説明

粘着剤組成物及び半導体加工用粘着テープ

【課題】高い初期粘着力を有し強固に被着体を固定可能であるとともに、200℃以上の高温加工プロセスを経た後であっても、光の照射又は加熱により容易に剥離することができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた半導体加工用粘着テープを提供する。
【解決手段】粘着剤成分と、酸発生剤と、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトから選択される少なくとも1種の塩とを含有する粘着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い初期粘着力を有し強固に被着体を固定可能であるとともに、200℃以上の高温加工プロセスを経た後であっても、光の照射又は加熱により容易に剥離することができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた半導体加工用粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
粘着剤成分を含有する粘着剤組成物は、接着剤、シーリング剤、塗料、コーティング剤等のバインダー剤、粘着テープ又は自立テープ等の粘着剤等に広く用いられている。
これらの粘着剤組成物に求められる性能はその用途により様々であるが、用途によっては、必要な間だけ粘着性を示すがその後は容易に剥がせることが要求されることがある。
【0003】
例えば、半導体チップの製造工程において、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研磨して薄膜ウエハとする工程等において、厚膜ウエハを支持板に接着して補強することにより、効率よく作業を進めることが提案されている。また、所定の厚さに研削された薄膜ウエハを個々の半導体チップにダイシングする際にも、ダイシングテープと呼ばれる粘着テープが用いられる。このような半導体の製造工程に用いる粘着剤組成物には、工程中には強固に接着する一方で、工程終了後には得られた薄膜ウエハや半導体チップ等を損傷することなく剥離できること(以下、「高接着易剥離性」ともいう。)が求められる。
【0004】
次世代の技術として、複数の半導体チップを積層させてデバイスを飛躍的に高性能化、小型化したTSV(Si貫通ビヤ/Through Si via)を使った3次元積層技術が注目されている。TSVは、半導体実装の高密度化が可能であり、アクセススピードが飛躍的に速く、使用中に発生する熱の放出にも優れる。
このようなTSVの製造では、研削して得た薄膜ウエハをバンピングしたり、裏面にバンプ形成したり、3次元積層時にリフローを行ったりする等の200℃以上の高温処理プロセスを行うことが必要となる。従って、TSVの製造工程に用いる粘着剤組成物には、高接着易剥離性に加えて、200℃以上の高温環境下でも粘着性を維持できる耐熱性が求められる。
【0005】
高接着易剥離性を実現した粘着剤組成物として特許文献1には、紫外線等の光を照射することにより硬化して粘着力が低下する光硬化型粘着剤を用いた粘着テープが開示されている。このような粘着テープは、加工工程中には確実に半導体を固定できるとともに、紫外線等を照射することにより容易に剥離することができるとされている。しかしながら特許文献1に記載された粘着テープでは、紫外線等を照射した後の粘着力の低下が不充分であり、薄膜ウエハや半導体チップ等を損傷することなく剥離するのは困難であった。
【0006】
特許文献2には、熱膨張性微小球を含有する粘着層を有する加熱剥離型粘着シートが開示されている。特許文献2の加熱剥離型粘着シートを一定の温度以上に加熱すると、熱膨張性微小球が膨張して粘着層全体が発泡して表面に凹凸が形成され、被着体との接着面積が減少することから、容易に被着体を剥離することができる。しかしながら特許文献2に記載された加熱剥離型粘着シートでは、加熱して熱膨張性微小球が膨張し、粘着剤表面に微細な凹凸が生じる。この形状変化により被着体と面で接着していたものが、膨張過程で被着体より粘着層を引き剥がす応力が発現し剥離が進行するが、微細な凹凸は被着体と点接着となり、接着力が残るため、薄膜ウエハや半導体チップ等を損傷することなく剥離するのは困難であった。また、剥離した被着体の表面に糊残りするという問題もあった。更に、比較的耐熱性の高い熱膨張性微小球を用いた場合でも、せいぜい130℃程度の耐熱性しかなく、TSVの製造工程に用いることは困難であった。
【0007】
特許文献3には、アゾ化合物等の刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着層を有する両面粘着テープが記載されている。特許文献3の両面粘着テープに刺激を与えると、気体発生剤から発生した気体がテープの表面と被着体との界面に放出され、その圧力によって被着体の少なくとも一部が剥離される。特許文献3の両面粘着テープを用いれば、薄膜ウエハや半導体チップ等を損傷することなく、かつ、糊残りもすることなく剥離できる。しかしながら、特許文献3の両面粘着テープも、高温工程時にアゾ化合物から気体が発生してしまうことがあり、耐熱性の点では問題があってTSVの製造工程に用いることは困難であった。
【0008】
現在のところTSVの製造工程では、カーボンブラックのような光吸収体微粒子粉を含む粘接着剤を用いて接着を行い、レーザー誘導熱を利用して分解・分離を行うことが行われている(非特許文献1)。しかしながら、非特許文献1の技術を用いるには、レーザー照射装置が必要となるという設備的な問題があることに加え、レーザー照射による粘接着剤の分解によって微粒子粉が飛散し、製造環境のクリーン度を低下させるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−32946号公報
