説明

紫外線硬化性樹脂組成物

紫外線により硬化可能な樹脂組成物は:25乃至95重量%の、1以上の3員エポキシド基を有する少なくとも1種の環状脂肪族エポキシもしくはエポキシド樹脂もしくは化合物、少なくとも1種のビニルエーテルおよび/または1以上の4員オキセタン基を有する少なくとも1種のオキセタン樹脂もしくは化合物、および/またはこれらの混合物;1乃至40重量%の、少なくとも1種のポリカーボネートジオール、トリオールおよび/またはポリオール;および0.1乃至10重量%の、少なくとも1種のカチオン性光開始剤;および任意選択的に、1乃至70重量%の、少なくとも1種のラジカル的に重合可能なモノマーまたはオリゴマーおよび/またはこれらの混合物;および/または0.1乃至10重量%の、少なくとも1種のフリーラジカル光開始剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線により硬化可能な樹脂組成物に関し、この樹脂組成物は、少なくとも1種の環状脂肪族エポキシ樹脂もしくはエポキシド化合物、ビニルエーテルおよび/またはオキセタン、少なくとも1種のポリカーボネートジオール、トリオールおよび/またはポリオール、および、少なくとも1種のカチオン(陽イオン)性光開始剤、並びに、任意選択的に、前記光開始剤の反応性を増感し、それを高める少なくとも1種の増感剤(sensitizer material)、少なくとも1種のラジカルモノマーもしくはオリゴマーおよび/または少なくとも1種のフリーラジカル(遊離基)光開始剤を含む。別の特徴(側面)では、本発明は、前記樹脂組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カチオン性光重合は、例えばジアリールヨードニウム(diaryliodonium)および/またはトリアリールスルホニウム塩(triarylsulphonium salt)のようなオニウム塩の光分解によって生成する強プロトニック酸(protonic acid)で開始されるオキシラン類(oxiranes)および/またはオキセタン類(oxetanes)の開環重合プロセスである。例えばチオキサントン類(thioxanthones)およびアントラセン誘導体のような光増感剤、並びに、フリーラジカル光開始剤は、オニウム塩の活性を高めるために使用することができる。重合のリビング特性(living character)は、紫外線(UV)の暴露後に進展し続け、有益な後硬化の効果をもたらす。この効果は、熱処理によって高めることができる。開環の機構は、収縮が低く、多くの基板(substrate:基質)上への優れた接着力が、フリーラジカル重合を超えるカチオン性システム(cationic systems)の主要な特徴の1つである。更に、オキソニウムイオンおよびカルボカチオンは、空気中での硬化速度を高めることを可能にする酸素に対して不活性である。
【0003】
カチオン性放射(cationic radiation)により硬化した樹脂は、典型的には、印刷用インク、ワニス、コーティング(coating:被膜、塗膜)、ラピッドプロトタイピング(rapid prototyping)、エレクトロニックコーティング(electronic coating)、絶縁コーティング(絶縁被膜、絶縁塗膜)、および接着剤に使用される。
【0004】
カチオン性配合物(cationic formulation)の主要成分は、主要化合物としての、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのような環状脂肪族エポキシ樹脂および/またはエポキシド化合物と、反応性希釈剤としての、例えば3−エチル−3−ヒドロキシメチル−オキセタンのようなオキセタン類である。
【0005】
三員のエポキシド基および/または四員のオキセタン基の開環は、例えば、カプロラクトンポリオール(caprolactone polyols)、ポリエーテルポリオール(polyether polyols)、ポリエステルポリオール(polyester polyols)、例えば樹枝状重合体(樹枝状ポリマー:dendritic polymer)のようなヒドロキシル官能性化合物と架橋することによって実現することができる。これらのポリオールは、連鎖移動架橋剤(chain transfer crosslinkers)および軟化剤(flexibilisers)として働き、これらは、例えば30重量%までの濃度で使用することができる。
【0006】
例えば、エポキシ樹脂、エポキシド樹脂および1以上の3員エポキシド基を有する化合物であるエポキシド(epoxides)、ビニルエーテル(vinyl ethers)、ノボラック樹脂、エポキシド化オイル(油)、エポキシド化ポリブタジエンのような、他の多くの成分が、コーティングの最終特性を微調整するのに使用することができる。1以上の3員エポキシド基を有する化合物および樹脂であるエポキシド、および、1以上の4員オキセタン基を有する化合物および樹脂であるオキセタン類のカチオン重合は、いわゆるハイブリッド配合物であり、例えばアクリレート系のフリーラジカル重合と組み合わされ、相互に貫入しあう網状構造を構築することができる。
【0007】
例えば、親水性ポリエーテルまたは加水分解的に不安定なポリエステルポリオールおよびカプロラクトンポリオール(caprolactone polyols)をベース(基材)とする(based on:基本とする)現在のカチオンインク(cationic inks)が、加水分解安定性および熱安定性に乏しいために、オートクレーブ滅菌プロセスの過酷さに対する抵抗性に乏しいことは、当業者に公知である。
【0008】
