説明

移動端末装置ユーザの方位決めを支援するための方法

本発明は、移動端末装置ユーザの方位決めを支援するための方法に関する。前記方法は、移動端末装置ユーザの方位決めを支援するため、移動端末装置のスクリーン上で、場所の地図1と、その地図上における移動端末装置の位置2、4と、移動端末装置の位置2から、移動端末装置のユーザによって与えられた、または承認された目的地3まで到達するのにたどるべき経路11ないし14の少なくとも一部分と、時が経つにつれ、移動端末装置によって実際にたどられた経路21の、移動体の位置4に近い、少なくとも一部分とを表示して、移動端末装置の位置4の表示、および実際にたどられた経路21の表示が、時が経つにつれ、自動的に更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末装置ユーザの方位決めを支援するための方法の分野、ならびに移動端末装置ユーザの方位決めを支援するためにそれらの方法を実施することを目的とする移動端末装置、および移動端末装置ユーザの方位決めを支援するためにそれらの方法を実施することを目的とするサーバに関する。好ましい応用例の1つは、道に迷った移動端末装置ユーザが、特に、そのユーザが、ほとんど目標物を有さない地域で道に迷った場合、例えば、森の樹木の真中、雪に一様に覆われた風景の中などで道に迷った場合に、進むべき道を再び見出すことを支援する応用例である。
【背景技術】
【0002】
例えば、米国特許出願公開第2002/0173906号において説明される先行技術によれば、移動端末装置のユーザの位置、およびそのユーザがたどらなければならない方向を表示することが知られている。この先行技術の欠点は、特に、ユーザが居る場所が、ほとんど目標物を含まない場合、単純な方向は、不十分な情報であることであり、その情報の不十分さは、都市の街路においてより、密生した森の樹木の真中で、より明白となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、一方で、ユーザが、比較的少ない目標物を有する場所で道に迷った場合さえ、さらに、他方で、ユーザが、苛立ち、または苦悩のために明晰な思考のための能力もいくらか失っている場合でさえ、進むべき道を簡単に、迅速に、再び見出すように、道に迷ったユーザを支援する、移動端末装置ユーザの方位決めを支援するための方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、移動端末装置のスクリーン上で、場所の地図と、その地図上における移動端末装置の位置と、移動端末装置の位置から、移動端末装置のユーザによって指定された、または確認された目的地まで到達するのにたどるべき経路の少なくとも一部分と、時が経つにつれ、移動端末装置によって実際にたどられた経路の、移動端末装置の位置に近い、少なくとも一部分とを表示して、移動端末装置の位置の表示、および実際にたどられた経路の部分の表示が、時が経つにつれ、自動的に更新される、移動端末装置ユーザの方位決めを支援ための方法が、提供される。
【0005】
例として与えられる、以下の説明、および添付の図面の助けを借りて、本発明は、よりよく理解され、その他の特徴および利点が、明白となろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明による方位決め支援方法の好ましい実施形態による、移動端末装置の位置と、ユーザの目的地と、たどられるべき経路と、たどられた経路とを強調表示する、ユーザの端末装置のスクリーン上に表示された場所の地図の例を示す図である。街路と、小道と、住宅を有する地域と、森林地域とを含む場所の地図1が、ユーザの移動端末装置のスクリーン上に表示される。移動端末装置は、好ましくは、移動電話機である。位置2は、森林地域の樹木の真中で道に迷い、目的地3である公園からの特定の出口に到達するため、ユーザの移動端末装置を介してサーバに、進むべき道を再び見出す要求をサブミットしたユーザの過去の位置を表す。目的地3は、例えば、ユーザが、ユーザの移動端末装置のスクリーン上に表示された地図1上でクリックすることによって、公園からの特定の出口を要求した場合に、ユーザによって選択されても、あるいは、例えば、ユーザが、ユーザの位置に最も近い公園からの出口を要求し、ユーザの移動端末装置のスクリーン上の表示の上でユーザに提案された出口をクリックすることによって承認した場合に、ユーザによって確認されてもよい。その位置2から、たどるべき経路が、例えば、セグメントで示される。この場合、位置2から目的地3まで行くのにたどるべき経路は、4つのセグメント11ないし14から成る。最初に、小道に到達するのに、所与の方向で、全く目標物を有さない森林地域を横断することに存するセグメント11、次に、ある小道をたどるセグメント12、次に、別の小道をたどるセグメント13、最後に、目的地3に続くさらに別の小道をたどるセグメント14である。最初に、ユーザが、ユーザの初期位置2にいる時点で、例えば、セグメント11および12だけが、表示されてもよい。次に、ユーザが、セグメント12に対応する小道に沿って歩くと、例えば、セグメント12および13だけが、表示される。より一般的には、例えば、現在のセグメント、および次のセグメントだけが、表示されてもよい。