説明

経口投与剤形

本発明は、医薬活性物質を輸送するために、特に抗偏頭痛剤を患者に、患者の口内に挿入することで輸送し、医薬活性物質を口内に挿入することで医薬活性物質を粘膜を通じて胃腸系を通ることなく選択的に提供する、生分解性及び水溶性フィルムとしての投与剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘膜組織により選択的に吸収させるため口内へ挿入するための経口投与剤形、特に作用の迅速発揮が望ましい、例えば限定されるものではないが、抗偏頭痛薬の投与のための経口投与剤形に関する。特に本発明はトリプタン系抗偏頭痛医薬の医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
偏頭痛は、最も普通の精神状態のひとつである。偏頭痛は、アメリカ合衆国の人口の大部分に影響を与え、糖尿病、癲癇及び喘息を合わせたよりも多い。偏頭痛は単なる頭痛ではない。それは患者やその家族の生活の質にかなりの影響を与えて衰弱させ得る状態である。偏頭痛に襲われると、患者を完全に無力にし、日常活動を放棄させる。たとえ症状が現れない期間であっても、患者は次に襲われることを恐れながら生活している。偏頭痛の発症は通常4から72時間持続するが、患者は通常発症と発症の間の期間は症状を感じない。
【0003】
偏頭痛は、セロトニン又は5HTと呼ばれる化合物が血液流に放出されることにより起こると信じられている。これにより血管壁の痛みのニューロンを刺激する。正確に何がセロトニンの放出を起こすのかはいまだに研究の対象であり議論されている。しかしある因子が感受性の高い人に発症を起こさせることが同定された。これらのいくつかには、ストレスやある場合にはストレスからの解放、食物不足やたまの食事、例えばモノナトリウムグルタミン酸塩、カフェイン及びチョコレートを含む食品、又はアルコール(特に赤ワイン)、過労(肉体的又は精神的)、眠りパターンの変化(例えば夜更し、又は週末睡眠)、又はホルモン因子(例えば月経、避妊薬又は男性及び女性の加齢に基づくホルモン変化)が挙げられる。
【0004】
偏頭痛は群発性頭痛よりもずっと多くより詳しく研究されてきた。さらに、群発性頭痛に比べて、より効果的な薬物群が偏頭痛治療のために開発されてきた。これらの理由により以下の議論は主に群発性頭痛よりは偏頭痛に焦点を当てる。
【0005】
「群発性頭痛」は、突発的群発的に発症する傾向があり、通常群発サイクルは4から8週続く。いくらかの患者では、群発が一生で一回だけ起こり、他の患者では約一年に一回起こり、かかる発症の間は完全な軽減された中間期間であり、慢性的に苦しむ患者の約10%においては軽減される期間はほとんどない。偏頭痛(女性において男性の約3倍起こる)とは逆に、群発性頭痛は女性よりも男性により多く、約5:1又はそれよりも高い倍率である。
【0006】
偏頭痛及び群発性頭痛は共に「再発性原発性頭痛」に分けられている。これらはかなりの頻度で再発し患者の生活の健康と質に切実に干渉することから、その都度医学的治療を必要とし要求する。これは、アスピリンや同様の処方箋不要の鎮痛薬を飲んで痛みが去るまで横になるということとは対照的である。これらはまた「原発性」頭痛であり、これらは通常、他の原因となる医学状態例えば腫瘍、血脈洞又は他の感染、出血の問題などとは無関係に原発性の不利益な生物学的状態として発症する。
【0007】
抗偏頭痛医薬品投与のための現在の方法は大きな制限を伴う。例えば、消化管での分解及び当該医薬の低吸収性により、抗偏頭痛の経口投与可能な剤形では、大量の投与約20から100mg投与される必要がある。この大量投与は、吐き気、むかつきや他の望ましくない副作用を起こす可能性がある。多くの抗偏頭痛剤は、全身循環前及び第一通過効果の対象である。これにより、前記活性物質のほんの2から10%だけが変化を受けずに実際に血液流に到達すると推定されている。実際このことは、患者においてかかる疾患の治療及び予防としての当該医薬の効果を遅延させる結果となる。同様に抗偏頭痛剤の鼻腔内投与は、限定的な吸収と低い生物学的利用可能性による重大な制限により妨害される。
【0008】
抗偏頭痛剤の注射可能な及び鼻腔内スプレー剤はまた、抗偏頭痛の治療に利用可能である。抗偏頭痛剤を血液流に非経口的に投与することは、他の非経口投与方法に比べてより少ない投与量については可能であるが、注射のために医院を訪問する不便や、注射可能な自己投与に関する問題については自ずと明らかである。
【0009】
過去に、抗偏頭痛はリザプトリプタン(rizaptriptan)、スマトリプタン(sumatriptan)、ゾルミトリプタン(zolmitriptan)又は他のトリプタン(triptan)剤を用いて治療されてきた。これらの医薬は基本的に、通常の投与方法、例えば錠剤やカプセル剤の剤形で用いられ、スマトリプタンについては注射及び鼻腔内スプレーを介して用いられてきた。投与されたトリプタン抗偏頭痛薬剤の消化管(GI)での問題は、これら薬剤が低いGIでの生物学的利用可能性であって約15%から40%でありGIに刺激を与えるということである。さらに、これらの医薬剤は患者に迅速に輸送され、抗偏頭痛の発症を抑制し又は治療を行い速やかに症状を軽減しなければならないということである。従って、必要なものは、迅速な薬物放出及び、抗偏頭痛剤投与で知られたGI刺激を避けつつ生物学的利用可能性を可能とする抗偏頭痛治療に効果的な医薬組成物である。
【0010】
トリプタンは抗偏頭痛の急性治療用に開発された。これらの医薬は、エレトリプタン(eletriptan)、フラボトリプタン(frovatriptan)、スマトリプタン(sumatriptan)、ゾルミトリプタン(zolmitriptan)、ナラトリプタン(naratriptan)、リザトリプタン(rizatriptan)及びアルモトリプタン(almotriptan)の形で利用可能である。これらの製品は、最大で5から200mg/日までの量摂取されることを意図されている。表1には、トリプタン製品の投与量計画がまとめられている。
【0011】
【表1】

