説明

紐状反応性樹脂発泡成形体の製造方法

【課題】本発明は一枚のシート状基材を繰り出してシート状基材の進行方向に放射状成形ガイドと押圧冶具を用いて複数列の溝成形体を製造すると共に該溝内に反応性樹脂気泡化原料を充填、反応、硬化させて同時に複数本の紐状樹脂成形体を製造するに当たり、シート状基材の幅中心部の製品から端部の製品まで良好な製品を製造すること、並びにより多列数の製品を同時に製造すること並びに他の部材との一体品を製造することを目的とする。
【解決手段】連続して繰り出す一枚のシート状基材を放射状成形ガイド並びに押圧冶具を用いて溝成形体を製造した後、複数列の進行方向に広幅で、幅方向の中心線がシート状基材の進行方向に平行な略台形状のせり上げ平行ガイドレールに沿わせた後、反応性樹脂気泡化原料を放射状成形ガイド以降からシート状基材からなる溝の上部が閉ざされる前までで吐出充填させて、溝成形体の上部を閉じ反応硬化することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート状基材を用いて紐状反応性樹脂発泡成形体を複数列同時に製造する方法に関するものである。
更に詳細にはシート状基材を進行方向に収れんする複数の放射状成形ガイドに沿わせつつ、進行方向にシート状基材幅を狭め、より深くなる溝を連続的に形成した後、気泡化された反応性気泡化原料を吐出充填させ、次いで溝上部のシート状基材を閉じて、反応性気泡化原料を反応硬化させて紐状反応性樹脂発泡成形体を複数列同時に製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは、紐状樹脂発泡成形体を複数列連続して製造する技術を開発し出願を行った(特許文献1、特許文献2)。該技術は、進行方向に収れんする複数列の放射状成形ガイドに一枚のシート状基材を沿わせて、複数列の溝を形成させ、この溝中に反応性樹脂発泡原料を吐出充填して、一度に複数列の紐状反応性樹脂発泡成形体を製造させるものである。該製造方法に於いて進行方向に収れんする放射状成形ガイドにシート状基材を沿わせ、そのガイドの収れん近傍までシート状基材を進め、複数列の溝内に反応性樹脂発泡原料を充填し、更に進行させて、シート状基材の溝上部を閉じてシート状基材からなるモールドを用いて紐状反応性樹脂発泡成形体を製造するものである。
【0003】
この場合、各複数列の溝は放射状成形ガイドに沿って進行方向のシート状基材幅の中央に向かって収れんして行くのであるが、各溝上部を閉じた後は各複数列の溝はシート状基材自身の進行方向にすべて平行に進むことになる。従ってシート状基材の幅方向の中央部付近の溝は進行方向にほぼ平行なため曲げずに進行するが、両端部の溝は、これまでの収れん進行方向から、シート状基材の繰り出しから巻き取りまでを直線で結ぶシート状基材の進行方向の線に平行に変わるために大きく曲げられる。このためシート状基材幅の両端部に行くにつれて曲げが大きくなり、吐出充填された反応性樹脂発泡原料がシート状基材が平行に進む位置で、溝上部を中心に部分的に折れ曲がり移動して、一部気泡が消泡するなどの問題があることが判明した。
特に製造する列数が多い程放射状成形ガイドの開き角度は大きくなり側部のシート状基材が折れ曲がり易く、シート状基材幅端部の製品が不良品になることが多々ある。
【0004】
図2、図3は従来の紐状反応性樹脂発泡成形体の製造に於ける状態を示す略上面図、側面図である。また図4は図2のP6−P6’位置での断面図である。22a、22b、22c、22d、22e、22f、22gは放射状成形ガイド、30’、40’、50’、60’、70’、80’、90’は平行ガイドレールである。
シート状基材は放射状成形ガイド22a、22b、22c、22d、22e、22f、22gに沿って第1次押圧冶具31’、32’、33’、34’、35’、36’並びに第2次押圧冶具41’、42’、43’、44’、45’、46’によって下方に押圧されながら収れん点200’に向かって収れんして行く。
ここで形成された溝51’、52’、53’、54’、55’、56’は溝の屈折点20’で平行方向に方向転換されるが、この時方向転換される前に吐出された充填液は溝の反応性樹脂発泡原料の塗布位置14’で充填され、溝の屈折点20’近傍で図2、図3に示したように上面が閉じられると共にシート状基材の溝が平行に進むよう折れ曲がり、塗布された反応性樹脂発泡原料が部分的に移動して特に消泡等引き起こし不均一な紐状反応性樹脂発泡成形体を形成する。
即ちこれまでの製造方法では1点に収れんする放射状成形ガイドに沿ってシート状基材からなる全ての溝が形成され、その後溝屈折位置線で一定間隔を空けて平行に進行することになる。従って充填された反応性樹脂発泡原料は、この溝屈折位置線20’でしごかれることを避けられない。
【0005】
図2に示したように特に多数列になるにつれて図5に示した放射状成形ガイドの開き角度βが大きくなり、側部の溝の曲げ角度がより大きくなる。従って溝の曲げ角度が大きくなって反応性樹脂発泡原料は不規則な部分的移動が大きくなって良好な製品は得難い。
紐状反応性樹脂発泡成形体製造時に他の部材を入れて一体化製品を製造しようとした場合にはシート状基材の溝上部が閉ざされる前に他の部材を投入させる必要がある。その投入部材が反応性樹脂発泡原料の充填前であっても充填後であっても収れん点200’に向かってきた溝が進行方向に平行に向きを変える溝屈折位置線20’で、他の部材が折れ曲がったり、移動したりするため気泡が壊れたり、また他の部材がロール軸のような剛性体の場合には折れ曲がることができないため溝屈折位置線を通過することができず、一体製品は製造できない問題を有している。
図6にて示したように投入された剛性を有するロール軸16は放射状成形ガイドから平行ガイドレール6に移行するのであるが溝屈折位置線20’を通過することが出来ない。
【0006】
また、該紐状反応性樹脂発泡成形体は複数列同時に成形できる大きな利点を有する反面、複数列が特に8列以上に及ぶ場合には特に製造ライン停止が頻繁に発生し、これは各列それぞれの紐状反応性樹脂発泡成形体が全て最適な状態で成形することが難しい点にある。
何故ならばシート状基材から作られる溝の大きさを全くすべて同一サイズにすることは難しいと共に、注入する分液原料重量も全く同量にすることも困難であることによる。更にシート状基材から作られる溝の大きさ並びに注入原料量は運転経時変化も加わるため同一製造条件とすることが更に困難となる。
更にこの製造方法ではシート状基材の溝に原料を注入する時点では注入原料は気泡化も反応も律速もしておらず、注入後に発泡反応を起こすことにより製品の断面形状は自己発生ガス圧力で円形となる。この時投入された反応性樹脂発泡原料が過大の場合には溝上部が閉ざされた後に二枚のシート状基材の間より原料が上部に溢れ出ると共に平行ガイドレールに対して発泡圧力を掛けるため、シート状基材と平行ガイドレールの間に大きな圧力が掛かって製造ラインが停止する問題が発生することがある。
【0007】
【特許文献1】特開2001−269949号公報
【特許文献2】特開2002−154123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的はより多くの複数列の紐状反応性樹脂発泡成形体を製造することである。
