説明

直流給電装置、直流給電方法、直流給電コンセント、直流給電プラグ及び直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせ

【課題】直流給電コンセントにおいて、複数の直流電圧を間違いなく供給することが可能な直流給電装置、直流給電方法、直流給電用コンセント、直流給電コンセント、直流給電プラグ及び直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせを提供する。
【解決手段】本発明の直流給電装置は、複数の異なる電圧値の直流電圧を出力する直流電源部と、複数の異なる直流電圧の各々を供給する端子を有し、当該端子のうち少なくとも1つが、他の電圧値の端子と異なる形状にて形成されたコンセントとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流給電装置、直流給電方法、直流給電コンセント、直流給電プラグ及び直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エコロジー、地球環境等への関心の高まりにより、低公害の発電を行う太陽光発電技術が注目されていることと、太陽光発電装置の設置に対する政府の補助金による支援とにより、一般家庭への太陽光発電装置の導入が増えつつある。
現在の太陽光発電装置は、太陽光のエネルギーを直流電力に変換する太陽電池と、電力会社から一般家庭用に供給される商用交流の規格に合わせて、太陽電池から出力される直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとから構成されている。
【0003】
このような太陽光発電装置の構成により、太陽電池で発電された電力を一般家庭用の交流電力として使用したり、余剰に発電された電力を電力会社の電力系統に逆潮流させることで、電力会社に電力を売電することが可能となっている。
一方、一般家庭でよく使用されている家電製品の内部においては、直流電力が使用されている場合が多い。このため、直流電力を交流電力にパワーコンディショナにより一旦変換した後、家庭内の様々な家電製品内のACアダプターで、この交流電力を直流電力に再度変換することが行われている。
【0004】
将来的には、パワーコンディショナとACアダプターとによる変換ロスを無くすために、太陽電池で得られる直流電力を、そのまま家電製品に利用できるシステムが望まれている。このような太陽電池が発電した直流電力をそのまま用いる給電システムのためのコンセントとして、特許文献1にあるような、ACコンセント部とDCコンセント部とを備えるコンセントが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−231396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示すコンセントにあっては、直流が給電できるコンセントを提案しているものの、1つの端子から複数の直流電圧を、スイッチにより切り換えて供給する構成や、あるいは同様なサイズの端子を複数設け、それぞれの端子から異なる電圧値の直流電圧を供給する構成となっている。
このため、スイッチの切替ミスや、接続すべき端子を間違えることによって、誤った電圧を、使用する家電製品に給電してしまい、家電製品を故障させてしまう可能性があるという課題があった。
【0007】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、直流給電コンセントにおいて、複数の直流電圧を間違いなく供給することが可能な直流給電装置、直流給電方法、直流給電用コンセント、直流給電コンセント、直流給電プラグ及び直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の直流給電装置は、複数の異なる電圧値の直流電圧を出力する直流電源部と、前記複数の異なる直流電圧の各々を供給する端子を有し、当該端子のうち少なくとも1つが、他の電圧値の端子と異なる形状にて形成されたコンセントとを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の直流給電装置は、前記直流電源部が、前記直流電圧の各々の電圧値を生成するよう、それぞれの電圧値毎に複数の太陽電池を組み合わせた太陽電池発電部から構成され、前記複数の電圧値の直流電圧の各々を、前記太陽電池発電部の各々により発電することを特徴とする。
【0010】
本発明の直流給電装置は、前記コンセントに少なくとも3つの電圧値の直流電圧の端子が設けられており、隣接する端子間の電位差が、直流電圧の電圧値の組み合わせのなかで最小となるように、前記端子が配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の直流給電装置は、前記コンセントが、当該コンセントに差し込まれるプラグに設けられたストッパーを挿入される穴を有し、前記穴がコンセントにプラグを挿入、あるいは引き抜く方向に対して垂直方向に設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の直流給電装置は、給電中に前記ストッパーが不用意に抜けてしまうのを防ぐためのロック機構として、電磁石によるロック機構と手動によるロック機構の少なくとも二種類のロック機構を備え、手動によるロック機構がセットされていない状態では電磁石によるロック機構が作動し、手動によるロック機構がセットされた状態では電磁石によるロック機構が作動しなくなる仕組みを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の直流給電装置は、前記コンセントの前記端子に発生する放電の光を検出する光センサと、前記光センサの出力が予め設定した閾値を超えた場合、前記直流電源部と前記コンセントの前記端子との接続を切断する制御部とを有することを特徴とする。
本発明の直流給電装置は、前記光センサに外光が照射されないように、前記コンセントに遮光部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の直流給電装置は、前記コンセントにおいて、前記端子の各々が同心円状に形成されており、最外部の端子がグランド端子であり、同心円における内部の端子となるに従い、直流電圧の電圧値がより高くなるよう配置されていることを特徴とする。
本発明の直流給電装置は、前記コンセントにおいて、前記複数の直流電圧を供給する端子が直列に配列しており、一方の端部の端子がグランド端子であり、他方の端部に向かうに従い、より高い電圧の端子が配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の直流給電装置は、前記コンセントにおいて、前記複数の直流電圧を供給する端子が直列に配列しており、一方の端部が最も電圧値の低い直流電圧の端子であり、他方の端部に向かうに従い、より高い電圧の端子が配置され、当該直列に配列した端子をグランド端子が囲む構成となっていることを特徴とする。
【0016】
本発明の直流給電方法は、直流電源部より供給される複数の異なる電圧値の直流電圧を、 当該複数の異なる直流電圧の各々を供給する端子を有し、当該端子のうち少なくとも1つが、他の電圧値の端子と異なる形状にて形成されたコンセントにより、供給することを特徴とする。
【0017】
本発明の直流給電コンセントは、複数の異なる直流電圧の各々を供給する端子を有し、当該端子のうち少なくとも1つが、他の電圧値の端子と異なる形状にて形成されたことを特徴とする。
【0018】
本発明の直流給電コンセントは、当該コンセントに差し込まれるプラグに設けられたストッパーを挿入する穴を有し、前記穴がコンセントにプラグを挿入、あるいは引き抜く方向に対して垂直方向に設けられていることを特徴とする。
【0019】
本発明の直流給電コンセントは、給電中に前記ストッパーが不用意に抜けてしまうのを防ぐためのロック機構として、電磁石によるロック機構と手動によるロック機構の少なくとも二種類のロック機構を備え、手動によるロック機構がセットされていない状態では電磁石によるロック機構が作動し、手動によるロック機構がセットされた状態では電磁石によるロック機構が作動しなくなる仕組みを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の直流給電プラグは、複数の異なる直流電圧の各々の給電を受ける端子を有し、当該端子のうち少なくとも1つが、他の電圧値の端子と異なる形状にて形成されたことを特徴とする直流給電プラグであって、当該プラグが不用意にコンセントから抜けないようにするためのストッパーを有し、給電中に前記ストッパーが不用意に抜けてしまうのを防ぐためのロック機構として、電磁石によるロック機構と手動によるロック機構の少なくとも二種類のロック機構を備え、手動によるロック機構がセットされていない状態では電磁石によるロック機構が作動し、手動によるロック機構がセットされた状態では電磁石によるロック機構が作動しなくなる仕組みを備えることを特徴とする直流給電プラグ。
【0021】
本発明の直流給電プラグは、直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせは、上記記載のコンセントに対応する直流給電用プラグであり、円形状に配置された複数の同心の端子を有し、最外部の端子がグランド端子であり、その他の端子が直流電源部から供給され直流電圧の供給を受ける端子であることを特徴とする。
本発明の直流給電プラグは、上記記載のコンセントに対応する直流給電用プラグであり、直列に配置された複数の整列した端子を有し、一つの端子がグランド端子であり、その他の端子が直流電源部から供給された直流電圧を受電する端子であることを特徴とする。
本発明の直流給電プラグは、上記記載のコンセントに対応する直流給電用プラグであり、少なくとも一つの端子とそれを取り囲む卵形の形状の端子と有し、前記卵形の形状の端子がグランド端子であり、その他の端子が直流電源部から供給された直流電圧を受電する端子であることを特徴とする。
【0022】
本発明の直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせは、複数の異なる電圧値の直流電圧を出力する直流電源部に接続された、前記複数の異なる直流電圧の各々を供給する端子が、前記電圧値毎に異なる形状にて形成された直流給電コンセントと、当該直流給電コンセントの穴に差し込むストッパーを有する、前記直流給電コンセントの差込口に挿入されるプラグとの組み合わせであり、前記直流給電コンセントに直流給電プラグが挿入された際に前記ストッパーを挿入する穴が、直流給電コンセントに直流給電プラグを挿入あるいは引き抜く方向に対して垂直方向に設けられていることを特徴とする。
【0023】
