説明

積層体の切断方法

【課題】レーザー溶断の熱量の適正化を図ることで、ガラス板と樹脂板とを積層一体化した積層体を正確に切断する。
【解決手段】樹脂板2の両面にガラス板4を積層一体化してなる積層体1に対して、上方からレーザーLBを照射してレーザー溶断する。この際、積層体1中にレーザーLBの焦点FPを合わせ、且つ、その焦点FPの位置を上面側から積層体1の総板厚の50%超90%以下の範囲内に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂板の両面に、ガラス板を積層一体化した積層体の切断技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、使用場所が限定されずに携行性も良好であることから、携帯電話(スマートフォンなど)・タブレット型PC・携帯型ゲーム機器などの携帯用電子デバイスが普及するに至っている。これらの携帯用電子デバイスでは、携行性を良好に維持すべく、小型化及び軽量化が必要不可欠となる。しかしながら、小型化に伴って携帯用電子デバイスの画面も小さくすると、画面に表示される情報の視認性が低下し、携帯用電子デバイスとしての利便性が極端に低下するという問題がある。そのため、携帯用電子デバイスを小型化したとしても、その画面サイズは大きく確保することが必要となる。そこで、携帯用電子デバイスにおいては、画面外に存在していた操作部を省略し、その操作機能を画面中に組み込んで画面サイズをできるだけ大きく確保するという試みがなされている。この種の携帯用電子デバイスの画面には、タッチパネルが採用されるのが通例である。
【0003】
このような携帯用電子デバイスに搭載されるタッチパネルの保護カバーには、高硬度(耐擦傷性)や高い気密性が確保でき、見た目の高級感や手触りが良好である等の理由からガラス板が使用されることが多い。しかしながら、ガラスは樹脂(プラスチック)に比べて重いため、保護カバーに要求される諸特性をガラス板のみで実現しようとすると、携帯用電子デバイスの軽量化を図ることが困難になる。
【0004】
そこで、この問題に対処するものとして、例えば特許文献1及び2では、樹脂板の両面にガラス板を積層一体化した積層体が開示されている。このようにすれば、最外層がガラスで構成されることから、ガラスに由来する耐擦傷性などの諸特性を確保しつつ、中心層がガラスよりも軽量な樹脂で構成されることから、積層体全体の軽量化も図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−39597号公報
【特許文献2】特開平7−43696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の積層体は、携帯電話などの電子端末に搭載する場合には、電子端末のデザインに合わせて、直線や曲線を含む輪郭に加工することが必要となる。そのため、積層体を所望の形状に切断する技術が必要となる。
【0007】
しかしながら、ガラス加工用のダイヤモンドツールなどを用いて積層体を研削加工すると、ツールの研削面に樹脂の削りカスが付着して目詰まりを来たし、研削能力が早期に低下してしまう。その結果、加工速度が著しく低下するだけでなく、ツールに過度の芯振れが生じて、ツールや積層体の破損を招くおそれがある。
【0008】
一方、樹脂加工用の切削刃を用いて積層体を研削加工すると、切削刃がガラス板に対して過度な衝撃を付与し、ガラス板の破損を招くおそれがある。
【0009】
そこで、本願発明者等は、積層体を切断する方法としてレーザー溶断に着目し、鋭意研究を行った。その結果、次のような問題を新たに知見するに至った。
【0010】
すなわち、レーザー溶断の熱量が不足していると、樹脂板のみが切断され、ガラス板が切断できないという問題がある。一方、レーザー溶断の熱量が大きすぎると、積層体全体を切断できるものの、樹脂板が発火したり、ガラス板の切断面に大きなクラックが生じるという問題がある。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑み、レーザー溶断の熱量の適正化を図ることで、ガラス板と樹脂板とを積層一体化した積層体を正確に切断することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために創案された本発明は、樹脂板の両面にガラス板を積層一体化してなる積層体に対して、片側からレーザーを照射してレーザー溶断する積層体の切断方法であって、前記積層体中に前記レーザーの焦点を合わせ、その焦点位置を前記レーザーの入射面側から前記積層体の総板厚の50%超90%以下の範囲内に設定することに特徴づけられる。なお、樹脂板及びガラス板には、それぞれフィルム状の薄い形態(以下、単にフィルムともいう)が含まれるものとする(以下、同様)。
【0013】