具体的には発泡剤等を用いて反応性樹脂原料注入後に発泡反応を起こすのではなく、予め気泡化した反応性気泡化原料を注入することにより、前述の平行ガイドレールに掛かる発泡圧を下げ、ラインの停止を防ぐとともに、反応性気泡化原料を充填した溝の上部を閉じた後に溝を進行方向に折り曲げるのではなく、反応性気泡化原料を充填して溝上部を閉じた後は折り曲げない方法によりより多くの複数列の良好な製品を提供することにある。
本発明の他の目的は他の部材を一体化した紐状反応性樹脂一体発泡成形体を提供することである。
また他の目的は良品率の高い紐状反応性樹脂発泡成形体を同時に連続して提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1は連続して繰り出されたシート状基材を用いて、紐状反応性樹脂発泡成形体を複数列連続して製造する方法を提供するものである。
具体的にはシート状基材を連続して繰り出すと共に該繰り出されたシート状基材を進行方向に収れんする複数の放射状成形ガイドに沿わせ、放射状成形ガイド上のシート状基材をほぼ常に放射状成形ガイド上を進行させ、同時に放射状成形ガイドと放射状成形ガイドとの間の間隔を縮めながらシート状基材を放射状成形ガイドと押圧冶具とで図1、図7、図8に示したように溝形状に立体的に折り曲げて、複数列の進行方向に連続する溝を成形した一枚のシート状基材を作成するA工程、次いで該製造された複数列の溝を有する一枚のシート状基材を溝上部が閉ざされる前に、複数列の進行方向に幅広でしかもシート状基材の進行方向に平行な略台形の平行ガイドレール(以後せり上げ平行ガイドレールと称す)に移動させるB工程、A工程以降から該せり上げ平行ガイドレール上でシート状基材からなる溝の上部が閉じられるまでの間に該シート状基材に形成された複数列の溝中に、ポンプを用いて計量搬送した反応性樹脂原料と不活性ガスとをメカニカルフロス用撹拌機に導入して混合気泡化した反応性気泡化原料を連続的に吐出充填するC工程、次いで充填されたシート状基材を更に進行させてせり上げ平行ガイドレールにて溝上部を閉じるD工程、次いで反応性気泡化原料を反応硬化させるE工程からなる紐状反応性樹脂発泡成形体の製造にある。
【0010】
本発明に於いては化学発泡と称される発泡剤等を用いて原料吐出後に発泡させる方法ではなく、メカニカルフロス用撹拌機と呼ばれる機械気泡化撹拌機にて不活性ガスを原料中に微細化、微分散して気泡化した反応性気泡化原料を溝中に吐出充填する。
本発明に於いては、発泡剤を添加し、原料吐出後に発泡させるための原料を発泡原料と称し、またメカニカルフロス用攪拌機によって不活性ガスを微細化、微分散することにより、吐出時に既に気泡化されている原料を気泡化原料と称する。
溝に発泡原料を導入した後に化学発泡により発泡する方法では発泡圧が掛かり、過剰充填原料条件下では溝上部が閉ざされた後に二枚のシート状基材の間より原料が上部に溢れ出ると共に平行ガイドレールに対して発泡圧力を掛けるため、シート状基材と平行ガイドレールの間に大きな圧力が掛かって製造ラインが停止する問題が発生することがある。
本発明の方法に於いては気泡化させた反応性気泡化原料をシート状基材からなる溝に導入して反応硬化させるため、成形時に平行ガイドレールに掛かる圧力は加熱による熱膨張の範囲であり製造ラインを停止させるほどの発泡圧は掛からず、過剰原料条件下でも過剰発泡圧によって製造ラインが停止することがなく長時間連続運転が可能となる。
【0011】
本発明の製造装置の一例にて詳細に説明する。
図1は製造装置の略上面図、図7は図1の側面図、図8は図1のP1−P1’の断面図、9は図1のP2−P2’の断面図、図10は図1のP3−P3’の断面図、図11は図1のP4−P4’の断面図である。図5は放射状成形ガイドの概略図である。
図12は図1の塗布位置近傍の部分拡大図である。
図13は図12に於けるせり上げ平行ガイドレールと反応性気泡化原料塗布装置の関係を示す斜視図である。
図1、図12を用いて具体例を説明する。
シート状基材2は繰出しロール1から繰り出され放射状成形ガイド21a、21b、21c、21d、21e、21f、21gに沿って進行する。この時上面より第1次押圧冶具31、32、33、34、35、36及び第2次押圧冶具41、42、43、44、45、46で段階的にシート状基材2の上面を押圧して一枚のシート状基材に6本の溝を作成する。以上がA工程である。ここで放射状成形ガイドの開き角度、即ち図5に示したβは15度以下が好ましい。15度以上になるとシート状基材にしわが入り好ましくない。
次にシート状基材2は進行方向に幅広で、しかもシート状基材の進行方向に平行なせり上げ平行ガイドレール61a、61b、61c、61d、61e、61f、61gにシート状基材を移行させるB工程、そして反応性気泡化原料を塗布位置線14で注入し、更にシート状基材を進めて、せり上げ平行ガイドレール61a、61b、61c、61d、61e、61f、61gによって反応性気泡化原料を充填された溝上部を閉じ部71a、71b、71c、71d、71e、71fにてシート状基材の進行によって自動的に閉じ、次いで溝上部を閉じた反応性気泡化原料を平行ガイドレール30、40、50、60、70、80、90に移し、オーブン(本図では省略)を通過させて反応硬化させる。
本発明のせり上げ平行ガイドレールを使用すると反応性気泡化原料を充填した後、溝を折り曲げることがなく、また溝上部を閉じた後も曲げることなく直線的にシート状基材を平行ガイドレールに移動し進行させることができる。従って注入された反応性気泡化原料をシート状基材からつくられた溝の折り曲げなどによって壊さないため良好な製品となる。
A工程以降せり上げ平行ガイドレール上で反応性気泡化原料を吐出充填するのがC工程、次いで注入した溝の上部を閉じるのがD工程であり、次いで反応性気泡化原料を反応硬化させるのがE工程である。
次に反応硬化した紐状反応性樹脂発泡成形体4はシート状基材が離型性を有するフィルムあるいは離型紙の場合には、シート状基材を巻取ロールで広げて巻き取ることによって紐状反応性樹脂発泡成形体を一度に自動的に離型することが出来る。
放射状成形ガイド、せり上げ平行ガイドレール、平行ガイドレールは通常別々に設置されるが、2点乃至3点を一体化することも可能で有り、これも本発明の範囲に含まれる。
例えばせり上げ平行ガイドレールの前後に平行ガイドレールを一体化して設置することも可能であり本発明の範囲に含まれる。またせり上げ平行ガイドレール前に平行ガイドレールを設置する方法でも本発明を遂行することが可能であり本発明の範囲に含まれる。
【0012】
該紐状反応性樹脂発泡成形体の製造に当たっては反応性触媒のみで反応を進行させても良くあるいは反応性触媒と加熱とを組み合わせて反応を進行させても良く、使用する反応性気泡化原料の種類、目的とする製品の種類あるいは生産性とを考慮して適宜選択するのが良い。
図1には加熱オーブンは省略されているが、通常、せり上げ平行ガイドレールの後に加熱オーブンが設置されている。
【0013】
放射状成形ガイドは金属製であってもプラスチック製であっても良く、要は剛性を有する材料であれば良い。また形状は線材、角材、板材、丸棒材、ロール、ベルト等いかなる物であっても良く1本ものであっても短尺品であっても良く、あるいは単品を複数使用してその働きを引き出しても良い。
【0014】
反応性樹脂発泡成形体に一体化させる他の部材を投入するにはA工程あるいはB工程いずれでも良いが、好ましくはB工程が好ましい。その理由は剛性を有するロール軸等を投入する場合にはA工程で投入した場合にB工程に移る時点で剛性部材が曲げられないため、A工程以降からB工程に限られるが柔軟な部材の場合にはA工程でもB工程でもどちらでも良く、他の部材の投入位置は投入物の長さ、形状、剛性等で適宜選択すれば良い。