【特許文献2】特開平11−166164号公報
【特許文献3】特開2003−231872号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】「接着の技術」 Vol.28 No.1 (2008) 通巻90号 P.28
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、高い初期粘着力を有し強固に被着体を固定可能であるとともに、200℃以上の高温加工プロセスを経た後であっても、光の照射又は加熱により容易に剥離することができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた半導体加工用粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、粘着剤成分と、酸発生剤と、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトから選択される少なくとも1種の塩とを含有する粘着剤組成物である。
以下に本発明を詳述する。
【0013】
本発明者は、粘着剤成分に対して、アゾ化合物等に代えて、酸発生剤と、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトから選択される少なくとも1種の塩との組み合わせを気体発生剤として用いることにより、高い初期粘着力を有し強固に被着体を固定可能であるとともに、200℃以上の高温加工プロセスを経た後であっても、光の照射又は加熱により容易に剥離することができる粘着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
本発明の粘着剤組成物における剥離の機構は以下のようであると考えられる。
本発明の粘着剤組成物に、光を照射したり、一定以上の温度に加熱する等の上記酸発生剤から酸を発生させる刺激を付与することにより、上記酸発生剤から酸が発生する。次いで、発生した酸により、アルカリ土類金属炭酸塩等の塩が分解して二酸化炭素が発生し、その働きにより粘着剤組成物の剥離力が発生する。
上記アルカリ金属炭酸塩等の塩は、酸の不存在下ではそれ自身の分解温度が高いため、200℃以上の高温プロセスを経ても分解しにくく、粘着剤の粘着力に悪影響を及ぼさない。また、酸発生剤も、分解温度は高いため、通常の半導体チップ等の電子部品に施す高温プロセスを経ても酸を発生することがなく、粘着剤の粘着力に悪影響を及ぼさない。
【0015】
本発明の粘着剤組成物は、粘着剤成分を含有する。
上記粘着剤成分は、光や熱等の刺激を与えても硬化しない非硬化型の粘着剤、光や熱等の刺激を与えることにより硬化する硬化型の粘着剤のいずれを含有するものであってもよい。
上記粘着剤成分が非硬化型の粘着剤を含有する場合には、本発明の粘着剤組成物に上記酸発生剤から酸を発生させる刺激を与えることにより特許文献2に記載された態様の剥離機構で剥離が生じる。即ち、上記酸発生剤から酸を発生させる刺激を与えることにより上記酸発生剤から酸が発生し、該酸によって上記アルカリ金属炭酸塩等の塩が分解して二酸化炭素が発生し、発生した二酸化炭素により柔らかい粘着剤成分の全体が発泡して表面に凹凸が形成されることにより剥離応力が発生し、また被着体との接着面積が減少して剥離する。
【0016】
上記粘着剤成分が硬化型の粘着剤を含有する場合には、本発明の粘着剤組成物に上記酸発生剤から酸を発生させる刺激を与えることにより特許文献3に記載された態様の剥離機構で剥離が生じる。即ち、上記酸発生剤から酸を発生させる刺激を与えることにより上記酸発生剤から酸が発生し、該酸によって上記アルカリ金属炭酸塩等の塩が分解して二酸化炭素が発生し、発生した二酸化炭素は、刺激を与えることにより硬化した粘着剤成分から被着体との界面へと放出され、その応力によって被着体の少なくとも一部が剥離する。
なかでも、糊残りを生ずることなく確実な剥離を行うことができることから、刺激により弾性率が上昇する硬化型の粘着剤を含有することが好ましい。
なお、上記非硬化型の粘着剤を含有する場合であっても、粘着剤の凝集力を高める目的で、各種多官能性化合物によって架橋されている非硬化型の粘着剤を含有する場合には、上記硬化型の粘着剤を用いた場合と同様に、発生した二酸化炭素が被着体との界面に放出され、その応力によって被着体の少なくとも一部が剥離する。
【0017】
上記非硬化型の粘着剤は、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン・ジエンブロック共重合体系粘着剤等が挙げられる。
【0018】
上記硬化型の粘着剤は、例えば、重合性ポリマーを主成分として、光重合開始剤や熱重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤や熱硬化型粘着剤が挙げられる。
このような光硬化型粘着剤や熱硬化型粘着剤は、光の照射又は加熱により粘着剤の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。また、弾性率の上昇した硬い硬化物中で二酸化炭素を発生させると、発生した二酸化炭素の大半は外部に放出され、放出された二酸化炭素は、被着体から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし粘着力を低下させる。
【0019】
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
【0020】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
