動させ、雌型成形型604内に設けられた押圧装置612を図中矢印B方向に駆動させて、硬化して成形された発泡成形体、すなわち、成形品614を図中矢印C方向から取り出す。
【0123】
かかる実施例によっても同様に、減圧された内部空間602に発泡材料610が注入されることから、発泡材料の発泡ガスが内部空間602で圧縮されることがなく、ほとんどが発泡した状態で成型される。また、内部空間の隅々までの注入が行き届き、成形性が良好となり、また、発泡性状(セル状態)が均一となる。さらに、発泡した発泡材料を圧縮成型するようにしたので、発泡成形体614の表面の均一性をより確保することができる。
【0124】
また、別実施例として、減圧した成形型に発泡材料を注入後、成形型の内部空間を拡張して発泡させて成形する、密閉成形型の減圧注入拡張発泡成形方法を提供できる。
この実施例も、図7に示された成形型300に換えて、図11に示された成形型600を用い、その他の構成は図7に示されたものと同様の構成を用いることができる。図11に示された成形型600は、図9及び図10に示された成形型600と同じ構成となっており、雌型成形型604と雄型成形型606とからなっている。
【0125】
当該発泡成形方法を実施する場合、まず、雌型成形型604と雄型成形型606とからなる成形型600を図11(a)に示されているように内部空間602が密閉状態となるようにセットし、真空ポンプ512を駆動して成形型600の内部空間602の減圧を行う。
ただし、後の工程で、雌型成形型604と雄型成形型606とを互いに対して離れる方向に移動させて、成形型の内部空間を拡張して発泡成形できるようにするために、図10(a)で示した場合と比較して、雌型成形型604と雄型成形型606とを互いに対してより接近させて配置し、内部空間602が小さくなるように成形型600をセットしている。
【0126】
次に、図11(b)に示されているように、まず、発泡材料の注入前に、真空ポンプ512の駆動を止めて、成形型600の内部空間602の減圧を中止する。その後、ガスと発泡原料(例えば、熱硬化性組成物410)とをピストンポンプ453で機械的に混合してガスが分散した発泡材料610を、発泡倍率に応じて(換言すれば、発泡後の体積を考慮して)所定量だけ成形型600の内部空間602に注入する。発泡材料610を金型600の内部空間602に注入するとき、内部空間602は減圧状態にあるので、発泡材料610は、当該発泡材料内部の加圧ガスの膨張により瞬時に発泡する。そして、発泡材料610は、成形型の内部空間602全体にわたって発泡し続ける。しかしながら、当該工程においては、内部空間602を継続して減圧していないので、ある程度発泡が進むと、内部空間602の圧力が高くなり発泡が抑制されることになる。そこで、図11(c)に示されているように、制御装置510からの指示に基づいてアクチュエーター514を駆動させて、雌型成形型604と雄型成形型606とを互いに対して離れる方向(図中矢印E方向)に移動させて内部空間602を広げ、拡張し、これにより、発泡材料中の加圧ガスの膨張を促して、該発泡材料の発泡が続けて行われるようにする。この場合、発泡材料を継続して発泡させるために、発泡材料を成形型に注入した後、瞬時に成形型を一定量バックさせるようにすることが好ましい。このようにして、発泡材料の注入後、瞬時に成形型を一定量バックさせて、発泡材料内の加圧ガスを膨張させ、発泡成形体を発泡成型する。その後、成形型600を加熱することなどにより、かかる発泡成形体を加熱硬化させる。そして、図10(d)に示されているように、アクチュエーター514を駆動させて、雌型成形型604と雄型成形型606とを互いに対して離れる方向(図中の矢印A方向)に移動させ、雌型成形型604内に設けられた押圧装置612を図中矢印B方向に駆動させて、硬化されて成形された発泡成形体、すなわち、成形品614を図中矢印C方向から取り出す。
【0127】
かかる実施例によっても同様に、減圧された内部空間602に発泡材料610が注入されることから、発泡材料の発泡ガスが内部空間602で圧縮されることがなく、ほとんどが発泡した状態で成型される。また、内部空間の隅々までの注入が行き届き、成形性が良好となり、また、発泡性状(セル状態)が均一となる。
【0128】
前記発泡成形方法を用いて、インモールド・インサート発泡成型も可能となる。以下、加圧圧縮成型方法を用いて、非発泡性の材料、例えば非発泡性の樹脂(プラスチック)からなる芯材としての成形体の表面に発泡成形層を被覆成形する方法の一実施例を、前記歯ブラシのグリップ部に発泡成形体を被覆成形するのと同様に図12(a)、(b)及び(c)に基づいて説明する。
【0129】