部材の投入が反応性気泡化原料の前か後かの選択は原料配合処方や部材の種類等で適宜選択すればよい。
気泡を巻き込みにくい点で、原料を投入後に他の部材を投入するのが好ましい。
【0015】
図1、図7、図8、図9を参考に溝閉じ機構を説明する。
せり上げ平行ガイドレールによる溝閉じ機構はシート状基材の進行方向に幅広で、進行方向の中心線がシート状基材の進行方向に平行な略台形状の複数のせり上げ平行ガイドレール61a、61b、61c、61d、61e、61f、61gにシート状基材を沿わせることにより、せり上げ平行ガイドレール幅が進行方向で幅広となることから、せり上げ平行ガイドレールの下部に位置する溝を形成しているシート状基材の両側を引上げながら、シート上部を閉じることによって行われる。このことによってせり上げ平行ガイドレール上のシート状基材のたるみを取りながら閉じることになるため均一形状の紐状反応性樹脂発泡成形体を製造することができる。
せり上げ平行ガイドレールの略台形状のガイドの幅が進行方向に急激に大きくなる場合には、溝上部の閉じが急激になり、また逆に幅がゆるやかに大きくなる場合には溝の閉じがゆっくりになる。
せり上げ平行ガイドレールの幅は進行方向に幅広であるが、必ずしも直線的である必要はなく、時には一体化する他の部材のサイズ、形状によって複雑な曲線であっても良い。
例えばスタート時点ではほぼ平行、中間時点では広幅化、エンド時点では平行であっても良い。
【0016】
シート状基材で作成される複数の溝の大きさは全て同一である必要はなく、目的とする製品の品種あるいは大きさによって数種類の大きさの溝を組み合わせて作成し、形状の異なる紐状反応性樹脂発泡成形体を同時に製造することも可能である。このような場合にはシート状基材の幅方向で左右対称に同一サイズの溝を設置するのが好ましい。さもないと左右のシート状基材のテンションが異なる結果となって、シート状基材が片方に蛇行し易くなる。また、各列の溝の大きさが異なる場合でも溝の閉じる位置はすべて同一時点であることが好ましい。
【0017】
次に本発明のせり上げ平行ガイドレールについて更に詳細に説明する。
図12は図1のせり上げ平行ガイドレール部近傍の拡大上面図、図13はせり上げ平行ガイドレールと反応性気泡化原料塗布装置の関係を示す斜視図である。
図12に示したように放射状成形ガイド21a、21b、21c、21d、21e、21f、21gと第2次押圧冶具41、42、43、44、45、46とで作成された溝51、52、53、54、55、56は該収れん点200に向かっていくが、溝屈折位置線20にてシート状基材自身の進行方向に平行な方向に曲げられ、せり上げ平行ガイドレールに沿って進行する。
図12、図13に示したようにせり上げ平行ガイドレール61a、61b、61c、61d、61e、61f、61gは進行方向に広がる略台形状を取っており、シート状基材がせり上げ平行ガイドレール61a、61b、61c、61d、61e、61f、61gへ進行するにつれ、せり上げ平行ガイドレール幅が順次広くなるため、せり上げ平行ガイドレール下のシート状基材2の各溝両端部が引上げられ溝は自己のシート状基材2で閉じられる。吐出された反応性気泡化原料の塗布位置14は既に溝屈折位置線20で曲げられた位置の後であり、吐出充填後曲げられることなく進行するため、溝の折れが無く、従ってしごきを受けることなく良好な紐状反応性樹脂発泡成形体が得られる。
【0018】
せり上げ平行ガイドレールは一枚の台形状から成り立っていてもいくつかの部材から成り立っていても良く、その作用が台形状であれば本発明の範囲に含まれる。
即ちせり上げ平行ガイドレールとは溝が閉じられる工程が、実質的に台形状と同一働きになっていれば本発明の範囲に含まれる。
【0019】
請求項2は本発明を遂行する上で反応性樹脂原料と不活性ガスをメカニカルフロス用撹拌機にて気泡化させるのであるが、特に好ましいのはオークスミキサー形式の撹拌機である。オークスミキサー形式の撹拌機では確実にステーターとローターによって原料の第一段撹拌羽根と次の撹拌羽根への撹拌段数が積み重なるため部分的な気泡分散不足がなく、部分的な粗大気泡やピンホールのない微細気泡の反応性樹脂発泡体が得られる。ホバートミキサー形式の撹拌機は逆方向に回転する2個のローター羽根によって強力なせん断をかけるものであるが、反応液の流れが一定でなく撹拌むらが発生する点でオークスミキサー形式の撹拌機よりも劣る。
【0020】
ここでメカニカルフロス用撹拌機とは、発泡剤として水とポリイソシアネートとの反応で発生するCOガスを利用しての化学発泡の通常のポリウレタンフォーム用撹拌機と異なり、不活性ガスと反応性樹脂原料とを強制的に機械的混合させて、不活性ガスを強力な撹拌せん断力で微細化させて、反応性樹脂原料が反応を律速する以前に気泡化させる混合機を指し、代表的混合機としてはオークスミキサー、あるいはホバートミキサー等がある。
【0021】
メカニカルフロス用撹拌機としてのオークスミキサー形式の撹拌機について図14、図15、図16、図17を用いて詳細に説明する。
図14はメカニカルフロス用撹拌機と本発明のコートハンガー形ダイとを直結したメカニカルフロスコートハンガー形ダイからなる反応性樹脂気泡体連続製造装置の概略図である。
図14に於いて101はメカニカルフロスコートハンガー形ダイからなる反応性樹脂気泡体連続製造装置である。大きくはオークスミキサー103、コートハンガー形ダイ5、並びにオークスミキサーを回転させるモーター102から成り立っている。
計量搬送用ポンプから送られてきた反応性樹脂原料成分は反応性樹脂原料成分導入口131、132、133から、不活性ガスは不活性ガス導入口134からオークスミキサー103に導入され、モーター102にて撹拌混合され、分液コートハンガー形ダイ5に流入して分液されダイ出口13から吐出される。
【0022】
図15はメカニカルフロス用撹拌機103の断面図である。図16は図15の円部の拡大図である。図17は図15のA−A’断面図である。
反応性樹脂原料成分導入口131、132、133並びに不活性ガス導入口134から反応性樹脂原料成分並びに不活性ガスが導入され、オークスミキサー103の上部ステーター135とローター136との上部隙間に流入され、ローター136の羽根で撹拌されながらローター136の側部に到達し、その後下面に流れて、下部ステーター137とローター136との下部隙間を通って中央部に集まり、オークスミキサー出口138より吐出される。
【0023】
ここでローター136は図17に示したように突起部であるローター羽根1361と羽根の存在しないローター空洞部1362から成り立っている。また上面ステーターも同様の上部ステーター羽根1351と空洞部1352から成り立っている。
図17に於いて反応性樹脂原料成分並びに不活性ガスは中央部から側部に流れて行くのであるが上部ステーター135の上部ステーター羽根1351とローター136のローター羽根1361でローター136の回転によってせん断を受けながら上部ステーター空洞部1351及びローター空洞部1362より側部に原料は移動する。側部に到達した原料は下段に移り、同様にローターの回転によるせん断を受け下段中央部に集まりオークスミキサー出口138より吐出される。
通常のポリウレタン発泡用の攪拌機は回転する羽根のみであるので全液をまんべんなくマクロに撹拌はできるが不活性ガスを均一微分割、均一微分散することができない。即ち均一微分割、微分散不十分の部分が生じ気泡径が大きい。