【0021】
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
【0022】
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
【0023】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
【0024】
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0025】
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
ただし、本発明の粘着剤組成物が高い耐熱性を発揮するためには、上記熱重合開始剤は、熱分解温度が200℃以上である熱重合開始剤を用いることが好ましい。このような熱分解温度が高い熱重合開始剤は、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーペンタH(以上いずれも日油社製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0026】
上記光硬化型粘着剤や熱硬化型粘着剤は、更に、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性、熱硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
【0027】
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0028】
本発明の粘着剤組成物は、酸発生剤を含有する。
本明細書において酸発生剤とは、光を照射したり、一定以上の温度に加熱する等の刺激を与えることにより酸を発生する材料を意味する。
上記酸発生剤は、例えば、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、等の従来公知の酸発生剤を用いることができる。
なかでも、光を照射することにより酸を発生し、かつ、200〜250℃程度に加熱しても分解して酸を発生しない、耐熱性に優れる光酸発生剤が好適である。
より具体的には、示差熱−熱重量同時測定装置(以下、TG−DTA測定装置)を用いて、窒素ガス雰囲気下に昇温速度5℃/分の条件で23℃から300℃まで昇温させたときの熱重量減少率が10%以下である光酸発生剤が好適である。
【0029】
上記耐熱性に優れる光酸発生剤は、具体的には例えば、下記一般式(1)で表される光酸発生剤が挙げられる。
【0030】
【化1】

【0031】
式(1)中、R〜R15は、水素原子又はメチル基を表し、Xは、CFSO又はCSOを表す。
【0032】
上記耐熱性に優れる光酸発生剤の市販品としては、例えば、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート(WPAG−281、和光純薬工業社製)、ジフェニル−4−メチルフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート(WPAG−336、和光純薬工業社製)、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルフォニウムp−トルエンスルフォネート(WPAG−367、和光純薬工業社製)等が挙げられる。
【0033】
本発明の粘着剤組成物における上記酸発生剤の含有量は、上記粘着剤成分100重量部に対して好ましい下限は2.5重量部、好ましい上限は50重量部である。上記酸発生剤の含有量が2.5重量部未満であると、上記アルカリ金属炭酸塩等の塩から充分に二酸化炭素を発生させることができず、充分に粘着力を低下できないことがあり、50重量部を超えると、高い初期粘着力が得られず、強固に被着体を固定できないことがある。上記酸発生剤の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は25重量部である。
【0034】
本発明の粘着剤組成物は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトから選択される少なくとも1種の塩を含有する。これらの塩は、上記酸発生剤から発生した酸により分解して、二酸化炭素を放出する役割を有する。
【0035】
上記アルカリ金属炭酸塩は、例えば、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、等が挙げられる。上記アルカリ金属炭酸水素塩は、例えば、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
上記アルカリ土類金属炭酸塩は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等が挙げられる。
【0036】
上記アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトは、平均粒子径が100μm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。平均粒子径が100nm以下であるアルカリ金属炭酸塩等を用いることにより、本発明の粘着剤組成物に光を照射したときの剥離性がより優れたものとなる。
これは、平均粒子径が100nm以下であるアルカリ金属炭酸塩等を用いることにより、光の散乱や遮蔽が抑制され、照射された光が有効に反応に利用されて、二酸化炭素の発生効率が高まるためと考えられる。
なお、上記アルカリ金属炭酸塩等の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(以下、SEM)を用いて倍率10万倍の観察像から任意の20個の粒子を選択して長径を測定したときの平均値を意味する。
