説明

粘性流体封入ダンパー

【課題】 メカシャーシを支持するコイルスプリングの使用を廃止してもディスク装置を確実に防振支持してディスク装置を小型化できる粘性流体封入ダンパーの提供。
【解決手段】 粘性流体封入ダンパー10には、ゴム状弾性体でなる周壁部16を備える。周壁部16には、メカシャーシの取付片の係合用内縁と係合し、取付片の板面を面接触で支持する取付溝16aを形成してある。このため、メカシャーシの重量は、取付溝16aでの面接触による支持によって分散支持される。したがって、従来のようにメカシャーシを支持するコイルスプリングの使用を廃止しても、ゴム状弾性体でなる周壁部16が過度の変形を生じることなくメカシャーシを防振支持することができ、ディスク装置を小型化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車載用、民生用を含めた音響機器、映像機器、情報機器、各種精密機器などに用いられるCD、CD−ROM、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、光磁気ディスクなどのディスク状記録媒体(以下、ディスクという。)を再生するディスク装置に備える振動減衰装置に関し、特にディスク装置に内蔵され、ディスクの再生機構を備えるメカニカルシャーシ(以下、メカシャーシという。)の振動を減衰する粘性流体封入ダンパーに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク装置は、スピンドルモータ、トラッキングモータ、光学ピックアップなどの再生機構を備えており、スピンドルモータでディスクを高速回転させながら、光学ピックアップをトラッキングモータで半径方向に移動させ、記録データを再生する。したがって、スピンドルモータやトラッキングモータを含む各種駆動モータの作動により生じる振動や偏心ディスクの回転により生じる振動によって、内乱振動が発生する。また、車載用のディスク装置であれば走行振動が、また携行可能なディスク装置であれば携行時に振動が、それぞれ外乱振動としてメカシャーシに作用する。内乱振動や外乱振動がメカシャーシに作用すると、記録データの読取りにソフトウェア手段では訂正不可能な再生エラーが生じることがある。そこで、メカシャーシとメカシャーシを内蔵する筐体との間には、振動減衰作用をもつ粘性流体封入のダンパーを介在させている。
【0003】
従来の粘性流体封入ダンパー1は、例えば図14で示すように、密閉容器2にシリコーンオイルのような振動減衰作用をもつ粘性流体3を封入した構造となっている。密閉容器2は、ポリプロピレンなどの硬質樹脂でなる円筒形状の周壁部4、周壁部4の一端を閉塞する熱可塑性エラストマーなどの軟質樹脂でなるドーム形状の可撓部5、周壁部4の他端を閉塞する硬質樹脂でなる略円盤形状の蓋体6とで構成される。
【0004】
その取付構造は、可撓部5の攪拌筒部5aに、メカシャーシ7の側方に突出するピン状のシャフト7aを差込ませるとともに、蓋体6を貫通する孔6aにネジNを挿通し、これを筐体8の側面8aに螺合させる構造である。
【0005】
このような従来の粘性流体封入ダンパー1は、その取付構造によれば、メカシャーシ7の重量によって、軟質樹脂製の可撓部5が変形してしまい、所望の減衰効果を期待できない。そこで、メカシャーシ7と筐体8との間に複数のコイルスプリング9を取付けて、メカシャーシ7の重量をコイルスプリング9にもたせるようにし、可撓部5に歪み変形を起こさせないようにするのが通常である(特許文献1、特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−220681号公報(図3)
【特許文献2】特開2001−271867号公報(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コイルスプリング9を併用すると、その分スペースが必要となるため、ディスク装置を全体的に小型化するのは困難である。
【0007】
また、粘性流体封入ダンパー1は、シャフト7aを攪拌筒部5aに差込ませてメカシャーシ7を支持するため、メカシャーシ7の側方と筐体8との間に、粘性流体封入ダンパー1を取付ける間隙が必要であり、ディスク装置の幅方向での小型化には限界がある。そこで幅方向での小型化を実現するために、図14の二点鎖線で示すようにダンパー1を筐体8の底面8bに取付けると、メカシャーシ7から下向きに突出するシャフト7aを攪拌筒部5aに差込ませるため、ディスク装置の高さ方向での小型化に限界が出てくる。