本発明の直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせは、前記電磁石を構成する巻線が前記直流電圧のグランド配線に介挿され、前記ストッパーが当該グランド配線に電流が流れると磁化する電磁石として構成されており、前記穴内部において前記ストッパーの先端と対向する位置に、前記電磁石が磁化された際、前記先端との対向部分が異極となるよう磁石が設けられており、前記端子のいずれから直流電流を供給している際、前記電磁石が磁化して前記磁石と引き合うことを特徴とする。
【0024】
本発明の直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせは、直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせであって、通電中に不用意にプラグがコンセントから抜けてしまうのを防ぐためのロック機構として、電磁石によるロック機構と、手動でストッパーをセットするロック機構の二種類のロック機構を備え、手動でのロック機構がセットされていない状態では電磁石によるロック機構が作動し、手動でのロック機構がセットされた状態では電磁石によるロック機構が作動しなくなる仕組みを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、複数の異なる直流電圧を供給するコンセントにおいて、電圧値の異なる直流電圧を供給する端子の形状をそれぞれ異ならせているため、複数の必要な直流電圧を間違いなく、かつ全て一度に供給することができる。
また、この発明によれば、アーク放電を防止するために、通電中に不用意にプラグがコンセントから抜けてしまうのを防ぐためのロック機構として、電磁石によるロック機構と、手動でストッパーをセットするロック機構の二種類のロック機構を備えているので、手動でのロックをし忘れても電磁石によるロック機構が働き、また、手動でのロックをすることによって電磁石による余分な電力消費を抑制する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の第1の実施形態による直流給電装置の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態で用いられる多電圧対応直流給電コンセント2007、及び多電圧対応直流給電プラグ3001の端子の配列を示す図である。
【図3】図2に示す多電圧対応直流給電コンセント2007、及び多電圧対応直流給電プラグ3001の端子の断面構造を示す図である。
【図4】第1の実施形態で用いられる他の多電圧対応直流給電プラグ3002の端子の配列を示す図である。
【図5】第1の実施形態で用いられる他の多電圧対応直流給電プラグ3003の端子の配列を示す図である。
【図6】多電圧対応直流給電コンセント2007におけるアーク放電を防止するため、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を抜き難くするロック機構を説明する図である。
【図7】多電圧対応直流給電コンセント2007におけるアーク放電を防止するため、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を抜き難くするロック機構を説明する図である。
【図8】多電圧対応直流給電コンセント2007におけるアーク放電を防止するため、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を抜き難くするロック機構を説明する図である。
【図9】多電圧対応直流給電コンセント2007におけるアーク放電を防止するため、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を抜き難くするロック機構を説明する図である。
【図10】アーク放電が発生した場合に、このアーク放電を消去するための機構を説明する図である。
【図11】アーク放電が発生した場合に、このアーク放電を消去するための機構を説明する図である。
【図12】太陽電池ブロック2001の構成例を説明する図である。
【図13】太陽電池ブロック2001の他の構成例を説明する図である。
【図14】図1における直流電源部100の他の構成例を説明する図である。
【図15】第2の実施形態で用いられる多電圧対応直流給電コンセント2007、及び多電圧対応直流給電プラグ3001の端子の配列を示す図である。
【図16】第2の実施形態で用いられる他の多電圧対応直流給電プラグ3002の端子の配列を示す図である。
【図17】第2の実施形態で用いられる他の多電圧対応直流給電プラグ3003の端子の配列を示す図である。
【図18】第2の実施形態で用いられる多電圧対応直流給電コンセント2007の端子の他の配列を示す図である。
【図19】第3実施形態で用いられる多電圧対応直流給電コンセント2007、及び多電圧対応直流給電プラグ3001の端子の配列を示す図である。
【図20】第3の実施形態で用いられる他の多電圧対応直流給電プラグ3002の端子の配列を示す図である。
【図21】第3実施形態で用いられる他の多電圧対応直流給電プラグ3003の端子の配列を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態による直流給電装置の構成の一例を示したものである。この直流給電装置は、一般家庭の家2101に設けられる太陽電池を用いた発電装置である。
この図において、太陽電池ブロック2001は、複数の太陽電池からなる太陽電池セル、または複数の太陽電池セルからなる集合体である太陽電池セルユニットでも良い。
直流電源部100は、太陽電池発電部101、太陽電池発電部102、太陽電池発電部103、及び太陽電池発電部104を有している。
太陽電池発電部101は、複数個の太陽電池ブロック2001が並列に接続されて構成されており、例えば太陽電池ブロック2001が8個並列に接続されており、3Vの直流電圧を生成して出力する。この例では、太陽電池発電部101で用いられている太陽電池ブロック2001は、1個が電圧値3Vの直流電圧を生成する。
太陽電池発電部102は、複数個の太陽電池ブロック2001を配列して構成されており、例えば4個の太陽電池ブロック2001を直列に接続した直列回路を、4個並列に接続して構成されており、12Vの直流電圧を生成して出力する。この例では、太陽電池発電部102で用いられている太陽電池ブロック2001は、1個が電圧値3Vの直流電圧を生成する。
太陽電池発電部103は、複数個の太陽電池ブロック2001を配列して構成されており、例えば16個の太陽電池ブロック2001を直列に接続した直列回路を、2個並列に接続して構成されており、48Vの直流電圧を生成して出力する。この例では、太陽電池発電部103で用いられている太陽電池ブロック2001は、1個が電圧値3Vの直流電圧を生成する。
太陽電池発電部104は、複数の太陽電池ブロック2001を直列に接続して構成されており、例えば100個の太陽電池ブロック2001が直列に接続されており、400Vの直流電圧を生成して出力する。この例では、太陽電池発電部104で用いられている太陽電池ブロック2001は、1個が電圧値4Vの直流電圧を生成する。
【0028】
また、直流電源部100の各太陽電池発電部において、太陽電池発電部104は、電圧値が供給電圧の中で最も高く、消費される電流値がより電圧値の低い場合に比較して小さいため、太陽電池ブロック2001を一列の直列接続のみとする。太陽電池発電部103、102、101と、電圧が低くなるにつれて消費される電流値が増加するため、直列接続の列数を増加させる(並列接続数を増加させる)構造としている。
また、利用者によっては、供給される直流電圧の中で、特定の電圧値だけ大量の電流を消費するなど、特別な消費傾向を示す利用者が存在する場合も想定でき、そのような場合には、各電圧値に対応する太陽電池ブロック2001の並列接続数は適宜変更することもできる。すなわち、大量に消費する電圧に対応する太陽電池発電部の太陽電池ブロック2001の並列接続数を増加させることにより、その電圧値での最大許容電流を大きくするよう構成しても良い。
【0029】
配線2002は、グランド(GND)として用いられるGND配線(グランド配線)であり、一端が太陽電池発電部101〜太陽電池発電部104の各々のGND端子(グランド端子)に接続されている。
配線2003は、最低電圧である3Vの直流電圧を供給する配線であり、一端が太陽電池発電部101の直流電圧出力端子に接続されている。
配線2004は、3番目に高い電圧である12Vの直流電圧を供給する配線であり、一端が太陽電池発電部102の直流電圧出力端子に接続されている。
配線2005は、2番目に高い電圧である48Vの直流電圧を供給する配線であり、一端が太陽電池発電部103の直流電圧出力端子に接続されている。
配線2006は、最高電圧である400Vの直流電圧を供給する配線であり、一端が太陽電池発電部104の直流電圧出力端子に接続されている。
【0030】
パワーコンディショナ2008は、直流電源部100から供給される各電圧値の直流電圧を、電力会社の供給する商用交流の規格値に合わせ、例えば100Vの交流に変換する装置であり、GND端子に配線2002の他端が接続され、3Vの入力端子に配線2003の他端が接続され、12Vの入力端子に配線2004の他端が接続され、48Vの入力端子に配線2005の他端が接続され、400Vの入力端子に配線2006が接続されている。
蓄電池2009は、直流電圧の各電圧値、3V、12V、48V及び400Vを蓄電する蓄電池セルが内部に設けられており、それぞれに対応する電圧値の電気エネルギーを蓄電している。
ここで、直流電源部100から供給される直流電圧の電流を、各電圧値に対応した蓄電池2009に充電できる構成となっている。ここで、パワーコンディショナ2008は、直流電源部100からの電力供給が十分に行われている場合、蓄電池2009に電気エネルギーを蓄電する際、蓄電池2009の放電電圧よりも少しだけ高い電圧で充電できるように出力電圧を制御する。例えば、蓄電池2009の容量が1000mAhの場合、100mAを10時間流して蓄電池2009を充電し、その後は過充電を避けるために蓄電池2009に流入しないように電圧を制御する。実際にはパワーコンディショナ2008(又は図示しない充電制御装置)は、単純な時間タイマーを使うよりも、蓄電池2009の出力電圧をモニタすることによって、過充電を防ぐ仕組みを備えていることが望ましい。
また、パワーコンディショナ2008は、直流電源部100から供給される直流電圧の各々の電圧値の電流量を検出し、直流電源部100から供給される電流量が予め設定されている供給量(家電製品との消費電力により決まる消費電流量)に対して少なくなった場合、蓄電池2009から対応する電圧値の直流電圧を、後述する多電圧対応直流給電コンセント2007へ供給する制御機能を備える。
【0031】