この実施例においては、図7に示された成形型300に換えて、図12に示された成形型700を用い、その他の構成は図7に示されたものと概ね同様の構成を用いることができる。
【0130】
図12に示された成形型700は、雌型成形型704と雄型成形型706とからなっており、雌型成形型704と雄型成形型706とを接近して配置することにより、密閉された内部空間702が形成されるようになっている。
【0131】
雄型成形型706には、第1の注入ノズル708が設けられている。第1の注入ノズル708から、非発泡性の樹脂が内部空間702内に向けて注入されて、樹脂製の成形体712が成形される。このようにして、非発泡性の樹脂からなる成形体を内部空間702で射出注入成形できるようになっている。
【0132】
雌型成形型704には、発泡材料(例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などのエラストマーなどの発泡樹脂)を注入するための第2の注入ノズル710が設けられている。第2の注入ノズル710から発泡材料714が内部空間702内に向けて注入され、内部空間702内で発泡材料714が発泡して、発泡成形体716が形成されるようになっている。
【0133】
まず、図12(a)に示されているように、第1の注入ノズル708から、非発泡性の樹脂が内部空間702内に向けて注入されて、芯材としての樹脂製の成形体712が形成される。
【0134】
次いで、図12(b)に示されているように、制御装置510からの指示に基づいてアクチュエーター514を駆動させて、雌型成形型704と雄型成形型706とを互いに対して離れる方向にわずかに移動させることにより成形型を微開して、内部空間702を少しだけ拡張する。これにより、成形型の微開した分だけ内部空間702にクリアランス718が形成される。
【0135】
次に、図12(b)に示されているように、第2の注入ノズル710から発泡材料(ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合したもの)714が、クリアランス718に向けて注入される。そして、発泡材料714は、クリアランス718全体に行き渡るように発泡し、これにより、内部空間702で成形された樹脂製の成形体712の表面上に発泡成形体が付着し、被覆成形される。
【0136】
その後、図12(c)に示されているように、制御装置510からの指示に基づいてアクチュエーター514を駆動させて、雌型成形型704と雄型成形型706とを互いに対して接近する方向に移動させることにより再型締めを行い、この後、その発泡成形体716を加熱硬化させる。このようにして、芯材(中空体も含む)としての熱可塑性材料等樹脂製の成形体712に対して、発泡成形体716を被覆成形することができる。
【0137】
上記実施例においては、芯材を非発泡性の材料から形成するようにしたが、芯材を発泡材料から形成して、当該発泡材料からなる芯材の表面に発泡成形層を被覆成形するようにしてもよい。
【0138】
上記実施例においては、芯材に対して発泡成形体を被覆成形するようにしたが、本発明はこれに限るものではなく、発泡体を芯材とし、この芯材に表面被覆層としてのソリッド層(塗料)を積層して成形する発泡成形方法、いわゆる逆インモールド・インサート成形方法を用いることもできる。
【0139】
この方法においては、まず、雌型成形型と雄型成形型とを備え、前記雌型成形型と前記雄型成形型とで内部空間を形成する成形型を準備する。かかる成形型は、図12に示された成形型700と同じであり、その他の構成は図7に示されたものと概ね同様の構成を用いることができる。
【0140】
次に、第2の注入ノズル710から発泡材料(ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合したもの)を内部空間702内に向けて注入し、内部空間702内で発泡材料を発泡させて発泡成形体を成形し、次いで、発泡成形体を加熱硬化する。
【0141】
次いで、制御装置510からの指示に基づいてアクチュエーター514を駆動させて、雌型成形型704と雄型成形型706とを互いに対して離れる方向にわずかに移動させることにより成形型を微開して、内部空間702を少しだけ拡張する。これにより、成形型の微開した分だけ内部空間702のクリアランス718が形成される。
【0142】
次に、第1の注入ノズル708から、非発泡性の樹脂を、内部空間702内に形成されたクリアランス718に向けて注入し、芯材としての発泡成形体の表面に、樹脂からなるソリッド層(塗料)を積層して成形する。
【0143】
