説明

直径測定デバイス

フェルールクリンプ(80)によりカン(10)に取り付けられる吸入カンバルブ(30)のうち、無機能の可能性のある吸入カンバルブ(30)の検出方法であって、直径測定手段(230)に対して所定の測定高さにカン(10)を保持するために配置されるカン治具(220)内にカン(10)を配置し、所定の高さでフェルールクリンプ(80)の直径を測定し、測定されたクリンプの直径を、容認されるべき所定の間隔と比較し、もし測定された直径が所定の間隔を外れる範囲にあれば、吸入カンバルブ(30)を無機能の可能性のあるものとして判別するステップを有している方法。また、基部(210)と、上記基部(210)により支持される直径測定手段(230)と、上記基部(210)により支持されるカン治具(220)であって、上記直径測定手段(230)に対して所定の測定高さで、その内部にカン(10)を保持するように構成されたカン治具(220)と、を有しているクリンプ直径測定デバイスも提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入デバイスの技術に、より詳しくは、フェルールクリンプ(ferrule crimp)によりカン(can)に取り付けられる吸入カンバルブのうち、無機能の可能性のある吸入カンバルブを検出する方法、及び、その検出を実行するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
高圧ガス(propellant)における粒子の溶液又は懸濁液、あるいは、乳濁液(emulsion)等、多くのタイプの薬品が流体状で提供され、患者による経口吸入に適用されている。一例として、プロピオン酸フルチカゾン等のぜん息の薬は、容器に封入される。典型的な製造工程において、容器は、計測弁を備えたキャップで密封される。密封は、容器のネック部にバルブキャップをクリンピングする(crimping)ことにより有効になる。その後、容器には、エアロゾル(aerosol)又は他の高圧ガスで弁端を介して複数回装薬が行われる。
【0003】
患者に薬品を供給するために、カンが定量噴霧(MDI)システムとして一般に知られるシステムとしてアクチュエータと共働する。アクチュエータは、開いた容器装薬端部(open container-loading end)及び開いた口金を備えたハウジングを有している。ノズル部材が、ハウジング内に配置され、ノズル口と連通するステム受け孔(stem-receiving bore)を有している。ノズル口は、口金に向けられている。容器からの適切に定量された薬品の噴霧を受けるために、患者は、バルブステムがノズル部材のステム受け孔内に適合するまで、容器装薬端部を介してアクチュエータ内に容器を取り付ける。容器が取り付けられれば、典型的には、容器の反対側の端部が、アクチュエータハウジングの外側にある程度延びる。患者は、その後、口金を自分の口に入れ、露出した容器端部を押し下げる。この動作により、容器は、バルブステムに対して下方に変位し、続いて、バルブは非着座状態となる。バルブの設計,ノズル部材の設計、及び、容器内部と外気との圧力差により、短時間射出され、正確に定量され霧化された薬品が患者に供給される。
【0004】
図1は、吸入容器10(カン)の一例の断面図である。吸入カン10は、カン20とバルブアッセンブリ30とを備えている。高圧ガスの圧力により、バルブアッセンブリは、カン20に堅固に取り付けられるようになっている。図2は、それらが互いに取り付けられる前の、カン20及びバルブアッセンブリ30を示している。バルブアッセンブリは、基本的に、バルブ機構40,ガスケット50,フェルール60、及び、支持リング70を備えている。図1から分かるように、バルブアッセンブリ30は、クリンプ80によりカン20に取り付けられている。すなわち、フェルール60の下側部90が、クリンピング装置内にクリンピングされ、それにより、装置がカン20の下側部をしっかり留めるようになっている。更に、カン20の上側縁部が、クリンプ80によりガスケット50に対して押し付けられるため、吸入カン10は密封される。
【0005】
かかる設計により、製造が簡単である信頼性の高い安全な容器が提供される。しかしながら、製造の間には、クリンプがきつくなりすぎた場合に、バルブ動作に悪影響をもたらしそれを無機能とさせ得る過剰な圧力が支持リング70を介してバルブ機構30に伝達されるため、結果としてもたらされるクリンプ80(クリンプの品質)が慎重に制御される必要がある。他方、クリンプが緩くなりすぎた場合には、バルブアッセンブリ30が、カン20に対して適切に保持されず密封されないこととなる。現在では、クリンプの品質を制御するための2つの方法、すなわち、カンの基部測定(base of can measurement)、及び、バルブ上測定(on-valve measurement)が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図3にはカンの基部測定が示されるが、それは、実際に組み立てられた吸入カン10において実行されないという意味で、製造外制御である。