説明

皮膚科治療のための方法及び装置

本発明は、皮膚治療のための改善された方法及び装置を提供する。装置は、皮膚領域に沿って走査して、損傷組織の微小ラインパターンを形成する複数の光学的エネルギ源、又はいくつかのブレードを含む。微小ラインは、少なくとも一方の寸法が小さく、約1mm未満の幅を有しており、創傷された領域が、創傷の治癒及び組織の再造形を促すことにより、有益な結果が得られるようにする。方法は、皮膚の損傷手段を提供する段階と、非損傷皮膚組織の領域によって分離される皮膚領域中に損傷組織の複数の微小ラインを作成するために前記損傷手段を適用する段階であって、前記微小ラインが実質的に平行であり、治療される前記皮膚領域の少なくとも一部分を横断している段階と、を含む皮膚を治療する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚治療のための改善された方法を対象とする。より詳細には、本発明は、皮膚の選択された領域を損傷させるために、1つ又は複数の個々の点源により生成される電磁放射、又は機械的手段を用いて、創傷の治癒及び組織の再造形を促すことにより有益な結果を促進する「分割式リサーフェシング」と称する方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
(関連出願)
本出願は、2004年4月1日出願の米国特許仮出願第60/558397号、及び2004年4月1日出願の米国特許仮出願第60/558476号に基づく優先権を主張する。
【0003】
(参考文献の援用)
上記の出願及びその中で又はその手続中に引用されたすべての文献(「出願引用文献」)とその出願引用文献で引用又は参照されたすべての文献、及び本明細書で引用又は参照されたすべての文献(「本明細書引用文献」)とその本明細書引用文献で引用又は参照されたすべての文献は、本明細書で述べた任意の製品に対する、又は本明細書で参考文献として援用した任意の文献における製造者の指示、説明、製品仕様、及び製品シートと併せて、参考文献として本明細書に援用し、また本発明の実施において使用することができる。
【0004】
皮膚は、主として2つの層から作られている。外側の層、すなわち、表皮は、約100μmの深さを有する。内側の層、すなわち、真皮は、皮膚の外側表面から約3000μmの深さを有する。本開示では、「皮膚組織(dermal tissue)」とは、真皮及び表皮を共に指す。用語「皮膚組織」はまた、本明細書で用語「皮膚(skin)」と交換可能に使用される。
【0005】
現在、皮膚の異常を改善する手技を求める要求がある。このような改善は、それだけに限らないが、しわを減らすこと、又は皮膚異常変色(不規則な色素分布又は膨張した血管による皮膚色の何らかの異常又は不規則性)を低減することを含み得る。近年、その目的を提供する様々の技法が導入されている。様々の技法は、概して、2つの群の物理療法治療に分類することができる。すなわち、切除式レーザ皮膚リサーフェシング(「LSR」)、及び非切除式コラーゲン再造形(「NCR」)である。第1の群の物理療法治療、LSRは、表皮及び/又は真皮に対してかなり広範囲の熱損傷を生じさせることを含むが、第2の群、NCRは、表皮の熱損傷を回避するように構成されている。
【0006】
LSRは皮膚の修復に有効なレーザ治療であると考えられる。図1で概略的に示す典型的なLSR手技では、表皮100の領域、及び対応するその下の真皮110の領域が、創傷の治癒を促進するために熱的に損傷される。電磁エネルギ120は、皮膚領域に向けて送られて、皮膚を切除し、領域130の表皮組織及び真皮組織を共に除去する。当技術分野でレーザリサーフェシング、又は切除式リサーフェシングと呼び得る、パルスCO又はEr:YAGレーザを用いるLSRは、光線老化の皮膚、慢性的に老化した皮膚、傷跡、上皮に色素沈着した病変、妊娠線、及び上皮の病変の徴候に対して有効な治療選択肢であると考えられる。しかし、患者は、治療後の最初の14日間に、浮腫、毛細管性出血、及び焼けるような不快感を含む、各LSR治療後の大きな障害を経験する可能性がある。多くの患者にとって、これらの大きな障害は受容することのできないものである。LSR手技に関するさらなる問題は、手技には比較的痛みがあり、したがって、一般に、かなりの量の鎮痛剤を使用する必要のあることである。比較的小領域のLSRは、麻酔剤の注入による局所麻酔の下に行うことができるが、比較的大領域のLSRは、全身麻酔の下に、又は麻酔剤の複数回注入による神経遮断後に行われることが多い。
【0007】
CO又はEr:YAGレーザを用いるLSRの限界は、一般に、切除式レーザリサーフェシングを色黒の患者に対して実施できないことである。色素沈着した表皮組織を除去すると、色黒の患者に対して大きく美容上の外観を損なうことになり、それが数週間から最高で数年続くこともあって、大部分の患者及び医者には受容できないと考えられる。LSRの他の限界は、顔以外の領域における切除式リサーフェシングが、一般に、傷を残す危険が大きいことである。顔以外の領域のLSR手技は、それらの領域内における皮膚損傷からの回復があまり有効ではないので、受け入れがたい傷跡形成の発生を増加させることになる。
【0008】
LSR手技に関連する問題を克服する試みにおいて、一群のNCR技法が出現した。その技法は、当技術分野で、非切除式リサーフェシング、非切除式サブサーフェシング、又は非切除式の皮膚再造形と様々に呼ばれている。一般に、NCR技法は、表皮組織に損傷を与えずに皮膚組織を損傷させるために非切除式レーザ、フラッシュランプ、又は高周波電流を利用する。NCR技法の背景にある概念は、皮膚組織だけの熱的損傷は、生物学的な修復及び新しい皮膚コラーゲンの形成が得られる創傷の治癒を誘導するものと考えられることである。この種の創傷治癒は、光線老化に関連する構造的な損傷を減少させることができる。NCR技法で表皮損傷を回避することは、治療に関連する副作用の重症度及び持続期間を減少させる。具体的には、表皮の障壁機能の喪失が長引くことによる手技後の毛細管性出血、かさぶた化、色素変化、及び感染の発生が、通常、NCR技法を用いることにより回避することができる。
【0009】
図2に概略的に示す皮膚治療のNCR方法では、真皮層110内の皮膚組織135の選択部分が、その上の表皮100を損傷させることなく、創傷を治癒させるように加熱される。表皮に損傷を与えない選択的な皮膚損傷は、皮膚の表面を冷却し、かつレーザビームとすることのできる電磁エネルギ120を、レンズ125を用いて皮膚領域135上に集束させることにより達成することができる。NCR治療方法において、表皮を避けながら真皮への損傷を達成するために、非切除式レーザを用いた他の戦略も適用される。NCR手技で使用される非切除式レーザは、概して、LSR手技で使用される切除式レーザと比べてより深い皮膚の貫通深さを有する。近赤外線スペクトルの波長を使用することができる。その波長を用いると、非切除式レーザは、上皮で非常によく吸収される切除式Er:YAG及びCOレーザよりもさらに深い貫通深さを有するようになる。NCR技法及び装置の例は、Anderson他による米国特許出願公開第2002/0161357号に開示されている。
【0010】
そのNCR技法が表皮の損傷を回避するのを支援できることは示されているが、その技法の主な欠点の1つは、その限られた有効性である。NCR技法を用いた治療後の光線老化した皮膚又は傷跡の症状改善は、LSR切除式技法が使用された場合に見られる改善よりも大幅に少ない。複数の治療後であっても、臨床的な改善が患者の期待をはるかに下回ることがしばしばある。さらに、臨床的な改善は、通常、一連の治療手技後、数カ月後になる。NCRは、しわの除去には中等度に有効であり、皮膚異常変色に対しては、概して、有効ではない。NCRの1つの利点は、傷跡や感染の危険など、LSR治療の特性である望ましくない副作用を有しないことである。
【0011】
NCR手技の他の限界は、皮膚科疾患の安全で有効な治療のための受容可能な治療パラメータの幅に関する。NCR手技は、一般に、レーザエネルギと冷却パラメータの最適な調整に依存しており、それは、皮膚内で望ましくない温度分布となり、比較的大容積の組織を過熱させるため治療効果が得られず、あるいは傷跡が形成されることもあり得る。