また、パワーコンディショナ2008には、送電線2010から引き込み電柱2100を介して、電力会社からの100Vの商用交流が供給されている。直流電源部100から供給される電流値、及び蓄電池2009に蓄電された電気エネルギーの蓄電量が予め設定された閾値以下となった場合、パワーコンディショナ2008は、100Vの商用交流を、直流電圧の各電圧値、3V、12V、48V及び400Vに変換し、それぞれ対応する配線(2003〜2006)に出力する。また、パワーコンディショナ2008は、商用電力から家電製品等を動作させる交流電圧を配線2011を介してACコンセント2012に直接供給する機能も備える。
また、パワーコンディショナ2008は、直流電源部100から供給される電流の電流値D1が、家電製品等に供給する電流の電流値と蓄電池2009に蓄電する電流の電流値とを加算した合計電流値D2を超えて余裕がある場合(直流電圧の各電圧値毎に計算する)、この電流値D1と電流値D2との差分の電流を、100Vの交流に変換し、送電線2010に逆潮流させる。すなわち、例えば蓄電池2009が満充電であり、家庭内であまり電力を消費していない場合などに発生する余裕分の電力を電力会社に対して売電する構成としても良い。
【0032】
多電圧対応直流給電コンセント2007は、直流電圧により駆動する家電製品等に、各家電機器に対応する直流電圧を供給するコンセントであり、GND端子に配線2002の他端が接続され、また、パワーコンディショナ2008から、3Vの入力端子に配線2003の上述の他端が接続され、12Vの入力端子に配線2004の他端が接続され、48Vの入力端子に配線2005の他端が接続され、400Vの入力端子に配線2006が接続されている。この多電圧対応直流給電コンセント2007は、本実施形態において最も特徴的な構成要素であり、この構成については詳細に後述する。
【0033】
従来の太陽電池による発電システムにおいては、例えば400V等、一つの電圧を発生させてそれをパワーコンディショナで100V交流に変換して家庭内に給電していた。しかしながら、家庭内の電気機器では稼動する際に、直流電源を利用する場合が多い。このため、直流から交流に変換した後、電気機器内部で再度交流から直流への変換が必要になり、この変換時に電力が消費されるため、直流電圧をそのまま用いる場合に比較して電力の損失が多くなる。
また、最近では直流給電システムが提案されてはいるが、提案されている直流給電システムは400Vや48Vなど、一種類の電圧値の直流電圧だけを給電し、これ以外の電圧値の直流電圧が必要な場合は、電気機器内部でDCDCコンバータによって異なる電圧を発生させるという仕組みがとられ、この電圧値の変換処理における損失もある。
【0034】
一方、太陽電池による発電は、そもそも発電時に発電する直流電圧の電圧値を一種類に固定する必要はない。
このため、本実施形態においては、太陽電池セルの接続の組み合わせにより、任意の電圧値の直流電圧、例えば、3V用、12V用、48V用、400V用等、複数の発電を一度に行うようにしている。そして、それらの電圧をそのまま家電製品等に、対応する電圧値の直流電圧を間違いなく、かつ全て一度に供給する。これにより、本発明によれば、交流から直流に変換する際の無駄な消費電力も、電圧を変換する際に生じる無駄な電力消費による損失も発生させることがない。
【0035】
<多電圧対応直流給電コンセントの端子構成>
図2及び図3を用いて、本実施形態における多電圧対応直流給電コンセント2007の構成を説明する。図2(a)は、本実施形態における多電圧対応直流給電コンセント2007の直流電圧の各電圧値の端子の配置の一例を示す図である。図3(a)は、図2(a)におけるA−Aの線示断面図を示している。図2(a)及び図3(a)に示すように、多電圧対応直流給電コンセント2007は、家庭の壁に配設されており、壁と同じ平面にある周縁部2007Sより、壁の平面に対して垂直方向の深さdの凹部2007Kの底部2007Bに、後述する溝形状の端子(ジャック)が形成されている。この凹部2007Kの開口面の寸法は、縦がMcmであり、横がNcmである。この凹部2007Kの部分が壁に埋め込まれ、周縁部2007Sにより、壁に固定される。
例えば、端子601JはGND端子であり、端子602Jは3V端子であり、端子603Jは12V端子であり、端子604Jは48V端子であり、端子605Jは400V端子である。このように、電圧値は一例であるが、GND端子を最も外側に配置し、外側から内側の端子となるに従い、端子の供給する直流電圧の電圧値が高くなるように、端子602J(最も半径が大きい円)〜端子605J(最も半径が小さい円)が同心円状に配置されている。端子602J〜端子605Jは、差し込み口(メス側:ジャック)であり溝形状に形成されている。端子602J〜端子605Jの溝内の内面には、端子の構成要素として導体の膜が貼着されており、導体の膜がそれぞれの直流電圧の電圧値の配線2002〜配線2006に接続されている。この導体の膜を介して、配線2002〜配線2006と、端子602J〜端子605Jとが、それぞれ電圧値に対応して電気的に接続されることになる。
【0036】
このように、外側から電圧値の低い端子を配置する構成にすることで、手に触れやすい端子601JはGNDであり、電圧値は0Vなので、多電圧対応直流給電プラグ3001を多電圧対応直流給電コンセント2007に挿入する際に、万一給電中に利用者が手に触れた場合、感電事故が発生しないという効果がある。また、電流が大きくなる傾向がある低電圧の端子ほど接触断面積が大きくなるので、コンセント部分での電圧降下や発熱も極力防げるというメリットがある。また、パワーコンディショナ2008からの各端子への配線に用いる直流ケーブル内の導線についても、GNDや低電圧の給電に用いる端子は、より高い電圧の給電に用いるものに対して電気抵抗の少ないもの(例えば、太い導線を用いる、抵抗の小さい材質の導線を用いるなど)にすることが望ましい。
【0037】
次に、本実施形態における多電圧対応直流給電コンセント2007に用いる多電圧対応直流給電プラグ3001の構成を図2(b)及び図3(b)により説明する。図2(b)は、本実施形態における多電圧対応直流給電コンセント2007に用いる多電圧対応直流給電プラグ3001の直流電圧の各電圧値の端子の配置の一例を示す図である。図3(b)は、図2(b)におけるB−Bの線示断面図を示している。
図2(b)及び図3(b)に示すように、端子601PはGND端子であり、端子602Pは3V端子であり、端子603Pは12V端子であり、端子604Pは48V端子であり、端子605Pは400V端子である。このように、電圧値は一例であるが、外側から内側の端子となるに従い、端子の供給する直流電圧の電圧値が高くなるように、端子602P(最も半径が大きい円)〜端子605P(最も半径が小さい円)が同心円状に配置されている。ここで、直方体状の基部3001Dの表面3001S上に各端子が配置されている。基部3001Dは、M(縦)×N(横)×P(高さ)の直方体である。端子601J〜端子605Jは、多電圧対応直流給電コンセント2007の差し込み口にそれぞれ挿入される突起状の導体の周壁(所定の厚さ)により形成されている。この円状の周壁の各々は、多電圧対応直流給電コンセント2007における、同一の電圧値の端子である円状の溝(ジャック)と同等の直径を有し、この溝に対して挿入される関係となっている。また、このとき、基部3001Dは、多電圧対応直流給電コンセント2007の凹部2007Kにはめ込まれた状態となる。
【0038】
上述したように、多電圧対応直流給電コンセント2007と多電圧対応直流給電プラグ3001とにおいて、それぞれの電圧値の端子が異なる直径の円状にて同心円状に形成されているため、各電圧値の端子がそれぞれ異なる形状となり、従来のように端子を取り違えることを防止し、必要な電圧値の端子を利用者が意識することなく、間違いなく必要な電圧値の直流電圧を使用することができる。
また、本実施形態においては、多電圧対応直流給電コンセント2007及び多電圧対応直流給電プラグ3001の端子を同心円状として説明したが、円状に限らず、各電圧値の端子が、隣接する端子間において、内側の端子を取り囲むように外側の端子が形成されていれば、端子の形状はどのようなものでも良い。例えば、同焦点の楕円形状(焦点を同一とする長径と短径とが異なる同焦点楕円群)、同心の四角形状のものであっても良い。ここで、本実施形態においては、多電圧対応直流給電コンセント2007及び多電圧対応直流給電プラグ3001における各端子の形状が相似形であっても、端子の大きさが異なれば異なる端子形状とする。
【0039】
次に、図4を用いて、図2(b)及び図3(b)の多電圧対応直流給電プラグ3001の変形例を説明する。図4は、図2(b)及び図3(b)の多電圧対応直流給電プラグ3001と突起状の導体の周壁の配置が異なる多電圧対応直流給電プラグ3002の構成例を説明する図である。
多電圧対応直流給電コンセント2007側は全ての電圧を備えている必要があるが、多電圧対応直流給電プラグ3001側はそのプラグに接続されている電気機器で使用する直流電圧の電圧値に対応する端子だけを備える構成にしても良い。
したがって、例えば3Vのみで駆動する機器のプラグは、GND端子である端子601Pと、3V端子である端子602Pしか存在しない多電圧対応直流給電プラグ3002にしても良い。
この多電圧対応直流給電プラグ3002の構成としても、多電圧対応直流給電コンセント2007の端子603J、端子604J、端子605Jに対して、突起状の導体の周壁の端子部分が接続されないだけで、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3002に対し、3Vの直流電圧の給電が正常に行われる。
【0040】
次に、図5を用いて、図2(b)及び図3(b)の多電圧対応直流給電プラグ3001の他の変形例を説明する。図5は、図2(b)及び図3(b)の多電圧対応直流給電プラグ3001と突起状の導体の周壁の配置が異なる多電圧対応直流給電プラグ3003の構成例を説明する図である。
この場合、多電圧対応直流給電コンセント2007の構造はほぼ同様であり、直流電圧の電圧値の各端子の順番を逆にした配置例も考えられる。ここで、図2(a)及び図3(a)において、端子601Jが400V端子、端子602Jが48V端子、端子603Jが12V端子、端子604Jが3V端子、端子605JがGND端子である。このように、電圧値は一例であるが、内側から外側の端子となるに従い、端子の供給する直流電圧の電圧値が高くなるように、端子602J〜端子605Jが配置されている。端子602J〜端子605Jは、差し込み口(メス側:ジャック)であり溝形状に形成されている。
【0041】
また、多電圧対応直流給電コンセント2007側は全ての電圧を備えている必要があるが、多電圧対応直流給電プラグ3001側はそのプラグに接続されている電気機器で使用する電圧に対応する端子だけを備える構成にしても良い。
