説明

移動無線端末装置

【課題】 着信時やメールの受信時に、通信相手を容易に認識することが可能で、利便性の高い移動無線端末装置を提供する。
【解決手段】 電話帳データ記憶エリア60aは、電話帳データとして、通信相手の名称と、電話番号と、電子メールアドレスと対応づけて記憶する他に、着信時やメールの受信時の報知動作に用いる画像データの識別情報と、着信音や着信メロディの識別情報と、背景色の識別情報と、振動体53の振動パターンの識別情報を対応づけて記憶する。画像データ記憶エリア60bは、画像データをそれぞれ識別情報に対応づけて記憶する。着信音データ記憶エリア60cは、複数の着信音や着信メロディのデータを記憶する。制御部100は、着信時や電子メールの受信時に、電話帳データ記憶エリア60aに記憶される電話帳データに基づいて複数の画像を表示部71に表示して報知動作を行うようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、送信側を識別する識別情報を受信側に通知可能な移動通信システムに用いられる移動無線端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、移動無線端末装置は、通常の音声通信機能の他に、電子メールの送受信機能を備えるようになった。そして、電話帳機能には、通信相手の名称に電話番号を対応づけて記憶するこれまでの機能に加えて、電子メールアドレスを対応づけて記憶することを可能としている。
【0003】また、従来より移動無線端末装置は、複数の着信音や着信メロディを選択的に再生する機能を備えている。そして、この機能を利用し、着信相手やメールの送信元に応じて、相手の名称を表示部に表示するのに加え、着信元に応じた着信音や着信メロディを再生するようにしている。
【0004】しかしながら、移動無線端末装置では、電話帳機能に登録可能な通信相手の数は、最大で数百件に及んでおり、ユーザが着信音や着信メロディで、着信元を判定するのは困難であり、利便性が低かった。
【0005】また、着信時には、上述したように予め登録しておいた名称が表示されるものの、同じような紛らわしい名称が存在する場合や、登録したデータが多数になると、名称では直感的に分かりにくい相手も存在し、利便性が低いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の移動無線端末装置では、電話帳機能に登録可能な通信相手の数は、最大で数百件に及んでおり、ユーザが着信音や着信メロディで、着信元を判定するのは困難であり、利便性が低かった。
【0007】また、着信時には、上述したように予め登録しておいた名称が表示されるものの、同じような紛らわしい名称が存在する場合や、登録したデータが多数になると、名称では直感的に分かりにくい相手も存在し、利便性が低いという問題があった。
【0008】この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、着信時やメールの受信時に、通信相手を容易に認識することが可能で、利便性の高い移動無線端末装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に係わる本発明は、通信を要求した側の端末装置を識別する識別情報を基地局を通じて着信側に通知可能な移動通信システムに用いられる移動無線端末装置において、画像を表示可能な表示手段と、識別情報に対応づけて、複数の画像データを記憶可能な記憶手段と、基地局から受信した情報より識別情報を検出する識別情報検出手段と、基地局を通じて送信側からの通信要求が生じた場合に、識別情報検出手段にて検出した識別情報に対応する画像データを記憶手段から検出し、この検出した画像データを表示手段に表示する表示制御を行う報知制御手段を具備して構成するようにした。
【0010】また、請求項2に係わる本発明は、基地局と無線接続し、この基地局を通じて電子メールを受信可能な移動無線端末装置において、画像を表示可能な表示手段と、電子メールの送信元を識別する識別情報に対応づけて、複数の画像データを記憶可能な記憶手段と、受信した電子メールから、識別情報を検出する識別情報検出手段と、基地局を通じて電子メールを受信した場合に、識別情報検出手段にて検出した識別情報に対応する画像データを記憶手段から検出し、この検出した画像データを前表示手段に表示する表示制御を行う報知制御手段とを具備して構成するようにした。
【0011】上記構成の移動無線端末装置では、基地局を通じて送信側からの通信要求が生じた場合、あるいは基地局を通じて電子メールを受信した場合に、識別情報検出手段にて検出した識別情報に対応する画像データを記憶手段から検出し、この検出した画像データを表示手段に表示する表示制御を行って、着信の発生や電子メールの受信を報知するようにしている。