本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、積層体をレーザー溶断する際の熱量の適正化を図る上で、レーザーの焦点位置が重要となることを見出すに至った。すなわち、積層体の厚み方向の中心にレーザーの焦点位置を設定するのが効率よく切断できるように一見思われるが、この場合、レーザー入射側と反対側のガラス板(以下、レーザー入射側のガラス板を入射側ガラス板といい、レーザー入射側と反対側のガラス板を反入射側ガラス板ともいう。)を切断できないという問題が生じた。この原因は、切断時に生じる溶融異物がレーザーの進行を阻害し、反入射側ガラス板へ熱量が伝わり難くなるためと考えられる。ここで、溶融異物とは、ガラス板や樹脂板が溶断されるのに伴って発生するドロス等の異物を意味し、溶融状態にあるもの、固化状態にあるものの双方を含む。
【0014】
なお、レーザーの焦点位置を中心に設定したまま、レーザーのパワーを上げることも考えられるが、この場合には、入射側ガラス板や、樹脂板の入射側ガラス板近傍部分に過剰な熱量が加わるため、入射側ガラス板の切断面にクラックが発生したり、樹脂板が発火するという事態が生じ得る。
【0015】
そこで、本発明では、上記構成のように、レーザーの焦点位置をレーザーの入射面側から積層体の総板厚の50%超90%以下の範囲内に設定するようにした。これにより、レーザーの焦点位置が、反入射側ガラス板側に偏ることから、反入射側ガラス板側にも十分に熱量が伝わり、反入射側ガラス板も正確に切断することができる。ここで、レーザーの焦点位置を総板厚の90%以下と上限値を設けた理由は、この上限値を超えると、逆に入射側ガラス板側へレーザーの熱量が伝わり難くなって、切断不良の原因となり得るためである。
【0016】
上記の構成において、前記焦点位置が、前記レーザーの入射面側から前記積層体の総板厚の60%以上80%以下の範囲内に設定されることが好ましい。
【0017】
このようにすれば、入射側ガラス板、樹脂板、及び反入射側ガラス板の3枚全てに、より効率よくレーザーの熱量を伝えることができる。
【0018】
上記の構成において、前記レーザーの出力を、前記レーザーの走査速度で除算した値を、0.001〜1W・分/mmに設定するようにしてもよい。ここで、レーザー溶断に使用するレーザーが、例えばパルスレーザーの場合には、レーザー出力=ピーク出力×(パルス幅/パルス周期)となる。また、レーザーの走査速度とは、積層体とレーザーとの相対速度を意味するものとする。
【0019】
このようにすれば、レーザーの照射ポイントに与えられるレーザーの熱量が最適化されるため、より正確な積層体の切断を実現できる。
【0020】
上記の構成において、前記樹脂板の板厚が20mm以下であって、前記ガラス板の板厚が300μm以下であり、且つ、前記樹脂板が前記ガラス板よりも厚いことが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、積層体中におけるレーザーの焦点位置を最適化することにより、レーザー溶断の熱量が適正化され、積層体を正確に切断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る切断方法を体現するための切断装置の概要を示す断面図である。
【図2】図1の積層体周辺の状態を拡大して示す断面図である。
【図3】図1の切断装置による積層体の切断状況を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る切断方法を含む積層体の製造工程を説明するための図である。
【図5】従来の切断装置の要部拡大断面図であり、(a)はレーザー溶断開始段階の断面図、(b)はレーザー溶断完了直前の断面図である。
【図6】(a)は本発明の第3実施形態に係る切断装置の概略平面図、(b)は(a)中のX−X線矢視概略断面図、(c)は、積層体を(a),(b)に示す切断装置を使用して製品部と非製品部とに分割した様子を模式的に示す平面図である。
【図7】(a),(b)共に、切断装置を構成する支持部材の変形例を模式的に示す断面図である。
【図8】第3実施形態の他の実施形態に係る切断装置の要部拡大断面図であり、(a)はレーザー溶断開始段階の断面図、(b)はレーザー溶断完了直前の断面図である。
【図9】積層体の切断態様の変形例を示す概略平面図である。
【図10】積層体の切断態様の変形例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0024】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る積層体の切断方法を体現するための切断装置を示す図である。この切断装置は、積層体1をレーザー溶断するものであって、レーザーLBを照射するレーザー照射装置5と、積層体1を支持する支持ステージ8とを備えている。なお、この実施形態では、積層体1に対してレーザーLBを上方から照射する。すなわち、積層体1において、上面がレーザーLBの入射側、下面がレーザーLBの反入射側となる。
