説明

積層セラミック電子部品及びその製造方法

【課題】本発明は外部電極のカバレッジ及び固着強度に優れた積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明はセラミック本体のカバー領域及び活性領域に外部電極と接続するダミー電極を形成することを特徴とし、本発明によると、外部電極のカバレッジ及び固着強度に優れた積層セラミック電子部品が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層セラミック電子部品及びその製造方法に関し、具体的には、外部電極の角カバレッジ及び固着強度に優れた積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック電子部品が小型化するにつれ、外部電極を安定的に塗布することが困難である。
【0003】
特に、ディッピング方式により外部電極を塗布する場合、電子部品のサイズが小さくなるほど、電子部品の角部分のカバレッジが低下することがある。
【0004】
外部電極を形成する時、チップのサイズが小さくなるほど外部電極ペーストの塗布量も減少し、外部電極ペーストの塗布量が減少すると、チップの角部分に外部電極ペーストが充分に塗布されないことがある。
【0005】
チップの角部分に外部電極ペーストが充分に塗布されないと、作業中に角部分の外部電極が剥離しやすい。
【0006】
また、チップの角部分に外部電極が塗布されなかったり、外部電極が剥離すると、後に、ニッケル/スズめっきの際、めっき層がうまく形成されず、結局、実装不良を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、外部電極の角カバレッジ及び固着強度に優れた積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、外部電極が形成されたセラミック本体と、上記セラミック本体の内部に積層配置された導電パターンと、上記セラミック本体のカバー領域に配置され、上記導電パターンと電気的に分離され、上記セラミック本体の外部に露出した第1ダミーパターンとを含む積層セラミック電子部品であることができる。
【0009】
上記第1ダミーパターンは、外部電極がカバーする領域内に配置されることができる。
【0010】
上記第1ダミーパターンは、上記セラミック本体の面のうち上記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出することも、上記セラミック本体の面のうち上記長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する面に露出することもできる。
【0011】
上記第1ダミーパターンは、上記セラミック本体の上面及び下面のうち少なくとも一面に配置されることができる。
【0012】
上記第1ダミーパターンは、上記導電パターンの積層方向からみて、「L」字または「コ」字型であることができる。
【0013】
上記第1ダミーパターンは、上記導電パターンの積層方向からみて、四角形であることができる。
【0014】
上記第1ダミーパターンは、2以上に分割されて形成されることができる。
【0015】
上記第1ダミーパターンは導電性金属を含むことができる。
【0016】
本発明の一側面による積層セラミック電子部品は、上記セラミック本体の上記活性領域に配置され、上記導電パターンと電気的に分離され、上記セラミック本体の外部に露出した第2ダミーパターンとをさらに含むことができる。
【0017】
上記第2ダミーパターンは、外部電極がカバーする領域内に配置されることができる。
【0018】
上記第2ダミーパターンは上記セラミック本体の面のうち上記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出することも、上記セラミック本体の面のうち上記長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する面に露出することもできる。
【0019】
上記第2ダミーパターンは、上記導電パターンの積層方向からみて、「L」字型であることができる。
【0020】
上記第2ダミーパターンは、上記導電パターンの積層方向からみて、四角形であることができる。
【0021】
上記第2ダミーパターンは、2以上に分割されて形成されることができる。
【0022】
上記第2ダミーパターンは導電性金属を含むことができる。
【0023】
上記セラミック本体は、磁性材料または誘電材料を含むことができる。
【0024】
本発明の他の側面によると、セラミックグリーンシート上に第1ダミーパターンを形成して第1セラミックグリーンシートを用意する段階と、セラミックグリーンシート上に導電パターン及び第2ダミーパターンを形成して第2セラミックグリーンシートを用意する段階と、上記第1及び第2セラミックグリーンシートを積層して積層体を用意する段階と、上記第1及び第2ダミーパターンが外部に露出するように上記積層体を切断及び焼成する段階と、上記焼成された積層体に外部電極を形成する段階とを含む積層セラミック電子部品の製造方法であることができる。
【0025】
上記第1ダミーパターンは、外部電極がカバーする領域内に配置されることができる。
【0026】
上記第1ダミーパターンは、上記セラミック本体の面のうち上記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出することも、上記セラミック本体の面のうち上記長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する面に露出することもできる。
【0027】
上記第1ダミーパターンは、上記セラミック本体の上面及び下面のうち少なくとも一面に配置されることができる。
【0028】
上記第1ダミーパターンは、上記導電パターンの積層方向からみて、「L」字または「コ」字型であることができる。