【0008】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明で、その目的は、ディスク装置の小型化に寄与できる粘性流体封入ダンパーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく本発明は、中空の密閉容器と、該密閉容器に充填した粘性流体とを備えており、ディスク状記録媒体の再生機構を有し、有端環状の係合用内縁を貫通形成した薄板状の取付片が形成されているメカシャーシを防振支持する粘性流体封入ダンパーであって、密閉容器に、ゴム状弾性体でなる周壁部を設けるとともに、該周壁部に、取付片の係合用内縁と係合し、該取付片の板面を面接触で支持する取付溝を形成した粘性流体封入ダンパーを提供する。
【0010】
本発明の粘性流体封入ダンパーは、メカシャーシを防振支持するためにメカシャーシの薄板状の取付片を保持する点で、メカシャーシのシャフトを攪拌筒部で保持する従来例の粘性流体封入ダンパーとは、防振支持の構造が基本的に異なっている。
【0011】
すなわち、本発明では、密閉容器に、ゴム状弾性体でなる周壁部を設けるとともに、該周壁部に、取付片の係合用内縁と係合し、該取付片の板面を面接触で支持する取付溝を形成する構成として、取付溝によってメカシャーシの取付片を面接触で支持するため、メカシャーシの重量が取付溝で分散支持される。このため、従来例のようにコイルスプリングを併用しなくても、ゴム状弾性体でなる周壁部が過度の変形を生じることなく、メカシャーシを防振支持することが可能である。よって、省スペース化によりディスク装置をさらに小型化するのに寄与できる。
【0012】
また、前述のように取付片の係合用内縁をゴム状弾性体でなる周壁部の取付溝に係合させる構成によれば、メカシャーシ(取付片)の面方向、面直方向、斜め方向への振れを、周壁部による弾性変形と、この弾性変形を受けて中空の密閉容器内で自由に流動する粘性流体の粘性と、によって減衰し、良好な防振特性を発揮できる。
【0013】
以上のように粘性流体封入ダンパーに取付けるメカシャーシの取付片は、メカシャーシの外縁から側方へ突出する突起状のものとして構成されるほか、メカシャーシの外縁に臨む板面に係合用内縁を貫通形成し、突起状のものとして構成しない場合も含まれるものとして構成される。具体的にはこれらの形態で構成されるメカシャーシの取付片と粘性流体封入ダンパーとを備えるメカシャーシの防振構造のうち、特に、取付片を、メカシャーシの外縁に臨む板面部分に係合用内縁を貫通形成したものとして構成した場合には、粘性流体封入ダンパーが、メカシャーシの面内位置にあってメカシャーシの外縁から突出しないので、さらにディスク装置を小型化することができる。
【0014】
ところで、メカシャーシは金属製や硬質樹脂などの剛性材にて形成される例が多い。このため、取付溝に取付片を係合させる前記構成とする場合、取付片は、メカシャーシの振動時には継続的に擦れたり衝突したりして、ゴム状弾性体でなる取付溝を摩耗させる。そして、摩耗が進行すると、取付溝が破断して粘性流体が密閉容器から漏出するおそれがある。そこで本発明は、前記粘性流体封入ダンパーに、例えば以下の構成を付加することで、この問題を解決するものである。
【0015】
すなわち、第1の構成は、取付片の係合用内縁が対向する取付溝の溝内側面に硬質部を設ける構成である。これによれば、取付片の係合用内縁は、取付溝の溝内側面(溝の底面)の硬質部に対して擦れたり衝突したりするため、この点でゴム状弾性体でなる取付溝の耐久性を向上できる。
【0016】
この第1の構成による硬質部は、溝内側面(溝の底面)の溝幅にわたって形成するのが、当該側面におけるゴム状弾性体の摩耗を確実に回避できる点においては好ましい。しかしながら、溝内側面の硬質部を上側硬質部と下側硬質部とに分割して設け、上部と下部の間にゴム状弾性体でなる中間軟質部を設けたものとして構成することもできる。これによれば、変形可能な中間軟質部により取付溝を溝幅方向で拡縮できるため、振動や衝撃により変位する取付片の振れを、この中間軟質部の変形によっても抑えることができる。なお、こうした中間軟質部の幅を取付片の板厚よりも小さくすることで、ゴム状弾性体の摩耗も抑制できる。
【0017】
第2の構成は、取付片の板面が対向する取付溝の溝内上面又は溝内下面の少なくとも何れかに硬質部を設ける構成である。これによれば、取付片の板面は、取付溝の溝内上面又は溝内下面の少なくとも何れかの硬質部に対して擦れたり衝突したりするため、この点でゴム状弾性体でなる取付溝の耐久性を向上できる。
【0018】
第3の構成は、第1の構成による溝内側面の硬質部と、溝内上面又は溝内下面の少なくとも何れかの硬質部との双方を設ける構成である。これによれば、第1,第2の構成の作用と効果を発揮できる。
【0019】
以上のような第1〜第3の構成を一例とする硬質部は、周壁部をなすゴム状弾性体との型成形による一体の成形体として構成できる。これによれば、インサート成形や二色成形などの成形方法によって、強固な固着が簡易に得られる。また、硬質部をリング状に形成し、取付溝に対し嵌め込んで設けたものとして構成することもできる。
【0020】