【0012】
切除式と非切除式リサーフェシングの両方のさらなる問題は、創傷の治癒反応におけるケラチノサイトの役割が利用されないことである。ケラチノサイトは、損傷を受けたとき、サイトカインを放出することにより、創傷治癒反応で積極的な役割を果たす。従来の切除式リサーフェシング手技中に、ケラチノサイトは、表皮と共に皮膚から除去され、したがって、それらは治癒プロセスから全く除外されることになる。一方、従来の非切除式手技では、表皮中に位置するケラチノサイトは損傷されず、したがって、治癒プロセスにおける支援のためにサイトカインを放出することがない。
【0013】
本出願におけるいずれの文献の引用又は識別も、このような文献が、本発明に対する先行技術として利用できることを自認するものではない。
【特許文献1】米国特許仮出願第60/558397号公報
【特許文献2】米国特許仮出願第60/558476号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0161357号公報
【非特許文献1】Nakamura、K. (2003) Cornea、2 (7 Suppl) : S35〜47
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
LSR及びNCRの前述した欠点及び限界の点から、皮膚の異常を修復又は軽減する有効で安全な治療を求める要求が増えている。この要求に鑑みて、本発明は皮膚を治療するための改善された方法及び装置に関する。本発明による方法及び装置は、安全かつ有効であり、本装置の様々の実施形態は、比較的簡単に製造し使用される。
【0015】
本発明による一実施形態では、有効で迅速な創傷治癒を促進するための、特定パターン(「微小ライン(micro-lines)」)で皮膚組織に損傷を与えるための方法、及び装置が説明される。「損傷させる(damaging)」とは、関心の皮膚組織の1つ又は複数の領域における細胞死に導くこと(「致命的損傷」)、又は壊死性細胞死を促さずにサイトカイン、熱ショックタンパク質、及び他の創傷治癒因子の放出を促進すること(「亜致死的損傷」)として定義される。「微小ライン」とは、皮膚の表面から表皮中に延長された、また任意選択で、表皮を通って真皮層中に延長された、概して、幅1mm未満の損傷を受けた皮膚組織の狭い領域である。その微小ラインは、皮膚の表面に沿って一方向に長く、微小ラインの幅の、概して、少なくとも4から5倍の長さであり、治療される皮膚領域の一部分又は全体を横断することができる。
【0016】
本発明による他の実施形態では、皮膚の表面から表皮組織中に、また任意選択で、皮膚組織中に延長された損傷領域の複数の微小ラインを作成するために、皮膚組織を損傷させる方法が提供される。
【0017】
本発明の他の実施形態では、皮膚組織の損傷領域のいくつかの微小ラインを同時に形成することができる。このように形成された微小ラインは、ほぼ平行にすることができ、また直線、曲線、又は波状でもよい。
【0018】
本発明による他の実施形態では、治療される皮膚領域における損傷組織の微小ラインを有する皮膚表面の分割的なカバー範囲は、約50%であることが好ましい。本発明による他の諸実施形態では、微小ラインによる皮膚の分割的なカバー範囲は、約10%から約80%の範囲とすることができる。分割的なカバー範囲は、個々の微小ラインの幅を変えることにより、隣り合う微小ラインの間の間隔を変えることにより、又は微小ラインの幅と間隔を共に変えることにより制御することができる。分割的なカバー範囲はまた、治療される所与の皮膚領域上に、複数の組の微小ラインを作成することにより増加させることができる。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態では、複数の微小ラインを作成するために、レーザなどの電磁放射(「EMR」)の1つ又は複数の発生源を使用することもできる。
【0020】
本発明によるさらに他の実施形態では、1つ又は複数のダイヤモンドナイフ又は小刀メス、あるいは他の機械的な器具により、複数の微小ラインを作成することができる。
【0021】
本発明の他の実施形態では、損傷の微小ラインを作成することにより皮膚を治療するための装置が提供される。本装置は、皮膚組織中で細胞死を起こす損傷手段、及びその損傷手段を制御するための任意選択の制御ユニットを含み、それを、関心の皮膚組織中に複数の微小ラインを作成するために使用することができる。
【0022】
本発明によるさらに他の実施形態では、本装置は、複数の微小ラインを作成するための損傷手段として、レーザなど1つ又は複数の光学的なエネルギ源を備える。
【0023】
本発明によるさらに他の実施形態では、本装置は、複数の微小ラインを作成するための損傷手段として、1つ又は複数のダイヤモンドナイフ又は小刀メス、あるいは他の機械的な器具を備える。
【0024】
本発明によるさらに他の実施形態では、本装置は、複数の微小ラインを作成するための損傷手段として、高周波(RF)デバイスを備える。
【0025】
本発明の他の実施形態では、本装置は、微小ラインを作成するために、皮膚領域を横断して手動で移動させる損傷手段を含むハウジングを備える。
【0026】
本発明の他の実施形態では、本装置は、損傷手段と、微小ラインを作成するために制御された方法で皮膚領域を横断して損傷手段を自動的に移動させる走査機構とを含むハウジングを備える。
【0027】
以下の詳細な説明は、例示のために示されたものであり、説明される特有の諸実施形態にだけ限定するものではないが、添付の図面と併せれば最もよく理解することができる。
【0028】
図面を通して、同じ参照番号及び文字は、他に説明のない限り、例示の実施形態の同様な機能、エレメント、コンポーネント、又は部分を示すのに用いられる。さらに、本発明を次に図を参照して詳細に説明するが、例示の実施形態に関連して説明し、その図に示された特定の実施形態により限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の一実施形態によれば、表皮、真皮、又は表皮と真皮の両方を、皮膚の表面に沿って少なくとも一方の寸法が小さい領域で損傷させることができる。「小さい」とは、創傷の治癒及び組織再造形の所望の効果を達成する約1mm未満のサイズを示す。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態では、損傷組織の領域は、以下に説明する理由で、真皮及び表皮の両方中に作成される。図3は、本発明の実施形態に従って治療される表皮層100及び真皮層110を含む皮膚組織の横断面を示す。図3で示すように、損傷組織210の領域は、電磁エネルギ120のビームによって表皮及び真皮中に作成される。皮膚内に特定深さの一様な損傷を達成することが目的のLSR及びNCRとは対照的に(図1及び図2をそれぞれ参照のこと)、本発明の少なくとも1つの実施形態では、損傷組織の微小ラインの作成は、表皮を通って延長されるが、各微小ラインに囲まれた非損傷組織215の領域を残している。皮膚表面に平行にある距離だけ側方に(図3に示す横断面に対して、ページに対するイン及び/又はアウト方向に相当する)それぞれが延びている損傷組織210の微小ラインは、微小ライン相互間の非損傷組織215の領域と共に、微視的な治療効果のためのベースを形成する。
【0031】
本発明による方法及び装置は、例えば、外観上のしわ及び線を少なくし、皮膚のテクスチャを改善し、皮膚の外観を回復させ、(全体に、又はしみ、あざ、ほくろ、入れ墨などの特有の対象において)皮膚の色素沈着を低減し、皮膚異常変色を治療し、傷跡組織の外観を改善し、にきびを治療し、ポートワイン母斑や、血管腫、毛細血管拡張症、静脈湖、くも状及びサクランボ血管腫などの血管病変を治療するために使用することができる。本発明に従って治療できる皮膚科状態の範囲は、実質的に、修正を必要とする任意のタイプの皮膚科異常を含む。