【0025】
レーザー照射装置5は、レーザーLBを伝搬させる内部空間を有し、レーザーLBを集光するレンズ6と、アシストガスAGを噴射するガス噴射ノズル7とを備えている。
【0026】
レーザーLBとしては、例えば、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどが使用でき、連続光であっても良いしパルス光であっても良い。
【0027】
レンズ6は、レーザー照射装置5の内部空間に配置され、レーザーLBを集光して積層体1中に焦点FPを形成する。付言すれば、レーザー照射装置5全体が、積層体1に対して昇降し、焦点FPの位置が調整される。なお、レンズ6は、レーザー照射装置5の外側に配置されていてもよい。
【0028】
ガス噴射ノズル7は、レーザー照射装置5の先端部に接続されており、レーザー照射装置5の内部空間(レンズ6よりも下方の空間)にアシストガスAGを供給する。レーザー照射装置5の内部空間に供給されたアシストガスAGは、レーザー照射装置5の先端から積層体1に向かって真下(略垂直)に噴射される。すなわち、レーザー照射装置5の先端からは、レーザーLBが出射されると共に、アシストガスAGが噴射される。アシストガスAGは、積層体1を溶断する際に生じる溶融異物を積層体1の切断部から除去する役割と、その溶融異物からレーザー照射装置5のレンズ6等の光学部品を保護する役割、更には、レンズ6の熱を冷却する役割を果たす。
【0029】
なお、アシストガスAGの種類は特に限定されず、例えば、酸素ガス、水蒸気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等、公知のガスが単独でもしくは複数種混合して使用される。アシストガスAGは熱風として噴射しても良い。
【0030】
また、ガス噴射ノズル7の配置態様、すなわちアシストガスAGの噴射態様は上記形態に限定されるものではない。例えば、レーザー溶断による切断予定線により2つに区分されるガラス板4のいずれか一方の上方にガス噴射ノズル7を配置し、レーザーLBの被照射部に対して斜めにアシストガスAGを噴射するようにしても良い。また、ガス噴射ノズル22は必要に応じて設ければ足り、必ずしも設ける必要はない。
【0031】
切断対象となる積層体1は、樹脂板2の両面に、接着層3によってガラス板4をそれぞれ積層一体化したものであり、例えば、タッチパネルの保護カバーに用いられる積層体、フラットパネルディスプレイ(FPD)、電磁調理器、太陽電池等の各種電気・電子機器用パネルに組み込まれる積層体、建築構造物や各種車両の窓用パネルに組み込まれる積層体などとして利用される。なお、接着層3を省略して、ガラス板4に樹脂板2を溶着等によって直接接着してもよい。
【0032】
樹脂板2は、厚み0.01〜20mm程度であるが、携帯用電子デバイスに搭載されるタッチパネルの保護カバーに用いる場合は0.1〜2mm程度が好ましい。樹脂板2の材質としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、PEEK、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート等の各種樹脂材料を利用できる。ここで、樹脂板2には、樹脂フィルムも含まれる。
【0033】
ガラス板4は、厚み300μm以下、好ましくは10μm以上200μm以下である。なお、ガラス板4は、樹脂板2よりも薄板のものが好ましい。ガラス板4の組成としては、各種ガラスを利用できるが、無アルカリガラスが好ましい。これは、組成にアルカリ成分を含むガラスの場合、経時に伴ってガラス中のアルカリ成分が抜け、積層体に曲げ応力が作用したときに、アルカリ成分の抜けた部分が起点となってガラス板が割れ易くなるためである。ここで、ガラス板4には、ガラスフィルムも含まれる。
【0034】
なお、接着層3は、厚み1〜500μm程度である。接着層3の材質としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、紫外線硬化性アクリル系接着剤、紫外線硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性メラミン系接着剤、熱硬化性フェノール系接着剤、エチレンビニルアセテート(EVA)中間膜、ポリビニルブチラール(PVB)中間膜などが利用できる。
【0035】
次に、以上のように構成された切断装置による積層体1の切断方法を説明する。
【0036】