代わりに、カンは、バルブなしで、クリンピング装置内に逆さまに配置され、カン20の側壁にて「砂時計型の」くびれ(indention)100を形成するように作動させられる。その後、図3中の矢印で示されるノギスを用いてこのくびれの直径が測定される。測定された直径は、特定のクリンパ(crimper)内にクリンプされる吸入カン10に関するクリンプの品質の指標となる。この方法は非常に簡単であり、いかなる作業者にも容易に行えるにもかかわらず、それは、測定を行うために製造ラインが停止させられるという点、また、個々に組み立てられた吸入カン10をテストすべく遡及的に利用不可であるという点で、幾つかの深刻な短所を有している。更に、近年、あるクリンピング装置については、くびれの直径が、結果としてもたらされたクリンプの品質にダイレクトに比例しないということが見出されている。
【0007】
バルブ上測定は、単に、図1中の矢印により示されるノギスを用いてバルブフェルール60の縁部にわたる直径の直接的な測定を含むものである。この方法は、クリンプ外形の直接的な測定を提案するものであるため、クリンピング装置に依存するものでなく、また、寸法の直接的な測定値が、結果としてもたらされたクリンプの品質にダイレクトに比例する。更に、その方法は、組み立てられた吸入カン10に遡及的に適用可能である。しかしながら、フェルールクリンプの形状のため、一貫性のある測定点がカンの間で用いられることを保証することが非常に難しく、それにより、結果としてもたらされる測定値は、非常に大きな作業者の個人差(変動量)をあらわす。
【0008】
バルブ上測定に関するこの大きな個人差のため、それは一般的に信頼性が低いものととらえられ、そのため、最近では、クリンプの品質を測定する有効な方法として用いられることがない。
【0009】
この発明の目的は、無機能の可能性のある吸入カンのバルブを検出する新たな方法、及び、フェルールクリンプ直径測定デバイスを提供することである。これらの方法及びデバイスは、従来技術の1つ又はそれ以上の短所を克服するものである。上記目的は、請求項1に定義される検出方法、及び、請求項3に定義されるクリンプ直径測定デバイスにより実現される。
【0010】
無機能の可能性のある吸入カンを検出する方法に関する1つの長所は、クリンプ直径測定デバイスが、全測定がフェルールクリンプに関して正確な位置で実行されることを保証するため、その方法では個人差が非常に小さく、それが作業者に依存しないことである。
【0011】
他の長所は、測定が、組み立てられた吸入カンに対して直接に実行され、それにより、製作ラインが停止させられる必要がない。
【0012】
更に別の長所は、取得された測定値が、クリンプの品質にダイレクトに比例し、クリンピング装置に依存しないことである。
【0013】
更に別の長所は、正確な測定高さが、高さ較正デバイスを用いて、信頼性があり簡単な方法で実現可能である。
【0014】
本発明の実施形態は、従属請求項にて定義される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
好適な実施形態の詳細な説明
所望の小さな個人差を実現するために、専用のクリンプ直径測定デバイス200が開発された。図4aは、本発明によるクリンプ直径測定デバイスの一実施形態の正面図である。デバイス200は、カン治具220と、基部210により支持される測定手段230とを有している。基部210は、基本的に、金属板又はそれと同様のもの等の堅固な部材である。カン治具220は、測定されるべきカン10を受けるように構成され、クリンプ80は、図4a中のL−L線により示されるようなクリンプ直径を測定するために、適切な位置に配置される。測定手段230は、治具220に配置されるカン10におけるクリンプ80の直径を付与するために配置される。測定手段230及びカン治具220は、好ましくは基部210上に配置され、そのため、デバイスを良好に調整するために、かつ/若しくは、クリンプ80が異なる高さに配置される状態での、異なるモデルのカン10に関するクリンプ直径の測定を可能とするために、測定高さが調整可能である。一実施形態においては、カン治具220が高さ方向(C−C)にて固定され、また、測定手段230がその方向において調整可能である。
【0016】
カン治具220は、そこに配置される吸入カン10が正確な測定位置(測定高さ)に常時位置決めされるように構成されている。一実施形態において、カン治具220は、その中心軸(C−C)まわりに回転可能であり、それにより、複数回の測定が、治具220内でカン10を動かす必要なしに、異なる回転角で実行可能である。
【0017】
一実施形態によれば、測定手段230は、レーザマイクロメータ又はそれと同様のもの等の非接触の測定手段であるが、それは、図4a中のL−L線により支持されるような平面において動作するよう配置される接触ベースの測定手段230であってもよい。好ましくは、測定手段230は、狭ビームをもつレーザマイクロメータ又はそれと同様のもの等、C−C方向における非常に限定された断面における直径を測定する。狭い測定手段の使用により、クリンプ80の正確な断面を測定用に選択することが可能になる。また、それにより、最良の結果をもたらす断面を選択することが可能になる。更に、デバイス200は、短いクリンプをもつカン10に関するクリンプ直径を測定するために使用可能である。