【0037】
上記アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトのなかでも、安全であり、かつ、安価であることから炭酸カルシウムが好適である。
上記炭酸カルシウムは、石灰石(CaCO)を石炭及びコークスで高温にし、生石灰(CaO)と炭酸ガス(CO)とに分解させた後、生成した生石灰を水と反応させて石灰乳(CaOH)を得、得られた石灰乳を前工程で発生した炭酸ガスと反応させる方法により製造する方法が知られている(いわゆる炭酸ガス法)。炭酸ガス法によれば、反応条件を調整することにより、平均粒子径が100nm以下である炭酸カルシウムを比較的容易に製造することができる。
【0038】
本発明の粘着剤組成物における上記アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトから選択される少なくとも1種の塩の含有量は、上記粘着剤成分100重量部に対して好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は20重量部である。上記アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトから選択される少なくとも1種の塩の含有量が0.5重量部未満であると、充分に二酸化炭素を発生させることができず、充分に粘着力を低下できないことがあり、20重量部を超えると、高い初期粘着力が得られず、強固に被着体を固定できないことがある。上記アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトから選択される少なくとも1種の塩の含有量のより好ましい上限は10重量部である。
【0039】
本発明の粘着剤組成物は、光増感剤を含有してもよい。
上記光増感剤は、上記酸発生剤から酸を発生させる刺激が光である場合に、光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により酸を発生させ、二酸化炭素を発生させることができる。また、より広い波長領域の光により酸を発生させ、二酸化炭素を発生させることができる。
【0040】
上記光増感剤は、耐熱性に優れるものであれば特に限定されない。
耐熱性に優れた光増感剤は、例えば、アルコキシ基を1つ以上有する多環芳香族化合物が挙げられる。なかでも、一部がグリシジル基又は水酸基で置換されたアルコキシ基を有する置換アルコキシ多環芳香族化合物が好適である。これらの光増感剤は、耐昇華性が高く、高温下で使用することができる。また、アルコキシ基の一部がグリシジル基や水酸基で置換されることにより、上記粘着剤成分への溶解性が高まり、ブリードアウトを防止することができる。
【0041】
上記多環芳香族化合物は、アントラセン誘導体が好ましい。上記アルコキシ基は、炭素数1〜18のものが好ましく、炭素数1〜8のものがより好ましい。
【0042】
上記アルコキシ基を少なくとも1つ以上有する多環芳香族化合物は、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、9−メトキシ−10−メチルアントラセン等のアントラセン誘導体等が挙げられる。
【0043】
上記一部がグリシジル基又は水酸基で置換されたアルコキシ基を有する置換アルコキシ多環芳香族化合物は、例えば、9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン等が挙げられる。
【0044】
上記光増感剤の含有量は、上記粘着剤成分100重量部に対する好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が10重量部である。上記光増感剤の含有量が0.05重量部未満であると、充分な増感効果が得られないことがあり、10重量部を超えると、光増感剤に由来する残存物が増え、充分な剥離を行えなくなることがある。上記光増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
【0045】
本発明の粘着剤組成物は、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜含有してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
【0046】
本発明の粘着剤組成物は、高い初期粘着力を有し強固に被着体を固定可能である一方、光を照射したり、一定以上の温度に加熱する等の上記酸発生剤から酸を発生させる刺激を与えることにより容易に剥離することができる。特に、耐熱性にも優れることから、TSVの製造工程においてウエハを支持板に固定する等の、200℃以上の高温処理を行う用途にも用いることができる。
【0047】
本発明の粘着剤組成物は、様々な接着性製品に用いることができる。
上記接着性製品としては、例えば、本発明の粘着剤組成物をバインダー樹脂として用いた接着剤、粘着剤、塗料、コーティング剤、シーリング剤等、又は、本発明の粘着剤組成物を粘着剤として用いた片面粘着テープ、両面粘着テープ、ノンサポートテープ(自立テープ)等の粘着テープ等が挙げられる。
なかでも、半導体チップの製造工程において、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研磨して薄膜ウエハとする工程等において、効率よく作業を進める目的で厚膜ウエハを支持板に接着して補強したり、所定の厚さに研削された薄膜ウエハを個々の半導体チップにダイシングする際に薄膜ウエハに接着して補強したりする半導体加工用粘着テープとして好適である。
