説明

端末

【課題】 ユーザが購入した製品についてのアフターサービスの充実化。
【解決手段】 例えばサービス提供を行うサービスサーバは、ユーザが購入した製品であるナビゲーションシステムに対して固有に割り与えられた機器IDを利用して特定のナビゲーションシステムにアクセスして、サービス情報を送信するようにされる。即ち、本来は通信網上において不特定多数の端末装置の1つであるナビゲーションシステムに対して積極的にアクセスしてサービス情報を送信提供する。これにより、適切とされる任意の機会に、必要充分な内容のサービスを提供することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車などの移動体に搭載される電子機器と、サーバ及び携帯電話などの個人移動端末装置とを通信網を介して通信可能なように構築されたシステムとして、例えば電子機器を購入して利用しているユーザに対して、送信されたデータを受信した電子機器が、その受信データの内容に従って何らかの動作の実行を行うことで享受できるようなサービスを提供することのできる端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆるカーナビゲーション装置が広く普及している。その基本的な機能としては、例えば移動中にある自動車などの現在位置を測定して、その測定された現在位置を地図上に表示させるなどして、ユーザに現在位置を知らせるものである。
また、近年においては、移動無線端末装置を備えることで、インターネットに接続可能な機能を有するカーナビゲーション装置も普及してきている。その利用形態としては、例えばインターネット上のWebサイトにアクセスすることで、例えば、或る特定地域の店舗の情報や、イベント、天気の情報などをカーナビゲーション装置の表示部位に表示させ、これらの情報を得ることが可能になるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えば商品を購入したユーザには、いわゆるアフターケア、アフターサービスなどといわれる、商品を購入したユーザにとって有用となるようなサービスを、その商品を製造販売したメーカや店舗から提供することがしばしば行われる。
ここで上記したようなカーナビゲーション装置もまた、元は商品であり、例えばこれを搭載する自動車の所有者が購入して取得したものである。従って、企業や販売店などの販売側は、このようなカーナビゲーション装置についてもアフターサービスを提供すれば、ユーザへの便宜を図り、また、自社商品の付加価値を高めることができる。
【0004】
しかし、企業側からのサービスの提供のしかたとしては、例えば現状は、郵送や電子メールなどによる通知等に限定され、より高い利便性を求めようとした場合には限界がある。
そこで、例えばインターネット上にサービス用のサーバを設けて、インターネット接続機能を有するカーナビゲーション装置に対して、直接的にサービスに関連するデータを送信するような形態とすれば、より直接的にユーザに対してサービスを提供することが可能になるものである。
しかし、現状においては、カーナビゲーション装置は、単にインターネットへの接続機能を有しているのみであり、例えば上記したようなサーバ側からカーナビゲーション装置に対してアクセスすることはできないものである。つまり、現状の段階では、インターネット通信機能を利用してサービスを提供するにしても、ユーザが、サービス用サーバのアドレス(URL)を把握した上で、カーナビゲーション装置に対する操作を行って、カーナビゲーション装置側からサービス用サーバに対してアクセスする必要がある。これは、即ち、企業側でサービス提供が必要とされる機会となったそのときに、直ちにカーナビゲーション装置側にアクセスしてサービスを提供することができないことを意味し、これでは、充実したサービスの提供ができないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、上記した課題を考慮して、以下のように構成する。
固有IDを有するナビゲーション機能を含む端末であって、通信ネットワーク上で情報を送受信するワイヤレス通信ユニットと、プロセッサを有する制御ユニットとから成り、
前記プロセッサは、前記ワイヤレス通信ユニットで受信するサービス提供システムによって提供された所定のサービスを処理可能であり、前記サービス提供システムは、そのナビゲーション端末の固有IDを記憶し、前記ナビゲーション端末が認証されたときのみ、そのナビゲーション端末にアクセスし、前記所定のサービスを提供し、前記所定のサービスは、前記ナビゲーション端末で利用可能な地図情報のアップデートであり、前記地図情報の先のバージョンとアップデートされた地図情報間の差分のみのデータを前記ワイヤレス通信ユニットにて受信するようにする。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明は、例えば無線通信によりインターネット等の通信網への接続機能を有するカーナビゲーションシステム(電子機器)に対してサービスを提供するのにあたって、サーバ側でカーナビゲーションシステムごとに固有に割与えたナビID(機器ID)を保有して管理していることで、本来はインターネット上における不特定多数の端末であるカーナビゲーションシステムのうち、サービスを提供したいとする特定のカーナビゲーションシステムに対してアクセスしてサービス提供に必要なデータ通信を行うことが可能になるものである。
例えば従来にあっては、先ずカーナビゲーションシステム側からアクセスしなければならず、例えばサーバ側では、このアクセスを待ってサービス情報を提供することしかできずにいた。これに対して、本発明では、サーバ、若しくは携帯電話(移動無線端末装置)側から特定のカーナビゲーションシステムに対してアクセスすることが可能となることから、適切とされる任意の機会に、必要充分な内容のサービスを提供することが可能となる。また、これによって、提供可能なサービスの種類も容易に増加させていくことが可能になる。従って例えばカーナビゲーションシステムを購入したユーザにとっては、サービス提供をこれまでよりも簡易で有効なかたちで享受することができ、また、販売側の両者にとっては製品の付加価値が高まるので、販売促進の効果も期待できることになる。
【0007】
また、屋内等に固定的に設置される通信端末装置(パーソナルコンピュータ)から電子機器(例えばナビゲーションシステム)に対して通信を行う場合においては、認証サーバを介在させるようにしている。また、通信端末装置が電子機器と通信するために認証サーバにアクセスしたときには、アクセス経路を特定する情報(電話番号、ポート番号、ルータアドレス等)を利用して端末ID(PC−ID)を生成するようにしている。そして、認証サーバでは、端末IDを利用して認証処理を行うようにしている。
アクセス経路を特定する情報は、通常は、通信端末装置が最初に接続する通信網を運営する側が管理保持していることから、通信端末装置側にて改竄することは不可能な情報であり、従って、端末IDとしても改竄することのできない情報であるといえる。つまり、この発明によっては、いわゆる成りすましによって不正なサービス利用が行われることを、簡易な構成によって確実に防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態としてのサービス提供システム(第1例)の構成例を示す説明図である。
【図2】本実施の形態のナビゲーションシステムの構成例を示す説明図である。
【図3】本実施の形態のナビゲーションシステムの内部構成例を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態の携帯電話の内部構成例を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態において、無線電話通信網に備えられるアプリケーションサーバの内部構成例を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態におけるサービスサーバの内部構成例を示すブロック図である。
【図7】システムバージョンアップのサービス提供を実現するための処理動作を示すフローチャートである。
【図8】自動車のセキュリティチェックを携帯電話から行うというサービス提供を実現するための処理動作を示すフローチャートである。
【図9】自動車の鍵を、携帯電話からのコントロールにより行うというサービス提供を実現するための処理動作を示すフローチャートである。
【図10】地図情報の更新データをナビゲーションシステムがサービスサーバからダウンロードするというサービスを実現するための処理動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態としてのサービス提供システム(第2例)の構成例を示す説明図である。
【図12】パーソナルコンピュータの内部構成例を示すブロック図である。
【図13】本実施の形態における認証サーバの内部構成例を示すブロック図である。
【図14】本実施の形態におけるPC−ID登録手順(第1例)を示す概念図である。
【図15】本実施の形態におけるPC−ID登録手順(第2例)を示す概念図である。
【図16】本実施の形態におけるPC−ID登録手順(第3例)を示す概念図である。
【図17】パーソナルコンピュータがナビゲーションシステムの現在位置情報を取得するというサービスを実現するための処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態としてのサービス提供システムについて説明を行っていくこととする。このサービス提供システムは、自動車に搭載されるカーナビゲーション装置を購入したユーザに対して、少なくともカーナビゲーション装置購入のアフターケアとしてのサービスを提供するものとされる。
なお、以降の説明は次の順序で行う。
1.サービス提供システム(第1例)
1−1.全体構成
1−2.ナビゲーションシステムの全体構成
1−3.ナビゲーション本体部の内部構成
1−4.携帯電話の内部構成
1−5.アプリケーションサーバの内部構成
1−6.サービスサーバの内部構成
2.システムによるサービス提供形態例
3.処理動作例
4.サービス提供システム(第2例)
4−1.全体構成
4−2.パーソナルコンピュータの内部構成
4−3.認証サーバの内部構成
4−4.サービス提供形態例
4−5.認証用ユーザデータベースの構築
4−6.処理動作例
【0010】
1.サービス提供システム(第1例)
1−1.全体構成
図1は、本実施の形態の第1例としてのサービス提供システムの一形態例を示している。
自動車100には、ナビゲーションシステム1が搭載されている。このナビゲーションシステムは、いわゆるカーナビゲーション装置を基本として、自動車の盗難などを防ぐセキュリティティシステム、また、無線電話通信網300を介してデータ通信が可能な通信端末装置などを備えたシステム構成を採っている。
本実施の形態のサービス提供システムによるサービスを受けるのは、この自動車100の所有者であり、また、ナビゲーションシステム1を購入したユーザとなる。
【0011】
携帯電話200は、例えばナビゲーションシステムと同じユーザの名義で、無線電話通信網300を運営する通信会社と契約してあるもので、上記のようにして、無線電話通信網300を介して、電話回線を使用しての通話を行うことができる。また、この場合には、インターネットとの接続によりデータ通信を行うことも可能とされている。
【0012】
無線電話通信網300は、例えば携帯電話のほか、本実施の形態であればカーナビゲーション装置の無線端末装置などの、無線端末装置間の移動体通信を実現するための設備とされ、例えば図示するように、基地局301、中継局302、アプリケーションサーバ303,ゲートウエイ304を備える。
基地局301及び中継局302によっては、例えば無線端末装置間での無線通信が可能とされる。また、無線端末装置をインターネットと接続する際には、アプリケーションサーバ303がその機能を果たすようにされる。
アプリケーションサーバ303は、例えばその無線通信会社で提供するインターネット機能に対応して必要となる処理を実行するようにされている。そして、アプリケーションサーバ303にて処理したデータをゲートウェイ304を介して変換することで、結果的には、無線電話通信網300と接続される無線端末装置をインターネット400と接続することが可能になる。
【0013】
インターネット上には各種のサーバが接続されているのであるが、本実施の形態としては、図示するように、サービスサーバ500が備えられる。このサービスサーバ500は、ユーザへの各種サービスを提供可能な機能が与えられるように構成されている。なお、サービスサーバ500により提供可能なサービス内容例については後述する。また、サービスサーバ500は、ここでは1つのサーバであることとして示しているが、例えば実際には、サービスを提供する企業、部門などごとに、複数のサーバが設けられて構わないものである。例えば、後述する例では、購入されたカーナビゲーションシステム1本体についてのアフターサービスと、カーナビゲーションシステム1を構成するセキュリティシステムの利用サービスなどを提供しているが、例えば上記2つのサービスごとに、カーナビゲーションシステム1のメーカが設備するサービスサーバと、セキュリティシステムを運営する企業が設備するサービスサーバとが設けられて構わないものである。
【0014】
このような構成であるとすれば、移動端末装置、つまりナビゲーションシステム1や携帯電話200は、インターネット400と接続されることで、各種のWebサイト等にアクセスすることができる。また、例えば電子メールの送受信等を行うことも可能となる。もちろんのこと、携帯電話200に関すれば、通常の電話回線を通じての通話も可能とされるものである。
【0015】
1−2.ナビゲーションシステムの全体構成
図2は本実施の形態のナビゲーションシステム全体の概略構成を示している。
この図2に示す本実施の形態のナビゲーションシステム1は、例えばナビゲーション本体部2、ディスプレイモニタ部3、GPSアンテナ5、交通情報受信アンテナ7、自律航法ユニット6、通信端末装置50、セキュリティシステム部41、及びリモートコントローラ8等によって構成される。
【0016】
ナビゲーション本体部2の詳しい構成については後述するが、その内部で再生される記録媒体9から読み出した地図情報と、現在位置情報とに基づいて、例えばディスプレイモニタ部3の表示画面3aに対して、自車の現在位置を地図上に表示させたり、また、ドライブ経路や各種ガイドとなるナビゲーション情報を表示させることができるようになっている。
