説明

発泡樹脂ローラ及びその製造方法

【課題】 発泡倍率が高く、寸法精度にすぐれた、弾性回復性が向上された、特定の硬度を有する樹脂ローラとその製造方法を提供する。
【解決手段】 芯体と、該芯体の上に形成されている円筒状の発泡ゴム弾性体層と、該発泡ゴム弾性体層上に形成された少なくとも1層以上からなる被覆層と、を有する発泡樹脂ローラであって、該発泡ゴム弾性体層の発泡倍率が1.5倍以上4倍以下であり、該発泡ゴム弾性体層の気泡の平均径が1mm以下であることを特徴とする発泡樹脂ローラ、によって、達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置に組み込まれる現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等の樹脂ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置には現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等のローラが組み込まれている。
【0003】
ローラの使用方法について、現像工程に用いられる樹脂ローラを例として図4を参照して以下に説明する。図4に示すとおり、電子写真方式の各種装置には、静電潜像を保持する感光体50などの像担持体51上に非磁性一成分現像剤55を供給し、像担持体51表面の静電潜像に該現像剤を付着させ、静電潜像を可視化する現像方法として、現像樹脂ローラ10を像担持体51と接触させる方式(1)が知られている。この方式(1)では、非磁性一成分現像剤55を使用する。そのため、この方式(1)では、従来の磁気ローラを用いての磁性現像剤を供給する方式(2)と比較して安価である。また従来の方式(2)において、磁性二成分現像剤を用いた場合には、キャリア自体に寿命があり、定期的に交換をする必要がある。従来の方式(2)では、その交換作業が手間のかかる煩わしい場合が多いものであるのに対し、上記方式(1)ではそのような欠点がない場合が多い。
【0004】
発泡樹脂を使用するローラの先行技術としては、(特許文献1)、(特許文献2)及び(特許文献3)に開示される製法が知られている。
【0005】
(特許文献1)では、熱硬化性の液状樹脂を大気圧下で高速攪拌して泡立てて液状発泡樹脂を形成し、金型に注入後に加熱硬化させて発泡樹脂ローラを製造する方法が開示されている。
【0006】
(特許文献2)では、液状樹脂の加熱硬化時に分解して気体を発生する化学発泡剤を配合する発泡樹脂ローラの製法が開示されている。
【0007】
(特許文献3)では、ウレタン樹脂原料に炭酸ガスを溶解し、加熱硬化時に炭酸ガスを気化させて発泡ポリウレタン層を形成する製法が開示されている。
【0008】
しかしながら、前記の3文献の方法によってでも、ローラとしての要求特性において特性バランスを満たすことが容易でない場合も有り、課題が残っている場合が有った。
【特許文献1】特許第3578510号公報。
【特許文献2】特許第3527543号公報。
【特許文献3】再公表特許 WO2003/051967号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図4で説明したような樹脂ローラ10は、図4に示す感光体50及び規制ブレード52に圧接された状態で込みこまれて使用される。そのため、該樹脂ローラ10の表面に継続的に圧縮が加えられることが多い。
【0010】
本発明を完成するにあたり、鋭意検討した結果、現像剤の割れを防止するためにゴム弾性体層は低硬度であることが望ましい、という課題を見出した。
【0011】
この課題を達成するために、低硬度のゴム材料を使用することを想定して、実験を行った。しかしながら、ただ単に、低硬度のゴム材料を使用する場合には、樹脂ローラ10の表面に永久変形が生じ、現像剤を均一に搬送できなくなるという課題が有ることも見出した。
【0012】
この課題に対するアプローチを鋭意検討した結果、樹脂ローラの弾性回復性を向上させることが、課題解決に有効であることを見出した。本発明は、弾性回復性が向上された、樹脂ローラを提供する。
【0013】
なお、前記の特許文献1では、熱硬化性の液状樹脂を大気圧下で高速攪拌して泡立てて液状発泡樹脂を形成し、金型に注入後に加熱硬化させて発泡樹脂ローラを製造する方法が開示されている。本製法では、多量の気体を液状樹脂に分散させることが難しい傾向が有り、そのため発泡倍率が2倍以下程度に制約されるという場合があった。
【0014】