【発明の概要】
【0012】
我々は水溶性マトリックスであって、効果的に輸送する手段として口内へ挿入するために固体、フィルム又は液体経口投与形へ取り込まれることができ、かつ医薬活性物質を選択的に患者の口内粘膜を通じて輸送することができる、水溶性マトリックスを見出した。かかる水溶性マトリックス系は医薬活性物質を効果的かつ迅速に口内粘膜を通じて輸送する。当該系は医薬活性物質の輸送が効果的であると同時に当該系は、抗偏頭痛の治療又は予防の医薬活性剤、特にエレトリプタン、フロバトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン及びアルモトリプタンを含むトリプタンの輸送にとって理想的である。好ましくは、選択的口内粘膜輸送のためのトリプタンは、リザトリプタン、スマトリプタン及びゾルミトリプタンである。
【0013】
本発明の経口投与マトリックスは、これらの医薬活性物質を選択的に口内粘膜を通じて輸送し、GI系を通ることがなく、従ってGI刺激やGI組織における活性物の分解を避けることができる。GIによる不活性化がないので少量の活性剤で治療効果を生じることができる。さらに、本発明の経口投与マトリックスは、迅速に医薬活性物質を放出し、患者の血流に即座に輸送することができる。口内粘膜を通じる選択的医薬活性物質輸送は、スクロースのひとつ又はそれ以上の脂肪酸エステルであって全疎水性親水性バランス(HLB)が約8から約16であるエステルに活性物質を取り込んでマトリックスを形成することで達成される。本発明の経口投与マトリックスによって、生物学的利用性及び患者にとって迅速に治療効果を発現させる医薬活性物質の輸送が改良される。迅速な放出及び迅速かつ効果的吸収は、抗偏頭痛に悩む患者にとって特に重要である。
【0014】
医薬活性物質及びスクロースの脂肪酸エステルの経口投与マトリックスは、さらに添加物を含んでいてよい。例えばフィルム、粉末又は顆粒上の迅速放出固体、タブレット及び液体が挙げられる。かかる液体は、抗偏頭痛及び関連する症状を緩和するか又は予防するために使用される医薬活性物質の有効量を含む。本発明によれば、タブレット、フィルム又は他の固体投与形又は固体投与単位へ組み込まれる本発明の経口投与マトリックスはさらに、ポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートを含む。かかる固体投与形は、口内に挿入する適切なサイズである。特に当該固体投与形は、偏頭痛の予防及び治療としての一方又は両方の作用を有する抗偏頭痛剤の投与に適している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、リザトリプタンの異なる投与量を含む吸収強化剤を含まない3つの液体投与形から得られた投与後の時間対血漿レベルのグラフである。
【図2】図2は、同じ量のリザトリプタン及び吸収強化剤を含む3つの液体投与形から得られた投与後のリザトリプタンの時間対血漿レベルを示すグラフ、それを同じ量のリザトリプタンと吸収強化剤を含まない液体投与形とを比べたグラフである。
【図3】図3は、リザトリプタンの血漿レベル対実施例29から34の組成物の投与後の時間を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によれば、医薬活性物質(又は活性物質として知られる)の患者への投与を、口内に局在する粘膜を通じて選択的に吸収する方法により投与するための新規な輸送マトリックスが提供される。吸収は医薬が血流に移動することである。本発明は、新規な経口投与剤形、例えばフィルム又はタブレット、及び液体投与形へ組み込まれるマトリックスである。経口投与剤形なる用語は、限定されるものではないが経口崩壊タブレット、ペースト、ゲル、液体、乳化物、フィルム、キャンディ、トローチ、バッカル剤及び歯肉パッチ、顆粒及び粉末投与形が挙げられる。投与形又は投与単位なる用語は、前記マトリックスの組成物を意味し、医薬活性物質及びひとつ又はそれ以上のスクロースの脂肪酸エステルを含み、かかるエステルは全HLBが約8から約16、好ましくは約9から約16である。さらに患者の口内へ挿入するための剤形追加成分であって、タブレット、ペースト、ゲル、液体、乳化物、フィルム、キャンディ、トローチ、バッカル剤及び歯肉パッチ、顆粒及び粉末投与形が含まれる。投与形は好ましくは水溶性である。投与形は有効量の医薬活性物質をその中に含む。投与形は、場合により、ポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートの混合物を含むことができる。投与形が固体の場合、外側のサイズは口内挿入に適合されている。好ましくは、固体投与形はフィルム(ODF)及びタブレット(ODT)である。口内への挿入は好ましくは、舌下又は頬側挿入であり、これにより医薬活性物質が口内の綿膜を通じて選択的に患者に輸送されることとなり、通常GI刺激を引き起こすか又はGI系による不活性化を生じるGI系をバイパスでき、効果的な医薬活性物質の輸送を可能にする。トリプタン系化学物質の抗偏頭痛はGI刺激を起こすことが知られており、またGI暴露により不活性化が少なくとも部分的に起こることも知られている。ある場合には、投与形は舌の上に置かれそこで吸収が生じる。本発明の投与形は、医薬活性物質を迅速にかつ効果的に患者に輸送する運搬装置として作用する。好ましくは、液体投与形が舌下吸収のために舌下に置かれる。医薬活性物質及びスクロースの脂肪酸エステルのみが液体中に存在する場合、マトリックスが投与形となる。
【0017】
本発明はまた、患者の偏頭痛、群発性頭痛及び偏頭痛及び群発性頭痛に関連する症状を患者の口内に経口単位投与形を投与することで緩和する方法に関する。通常、偏頭痛症状は苦痛な頭痛が一方側だけで起こり得、パルス状であり4から12時間続く。それに伴う不快は、むかつきや吐き気であり、明るい光りに対する過敏性(光り恐怖症)及び音過敏(聴覚過敏)である。偏頭痛を経験した約三分の一の人が奇妙な光りや望ましくない匂いといった予兆を感じる。
【0018】
本発明のひとつの実施態様において、医薬活性物質は抗偏頭痛である。好ましい抗偏頭痛は、エレトリプタン、フロバトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン及びアルモトリプタンを含む群から選択されるトリプタン及びその薬学的に許容される塩である。本発明の投与形で使用される活性物質の適切な薬学的に許容される塩には、酸付加塩、例えば本発明による医薬活性物質と薬学的に許容される非毒性酸、例えば塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸の溶液と混合することで生成される。これらの抗偏頭痛剤は、偏頭痛及び関連する症状を治療するか又は偏頭痛及び関連する症状が発生することを予防することにより偏頭痛に対処する有効量を投与形に含むものである。当該投与形を患者の口内に挿入することで、医薬活性物質が選択的に患者の口内粘膜を通じて吸収されて輸送される。本発明の他の実施態様においては、投与形は舌の上に置かれる。他の実施態様においては、液体マトリックスが患者の口内に置かれ、そこで活性物質が吸収されるまで維持される。吸収は約0.5分から約15分、好ましくは約1分から約10分、より好ましくは約1分から約5分を要するものである。液体投与形を患者の舌の下に置くことが好ましい。液体投与形は、適切なスプレー装置を用いて口内にスプレーすることで適用されることができる。又は口内に点眼装置、ピペット又は類似の装置を用いて口内に置かれてもよい。かかる装置は当該技術分野で知られている。フィルム、タブレット又は液体で投与することは好ましくは一日一回又は二回である。投与は患者の年齢、状態の深刻さ及び具体的な活性物質による。
【0019】
医薬活性物質がトリプタンの場合、投与形におけるトリプタンの量が約1mgから約100mgが基本である。医薬活性物質がアルモトリプタンである場合、約2.5mgから約15mgが基本である。医薬活性物質がリザトリプタンの場合には、約2.5mgから約15mgが基本である。医薬活性物質がナラトリプタンの場合、約1から約5mgが基本である。医薬活性物質がゾルミトリプタンの場合、約1から約7.5mgが基本である。医薬活性物質がスマトリプタンの場合、約3から約100mgが基本である。好ましくはスマトリプタンは約3mgから約50mgが基本であり、より好ましくは約3mgから約25mgが基本である。医薬活性物質がフロバトリプタンの場合、約1から約5mgが基本である。医薬活性物質がエレトリプタンの場合、約10から約30mgが基本である。
【0020】
ここで使用される用語「トリプタン」は、インドール環に基づく化合物であり、偏頭痛の痛みを抑制する向神経活性を持つ。これには当該化合物の自由塩基及びその塩、同様に薬学的に許容される類似物、誘導体及び化学的に変性された形、それらの酸付加物が挙げられる。塩化物に加えて、他の薬学的に許容される塩は臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グルコン酸塩、メシレートなどである。また、「親油性イオン対」の形の脂肪酸塩が含まれ、例えばラウレート、ドデシレート、ミリステート、パルミテート、ステアレート、ココノエート、ベヘネート、オレート、リノレート、リノレネート、アイコサペンタエネート、アイコサヘキサエネート、ドコサペンタエネート、ドコサヘキサエネート及びアイコサノイド一般物が挙げられる。本発明の薬学的に許容される適切な塩はさらに、酸付加物が挙げられる。例えば本発明の化合物の溶液と薬学的に許容される非毒性酸の溶液、例えば塩酸、フマル酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、炭酸及びリン酸の溶液と混合することで形成される。好ましくは、リザトリプタンの薬学的に許容される塩は、シュウ酸塩、コハク酸塩、塩酸塩及び安息香酸塩である。リザトリプタン又はその薬学的に許容される塩の偏頭痛を治療する際の適切な投与レベルは、一日約0.05mg/kgが基本である。一般的に、リザトリプタンに関しては、単位投与形を形成するフィルムは、約1mgから約25mgを基本とし、約2mgから約20mgを好ましい量とし、約2.5mgから約15mgを最も好ましい量とする。一般的にこの単位投与は患者のサイズや体重に依存し、医者により望まれる量は偏頭痛発症の治療/予防に対する有効量である。
【0021】
本発明の好ましい実施態様によれば、投与形は水溶性フィルムであり、当該フィルムはマトリックスとポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートを含む。好ましくはフィルムが約5重量%から約95重量%のポリビニルピロリドン及び約5重量%から約95重量%のポリマー性アルギネートを含む。当該フィルムは、約5重量%から約95重量%のポリビニルピロリドン及び約5重量%から約95重量%のポリマー性アルギネートを含む水溶性混合物から形成される。アルギネート塩はすべての従来の薬学的に許容される塩であってよく、好ましくはアルカリ土類金属塩及びより好ましくはナトリウムアルギネートである。ポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートは共に当該フィルムを生成する際に使用され水溶性である。ポリビニルピロリドン及びアルギネート塩を溶解するための水混合物の形成には十分な水を使用する。
【0022】
フィルム形成に使用するポリビニルピロリドンは、分子量が約1x10から約1x10ドルトンであり、ポリマー性アルギネートは分子量約1x10から1x10ドルトンであり、1重量%水溶液の粘度が約400cpsから約900cpsである。本発明の好ましい実施態様によれば、投与形は水溶性フィルムであり、マトリックスとプルランを含む。プルランは通常、分子量約5000から約5000000ドルトンであり、好ましくはプルランの分子量は約10000から約800000ドルトンである。
【0023】
フィルム経口投与単位は、表面積が約0.25cmから約20cmであり、重量が約10mgから約500mg、好ましくは約10mgから約250mgである。乾燥フィルムの厚さは、約0.01mmから約5mm、好ましくは約0.05mmから約2.5mmである。フィルムは口内で約0.25分から約15分、好ましくは約0.5分から約10分で溶解する。医薬組成物がタブレットの場合、口内に置かれた際約0.25分から約15分で溶解する。
【0024】
医薬組成物がフィルムである場合、かかるフィルムは好ましくは、ひとつ又はそれ以上の吸収強化剤をフィルムの約0.1重量%から約15重量%、より好ましくは約1重量%から約10重量%含む。
【0025】
医薬組成物がタブレットである場合、かかるタブレットは好ましくは吸収強化剤をタブレットの約0.1重量%から約20重量%、より好ましくは約1重量%から約15重量%含む。
【0026】
医薬組成物が液体である場合、かかる液体は吸収強化剤をタブレットの約0.1重量%から約10重量%含む。
【0027】
制御された経口投与剤形、フィルム又はタブレットにおいて、混合物中のポリビニルピロリドンのポリマー性アルギネート比は、約5:1から約1:3である。ポリビニルピロリドンのポリマー性アルギネートへの異なる比を選択することで、フィルムの溶解時間を制御することができる。フィルムでのPVPとポリマー性アルギネートとの比の効果を示す報告された溶解時間が表1にまとめられている。フィルムを口内の舌下又は頬側に置き全溶液時間が測定された。
【0028】
【表2】