なお、上記実施例において、成形型の内部空間の圧力を調整するために、真空ポンプを用いたものを説明したが、真空ポンプに換えて、成形型の内部空間と外部との間の連通を開閉するバルブを設けるようにしてもよい。この場合、バルブの開閉、あるいはその開閉の程度が制御装置510によって制御されることとなる。
【0144】
上記実施例において、ガスと発泡原料とをピストンポンプ453で機械的に混合するようにしたが、ピストンポンプはいかなる種類のポンプでもよい。ピストンポンプ453はシリンダー内をピストンが往復移動して吸入工程と吐出工程を行うレシプロ式体積動作型であるからガスと熱硬化性組成物の秤量ないし圧送に適し、且つ供給量が正確で再現性が良好な特徴を有する。また、二連式のピストンポンプを示したが、吐出量、連続吐出性などから任意の連式とすることができる。
【0145】
また、上記実施例においては、成形型に設けられた経路に加熱媒体を適宜流すことにより、発泡材料が発泡して成形された発泡成形体を加熱硬化させると説明したが、電熱抵抗加熱法、電磁誘導加熱法、超音波誘導法、または高周波誘電加熱法などの他の加熱手段を採用してもよい。
【0146】
かかる発泡成形体の発泡原料として熱硬化性組成物を用いて成形型に注入し連続的な発泡成形体を得る場合には、成形型の加熱と冷却を繰返すことにより生産性を向上させることができる。特に本願発明に最善の発泡原料として用いられる熱硬化ウレタン組成物は臨界的熱硬化性特性を有するので、加熱冷却の繰返しも容易に行うことができる。なお、成形型の加熱冷却の繰返し手法としては、複数の成形型を用いて順次、又は交互に熱硬化性組成物の発泡材料を注入し、発泡成形、硬化、取出しを行うようにしてもよい。
【0147】
一方、発泡原料として熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂を加熱熔融した状態からガスと混合し発泡材料を、注入、発泡成形し、冷却することによって硬化させる。なお、熱可塑性樹脂を加熱熔融させる熱源には上記同様に電熱抵抗加熱法、電磁誘導加熱法、超音波誘導法、または高周波誘電加熱法などの他の加熱手段を採用してもよい。
【符号の説明】
【0148】
300 成形型
304 第1の成形型
306 第2の成形型
510 制御装置
512 真空ポンプ
514 アクチュエーター
600 成形型
602 内部空間
604 雌型成形型
606 雄型成形型
610 発泡材料
612 押圧装置
614 成形品
700 成形型
702 内部空間
704 雌型成形型
706 雄型成形型
718 クリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡材料を発泡させる発泡成形方法であって、
内部空間を有する成形型を提供するステップと、
前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップと、
前記加圧状態下における前記成形型の内部空間で、前記発泡材料を発泡させて、前記発泡材料の発泡を適宜に制御するようにしたステップと、
前記成形型の内部空間に対する加圧状態を解除するステップとを備えたことを特徴とする発泡成形方法。
【請求項2】
請求項1に記載の発泡成形方法において、
前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップは、前記成形型の内部空間を密閉するステップを備えていることを特徴とする発泡成形方法。
【請求項3】
請求項2に記載の発泡成形方法において、
前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップは、前記内部空間を密閉するステップの後又は同時に、前記発泡材料を注入するステップを備えたことを特徴とする発泡成形方法。
【請求項4】
請求項2に記載の発泡成形方法において、
前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップは、前記成形型の内部空間を密閉するステップの後又は同時に、前記密閉された内部空間に所定のガスを供給するステップを備えていることを特徴とする発泡成形方法。
【請求項5】
請求項2に記載の発泡成形方法において、
前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップは、前記内部空間を密閉するステップの後又は同時に、前記所定のガスを供給するステップと、前記発泡材料を注入するステップと、を備えていることを特徴とする発泡成形方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発泡成形方法において、
さらに、前記内部空間の加圧状態を、所定の圧力に制御するステップを備えたことを特徴とする発泡成形方法。