また、前記の特許文献2では、液状樹脂の加熱硬化時に分解して気体を発生する化学発泡剤を配合する発泡樹脂ローラの製法が開示されている。本方法は、金型内で加熱により化学発泡剤を分解させた分解ガスにより樹脂を発泡させるので、発泡樹脂ローラを金型から取り出した後に変形が発生する場合が有り、寸法精度の優れた発泡樹脂ローラが得られにくい場合があった。前記特許文献3では発泡剤として炭酸ガスが使用される。炭酸ガスを発泡剤として使用した場合は、成形後に樹脂層に溶存する炭酸ガスが気化し発泡樹脂層が膨張する場合があり、また炭酸ガスは発泡樹脂層から速やかに逸散するので発泡樹脂層が収縮するなど寸法保持が困難となり、高精度なローラが得難い問題があった。
【0015】
そこで、本発明では、発泡倍率が高く、寸法精度にすぐれた、弾性回復性が向上された、特定の硬度を有する発泡樹脂ローラを得ることを、課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)本発明の第1は、
芯体と、
該芯体の上に形成されている円筒状の発泡ゴム弾性体層と、
該発泡ゴム弾性体層上に形成された少なくとも1層以上からなる被覆層と、
を有する発泡樹脂ローラであって、
該発泡ゴム弾性体層の発泡倍率が1.5倍以上4倍以下であり、
該発泡ゴム弾性体層の気泡の平均径が1mm以下である
ことを特徴とする発泡樹脂ローラ、
である。
【0017】
(2)本発明の第2は、
前記発泡ゴム弾性体層が
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体と、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と
を主成分とする熱硬化性液状樹脂組成物
の硬化物であることを特徴とする、(1)記載の発泡樹脂ローラ、
である。
【0018】
(3)本発明の第3は、
前記発泡ゴム弾性体層のアスカーC硬度が40度以下であることを特徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載の発泡樹脂ローラ。
【0019】
(4)本発明の第4は、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体と、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と
を主成分とする熱硬化性液状樹脂組成物に、
窒素、炭酸ガス及び空気からなる群から選ばれる1以上の不活性ガスを混合し、0.15MPa以上の高圧下で機械的に攪拌して気泡を有する液状発泡樹脂をローラ成形用の金型に注入し、加熱硬化させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の発泡樹脂ローラの製造方法、
である。
【0020】
本発明の具体的な態様を、図を用いて説明する。
【0021】
本発明の一態様は、図1に示す芯体11の周囲に円筒状の発泡ゴム弾性体層12を設けてローラ本体が形成され、図2に示すように発泡ゴム弾性体層の表面に被覆層13を形成する。前記発泡ゴム弾性層は発泡倍率1.5倍以上4倍以下、気泡径は1mm以下であることを特徴とする。本発明の樹脂ローラの製造方法は、成形金型内に芯体を配置して該金型内にあらかじめ不活性ガスを混合した熱硬化性液状樹脂を注入し加熱硬化させて、芯体の周囲に円筒状の発泡ゴム弾性体層が設けられたローラ本体を形成する工程と、該ローラ本体を金型から離型した後、発泡ゴム弾性体層の周囲に被覆層を形成する工程とを包含する。前記熱硬化性液状樹脂は(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体と、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物と、(C)ヒドロシリル化触媒と、(D)導電性付与剤とを主成分とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ゴム硬度が低くまた、永久変形が生じにくい弾性ローラを提供できる。従って、現像剤の破損が抑制されて耐久性が向上するという効果を有する。
【0023】
本発明における発泡ゴム弾性体層は発泡倍率1.5倍以上4倍以下、気泡径1mm以下の発泡体である。従って、本発明のローラは、ゴム硬度が低くまた、永久変形が生じにくいので、現像剤の破損が抑制されて耐久性が向上する。結果的に該発泡樹脂ローラを用いることにより、レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置の長時間使用が可能となる。
【0024】