表1のフィルム調製手順は実施例1及び2に記載されている。PVP対ポリマー性アルギネート比は実施例2、2A、2B、3から9に記載されている方法で調節した。フィルム形成において、ポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネート塩を混合した水溶液に、本発明の投与形を形成するために使用する他の物質、薬学的活性物質及び吸収剤を混合した。
【0029】
ポリビニルピロリドンの分子量が大きくなると、そのようにして製造されたフィルムからの薬剤放出時間は延びるであろう。これについては表3及び実施例7及び8で説明される。実施例7では、PVPアルギネート比が2:1で含み、0.1620gの分子量337000ドルトンのPVPK60を含む。実施例8では、PVPアルギネート比が2:1で含み、0.1620gの分子量44000から54000ドルトンのPVPK30を含む。実施例7は、頬側放出時間11分15秒であり、舌下放出時間が9分53秒である。実施例8では、頬側放出時間8分44秒であり、舌下放出時間が6分34秒である。PVPK30の分子量44000から54000ドルトンに比べてPVPK60の分子量337000ドルトンのみがこれら2つの物質の違いである。
【0030】
実際、ポリマー性混合物中のポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートの比が増加すると、かかるフィルムからの放出時間も延びるであろう。ポリビニルピロリドンの分子量及びポリビニルピロリドンとポリマー性アルギネートとの比を変えることで、約1分から約1時間又はそれ以上の放出時間を得ることができる。
【0031】
追加のポリマーを、放出調節剤としてマトリックスに添加することができる。適切な追加ポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びポリエチレングリコール及び類似のポリマーを含む群から選択されてもよい。好ましくは、ヒドロキシエチルセルロースを用いて、フィルムの親水性を減少させて溶解時間を頬側及び舌下とも25分以上に増加することができる。ヒドロキシプロプルメチルセルロースもまた、フィルム親水性を減少させ同じ溶解時間を1から5分の範囲で減少させることができる。追加のポリマーの放出時間制御を示す組成物が実施例9から13に示される。
【0032】
1.単位投与形は、知られた薬学的に許容される添加物、香料成分、表面活性剤及び補助剤を含んでいてよい。グリセロールのような従来の可塑剤もまた、約40%まで含まれてもよい。具体的な放出制御添加物としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースを添加してもよい。従来の香料成分、例えばペパーミントオイル、砂糖又は他の天然及び人工甘味料及び天然及び人工香料が、本発明の組成物の同じ形で含まれていてもよい。これらの添加物、香料成分、甘味料、可塑剤、表面活性剤及び補助剤はフィルムに組み込むことも可能であり、フィルムを形成するための水溶液中に混合されてもよい。一般的に、これらの化合物は約0.1%から約20%の範囲であってよい。放出制御マトリックスは、ひとつ又はそれ以上の吸収強化剤をフィルム又はタブレットの投与形の重量に対して約0.1%から約20%、好ましくは約1から約20%の量含まれてもよい。
【0033】
単位投与形が非イオン界面活性剤をさらに含む場合、結合された非イオン界面活性剤とスクロース脂肪酸エステルは全HLBとして約8から約17を持つ。
【0034】
本発明の固体経口投与剤形はすべての望ましい水溶性薬学的活性物質を輸送するために使用できる。ここで使用される「有効量」とは、薬又は薬剤の量を意味し、患者の望ましい生物学的又は医学的応答を生じる量を意味する。本発明によると、投与されるべき薬剤及び医者により望まれる患者の望ましい生物学的又は医学的応答に依存して、有効量は変化する。一般的に、他の単位投与形で投与された薬学的活性剤の量が使用され、本発明の単位投与形により投与されることができる。薬学的活性剤の量は、投与の異なる経路による吸収の違いを考慮して調節することができる。ここで使用される「選択的」なる用語は、投与された薬剤の大部分が胃腸系よりも口内粘膜を通じて輸送されることを意味する。
【0035】
本発明の経口単位投与形においての使用のための好ましい薬剤は、患者の偏頭痛を治療又は予防する薬剤である。本発明の投与形に存在する量は、偏頭痛の治療又は予防に有効な量でなければならない。偏頭痛の治療又は予防のために使われるすべてのこれまでの水溶性薬剤は、他の投与形で通常使われる量で用いることができる。本発明の経口投与形で使用される好ましい偏頭痛剤は、トリプタンでありその薬学的に許容される塩である。さらにリザトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン又はその薬学的に許容される塩である。これら好ましい薬剤は偏頭痛に対処するためにの薬剤であることが知られている。具体的な好ましい薬剤は、リザトリプタン又はその薬学的に許容される塩であり、最も好ましくは安息香酸塩である。
【0036】
1.本発明の単位投与形は、薬学的に許容される粘膜通過又は透過強化剤を含む。これらの薬学的に許容される粘膜通過又は透過強化剤はフィルム又はタブレットに加えるか、又はフィルム又はタブレットを製造するために使用される溶液に混合することができる。この薬学的に許容される粘膜通過又は透過強化剤は、投与形の重量に対して、全量で約0.5%から約20%、好ましくは約1%から約20%、より好ましくは約1%から約10%、最も好ましくは約2%から約10%である。好ましい薬学的に許容される粘膜通過又は透過強化剤は、スクロースのエステル特にスクロースのC12からC20の飽和脂肪酸のエステルである。スクロースの脂肪酸エステルがひとつ又はそれ以上マトリックス、即ちフィルム経口崩壊タブレット、液体、スプレー、ペースト、ゲル、経口フィルム、キャンディ、トローチ、頬側及び歯肉パッチに含まれる場合は、スクロースの脂肪酸エステルの全HLBは約8から約16、好ましくは約9から約16、最も好ましくは約9.5から約16である。好ましくはスクロース脂肪酸エステルは、スクロースステアレート、スクロースパルミテート、スクロースラウレート、スクロースベヘネート、スクロースオレート及びスクロースエルケートを含み群から選択される。表2はスクロース脂肪酸エステルのHLB値及びそのモノエステル含有量をまとめた。
【0037】
【表3】


