説明

第Xa因子阻害剤としてのチオフェンカルボキサミド

本発明は、因子Xaの阻害剤である式Iで表わされる化合物または薬剤として許容されるその塩、エステルもしくはプロドラッグを対象とする。本発明は、このような化合物の作製のために使用する中間体、このような化合物を含む医薬組成物、望ましくない血栓を特徴とする多数の状態を予防または治療する方法、および血液試料の凝固を阻止する方法も対象とする。本発明はさらに、治療有効量の本発明の化合物を哺乳動物に投与するステップを含む、望ましくない血栓を特徴とするその哺乳動物における状態を予防または治療するための化学中間体、医薬組成物および方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2004年6月18日に出願された米国仮特許出願第60/580,899号の利益を主張する、2005年6月20日に出願された米国特許出願第11/158,274号の一部継続出願であり、これらの全体は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、第Xa因子の阻害剤として作用する新規の化合物に関する。本発明はまた、新規の化合物を含む医薬組成物、および、望ましくない血栓を特徴とする状態を治療するためのこの化合物または組成物の使用方法に関する。本発明はまた、本明細書で記載する化合物を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(先行技術)
うっ血、出血の制御は、外科的手段、または血管収縮および凝固の生理学的特徴によって生じる。本発明は特に、血液凝固、ならびに血液凝固が損傷、炎症、疾患、先天性欠損症、機能障害または他の障害(disruption)後における哺乳動物の血液循環の完全性を維持するのを助ける方法に関する。血小板および血液の凝固はどちらもうっ血の回復および血栓症に関わっているが、凝固カスケードの特定の成分は、血栓およびうっ血における主要な事象である血小板凝集およびフィブリン沈着に関わるプロセスの増幅と加速に主として関与している。
【0004】
血栓形成は、重合しネットワーク化して損傷を受けた後のうっ血を回復させる、フィブリノゲンのフィブリンへの転換を伴う。同じようなプロセスは、血栓症における閉塞血管をもたらす。フィブリノゲンのフィブリンへの転換は、血液凝固カスケードにおける一連の反応の最終生成物であるトロンビンによって触媒作用を受ける。トロンビンは、血小板を活性化させるのにも重要な役割を果たし、それによって動脈血流と静脈血流の両方の条件下での血栓に影響を及ぼす。こうした理由から、トロンビンの効率的な調節は血栓の効率的な調節をもたらすことができると想定される。最近用いられている抗凝血剤のいくつかの部類は、直接または間接にトロンビンに影響を及ぼす(例えば、非分画ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパリン様化合物、五糖類およびワルファリン)。トロンビン活性の直接的または間接的な阻害も、臨床開発における様々な抗凝血剤の焦点となっている(非特許文献1に総説が記載されている)。
【0005】
トロンビンの前駆体であるプロトロンビンを、第Xa因子により活性酵素に転換させる。組織因子/第VIIa因子の媒介による第Xa因子の生成の局所的活性化は、第IXa因子/第VIIIa因子複合体によって増幅され、活性化された血小板でのプロトロンビナーゼ集合をもたらす。プロトロンビナーゼ複合体の一部としての第Xa因子は、血管系における持続的なトロンビン生成に関与する唯一の酵素である。第Xa因子は、セリンプロテアーゼ、その前駆体第X因子の活性化された形態であり、カルシウムイオン結合、γカルボキシグルタミン酸(GLA)含有のビタミンK依存性血液凝固因子のメンバーである。フィブリノゲンおよびPAR受容体を含む様々なタンパク性基質に作用する(非特許文献2)トロンビンとは異なり、第Xa因子は単一の生理学的基質、すなわちプロトロンビンを有するようである。第Xa因子の1つの分子が1000を超えるトロンビンの分子を生成させることができる(非特許文献3)ので、トロンビンの生成を間接的に阻害する形での第Xa因子の直接阻害は、効果的な抗凝血剤ストラテジーであると考えられる。この主張は、トロンビン合成におけるプロトロンビナーゼの重要な役割と、プロトロンビナーゼの阻害が血小板凝集および凝固経路全般に対して著しい影響を及ぼすという事実とに基づいている。第VIIa因子、第IXa因子または第Xa因子などの活性化されたプロテアーゼは、それ自体ではタンパク質分解活性が劣っている。しかし、補因子依存性の膜結合型複合体への集合によって、その触媒能は著しく高められる。この効果は第Xa因子の場合が最も飛躍的であり、その効能は10のファクターで増大する(非特許文献4)。血液中のチモーゲン濃度が高いこと(1.4マイクロモル濃度のプロトロンビン対150ナノモル濃度の因子X)と活性化の動態のため、トロンビンより少ない量の第Xa因子を阻害して抗凝血効果を達成する必要がある。トロンビンと比べて第Xa因子が治療標的として優れているという仮説の間接的な証明は、深部静脈血栓を予防するための臨床試験においても見出すことができる。抗トロンビンIII依存性第Xa因子阻害剤であるフォンダパリヌクスは、整形外科での4回の試験で、エノキサパリン(トロンビンと第Xa因子の両方を阻害する低分子量ヘパリン)より優れていることが証明されている(非特許文献5)。したがって、第Xa因子を選択的に阻害する化合物は、インビトロでの診断薬として、または、特定の血栓障害の治療のための投与に有用であることが示唆されている。例えば特許文献1を参照されたい。
【0006】
複数の第Xa因子阻害剤は、吸血性生物から得られるポリペプチド、ならびにそれほど大きくないポリペプチド型阻害剤である化合物として報告されている。他の第Xa因子阻害剤には、アミジノ置換基を有する窒素含有複素環化合物などの小分子有機化合物が含まれ、その化合物の2つの官能基は、その活性部位のうちの2つの位置で第Xa因子と結合することができる。例えば、特許文献2は、末端C(=NH)−NH基を有するピラゾール化合物を記載しており、特許文献3は、直鎖または分枝鎖アルキレン、−C(=O)または−S(=O)架橋基を介してナフチル基と結合した塩基性基で置換のベンズイミダゾール化合物を記載しており、特許文献4は、カルボキサミドアルキレンアミノ架橋を介して3−アミジノフェニル基と結合した4−フェニル−N−アルキルアミジノ−ピペリジンおよび4−フェノキシ−N−アルキルアミジノ−ピペリジン基を有する化合物を記載しており、特許文献5は、置換もしくは非置換のスルホンアミドまたはカルボキサミド架橋基を介してアミジノナフチル基と結合した4−フェノキシ−N−アルキルアミジノ−ピペリジン基を有する化合物を記載している。報告されている他の第Xa因子阻害剤には、アミド結合を介して結合したフェニル−アミジノ、フェニルおよびハロ−フェニルを含む構造のもの(特許文献6)が含まれる。同じグループによる他の第Xa因子阻害剤は、ハロ−フェニルがハロ−ピリジルに置き換えられている(特許文献7、特許文献8を参照されたい)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第94/13693号パンフレット
【特許文献2】国際公開第98/28269号パンフレット
【特許文献3】国際公開第97/21437号パンフレット
【特許文献4】国際公開第99/10316号パンフレット
【特許文献5】欧州特許出願公開第798295号明細書
【特許文献6】米国特許第6,844,367号明細書
【特許文献7】米国特許第6,376,515号明細書
【特許文献8】米国特許第6,835,739号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Eriksson and QuinlanによるDrugs 11:1411〜1429頁、2006年
【非特許文献2】Protease activated receptors、Coughlin、J Thrombosis Haemostasis 3: 1800〜1814頁、2005年
【非特許文献3】Mannら、J. Thrombosis. Haemostasis 1:1504〜1514頁、2003年
【非特許文献4】Mannら、Blood 76(1):1〜16頁、1990年
【非特許文献5】Turpieら、Archives Internal Medicine第162巻(16):1833〜1840頁、2002年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
うっ血を調節し、再狭窄および炎症などのトロンビンによって誘発される血管系での血栓形成および他の病的過程を予防および治療するための効果的な治療薬が必要である。具体的には、第Xa因子またはその前駆体を選択的に阻害する化合物が依然として必要である。これまで発見されてきた化合物より、架橋基と官能基の異なる組合せを有する化合物、具体的には、第Xa因子と選択的にまたは優先的に結合する化合物が必要である。トロンビンより高度に第Xa因子と結合する化合物、特に良好な生物学的利用能および/または溶解性を有する化合物が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の簡単な要旨)
一態様では、本発明は次式を有する化合物を提供する。
【0011】
【化1】

【0012】
式(I)において、記号Rは、ハロゲン、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニルおよびC2〜8アルキニルである。
【0013】
記号Rは水素またはC1〜4アルキルである。
【0014】
記号Aは
【0015】
【化2】

【0016】
からなる群から選択される。ここで、波線は環Bとの結合点を示し、点線は分子の残りの部分との結合点を示す。
【0017】
記号Rは、独立に、水素またはR3aであり、R3aは、ハロゲン、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニルおよびC2〜8アルキニルからなる群から独立に選択される。
【0018】
下付き文字のmは、0、1、2または3である。
【0019】
記号XはC−RまたはNである。
【0020】
記号YはC−RまたはNであり、ただし、XとYはどちらもがNではない。
【0021】
いくつかの実施形態では、XとYはCであり、縮合して6員のアリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成している。
【0022】
記号Rは、水素、ハロゲンおよび
【0023】
【化3】

【0024】
からなる群から選択され、ただし、R4aは水素またはC1〜8アルキルである。
【0025】
記号Rは、水素、ハロゲンおよびC1〜8アルコキシからなる群から選択される。
【0026】
記号Rは、−R6a、−NR7a7b、−NR7aC(O)R7c、−NR7aC(O)OR7c、−CONR8a8b、−OR7c、−SR7c、−C(=NR7a)NR8a8b、−S(O)NR8a8bおよび−S(O)7cからなる群から選択される。
【0027】
いくつかの実施形態では、RおよびRはそれと結合している原子と共に結合して環Bと縮合した6員のアリール、ヘテロアリール、または複素環を形成する。
【0028】
記号R6a
【0029】
【化4】

【0030】
【化5】

【0031】
からなる群から選択される。ここで、Rは、置換基に適した任意の位置であってよく、Rが窒素原子と結合している場合、Rは窒素原子と結合している水素原子を置換する。
【0032】
記号R7aおよびR7bは、水素、C1〜8アルキル、および1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から独立に選択される。
【0033】
記号R7cは、アリール、ヘテロアリール、C1〜8アルキルおよび1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から選択される。
【0034】
記号Rは、ニトロ、ヒドロキシ、−COH、−C(O)R8c、−C(O)NR8a8b、−NR8a8b、−SONR8a8b、ハロゲン、C1〜8アルキルおよびC1〜8アルコキシからなる群から独立に選択され、前記C1〜8アルキルおよびC1〜8アルコキシは1〜3個のRで任意選択で置換されている。
【0035】
記号R8aおよびR8bは、水素、C1〜8アルキル、および1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から独立に選択されるか、またはR8aおよびR8bはそれと結合している原子と共に結合して、1〜3個のRで任意選択で置換されておりかつN、OもしくはSから選択される1つの追加の環ヘテロ原子を任意選択で有する5〜7員複素環を形成している。
【0036】
記号R8cは、C1〜8アルキルおよび1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から選択される。
【0037】
記号Rは、ハロゲン、複素環、ヘテロアリール、−OH、−R10、−OR10、−SR10、−S(O)R10、−S(O)10、−SONH、−C(O)NH、−C(O)R10、−C(NH)R10、−NHC(O)R10、−NHC(NH)R10、−NHC(O)NH、−COH、−NH、−NHR10、−N(R10および−N(R10からなる群から独立に選択される。
【0038】
記号R10は、独立に、C1〜6アルキルである。
【0039】
下付き文字のnは、0、1、2または3である。
【0040】
ただし、式(I)については、XがC−Rであり、YがC−Rであり、RがR6aであり、Aが
【0041】
【化6】