また、本発明の製造方法では、ローラ成形用金型内に熱硬化性の液状発泡樹脂を注入し加熱硬化させて発泡ゴム弾性体層を形成し、その表面に表面層を形成する。この製造方法を採用することで、発泡倍率1.5倍以上4倍以下、気泡径1mm以下の発泡ゴム弾性体層を達成する。従って、本発明のローラは、ゴム硬度が低くまた、永久変形が生じにくいので、現像剤の破損が抑制されて耐久性が向上する。結果的に該発泡樹脂ローラを用いることにより、レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置の長時間使用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明において、従来技術の課題を解決する。
【0026】
本発明の特徴・優位性について、まずは、説明する。
【0027】
ローラの使用方法について、現像工程に用いられる樹脂ローラを例として図4を参照して以下に説明する。図4に示すとおり、電子写真方式の各種装置には、静電潜像を保持する感光体50などの像担持体51上に非磁性一成分現像剤55を供給し、像担持体51表面の静電潜像に該現像剤を付着させ、静電潜像を可視化する現像方法として、現像樹脂ローラ10を像担持体51と接触させる方式(1)が知られている。この方式(1)では、非磁性一成分現像剤55を使用する。そのため、この方式(1)では、従来の磁気ローラを用いての磁性現像剤を供給する方式(2)と比較して安価である。また従来の方式(2)において、磁性二成分現像剤を用いた場合には、キャリア自体に寿命があり、例えば1万コピーないし2万コピー毎に定期的に交換をする必要がある。従来の方式(2)では、その交換作業が手間のかかる煩わしいものであるのに対し、上記方式(1)ではそのような欠点がない。
【0028】
さらに、磁性二成分現像剤を用いた場合には、磁性現像剤自身に異色に近い磁性体を内添することから、磁性現像剤のカラートナー化には技術的に困難であった。しかし、本発明の樹脂ローラは非磁性の現像剤を使用する非磁性現像方式に採用されるため、このような問題がない。上記樹脂ローラの代表的な形状を図1、及び図2に示す。樹脂ローラ10は、芯体11と、該芯体11の周囲に樹脂にて形成される円筒状の発泡ゴム弾性体層12と、該発泡ゴム弾性体層12周囲を被覆した被覆層13とを有する。この樹脂ローラ10が非磁性一成分の現像剤を搬送する方法は、電気的吸引力による搬送方法で、現像ローラとしての必要な特性は現像ローラ表面への現像剤の堆積厚を規制する規制ブレード52と現像剤表面との間で現像剤を摩擦帯電させるために、加圧力により現像剤が割れやすく、このために現像剤の割れを防止すべく柔軟な発泡ゴム弾性体層12を芯体11に被覆した樹脂ローラ10が好適に用いられる。発泡ゴム弾性体層12は、現像剤の帯電や搬送性を制御する目的で表面に薄い被覆層13を設けることが多い。
【0029】
次に、本発明における樹脂ローラ10の製造方法を説明する。まず、熱硬化性の液状樹脂に窒素、炭酸ガス、空気などの不活性ガスを所定量混入し、0.15MPa以上の高圧下で機械的に攪拌混合して、微細な気泡を内包する液状発泡樹脂を形成する。次に前記液状発泡樹脂を図3に示す金型20に注入する。金型20は筒状金型22と、この筒状金型22の両端に位置し、前記筒状金型22に内挿された芯体11を保持するとともに筒状金型22の両端を封止する芯体保持部材21、26とを有する。芯体の両端部は図3に示すように芯体保持部材21、26に挿入される。そして一方の芯体保持部材21には筒状金型22内に形成されるローラ成形空間25に液状発泡樹脂を注入するための樹脂注入口23が設けられ、この樹脂注入口23に樹脂注入ノズル40を圧接してローラ成形空間25に液状発泡樹脂を注入する。そして、ローラ成形空間25内に液状発泡樹脂の注入が完了した後、金型20全体を加熱して、ローラ成形空間25内の液状発泡樹脂を硬化させる。樹脂の硬化が完了した後、芯体保持部材21、26を筒状金型22から抜き去る。次いで、筒状金型22に対して芯体11を押し出すなどして、筒状金型22内に保持されているローラ本体を取り出す。その後、上記成形法で得たローラ本体の発泡ゴム弾性体層の周囲表面に、樹脂材料で調合した塗布液を、スプレー法やディッピング法、ロールコータ法などで塗布し、乾燥させて被覆層13を形成する。
【0030】
本発明の発泡樹脂ローラ及びその製造方法を実施するための最良の形態を説明する。
【0031】
<芯体>
本発明で用いられる芯体は、シャフト状である限りにおいて、特に限定を受けないが、直径1mm〜25mm程度のSUS(ステンレス鋼)、SUM、アルミニウム合金または導電性樹脂などを含む導電性支持部材であることが好ましい。一例として、芯体としては、長さ250mm、外径8mmであって、表面にNiメッキを施したSUM材の表面にプライマー処理を施したシャフト(金属指示部材)なども好適に用いられる。
【0032】
<芯体の上に形成されている>