【0018】
開示されたクリンプ直径測定デバイス200は、外側に、つまり、製作ライン以外に配置される全手動のデバイスであり、それにより、作業者は、カン10を治具230に配置し、その後、クリンプの品質をチェックするために、1つ又はそれ以上のクリンプ直径値を読む。しかしながら、測定デバイス200は、測定を実行し記録するために、好都合に自動化され、制御ユニットに接続されることが可能であり、また、自動化された製造ラインに直接に組み込まれてもよい。
【0019】
一実施形態においては、本発明による無機能の可能性のある吸入カンバルブの検出方法が、
直径測定手段230に対して所定の測定高さにカン10を保持するために配置されるカン治具220内にカン10を配置し、
所定の高さでフェルールクリンプ80の直径を測定し、
測定されたクリンプの直径を、容認されるべき所定の間隔と比較し、もし測定された直径が所定の間隔を外れる範囲にあれば、吸入カンバルブ30を無機能の可能性のあるものとして判別するステップを有している。
【0020】
前述したように、フェルール上クリンプ直径測定の結果は、理想的にクリンプの品質にダイレクトに比例する。つまり、もし直径が小さすぎれば、クリンプが支持リング70上に過度の力をもたらし、続いて、もたらされた力の一部がバルブ機構40に伝達され、それにより、バルブ30の機能不良を招来することとなり、また、もし直径が大きすぎれば、クリンプ80を介した漏れの危険性がある。所定の間隔は、各カン/バルブアッセンブリの組合せに関して設定される必要がある。無機能の可能性のあると判別された吸入カンは破棄されるか、若しくは、可能であれば正常な状態に戻される。大きなクリンプの直径が原因となり無機能である吸入カンは、それらをクリンピング装置内に二度投入することにより簡単に正常な状態に戻され得る。
【0021】
上記方法による結果を改善するために、該方法は、更に、
クリンプ直径を記録し、
カン10を治具220内で、中心軸C−Cまわりに所定角度だけ回転させ、
上記記録及び回転を所定の複数回繰り返し、
記録されたクリンプ直径から平均クリンプ直径を算出するステップを有していてもよい。
【0022】
幾つかの位置に関する(しかし同じ測定高さでの)クリンプ直径を記録することにより、精度の改善が実現可能である。また、平均クリンプ直径を算出するステップを省略し、代わりに、各記録されたクリンプ直径を、容認されるべき間隔とダイレクトに比較することができる。後者の場合には、容認されるべき間隔を外れる範囲にある1つ又はそれ以上の個々のクリンプ直径値を用いて、それが受容可能であるか否かを特定するために、ルールが設定される必要がある。
【0023】
本発明によるクリンプ直径測定デバイスの詳細な例
市販のレーザマイクロメータ(ミツトヨ LSM503(Mitutoyo LSM 503))が、非常に正確なクリンプ直径の測定(小数点第5位までの)をもたらすために、直径測定手段として採用される。このマイクロメータのレーザビームは、C−C方向において非常に狭く、それにより、本発明による測定デバイスに良好に適している。
【0024】
カン治具は、レーザビーム内で吸入カンのクリンプを保持すべく設計されている。吸入カンは、治具により逆さまに保持され、クリンプ直径は、レーザビームに対してあらわになる。レーザは高さ調整可能であり、それにより、クリンプの特定部に照準付け可能である。デジタル高さ測定器により、レーザ高さがモニタされることが可能となる。
【0025】
新たなクリンプ測定デバイスの精度を評価するために、テストが実行された。図5は、本発明による測定デバイスと比較された従来の方法についての個人差(変動量)の大きさを示している。測定システムによりもたらされる変動が大きくなるにつれ、精度が低下する。
【0026】
図5から明らかなように、レーザクリンプ直径測定デバイスが他の測定方法よりも著しく良好である。更に、各カン周囲により多くの測定点をとることで、このことが非常に高い又は非常に低い単一のポイントを逃す機会を減少させるため、変動は減少させられる。しかしながら、このことはまた測定の実行に必要な時間量を増大させ、また、簡単なラインでのテストとしての便宜性を軽減する。この工程の自動化により、デバイスが将来的に強化されることとなる。
【0027】
許容可能であるべき単一の測定デバイス内の性能が示された。この情報に基づき、新たな5つのユニットが提供された。同じユニットを測定する場合に、全てが同じレベルの繰り返し性に対して実行されることを保証すべく、一連のテスト測定が行われた。
【0028】
2つの異なるクリンプの設定で作成された6つの吸入カンが、テストのために用いられた。各カンが、各測定デバイスを用いて、3度測定された。各測定の間に、測定デバイスは、それが新たなシフトのスタートであるかのようにスクラッチ(scratch)からセットアップされた。図6は、各バルブに関して測定されたバルブ上直径が、6つの測定デバイスにわたりいかに変化したかを示している。