【0032】
本発明による方法及び装置は、任意の年齢の任意の患者における皮膚治療に使用することができる。しかし、本発明は、特に老化した皮膚、特に光線老化皮膚の治療に有益である。同様に、本発明は、体のどの場所の皮膚治療にも使用することができ、例えば、口周囲や眼周囲の皮膚など、顔の皮膚を治療するのに特によく適している。
【0033】
一実施形態では、本発明による方法は、鎮痛剤又は麻酔剤なしに実施することができる。しかし、望ましい場合は、適切な任意の鎮痛剤又は麻酔剤方法を使用することができる。例えば、本方法は、リドカインの局所的投与に続いて実施することができる。代替的に、又はさらに、本発明の方法は、損傷組織の微小ラインの作成前及び/又は作成中に、皮膚の表面領域の伝導性又は対流性冷却を用いて実施することができる。このような冷却は、治療中に感じられる痛み、又は不快感を低減又はなくすために適用することができる。冷却はまた、表皮のすべて又は一部分を含む、皮膚の表面又はその近くにおける皮膚組織の損傷を低減又はなくすために適用することもできる。
【0034】
理論で限定されることなく、本発明の方法は、皮膚組織の損傷又は「創傷」を生じさせ、それが、皮膚組織内で「創傷の治癒反応」を促すと理解される。その創傷の治癒反応は、次に、組織の再生を促進する。本明細書で使用される用語「創傷(wound)」は、壊死性細胞死を含む場合も含まない場合もあり得る物理的に引き起こされた組織の損傷を指す。皮膚における創傷の治癒は、特に、サイトカイン、熱ショックタンパク質、及び成長因子の放出を含み、それに続いて、細胞移動、細胞増殖、及び細胞外基質(「ECM」)再造形の促進を含むプロセスである。例えば、損傷した上皮細胞が、TGFベータを含む1つ又は複数の溶解性の因子を介して線維芽細胞の筋分化を促すことが、角膜モデルシステムから知られている。それは、間質の再造形を高める(Nakamura、K. (2003) Cornea、2 (7 Suppl) : S35〜47)。さらに、組織の収縮を遅らせるようにする筋線維芽細胞の刺激により、組織を強固にすることができる。したがって、制御された筋分化及び筋線維芽細胞の刺激により、遅らせた有効な創傷収縮を可能にし、したがって、所望のように皮膚組織を強固にすることができる。ECMタンパク質コラーゲン及びエラスチンの再造形を含むこれらの創傷の治癒プロセスは、皮膚の再生及び外観の回復機構に寄与すると考えられる。したがって、一実施形態では、本発明は、線及びしわの外観を最小化する。
【0035】
創傷において使用される選択パターン及びインストルメンテーションは、最終の結果に影響するはずであり、本明細書で開示の本発明の様々な実施形態で開示された選択肢からの選択及び選択された手段の組合せは、当技術分野におけるスキルのレベルに十分含まれる。一実施形態では、筋線維芽細胞の分化及び/又は収縮の程度は、創傷パターンにより調節され、また適用される作用薬を同時に使用することによりさらに高めることができる。このような作用薬は、例えば、局所的に、又は全身的に投与することができる。他の実施形態では、本発明に従って適用することにより引き起こされる壊死性の表皮及び皮膚コンポーネントを垂直に排出することから、さらに有益な効果を得ることができる。熱損傷の後、このような破片は、はげ落ちる前に皮膚の表面に向かって徐々に移動する。したがって、色素、例えば、メラニンの制御された除去を排出により達成することができ、任意選択で、その後に、適切な充填因子(例えば、コラーゲン)を投与する。
【0036】
本発明は、引き起こされた創傷の負と正の効果の間で最適なバランスを提供する。一実施形態では、それは、関心の皮膚組織中の皮膚表面全体のわずかな部分だけを損傷させることにより達成される。具体的には、本発明の方法によれば、皮膚は、微小ラインのパターンで損傷され、表皮中に、また任意選択で真皮中に延長される創傷の線形状の領域は、非創傷領域で囲まれている。その結果、創傷の治癒反応の程度が制御され、浮腫、毛細管性出血、かさぶた化、及び焼けるような不快感など、創傷の美的に望ましくない副作用が低減又は排除される。
【0037】
さらに、本発明は、創傷を関心の皮膚組織内のわずかな細胞に限定することができ、したがって、回復及び治癒の速度が全体の細胞層を新しく生成する必要性によって制限されない。そうではなく、「残された」細胞は、創傷領域へと側方に移動して機能的な補償を提供することができる。このように、回復は、速やかに達成することができる(例えば、再上皮化は、治療後わずか24時間で行うことができる)。本発明を実施するときに形成される皮膚の組織損傷の微小ラインは、少なくとも一方の寸法が小さく、それにより、小さな移動距離で、周囲の非損傷組織から損傷領域の再増殖が可能になる。
【0038】
損傷の作成源パラメータはまた、皮膚中の損傷深さを決定するために調節することができる。例えば、一実施形態では、皮膚組織の損傷を、選択的に、外側表皮に作ることができる。重要なことには、(最も外側の角質層を含む)表皮の最上層中に損傷を作るために本発明による方法を用いると、皮膚の障壁機能を損なわないことが見出された。それは、小さな創傷寸法の結果、表面のケラチノサイトが側方に移動し、それにより、破壊されたこれらの細胞を機能的に補償できることによる可能性が非常に高い。同時に表皮及び真皮を損傷させることは、組織の再造形の促進に相乗作用があり、筋線維芽細胞の分化を促進するといういくつかの証拠がある(上記参照)。それは、皮膚の障壁機能がより大幅に損なわれて感染及び脱水症を受けやすくなり、再度の上皮形成を遅らせる既存の方法に対して改善されている。
【0039】
上記のように、皮膚の特定深さの範囲をターゲットにして表面を損傷させない熱的創傷パターンを生成することができるが、本発明による方法及び装置は、上層の表皮及びより深い真皮に共に影響を与える創傷パターンを作るように用いられることが好ましい。このようにすると、皮膚内で変化する深さに位置し得るターゲットに対して治療を行う状況で特に有益である。例えば、ポートワイン状血管腫などの血管疾患を治療する場合、治療される血管は、真皮内で変化する深さに存在する可能性がある。本発明による方法及び装置は、その疾患をより効果的に治療するために、関心の皮膚組織中のすべての血管に損傷を与えるように、表面に沿って十分に接近させた間隔で、皮膚組織中に十分深く延長される微小ラインを作成するのに使用することができる。
【0040】
表皮の外側表面への損傷を低減又はなくすための表面の選択的冷却を必要とする治療方法に対する本発明の利点は、本方法が冷却機能を必要としない簡単な装置を使用できることである。皮膚表面の冷却は、治療されるヒトにより知覚される痛みの量を低減するために、本明細書で開示の本発明の様々な実施形態と共に任意選択で使用することができる。本方法及び装置のいくつかの実施形態では、所望の創傷パターンを達成するために、皮膚の表面冷却は何も必要としない。したがって、本発明のさらなる利点は、(あるとすれば、損傷手段の横断速度及びパワー強度などの)装置の動作パラメータを、治療手技中に広範囲に変えられることである。適用される電磁エネルギ又はブレードの特性、痛み制御のための冷却又は鎮痛剤の付与などを含む動作条件は、局所加熱と冷却効果の間の要件を限定的にバランスを取ることによる制約を受けない。
【0041】
例えば、エネルギを集束させることにより、且つ/又は選択的な表面冷却により特有の組織深さをターゲットにする方法とは異なり、本発明によるいくつかの実施形態は、導かれるエネルギ源を使用し表皮及び真皮を介して、皮膚表面から延長された、損傷組織の微小ラインを作成することを対象とする。その結果得られた損傷領域は、皮膚内の広い範囲の組織深さにわたり延長されており、またこれらの微小ラインの作成は、皮膚組織内の特有の深さに損傷を集中させる方法を用いる場合よりも、皮膚表面に対するエネルギ源の特有の位置に影響を受けにくい。これらの実施形態では、導かれるエネルギ源は、損傷組織の所望の微小ラインを作成するために、皮膚の表面に接触する必要さえない。
【0042】