まず、図2に示すように、レーザー照射装置5から照射されたレーザーLBの焦点FPを、積層体1中に合わせる。この焦点FPのレーザーLBの入射側(上面側)からの距離dは、積層体1の総板厚の50%超90%以下(好ましくは、60%以上80%以下)の範囲内に設定する。なお、この実施形態では、焦点FPの位置は、積層体1の樹脂板2内にある。
【0037】
次に、この位置関係を保った状態のまま、図3に示すように、レーザー照射装置5を積層体1に対して走査して、積層体1を所望の形状・寸法に溶断して切断する。なお、レーザー照射装置5と積層体1との間に相対的な移動があれば、いずれを移動させるようにしてもよい。
【0038】
このとき、(レーザー出力)/(レーザー走査速度)の値を0.001〜1(好ましくは0.01〜0.1)W・分/mmとなるように、レーザー出力と、レーザー走査速度を調整する。なお、レーザー出力は、例えば1〜100Wであり、レーザー走査速度は、例えば100〜10000mm/分である。
【0039】
このようにすれば、レーザーLBの焦点FPの位置が、積層体1の厚み方向の中心位置よりも下方に偏ることから、下方のガラス板4側にも十分に熱量が伝わる。したがって、溶断時に生じる溶融異物によって、レーザーLBの進行が不当に妨げられることなく、下方のガラス板4も正確に切断することができる。
【0040】
<第2実施形態>
積層体をレーザー溶断により切断する場合、溶断により発生したガラス及び樹脂の溶融異物が発生し、この溶融異物が積層体のガラス板の表面に付着し、ガラス板の表面が汚染されるおそれがある。汚染された場合、事後的に洗浄によってガラス板の表面から溶融異物を除去することも考えられるが、ガラス板の表面から溶融異物を完全に除去することは困難である。
【0041】
そこで、第2実施形態では、図4に示すように、積層体1の表面を保護テープ9で覆う工程S2と、保護テープ9で覆われた積層体1をレーザー溶断する工程S3と、レーザー溶断された積層体1の表面から保護テープ9を剥離する工程S4とを含む。レーザー溶断する工程S3は、上記の第1実施形態で説明した方法が用いられる。
【0042】
詳細には、上記の一連の工程は、積層体1の一連の製造工程の中に組み込まれる。すなわち、積層体1の製造工程は、樹脂板2の両面に接着層3を介してガラス板4を積層一体化して積層体1を作製する工程S1と、積層体1の両面に剥離可能な保護テープ9を貼着する工程S2と、保護テープ9が貼着された積層体1を所定形状にレーザー溶断する工程S3と、レーザー溶断された積層体1から保護テープ9を剥離する工程S4と、保護テープ9が剥離された積層体1の端面に面取り加工を施す工程S5とからなる。なお、面取り加工を施す工程S5は、適宜省略することができる。
【0043】
このようにすれば、ガラス板4の露出した表面が保護テープ9により保護された状態で、レーザー溶断が行なわれることになるので、溶断時にガラスや樹脂の溶融異物が生じたとしても、これら溶融異物が上下のガラス板4の表面に直接付着することがない。しがたって、溶断後に、積層体1の上下のガラス板4の表面から保護テープ9をそれぞれ剥離すれば、ガラス板4の表面の清浄性を簡単且つ確実に維持することが可能となる。
【0044】
ここで、保護テープ9は、ガラス板4の表面から剥離可能なものであれば特に限定されるものではないが、紫外線剥離型テープや熱剥離型テープを用いた場合、粘着力を低下させるために、紫外線照射工程や加熱工程が必要となるが、これら工程で、レーザー溶断されたガラス板4の端面に存在するマイクロクラックを起点としてガラス板4が破損するおそれがある。そのため、保護テープ9としては、剥離時に加熱等の処理が不要な弱粘着テープを用いることが好ましい。
【0045】
<第3実施形態>
また、積層体をレーザー溶断により切断し、製品部と非製品部に分離する場合、製品部を構成するガラス板の切断端面にマイクロクラック等の微小欠陥が形成される場合があった。このような不具合は、特に、厚みが数百μm以下程度にまで薄板化されたガラス板を含む積層体をレーザー溶断した際には、微小欠陥の形成頻度が一層増大した。そこで、本願発明者等は鋭意研究を重ね、その結果、レーザー溶断の実行中における積層体の支持態様が適当でない場合、特に、積層体のうち製品部(となる領域)よりも非製品部(となる領域)の方が僅かなりとも高位置にある場合に、製品部の切断端面に微小欠陥が形成され易いことが判明した、その概要を図5に基づいて説明する。
【0046】