【請求項7】
請求項6に記載の発泡成形方法において、
前記圧力を制御するステップは、前記内部空間の加圧状態が所定の圧力になったときから開始することを特徴とする発泡成形方法。
【請求項8】
請求項6に記載の発泡成形方法において、
前記圧力を制御するステップは、前記発泡材料によって、前記内部空間に充填開始したときから開始することを特徴とする発泡成形方法。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の発泡成形方法において、
前記圧力を制御するステップは、前記成形型の内部空間のガスを外部に排出するステップを備えたことを特徴とする発泡成形方法。
【請求項10】
請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の発泡成形方法において、
前記圧力を制御するステップは、前記成形型の内部空間を0.1Kg/cm以上の範囲とすることを特徴とする発泡成形装置。
【請求項11】
請求項2ないし請求項10のいずれか1項に記載の発泡成形方法において、
前記成形型の内部空間に対する加圧状態を解除するステップは、前記成形型の密閉を開放するステップを備えたことを特徴とする発泡成形方法。
【請求項12】
内部空間を有する成形型と、
前記成形型の内部空間に発泡材料を注入可能な発泡材料の注入手段と、
前記成形型の内部空間を加圧するための加圧手段と、
前記注入手段により前記成形型の内部空間に注入された発泡材料の発泡を制御するために、前記成形型の内部空間の圧力を調整する調整手段と、
を備えたことを特徴とする発泡成形装置。
【請求項13】
請求項12に記載の発泡成形装置において、
前記加圧手段は、前記成形型の内部空間に所定のガスを供給する手段を備えることを特徴とする発泡成形装置。
【請求項14】
請求項12に記載の発泡成形装置において、
前記調整手段は、
前記成形型は、前記成形型の内部空間と外気とを連通する管路と、前記管路の開閉を行う排気バルブとを備え、
前記加圧手段は、前記発泡材料が注入される前ないし注入と同時、もしくは、注入されているときに、前記内部空間が密閉するように前記排気バルブを制御し、これにより、該内部空間を加圧状態とすることを特徴とする発泡成形装置。
【請求項15】
請求項12に記載の発泡成形装置において、
前記成形型は、前記成形型の内部空間と外気とを連通する管路と、前記管路の開閉を行う排気バルブとを備え、
前記調整手段は、前記排気バルブを適宜に開放もしくは閉鎖することで、前記成形型の内部空間が所定の圧力となるように調節を行うことを特徴とする発泡成形装置。
【請求項16】
請求項15に記載の発泡成形装置において、
さらに、前記成形型の内部空間の圧力を測定する圧力計を備え、
前記調整手段は、前記圧力計の測定結果に基づいて、前記排気バルブを自動的に開放もしくは閉鎖し、前記成形型の内部空間が所定の圧力となるように調節を行うことを特徴とする発泡成形装置。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の発泡成形装置において、
さらに、前記成形型の内部空間への発泡材料の流入量を測定する流量計を備え、
前記調整手段は、前記流量計の測定結果に基づいて、前記排気バルブを自動的に開放もしくは閉鎖し、前記成形型の内部空間が所定の圧力となるように調節を行うことを特徴とする発泡成形装置。
【請求項18】
請求項17に記載の発泡成形装置において、
前記調整手段は、前記流量計の測定結果が、発泡した発泡材料が前記成形型の内部空間に充填開始と同時又は前後に、前記排気バルブを自動的に開放もしくは閉鎖し、前記成形型の内部空間が所定の圧力となるように調節を行うことを特徴とする発泡成形装置。
【請求項19】
請求項15ないし請求項18のいずれか1項に記載の発泡成形装置において、
前記所定の圧力が、0.1Kg/cm以上、発泡材料の注入圧力以下の範囲であることを特徴とする発泡成形装置。
【請求項20】
請求項14ないし請求項19のいずれか1項に記載の発泡成形装置において、
前記管路は、前記成形型の内部空間のうち、発泡した前記発泡材料によって最後に充填される領域に配置されることを特徴とする発泡成形装置。
【請求項21】
請求項20に記載の発泡成形装置において、
前記成形型の内部空間の形状が一方向に延在する細長い形状であり、
前記成形型の長手方向の一端に前記注入手段が設けられ、前記成形型の他端に前記管路が設けられることを特徴とする発泡成形装置。
【請求項22】
請求項12ないし請求項21のいずれか1項に記載の発泡成形装置において、
前記注入手段は、発泡原料にガスを物理的に混合する混合装置を備えることを特徴とする発泡成形装置。
【請求項23】