【0024】
本発明に使用する不活性ガスとしては空気、Nガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、COガス等があるが、気泡が細かくなる点でNガスが好ましい。
空気はコスト面で好ましいが、オークスミキサー内部での圧力が0.3MPa以下の場合には良いが、0.3MPa以上になると空気の除湿が難しく、乾燥空気として取り扱うことが難しく、ポリイソシアネートを使用するポリウレタン樹脂発泡体に於いて好ましくない。
不活性ガスの使用量としては反応性樹脂原料100重量部に対して50cm〜1400cmの範囲が好ましい。
【0025】
請求項3は請求項1のB工程でのせり上げ平行ガイドレール上でシート状基材から形成された複数列の溝中に反応性気泡化原料を連続的に吐出する方法が特定条件の分液コートハンガー形ダイを使用することによる。
該分液コートハンガー形ダイは原料導入口に於けるマニホールドの開き角度θが120度〜145度の範囲にあり、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:0.7の範囲にあり、且つダイリップに原料導入口とダイ出口とを最も短い距離で結ぶ線に平行に液仕切具を設置した分液コートハンガー形ダイを使用し、該分液コートハンガー形ダイの原料導入口に反応性気泡化原料を連続的に導入し、ダイランドで薄膜化してほぼ等速度で流れる液体化し、その薄膜化した原料を前記液仕切具にて複数に分液し、該分液をそれぞれのダイ出口から複数列の溝中に吐出する分液コートハンガー形ダイである。
【0026】
複数列の溝に吐出充填する際、放射状成形ガイドを用いて成形する複数列の溝が10本であれば、メカニカルフロス用攪拌機は10基用意する必要がある。
分液コートハンガー形ダイを使用することによって、単に1基のメカニカルフロス用攪拌機から吐出された反応性気泡化原料を分液コートハンガー形ダイに導入して必要数に分液して、走行する前述の複数列の溝に上部より重力により落下充填すればよい。
【0027】
本発明に使用する特定条件の分液コートハンガー形ダイについて更に詳細に説明する。
図18は2枚のコートハンガー構成板5a、5bから成り立っている従来型の分液コートハンガー形ダイ5の開放斜視図である。
原料導入口19から導入された反応性気泡化原料はマニホールド7に流入し、次いでダイランド12に流入し、一定速度で流れる薄膜となる。ここでダイランド12とは、マニホールド7の下縁からダイ出口13に向かって流量調整板8の下端すなわちダイリップ11の上端までの部分を指す。該薄膜化した反応性気泡化原料はダイランド12を経てダイリップ11に設置した液仕切具91、92、93、94、95、96、97によって分液吐出量となってダイ出口13から吐出され、シート状基材から作成された溝に連続的に吐出充填される。
液仕切具の間隔は全て同一である必要はないが、該ダイの幅方向のバランスを取るように設置するのが好ましい。
各位置の流量調整は流量調整板8に連結している各位置の流量調整ボルト10を押引きしてダイランド隙間tを広くしたり狭くしたりして調整する。
また長時間の連続運転にてダイ幅方向の端部の流量が低下した時は10a、10fの各流量調整ボルトを回転してダイランド隙間を広げて流量を均一化する操作を行う。
【0028】
請求項4は分液コートハンガー形ダイに流量調整板が設置され、しかも流量調整板がダイ幅に対して直角方向に複数に分割された分割流量調整板であることである。分割することによって、それぞれの位置で自由に流量調整板の高さを変え反応性気泡化原料の流量を調整することができる。この分割流量調整板を使用することによってダイ幅方向の各位置での流量を調整することができ、また長時間連続運転でのダイ幅方向端部での反応性気泡化原料のゲル化による流量低下に対しても独立して調整することができ流量を増加させ長時間連続運転も可能となる。
通常各分液位置の分液比率は液仕切り具の配置間隔長さで決められるが、配置間隔長さを等間隔にしておいても、分割した流量調整板の高さ調整のみでも分液比率を1:1〜1:3程度、好ましくは1:2比率程度まで変えることが可能である。
【0029】
また分割流量調整板の分割数は液仕切り具による液分割数の整数倍数が好ましい。
整数倍数としては1倍2倍3倍4倍5倍以上をさすが、1倍乃至2倍が好ましい。3倍以上に倍数を大きく上げても効果は大きくは向上しない。
分割流量調整板を整数倍数とすることによって目的とする位置の分割位置流量を増減し、他の隣の分割位置への影響を最小限に小さくすることができる。
【0030】
図19は本発明に使用する別の分割分液コートハンガー形ダイの開放斜視図である。
図20は図19の分割流量調整板の拡大図、図21は図19のダイの断面図である。
図18の従来タイプの分液コートハンガー形ダイは各位置の流量を調整する場合流量調整板8に連結する流量調整ボルト10を回して流量調整板8を湾曲させ、ダイランドの隙間を調整して、流量を調整していた。
該方式は一枚の板を湾曲させるため、例えば押したボルトの隣のボルトを引くことは容易ではなく細かな調整は不可能であった。
図19に示した別の分割分液コートハンガー形ダイは流量調整板8’がダイ幅方向に対して直角方向に81’、82’、83’、84’、85’、86’に分割されているため隣の位置に関係なく自由に独立して各位置の分割流量調整板の高さを調整することができ、流量を自由に調整することができる。
該分割流量調整板の分割数は多くなるほど調整しやすいが、好ましくは製造しようとする本数の整数倍数が好ましい。即ち本例の6分割に於いては製造本数は3本または6本が好ましい。このことによって各位置の流量を他の位置への影響を少なくしつつ、自由に調製することができる。
【0031】
請求項5は請求項1に於けるシート状基材が離型性を有するフィルムあるいは離型紙であることである。
シート状基材が離型性を有するフィルムあるいは離型紙であることは、このシート状基材を用いて複数のシート状基材からなるモールド型を作成して、紐状反応性樹脂発泡成形体を製造できるばかりではなく、容易にシート状基材からなるモールド型を開放して紐状反応性樹脂発泡成形体を取り出すことができることである。
具体的に図にて説明する。
図1及び図8〜図11に於いて、繰出しロール1から繰り出されたシート状基材2は図8に示したように放射状成形ガイド21a、21b、21c、21d、21e、21f、21gと第1次押圧冶具31、32、33、34、35、36及び第2次押圧冶具41、42、43、44、45、46によって溝51、52、53、54、55、56が形成され、該溝に反応性気泡化原料15が塗布位置で吐出充填され、図10に示したようにシート状基材2の溝中で紐状反応性樹脂発泡成形体4が成形される。
次いで巻取ロール3にてシート状基材2が広げられ巻き取られることによって紐状反応性樹脂発泡成形体4が自動的に剥離され、図11に示したようにシート状基材2上に紐状反応性樹脂発泡成形体が完全剥離状態で取り出される。逆にシート状基材が接着性を有する場合にはその製品は紐状反応性樹脂発泡成形体とシート状基材との一体品となる。
該紐状反応性樹脂一体発泡成形体の製造について図22、図23、図24を用いて具体的に説明する。
【0032】