【0042】
である場合、R6aは炭素原子を介して環Bと結合している。
【0043】
本発明はまた、式(I)の化合物の薬剤として許容されるその塩、エステルおよびプロドラッグを企図する。
【0044】
本発明はさらに、治療有効量の本発明の化合物を哺乳動物に投与するステップを含む、望ましくない血栓を特徴とするその哺乳動物における状態を予防または治療するための化学中間体、医薬組成物および方法を提供する。このような状態には、これらに限定されないが、急性冠症候群、心筋梗塞症、不安定狭心症、難治性の狭心症、血栓溶解治療後もしくは冠動脈血管形成術後に起こる冠動脈内血栓性閉塞、血栓により媒介される脳血管症候群、塞栓性脳卒中、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、静脈血栓症、深部静脈血栓症、肺動脈塞栓、凝血障害、播種性血管内凝固症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、閉塞性血栓血管炎、ヘパリン起因性血小板減少症に付随する血栓症、体外循環に付随する血栓性合併症、心臓もしくは他の血管内カテーテル、大動脈内バルーンポンプ、冠状動脈ステントまたは心臓弁などの器具の使用に付随する血栓性合併症、および人工器官の取付けを要する状態などが含まれる。
【0045】
本発明はさらに、血液試料を本発明の化合物に接触させることを含む前記血液試料の凝固を阻止する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0046】
略語および定義
「アルキル」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、別段の言及のない限り、指定された炭素原子数を有する(すなわち、C1〜8は1〜8個の炭素を意味する)直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが含まれる。「アルケニル」という用語は、1個または複数、好ましくは1〜3個の二重結合を有する不飽和アルキル基を指す。同様に、「アルキニル」という用語は、1個または複数、好ましくは1〜3個の三重結合を有する不飽和アルキル基を指す。このような不飽和アルキル基の例には、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−および3−プロピニル、3−ブチニルならびにより高級の同族体および異性体が含まれる。
【0047】
「シクロアルキル」という用語は、示された数の環原子(例えば、C3〜6シクロアルキル)を有し、かつ環頂点間が完全に飽和されている炭化水素環を指す。「シクロアルケニル」という用語は、環頂点間に少なくとも1箇所のアルケニル不飽和を有するシクロアルキル基を指す。「シクロアルキニル」という用語は、環頂点間に少なくとも1箇所のアルキニル不飽和を有するシクロアルキル基を指す。C3〜5シクロアルキル−アルキルのように、「シクロアルキル」を「アルキル」と組み合わせて用いる場合、シクロアルキル部分は表示された数の炭素原子(例えば、3〜5個の炭素原子)を有し、アルキル部分は1〜3個の炭素原子を有するアルキレン部分(例えば、−CH−、−CHCH−または−CHCHCH−)であることを意味する。
【0048】
「アルキレン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、−CHCHCHCH−で例示されるような、アルカンから誘導される二価の基を意味する。一般に、アルキル(またはアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を有しており、本発明では10個以下の炭素原子を有するものが好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、通常4個以下の炭素原子を有する短鎖アルキルまたはアルキレン基である。
【0049】
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(または「チオアルコキシ」)という用語は、その従来の意味で用いられ、酸素原子(−O−アルキル)、アミノ基またはイオウ原子(−S−アルキル)をそれぞれ介して分子の残りの部分と結合しているアルキル基を意味する。さらに、ジアルキルアミノ基(通常−NRまたはその改変体として提供される。ただし、RおよびRは、独立に、アルキルまたは置換アルキルである)については、アルキル部分は同じであっても異なっていてもよく、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって3〜7員環を形成していてもよい。したがって、−NRで表わされる基は、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニルなどを含むことを意味する。
【0050】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、別段の言及のない限り、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、ハロゲンを許容される最大数まで含むモノハロアルキルおよびポリハロアルキルを意味する。例えば、「C1〜4ハロアルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどを含むことを意味する。
【0051】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、基−OHを指す。
【0052】
「アリール」という用語は、別段の言及のない限り、単環であってもあるいは共に縮合しているかまたは共有結合している多環(最大で3環)であってもよい、6〜14個の炭素原子を含む多数の不飽和の芳香族炭化水素基を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、N、OおよびSから選択される1〜5個のヘテロ原子を含むアリール基(または環)を指す。その窒素およびイオウ原子は任意選択で酸化されており、窒素原子は任意選択で四級化されている。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子かまたは炭素原子を介して分子の残りの部分と結合することができ、かつ5〜10個の炭素原子を含み得る。アリール基の非限定的な例には、フェニル、ナフチルおよびビフェニルが含まれ、ヘテロアリール基の非限定的な例には、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリルおよび6−キノリルが含まれる。別段の言及がない場合、上記アリールおよびヘテロアリール環系のそれぞれに対する置換基は、以下に示す許容される置換基の群から選択される。
【0053】
簡潔にいえば、他の用語と共に用いられる場合(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)、「アリール」という用語は、上記に定義したアリール環とヘテロアリール環の両方を含む。したがって、「アリールアルキル」という用語は、アリールまたはヘテロアリール基がアルキル基と結合している基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)を含むことを意味する。
【0054】
「複素環(heterocycle)」、「ヘテロシクリル」または「複素環の(heterocyclic)」という用語は、少なくとも1つのイオウ、窒素または酸素ヘテロ原子を含む飽和または不飽和の非芳香族環状基を指す。各複素環は利用可能な任意の環炭素原子または環ヘテロ原子にて結合していてよい。各複素環は1つまたは複数の環を有することができる。複数の環が存在する場合、それらは一緒に縮合していても共有結合していてもよい。各複素環は、窒素、酸素またはイオウから選択される少なくとも1個のヘテロ原子(一般に1〜5個のヘテロ原子)を含まなければならない。これらの基は、1〜10個の炭素原子、0〜5個の窒素原子、0〜2個のイオウ原子および0〜2個の酸素原子を含むことが好ましく、その窒素原子およびイオウ原子は任意選択で酸化されており、窒素原子は任意選択で四級化されている。これらの基は、0〜3個の窒素原子、0〜1個のイオウ原子および0〜1個の酸素原子を含むことがより好ましい。
【0055】
複素環およびヘテロアリール基の非限定的な例には、ピリジン、ピリジミジン、ピラジン、モルホリン−3−オン、ピペラジン−2−オン、ピリジン−2−オン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾリン、ピラゾリン、イミダゾリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、ピラゾール−5−オン、ピロリジン−2,5−ジオン、イミダゾリジン−2,4−ジオン、ピロリジン、ピロール、フラン、チオフェンなどが含まれる。
【0056】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、複素環とアルキレンがどちらも上記定義通りである基アルキレン−複素環を指す。
【0057】
いくつかの実施形態では、上記用語(例えば、「アリール」および「ヘテロアリール」)は、示された基の置換形態と非置換形態の両方を含む。それぞれのタイプの基について好ましい置換基を以下に示す。簡潔にいえば、アリールおよびヘテロアリールという用語は、以下に示すような置換または非置換バージョンを指す。
【0058】
アリールおよびヘテロアリール等の基についての置換基は様々であり、一般に、ゼロから、芳香族環系上の開いた原子価(open valence)の合計数の範囲の個数で、−ハロゲン、−OR’、−OC(O)R’、−NR’R’’、−SR’、−R’、−CN、−NO、−COR’、−CONR’R’’、−C(O)R’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’’C(O)R’、−NR’−、C(O)NR’’R’’’、−NH−C(NH)=NH、−NR’C(NH)=NH、−NH−C(NH)=NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NR’S(O)R’’、−N、ペルフルオロ(C〜C)アルコキシおよびペルフルオロ(C〜C)アルキルから選択され、ただし、R’、R’’およびR’’’は、独立に、水素、C1〜8アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル、非置換アリールおよびヘテロアリール、(非置換アリール)−C1〜4アルキル、および非置換アリールオキシ−C1〜4アルキルから選択される。他の適切な置換基には、1〜4個の炭素原子のアルキレン鎖によって環原子と結合している上記アリール置換基のそれぞれが含まれる。
【0059】
アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の置換基のうちの2つは任意選択で、式−T−C(O)−(CH−U−(TおよびUは、独立に、−NH−、−O−、−CH−または単結合であり、qは0〜2の整数である)の置換基で置き換えられていてよい。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の置換基のうちの2つは任意選択で、式−A−(CH−B−(AおよびBは、独立に、−CH−、−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−または単結合であり、rは1〜3の整数である)の置換基で置き換えられていてよい。形成された新規環の単結合の1つは任意選択で二重結合で置き換えられていてよい。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接原子上の置換基のうちの2つは任意選択で、式−(CH−X−(CH−(sおよびtは、独立に、0〜3の整数であり、Xは−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−または−S(O)NR’−である)の置換基で置き換えられていてよい。置換基−NR’−および−S(O)NR’−のR’は水素または非置換C1〜6アルキルから選択される。
【0060】
本明細書で用いる「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、イオウ(S)およびケイ素(Si)を含むことを意味する。
【0061】
「薬剤として許容される塩」という用語は、本明細書で記載する化合物に見られる具体的な置換基に依存して、比較的非毒性の酸および塩基で調製された活性化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、塩基付加塩は、このような化合物の中性形態を、ニートでか、または適切な不活性溶媒中で十分な量の所望の塩基と接触させることによって得ることができる。薬剤として許容される無機塩基から誘導される塩の例には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)(manganic)、マンガン(II)(manganous)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。薬剤として許容される有機塩基から誘導される塩には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の置換アミン、環状アミン、天然由来のアミンなどを含む第一、第二および第三アミンの塩が含まれる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、酸付加塩は、このような化合物の中性形態を、ニートでか、または適切な不活性溶媒中で十分な量の所望の酸と接触させることによって得ることができる。薬剤として許容される酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素または亜リン酸などのような無機酸から誘導される塩、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的非毒性の有機酸から誘導される塩が含まれる。アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge、S.M.ら、「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science、1977年、第66巻、1〜19頁を参照されたい)。本発明のある種の特定の化合物は、その化合物を塩基付加塩かまたは酸付加塩に転換できる塩基性官能基と酸性官能基の両方を含む。
【0062】
化合物の中性形態は、その塩を塩基または酸と接触させ、通常の方法で親化合物を単離することによって、再生され得る。化合物の親形態は、極性溶媒中での溶解性などの特定の物理特性において様々な塩とは異なるが、その塩は、本発明のためには、その化合物の親形態と同等である。
【0063】
塩形態に加えて、本発明はプロドラッグ形態の化合物を提供する。本明細書で記載する化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学的変化を受けて本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、生体外で、化学的または生化学的方法によって本発明の化合物に転換させることができる。例えば、適切な酵素または化学試薬と共に経皮パッチリザーバ中に置くと、プロドラッグを徐々に本発明の化合物に転換させることができる。
【0064】
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態でも、また水和形態を含む溶媒和形態でも存在することができる。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲に包含されるものとする。本発明の特定の化合物は、多結晶形または非晶形で存在することができる。一般に、すべての物理的形態は、本発明で考慮する使用に対して同等であり、本発明の範囲に包含されるものとする。
【0065】
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学的中心)または二重結合を含み、ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体および個々の異性体(例えば、個々の鏡像異性体)はすべて本発明の範囲に包含されるものとする。本発明の化合物は、このような化合物を構成する原子の1つまたは複数において、自然界にない割合の原子同位体を含むこともできる。例えば、化合物を、例えば三重水素(H)、ヨウ素−125(125I)または炭素−14(14C)などの放射性同位体で放射性標識され得る。本発明の化合物のすべての同位体的変形体は、放射能をもつかもたないかに関わらず、本発明の範囲に包含されるものとする。
【0066】
したがって、一実施形態では、式(I)を有する化合物または薬剤として許容されるその塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
【0067】
【化7】

【0068】
式(I)において、記号Rは、ハロゲン、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニルおよびC2〜8アルキニルである。
【0069】
記号Rは、水素またはC1〜4アルキルである。
【0070】
記号Aは
【0071】
【化8】

【0072】
からなる群から選択される。ただし、波線は環Bとの結合点を示し、点線は分子の残りの部分との結合点を示す。
【0073】
記号Rは、独立に、水素またはR3aであり、R3aは、ハロゲン、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニルおよびC2〜8アルキニルからなる群から独立に選択される。
【0074】
下付き文字のmは、0、1、2または3である。
【0075】
記号XはC−RまたはNである。
【0076】
記号YはC−RまたはNであり、ただし、XとYはどちらもがNではない。いくつかの実施形態では、XとYはCであり、縮合して6員のアリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成している。
【0077】
記号Rは、水素、ハロゲンおよび
【0078】
【化9】

【0079】
からなる群から選択され、ただし、R4aは、水素またはC1〜8アルキルである。
【0080】
記号Rは、水素、ハロゲンおよびC1〜8アルコキシからなる群から選択されるか、またはRとRはそれと結合している原子と共に結合して、環Bと縮合した6員のアリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成している。
【0081】
記号Rは、−R6a、−NR7a7b、−NR7aC(O)R7c、−NR7aC(O)OR7c、−CONR8a8b、−OR7c、−SR7c、−C(=NR7a)NR8a8b、−S(O)NR8a8bおよび−S(O)7cからなる群から選択される。
【0082】
記号R6a
【0083】
【化10】

【0084】
【化11】

【0085】
からなる群から選択される。ただし、Rは、置換基に適した任意の位置であってよく、Rが窒素原子と結合している場合、それは窒素原子と結合している水素原子を置き換える。
【0086】
記号R7aおよびR7bは、水素、C1〜8アルキル、および1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から独立に選択される。
【0087】
記号R7cは、アリール、ヘテロアリール、C1〜8アルキルおよび1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から選択される。
【0088】
記号Rは、ニトロ、ヒドロキシ、−COH、−C(O)R8c、−C(O)NR8a8b、−NR8a8b、−SONR8a8b、ハロゲン、C1〜8アルキルおよびC1〜8アルコキシからなる群から独立に選択され、前記C1〜8アルキルおよびC1〜8アルコキシは1〜3個のRで任意選択で置換されている。
【0089】
記号R8aおよびR8bは、水素、C1〜8アルキルおよび1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から独立に選択されるか、またはR8aとR8bは一緒に、1〜3個のRで任意選択で置換されかつN、OもしくはSから選択される1つの追加の環ヘテロ原子を任意選択で有する5〜7員複素環を形成している。
【0090】
記号R8cは、C1〜8アルキルおよび1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から選択される。
【0091】
記号Rは、ハロゲン、複素環、ヘテロアリール、−OH、−R10、−OR10、−SR10、−S(O)R10、−S(O)10、−SONH、−C(O)NH、−C(O)R10、−C(NH)R10、−NHC(O)R10、−NHC(NH)R10、−NHC(O)NH、−COH、−NH、−NHR10、−N(R10および−N(R10からなる群から独立に選択される。
【0092】
記号R10は、独立に、C1〜6アルキルである。
【0093】
下付き文字のnは、0、1、2または3である。
【0094】
ただし、式(I)については、XがC−Rであり、YがC−Rであり、RがR6aであり、Aが
【0095】
【化12】

【0096】
である場合、R6aは炭素原子を介して環Bと結合している前提である。
【0097】
上記の式に関して、本発明の具体的な実施形態がいくつかある。実施形態の1つのグループでは、Rは2−クロロである。
【0098】
実施形態の他のグループでは、Rは水素である。
【0099】
実施形態の他のグループでは、XとYはどちらもCHである。
【0100】
実施形態の他のグループでは、Aは
【0101】
【化13】

【0102】
からなる群から選択される。
【0103】
実施形態の他のグループでは、RはR6aである。
【0104】
実施形態の他のグループでは、R6a
【0105】
【化14】

【0106】
からなる群から選択される。
【0107】
実施形態の他のグループでは、R
【0108】
【化15】

【0109】
からなる群から選択される。
【0110】
実施形態の他のグループでは、R
【0111】
【化16】

【0112】
【化17】

【0113】
からなる群から選択される。
【0114】
実施形態の他のグループでは、R
【0115】
【化18】

【0116】
からなる群から選択される。
【0117】
実施形態の他のグループでは、R
【0118】
【化19】

【0119】
からなる群から選択される。
【0120】
実施形態の他のグループでは、R
【0121】
【化20】

【0122】
からなる群から選択される。
【0123】
実施形態の他のグループでは、R
【0124】
【化21】

【0125】
であり、Rは上記定義通りである。実施形態のさらに他のグループでは、Rは、水素、
【0126】
【化22】

【0127】
からなる群から選択される。
【0128】
他の実施形態では、環Bは
【0129】
【化23】

【0130】
である。
【0131】
他の実施形態では、その化合物は、表1から選択される化合物または薬剤として許容されるその塩、エステルもしくはプロドラッグである。
【0132】
【表1−1】