【0012】したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、発信者に応じて、任意の画像により発信者が誰であるか報知できるので、通信相手を容易に認識することが可能で、利便性を高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態に係わる通信端末装置の構成を示すもので、ここでは、図示しない基地局との間で、TDMA(Time Division Multiple Access)方式によって無線通信を行う移動無線端末装置を例に挙げて説明する。
【0014】この図に示す移動無線端末装置は、アンテナ11を備えた無線部10と、モデム部20と、TDMA部30と、スピーカ43およびマイクロホン44(M)を備えた通話部40と、着信報知部50と、メモリ部60と、ユーザインターフェイス部70と、制御部100とから構成される。
【0015】移動通信網に接続される基地局から無線通話チャネルを介して送られた無線周波信号は、アンテナ11で受信されたのち無線部10の高周波スイッチ(SW)12を介して受信部13に入力される。
【0016】この受信部13では、上記受信された無線周波信号が周波数シンセサイザ14から発生された受信局部発振信号とミキシングされて受信中間周波信号に周波数変換される。
【0017】なお、上記周波数シンセサイザ14から発生される局部発振周波数は、無線チャネル周波数に応じて制御部100より指示される。また、無線部10には受信電界強度検出部(RSSI)16が設けられている。
【0018】この受信電界強度検出部16では基地局から到来した無線周波信号の受信電界強度(以下、RSSIと称する)が検出され、その検出値は制御部100に通知される。
【0019】上記受信部13から出力された受信中間周波信号は、モデム部20の復調部21に入力される。復調部21では上記受信中間周波信号のディジタル復調が行なわれ、これによりディジタル通話信号が再生される。
【0020】TDMA部30のTDMAデコード部31では、制御部100の指示に従ってタイムスロットごとに上記ディジタル通話信号が分解される。そして、この分解された複数のディジタル通話信号のうち、自機宛てのスロットのディジタル通話信号が通話部40に入力される。
【0021】通話部40は、適応差分PCMトランスコーダ(ADPCM TRANS CODER)41とPCMコーデック(PCM CODEC)42とからなり、上記ディジタル通話信号はこの適応差分PCMトランスコーダ41およびPCMコーデック42で順次復号されてアナログ通話信号に再生される。そして、このアナログ通話信号は図示しない受話増幅器で増幅されたのちスピーカ43から拡声出力される。
【0022】一方、マイクロホン44に入力された送話音声は、PCMコーデック42および適応差分PCMトランスコーダ41で順次符号化されてディジタル通話信号となり、TDMAエンコード部32に入力される。
【0023】TDMAエンコード部32では、上記適応差分トランスコーダ41から出力されたディジタル通話信号が制御部100から指示されたタイムスロットに挿入されて、変調部22に入力される。変調部22では、上記ディジタル通話信号により搬送波信号がディジタル変調される。このようにして変調された搬送波信号は、送信部15に入力される。
【0024】送信部15では、上記変調された搬送波信号が周波数シンセサイザ14から発生された送信局部発振信号とミキシングされることにより、制御部100より指示された無線チャネル周波数に周波数変換されたのち、所定の送信電力レベルに増幅される。そして、このようにして送信部15により周波数変換および信号増幅された無線周波信号は、高周波スイッチ12を介してアンテナ11から基地局に向け送信される。
【0025】着信報知部50は、当該端末装置宛てに着信があった場合に、制御部100の制御によりユーザに対して着信を報知するもので、可聴音を発して報知を行なう発音体51と、発光により報知を行なう発光体52と、例えば偏心モータなどにより振動を発生して報知を行なう振動体53とからなる。
【0026】メモリ部60は、例えばROMやRAMなどの半導体メモリを記憶媒体としたもので、この記憶媒体には制御部100の制御プログラムや認証に必要な自機のIDデータ、種々の制御データ、各種設定データ、作成した電子メールや受信した電子メールなどを記憶する他に、電話帳データ記憶エリア60a、画像データ記憶エリア60b、着信音データ記憶エリア60cを備える。
【0027】電話帳データ記憶エリア60aは、電話帳データを記憶するエリアで、図2に示すように、通信相手の名称と、電話番号と、電子メールアドレスと対応づけて記憶する他に、着信時やメールの受信時の報知動作に用いる、画像データの識別情報(p000〜p999)と、着信音や着信メロディの識別情報(m00〜m99)と、背景色の識別情報(c0〜c9)と、振動体53の振動パターンの識別情報(v0〜v9)を対応づけて記憶するエリアである。
【0028】画像データ記憶エリア60bは、写真やイラスト、アイコンなどの画像データp000〜p999をそれぞれ識別情報に対応づけて記憶するものである。なお、ここに記憶される画像データは、予め登録されるもの以外に、基地局を通じてネットワークよりダウンロードしたり、後述する外部インターフェイス(I/F)80を通じて取り込んだり、あるいはカメラ90にて撮像したりして、追加することが可能である。