したがって、例えば3Vのみで駆動する機器のプラグは、図5に示すように、GND端子である端子605Pと、3V端子である端子604Pしか存在しない多電圧対応直流給電プラグ3003にしても良い。これにより、多電圧対応直流給電プラグ3003の大きさを小さく出来るという効果が生じる。一方、この図5の構造の場合は、端子の厚みが同じ場合は、プラグの端子とコンセントの端子との接触面積が小さくなるため、端子間の接続抵抗は内側の端子ほど大きくなる傾向がある。したがって、パワーコンディショナ2008からの各端子への配線に用いる直流ケーブル内の導線についても、内側の端子になるほど、太い導線や抵抗の小さい材質の導線を用いて、電気抵抗を小さくすることが望ましい。
また、上述したように、最も内部の端子が0Vである場合、最外部の端子が所定電圧値の直流電圧となっているため、この最外部の端子に利用者が直接に手を触れないように、最外部の端子の周囲に絶縁体からなる周壁を設けるようにしても良い。
【0042】
<多電圧対応直流給電コンセントのロック構成>
直流は交流に比べてアーク放電が生じやすく、また一旦生じたアーク放電が消去しにくいという問題がある。これは、交流の場合、一定周期で電圧が0の瞬間が訪れるため、その時点でアーク放電が消去するが、直流の場合は電圧が0になることがないため、アーク放電が消去しないからである。したがって、コンセントとプラグとの間にて、できるだけアーク放電が生じないようにする構成が必要である。多電圧対応直流給電コンセント2007において、アーク放電が端子間で発生すると、異なる電圧値の直流電圧がショートすることになり、供給する電圧値が不安定なものとなる。
家電製品の電源をOFFとせず、直流電圧が流れている状態において、プラグをコンセントから抜く際、アーク放電が生じやすい。特に、高電圧となるほど、アーク放電が生じやすくなる。
このため、本実施形態においては、コンセントにプラグが接続されている家電製品等の直流駆動の電気機器の電源をOFFとした後でないと、コンセントからプラグが抜け難くなる以下に示すロック機構を用いている。
【0043】
図6、図7、図8及び図9を用いて、家電製品等の電源をOFFした後でないと、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001が抜きにくくなる、本実施形態におけるロック機構について説明する。図6は、多電圧対応直流給電コンセント2007及び多電圧対応直流給電プラグ3001のロック機構の構造を説明する図である。図7は、多電圧対応直流給電プラグ3001のロック機構の構造を説明する図である。図8は、多電圧対応直流給電コンセント2007に対して多電圧対応直流給電プラグ3001を差し込んだ際のロック機構の動作を説明する図である。図9は、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001が抜きにくくなるロック機構の動作を説明する図である。ケーブル205は、多電圧対応直流給電プラグ3001から家電製品等に、電力を供給する電源ケーブルである。
図9は、多電圧対応直流給電コンセント2007の穴202に挿入されるストッパー204の構成を説明する図である。
【0044】
図6において、端子群201は、多電圧対応直流給電コンセント2007における端子601J〜端子605Jであり、穴202は直流電圧の給電が行われている際、多電圧対応直流給電プラグ3001が抜けるのを防止するためのストッパー(後述するストッパー204)が挿入される穴である。この穴202は、多電圧対応直流給電コンセント2007の凹部2007Kの側壁に設けられており、多電圧対応直流給電コンセント2007に対し、多電圧対応直流給電プラグ3001を挿入、あるいは引き抜く方向に対して垂直方向に設けられている。多電圧対応直流給電コンセント2007には、ストッパー204を穴202に確実に挿入するため、多電圧対応直流給電プラグ3001を挿入する際に穴202の位置を特定するコンセントマークが周縁部2007Sに付されている。
また、端子群203は、多電圧対応直流給電プラグ3001における端子601P〜端子605Pであり、ストッパー204は直流電圧の給電が行われる際に多電圧対応直流給電プラグ3001が多電圧対応直流給電コンセント2007から抜けるのを防止するため、多電圧対応直流給電コンセント2007の穴202に挿入されるストッパーである。このストッパー204は、多電圧対応直流給電プラグ3001の基部3001Dに設けられた収納穴3001に収納されている。
図7において、上記端子群203が配置されている面と逆の面、すなわち、多電圧対応直流給電プラグ3001を多電圧対応直流給電コンセント2007に差し込んだ際に、露出する面に家電製品等に直流電圧を給電するケーブル205と、ストッパー204を手動で多電圧対応直流給電コンセント2007の凹部2007K設けられた側壁の穴202に、ストッパー204を挿入したり、あるいはストッパー204を引き出したりするために、ストッパー204をスライドさせて移動させるために用いる突起207とが設けられている。このストッパー204と突起207とは接続されており、突起207の移動(スライド)方向に対応して、ストッパー204が移動することになる。ストッパー204が挿入されている収納穴3001Hのある位置を示すプラグマークとして、この突起207が用いられる。
利用者がすでに説明したコンセントマークに突起207を合わせて、多電圧対応直流給電プラグ3001を多電圧対応直流給電コンセント2007に挿入した後、ストッパー204を方向Rにスライドさせると、ストッパー204が収納穴3001Hから引き出されて穴202に挿入され、一方、突起207を方向Rと逆方向にスライドさせると、ストッパー204が方向Rと逆方向に移動して穴202から引き出されて、収納穴3001Hに収納される。ここで、ストッパー204をR方向にスライドさせていき、ストッパー204が移動しなくなると、ストッパー204の穴202に対する収納処理が終了する。このとき、ストッパー204の長さの半分が収納穴3001Hに残り、残りの半分が穴202に挿入された状態になり、ストッパー204を穴202から引き出さない状態で、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を抜こうとしたときの強度が最大となるようにしている。ストッパー204は、多電圧対応直流給電コンセント2007の穴202及び多電圧対応直流給電プラグ3001の収納穴3001Hの双方を部分的に貫通する状態で、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001が抜けないようにしている。
次に、図8は、多電圧対応直流給電コンセント2007に対して、多電圧対応直流給電プラグ3001を差し込んで、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001が抜けないようにロックした状態を示している。ここで、突起207をR方向にスライドさせて、ストッパー204を穴202に挿入した後、さらに突起207を方向Q(図8の下方向)にスライドさせることで、多電圧対応直流給電プラグ3001に切り込んである溝208に収納されるようになっている。突起を溝208に挿入された状態は、ストッパー204が穴202に挿入された状態で。突起207がスライドできないようにして、完全に多電圧対応直流給電コンセント2007に対して、多電圧対応直流給電プラグ3001をロックした状態となっている。
【0045】
図9は、多電圧対応直流給電コンセント2007と多電圧対応直流給電プラグ3001とを、電気接続及び磁力の観点から詳細に示す図である。図9において、多電圧対応直流給電コンセント2007(コンセント)側には、端子601J〜端子605Jと、図6の穴(202)の奥の底部に設けられている永久磁石302と、その表面に固着され、かつ端子601Jに電気的に接続された半円状の接点(電気接点)307とが設けられている。この永久磁石302の代わりに、何れかの直流電圧の端子とGND端子との給電により駆動する電磁石を用いても良い。
また、多電圧対応直流給電プラグ3001(プラグ)側には、端子601P〜端子605Pと、電磁石303(図6におけるストッパー204内部に配置)と、スイッチ309とが設けられている。スイッチ309は、多電圧対応直流給電プラグ3001内部において、GND端子である端子601Pと、ケーブル205におけるGND配線との間に設けられている。また、スイッチ309は、突起207を溝208に収納していない場合(図8)にOFF状態であり、突起207を溝208に収納している場合(図7)にON状態となる。電磁石303は、短絡用の配線導体(例えば、軟鉄心)306と、この配線導体306を被覆する絶縁体304と、絶縁体304を介して配線導体306に巻き付けられた巻線301とを有している。巻線301は、一端が端子601Pに接続され、他端がケーブル205におけるGND配線に接続されている。配線導体306は、一端が接点308とされ、他端がケーブル205におけるGND配線に接続されている。
【0046】
上述した図6及び図9に示す突起207を溝208に収納するロック機構により、ストッパー204を穴202に挿入すると、穴202の奥に配置された接点307とストッパー204の先端の接点(図9の接点308)とが圧着された状態で固定させることができる。接点307は、多電圧対応直流給電コンセント2007のGND端子である端子601Jに接続されている。この接点307と接点308とが圧着され、かつ突起207が溝208に収納されていない状態において、スイッチ309がOFF状態となっており、短絡用の配線導体306の接点308と接点307との接合部がGNDの配線に接続された状態になり、家電製品等が稼動(電源ON)状態となると、この接点308と接点307との接合部を介して家電製品等の消費電流が流れることになる。
【0047】
次に、図8に示すように、突起207をQ方向にスライドさせて、突起207を溝208に納めると、図9に示すスイッチ309がON状態となり、GND配線は、多電圧対応直流給電コンセント2007側と多電圧対応直流給電プラグ3001側とにおいて短絡する。これにより、家電製品等が稼動状態となると、その消費電流は、スイッチ309と、接点308及び接点307の接合部とを介して流れることになる。
この後、突起207をQ方向と逆方向にスライドさせて、溝208から外すと、スイッチ309がOFF状態となり、家電製品等が稼動状態である場合、接点308と接点307との接合部のみに家電製品等の消費電流が流れるようになる。
【0048】
このとき、家電製品等を稼動状態のまま、ストッパー204を方向Rと逆方向に移動させて、図8の状態から図7の状態に戻そうとすると、接点308と接点307とが離れ、配線導体306に電流が流れなくなり、巻線301に消費電流が全て流れるため、電磁石303が磁化して、この磁力により永久磁石302と引き合うことにより、ストッパー204を方向Rとは逆の方向に移動させることができず、簡単にはロックを解除できなくなる。この永久磁石302は、穴202の奥に、接点307とともに配置されている。電磁石303が磁化された場合に引き合うように、接点308と対向する部分が、磁化された配線導体306の接点308の磁極に対して異極となるよう永久磁石302は着磁されている。