【0017】
記録媒体9は、例えばこの場合には、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)や、DVD−ROM(Digital Video Disk/Digital Versatile Disk−Read Only Memory)等のディスクとされ、上記もしたように地図情報が記憶されている。
【0018】
ディスプレイモニタ部3の表示画面部3aには、例えば液晶ディスプレイ等によって構成され、ナビゲーション本体部2から出力される画像情報に基づいて表示が行われる。
受信部3bはリモートコントローラ8から送られてくるコマンド情報を受信する受信部とされる。この受信情報は、後述するようにして、ナビゲーション本体部2に対して伝送される。
【0019】
また、ここでは図示していないが、本実施の形態のナビゲーション装置としては、スピーカ等の音声出力部を設けることも可能とされる。その場合は、ナビゲーション本体部2から音声出力部に対して、所定のポイント(交差点)や、渋滞状況、右折左折地点、道順間違い、などといった音声ナビゲーション情報を出力することで、音声出力部からユーザに対して警告音やガイド音声を出力することが可能になる。
【0020】
GPS(Global Positioning System )アンテナ5は、例えばGPSの衛星からの電波を受信するために設けられている。このGPSアンテナ5で受信された電波は受信データとして復調されてナビゲーション本体部2内に取り込まれ、後述するように自車の現在位置を測定するために用いられる。
【0021】
交通情報アンテナ7は、所定の道路交通情報通信システムのもとで、例えばFM多重、光ビーコン、電波ビーコンなどにより伝送される道路交通情報を受信可能とされている。受信された道路交通情報としては、例えば道路の渋滞状況や駐車場などの情報が挙げられるが、ナビゲーション本体部2では、これらの道路交通情報に基づいて、道路の渋滞状況の表示、また、渋滞状況に基づく所要時間の提示、駐車場の案内表示などを実行させることが可能とされる。
【0022】
自律航法ユニット6は、自車の走行速度や走行方位などの走行情報を検出する部位とされ、例えば図示するように、自車の走行速度に応じて変化する車速パルスを検出する車速センサ6a、及び、自車の走行方位を検出するジャイロ6bを備えている。この自律航法ユニット6で検出された走行情報もまたナビゲーション本体部2に出力され、自車の現在位置を測定するのに用いられる。
特に、このような自律航法ユニット6は、例えば自車がトンネルや地下道等に入り、上記GPSアンテナ5により衛星通信からの電波を受信できない時に、自車の現在位置を測定するのに利用される。
【0023】
リモートコントローラ8は、本実施の形態のナビゲーションシステム1をユーザが操作するために用いられ、各種操作キーや、操作キーの操作に応じてコマンド信号を発生させる信号発生部や、コマンド信号を赤外線輝度変調信号として出力する出力部等を備えており、その赤外線によるコマンド出力が上記受信部3bで受信される。
ここで、リモートコントローラ8に備えられる緊急キー8aは、例えば交通事故や、第三者とのトラブルなどの、搭乗者にとって危険とされる状況が発生したときに操作されるもので、これによって、例えば、そのときの状況を記録した画像、音声データを転送させることができるようになっている。
【0024】
なお、操作手段としては、これ以外にも、例えば電波送信によるリモートコントローラ、ナビゲーション本体部2と有線接続されるリモートコントローラ、さらにはナビゲーション本体部2やディスプレイモニタ部3の筐体上に設けられる操作部等とされてもよいものである。
【0025】
通信端末装置50は、先に図1に示した無線電話通信網300を介するようにしてインターネットに接続するための移動体通信端末である。そして、この通信端末装置50は、図示するようにナビゲーション本体部2と接続されることで、ナビゲーション本体部2からデータを無線によって送信することが可能となり、また、通信端末装置50にて受信したデータを入力して、ナビゲーション本体部2にて所要の処理を実行することが可能となるものである。つまり、通信端末装置50とナビゲーション本体部2とが接続されることで、本実施の形態のナビゲーションシステム1には、少なくともインターネット接続機能が与えられる。
【0026】
セキュリティシステム部41は、自動車自体及び搭乗者を保安するための機能を有するものとされ、この場合には、外付けカメラ42、マイクロフォン43、ロックコントロール部44、及び記憶部45を備えてなる。
外付けカメラ42は、例えば実際には、複数のカメラ装置からなるものであるが、ここでは便宜上、1つの機能ブロックとして示している。この外付けカメラ42としての複数のカメラ装置は、それぞれ自動車の室内、また車外の所定位置に対してその目的に合った所要の方向に向けて設置される。これにより、自動車内、また、自動車の周囲の状況を撮像することが可能になるものである。
【0027】
これと同じ目的で、前述したディスプレイモニタ部3に対しても、車内カメラ3cとフロントカメラ3dとが設けられている。車内カメラ3cは、表示画面3a側の面に設けられ、フロントカメラは、ディスプレイモニタ部3の背面部から撮像するような形態で設けられる。
例えばディスプレイモニタ部3は、自動車内のフロントガラスの近傍において、運転者の前方視界を妨げないようにして設置されるものとされる。このような位置にディスプレイモニタ部3を配置することで、車内カメラ3cによっては自動車の室内を撮像することができ、フロントカメラ3dによっては自動車の前方を撮像することができる。よって、これらの車内カメラ3c及びフロントカメラ3dと、外付けカメラ42との併用を考えれば、外付けカメラ42としては、例えば自動車の後方、左右の横方向の撮像ができるように複数台のカメラ装置を自動車に取り付ければよいことになる。
なお、これらのカメラ装置としては、その撮像画像信号がナビゲーション本体部2に対して入力されることで、後述するようにして動画像データとして記憶部45に記録するようにされており、例えば撮像素子としてはCCDなどが採用されればよい。
【0028】
マイクロフォン43は、自動車外部の音声を収音するようにして自動車に取り付けられ、その収音音声は、音声信号としてナビゲーション本体部2に入力されて、後述するようにして音声データとして記憶部45への記録が行われる。
【0029】
ロックコントロール部44は、自動車の鍵の開閉動作をコントロール可能なように自動車への取り付けが行われる。また、鍵の開閉をコントロール機構部位の状態に応じて、現在、鍵がかかっているか否かを示すロック状態情報をナビゲーション本体部2に対して出力することも可能になっている。
【0030】
記憶部45は、例えば比較的大容量のデータを記憶可能な記憶デバイスを備えて成る。ここでは、この記憶部45として採用されるメディアは特に限定はしないが、例えばハードディスクであってもよいし、また、他のディスクメディアや不揮発性のメモリ素子などが採用されて構わない。本実施の形態の場合には、記憶部45には、上記した各カメラ装置に撮像された動画像データ、及び、マイクロフォン43により収音された音声信号データが、自動車内部及び周囲の状況を再現する証拠的な情報として記憶される。
【0031】
1−3.ナビゲーション本体部の内部構成
図3のブロック図は、ナビゲーション本体部2の内部構成を示している。
この図4において、測位部4は自車の現在位置を測位する部位であり、インターフェイス14から転送されてくるGPSの受信データや、自車の走行情報に基づいて例えば所定の演算処理を実行することで、自車の現在位置を示す位置情報としての緯度/経度情報を得るようにされる。
【0032】
ROM(Read Only Memory)11には、本実施の形態のナビゲーションシステム1が所要の処理を実行するための各種プログラム、及び原則として書き換え不可の各種ファクトリープリセットデータが格納されている。
メモリ12は、例えばフラッシュメモリを始め、電源が供給されない状態でも記憶内容を保持できるEEPROM(Electrically Erasable Read Only Memory)とされ、いわゆるバックアップデータを記憶保持する。ここでのバックアップデータとしては各種挙げられるのであるが、例えばユーザが設定した目的地及びこれに対応する経路等をはじめとする各種の情報が記憶される。
但し、上記ROM11としても、不揮発性メモリやフラッシュメモリなどの書き換え可能なメモリ素子を採用することで、必要に応じてプログラムやファクトリープリセットデータの書き換え(例えばいわゆるアップデート)を行うようにすることも可能となる。本実施の形態では、ROM11も書き換え可能とされているものとする。
【0033】
また、本実施の形態にあっては、メモリ12に対しては、このナビゲーションシステム1に対して固有に与えられたナビIDが格納される。このナビIDは、例えば、購入決定時に際してのユーザ登録時に割り当てが行われて、ユーザの手に渡るまでの段階で書き込みが行われるものとされる。また、購入後において、このナビゲーションシステム1をインターネットに接続して、いわゆるオンラインによるユーザ登録を行ったときに、サービスサーバ500から割り当てられて送信されてくるナビIDをメモリ12に書き込むようにしてもよい。
【0034】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)13は、制御部19が各種処理を実行する際のワークエリアとして用いられると共に、ディスクドライバ18によって記録媒体9から再生された地図情報等に基づく、ナビゲーション画像情報生成のための処理も、このDRAM13を利用して実行される。
【0035】
インターフェイス(I/F)14は、外部装置と当該ナビゲーション本体部2とを接続するために設けられる。
この場合のインターフェイス14には、GPSアンテナ5からの受信データが入力される。また、交通情報アンテナ7にて受信された道路交通情報のデータが入力される。自律航法ユニット6の車速センサにて検出される車速パルスが入力される。また端子32を介しては、ジャイロ6bにて検出される自車の走行方向情報が入力される。
GPSアンテナ5からの受信データと、自律航法ユニット6からの走行情報(車速パルス及び走行方向情報)は、バス20を介して測位部4に転送される。測位部4では、これらの転送された情報をパラメータとして入力して、自車の現在位置を測定する。
また、交通情報アンテナ7からの道路交通情報のデータは、例えば制御部19の制御によってDRAM13に書き込まれて保持されると共に、制御部19がこのDRAM13に書き込んだ道路交通情報を参照することで、例えばディスプレイモニタ部3に対して表示出力すべき地図情報画像データにおいて渋滞状況等の道路交通情報が反映されるようにも画像処理制御等を実行するようにされる。
【0036】
時計部15は、現在日時を計時するもので、その時間情報は、当該ナビゲーションシステム1において必要とされる時間管理のために用いられる。
【0037】
入力部16は、ディスプレイモニタ部3の受信部3bと接続されており、受信部3bで受信したリモートコントローラ8からのコマンド信号が入力される。そして、入力されたコマンド信号を内部バス20により伝送可能なフォーマットに変換した後、バス20を介して制御部19に転送する。制御部19では、入力したコマンド信号に基づいて適宜所要の制御処理を実行するようにされる。
【0038】
表示ドライバ17は、制御部19の制御により、表示のための画像情報を生成し、端子34を介してディスプレイモニタ部3の表示画面部3aに対して出力する。
例えば、記録媒体9から読みだした地図情報や測位部4で算出した自車の現在位置情報に基づいて、自車の現在位置を示す画像信号を生成してディスプレイモニタ部3に出力する。
【0039】
ディスクドライバ18は、記録媒体9を再生するための部位であり、実際に記録媒体9として採用されるメディアフォーマットに対応した再生機能が与えられて構成される。例えば記録媒体9から再生された地図情報等はバス20を介してDRAM13に転送されてここで保持され、所要のタイミングで、制御部19が参照すると共に、表示用のデータとして利用される。
【0040】
画像音声処理部46は、入力された撮像画像信号及び音声信号について所要のデジタル信号処理を施し、最終的には、記憶部45に対して記録可能な形式の記録データに変換する。ここで、画像音声処理部46に対して入力される撮像画像信号は、車内カメラ3c、フロントカメラ3d、及び外付けカメラ42からの複数の信号となるのであるが、例えば画像音声処理部46では、同時に入力される信号を先ずはデジタルデータに変換し、この後に、時分割的な処理によって、それぞれの撮像信号データについて、所定フォーマットの圧縮動画像データに変換する。
また、画像音声処理部46に入力される音声信号はマイクロフォン43からの信号であり、この音声信号についてもデジタルデータに変換した後に、例えば所定フォーマットの圧縮音声信号データに変換する。
そして、このようにして得られた圧縮動画像データ及び圧縮音声信号データは、制御部19の書き込み制御によって、内部データバス20を介するようにして記憶部45に転送されて書き込みが行われる。
【0041】
また、記憶部45対して動画像データ及び音声データを記録するのにあたっては、例えば記録を行っていく過程で、記録可能容量が一杯になったときには、最も過去に記録された動画像データ及び音声データを上書き消去していくようにして、最新の撮像画像データ及び音声データを記録していくようにされる。このようにすれば、記憶部45の記憶容量としては比較的少なくても済む。この記録可能容量としては時間的に例えば数10分程度であれば、証拠を残すという目的には充分に適うものとされる。
【0042】
なお、上記画像音声処理部46としては、例えば、記憶部45に記録された画像音声データを再生出力するためのデコード機能を備えるようにしても構わない。このようなデコード機能を与えれば、例えば記憶部45に記録された画像音声データを表示部3にて再生出力させるようにすることも可能とされる。
【0043】