低い水分感受性はラピッドプロトタイピング樹脂組成物にとって必要条件である。例えば、カプロラクトン(caprolactones)、ポリエーテルおよびポリエステルポリオールのような、現在利用可能なポリオールは、親水性が高すぎ、異なる周囲条件にさらされた場合に、プロトタイプ(prototype:試作品)の機械的特性を変化させてしまうという欠点を持つことが当分野で公知である。
【0009】
更に、インクのレオロジーは良好な印刷品質を得るために必須であることが当分野で公知である。カチオン性放射による硬化に使用される化合物の親水性が総体的に高いために、インクは、有機顔料と配合された場合、強い擬可塑性(pseuplastic)挙動をするという難点がある。これは、インクの移動および印刷品質に対して有害である。
【0010】
脂肪族ポリカーボネートジオール、トリオールおよびポリオールは長い間知られている。これらは、非隣接ジオール(non-vicinal diols)、トリオールおよびポリオールから、ジアリールカーボネート(diarylcarbonates)、ジアルキルカーボネート、ジオキソラノン類(dioxolanones)、ホスゲン、ビスクロロ炭酸エステル(bischlorocarbonic acid ester)または尿素との反応によって調製される。ポリカーボネートジオール、トリオールおよびポリオールは、Polymer Reviews 9 “Chemistry and Physics of Polycarbonates,”(ポリマーレビュー9、「ポリカーボネートの化学と物理」) pp9-20, 1964(非特許文献1)に概説されている。
【0011】
多くのジオール、トリオールおよびポリオールが、ポリカーボネートポリオールの調製におけるトランスカルボニル化法(トランスカルボニル化プロセス:transcarbonylation process)に使用され得る。適切なジオール、トリオールおよびポリオールの例には、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール(pentaerythritol:ペンタエリトリトール)、ジ−トリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、多分岐(hyperbranch:ハイパーブランチ)ポリマーポリオールなどが含まれるが、これらに限定されない。更に適切なジオール、トリオールおよびポリオールには、例えば、ネオペンチグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパンおよびジペンタエリスリトールのアルキル化種が含まれる。ポリオールの混合物を使用することができ、結晶性の低下または融点の低下のような物理特性の変更が望まれる場合には、しばしば、混合物が好ましい。
【0012】
例えばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのようなポリエーテルジオール、および、例えばアジピン酸ポリエチレングリコールのようなポリエステルジオールおよびポリオール、および、樹枝状および多分岐ポリールも、適切なヒドロキシ官能性化合物である。ポリエーテルまたはポリエステルとポリカーボネートとのブロックコポリマーは、エステル交換法(process:プロセス)の出発物質として、これらのジオール、トリオールおよびポリオールを使用して調製することができる。
【0013】
ポリカーボネートジオール、トリオールおよびポリオールは、加水分解に対する優れた耐性を付与し、これらを長寿命の(長持ちする)製品の製造に特に適したものにする。外側のコーティングの適用例にポリオールカーボネートを使用することの利点は、米国特許第6,350,523号明細書(特許文献1)において、フリーラジカル放射で硬化可能なコーティングとして開示されている。ジオール、トリオールおよびポリオールカーボネートの熱および加水分解に対する耐性は、特開2003−246830号公報(JP2003-246830)において、ホットメルトウレタン接着剤として開示されている。
【0014】
【特許文献1】米国特許第6,350,523号
【特許文献2】特開2003−246830号公報
【特許文献3】欧州特許出願0153904号
【特許文献4】国際公開98/28663号パンフレット
【特許文献5】欧州特許出願0035969号
【特許文献6】欧州特許出願0044274号
【特許文献7】欧州特許出願0054509号
【特許文献8】欧州特許出願0164314号
【特許文献9】米国特許第3,708,296号
【特許文献10】米国特許第5,002,856号
【特許文献11】英国特許第2396153号
【特許文献12】欧州特許出願0094914号
【特許文献13】欧州特許出願0094915号
【特許文献14】米国特許第5,665,792号
【非特許文献1】Polymer Reviews 9 “Chemistry and Physics of Polycarbonates,” pp9-20, 1964
【非特許文献2】"UV Curing, Science and Technology", Editor S. P. Pappas, Technology Marketing Corp., USA
【非特許文献3】"Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks & Paints", Vol. 3, edited by P.K.T. Oldring
【発明の開示】
【0015】