また、基本的にはこのストッパー204は利用者が手動で、突起207を移動させることによりロックするのが通常の使用方法であるが、手動でのロックを忘れても、家電製品等の電源オンにともない、電磁石303が磁化することにより発生する磁力により、永久磁石302に引き寄せられることにより、穴202からストッパー204が抜けにくくなるロック機構になっている。ここで、接点308と接点307とが接合すると、配線導体306に電流が流れ、ロックされた後は、巻線301の両端が短絡されることとなり、無駄な電力を消費しない構造になっている。
【0049】
一方、家電製品等の電源がオフになっている場合、接点308と接点307とが接続されていなくとも、巻線301に電流が流れないため磁力が発生せず、ストッパー204を方向Rとは逆の方向に移動させることが容易にでき、手動でのロック解除が可能になる。
すなわち、この多電圧対応直流給電プラグ3001に接続されている家電製品等の電源がOFFとなっている場合、接点308と接点307とが離れても巻線301に電流が流れることはなく、電磁石303も電磁力が発生しないため、手動でのロック解除が可能になる。このため、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を引き抜く際には、この多電圧対応直流給電コンセント2007に接続されている家電製品等の電源はOFFとなっていないと、ストッパー204によるロックが解除できず、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001が抜けない仕組みになっている。
【0050】
ここで、多電圧対応直流給電コンセント2007に接続されている家電製品等の電源がOFFならば、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を引き抜いても、そもそも多電圧対応直流給電コンセント2007と多電圧対応直流給電プラグ3001との端子間で電流は流れていないので、アーク放電は発生しない。
以上のようにして、本実施形態においては、家電製品等の電源がONである場合に、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を引き抜き難くし、家電製品等の電源をOFFとしてから、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を引き抜くようにさせることで、アーク放電の発生を抑制する構成としている。
【0051】
また、上述した構成においては、ストッパー204が多電圧対応直流給電プラグ3001に設けられ、このストッパー204を挿入する穴202を多電圧対応直流給電コンセント2007に設ける構成とした。
この構成とは逆に、ストッパー204を多電圧対応直流給電コンセント2007に設け、このストッパー204を挿入する穴202を多電圧対応直流給電プラグ3001に設けるように構成しても良い。この場合、永久磁石302及び接点307は多電圧対応直流給電プラグ3001の穴202の奥に設けられることになる。また、スイッチ309は、端子601Jと配線2002の他端との間に設けられる。
【0052】
また、図2に示す多電圧対応直流給電コンセント2007及び多電圧対応直流給電プラグ3001においては、隣接する端子間の電位差がなるべく小さくなる順番に、各電流値の端子が配置されている。アーク放電は約50V以下の電圧であるならば生じ難いことが知られており、隣接する端子間の電位差をほぼ50V以下に抑えることにより、隣接する端子間において無用なアーク放電の発生を防止することができる。
一方、400V端子と48V端子間の電位差(電圧)は352Vもあるため、アーク放電を生じやすい。このため、隣接する端子間の電位差をほぼ50V以下に抑えた多電圧対応直流給電コンセント2007及び多電圧対応直流給電プラグ3001を用いるようにしても良い。また、50Vを超える電位差が生じる端子間の物理的な距離を大きくとったコンセントやプラグを用意することが可能なことは明らかである。
【0053】
<アーク放電が発生した場合、このアーク放電を早期に消去する構成>
次に、多電圧対応直流給電コンセント2007の端子と、多電圧対応直流給電プラグ3001の端子との間にアーク放電が生じてしまった場合、できるだけ早期にそのアーク放電を消去する仕組みを以下に説明する。
多電圧対応直流給電コンセント2007は、直流電圧の電圧値の異なる各端子毎に、各端子とパワーコンディショナ2008からの配線との間に、各々アーク遮断スイッチを有している。
アーク放電が生じた場合、上述したアーク遮断スイッチを用いて、パワーコンディショナ2008からの直流電源の供給をOFFにし、電流の流れを切断してアーク放電を消去することができる。
【0054】
図10を用いて、アーク放電が検出されると、自動的にアーク遮断スイッチをOFFとして、パワーコンディショナ2008からの給電が行われなくなる構成を説明する。図10はアーク放電の光量を検出する手段が設けられた多電圧対応直流給電コンセント2007を説明する図である。
図10(a)は、アーク放電の光量を測定する光センサ401が設けられた構成を示す図である。図10(b)及び図10(c)は、多電圧対応直流給電コンセント2007が使用されていない場合に、光センサ401にノイズとしての外部光が入射しないように、光センサ401を遮蔽する機能を示す図である。
【0055】
制御回路405が、多電圧対応直流給電コンセント2007毎に設けられ、図10(a)に示す光センサ401の検出するアーク放電による光量を示す測定電圧が予め設定された強度(例えば50000カンデラ)を超えた場合、時間のカウントを開始する。そして、上記制御回路405が、カウントした時間が予め設定した設定時間(例えば0.5秒)を超えた場合、直流電圧の電圧値の異なる端子毎に、多電圧対応直流給電コンセント2007の各端子とパワーコンディショナ2008からの配線との間に各々設けられたアーク遮断スイッチをOFFとし、多電圧対応直流給電コンセント2007の各端子に対するパワーコンディショナ2008からの給電を停止する。
【0056】
また、制御回路405は、光センサ401の出力する光量を示す測定電圧が、予め設定された強度を下回ったことを検出すると、時間のカウントを開始し、予め設定された断時間を経過しても、再度、測定電圧が設定された強度を超えない場合、アーク遮断スイッチをONとして、パワーコンディショナ2008から多電圧対応直流給電コンセント2007に対する直流電圧の給電を再開させる。一方、制御回路405は、予め設定された遮断時間(たとえば、1ms)を経過するまでに、再度、測定電圧が設定された強度を超えた場合、アーク遮断スイッチをOFFのままとして、光センサ401からの測定電圧の検出を継続する。
また、制御回路405がアーク遮断スイッチがOFFからONへの制御を行うのではなく、利用者がアーク遮断スイッチをOFFからONに手動で切り換えるように構成しても良い。
【0057】
また、上述したアーク放電の消去機構を設けた場合、太陽光や室内でのストロボ発光などの光を光センサ401が検出することによって、アーク遮断スイッチが誤作動しないように、多電圧対応直流給電コンセント2007の非使用時には、図10(b)及び図10(c)に示すように、光センサ401をシャッター402で覆い、外部光を遮蔽する構成とすることが望ましい。図10(b)は、多電圧対応直流給電コンセント2007内部を遮蔽するため、者ター402を占める途中を示しており、多電圧対応直流給電コンセント2007内部が部分的に遮蔽された例であり、図10(c)は、多電圧対応直流給電コンセント2007の全面を遮蔽する例である。すなわち、シャッター402は多電圧対応直流給電コンセント2007の光センサ401を含めた内部を隠すものであり、多電圧対応直流給電コンセント2007を使わないときには光センサ401が誤動作するのを防止するため、室内撮影のストロボなどの外部光の遮蔽を行う。また、多電圧対応直流給電コンセント2007に多電圧対応直流給電プラグ3001を差し込むと、この多電圧対応直流給電プラグ3001によりセンサ401が遮光される。
【0058】
また、図10(b)及び図10(c)のようにシャッター402で外部光を遮蔽する構造にすると、多電圧対応直流給電コンセント2007の壁面から各端子までの距離は短くても良い反面、シャッターの開け閉めを面倒に感じる利用者も存在する可能性がある。
このため、図11は上述したシャッター402の開閉の面倒を無くし、多電圧対応直流給電コンセント2007内部を遮光する方式を示す図である。図11に示すように、シャッター402で遮蔽するのではなく、ゴム状のシールで構成され、シールの中央が十字に切断されて割れている遮光カバー501を、外部光の遮蔽に用いるものである。
【0059】
図11(a)は、遮光カバー501を取り外した図である。この図において、周辺部2007Sから、後述する溝形状の端子が形成される底部2007Bまでの深さdは、第1の実施形態より深くなっている。これは、遮光カバー501のめくれがコンセント端子に到達すると、多電圧対応直流給電プラグ3001を挿すときに遮光カバー501が邪魔になるおそれがあるため、めくれた遮光カバー501が端子に到達しない距離としているためである。
図11(b)は、多電圧対応直流給電コンセント2007に対し、多電圧対応直流給電プラグ3001を差し込まない状態を示しており、遮光カバー501により、センサ401が設けられている凹部2007K内部が完全に遮光された状態となり、センサ401には外部からの光が入射しないようになっている。
【0060】
図11(c)は、多電圧対応直流給電コンセント2007に対し、多電圧対応直流給電プラグ3001を差し込む際、遮光カバー501がめくれて、凹部2007K内部が露出される状態を示している。遮光カバー501は、中央部を通る切り込みにより、例えば十文字の切り込みにより、多電圧対応直流給電プラグ3001が挿入される際、多電圧対応直流給電プラグ3001により切断されている中央部がめくれて、多電圧対応直流給電プラグ3001が多電圧対応直流給電コンセント2007に挿し込める構造になっている。
また、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を抜くと、めくれていた遮光カバー501が図11(b)の凹部2007K内部を遮光する状態に戻り、元通りに遮光センサ401を遮光することになる。
この場合、遮光カバー501のめくれがコンセント端子に到達すると、多電圧対応直流給電プラグ3001を挿すときに遮光カバー501が邪魔になるおそれがあるため、多電圧対応直流給電コンセント2007の壁面から、各端子までの距離を遮光カバー501のめくれる長さよりも長くするのが望ましい。なお、図11では内部の構造が判り易くするため、遮光カバー501を半透明状に記載しているが、実際には光を通さないような材質で作成されている。