表面活性剤の親水性−疎水性バランス(HLB)は、親水性又は疎水性の尺度であって分子の異なる部分の値に基づいて計算される。これは、W.C.Griffin“Classification of Surface−Active Agents by‘HLB,’“Journal of the Society of Cosmetic Chemists 1(1949):311及びW.C.Griffin”Calculation of HLB Values of Non−Ionic Surfactants,”Journal of the Society of Cosmetic Chemists 5(1954):259に記載されている。他の方法が、J.T.Davies”A quantitative kinetic theory of emulsion type,I.Physical chemistry of the emulsifying agent,“Gas/Liquid and Liquid/Liquid Interface.Proceedings of the International Congress of Surface Activity(1957):426−438に記載されている。
これらすべての参考文献は、参照されて本明細書の一部となる。
【0038】
異なるHLBを持つ成分の組み合わせについてのHLBは、次の式による:
【0039】
【数1】

ここでHiは、個々の成分のHLB値であり、Aiは個々の成分の量である。

好ましい実施態様のマトリックスはさらに、非イオン性界面活性剤を含む。好ましい非イオン性界面活性剤は、ひとつ又はそれ以上のポリソルビテート及びソルビタン脂肪酸エステルである。
【0040】
本発明で好ましく使用されるポリソルビテートは、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタン及びポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレートを含む群から選択される。
【0041】
本発明で好ましく使用されるソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート及びソルビタンモノオレートを含む群から選択される。
【0042】
本発明のマトリックスはさらに、第二の吸収強化剤を含んでいてよく、例えば、グリセロール、ジンジャーオイル、シネロール、及びテルペンを含む群から選択される。好ましいテルペンには、リモネン、シメン、ピネン、ペランドレンなどが挙げられる。
【0043】
本発明の経口投与剤形はマトリックスとポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートの水溶液を形成することで製造される。フィルム形成には、ポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートを含む水溶液を、医薬活性成分、可塑剤及び薬学的に許容される添加物、香料材料、補助剤と混合する。この混合物を、一般的にコーティング及びキャスト装置を用いてコーティングによりフィルムにキャストして乾燥する。この装置によりフィルムをキャストするすべての従来技術が、フィルム形成のための手順を実行するために使用可能である。ポリビニルピロリドン、ナトリウムアルギネート、薬学的活性成分、可塑剤、又は同じく薬学的に許容される添加物、香料成分、補助剤を含む水溶性混合物を、ポリエステルフィルムのような剥離ライナーにコートする。すべての従来の放出ライナーがこの目的で使用できる。一般的に、剥離ライナーは乾燥後フィルムを剥離できるように表面はシリコーンである。ポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートを含む水溶液をかかる剥離ライナーにコーティング後、コーティングされた剥離ライナーをコーティングされた溶液を加熱して乾燥し、ポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートがフィルムを形成させる。当該フィルムには、好ましくは均一に分散された薬学的活性成分分散物を含む。一般的に乾燥は約60℃から80℃又はそれ以上から始まるがこれはフィルムの厚さに依存する。乾燥時間は10分から4時間の範囲で変動する。ポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートフィルムの乾燥及びフィルム形成は従来技術により実行可能である。フィルムが乾燥された後は、フィルムを標準サイズに切断し経口投与剤形を生成するために剥離ライナーから剥離する。一般的にフィルム形状の経口投与剤形はその表面積が約0.25cmから約20cm有し、その重量は約1mgから約200mgを持ち、好ましくは表面積約1cmから約10cm及び重量約10mgから約200mgを持ち、その厚さは約0.1mmから約5mmである。
【0044】
経口崩壊タブレット製造において、スクロースの脂肪酸エステルは、例えばイソプロピルアルコールに約60℃の温度で溶解させる。例えば香料成分及び非イオン性界面活性剤を添加して溶液Aを形成する。タブレット中に例えばポリビニルピロリドン(PVP)及びポリマー性アルギネートである放出制御剤が含まれる場合、水に溶解して調製される。フィラーと、例えばマンニトール及びスクロースである甘味剤とを混合して粉末Bとする。流動床顆粒化装置で、粉末Bに溶液A、場合によりPVP:アルギネート溶液をスプレーする。混合物を完全に乾燥するまで乾燥する。混合物はその後、20メッシュスクリーン又は同様の工程を経て顆粒化される。かかる顆粒化されたPVPを、薬学的活性成分、好ましくはトリプタン及び追加の乾燥成分と一緒にする。追加の乾燥成分とは、例えば追加のポリマー、甘味剤、潤滑剤であり、その粒子サイズは、タブレットに最終的に形成されるために60メッシュスクリーンを通過するに等しい。適切なサイズ及び形状のタブレットはその後医薬分野でよく知られた技術により製造される。口内で迅速に溶解するタブレットの形成は当該技術分野でよく知られている。かかるタブレットは、例えば、US7,431,942;5,464,632及び5,026560に記載されており、これらは参照により本明細書の一部となる。
【0045】
液体投与形は、活性成分及び吸収強化剤を水に溶解して製造する。かかる液体投与形は、有効量の薬学的活性成分を溶解して含む。かかる液体投与形はさらに、吸収強化剤として、ひとつ又はそれ以上のスクロースの脂肪酸エステルを含み、その全HLB値は約8から約16であり、好ましくは約9から約16、より好ましくは約9.5から約16である。例えば従来のペパーミントオイル、天然及び人口香料、砂糖又は他の天然及び人工甘味料がまた含まれてもよい。これら添加物、付香剤、可塑剤及び補助剤は、液体投与形に添加すること又はその溶液と混合することで取り込まれることができる。少量のアルコールはまたこれらの成分の溶解性を高めるために有用であり得る。一般的に、これらの成分の量は、約0.1%から約20%である。付香成分は、他の物質の香りを与え、溶質の性質を変えてそれを甘く、酸っぱく、ぴりっと等にさせる。食品及び本発明において有用な3つの主なタイプの香料剤があり、EU及びアーストラリアで同意された定義によれば次のようである。
【0046】
天然香料物質:植物又は動物の原材料から、物理的、微生物学的又は酵素的プロセスにより得られるもの。これらはその天然のままの形で用いられるか人の消費のためにプロセスされる。しかしすべての天然物と同じであっても人工香料物質は含まれない。
【0047】
天然と同一の香料物質:合成や化学プロセスにより単離して得られるものである。これらは化学的に天然に存在する香料物質と同一であり、人の消費を意図した製品中に存在するものである。しかしすべての人工香料物質は含まれない。
【0048】
人工香料物質:天然には同定されていない香料物質であり、かかる製品がプロセスされていてもいなくても、人の消費を意図された製品に含まれる。
【0049】
口内特に舌下投与において吸収されることから有利となる、他の活性剤又は薬剤もまた本発明において含みことができる。「活性剤」とは本発明では、投与され/代謝される際に望ましい治療又は生理学的効果を持つ物質を意味する。治療効果は、病弊からの物理的緩和(例えば痛み、呑酸又は他の不快感を緩和する)をもたらすものであって、雰囲気や振る舞いを決定する脳内化学物質に作用するものである。当然これらは例示にすぎない。特定の剤が、与えられた治療効果を有する又はその効果に関与することは容易に認識されるであろう。
【0050】
活性剤は、従来から医薬として使用されてきており、口内を通じて投与されてきた全ての剤を含みことができる。かかる剤には、ビタミン、化学療法剤、抗生物質、経口避妊剤、ニコチン又はニコチン代用剤、鎮痛剤、筋肉弛緩剤、抗ヒスタミン剤、抗ウイルス剤、精神治療剤、抗糖尿病剤、性的不全剤及び心臓医薬剤が挙げられる。
【0051】
次の薬物系及び非限定的例示及びそれらの対応する塩が、口内溶解フィルムを用いて輸送のために適用可能である。特に迅速な効果発現による利益を受けるものや、低い経口生物学的利用性を有するものである。
【0052】
・喫煙中止剤:
−ニコチン、ニコチンポラクリレックス、ニコチン酒石酸水素塩、塩酸及びクエン酸、ニコチンマレイン酸塩又はそれらの混合物、他のニコチン代替物。
【0053】
・麻薬性鎮痛剤:
−フェンタニル、ヒドロモルホン、モルフィン、スフェンタニル、メタドン、ブプレノフィン
・麻酔剤:
−リドカイン(キシロカイン)、プロバカイン、ベンゾカイン
・鎮咳剤(OTC咳、風邪、喘息ハンドブック):
−ヘキシルレスシノール、デキストロモルフィン
・非麻酔性鎮痛剤、例えば非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDS):
−アセタミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、アスピリン(心臓循環系で低投与量)、ナプロキセンナトリウム、ケトロラック、ジクロフェナック、メロキシカム、ペロキシカム
・勃起不全剤:
−シルデナフィル、タダフィル、バルデナフィル
・女性性不全:
−シルデナフィル、タダフィル、バルデナフィル
・抗ヒスタミン剤:風邪及びアレルギー
−セルトリジン塩酸塩、ロラタジン、クロロサイクリジン塩酸塩、クロロフェニラミンマレイン酸塩、デキストロクロロフェニラミンマレイン酸塩、デキスブロモフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミンクエン酸塩、ジフェンヒドラミンクエン塩酸塩、ドキシルアミンクエン酸塩、フェニンダミン酒石酸塩、フェニラミン、ピリラミンマレイン酸塩、トリプロリジン塩酸塩、ソンジルアミン塩酸塩、クレマスチンフマール酸塩
・咳剤:
−メントール、カンファー、デキストロメトルファンHBr、グアイフェネシン、コデインリン酸塩、コデイン
・呼吸不全剤:
−シュードエフェドリン塩酸塩、フェニルエフィリン塩酸塩、グアイフェネシン、デキストロメトルファンHBr
・喉痛み剤:
−ベンゾカイン、メントール、ジクロニン、フェノール
・呼吸不全剤:
−エフェドリン
・胸焼け及び消化不良剤:
−シメチジン、ニザチジン、ファモチジン、ラニチジン、オメプラゾール
・制吐剤:
−グラニセトロン、オンダンセトロン等、AZ−001、AZ−004、レバデックス、ゼルリックス、VR−147、ROX−828、COL−144、BF−1、ジフェンヒドラミン、スコポラミン等
・睡眠剤:
−ゾルピデム、エスゾピクロン(ルネスタ)、ザレポン(ソナタ)、ジフェンヒドラミン、ドキシルアミン、ベンゾジアゼピン(例えばエスタゾラミン(プロソム)、フルラゼパム(ダルマン)、テマゼピン(レストリル)、トリアゾラム(ハルシオン)、ラメルテオン(ロゼレム)
・下痢剤
−ロペラミド、消化酵素(ラクターゼ)、ビスマスサブサリチル酸塩
・口腔衛生剤
−セチルピリジニウムクロリド、ドミフェン、チモール、ユーカリプトール、メチルサリチレート、メントール、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、ベンゾカイン、フェノール、ドコサノール
CGRPレセプターアンタゴニストであって、US特許7,534,784 に記載され、全体が参照され本明細書の一部とする。
【0054】
・偏頭痛治療剤:トリプタン/CGRP
−リザトリプタン、ゾルミトリプタン
−テルカガパント、BIBN4096(オルセゲパント)
例えば以下の、摂取手順強調のための液体を必要としない投与の便宜が、経口溶解フィルムで輸送されることによる利益を受ける他の薬剤。
【0055】
・ホルモン交換薬剤:
−エステラジオール、テストステロン
・アルツハイマー病:コリン作動薬/コリンエステラーゼインヒビタ
−ドネザピル、ガランタミン、リバスチグミン、タクリン、メマンチン等及びその塩
カフェイン塩化合物、例えばカフェインクエン酸塩、カフェイン安息香酸ナトリウム、カフェインサリチル酸ナトリウムはカフェインよりもより水溶性でありカフェインよりも苦くない。従って本発明の口内溶解フィルム又はODTによる輸送からの利益となることができる。
【0056】