目的地3は、表示されても、あるいは、特に、目的地3が、初期位置2と同一の地図1上で表示されることが可能でないだけ十分に初期位置2から離れている場合、表示されなくてもよい。ユーザが、動き始めると、ユーザの新たな位置である、現在位置4も、表示される。ユーザは、勧められたセグメント11を進まず、それよりわずかに南のセグメント21を実際に進んで、たどるべき経路によって示された以外の小道に達した。ユーザは、現時点でセグメント31を進むことにより、勧められたセグメント12に簡単に、迅速に戻ることができることに気付く可能性がある。そのセグメント31も、異なる形でユーザに表示されることが可能である。ユーザの現在位置は、例えば、初期位置2から現在位置4まで、ユーザが、ユーザの道程を容易に訂正することができるように、例えば、比較的に短い周期で定期的に、自動的に更新されるが、たどるべき経路は、好ましくは、ユーザの明確な要求でだけ更新される。ユーザは、できる限り、セグメント11を進もうと試みるが、実際には、セグメント21を進んで、位置4に到着する。すると、例えば、ユーザが、単にクリックすることによって得られる、たどるべき経路の更新が、セグメント11を削除し、セグメント11の代わりに、セグメント31を表示することが可能である。好ましくは、たどるべき経路、および実際にたどられた経路の全体が、地図1を越えないという条件付きで、端末装置のスクリーン上で表示される。有利なオプションとして、ユーザが、堂々巡りして、ユーザが前にたどった経路を横切った場合、スクリーンがユーザに判読可能に保たれ、実際にたどられた経路が、もつれた毛糸の玉のように見えるのを防止するように、たどるべき経路の強制的な更新が行われる対応が存在することが可能である。たどるべき経路の少なくとも一部分と、ユーザの現在位置の付近における、たどられた経路の少なくとも一部分とを同時に表示することにより、できる限り早く、たどるべき経路に戻るために、ユーザの動きに行われるべき訂正を、ユーザが、簡単に、効果的に視覚化することができるようになる。たどるべき経路と、実際にたどられた経路の直接の、差別化された視覚化を可能にする、この同時の表示は、ユーザが、目標物を全く有さない場所で、かつ/または軽いパニック状態で道に迷っている場合でさえ、進むべき道を迅速に、再び見出すことを可能にするのに対して、進むべき道を再び見出すのに、いくつかの目標物、および/またはいくつかの基本的な推理の働きを必要とする、位置、およびたどるべき方向の単純な指示は、そのようなケースにおいて、ユーザに、不十分である、または少なくとも、それほど効果的でなく、それほど安心ではなく、かつ/または、ユーザに、より長い時間がかかる可能性がある。さらに、サーバが、たどるべき経路の全体、またはたどるべき経路の少なくとも重要な部分の表示を使用して、例えば、経路が、回り道を進んだ方がより通りやすいために、目的地に到達するのに、ユーザに回り道をさせることを所望する場合、そのことは、ユーザに即時に明白になるのに対して、時が経つにつれて変化する単純な方向の表示は、堂々巡りしている印象、またはユーザがどこに向かっているのか全く分からない印象をユーザに与える可能性がある。また、実際にたどられた経路の距離と、たどるべき経路の残りの距離または総距離との比較が、ユーザが目指す目的地に到達するのにかかる時間の見当をユーザに与えることも可能である。
【0007】
好ましい実施形態では、たどるべき経路の部分の表示の各回の更新は、移動端末装置のユーザからの明確な要求によってもたらされる。実際、過度に頻繁な自動的更新は、ユーザが、たどるべき経路と比べられた、実際にたどられた経路の妥当性を理解することを許さず、ユーザは、常に更新される、たどるべき経路の近くを絶え間なく揺れる曲がりくねった経路をたどる危険を冒す。
【0008】
別の実施形態では、たどるべき経路の部分の表示は、時が経つにつれ、自動的に、ただし、実際にたどられた経路の部分の表示よりも低い頻度で更新される。たどるべき経路を更新する周期は、そのケースでは、有利には、実際にたどられた経路を更新する周期より、はるかに長い。この長い周期は、好ましくは、端末装置のスクリーン上に表示された、実際にたどられた経路に沿った有意な動きに対応しなければならない。その有利なケースでは、移動端末装置のスクリーン上で、少なくとも数ミリメートル、通常は、少なくとも3ミリメートル、または少なくとも5ミリメートル、または少なくとも10ミリメートルを、ユーザが移動していなければならない。
【0009】
たどるべき経路の表示された部分と、実際にたどられた経路の表示された部分とは、ユーザが、それらの経路を、好ましくは、短い間でさえ混同する可能性がないように、ユーザのスクリーン上で異なる形で表示され、さもなければ、ユーザをパニックに陥らせる可能性がある。たどるべき経路の表示された部分と、実際にたどられた経路の表示された部分は、好ましくは、異なる色を使用して表示され、例えば、たどるべき経路が、緑で表示されることが可能であるのに対して、実際にたどられた経路が、赤で表示されることが可能である。たどるべき経路の表示された部分と、実際にたどられた経路の表示された部分は、同様に、他の手段によって、例えば、たどるべき経路を表す実線と、実際にたどられた経路を表す破線によって、またはたどるべき経路を表す定常の線と、実際にたどられた経路を表す明滅する線によって表示されてもよい。