本発明の目的は、カチオン性化学線(actinic)重合保護コーティング、インク、接着剤、ラピッドプロトタイピングおよびエレクトロニクスにおいて、連鎖移動架橋剤および軟化剤としてポリオールカーボネートを使用することである。別の実施形態は、ポリエステルポリオール、カプロラクトンポリオールおよびポリエーテルポリオールをベースとする配合物に比べた、カチオン性紫外線または電子ビーム(UV/EB)で硬化するコーティング用の、これらのポリカーボネートポリオールをベースとする配合物の優れた野外耐久性、熱および加水分解安定性である。本発明の組成物は、広範囲の適用例に適している。より良好な加水分解安定性は、滅菌および低温殺菌プロセスに耐える包装のような厳しい条件に対する優れたインク特性を付与する。顔料系(pigmented system)の改善されたレオロジーのような他の利益は、疎水性ジオール、トリオールまたはポリオールカーボネートを使用して優れたインクの転写(transfer)および印刷品質を導く場合に見いだされる。高い疎水性によって、これらのジオール、トリオールまたはポリオールカーボネートはラピッドプロトタイピング用の安定な樹脂組成物に非常に適したものになる。
【0016】
発明の概要
本発明の活性エネルギー放射で硬化する樹脂組成物は、その最も簡単な形態として、エポキシ官能性モノマーまたはポリマー、オキセタン化合物、ポリカーボネートジオール、トリオールまたはポリオール、および光カチオン性重合開始剤を含む。上記組成物は、任意選択的に(オプションとして)、例えば(メタ)アクリレート((meth)acrylate)およびビニルエーテル類のようなフリーラジカル成分(free radical components)およびその他の不飽和化合物、および適切なフリーラジカル光開始剤、と組み合わされ、いわゆるハイブリッド系を与える。
【0017】
これらの配合物は、保護コーティング、インクおよび接着剤として、またはその中に使用され、加えて、電子回路(electronic)、ラピッドプロトタイピングおよびインクジェットの応用に使用可能である。ポリカーボネートジオール、トリオールまたはポリオールは、例えば、ラピッドプロトタイピング系および接着剤における優れた野外耐久性、熱および水分耐性、および改善された寸法安定性および安定な機械特性、印刷用インクおよびワニスの滅菌および低温殺菌における改善された加水分解安定性、並びに、インクにおける例えばより一層のニュートン型の挙動(Newtonian behaviour)のような改善されたレオロジー特性(behaviour)を持ったコーティング提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
従って、本発明は、紫外線によって硬化可能な樹脂組成物に関し、この樹脂組成物は、
a)25から95重量%までの、少なくとも1種の環状脂肪族エポキシ樹脂またはエポキシド化合物(このエポキシ樹脂またはエポキシド樹脂は1以上の3員エポキシド基を有する)、少なくとも1種オキセタン樹脂または化合物(この樹脂または化合物は1以上の4員オキセタン基を有する)、および/または少なくとも1種のビニルエーテル、またはこれらの混合物、
b)1から40重量%までの、成分(a)と反応できる少なくとも1種のポリカーボネートジオール、トリオールまたはポリオール、
c)0.1から10重量%までの少なくとも1種のカチオン性光開始剤、および任意選択的に、
d)1から70重量%までの少なくとも1種のラジカル的に(radically)重合可能なモノマーおよび/またはオリゴマー、および/または
e)0.1から10重量%までの少なくとも1種のフリーラジカル光開始剤
を含む。
【0019】
前記環状脂肪族エポキシ樹脂またはエポキシド化合物は、好ましくはおよび典型的には、結合性(linking)脂肪族エステル基および2つのシクロヘキサンオキシド基を有する樹脂または化合物、例えば、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオエート、ジ(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオエート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートおよびエチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)である。
【0020】
前記オキセタン樹脂または化合物は、前記樹脂組成物の種々の実施形態で、好ましくは、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン(3-(meth)allyloxymethyl-3-ethyloxetane)、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)−プロパンジイルビス(オキシメチレン))−ビス(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチルロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性(改質:modified)ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチルロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性ビスフェノール−A−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド変性ビスフェノール−A−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性水素化ビスフェノール−A−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド変性水素化ビスフェノール−A−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、および/またはエチレンオキシド変性ビスフェノール−F−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルよりなる群から選択される。