本発明の実施形態では、電磁放射の各ビームの平均エネルギは約0.1〜10Wである。各ビームのエネルギはまた、約0.5〜3Wの範囲で優先的に選択され、より優先的には約1Wとすることができる。所与の用途のために選択されるエネルギは、使用されるエネルギの波長、治療される組織、及び微小ラインの所望の深さに依存する。平均のビームエネルギは、所望の熱的な創傷特性のタイプに応じて、上記で挙げた範囲の外側で選択することもできる。
【0043】
本発明によるいくつかの実施形態の利点は、微小ラインの創傷パターンが、皮膚内で、ある範囲の深さにわたり延長されており、単一の組織層だけをターゲットにすることにより達成できる効果よりも高められた創傷治癒効果を生成することである。皮膚表面から表皮を介して下に、真皮の中まで延長される損傷の連続する微小ライン通路を作成することは、壊死性の破片を垂直に排出することを容易にし、制御された色素の除去を含む有益な効果を生じさせる。
【0044】
本発明の一実施形態では、損傷組織の微小ラインは、皮膚の表面に対して法線方向に、最高で約1000μmの深さを有することができる。他の実施形態では、微小ラインの深さは、最高で約300μmである。組織の損傷が主として表皮に限定される場合、微小ラインの深さは、約50〜100μmに限定し得る。損傷領域の深さは、上記の最大深さ未満又はそれにほぼ等しい任意の距離を選択することができ、また所与の用途のために特定の深さを選択することは、創傷治癒の促進により達成される結果のタイプに依存する。皮膚の単一領域を治療する場合、作成された複数の微小ラインは異なる深さを有することができる。さらに、単一の微小ラインの深さは、その長さに沿って変化させることができる。それは、皮膚内の特有の領域をターゲットにして、損傷させその後治癒させるために、又は皮膚中のより深いレベルで作成される損傷密度を低減させるために行うことができる。
【0045】
皮膚の表面に平行な方向で測定された微小ラインの幅は、約10μmと1mmの間とすることができるが、約30と400μmの間の幅を有する微小ラインを作成することが好ましい。さらに好ましくは、約60と120μmの間の幅を有する微小ラインを作成することであり、最も好ましくは、約80μmの幅を有する微小ラインを作成することである。
【0046】
皮膚組織中に作成された損傷組織の微小ラインは、速やかな治癒、及び上記のものを含む他の有益な効果を促進するために、少なくとも、その大部分の長さにわたり、隣接した十分に損傷のない組織を有することが好ましい。本発明による一実施形態では、隣り合う微小ライン間における皮膚の非損傷領域の平均幅は、約50%の損傷領域を有する皮膚の分割的なカバー範囲に応じて、微小ラインの幅とほぼ同じにすることができる。本発明の他の諸実施形態では、微小ライン間の皮膚の非損傷領域の平均幅は、約33%、25%、20%、10%の損傷領域による皮膚の分割的なカバー範囲に応じて、隣接する微小ラインの平均幅の約2倍、3倍、4倍、又は9倍の大きさとすることができる。本発明の他の諸実施形態では、それぞれ、約60%、67%、及び80%の損傷領域による皮膚の分割的なカバー範囲に応じて、隣接する微小ラインの平均幅の約3分の2、2分の1、又は4分の1の大きさとすることができる。本発明による他の実施形態における損傷領域による分割的なカバー範囲は、上記の約10%から80%の特有の比の間に存在する任意の値を含むことができる。微小ラインはまた、所望の結果を得るために、治療される領域における損傷領域の十分な密度を提供するように十分互いに接近させた間隔にすべきである。
【0047】
損傷組織領域の様々な微小ラインのパターンを、本発明による諸実施形態の趣旨を保ちつつ、関心の皮膚組織中に作成することができる。このようなパターンの諸例を、それだけに限らないが、図4(a)〜図4(i)に示す。これらの図では、微小ライン210の幅は、それらの間の非損傷組織215の領域の幅とほぼ同じである。それらの領域の幅の比は、所望の微小ラインによる皮膚の分割的な表面カバー範囲を達成するために変えることができる。
【0048】
本発明による一実施形態では、図4(a)に示すように、損傷組織210のいくつかの本質的に平行な微小ラインを作成することができる。代替的には、図4(b)に示すように、微小ライン210のクロスパターンを生成することができる。このようなクロスパターンは、非クロスパターンよりも、微小ラインの所与の間隔及び幅に対してより大きな分割的なカバー範囲を有することになる。微小ラインのこのようなクロスパターンはまた、図4(b)に示す微小ラインのほぼ垂直な組に加えて、任意の相対角で作ることもできる。他の実施形態では、1つ又は複数の微小ライン210を、図4(c)及び図4(d)に示すように、不連続にすることができる。それらの不連続な微小ラインは、一連のより短い微小ラインを構成していると考えることができる。真っ直ぐな微小ラインに加えて他の多くのパターンを作成することができる。図4(e)及び図4(f)に示すように、1つ又は複数の波状の微小ライン210を作成することも本発明の範囲に含まれる。任意選択で、図4(g)で示すように、湾曲した微小ライン210を作成することができる。このように湾曲したラインは、治療される皮膚のいくつかの輪郭、又は皮膚中の異常部の輪郭に従うような形状とすることができる。微小ラインの他の幾何形状パターンを使用することもできる。例えば、図4(h)で示すように、同心円の形状を有する微小ライン210を作成することができる。代替的には、図4(i)で示すように、螺旋形状を有する微小ライン210を形成することができる。図4(e)〜図4(i)で示す任意の微小ラインのパターンはまた、4(c)で示すものと類似の不連続パターンで形成することができる。
【0049】
微小ラインの長さは、皮膚の表面における微小ラインの幅の少なくとも4から5倍であることが好ましい。微小ラインの長さ対幅の比は、決められた上限はないが、はるかに大きくすることができ、個々の微小ラインは、治療される皮膚領域全体を横断することができる。図4(h)の同心円などのいくつかの微小ラインパターンは、明確に定義された長さ対幅の比を有しないが、それにもかかわらず本発明の範囲に含まれる。微小ラインパターンの異方性の性質により、損傷組織の点形状領域の分布などのより等方性又は一様なパターンを用いると達成することのできない、望ましい治癒結果を得ることができる。損傷の微小ラインパターンにより、微小ラインに対して平行及び直交する方向で変化する組織収縮及び創傷治癒を得ることができる。したがって、例えば、皮膚のしわなどの一組の細長い特徴に平行な一連の微小ラインを作成することにより、所望の治療結果を得ることが可能になる。代替的には、皮膚に存在する細長い特徴に平行な微小ラインを作成することにより、いくつかの場合、最適な治療結果を取得することができる。損傷皮膚組織の微小ラインを形成すると、他のパターンを使用することにより得られるものよりも、さらに容易で一様に、大きな領域にわたって創傷パターンを適用することができる。
【0050】
本発明の一実施形態では、損傷組織の微小ラインを、皮膚に対して電磁放射(「EMR」)の複数のビームを送ることにより作成することができる。図5は、本発明に従って、EMRを用いた様々の皮膚科治療を実施するための、また皮膚のターゲット領域にわたり、皮膚損傷の微小ラインのパターンを生成するための分割式リサーフェシング装置500の第1の例示的な実施形態の段階的な使用を示す。システム500は、コラーゲンの再造形、望ましくない色素又は入れ墨の除去、及び他の皮膚科的用途に使用することができる。図5で示すように、装置500は、ケース501、EMR源502、制御モジュール504、及び送達光学部506を備える。EMR源502、制御モジュール504、及び送達光学部506は、電磁放射510の複数の別個のビームを表皮100の方向へ送るように構成される。本発明による一実施形態では、ハウジング501は、治療される皮膚領域上に移動される。ハウジング501及びその中に少なくとも部分的に含まれる送達光学部506のその動きにより、皮膚中に損傷210の微小ラインが作成される。好ましくは、治療される組織上の電磁放射のビーム速度は、約0.5〜10cm/secであり、最も好ましくは、約1〜2cm/secである。
