説明

管内通信システム

【課題】信頼性の高い計測データをリアルタイムに通信可能にする。
【解決手段】管内に設置される複数の計測装置を具備し、前記計測装置により構成される複数のブロックの終端の計測装置とセンタ装置とが接続される管内通信システムであって、計測装置は、管内の状態に関するデータを計測するセンサ部5と、センサ部5の計測データを装置固有の識別子と共にブロック内の他の計測装置に無線送信し、ブロック内の他の計測装置から計測データを受信する管内無線通信部1と、ブロックの始端の計測装置から順番に、受信した計測データに当該装置の計測データを付加して送信するように制御する送信制御部42とを具備し、終端の計測装置は、受信した計測データを識別子に基づいて集計するデータ集計部と、データ集計部の集計データをセンタ装置に送信する地上無線通信部9とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、下水管の管内の監視に用いられる管内通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下水道の監視/制御システムは、下水道管理のために計測装置を用いて下水道管内の水位や流量などの計測を行っている。ポンプ場などの排水処理施設は、家庭や工場などの排水と大雨による水害を防ぐため、この計測データをもとに処理速度や排水管理を行っている。
【0003】
近年のシステムでは、管内の一定区間毎にセンサを設置し、センサの計測データを下水管内に敷設した光ファイバ回線または一般の無線通信回線を用いて通信することが行われている(特許文献1を参照。)。しかしながら、光ファイバ回線は、下水管の清掃や流下物により破損してしまうことも多い。また、一般の無線通信回線では、常にリアルタイムに通信することはできないため計測周期が長くなり、制御に使用することは難しいのが現状である。
【0004】
ここ数年では、突発的な豪雨による災害も多く発生しており、このような災害を防ぐためにも、計測データをいち早く通信し、管内の水位の急激な上昇などの異常事態を迅速に察知する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−187682公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、光ファイバ回線を用いた場合には、流下物等により破損してしまうことがある。また一般の無線通信回線を用いた場合でも、計測周期が長くなってしまうため、計測データの信頼性の欠如が問題となる。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、信頼性の高い計測データをリアルタイムに通信可能な管内通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明に係る管内通信システムは以下のような構成を有する。
【0009】
第1の態様は、管内に設置される複数の計測装置を具備し、前記計測装置により構成される複数のブロックの終端の計測装置とセンタ装置とが接続される管内通信システムであって、前記計測装置は、前記管内の状態に関するデータを計測する計測手段と、前記計測手段の計測データを装置固有の識別子と共に前記ブロック内の他の計測装置に無線送信する第1送信手段と、前記ブロック内の他の計測装置から前記計測データを受信する受信手段と、前記ブロックの始端の計測装置から順番に、前記受信した計測データに当該装置の計測データを付加して送信するように前記第1送信手段を制御する制御手段とを具備し、前記終端の計測装置は、前記受信した計測データを識別子に基づいて集計する集計手段と、前記集計手段の集計データを前記センタ装置に送信する第2送信手段とを具備するものである。
【0010】
第2の態様は、前記第1の態様において、前記計測装置は、ネットワーク構築信号を前記識別子と共に前記ブロック内の他の無線送信する手段と、前記ブロック内の他の計測装置から前記ネットワーク構築信号を受信する手段と、前記受信されたネットワーク構築信号から受信レベルを測定する手段と、前記受信レベルと前記ネットワーク構築信号に対応する識別子とをもとに前記ブロックにおける装置位置を判定する手段とをさらに具備するものである。
【0011】
第3の態様は、前記第1又は2の態様において、前記ブロック内の計測装置が無線通信可能な距離の半分程度の間隔で設置されているとき、前記制御手段は、前記計測データを隣接する装置に送信できない場合には、一つ先の装置に送信させるものである。