上記のような硬質部と同様の作用、効果を発揮する粘性流体封入ダンパーとして、本発明は、中空の密閉容器と、該密閉容器に充填した粘性流体とを備えており、ディスク状記録媒体の再生機構を有し、有端環状の係合用内縁を貫通形成した薄板状の取付片が形成されているメカシャーシを防振支持する粘性流体封入ダンパーであって、密閉容器に、ゴム状弾性体でなる軟質内周壁と、該軟質内周壁の外周面と固着する硬質材でなる硬質外周壁とを設け、該硬質外周壁に、取付片の係合用内縁と係合し、該取付片の板面を面接触で支持する取付溝を形成した粘性流体封入ダンパーを提供する。
【0021】
これによれば、硬質外周壁に、取付片の係合用内縁と係合し、該取付片の板面を面接触で支持する取付溝を形成したので、取付片は、硬質外周壁の取付溝に対して擦れたり衝突したりするため、取付溝の耐久性を向上できる。
【0022】
以上の各本発明の粘性流体封入ダンパーについては、密閉容器を、端部を閉塞した中空柱状として形成したものと構成できる。
【0023】
また、各本発明の粘性流体封入ダンパーについては、密閉容器を、端部を閉塞した中空筒形状として形成し、該中空筒形状の内周部分の一端側に、メカシャーシを収容する筐体に対し該密閉容器を固定する取付具の挿通孔を有する底板を設けたものとして構成できる。これによれば、密閉容器が中空筒形状であり中央が筒軸方向で空いているため、密閉容器を中空柱状とした粘性流体封入ダンパーと比べると、ゴム状弾性体でなる軟質の周壁部分を比較的大きく変形させることができ、粘性流体の攪拌性、流動性が高められる。こうした作用によって、本発明の粘性流体封入ダンパーによればメカシャーシに対する高い振動減衰効果を発揮することができる。また、粘性流体封入ダンパーを固定する取付具の固定箇所を、従来例のようにフランジ等の形態で外向きに設ける必要がないので、全体的な小型化を図ることができる。
【0024】
さらに、各本発明の粘性流体封入ダンパーは、密閉容器を、端部を閉塞した中空筒形状として形成し、該中空筒形状の内周部分に、メカシャーシを収容する筐体に対し該密閉容器を固定する取付具の挿通孔を有する硬質内筒部を設けたものとして構成できる。これによれば、粘性流体封入ダンパーを固定する取付具の固定箇所を、従来例のようにフランジ等の形態で外向きに設ける必要がないので、全体的な小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の粘性流体封入ダンパーでは、取付溝によってメカシャーシの取付片を面接触で支持することで、メカシャーシの重量を分散支持できるため、メカシャーシの支持用のコイルスプリングを併用しなくても、ゴム状弾性体でなる周壁部が過度の変形を生じるような不都合もなく、メカシャーシを防振支持することが可能である。よって、省スペース化によりディスク装置をさらに小型化するのに寄与できる。
【0026】
また、三次元方向へのメカシャーシの振れを、周壁部による弾性変形と、この弾性変形を受けて中空の密閉容器内で自由に流動する粘性流体の粘性と、によって減衰させることができるので、良好な防振特性を発揮できる。このため、例えば、高密度で記録されたディスクを短波長の光によって再生するDVD再生用のディスク装置のような高度な振動減衰性能が要求される場合でも対応することが可能である。
【0027】
さらに、取付溝に硬質部を設けた本発明によれば、取付片の係合用内縁が擦れたり衝突しても摩耗しにくく耐久性が高いため、例えば、継続的に振動を受けるような車載用のディスク装置用の粘性流体封入ダンパーとしても問題なく使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施形態の例について図面を参照しつつ説明する。
【0029】
第1実施形態〔図1〜図3〕; 本実施形態の粘性流体封入ダンパー10は、中空柱状の「密閉容器」として容器本体11と蓋体12を備えており、その内部には粘性流体13が充填されている。容器本体11は、ゴム状弾性体でなる軟質部14と、円筒形状の硬質材でなる硬質部15とで構成されており、このうち軟質部14は、円筒形状の周壁部16と、周壁部16の上端を閉塞する天面部17とで構成される。蓋体12は、硬質材で形成されており、ネジNによってディスク装置の筐体8の底面8bに固定する突起12a(図2参照)が形成されている。
【0030】
円筒形状の周壁部16には、全周にわたって取付溝16aが形成される。一方、メカシャーシ18には側面から突出する取付片18aが形成されており(図3参照)、取付片18aには取付溝16aの周形状と相対形状の係合用内縁18bが形成される。この係合用内縁18bは、図2で示すように側方から取付溝16aに差し込まれることとなる。メカシャーシ18には、こうした取付片18aが複数箇所(例えば、メカシャーシ18の四隅)に形成されており、その各々が粘性流体封入ダンパー10の取付溝16aに対して前述のように差し込まれて係合する。こうして図3で示すように、メカシャーシ18は粘性流体封入ダンパー10によって防振支持される。
【0031】