【0029】
単一の測定デバイス内で、繰り返し性は良好である、すなわち、第1のデバイス(図6中に器具1として示される)のそれに一致するが、個々のデバイス間の対応は良好でない。
【0030】
これは、レーザ高さを正確に6.60mmに設定する方法に起因するものであった。最初に高さを設定する方法は、バルブフェルールが測定の間に静止するカン治具の位置を特定し、その後、所定の間隔(この場合には6.60mm)だけレーザを上げるべく、これを0レベルとして用いることを有している。
【0031】
このことは、ビームがカン治具により完全に見えなくされるまで、レーザマイクロメータを下方に移動させることにより達成される。これが生じた場合には、ディスプレイにエラーメッセージが表示され、それ以上直径が検出不可であることが示される。このことは0レベルをもたらし、非常に良好な精度(0.01mmまでの)をあらわすものと判断されるべきである。その後、高さスケールが、0に基準化され、レーザが6.60mmだけ上げられる。
【0032】
この工程は、1つの器具内で良好に進行したが、1つの直径の測定値デバイスから他のデバイスまで、一貫性のある高さ設定を保証するほど良好でなかった。これらの差は、レーザとカン治具との間における僅かな位置調整の誤りに起因するものであった。理想的には、両方が完全に水平に配置されるべきであり、その結果、全レーザを見えなくするのに必要な動作量が非常に小さくなる。しかしながら、もしレーザがカン治具と比較して僅かな角度だけ誤って位置調整されれば、レーザがより段階的に見えなくなり、それによって、ゼロ基準の定義が明確でなくなる。理想的な方法が図7aに示され、レーザ位置が誤調整された設定状態が図7bに示される。
【0033】
使用上、位置調整の差は、デバイスを製造する性能に反映されるもので、そのため、かかる位置の誤調整を吸収し得る代替の較正方法及びデバイスが開発された。
【0034】
新たな較正方法は、図8a及び8bに示されるクリンプ直径測定デバイス用の新たな高さ較正デバイス300の使用に基づくものである。高さ較正デバイス300は、測定されるべきカン10と同様にして治具上に適合するよう較正された治具支持部310と、治具支持部から延び、クリンプ直径を測定するための所望の測定高さHで末端をなす点状端部330高さ標示部320とを有している。一実施形態では、高さ標示部320が円錐体である。代わりとして、較正デバイス300が、測定高さを所望の値まで調整すべく開始レベルとして用いられるのに適切であれば、いかなる高さのものであってもよい。
【0035】
また、本発明によるクリンプ直径測定デバイスの測定高さを較正するための方法が提供され、該方法は、
上記高さ較正デバイスを準備し、
上記高さ較正デバイスを治具上に配置し、
治具支持部と高さ標示部の末端部との間における中間高さでの上記高さ較正デバイスの幅を記録し、
記録された幅が0になるまで、測定高さを徐々に増大させるステップを有している。
【0036】
代わりに、上記記録ステップが、上記高さ較正デバイスの先端部上方に初期高さを設定することを含んでいる。それにより、先端部直径が記録されるまで、測定高さが、最終段階で徐々に下げられる。
【0037】
前述した6つのクリンプ直径測定デバイスを装備した例を再度参照すると、広い平坦基部を備えた尖頭円錐体からなる高さ較正デバイスが提供された。レーザ高さを設定するために、設定部品が、レーザビームが円錐体上方にある状態で、ゲージのカン治具上に配置される。このとき、レーザマイクロメータは、それがビーム内に何も検出できなかったため、エラーを表示した。レーザの高さは、円錐体の先端部がレーザビームを遮断するまでゆっくりと下げられ、レーザマイクロメータは、寸法(dimension)を表示した。正確な高さがこれが起こった箇所で慎重に判定され、これが、各治具のクリンプ直径測定に関する高さとなった。
【0038】
高さ較正デバイスの先端部のみがレーザビームを遮断するため、ビームに何もない場合と設定部品が検出される場合との間の違いは非常に明確であり、それにより、位置調整における小さな変動の影響が最小限に抑制される。
【0039】
その後、クリンプ直径デバイスの性能が、新たな高さ較正デバイスを用いて検証され、最初に詳細に述べたプロセス検証工程が繰り返された。同じ6つのカンが、各測定間における高さのセットアップを伴い、各測定デバイスにて3度測定された。その結果が、図9に示される。
【0040】
データは、新たな高さ設定方法が、同じ測定デバイス内及び複数の測定デバイス間の両方において、良好な繰り返し性をもたらすことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】吸入デバイス内に含まれるべき高圧ガス内に医薬用原料を含ませるための吸入カンの断面図である。
【図2】非組立状態における図1による吸入カンを示す図である。