【0051】
本発明による例示の一変形形態では、制御モジュール504は、EMR源502と無線通信することができる。他の変形形態では、制御モジュール504は、EMR源502と有線通信することができる。本発明による他の例示的な変形形態では、制御モジュール504をケース501の外側に配置することができる。他の変形形態では、EMR源502がケース501の外側に配置される。さらに、他の変形形態では、制御モジュール504とEMR源502が共に、ケース501の外側に配置される。
【0052】
EMR源502により生成された放射は、平行な、又はわずかに集束させ得る光学的な放射とすることができ、送達光学部506により送ることができる。本発明による一実施形態では、EMR源502は、それだけに限らないが、ダイオードレーザ、ダイオード励起の固体素子レーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YAGレーザ、アルゴン−イオンレーザ、He−Neレーザ、二酸化炭素レーザ、エキシマレーザ、又はルビーレーザを含むことができる。EMR源により生成された、また送達光学部から送られた放射ビームは、任意選択で、連続的又はパルスで送ることができる。
【0053】
本発明の他の実施形態では、各ビーム510は、約1Wの平均エネルギ送達レートを有し、また用途及び所望の治療効果に応じて、異なる波長で動作することができる。例えば、しわを除去するためには、約1000〜2300nmの範囲の波長のレーザを有することが好ましい。色素の除去のためには、約400〜1000nmの範囲の波長のレーザを有することが好ましい。1200〜2300nmの範囲の水吸収波長はまた、制御された色素の除去に使用することができ、それは、最高で約3000nmの波長を使用するいくつかの治療で好ましいはずである。従来の選択的光熱治療など、一様な電磁放射(EMR)フィールドデリバリを利用する治療概念とは対照的に、本発明を用いて除去される色素量は、ビームの線量測定によるのではなく、主として、微小ラインの密度及び深さによって制御される。送達光学部506により送達される電磁エネルギの各ビームは、平行であり、又は代替的にわずかに集束させることもできる。
【0054】
制御モジュール504は、EMR源502に対して、用途特有の設定を提供する。EMR源502は、これらの設定を受け取り、その設定に基づいてEMRを生成する。その設定は、特に、波長と周波数、及びEMRのビーム分布を制御することができる。EMR源502がパルスを送る場合、制御モジュール504はまた、各EMRパルスに対するパルス持続期間、EMRのフルエンス、EMRパルス数、及び/又は個々のEMRパルスの間の遅延を制御することができる。制御モジュール504は、パーソナルコンピュータ、マイクロプロセッサ、超小型電子アセンブリ、又は特別構成の制御ユニットなど、信号を受け取り、処理し、出力する任意の種類のデータ処理装置とすることができる。
【0055】
送達光学部506により送達される放射に対する皮膚の局所領域の好ましい照射時間は、約1から50msである。照射時間は、エネルギの各ビーム510の直径により、また皮膚の表面に平行な方向におけるビーム速度により決定される。EMR源がパルスを送る場合、局所的な照射時間はまた、パルスレート及び個々のパルスの持続期間により決定される。局所的な照射時間は、皮膚の特定な位置に渡すために、送達光学部506により送達されるエネルギのビームに対して必要なトータル時間と一致する。照射時間が1msに満たない場合、創傷の治癒を引き起こすために十分な局所的熱損傷が得られない可能性がある。50msを超える照射時間は、過度の局所的な熱損傷を引き起こし、負の副作用を起こす可能性がある。
【0056】
送達光学部506は、EMR源502により生成された電磁放射を、複数のビーム510の形で皮膚の表面に送るように構成される。本発明による実施形態では、送達光学部506は、1つ又は複数の光ファイバガイド又は他の形の導波路を備える。他の実施形態では、送達光学部506はさらに、それだけに限らないが、プリズム又は部分的な反射ミラーを含む1つ又は複数のビームスプリッタを備える。EMR源502がケース501の外側に位置している本発明による変形形態では、EMRをハウジング501中に案内し、それを皮膚に向けて送る送達光学部506は、ハウジング501の外側に部分的に位置することができる。このような一変形形態では、送達光学部は、EMR源502で生成され、ハウジング501内で終了する可撓性のある光ファイバの1つ又は複数の長さを含む。その変形形態では、送達光学部506はさらに、ハウジング501内に位置する1つ又は複数のビームスプリッタを備えることができ、また送達光学部506は、複数のビーム510を皮膚に向けて送るように構成される。
【0057】
本発明による例示的な実施形態では、分割式リサーフェシング装置500は、制御モジュール504と無線通信する位置センサを任意選択で含むことができる。位置センサは、皮膚の表面と、送達光学部506を含む分割式リサーフェシング装置との間の相対的な速度を決定することができる。位置センサは、光学的なマウス、1つ又は複数のホイール、トラックボール、従来のマウスなどとすることができる。
【0058】
位置センサは、本発明を実施するために形成される微小ラインの特性を最適化するための、またEMRの過度の照射から皮膚を保護するための安全制御機構として使用することができる。皮膚に沿って測定した装置の速度が所定の速度未満である場合、エネルギ源の局所的な照射時間が50msを超えており、組織に対して負の影響を与える可能性がある。例えば、側方への熱拡散により、分割的な創傷パターンから連続的創傷パターンへと遷移させることになり、潜在的な傷跡を含む顕著な副作用を生ずる可能性がある。
【0059】
本発明による一実施形態では、制御ユニットは、皮膚の治療中に、位置センサで測定された速度を所定の速度と比較する。測定された速度が所定のカットオフ速度より低い場合、EMR源502が停止され、又は送達光学部により送達されているEMRがその他の形で中断される。
【0060】
代替の実施形態では、位置センサは、皮膚の治療中に、EMR源502により提供されるEMRの強度を変化させるために、制御モジュール504と共に使用することができる。送達光学部506により皮膚に対して送られた放射強度は、位置センサにより測定された速度にほぼ比例するように調整することができ、それにより、皮膚上で装置500の移動速度が変化したとき、さらに一様なエネルギ密度が各微小ラインを作成するために付与される。
【0061】
EMR源502がパルスの放射源を送達光学部506に提供する場合、制御モジュール504は、位置センサにより測定された速度に基づいて、パルスの持続期間及び/又は周波数を変化させるように構成することができる。それは、本発明の諸実施形態を実施する場合に形成される微小ラインの特性のより良い制御を提供するように用いることのできる代替の方法を表す。当業者に知られた方法で、またEMR源502及び制御モジュール504と共に位置センサを使用することにより微小ラインの特性を制御する本発明に従って、他の制御方法を使用することもできる。
【0062】
本発明による方法の実施において、一連のEMRパラメータを、所望の効果に応じて使用することができる。一実施形態では、EMRパラメータは、壊死性細胞死を促進することなく、サイトカイン、熱ショックタンパク質、及び他の創傷治癒因子の放出を促すために、微小ライン中で損傷された組織の温度を十分高くするように、調整することができる。他の、また好ましい実施形態では、壊死性細胞死が皮膚組織の損傷領域で生じるように、EMRパラメータを調整することができる。
【0063】
本発明による例示の実施形態では、図5で示す装置500のケース501が、それに取り付けられるハンドルを有することができる。その変形形態では、装置500は、放射ビーム510が所望のパターンで損傷の微小ラインを作成するように、皮膚の上を手動で移動させることができる。
【0064】