前述の軟質部14は、ゴム状弾性体を素材としており、具体的には、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等の減衰効果を有する合成ゴムを使用できる。また、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、塩化ビニル系等の熱可塑性エラストマーも使用できる。
【0032】
また、前述の硬質部15や蓋体12は、硬質材を素材としており、具体的には、寸法精度、耐熱性、機械的強度、耐久性、信頼性などの要求性能により熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属などを使用できるが、軽量化や加工性により優れる熱可塑性樹脂の使用が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート樹脂、アクリトニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ポリケトン樹脂、液晶ポリマー等や、それらの複合材を使用できる。これらの熱可塑性樹脂に、粉末形状や繊維形状の金属、ガラス、フィラー等の充填剤を添加し、寸法精度や耐熱性を向上したものでもよい。
【0033】
以上のような軟質部14、硬質部15、蓋体12は、「密閉容器」として要求される液密性を得るために好ましい相互間の固着方法や、この固着方法を実現する製造方法の観点から具体的な素材が選択される。例えば、軟質部14と硬質部15との金型による一体成形を実現する観点からは、軟質部14として熱可塑性エラストマーを使用し、硬質部15としてこの熱可塑性エラストマーと型成形により固着する熱可塑性樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂、アクリトニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)を使用し、硬質部15に蓋体12を超音波融着する観点からは、蓋体12として硬質部15の熱可塑性樹脂と超音波融着可能な熱可塑性樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂、アクリトニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)を使用することができる。そして、これによれば、例えばインサート成形や二色成形のような金型一体成形によって、軟質部14と硬質部15とを強固に固着することが可能であり、また超音波融着で蓋体12を固着することで、瞬時に且つ強固に、蓋体12を硬質部15に対して一体化することが可能であり、優れた液密性と高い生産性とを実現することができる。
【0034】
また、本実施形態の粘性流体13は、液体及び液体に反応、溶解しない固体粒子を添加したものが好ましい。なかでも、耐熱性、信頼性、防振特性や制振特性などの要求性能に応じてシリコーンオイル及びシリコーンオイルに反応、溶解しない固体粒子を分散させたもの等を使用できる。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が使用できる。シリコーンオイルに反応、溶解しない固体粒子としては、例えば、シリコーンレジン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、湿式シリカ粒、乾式シリカ粒、ガラスビーズ、ガラスバルーン等や、これらの表面処理品等を使用可能で、それらを単独で又は数種類を組み合わせて使用することも可能である。
【0035】
以上のような本実施形態の粘性流体封入ダンパー10によれば、次のような作用、効果を発揮することができる。
【0036】
ゴム状弾性体でなる周壁部16の取付溝16aは、メカシャーシ18の取付片18aの係合用内縁18bと係合し、取付片18aの板面(上面及び下面)を周壁部16の軸心方向(取付片18aの板厚方向)において面接触で支持する。このため、メカシャーシ18の重量は、取付片18aが取付溝16aと面接触する部分で、「密閉容器」に充填された粘性流体13の内圧を受けつつ分散支持される。したがって、従来例のディスク装置のように、メカシャーシ7を支持するコイルスプリング9を使用しなくても、また周壁部16(軟質部14)が弾性変形容易なゴム状弾性体で形成されていても、周壁部16がメカシャーシ18の重量によって目的の防振性能を発揮できなくなってしまう程度に変形してしまう不都合はなく、メカシャーシ18を確実に防振支持できる。よって、省スペース化によりディスク装置をさらに小型化することが可能である。
【0037】