【0010】
地図は、好ましくは、移動遠隔通信ネットワークを介してサーバから移動端末装置にダウンロードされる。したがって、GPSとは異なり、ユーザは、ユーザが位置している場所の地図を、ユーザの移動端末装置の中に格納している必要がなく、このことは、ユーザが、どこで道に迷うことになるかをあらかじめ予測するのは困難であるため、好都合であり、ユーザのための、もう一方の代替は、ユーザが行く可能性が高いすべての場所のすべての地図を格納することであり、これは、すぐに費用が大きくなり、面倒になる。したがって、例えば、ユーザの移動電話機が、ユーザの移動電話機に加えてGPSデバイスをユーザが持ち抱えなければならないことなしに、以上の機能を実行することができる。更新は、好ましくは、移動遠隔通信ネットワークを介してサーバによって移動端末装置に供給される。1つの有利な実施形態では、移動遠隔通信ネットワークは、GPRSである。別の有利な実施形態では、移動遠隔通信ネットワークは、UMTSである。選択されるネットワークは、好ましくは、正確な位置特定を可能にして、ユーザが道を間違えるのを回避する。精度が不十分である場合、ユーザが都市で通りを間違える、または森林で小道を間違える可能性があり、これは、苛立たしいことである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による方位決め支援方法の好ましい実施形態による、移動端末装置の位置と、ユーザの目的地と、たどられるべき経路と、たどられた経路とを強調表示する、ユーザの移動端末装置のスクリーン上に表示された場所の地図の例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末装置のスクリーン上で、
場所の地図(1)と、
地図上における移動端末装置の位置(2、4)と、
移動端末装置の位置(2)から、移動端末装置のユーザによって指定された、または確認された目的地(3)まで到達するのにたどるべき経路(11ないし14)の少なくとも一部分と、
時が経つにつれ、移動端末装置によって実際にたどられた経路の、移動端末装置の位置(4)に近い、少なくとも一部分(21)とを表示する、移動端末装置ユーザの方位決めを支援するための方法であって、
移動端末装置の位置(4)の表示、および実際にたどられた経路の部分(21)の表示は、時が経つにつれ、自動的に更新される、方法。
【請求項2】
たどるべき経路の部分の表示の各回の更新が、移動端末装置のユーザからの明確な要求によってもたらされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
たどるべき経路の部分の表示が、時が経つにつれ、自動的に、ただし、実際にたどられた経路の部分の表示よりも低い頻度で更新されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
たどるべき経路の表示された部分と、実際にたどられた経路の表示された部分が、異なる色で表示されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
地図が、移動遠隔通信ネットワークを介してサーバから移動端末装置にダウンロードされることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
更新が、移動遠隔通信ネットワークを介してサーバによって移動端末装置に供給されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
移動遠隔通信ネットワークが、GPRSであることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
移動遠隔通信ネットワークが、UMTSであることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項9】
目的地も、移動端末装置のスクリーン上に表示されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の移動端末装置ユーザの方位決めを支援するための方法を実施するように構成された移動端末装置。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の移動端末装置ユーザの方位決めを支援するための方法を実施するように構成されたサーバ。

【図1】
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【公表番号】特表2008−513737(P2008−513737A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530754(P2007−530754)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050742
【国際公開番号】WO2006/030161
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】