本発明の代替の実施形態では、装置500はさらに、治療される皮膚に沿った経路に、電磁エネルギのビームを送ることのできる走査手段を備えており、一方、ハウジング501は、治療される皮膚領域に対して本質的に静止状態で保持される。走査手段は、ハウジング501に移動可能に取り付けられたプラットフォーム、又はプレートなどの構造と、モータなどの移動手段とを備えることができる。送達光学部506の少なくとも一部分を、その構造にマウントすることができる。代替的には、走査手段は、放射ビームを反射するように構成された1つ又は複数のミラーと、そのミラーの位置及び/又は角度を制御可能に調整するための移動手段とを備えることができる。これらの実施形態では、制御モジュール504又は他の制御手段を、所望のパターンの微小ラインを作成するために、皮膚の表面を横断して、複数の放射ビーム510を制御可能に走査するための走査手段と共に使用することができる。このビーム走査機能を実施するための機構及び制御方法は、当業者に知られたものの中から選ぶことができる。
【0065】
本発明の他の実施形態では、損傷された皮膚組織の微小ライン領域は、いくつかのダイヤモンドナイフ、マイクロブレード、小刀メス、又は同様のカッティング手段(以降、「ブレード」)を用いて、機械的に作成することができる。図6で概略的に示す装置600は、本発明の実施形態による組織損傷の微小ラインパターンを作成するのに使用することができる。装置600は、ベース620にマウントされた複数のブレード610を備える。ブレード610は、一様な間隔で、又は非一様な間隔となるように、軸に沿った間隔でマウントされる。ブレード610の間隔は、この装置を用いて作成できる微小ラインの間隔と一致する。この装置で作成される微小ラインの幅は、ブレード610の幅により決定される。ブレード幅は、すべてのブレード610に対して同一にすることができ、又は代替的に、1つ又は複数のブレードが異なる幅を有することもできる。装置600は、任意選択で、ハンドル630を備えることができる。
【0066】
本実施形態では、ブレード610の露出した部分が皮膚を貫通し、ベース620の下側表面625が皮膚の表面に接触するように、装置600を皮膚上に押しつける。装置600は、治療される皮膚領域に沿って手動で移動させることができ、ブレード610が皮膚中に一組の平行な微小ラインを形成する。
【0067】
ブレード610がベース620の下側表面625から突き出ている距離は、本発明のこの実施形態に従って形成される微小ラインの深さを決定することができる。その距離は、すべてのブレード610で同一にすることができ、又は代替的に、1つ又は複数のブレードが、下側表面625から異なる距離で突き出してもよい。他の変形形態では、装置600はまた、ブレード相互間の間隔、及び/又は表面625からブレード610の露出した部分が突き出ている距離を調整できる調整手段を含むこともできる。
【0068】
複数のブレード610はまた、移動可能にフレームに取り付けられた機械的なデバイスにマウントされ、治療される組織領域上でデバイス及びブレードを移動させるように構成された移動手段を備えることができる。任意選択で、制御装置をこのような機械的なデバイスと共に使用することができ、その制御装置がブレードの移動を指示する。このような制御装置は、パーソナルコンピュータや、マイクロプロセッサ、特別構成の制御ユニットなど、信号を受け取り、処理し、出力するデータ処理装置の任意の種類のものとすることができる。その制御装置は、任意選択で、機械的なデバイス装置と一体化することもできる。
【0069】
本発明による実施形態では、ブレードは、表皮を、また任意選択で真皮を機械的に損傷させる微小ラインを作成する。好ましくは、ブレードは、皮膚の外側表面から最高で1000μmの深さを超えない組織を損傷させ、したがって、真皮を完全に分離させることはない。ブレードは、ブレードが皮膚中に組織損傷の微小ラインを作成するように皮膚に沿った方向に移動する。微小ラインの幅は最高200μmとすることができる。約100μmの幅を有する微小ラインを作成することが好ましい。
【0070】
本発明の他の実施形態では、本発明による損傷手段は、マウント表面上にマウントされた1つ又は複数のブレードを備える装置とすることができ、そのブレードのカッティングエッジが、マウント表面の下側表面から定義された距離だけ突き出ており、マウント表面の平面に平行な平面中に微小ラインパターンを形成する。本装置は、型押し(stamping)技法により皮膚中に微小ラインを作成するために使用することができ、マウント表面が皮膚の表面に接触するまで、治療される皮膚領域にマウント表面を押しつけて、次いでそれを除去する。このようにして、損傷組織の微小ラインを機械的に作成することができるが、損傷領域の深さは、ブレードのカッティングエッジがマウント表面から突き出て画定された距離にほぼ等しく、各型押し動作により形成される微小ラインのパターンと長さは、ブレードのカッティングエッジの形状により設定される。マウント表面は、手動で関心の皮膚組織に適用され、その場合、マウント表面は、ハンドル又は何らかの他の保持手段に取り付けることができる。代替的には、マウント表面を、関心の皮膚組織に対して位置決めでき、かつ皮膚に対して押しつけることのできる機械的なデバイスに取り付けることができる。
【0071】
上記のブレードを使用するいずれの機械的手段においても、ブレード及びそれが取り付けられる表面は、皮膚にブレードを適用する前に冷却するのがよい。その冷却により、治療の被検者が感ずるどんな痛みも緩和することができる。治療される皮膚領域はまた、ブレードが皮膚を貫通するように配置される前に冷却することができる。他の変形形態では、局所的な鎮痛剤を投与することができる。
【0072】
分割式リサーフェシングは、表皮の部分を熱的に損傷させ又は切除するようにし、それにより、表皮の障壁機能の有効性を低減し、特に、角質層を減少させる。それは、真皮及び表皮に薬物又は特有の物質を送達することを容易にし、治療効果を高め、あるいは表皮及び/又は真皮の部分的損傷により生ずる副作用を低減することができる。皮膚の再造形の有効性を高め得る薬物及び物質の群は、特に、成長因子、コラーゲン副生成物、コラーゲン前駆体、ヒアルロン酸、ビタミン、酸化防止剤、アミノ酸、及び補充無機質を含む。副作用を減少させ得る薬物及び物質の群は、ステロイド系の抗炎症性薬物、非ステロイド系の抗炎症性薬物、酸化防止剤、抗生物質、抗ウイルス性薬物、抗イースト性薬物、及び抗真菌性薬物とすることができる。本発明の例示的な実施形態では、使用されるビタミンは、ビタミンC及び/又はビタミンEとすることができる。使用される補充無機質は銅及び亜鉛である。酸化防止剤は、ビタミンC及び/又はビタミンEとすることができる。
【0073】
本発明の他の実施形態は、損傷組織の微小ラインを作成する前に、皮膚領域に特有の使い捨てマスク(連続又は不連続であり得る材料の薄い層)を適用又は接着する方法を含む。このようなマスクを任意選択で使用することによりいくつかの目的を達成することができる。マスク内に個々に組み込まれたワイヤ、又は機械的に強化された構造は、損傷手段をガイドし、確実に所望の微小ラインパターンが提供されるように使用することができる。マスク中に組み込まれた表面ガイドシステムをまた、治療プロセスをガイドするために実装することもできる。さらに、マスク又は層は、走査速度及び損傷手段の位置決めの決定を助ける、間隔パターン中に埋め込まれたマーカを組み込むことができる。
【0074】
本発明に従ってマスクを適用することはまた、微小ラインの形成後、(創傷被覆材として働くことにより)組織の機械的な安定性を改善することができる。マスクはさらに、創傷プロセス中又はその前に、組織中に所望の材料(例えば、鎮痛剤、創傷の治癒プロモータ、抗生物質、又は他の調節物質)を放出するために、埋込み型マイクロチャンバを中央に組み込み又は備えることができる。マスクは、処置により活動化することが可能な収縮、すなわち、創傷後に、連続的に(方向を有する)張力を加えて創傷の治癒及び再造形プロセスに導く収縮の、特有の記憶を有する重合体を含むことができる。