【0061】
<太陽電池ブロック2001の構成>
図12を用いて、図1の直流電源部100における各太陽電池発電部で用いられている太陽電池ブロック2001の構成を説明する。図12は、太陽電池ブロック2001の構成例を示す図である。
図12は、一例として、同等の性能を有する3つの太陽電池セルを直列接続して直列接続回路としたものを、2組並列に接続して並列接続回路とした太陽電池ブロック2001を用いることにより、接続されている太陽電池セル1600の一部に影ができて発電量が低下しても全体の性能は低下しにくくなるというメリットも生じる。ただし、そのためには太陽電池に逆流防止ダイオード1601を直列接続しておくことが必要である。この逆流防止ダイオード1601については、直列接続されている太陽電池セル1600の列毎に一個、直列接続すれば十分である。逆流防止ダイオード1601は、カソードが他の逆流素子ダイオード1061のカソードと接続され、アノードが太陽電池セル1600の直列接続回路に接続されている。
【0062】
また、直列に接続されている太陽電池セル1600の一部に影ができた場合に備え、太陽電池セル1600毎にバイパスダイオード1602を並列に接続する。これにより、影になっていない太陽電池セル1600の発電した電流が、影により発電効率が下がった太陽電池セル1600をバイパスして流れることにより、電力が無駄に消費されることを防ぎ、また影により発電効率が下がった太陽電池セル1600の発熱(太陽電池セル1600に電流が流れることに起因する)も防止することができる。
図12に示すように接続することで、一部の太陽電池セル1600だけが影になった場合でも、その他の太陽電池セル1600の発電量を有効に活かすことが可能となる。その反面、各太陽電池セル1600に対してバイパスダイオード1602を並列に接続するため、使用されるバイパスダイオード1602の必要数量が増えてしまうという欠点もある。
【0063】
次に、図13を用いて、図1の直流電源部100における各太陽電池発電部で用いられている太陽電池ブロック2001の他の構成例である太陽電池ブロック2002を説明する。図13は、太陽電池ブロック2001の他の構成例を示す図である。
図13の構成においては、逆流防止ダイオード1701やバイパスダイオード1702の使用数量を減らす場合の接続例の一つである。
図13の構成においては、同等の性能を有する3つの太陽電池セルを直列接続して直列接続回路としたものを、2組並列接続して並列接続回路とした太陽電池ブロック2002が構成されている。
図13の場合、一つの太陽電池ブロック2001対し、1つの逆流防止ダイオード1701が直列に組み込まれている。また、バイパスダイオード1702も、一つの太陽電池ブロック2001に対して一つ並列に設けられている。この接続により、一つの太陽電池モジュールの中に含まれている複数の太陽電池セルのうち、一部のみが影の影響で発電量が落ちた場合、太陽電池ブロック2001全体がバイパスダイオード1702によりバイパスされることになり、影になっていない太陽電池セル1600での発電量が活かせなくなるが、バイパスダイオード1702の数を、図12の構成に比較して大幅に減らすことができる。
【0064】
また、図1においては、直流電源部100が直流電圧のそれぞれの電圧値に対応する太陽電池発電部から構成されているが、図14に示すように、1つの太陽電池発電部から、必要な直流電圧の各電圧値を供給する構成としても良い。
図14は、太陽電池ブロック2001を直列に接続して、直列接続における各太陽電池ブロック2001の接続点から、供給する直流電圧を出力する直流電源部100の構成を示す図である。
直列接続する場合、低電圧の直流電圧を発電する部分の太陽電池ブロック2001対し、より高い電圧の直流電圧を発電する部分に比較して、高い電流容量を有する太陽電池ブロックを用いている。
【0065】
図14において、直流電源部100は例えば、8個の太陽電池ブロック2001A、2001B、2001C(2個)、200D(4個)が直列に接続されている。ここで、直流電源部100は、この8個の直列接続において、接続点Aから最も低電圧の3Vの直流電圧を出力し、接続点Bから12Vの直流電圧を出力し、接続点Cから48Vの直流電圧を出力し、接続点Dから400Vの直流電圧を出力している。接続点Aの3Vは配線2003を介して、接続点Bの12Vは配線2004を介して、接続点Cの48Vは配線205を介して、接続点Dの400Vは配線2006を介して、GND端子は配線2002を介して、多電圧対応直流給電コンセント2007に接続されている。各太陽電池ブロックの電流容量の関係は、以下の式のようになる。
[2001A]>[2001B]>[2001C]>[2001D]
上記式において、[2001A]は太陽電池ブロック2001Aの電流容量であり、[2001B]は太陽電池ブロック2001Bの電流容量であり、[2001C]は太陽電池ブロック2001Cの電流容量であり、[2001D]は太陽電池ブロック2001Dの電流容量である。
3Vを供給する太陽電池ブロック2001Aが最も大電流出力可能な太陽電池ブロックであり、400Vを供給するための太陽電池ブロック2001Dが最も小さな電流容量(特に大電流出力可能でない)太陽電池ブロックとなる。図14に示す構成とすることにより、直流電圧の電圧値毎の太陽電池発電部を設ける必要が無いため、直流電源部100(太陽電池ブロックが配列された構成)の設置面積を減らすことが可能となる。
【0066】
[第2の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図15は、第2の実施形態による直流給電装置で用いられる多電圧対応直流給電コンセント及び多電圧対応直流給電プラグの構成の一例を示したものである。第1の実施形態と同様な構成については、同一の符号を付し、この説明を省略する。以下、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
第1の実施形態においては、多電圧対応直流給電コンセント2007の端子が同心円状の溝で形成されており、また多電圧対応直流給電プラグ3001の端子が同心円状の突起状の導体の周壁で形成されていた。一方、第2の実施形態においては、多電圧対応直流給電コンセントの端子が異なる径を有する円形状の溝として、底部2007Bに、この底部2007Bの面に対して垂直方向に形成され、多電圧対応直流給電プラグの端子が円柱形状の突起で、配置形状が櫛の歯状(くし形)になっている。
【0067】
例えば、多電圧対応直流給電コンセント2007において、直流電圧の各電圧値に対応する凹部2007Kの底部2007Bに、この底部2007Bの面に対して垂直な溝として形成された端子として、右から端子601JがGND端子であり、端子602Jが3V端子であり、端子603Jが12V端子であり、端子604Jが48V端子であり、端子605Jが400V端子である。このように、電圧値は一例であるが、右側から左側の端子となるに従い、端子の供給する直流電圧の電圧値が高くなるように、端子601J(最も端子の溝径が大きい)〜端子605J(最も端子の溝径が小さい)として配置されている。端子602J〜端子605Jは、差し込み口(メス側:ジャック)であり溝形状に形成されている。端子602J〜端子605Jの溝内の内面には、端子の構成要素として導体の膜が貼着されており、導体の膜がそれぞれの直流電圧の電圧値の配線2002から配線206に接続されている。この導体の膜を介して、配線2002〜配線206と、端子602J〜端子605Jとが、それぞれ電圧値に対応して電気的に接続されることになる。
【0068】
上述したように、電流が大きくなる傾向がある低電圧の端子ほど、溝の径が大きく形成されているため、接触断面積が大きくなり、接触抵抗が低下するため、コンセント部分での電圧降下や発熱も極力防げるというメリットがある。また、この溝の径及び周壁の径を電圧値毎に変えることにより、接触抵抗を小さくできるようになっているだけでなく、多電圧対応直流給電コンセント2007に対して、多電圧対応直流給電プラグ3001を逆向きに挿入することを防ぐことができる。また、パワーコンディショナ2008からの各端子への配線に用いる直流ケーブル内の導線についても、GNDや低電圧の給電に用いる端子は、より高い電圧の給電に用いるものに対して電気抵抗の少ないもの(例えば、太い導線を用いる、抵抗の小さい材質の導線を用いるなど)にすることが望ましい。
また、多電圧対応直流給電コンセント2007のGND端子以外の端子の溝の径と、多電圧対応直流給電プラグ3001のGND端子以外の突起の径とを同一とし、多電圧対応直流給電コンセント2007のGND端子である端子601Jの溝の径と、多電圧対応直流給電プラグ3001のGND端子である突起の径とを、GND端子以外の端子より大きくした構成としても良い。この場合、多電圧対応直流給電コンセント2007におけるGND端子以外の端子の溝の径と、多電圧対応直流給電プラグ3001におけるGND端子以外の突起の径とを、直流電圧の異なる電圧値の端子間で同一の径として構成しても良い。
【0069】
次に、本実施形態における多電圧対応直流給電コンセント2007に用いる多電圧対応直流給電プラグ3001の構成を説明する。図15においては、本実施形態における多電圧対応直流給電コンセント2007に用いる多電圧対応直流給電プラグ3001の直流電圧の各電圧値の端子の配置の一例を示す図である。
多電圧対応直流給電プラグ3001において、直流電圧の各電圧値に対応する端子群203として、各端子が基部3001Dの表面に、この基部3001の表面に対して垂直に円柱状に形成され、右から端子601PがGND端子であり、端子602Pが3V端子であり、端子603Pが12V端子であり、端子604Pが48V端子であり、端子605Pが400V端子であり、図6と同様に基部3001Dの表面上に、この基部3001Dの面に対して垂直方向に延在するように形成されている。
このように、電圧値は一例であるが、右側から左側の端子となるに従い、端子の供給する直流電圧の電圧値が高くなるように、端子601P(最も端子の突起の径が大きい)〜端子605P(最も端子の突起の径が小さい)として配置されている。端子601P〜端子605Pは、多電圧対応直流給電コンセント2007の差し込み口にそれぞれ挿入される突起状の導体の周壁により形成されている。
【0070】
上述したように、多電圧対応直流給電コンセント2007と多電圧対応直流給電プラグ3001とにおいて、それぞれの電圧値の端子が異なる直径の円形状の溝、あるいは径の異なる円柱状の突起により形成されているため、各電圧値の端子がそれぞれ異なる形状となり、従来のように端子を取り違えることを防止し、必要な電圧値の端子を利用者が意識することなく、間違いなく必要な電圧値の直流電圧を使用することができる。