【0133】
【表1−2】

【0134】
【表1−3】

【0135】
【表1−4】

【0136】
【表1−5】

【0137】
【表1−6】

【0138】
【表1−7】

【0139】
【表1−8】

【0140】
【表1−9】

【0141】
【表1−10】

【0142】
【表1−11】

【0143】
【表1−12】

【0144】
【表1−13】

【0145】
【表1−14】

【0146】
【表1−15】

【0147】
【表1−16】

【0148】
【表1−17】

【0149】
上記に挙げた好ましい、より好ましい、最も好ましい化合物はすべて因子Xaの選択的な阻害剤である。
【0150】
組成物
本発明は、式(I)の1つまたは複数の化合物、または薬剤として許容されるその塩、エステルもしくはプロドラッグおよび薬剤として許容される担体を含む組成物をさらに提供する。本発明における式(I)の化合物は、インビボで変換して親化合物に戻ることができるプロドラッグ誘導体を提供するように官能基において誘導化できることを理解されよう。このようなプロドラッグの例には、この化合物のヒドロキシル基から誘導されるメトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステルもしくはピバロイルオキシメチルエステル、あるいはこの化合物のアミノ基からもたらされるカルバモイル部分などの生理学的に許容され、代謝的に不安定なエステル誘導体が含まれる。さらに、インビボで式(I)の親化合物を生成することができる代謝的に不安定なエステルまたはカルバメートと類似した、式(I)の化合物の任意の生理学的に許容される同等物は本発明の範囲内である。
【0151】
本発明の化合物の薬剤として許容される塩をこれらの組成物において用いる場合、このような塩は、無機酸または有機酸および塩基から誘導することが好ましい。これらの酸塩には以下のもの、すなわち、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルクロン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩(lucoheptanoate)、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。塩基塩には、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩などの有機塩基との塩、N−メチル−D−グルカミン、およびアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩などが含まれる。
【0152】
さらに、塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、およびヨウ化ブチル);硫酸ジアルキル(硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミル);長鎖ハライド(例えば、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、臭化ステアリル、ヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチル、およびヨウ化ステアリル);アラルキルハライド(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)などの薬剤で四級化されていてよい。それによって、水溶性もしくは油溶性または分散性の生成物が得られる。
【0153】
本発明の組成物および方法で用いる化合物は、適切な官能基を付加させて選択的な生物学的特性を高めることによって改変することもできる。このような改変は当業界で知られており、所与の生物学的系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系等)への生物学的浸透を増進し、経口利用能を増大し、溶解性を増大させて注入による投与を可能にし、代謝を変え、かつ排出速度を変えるものが含まれる。
【0154】
本発明の医薬組成物は、通常の顆粒化、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥または乳化プロセスなどの当業界で周知の方法で製造することができる。組成物は、顆粒剤、沈殿物または微粒子物、粉剤(凍結乾燥、回転乾燥もしくは噴霧乾燥粉末を含む)、非晶質粉末、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注入剤、乳剤、エリキシル剤、懸濁剤あるいは液剤を含む様々な形態で製造することができる。処方物は、任意選択で安定剤、pH調節剤、界面活性剤、生物学的利用能調節剤およびこれらの組合せを含むことができる。
【0155】
医薬処方物は、オイル、水、アルコールおよびその組合せなどの滅菌液体を用いた液状懸濁剤または液剤として調製することができる。経口投与または非経口投与のために、薬剤として適した界面活性剤、懸濁化剤または乳化剤を加えることができる。懸濁剤は、ピーナッツ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油およびオリーブ油などのオイルを含むことができる。懸濁製剤は、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリドおよびアセチル化脂肪酸グリセリドなどの脂肪酸のエステルを含むこともできる。懸濁処方物は、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロールおよびプロピレングリコールなどのアルコールを含むことができる。ポリ(エチレングリコール)などのエーテル、鉱油およびワセリンなどの石油炭化水素および水も懸濁処方物で用いることができる。
【0156】
これらの組成物中に含めることができる薬剤として許容される賦形剤および担体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム)、ポリビニルピロリドン、セルロースをベースとした物質、ポリエチレングリコール、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。
【0157】
好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、哺乳動物、好ましくはヒトへの薬剤投与用に処方される。このような本発明の医薬組成物は、経口、非経口、吸入噴霧、局所、経直腸、経鼻、頬側、経膣で投与するか、または埋め込みリザーバを介して投与することができる。本明細書で用いる「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内および頭蓋内注入または注入技術を含む。好ましくは、組成物は、経口投与または静脈内投与される。本発明の処方物は、短期作用性、迅速放出性または長期作用性の処方物として設計することができる。さらに、化合物は、持続放出処方物としての投与(例えば、注入)などの、全身ではなく局所で投与することができる。
【0158】
本発明の組成物の滅菌注入用形態は水性または油性懸濁剤であってよい。これらの懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて当業界で周知の技術によって処方することができる。滅菌注入用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の滅菌注入用液剤または懸濁剤、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤であってもよい。使用できる許容媒体および溶媒には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌した揮発油は通常溶媒または懸濁媒体として用いられる。このためには、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無菌性揮発油を用いることができる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、特にそのポリオキシエチル化された形でのオリーブ油またはひまし油などの天然の薬剤として許容されるオイルと同じように、注入物質の調製に有用である。これらの油剤または懸濁剤は、乳剤および懸濁剤を含む薬剤として許容される剤形の処方に通常用いられる、カルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤などの長鎖アルコール希釈剤または分散剤も含むことができる。薬剤として許容される固体、液体または他の投薬形態の製造に一般に用いられる、Tween、Spanおよび他の乳化剤または生物学的利用能促進剤などの他の通常用いられる界面活性剤も処方のために使用することができる。化合物は、ボーラス注入法または持続注入法によるなどの注入による非経口的投用に処方することができる。注入用の単位剤形はアンプル剤であっても複数用量容器であってもよい。
【0159】
本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または液剤を含む経口的に許容される任意の剤形であってよい。経口使用のための錠剤の場合、通常用いられる賦形剤または担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も一般に加えられる。カプセル形成のために有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。経口使用に水性懸濁剤が必要である場合、活性成分を乳化剤および懸濁化剤と混合する。望むなら、ある種の甘味剤、矯味矯臭剤または着色剤も加えることができる。
【0160】
あるいは、本発明の医薬組成物は、直腸投与のための坐剤の形態であってよい。これらは、その薬剤を、室温で固体であるが直腸温度で液体となり、それによって直腸中で溶融して薬物を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。このような物質には、ココアバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0161】
本発明の医薬組成物は、特に、治療標的が目、皮膚または下部腸管の疾患を含む局所施用によって容易に到達できる領域または器官を含む場合、局所用の形態であってもよい。適切な局所処方物は、これらの領域または器官のそれぞれのために容易に調製することができる。
【0162】
下部腸管のための局所的適用は、直腸坐剤処方(上記を参照されたい)、または適切なかん腸剤処方で実施することができる。局所用経皮パッチも使用することができる。局所的適用のためには、医薬組成物は、1つもしくは複数の担体中に懸濁または溶解された活性成分を含む適切な軟膏で処方することができる。本発明の化合物の局所的適用のための担体には、これらに限定されないが、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が含まれる。あるいは、医薬組成物は、1つまたは複数の薬剤として許容される担体に懸濁または溶解された活性成分を含む適切なローションまたはクリームで処方することができる。適切な担体には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステル、ワックス、セチルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。
【0163】
眼科用途のためには、医薬組成物は、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤を用いるかまたは用いないで、等張性のpH調節された滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁剤として、または、好ましくは等張性のpH調節された滅菌生理食塩水中の液剤として処方することができる。あるいは、眼科用途のためには、医薬組成物は、ワセリンなどの軟膏で処方することができる。
【0164】
本発明の医薬組成物は、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与することもできる。このような組成物は、医薬処方の技術分野で周知の技術によって調製され、ベンジルアルコールもしくは他の適切な保存剤、生物学的利用能を高めるための吸収促進剤、フルオロカーボンおよび/または他の通常の可溶化剤または分散剤を用いて、生理食塩水中の液剤として調製することができる。
【0165】
有効量を含む上記剤形のどれも通常の実験の範囲内であり、かつ本発明の範囲内である。治療有効用量は投与経路や剤形に応じて変わる。本発明の好ましい化合物は、高い治療指数を示す処方物である。治療指数は、LD50とED50の比として表わすことができる、毒性効果と治療効果との間の用量比である。LD50は個体数の50%が死に至る用量であり、ED50は個体数の50%に対して治療上有効である用量である。LD50およびED50は、動物細胞培養または実験動物での標準的な薬剤手順によって決定される。
【0166】
上記したこれらの代表的な剤形の外に、薬剤として許容される賦形剤および担体ならびに剤形は一般に当業者によく知られており、本発明に包含される。特定の任意の患者に対する、具体的な投薬量および治療レジメンは、使用する具体的な化合物の活性、患者の年齢、体重、全身の健康、性別および食事、ならびに投与時間、排出速度、薬物併用、処置医師の判断および治療を受ける具体的な疾患の重篤度を含む様々な因子に依存することになることを理解すべきである。活性成分の量は、その組成物中の具体的な化合物にも依存し、また、存在する場合他の治療薬にも依存することになる。
【0167】
使用方法
本発明は、第Xa因子活性を阻害または低減し、かつ、第Xa因子関連の状態、症状、障害または疾患を治療または改善のを必要とする患者(例えば、ヒトまたはヒト以外)における、第Xa因子関連の状態、症状、障害または疾患を治療または改善する方法を提供する。本発明の文脈の中で、「治療する」は、障害もしくは疾患に関連する症状の軽減、または、このような症状のさらなる進行もしくは悪化の停止あるいは疾患もしくは障害の予防または予防を意味する。
【0168】
「哺乳動物」という用語は、第Xa因子を発現する生体を含む。哺乳動物の例には、マウス、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、クマ、サル、イヌ、ネコおよび、好ましくはヒトが含まれる。第Xa因子を発現するトランスジェニック生物もこの定義に含まれる。
【0169】
本発明の方法は、有効量の本明細書に記載の化合物または組成物を、哺乳動物またはヒト以外の動物に投与することを含む。本明細書で用いる、本発明の化合物または組成物の「有効量」は、第Xa因子と拮抗するかまたはそれを阻害する量を含む。第Xa因子と拮抗するかまたはそれを阻害する量は、例えば、例示的な試験方法として以下に説明するアッセイを含む、第Xa因子活性を決定できる任意のアッセイによって検出可能である。有効量は、第Xa因子を阻害することによって治療できる、第Xa因子関連障害の症状を軽減する量も含むことができる。したがって、「第Xa因子のアンタゴニスト」は、第Xa因子と相互に作用し、第2の化合物(例えば別の第Xa因子リガンド)が第Xa因子と相互作用する能力を調節する(例えば阻害または低減させる)化合物を含む。第Xa因子結合化合物は、好ましくは第Xa因子のアンタゴニストである。「第Xa因子結合化合物」(例えば、受容体に対して結合親和性を示す)という用語は、第Xa因子と相互作用して第Xa因子の活性の調節をもたらす化合物を含む。第Xa因子結合化合物は、インビトロでの方法(例えば、細胞および非細胞ベースでの)、またはインビボでの方法を用いて特定することができる。インビトロでの方法の説明を以下に示す。
【0170】
本明細書で説明する方法および組成物における化合物の量は、実施例において説明するアッセイのいずれかで測定して、障害重篤度の検出可能な低下をもたらすのに十分なものでなければならない。必要な第Xa因子モジュレータの量は、所与の細胞型に対するモジュレータの有効性と、その障害を治療するのに要する時間の長さに依存することになる。特定の実施形態では、本発明の組成物は、別の治療薬をさらに含むことができる。第2の治療薬を用いる場合、その第2の治療薬は、別個の剤形としても、また、本発明の化合物または組成物と合わせた単一剤形の一部としても投与することができる。本発明の化合物の1つまたは複数は、障害、疾患または症状を治療するための単剤治療の適用において用いることができるが、本発明の化合物または組成物(治療薬)の使用を、同じ種類および/または他の種類の障害、症状および疾患を治療するための1つまたは複数の他の治療薬の使用と一緒にする併用療法で使用することもできる。併用療法は、同時にかまたは逐次的に2つ以上の治療薬を投与することを含む。治療薬はどのような順にでも投与することができる。あるいは、複数の治療薬を合わせて、患者に投与できる単一の組成物にすることができる。例えば、単一医薬組成物は、式Iの化合物または薬剤として許容される塩もしくは溶媒和物、別の治療薬(例えば、メトトレキサート)または薬剤として許容されるその塩もしくは溶媒和物、および薬剤として許容される賦形剤または担体を含むことができる。
【0171】
本発明は、式Iを有する化合物、本発明の化合物を作製する方法、少なくとも1つの本発明の化合物および少なくとも1つの薬剤として許容される担体または賦形剤から医薬組成物を作製する方法、ならびにRA、変形性関節症、過敏性腸疾患IBD、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患COPDおよびMSなどの様々な(例えば、炎症性、自己免疫性、神経学的、神経変性、腫瘍学的および心臓血管性)障害、症状および疾患を治療するための1つまたは複数の本発明の化合物を用いる方法を含む。本発明の化合物およびその薬剤として許容される塩および/または中性組成物は、薬剤として許容される賦形剤または担体と一緒に処方することができ、得られる組成物を、インビボで男性、女性および動物などの哺乳動物に投与して様々な障害、症状および疾患を治療することができる。さらに、本発明の化合物を、様々な障害、症状および疾患を治療するのに有用な医薬品を調製するのに用いることができる。
【0172】
キット
本発明のさらに他の態様は、単一の包装中に別々の容器を含むキットを提供することである。そのキットでは、第Xa因子が一因となる状態、障害、症状および疾患を治療するために、本発明の医薬用化合物、組成物および/またはその塩を薬剤として許容される担体と合わせて使用する。
【0173】
一般的方法
これらの化合物を調製するのに用いる出発原料および試薬は概ね、Aldrich Chemical Co.などの供給業者から入手できるか、または、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York、1967〜2004年、第1巻〜第22巻;Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、Elsevier Science Publishers、1989年、第1巻〜第5巻および補足;ならびにOrganic Reactions、Wiley & Sons: New York、2005年、第1〜65巻などの文献に示されている手順に従って、当業者に周知の方法によって調製される。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成できるいくつかの方法のうちの例示的なものに過ぎず、これらの合成反応スキームに様々な変更を加えることができ、このような変更は、本出願に包含される開示を参照すれば、当業者に示唆されよう。
【0174】
合成反応スキームの出発原料および中間体は、望むなら、これらに限定されないが、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含む従来の技術を用いて単離し精製することができる。このような材料は、物理定数やスペクトルデータを含む従来の手段を用いて特性評価することができる。
【0175】
それと異なる指定のない限り、本明細書で説明する反応は、不活性雰囲気下、大気圧で、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃の範囲、最も好ましく、かつ好都合には凡そ室温(または環境温度)、例えば約20℃〜約75℃の反応温度で実施することが好ましい。
【0176】
本発明の化合物は、以下の実施例を参照して、本明細書で説明する方法、または当業界で知られている他の方法を用いて合成した。
【0177】
化合物および/または中間体は、2695分離モジュールを備えたWaters Allianceのクロマトグラフィー装置(Milford、Mass.)を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により特性評価することができる。分析カラムは、Merck KGaA(Darmstadt、Germany)からのC−18 SpeedROD RP−18Eカラムであってよい。あるいは、Waters Acquity UPLC BEH C−18 2.1mm×15mmカラムを備えたWaters Unity(UPLC)装置を用いて特性評価を行うことができる。一般に、Alliance装置では5分間、Acquity装置では1分間かけて、5%アセトニトリル/95%水から出発して95%アセトニトリルへと進行する勾配溶離を用いることができ、すべての溶媒は0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含有することができる。化合物は220かまたは254nmでの紫外線(UV)吸収によって検出することができる。HPLC溶媒はEMD Chemicals、Inc.(Gibbstown、NJ)のものであってよい。いくつかの例では、純度は、例えばEMDシリカゲル60 2.5cm×7.5cm平板などのガラス支持によるシリカゲル平板を用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)によって評価することができる。TLCの結果は、紫外線下での目視によるか、または周知のヨウ素蒸気法や他の様々な染色法を用いて容易に検出することができる。
【0178】
質量分光分析は、2つのAgilent 1100シリーズLCMS装置のうちの1つで、移動相としてアセトニトリル/水を用いて実施することができる。一方の装置は調節剤としてTFAを使用し、陽イオンモード(MH+、(M+1)または(M+H)+として示される)で測定する。他方の装置はギ酸または酢酸アンモニウムを用い、陽イオン(MH、(M+1)または(M+H)として示される)モードと、陰イオン(M−、(M−1)または(M−H)として示される)モードの両方で測定する。
【0179】
化合物のいくつかについてはVarian 400MHz NMR(Palo Alto、Calif.)を用いて核磁気共鳴(NMR)分析を実施することができる。スペクトル標準は、TMSかまたは溶媒の既知の化学シフトのどちらであってもよい。
【0180】
本発明の化合物のいくつかの純度は、元素分析(Robertson Microlit、Madison NJ.)により評価することができる。
【0181】
融点はLaboratory Devices Mel−Temp装置(Holliston、Mass.)で測定することができる。
【0182】
分取分離はSq16xかまたはSg100cクロマトグラフィー装置およびパッケージ済みのシリカゲルカラムを用いて実施することができる。これらはすべてTeledyne Isco(Lincoln、NE)から購入した。あるいは、化合物および中間体は、シリカゲル(230〜400メッシュ)充填材料を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによるか、またはC−18逆相カラムを用いたHPLCにより精製することができる。Isco社の装置およびフラッシュカラムクロマトグラフィーで使用する典型的な溶媒は、ジクロロメタン、メタノール、酢酸エチル、ヘキサン、アセトン、ヒドロキシアミンおよびトリエチルアミン水溶液であってよい。逆相HPLCで使用する典型的な溶媒は、0.1%トリフルオロ酢酸で、アセトニトリルと水の濃度を変えたものであってよい。
【実施例】
【0183】
実施例を通して以下の略語を用いる。
μL=マイクロリットル
μM=マイクロモル濃度
AIBN=アゾビスイソブチロニトリル
aq.=水性(水溶液)
Boc=tert−ブトキシカルボニル
BOP=ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
conc.=濃
DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM=ジクロロメタン
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
eq.=当量
EtOAc=酢酸エチル
g=グラム
hまたはhr(s)=時間
HATU=2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOBt=N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC=高圧液体クロマトグラフィー
IC50=インビトロで酵素の50%阻害に必要な阻害剤の濃度
kg=キログラム
M=モル
m/z=質量対電荷比
MeOH=メタノール
mg=ミリグラム
MHz=メガヘルツ
min=分
mL=ミリリットル
mM=ミリモル
mm=ミリメートル
mmol=ミリモル
mOD/min=ミリ光学密度単位/分
MS=質量スペクトル
N=規定
NaSMe=ナトリウムメチルチオレート
NBS=N−ブロモスクシンアミド
nBuOH=n−ブタノール
ng=ナノグラム
nM=ナノモル濃度
nm=ナノメートル
Pd(PPh=テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム
PEG=ポリエチレングリコール
pM=ピコモル濃度
PPhまたはPhP=トリフェニルホスフィン
PyBOP=(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
prep=分取
Ra−Ni=ラネーニッケル
RT=室温
TEA=トリエチルアミン
TFA=トリフルオロ酢酸
TMSCl=トリメチルシリルクロリド
TLC=薄層クロマトグラフィー
(実施例1)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)−2−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(1)
【0184】
【化24】