【0021】
ビニルエーテル化合物は、本発明の実施形態では、有利な形態で、ジビニルまたはトリビニルエーテル、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル及びトリメチロールプロパントリビニルエーテル、および、モノビニルエーテル化合物、例えば、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテルなど、の中から選択される。
【0022】
本発明の樹脂組成物に含まれるポリカーボネートジオール、トリオールおよびポリオールは、適切には、そして例えば、米国特許第5,171,830号(この開示内容の全体を参照により本明細書に組み込む)に開示されているようなエステル交換法で製造される。前記樹脂組成物に含むことができるポリカーボネートジオール、トリオールおよびポリオールは、前記方法によって調製されたポリカーボネートがあるが、これに限定されない。前記ポリカーボネートの調製に適したジオール、トリオールおよびポリオールには、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオール、およびこれらの二量体、三量体およびポリマー(重合体)が含まれるが、これらに限定されない。適切におよび有利に使用されるジオール、トリオールおよびポリオールの典型例として、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、1,3−ジメタノール−シクロヘキサン、1,4−ジメタノール−シクロヘキサン、1,3−ジメタノールベンゼン、1,4−ジメタノールベンゼン、ビス−ヒドロキシエチルビスフェノールA、ジメタノールトリシクロデカン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、アンヒドロエンネアヘプチトール(anhydroenneaheptitol)、1,4−ブタンジオール−2、ビス−ヒドロキシエチルヒドロキノン、および樹枝状もしくは多分岐ポリエステルおよび/またはポリエーテルポリオール、を挙げることができる。
【0023】
化学線に露光した際に、カチオン的に(cationically)重合可能な化合物、例えばエポキシ樹脂、の反応を開始する任意の適切なタイプの光開始剤を本発明の樹脂組成物に使用することができる。多数の公知で適切な技術的実績のあるカチオン性光開始剤がある。これらには、例えば、弱い求核性を有するアニオン(陰イオン:anions)を持つオニウム塩が含まれる。その例は、欧州特許出願0153904号明細書および国際公開98/28663号パンフレット(WO98/28663)(特許文献3乃至4)に開示されているもののような、ハロニウム塩(halonium salts)、ヨードシル塩およびスルホニウム塩、欧州特許出願0035969号明細書、欧州特許出願0044274号明細書、欧州特許出願0054509号明細書および欧州特許出願0164314号明細書(特許文献5乃至8)に開示されているもののようなスルホキソニウム塩、および、米国特許第3,708,296号明細書および米国特許第5,002,856号明細書および英国特許第2396153号明細書(特許文献9乃至11)に開示されているもののようなジアゾニウム塩である。これら8つの開示内容全体のすべてを参照により本明細書に組み込む。他のカチオン性光開始剤は、例えば、欧州特許出願0094914号明細書および欧州特許出願0094915号明細書(特許文献12乃至13)に開示されているもののようなメタロセン塩である。
【0024】
現在利用可能なその他のオニウム塩開始剤および/またはメタロセン塩の概要は、"UV Curing, Science and Technology", Editor S. P. Pappas, Technology Marketing Corp., USA(「紫外線硬化、科学と技術」、編者S.P.パッパス、テクノロジー・マーケティング社、米国)および"Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks & Paints", Vol. 3, edited by P.K.T. Oldring(「コーティング、インク&塗料用のUV&EB配合物の化学&技術、第3巻、P.K.T.オルドリング編)(非特許文献2乃至3)に見いだすことができる。
【0025】
前記任意のラジカル的に重合可能なモノマーまたはオリゴマーは、本発明の樹脂組成物によっておよびその実施形態で例示することができ、これには、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、例えばエチレンおよび/またはプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、例えばエチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートおよびプロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートのようなアルキレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル誘導体付加物((meth)acrylic