図22、図23、図24に於いて反応性気泡化原料がシート状基材からなる複数の溝に充填され、その溝上部が閉ざされ、反応硬化するまでは離型性を有するシート状基材を使用した場合と同一であるが、硬化後シート状基材2は広げられながらニップロール18にて引取られる。引取られる段階では図24に示されているように複数の紐状反応性樹脂一体発泡成形品がシート状基材2にぶら下がった形状で製品化される。これらの製品は不必要のシート状基材を削除してシート状基材との紐状反応性樹脂一体発泡成形品4’’として取り扱われる。
【0033】
請求項6は紐状反応性樹脂発泡成形体が紐状反応性樹脂発泡ロール先駆体であることである。ここで先駆体とはロールになる一歩手前の状態を指し、図25に示したような形状をしている。通常該紐状反応性樹脂発泡ロール先駆体は、表面を切削して製品となる。
図1、図25、図26、図27、図28を用いて製造方法を具体的に説明する。
図1に於いて離型性を有するシート状基材2を繰出しロール1から繰り出し、放射状成形ガイド21a、21b、21c、21d、21e、21f、21gを支えにして、第1次押圧冶具31、32、33、34、35、36並びに第2次押圧冶具41、42、43、44、45、46で押圧して溝51、52、53、54、55、56を作成する。次いでせり上げ平行ガイドレール61a、61b、61c、61d、61e、61f、61gに移動し、図26に示したようにせり上げ平行ガイドレール上で反応性気泡化原料を塗布位置14で吐出充填した後に図28に示したシリコン樹脂製の軸受けキャップ17を両端にセットしたロール軸16を投入するか、あるいは図27に示したようにシリコン樹脂製の軸受けキャップ17を両端にセットしたロール軸16を投入した後に反応性気泡化原料を吐出充填し、溝上部をシート状基材を進行させることによって閉じ、反応性気泡化原料を反応硬化させた後、シート状基材を広げて巻き取ることにより脱型して紐状反応性樹脂発泡ロール先駆体4’を製造する。後者はロール軸の上に常に反応性気泡化原料をロール軸の中心に吐出充填するのであるが、反応性気泡化原料がロール軸左右に移動して塗布がずれるためにフォーム中に気泡を巻き込むことが多く、前者よりも不良品の発生が多い。
【0034】
請求項7は特にポリウレタン樹脂発泡体あるいはシリコン樹脂発泡体が本発明の紐状反応性樹脂発泡成形体を実施するのに最も適している製造方法であることである。
本来本発明は、あらゆる反応性樹脂発泡成形体に適用可能であり、ポリウレタン樹脂発泡体、シリコン樹脂発泡体の他にポリアクリル酸樹脂発泡体、エポキシ樹脂発泡体、メラミン樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、尿素樹脂発泡体等があるが、原料粘度、反応速度、得られた製品の耐久性、物理的強度等によりポリウレタン樹脂発泡体あるいはシリコン樹脂発泡体が最も適している。
シリコン樹脂発泡体の場合に於いても反応性ポリウレタン樹脂気泡化原料同様に、1成分乃至2成分の反応性シリコン樹脂気泡化原料を本発明に使用する特定条件の分液コートハンガー形ダイに導入し、せり上げ平行ガイドレール位置で形成された溝に反応性気泡化原料を吐出充填することによって紐状シリコン樹脂ロール先駆体を製造することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明はシート状基材を放射状成形ガイドを介して複数の溝を作成した後、該溝が閉じる前に、複数列の進行方向に幅広で、しかもシート状基材の進行方向に平行なせり上げ平行ガイドレールに沿わせ、該せり上げ平行ガイドレール上で複数列の溝中に反応性気泡化原料を吐出し、更に反応硬化させることによって、従来方法のような反応性樹脂原料を吐出した後、充填された溝が折れ曲がって反応性樹脂原料がしごかれることのない紐状反応性樹脂発泡成形体の製造方法である。
このことによってシート状基材の側部に位置する気泡が消泡したり、空洞になったりすることが無くなり品質が安定し、良品率も向上する。また同時にシート状基材側部に位置する製品の良品率が向上するのみならず一度に製造できる本数が向上するため大幅なコストダウンも可能となる。更に剛性を有する部材を投入して紐状反応性樹脂一体発泡成形体をも製造することができる。
また、気泡化させた反応性気泡化原料をシート状基材からなる溝に導入して反応硬化させるため、成形時に平行ガイドレールに掛かる圧力は加熱による熱膨張の範囲であり過剰原料条件下でも製造ラインを停止させるほどの発泡圧は掛からず、化学発泡を用いた場合のように過剰発泡圧によって製造ラインが停止するようなことがなく長時間連続運転が可能となる。
更に、紐状反応性樹脂発泡成形体と一体化する挿入部材が発泡時に吸熱するため、通常の化学発泡に於いては挿入部材表面部が気泡化せず厚いスキン状になることがあるが、本発明の反応性樹脂原料と不活性ガスとのメカニカルフロス発泡に於いては挿入部材の表面部も均一密度の製品となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明はシート状基材を放射状成形ガイドに沿わせ、放射状成形ガイドと放射状成形ガイドとの間の間隔を縮めながら、放射状成形ガイドを介して押圧冶具で押圧して進行方向に連続する複数の溝を有する一枚のシート状基材を作成し、該シート状基材の溝上部が閉ざされる前に複数列の進行方向に幅広な、しかもシート状基材の進行方向に平行なせり上げ平行ガイドレールに移動させ、このせり上げ平行ガイドレール上で各溝に反応性気泡化原料を吐出充填させて、次に反応硬化させるものである。
【0037】
シート状基材のスタート時の放射状成形ガイドと放射状成形ガイドとの間の間隔は、目標とする紐状反応性樹脂発泡成形体製品の円周長さと、製品が反応硬化する位置での平行ガイドレールの幅及び厚さの2倍の厚さとを加えた長さとするのが好ましい。
複数列の進行方向に幅広で、しかもシート状基材の幅方向の中心線が進行方向に平行なせり上げ平行ガイドレールは最終的に幅同士が接触することになるが、50μ〜1000μの隙間になった時点以降は幅が同一の平行ガイドレールとするのが好ましい。
本発明の説明では反応性樹脂発泡成形体の硬化に対する加熱オーブンについて十分説明してこなかったが、加熱オーブンの温度は90℃〜130℃が好ましい。
【0038】
形成された溝上部の閉じ方をどの程度に設定するかは、閉じ部における各せり上げ平行ガイドレールと各せり上げ平行ガイドレールとの間の間隔を変えることによって可能であり、間隔が広い場合には紐状反応性樹脂発泡成形体の上部が開いた製品となり、また間隔が狭い場合には左右両シート状基材の合わせ目にできる、いわゆるパーティングラインが発生することもある。
この該間隔は通常50μ〜1000μの範囲が好ましい。より好ましくは100μ〜550μの範囲である。
得られた紐状反応性樹脂発泡成形体はエアシーリング材、水シーリング材、電磁シーリング材、耳栓、ロール等に用いられる。
【0039】
本発明に使用されるシート状基材としては塗布できれば如何なるシート状基材であっても良く、フィルムや紙、あるいはフィルムと紙との複合体、並びにシートであっても良い。目的とする紐状反応性樹脂発泡成形体単品を製造する場合には離型性を有するシート状基材を選択すればよく、またシート状基材と複合品を望む場合には離型性が無く接着性の高い紙、織物、不織布、あるいは接着性を有するフィルム等を選択すればよい。
【0040】