【0185】
【化25】

【0186】
ステップ1:
2−フルオロ−4−ヨードアニリン(1.1、6.50g、27.4ミリモル)を25mLのTFAに溶解し、氷浴中で攪拌した。固体NaNO(2.07g、30.1ミリモル)を少量に分けて加えた。得られた混合物を氷浴中で30分間攪拌した。アジ化ナトリウム(1.87g、28.8ミリモル)を10mLの水に溶解し、氷浴中で冷却した。次いでこの冷却溶液を3分割してTFA溶液に加えた。混合物を氷浴中で1時間攪拌し、真空下で濃縮してTFAを除去した。残留物を600mLのDCMに取り、水で3回洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、真空下で濃縮して1−アジド−2−フルオロ−4−ヨードベンゼン1.2を、茶色がかったワックス状固体として>99%の収率で得た。
【0187】
その間に、5−クロロチオフェン−2−カルボン酸(1.3、9.13g、56ミリモル)を0.5mLの乾燥DMFと一緒に200mLの乾燥DCMに溶解した。この強く攪拌した溶液に塩化オキサリル(14.7mL、169ミリモル)を注意深く滴下した。得られた溶液を室温で3時間攪拌し、次いで真空下で濃縮した。残留物が乾燥するまでポンプを作動させ、次いで300mLの乾燥DCM中に溶解した。この溶液に、プロパルギルアミン(5.8mL、84ミリモル)を滴下した。混合物を室温で終夜攪拌した。その間に固体が析出した。600mLのヘキサンを加え、混合物を数時間強く攪拌した。ろ過により固体を集め、ヘキサンで洗浄して5−クロロ−N−(プロパ−(2−イニル)チオフェン−2−カルボキサミド1.4(9.47g、85%)を得た。これをさらに精製することなく直接使用した。MSの結果はCClNOSで、(M+H)+200.0、202.0(塩素パターン)であった。
【0188】
ステップ2:
500mLの乾燥メタノール中のアリールアジド1.2(27ミリモル)およびアルキン1.4(5.37g、27ミリモル)の溶液に、DBU(4.00mL、54ミリモル)およびCuI(5.13g、27ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜攪拌した。次いで混合物を1.0リットルのアセトニトリルで希釈し、1時間強力に攪拌した。これをセライト(celite)でろ過し、ろ液を濃縮し、フラッシュカラムを用いて精製して化合物1.5(8.30g、67%)を得た。MSの結果は1.5 C14ClFINOSで、(M+H)+ 463.0、465.0(Clパターン)であった。
【0189】
ステップ3:
密封管中での5mLの乾燥DMSO中のヨウ化アリール1.5(100mg、0.22ミリモル)および2−ヒドロキシピリジン(42mg、0.44ミリモル)の溶液に、8−ヒドロキシキノリン(10mg、0.007ミリモル)、CuI(13mg、0.07ミリモル)およびCsCO(145mg、0.44ミリモル)を加えた。混合物を120℃の浴中で終夜攪拌した。次いでこれをろ過し、ろ液を直接逆相分取HPLCにかけて、凍結乾燥後、化合物1.6(66mg)を白色粉末として68%の収率で単離した。MSの結果はC1913ClFNSで、(M+H)+430.0、432.0(Clパターン)であった。
【0190】
ステップ4:
密封管中での1mLの無水DMSO中の化合物1.6(100mg、0.23ミリモル)の溶液に、500mgのピペラジンを加えた。混合物を140℃の浴中で終夜攪拌した。これを室温に冷却し、直接逆相HPLCにかけて、凍結乾燥後、表題化合物を白色粉末として単離した。MSの結果はC2322ClNS、(M+H)+ 496.1、498.1(Clパターン)であった。
【0191】
(実施例2)
5−クロロ−N−((1−(2−(4−エチルピペラジン−1−イル)−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(2)
【0192】
【化26】

【0193】
表題化合物を、実施例1に記載したのと同様の条件を用いて調製した。MSの結果はC2526ClNS (M+H)+ 524.1、526.1(Clパターン)であった。
【0194】
(実施例3)
5−クロロ−N−((1−(2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(3)
【0195】
【化27】

【0196】
表題化合物を、実施例1に記載したのと同様の条件を用いて調製した。MSの結果はC2628ClNS (M+H)+ 538.1、540.1(Clパターン)であった。
【0197】
(実施例4)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(4)
【0198】
【化28】

【0199】
【化29】

【0200】
ステップ1:
2−ヒドロキシピリミジン塩酸塩(2.1、1.50g、11.3ミリモル)を20mLの乾燥NMP中、室温で撹拌した。これに水素化ナトリウム(鉱油中に60%、0.95g、23.5ミリモル)を少量に分けて注意深く加えた。混合物を30分間撹拌し、続いて4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1.0mL、9.4ミリモル)を加えた。混合物を80℃の浴に移し、終夜撹拌した。これを真空下で濃縮し、アセトニトリルに取った。強く撹拌した後、不溶性固体を集めた。これは、残った2−ヒドロキシピリミジンと1−(4−ニトロフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン2.2の混合物である。MSの結果はC10 (M+H)+ 218.0であった。この固体(1.27g、5.8ミリモル)を100mLのエタノールおよび30mLの水に溶解した。これに塩化アンモニウム(3.1g、58ミリモル)およびインジウム粉末(2.6g、23ミリモル)を加えた。混合物を6時間還流させた。これを真空下で濃縮し、セライトでろ過した。固形状ケーキを水で濯いだ。ろ液を濃縮し、逆相分取HPLCにかけて1−(4−アミノフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン2.3を単離した。MSの結果はC10O (M+H)+ 188.1であった。
【0201】
ステップ2:
1−(4−アミノフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン(2.3、250mg、1.3ミリモル)を10mLのTFAに溶解し、氷浴中で撹拌した。これに亜硝酸ナトリウム(95mg、1.3ミリモル)を少量に分けて加えた。混合物を氷浴中で30分間撹拌した。アジ化ナトリウム(260mg、4.0ミリモル)を2mLの水に溶解し、氷浴中で冷却し、反応混合物に加えた。混合物を2時間撹拌し、逆相分取HPLCに直接かけて1−(4−アジドフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン2.4を単離した。MSの結果はC10O (M+H)+ 214.1であった。
【0202】
ステップ3:
1−(4−アジドフェニル)ピリミジン−2(1H)−オン(2.4、20mg、0.09ミリモル)を5mLのメタノールに溶解した。これに5−クロロ−N−(プロパ−2−イニル)チオフェン−2−カルボキサミド(化合物1.4、18mg、0.09ミリモル)、DBU(26μL、0.18ミリモル)およびCuI(17mg、0.09ミリモル)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、30mLのアセトニトリルで希釈し、セライトでろ過し、真空下で濃縮し、分取HPLCにかけて表題化合物を単離した。MSの結果はC1813ClNS (M+H)+ 413.0、415.0(Clパターン)であった。
【0203】
(実施例5)
5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(5)
【0204】
【化30】

【0205】
【化31】

【0206】
ステップ1:
20mLの酢酸中の4−ヨードアセトフェノン(3.1、1.00g、4.06ミリモル)とグリオキサル酸一水和物(0.45g、4.9ミリモル)の混合物を18時間還流させ、真空下で濃縮した。次いで、乾燥残留物を15mLの水中で撹拌してスラリー物質を得た。これに、pH試験紙でpH=9となるまで水酸化アンモニウム(30%)を注意深く加えた。この反応ではpHは非常に重要であった。メチルヒドラジン(0.43mL)を加え、混合物を100℃の浴に3時間置いた。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮し、DCM中の5%メタノールを定組成で用いて、フラッシュカラムにより精製して化合物3.2(680mg、54%)を得た。MSの結果はC11INO (M+H)+ 313.0であった。
【0207】
ステップ2:
密封管での2mLのDMSOおよび0.2mLの水の中の化合物3.2(51mg、0.16ミリモル)、5−クロロ−N−(プロパ−2−イニル)チオフェン−2−カルボキサミド(化合物1.4、36mg、0.18ミリモル)、L−プロリン(8mg、0.06ミリモル)、炭酸ナトリウム(7mg、0.06ミリモル)、アジ化ナトリウム(17mg、0.24ミリモル)およびアスコルビン酸ナトリウム(6mg、0.03ミリモル)を室温で混合した。これにCuSO.5HO(8mg、0.03ミリモル)を加えた。混合物を70℃の浴中で終夜撹拌した。反応は約70%完了した。表題化合物を逆相分取HPLCにより直接単離した。MSの結果はC1915ClNS (M+H)+ 427.1、429.1(Clパターン)であった。
【0208】
(実施例6)
5−クロロ−N−((1−(4−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(6)
【0209】
【化32】

【0210】
【化33】

【0211】
1mLのアセトニトリルおよび1mLの水中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(4.1、48mg、0.11ミリモル、スキーム1に記載の化合物1.5を作製するのに用いたのと同様の手順により合成した)、2,4−ジメトキシピリミジン−5−イルボロン酸(4.2、24mg、0.13ミリモル)、PdCl(PPh(38mg、0.05ミリモル)、KCO(23mg、0.16ミリモル)の混合物を、アルゴン流を用いて脱ガスし、マイクロ波反応器中、125℃で15分間加熱した。混合物をろ過し、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した。MSの結果はC2017ClNS (M+H)+ 457.1、459.1(Clパターン)であった。
【0212】
(実施例7)
5−クロロ−N−((1−(4−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(9)
【0213】
【化34】

【0214】
密封管中での2mLのイソプロパノール中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(4.1、100mg、0.22ミリモル)、N−メチルホモピペラジン(140μL、1.1ミリモル)、CuI(42mg、0.22ミリモル)、エチレングリコール(25μL、0.44ミリモル)、リン酸カリウム(93mg、0.44ミリモル)の混合物を120℃で16時間撹拌した。表題化合物を、逆相分取HPLCを用いて反応混合物から直接単離した。MSの結果はC2023ClNOS (M+H)+ 431.1、433.1(Clパターン)であった。
【0215】
(実施例8)
5−クロロ−N−((1−(2’−メトキシビフェニル−4−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(11)
【0216】
【化35】

【0217】
表題化合物を、実施例6に記載したのと同様の手順によって調製した。MSの結果はC2117ClNS (M+H)+ 425.1、427.1(Clパターン)であった。
【0218】
(実施例9)
5−クロロ−N−((1−(2’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(12)
【0219】
【化36】

【0220】
表題化合物を、実施例6に記載したのと同様の手順によって調製した。MSの結果はC2015ClNS (M+H)+ 411.1、413.1(Clパターン)であった。
【0221】
(実施例10)
5−クロロ−N−((1−(2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(13)
【0222】
【化37】

【0223】
表題化合物を、実施例6に記載したのと同様の手順によって調製した。MSの結果はC2114ClFS (M+H)+ 479.0、481.0(Clパターン)であった。
【0224】
(実施例11)
5−クロロ−N−((1−(4−(6−クロロピリジン−3−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(14)
【0225】
【化38】

【0226】
表題化合物を、実施例6に記載したのと同様の手順によって調製した。MSの結果はC1913ClOS (M+H)+ 430.0、432.0(Clパターン)であった。
【0227】
(実施例12)
5−クロロ−N−((1−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(18)
【0228】
【化39】

【0229】
表題化合物を、対応する置換アニリンを用いて実施例1に記載したのと同様の手順によって調製した。MSの結果はC1918ClNS (M+H)+ 416.0、418.0(Clパターン)であった。
【0230】
(実施例13)
5−クロロ−N−((1−(4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(19)
【0231】
【化40】

【0232】
表題化合物を、対応する置換アニリンを用いて実施例1に記載したのと同様の手順によって調製した。MSの結果はC1916ClNS (M+H)+ 414.0、416.0(Clパターン)であった。
【0233】
(実施例14)
N−((1−(4−(2−アミノ−N−メチルアセトアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド(21)
【0234】
【化41】

【0235】
密封管中での5mLのジオキサン中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(100mg、0.22ミリモル)、H−Gly−NHMe.HCl(110mg、0.88ミリモル)、CuI(42mg、0.22ミリモル)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(24μL、0.22ミリモル)、炭酸セシウム(440mg、1.4ミリモル)の混合物を120℃で15時間撹拌した。表題化合物を、逆相分取HPLCを用いて反応混合物から直接単離した。MSの結果はC1717ClNS (M+H)+ 405.1、407.1(Clパターン)であった。
【0236】
(実施例15)
5−クロロ−N−((1−(4−(N−メチルプロピオンアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(24)
【0237】
【化42】