【0029】
上記第1ダミーパターンは、上記導電パターンの積層方向からみて、四角形であることができる。
【0030】
上記第1ダミーパターンは2以上に分割されて形成されることができる。
【0031】
上記第2ダミーパターンは、外部電極がカバーする領域内に配置されることができる。
【0032】
上記第2ダミーパターンは、上記セラミック本体の面のうち上記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出することも、上記セラミック本体の面のうち上記長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する面に露出することもできる。
【0033】
上記第2ダミーパターンは、上記導電パターンの積層方向からみて、「L」字型であることができる。
【0034】
上記第2ダミーパターンは、上記導電パターンの積層方向からみて、四角形であることができる。
【0035】
上記第2ダミーパターンは、2以上に分割されて形成されることができる。
【0036】
上記セラミック本体は磁性材料または誘電材料を含むことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によると、外部電極の角カバレッジ及び固着強度に優れた積層セラミック電子部品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一側面による積層セラミック電子部品の外観斜視図である。
【図2】本発明の一側面による積層セラミック電子部品のセラミック本体の模式図である。
【図3】本発明の一側面による積層セラミック電子部品のセラミック本体の分解斜視図である。
【図4】(a)は本発明の一側面による積層セラミック電子部品のカバー領域の平面図で、(b)は本発明の一側面による積層セラミック電子部品の活性領域の平面図である。
【図5】図4の(a)の変形形態である。
【図6】図4の(b)の変形形態である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0040】
本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。
【0041】
また、本発明の実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0042】
従って、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがあり、図面上に同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0043】
積層セラミック電子部品には積層セラミックキャパシタ、チップインダクター、チップビーズなどがある。ここでは、チップインダクターを例に挙げて説明するが、本発明はこれに制限されない。
【0044】
図1から図4を参照すると、本発明の一側面による積層セラミック電子部品は、セラミック本体10と、セラミック本体10の外部に形成された外部電極21、22と、上記セラミック本体10の内部に積層配置された導電パターン31及びダミーパターン41、42とを含むことができる。
【0045】
外部電極21、22を連結して延長した方向を「長さ方向」、導電パターン31を積層する方向を「積層方向」または「厚さ方向」、長さ方向及び積層方向と垂直する方向を「幅方向」とする。
【0046】
セラミック本体10とはセラミック材料で製造された胴体のことであり、図1に示したように直六面体であることができる。
【0047】
セラミック材料がニッケル−亜鉛−銅フェライトなどの磁性材料であれば、電子部品はインダクターであることができ、セラミック材料がチタン酸バリウムを主原料とする誘電材料であれば、電子部品はキャパシタであることができる。
【0048】
セラミック粉末をエタノールなどの有機溶媒に混合し、PVAなどのバインダー及び可塑剤などを添加した後、ボールミルなどの方法で混合及び分散させることで、セラミックスラリーを製造することができる。
【0049】
上記セラミックスラリーをドクターブレードなどの方法で、PETなどのフィルムに塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを製造することができる。
【0050】
セラミック本体はセラミックグリーンシートを複数個積層した後、これを焼結して形成することができる。焼結されたセラミック本体はセラミックグリーンシートがその境界が区分できないほど一体化されている。
【0051】
外部電極21、22はセラミック本体10の外部に形成されてよく、これを通じて外部から電気が印加されることができる。特に、外部電極21、22はセラミック本体10の外部面に対向して形成されてよい。
【0052】
外部電極21、22は銀(Ag)を利用して形成することができる。
【0053】
外部電極21、22はディッピング方式または印刷方式により形成されてよく、実装を容易にするために、外部電極21、22上にはめっき層(不図示)が形成されてよい。
【0054】
導電パターン31はセラミック本体10の内部に積層配置されることができる。
【0055】
導電パターン31は順に接続されて螺旋形コイルを形成することができる。螺旋形コイルを形成することでインダクターとしての機能を行うことができる。
【0056】
積層された導電パターン31は、ビアなどにより電気的に連結されて螺旋形構造のコイルを形成することができる。
【0057】
導電パターン31はセラミック本体10の外部に引出されて外部電極21、22と接続されていてもよい。
【0058】
セラミックグリーンシート上に導電性ペーストをスクリーン印刷などの方法により印刷した後、これを積層することで導電パターン31が積層された構造を形成することができる。
【0059】