【0029】着信音データ記憶エリア60cは、複数の着信音や着信メロディのデータm00〜m99を記憶するものである。なお、ここに記憶されるデータは、予め登録されるもの以外に、ユーザが後述するキー入力部72を操作してコード入力することにより追加したり、あるいは基地局を通じてネットワークよりダウンロードしたりして、追加することが可能である。
【0030】ユーザインターフェイス部70は、表示部71とキー入力部72とからなる。表示部71は、カラー表示が可能な例えばLCD(Liquid Crystal Display)であって、ユーザに対して自機の状態(発信/着信、バッテリ残量、受信強度)やメモリ部60から読み出したダイヤルデータ、電子メールなどテキストデータ、画像データなどを視覚的に示すためのものである。
【0031】キー入力部72は、ダイヤル番号入力を行なうためのテンキーなど発着信に関わる通常の通話機能を実施するためのキーの他、着信報知方法(可聴音/発光/バイブレータ/報知なし)の切り換え、着信音や着信メロディのコード入力などの各種設定や種々の機能を利用するためのキーを備えたものである。なお、これらのキーは、電子メールの作成時には、文字入力キーとして使用できる。
【0032】外部インターフェイス80は、PDA(Personal Digital Assistance)やパーソナルコンピュータなどの電子機器を接続可能なインターフェイスで、制御部100の制御により、上記電子機器との間で種々のデータの入出力を行うものである。
【0033】カメラ90は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(ComplementaryMetal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備えた電子カメラで、撮像した画像のデータを制御部100に出力する。
【0034】制御部100は、例えばマイクロコンピュータを主制御部として備え、統括して上述した各部を制御するもので、上述したようなTDMA方式による音声通信や電子メールの送受信を行う制御機能など種々の制御機能を持つ。
【0035】また、制御部100は、キー入力部72を通じたユーザの要求に応じて、電話帳データ記憶エリア60aに記憶される電話帳データの編集制御や、着信が生じたり、あるいは電子メールを受信した場合に、電話帳データ記憶エリア60aに記憶される電話帳データに基づいた報知動作を行うための制御機能を備える。
【0036】なお、図1において図示は省略しているが、本装置の構成要素として、上述した各部を動作させるための電力を供給し、繰り返し充放電可能なバッテリを有する電源部が存在する。
【0037】次に、上記構成の移動無線端末装置の動作について説明する。なお、以下の動作説明では、本願発明に関わる電話帳データの編集動作と、着信時や電子メールの受信時の報知動作について説明する。これらの動作は、制御部100の制御によってなされる。
【0038】はじめに、電話帳データの編集動作に関わる処理について説明する。図3は、この処理を示すフローチャートである。キー入力部72を通じてユーザから電話帳データの編集要求があると、この処理は開始される。
【0039】まず、ステップ3aでは、着信時や電子メールの受信時に、表示部71に表示する画像データの設定を、キー入力部72を通じて受け付ける。ここでは、図4に示すような表示を表示部71に行って、画像データの設定を受け付ける。
【0040】■「画像あり」が選択されると、1〜4のパターンに対応づけて、ユーザが任意にファイルBOXから画像の名称を指定する。このファイルBOXとは、画像データ記憶エリア60bに記憶される画像データの識別情報p000〜p999に付与した名称を一覧表示するものである。
【0041】ここで、表示する画像の指定が完了すると、ここで受け付けた名称に対応する画像データの識別情報p000〜p999が、対応するパターンの順序で電話帳データ記憶エリア60aに記録され、ステップ3bに移行する。
【0042】例えば、図2において「山田太郎」氏の電話帳データには、1〜3パターン目までの画像データとして識別情報p001,p004,p005が設定されている。なお、■「画像なし」が設定された場合には、図2の「山本三郎」氏の電話帳データのように、表示画像のエリアには、画像の識別情報は何ら記録されない。
【0043】ステップ3bでは、着信時や電子メールの受信時に、発音体51を駆動制御して発する音やメロディの設定を、キー入力部72を通じて受け付ける。ここでは、図5に示すような表示を表示部71に行って、ユーザから着信音や着信メロディの設定を受け付ける。
【0044】ここで、鳴音出力する着信音や着信メロディの指定が完了すると、ここで受け付けた着信音や着信メロディに対応する識別情報m00〜m99が電話帳データ記憶エリア60aに記録され、ステップ3cに移行する。例えば、図2において「山田太郎」氏の電話帳データには、着信音として識別情報m05が設定されている。