また、第1の実施形態の図6及び図9における多電圧対応直流給電コンセント2007と多電圧対応直流給電プラグ3001との「多電圧対応直流給電コンセントのロック構成」及び「アーク放電が発生した場合、このアーク放電を早期に消去する構成」についてもこの構成を第2の実施形態に対して用いることができる。
【0071】
次に、図16を用いて、図15の多電圧対応直流給電プラグ3001の変形例を説明する。図16は、図15の多電圧対応直流給電プラグ3001と、基部3001D表面における導体の突起(端子)の配置が異なる、多電圧対応直流給電プラグ3002の構成例を説明する図である。
多電圧対応直流給電コンセント2007側は全ての電圧を備えている必要があるが、多電圧対応直流給電プラグ3001側はそのプラグにつながっている電気機器で使用する電圧に対応する端子だけを備える構成にしても良い。
したがって、例えば3Vのみで駆動する機器のプラグは、GND端子である端子601Pと、3V端子である端子602Pのみが基部3001Dに形成された多電圧対応直流給電プラグ3002にしても良い。
この多電圧対応直流給電プラグ3002の構成としても、多電圧対応直流給電コンセント2007の端子603J、端子604J、端子605Jに対して、突起状の導体の周壁の端子部分が接続されないだけで、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3002に対し、3Vの直流電圧の給電が正常に行われる。
【0072】
次に、図17を用いて、図15の多電圧対応直流給電プラグ3001の変形例を説明する。図17は、図15の多電圧対応直流給電プラグ3001と、基部3001Dの表面における導体の突起(端子)の配置が異なる、多電圧対応直流給電プラグ3003の構成例を説明する図である。
多電圧対応直流給電コンセント2007側は全ての電圧を備えている必要があるが、多電圧対応直流給電プラグ3003側はそのプラグにつながっている電気機器で使用する電圧に対応する端子だけを備える構成にしても良い。
したがって、例えば12V及び48Vの2種類の電圧値で駆動する機器のプラグは、GND端子である端子601Pと、12V端子である端子603P、48V端子である端子604Pの3つの端子の突起のみが基部3001Dの表面に形成された多電圧対応直流給電プラグ3003にしても良い。
この多電圧対応直流給電プラグ3003の構成としても、多電圧対応直流給電コンセント2007の端子602J及び端子605Jに対して、導体の突起の端子部分が接続されないだけで、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3003に対し、12V及び48Vの直流電圧の給電が正常に行われる。
【0073】
また、図17に示す多電圧対応直流給電コンセント2007及び多電圧対応直流給電プラグ3002、3003(3001も同様)においては、隣接する端子間の電位差がなるべく小さくなる順番に配置されている。アーク放電は大体50V以下の電圧なら生じ難いことが知られており、隣接する端子間の電位差をほぼ50V以下に抑えることにより、隣接する端子間において無用なアーク放電を防止することができる。
一方、400V端子と48V端子間の電位差(電圧)は352Vもあるため、アーク放電を生じやすい。このため、隣接する端子間の電位差をほぼ50V以下に抑えた多電圧対応直流給電コンセント2007及び多電圧対応直流給電プラグ3003を用いるようにしても良い。
上述した図16及び図17の多電圧対応直流給電コンセント2007及び多電圧対応直流給電プラグ、3002、3003のように、必要な端子のみの多電圧対応直流給電プラグ3003とすることにより、使用者はコンセントに接続しようとしている電気機器がどのような電圧で駆動されるのかを事前に知ることができる。
【0074】
また、図18に示す多電圧対応直流給電コンセント2007のように、電位差が大きくなる端子間の距離を長くすることも、この端子間でのアーク放電を防止するのに効果がある。この図18は、多電圧対応直流給電コンセント2007の各電圧値の端子の配置を示している。右側から、GND端子の端子601J、3V端子の端子602J、12V端子の端子603J、48V端子の端子604J、400V端子の端子605Jの順番で配置されている。
この配置において、端子604Jと端子605Jとの間の電圧の電位差が352Vあるため、他の隣接する電位差が50V以下の端子間の間隔に比較して、端子604Jと端子605Jとの間隔をより長い距離としている。また、多電圧対応直流給電プラグ3001(3002、3003も同様)は、図6の多電圧対応直流給電コンセント2007の底部2007Bに配置された端子に対応して、基部3001Dの表面に端子を配列する。
このように、本実施形態においては、アーク放電の発生を防止するため、隣り合う端子間の電位差をほぼ50V以下に抑えるか、または50Vを超える電位差が生じる端子間の物理的な距離を大きくとった多電圧対応直流給電コンセント2007及び多電圧対応直流給電プラグ3001を用いている。
【0075】
[第3の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。 図19を用いて、GND端子以外の電圧値の端子が櫛の歯状に配置されており、GND端子が櫛の歯状に配置された他の端子を取り巻く周壁として構成されている多電圧対応直流給電プラグ3001、またGND端子が櫛の歯状に配置された他の端子を取り巻く周溝(側溝)として構成されている多電圧対応直流給電コンセント2007及びを説明する。第1の実施形態と同様な構成については、同一の符号を付し、この説明を省略する。以下、第3の実施形態において、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
図19において、多電圧対応直流給電コンセント2007の端子は、直流電圧の各電圧値に対応する凹部2007Kの底部2007Bに、底部2007Bの面に対して垂直に形成され配置された端子として、右から、端子602Jが3V端子であり、端子603Jが12V端子であり、端子604Jが48V端子であり、端子605Jが400V端子である。このように、電圧値は一例であるが、右側から左側の端子となるに従い、端子の供給する直流電圧の電圧値が高くなるように、円形状(開口面が丸い溝状)の端子602J(最も端子の溝径が大きい)〜端子605J(最も端子の溝径が小さい)として配置されている。端子602J〜端子605Jは、差し込み口(メス側:ジャック)であり径の異なる円形の溝形状に形成されている。端子601JがGND端子であり、一列に配列した直流電圧の端子の周囲に側溝として形成されている。
【0076】
また、本実施形態における多電圧対応直流給電コンセント2007に用いる多電圧対応直流給電プラグ3001の構成を図19により説明する。図19は、本実施形態における多電圧対応直流給電コンセント2007に用いる多電圧対応直流給電プラグ3001の直流電圧の各電圧値の端子の配置の一例を示す図である。
直流電圧の各電圧値に対応する基部3001Dに、この基部3001Dの表面に対して垂直に延在する突起として形成された端子として、右から、端子602Pが3V端子であり、端子603Pが12V端子であり、端子604Pが48V端子であり、端子605Pが400V端子である。
このように、電圧値は一例であるが、基部30001Dの表面において、右側から左側の端子となるに従い、端子の供給する直流電圧の電圧値が高くなるように、円柱状の端子602P(最も端子の突起の径が大きい)〜端子605P(最も端子の突起の径が小さい)として配置されている。端子602P〜端子605Pは、多電圧対応直流給電コンセント2007の差し込み口にそれぞれ挿入される突起状の導体の周壁により形成されている。端子601PがGND端子であり、櫛状に配列した直流電圧の端子の周囲に側壁として形成されている。
【0077】
この構成にすることで、手に触れやすい端子601PがGNDであるため、電圧が0Vなので、万一給電中に利用者が手に触れたとしても、感電事故が発生しないという効果がある。
また、多電圧対応直流給電コンセント2007の端子の溝、及び多電圧対応直流給電プラグ3001の端子である突起の径を電圧値が低いほど大きくしているため、接触面積が大きくなり、電流量を多く流す必要のある最も低い電圧値の端子の抵抗を、低減させることができる。
また、多電圧対応直流給電プラグ3001において、直流電圧の電圧降下や、接触抵抗による発熱も極力抑制できる効果がある。
【0078】
また、アーク放電の発生を防止するため、多電圧対応直流給電コンセント2007において、各端子の溝と、周囲の側溝との距離を、端子の電圧値が高くなるに従い大きくしており、側溝(端子601J)の形状は涙滴状あるいは卵形状となっている。
同様に、多電圧対応直流給電プラグ3001において、各端子の周壁と、周囲の側壁との距離を、端子の電圧値が高くなるに従い大きくしており、側壁(端子601P)の形状は涙滴状あるいは卵形状となっている。
この構成により、電流が供給されている際に、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3001を抜く場合に発生する端子間のアーク放電を防止することができる。
【0079】
次に、図20を用いて、図20の多電圧対応直流給電プラグ3001の変形例を説明する。図20は、図19の多電圧対応直流給電プラグ3001と突起状の導体(端子)の配置が異なる、多電圧対応直流給電プラグ3002の構成例を説明する図である。
多電圧対応直流給電コンセント2007側は全ての電圧を備えている必要があるが、多電圧対応直流給電プラグ3002側はそのプラグにつながっている電気機器で使用する電圧に対応する端子だけを備える構成にしても良い。
したがって、例えば3Vのみで駆動する機器のプラグは、GND端子である端子601Pと、3V端子である端子602Pのみを基部3001Dの表面に形成した多電圧対応直流給電プラグ3002にしても良い。
この多電圧対応直流給電プラグ3002の構成としても、多電圧対応直流給電コンセント2007の端子603J、端子604J、端子605Jに対して、突起状の導体の端子部分が接続されないだけで、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3002に対し、3Vの直流電圧の給電が正常に行われる。
【0080】
次に、図21を用いて、図19の多電圧対応直流給電プラグ3001の変形例を説明する。図21は、図19の多電圧対応直流給電プラグ3001と突起状の導体の配置が異なる、多電圧対応直流給電プラグ3003の構成例を説明する図である。
多電圧対応直流給電コンセント2007側は全ての電圧を備えている必要があるが、多電圧対応直流給電プラグ3003側はそのプラグにつながっている電気機器で使用する電圧に対応する端子だけを備える構成にしても良い。