adducts)、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよびテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートおよびテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシド変性ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシド変性ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAおよびビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、フェノール性ノボラックポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート((meth)acrylate of phenolic novolak polyglycidyl ethers)など、が含まれる。
【0026】
本発明の樹脂組成物は、その実施形態では、1以上のフリーラジカル光開始剤を使用することができる。このような光開始剤の例には、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルおよびベンゾインアセテート(benzoin acetate)のようなベンゾインおよびベンゾイン誘導体、例えばアセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、4−(フェニルチオ)アセトフェノンおよび1,1−ジクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類(acetophenones)、例えばベンジルジメチルケタールおよびベンジルジエチルケタールのようなベンジルおよびベンジルケタール、例えば2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tertブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンおよび2−アミルアントラキノンのようなアントラキノン類(anthraquinones)、トリフェニルホスフィン、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのようなベンゾイルホスフィンオキシド類(benzoylphosphine oxides)、例えばベンゾフェノン、ジメトキシベンゾフェノン、ジフェノキシベンゾフェノンおよび4,4’−ビス(N,N’−ジメチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン類(benzophenones)、チオキサントン類(thioxanthones)およびキサントン類(xanthones)、アクリジン誘導体、フェナゼン(phenazene)誘導体、キノキサリン誘導体、I−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、I−アミノフェニルケトン類(I-aminophenyl ketones)および例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル(1−ヒドロキシイソプロピル)ケトンおよび4−イソプロプルフェニル−(1−ヒドロキシイソプロピル)ケトンのような1−ヒドロキシフェニルケトン類(1-hydroxyphenyl ketones)、並びに、例えば4’’’−メチルチオフェニル−1−ジ(トリクロロメチル)−3,5−S−トリアジン、S−トリアジン−2−(スチルベン)−4,6−ビストリクロロメチルおよびパラメトキシスチリルトリアジンのようなトリアジン化合物が含まれる。
【0027】
本発明の樹脂組成物は、更に、少なくとも1種の有機もしくは無機顔料(pigment)、フィラー(充填剤:filler)および/または着色剤(colorant)を含むことができ、それら自体はすべて当分野で周知である。典型的には、適切な有機着色剤の非制限的な例は、フタロシアニンブルー、モノアリーリド(monoarylide)イエロー、ジアリーリド(diarylide)イエロー、アリールアミド(arylamide)イエロー、アゾレッド、キナクリドンマゼンタおよび微粉化した炭素などのような黒色顔料を含む。
【0028】
例えば、固体画像化プロセスで使用される場合の粘度上昇のような、粘度上昇を防止するために、安定剤を本発明の組成物に添加することができる。好ましい安定剤には、米国特許第5,665,792号明細書(特許文献14)(この文献の開示内容全体を参照により本明細書に組み込む。)に開示されているものが含まれる。このような安定剤は、通常、IA族およびIIA族金属の炭化水素カルボン酸塩である。これらの塩のもっとも好ましい例は、重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム:sodium bicarbonate)、重炭酸カリウム(炭酸水素カリウム:potassium bicarbonate)および炭酸ルビジウムである。更に、カチオン性光開始剤を増感し、これによってその反応性を高める、1以上の増感剤、例えば1−クロロ−4−プロポキシ−チオキサントンを、例えば0.1乃至5.0重量%の量で、本発明による樹脂組成物に添加することもできる。
【0029】
更なる特徴(側面)では、本発明は、本明細書で開示された、装飾用および/または保護コーティング、ワニス、印刷用インクのようなインクおよび接着剤としての樹脂組成物の使用、並びに、ラッピドプロトタイピング組成物における使用に関する。