図5(a)は、樹脂板101の両面にガラス板102を積層一体化させてなる積層体100を、レーザー溶断によって製品部100aと非製品部100bとに分割する直前の状態を模式的に示している。積層体100は、その下方側に配置された支持部材110により横姿勢で支持されている。支持部材110は、製品部100a(となる領域)および非製品部100b(となる領域)をそれぞれ支持(接触支持)可能な第1支持部111および第2支持部112を備えているが、第2支持部112の支持面の一部又は全部が、第1支持部111の支持面よりも僅かに上方に位置しており、製品部100aの下面と第1支持部111の支持面との間に微小隙間が形成される領域が存在する。そして、この微小隙間が、特にレーザー溶断の完了点を含む領域に存在すると、レーザー溶断が完了する直前(図5(b)参照)に、積層体100の製品部100aがその自重等によって上記の微小隙間の隙間幅分だけ落下し、下側のガラス板102が強制的に折り割られてしまう。これにより、製品部100aを構成する下側のガラス板102にマイクロクラック等の微小欠陥120が形成され、最悪の場合には、微小欠陥120に起因して、製品部100aを構成する下側のガラス板102が割れてしまう。
【0047】
そこで、第3実施形態では、少なくとも積層体における切断予定線の切断が完了する直前に、製品部を非製品部よりも上方に位置させ、その状態で切断予定線の切断を完了させるようにした。以下に詳細を説明する。なお、積層体の構成は、第1実施形態と同様とする。
【0048】
図6(a)に本発明の一実施形態に係る切断装置の概略平面図を示し、図6(b)に同切断装置の部分概略断面図(図6(a)中のX−X線矢視概略断面図)を示す。この切断装置は、横姿勢の積層体1の切断予定線CLに沿って上方からレーザーLBを照射し、レーザーLBの照射熱で切断予定線CLを順次溶融除去するいわゆるレーザー溶断により、切断予定線CLを境界として積層体1を製品部と非製品部とに分離・分割する際に使用される。ここでは、図6(c)にも示すように、全体として平面視略矩形状をなし、積層体1から製品部Mを長方形状に切り抜くことにより、積層体1を、長方形状の製品部Mと中抜き矩形状の非製品部Nとに分割する際に使用する切断装置について例示する。
【0049】
図6(b)に示すように、切断装置は、積層体1の上方に配置されたレーザー照射装置11およびガス噴射ノズル12と、積層体1の下方に配置された支持部材13とを主要な構成として備え、レーザー照射装置11およびガス噴射ノズル12と、支持部材13とは水平面に沿う方向に相対移動可能とされている。なお、図示は省略するが、この場合も、第1実施形態と同様に、レーザー照射装置11から照射されるレーザーLBは、積層体1内に焦点が合わせられ、その焦点位置は、レーザーLBの入射側(上面側)から積層体1の総板厚の50%超90%以下(好ましくは、60%以上80%以下)の範囲内に設定される。
【0050】
レーザー照射装置11は、例えば、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどに代表されるレーザーLBの発生源であるレーザー発振器の他、集光レンズなどの光学部品を主要な構成として備え、積層体1の切断予定線CLに向けて略垂直にレーザーLBを照射する。レーザーLBは、連続光であっても良いしパルス光であっても良い。
【0051】
ガス噴射ノズル12は、積層体1の切断予定線CLにレーザーLBを照射するのに伴って積層体1の切断(溶断)部位で発生する溶融異物を吹き飛ばすために、積層体1のうち、レーザーLBの被照射部に向けてアシストガスAGを噴射するものである。本実施形態では、積層体1を製品部Mと非製品部Nに分割する関係上、積層体1の製品部Mとなる側の上方位置にガス噴射ノズル12が配置されており、アシストガスAGが製品部Mとなる側の上方位置からレーザーLBの被照射部に向けて斜めに噴射される。これにより、積層体1の溶断部位で発生した溶融異物は、アシストガスAGによって非製品部N側へ吹き飛ばされる。そのため、製品部Mの切断端面等に溶融異物が付着し、製品部Mに形状不良が生じるような事態が可及的に防止される。使用可能なアシストガスAGの種類は特に限定されず、例えば、酸素ガス、水蒸気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等、公知のガスが単独でもしくは複数種混合して使用される。アシストガスAGは熱風として噴射しても良い。
【0052】
なお、ガス噴射ノズル12の配置態様、すなわちアシストガスAGの噴射態様は上記形態に限定されるものではない。例えば、切断予定線CLの真上にガス噴射ノズル12を配置し、レーザーLBの被照射部に対して略垂直にアシストガスAGを噴射するようにしても良い。また、ガス噴射ノズル12は必要に応じて設ければ足り、必ずしも設ける必要はない。
【0053】
支持部材13は、切断すべき積層体1を下方側から横姿勢で支持するための部材であって、長方形状の製品部M(となる領域)を支持可能な第1支持部15と、中抜き矩形状の非製品部N(となる領域)を支持可能な第2支持部16とを有し、両支持部15,16は、積層体1の切断予定線CL、換言するとレーザーLBの照射軌道に沿って設けられた溝部14により区分されている。溝部14は、積層体1を突き抜けたレーザーLBが積層体1の下面の至近距離で反射して積層体1の下面に再入射することにより、積層体1(特に製品部M)の切断端面に不要な照射熱を与え、これによって切断端面の残留歪が増大したり切断端面に微小欠陥が発生したりするのを可及的に防止するために設けられた部位である。