メカシャーシ18の取付片18aの係合用内縁18bを取付溝16aに係合させるため、メカシャーシ18の面方向、面直方向、斜め方向への振れを、周壁部16による弾性変形と、この弾性変形を受けて容器本体11と蓋体12の内部で流動する粘性流体13の粘性とによって減衰し、良好な防振特性を発揮することができる。特に、本実施形態の粘性流体封入ダンパー11は、従来例の粘性流体封入ダンパー1のように、可撓部5の攪拌筒部5aが密閉容器2の内部に突出していない。攪拌筒部5aは、振動を受けて粘性流体3を攪拌することで振動減衰に作用するものではあるが、本実施形態では攪拌筒部5aのような「密閉容器」の内部への突出要素が無い分、粘性流体13の充填量を増量することによって優れた防振特性を発揮することができるものである。
【0038】
周壁部16の肉厚に着目すると、取付溝16aの溝内側面部分(溝底面部分)が薄肉で、取付溝16aの下側部分と上側部分はそれより厚肉に形成されている。したがって、下側部分と上側部分は、メカシャーシ18の重量を支持しても、腰折れするように変形することがない。このようにある程度の剛性を持たせる一方で、溝内側面部分(溝底面部分)が薄肉であることから、例えばメカシャーシ18が図3で水平方向に変位した場合には、その部分から弾性変形することができるから、前述のような良好な防振特性を発揮できる。
【0039】
第2実施形態〔図4〕; 本実施形態の粘性流体封入ダンパー19は、第1実施形態の粘性流体封入ダンパー10の変形形態である。相違点は、取付溝16aに円筒状で取付溝16aの外周形状と相対形状の硬質材でなる「硬質部」としてのガードリング20を嵌着したことであり、残余の構成は第1実施形態のものと同一である。
【0040】
ガードリング20は、取付溝16aの溝内側面(溝底面)を被覆できるような円筒形状として形成されており、ゴム状弾性体でなる軟質部14とは別部材とされる。ガードリング20を取付溝16aに嵌着するには、容器本体11の成形後に、軟質部14を潰すように変形させてガードリング20を挿通し、取付溝16aに嵌め込むようにする。ガードリング20は、前述した容器本体11の硬質部15や蓋体13で説明した硬質材としての素材と同様の素材を使用できるが、後述する作用、効果の観点から、より耐摩耗性や耐衝撃性に優れる硬質で剛性のある素材を使用する。
【0041】
次に、本実施形態の作用、効果を説明する。メカシャーシ18は金属や硬質樹脂などのような高剛性の硬質材で形成されるのが通常であり、取付片18aも同様である。したがって、このような硬質材でなる取付片18aの係合用内縁18bが取付溝16aに対して直接接触していると、メカシャーシ18の振動や衝撃を受けて変位する取付片18aの係合用内縁18bが、取付溝16aと強く擦れたり衝突した場合に、取付溝16aを摩耗させたり破断させてしまうことが懸念される。この点、本実施形態では、取付溝16aにガードリング20を嵌着しており、取付片18aの係合用内縁18bが取付溝16aに対して直接接触しないので、取付溝16aの摩耗を低減することができ、耐久性を向上することができる。
【0042】
第3実施形態〔図5〕; 本実施形態の粘性流体封入ダンパー21は、第2実施形態の粘性流体封入ダンパー19の変形形態であり、相違点は、ガードリング22の形状だけである。このガードリング22は、取付溝16aの溝内側面(溝底面)だけでなく、相互に対向する溝内上面と溝内下面も含めた取付溝16aのすべての溝面を被覆する形状としたものである。したがって、本実施形態によれば、取付溝16aのすべての溝面に対して取付片18aが直接接触しないので、取付溝16aの摩耗を抑制可能で、さらに耐久性を向上できる利点がある。
【0043】
第4実施形態〔図6〕; 第2、第3実施形態ではガードリング20,22を、取付溝16aに嵌着したのに対し、本実施形態の粘性流体封入ダンパー23は、それらのガードリング20,22に相当する環状硬質壁24を、取付溝16aに一体成形する構成としたものである。したがって、嵌着作業が無いため生産効率を高めることができる利点がある。また、環状硬質壁24は、溝内側面(溝底面)に対する溝内上面と溝内下面の連続部分を被覆するように形成されている。つまり、溝内上面と溝内下面については、それらのすべてを被覆するのではなく、取付溝16aの角部を被覆する構成とすることで、特に耐摩耗性が要求される角部における耐久性を向上できる。
【0044】
第5実施形態〔図7〕; 第4実施形態の環状硬質壁24は、溝内側面(溝底面)のすべてを被覆する構成であるが、本実施形態の粘性流体封入ダンパー25は、上側環状硬質壁26と下側環状硬質壁27を、取付溝16aに一体成形する構成とし、それらの隙間に周壁部16をなすゴム状弾性体でなる中間軟質部16bを介在させる構成としたものである。したがって、第4実施形態と同様に生産性がよい利点があることに加えて、特に次のような利点がある。
【0045】
すなわち、この粘性流体封入ダンパー25では、第4実施形態の環状硬質壁24のように取付溝16aを全面的に被覆せずに、中間軟質部16bにおいて取付溝16aの溝内側面を弾性変形させることができる。このため、振動や衝撃により変位する取付片18aの振れを、この中間軟質部16bの弾性変形によっても抑えることができる。このように、取付溝16a内に中間軟質部16bが露出すると、中間軟質部16bが摩耗して耐久性に劣るようにも考えられるが、中間軟質部16bの幅は取付片18aの板厚(取付溝16aの溝内側面の高さ相当)と比べて十分小さいので、かかる問題はない。