【0045】ステップ3cでは、着信時や電子メールの受信時に、表示部71に表示する背景色の設定を、キー入力部72を通じて受け付ける。ここでは、図6に示すような表示を表示部71に行って、ユーザから背景色の設定を受け付ける。
【0046】ここで、背景色の指定が完了すると、ここで受け付けた背景色に対応する識別情報c0〜c9が電話帳データ記憶エリア60aに記録され、ステップ3dに移行する。例えば、図2において「山田太郎」氏の電話帳データには、背景色として識別情報c2が設定されている。
【0047】ステップ3dでは、着信時や電子メールの受信時に、振動体53の振動パターンの設定を、キー入力部72を通じて受け付ける。ここでは、図7に示すような表示を表示部71に行って、ユーザから振動パターンの設定を受け付ける。
【0048】ここで、振動パターンの指定が完了すると、ここで受け付けた振動パターンに対応する識別情報v0〜v9が電話帳データ記憶エリア60aに記録され、当該処理を終了する。
【0049】例えば、図2において「山田太郎」氏の電話帳データには、振動パターンとして識別情報v3が設定されている。なお、ユーザの指定により、「田中明子」氏の電話帳データのように、「振動なし」も設定可能である。
【0050】次に、着信時の報知動作に関わる処理について説明する。図8は、この処理を示すフローチャートで、この処理は、着信が生じた場合に開始される。ステップ8aでは、基地局を通じてネットワークより通知される発信者の電話番号に対応する電話帳データを、電話帳データ記憶エリア60aから検索する。そして、対応する電話帳データのデータを読み込み、ステップ8bに移行する。
【0051】ステップ8bでは、ステップ8aで求めた電話帳データに基づいて、表示部71を駆動制御して表示動作を開始し、ステップ8cに移行する。この表示動作の制御では、電話帳データに表示画像として設定される識別情報に対応する画像データを画像データ記憶エリア60bから読み出す。
【0052】そして、これらの画像を電話帳データに設定される順序で表示部71に表示する。また、背景色としては、電話帳データに表示画像として設定される識別情報に対応する色を表示部71を駆動制御して表示する。
【0053】なお、画像データは、電話帳データに設定される順序で表示部71に表示するが、図9に示すように、画像データを切り替え表示する間に、ネットワークより通知される発信者の電話番号とこれに対応する名称を表示する。
【0054】ステップ8cでは、ステップ8aで求めた電話帳データに基づいて、発音体51を駆動制御して鳴音動作を開始し、ステップ8dに移行する。この鳴音動作の制御では、電話帳データに着信音として設定される識別情報に対応する着信音や着信メロディのデータを、着信音データ記憶エリア60cから読み出し、このデータに従って鳴音制御を開始する。
【0055】ステップ8dでは、ステップ8aで求めた電話帳データに、振動報知を行う設定がなされているか否かを判定する。ここで、振動報知を行う設定がなされている、すなわち振動パターンの設定がなされている場合には、ステップ8eに移行し、一方、振動報知の設定がなされていない場合には、ステップ8fに移行する。
【0056】ステップ8eでは、ステップ8aで求めた電話帳データに基づいて振動体53を駆動制御して振動報知を開始し、ステップ8fに移行する。この振動報知の制御では、電話帳データに振動パターンとして設定される識別情報に対応する振動パターンのデータを、着信音データ記憶エリア60cから読み出し、このデータに従った振動体53の駆動制御を開始する。
【0057】ステップ8fでは、ユーザがキー入力部72を操作して、着信に応答する指示がなされたか否かを判定する。ここで、着信に応答する指示がなされた場合には、通話制御を開始し、ステップ8hに移行し、一方、着信に応答する指示がなされない場合には、ステップ8gに移行する。
【0058】ステップ8gでは、着信が終了したか否かを判定する。ここで、着信が終了した場合には、ステップ8hに移行し、一方、着信に継続している場合には、ステップ8fに移行する。
【0059】ステップ8hでは、ステップ8bより開始した表示制御動作、ステップ8cより開始した鳴音制御動作、およびステップ8eより開始した振動制御動作の各報知制御を停止し、当該処理を終了する。
【0060】次に、電子メールの受信時の動作に関わる処理について説明する。図10は、この処理を示すフローチャートで、この処理は、電話メールを受信した場合に開始される。
【0061】ステップ10aでは、制御部100内のタイマを起動してカウントを開始し、受信した電子メールの電子メールアドレスを、電話帳データ記憶エリア60aから検索する。そして、対応する電話帳データのデータを読み込み、ステップ10bに移行する。
【0062】ステップ10bでは、ステップ10aで求めた電話帳データに基づいて、表示部71を駆動制御して表示動作を開始し、ステップ10cに移行する。この表示動作の制御では、電話帳データに表示画像として設定される識別情報に対応する画像データを画像データ記憶エリア60bから読み出す。