【0054】
図6(b)に示すように、第1支持部15は、その支持面15aが、第2支持部16の支持面16aよりも僅かに上方に位置するように形成されており、したがって、両支持面15a,16a間には僅かな高低差δが存在する。ここでは、第2支持部16と略同一厚みに形成された基部15'の上面に、設けるべき高低差δの値に対応した厚みのスペーサ17を積層一体化させることにより、両支持部15,16の支持面15a,16a間に高低差δを設けている。すなわち、本実施形態では、基部15'とその上面に積層一体化されたスペーサ17とで第1支持部15を構成している。両支持面15a,16a間の高低差δは0.01mm以上0.2mm以下(0.01mm≦δ≦0.2mm)に設定されるが、高低差δの数値範囲をこのように設定した理由については後に詳述する。使用可能なスペーサ17に特段の限定はなく、例えば、樹脂、ゴムまたは金属製のシム板や、テープ材などを使用することができる。スペーサ17は、一枚のシム板等で構成しても良いし、シム板等を複数枚積層させて構成しても良い。
【0055】
なお、両支持部15,16の支持面15a,16a間に所定の高低差δが設けられた支持部材13を得るための手段は上記のものに限定されるわけではない。すなわち、支持部材13は、図7(a)に示すように、支持部材13を保持するためのベース部材18の上面に、設けるべき高低差δに対応した肉厚差を有する板材19,20を貼り付けたものとしても良いし、図7(b)に示すように、レーザーLBの照射軌道(切断予定線CL)に沿った溝部14を有する板材21を準備し、この板材21の所定領域(第2支持部16となる領域。同図中クロスハッチングで示す領域)を旋削加工等で削り取ることによって形成されたものとしても良い。但し、図7(b)に示す構成では、図6(b)や図7(a)に示した構成に比べて支持部材13の製作に手間を要することから、支持部材13としては、図6(b)や図7(a)に示すものが好ましい。
【0056】
図示は省略するが、当該切断装置には、積層体1を支持部材13に吸着するための吸着手段をさらに設けても良い。このような吸着手段を設け、積層体1を支持部材13に吸着した状態で切断予定線CLの切断処理(溶融除去)を順次実行するようにすれば、積層体1が支持部材13に対して相対移動するのを可及的に防止することができる。これにより、切断精度を向上し、高品質の製品部Mを得ることができる。
【0057】
以上のような構成を有する切断装置は、次のようにして、支持部材13により下方側から横姿勢で支持された積層体1を、切断予定線CLを境界として製品部Mと非製品部Nとに分割する。まず、レーザー照射装置11およびガス噴射ノズル12と支持部材13とを相対移動させながらレーザー照射装置11から積層体1(の切断予定線CL)に向けてレーザーLBを照射することにより、レーザーLBの照射熱で積層体1の切断予定線CLを順次溶融除去する。このとき、レーザーLBの焦点位置は、レーザーLBの入射側(上面側)から積層体1の総板厚の50%超90%以下の範囲内に設定される。またこれと同時に、積層体1のうち、レーザーLBの被照射部に向けてガス噴射ノズル12からアシストガスAGを噴射し、レーザーLBが照射されるのに伴って形成された溶融異物を非製品部N側に吹き飛ばす。
【0058】
レーザー照射装置11およびガス噴射ノズル12と支持部材13とは、切断予定線CL(の一部領域)に向けて照射したレーザーLBが積層体1の下面を突き抜ける毎に相対移動させるようにしても良いし、積層体1の切断予定線CLの一部領域が所定厚み溶融除去される毎に相対移動させても良い。すなわち、切断予定線CLの切断は、レーザーLBを積層体1の切断予定線CLに沿って一周走査させることで完了させるようにしても良いし、レーザーLBを積層体1の切断予定線CLに沿って複数周走査させることで完了させるようにしても良い。そして、切断予定線CLが全て溶融除去されることで切断予定線CLの切断が完了すると、積層体1は、図6(c)に示すように、切断予定線CLを境界として長方形状の製品部Mと中抜き矩形状の非製品部Nとに分割される。
【0059】