本発明に使用するシート状基材としてはクラフト紙、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、テフロン(登録商標)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、繊維、織物、不織布等があるがこれらに限定されるものではない。シート状基材が前述のプラスチックフィルムの場合には、厚さが15μ〜150μの範囲が好ましい。より好ましくは20μ〜100μの範囲である。
また離型性を有する複合シート状基材としてはシリコン樹脂等の離型性樹脂を焼きつけた離型紙、あるいはフィルム、あるいはフィルムラミネート紙に更に離型性を有するシリコン樹脂等を焼きつけたもの、ポリメチレンペンテン樹脂等の離型性樹脂フィルム等を紙あるいは他のフィルムに一体化させたもの、油や界面活性剤等を紙に処理したもの、グラスファイバー強化テフロン(登録商標)樹脂シート等が有り、樹脂の性質並びにシート状基材の性質等によって適宜選択すればよい。
【0041】
またシート状基材が特に紙または紙と他の材料との複合紙の場合、形状保持並びに安定して目的形状にする為に目付け量は70g/m〜200g/mが好ましい。また離型性を有するシート状基材の最初と最後を継いでベルトとして繰り返し使用する場合もシート状基材として本発明の範囲に含まれる。
離型性を有するプラスチックフィルムとしては通常ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムにシリコン樹脂等の離型性を有する樹脂を焼きつけたフィルムあるいは非離型性フィルムと離型性フィルムとを一体化したフィルムが好ましく、厚さは15μ〜150μの範囲が好ましい。更に好ましくは20μ〜100μの範囲である。
【0042】
紐状反応性樹脂発泡成形体として好ましい紐状ポリウレタン樹脂発泡成形体について述べる。
本発明に於いては水等の発泡剤等を用いてポリウレタンフォームを製造するために使用する通常に用いるポリウレタン発泡機ではなく、メカニカルフロス用撹拌機と呼ばれる機械気泡化撹拌機にて不活性ガスを微細化、微分散して気泡化する。
【0043】
本発明に使用する原料計量搬送用ポンプとしては通常液体を定量搬送可能であるポンプであればいかなるポンプでも使用可能であり、例えばギヤポンプ、プランジャーポンプ等が使用可能であり、好ましくは0.3MPa以上の液圧で使用可能なポンプが好ましい。
またメカニカルフロス用撹拌機での内部の圧力としては0.02MPa〜1.5MPa程度の範囲で使用することができるが、特に好ましくは0.3MPa〜1.1MPaの範囲で使用するのが低密度化の点で好ましい。
【0044】
ポリウレタン樹脂原料としては一般のポリウレタン樹脂発泡体に使用するものであればいずれも使用可能であり、例えばポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール等いかなるポリオールも使用することができる。
メカニカルフロス気泡体に於いては原料粘度が高い程気泡安定性が良いことからポリオールとポリイソシアネートを前もって反応させた末端OH基を有するポリオールプレポリマーとして使用するのが好ましい。
ポリイソシアネートとしては一般に使用するトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、カルボジミド変性ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等ポリウレタン樹脂発泡体に一般的に使用可能なポリイソシアネートが使用できる。
また前述と同様に原料粘度が高い程微細気泡並びに気泡安定性が増すため、前もってポリオールとポリイソシアネートとを反応させた末端NCO基を有するポリイソシアネートプレポリマーとして使用するのが好ましい。
【0045】
架橋剤あるいは鎖状延長剤としては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンやトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物等の低分子量ポリオール等が使用可能であるがこれに限定されない。
不活性ガスとしてはNガス、空気、COガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等が使用可能であるが微細気泡の点でNガスが好ましい。
整泡剤としてはポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレングリコール共重合体が好ましいが、非イオン系界面活性剤も単独あるいはポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレングリコール共重合体との併用で使用することも可能である。
触媒としては一般のポリウレタン樹脂発泡体に使用されるトリエチレンジアミンを代表とする3級アミンやスタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート等の有機金属化合物、あるいは無機ビスマス等がある。
また遅延性触媒も使用可能であり、単独あるいは汎用のウレタン触媒と併用して使用可能である。具体的にはニッケルアセチルアセトネート、ニッケルジアセチルアセトネート等がある。
本発明は主に反応を遅延させないで反応性樹脂発泡体を製造することをも目的としているが、反応性樹脂原料の種類や高気泡化、低密度気泡体の塗布の関係上反応を遅延させても可能であり、本発明の範囲に含まれる。
【0046】
反応性ポリウレタン樹脂発泡体としては柔軟性を有する軟質ポリウレタン樹脂発泡体のみでなく、半硬質ポリウレタン樹脂発泡体あるいは硬質ポリウレタン樹脂発泡体であっても本発明を遂行することができる。
また連続気泡ポリウレタン樹脂発泡体であっても独立気泡ポリウレタン樹脂発泡体であっても本発明を遂行することができる。
また増粘無機充填剤としては水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、クレー、水酸化バリウム、硫酸バリウム等が使用可能であり、有機充填剤としては石油樹脂、アスファルト、ポリブテン、オイル等があり、一般に使用される充填剤が使用可能である。
またカーボンナノチューブ、イオン液体、金属粉あるいはカーボンブラック等も単独あるいは併用して使用することができる。
【実施例1】
【0047】
離型性シリコンを塗布した厚さ25μのPETフィルムを連続して繰出し、図1に示した装置に準じ、走行する8本の溝成形体を作成した後、メカニカルフロス用攪拌機から反応性ポリウレタン樹脂気泡化原料を図19に示した本発明の分割分液コートハンガー形ダイに準じた8分割の分割分液コートハンガー形ダイに導入して分液した後、該反応性ポリウレタン樹脂気泡化原料を図29に示すせり上げ平行ガイドレールに準じた8本せり上げ平行ガイドレールの塗布位置で溝上に落下充填して8列の紐状ポリウレタン樹脂発泡成形体を得た。
1.繰出しロール幅:1250mm
2.離型フィルム幅:980mm
3.各放射状成形ガイド:幅9mm、高さ30mm、中心部の長さ2285mm、スタート時の放射状成形ガイドと放射状成形ガイドの隙間67.1mm、開き角度5.05度
4.繰出しロール1と放射状成形ガイドとの空間部:約350mm
5.放射状成形ガイドとせり上げ平行ガイドレールとの空間部:約200mm
6.せり上げ平行ガイドレール:スタート幅9mm、厚さ10mm、エンド幅25mm、全長900mm、各せり上げ平行ガイドレールとせり上げ平行ガイドレールとのスタート時の隙間距離16mm、閉じ部における隙間距離0.55mm、スタート平行部600mm、せり上げ部250mm、平行部50mm、図29参照