以下の実施例は本発明の実施態様をより詳細に記載する。
【0057】
実施例において以下の事項が使用成分の定義である。
【0058】
ポリビニルピロリドン(PVP)K90:M.W.=1000000−1500000
K60:M.W.=337000
K30:M.W.=44000−54000
水溶性ポリビニルピロリドン(PVP)の分子量はヨーロッパ、日本及びUSAで薬局方として有効であるK−値として表される。これらは水中での相対粘度から計算され通常商品名の一部を形成する。
【0059】
ケルビス(Kelvis):高粘度(1%溶液で760cps)を持つナトリウムアルギネート、M.W.=134640
メトセル(Methocel)K100(LV):ヒドロキシプロピルメチルセルロースMW=26000
メトセルE4M:ヒドロキシプロピルメチルセルロースMW=93000
ナトロゾール(Natrosol)250Hヒドロキシエチルセルロース(HEC)高粘度グレード(1%溶液で1500−2500cps)
マヌゲル(Manugel)LBA:ナトリウムアルギネート、低粘性(10%溶液で500cps):M.W=15840
ポリオックス(Polyox)WSR205:高分子量(M.W.=600000) 水溶性樹脂ポリエチレングリコール
実施例1
基本溶液調製
混合操作を単純にするために、「基本溶液」を次のように調製した。20gのイソプロパノール(溶解剤として)及び64gのグリセロール(可塑剤として)を混合し、次に6.4gのスクロースエステル(HLB11)、2.4gのスクロースエステル(HLB5)、4gのTween80及び0.8gのSpan80(透過性強化剤として)を加えた。混合物をゆっくりと45から50℃に混合しながら加熱した。溶液が暖かいうちに0.2gのジンジャーオイルと0.08gのペパーミントオイル(香料剤として)を添加して均一になるまで混合した。室温に冷却後白色半透明のペーストが形成される。
【0060】
実施例2
PVP/アルギネートフィルム3:1
0.90gの20%ポリビニルピロリドン(PVPK90、MW=1.0−1.5x10)水溶液、及び3.0gの2.0%高粘度ナトリウムアルギネート(ケルビス、粘度=1%水溶液で760cps)水溶液を均一になるまで混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩(14.5mgのリザトリプタン安息香酸塩が10mgのリザトリプタンに等しい)及び0.025gのアスパルテーム(味調節剤として)を添加した。混合中に空気の入り込みを最小限とすることとに注意する。最終的粘性混合物を真空チャンバで空気泡が出なくなるまで脱気した。ここでこの粘性混合物は、コーティング/乾燥装置を用いてフィルムに湿式キャストの準備がなされている。フィルム形成手順は以下記載されている。
【0061】
フィルムコーティング/乾燥装置(Werner Mathis AG)を用いた。処方により、装置は初め特定の温度、40℃から80℃又は必要な場合それ以上に加熱された。湿式フィルム厚さ、即ちドクターナイフ及び剥離ライナーの上面間のギャップは1mm(頬側適用)及び2mm(舌下適用)にマイクロメータを用いて調節された。脱気された粘性混合物を溶液容器から、剥離ライナーを横断面を横切るように流し出した。ここで剥離ライナーは、滑らかな平面を形成するように強く引っ張って延ばしておいた。コーティングの準備ができた後、ドクターナイフがゆっくりとコーティング溶液上を引き、溶液を均一な厚さのフィルムを形成するように均等に広げた。剥離ライナー上にキャストされた湿ったフィルムは直ぐに装置の乾燥コンパートメント(80℃に設定された)に入れられた。乾燥フィルムの厚さに及びその応用に依存して、頬側適用の0.1mm厚さでは80℃で約20分、舌下適用の0.2mm厚さでは乾燥時間は2倍又は約40分であった。
【0062】
乾燥フィルムはその後0.1mm厚さ及び0.2mm厚さともダイカットされて5cmサイズとされた。目標とする0.1mm厚さでは、5cmのものは重量約50mgで5mgのリザトリプタンを含む。目標とする0.2mm厚さでは、同じく5cmで100mg重量、10mgのリザトリプタンを含む。
【0063】
実施例2A
PVP/アルギネートフィルム4:1
1.20gの20%ポリビニルピロリドン(PVPK90、MW=1.0−1.5x10)水溶液、及び3.0gの2.0%高粘度ナトリウムアルギネート(ケルビス、粘度=1%水溶液で760cps)水溶液を均一になるまで混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩(14.5mgのリザトリプタン安息香酸塩が10mgのリザトリプタンに等しい)及び0.025gのアスパルテーム(味調節剤として)を添加した。混合中に空気の入り込みを最小限とすることとに注意する。最終的粘性混合物を真空チャンバで空気泡が出なくなるまで脱気した。ここでこの粘性混合物は、コーティング/乾燥装置を用いてフィルムに湿式キャストの準備がなされている。フィルム形成手順は上記の手順で行った。
【0064】
目標とする0.1mm厚さでは、5cmのものは重量約50mgで5mgのリザトリプタンを含む。目標とする0.2mm厚さでは、同じく5cmで100mg重量、10mgのリザトリプタンを含む。
【0065】
実施例2B
PVP/アルギネートフィルム5:1
1.50gの20%ポリビニルピロリドン(PVPK90、MW=1.0−1.5x10)水溶液、及び3.0gの2.0%高粘度ナトリウムアルギネート(ケルビス、粘度=1%水溶液で760cps)水溶液を均一になるまで混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩(14.5mgのリザトリプタン安息香酸塩が10mgのリザトリプタンに等しい)及び0.025gのアスパルテーム(味調節剤として)を添加した。混合中に空気の入り込みを最小限とすることとに注意する。最終的粘性混合物を真空チャンバで空気泡が出なくなるまで脱気した。ここでこの粘性混合物は、コーティング/乾燥装置を用いてフィルムに湿式キャストの準備がなされている。フィルム形成手順は上記の手順で行った。目標とする0.1mm厚さでは、5cmのものは重量約50mgで5mgのリザトリプタンを含む。目標とする0.2mm厚さでは、同じく5cmで100mg重量、10mgのリザトリプタンを含む。
【0066】
実施例3
PVP/アルギネートフィルム2:1
0.80gの20%PVPK90水溶液、及び4.0gの2.0%ケルビス水溶液を混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームを添加した。得られた粘性混合物をフィルムキャストに使用するために真空チャンバで空気泡が出なくなるまで脱気した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0067】
実施例4
PVP/アルギネートフィルム1:1
0.60gの20%PVPK90水溶液、及び6.0gの2.0%ケルビス水溶液を混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームを添加した。混合物を均一になるまで混合し、得られた粘性混合物をフィルムキャストに使用するために真空チャンバで空気泡が出なくなるまで脱気した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0068】
実施例5
PVP/アルギネートフィルム1:2
0.40gの20%PVPK90水溶液、及び8.0gの2.0%ケルビス水溶液を混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームを添加した。混合物を均一になるまで混合し、得られた粘性混合物をフィルムキャストに使用するために真空チャンバで空気泡が出なくなるまで脱気した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0069】
実施例6
PVP/アルギネートフィルム1:3
0.30gの20%PVPK90水溶液、及び9.0gの2.0%ケルビス水溶液を混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームを添加した。得られた脱気混合物をフィルム製造に使用した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0070】
実施例7
PVP/アルギネートフィルム2:1
0.46gの35%PVPK60(MW=337000)水溶液、及び1.0gの8.0%低粘性ナトリウムアルギネート(マヌゲルLBA)水溶液を最初に混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームを添加した。得られた脱気混合物をフィルム製造に使用した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0071】
実施例8
PVPK30/アルギネートフィルム2:1
0.27gの60%PVPK30(MW=44000から54000)水溶液、及び1.0gの8.0%マヌゲルLBA水溶液を最初に混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームを添加した。得られた脱気混合物をフィルム製造に使用した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0072】
実施例9
PVP/アルギネート及びHECフィルム1:1
0.60gの20%PVPK90、0.75gの8.0%マヌゲルLBA水溶液、及び3.0gの2%高粘性ヒドロキシエチルセルロース(ナトロゾル(Natorosol)250H)を最初に均一になるまで混合した。これらの混合物に、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームを添加した。得られた脱気混合物をフィルム製造に使用した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0073】
実施例10
高分子量PEG/アルギネートフィルム及びHECフィルム
2.0gのポリエチレングリコール(ポリオックスWSR205、MW=600000)水溶液、2.7gの2%ナトロゾル250H水溶液及び1.35gの8%マヌゲルLBA水溶液を、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームと混合した。得られた脱気混合物をフィルム製造に使用した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0074】
実施例11
HPMC/PVP/アルギネートフィルム
1.66gの6%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メソセル(Methocel)K100、MW)水溶液、0.5gの20%K90PVP水溶液及び0.5gの8%マヌゲルLBA水溶液を、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームと混合した。得られた脱気混合物をフィルム製造に使用した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0075】
実施例12
HPMC/PVP/アルギネートフィルム
0.66gの6%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メソセル(Methocel)K100、MW)水溶液、0.60gの20%K90PVP水溶液及び1.00gの8%マヌゲルLBA水溶液を、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームと混合した。得られた脱気混合物をフィルム製造に使用した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0076】
実施例13
HPMC/PVP/アルギネートフィルム
0.66gの6%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メソセル(Methocel)K100、MW)水溶液、0.80gの20%K90PVP水溶液及び0.50gの8%マヌゲルLBA水溶液を、0.245gの上記「基本溶液」、0.0513gのリザトリプタン安息香酸塩及び0.025gのアスパルテームと混合した。得られた脱気混合物をフィルム製造に使用した。フィルム製造手順は実施例2と同じであった。
【0077】
実施例2−13について口内溶解の結果
経口フィルムを用いたインビボ保持試験
厚さ0.02mmの2.5cmフィルムを、6人の健康志願者の舌下に投与した。その後口内で、飲んだり飲み込むことなく口内でフィルムが保持された時間が測定された。
【0078】
口内での2つの位置は、舌下及び頬側であった。それぞれの位置は個々のフィルムの保持時間を測定するために用いられた。それぞれの実施例での平均溶解時間(分で)が表3にまとめられている。また、実施例でのフィルムの外観及び物理的性質がまた以下の表に示される。
【0079】
【表4】