【0030】
更に詳述することなく、上記の説明を用いて、当業者は最大限に本発明を利用することができると考えられる。従って、以下の好ましい特定の実施形態は、単に例示として解釈されるべきであり、いかなる方法であろうともその開示の残余部分を制限するものではない。以下の実施例1および2は、本発明の実施形態で使用するポリカーボネートジオールの合成に関し、実施例3〜6は、前記発明の実施形態による樹脂組成物、コーティングおよびインクの調製および評価に関する。評価結果は、表1および2に示されている。
【0031】
実施例1
この合成は、2ステップ、即ち大気圧でのトランスカルボニル化ステップと、これに続く減圧下での重合ステップで行われる。トランスカルボニル化(このステップでは、ジメチルカーボネート(DMC)がネオペンチルグリコールのモノおよびジメチルカーボネートエステルを形成する)は、メタノールとの共沸混合物を形成することによる重合ステップでのDMCの損失を防ぐために行われる。この合成は、90%より多い(を越える)ネオペンチルグリコールのポリカーボネートの収量をもたらし、この生成物は、100乃至110℃の範囲の融点と112mgKOH/gのヒドロキシル価を有する白色固体であった。
【0032】
ステップ1:169g(1.88モル)のDMCと140g(1.34モル)のネオペンチルグリコールを、加熱および攪拌しながら500mlのガラス反応容器に充填した。ネオペンチルグリコールが溶液の状態になり始めたとき、1.07g(0.013モル)のNaOH(50%水溶液)をゆっくり滴下した。混合物を94℃の開始温度で環流させた。温度が81℃に達したとき、生成したメタノールと残留DMCが大気圧下で留去された。蒸留温度の幅は82乃至124℃であった。
【0033】
ステップ2:この重合ステップでは、圧力を25分の間に7mbarまで低下させ、反応を120℃で60分間前記圧力に維持することによって完結した。
【0034】
実施例2
この合成は、2ステップ、即ち大気圧でのトランスカルボニル化ステップと、これに続く減圧下での重合ステップで行われる。トラスカルボニル化(このステップでは、ジメチルカーボネート(DMC)が2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(BEPD)のモノおよびジメチルカーボネートエステルを形成する)は、メタノールとの共沸混合物を形成することによる重合ステップでのDMCの損失を防ぐために行われる。この合成は、90%より多い(を越える)BEPDのポリカーボネートの収量をもたらし、この生成物は室温で液体であり、112mgKOH/gのヒドロキシル価を有していた。
【0035】
ステップ1:126.1g(1.4モル)のDMCと162.25g(1.34モル)のBEPDを、加熱および攪拌しながら500mlのガラス反応容器に充填した。そのネオペンチルグリコール(BEPD)が溶液の状態になり始めたとき、0.04g(0.0005モル)のNaOH(50%水溶液)をゆっくり滴下した。混合物を99℃の開始温度で環流させた。温度が81℃に達したとき、生成したメタノールと残留DMCが大気圧下で留去された。
【0036】
ステップ2:この重合ステップでは、圧力を25分の間に15mbarまで低下させ、反応を120℃で270分間前記圧力に維持することによって完結した。
【0037】
実施例3
本発明の実施形態に従い、実施例1および2で得られた生成物を含む樹脂組成物、即ちクリアーコーティング(実施形態の配合物3および4)を調製し、これを、前記実施例1および2の生成物を用いないクリアーコーティング(配合物1および2)と比較した。これらの成分および量は以下に列記した。
【0038】
【表1】

【0039】
実施例4
実施例3で調製された樹脂組成物、即ちクリアーコートをガラスパネルに塗布した(膜厚:15μm、湿潤状態)。このコーティングを、80W/cmのUV H 灯下に、10m/分の速度で2回通すことにより空気中で硬化し、メチルエチルケトン(MEK)での二重拭き取り(double rubs)、ASTM D4366−95に従った振り子硬度(pendulum hardness)(ケーニッヒ振り子(Koenig pendulum))、およびASTM E−643に従ったエリクセン・フレキシビリティ(Erichsen flexibility)によって特徴を調べた。粘度を25℃で、コーンおよびプレート粘度計で測定した。結果を以下の表1に示した。
【0040】
実施例5
本発明の実施形態に従い、実施例2で得られた生成物を含む樹脂組成物、即ちインク(実施形態の配合物5、7および9)を調製し、これを、前記実施例2の生成物を用いないインク(配合物6、8および10)と比較した。すべてのインクは、高速分散装置中、50℃で調製した。これらの成分および量は以下に列記した。
【0041】
【表2】

【0042】
実施例6
実施例5で調製した樹脂組成物、即ちインクのレオロジーを、ストレステック粘度計(Stresstech viscosimeter)で評価し、ショートネス・インデックス(shortness index)を測定した。ショートネス・インデックスは、低ずり速度と高ずり速度(shear rate)(本明細書では、2.5秒−1および2500秒−1)の間の粘度比である。1のショートネス・インデックスはニュートン型の挙動を表し、ショートネス・インデックスが高くなるにつれてインクの擬可塑性(pseudoplasticity)が高くなる。369秒−1のずり速度での粘度が以下の表2に示されている。この表から、本発明による樹脂組成物であるインクが、前記BEPDカーボネートを用いないインクと比べてかなり低いショートネス・インデックスを示すことがわかる。