【0046】
第6実施形態〔図8,図9〕; 以上の第1〜第5実施形態は「密閉容器」の基本形状が中空柱状であるものを例示したが、第6及び第7実施形態では「密閉容器」の基本形状が中空筒状であるもの、つまり内周壁、外周壁および内周壁と外周壁の端部間を閉塞する閉塞壁を有し、内部に形成される環状の密閉空間に粘性流体を封入するものについて説明する。
【0047】
先ず第6実施形態の粘性流体封入ダンパー28は、容器本体29、蓋体30ともに、以上の実施形態とは異なる構成となっている。なお、粘性流体13は同じである。
【0048】
容器本体29と蓋体30で構成される「密閉容器」は、端部を閉塞した中空円筒形状として形成されている。容器本体29には、前述の実施形態と同様の硬質材でなる硬質外周壁31が形成されている。硬質外周壁31には、メカシャーシ18の取付片18aと係合する取付溝31aが形成されている。硬質外周壁31の上端、下端には、円筒状の上側軟質外周壁32と下側軟質外周壁33がそれぞれ固着形成されている。上側軟質外周壁32は、環状の天面部34を介して、円筒状の軟質内周壁35へと連続して一体に形成されている。この軟質内周壁35の下端は「底板」としての円環状の内側底板36に固着されており、前述の下側軟質外周壁33の下端は円環状の外側底板37に固着されている。これら内側底板36と外側底板37は、いずれも蓋体30に対して超音波融着にて固着されている。そして、内側底板36の中心には挿通孔36aが形成されており、「底板」としての蓋体30にもその挿通孔36aと整合する挿通孔30aが貫通形成されている。
このような本実施形態の「密閉容器」では、軟質内周壁35、内側底板36が「内周壁」を構成し、硬質外周壁31、上側軟質外周壁32、下側軟質外周壁33、外側底板37が「外周壁」を構成し、天面部34と蓋体30が「閉塞壁」を構成している。
なお、内側底板36と外側底板37とは本実施形態では別部材としているが、径方向でそれらを繋ぐ棒状の連結部を設けて一体形成したものでもよい。
【0049】
以上の構成とした粘性流体封入ダンパー28は、図9で示すように、軟質内周壁35の開口端側から挿入し、2つの挿通孔36c,30aへと挿通し、筐体8の底面8bのネジ孔8cと螺合させることで、粘性流体封入ダンパー28が固定される。
【0050】
本実施形態の粘性流体封入ダンパー28では、前記実施形態と共通の作用、効果に加えて、特に次の作用、効果を発揮できる。すなわち、硬質外周壁31の取付溝31aは、取付片18aの係合用内縁18bと係合し、取付片18aの板面を硬質外周壁31の軸心方向において面接触で支持する。このため、前記実施形態と同様にコイルスプリング9を使用しなくても、メカシャーシ18を確実に防振支持できる。また、取付片18aは硬質外周壁31に対して擦れたり衝突したりするため、優れた耐久性も発揮できる。
【0051】
また、粘性流体封入ダンパー28を固定するネジNの固定箇所を、前記実施形態の蓋体12のように突起12aとして設けていないので、蓋体30から外向きに突出する部分がなく、粘性流体封入ダンパー28の取付スペースが小さくなりディスク装置の小型化を図ることができる。
【0052】
容器本体29と蓋体30でなる「密閉容器」が中空筒状であり、軟質内周壁35の内側が空洞である。このため、第1〜第5実施形態のような中空柱状の「密閉容器」に粘性流体13を充填する構成と比べると、メカシャーシ18の振動を受ける容器本体29を、比較的大きく弾性変形させることができ、これによって粘性流体13の攪拌性、流動性が高められる。本実施形態の粘性流体封入ダンパー28は、こうした作用によって、メカシャーシ18に対する高い振動減衰効果を発揮することができる。
【0053】
第7実施形態〔図10〕; 第6実施形態では、上側軟質外周壁32の下端面を突き当てるようにして硬質外周壁31と固着し、硬質外周壁31の下端側面を下側軟質外周壁33の上端側面に対して突き当てるようにして固着している。これに対して、本実施形態の粘性流体封入ダンパー38では、環状の硬質外周壁39を、ゴム状弾性体でなる軟質内周壁40と一体成形により固着したものである。これによれば第6実施形態の作用、効果に加えて硬質外周壁39と軟質内周壁40との固着強度を高めることができるという利点がある。
【0054】
第8実施形態〔図11,図12〕; 本実施形態の粘性流体封入ダンパー41は、「密閉容器」として容器本体42と蓋体43を備えている。容器本体42には、筒軸方向の略中央位置に、円環状で断面コ字状の硬質外周壁44が形成されている。硬質外周壁44にはその全周にわたって取付溝44aが形成されており、ここにメカシャーシ18の取付片18aの係合用内縁18bが係止する。