基材の少なくとも一方の面に、本発明の粘着剤組成物からなる粘着層を有する半導体加工用粘着テープもまた、本発明の1つである。
【0048】
本発明の半導体加工用粘着テープは、高い初期粘着力を有し強固にウエハに固定可能であるとともに、研削して得た薄膜ウエハをバンピングしたり、裏面にバンプ形成したり、3次元積層時にリフローを行ったりする等の200℃以上の高温処理プロセスを経た後であっても、光の照射又は加熱により容易に剥離することができる。従って、TSVの製造工程に特に好適に用いることができる。
【0049】
上記基材は、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、高い初期粘着力を有し強固に被着体を固定可能であるとともに、200℃以上の高温加工プロセスを経た後であっても、光の照射又は加熱により容易に剥離することができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた半導体加工用粘着テープを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0052】
(実施例1)
(1)粘着剤成分の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート95重量部、アクリル酸2.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.5重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部、酢酸エチル82重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万のアクリル共重合体を得た。
【0053】
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)0.1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)2.5重量部を混合し粘着剤成分の酢酸エチル溶液を調製した。
【0054】
(2)粘着剤組成物の調製
粘着剤成分の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、酸発生剤としてジフェニル−4−メチルフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート(WPAG−336、和光純薬工業社製、上記一般式(1)においてR13がメチル基であり、それ以外のR〜R12、R14、R15は水素原子である化合物、TG−DTA測定装置を用いて、窒素ガス雰囲気下に昇温速度5℃/分の条件で23℃から300℃まで昇温させたときの熱重量減少率が0%)8重量部、二酸化炭素を発生する塩として炭酸カルシウム(平均粒子径が45μm)1重量部を混合して、粘着剤組成物を得た。
【0055】
(3)粘着テープの製造
得られた粘着剤組成物を、片面にコロナ処理を施した厚さ50μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面上に、乾燥皮膜の厚さが30μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、粘着テープを得た。
【0056】
(実施例2)
酸発生剤としてトリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート(WPAG−281、和光純薬工業社製、上記一般式(1)においてR〜R15が全て水素原子である化合物、TG−DTA測定装置を用いて、窒素ガス雰囲気下に昇温速度5℃/分の条件で23℃から300℃まで昇温させたときの熱重量減少率が0%)8重量部を用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物及び粘着テープを得た。
【0057】
(実施例3)
酸発生剤としてジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルフォニウムp−トルエンスルフォネート(WPAG−367、和光純薬工業社製、上記一般式(1)においてR11、R13、R15がメチル基、それ以外のR〜R10、R12、R14が全て水素原子である化合物、TG−DTA測定装置を用いて、窒素ガス雰囲気下に昇温速度5℃/分の条件で23℃から300℃まで昇温させたときの熱重量減少率が0%)9重量部を用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物及び粘着テープを得た。
【0058】
(実施例4)
酸発生剤としてジフェニル−4−メチルフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート(WPAG−336、和光純薬工業社製)4重量部、二酸化炭素を発生する塩として炭酸水素ナトリウム(ファイン重曹EB100、旭硝子社製、平均粒子径が100μm)0.8重量部を用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物及び粘着テープを得た。
【0059】
(実施例5)
酸発生剤としてジフェニル−4−メチルフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート(WPAG−336、和光純薬工業社製)8重量部、二酸化炭素を発生する塩として炭酸ナトリウム(平均粒子径が50μm)1.1重量部を用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物及び粘着テープを得た。
【0060】
(実施例6)