導電性ペーストは、銀(Ag)粉末に有機溶媒などを混合した後、ボールミリングなどを行うことで製造することができる。
【0060】
ダミーパターンは第1及び第2ダミーパターン41、42を含んでよい。
【0061】
第1ダミーパターン41はセラミック本体のカバー領域A、Cに配置され、セラミック本体10の外部に露出することができる。
【0062】
本明細書で使用した「第1」、「第2」は他のダミーパターンと区分するために用いたに過ぎない。
【0063】
「ダミーパターン」とは、セラミック本体10の内部に形成された導電パターン31と電気的に分離されているため、電子部品の機能に直接的に寄与しないパターンを意味する。
【0064】
第1ダミーパターン41は導電性金属を含んでよい。
【0065】
第1ダミーパターン41は導電性ペーストを印刷して形成することができ、導電パターン31の材料と同じ材料で形成することができる。
【0066】
第1ダミーパターン41はセラミック本体10の内部に形成された導電パターン31とは電気的に分離されているが、外部電極21、22とは接続されていてもよい。
【0067】
第1ダミーパターン41が外部電極21、22と接続されているため、外部電極21、22とセラミック本体10との固着強度が向上されることができる。
【0068】
セラミック本体10はセラミック材質で、外部電極21、22は金属材質を主成分としており、セラミックと金属は異種の物質であって、互いにうまく混ざらない傾向にある。
【0069】
従って、セラミック本体10に外部電極21、22を形成すると、セラミック本体10と外部電極21、22との固着強度が弱いため、僅かな外部衝撃でも外部電極21、22が簡単に剥がれる虞がある。
【0070】
セラミック本体10の内部に第1ダミーパターン41を形成し、これをセラミック本体10の外部に露出させることで、外部電極21、22は第1ダミーパターン41とさらに接続されることができる。
【0071】
第1ダミーパターン41と外部電極21、22との接続は金属同士の接続であるため、セラミック本体10と外部電極21、22との接続より接合力が強い。従って、外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度が向上することができる。
【0072】
第1ダミーパターン41はセラミック本体10のカバー領域A、Cに配置され、セラミック本体10の外部に露出することができる。
【0073】
セラミック本体10は、導電パターン31の積層方向において、活性領域Bとカバー領域A、Cに分けることができる。
【0074】
活性領域Bは、セラミック本体10の導電パターン31の積層方向において、導電パターン31が積層されている領域を意味することができる。
【0075】
活性領域Bは電子部品の主な機能を発揮する領域である。
【0076】
インダクターの場合、活性領域Bには導電パターン31が積層配置され、順に接続されてコイル構造を形成し、導電パターン31に電流が流れると、誘導磁場を形成することができる。
【0077】
キャパシタの場合、活性領域Bには導電パターン31が誘電体を介して交互に積層されており、外部から電圧が印加されると、導電パターン31の間に電荷が蓄積されることができる。
【0078】
カバー領域A、Cは活性領域Bの上下に配置された領域を意味する。
【0079】
カバー領域A、Cは、活性領域Bを外部と電気的に絶縁させ、また、外部環境から活性領域Bを保護する役割をすることができる。即ち、活性領域が外部の湿気や汚染に晒されないようにして製品の寿命を向上させることができる。
【0080】
カバー領域A、Cには導電パターン31が積層されなくてもよい。
【0081】
即ち、導電パターン31が形成されないセラミックグリーンシートを複数個積層してカバー領域A、Cを形成することができる。
【0082】
第1ダミーパターン41は、外部電極21、22がカバーする領域内に配置されることができる。
【0083】
第1ダミーパターン41が外部電極21、22がカバーする領域から外れると、第1ダミーパターン41は外部環境に露出され、外部の湿気や異物が第1ダミーパターン41に浸透することがある。
【0084】
この場合、繰り返して電圧または電流が印加され、第1ダミーパターン41に浸透した水気や異物によりセラミック本体10が簡単に劣化されることがある。
【0085】
第1ダミーパターン41はセラミック本体10の面のうち外部電極21、22を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出することができる。
【0086】
第1ダミーパターン41と外部電極21、22の接続により外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度が向上することができる。
【0087】
また、第1ダミーパターン41はセラミック本体10の面のうち、長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する面に露出することができる。
【0088】
第1ダミーパターン41がセラミック本体10の面のうち、長さ方向と垂直する面とこれと隣接する面に露出するため、さらに外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度が向上することができる。
【0089】
また、外部電極21、22と第1ダミーパターン41が接続する部分は「L」字型であることができるが、その幾何学的な形状により外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度がさらに増加することができる。
【0090】
それは、外部電極21、22と第1ダミーパターン41の接続部分の長さが同一であるとしても、接続部分の幾何学的な形状が「L」字型であれば、外力に耐える能力がさらに大きいためである。
【0091】
第1ダミーパターン41はセラミック本体10の上面及び下面のうち少なくとも一面に配置されることができる。