【0012】
第4の態様は、前記第1乃至3の態様において、前記第2送信手段は、他ブロックの終端の計測装置と前記センタ装置との間で通信が行われていないことを確認した後に、前記集計データを前記センタ装置に送信するものである。
【0013】
第5の態様は、前記第1乃至4の態様において、前記第2送信手段は、他ブロックの終端の計測装置が前記集計データを送信した後に、一定時間待機してから前記計測データを送信するようにし、前記集計データに基づいて優先的に送信する場合は、前記一定時間を利用して前記集計データを送信するものである。
【0014】
第6の態様は、前記第1乃至5の態様において、前記集計手段は、前記ブロック内の計測データの変動に応じてデータ量を削減するものである。
【発明の効果】
【0015】
したがってこの発明によれば、信頼性の高い計測データをリアルタイムに通信可能な管内通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明に係る管内通信システムの一実施形態を示す構成図。
【図2】計測装置の設置例を示す図。
【図3】計測装置の構成を示す機能ブロック図。
【図4】終端装置の構成を示す機能ブロック図。
【図5】ネットワーク構築処理の手順を示すフローチャート。
【図6】1ブロック内の計測装置の配置例を示す図。
【図7】各計測装置の間を伝送される信号の構成を示す図。
【図8】計測データ送信処理の手順を示すフローチャート。
【図9】地上無線通信部の送信処理の手順を示すフローチャート。
【図10】データ集計処理部の集計処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、この発明に係る管内通信システムの一実施形態を示す構成図である。この管内通信システムは、複数のブロックB1〜Bnを使用してネットワークを構成し、各ブロックの終端装置20を介してセンタ装置30との間で通信する。
【0018】
計測装置10は、例えば、終端装置20を含めて最大12台の装置を含むブロックB1〜Bnを構成する。終端装置20は、各ブロックの計測装置10の下流の終端に配置され、計測データの集計を行う。終端装置20は、管内の計測装置10以外に地上のセンタ装置30との間での通信機能を備える。各ブロックの計測装置10は、上流側から順番に隣接する装置に計測データを送信して、各装置の計測データを付加しながら終端装置30まで通信し、終端装置20からブロック毎の計測データがセンタ装置30に送られる。
【0019】
図2は、計測装置の設置例を示したものである。図2に示すように、本計測装置10を下水道管内の天井付近に設置して、下水道管内を通信管としてリレー伝送方式で通信を行う。各計測装置10は、例えば、無線通信可能な最大距離の半分程度の間隔で管内に設置される。
【0020】
図3は、下水道管内に配置される計測装置10の機能ブロック図である。計測装置10は、管内無線通信部1、受信レベル測定部2、出力調整部3、制御部4、センサ部5、タイマ部6、電源部7及びデータ記憶部8を備える。
【0021】
管内無線通信部1は、無線受信部11及び無線送信部12を備え、通信範囲内の他の計測装置との間でアドホックネットワークを形成して無線通信を行う。受信レベル測定部2は、無線受信部11のデータ受信時の電波強度を示す受信レベルを測定する。出力調整部3は、無線送信部12のデータ送信時における出力電力を調整する。センサ部5は、非接触方式の水量センサで構成され、管内の水量を計測する。センサ部5は、さらに必要に応じて、温度センサや流量センサ等を備えることもある。タイマ部6は、自装置内の各部へのクロック供給を始め、センサ部5の計測タイミングや計測データの送信タイミングなどを計る。また、電波時計受信機能を備えることにより、計測データの時刻情報を付加することや、定期的に時刻校正を行うことにより各計測装置の間で時刻同期をとることも可能にしている。電源部7は、電池を備え、電池出力から必要な電源電圧を生成して計測装置内の各部に供給する。
【0022】
制御部4は、ネットワーク構築部41と、送信制御部42とを備える。ネットワーク構築部41は、ネットワークの構築を要求する信号を送信して通信範囲内に存在する他の計測装置を検出し、ブロックにおける装置位置を判定する。送信制御部42は、他の計測装置から受信された計測データにセンサ部8の計測データを付加して、無線送信部12から順番に下流側の装置にリレー伝送する。データ記憶部8は、装置を固有に識別するために予め割り当てられた装置IDと、計測データを通信する先の計測装置の装置IDを示す通信先IDとを記憶する。