【0238】
密封管中での5mLのジオキサン中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(100mg、0.22ミリモル)、CCONHCH(77μL、0.88ミリモル)、CuI(42mg、0.22ミリモル)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(24μL、0.22ミリモル)、炭酸セシウム(290mg、0.88ミリモル)の混合物を120℃で15時間撹拌した。表題化合物を、逆相分取HPLCを用いて反応混合物から直接単離した。MSの結果はC1818ClNS (M+H)+ 404.1、406.1(Clパターン)であった。
【0239】
(実施例16)
エチル4−(4−((5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル(メチル)カルバメート(25)
【0240】
【化43】

【0241】
表題化合物を、実施例16に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1818ClNS (M+H)+ 420.1、422.1(Clパターン)であった。
【0242】
(実施例17)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−メトキシ−N−メチルアセトアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(26)
【0243】
【化44】

【0244】
化合物25(60mg、0.14ミリモル)を80℃で2時間、2mLの2N NaOHおよび2mLのメタノールで処理し、2N HClで酸性化した。この反応での主要生成物である5−クロロ−N−((1−(4−(メチルアミノ)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミドを分取HPLCにより単離した。MSの結果はC1514ClNOS (M+H)+ 348.1、350.1であった。この化合物(10mg、0.023ミリモル)を1mLのDMSOに溶解した。これに20μLのDIEAおよびCHOCHCOCl(25μL、0.23ミリモル)を加えた。混合物を30分間撹拌し、分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した。MSの結果はC1818ClNS (M+H)+ 420.1、422.1(Clパターン)であった。
【0245】
(実施例18)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−(ジメチルアミノ)−N−メチルアセトアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(27)
【0246】
【化45】

【0247】
実施例17で示したようにして調製した5−クロロ−N−((1−(4−(メチルアミノ)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(34mg、0.1ミリモル)を10mLのメタノールに溶解し、MP−カーボネートで1時間処理した。混合物をろ過し、ろ液を真空下で濃縮した。残留物を3mLのピリジンに溶解し、N,N−ジメチルグリシン(16mg、0.1ミリモル)を加えた。次いで、混合物を氷浴中で撹拌した。POCl(28μL、0.3ミリモル)を加えた。反応物を20分間撹拌し、メタノールでクエンチした。混合物を濃縮し、分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した。MSの結果はC1921ClNS (M+H)+ 433.1、435.1(Clパターン)であった。
【0248】
(実施例19)
5−クロロ−N−((1−(4−(N−メチルアセトアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(28)
【0249】
【化46】

【0250】
表題化合物を、実施例15に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1716ClNS (M+H)+ 390.1、392.1(Clパターン)であった。
【0251】
(実施例20)
5−クロロ−N−((1−(4−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(30)
【0252】
【化47】

【0253】
表題化合物を、実施例5に記載したのと同様の手順によって調製した。MSの結果はC1813ClNS (M+H)+ 413.1、415.1(Clパターン)であった。
【0254】
(実施例21)
5−クロロ−N−((3−(2−フルオロ−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(31)
【0255】
【化48】

【0256】
【化49】

【0257】
ステップ1:
4−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(5.1、6.64g、32.7ミリモル)を100mLのエタノールおよび100mLのピリジン中で撹拌した。これにヒドロキシルアミン塩酸塩(2.27g、32.7ミリモル)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。これを真空下で濃縮して乾燥させた。次いで残留物を100mLのDMF中に溶解した。これにNCS(5.24g、39.2ミリモル)を加え、混合物を1日間撹拌した。これを真空下で濃縮し、酢酸エチルに取り、ブラインで2回洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮して化合物5.2を定量的な収率で得た。MSの結果はCBrClFNO (M+H)+ 252.0、254.0であった。
【0258】
ステップ2:
5−クロロ−2−チオフェンカルボン酸(5.3、200mg、1.23ミリモル)を10mLの無水DCMに溶解した。これに1滴のDMFと0.32mLの塩化オキサリル(3.7ミリモル)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、真空下で濃縮して乾燥させた。残留物を20mLの無水DCMに溶解し、2−メチルアリルアミン(0.3mL、3.2ミリモル)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、真空下で濃縮し、酢酸エチルに取り、ブラインで3回洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮して化合物5.4(218mg、82%)を得た。MSの結果はC10ClNOS (M+H)+ 216.0、218.0(Clパターン)であった。
【0259】
ステップ3:
10mLのトルエン中の化合物5.2(250mg、1.0ミリモル)、化合物5.4(218mg、1.0ミリモル)およびDBU(180μL、1.2ミリモル)の混合物を密封管中、125℃で1週間加熱した。反応はいまだ完結していなかった。これを真空下で濃縮し、DCM中の3%メタノールを用いてフラッシュカラムにかけて化合物5.5(58mg、13%)を単離した。MSの結果はC1613BrClFNS (M+H)+ 431.0、433.0であった。
【0260】
ステップ4:
化合物5.5(58mg、0.13ミリモル)を密封管中の6mLのジオキサンおよび2mLのDMSOに溶解した。これに2−ヒドロキシピリジン(29mg、0.30ミリモル)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(9μL、0.08ミリモル)、KPO(58mg、0.27ミリモル)およびCuI(13mg、0.07ミリモル)を加えた。混合物を130℃で3日間撹拌した。これを濃縮し、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した。MSの結果はC2117ClFNS (M+H)+ 446.1、448.1(Clパターン)であった。
【0261】
(実施例22)
5−クロロ−N−((5−オキソ−1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(32)
【0262】
【化50】

【0263】
【化51】

【0264】
ステップ1:
50mLのジオキサン中の化合物6.1塩酸塩(1.77g、7.9ミリモル)および化合物6.2(1.30g、7.9ミリモル)を60℃の浴中で終夜撹拌した。混合物を濃縮し、300mLの酢酸エチルに取り、ブラインで3回洗浄し、乾燥して真空下で濃縮した。残留物を20mLのDMSOに溶解し、アジ化ナトリウム(1.04g、16ミリモル)で4時間処理した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで3回洗浄し、乾燥して、濃縮し、フラッシュカラムを用いて精製して化合物6.3(0.79g、34%)を単離した。MSの結果はC10BrNO (M+H)+ 294.0、296.0(Brパターン)であった。
【0265】
ステップ2:
化合物6.3(0.79g、2.7ミリモル)を20mLのエタノールおよび20mLの酢酸に溶解し、鉄粉(0.70g、13.5ミリモル)で、100℃で30分間処理した。混合物をアセトニトリルで希釈し、セライトベッドでろ過し、濃縮し、逆相分取HPLCにかけて化合物6.4(40%)を単離した。MSの結果はC1010BrNO (M+H)+ 268.0、270.0(Brパターン)であった。
【0266】
ステップ3:
化合物6.4(120mg、0.44モル)および5−クロロ−2−チオフェンカルボン酸(110mg、0.66ミリモル)を15mLの無水DMF中に溶解した。これにDIEA(310μL、1.76ミリモル)およびPyBOP(460mg、0.88ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。これを酢酸エチルで希釈し、ブラインで3回洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮し、逆相分取HPLCを用いて精製して化合物6.5(50%)を単離した。MSの結果はC1511BrClNS (M+H)+ 412.0、414.0であった。
【0267】
ステップ4:
表題化合物を、実施例21のステップ4に示したのと同様の手順を用いて化合物6.5から調製した。MSの結果はC2015ClNS (M+H)+ 427.1、429.1(Clパターン)であった。
【0268】
(実施例23)
5−クロロ−N−((2−オキソ−1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(33)
【0269】
【化52】

【0270】
【化53】

【0271】
ステップ1:
密封管中での12mLのDMSO中の1,4−ジヨードベンゼン(7.1、1.00g、3.0ミリモル)、2−ヒドロキシ−3−メチルピリジン(0.50g、4.5ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(132mg、0.9ミリモル)、KCO(0.84g、6.0ミリモル)およびCuI(173mg、0.9ミリモル)の混合物を120℃で16時間撹拌した。これを300mLの酢酸エチルで希釈し、ブラインで3回洗浄し、乾燥して濃縮し、フラッシュカラムを用いて精製して化合物7.2(393mg、42%)を得た。MSの結果はC1210INO (M+H)+ 312.0であった。
【0272】
ステップ2:
20mLの四塩化炭素中の化合物7.2(393mg、1.26ミリモル)、NBS(247mg、1.39ミリモル)およびAIBN(82mg、0.50ミリモル)の混合物を終夜還流させた。これを濃縮し、酢酸エチルに取り、ブラインで3回洗浄して乾燥し、真空下で濃縮して乾燥させた。残留物を5mLのDMSOに溶解し、アジ化ナトリウム(200mg)で終夜処理した。これを酢酸エチルで希釈し、ブラインで3回洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮した。次いで、残留物を10mLのエタノールおよび10mLの酢酸の中に溶解し、鉄粉(300mg)で、100℃で30分間処理した。混合物をアセトニトリルで希釈し、セライトベッドでろ過し、濃縮し、逆相分取HPLCにかけて化合物7.3(20%)を単離した。MSの結果はC1211INO (M+H)+ 327.0であった。
【0273】
ステップ3:
化合物7.3(80mg、0.24ミリモル)を10mLのDMFに溶解した。これに5−クロロ−2−チオフェンカルボン酸(60mg、0.36ミリモル)、DIEA(210μL、1.2ミリモル)およびPyBOP(250mg、0.48ミリモル)を加えた。混合物を終夜撹拌した。次いでこれを酢酸エチルで希釈し、ブラインで3回洗浄し、乾燥して濃縮し、フラッシュカラムで精製して化合物7.4(90%)を得た。MSの結果はC1712ClINS (M+H)+ 471.0、473.0であった。
【0274】
ステップ4:
化合物7.4(0.24ミリモル)を3mLのDMSOに溶解した。これに2−ヒドロキシピリジン(68mg、0.72ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(10mg、0.07ミリモル)、炭酸セシウム(156mg、0.48ミリモル)およびCuI(14mg、0.07ミリモル)を加えた。混合物を120℃で16時間撹拌した。これを逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した。MSの結果はC2216ClNS (M+H)+ 438.1、440.1(Clパターン)であった。
【0275】
(実施例24)
5−クロロ−N−((6−オキソ−1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(34)
【0276】
【化54】

【0277】
表題化合物を、実施例23に記載したのと同様の手順によって調製した。MSの結果はC2216ClNS (M+H)+ 438.1、440.1(Clパターン)であった。
【0278】
(実施例25)
5−クロロ−N−((1−メチル−2−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(35)
【0279】
【化55】

【0280】
【化56】

【0281】
O(3mL)中の酢酸カリウム(0.860g、8.78ミリモル)の溶液に、3,3−ジブロモ−1,1,1−トリフルオロアセトン(1.10g、4.07ミリモル)を加えた。この溶液を100℃で30分間加熱した。室温まで冷却すると、MeOH(4mL)およびTHF(4mL)の中の4−ヨードベンズアルデヒド(0.860g、3.71ミリモル)の溶液を加え、続いて、濃NHOH(8mL)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。水とEtOAcを加えた。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して2−(4−ヨードフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾールを固体(1.34g)として得た。
【0282】
5N NaOH(12mL)水溶液中の上記で調製した2−(4−ヨードフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール(1.34g)の混合物を90℃で2時間加熱した。これをろ過した。ろ液を、6N HClで注意深くpH6〜7に中和した。生成物をnBuOHで抽出した。次いで、nBuOH溶液を真空下で濃縮して2−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸を固体(0.512g)として得た。
【0283】
DMF(8mL)中の上記で調製した2−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸(257mg、0.818ミリモル)およびNaH(60%懸濁液、ヘキサンで洗浄、82mg、2.1ミリモル)の混合物にヨードメタン(0.130mL、2.1ミリモル)を加えた。混合物を50℃で2時間加熱した。ヨードメタン(0.100mL)をさらに反応混合物に加えた。50℃でさらに2時間撹拌した後、水とEtOAcを加えた。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(152mg)を得た。MSは342.8(M+H)であった。
【0284】
トルエン(4mL)中の上記で調製した2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(72mg、0.21ミリモル)の懸濁液に、LiAlH(61mg、1.6ミリモル)を加えた。混合物を110℃で終夜加熱した。室温まで冷えたら、EtOAc(15mL)と1N NaOH水溶液(15mL)を加えた。混合物をセライトでろ過した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して(2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール(46mg)を得た。MSは315.0(M+H)であった。
【0285】
SOCl(2mL)中の上記で調製した(2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール(46mg、0.15ミリモル)の溶液を室温で15分間撹拌した。これを真空下で濃縮して残留物を得た。次いで、これをEtOAcと5%NaHCO水溶液に分配させた。有機相を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をDMF(2mL)に溶解した。この溶液に、NaN(70mg、1.1ミリモル)を加えた。混合物を室温で2日間撹拌した後、水とEtOAcを加えた。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して(2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチルアジド(46mg)を得た。MSは340.0(M+H)であった。
【0286】
上記で調製した(2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチルアジド(46mg、0.14ミリモル)とRa−Ni(HO中の50%スラリー、100mg)のMeOH(5mmL)中の混合物をバルーンH下で1時間水素化した。これをろ過した。ろ液を真空下で濃縮して(2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチルアミン(42mg)を得た。MSは314.0(M+H)であった。
【0287】
DMF(2mL)中の上記で調製した5−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸(23mg、0.14ミリモル)、(2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチルアミン(21mg、0.067ミリモル)およびTEA(0.050mL、0.36ミリモル)の溶液に、BOP(70mg、0.16ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。次いでこれをHPLCで精製して5−クロロ−N−((2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(14mg)を得た。MSは457.9および459.9(M+H)であった。
【0288】
DMSO(0.5mL)中の、上記で調製した5−クロロ−N−((2−(4−ヨードフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(14mg、0.031ミリモル)、2−ヒドロキシピリジン(14mg、0.15ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(14mg、0.097ミリモル)およびKCO(30mg、0.22ミリモル)の混合物をアルゴンで脱ガスし、続いてCuI(9mg、0.047ミリモル)を加えた。密封管中の混合物を、130℃で終夜加熱した。次いでこれをHPLCで精製して表題化合物(2mg)を得た。MSは425.1および427.1(M+H、Clパターン)であった。
【0289】
(実施例26)
5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(36)
【0290】
【化57】