【0063】そして、これらの画像を電話帳データに設定される順序で表示部71に表示する。また、背景色としては、電話帳データに表示画像として設定される識別情報に対応する色を表示部71を駆動制御して表示する。
【0064】なお、画像データは、電話帳データに設定される順序で表示部71に表示するが、図11に示すように、画像データを切り替え表示する間に、電子メールの送信元の電子メールアドレスとこれに対応する名称を表示する。
【0065】ステップ10cでは、ステップ10aで求めた電話帳データに基づいて、発音体51を駆動制御して鳴音動作を開始し、ステップ10dに移行する。この鳴音動作の制御では、電話帳データに着信音として設定される識別情報に対応する着信音や着信メロディのデータを、着信音データ記憶エリア60cから読み出し、このデータに従って鳴音制御を開始する。
【0066】ステップ10dでは、ステップ10aで求めた電話帳データに、振動報知を行う設定がなされているか否かを判定する。ここで、振動報知を行う設定がなされている、すなわち振動パターンの設定がなされている場合には、ステップ10eに移行し、一方、振動報知の設定がなされていない場合には、ステップ10fに移行する。
【0067】ステップ10eでは、ステップ10aで求めた電話帳データに基づいて振動体53を駆動制御して振動報知を開始し、ステップ10fに移行する。この振動報知の制御では、電話帳データに振動パターンとして設定される識別情報に対応する振動パターンのデータを、着信音データ記憶エリア60cから読み出し、このデータに従った振動体53の駆動制御を開始する。
【0068】ステップ10fでは、ステップ10aでカウントを開始したタイマのカウント値が所定時間の経過を示すものであるか否かを判定する。ここで、所定時間の経過を示す場合には、ステップ10gに移行し、一方、所定時間が経過していないことを示す場合には、ステップ10fに移行して、この監視を継続する。
【0069】ステップ10gでは、ステップ10bより開始した表示制御動作、ステップ10cより開始した鳴音制御動作、およびステップ10eより開始した振動制御動作の各報知制御を停止し、当該処理を終了する。
【0070】以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、着信時や電子メールの受信時の報知動作において、ユーザが発信者に応じて任意に設定しておいた画像を表示して報知を行うようにしている。
【0071】したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、発信者に応じて、任意の画像により発信者が誰であるか報知できるので、通信相手を容易に認識することが可能で、利便性の高い。
【0072】また、画像表示による報知動作では、複数の画像を繰り返し実施するため、例えば1つの画像には、発信者自身の写真を登録し、もう1つの画像には、会社や学校、取引先など所属する情報を示すアイコンなどを設定することにより、ユーザは容易に発信者がどのような人物であるかを識別することができる。
【0073】さらに、画像表示による報知動作に加え、発信者に応じた着信音や振動パターンにより、着信報知を行うため、発信者に応じた多くの情報をユーザに報知することができる。
【0074】尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【0075】
【発明の効果】以上述べたように、この発明では、基地局を通じて送信側からの通信要求が生じた場合、あるいは基地局を通じて電子メールを受信した場合に、識別情報検出手段にて検出した識別情報に対応する画像データを記憶手段から検出し、この検出した画像データを表示手段に表示する表示制御を行って、着信の発生や電子メールの受信を報知するようにしている。
【0076】したがって、この発明によれば、発信者に応じて、任意の画像により発信者が誰であるか報知できるので、通信相手を容易に認識することが可能で、利便性の高い移動無線端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる移動無線端末装置の一実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した移動無線端末装置の画像データ記憶エリアに記憶されるデータを説明するため図。
【図3】図1に示した移動無線端末装置の電話帳データの編集動作に関わる処理を説明するためのフローチャート。
【図4】図3に示した処理に従ってなされる編集動作時になされる表示部の表示画像の一例を示す図。
【図5】図3に示した処理に従ってなされる編集動作時になされる表示部の表示画像の一例を示す図。
【図6】図3に示した処理に従ってなされる編集動作時になされる表示部の表示画像の一例を示す図。
【図7】図3に示した処理に従ってなされる編集動作時になされる表示部の表示画像の一例を示す図。
【図8】図1に示した移動無線端末装置の着信時の報知動作に関わる処理を説明するためのフローチャート。
【図9】図8に示した着信時の報知動作処理によってなされる表示部の表示画像の遷移を示す図。