【0023】
図4は、終端装置20の機能ブロック図である。終端装置20は、計測装置10の構成に加え、さらに地上無線通信部9を備え、制御部4にデータ集計部43を設けたものである。なお、図4において、上記図3の計測装置10と同一部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
地上無線通信部9は、地上のセンタ装置30との間で無線通信によりデータの送受信を行う。データ集計部43は、ブロック内の計測データをセンタ装置30に送信する際に、各計測装置10の計測データを装置IDに基づいて集計する機能を有する。
【0024】
次に、このように構成された管内通信システムの動作について説明する。
【0025】
(ネットワーク構築処理)
図5は、ネットワーク構築処理の手順を示すフローチャートである。図6に、1ブロック内の7台の計測装置の配置例を示す。図7は、各計測装置の間を伝送される信号(データパケット)の構成を示す。いま、図6中の#2の計測装置10が新たに配置されたものとする。なお、#5の計測装置10は終端装置20として動作する。
【0026】
#2の計測装置10に電源が投入されると(ステップS1a)、#2の計測装置10は、図7(a)に示す様にプリアンブルに続き自装置IDと共にネットワーク構築信号(例えば、「10101010」を10回繰り返す)を最大出力で0.5秒程度発信し、受信待ちに移行する(ステップS2a)
#2の計測装置10からのネットワーク構築信号を受信した#1,#3,#4の計測装置10は、この信号の受信電波強度とこの信号に含まれる装置IDを通信先ID候補として記憶する(ステップS3a)。#1,#3,#4の計測装置は、自装置IDと共にネットワーク構築信号を最大出力で0.5秒程度発信し、受信待ちに移行する(ステップS4a)。
【0027】
各計測装置10は、他の計測装置からのネットワーク構築信号の受信電波強度と装置IDとからブロック内の自装置の位置を判定する(ステップS5a)。例えば、#2の計測装置10は、#1,#3,#4の計測装置10のうち、受信電波強度の強さから#1の計測装置10と#3の計測装置10との間に位置すると判定することができ、判定したデータリレー伝送する場合の隣接する計測装置10を通常の通信先IDとして記憶する。
【0028】
さらに、各計測装置は、上記判定において隣接する装置が1台しかない端末を始端と判定する(ステップS6a)。図6では、#1と#6の計測装置10が始端装置と判定される。また、各計測装置10は、受信電波強度と、ネットワーク構築信号のIDを受信する順番から、隣接する計測装置と、更に1つ先の計測装置を特定する。
【0029】
#1,#6の始端装置10は、図7(b)に示すような形式で、#2,#7の隣接する装置10にウェイクアップ信号として起動のための同期ヘッダと共に、通常の通信先IDとリアルタイム通信時の通信先IDを通知する構築応答信号を送信する(ステップS7a)。通常の通信先IDは、隣接する装置を示し、リアルタイム通信時の通信先IDは、隣接する装置の1つ先の装置を示すものとする。リアルタイム通信とは、何らかの異常が発生して通信不能となった場合でも、計測データを速やかにセンタ装置30へ伝送するために、異常な計測装置を飛び越して通信をする通信モードである。例えば、図6において、#1の計測装置10の通常の通信先IDは#2の計測装置10を示し、リアルタイム通信時の通信先IDは#3の計測装置10を示す。各計測装置10は、出力調整部3により、通常時は、隣接する装置に届く程度の出力電力で送信し、リアルタイム通信時は、一つ先の装置に届くよう最大の出力電力で送信する。
【0030】
上記構築応答信号(ウェイクアップ信号)を受信した計測装置10は、同期ヘッダを判読して自装置を起動し、図7(b)の様に次々と始端装置から受信した情報に同様に自装置の通信先IDの情報を足して次の隣接する装置にリレー伝送する(ステップS8a)。ここで、分岐部に位置する#3の計測装置10は、隣接する装置が3台あるため、2台からの情報を受信するまで送信しない。#3の計測装置10は、各分岐の#2と#3の計測装置10からの情報を受信完了したら、自装置の情報を足して次の#4の計測装置10に送信する。
【0031】