【0291】
【化58】

【0292】
DMSO(12mL)中の1、4−ジヨードベンゼン9.1(4.00g、12.1ミリモル)、4−(ヒドロキシメチル)イミダゾール9.2(1.20g、12.2ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(0.176g、1.21ミリモル)およびKCO(1.69g、12.2ミリモル)の混合物を脱ガスし、続いてCuI(0.230g、1.21ミリモル)をチャージした。密封管中の混合物を、130℃で終夜加熱した。水およびEtOAcを加えた。混合物をろ過した。有機層を分離し、次いでシリカゲルカラムにかけ、CHCl中の0〜5%MeOHで溶出させて(1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール9.3(0.810g)およびその異性体(1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)メタノール9.4を得た。MSは301.2(M+H)であった。
【0293】
ステップ2:
化合物4−ヒドロキシメチル1−(4−ヨードフェニル)イミダゾール9.3(0.810g、2.70ミリモル)をSOCl(6mL)に溶解した。この溶液を室温で15分間撹拌した。次いでこれを真空下で濃縮した。残留物をEtOAcと5%NaHCO水溶液に分配させた。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して4−(クロロメチル)−1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール9.5を固体(0.780g)として得た。MSは318.9および320.9(M+H、Clパターン)であった。
【0294】
ステップ3:
化合物4−(クロロメチル)−1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール9.5(0.780g、2.45ミリモル)をDMF(10mL)に溶解した。この溶液に、NaN(0.520g、8.00ミリモル)を加えた。室温で終夜撹拌した後、水とEtOAcを加えた。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して4−(アジドメチル)−1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール9.6を固体(0.725g)として得た。MSは326.0(M+H)であった。
【0295】
ステップ4:
MeOH(12mL)中のRa−Ni(50%水性スラリー、300mg)に加えた4−(アジドメチル)−1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール9.6(0.725g、2.23ミリモル)の溶液をバルーンH下で3時間水素化した。混合物をセライトでろ過した。ろ液を真空下で濃縮して(1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタンアミン9.7を固体(0.603g)として得た。MSは300.0(M+H)であった。
【0296】
ステップ5:
DMF(10mL)中の5−クロロチオフェン−2−カルボン酸(0.346g、2.13ミリモル)、(1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタンアミン9.7(0.578g、1.93ミリモル)およびTEA(0.670mL、4.82ミリモル)の混合物に、BOP(1.03g、2.33ミリモル)を加えた。次いで混合物を室温で終夜撹拌した。水とEtOAcを加えた。有機層を分離し、5%NaHCOで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して表題化合物を固体(0.832g)として得た。MSの結果はC1511ClINOS:443.9および445.9((M+H)+、Clパターン)であった。
【0297】
(実施例27)
5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(37)
【0298】
【化59】

【0299】
ステップ1:
20mLの酢酸中の4−ヨードアセトフェノン(1.00g、4.06ミリモル)およびグリオキサル酸一水和物(0.45g、4.9ミリモル)の混合物を18時間還流し、続いて真空下で濃縮した。次いで乾燥残留物を15mLの水中で撹拌してスラリー物質を形成させた。これに、pH試験紙でpH=9となるまで水酸化アンモニウム(30%)を注意深く加えた。この反応ではpHは非常に重要であった。メチルヒドラジン(0.43mL)を加え、反応物を100℃の浴に3時間置き、続いて混合物を酢酸エチルで希釈した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮し、DCM中の5%メタノールを定組成で用いて、フラッシュカラムにより精製して6−(4−ヨードフェニル)−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(680mg、54%)を得た。MSの結果はC11INO(M+H)+313.0であった。
【0300】
ステップ2:
上記で調製した化合物(145mg、0.49ミリモル)を密封管中の10mLのDMSOに溶解した。これに(1H−イミダゾール−4−イル)メタノール塩酸塩(134mg、1.0ミリモル)、炭酸セシウム(815mg、2.5ミリモル)、CuI(48mg、0.25ミリモル)および8−ヒドロキシキノリン(37mg、0.25ミリモル)を加えた。混合物を130℃で17時間撹拌した。これをろ過し、分取HPLCにかけて6−(4−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン(95mg、69%)を単離した。MSの結果はC1514 (M+H)+283.1であった。
【0301】
ステップ3:
上記で調製した化合物(95mg、0.34ミリモル)を4mLのアセトニトリル中、室温で撹拌した。これに4mLの塩化チオニルを加え、混合物を30分間撹拌した。これを真空下で濃縮した。次いで残留物を5mLのDMSO中に溶解し、5mLの水酸化アンモニウム(ammonia hydroxide)を加えた。混合物を密封管中、75℃で30分間撹拌した。これを真空下で濃縮し、分取HPLCにかけて6−(4−(4−(アミノメチル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)−2−メチルピリダジン−3(2H)−オンを単離した。MSの結果はC1515O (M+H)+282.1であった。
【0302】
ステップ4:
上記で調製した化合物を40mLのメタノール中に溶解し、MP−カーボネート(10当量)で処理した。混合物を緩やかに1時間撹拌しろ過した。ろ液を真空下で濃縮して対応する遊離アミン(47mg、0.17ミリモル)を得た。これを2mLのDMFに溶解した。これにDIEA(36μL、0.20ミリモル)を加え、混合物を室温で撹拌した。その間、5−クロロチオフェン−2−カルボン酸(32mg、0.20ミリモル)を2mL乾燥DMFに溶解した。これにDIEA(36μL、0.20ミリモル)およびHATU(76mg、0.20ミリモル)を加えた。混合物を10分間撹拌した。これをDMF中での遊離アミンの撹拌溶液に加えた。混合物を2時間撹拌し、分取HPLCにかけて表題化合物を単離した。MSの結果はC2016ClNS (M+H)+426.1、428.1(Clパターン)であった。
【0303】
(実施例28)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−メトキシピリジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(38)
【0304】
【化60】

【0305】
THF(10mL)中のジイソプロピルアミン(1.42mL、10ミリモル)の0℃での溶液に、nBuLi(2.5M、4.25mL、10.6ミリモル)を滴下した。0℃で45分間撹拌した後、THF(5mL)中の2−メトキシピリジン(0.96mL、9.2ミリモル)の溶液を加え、混合物をさらに1時間撹拌し、続いてB(OiPr)(2.54mL、11ミリモル)を加えた。30分間後、HOを加えて反応物をクエンチし、THFを真空下で除去し、水層をエーテルで抽出した。水層を分離し、48%HBrでpH=4に酸性化し、得られた沈殿物をろ取して2−メトキシピリジン−3−イルボロン酸(0.46g、40%)を得た。
【0306】
p−ジオキサン(0.7mL)中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(0.044g、0.1ミリモル)、2−メトキシピリジン−3−イルボロン酸(0.016g、0.11ミリモル)およびPd(PPhCl(0.007g、0.01ミリモル)の混合物をアルゴンで5分間パージした。脱ガスしたNaCO(1M、0.3mL)の水溶液を加えた。100℃で2時間加熱した後、混合物を室温に冷却し、分取HPLCで精製して5−クロロ−N−((1−(4−(2−メトキシピリジン−3−イル)フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(MSは425.0、427.0(M+H)、Clパターン)を得た。
【0307】
(実施例29)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(39)
【0308】
【化61】

【0309】
AcCN(1mL)中の5−クロロ−N−((1−(4−(2−メトキシピリジン−3−イル)フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(0.01g、0.024ミリモル)の溶液に、NaI(0.011g、0.072ミリモル)およびTMSCl(0.045mL、0.36ミリモル)を加えた。80℃で90分間加熱した後、反応混合物を室温に冷却し、分取HPLCで精製して5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(MSは411.0、413.0(M+H) Clパターン)を得た。
【0310】
(実施例30)
5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(40)
【0311】
【化62】

【0312】
DMF(0.5mL)中の5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(0.02g、0.05ミリモル)の溶液に、CsCO(0.049g、0.15ミリモル)およびMeI(0.01mL、0.15ミリモル)を加えた。周囲温度で30分間撹拌した後、混合物を分取HPLCで精製して5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(MSは425.1、427.1(M+H) Clパターン)を得た。
【0313】
(実施例31)
4−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)ベンズアミド(43)
【0314】
【化63】

【0315】
DMF(2mL)中の4−クロロ安息香酸(40mg、0.26ミリモル)およびトリエチルアミン(0.150mL、1.08ミリモル)の溶液に、BOP(135mg、0.30ミリモル)を加えた。5分間撹拌した後、1−(4−(4−(アミノメチル)−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)ピリジン−2(1H)−オン塩酸塩(53mg、0.18ミリモル)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いでこれをHPLCで精製して表題化合物(25mg)を得た。MSは405.1および407.1(M+H、Clパターン)であった。
【0316】
(実施例32)
5−クロロ−N−((1−(5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(45)
【0317】
【化64】

【0318】
ステップ1:
DMF(10mL)中の5−ブロモ−2−フルオロピリジン(630mg、3.58ミリモル)、4−イミダゾールカルボキシアルデヒド(355mg、3.70ミリモル)およびKCO(1.00g、7.25ミリモル)の混合物を70℃で終夜撹拌した。冷却した後、HOを加えて沈澱を誘発させた。沈殿物を集め、真空乾燥して1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−カルバルデヒド(738mg)を得た。
【0319】
ステップ2:
MeOH(10mL)中の1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−カルバルデヒド(730mg、2.90ミリモル)の室温での懸濁液にNaBH(134mg、3.53ミリモル)を加えた。混合物を30分間撹拌した。その間に懸濁液は透明になった。溶媒を真空下で除去した。残留物をHOとEtOAcに分配させた。有機相を分離し、5%NaHCOで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して(1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノールを固体(520mg)として得た。
【0320】
ステップ3:
CHCN(5mL)中の(1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール(520mg、2.05ミリモル)の室温での懸濁液にSOCl(2.5mL)を加えた。その添加により、懸濁液は透明になった。10分間撹拌した後、混合物を真空下で濃縮した。残留物をDMF(12mL)に溶解し、NaN(565mg、8.69ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。HOとEtOAcを加えた。有機相を分離し、5%NaHCOで洗浄してNaSOで乾燥し、真空下で濃縮して2−(4−(アジドメチル)−1H−イミダゾール−1−イル)−5−ブロモピリジン(500mg)を得た。
【0321】
ステップ4:
EtOH(8mL)およびHOAc(6mL)中の2−(4−(アジドメチル)−1H−イミダゾール−1−イル)−5−ブロモピリジン(500mg、1.79ミリモル)および鉄粉(767mg、13.7ミリモル)の混合物を、2時間加熱還流した。これをセライトでろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。残留物を5%NaHCOとEtOAcに分配させた。二相溶液をろ過した。EtOAc相を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して(1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタンアミン(253mg)を得た。
【0322】
ステップ5:
DMF(5mL)中の5−クロロ−2−チオフェンカルボン酸(195mg、1.20ミリモル)およびトリエチルアミン(0.400mL、2.87ミリモル)の溶液に、BOP(550mg、1.24ミリモル)を加えた。5分間撹拌した後、DMF(5mL)中の(1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタンアミン(253mg、1.00ミリモル)の溶液を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。HOとEtOAcを加えた。有機相を分離し、5%NaHCOで洗浄してNaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をHPLCで精製してN−((1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド(85mg)を得た。
【0323】
ステップ6:
DMSO(1mL)およびジオキサン(1mL)中のN−((1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド(42mg、0.11ミリモル)、2−ヒドロキシピリジン(40mg、0.42ミリモル)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.035mL、0.32ミリモル)およびKCO(52mg、0.38ミリモル)の混合物をアルゴンで脱ガスし、続いてCuI(23mg、0.12ミリモル)を加えた。混合物を密封管中、110℃で終夜加熱した。次いでこれをHPLCで精製して表題化合物(3mg)を得た。MSの結果はC1914ClNS:412.2および414.2(M+H、Clパターン)であった。
【0324】
(実施例33)
5−クロロ−N−((1−(6−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(46)
【0325】
【化65】

【0326】
ジオキサン(8mL)中の3−アミノ−6−ブロモピリジン(865mg、5.00ミリモル)、2−ヒドロキシピリジン(475mg、5.00ミリモル)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.215mL、2.00ミリモル)およびKCO(1.38g、10.0ミリモル)の混合物をアルゴンで脱ガスし、続いてCuI(190mg、1.00ミリモル)を加えた。密封管中の混合物を、110℃で終夜加熱した。冷却した後、HOとnBuOHを加えた。有機相を分離し、真空下で濃縮して1−(5−アミノピリジン−2−イル)ピリジン−2(1H)−オン(316mg)を得た。
【0327】
氷浴中での濃HCl(8mL)中の1−(5−アミノピリジン−2−イル)ピリジン−2(1H)−オン(316mg、1.69ミリモル)の溶液に、HO(3mL)中のNaNO(117mg、1.69ミリモル)の溶液を滴下した。30分間撹拌した後、HO(4mL)中のNaI(1.03g、6.87ミリモル)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。次いでこれを室温に加温し、室温で終夜撹拌した。混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc溶液を5%NaHCOで洗浄し、次いでNaで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して1−(5−ヨードピリジン−2−イル)ピリジン−2(1H)−オン(189mg)を得た。
【0328】
DMSO(1mL)中の1−(5−ヨードピリジン−2−イル)ピリジン−2(1H)−オン(75mg、0.25ミリモル)、N−((1H−イミダゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド(60mg、0.17ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(10mg、0.069ミリモル)およびKCO(100mg、0.72ミリモル)の混合物をアルゴンで脱ガスし、続いてCuI(19mg、0.10ミリモル)を加えた。密封管中で混合物を130℃で終夜加熱した。次いでこれをHPLCで精製して表題化合物(11mg)を得た。MSの結果はC1914ClNS:412.0および414.0(M+H、Clパターン)であった。
【0329】
(実施例34)
5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(51)
【0330】
【化66】

【0331】
【化67】

【0332】
化合物10.1を、実施例26に記載したのと同様の手順を用いて(1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)メタノール(化合物9.4、実施例26で示したようにして調製した)から調製した。表題化合物を、実施例1のステップ4に記載したのと同様の条件下で化合物10.1から調製した。MSの結果はC2016ClNS (M+H)+426.1(Clパターン)であった。
【0333】
(実施例35)
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(2−オキソピラジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(54)
【0334】
【化68】

【0335】
表題化合物を、実施例4に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1812ClFNS (M+H)+ 431.0、433.0(Clパターン)であった。
【0336】
(実施例36)
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(55)
【0337】
【化69】

【0338】
表題化合物を、実施例4に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1812ClFNS (M+H)+ 431.0、433.0(Clパターン)であった。
【0339】
(実施例37)
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(2−オキソ−テトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(57)
【0340】
【化70】

【0341】
表題化合物を、実施例4に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1816ClFNS (M+H)+ 435.0、437.0(Clパターン)であった。
【0342】
(実施例38)
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(3−メチル−2−オキソ−テトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(58)
【0343】
【化71】

【0344】
表題化合物を、実施例4に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1918ClFNS (M+H)+ 449.0、451.0(Clパターン)であった。
【0345】
(実施例39)
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(2−オキソピペリジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(59)
【0346】
【化72】

【0347】
表題化合物を、実施例4に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1917ClFNS (M+H)+ 434.1、436.1(Clパターン)であった。
【0348】
(実施例40)
5−クロロ−N−((1−(3−フルオロ−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(60)
【0349】
【化73】

【0350】
表題化合物を、実施例4に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1913ClFNS (M+H)+ 430.0、432.0(Clパターン)であった。
【0351】
(実施例41)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−ヒドロキシ−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(61)
【0352】
【化74】

【0353】
5−クロロ−N−((1−(4−(3−メトキシ−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(306mg、0.69ミリモル、実施例4に記載したのと同様の手順で調製)をスラリーとして40mLのDCM中で撹拌した。BBr(200μL、2.1ミリモル)を加えた。混合物を2時間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を1mLおよび5mLのDMSOに溶解し、分取HPLCにかけて白色粉末として表題化合物を単離した。MSの結果はC1914ClNS (M+H)+428.1、430.1(Clパターン)であった。
【0354】
(実施例42)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(62)
【0355】
【化75】