通信インターフェイス47は、通信端末装置50とナビゲーション本体部2との間でのデータの送受信を司る。例えば通信端末装置50からナビゲーション本体部2側にデータ出力が行われた場合には、通信インターフェイス47は、通信端末装置50から入力されたデータを、ナビゲーション本体部2内で処理可能な形式に変換して、データバス20を介して所要の機能回路部に出力する。
また逆に、ナビゲーション本体部2から通信端末装置50に対してデータを転送する場合には、通信端末装置50により処理可能な形式のデータに変換して通信端末装置50に対して出力するようにされる。
【0044】
またここでは、通信端末装置50に対する動作制御は、ナビゲーション本体部2の制御部19が実行するようにされる。つまり、通信端末装置50とナビゲーション本体部2とが連携して無線通信を実行することで、本実施の形態のナビゲーションシステム1としては、例えばインターネットとの通信機能が与えられることになる。
【0045】
制御部19は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備えて構成され、各回路部に対して所要の制御を実行する。これにより、これまで説明したような当該ナビゲーションシステムにおける各種の動作が実現される。
【0046】
1−4.携帯電話の内部構成
図2のブロック図は、本実施の形態の携帯電話の内部構成を簡略に示している。
アンテナ201にて受信された電波は、受信回路202によって受信復調され、信号処理回路204に対して出力される。この受信波が例えば通話における相手方の音声データであるとすれば、信号処理回路204においては、音声信号への復調を行って、例えばスピーカ206に対して出力する。また、例えば受信波がメールや、インターネットなどのいわゆるデータ通信の情報であれば、このような通信データを復調する。そして、システムコントローラ208の制御によって、この復調した通信データをLCD表示部209に対して表示させることが可能とされている。
また、例えば操作時における電子音や、着信時の呼び出し音を出力させる必要のあるときには、例えばシステムコントローラ208がリンガー205を制御することで、必要とされるリンガー音を発生させて、その音声信号をスピーカ206に対して出力させる。
【0047】
また、例えば通話時においてマイクロフォン207により収音したユーザの音声は、音声信号として信号処理回路204に対して入力される。信号処理回路204では、この音声信号について所定のエンコード処理を施して送信回路203に対して出力する。送信回路203では、信号処理回路204から入力された信号をアンテナ1を介して送信出力させる。
【0048】
システムコントローラ208は、当該携帯電話による各種動作が行われるように各種制御処理を実行する。
このシステムコントローラ208には、ROM217及びRAM218が備えられる。ROM217は、例えばフラッシュメモリやEEPROMなどにより構成される書き換え可能なメモリとされ、ここにシステムコントローラ208が実行すべきプログラムや表示データが記憶される。また、例えば電話帳データや、送受信したメールのデータなど、ユーザが設定、登録した各種データも記憶保持される。
更に本実施の形態においては、ROM217には、この携帯電話200に対して固有に与えられた携帯IDが付される。これは、携帯電話の場合であれば、割与えられた電話番号の情報としてもよいものである。
【0049】
キー操作部210は、所定複数のボタンキーから成るものとされ、これらボタンキーに対する操作に応じた操作情報信号をシステムコントローラ208に対して出力する。システムコントローラ208は、この操作情報信号に基づいて、所要の動作が得られるように制御処理を実行する。
【0050】
また、LCD表示部209は、図示するように、システムコントローラ208の制御によって、動作状況に応じた内容の表示が行われるように駆動される。
【0051】
なお、ナビゲーションシステム1に備えられる通信端末装置50の内部構成も、上記図4に示す構成に準じたものとされる。但し、通信端末装置50の場合には、これをユーザが携帯して通話などに使用する必要はないことから、図4に示した回路から、例えば、リンガー205、スピーカ206、マイクロフォン207、LCD表示部209、キー操作部210などの機能回路部の省略が可能とされる。そして、ナビゲーション本体部2内の通信インターフェイス47とデータを授受可能なインターフェイス機能が設けられればよいものである。
【0052】
1−5.アプリケーションサーバの内部構成
図5は、無線電話通信網300に備えられるとされる、アプリケーションサーバ303の内部構成例を簡単に示している。
このアプリケーションサーバ303は、例えば図示するようにして、記憶部401、インターフェイス402,403、制御部404を備えてなる。
記憶部401には、アプリケーションサーバとしての機能を実現するのに必要とされる各種情報が記憶されている。ここでは、記憶部401に格納されるデータの代表的なものとして、ユーザデータベース410と実行アプリケーション411が示されている。
【0053】
ユーザデータベース410は、例えば図の下側に示すように、ナビゲーションシステム1と携帯電話200のユーザについてのユーザ情報、携帯ID、ナビID、及びパスワードが対応づけられて格納される。
ユーザ情報は、例えばユーザの住所氏名、生年月日をはじめとするサービスに必要とされる多様な各種のユーザ個人に関する情報が格納されている。
携帯IDは、このユーザが所有する携帯電話に書き込まれている携帯IDと同一のデータが格納される。ナビIDも同様にして、ユーザが所有するナビゲーションシステム1に割与えられたものと同一のナビIDのデータが格納される。なお、このナビIDとしては、例えば無線端末装置50に対して割り与えた電話番号とすることが考えられ、ナビIDを電話番号とすれば、例えばアプリケーションサーバ303、またはサービスサーバ500から、ナビゲーションシステム1の無線端末装置にアクセスすることを容易に実現できる。
また、例えば携帯電話200から、無線電話通信網300を介するようにしてナビゲーションシステム1に対してアクセスする場合には、アクセスを要求した携帯電話200が適正であることの認証を得るために、携帯電話200に対してユーザがパスワードの入力操作を行うのであるが、ユーザデータベース410のパスワードとしては、この値が格納されることになる。
【0054】
ところで、図5に示されるユーザデータベース410の内容として、各ユーザ個人ごとの情報は、例えば次のような機会において、所要の情報を取得して作成することができる。
例えばナビゲーションシステム1は、インターネットを利用したいわゆるインターネットショッピングにより購入することができるものとしている。このようなインターネットショッピングにより購入手続きを行うのにあたっては、例えばユーザは、ブラウザ画面上に表示される入力フォームに対して所要の個人情報を入力する。また、本実施の形態のようにして無線端末装置50を備えるナビゲーションシステム1であれば、このナビゲーションシステム1の購入に際して、無線端末装置50を利用可能とするための通信会社との契約も行うようにされる。本実施の形態では、アプリケーションサーバ303(またはサービスサーバ500)が、インターネットショッピングのための販社サーバと通信することで、これらの情報を受け取り、そしてデータベースとして作成して登録しておくようにされるものである。つまり、ユーザがインターネットショッピングによりナビゲーションシステム1を購入していれば、後においてユーザデータベース410を作成するのに必要な登録作業などは行わなくてもよいようにされている。
また、本実施の形態のナビゲーションシステム1は、インターネットショッピングにおける購入形態として、例えば無形物商品である自動車保険と組み合わせて購入できるようにもなっている。この場合、例えば自動車保険及びナビゲーションシステム1の価格が割り引かれたり、また、分割支払い契約の場合には、分割手数料について無料、若しくは割り引くというサービスが行われる。そして、このようにして自動車保険と組み合わせてナビゲーションシステム1を購入したような場合には、ユーザデータベース410としてのユーザ情報は、自動車保険を購入するための入力フォームへの入力を行った段階で得ることもできる。
なお、携帯ID及びパスワードに関しては、例えば携帯電話200の操作によりセキュリティサービスの契約をしたときに、ユーザが入力して送信したデータを受信取得して格納するようにされればよい。もちろん、上記したインターネットショッピングによるナビゲーションシステム1の購入手続きの際に、セキュリティサービスを利用可能な携帯電話の登録が行えるようにして、このときに携帯ID及びパスワードを通知するようにしてもよいものである。
【0055】
実行アプリケーション411は、アプリケーションサーバ303が実行すべき各種動作に対応する各種のアプリケーションプログラムから成るものとされる。例えばインターネットを介してのメールの送受信機能を司るアプリケーションプログラムや、携帯電話200やナビゲーションシステム1からのWebページへのアクセス要求に応じてのインターネットとの接続処理や、ユーザデータベース410を検索するためのアプリケーションプログラムなどである。
【0056】
インターフェイス402は、中継局302側との情報送受信のために設けられ、インターフェイス403は、ゲートウェイ304(インターネット)側との情報送受信のために設けられる。
制御部404は、実行アプリケーション411としてのプログラム内容に従って各種の制御処理を実行する。
【0057】
1−6.サービスサーバの内部構成
図6は、サービスサーバ500の内部構成例を簡略に示している。
この図に示すサービスサーバ500は、記憶部501、ネットワークインターフェイス502、制御部503を備える。
この場合にも記憶部501には、各種サービスを提供するサーバとしての機能を実現するのに必要とされる各種情報が記憶されている。ここでは、記憶部501に格納される代表的なデータとして、ユーザデータベース510、実行アプリケーション511、サービス用データ512が示される。
【0058】
ユーザデータベース510は、例えば先に図5において説明したユーザデータベース410と同様の内容でよいものとされ、例えば、アプリケーションサーバ303と通信を行うことで、常に同じ内容を保有しているようにされる。つまり、アプリケーションサーバ303またはサービスサーバ500との何れか一方のサーバにおいて、ユーザの新規契約などによってユーザデータベースの内容が更新されると、他方のサーバに対してユーザデータベースが更新されたことを通知して、互いのユーザデータベースの内容に不整合が生じないように書き換えを実行する。
この場合の実行アプリケーション511は、サービスサーバ500が実行すべき各種動作に対応する各種のアプリケーションプログラムから成る。また、サービス用データ512には、サービス提供に際して、例えばナビゲーションシステム1、または携帯電話などの通信端末装置に対して送信すべき各種のサービス用データとなる。
ネットワークインターフェイス502は、インターネットと接続するためのインターフェイス手段として設けられる。
制御部503は、実行アプリケーション411としてのプログラム内容に従って各種の制御処理を実行する。
【0059】
2.システムによるサービス提供形態例
上記構成によるサービス提供システムにあっては、無線電話通信網300及びインターネット400の通信網を介することで、ナビゲーションシステム1と携帯電話200と、サービスサーバ500とで通信を行うことが可能となる。そして、このシステム間での通信機能を利用して、本実施の形態としては、例えば以下に挙げるようなサービスをユーザに対して提供することができる。
【0060】
ここで、例えば或る機種のナビゲーションシステム1について、記録媒体9として示した地図情報を記録したメディアについての最新版が新たにできあがったとする。
このような場合、例えばサービスサーバ500は、この最新版のメディアを再生可能なナビゲーションシステム1を所有するユーザを、ユーザデータベース510から検索する。そして、検索されたユーザのナビゲーションシステム1の無線端末装置50のナビIDと共に、サービス用データ512として最新版のメディアを勧めるコンテンツデータを、無線電話通信網300のアプリケーションサーバ303に対して送信する。このコンテンツデータは、例えば「地図ディスクの新盤がでています。もしよろしければお買い求め下さい。入手方法は・・・・」などのような文字を、表示部3の表示画面3aに表示出力可能なデータとされる。
アプリケーションサーバ303では、ユーザIDとコンテンツデータを受信すると、受信したユーザIDのナビゲーションシステム1のすべてに対してコンテンツデータを送信する。
そして、このコンテンツデータは、ナビゲーションシステム1の無線端末装置50にて受信されてナビゲーション本体部2に対して転送される。そして、制御部19の制御によって、受信したコンテンツデータを、表示部3の表示画面3aに表示出力させる。このようにして表示されたメッセージの内容を見ることで、ユーザは、新しい地図情報のディスクがメーカ側から提供されていることを知ることができる。
【0061】
なお、このようなコンテンツデータを受信したときに、ユーザが必ず自動車に搭乗していて表示画面3aに表示されるコンテンツデータを見ることができるとは限らない。そこで、例えば運転が行われていないなどして、ナビゲーションシステム1のメイン電源が入っていないようなときには、無線端末装置50によりコンテンツデータを受信したときに、自動的にメイン電源をオンとして、受信して取得したコンテンツデータをメモリ12や記憶部45に記憶させておくようにされる。そして、例えばユーザが自動車のイグニッションキーを回して、ナビゲーションシステム1のメイン電源がオンとなったときに、このコンテンツデータを表示画面3aに表示させるようにすることも考えられる。
【0062】
もしくは、ナビゲーションシステム1が動作している状態のもとでは、所定時間ごとに、ナビゲーションシステム1から、サービスサーバ500側に、現在動作中にあることを示す情報をナビIDと共に送信するようにしてもよい。そして、この情報の送信に応答して、サービスサーバ500では、受信したナビIDのナビゲーションシステム1に対して、コンテンツデータを送信するようにされる。このようにすれば、ナビゲーションシステム1が動作しているときにのみ、コンテンツデータを効率よく送信することが可能になるものである。