【0075】
「直ちにシールする創傷被覆材」を提供するマスクのいくつかの構成は、本発明に従って実施することができる。一実施形態では、複数のブレードを有する装置が、損傷の微小ラインを機械的に作成するために使用される。ブレードは、皮膚に接着又はその他の形で取り付けられた薄いマスクを切り通し、そのカッティング直後に、短時間で硬化する接着剤を表面に吹き付ける。代替的には、接着剤又は接着性を有するテープを、カッティングの直後に、薄いマスク上に巻くこともできる。そのテープは、皮膚に取り付けられた薄いマスクと接触した後、明確な形で収縮することができ、カットされた微小ラインを閉鎖し治癒の促進を助ける。
【0076】
このように本発明の詳細な好ましい諸実施形態を説明してきたが、上記の段落で定義された本発明は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなくその多くの明らかな変形形態が可能であるため、上記説明で述べた特定の詳細に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】LSR方法を用いて治療する組織の横断面の概略図である。
【図2】NCR方法を用いて治療する組織の横断面の概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に従って治療する組織の横断面の概略図である。
【図4(a)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。
【図4(b)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。
【図4(c)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。
【図4(d)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。
【図4(e)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の損傷手段を提供する段階と、
非損傷皮膚組織の領域によって分離される皮膚領域中に損傷組織の複数の微小ラインを作成するために前記損傷手段を適用する段階であって、前記微小ラインが実質的に平行であり、治療される前記皮膚領域の少なくとも一部分を横断している段階と
を含む皮膚を治療する方法。
【請求項2】
前記損傷手段が、電磁放射の1つ又は複数のビームを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電磁放射の発生源が、レーザ、ダイオードレーザ、ER:YaGレーザ、Nd:YaGレーザ、アルゴン−イオンレーザ、He−Neレーザ、二酸化炭素レーザ、エキシマレーザ、又はルビーレーザを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電磁放射の発生源がさらに、ビームスプリッタを含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記電磁放射の波長が、約400nmと1000nmの間、又は約1200nmと2300nmの間である、請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
電磁放射の各ビームの平均エネルギが、約0.1〜10W、約0.5〜3W、又は約1Wである、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記損傷手段が、複数のブレード、小刀メス、ダイヤモンドナイフ、又は他のカッティング手段を含む、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
損傷組織の前記微小ラインが、最高50から1000μmの深さまで前記皮膚中に延長される、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記皮膚の表面における損傷組織の前記微小ラインの幅が、約10μmと1mmの間、約30μmと400μmの間、約60μmと120μmの間、又は約80μmである、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記皮膚の表面における隣り合う微小ラインの間の非損傷皮膚組織の幅が、隣り合う微小ラインの幅にほぼ等しい、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
隣り合う微小ラインの間の非損傷皮膚組織の幅が、約10μmと1mmの間、約30μmと400μmの間、約60μmと120μmの間、又は約80μmである、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記皮膚の表面における隣り合う微小ラインの間の非損傷皮膚組織の幅が、前記隣り合う微小ラインの幅の2倍にほぼ等しい、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
隣り合う微小ラインの間の非損傷皮膚組織の幅が、約20μmと2mmの間、約60μmと800μmの間、約120μmと240μmの間、又は約160μmである、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記微小ラインが、一組の本質的に平行な直線、本質的に平行な曲線、又は本質的に平行な波状の線である痕跡を、治療される前記皮膚の表面上に形成する、請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記皮膚領域の表面の少なくとも一部分が、前記微小ラインが作成される前に、また任意選択で、前記微小ラインの作成中に表面が冷却される、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記皮膚領域の少なくとも一部分が、伝導手段又は対流手段により表面が冷却される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ハウジングと、
電磁放射の1つ又は複数の発生源と、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、治療される皮膚領域を横断する損傷組織の複数の微小ラインを作成するために、前記電磁放射の複数のビームを治療される前記皮膚上に送るように構成された光学的送達システムと、
電磁放射の前記発生源により生成される前記電磁放射の特性を制御できる制御モジュールと、を備える皮膚を治療するための装置。
【請求項18】
電磁放射の前記発生源が、1つ又は複数のレーザ、ダイオードレーザ、ER:YaGレーザ、Nd:YaGレーザ、アルゴン−イオンレーザ、He−Neレーザ、二酸化炭素レーザ、エキシマレーザ、又はルビーレーザを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
電磁放射の前記ビームがパルスで送られる、請求項17または請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記光学的送達システムがさらに、ビームスプリッタを含む、請求項17から請求項19までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記電磁放射の波長が、約400nmと1000nmの間、又は約1200nmと2300nmの間である、請求項17から請求項20までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
電磁放射の前記ビームが、平行又はわずかに集束している、請求項17から請求項21までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
治療される前記皮膚領域の表面における電磁放射の前記ビームの直径が、約10μmと1mmの間、約30μmと400μmの間、約60μmと120μmの間、又は約80μmである、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