【0092】
電子製品が小型化するにつれ、これに実装される電子部品も小型化が求められており、また、電子部品に形成される外部電極21、22も厚さが薄くなりつつある。
【0093】
外部電極21、22はディッピング方式により形成されてよく、外部電極21、22を薄く形成する場合には、ディッピング方式の特性上、セラミック本体10の角部分の外部電極が他の部分より薄く形成されることがあり、極端的には外部電極21、22が形成されないこともある。
【0094】
これはセラミック本体10と外部電極21、22との濡れ性が弱いためである。
【0095】
上記問題を解決するために、セラミック本体10の上面及び下面のうち少なくとも一面に第1ダミーパターン41を形成し、外部電極21、22との濡れ性を向上させることができる。
【0096】
第1ダミーパターン41としては導電性金属を主成分として含むペーストを使用し、外部電極21、22も導電性金属を主成分として含むペーストを使用することで、第1ダミーパターン41と外部電極21、22との濡れ性を向上させることができる。
【0097】
第1ダミーパターン41と外部電極21、22は同じ材料であってよい。
【0098】
第1ダミーパターン41と外部電極21、22の材料が同一である場合、第1ダミーパターン41と外部電極21、22との濡れ性が極大化するためである。
【0099】
具体的には、銀(Ag)エポキシペーストを利用して第1ダミーパターン41と外部電極21、22を形成することができる。
【0100】
セラミック本体10の上面及び下面に第1ダミーパターン41を形成することで外部電極21、22との濡れ性を向上させ、これにより、セラミック本体10の角部分の外部電極21、22をより厚く形成させることができる。
【0101】
たとえセラミック本体10の角部分に外部電極21、22が形成されない場合でも、セラミック本体10の上面及び下面に既に形成されている第1ダミーパターン41が外部電極21、22としての機能を行うことができる。
【0102】
図4の(a)には第1ダミーパターン41を導電パターン31の積層方向からみた平面図を示し、図5には第1ダミーパターン41の変形例を示した。
【0103】
図4の(a)を参照すると、導電パターン31の積層方向からみて、第1ダミーパターン41は「コ」字型であることができる。
【0104】
図4の(a)が図4の(a)及び図5の中で第1ダミーパターン41の面積が最も広い。
【0105】
図4の(a)の第1ダミーパターン41がセラミック本体10の上面または下面に形成されると、外部電極21、22との濡れ性が向上し、外部電極21、22が充分に厚く形成されることができる。但し、製造工程上の誤差により外部電極21、22が形成されないとしても、第1ダミーパターン41が外部電極21、22の機能を代わりに行うことができる。
【0106】
このような効果は、第1ダミーパターン41及び外部電極21、22を同じ材料で形成した場合に極大化する。
【0107】
図4の(a)の第1ダミーパターン41がセラミック本体10のカバー領域A、Cの内部に形成された場合、第1ダミーパターン41と外部電極21、22が接続する部分の長さが最も長く、接続部分が「L」字型アングル模様をなすため、外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度の向上に最も効果的である。
【0108】
図5の(e)を参照すると、第1ダミーパターン41は「L」字型であってよく、各積層面の角部分に形成されることができる。
【0109】
第1ダミーパターン41と外部電極21、22の接続部分が「L」字型アングル模様をなすため、外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度の向上に効果的であることができる。
【0110】
図5の(a)、(c)を参照すると、第1ダミーパターン41は導電パターン31の積層方向からみて、四角形であることができる。
【0111】
図5の(b)、(d)、(e)、(f)を参照すると、第1ダミーパターン41は2以上に分割されて形成されることができる。
【0112】
図4の(a)及び図5に示したように、第1ダミーパターン41は様々な形態に変形されることができる。第1ダミーパターン41は製品に求められる特性によって適切なものを採択して適用してよい。
【0113】
本発明の一側面による積層セラミック電子部品は、第2ダミーパターン42をさらに含んでよい。
【0114】
第2ダミーパターン42はセラミック本体10の活性領域に配置され、導電パターン31と電気的に分離され、セラミック本体10の外部に露出されることができる。
【0115】
即ち、第2ダミーパターン42は導電パターン31が形成された層と同じ層に形成されることができる。但し、第2ダミーパターン42は導電パターン31と電気的に分離され、セラミック本体10の外部に露出されて外部電極21、22と接続されることができる。
【0116】
第2ダミーパターン42と外部電極21、22の接続により、外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度が向上されることができる。
【0117】
第2ダミーパターン42は外部電極21、22がカバーする領域内に配置されることができる。
【0118】
第2ダミーパターン42が外部電極21、22がカバーする領域から外れると、第2ダミーパターン42は外部環境に露出され、水分または異物などにより汚染される恐れがあり、電流または電圧が繰り返して印加されると、セラミック本体10が簡単に劣化し、これにより、電子部品の寿命が短縮することがある。
【0119】
第2ダミーパターン42はセラミック本体10の面のうち外部電極21、22を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出することができる。
【0120】