請求項12ないし請求項22のいずれか1項に記載の発泡成形装置において、
前記注入手段は、前記発泡材料を注入するための注入ノズルを備えており、
前記注入ノズルは、前記成形型に対して相対的に移動することを特徴とする発泡成形装置。
【請求項24】
発泡材料を発泡させる発泡成形方法であって、
内部空間を有する成形型を提供するステップと、
前記成形型の内部空間に芯材を提供するステップと、
前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップと、
前記芯材の周囲の一部又は全体に前記発泡材料が付着するように、前記加圧状態下における前記成形型の内部空間で前記発泡材料を発泡させて、前記発泡材料の発泡を適宜に制御するようにしたステップと、
前記成形型の内部空間に対する加圧状態を解除するステップとを備えたことを特徴とする発泡成形方法。
【請求項25】
発泡材料を発泡させる発泡成形方法であって、
内部空間を有する成形型を提供するステップと、
内部が中空となっていると共に両端が開口した表皮体を、前記成形型の内部空間に提供するステップと、
前記成形型の内部空間を加圧状態にするステップと、
前記表皮体の内部中空部分に前記発泡材料を発泡充填させて前記発泡材料の発泡を適宜に制御するようにしたステップと、
前記成形型の内部空間に対する加圧状態を解除するステップとを備えたことを特徴とする発泡成形方法。
【請求項26】
内部空間を有する成形型と、
前記成形型の内部空間に発泡材料を注入可能な発泡材料の注入手段と、
前記成形型の内部空間に注入された発泡材料が、芯材の周囲の一部又は全体に付着するように、前記成形型の内部空間に配置される芯材と、
前記成形型の内部空間を加圧するための加圧手段と、
前記注入手段により前記成形型の内部空間に注入された発泡材料の発泡を、少なくとも前記芯材の周囲において制御するために、前記成形型の内部空間の圧力を調整する調整手段と、
を備えたことを特徴とする発泡成形装置。
【請求項27】
内部空間を有する成形型と、
前記成形型の内部空間に発泡材料を注入可能な発泡材料の注入手段と、
内部が中空となっていると共に両端が開口した表皮体とを備え、前記成形型の内部空間に注入された発泡材料が、前記表皮体の開口部を介して当該表皮体の内部中空部分に充填されるように、前記表皮体が前記成形型の内部空間に配置されており、
前記成形型の内部空間を加圧するための加圧手段と、
前記注入手段により前記表皮体の内部中空部分に充填された発泡材料の発泡を制御するために、前記成形型の内部空間の圧力を調整する調整手段と、
を備えたことを特徴とする発泡成形装置。
【請求項28】
ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合した熱硬化性組成物の発泡材料を用いる発泡成形方法であって、
雌型成形型と雄型成形型とを備えた成形型を提供する工程と、
発泡材料を前記雌型成形型に注入して発泡させる工程と、
前記雌型成形型に前記雄型成形型を嵌合圧締する工程と、
前記雌型成形型及び前記雄型成形型を嵌合圧締した状態で、前記雌型成形型及び前記雄型成形型の少なくとも一方を加熱し、これにより、前記発泡材料が発泡成形してなる発泡成形体を硬化させる工程と、
前記硬化した発泡成形体を成形型から取出す工程とを備えた発泡成形方法。
【請求項29】
ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合した熱硬化性組成物の発泡材料を用いる発泡成形方法であって、
成形型を提供する工程と、
所定温度以下に成形型を冷却する工程と、
前記冷却された成形型の密閉状態にある内部空間内に発泡材料を加圧注入する工程と、
前記発泡材料が成形型内で発泡するのを許容する工程と、
前記成形型を加熱し、発泡した発泡成形体を硬化させる工程と、
前記成形型から前記発泡成形体を取出す工程とを備えた発泡成形方法。
【請求項30】
請求項29に記載の発泡成形方法において、
前記加圧注入する工程と前記発泡許容工程において、真空ポンプにより成形金型の内部空間内の圧力を調整するステップを備えていることを特徴とする発泡成形方法。
【請求項31】
ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合した発泡材料を用いる発泡成形方法であって、
内部空間が密閉状態となるように成形型をセットする工程と、
前記成形型の内部空間を減圧する工程と、
前記成形型の内部空間を減圧しながら、発泡性材料を、発泡性材料の発泡倍率に応じて所定量だけ前記成形型の内部空間に注入する工程と、
前記成形型の内部空間を減圧しながら、前記成形型の内部空間で前記発泡性材料の発泡を許容して発泡成形体を成形する工程と、