また、この発展として、ナビゲーションシステム1からサービスサーバ500側に対して、例えば測位部4にて測定された現在位置を所定時間ごとに送信するようにする。そして、サービスサーバ500では、例えば送信された現在位置がちょうど最新版のメディアで新たにサポートされた道路であるなどして、最新版を薦めるのに好適な機会であると判断したときに、コンテンツデータを送信するようにすることも考えられる。このようにすれば、サービスとしてはより充実したものとなる。
【0063】
また、或る機種のナビゲーションシステム1について、メーカ側でシステムとしてのプログラムをバージョンアップしたアップデータを提供するというサービスも考えられる。
簡単に説明すると、サービスサーバ500においては、アップデータをサービス用データ512の1つとしてとして用意しておく。そして、所要の適当な機会で以て、1以上の特定のナビゲーションシステム1に対してアップデータを送信する。
ナビゲーションシステム1においては、受信したアップデータを利用して、例えばROM11に格納されているプログラムやプリセットデータを書き換える。このようにすれば、例えばユーザがわざわざバージョンアップ用のメディアを入手しなくとも、オンラインによるデータ通信によってナビゲーションシステム1のバージョンアップが行われることになる。しかも、この場合にはバージョンアップが自動的に行われるため、ユーザにとっては非常に有用なサービスとなるものである。
【0064】
また、携帯電話200をユーザが利用して操作を行うことで、遠隔地から自動車についてのセキュリティに関するコントロールを行えるようにすることも可能とされる。この動作についても簡単に説明する。
例えば、ユーザは、携帯電話200を操作して、無線電話通信網300のアプリケーションサーバ303に対してアクセスする。ここでアクセスするのは、自動車のセキュリティコントロールのためのサーバ(アプリケーションサーバ303に在るものとする)とされる。そして、更にユーザは所定操作を行うことで、自動車の鍵がロックされているか否かについての問い合わせを行う。このリクエストに応じて、アプリケーションサーバ303内のセキュリティサーバは、アクセスしてきた携帯電話と同じユーザが所有するナビゲーションシステム1のナビIDを検索して、この検索されたナビIDのナビゲーションシステム1に対して、キーロック問い合わせのコマンドを送信する。
【0065】
このコマンドを受信したナビゲーションシステム1では、セキュリティシステム部41のロックコントロール部44からの情報に基づいて、現在鍵がロックされているか否かについてのキーロック情報を、アプリケーションサーバ303に送信する。アプリケーションサーバ303は、このキーロック情報を、携帯電話200に対して転送するようにして送信する。携帯電話200では、例えばキーロック情報に基づいて、ユーザの自動車の鍵がかかっているか否かの情報を、例えば表示などによって示すようにされる。
【0066】
そして、例えば鍵がかかっていないとすると、ユーザは、携帯電話200を操作して、キーロックを指示する指示情報を送信するようにされる。この指示情報を受信したアプリケーションサーバ303では、この指示情報をナビゲーションシステム1に転送する。そして、指示情報を受信したナビIDのナビゲーションシステム1においては、キーロックコントロール部44により、自動車の鍵をかけるように動作するものである。
つまり、携帯電話200を使用することによって、例えば自動車について鍵がかかっているかどうかの確認を行い、また、鍵がかかっていなければ、鍵をかけるようにコントロールすることが可能とされるものである。
【0067】
また、逆に、例えば車上狙いなどによって鍵が開けられてしまったような場合には、ナビゲーションシステム1側からの通信端末50の通信によって、鍵があけられてしまったことを携帯電話200に通報するように校正することも可能とされる。
【0068】
また、アップデータの提供に類するものとして、ナビゲーションシステム1にて利用する地図情報の更新データを提供(送信)し、ナビゲーションシステム1においては更新データを利用して常に最新の地図情報を表示させるようにするというサービスも考えられる。
【0069】
前述もしたように、ナビゲーションシステム1では、記録媒体9に記録されている地図情報を利用して、地図上に現在位置などを示す表示等を行うようにされているが、ナビゲーションシステム1を製造販売しているメーカ側においては、この地図情報について逐次更新を行っているものとする。
そして、サービスサーバ500としては、この更新された地図情報をサービス用データ512の1つとして保有するようにされる。
【0070】
なお、この場合において、更新データ内容、形式としては特に限定はしないが、ここでは、例えば更新前の地図情報との差分データのみを有しているものとする。つまり、例えば新たな道路を地図上に加えるようにして更新が行われているとすれば、この新たな道路をしかるべき位置に表示させるための差分データが更新データとされることになる。このようにして、更新データを差分データの形式とすれば、例えばサービスサーバ500では、サービス用データ512に格納すべき更新データとして、更新内容を含む全地図情報を記憶する必要はなくなるので、それだけ、記憶部801の記憶容量を節約することができる。
【0071】
この場合の地図情報が更新されたことのユーザへの通知は、先の地図情報を記録したメディアの最新版の購入を勧めるコンテンツデータの送信と同様にして行えばよいものとされる。そして、送信されたコンテンツデータがナビゲーションシステム1にて表示されることで、例えばユーザは、地図情報が更新されており、また、この更新データをダウンロードして取得可能であることを知ることができる。
【0072】
そして、ユーザが地図情報の更新データを取得したいと思った場合には、例えば、地図情報のダウンロードを指示するための所定操作をナビゲーションシステム1に対して行うようにされる。この操作は、例えば上記したコンテンツデータとして含まれているXMLやHTMLなどによるダウンロード用のアプリケーションをGUIとして表示画面3aに表示させ、このGUIに対して所定操作を行うことができるように構成することが考えられる。
【0073】
上記のようにして操作が行われたとすると、ナビゲーションシステム1においては、例えば制御部19の制御によって、自身のナビIDと共に、更新データのリクエストを送信することになる。この送信データは、通信端末装置50から無線電話通信網300に対して送信され、無線電話通信網300内のアプリケーションサーバ303が受信することになる。
そして、アプリケーションサーバ303では、受信した更新データのリクエストと、ナビIDとを、インターネット400を介してサービスサーバ500に対して送信する。
【0074】
なお、アプリケーションサーバ303は、リクエストを受信した段階において、認証処理を行って、リクエストの送信元のナビゲーションシステム1が、このサービスを受ける正当な権利を有しているユーザの所有するものであるのか否かを判定するようにすることが好ましい。
そこで、このシステム構成のもとで認証処理を行うようにするには、ナビゲーションシステム1からは、ナビIDと共にパスワードを送信するようにすればよい。そして、アプリケーションサーバ303においては、ユーザデータベース410におけるユーザごとのデータとして、携帯電話200に対応して登録されたパスワードだけでなく、ナビゲーションシステムに対応するパスワードも登録するようにしておき、リクエストの受信時には、ユーザデータベース410を参照して、リクエストと共に受信した、ナビゲーションシステム1に対応するパスワードと、ナビIDとについて照合を行うようにすればよい。
【0075】
リクエストとナビIDを受信したサービスサーバでは、このリクエストに応じて、サービス用データ512として記憶部501に格納されている地図情報の更新データについての読み出しを行う。そして、読み出した更新データを、受信したナビIDと共に、インターネット400を介して無線電話通信網300内のアプリケーションサーバ303に対して送信する。アプリケーションサーバ303では、受信したナビID(電話番号)を送信先として、受信した更新データを送信出力する。これによって、更新データをリクエストしたナビゲーションシステム1において、更新データが受信されることになる。
そして、ナビゲーションシステム1側においては、受信した更新データを記憶しておくようにされる。以降においては、この更新データを利用することで、地図上の現在位置表示や各種ガイド情報の表示などのナビゲーション動作として、更新データの内容を反映させることが可能となるものである。
【0076】
また、ユーザにとってメリットのあるサービスではないが、ナビゲーションシステム1の購入後におけるユーザに対する対応として、次のようなことを行うこともできる。
この場合、サービスサーバ500としては、ユーザが分割払いによってナビゲーションシステム1を購入した際には、その支払い状況のデータベースが格納されているものとされる。そして、上記したデータベースの内容から、ユーザの支払いが或る限度以上にまで滞っていることが分かった場合には、サービスサーバ500側から、例えば「代金支払いを御願いします。代金支払いの確認がとれるまで、ナビの利用を停止いたします。」というメッセージと、制御情報を送信する。これを受信したナビゲーションシステム1では、表示画面3aに上記した内容のメッセージを表示させると共に、以降においては、ナビゲーションシステム1自体がその動作を停止させてしまうようにするものである。
また、本実施の形態のナビゲーションシステム1は、先にも述べたように、単体でも購入可能であるが、自動車保険の購入時においてこれと組み合わせて購入することも可能とされ、例えばこのようにして組み合わせて購入した場合には、両者の金額が更に割り引かれたり、また、分割払いの金利手数料が割り引かれるなどのサービスが行われる。そして、このようにして組み合わせによる購入を行った場合に、上述のようにして代金支払いが滞っている場合には、ナビゲーションシステム1の利用の停止と共に、保険契約も停止するようにされ、メッセージとしては、保険契約の停止も行われることを告知するようにされる。
【0077】
このようにして本実施の形態としては、ナビゲーションシステム1と携帯電話200、若しくはサービスサーバ500とが通信を行うことによって、多様なサービスを提供することができる。
例えば従来のナビゲーションシステムとしては、インターネットに接続可能なものは知られてはいるが、この場合のナビゲーションシステムはインターネット上に存在する不特定多数の端末装置の1つであることから、例えばサーバ側が或る特定のナビゲーションシステム1を指定してアクセスすることは不可能とされていたものである。従って、ナビゲーションシステム1のユーザがサービス提供を受けようとすれば、ユーザの方が、サービスサーバ500のURLなどを把握した上で、ナビゲーションシステム1からサービスサーバ500にアクセスする必要が生じることになる。また、サービスサーバ500としても、原則は、不特定多数のナビゲーションシステム1としての端末のアクセスを受けることを前提としているために、例えばユーザごとに提供するサービスを必要に応じて使い分けるということはできず、汎用的な各種サービスを提供して、これらのサービスのなかからナビゲーションシステム1側からアクセスして選択する必要があった。つまり、ユーザのほうが能動的に操作などの作業をおこなってアクセスをしないと、サービスを充分に享受することができないものである。
【0078】
これに対して、本実施の形態においては、例えばサービスサーバ500またはアプリケーションサーバ303においては、各ナビゲーションシステム1に割与えてあるナビIDをユーザデータベースとして保持しており、このナビIDを指定することで、特定のナビゲーションシステム1に対してアクセスすることができる。つまり、本実施の形態としては、サーバ側からのアクセスにより、例えば適切とされる機会に、適切な内容のサービスをナビゲーションシステム1に対して積極的に提供することができるものである。
【0079】
3.処理動作例
続いては、上記のようにして例示した各種サービスのうちから選択したいくつかのサービスを実現する際の処理動作について説明していくこととする。
先ずは、サービスサーバ500が提供する、ナビゲーションシステム1のバージョンアップのサービスを実現するための処理動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。なお、この図においては、サービスサーバ500、アプリケーションサーバ303、及びナビゲーションシステム1の各々において実行される処理が並列的に示される。また、サービスサーバ500としての処理は制御部503が実行し、アプリケーションサーバ303としての処理は、制御部404が実行し、ナビゲーションシステム1としての処理は制御部19が実行する。
【0080】
例えば、メーカ側によりサービスサーバ500に対してナビゲーションシステム1のシステムのバージョンアップをすべきであるとの指示が行われたとすると、サービスサーバ500の制御部503は、ステップS101としての処理により、或る特定のナビゲーションシステム1に対するアクセス要求を行う。この際には、アクセス要求と共に、アクセスすべきナビゲーションシステム1のナビIDを送信する。このナビIDは、例えば、バージョンアップが必要とされるナビゲーションシステム1の機器を所有しているユーザをユーザデータベース501のユーザ情報から検索し、検索されたユーザ情報に対応づけられたナビIDを読み出すことで取得する。
【0081】
上記したアクセス要求は、インターネット400からゲートウェイ304を介して、アプリケーションサーバ303に対して送信されるのであるが、アプリケーションサーバ303では、このアクセス要求をステップS201にて受信すると、ステップS202の処理に移行する。
ステップS202においては、受信したナビIDを有するナビゲーションシステム1に対して、現在のシステムのバージョンを尋ねるバージョンリクエストを送信する。この際には、例えばナビIDとしての電話番号を送信先として指定して、バージョンリクエストのデータを、中継局302,基地局301を介して送信するものである。
【0082】
或る特定のナビIDを有するナビゲーションシステム1の通信端末装置50では、上記のようにして送信されるバージョンリクエストを受信してナビゲーション本体部2内の制御部19に対して転送する。これにより、ステップS301の処理として、バージョンリクエストを受信したことが制御部19により判別される。