以下、経口崩壊タブレット(ODT)の製造方法である。
方法A(実施例14,15,16,17,19,20,21及び22).
1. 8gのスクロースエステルHLB11(S−1170)及び3gのスクロースエステルHLB5(S−570)をイソプロピルアルコールに、60℃の水浴を用いて溶解する。その後混合物に5gのTween−80及び1gのSpan−80を混合。
【0080】
2. 2.5gのジンジャーオイル及び1gのペパーミントオイルを上の溶液に混合し溶液Aとする。
【0081】
3. 5gのPVPK30を100ml脱イオン水に溶解してPVPK30溶液を調製。
【0082】
4. 684gマンニトール及び180gのスクロースを混合して粉末Bとする。
【0083】
5. 流動床顆粒化装置に、粉末Bを入れて溶液A及びPVPK30溶液をスプレーする。
【0084】
6. 得られた混合物を流動床顆粒化装置内で20分間完全に乾燥するまで乾燥を続ける。乾燥顆粒を20メッシュのスクリーンに通す。
【0085】
7. 100gのリザトリプタン安息香酸塩、5gのCMC−Na、0.5gのアスパルテーム及び5gのマグネシウムステアレートを、60メッシュスクリーンに通し、上で乾燥された顆粒と混合して、最終的にタブレット用顆粒を生成する。
【0086】
8. 9mm平面パンチを設けたタブレット装置を用いてそれぞれ100mgのタブレットを作成した。
方法B(実施例18)
1. 8gのスクロースエステルHLB11(S−1170)及び3gのスクロースエステルHLB5(S−570)をイソプロピルアルコールに、60℃の水浴を用いて溶解する。その後混合物に5gのTween−80及び1gのSpan−80を混合。
【0087】
2. 2.5gのジンジャーオイル及び1gのペパーミントオイルを上の溶液に混合し溶液Aとする。
【0088】
3. 5gのPVPK30を100ml脱イオン水に溶解してPVPK30溶液を調製。
【0089】
4. 684gマンニトール及び180gのスクロースを混合して粉末Bとする。
【0090】
5. 50gのリザトリプタン安息香酸塩を粉末Bに添加する。
【0091】
6. 粉末Bに溶液A及びPVPK30溶液を混合して顆粒を調製する。
【0092】
7. 湿った塊を20メッシュスクリーンの通して篩い分けし、60℃で1.5から3時間乾燥する。乾燥した粒子を20メッシュスクリーンに通してタブレット用顆粒を調製する。
8. 50gのリザトリプタン安息香酸塩、5gのCMC−Na、0.5gのアスパルテーム及び5gのマグネシウムステアレートを、60メッシュスクリーンに通し、上で乾燥された顆粒と混合して、最終的にタブレット用顆粒を生成する。
9. 9mm平面パンチを設けたタブレット装置を用いてそれぞれ100mgのタブレットを作成した。
【0093】
表4は、上記手順で調製されたODTのタブレット組成物を与える。表5は、溶解時間を表す。当該溶解時間はODTが口内で完全に溶解する時間である。全てのタブレットは口内で3分30秒よりも短い時間で溶解した。
【0094】
表6は、公式のUSP手順を用いたタブレットの溶解プロフィールを与える。当該手順はUSP装置2溶解試験であり、水中で37℃及び50rpmパドル回転下での溶解試験である。USP装置2溶解試験において、全てのタブレットは完全溶解まで5分よりも長い時間を要し、あるタブレットでは、実施例14から18では、30分以内では完全には溶解しなかった。USP試験では、溶解性は、溶液中のリザトリプタンの量を測定して決定した。
【0095】
【表5】