したがって、例えば12V及び48Vの2種類の電圧値で駆動する機器のプラグは、GND端子である端子601Pと、12V端子である端子603P、48V端子である端子604Pの2つの端子しか存在しない多電圧対応直流給電プラグ3003にしても良い。
この多電圧対応直流給電プラグ3003の構成としても、多電圧対応直流給電コンセント2007の端子602J及び端子605Jに対して、突起状の導体の端子部分が接続されないだけで、多電圧対応直流給電コンセント2007から多電圧対応直流給電プラグ3003に対し、12V及び48Vの直流電圧の給電が正常に行われる。
上述した構成にすることで、使用者は多電圧対応直流給電コンセント2007に接続しようとしている電気機器が、いずれの電圧で駆動されるのかを事前に知ることができる。
また、第1の実施形態の図6及び図9における多電圧対応直流給電コンセント2007と多電圧対応直流給電プラグ3001との「多電圧対応直流給電コンセントのロック構成」及び「アーク放電が発生した場合、このアーク放電を早期に消去する構成」についてもこの構成を第3の実施形態に対して用いることができる。
【符号の説明】
【0081】
100…直流電源部
101,102,103,104…太陽電池発電部
202…穴
204…ストッパー
205…ケーブル
207…突起
2009…蓄電池
301…巻線
302…永久磁石
303…電磁石
304…絶縁体
306…配線導体
307,308…接点
309…スイッチ
401…光センサ
402…シャッター
405…制御回路
501…遮光カバー
2001,2001A,2001B,2001C,2001D…太陽電池ブロック
2002,2003,2004,2005,2006…配線
2007…多電圧対応直流給電コンセント
2010…送電線
2100…引き込み電柱
2101…家
3001,3002,3003…多電圧対応直流給電プラグ
601J,602J,603J,604J,605J…端子
601P,602P,603P,604P,605P…端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる電圧値の直流電圧を出力する直流電源部と、
前記複数の異なる直流電圧の各々を供給する端子を有し、当該端子のうち少なくとも1つが、他の電圧値の端子と異なる形状にて形成されたコンセントと
を有することを特徴とする直流給電装置。
【請求項2】
前記直流電源部が、前記直流電圧の各々の電圧値を生成するよう、それぞれの電圧値毎に複数の太陽電池を組み合わせた太陽電池発電部から構成され、前記複数の電圧値の直流電圧の各々を、前記太陽電池発電部の各々により発電することを特徴とする請求項1に記載の直流給電装置。
【請求項3】
前記コンセントに少なくとも3つの電圧値の直流電圧の端子が設けられており、隣接する端子間の電位差が、直流電圧の電圧値の組み合わせのなかで最小となるように、前記端子が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流給電装置。
【請求項4】
前記コンセントが、当該コンセントに差し込まれるプラグに設けられたストッパーを挿入される穴を有し、
前記穴がコンセントにプラグを挿入、あるいは引き抜く方向に対して垂直方向に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の直流給電装置。
【請求項5】
給電中に前記ストッパーが不用意に抜けてしまうのを防ぐためのロック機構として、電磁石によるロック機構と手動によるロック機構の少なくとも二種類のロック機構を備え、
手動によるロック機構がセットされていない状態では電磁石によるロック機構が作動し、
手動によるロック機構がセットされた状態では電磁石によるロック機構が作動しなくなる仕組みを備えることを特徴とする請求項4に記載の直流給電装置。
【請求項6】
前記コンセントの前記端子に発生する放電の光を検出する光センサと、
前記光センサの出力が予め設定した閾値を超えた場合、前記直流電源部と前記コンセントの前記端子との接続を切断する制御部と
を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の直流給電装置。
【請求項7】
前記光センサに外光が照射されないように、前記コンセントに遮光部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の直流給電装置。
【請求項8】
前記コンセントにおいて、前記端子の各々が同心円状に形成されており、最外部の端子がグランド端子であり、同心円における内部の端子となるに従い、直流電圧の電圧値がより高くなるよう配置されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の直流給電装置。
【請求項9】
前記コンセントにおいて、前記複数の直流電圧を供給する端子が直列に配列しており、一方の端部の端子がグランド端子であり、他方の端部に向かうに従い、より高い電圧の端子が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の直流給電装置。
【請求項10】
前記コンセントにおいて、前記複数の直流電圧を供給する端子が直列に配列しており、一方の端部が最も電圧値の低い直流電圧の端子であり、他方の端部に向かうに従い、より高い電圧の端子が配置され、当該直列に配列した端子をグランド端子が囲む構成となっていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の直流給電装置。
【請求項11】
直流電源部より供給される複数の異なる電圧値の直流電圧を、
当該複数の異なる直流電圧の各々を供給する端子を有し、当該端子のうち少なくとも1つが、他の電圧値の端子と異なる形状にて形成されたコンセントにより、供給することを特徴とする直流給電方法。
【請求項12】
複数の異なる直流電圧の各々を供給する端子を有し、当該端子のうち少なくとも1つが、他の電圧値の端子と異なる形状にて形成されたことを特徴とする直流給電コンセント。
【請求項13】
当該コンセントに差し込まれるプラグに設けられたストッパーを挿入する穴を有し、
前記穴がコンセントにプラグを挿入、あるいは引き抜く方向に対して垂直方向に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の直流給電コンセント。
【請求項14】
給電中に前記ストッパーが不用意に抜けてしまうのを防ぐためのロック機構として、電磁石によるロック機構と手動によるロック機構の少なくとも二種類のロック機構を備え、
手動によるロック機構がセットされていない状態では電磁石によるロック機構が作動し、
手動によるロック機構がセットされた状態では電磁石によるロック機構が作動しなくなる仕組みを備えることを特徴とする請求項13に記載の直流給電コンセント。
【請求項15】
複数の異なる直流電圧の各々の給電を受ける端子を有し、当該端子のうち少なくとも1つが、他の電圧値の端子と異なる形状にて形成されたことを特徴とする直流給電プラグであって、
当該プラグが不用意にコンセントから抜けないようにするためのストッパーを有し、
給電中に前記ストッパーが不用意に抜けてしまうのを防ぐためのロック機構として、電磁石によるロック機構と手動によるロック機構の少なくとも二種類のロック機構を備え、
手動によるロック機構がセットされていない状態では電磁石によるロック機構が作動し、
手動によるロック機構がセットされた状態では電磁石によるロック機構が作動しなくなる仕組みを備えることを特徴とする直流給電プラグ。
【請求項16】
前記請求項8に記載のコンセントに対応する直流給電用プラグであり、
円形状に配置された複数の同心の端子を有し、最外部の端子がグランド端子であり、その他の端子が直流電源部から供給され直流電圧の供給を受ける端子であることを特徴とする直流給電プラグ。
【請求項17】
前記請求項9に記載のコンセントに対応する直流給電用プラグであり、
直列に配置された複数の整列した端子を有し、一つの端子がグランド端子であり、その他の端子が直流電源部から供給された直流電圧を受電する端子であることを特徴とする直流給電プラグ。
【請求項18】
前記請求項10に記載のコンセントに対応する直流給電用プラグであり、
少なくとも一つの端子とそれを取り囲む卵形の形状の端子と有し、前記卵形の形状の端子がグランド端子であり、その他の端子が直流電源部から供給された直流電圧を受電する端子であることを特徴とする直流給電プラグ。
【請求項19】
複数の異なる電圧値の直流電圧を出力する直流電源部に接続された、前記複数の異なる直流電圧の各々を供給する端子が、前記電圧値毎に異なる形状にて形成された直流給電コンセントと、
当該直流給電コンセントの穴に差し込むストッパーを有する、前記直流給電コンセントの差込口に挿入されるプラグと
の組み合わせであり、
前記直流給電コンセントに直流給電プラグが挿入された際に前記ストッパーを挿入する穴が、直流給電コンセントに直流給電プラグを挿入あるいは引き抜く方向に対して垂直方向に設けられ
ていることを特徴とする直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせ。
【請求項20】
前記電磁石を構成する巻線が前記直流電圧のグランド配線に介挿され、前記ストッパーが当該グランド配線に電流が流れると磁化する電磁石として構成されており、
前記穴内部において前記ストッパーの先端と対向する位置に、前記電磁石が磁化された際、前記先端との対向部分が異極となるよう磁石が設けられており、
前記端子のいずれから直流電流を供給している際、前記電磁石が磁化して前記磁石と引き合うことを特徴とする請求項19に記載の直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせ。
【請求項21】
直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせであって、
通電中に不用意にプラグがコンセントから抜けてしまうのを防ぐためのロック機構として、電磁石によるロック機構と、手動でストッパーをセットするロック機構の二種類のロック機構を備え、
手動でのロック機構がセットされていない状態では電磁石によるロック機構が作動し、
手動でのロック機構がセットされた状態では電磁石によるロック機構が作動しなくなる仕組みを備えること
を特徴とする直流給電プラグと直流給電コンセントの組み合わせ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2011−113727(P2011−113727A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267518(P2009−267518)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】