バージョンリクエストを受け取った制御部19では、ステップS302の処理によって、現バージョンを通知する。つまり、当該システムの現バージョンを識別すると、この識別されたバージョンナンバを、レスポンスとして通信端末装置50からアプリケーションサーバ303に対して送信出力する。なお、このレスポンスには自分のナビIDも格納している。
【0083】
アプリケーションサーバ303では、上記したレスポンスをステップS203によって受信すると、ステップS204に進んでサービスサーバ500に対してバージョン通知を行う。つまり、受信したレスポンスに格納されるバージョンナンバ及びナビIDを抽出して、これらの情報を、サービスサーバ500に対して送信する。
【0084】
サービスサーバ500は、ステップS103によりアプリケーションサーバ303からのバージョンナンバの通知を受けると、ステップS103において、この通知されたバージョンナンバに基づいて、バージョンアップが必要であるか否かについて判別する。例えば通知されたバージョンナンバが今回のアップデータのバージョンナンバ以上であれば、バージョンアップは不要とされて否定結果が得られるが、今回のアップデータのバージョンナンバよりも小さければバージョンアップが必要であるとして肯定結果が得られることになる。
ここで否定結果が得られれば、このナビIDを有するナビゲーションシステム1に対する通信(アクセス)はこれ以上実行しないようにされるが、肯定結果が得られたのであれば、次のステップS104の処理によって、バージョンアップメッセージと、アップデータをナビIDと共にアプリケーションサーバ303に対して送信する。これらバージョンアップメッセージとアップデータは、サービスサーバ500の記憶部501においてサービス用データ512として格納してあるものを読み出することで得るようにされる。
【0085】
アプリケーションサーバ303においては、ステップS205において、バージョンアップメッセージ、アップデータ、ナビIDを受信する。そして、続くステップS206により、受信したナビIDのナビゲーションシステム1に対して、バージョンアップメッセージと、アップデータを送信する。
【0086】
ナビゲーションシステム1においては、バージョンアップメッセージとアップデータを無線端末装置50にて受信して、ナビゲーション本体部2の制御部19に対して転送する。これにより、ステップS303として示すように、バージョンアップメッセージとアップデータを受信したことが判別されてステップS304に進む。
ステップS304においては、受信したバージョンアップメッセージのデータ内容に基づいて、表示画像データを生成し、例えば「カーナビのバージョンアップがリリースされました。ダウンロードして更新します」などのようにして、これからシステムのバージョンをアップデートする動作が実行されることをユーザに通知するようにされる。なお、上記したようなメッセージとしての文字内容は、受信したバージョンアップメッセージの内容に含まれているものである。
そして、ナビゲーション本体部2の制御部19は、次のステップS305において、受信したアップデータを利用して、例えばROM11に書き込まれている実行プログラムやプリセットデータなどの所要のシステムデータについて書き換えを行うことで、アップデートを実行する。
【0087】
続いては、ユーザが携帯電話200を利用して、自分の自動車の鍵がかかっているかいなかについての問い合わせを行い、鍵がかかっていなければ、再度の携帯電話200の利用によって、鍵をかけるようにコントロールするための処理動作について、図8及び図9を参照して説明する。
これらの図においては、携帯電話200、アプリケーションサーバ303、及びナビゲーションシステム1の各々において実行される処理が並列的に示される。ここでの携帯電話200としての処理はシステムコントローラ208が実行し、アプリケーションサーバ303としての処理は、制御部404が実行し、ナビゲーションシステム1としての処理は制御部19が実行する。
【0088】
先ず、図8には、自動車の鍵をかけたかどうかについての問い合わせを携帯電話200から自動車に対して行うための処理動作が示される。
例えばユーザが携帯電話200に対する所定操作を行うことによって、ステップS401として示す、セキュリティリクエストを端末IDと共に送信するための処理が実行される。このためには、例えば先ず、携帯電話200が通信を行ってアプリケーションサーバ303内で運営されているとされるセキュリティシステムのサーバにアクセスするようにされる。そして、このサーバに対して、自分が所有する自動車についてのセキュリティの問い合わせを要求するものである。この際、自分以外のユーザによる悪用を防止するために、ユーザが予め登録してあるパスワードの入力が求められる。
【0089】
上記したセキュリティリクエスト、端末ID、及びパスワードをステップS501により受信したアプリケーションサーバ303(セキュリティシステムのサーバ)では、ステップS502の処理として、先ずユーザデータベース410を参照して、パスワードと端末IDなどとの照合を行うことで認証処理を実行する。つまり、セキュリティリクエスト、端末ID、及びパスワードを送信したユーザが正規のユーザであることについての確認を行う。なお、この時点で認証が得られなければ、以降の処理は停止される。
そして適正に認証が得られたとされると、次のステップS503において、そのユーザデータベース410において、認証された端末ID及びパスワードに対応付けられたナビIDを検索して得る。そして、続くステップS504により、取得したナビID(電話番号)を有するナビゲーションシステム1に対してセキュリティリクエストを送信する。
【0090】
ナビゲーションシステム1の通信端末装置50は、上記したセキュリティリクエストを受信してナビゲーション本体部2の制御部19に転送する。これにより、ステップS601として示す処理によって、制御部19は、セキュリティリクエストを受信したことを判別してステップS602に進む。
ステップS602においては、所定内容のセキュリティチェックを実行する。つまり、セキュリティシステム部41が監視しているとされる現在の状況を示す所定内容のデータについての取り込みを行うようにされる。ここでは、少なくとも、自動車の鍵がかかっているか否かの情報を取得するようにされる。そしてステップS603としての処理によって、レスポンスとして、セキュリティチェックの結果を示すデータを、当該ナビゲーションシステム1が有するナビIDと共にアプリケーションサーバ303に対して送信するようにされる。
【0091】
アプリケーションサーバ303では、セキュリティチェックの結果データとナビIDから成るとされるレスポンスをステップS505により受信すると、ステップS506に進む。
ステップS506においては、ユーザデータベース410を参照して、受信したナビIDと対応付けられた携帯IDを検索する。そして、次のステップS507により、特定された携帯ID(電話番号)を有する携帯電話200に対して、セキュリティチェックの結果データを送信する。なお、この際において、携帯電話200に対して送信されるべきセキュリティチェックの結果データは、携帯電話200において文字表示出力させることが可能な形式に変換されるものとする。また、例えば携帯電話200がインターネットの電子メール機能を有しているとすれば、電子メールの形式に変換して、携帯IDに対応付けられたメールアドレス宛に送信することも考えられる。
【0092】
携帯電話200では、この送信されたセキュリティチェックの結果データが着信したことをステップS402にて判別すると、これを受信して、次のステップS403において、例えばROM217に対して記憶させるようにしている。そして、例えばこの後において、ユーザが所定操作を行うことで、ステップS404としての処理によって、このセキュリティチェックの結果を文字等によりLCD表示部209に表示させることができるようになっている。
【0093】
そして、例えばLCD表示部209に表示させたセキュリティチェックの結果から、自動車に鍵がかかっていないことをユーザが知った場合には、前述したようにして、携帯電話200からのリモートコントロールによって、自動車の鍵をかけることが可能とされている。このための処理が図9に示される。
【0094】
ここでは、例えばユーザの所定操作に応じて、ステップS701の処理によって、携帯電話200のインターネット接続機能を利用してアプリケーションサーバ303に対してアクセスする。そして、自動車の鍵をかけることを指示するためのキーロック指示情報を、携帯IDとパスワードと共に送信する。
【0095】
アプリケーションサーバ303では、ステップS801としての処理によって、上記キーロック指示情報、携帯ID、及びパスワードを受信すると、先ず、ステップS802の処理によって認証処理を実行する。この認証処理は、図8のステップS502における認証処理と同様となる。そして、適正な認証結果が得られたのであれば、ステップS803に進む。
ステップS803においては、ユーザデータベース410を参照することで、携帯IDと対応付けられたナビIDを検索する。そして、次のステップS804において、検索したナビIDを有するナビゲーションシステム1に対してキーロックコマンドを送信する。
【0096】
上記したナビIDを有するナビゲーションシステム1では、ステップS901の処理により、上記キーロックコマンドを受信したことを判別することになる。そして、制御部19では、受信したキーロックコマンドに応答して、セキュリティシステム部41のロックコントロール部44に対する制御を実行することで、自動車の鍵をかけさせるものである。
なお、この図にはその処理動作は示されていないが、例えば上記ステップS902としてのキーロック制御を実行した後は、ナビゲーションシステム1から携帯電話200側に対して、自動車の鍵をかける動作を完了させたことを示すセキュリティデータを送信するようにして、ユーザの指示に応じたキーロック動作が正常に実行されたことの確認が行えるようにすることが好ましい。
【0097】
また、続いては、地図情報の更新データの提供サービスに関しての処理動作について、図10を参照して説明する。
この図においては、ナビゲーションシステム1、アプリケーションサーバ303、及びサービスサーバ500の各々において実行される処理が並列的に示される。ここでのナビゲーションシステム1としての処理は制御部19が実行し、アプリケーションサーバ303としての処理は、制御部404が実行し、サービスサーバ500としての処理は制御部503が実行する。
【0098】
例えば、先にサービス提供形態例において説明したように、ナビゲーションシステム1に対して、地図情報の更新データをダウンロードするための操作がユーザによって行われたとすると、ステップS11に示すようにして、地図情報の更新データのリクエストを、ナビID及びパスワードを送信するための処理を実行する。
【0099】
上記した更新データのリクエスト、ナビID、及びパスワードをステップS21により受信したアプリケーションサーバ303では、次のステップS22の処理として、ユーザデータベース410を参照して、登録されているパスワードとナビIDなどとの照合を行うことで認証処理を実行する。つまり、更新データのリクエストを送信したユーザが正規のユーザであるか否かについての確認を行う。なお、この場合にも、認証が得られなければ以降の処理は停止される。
そして適正に認証が得られたとされると、次のステップS23において、先のステップS21にて受信したとされるリクエストとナビIDを、サービスサーバ500に対して送信する。
【0100】
サービスサーバ500では、ステップS31の処理として、アプリケーションサーバ303から送信されたリクエストとナビIDを受信すると、次のステップS32において、記憶部501にてサービス用データ512として記憶されている、地図情報の更新データのファイルについての読み出しを行う。
【0101】
なお、この更新データは、例えば前述もしたように、更新前の地図情報としてのデータに対する差分データとされればよい。また、ここでは、全ての更新データファイルについて読み出しを行ってもよいが、例えば、この更新データが商品として購入されるものであって、例えばユーザが指定した地域数等に応じてその価格が代わるように設定することも考えられる。そこで、このような場合であれば、リクエストとしては、ダウンロードすべき更新データファイルを指定する情報を含むようにして、この指定された更新データファイルのみについての読み出しを行うようにしてもよい。
【0102】
上記のようにして更新データファイルの読み出しが行われると、続いては、ステップS33の処理によって、読み出した更新データファイルを、先にステップS31においてリクエストと共に受信したナビIDと共に、アプリケーションサーバ303に対して送信するようにされる。
【0103】
アプリケーションサーバ303では、ステップS24としての処理によって、上記のようにしてサービスサーバ500から送信されてきた更新データファイルとナビIDとを受信する。
そして、次のステップS25においては、上記ステップS24にて受信した更新データファイルを、同じくステップS24にて受信したナビIDが示す電話番号に対して送信するようにされる。つまり、更新データのダウンロードをリクエストしてきたナビゲーションシステム1に対して、更新データを転送するものである。
【0104】
このようにして送信された更新データファイルは、ナビゲーションシステム1において、ステップS12の処理によって受信される。そして、次のステップS13において、この受信した更新データファイルを、例えば、DRAM13、メモリ12、又は記憶部45などに対して書き込んで記憶させる。
【0105】
ここで、上記のようにして記憶した更新データファイルを、どのような態様によって利用するのかについては、例えば以下のようにいくつか考えることができる。
例えばナビゲーションシステム1では、基本的には、記録媒体9に記録されている地図情報を読み込んで、この地図情報に基づいて地図上での現在位置表示をはじめ、各種のナビゲーション情報をユーザに表示するようにしている。
そこで、地図情報が記憶されている記録媒体9が書き換え又は追記可能である場合には、この更新データを記録媒体に書き込むようにされる。これによって、以降において記録媒体9から読み出した地図情報を利用してナビゲーションを行う場合には、更新データも利用されることになって、例えば更新データの内容が反映されたナビゲーション動作が得られることになる。