本発明の発泡樹脂ローラは、発泡ゴム弾性体層が芯体の上に形成されていればよく、
発泡ゴム弾性体層が芯体の外周面上に直接形成されても良いし、
芯体の外周面上に何らかの層が存在した上で、さらのその層の外周面上に発泡ゴム弾性体層が形成されても良い。
【0033】
<発泡ゴム弾性体層>
<発泡樹脂ローラ>
本発明における発泡樹脂ローラは、
芯体と、
該芯体の上に形成されている円筒状の発泡ゴム弾性体層と、
該発泡ゴム弾性体層上に形成された少なくとも1層以上からなる被覆層と、
を有する発泡樹脂ローラであって、
該発泡ゴム弾性体層の発泡倍率が1.5倍以上4倍以下であり、
該発泡ゴム弾性体層の気泡の平均径が1mm以下である
ことを特徴とする。
【0034】
一態様としては、ローラ本体のゴム弾性体層12周囲に被覆層13を塗布して樹脂ローラ10を製造する。
【0035】
本発明における発泡樹脂ローラは、また、
前記発泡ゴム弾性体層が
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体と、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と
を主成分とする熱硬化性液状樹脂組成物
の硬化物であることを特徴とする。
【0036】
本発明における発泡樹脂ローラは、
前記発泡ゴム弾性体層のアスカーC硬度が40度以下であることを特徴とする。
【0037】
<発泡ゴム弾性体層の発泡倍率>
発泡倍率とは、当初の樹脂体積1に対して混合する、不活性ガスの体積Xを用いて表すことができる。発泡倍率は「1+X」のことである。この値が大きいほど、製品の単位体積当たりの樹脂量が少なくなるため、コストダウン効果が有る。
【0038】
本発明における、発泡ゴム弾性体層の発泡倍率は、好ましくは、1.5倍以上4倍以下であり、さらに好ましくは、1.5倍以上3.0倍以下であり、最も好ましくは、ローラの耐磨耗性という観点で、1.5倍以上2.5倍以下である。
【0039】
<発泡ゴム弾性体層の気泡>
本発明における、発泡ゴム弾性体層の気泡は、発泡ゴム弾性体層の硬度を下げ、弾性回復性を向上させるという観点で有効な構成である。
【0040】
気泡は、閉じたセル構造であっても良い。また、気泡が連通したセルが有ってもよい。
【0041】
<気泡の平均径>
本発明における気泡の平均径は、1mm以下である。好ましくは、10μm以上1mm以下である。また、実質的に、30μm以上0.5mm以下である。
【0042】
気泡の平均径の測定方法は、ASTM D−3576である。発泡樹脂ローラの任意断面3点(3mm×3mm)を取り、20倍に拡大して写真撮影し発泡樹脂層の厚み方向及びそれに直行する2方向について気泡径を測定し、平均値を算出した。
【0043】
<アスカーC硬度>
本発明の、発泡樹脂ローラは、40度以下であることが好ましい。この理由は、本発明の上記の構成によって、ゴム硬度が低くまた、永久変形が生じにくいため、現像剤の破損が抑制されて耐久性が向上するからである。結果的に該発泡樹脂ローラを用いることにより、レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置の長時間使用が可能となる。
【0044】
ゴム硬度が低いという観点において、本発明の発泡樹脂ローラは、さらに好ましくは、0度以上30度以下であることが好ましく、10度以上20度以下であることが最も好ましい。
【0045】
なお、アスカーC硬度の測定方法は、発泡樹脂ブロックから試験片(寸法は幅14mm、長さ44mm,厚み10mm)を切り出し、JISK7312に準じて行った。
【0046】
<不活性ガスを混合>
本発明では、前記熱硬化性液状樹脂に窒素、炭酸ガス又は空気などの不活性ガスを混合使用することが好ましい。窒素または空気を単独で使用する場合は、気泡径が不均一となる場合がある、窒素または空気と炭酸ガスとを混合使用することにより均一な気泡構造を有する発泡樹脂層が容易に得られる。
【0047】
<高圧下>
本発明の高圧下とは、大気圧(1013.25hPa=0.101325MPa)を超える圧力下のことをいう。例えば、0.15MPa以上、好ましくは、1MPa以上、さらに好ましくは2MPa以上、最も好ましくは、3MPa以上である。なお、製造装置が耐えられる圧力以下であることは、言うまでも無い。
【0048】
<機械的に攪拌して気泡を有する液状発泡樹脂>
「機械的に攪拌して気泡を有する液状発泡樹脂」とは、連続した機械的な撹拌して気泡を有する液状発泡樹脂であり、一態様では、機械的に撹拌し、微細な気泡が生成された状態の、液状発泡樹脂を意味する。この方法による、発泡樹脂の生成を、メカニカルフロス法による発泡樹脂の生成などともいう。