粘着剤成分の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、酸発生剤としてジフェニル−4−メチルフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート(WPAG−336、和光純薬工業社製)16重量部、二酸化炭素を発生する塩として炭酸カルシウム(平均粒子径が45μm)2重量部を用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物及び粘着テープを得た。
【0061】
(実施例7)
炭酸ガス法により製造された、平均粒子径が100nmの炭酸カルシウムを用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物及び粘着テープを得た。
【0062】
(比較例1)
酸発生剤としてジフェニル−4−メチルフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート(WPAG−336、和光純薬工業社製)8重量部と二酸化炭素を発生する塩として炭酸カルシウム1重量部との代わりに、光の照射により窒素ガスを発生する2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)20重量部とジエチルチオキサントン(光増感剤)3.5重量部とを配合した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物及び粘着テープを得た。
【0063】
(評価)
実施例及び比較例で得た粘着剤成分、粘着剤組成物及び粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
【0064】
(1)粘着性評価、二酸化炭素発生性評価、及び、剥離性評価
直径20cmの円形に切断した接着テープを、直径20cm、厚さ約750μmのシリコンウエハに貼り付けた。
粘着性評価として、この状態で接着テープの端部をめくり、全く剥離できなかった場合を「○」と、比較的軽く剥離できた場合を「△」と、ほとんど抵抗なく剥離できた場合を「×」と評価した。
【0065】
次いで、透明なポリエチレンテレフタレートフィルム側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をフィルム表面への照射強度が40mW/cmとなるよう照度を調節して2分間照射した。
紫外線照射後の二酸化炭素発生性評価として、フィルム側から目視にて観察して、接着界面の90%以上の面積でフィルムからシリコンウエハが剥離していた場合を「◎」と、70%以上の面積でフィルムからシリコンウエハが剥離していた場合を「○」と、50%以上の面積でフィルムからシリコンウエハが剥離していた場合を「△」と、50%未満の面積でフィルムからシリコンウエハが剥離していた場合を「×」と評価した。
紫外線照射後の剥離性評価として、自然に剥がれてしまっていた場合を「◎」と、接着テープを引張り、全く抵抗なく剥離できた場合を「○」と、抵抗はあったものの剥離できた場合を「△」と、全く剥離できなかった場合を「×」と評価した。
【0066】
(2)耐熱性評価
直径20cmの円形に切断した接着テープを、直径20cm、厚さ約750μmのシリコンウエハに貼り付けた。この積層体を、200℃、1時間加熱した後、室温に戻した。
加熱後の積層体について、上記の粘着性評価、二酸化炭素発生性評価、及び、剥離性評価を行った。
ただし、比較例1で得られた接着テープでは、200℃、1時間の加熱中にガスを発生して剥がれてしまったことから、粘着性の評価を「×」とし、剥離性評価は中止した。
【0067】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によれば、高い初期粘着力を有し強固に被着体を固定可能であるとともに、200℃以上の高温加工プロセスを経た後であっても、光の照射又は加熱により容易に剥離することができる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた半導体加工用粘着テープを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤成分と、酸発生剤と、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カドミウム、及び、炭酸コバルトから選択される少なくとも1種の塩とを含有することを特徴とする粘着剤組成物。
【請求項2】
酸発生剤は、光を照射することにより酸を発生し、かつ、200〜250℃程度に加熱しても酸を発生しない、耐熱性に優れる光酸発生剤であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
酸発生剤は、示差熱−熱重量同時測定装置を用いて、窒素ガス雰囲気下に昇温速度5℃/分の条件で23℃から300℃まで昇温させたときの熱重量減少率が10%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
粘着剤成分は、刺激により弾性率が上昇する硬化型の粘着剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
基材の少なくとも一方の面に、請求項1、2、3又は4記載の粘着剤組成物からなる粘着層を有することを特徴とする半導体加工用粘着テープ。

【公開番号】特開2012−107194(P2012−107194A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155109(P2011−155109)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】