センタ装置30は、終端装置20を介してブロック毎の計測装置から情報を受信し、ルート構成を作成し、接続ルートを示す情報と通信モード(通常時/リアルタイム時)を含む制御情報として図7(c)のルート制御コマンドのパケットを計測装置へリレー送信する(ステップS9a)。ルート制御コマンドを受信した計測装置は、自装置の接続ルートを確認して、次の装置にルート制御コマンドを送信してスリープ動作に移行する(ステップS10a)。なお、図7(c)の通信先IDは、各計測装置で判読されたルート制御コマンドから都度所要の宛先に書き換えられる。
【0032】
なお、分岐部に位置する#3の計測装置10は、分岐ルートの片側の計測装置に対しては同期ヘッダを受信後、例えば1秒待機してから送信処理を開始するように命令を加えて送信する(ステップS11a)。始端装置まですべての装置に対して制御情報が送信されると、全装置の設定が完了する(ステップS12a)。
【0033】
このように、下水管内で各計測装置が隣接する装置をサーチするための信号を発信し、この信号の受信電波強度から通信可能範囲内の装置を判定して、リレー伝送方式の無線ネットワークを自律的に構成する。この手法は、計測装置が下水管内に設置されるため、ほぼ直列(従続)的に設置されることを利用している。
【0034】
(計測データ送信処理)
図8は、送信制御部42による計測データ送信処理の手順を示すフローチャートである。送信制御部42は、無線送信部12により、通常の通信先IDに基づいて、センサ部5の計測データを隣接する装置に図7(d)のパケットにして送信する(ステップS1b)。計測装置10からの所要のパケット受信応答が無い場合や、センタ装置30からの再送要求等によりこの送信が失敗したことを制御部4が検出した場合には、送信制御部42は、(ステップS2b)、リアルタイム時の通信先IDに基づいて、無線送信部12に上記計測データを一つ先の装置に送信させる。
【0035】
下水管内を通信管として使用しているため、短時間で水量が上昇し計測装置10が水没する可能性がある。このような場合にはセンタ装置30では、水量増加などの異常を認識できずに災害となる可能性がある。このような事態を防ぐために、隣接する装置に送信できなかった場合には各計測装置は、通常の通信先IDだけでなく、次の候補となるリアルタイム時の通信先IDを記憶しているので、1つ先の装置へ送信するようにして迅速に危険を通知し、突発的な事態でも、センタ装置で確実にデータを得ることができる。
【0036】
(地上無線通信部の送信処理)
図9は、終端装置20での地上での混信防止処理の手順を示すフローチャートである。
【0037】
地上無線通信部9は、センタ装置30に集計データを送信する前に、他ブロックの終端装置20が送信を行っているかを確認する(ステップS1c)他の終端装置20が送信を行っていない場合には(ステップS2c)、送信予約(として、例えば、「10101010」が10回続く様なバースト信号、又はキャリヤ信号の送信などの方法がある。)を行ってから集計データを伝送する(ステップS3c)。他の終端装置20が送信を行っている場合には(ステップS4c)、送信が終了するのを待ち、送信予約をしてから集計データを伝送する(ステップS5c)。この予約方法は、LANでキャリヤディテクト衝突防止と呼ばれる技術と同様である。
【0038】
終端装置20の地上無線通信部9では、センタ装置30との間で直接通信を行うため混信する可能性がある。そのため他のブロックの終端装置20が通信していないことを確認してから、送信予約を出して送信することにより混信を避けるさけることができる。
【0039】
また、終端装置20の地上無線通信部9では、水量が増大したブロックからの通信を優先する必要があるため、いずれかの終端装置20の送信完了後には必ず1秒程度の時間を空けてから集計データを送信するようにする。優先される終端装置20は、この1秒の間に送信予約を行うようにする。この場合の優先的な送信予約は、前述の通常のキャリヤ送信時間の2倍にする、等の方法で、通常の送信予約と区別すれば更に確実な送信予約となる。そして、水量が増えたブロックがある場合に優先して通信することにより、その下水が処理施設に到達する前に処理することが可能となる。
【0040】
(データ集計処理)
図10は、終端装置20のデータ集計処理部43の手順を示すフローチャートである。終端装置20は、ブロック内の複数の計測装置10の計測データが足されたデータ(最大12台分)を受信する(ステップS1d)。データ集計部43は下流側からの変動量を判定する(ステップS2d)。変動なしと判定された場合、データ集計部43は、例えば、最初と最後のデータと中間の装置数のみを伝送する(ステップS3d)。変動が閾値より小さいと判定された場合、データ集計部43は、各計測装置10の計測データに一定の傾きがあれば、最初と最後のデータと傾き、中間の装置数のみを伝送する(ステップS4d)。変動が閾値より大きいと判定された場合は、データ集計部43は、最初のデータと各データ間の差分のみを伝送する(ステップS5d)。