7.第1次押圧冶具:10φ、長さ150mmスピンドル8本
8.第2次押圧冶具:10φ、長さ150mmスピンドル8本
【0048】
(オークスミキサー仕様)
図14、図15、図16に示したようにメカニカルフロス用撹拌機に準じた設備を使用した。
設備仕様について下記する。
(1)ローター
羽根高さ:4mm
羽根数:上段6枚(6段)、下段7枚(7段)
羽根段数ピッチ:6mm
(2)上段ステーター
羽根高さ:4mm
羽根数:6枚(6段)
羽根段数ピッチ:6mm
(3)下段ステーター
羽根高さ:4mm
羽根数:7枚(7段)
羽根段数ピッチ:6mm
(4)上段ステーター羽根とローター上段羽根との上下隙間ΔH:0.6mm
(5)下段ステーター羽根とローター上段羽根との上下隙間ΔH:0.6mm
(6)上下ステーター羽根とローター上下羽根との左右隙間ΔW:0.5mm
(7)回転数500〜4000rpm
(8)オークスミキサーのシール耐圧:1.1MPa
(9)内部体積:67cm
【0049】
幅980mmの厚さ25μシリコンPETフィルムを、図1に準じて速度1.0m/分で繰り出した。放射状成形ガイドにより8列の溝を作成、せり上げ平行ガイドレールに移行させ、直ちに後述の配合処方からなる反応性ポリウレタン樹脂原料をギヤポンプにて計量搬送し、メカニカルフロス攪拌機に総量300g/分で導入、2000rpmで撹拌した。この際Nガスを300cm/分の割合でオークスミキサーに直接導入した。オークスミキサー内圧は0.31MPaであった。撹拌混合し気泡化させた後、図19に準じた8分割の分割分液コートハンガー形ダイに連続して注入し、ダイ出口より各溝に吐出した。
但しここで使用されたダイは幅200mm、マニホールドを除く内容積とマニホールド容積比は1:0.27、反応性気泡化原料導入口に於けるマニホールドの開き角度は138度、ダイランド隙間(t)は0.55mm、分割数は8本とした。
ここでは特に反応触媒を低下させず、しかも原料温度も25℃の常温に設定して行い、ポリウレタン樹脂気泡化原料の反応をまったく抑えなかったがコートハンガー形ダイの内部ゲル化は非常に少なかった。
反応性ポリウレタン樹脂気泡化原料を注入された各溝は、更に本発明のせり上げ平行ガイドレールを経ることによってせり上げ平行ガイドレールとせり上げ平行ガイドレールとの隙間を幅0.55mmまで狭められ、その後は平行ガイドレールに移され反応性気泡化原料を反応硬化した。該紐状ポリウレタン樹脂発泡成形体の原料吐出工程に於いては、離型性フィルムは約45℃に加熱され、ポリウレタン樹脂気泡化原料の注入後は約120℃にて加熱硬化した。得られた8本の連続紐状ポリウレタン樹脂発泡成形体は直径約13.5mmの断面円形紐状ポリウレタン樹脂発泡成形体であった。
得られた紐状ポリウレタン樹脂発泡成形体は全てピンホールの無い良い製品であり、密度約300kg/mであった。
【0050】
反応性ポリウレタン樹脂原料、配合処方
(1)ポリオール:サンニックスFA703(三洋化成工業社製) 100重量部
(2)鎖状延長剤:1,4−ブタンジオール(東ソー社製) 6.0重量部及びTMP−30(日本乳化剤社製) 6.6重量部
(3)界面活性剤:SZ−1923(東レ・ダウコーニング社製) 2.0重量部
(4)触媒:LC−5615(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) 2.0重量部及びサンニックスGP−3000(三洋化成工業社製) 2.0重量部
(5)ポリイソシアネート:コスモネートLL(三井化学社製) 41.0重量部
【実施例2】
【0051】
15.0φのシリコン樹脂製軸受けキャップ付5φ、長さ300mmのステンレス製ロール軸を入れた以外は実施例1に準じて、紐状ポリウレタン樹脂発泡ロール先駆体を製造した。
幅980mmの厚さ25μ離型性シリコン焼付けPETフィルムを図1に準じて速度1.0m/分で繰出し放射状成形ガイドにより8列の溝を作成した。次に図29に示すせり上げ平行ガイドレールに準じた8本せり上げ平行ガイドレールに移行させ、スタート時の隙間距離16mmのせり上げ平行ガイドレールのスタート部位置に於いて、実施例1と同一配合の反応性ポリウレタン樹脂原料をギヤポンプにて計量搬送し、メカニカルフロス攪拌機に総量300g/分で導入、2000rpmで撹拌した。この際Nガスを300cm/分の割合でオークスミキサーに直接導入した。オークスミキサー内圧は0.31MPaであった。撹拌混合し気泡化させた後、図19に準じた8分割の分割分液コートハンガー形ダイに直接連続して注入し、ダイ出口より各溝に吐出した。次いで充填反応性樹脂気泡化原料の上からシリコン樹脂製軸受けキャップ付5φ、長さ300mmのロール軸を投入した。反応硬化条件は実施例1と同一とした。得られた紐状ポリウレタン樹脂発泡ロール先駆体は全て8本共に良品であり、平均密度は約300kg/mであった。
[比較例1]
【0052】
実施例1にて使用した図1のせり上げ平行ガイドレールを図2にて示した平行ガイドレールに準じた8本用の単なる平行ガイドレールに変え、放射状成形ガイドの終点より1100mm手前の位置でポリウレタン樹脂気泡化原料を注入充填した以外は実施例1と全く同様にして8列の紐状ポリウレタン樹脂発泡成形体を製造したが、中央部6列はほぼ良品が得られたが両端部1列、合計2列については所々気泡が消泡、空洞ができたりして全く良品として使用可能な製品ではなかった。
[比較例2]
【0053】
実施例2にて使用した図1のせり上げ平行ガイドレールを図2に準じた8本用の単なる平行ガイドレールに変えた以外は実施例2と全く同様にして8列の紐状ポリウレタン樹脂発泡ロール先駆体の製造を試みた。
放射状成形ガイドの終点より、1100mm手前の位置でポリウレタン樹脂気泡化原料を注入充填し、その後シリコン樹脂製軸受けキャップを付けたステンレス製ロール軸を投入したが、放射状成形ガイドから平行ガイドレールに移る時点でロール軸が平行ガイドレールに移ることができず製造を中止した。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上に説明した本発明の構成は、化学製品製造業の分野、特に反応性樹脂発泡成形体を製造する分野においてその利用が可能である。

【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の複数の紐状反応性樹脂発泡成形体製造装置の略上面図
【図2】従来の複数の紐状反応性樹脂発泡成形体製造装置の略上面図
【図3】図2の側面図
【図4】図2のP6−P6’断面図
【図5】放射状成形ガイドの概略図
【図6】ロール軸投入時の図2塗布位置近傍の拡大図
【図7】図1の側面図
【図8】図1のP1−P1’断面図
【図9】図1のP2−P2’断面図
【図10】図1のP3−P3’断面図
【図11】図1のP4−P4’断面図
【図12】図1の反応性気泡化原料塗布位置近傍拡大上面図
【図13】せり上げ平行ガイドレールと反応性気泡化原料塗布装置の関係を示す斜視図
【図14】本発明のメカニカルフロスコートハンガー形ダイ反応性樹脂気泡体連続製造装置を示す図
【図15】図14の断面図
【図16】図14の円形部拡大図
【図17】図14のA−A’断面図
【図18】本発明に使用する分液コートハンガー形ダイの開放斜視図
【図19】本発明に使用する別の分割分液コートハンガー形ダイの開放斜視図