セラミック本体10の面のうち長さ方向と垂直する面に露出した部分は外部電極21、22と接続され、これにより外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度が向上されることができる。
【0121】
また、第2ダミーパターン42がセラミック本体10の面のうち長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する側面に露出することができる。
【0122】
セラミック本体10の側面にさらに露出されて外部電極21、22と接続するという点及び第2ダミーパターン42と外部電極21、22の接続部分が「L」字型のアングルを形成する点により、外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度がさらに向上されることができる。
【0123】
図4の(b)には、導電パターン31の積層方向からみた第2ダミーパターン42の平面図を示し、図6には第2ダミーパターン42の変形例を示した。
【0124】
図4の(b)を参照すると、第2ダミーパターン42は導電パターン31が形成された層と同じ層に形成されることができる。
【0125】
図4の(b)及び図6の(b)を参照すると、第2ダミーパターン42は導電パターン31の積層面の角部分に形成されることができ、セラミック本体の面のうち長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する側面に露出することができる。
【0126】
第2ダミーパターン42と外部電極21、22の接続部分は、「L」字型のアングル模様を形成することができ、これにより、外部電極21、22のセラミック本体10に対する固着強度が向上されることができる。これは、上述の第1ダミーパターン41における説明と同様である。
【0127】
図6の(b)を参照すると、第2ダミーパターン42は導電パターン31の積層方向からみて、「L」字型であることができる。
【0128】
図4の(b)及び図6の(a)を参照すると、第2ダミーパターン42は導電パターン31の積層方向からみて、四角形であることができる。
【0129】
図4の(b)及び図6の(a)、(b)を参照すると、第2ダミーパターン42は2以上に分割されて形成されることができる。
【0130】
セラミック本体10は、磁性材料または誘電材料を含むことができる。
【0131】
セラミック本体10が磁性材料を含む場合、セラミック電子部品はインダクターであることができる。このとき、セラミック本体10の内部には導電パターン31が順に接続されて螺旋形コイルを形成することができる。
【0132】
セラミック本体10が誘電材料を含む場合、セラミック電子部品はキャパシタであることができる。このとき、セラミック本体10の内部には導電パターン31が交互に積層され、それぞれ異なる極性の外部電極21、22に接続されることができる。
【0133】
本発明の他の側面は、セラミックグリーンシート上に第1ダミーパターン41を形成して第1セラミックグリーンシートを用意する段階と、セラミックグリーンシート上に導電パターン31及び第2ダミーパターン42を形成して第2セラミックグリーンシートを用意する段階と、上記第1及び第2セラミックグリーンシートを積層して積層体を用意する段階と、上記第1及び第2ダミーパターン41、42が外部に露出するように上記積層体を切断及び焼成する段階と、上記焼成された積層体に外部電極21、22を形成する段階とを含む積層セラミック電子部品の製造方法であることができる。
【0134】
セラミック粉末にエタノールなどの有機溶剤、PVAなどのバインダー及び分散剤などを混合してセラミックスラリーを製造し、ドクターブレードなどの方法によりセラミックスラリーをPEなどのポリマーフィルム上に塗布及び乾燥することで、セラミックグリーンシートを製造することができる。
【0135】
セラミック粉末はニッケル−亜鉛−銅フェライトなどの磁性材料であってもよく、チタン酸バリウムを主原料とする誘電材料であってもよい。
【0136】
セラミック粉末が磁性材料であれば、電子部品はインダクターであり、誘電材料であれば、電子部品はキャパシタである。
【0137】
セラミックグリーンシート上に第1ダミーパターン41を形成して第1セラミックグリーンシートを用意することができる。
【0138】
第1ダミーパターン41はこれに制限されないが、導電性ペーストをスクリーン印刷して形成することができる。
【0139】
導電性ペーストは銀(Ag)エポキシペーストであることができる。但し、これに制限されず、導電性が付与できるものであればよい。
【0140】
セラミックグリーンシート上に導電パターン31及び第2ダミーパターン42を形成して第2セラミックグリーンシートを用意することができる。
【0141】
上記導電パターン31及び第2ダミーパターン42はこれに制限されないが、導電性ペーストをスクリーン印刷して形成することができる。
【0142】
導電性ペーストは銀(Ag)エポキシペーストであることができる。但し、これに制限されず、導電性が付与できるものであればよい。
【0143】
第1及び第2セラミックグリーンシートを積層して積層体を用意することができる。
【0144】
第1セラミックグリーンシートを複数個積層し、その上に第2セラミックグリーンシートを複数個積層する。またその上に第1セラミックグリーンシートを複数個積層することができる。
【0145】
第1及び第2セラミックグリーンシートの積層数は求められる規格に合わせて適切に選択してよい。
【0146】
第1及び第2ダミーパターン41、42が外部に露出するように積層体を切断及び焼成することができる。製造工程の誤差により、第1及び第2ダミーパターン41、42が外部に露出しない場合には、焼成後に積層体の側面を研磨して第1及び第2ダミーパターン41、42を外部に露出させることもできる。
【0147】