【0041】
終端装置20からセンタ装置30に対して集計したデータを送信するため、データ量が多くなるが、データの変動に合わせた、傾きデータを用いた圧縮方法により、通信するデータ量を削減することが可能である。
【0042】
以上述べたように、本実施形態に係る管内無線通信システムでは、無線通信部とセンサ部とを備える計測装置を下水道管内の天井付近に設置して下水道管内を通信管としてブロック毎にネットワークを構成して通信を行う。計測装置は上流側から順番に隣接する装置に計測データをリレー伝送して、各装置の計測データを付加しながら下流の終端装置まで送信し、終端装置から地上のセンタ装置へと送信する。したがって、本実施形態によれば、下水管内の水位変動を詳細に把握することができる。
【0043】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10…計測装置、20…終端装置、30…センタ装置、B1〜Bn…ブロック、1…管内無線通信部、2…受信レベル測定部、3…出力調整部、4…制御部、5…センサ部、6…タイマ部、7…電源部、8データ記憶部、9…地上無線通信部、11…無線受信部、12…無線送信部、41…ネットワーク構築部、42…送信制御部、43…データ集計部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管内に設置される複数の計測装置を具備し、前記計測装置により構成される複数のブロックの終端の計測装置とセンタ装置とが接続される管内通信システムであって、
前記計測装置は、
前記管内の状態に関するデータを計測する計測手段と、
前記計測手段の計測データを装置固有の識別子と共に前記ブロック内の他の計測装置に無線送信する第1送信手段と、
前記ブロック内の他の計測装置から前記計測データを受信する受信手段と、
前記ブロックの始端の計測装置から順番に、前記受信した計測データに当該装置の計測データを付加して送信するように前記第1送信手段を制御する制御手段と
を具備し、
前記終端の計測装置は、
前記受信した計測データを識別子に基づいて集計する集計手段と、
前記集計手段の集計データを前記センタ装置に送信する第2送信手段と
を具備することを特徴とする管内通信システム。
【請求項2】
前記計測装置は、
ネットワーク構築信号を前記識別子と共に前記ブロック内の他の無線送信する手段と、
前記ブロック内の他の計測装置から前記ネットワーク構築信号を受信する手段と、
前記受信されたネットワーク構築信号から受信レベルを測定する手段と、
前記受信レベルと前記ネットワーク構築信号に対応する識別子とをもとに前記ブロックにおける装置位置を判定する手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の管内通信システム。
【請求項3】
前記ブロック内の計測装置が無線通信可能な距離の半分程度の間隔で設置されているとき、
前記制御手段は、前記計測データを隣接する装置に送信できない場合には、一つ先の装置に送信させることを特徴とする請求項1又は2に記載の管内通信システム。
【請求項4】
前記第2送信手段は、他ブロックの終端の計測装置と前記センタ装置との間で通信が行われていないことを確認した後に、前記集計データを前記センタ装置に送信することをさらに特徴とする請求項1乃至3に記載の管内通信システム。
【請求項5】
前記第2送信手段は、他ブロックの終端の計測装置が前記集計データを送信した後に、一定時間待機してから前記集計データを送信するようにし、前記集計データに基づいて優先的に送信する場合は、前記一定時間を利用して前記集計データを送信することをさらに特徴とする請求項1乃至4に記載の管内通信システム。
【請求項6】
前記集計手段は、前記ブロック内の計測データの変動に応じてデータ量を削減することをさらに特徴とする請求項1乃至5に記載の管内通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−60134(P2011−60134A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210907(P2009−210907)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】