【0049】
機械的な撹拌の方法は、特に制限を受けないが、撹拌ピンなどを使用する撹拌が好ましい。撹拌速度についても、特に制限は無い。
【0050】
<液状発泡樹脂をローラ成形用の金型に注入し、加熱硬化させる>
液状発泡樹脂をローラ成形用の金型に注入する方法は、特に制限を受けないが、一例を、製造方法とともに、別途、説明する。
【0051】
加熱とは、50〜250℃、好ましくは、100〜150℃、である。加熱方法は熱風による方法や電熱ヒーターを接触させる方法が利用できる。また、液状樹脂を金型に注入する前に、金型を予め熱硬化性樹脂が硬化する温度に加熱しておく方法も利用可能である。
【0052】
加熱硬化とは、本発明における熱硬化性液状樹脂が、硬化するのに十分な加熱であれば、特に制限を受けない。
【0053】
<発泡樹脂ローラの製造方法>
熱硬化性の液状樹脂に硬化剤、触媒、カーボンブラックなどを配合し、乾燥空気などの不活性ガスを所定量混入し、高圧下で機械的に攪拌混合して気泡(微細な気泡)を内包する液状発泡樹脂を形成する。混合する不活性ガスの量は液状樹脂に対して50〜300%相当量が好適である。50%以下では発泡倍率が低くなる傾向が有り、300%以上では均質な気泡構造を得ることが困難である傾向が有り、所望の発泡樹脂ローラを得ることが難しい傾向が有る。その後、液状発泡樹脂を射出機の樹脂注入ノズル40から図3に示す金型20内の成形空間25に注入する。図3に示すように、この金型20内には、あらかじめ芯体11が配置され、射出機の樹脂注入ノズル40から樹脂注入口23を通じて、ローラ成形空間25内に熱硬化性の液状発泡樹脂が注入される。そして、ローラ成形空間25内に液状発泡樹脂の注入完了後に、金型20全体を加熱してローラ成形空間25内に充填された液状発泡樹脂を加熱硬化させる。金型は液状発泡樹脂の硬化温度に予め加熱しておけば硬化時間を短縮することが可能で望ましい。硬化が完了した後、芯体保持部材21、26を筒状金型22から抜き去る。次いで、筒状金型22に対して芯体11を押し出す等して、筒状金型22内に保持されているローラ本体を取り出す。該ローラ本体は、芯体11の周囲に円筒状の発泡ゴム弾性体層12が形成されている。金型から抜き出したローラ本体のゴム弾性体層の端部には液状樹脂の注入時に排出されずにローラ成形空間25内に残った空気に起因する気泡、欠けなどの欠陥、筒状金型22と芯体保持部材21、26の組み付け間隙に樹脂が流入して硬化した所謂バリも発生することがある。そのため、ゴム弾性体層端部を切断し欠陥を取り除くことが好ましい。
【0054】
<熱硬化性液状樹脂>
本発明の成形方法に使用可能な樹脂材料としては、公知の熱硬化性液状樹脂が用いられる。例えば、ポリウレタン、エチレン・プロピレン・ジエン・メチレン共重合体(EPDM)、シリコーンなどが使用できる。
【0055】
<熱硬化性液状樹脂組成物の硬化物>
本発明では、ゴム弾性体層が、
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、
(C)ヒドロシリル化触媒、
及び(D)導電性付与剤、
を必須成分として含有する硬化性組成物を硬化させて得られることが好ましい。この理由は、本発明の上記の構成によって、ゴム硬度が低くまた、永久変形が生じにくいため、現像剤の破損が抑制されて耐久性が向上するからである。結果的に該発泡樹脂ローラを用いることにより、レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置の長時間使用が可能となる。
【0056】
また本発明においては、
前記(A)成分の有機重合体中のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が該重合体の末端に存在すること、
前記(B)成分が、平均して1分子中に少なくとも2個以上のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンであること、
前記(D)成分としてはイオン性導電材および、カーボンブラックなどが好適に使用できる。この理由は、本発明の上記の構成によって、ゴム硬度が低くまた、永久変形が生じにくいため、現像剤の破損が抑制されて耐久性が向上するからである。結果的に該発泡樹脂ローラを用いることにより、レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置の長時間使用が可能となる。
【0057】
<(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体>