そして、本実施形態では、以上のようにして積層体1を製品部Mと非製品部Nとに分割する際に使用する切断装置として、製品部Mを支持する第1支持部15の支持面15aが、第2支持部16の支持面16aよりも上方に位置した支持部材13を備えたものを使用した。これにより、製品部M(となる領域)を非製品部N(となる領域)よりも常時上方に位置させた状態で切断予定線CLの切断(ここでは溶融除去)を進行・完了させることができる。そのため、切断予定線CLの切断完了直前段階で、製品部Mが非製品部Nよりも下方に位置していることに起因して、製品部Mを構成するガラス板4(特に下側のガラス板4)の切断端面にマイクロクラック等の微小欠陥が形成される可能性を可及的に低減することができる。すなわち、このようにすれば、積層体1の切断(レーザ溶断)完了直前段階で非製品部Nが脱落等し、積層体1を構成する下側のガラス板4が強制的に折り割られた場合でも、マイクロクラック等の微小欠陥は、製品部Mではなく非製品部Nの切断端面に形成されるからである。
【0060】
特に、厚みが0.01mm以上0.3mm以下程度にまで薄板化されたガラス板4(本実施形態では厚み0.1mmのガラス板4)を含む積層体1を、切断予定線CLを境界として製品部Mと非製品部Nとに分割するような場合には、切断予定線CLの切断完了直前段階で積層体1を構成するガラス板4(特に下側のガラス板4)が強制的に折り割られ易いため、上記構成の切断装置は極めて有益である。
【0061】
なお、製品部Mを非製品部Nよりも上方に位置させた状態で切断予定線CLの切断(溶融除去)を完了させるようにすれば、上記のとおり、製品部Mの切断端面に微小欠陥が形成される可能性を可及的に低減することができる。しかしながら、両支持面15a,16a間の高低差δがあまりに小さいと、支持部材13製作時の加工誤差の影響により、および/またはレーザーLB照射に伴う両支持部15,16の少なくとも一方の熱変形により、第1支持部15の支持面15aの一部又は全部が、第2支持部16の支持面16aよりも下方に位置してしまう可能性があることも否定できない。これに対し、第1支持部15の支持面15aを、第2支持部16の支持面16aよりも0.01mm以上上方に位置させるようにしておけば、両支持面15a,16a間の高低差δで支持部材13製作時の加工誤差やレーザーLB照射に伴う支持部15,16の熱変形量を吸収することができる。一方、第1支持部15の支持面15aの方が、第2支持部16の支持面16aよりも0.2mmを超えて上方に位置するような場合には、非製品部Nの自重による垂れ下がり量が大きくなり、その曲げ応力によって製品部Mを構成するガラス板4の切断端面に微小欠陥が形成され易く、従って製品部Mを構成するガラス板4が割れる可能性が高まる。
【0062】
以上のことから、本実施形態のように、第1支持部15の支持面15aを、第2支持部16の支持面16aよりも0.01mm以上0.2mm以下の範囲で上方に位置させる(両支持面15a,16a間の高低差δを0.01mm以上0.2mm以下に設定する)ようにすれば、高品質の製品部Mを安定的に得ることができる。
【0063】
以上、第3実施形態に係る積層体1の切断装置および切断方法について説明を行ったが、切断装置(切断方法)には、種々の変更を加えることが可能である。
【0064】
例えば、上記した切断装置は、支持部材13を構成する第1支持部15および第2支持部16の双方が固定的に設けられたものであるが、切断装置は、両支持部15,16の少なくとも一方を昇降移動させる昇降移動機構をさらに備えたものとすることもできる。このような構成とすれば、切断予定線CLの切断処理実行中に、両支持部15,16の支持面15a,16a高さを任意に調整することが可能となるので、積層体1を最適な姿勢に保持した状態で切断予定線CLの切断を進行・完了させることが容易となる。
【0065】
具体的には、例えば、図8(a)に示すように、切断予定線CLの切断開始後、切断予定線CLの切断が完了する直前までの間、製品部Mおよび非製品部Nを同一高さに位置させる。その後、図8(b)に示すように、切断予定線CLの切断が完了する直前の状態にまで切断処理が進展したときに、第1支持部15と第2支持部16とを相対的に昇降移動させる(図示例では、第2支持部16を下降移動させる)ことにより、製品部Mを非製品部Nよりも上方に位置させ、その状態で切断予定線CLの切断を完了させる。
【0066】
このようにすれば、製品部Mおよび非製品部Nを同一平面内に位置させた状態で切断予定線CLの切断処理を進行させることができるので、製品部M又は非製品部Nの自重による垂れ下がりに起因した微小欠陥の形成確率をも可及的に低減することができるという利点がある。
【0067】
もちろん、切断予定線CLの切断が完了する直前ではなく、例えば切断予定線CLの切断が全体の半分程度進行した時点で、第1支持部15と第2支持部16とを相対的に昇降移動させることによって第1支持部15の支持面15aを第2支持部16の支持面16aよりも上方に位置させ(製品部Mを非製品部Nよりも上方に位置させ)、その状態で切断予定線CLの切断を完了させるようにしても構わない。要するに、切断予定線CLの切断完了直前段階で第1支持部15の支持面15aが第2支持部16の支持面16aよりも上方に位置しており、その状態で切断予定線CLの切断が完了するようになっていれば良い。