電磁放射の各前記ビームの平均エネルギが約1Wである、請求項17から請求項23までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
前記皮膚に沿った、電磁放射の前記ビームの速度を検出でき、前記制御モジュールに信号を送るように構成された位置センサをさらに備える、請求項17から請求項24までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記制御モジュールが、前記皮膚領域の表面を横断する前記ビームの速度が所定の値以下であったとき、電磁放射の前記発生源を遮断し、又は電磁放射の前記ビームをその他の形で中断するように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記制御モジュール、位置センサ、及び電磁放射の発生源が、前記皮膚領域の表面を前記ビームが横断する速度に比例して、電磁放射の前記ビームの強度を変化させるように構成される、請求項25または請求項26に記載の装置。
【請求項28】
電磁放射の前記ビームがパルスで送られ、また前記制御装置が、前記皮膚領域の表面を前記ビームが横断する速度に対して電磁放射の前記ビームのパルス周波数又はパルス持続期間を変化させるように構成される、請求項25から請求項27までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
損傷組織の前記複数の微小ラインが治療される前記皮膚領域の表面の約50%、40%、30%、20%をカバーするように、電磁放射の前記ビームの間隔を空けている、請求項17から請求項28までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記ハウジングがさらに、ハンドルを備え、損傷組織の前記微小ラインを形成するために、治療される前記皮膚領域の上を手動で横断するように構成される、請求項17から請求項29までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
損傷組織の複数の微小ラインを作成するために、治療される皮膚領域の上を電磁放射の前記ビームが走査するように構成された走査手段をさらに備え、前記ハウジングが、治療される前記皮膚領域に対して本質的に静止状態で保持される、請求項17から請求項30までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記ハウジングがさらに、損傷組織の前記微小ラインの作成中又はその前に、治療される前記皮膚の表面を冷却できる伝導性冷却手段を備える、請求項17から請求項31までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
前記ハウジングがさらに、損傷組織の前記微小ラインの作成中又はその前に、治療される前記皮膚の表面を冷却できる対流性冷却手段を備える、請求項17から請求項32までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項34】
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられるマウント表面と、
前記マウント表面に固定される複数の本質的に平行なブレードと、を備え、
治療される皮膚領域上を前記ハウジングが移動する場合、前記ブレードが、損傷組織の複数の微小ラインを作成するように前記マウント表面から突出し、前記皮膚を貫通するように構成される皮膚を治療するための装置。
【請求項35】
前記ブレードが、ダイヤモンドナイフ、マイクロブレード、又は小刀メスを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
治療される前記皮膚領域上を前記ハウジングが移動する場合、前記ブレードが、最高1000μm、最高300μm、最高100μm、又は最高50μmの深さまで、前記皮膚中に貫通するように構成される、請求項34または請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記ブレードの最大幅が、約30μm、約60μm、約80μm、約120μm、又は約400μmである、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
隣り合うブレードの最も近い側部の間の間隔が、約30μm、約60μm、約80μm、約120μm、又は約400μmである、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記マウント表面がさらに、前記本質的に平行なブレードが前記皮膚を貫通しているとき、治療される前記皮膚領域の表面に接触するように構成された伝導性冷却手段を備える、請求項34から請求項38までのいずれか1項に記載の装置。

【図4(e)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。
【図4(f)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。
【図4(g)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。
【図4(h)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。
【図4(i)】本発明の実施形態による微小ラインの様々なパターンを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に従って電磁エネルギを用いて皮膚科治療を実施するための装置の概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に従って機械的な手段を用いて皮膚科治療を実施するための装置の概略図である。
【符号の説明】
【0078】
100 表皮層
110 真皮層
120 電磁エネルギ
125 レンズ
130 領域
135 皮膚組織
210 損傷組織、微小ライン
215 非損傷組織
500 分割式リサーフェシング装置、システム
501 ケース、ハウジング
502 EMR源
504 制御モジュール
506 送達光学部
510 電磁放射、ビーム
600 装置
610 ブレード
620 ベース
625 下側表面
630 ハンドル
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図4(d)】
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【図4(e)】
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【図4(f)】
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【図4(g)】
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【図4(h)】
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【図4(i)】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−537781(P2007−537781A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506352(P2007−506352)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/011337
【国際公開番号】WO2005/096981
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(300052453)ザ・ジェネラル・ホスピタル・コーポレイション (24)
【Fターム(参考)】