焼成された積層体に外部電極21、22を形成することができる。
【0148】
外部電極21、22はディッピング方式により形成することができ、外部電極21、22は外部に露出した第1及び第2ダミーパターン41、42をカバーするように形成されることができる。
【0149】
第1ダミーパターン41は、外部電極21、22がカバーする領域内に配置されることができる。
【0150】
第1ダミーパターン41は焼成された積層体の面のうち外部電極21、22を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出することができる。
【0151】
第1ダミーパターン41は焼成された積層体の面のうち長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する面に露出することができる。
【0152】
第1ダミーパターン41は焼成された積層体の上面及び下面のうち少なくとも一面に配置されることができる。
【0153】
第1ダミーパターン41は導電パターン31の積層方向からみて、「L」字または「コ」字型であることができる。
【0154】
第1ダミーパターン41は導電パターン31の積層方向からみて、四角形であることができる。
【0155】
第1ダミーパターン41は2以上に分割されて形成されることができる。
【0156】
第2ダミーパターン42は外部電極21、22がカバーする領域内に配置されることができる。
【0157】
第2ダミーパターン42は焼成された積層体の面のうち外部電極21、22を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出することができる。
【0158】
第2ダミーパターン42は焼成された積層体の面のうち長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する面に露出することができる。
【0159】
第2ダミーパターン42は導電パターン31の積層方向からみて、「L」字型であることができる。
【0160】
第2ダミーパターン42は導電パターン31の積層方向からみて、四角形であることができる。
【0161】
第2ダミーパターン42は2以上に分割されて形成されることができる。
【0162】
焼成された積層体は、磁性材料または誘電材料を含むことができる。
【0163】
本発明の他の側面による積層セラミック電子部品の製造方法において、第1及び第2ダミーパターン41、42と、セラミック本体10などに関する事項は本発明の一側面による積層セラミック電子部品の説明と同様である。
【0164】
本発明は上述した実施形態及び添付の図面により限定されるのではなく、添付の請求の範囲により限定される。
【0165】
従って、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者により多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0166】
10 セラミック本体
11 セラミックグリーンシート
21、22 外部電極
31 導電パターン
41 第1ダミーパターン
42 第2ダミーパターン
A、C カバー領域
B 活性領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電極が形成されたセラミック本体と、
前記セラミック本体の内部に積層配置された導電パターンと、
前記セラミック本体のカバー領域に配置され、前記導電パターンと電気的に分離され、前記セラミック本体の外部に露出した第1ダミーパターンと、
を含む積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記第1ダミーパターンは、外部電極がカバーする領域内に配置された請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記第1ダミーパターンは、前記セラミック本体の面のうち前記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出した請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記第1ダミーパターンは、前記セラミック本体の面のうち前記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する側面に露出した請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記第1ダミーパターンは、前記セラミック本体の上面及び下面のうち少なくとも一面に配置された請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項6】
前記第1ダミーパターンは、前記導電パターンの積層方向からみて、「L」字または「コ」字型である請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記第1ダミーパターンは、前記導電パターンの積層方向からみて、四角形である請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項8】
前記第1ダミーパターンは、2以上に分割されて形成された請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記セラミック本体の活性領域に配置され、前記導電パターンと電気的に分離され、前記セラミック本体の外部に露出した第2ダミーパターンをさらに含む請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項10】
前記第2ダミーパターンは、外部電極がカバーする領域内に配置された請求項9に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項11】