【0356】
5−クロロ−N−((1−(4−(3−ヒドロキシ−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(30mg、0.07ミリモル、実施例61で示したようにして調製した)を2mLのDMSOに溶解した。これに炭酸セシウム(69mg、0.21ミリモル)と2−ブロモエタノール(10μL、0.14ミリモル)を加えた。混合物を密封管中、70℃で30分間撹拌し、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した。MSの結果はC2118ClNS (M+H)+472.1、474.1(Clパターン)であった。
【0357】
(実施例43)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−メトキシエトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(63)
【0358】
【化76】

【0359】
表題化合物を、実施例42に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2220ClNS (M+H)+ 486.1、488.1(Clパターン)であった。
【0360】
(実施例44)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(64)
【0361】
【化77】

【0362】
表題化合物を、実施例42に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2323ClNS (M+H)+ 499.1、501.1(Clパターン)であった。
【0363】
(実施例45)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(ジメチル(ジメチルアミノ)アミノ)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(65)
【0364】
【化78】

【0365】
表題化合物を、実施例42に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2733ClNS (M+H)+ 570.1、572.1(Clパターン)であった。
【0366】
(実施例46)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソ−3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)ピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(66)
【0367】
【化79】

【0368】
表題化合物を、実施例42に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2627ClNS (M+H)+ 539.1、541.1(Clパターン)であった。
【0369】
(実施例47)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソ−3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)ピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(67)
【0370】
【化80】

【0371】
表題化合物を、実施例42に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2729ClNS (M+H)+ 553.1、555.1(Clパターン)であった。
【0372】
(実施例48)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(メチルチオ)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(68)
【0373】
【化81】

【0374】
表題化合物を、実施例42に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2220ClN (M+H)+ 502.1、504.1(Clパターン)であった。
【0375】
(実施例49)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(メチルスルフィニル)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(69)
【0376】
【化82】

【0377】
メタノールと水の2:1混合液中の実施例48の溶液に、1.0当量のオキソンを加えた。混合物を室温で10分間撹拌し、逆相HPLCに直接かけて、凍結乾燥後、表題化合物を白色粉末として単離した。MSの結果はC2220ClN (M+H)+518.1、520.1(Clパターン)であった。
【0378】
(実施例50)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(メチルスルホニル)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(70)
【0379】
【化83】

【0380】
メタノールと水の2:1混合液中の実施例48の溶液に、3当量のオキソンを加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、逆相HPLCに直接かけて、凍結乾燥後、表題化合物を白色粉末として単離した。MSの結果はC2220ClN (M+H)+ 534.1、536.1(Clパターン)であった。
【0381】
(実施例51)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−モルホリノエトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(71)
【0382】
【化84】

【0383】
表題化合物を、実施例42に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2525ClNS (M+H)+ 541.1、543.1(Clパターン)であった。
【0384】
(実施例52)
N−((1−(4−(3−(2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド(72)
【0385】
【化85】

【0386】
表題化合物を、実施例42に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2420ClNS (M+H)+ 522.1、524.1(Clパターン)であった。
【0387】
(実施例53)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−((1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(73)
【0388】
【化86】

【0389】
表題化合物を、実施例42に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2420ClNS (M+H)+ 522.1、524.1(Clパターン)であった。
【0390】
(実施例54)
5−クロロ−N−((1−(4−(5−ヒドロキシ−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(74)
【0391】
【化87】

【0392】
表題化合物を、実施例41に記載した同様の手順を用いて、5−クロロ−N−((1−(4−(5−メトキシ−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(実施例4に記載した同様の手順を用いて調製した)から調製した。MSの結果はC1914ClNS (M+H)+ 428.1、430.1(Clパターン)であった。
【0393】
(実施例55)
5−クロロ−N−((1−(4−(5−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(75)
【0394】
【化88】

【0395】
表題化合物を、実施例42に記載した同じ手順を用いて、5−クロロ−N−((1−(4−(5−ヒドロキシ−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(実施例74で示したようにして調製した)から調製した。MSの結果はC2323ClNS (M+H)+ 499.1、501.1(Clパターン)であった。
【0396】
(実施例56)
N−((1−(4−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド(79)
【0397】
【化89】

【0398】
密封管中での2mLのDMSO中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(100mg、0.23ミリモル)、シトシン(100mg、0.90ミリモル)、CuI(23mg、0.12ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(18mg、0.12ミリモル)、炭酸カリウム(96mg、0.69ミリモル)の混合物を、120℃で15時間撹拌した。表題化合物を、逆相分取HPLCを用いて反応混合物から直接単離した。MSの結果はC1814ClNS (M+H)+428.1、430.1(Clパターン)であった。
【0399】
(実施例57)
5−クロロ−N−((1−(4−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(80)
【0400】
【化90】

【0401】
密封管中での2mLのDMSO中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(100mg、0.23ミリモル)、ウラシル(100mg、0.90ミリモル)、CuI(23mg、0.12ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(18mg、0.12ミリモル)、炭酸カリウム(96mg、0.69ミリモル)の混合物を、120℃で15時間撹拌した。表題化合物を、逆相分取HPLCを用いて反応混合物から直接単離した。
MSの結果はC1813ClNS (M+H)+ 429.1、431.1(Clパターン)であった。
【0402】
(実施例58)
N−((1−(4−(4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド(81)
【0403】
【化91】

【0404】
表題化合物を、実施例57に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1813ClFNS (M+H)+ 446.1、448.1(Clパターン)であった。
【0405】
(実施例59)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(82)
【0406】
【化92】

【0407】
表題化合物を、実施例57に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC1915ClNS (M+H)+ 443.1、445.1(Clパターン)であった。
【0408】
(実施例60)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(83)
【0409】
【化93】

【0410】
密封管中での5mLのジオキサン中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(100mg、0.22ミリモル)、4−N−Boc−2−オキソ−ピペラジン(88mg、0.44ミリモル)、CuI(13mg、0.066ミリモル)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(8μL、0.066ミリモル)、炭酸カリウム(61mg、0.44ミリモル)の混合物を120℃で2日間撹拌した。混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈した。これをブラインで洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を純TFAで15分間処理し、分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した。MSの結果はC1817ClNS (M+H)+417.1、419.1(Clパターン)であった。
【0411】
(実施例61)
5−クロロ−N−((1−(4−(4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(84)
【0412】
【化94】

【0413】
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(24mg、0.06ミリモル、実施例60で示したようにして調製した)を2mLの酢酸中、室温で撹拌した。これにホルムアルデヒド(水中37%、22μL、0.3mミリモル)を加えた。混合物を10分間撹拌した。NaBHCN(30mg、0.48ミリモル)を加えた。10分間反応させ、逆相分取HPLCに直接かけて表題化合物を単離した。MSの結果はC1919ClNS (M+H)+431.1、433.1(Clパターン)であった。
【0414】
(実施例62)
5−クロロ−N−((1−(4−(4−イソプロピル−2−オキソピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(85)
【0415】
【化95】

【0416】
表題化合物を、実施例61に記載した同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2123ClNS (M+H)+ 459.1、461.1(Clパターン)であった。
【0417】
(実施例63)
4−(4−(4−((5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−3−オキソピペラジン−1−カルボキサミド(86)
【0418】
【化96】

【0419】
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(23mg、0.055ミリモル、実施例60で示したようにして調製した)を2mLの水および0.5mLのDMSOに溶解した。これにKOCN(23mg、0.28ミリモル)を加えた。混合物を室温で週末にかけて撹拌した。表題化合物はこの反応の主要生成物であり、これを逆相分取HPLCで直接単離した。MSの結果はC1918ClNS (M+H)+460.1、462.1(Clパターン)であった。
【0420】
(実施例64)
5−クロロ−N−((1−(4−(3−ヒドロキシ−2−オキソピラジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(87)
【0421】
【化97】

【0422】
密封管中での2mLのDMSO中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(100mg、0.22ミリモル)、2,3−ピラジンジオール(74mg、0.66ミリモル)、CuI(21mg、0.11ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(16mg、0.11ミリモル)、炭酸カリウム(152mg、1.1ミリモル)の混合物を、130℃で15時間撹拌した。表題化合物を、逆相分取HPLCを用いて反応混合物から直接単離した。MSの結果はC1813ClNS (M+H)+ 429.1、431.1(Clパターン)であった。
【0423】
(実施例65)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−ピロール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(108)
【0424】
【化98】

【0425】
HOAc(10mL)中の4−ヨードアニリン(0.684g、3.12ミリモル)および2,5−ジメトキシ−3−テトラヒドロフランカルボキシアルデヒド(90%、0.492mL、3.12ミリモル)の溶液を90℃で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。残留物をEtOAcとHOに分配させた。有機相を分離し、5%NaHCOで洗浄してNaSOで乾燥し、真空下で濃縮して1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(0.927g)を得た。
【0426】
MeOH(15mL)中の1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピロール−3−カルバルデヒド(927mg、3.12ミリモル)の室温での懸濁液にNaBH(142mg、3.74ミリモル)を加えた。混合物を室温で10分間撹拌した。その間に懸濁液は透明になってきた。溶媒を真空下で除去した。残留物をHOとEtOAcに分配させた。有機相を分離し、1N HCl、1N NaOHおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し真空下で濃縮してアルコール(877mg)を得た。
【0427】
THF(5mL)中のアルコール(220mg、0.736ミリモル)およびジフェニルホスホリルアジド(0.174mL、0.808ミリモル)の溶液に、DBU(0.110mL、0.737ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。これを真空下で濃縮した。残留物をHPLCで精製してアジド(124mg)を得た。
【0428】
MeOH(8mL)中のアジド(124mg、0.38ミリモル)およびRa−Ni(50%水性スラリー、約100mg)の混合物を、バルーンH下で3時間水素化した。次いでこれをセライトでろ過し、ろ液を真空下で濃縮して(1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピロール−3−イル)メタンアミン(91mg)を得た。
【0429】
DMF(4mL)中の5−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸(60mg、0.37ミリモル)およびTEA(0.102mL、0.73ミリモル)の溶液に、BOP(196mg、0.44ミリモル)を加えた。10分間撹拌した後、溶液をフラスコ中の試料の(1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピロール−3−イル)メタンアミン(91mg、0.31ミリモル)に加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。HOを加えて沈澱を誘発させた。得られた沈殿物を集め、真空乾燥して5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピロール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(118mg)を得た。
【0430】
DMSO(2mL)中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピロール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(118mg、0.27ミリモル)、2−ヒドロキシピリジン(50mg、0.53ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(14mg、0.097ミリモル)およびKCO(120mg、0.87ミリモル)の混合物をアルゴンで脱ガスし、続いてCuI(19mg、0.10ミリモル)を加えた。密封管中の混合物を130℃で4時間加熱した。次いでこれをHPLCで精製して表題化合物(20mg)を得た。MSは410.0および412.0(M+H、Clパターン)であった
(実施例66)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(109)
【0431】
【化99】

【0432】
DMSO(12mL)中の1、4−ジヨードベンゼン(4.00g、12.1ミリモル)、4−メチルピラゾール(0.972g、12.1ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(0.176g、1.21ミリモル)およびKCO(1.69g、12.2ミリモル)の混合物を脱ガスし、続いてCuI(0.310g、1.63ミリモル)を加えた。密封管中の混合物を130℃で終夜加熱した。水とEtOAcを加えた。混合物をろ過した。有機層を分離し、次いでシリカゲルカラムにかけ、ヘキサンで溶出させ、次いでヘキサン中の5%EtOAcで溶出させて1−(4−ヨードフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール(1.70g)を得た。
【0433】
CCl(25mL)中の1−(4−ヨードフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール(1.70g、5.99ミリモル)、NBS(1.38g、7.75ミリモル)およびAIBN(0.30g、1.83ミリモル)の混合物を、1時間還流加熱した。室温まで冷えたら、上部の透明溶液をデカントして取り出し、真空下で濃縮した。残留物をDMF(10mL)に溶解し、NaN(0.934g、14.3ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。HOとEtOAcを加えた。有機相を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムによりヘキサンで溶出させ、次いでヘキサン中の5%EtOAcで溶出させて精製して4−(アジドメチル)−1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール(0.70g)を得た。
【0434】
MeOH(3mL)中の4−(アジドメチル)−1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール(530mg、1.63ミリモル)およびRa−Ni(50%水性スラリー、200mg)の混合物をバルーンH下で1時間水素化した。これをセライトでろ過した。ろ液を真空下で濃縮して(1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタンアミン(396mg)を得た。
【0435】
DMF(10mL)中の5−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸(237mg、1.46ミリモル)、(1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メタンアミン(396mg、1.32ミリモル)およびTEA(0.500mL、3.59ミリモル)の溶液に、BOP(828mg、1.87ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。HOとEtOAcを加えた。有機相を分離し、5%NaHCOで洗浄してNaSOで乾燥し、真空下で濃縮して5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(462mg)を得た。
【0436】
DMSO(2mL)中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(200mg、0.451ミリモル)、2−ヒドロキシピリジン(85mg、0.90ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(30mg、0.21ミリモル)およびKCO(247mg、1.79ミリモル)の混合物をアルゴンで脱ガスし、続いてCuI(43mg、0.22ミリモル)を加えた。密封管中の混合物を130℃で終夜加熱した。次いでこれをHPLCで精製して表題化合物(60mg)を得た。MSは411.0および413.0(M+H、Clパターン)であった。
【0437】
(実施例67)
5−クロロ−N−((1−(4−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(110)
【0438】
【化100】

【0439】
イソプロパノール(1mL)中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(100mg、0.225ミリモル)、1−メチルホモピペラジン(0.100mL、0.81ミリモル)、エチレングリコール(0.025mL、0.45ミリモル)およびKPO(100mg、0.47ミリモル)の混合物をアルゴンで脱ガスし、続いてCuI(20mg、0.11ミリモル)を加えた。密封管中の混合物を85℃で終夜加熱した。次いでこれをHPLCで精製して表題化合物(5mg)を得た。MSは430.0および432.0 (M+H、Clパターン)であった
(実施例68)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピラジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(111)
【0440】
【化101】

【0441】
5N NaOH(6mL)中のグリシンアミド塩酸塩(1.10g、10.0ミリモル)の室温での溶液に、グリオキサル(HOの中に40%、1.5mL、13.1ミリモル)を加えた。溶液を室温で終夜撹拌した。生成物を水溶液からnBuOHで抽出し、nBuOH抽出物を真空下で濃縮して2−ヒドロキシピラジンを白色固体(0.20g)として得た。
【0442】
DMSO(1mL)中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(75mg、0.17ミリモル)、2−ヒドロキシピラジン(43mg、0.45ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(15mg、0.10ミリモル)およびKCO(100mg、0.72ミリモル)の混合物をアルゴンで脱ガスし、続いてCuI(19mg、0.10ミリモル)を加えた。密封管中の混合物を130℃で終夜加熱した。次いでこれをHPLCで精製して表題化合物(10mg)を得た。MSは412.0および414.0 (M+H、Clパターン)であった。
【0443】
(実施例69)
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(112)
【0444】
【化102】