硬質外周壁44の幅広な上端面にはゴム状弾性体でなる上側軟質外周壁45が固着形成されている。上側軟質外周壁45は、天面部34を介して軟質内周壁46と繋がっている。そして軟質内周壁46の下端には硬質内周部47が形成されている。硬質内周部47には、筒軸方向に沿ってネジNの挿通孔47aが形成されている。また、硬質内周部47の下端には凹部47bが形成されており、ここにはネジNの頭部が係止するようになっている。
他方、硬質外周壁44の幅広な下端面には、円環状で断面屈曲形状のゴム状弾性体でなる下側軟質外周壁48が固着形成されている。軟質下側外周壁48の下端には円環状の外側底板49が形成されている。
蓋体43は、中央部分に断面ハット形の突出部43aが形成されており、その突出部43aには貫通孔43bが形成されている。そして蓋体43は、外縁部分が外側底板49に対して超音波融着され、突出部43aが硬質内周部47の凹部47bに対して超音波融着されることで、容器本体42に対して固着されることとなる。
【0055】
次に、粘性流体封入ダンパー41の取付構造を説明する。粘性流体封入ダンパー41を取付けるには、図12で示すように、「取付具」としてのネジNを、蓋体43の側から硬質内周部47の挿通孔47aに挿通し、筐体8の底面8bのネジ孔8cに対して螺合させる。ネジNの螺合は、硬質内周部47が筐体8の底面8bと接触するまで行う。これによって粘性流体封入ダンパー41は、天面部34が筐体8の底面8bによって押し潰されるようにして取付けられる。この結果、軟質内周壁46、天面部34、上側軟質外周壁45が筒軸方向外向きに膨出し、べーローズ状の屈曲部50が形成されることとなる。
【0056】
以上のような本実施形態の粘性流体封入ダンパー41によれば、特に以下の作用・効果を発揮できる。
メカシャーシ18を保持する取付溝44a(硬質外周壁44)は、硬質材で剛性のある筐体8と蓋体43との間で、ベローズ状の屈曲部50と下側軟質外周壁48によって浮動状態で支持される。このため、振動や衝撃を受けることによる容器本体42の筒軸方向に沿うメカシャーシ18の変位を、筐体8と蓋体43との間に抑えることができる。よって、メカシャーシ18は、振動や衝撃を受けても筐体8内で大きく変位することがなく、ディスク装置を全体的に小型化できる。
【0057】
また、取付溝44aの上側にはベローズ状の屈曲部50があり、下側には屈曲形状の下側軟質外周壁48がある。したがって、容器本体42の筒軸方向に対する交差方向(水平方向)の振動や衝撃を受けた場合には、ベローズ状の屈曲部50や屈曲形状の下側軟質外周壁48の水平方向のズレ変形と内部に充填された粘性流体13の粘性抵抗によって、振動を減衰し、衝撃を吸収することができる。よって、前述の筒軸方向と合わせて、どの方向の振動や衝撃に対しても高い減衰効果を発揮することが可能である。
【0058】
各実施形態の変形例〔図13〕; 以上説明した各実施形態については、様々な変形実施が可能である。その一例を説明する。
【0059】
第1〜第5実施形態の周壁部16と天面部17とが連続する角部、第6実施形態の上側軟質周壁部32と天面部34とが連続する角部、第7実施形態の軟質外周壁39と天面部34とが連続する角部については、それぞれ湾曲形状として構成できる。これによれば、メカシャーシ18の振動や衝撃を減衰させる際に、角部とした場合と比べて湾曲形状とした方が、「角」の剛性による形状保持力がない分、柔軟性があるため応力集中が緩和され、変形量を少なくできる。したがって、耐久性を向上することができる。
【0060】
第1〜第5実施形態では、ゴム状弾性体でなる軟質部14と硬質材でなる硬質部15とに分けて、つまり異材で形成したが、硬質部15に相当する部分も軟質部14と同材質で形成し、硬度を異ならせるようにしてもよい。
【0061】
第6実施形態の硬質周壁部31は、例えば図13で示すように周方向で分割したものとして形成してもよい。これと同様に、第2、第3実施形態のガードリング20,22、第4実施形態の環状硬質壁24、第5実施形態の上側環状硬質壁26と下側環状硬質壁27、第7実施形態の硬質周壁部38についても、周方向で分割した構成としてもよい。なお、分割構成とする場合には、完全に分断するのではなく連結部分を有する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。
【図2】図1の粘性流体封入ダンパーの取付説明図。
【図3】図1の粘性流体封入ダンパーの使用状態を模式的に示すディスク装置の断面図。
【図4】第2実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。
【図5】第3実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。
【図6】第4実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。