【図3】カンの基部測定を示す図である。
【図4a】本発明によるクリンプ直径測定デバイスの正面図である。
【図4b】図2中のL−L線により規定される平面における、本発明によるクリンプ直径測定デバイスの断面図である。
【図5】本発明による方法と比較される従来の方法に関する作業者の個人差を示す棒グラフである。
【図6】本発明による異なる測定デバイスカンにおける初期測定変化量を示す図である。
【図7a】本発明による測定デバイスの較正を示す図である。
【図7b】本発明による測定デバイスの較正を示す図である。
【図8a】本発明による高さ較正デバイスを示す図である。
【図8b】本発明による高さ較正デバイスを示す図である。
【図9】本発明による高さ較正デバイスを用いた較正後の、異なる測定デバイス間の測定変化量を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェルールクリンプ(80)によりカン(10)に取り付けられる吸入カンバルブ(30)のうち、無機能の可能性のある吸入カンバルブ(30)の検出方法において、
直径測定手段(230)に対して所定の測定高さにカン(10)を保持するために配置されるカン治具(220)内にカン(10)を配置し、
所定の高さでフェルールクリンプ(80)の直径を測定し、
測定されたクリンプの直径を、容認されるべき所定の間隔と比較し、もし測定された直径が所定の間隔を外れる範囲にあれば、吸入カンバルブ(30)を無機能の可能性のあるものとして判別するステップを有している方法。
【請求項2】
上記直径を測定するステップが、更に、
上記クリンプの直径を記録し、
上記治具220内で、中心軸C−Cまわりに所定角度だけカン(10)を回転させ、
上記記録及び回転を所定の複数回繰り返し、
記録されたクリンプ直径から平均クリンプ直径を算出するステップを有している請求項1記載の方法。
【請求項3】
フェルールクリンプ(80)によりカン(10)に取り付けられる吸入カンバルブ(30)のうち、無機能の可能性のある吸入カンバルブ(30)を検出するためのクリンプ直径測定デバイス(200)において、
基部(210)と、
上記基部(210)により支持される直径測定手段(230)と、
上記基部(210)により支持されるカン治具(220)であって、上記直径測定手段(230)に対して所定の測定高さで、その内部にカン(10)を保持するように構成されたカン治具(220)と、を有しているクリンプ直径測定デバイス。
【請求項4】
上記測定手段(230)は非接触型の測定手段であることを特徴とする請求項3記載のクリンプ直径測定デバイス。
【請求項5】
上記測定手段(230)はレーザマイクロメータであることを特徴とする請求項4記載のクリンプ直径測定デバイス。
【請求項6】
上記測定高さが調整可能であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一に記載のクリンプ直径測定デバイス。
【請求項7】
上記治具(220)が回転軸(C−C)まわりに回転可能であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一に記載のクリンプ直径測定デバイス。
【請求項8】
請求項6記載のクリンプ直径測定デバイス(300)用の高さ較正デバイスであり、
測定されるべきカン(10)と同様にして治具(230)に適合するよう構成された治具支持部(310)と、治具支持部(310)から延び、吸入カン(10)上にバルブ取付クリンプ(80)のクリンプ直径を測定するための所望の高さで末端をなす点状端部(330)を有する高さ標示部(320)とを有していることを特徴とする高さ較正デバイス。
【請求項9】
上記高さ標示部(320)が円錐体であることを特徴とする請求項8記載の高さ較正デバイス。
【請求項10】
請求項6記載のクリンプ直径測定デバイス(200)の測定高さを較正するための方法であって、
請求項8記載の高さ較正デバイス(300)を準備し、
上記治具(220)上に高さ較正デバイス(300)を配置し、
治具支持部(310)と高さ標示部の末端部(330)との間における中間高さでの上記高さ較正デバイス(300)の幅を記録し、
記録された幅が0になるまで、測定高さを徐々に増大させるステップを有している方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図8a】
image rotate

【図8b】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2008−501948(P2008−501948A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514991(P2007−514991)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000825
【国際公開番号】WO2005/118428
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】