【0043】
【表3】

【0044】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線により硬化可能な樹脂組成物であって、
a)25乃至95重量%の、1以上の3員エポキシド基を有する少なくとも1種の環状脂肪族エポキシもしくはエポキシド樹脂もしくは化合物、少なくとも1種のビニルエーテルおよび/または1以上の4員オキセタン基を有する少なくとも1種のオキセタン樹脂もしくは化合物、および/またはこれらの混合物、
b)1乃至40重量%の、少なくとも1種のポリカーボネートジオール、トリオールおよび/またはポリオール、および
c)0.1乃至10重量%の、少なくとも1種のカチオン性光開始剤、および任意選択的に、
d)1乃至70重量%の、少なくとも1種のラジカル的に重合可能なモノマーまたはオリゴマーおよび/またはこれらの混合物、および/または
e)0.1乃至10重量%の、少なくとも1種のフリーラジカル光開始剤
を含むことを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記環状脂肪族エポキシもしくはエポキシド樹脂もしくは化合物が、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチル−シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレートおよび/または3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレートであることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記オキセタン樹脂もしくは化合物が、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、ビス(1−エチル(3−オキセタニル))メチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)メチル)オキセタン、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル)ベンゼン、フェノールノボラックオキセタンおよび/または3−エチル−(トリエトキシシリルプロポキシ)メチルオキセタンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂組成物。

【請求項4】
前記ビニルエーテルが、ジビニル、トリビニルおよび/またはより高度の官能性ビニルエーテルであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記ビニルエーテルが、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテルおよびトリメチルロールプロパントリビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−ジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、iso−プロピルビニルエーテル、iso−プロペニルエーテル、o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、および/またはオクタデシルビニルエーテルのようなモノビニルエーテル化合物であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリカーボネートジオール、トリオールまたはポリオールが、少なくとも1種のアルキルカーボネートと、少なくとも1種のジオール、トリオールおよび/またはポリオールとの間の反応により得られることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記アルキルカーボネートが、ジメチルカーボネートおよび/またはジエチルカーボネートであることを特徴とする、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ジオール、トリオールまたはポリオールが、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールおよび/または2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールである、請求項6または7に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記ジオール、トリオールまたはポリオールが、1,4−ブタンジール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、1,3−ジメタノール−シクロヘキサン、1,4−ジメタノール−シクロヘキサン、1,3−ジメタノールベンゼン、1,4−ジメタノールベンゼン、ビス−ヒドロキシエチルビスフェノールA、ジメタノールトリシクロデカン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、アンヒドロエンネアへプチトール、1,4−ブタンジオール−2、ビス−ヒドロキシエチル−ヒドロキノンおよび/または樹枝状ポリエステルおよび/またはポリエーテルポリオールであることを特徴とする、請求項6または7に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記ポリカーボネートジオールが、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールポリカーボネート、または、前記ジオールが少なくとも1種の他のジオール、トリオールおよび/またはポリオールと併用した2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールポリカーボネートであるコポリマーポリカーボネートでありことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項11】