前記発泡成形体を加熱硬化させる工程と、
前記成形型から前記発泡成形体を取出す工程とを備えた発泡成形方法。
【請求項32】
ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合した発泡材料を用いる発泡成形方法であって、
内部空間が密閉状態となるように、雌型成形型と雄型成形型とを備えた成形型をセットする工程と、
前記成形型の内部空間を減圧する工程と、
前記成形型の内部空間を減圧しながら、発泡性材料を、発泡性材料の発泡倍率に応じて所定量だけ前記成形型の内部空間に注入する工程と、
前記成形型の内部空間を減圧しながら、前記成形型の内部空間で前記発泡性材料の発泡を許容する工程と、
前記雌型成形型と前記雄型成形型とを互いに対して接近する方向に移動させ、前記成形型の内部空間で発泡した前記発泡材料を圧縮成型して発泡成形体を形成する工程と、
前記発泡成形体を加熱硬化させる工程と、
前記成形型から前記発泡成形体を取出す工程とを備えた発泡成形方法。
【請求項33】
ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合した発泡材料を用いる発泡成形方法であって、
内部空間が密閉状態となるように、雌型成形型と雄型成形型とを備えた成形型をセットする工程と、
前記成形型の内部空間を減圧する工程と、
発泡性材料の発泡倍率に応じて発泡性材料を所定量だけ前記成形型の内部空間に注入する工程と、
前記発泡性材料を前記成形型の内部空間に注入した後に、前記雌型成形型と前記雄型成形型とを互いに対して離れる方向に移動させて、前記成形型の内部空間を広げながら前記発泡材料を発泡させ、発泡成形体を成形する工程と、
前記発泡成形体を加熱硬化させる工程と、
前記成形型から前記発泡成形体を取出す工程とを備えた発泡成形方法。
【請求項34】
ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合した発泡材料を用いる発泡成形方法であって、
雌型成形型と雄型成形型とを備え、前記雌型成形型と前記雄型成形型とで内部空間を形成する成形型を提供する工程と、
前記内部空間で芯材を予め成形する工程と、
前記芯材の成形後、前記雌型成形型と前記雄型成形型とを互いに対して離れる方向に移動させて成形型を微開し、これにより、前記雌型成形型と前記雄型成形型との少なくとも一方と前記芯材とを引き離して前記内部空間にクリアランスを形成する工程と、
前記クリアランスに発泡材料を注入して発泡させる工程と、
前記発泡材料を硬化させて前記芯材の表面に発泡成形体を被覆形成する工程とを備えたことを特徴とする発泡成形方法。
【請求項35】
ガスと発泡原料とをピストンポンプで機械的に混合した発泡材料を用いる発泡成形方法であって、
雌型成形型と雄型成形型とを備え、前記雌型成形型と前記雄型成形型とで内部空間を形成する成形型を提供する工程と、
発泡材料を前記内部空間に注入して発泡させる工程と、
前記発泡した発泡材料を硬化させて、前記発泡材料から芯材を予め成形する工程と、
前記芯材の成形後、前記雌型成形型と前記雄型成形型とを互いに対して離れる方向に移動させて成形型を微開し、これにより、前記雌型成形型と前記雄型成形型との少なくとも一方と前記芯材とを引き離して前記内部空間にクリアランスを形成する工程と、
前記クリアランスに非発泡性の材料を注入して、前記芯材の表面に層を被覆成形する工程とを備えたことを特徴とする発泡成形方法。

【図2】
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【図7】
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【図8】
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【図12】
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【図1】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−208338(P2010−208338A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106905(P2010−106905)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【分割の表示】特願2005−505669(P2005−505669)の分割
【原出願日】平成15年11月11日(2003.11.11)
【出願人】(305032254)サンスター技研株式会社 (97)
【Fターム(参考)】