【図7】第5実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。
【図8】第6実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。
【図9】図7の粘性流体封入ダンパーの取付状態を示す断面図。
【図10】第7実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。
【図11】第8実施形態による粘性流体封入ダンパーの断面図。
【図12】図11の粘性流体封入ダンパーの取付状態を示す断面図。
【図13】第6実施形態の硬質周壁部(31)の変形例を示す外観斜視図。
【図14】一従来例による粘性流体封入ダンパーの使用状態を模式的に示すディスク装置の断面図。
【符号の説明】
【0063】
10 粘性流体封入ダンパー(第1実施形態)
11 容器本体(密閉容器)
12 蓋体(密閉容器)
12a 突起
13 粘性流体
14 軟質部
15 硬質部
16 周壁部
16a 取付溝
16b 中間軟質部
17 天面部
18 メカシャーシ
18a 取付片
18b 係合用内縁
19 粘性流体封入ダンパー(第2実施形態)
20 ガードリング(硬質部)
21 粘性流体封入ダンパー(第3実施形態)
22 ガードリング(硬質部)
23 粘性流体封入ダンパー(第4実施形態)
24 環状硬質壁(硬質部)
25 粘性流体封入ダンパー(第5実施形態)
26 上側環状硬質壁(上側硬質部)
27 下側環状硬質壁(下側硬質部)
28 粘性流体封入ダンパー(第6実施形態)
29 容器本体
30 蓋体(底板)
30a 挿通孔
31 硬質外周壁
31a 取付溝
32 上側軟質外周壁
33 下側軟質外周壁
34 天面部
35 軟質内周壁
36 内側底板(底板)
36a 挿通孔
37 外側底板
38 粘性流体封入ダンパー(第7実施形態)
39 硬質外周壁
40 軟質内周壁
41 粘性流体封入ダンパー(第8実施形態)
42 容器本体
43 蓋体
43a 突出部
43b 貫通孔
44 硬質外周壁
44a 取付溝
45 上側軟質外周壁
46 軟質内周壁
47 硬質内周部
47a 挿通孔
47b 凹部
48 下側軟質外周壁
49 外側底板
50 ベローズ状変形部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の密閉容器と、該密閉容器に充填した粘性流体とを備えており、ディスク状記録媒体の再生機構を有し、有端環状の係合用内縁を貫通形成した薄板状の取付片が形成されているメカシャーシを防振支持する粘性流体封入ダンパーであって、
密閉容器に、ゴム状弾性体でなる周壁部を設けるとともに、該周壁部に、取付片の係合用内縁と係合し、該取付片の板面を面接触で支持する取付溝を形成した粘性流体封入ダンパー。
【請求項2】
取付片の係合用内縁が対向する取付溝の溝内側面に、硬質部を設けた請求項1記載の粘性流体封入ダンパー。
【請求項3】
溝内側面の硬質部を上側硬質部と下側硬質部とに分割して設け、上部と下部の間にゴム状弾性体でなる中間軟質部を設けた請求項2記載の粘性流体封入ダンパー。
【請求項4】
取付片の板面が対向する取付溝の溝内上面又は溝内下面の少なくとも何れかに、硬質部を設けた請求項1〜請求項3何れか1項記載の粘性流体封入ダンパー。
【請求項5】
硬質部を、周壁部をなすゴム状弾性体との型成形による一体の成形体とした請求項2〜請求項4何れか1項記載の粘性流体封入ダンパー。
【請求項6】
硬質部をリング状に形成し、取付溝に対し嵌め込んで設けた請求項2〜請求項4何れか1項記載の粘性流体封入ダンパー。
【請求項7】
中空の密閉容器と、該密閉容器に充填した粘性流体とを備えており、ディスク状記録媒体の再生機構を有し、有端環状の係合用内縁を貫通形成した薄板状の取付片が形成されているメカシャーシを防振支持する粘性流体封入ダンパーであって、
密閉容器に、ゴム状弾性体でなる軟質内周壁と、該軟質内周壁の外周面と固着する硬質材でなる硬質外周壁とを設け、該硬質外周壁に、取付片の係合用内縁と係合し、該取付片の板面を面接触で支持する取付溝を形成した粘性流体封入ダンパー。
【請求項8】
密閉容器を、端部を閉塞した中空柱状として形成した請求項1〜請求項7何れか1項記載の粘性流体封入ダンパー。
【請求項9】
密閉容器を、端部を閉塞した中空筒形状として形成し、該中空筒状の内周部分の一端側に、メカシャーシを収容する筐体に対し該密閉容器を固定する取付具の挿通孔を有する底板を設けた請求項1〜請求項7何れか1項記載の粘性流体封入ダンパー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−38218(P2006−38218A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−185258(P2005−185258)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】