また、記録媒体9が書き換え不可である場合には、例えば電源がオフとなっても記憶内容が維持されるメモリ12若しくは記憶部45などに受信した更新データを記憶させておく。そして、地図情報を利用した表示を行うような場合には、例えばメモリ12若しくは記憶部45に記憶されている更新データを読み出して、記録媒体9から読み出した地図情報に合成させて、更新データが反映された地図情報を形成する。そして、この地図情報を利用してナビゲーション動作を行うようにされる。
【0106】
なお、先にも述べたように、このような更新データの提供サービスは、有料とすることも無料とすることも考えられるが、有料であるとすれば、ナビゲーションシステム1から送信されたダウンロードのリクエストをサーバ側で受信したときに、例えばユーザが指定した支払方法に応じた決済の処理が行われるようにすればよい。
【0107】
4.サービス提供システム(第2例)
4−1.全体構成
続いては、実施の形態の第2例としてのサービス提供システムについて説明していくこととする。
図11は、第2例としてのサービス提供システムの一形態例を示している。
この図に示されるように、第2例としては、図1に示した第1例のシステム構成に対して、装置としては、パーソナルコンピュータ700と、認証サーバ800が追加された構成を採っている。そこで、図11の説明にあたっては、これらの追加部分等の相違点についての説明を主として行うこととして、図1と同一部分については同一符号を付すとともに、図1と同一内容については説明を省略することとする。
【0108】
この場合のパーソナルコンピュータ700は、ナビゲーションシステム1、携帯電話200の所有者(ユーザ)と同じユーザが所有しているとされるもので、例えば家庭や企業などの屋内において設置されているものとされる。そして、アクセス用通信網600を介してインターネットとの接続が行われるようになっている。
ここで、本実施の形態としてのパーソナルコンピュータ700は、上記した屋内において、日常的にはほぼ移動することが無いとされるような環境で設置されており、従って、例えばアクセス用通信網600と通信するためのコネクタなども、日常的には交換されることなく固定的に接続されている状態にあるものとされる。換言すれば、本実施の形態のパーソナルコンピュータ700の利用環境としては、例えばいわゆるノート型などの可搬型のパーソナルコンピュータを利用する場合にあるように、移動が行われるたびにアクセス用通信網600と接続されるコネクタや地域が異なるということは無いということを前提としている。
【0109】
上記のようにして、パーソナルコンピュータ700は、アクセス用通信網600を介してインターネットと接続されるのであるが、このアクセス用通信網600は、例えばパーソナルコンピュータ700がモデムからダイヤルアップすることで、電話回線を介してISP(Internet Service Provider)からインターネットにアクセスする形態をとっているとすれば、このアクセス用通信網600は一般電話回線とされることになる。
また、もちろんのこと、本実施の形態におけるアクセス用通信網600は、上記した一般電話回線に限定されるものではない。例えばほかには、ISDN(Integrated Services Digital Network)、また、電話回線の高周波帯域を通信に利用したADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等をはじめとするxDSL、CATV、無線通信網などを挙げることができる。
【0110】
認証サーバ800は、例えば後述するようにして、パーソナルコンピュータ700が自動車100の現在位置情報を得るために、自動車100に搭載されているナビゲーションシステム1に対してアクセスする際に、このアクセスが適正なものであるか否かについて認証を行うために設けられている。この認証サーバ800が機能することによって、結果的には、例えばいわゆる成りすましによって、正規に登録されていないパーソナルコンピュータが自動車100から現在位置情報を得るという不正行為を防止するようにされる。
なお、認証サーバ800の内部構成及びその動作については、後述する。
【0111】
4−2.パーソナルコンピュータの内部構成
図12は、パーソナルコンピュータ700の内部構成例を示している。
この図に示すパーソナルコンピュータ700は、インターネット400を介しての通信を行うために、ネットワークインターフェイス709を備えている。ネットワークインターフェイス709は、アクセス用通信網600と当該パーソナルコンピュータ700との通信を司るのであるが、これによって、パーソナルコンピュータ700は、アクセス用通信網600を介してインターネット400と接続されることになる。
【0112】
CPU701は、例えばハードディスクドライブにインストールされた各種のアプリケーションプログラム、及びROM702に保持されているプログラムに従って各種の処理を実行する。本実施の形態では、インターネットに関連する通信プロトコルであるTCP/IPに従って各種データの送受信を可能とするために、例えば、上記ROM702に対してネットワークインターフェイス709を制御するためのプログラムも格納されることになる。つまり、パーソナルコンピュータ113においては、インターネットを利用したデータ送受信に可能なセット(ハードウェア及びソフトウェア)が備えられるものである。
また、RAM703にはCPU701が各種処理を実行するのに必要なデータやプログラム等が適宜保持される。
【0113】
入出カインターフェイス704は、キーボード705とマウス706が接続されており、これらから供給された操作信号をCPU701に出カするようにされている。また、入出カインターフェイス704には、記憶媒体としてハードディスクを備えたハードディスクドライブ707が接続されている。CPU701は、入出カインターフェイス704を介して、ハードディスクドライブ707のハードディスクに対してデータやプログラム等の記録又は読み出しを行うことができるようにされている。この場合、入出カインターフェイス704には、さらに、画像表示のためのディスプレイモニタ708が接続されている。
内部バス710は、例えば、PCI(Peripheral Component Interconnect)又はローカルバス等により構成され、内部における各機能回路部間を相互に接続している。
【0114】
4−3.認証サーバの内部構成
続いて、認証サーバ800の内部構成例について、図13を参照して説明する。
この図に示す認証サーバ800は、記憶部801、ネットワークインターフェイス802、制御部803を備える。
認証サーバ800の場合、記憶部801には、後述する認証処理等を実行するのに必要とされる情報が記憶されている。ここでは、記憶部801に格納されるデータとして、認証用ユーザデータベース810、実行アプリケーション811が示される。
【0115】
認証用ユーザデータベース810は、例えば図の下側に示すように、1ユーザごとに、ユーザ情報、携帯ID、ナビID、PC−ID、コンテンツID、及びPC用パスワードが対応づけられて格納される。
ユーザ情報は、ナビゲーションシステム1、携帯電話200、及びパーソナルコンピュータ700を組として所有するユーザに関する情報であり、例えば本実施の形態のシステムの場合であれば、サービスサーバ500(又はアプリケーションサーバ303)に格納されるユーザデータベース510(410)を形成するユーザ情報と同じ内容とさればよい。
【0116】
携帯IDは、ユーザIDによって特定されるユーザが所有する携帯電話に書き込まれている携帯IDと同一のデータが格納される。ナビIDも同様にして、ユーザが所有するナビゲーションシステム1に割与えられたものと同一のナビIDのデータが格納される。また、このナビIDとして、無線端末装置50に対して割り与えた電話番号とされればよい。つまり、この場合の携帯ID及びナビIDは、図5にて説明したユーザデータベース構造において格納される情報と同じ情報が格納されればよいものである。
【0117】
PC−IDは、ユーザIDによって特定されるユーザが所有するとされるパーソナルコンピュータ700を識別するためのIDとされる。本実施の形態としては、このPC−IDの構造に特徴を有するが、これについては、PC−IDの登録例として後述する。
サービスIDは、認証サーバ800が対応して処理すべきサービスを識別するためのIDである。
この認証用ユーザデータベース810を構築するのにあたっては、ユーザごとに対応して、上記した各情報が登録されることが必要であるが、これについては後述する。
【0118】
この場合の実行アプリケーション811は、認証サーバ800が実行すべき各種動作に対応する各種のアプリケーションプログラムから成る。
ネットワークインターフェイス802は、インターネット400と接続するためのインターフェイス手段として設けられる。
制御部803は、実行アプリケーション811としてのプログラム内容に従って各種の制御処理を実行する。
【0119】
4−4.サービス提供形態例
図11に示したシステム構成は、ユーザにとってみた場合には、サービス提供をうけるためにインターネット400と接続される機器として、ナビゲーションシステム1及び携帯電話200に加えて、例えば屋内において固定的に設置したパーソナルコンピュータ700が利用可能になっているといえる。
そして、このようなシステムにおいては、例えば、ナビゲーションシステム1からパーソナルコンピュータ700に対して、自動車100の現在位置を示す現在位置情報を送信させるというサービスを提供することができる。
【0120】
このサービス内容を簡単に説明すると次のようになる。
ここで、ユーザがパーソナルコンピュータ700を使用しているユーザが、現在、自己の所有しているナビゲーションシステム1を搭載している自動車100の現在位置を知りたいと思ったとする。この場合、ユーザは、パーソナルコンピュータ700上で、例えばWebブラウザのアプリケーションを起動させた上で、所定操作を行って、現在位置通知サービスのWebサイトにアクセスするようにされる。この現在位置通知サービスのWebサイトは認証サーバ800にてアップロードしているWebサイトとされる。つまり、ユーザが現在位置通知サービスのWebサイトにアクセスしたことによって、パーソナルコンピュータ700は、認証サーバ800にアクセスしたこととなる。
【0121】
上記のようにして認証サーバ800に対してアクセスしたとすると、ユーザは、現在位置情報通知のためのリクエストを送信するようにされる。また、この現在位置情報通知のリクエストとともに、認証サーバ800が認証で用いるべき所要の認証情報も送信するようにされる。
なお、認証情報がどのようなものであるのかについては後述する。
また、認証サーバが認証に用いる認証情報としては、リクエストを送信したパーソナルコンピュータ700に固有となるPC−IDを含むが、このPC−IDは、パーソナルコンピュータ700にて生成して送信されるのではなく、パーソナルコンピュータ700が接続されるアクセス用通信網600内において、例えばアプリケーションサーバとして機能する部位が、パーソナルコンピュータ700が認証サーバ800にアクセスしてきたときに生成するようにされる。このPC−IDの生成及びユーザデータベース810への登録についても後述することとする。
【0122】
認証サーバ800では、上記のようにして、現在位置情報通知のリクエストと共に送信されてきた認証用情報と、ユーザデータベース810とを参照して、このリクエストを送信してきたパーソナルコンピュータ700が正規に登録された機器であるか否かについての認証処理を行う。そして、正規の認証結果が得られたのであれば、このリクエストを、ユーザが所有するとされるナビゲーションシステム1に対して、インターネット400から無線電話通信網300を介するようにして転送する。
なお、正規の認証結果が得られなかった場合には、ナビゲーションシステム1に対するリクエストの転送は行わないようにされる。
【0123】
上記リクエストを受信したナビゲーションシステム1では、現在の自車位置を示す自車位置情報を生成し、無線電話通信網300からインターネット400を介して認証サーバ800に対して送信する。認証サーバ800は、この送信されてきた自車位置情報をパーソナルコンピュータ700に対して送信する。パーソナルコンピュータ700では、受信した自車位置情報をWebブラウザによって再生出力する。これによって、パーソナルコンピュータ700のディスプレイモニタ708において、現在の自車位置情報が表示されることになる。
【0124】
4−5.認証用ユーザデータベースの構築
上記した説明における認証サーバ800の動作からも分かるように、ユーザがこのサービスを享受するのにあたっては、認証サーバ800において、サービスを享受したいとするユーザに関する情報が、認証用ユーザデータベース810として登録されている必要がある。
この登録のための手順としては、いくつか考えられるのであるが、1つには、ユーザがこのサービスを享受したいと思ったときに、ユーザがパーソナルコンピュータ700を認証サーバ800にアクセスさせ、所定の登録のための操作を行うことで登録が行われるようにすることが考えられる。
つまり、ユーザはパーソナルコンピュータ700を操作して、例えば認証サーバ800における登録用のWebページにアクセスする。このWebページには図13に示した認証用ユーザデータベース810を構築するのに必要とされる、1ユーザについての所要の情報項目を入力することができるようになっている。つまり、「ユーザ情報」となる氏名、住所等をはじめとする個人情報、ユーザが所有する携帯電話200の「携帯ID(電話番号)」、同じくユーザが所有するナビゲーションシステム1の「ナビID(電話番号)」、及び「サービスID」に対応する享受したいサービス内容(この場合には、現在位置通知サービスとなる)を入力するようにされる。例えば認証サーバ800においては、現在位置通知サービス以外のサービスも対応して認証を行うような構成とすることも充分に考えられるが、サービスIDは、このような場合において、ユーザがサービスの提供を要求してきたときに、そのサービスが何であるのかを識別するのに用いることができる。
【0125】