【0068】
以上では、積層体1を1枚の製品部Mと1枚の非製品部Nとに分割する場合について説明を行ったが、図9に示すように、複数(図示例では4つ)の切断予定線CLを有する積層体1から複数枚(4枚)の製品部Mを切り抜き、積層体1を4枚の製品部Mと1枚の非製品部Nとに分割する際や、図10に示すように、直線状の切断予定線CLを有する積層体1にレーザーLBを照射して切断予定線CLを切断することにより、切断予定線CLを境界として積層体1を製品部Mと非製品部Nとに分割するような場合にも好ましく適用することができる。
【実施例】
【0069】
次に、本発明の実施例に係る積層体の評価試験結果の一例を説明する。
【0070】
この評価試験では、実施例1〜3に係る積層体と、比較例1〜3に係る積層体のそれぞれを所定の条件でレーザー溶断し、この際にガラス板端面に生じるクラックの最大サイズを検査した。なお、レーザー溶断は炭酸ガスレーザーを用いて実施した。
【0071】
実施例1〜3に係る積層体と、比較例1〜3に係る積層体の基本構成は、次の通りである。すなわち、実施例に係る積層体と、比較例に係る積層体の双方が、樹脂板の両面にガラス板を貼り合わせて構成される。ガラス板は、材質が無アルカリガラス(日本電気硝子株式会社製のOA−10G)、熱膨張係数が38×10-7/℃、寸法が200mm×200mmである。樹脂板は、材質がポリカーボネート、寸法が200mm×200mmである。また、ガラス板と樹脂板は接着層によって積層一体化されている。接着層は、材質がアクリル系粘着剤であり、寸法が200mm×200mm×0.025mmtである。
【0072】
評価試験の試験条件は、各積層体を上方からレーザーを照射してレーザー溶断することにより、大きさが150mm×150mmで、直交する2辺が交差する各コーナー部の曲率半径が10mmになるようにトリミングし、ガラス板端面に発生したクラック深さの最大サイズを測定した。その結果を表1に示す。なお、クラック深さの最大サイズが0.2mmを超えると、破損の原因となる。
【0073】
【表1】

【0074】
この表1からも、実施例1〜3が、比較例1〜3に比して、溶断した積層体に含まれるガラス板にクラック深さが小さくなることが認識できる。
【0075】
すなわち、比較例1〜3のように、レーザーの焦点位置が積層体の総板厚の50%超90%以下にない場合には、ガラス板のクラック深さが、0.2mmより大きくなり、破損の原因となる。これに対し、実施例1〜3では、レーザーの焦点位置を上記数値範囲内に規制したことから、ガラス板のクラック深さが小さくなり、破損の原因となるような0.2mmを超えるものは発生しなかった。
【0076】
なお、上記実施例において、レーザー溶断後に積層体に含まれるガラス板の溶断面の縁部に対して面取り加工を施すことが好ましい。
【符号の説明】
【0077】
1 積層体
2 樹脂板
3 接着層
4 ガラス板
5 レーザー照射装置
6 レンズ
7 アシストガス噴射ノズル
8 支持ステージ
9 保護テープ
FP レーザーの焦点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂板の両面にガラス板を積層一体化してなる積層体に対して、片側からレーザーを照射してレーザー溶断する積層体の切断方法であって、
前記積層体中に前記レーザーの焦点を合わせ、その焦点位置を前記レーザーの入射面側から前記積層体の総板厚の50%超90%以下の範囲内に設定することを特徴とする積層体の切断方法。
【請求項2】
前記焦点位置が、前記レーザーの入射面側から前記積層体の総板厚の60%以上80%以下の範囲内に設定されることを特徴とする請求項1に記載の積層体の切断方法。
【請求項3】
前記レーザーの出力を、前記レーザーの走査速度で除算した値を、0.001〜1W・分/mmに設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体の切断方法。
【請求項4】
前記樹脂板の板厚が20mm以下であって、前記ガラス板の板厚が300μm以下であり、且つ、前記樹脂板が前記ガラス板よりも厚いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体の切断方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−254627(P2012−254627A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−110813(P2012−110813)
【出願日】平成24年5月14日(2012.5.14)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】