【図10】図1に示した移動無線端末装置の電子メール受信時の報知動作に関わる処理を説明するためのフローチャート。
【図11】図10に示した電子メール受信時の報知動作処理によってなされる表示部の表示画像の遷移を示す図。
【符号の説明】
10…無線部
13…受信部
14…周波数シンセサイザ
15…送信部
16…受信電界強度検出部(RSSI)
20…モデム部
21…復調部
22…変調部
30…TDMA部
31…TDMAデコード部
32…TDMAエンコード部
40…通話部
41…ADPCMトランスコーダ(ADPCM TRANS CODER)
42…PCMコーデック(PCM CODEC)
50…着信報知部
51…発音体
52…発光体
53…振動体
60…メモリ部
60a…電話帳データ記憶エリア
60b…画像データ記憶エリア
60c…着信音データ記憶エリア
70…ユーザインターフェイス部
71…表示部
72…キー入力部
80…外部インターフェイス(I/F)
90…カメラ
100…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 通信を要求した側の端末装置を識別する識別情報を基地局を通じて着信側に通知可能な移動通信システムに用いられる移動無線端末装置において、画像を表示可能な表示手段と、前記識別情報に対応づけて、複数の画像データを記憶可能な記憶手段と、前記基地局から受信した情報より前記識別情報を検出する識別情報検出手段と、前記基地局を通じて送信側からの通信要求が生じた場合に、前記識別情報検出手段にて検出した識別情報に対応する画像データを前記記憶手段から検出し、この検出した画像データを前記表示手段に表示する表示制御を行う報知制御手段とを具備したことを特徴とする移動無線端末装置。
【請求項2】 基地局と無線接続し、この基地局を通じて電子メールを受信可能な移動無線端末装置において、画像を表示可能な表示手段と、前記電子メールの送信元を識別する識別情報に対応づけて、複数の画像データを記憶可能な記憶手段と、受信した電子メールから、前記識別情報を検出する識別情報検出手段と、前記基地局を通じて電子メールを受信した場合に、前記識別情報検出手段にて検出した識別情報に対応する画像データを前記記憶手段から検出し、この検出した画像データを前記表示手段に表示する表示制御を行う報知制御手段とを具備したことを特徴とする移動無線端末装置。
【請求項3】 前記報知制御手段は、前記検出した画像データが複数の場合には、これらの画像データを順次切り換えて表示制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動無線端末装置。
【請求項4】 前記報知制御手段は、前記検出した画像データと、前記識別情報とを順次切り換えて表示制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動無線端末装置。
【請求項5】 前記記憶手段は、前記識別情報に対応づけて、名称と、複数の画像データを記憶可能であって、前記報知制御手段は、前記検出した画像データと、この画像データとともに前記識別情報に対応づけられた前記名称とを順次切り換えて表示制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動無線端末装置。
【請求項6】 複数の着信音を選択的に拡声出力する着信音出力手段を備え、前記記憶手段は、前記識別情報に対応づけて、前記着信音出力手段にて拡声出力可能な着信音を識別する着信音識別情報と、複数の画像データを記憶可能であって、前記報知制御手段は、前記検出した画像データを表示制御するとともに、この画像データとともに前記識別情報に対応づけられた着信音識別情報に対応する着信音を拡声出力するように、前記着信音出力手段を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動無線端末装置。
【請求項7】 複数の振動パターンで振動可能な振動手段を備え、前記記憶手段は、前記識別情報に対応づけて、前記振動手段の振動パターンを識別する振動パターン識別情報と、複数の画像データを記憶可能であって、前記報知制御手段は、前記検出した画像データを表示制御するとともに、この画像データとともに前記識別情報に対応づけられた振動パターン識別情報に対応する振動パターンで振動するように、前記振動手段を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動無線端末装置。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2002−176679(P2002−176679A)
【公開日】平成14年6月21日(2002.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−373257(P2000−373257)
【出願日】平成12年12月7日(2000.12.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】