前記第2ダミーパターンは、前記セラミック本体の面のうち前記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出した請求項9に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項12】
前記第2ダミーパターンは、前記セラミック本体の面のうち前記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する側面に露出した請求項9に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項13】
前記第2ダミーパターンは、前記導電パターンの積層方向からみて、「L」字型である請求項9に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項14】
前記第2ダミーパターンは、前記導電パターンの積層方向からみて、四角形である請求項9に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項15】
前記第2ダミーパターンは、2以上に分割されて形成された請求項9に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項16】
前記セラミック本体は、磁性材料または誘電材料を含む請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項17】
セラミックグリーンシート上に第1ダミーパターンを形成して第1セラミックグリーンシートを用意する段階と、
セラミックグリーンシート上に導電パターン及び第2ダミーパターンを形成して第2セラミックグリーンシートを用意する段階と、
前記第1及び第2セラミックグリーンシートを積層して積層体を用意する段階と、
前記第1及び第2ダミーパターンが外部に露出するように前記積層体を切断及び焼成する段階と、
前記焼成された積層体に外部電極を形成する段階と、
を含む積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項18】
前記第1ダミーパターンは、外部電極がカバーする領域内に配置された請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項19】
前記第1ダミーパターンは、前記焼成された積層体の面のうち前記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出した請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項20】
前記第1ダミーパターンは、前記焼成された積層体の面のうち前記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する側面に露出する請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項21】
前記第1ダミーパターンは、前記焼成された積層体の上面及び下面のうち少なくとも一面に配置された請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項22】
前記第1ダミーパターンは、前記導電パターンの積層方向からみて、「L」字または「コ」字型である請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項23】
前記第1ダミーパターンは、前記導電パターンの積層方向からみて、四角形である請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項24】
前記第1ダミーパターンは、2以上に分割されて形成された請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項25】
前記第2ダミーパターンは、外部電極がカバーする領域内に配置された請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項26】
前記第2ダミーパターンは、 前記焼成された積層体の面のうち前記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面に露出した請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項27】
前記第2ダミーパターンは、 前記焼成された積層体の面のうち前記外部電極を連結して延長する長さ方向と垂直する面及びこれと隣接する側面に露出した請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項28】
前記第2ダミーパターンは、前記導電パターンの積層方向からみて、「L」字型である請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項29】
前記第2ダミーパターンは、前記導電パターンの積層方向からみて、四角形である請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項30】
前記第2ダミーパターンは、2以上に分割されて形成された請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項31】
前記焼成された積層体は、磁性材料または誘電材料を含む請求項17に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−84871(P2013−84871A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−288605(P2011−288605)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】