前記カチオン性光開始剤が、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ハロニウム塩、スルホキソニウム塩、ジアゾニウム塩および/またはメタロセン塩であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項12】
前記樹脂組成物が、少なくとも1種の有機または無機顔料、フィラーおよび/または着色剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項13】
前記の任意選択的な、ラジカル的に重合可能なモノマーまたはオリゴマーがアクリレートモノマーまたはオリゴマーであることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項14】
前記アクリレートモノマーが、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートおよび/またはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートであることを特徴とする、請求項13に記載の樹脂組成物。
【請求項15】
前記アクリレートオリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、デンドリチック(樹枝状:dendritic)(メタ)アクリレートおよび/または不飽和ポリエステルであることを特徴とする、請求項13に記載の樹脂組成物。
【請求項16】
前記任意選択的なフリーラジカル光開始剤が、ベンゾインもしくはベンゾイン誘導体、アセトフェノン、ベンジルもしくはベンジルケタール、アントラキノン、トリフェニルホスフィン、ベンゾイルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン、チオキサントン、キサントン、アクリジン誘導体、フェナゼン誘導体および/またはキノキサリン誘導体であることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項17】
前記樹脂組成物が、前記の少なくとも1種のカチオン性光開始剤を増感し、これによってその反応性を高める、少なくとも1種の増感剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至16のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項18】
前記増感剤が、例えば0.1乃至5.0重量%の量で存在することを特徴とする、請求項17に記載の樹脂組成物。
【請求項19】
前記増感剤が、1−クロロ−4−プロポキシ−チオキサントンであることを特徴とする、請求項17または18に記載の樹脂組成物。
【請求項20】
前記樹脂組成物が、少なくとも1種の、IA族またはIIA族金属の炭化水素カルボン酸塩のような少なくとも1種の安定剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至19のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項21】
前記安定剤が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムおよび/または炭酸ルビジウムであることを特徴とする、請求項20に記載の樹脂組成物。
【請求項22】
前記樹脂組成物が、装飾用および/または保護コーティング、ワニス組成物、顔料インクのようなインク組成物または接着剤組成物であることを特徴とする、請求項1乃至21のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項23】
前記樹脂組成物が、ラピッドプロトタイピング用組成物であることを特徴とする、請求項1乃至21のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項24】
装飾用および/または保護コーティング、ワニス、顔料インクのようなインクまたは接着剤における、請求項1乃至21のいずれかに記載の樹脂組成物の使用。
【請求項25】
ラピッドプロトタイピングにおける、請求項1乃至21のいずれかに記載の樹脂組成物の使用。

【公表番号】特表2008−533273(P2008−533273A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501838(P2008−501838)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000293
【国際公開番号】WO2006/098676
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(502456286)ペルストルプ スペシヤルテイ ケミカルズ アーベー (12)
【氏名又は名称原語表記】Perstorp Specialty Chemicals AB
【住所又は居所原語表記】S−284 80 Perstorp, Sweden
【Fターム(参考)】