【図20】図19の分割流量調整板の拡大図
【図21】図19の分割分液コートハンガー形ダイ断面図
【図22】紐状反応性樹脂一体発泡成形体製造装置の略上面図
【図23】図22の側面図
【図24】図22のP5−P5’断面図
【図25】紐状反応性樹脂発泡ロール先駆体
【図26】紐状反応性樹脂発泡ロール先駆体製造に於ける塗布位置近傍の略上面図
【図27】別の紐状反応性樹脂発泡ロール先駆体製造に於ける塗布位置近傍の略上面図
【図28】軸受けキャップ付ロール軸
【図29】10列せり上げ平行ガイドレール上面図
【符号の説明】
【0056】
1、1’: 繰出しロール
2、2’:シート状基材
3、3’:巻取ロール
4:紐状反応性樹脂発泡成形体
4’:紐状反応性樹脂発泡ロール先駆体
4’’:紐状反応性樹脂一体発泡成形体
5:分液コートハンガー形ダイ
5a、5b:分液コートハンガー形ダイの構成板
5’:分割分液コートハンガー形ダイ
5a’、5b’:分割分液コートハンガー形ダイの構成板
6:せり上げ平行ガイドレール
7、7’:マニホールド
8:流量調整板
8’:分割流量調整板
81’、82’、83’、84’、85’、86’:各分割流量調整板
9、9’:液仕切板
91、92、93、94、95、96、97:各液仕切板
91’、92’、93’、94’、95’、96’、97’:各液仕切板
10、10’:流量調整ボルト
10a、10b、10c、10d、10e、10f:各流量調整ボルト
10a’、10b’、10c’、10d’、10e’、10f’:各流量調整ボルト
11、11’:ダイリップ
12、12’:ダイランド
13、13’:ダイ出口
14、14’:塗布位置
15:充填反応性気泡化原料
15’:充填反応性樹脂発泡原料
16:ロール軸
17:軸受けキャップ
18:ニップロール
18a、18b:ニップロール構成ロール
19、19’:原料導入口
20、20’:溝屈折位置線
21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g:放射状成形ガイド
22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g:別の放射状成形ガイド
30、40、50、60、70、80、90:平行ガイドレール
30’、40’、50’、60’、70’、80’、90’:従来の平行ガイドレール
31、32、33、34、35、36:第1次押圧冶具
31’、32’、33’、34’、35’、36’:第1次押圧冶具
41、42、43、44、45、46:第2次押圧冶具
41’、42’、43’、44’、45’、46’:第2次押圧冶具
51、52、53、54、55、56:シート状基材からなる溝
51’、52’、53’、54’、55’、56’:シート状基材からなる溝
61a、61b、61c、61d、61e、61f、61g、61h、61i、61j、61k:せり上げ平行ガイドレール
71a、71b、71c、71d、71e、71f、71g、71h、71i、71j:せり上げ平行ガイドレール閉じ部
101:メカニカルフロスコートハンガー形ダイからなる反応性樹脂気泡体連続製造装置
102:モーター
103:オークスミキサー
131:反応性樹脂原料成分導入口
132:反応性樹脂原料成分導入口
133:反応性樹脂原料成分導入口
134:不活性ガス導入口
135:上部ステーター
1351:上部ステーター羽根
1352:上部ステーター空洞部
136:ローター
1361:ローター羽根
1362:ローター空洞部
137:下部ステーター
1371:下部ステーター羽根
138:オークスミキサー出口
139:オークスミキサー回転軸
200、200’:放射状成形ガイドの収れん点
θ:マニホールド開き角度
t:ダイランド隙間
β:放射状成形ガイド開き角度
ΔH:上段ステーター羽根とローター上段羽根との上下隙間
ΔW:下段ステーター羽根とローター下段羽根との左右隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に繰り出されるシート状基材を用いて紐状反応性樹脂発泡成形体を複数列連続して製造する方法に於いて、
シート状基材を連続して繰り出すと共に該繰り出されたシート状基材を進行方向に収れんする複数の放射状成形ガイドに沿わせ、放射状成形ガイド上のシート状基材をほぼ常に放射状成形ガイド上を進行させ、同時に放射状成形ガイドと放射状成形ガイドとの間の間隔を縮めながらシート状基材を放射状成形ガイドを介して溝形状に立体的に折り曲げて、複数列の進行方向に連続する溝を成形した一枚のシート状基材を作成するA工程、
次いで、該製造された複数列の溝を有する一枚のシート状基材を溝上部が閉ざされる前に複数列の進行方向に幅広で、しかもシート状基材の進行方向に平行な略台形平行ガイドレールに移動させるB工程、
A工程以降から該略台形平行ガイドレール上でシート状基材からなる溝の上部が閉じられるまでの間に該シート状基材に形成された複数列の溝中に、ポンプを用いて計量搬送した反応性樹脂原料と不活性ガスとをメカニカルフロス用撹拌機に導入して混合気泡化した反応性気泡化原料を連続的に吐出充填するC工程、
次いで、充填されたシート状基材を進行させて略台形平行ガイドレール上の位置にて溝上部を閉じるD工程、
次いで反応性気泡化原料を反応硬化させるE工程、からなる紐状反応性樹脂発泡成形体の製造方法。
【請求項2】
メカニカルフロス用撹拌機がオークスミキサー形式の撹拌機である請求項1記載の紐状反応性樹脂発泡成形体の製造方法。
【請求項3】
複数列の溝中に反応性気泡化原料を連続的に吐出する方法が原料導入口に於けるマニホールド開き角度θが120度〜145度の範囲にあり、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:0.7の範囲にあり、且つダイリップに原料導入口とダイ出口とを最も短い距離で結ぶ線に平行に液仕切具を設置した分液コートハンガー形ダイを使用し、該コートハンガー形ダイの原料導入口に反応性気泡化原料を連続的に導入し、該コートハンガー形ダイのダイランドで薄膜化し、該薄膜化した原料を前記液仕切具で複数に分液し、該分液をそれぞれダイリップから複数列の溝中に吐出する請求項1乃至2記載の紐状反応性樹脂発泡成形体の製造方法。
【請求項4】
分液コートハンガー形ダイに流量調整板が設置されており、しかも該流量調整板が分割されている請求項3記載の紐状反応性樹脂発泡成形体の製造方法。
【請求項5】
シート状基材が離型性フィルムあるいは離型紙である請求項1乃至4いずれか記載の紐状反応性樹脂発泡成形体の製造方法。
【請求項6】
紐状反応性樹脂発泡成形体が紐状反応性樹脂発泡ロール先駆体である請求項1乃至5いずれか記載の紐状反応性樹脂発泡成形体の製造方法。
【請求項7】
紐状反応性樹脂発泡成形体が紐状ポリウレタン樹脂発泡成形体あるいは紐状シリコン樹脂発泡成形体である請求項1乃至6いずれか記載の紐状反応性樹脂発泡成形体の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−156831(P2011−156831A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22616(P2010−22616)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(593174674)有限会社サン・イースト・リサーチ (10)
【Fターム(参考)】