また、例えば本実施の形態としての現在位置通知サービスに関すれば、携帯電話200はこのサービスを享受するのに利用はしていないので、必ずしも、携帯IDを認証用ユーザデータベース810の情報要素とする必要はない。しかし、やはり、認証サーバ800において現在位置通知サービス以外のサービスも対応して認証を行うこととして、その他のサービスが携帯電話200を利用するものであるような場合には、携帯IDが必要となるものである。
【0126】
また、図13によれば、上記「ユーザ情報」「携帯ID(電話番号)」、「ナビID(電話番号)」、及び「サービスID」のほかに、PC−IDを登録することが必要となる。
このPC−IDに関しては、例えば、パーソナルコンピュータとしての機器を特定するメーカコード及び製造番号等の情報から成る機器IDをパーソナルコンピュータ700において生成し、これをPC−IDとして、上記各情報と共に送信することが一般的には考えられる。上記したメーカコード及び製造番号の情報は、例えばパーソナルコンピュータ700内におけるROMなどに対して、例えば製造過程において格納するようにされているので、パーソナルコンピュータ700がこの情報を基に機器IDを生成するのは容易ではある。
【0127】
しかしながら、このようなメーカコード及び製造番号などの予めパーソナルコンピュータ700に格納されている情報を機器IDとして利用した場合には、悪意のユーザによっては容易に改竄され、いわゆる「成りすまし」が行われる可能性を有している。
具体的に、本実施の形態の現在位置通知サービスを例に採れば、例えば、正規に登録されたパーソナルコンピュータ700は、1台だけであるのに、他のパーソナルコンピュータが、この登録されたパーソナルコンピュータの機器IDに書き換えて認証サーバ800にアクセスするという不正行為が行われる可能性を有しているのである。
例えば、先の第1例としてのシステム構成では、ナビゲーションシステム1及び携帯電話200は、共に無線電話通信網300を介在してインターネットと接続するようにされている。無線電話通信網300では、電話番号等の情報に基づいた管理を行っていることから、この電話番号を利用してアクセスする限り、成りすましが行われる問題は無いことになる。ところが、この第2例のシステムのようにして、パーソナルコンピュータ700をシステム構成に加えたとすると、このパーソナルコンピュータ700は、無線電話通信網300にアクセスすることなく、例えば電話回線等をはじめとする何らかのアクセス用通信網600を介してインターネットにアクセスすることになる。このような場合には、前述した成りすましの問題が生じてくるわけであり、この問題を解決する必要が生じてくるものである。
【0128】
そこで本実施の形態としては、次のようにしてPC−IDを生成して認証サーバに登録することで、機器IDを改竄しての成りすましによる不正なサービスの享受ができないようにする。なお、ここではアクセス用通信網600として実際に利用される通信網の種類に応じて、3例を挙げることとする。
【0129】
図14は、PC−ID登録手順の第1例を模式的に示している。この第1例は、アクセス用通信網600が一般電話回線、若しくはISDN回線とされている場合である。
アクセス用通信網600が一般電話回線、若しくはISDN回線などの場合、パーソナルコンピュータ700がインターネットと接続されるためには、いわゆるダイヤルアップを行うことになる。つまりは、ここでは図示していないが、パーソナルコンピュータ700側が備えるとされるモデム、TA(Terminal Adapter)、DSU(Digital Service Unit)から、アクセス用通信網600において一般電話回線又はISDN網として実際に配置される設備である電話局601に対してダイヤリングをして接続する。
【0130】
ここで、留意すべきなのは、上記電話局601に対してダイヤルアップを行うということは、このダイヤルアップを行うために割り当てられた電話回線、ISDN回線についての電話番号が一義的に決まっているということである。この電話番号は、電話局601にて管理している以上、パーソナルコンピュータ700のユーザによっては改竄することのできない情報であるといえる。そこで本実施の形態では、PC−IDを生成するのにあたって、この電話番号を利用するものである。そして、この電話番号を利用してのPC−IDの生成及び登録は次のような手順で行うことができる。
【0131】
先ず、手順1として、パーソナルコンピュータ700からは、認証サーバ800に向けて機器IDを送信するようにされる。なお、この機器IDの送信は、例えば実際には、前述した「ユーザ情報」「携帯ID(電話番号)」、「ナビID(電話番号)」、及び「サービスID」の各情報とともに送信するようにすればよい。また、この機器IDは、例えば先にも述べたように、メーカコードと製造番号とによって形成されるものであればよい。
そして、アクセス用通信網600内の電話局601では、手順2として、この送信された機器IDと、このダイヤルアップに使用している電話回線(ISDN回線)の電話番号の情報とに基づいて、PC−IDを生成する。この場合において、機器IDと電話番号情報とを利用してどのようにPC−IDを生成するのかについては、各種考えられるためここでは特に限定しないが、例えば、最も単純なものとしては、機器IDと電話番号情報としてのデータ値を連結してPC−IDを形成することが考えられる。また、機器IDと電話番号情報としてのデータ値を利用して所定の関数による演算を行うことで、所定ビット数によるデータ値を求め、このデータ値をPC−IDとすることなどが考えられる。
【0132】
このようにして生成されたPC−IDは、機器IDと電話番号とによって作成されたものであるから、パーソナルコンピュータ700ごとに固有の情報となる。そのうえ、電話番号もPC−IDの要素とされている以上、例えば単に機器IDを書き換えたとしても、電話番号についての書き換えはされていないので、同一のPC−IDにはならないことになる。また、電話番号は電話局601側にて管理するものであり、かつ、PC−IDは電話局601側にて作成するものであるから、パーソナルコンピュータのユーザが、この電話番号部分を書き換えることは不可能である。従って、パーソナルコンピュータについていわゆる成りすましを行うことは不可能となるわけである。
そして、電話局601からは、このようにして生成したPC−IDをインターネットを介して認証サーバ800に送信することになる。
【0133】
このPC−IDを受信した認証サーバ800では、手順3として示すように、受信したPC−IDを、他の情報(ユーザ情報、携帯ID、ナビID、及びサービスID)と共に、認証用ユーザデータベース810に登録するようにされる。
【0134】
また、PC−ID登録手順の第2例を図15に示す。この第2例は、アクセス用通信網600がADSLなどの常時接続が可能な通信網とされている場合である。
このような通信網である場合、例えばアクセス用通信網600における設備である電話局601においては、例えば電話回線を、一般電話回線とインターネットの経路とに分岐するスプリッタなどのポート部が設けられることになるのであるが、この図においては、このようなポート部を接続ポート602,602・・・として示している。
【0135】
例えば、電話局601では、加入者がADSLに加入したときに接続ポート602の工事を行って加入者の電話回線と接続するようにしている。従って、この接続ポート602については、電話局601側が管理するものであると共に、接続される電話回線も固定的なものとなっているといえる。
【0136】
そこで、本実施の形態としては、例えば電話局601において接続ポート602ごとに識別子(ポートID)を割与えて管理するようにされる。このポートIDは接続ポートごとに固有となるものであるから、第1例の電話番号と同様に、電話局601に接続するパーソナルコンピュータ700と、このポートIDとの対応は固定的なものとなる。また、ポートIDは、電話局601側で管理することから、例えばパーソナルコンピュータのユーザがこの部分を改竄することもできない。
【0137】
そこで第2例としては、ポートIDを利用してPC−IDを生成する。そして、このポートIDを利用してのPC−IDの生成及び登録は、例えば次のような手順で行う。
【0138】
先ず、手順1として、パーソナルコンピュータ700からは、認証サーバ800に向けて機器IDを送信する。この場合においても、機器IDは、メーカコードと製造番号とによって形成される。また、機器IDの送信は、実際には、「ユーザ情報」「携帯ID(電話番号)」、「ナビID(電話番号)」、及び「サービスID」の各情報とともに送信するものとされる。
そして、手順2としては、アクセス用通信網600内の電話局601において、送信された機器IDと、ADSLとしての電話回線の接続ポートのポート番号の情報とを利用してPC−IDを生成する。そして、電話局601からは、このようにして生成したPC−IDをインターネットを介して認証サーバ800に送信することになる。
そして、手順3として、このPC−IDを受信した認証サーバ800は、他の情報(ユーザ情報、携帯ID、ナビID、及びサービスID)と共に、認証用ユーザデータベース810に登録する。
【0139】
図16は、第3例としてのPC−ID登録手順を示している。この第3例では、アクセス用通信網600は専用線610としての設備を備えているものとされ、この専用線610に対してパーソナルコンピュータ700が常時接続される。
このような場合、パーソナルコンピュータ700は、専用線610において備えられるとされるルータ611に対して接続され、このルータ611からインターネット400への接続が行われる。そして、この場合には、パーソナルコンピュータ700は、ルータ611に対して常時接続されているのであるから、パーソナルコンピュータ700とルータ611との経路は固定されていることになる。また、このルータ611の管理も専用線610側の運営者によって行われていることになり、このルータ611に関する情報をパーソナルコンピュータ700側のユーザが改竄することはできないとされる。
そこで、第3例としては、パーソナルコンピュータ700の機器IDと、ルータ611に固有となる情報を利用してPC−IDを形成するようにされる。そして、この場合には、ルータ611に固有となる情報としては、ルータ611に割り当てられたルータアドレスを使用することとする。
【0140】
そして、この第3例としてのPC−ID登録手順は以下のようになる。
先ず、手順1として、パーソナルコンピュータ700からは、認証サーバ800に向けて機器IDを送信する。この場合においても、機器IDの送信は、実際には、「ユーザ情報」「携帯ID(電話番号)」、「ナビID(電話番号)」、及び「サービスID」の各情報とともに送信するものとされる。
但し、この場合の機器IDとしては、先の第1例及び第2例の場合のようにして、メーカコード−製造番号から成る情報を使用してもよいのであるが、常時接続されていることを前提とすると、例えばDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によるものであるとしても、最初にIPアドレスの割り当てが行われた後は、そのIPアドレスは不変となる。そこで、この場合には、機器IDとしてIPアドレスを利用してもよいことになる。
【0141】
次の手順2としては、アクセス用通信網600内の専用線610において、送信された機器IDと、パーソナルコンピュータ700が接続されているルータ611のルータアドレスを利用してPC−IDを生成する。そして、電話局601からは、このようにして生成したPC−IDをインターネットを介して認証サーバ800に送信する。そして、PC−IDを受信した認証サーバ800は、手順3として、他の情報(ユーザ情報、携帯ID、ナビID、及びサービスID)と共に、受信したPC−IDを認証用ユーザデータベース810に登録する。
【0142】
なお、IPアドレスを機器IDとすることについて、補足的に述べておくと、IPv4では、接続が行われるごとにDHCPサーバによって割り当てられるIPアドレスが変化するのであるが、IPv6では、常時接続でなくともIPアドレスを固定的に割り当てることができる。従って、IPv6に従ったインターネットとの通信を行う場合であれば、先に述べた第1例及び第2例についても、機器IDをIPアドレスとすることができるものである。
【0143】
このようにして、上記第1例〜第3例においては、パーソナルコンピュータ700の機器IDだけではなく、電話番号、接続ポートのポートID、又はルータアドレスなどを利用してPC−IDを形成するようにしている。
ここで、電話番号、接続ポートのポートID、ルータアドレスの情報は、パーソナルコンピュータ700とインターネットとの経路上において、パーソナルコンピュータ700がアクセス用通信網600と接続するまでの通信経路(アクセス経路)を特定する情報であるといえる。
これまでの説明からも理解されるように、アクセス用通信網600と接続するまでの通信経路は、パーソナルコンピュータ700が例えば屋内等において固定的に設置されるということを前提にすれば、そのパーソナルコンピュータ700と通信経路とは1対1で固定的に対応するものとなる。従って、上記通信経路を特定する情報と機器IDとを組み合わせたとしても、パーソナルコンピュータ700に固有となるPC−IDを形成するのに何ら問題はないことになる。また、先の説明でも述べたようにして、通信経路を特定する各情報(電話番号、接続ポートのポートID、ルータアドレス)は、何れもアクセス用通信網600を運営する設備側で管理しているものであり、悪意のパーソナルコンピュータ700のユーザがこれを改竄することはできないとされる。従って、この情報を利用して生成されるPC−IDをパーソナルコンピュータ700のユーザが改竄することもできないわけである。また、本実施の形態としては、PC−IDは、パーソナルコンピュータ側ではなく、中継点であるアクセス用通信網600の設備側で生成するようにされていることによっても、改竄される可能性を著しく低いものとしている。
つまり、本実施の形態のPC−IDとしては、パーソナルコンピュータを特定可能としながら、かつ、改竄による成りすましを防止することのできる情報となっているものである。これによって、先にも述べたように、成りすましによるパーソナルコンピュータ700を利用してのサービスの提供が行われるのを防止することが可能となる。