ここで、上記(A)成分におけるアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではなく、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。オキシプロピレン系重合体のアルケニル基の数は、硬化剤である(B)成分とヒドロシリル化反応するために少なくとも1個必要であるが、良好なゴム弾性を得る観点からは、直鎖上分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基を有し、分岐のある分子の場合は、分子末端に2個以上のアルケニル基を有することが好ましい。本発明における(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に有するものであることが望ましい。
【0058】
前記(A)成分のオキシプロピレン系重合体とは、主鎖を構成する繰り返し単位のうち50%を超える単位がオキシプロピレン単位からなる重合体をいい、オキシプロピレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位やエチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる共重合性単位であってもよい。
【0059】
<(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物>
本発明における(B)成分は、硬化剤として使用されるものであり、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げられる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するシロキサン化合物を指す。
【0060】
<(C)ヒドロシリル化触媒>
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4m};白金ーホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34};白金ーホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)34、Pt〔P(OBu)34}(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。本発明の(D)成分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや金属酸化物、金属微粉末、さらには、第4級アンモニウム塩、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルイミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、またはリチウム、カリウム、ナトリウムなどのイオン導電性の金属塩などがあげられる。本発明における(D)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記カーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブラックなどがあげられる。これらカーボンブラックの種類、粒径等に制限はない。
【0061】
<(D)導電性付与剤>
(D)成分の添加量は、所望の導電特性に応じて調整して添加され、(A)成分の重合体100重量部に対し、0.01〜100重量部、さらには0.1〜50重量部用いることが好ましい。
【0062】
<前記(A)と、(B)と、(C)と、(D)とを主成分とする熱硬化性液状樹脂組成物>
また、本発明における熱硬化性樹脂組成物及び/またはその硬化物には、各種充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料などを適宜添加してよい。また、粘度や硬度を調整する目的で軟化剤、可塑剤を添加してもよい。
【0063】
また、本発明における熱硬化性樹脂組成物及び/またはその硬化物には、貯蔵安定性を改良する目的で、貯蔵安定性改良剤を使用することができる。この貯蔵安定性改良剤としては、本発明の(B)成分の保存安定剤として知られている通常の安定剤であり、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0064】
前記熱硬化性樹脂組成物及び/またはその硬化物には、その他の各種添加剤を添加することができる。例えば、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、硬化遅延剤などの、熱硬化反応を調整する材料が添加される。また、必要に応じて、有機または無機の充填剤を添加できる。更に、必要に応じて有機または無機の各種顔料、増粘剤、離型剤、整泡剤などを添加することができる。