【0445】
DMSO(12mL)中の1、4−ジヨードベンゼン(4.00g、12.1ミリモル)、3−メチルピラゾール(0.972g、12.1ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(0.176g、1.21ミリモル)およびKCO(1.69g、12.2ミリモル)の混合物を脱ガスし、続いてCuI(0.230g、1.21ミリモル)を加えた。密封管中の混合物を130℃で終夜加熱した。水とEtOAcを加えた。混合物をろ過した。有機層を分離し、ヘキサンに続いてヘキサン中の4〜6%EtOAcを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して1−(4−ヨードフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール(0.98g)を得た。
【0446】
CCl(15mL)中の1−(4−ヨードフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール(0.98g、3.45ミリモル)、NBS(0.80g、4.49ミリモル)およびAIBN(0.17g、1.03ミリモル)の混合物を5時間還流加熱した。室温まで冷えたら、これをろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。残留物をDMF(8mL)に溶解し、NaN(0.400g、6.15ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。HOとEtOAcを加えた。有機相を分離し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、ヘキサンで溶出させ、次いでヘキサン中の4〜6%EtOAcで溶出させてシリカゲルカラムにより精製して3−(アジドメチル)−1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール(0.10g)を得た。
【0447】
MeOH(8mL)中の3−(アジドメチル)−1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール(100mg、0.31ミリモル)およびRa−Ni(50%水性スラリー、150mg)の混合物をバルーンH下で3時間水素化した。これをセライトでろ過した。ろ液を真空下で濃縮して(1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)メタンアミン(78mg)を得た。
【0448】
DMF(3mL)中の5−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸(51mg、0.31ミリモル)、(1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)メタンアミン(78mg、0.26ミリモル)およびTEA(0.100mL、0.72ミリモル)の溶液に、BOP(170mg、0.38ミリモル)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。HOとEtOAcを加えた。有機相を分離し、5%NaHCOで洗浄してNaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、分取TLCプレート(EtOAc/ヘキサン(35/65)で開始)により精製して5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(60mg)を得た。
【0449】
DMSO(1mL)中の5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(60mg、0.14ミリモル)、2−ヒドロキシピリジン(30mg、0.32ミリモル)、8−ヒドロキシキノリン(10mg、0.070ミリモル)およびKCO(50mg、0.36ミリモル)の混合物をアルゴンで脱ガスし、続いてCuI(15mg、0.080ミリモル)を加えた。密封管中の混合物を130℃で終夜加熱した。次いでこれをHPLCで精製して表題化合物(15mg)を得た。MSは411.0および413.0(M+H、Clパターン)であった。
【0450】
(実施例70)
5−クロロ−N−((1−(3−メトキシ−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド(115)
【0451】
【化103】

【0452】
表題化合物を、化合物1.6を調製するために実施例1で記載したのと同様の手順を用いて調製した。MSの結果はC2016ClNS (M+H)+ 442.1、444.1であった。
【0453】
上記と同様の方法を用いるか、または、2004年6月18日出願の米国仮出願番号第60/580,899号の利益を請求する、2005年6月20日出願の米国特許出願番号11/158,274に開示されているものと同様の方法を用いて、以下の表2の化合物を調製した。これらの出願のその全体を参照により本明細書に組み込む。
【0454】
【表2−1】

【0455】
【表2−2】

【0456】
【表2−3】

【0457】
【表2−4】

【0458】
【表2−5】

【0459】
【表2−6】

【0460】
(実施例71)
この実施例は、本発明の化合物を評価するための方法を、このアッセイについて得られた結果と共に例示する。インビトロおよびインビボでの本発明の化合物のヒト第Xa因子活性は、ヒト血漿第Xa因子の活性を阻害するその能力の試験などの当業界で周知の様々な手順により測定することができる。本発明の化合物が示すヒト第Xa因子阻害に対する強い親和性はIC50値(nMで)によって測ることができる。IC50値は、ヒト第Xa因子タンパク質分解活性の50%阻害を提供するのに要する化合物の濃度(nMで)である。IC50値が小さいほど、第Xa因子活性の阻害について、化合物はより活性(強力)である。
【0461】
第Xa因子に対する阻害活性を検出し測定するためのインビトロでのアッセイは以下の通りである。
【0462】
IC50およびKの測定
基質:
基質S−2765(Z−D−Arg−Gly−Arg−pNA・HCl)はDiapharma(West Chester、OH)から入手した。
【0463】
酵素:
ヒト血漿タンパク質第Xa因子はHaematologic Technologies(Essex Junction、VT)から購入した。
【0464】
方法:
IC50の測定
96ウェルマイクロタイタープレートで実施するすべてのアッセイは、以下のパラニトロアニリドペプチド基質の開裂による酵素(第Xa因子)のタンパク質分解活性を測定する。タンパク質分解アッセイに用いたアッセイ緩衝剤はトリス緩衝生理食塩水(20mMトリス、150mM NaCl、5mM CaCl、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、5%ジメチルスルホキシド(DMSO)、pH7.4)であった。96ウェルマイクロタイタープレート中で、阻害剤を連続的に希釈して0.01nM〜10μMの最終濃度範囲を得た。2連のセットのウェルをアッセイした。阻害剤を含まない対照ウェルも含めた。酵素を各ウェルに加え(第Xa因子濃度=1nM)、プレートを5秒間振とうし、次いで室温で5分間インキュベートした。S−2765を加え(100μM最終)、プレートを5秒間振とうした(各ウェルの最終容積は200μlであった)。基質の加水分解の程度を、Thermomaxプレートリーダー(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)を用いて405nmで2分間かけて測定した。阻害剤濃度の各範囲についての基質開裂の初期速度(mOD/分)を、Softmaxデータ分析ソフトウェアを用いて4つのパラメーター式に当てはめた。得られた曲線の当てはめによるパラメーターCは、半数阻害(IC50)のための濃度に対応する。
【0465】
の測定
この一連のアッセイのためのアッセイ緩衝剤はHepes緩衝生理食塩水(20mM Hepes、150mM NaCl、5mM CaCl、0.1%PEG−8000、pH7.4)であった。96ウェルマイクロタイタープレート中で、阻害剤を2連のセットのウェルで連続的に希釈して5pM〜3μMの最終濃度範囲を得た。阻害剤を含まない対照(8ウェル)も含めた。酵素、第Xa因子(終末濃度=1nM)をウェルに加えた。基質S−2765(終末濃度=200μM)を加え、基質の加水分解の程度を、Softmaxソフトウェアを使用して、Thermomaxプレートリーダーを用いて405nmで5分間かけて測定した。初期速度(mOD/分)をPlate Kソフトウェア(BioKin Ltd、Pullman、WA)[Kusmicら、Analytical Biochemistry 第281巻:62〜67頁、2000年]の非線形最小二乗回帰法で解析した。阻害剤用量反応曲線を当てはめるのに用いたモデルはMorrison方程式であった。見掛けのK(Ki)を決定した。以下の式を用いて総括Kを算出した。
【0466】
【数1】

【0467】
(式中、[S]は基質濃度(200μM)であり、KはS−2765についてのミカエリス定数である)
以下の化合物:1、3、4、7−9、18、19、21、22、27、28、39、40、42、45、47−49、53、56、59、60、62−74、79−83、86、87、98、115は100nM以下の第Xa因子のIC50値を示した。
【0468】
以下の化合物:5、6、10、20、24−26、37、46、61、78、100、102は100nM超〜500nM未満の第Xa因子のIC50値を示した。
【0469】
以下の化合物:11−17、23、29、38、41、43、44、50−52、75−77、84、85、88−97、99、101、103−106、113、114、116は500nM以上の第Xa因子のIC50値を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物または薬剤として許容されるその塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【化104】

(式中、
は、ハロゲン、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニルおよびC2〜8アルキニルからなる群から選択され、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
Aは
【化105】

からなる群から選択され、ここで、波線は環Bとの結合点を示し、点線は分子の残りの部分との結合点を示し、
は、独立に、水素またはR3aであり、
3aは、ハロゲン、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニルおよびC2〜8アルキニルからなる群から独立に選択され、
mは、0、1、2または3であり、
XはC−RもしくはNであるか、またはXとYはCであり、縮合して6員のアリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成しており、
YはC−RまたはNであり、ただし、XとYはどちらもがNであることはなく、
は、水素、ハロゲン、および
【化106】

からなる群から選択され、
4aは水素またはC1〜8アルキルであり、
は、水素、ハロゲンおよびC1〜8アルコキシからなる群から選択されるか、またはRとRは一緒に結合して環Bと縮合した6員のアリール、ヘテロアリールまたは複素環を形成しており、
は、−R6a、−NR7a7b、−NR7aC(O)R7c、−NR7aC(O)OR7c、−CONR8a8b、−OR7c、−SR7c、−C(=NR7a)NR8a8b、−S(O)NR8a8bおよび−S(O)7cからなる群から選択され、
6a
【化107】

【化108】

からなる群から選択され、ここで、Rは置換基に適した任意の位置であってよく、Rが窒素原子と結合している場合、Rは該窒素原子に結合している水素原子を置換し、
7aおよびR7bは、水素、C1〜8アルキル、および1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から独立に選択され、
7cは、アリール、ヘテロアリール、C1〜8アルキル、1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から選択され、
は、ニトロ、ヒドロキシ、−COH、−C(O)R8c、−C(O)NR8a8b、−NR8a8b、−SONR8a8b、ハロゲン、C1〜8アルキルおよびC1〜8アルコキシからなる群から独立に選択され、前記C1〜8アルキルおよびC1〜8アルコキシは1〜3個のRで任意選択で置換されており、
8aおよびR8bは、水素、C1〜8アルキル、および1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から独立に選択されるか、またはR8aとR8bは一緒に、1〜3個のRで任意選択で置換されかつN、OもしくはSから選択される1つの追加の環ヘテロ原子を任意選択で有する5〜7員複素環を形成しており、
8cは、C1〜8アルキル、および1〜3個のRで置換されたC1〜8アルキルからなる群から選択され、
は、ハロゲン、複素環、ヘテロアリール、−OH、−R10、−OR10、−SR10、−S(O)R10、−S(O)10、−SONH、−C(O)NH、−C(O)R10、−C(NH)R10、−NHC(O)R10、−NHC(NH)R10、−NHC(O)NH、−COH、−NH、−NHR10、−N(R10および−N(R10からなる群から独立に選択され、
各R10は、独立に、C1〜6アルキルであり、
nは、0、1、2または3であり、
ただし、XがC−Rであり、YがC−Rであり、RがR6aであり、Aが
【化109】

である場合、R6aは炭素原子を介して環Bと結合している)。
【請求項2】
が2−クロロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
XおよびYがCHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Aが
【化110】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
がR6aである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
6a
【化111】

からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】

【化112】

【化113】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】

【化114】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】

【化115】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】

【化116】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】

【化117】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】

【化118】

であり、Rが上記定義の通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】

【化119】

【化120】

からなる群から選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)−2−(ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2−(4−エチルピペラジン−1−イル)−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−((ジメチルアミノ)メチル)−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2’−メトキシビフェニル−4−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(6−クロロピリジン−3−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
N−((1−(4−(1H−インドール−2−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(3−フルオロ−2’−スルファモイルビフェニル−4−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
N−((1−(4−カルバモイルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
N−((1−(4−(2−アミノ−N−メチルアセトアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(メチル(2−(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(メチルアミノ)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(N−メチルプロピオンアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
4−(4−((5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル(メチル)カルバミン酸エチル、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−メトキシ−N−メチルアセトアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−(ジメチルアミノ)−N−メチルアセトアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(N−メチルアセトアミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((3−(2−フルオロ−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((5−オキソ−1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((2−オキソ−1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((6−オキソ−1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−メチル−2−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−ヨードフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−メトキシピリジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
N−((1−(4−アミノフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボニル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
4−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)ベンズアミド、
N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)アセトアミド、
5−クロロ−N−((1−(5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(6−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((2,5−ジブロモ−1−(4−(N,N−ジメチルカルバムイミドイル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((2,5−ジブロモ−1−(4−(イミノ(ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((2,5−ジブロモ−1−(4−(1−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(9−メチル−2,6−ジオキソ−1H−プリン−3(2H,6H,9H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((4−メチル−1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピラジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(2−オキソピラジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(2−オキソ−テトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(3−メチル−2−オキソ−テトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(2−フルオロ−4−(2−オキソピペリジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(3−フルオロ−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−ヒドロキシ−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−メトキシエトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(ジメチル(ジメチルアミノ)アミノ)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソ−3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)ピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソ−3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)ピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(メチルチオ)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(メチルスルフィニル)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−(メチルスルホニル)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−(2−モルホリノエトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
N−((1−(4−(3−(2−(1H−イミダゾール−1−イル)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−((1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(5−ヒドロキシ−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(5−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソ−5−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)ピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(5−(2−モルホリノエトキシ)−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(5−ニトロ−2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
N−((1−(4−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
N−((1−(4−(4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(4−イソプロピル−2−オキソピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
4−(4−(4−((5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−3−オキソピペラジン−1−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−ヒドロキシ−2−オキソピラジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(4−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−2,3−ジオキソ−3,4−ジヒドロピラジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(3−ヒドロキシ−6−オキソピリダジン−1(6H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
2−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチルカルバモイル)安息香酸、
N−((1−(2−(3−オキソピペラジン−1−イル)−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(1−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(N,N−ジメチルカルバムイミドイル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(イミノ(ピロリジン−1−イル)メチル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(イミノ(ピペリジン−1−イル)メチル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
N−((1−(4−カルバモイルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(ピリジン−2−イルチオ)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(6−(ピロリジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
1−(5−(4−((5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−4−カルボン酸、
N−((1−(6−(アゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(6−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
N−((1−(6−(1,4−ジアゼパン−1−イル)ピリジン−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(6−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−(4−(4−((5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド)メチル)−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−ピロール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピラジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(3−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[β][1,4]オキサジン−7−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、
5−クロロ−N−((1−(3−メトキシ−4−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド、および
5−クロロ−N−((1−(5−(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)キノリン−8−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオフェン−2−カルボキサミド
からなる群から選択される化合物または薬剤として許容されるその塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項16】
薬剤として許容される賦形剤および請求項1または15に記載の化合物を含む組成物。
【請求項17】
哺乳動物における望ましくない血栓を特徴とする状態を予防または治療するための方法であって、該哺乳動物に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む、方法。
【請求項18】
前記状態が、急性冠症候群、心筋梗塞症、不安定狭心症、難治性の狭心症、血栓溶解治療後もしくは冠動脈血管形成術後に起こる冠動脈内血栓性閉塞、血栓により媒介される脳血管症候群、塞栓性脳卒中、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、静脈血栓症、深部静脈血栓症、肺動脈塞栓、凝血障害、播種性血管内凝固症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、閉塞性血栓血管炎、ヘパリン起因性血小板減少症に付随する血栓症、体外循環に付随する血栓性合併症、心臓もしくは他の血管内カテーテル、大動脈内バルーンポンプ、冠状動脈ステントまたは心臓弁などの器具の使用に付随する血栓性合併症、および人工器官の取付けを要する状態からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
血液試料の凝固を阻止する方法であって、該試料を請求項1または15に記載の化合物と接触させることを含む、方法。

【公表番号】特表2010−515689(P2010−515689A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544989(P2009−544989)
【出願日】平成20年1月4日(2008.1.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/050244
【国際公開番号】WO2008/086188
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(500287639)ミレニアム・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (98)
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】