【0096】
【表6】

【0097】
【表7】

液体投与形を用いた薬物動態研究
表7に記載の溶液のそれぞれが、表8に示すプロトコールにより6人の成人の群に投与された。リザトリプタンの血液レベルが、選択された時間間隔で、液体クロマトグラフ質量スペクトル方法で測定された。サンプルMG100、MG050及びMG033はスクロースの脂肪酸エステルを含まない。MG033Aは、全HLBが6.71のスクロース脂肪酸エステル0.7%を含んでいた。MG033Bは、全HLBが10.71のスクロース脂肪酸エステル0.7%を含んでいた。MG033Cは、全HLBが9.36のスクロース脂肪酸エステル0.7%を含んでいた。MG033Cはまた、界面活性剤Span−80及びTween−80を含み、同様にジンジャーオイルを含んでいた(これは元々少量のシネオールを含む)。
【0098】
データは表9にまとめられ、図1及び図2にグラフ化して示される。即ち、血漿中のリザトリプタン濃度はリザトリプタン及びひとつ又はそれ以上の全HLBが約8から約16を有するスクロースの脂肪酸エステルを含む液体投与形からが最大であることが示される。MG033AからCは、活性成分として同量のリザトリプタンを含み同同量の投与量が投与された。Cmaxは本発明のMG033B及びMG033C溶液が、コントロールのMG033及びMG033A(吸収強化剤及びHLB6.71)よりも高い。リザトリプタンの最大血中濃度時間(Tmax)は、MG033Cでは、MG033及びMG033Aに比べてずっと短かった。本発明の溶液MG033B及びMG033Cの曲線下面積(AUC)値は、MG033及びMG033Aに比べてずっと大きかった。MG033B及びMG033Cの曲線下面積は、MG100(吸収強化剤無しで、かつ本発明の組成物よりもリザトリプタンは3倍多く含まれている)よりも有意に大きかった。市販ODT及び飲み込みタブレットのためのタブレット(タブレット9)のAUCは、本発明のMG033A及びMG033Bに比べてずっと小さかった。これは、この2つのタブレット組成はリザトリプタン系投与が10mgであり、本発明のMG033A及びMG033Bのリザトリプタン系投与が6.88mgであることにおいて、特に顕著である。ある期間に亘り活性成分の投与及び放出がより高い血漿レベルとAUCを与えたことは予想外の知見であった。活性成分の好ましい投与方法はある期間に亘る放出である。好ましい治療方法は、活性成分を約0.25分から約15分間放出することである。より好ましい治療方法は、活性成分を約0.5分から約10分間放出することである。少なくとも1%から80%以上の薬物のフラクション(F1)が、口内粘膜に輸送され計画的に吸収され、そして1%より大きく80%の第二のフラクションが食道及び胃腸組織(GIT)の連続した経路に輸送され吸収される、と信じられている。第一のフラクション(F1)は迅速な効果発現と生物学的利用性を改良する結果となる。第二のフラクション(F2)はより長い作用期間及び生物学的利用性を改良する結果となる。これらのF1及びF2の結合が、これら研究から生物学的利用性を改良する結果となっていることが分かる。
【0099】
【表8】