【0065】
<被覆層>
本発明の被覆層の材料には、特に制限は無い。
【0066】
次に、ローラ本体のゴム弾性体層12周囲に被覆層13を塗布して樹脂ローラ10を製造する。
【0067】
被覆層13を形成する材料には特に制限はないが、導電特性と耐摩耗性の観点からはウレタン結合を含有し、また柔軟性等の観点からはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂を主な組成とするウレタン樹脂組成物からなっていればよく、ウレタン樹脂と、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートとのブレンド樹脂、1分子中にウレタン結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つの骨格を含有するウレタン樹脂組成物であってもよい。また、被覆層を構成する樹脂組成物には抵抗調整、表面形状の調整あるいは導電性弾性層に対する接着性等の観点から、導電性付与剤、各種フィラー等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
【0068】
被覆層の形成方法としては特に制限はないが、プライマーによって表面処理されたゴム弾性体層の上から、被覆層を構成する樹脂組成物をスプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させること等により、被覆層を形成することができる。
【0069】
具体的には、上記の被覆層として使用される樹脂を溶剤に溶かして固形分を5〜20%にしてスプレーあるいはディッピング塗布する方法が簡便である。使用する溶剤としては用いる被覆層の主成分である樹脂が相溶すれば特に制限はなく、具体的には、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン等が例示される。
【0070】
被覆層の厚さは、用いる材料、組成および用途などにより適切な値に設定するものであり、とくに限定されないが、通常1〜100μmが好ましい。1μmより薄くなると耐磨耗性が低下する傾向が有り、長期間の耐久性が低下する傾向がある。また、100μmより厚いと、弾性層との線膨張率の差に起因して皺が発生しやすくなる傾向が有る。または圧縮歪みが大きくなるなどの問題が発生する傾向がある。
【0071】
本発明においては、被覆層溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
【0072】
<発泡ゴム弾性体層上に形成された少なくとも1層以上からなる被覆層>
本発明における導電性ローラは、必要に応じて、ゴム弾性体層の外側に1層以上の被覆層を設けてもよい。この場合、本発明の被覆層は、同一及び/又は類似の組成を有する樹脂組成物を用いて、複数回重ね塗りすることにより形成される。
【0073】
本発明の一態様においては、被覆層は発泡ゴム弾性体層の外周面上に直接形成される必要はない。
【0074】
本発明の一態様においては、被覆層は発泡ゴム弾性体層の外周面上に直接形成されていても良い。
【実施例】
【0075】
以下に、本発明の非限定的な実施例について説明する。
【0076】
(実施例1)
熱硬化性液状樹脂材料として、下記表1に示す(A)アリル基末端オキシプロピレン系重合体に(B)ポリシロキサン系硬化剤、(C)白金錯体触媒、(D)カーボンブラックを配合した液状樹脂原料に、液状樹脂の150%相当量の窒素を混合し、櫛状構造の発泡機の圧力を5MPaに調整し、攪拌して微細な気泡を内包する液状発泡樹脂とした。該液状発泡樹脂を射出機にて、図3に示す金型20に注入して、芯体外径がφ(直径)8mm、発泡ゴム弾性体層12の外径がφ(直径)16mmで、長さが250mmの発泡樹脂ローラ本体を成形した。金型20の芯体保持部材21に設けられた樹脂注入口23の径は、1.5mmで、注入時の金型20の向きは、金型20の長手方向を垂直に立て、芯体保持部材21の下部から樹脂を注入した。金型20の加熱は、ファンが設けられた加熱炉内で加熱し、加熱炉内の雰囲気温度は140℃に設定され、20分間加熱後に加熱炉から取り出して、金型20から離型し、成形品(ローラ本体)を得た。両端部にはバリが発生していたのでの発泡ゴム弾性体層端部を切断、除去することによりバリを取り除いた。その後、下記表2に示す配合物をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)で10%に希釈した溶液を作り、該表面層形成用の樹脂を該ローラ本体の発泡ゴム弾性体層周囲に塗布し乾燥して表面層を形成した。このようにして得られた発泡樹脂ローラの特性値を下記表3に示す。