なお、本発明としては、パーソナルコンピュータ700が最初に接続される通信網(アクセス経路)を特定できる情報でありさえすればよく、上記図14〜図16により例示した登録手順におけるPC−IDの生成例以外にも、本発明に適合するPC−IDの生成を行うことは可能であり、また、アクセス用通信網600としての種類も、図14〜図16により例示したものに限定はされない。
【0144】
4−6.処理動作例
続いては、これまでの説明を踏まえて、第2例としてのサービス提供システムが行うとされる、自動車の現在位置通知サービスを実現するための処理動作について、図17のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施の形態としての自動車の現在位置通知サービスについての動作概要は、先に述べたとおりである。
この図においては、パーソナルコンピュータ700、認証サーバ800、及びナビゲーションシステム1の各々において実行される処理を並列的に示している。ここでのパーソナルコンピュータ700としての処理はCPU701が実行し、認証サーバ800としての処理は制御部803が実行し、ナビゲーションシステム1としての処理は制御部19が実行する。
【0145】
パーソナルコンピュータ700に、ナビゲーションシステム1が搭載された自動車の現在位置を通知してもらうのにあたっては、前述もしたように、例えばパーソナルコンピュータ700上でWebブラウザのアプリケーションを起動させ、認証サーバ800における現在位置通知サービスのWebサイトにアクセスするようにされる。そして、このとき表示されるブラウザ画面に対して所定の操作を行うことで、パーソナルコンピュータ700からは、現在位置通知リクエストを送信することになる。これが図17におけるステップS41の処理となる。
【0146】
このステップS41により現在位置通知リクエストを送信する際には、ユーザ情報、機器ID、及びサービスIDを共に送信するようにされる。
例えば現在位置通知サービスのブラウザ画面上には、リクエストに必要とされる各種項目を入力する入力ボックスが表示されるようになっているものとされる。上記ユーザ情報は、この入力ボックスに入力した例えば住所、氏名等の個人情報に基づいて、ユーザを特定するIDとしてCPU701が作成する。
また、機器IDは、例えばこれがメーカコードと製造番号から成るものであるとすれば、CPU701が例えばROM702から読み出したメーカコード、製造番号の情報に基づいて作成することになる。また、機器IDがIPアドレスであれば、例えばRAM703に保持しているIPアドレスを利用して作成する。
また、サービスIDは、例えば、このリクエストが現在位置通知サービスに対応したものであることを示すIDとして、現在位置通知リクエストとしてのデータ構造内に格納されているものとする。
【0147】
上記のようにして送信された現在位置通知リクエストは、図14〜図16にて説明したようにして、先ずは、アクセス用通信網600にてルーティングされ、インターネット400を介して認証サーバ800に転送されることになる。そして、この際において、アクセス用通信網600の設備においては、受信取得した機器IDと、自身が管理して保有しているとされる経路特定情報(電話番号、ポートID、ルータアドレスなど)を利用してPC−IDを作成する。従って、認証サーバ800に対しては、現在位置通知リクエストと共に、このPC−IDと、ユーザ情報、サービスIDが送信されることになる。
【0148】
認証サーバ800では、上記のようにして送信されてきた現在位置通知リクエスト、ユーザ情報、PC−ID、及びサービスIDを、ステップS51により受信する。そして、次のステップS52において、この受信したユーザ情報、PC−ID、及びサービスID等と、認証用ユーザデータベース810とを比較参照することで、認証処理を実行する。
【0149】
次のステップS53では、上記ステップS52による認証処理の結果として、正規のユーザであるとの認証が成立したか否かを判別しており、ここで、否定結果が得られた場合には、ステップS55として示すように、今回のリクエストの受信に対応した処理を拒否する。つまり、以降において、例えば受信したリクエストに応じて、パーソナルコンピュータ700側に現在位置情報を送信するための処理は行わないようにされる。なお、この図では図示していないが、例えばステップS55の処理としては、例えば認証が不成立であったことをパーソナルコンピュータ700側に通知するようにすることが好ましい。
【0150】
これに対して、ステップS53において認証が成立したとの肯定結果が得られた場合には、ステップS54の処理として、今回受信した現在位置通知リクエストをしかるべきナビゲーションシステム1に対して送信することを行う。
この際には、認証用ユーザデータベース810から、今回リクエストと共に受信したユーザ情報、PC−ID、及びサービスIDに対応づけて格納されているナビIDを検索するようにされる。そして、この検索されたナビID(電話番号)を指定して、無線電話通信網300に対して現在位置通知リクエストを送信するようにされる。これによって、現在位置通知リクエストは、パーソナルコンピュータ700を所有するユーザが所有して登録しているナビゲーションシステム1に対して正しく送信されることになる。
【0151】
例えば自動車100に搭載されたナビゲーションシステム1では、ステップS61の処理によって現在位置通知リクエストを受信することになる。
ここで、本実施の形態のナビゲーションシステム1は現在位置通知サービスに対応したプログラムを格納している。このプログラムは、受信した情報が現在位置通知リクエストである場合には、測位部4にて測定される現在位置情報と、例えば記録媒体9等から読み出した地図情報とを利用して現在位置情報を作成し、認証サーバ800にアクセスして送信を行うという動作を実行させるものである。なお、現在位置情報の生成に利用する地図情報としては、例えば前述したようにして取得した更新データがあれば、この更新データも利用するようにされる。そして、次に述べるステップS62〜S64の処理は、このプログラムに従って実行される。
【0152】
ステップS62においては、現在位置情報を作成する。
前述もしたように、ここで作成される現在位置情報は、例えばWebブラウザによって表示可能なHTMLやXMLなどの形式とされ、Webブラウザ上で再生すれば、地図上に現在位置が示される画像を表示させることができるデータ内容を有しているものとされる。なお、例えばJPEG、JIF、及びビットマップなどをはじめ、単に所定の形式による画像データとして生成することも考えられる。
【0153】
そして、次のステップS63においては、ナビゲーションシステム1が認証サーバ800に対してアクセスするための制御処理を実行する。このため、例えばナビゲーションシステム1においては、例えばメモリ12などに認証サーバ800のURLが保持されているものとされ、制御部19は、このURLにアクセスが行われるように、通信インターフェイス47から通信端末装置50を介してアクセス要求を送信させる。
そして、このアクセス要求に応じて、認証サーバ800との接続が確立したとされると、次のステップS64の処理によって、先のステップS62にて生成した現在位置情報を認証サーバ800に対して送信する。
【0154】
認証サーバ800では、ステップS56の処理として、上記のようにして送信された現在位置情報を受信すると、この現在位置情報をリクエストしたパーソナルコンピュータ700に対して転送することを行う。
【0155】
現在位置通知リクエストを行ったパーソナルコンピュータ700は、前述もしたように認証サーバ800と接続されており、しかるべきWebページがブラウザによって表示出力されている状態にある。そして、この状態の下で、転送されてきた現在位置情報をステップS42の処理によって受信することになる。
このようにして受信された現在位置情報は、例えば先にも述べたように、HTMLやXMLなどのファイルの形式をとっている。そして、パーソナルコンピュータ700では、ステップS43の処理によって、この現在位置情報について再生処理を行うことで、ブラウザ画像として現在位置を示す表示を行うようにされる。
なお、上記処理動作においては、ナビゲーションシステム1からパーソナルコンピュータ700への現在位置情報の送信は、認証サーバ800を介在させている。これは、パーソナルコンピュータ700が認証サーバ800と接続されていることを利用して、認証サーバ800を中継することでナビゲーションシステム1からの情報の送信を容易にするためとされる。しかしながら、この段階では、特に認証処理を実行する必要はないので、ナビゲーションシステム1からパーソナルコンピュータ700に対して直接送信を行うように構成することも可能である。
【0156】
また、認証サーバ800としては、例えば当然のことではあるが、1つの装置としてではなく、例えば処理負担の軽減のために、認証サーバ800として機能する複数の装置が、インターネット上において分散するようにして設けられた構成としても構わないものである。
【0157】
また、不正行為を防止する構成としては、次のような構成を補助的に付加することも考えられる。
例えば本実施の形態としてのサービス提供システムにおいて、ユーザがサービス提供に利用するものとして登録している各機器(ナビゲーションシステム、携帯電話、パーソナルコンピュータ等)のインターネットの接続を、特定の1つの通信会社(電話会社等)が行うとする。そして、例えばこの通信会社がカバーする範囲の通信網内において監視サーバを設けるようにする。監視サーバは、ユーザが登録している各機器間の通信として、この通信会社がカバーする一定範囲内の回線を利用しているか否かを監視するようにする。そして、通信会社がカバーする一定範囲外の回線から入ってくるようにして、ユーザが登録している機器が通信を行う状況となった場合には、何らかの警告を与えたり、また、不正のサービス利用が行われるような回線の利用状況であるとする場合には、通信を中断させるようにするものである。
【0158】
また、本発明としては上記した各実施の形態に限定されるものではない。例えば、提供すべきサービスとしては、これまで例示したもの以外にも各種考えられる。また、サービス提供に利用される機器としては、カーナビゲーション装置、携帯電話、パーソナルコンピュータ等に限定されるものではなく、例えばインターネットなどのネットワークとの接続機能を有する移動通信端末装置を備える機器や、また、移動通信端末装置ではなくとも、特定の通信網を介してインターネットと接続される通信端末装置を備えるような機器であれば、本発明の適用は可能とされる。
特に、第2例としてのシステム構成により実現されるサービスとしては、ナビゲーションシステム1とパーソナルコンピュータ700とを利用しての現在位置情報通知サービスを例に挙げているが、これ以外にも多様に考えられるものであり、また、パーソナルコンピュータ700と携帯電話200との間での通信によって実現されるサービスとしても本発明としてあり得るものである。もちろんこの場合にも、認証サーバ800を介在させてのパーソナルコンピュータ700からのアクセスが行われるようにされることで、不正なサービスの利用が行われないようにされる。
【符号の説明】
【0159】
1 ナビゲーションシステム、2 ナビゲーション本体部、3 ディスプレイモニタ部、3a 表示画面、3b 受信部、3c 車内カメラ、3d フロントカメラ、4 測位部、8 リモートコントローラ、8a 緊急キー、9 記録媒体、11 ROM、12 メモリ、13 DRAM、14 インターフェイス、15 時計部、16 入力部、17 表示ドライバ、18 ディスクドライバ、19 制御部、20 バス、41 セキュリティシステム部、45 記憶部、46 画像音声処理部、47 通信インターフェイス、50 通信端末装置、200 携帯電話、201 アンテナ、202 受信回路、203 送信回路、204 信号処理回路、205 リンガー、206 スピーカ、207 マイクロフォン、208 システムコントローラ、209 LCD表示部、210 キー操作部、217 ROM、218 RAM、300 無線電話通信網、301 基地局、302 中継局、303 アプリケーションサーバ、401 記憶部、402,403 インターフェイス、404 制御部、410 ユーザデータベース、411 実行アプリケーション、500 サービスサーバ、501 記憶部、502 ネットワークインターフェイス、503 制御部、510 ユーザデータベース、511 実行アプリケーション、512 サービス用データ、600 アクセス用通信網、700 パーソナルコンピュータ、701 CPU、702 ROM、703 RAM、704 入出力インターフェイス、705 キーボード、706 マウス、707 ハードディスクドライブ、708 ディスプレイモニタ、709 ネットワークインターフェイス、710 内部バス、800 認証サーバ、801 記憶部、802 ネットワークインターフェイス、803 制御部、810 認証用ユーザデータベース、811 実行アプリケーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有IDを有するナビゲーション機能を含む端末であって、
通信ネットワーク上で情報を送受信するワイヤレス通信ユニットと、
プロセッサを有する制御ユニットと
から成り、
前記プロセッサは、前記ワイヤレス通信ユニットで受信するサービス提供システムによって提供された所定のサービスを処理可能であり、
前記サービス提供システムは、そのナビゲーション端末の固有IDを記憶し、前記ナビゲーション端末が認証されたときのみ、そのナビゲーション端末にアクセスし、前記所定のサービスを提供し、
前記所定のサービスは、前記ナビゲーション端末で利用可能な地図情報のアップデートであり、前記地図情報の先のバージョンとアップデートされた地図情報間の差分のみのデータを前記ワイヤレス通信ユニットにて受信する
端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−257409(P2011−257409A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148879(P2011−148879)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【分割の表示】特願2001−188724(P2001−188724)の分割
【原出願日】平成13年6月21日(2001.6.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】