【表1】

【表2】

【0077】
(実施例2)
実施例1と同様の熱硬化性液状樹脂材料に、液状樹脂の150%相当量の窒素を混合し、櫛状構造の発泡機の圧力を1MPaに調整し、攪拌して気泡を内包する液状発泡樹脂とし、実施例1と同様の方法で発泡樹脂ローラを成形した。得られた発泡樹脂ローラの特性値を下記表3に示す。
【表3】

【0078】
(実施例3)
実施例1と同様の熱硬化性液状樹脂材料に、液状樹脂の150%相当量の窒素を混合し、櫛状構造の発泡機の圧力を0.2MPaに調整し、攪拌して気泡を内包する液状発泡樹脂とし、実施例1と同様の方法で発泡樹脂ローラを成形した。得られた発泡樹脂ローラの特性値を下記表3に示す。
【0079】
(実施例4)
実施例1と同様の熱硬化性液状樹脂材料に、液状樹脂の250%相当量の窒素と炭酸ガスの混合ガス(混合比率1:1)を混合し、櫛状構造の発泡機の圧力を1MPaに調整し、攪拌して気泡を内包する液状発泡樹脂とし、実施例1と同様の方法で発泡樹脂ローラを成形した。得られた発泡樹脂ローラの特性値を下記表3に示す。
【0080】
(比較例1)
実施例1と同様の熱硬化性液状樹脂材料に、液状樹脂の50%相当量の窒素を混合し、櫛状構造の発泡機の圧力を0.1MPaに調整し、攪拌して微細な気泡を内包する液状発泡樹脂とし、実施例1と同様の方法で発泡樹脂ローラを成形した。得られた発泡樹脂ローラの特性値を下記表3に示す。
【0081】
(比較例2)
記実施例1と同様の方法で窒素を混合せず、非発泡の樹脂ローラを成形した。得られた樹脂ローラの特性値を下記表3に示す。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】樹脂ローラの外観図。
【図2】本発明の実施態様における、発泡ゴム弾性体層と表面層の断面図。
【図3】本発明の実施態様における金型断面図。
【図4】電子写真装置の要部断面図。
【符号の説明】
【0083】
10 樹脂ローラ
11 芯体
12 発泡ゴム弾性体層
13 被覆層
16 oリング
20 金型
21 芯体保持部材
22 筒状金型
23 樹脂注入口
24 樹脂排出口
25 ローラ成形空間
26 芯体保持部材
40 樹脂注入ノズル
50 感光体
51 像担持体
52 規制ブレード
55 非磁性一成分現像剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯体と、
該芯体の上に形成されている円筒状の発泡ゴム弾性体層と、
該発泡ゴム弾性体層上に形成された少なくとも1層以上からなる被覆層と、
を有する発泡樹脂ローラであって、
該発泡ゴム弾性体層の発泡倍率が1.5倍以上4倍以下であり、
該発泡ゴム弾性体層の気泡の平均径が1mm以下である
ことを特徴とする発泡樹脂ローラ。
【請求項2】
前記発泡ゴム弾性体層が
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体と、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と
を主成分とする熱硬化性液状樹脂組成物
の硬化物であることを特徴とする、請求項1記載の発泡樹脂ローラ。
【請求項3】
前記発泡ゴム弾性体層のアスカーC硬度が40度以下であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の発泡樹脂ローラ。
【請求項4】
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシプロピレン系重合体と、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と
を主成分とする熱硬化性液状樹脂組成物に、
窒素、炭酸ガス及び空気からなる群から選ばれる1以上の不活性ガスを混合し、0.15MPa以上の高圧下で機械的に攪拌して気泡を有する液状発泡樹脂をローラ成形用の金型に注入し、加熱硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡樹脂ローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−85451(P2007−85451A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−274537(P2005−274537)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】