【0100】
【表9】

【0101】
【表10】

人での、無作為、単一投与、3期間クロスオーバー、単一中心研究が、舌下経由投与される6種類の異なるリザトリプタンODF組成を比較するために計画された。全てのODFはリザトリプタン安息香酸塩14.53mg(リザトリプタン10mg等量)を含み、一方ODFフィルムを種々変更した。全部で18人の健康な女性対象者をこの研究のために雇用した。対象者は無作為にグループAとBに9人ずつ分けた。3回の投与期間のそれぞれにおいて、すべての対象者は3つの異なるリザトリプタンODFプロトタイプ(実施例29、実施例30及び実施例31がグループAの対象者に、実施例32、実施例33及び実施例34がグループBの対象者に)が与えられた。与えられた3つの組成の順番を無作為的に変更した。それぞれの投与期間のウオッシュアウト(washout)は72時間であった。
【0102】
投与に先立ち全ての対象者は一晩又は少なくとも8時間絶食し、さらに投与後もさらに4時間絶食した。投与の2時間前及び投与後の2時間、研究対象者は水摂取を控えた。対象者は、カフェイン含有飲料又は食品を、研究に先立つ少なくとも3日間、及びそれぞれの期間で投与日の間、摂取しないように要求された。標準食事がそれぞれの期間での投与日の間に提供された。
【0103】
この薬理学的動態(PK)研究において使用される全てのリザトリプタンODFプロトタイプはGood Manufacturing Practice (GMP)のガイドラインに従って製造され供給された。
【0104】
6つの研究供給サンプルは、実施例29、実施例30、実施例31、実施例32、実施例33及び実施例34として計画され、全て14.53mgのリザトリプタン安息香酸塩(10mgリザトリプタン等量)を含むように製造された。これらのODFは、しかし、フィルム形成成分及びフィルムテキスチャを比較するように計画された。実施例30、実施例31、実施例32及び実施例33の研究供給サンプルには、10mgリザトリプタン安息香酸塩を含み、5cm/シート又は合計10cm(合計重量145mg)である2つの同一のシートが調製された。実施例29(14.5mgリザトリプタン安息香酸塩)では、同様に、ODFフィルムの2つのシートで、1シートあたり3.45cm又は全6.9cm(100mg重量)を調製した。実施例34(14.5mgリザトリプタン安息香酸塩)では、ひとつの単一のODFフィルムシートで、5cm(100mg重量)のシートを調製した。6種類のODF組成の組成及びサイズは、表10及び11に示される。
【0105】
【表11】

【0106】
【表12】


投与量及び投与
ODFプロトタイプの全研究サンプルは、研究対象者に舌下領域へ単一投与として投与された。実施例29から実施例33のODFサンプルはODFフィルムの2枚のシートを重ねて投与された。実施例34では、一枚のシートとして投与された。投与は水を飲まずになされ、投与2時間前お投与後2時間は水を飲むことを禁止された。薬剤投与の間、全ての対象者はODFフィルムを舌下に維持し、フィルムなめないように、かつフィルが完全に溶解するまではつばを飲み込まないように最大の努力をするように要求された。
【0107】
血液サンプリング及び薬学的動態分析
生物学的サンプル収集
それぞれの研究期間の間に5mlの全血サンプルを決められた時間である0(投与前)、15、30及び45分、1、1.33、1.67、2、3、4、6、8及び12時間投与後に収集した。サンプリング時間は上記時間±2分内であり得た。収集後血液サンプルは氷水浴内に保存された。サンプリング後5分一以内に3000gで8分間遠心分離された。得られた血漿サンプルは2つに分けられ、ひとつは薬剤濃度分析に、他方はー20℃で保存された。
【0108】
薬学的動態パラメータ
リザトリプタンの血漿レベルが、保証済みLC/MS−MS生物分析方法を用いて決定された。
【0109】
この研究で分析された薬学的動態パラメータは、全ての6種類の組成で、AUC0−2h、Tmax,T1/2、AUC0−t及びAUC0−∞であった。これまでのマクサルト(Maxalt(R))ODTについてのPK研究を参照して、この研究の薬学的動態分析の研究終点を次の3つのタイプに分けた。即ち(1)一次的(Primary)−AUC0−1h、及びAUC0−2h、(2)二次的(Secondary)−Tmax及び(3)探索的(Exploratory)−Cmax及びAUC0−∞である。
【0110】
統計解析
max及びAUC(AUC0−1h、AUC0−2h及びAUC0−t及びAUC0−∞を含む)は、幾何平均値で報告され、組成間をペアワイズ比較のために対数スケールに変換した後、分散分析(ANOVA)により解析された。Tmax及びT1/2は平均及びメジアン値で報告された。研究プロトタイプ間のメジアンTmax及びT1/2のペアワイズ比較は、ウイルコクソンの符号順位検定を用いて実行された。薬学的動態パラメータ解析は、SAS9.13バージョン2.0を用いて分析された。
【0111】
口内滞留時間(residence time)
研究対象者によりそれぞれの適用でのODF組成につき口内滞留時間が観察され報告された。口内滞留時間は、舌下でフィルムが完全に溶解する時間として測定された。フィルムの完全な溶解は、舌下及びその周りに残された溶解したフィルムのゲル状粒子は何ら認められないことを確認する研究者により保証されるべきものであった。ODF組成間の平均口内滞留時間値は、スチューデントt検定で比較された。
【0112】

ODF組成の味がまた、この研究で評価された。対象者は、研究フィルムの甘味又は苦味の程度を10点スケールで1から10までで点数付けすることを要求された。ここで、1=非常に苦い、2=かなり苦い、3=苦い、4=少し苦い、5=普通、ほとんど苦くない、6=通常ほとんど甘くない、7=少し甘い、8=甘い、9=かなり甘い、10=非常に甘い、であった。個々の味の評価は表にし、かつプロトタイプ間の平均点数をスチューデントt検定で比較された。
【0113】
薬学動態学
この薬学的動態学研究の終点(endpoint)が表2にまとめられている。実施例29から実施例34の全てのODFは、薬剤濃度プロフィールにおけるリザトリプタンの極めて改良された吸収を示し、マクザルト(R)ODTで報告されている値に比べて、AUC0−1h、AUC0−2h及びAUC0−∞値においてずっと高い値を示した。ODF組成の幾何学的平均値AUC0−2hは、マクザルト(R)の値に比べて2から2.5倍であった。この結果は又、ODF組成が舌下投与の後迅速に吸収されたことを示す。研究された6種類のプロトタイプのうちで、実施例30は、所定の一時的終点である最高のAUC0−1h及びAUC0−2h値を示した。
【0114】
個々の対象者で観察された血漿プロフィールの分析により、ODF組成のほとんどの投与において(76%、41/51)、2つの吸収ピークが見られたことは興味深い。ODFの二重ピーク血漿プロフィールは主に、2つのリザトリプタンの分画部分によりものであった。即ち、(i)口内/舌下を通じて、及び(ii)消化系を通じてである。実施例29から実施例34では、二重ピークを持つ対象者において、初めのピーク(ここではTmax−1と定義される)の出現時間は、0.75から1時間であり、二番目のピークの出現時間(ここではTmax−2と定義される)は1.8から3時間であった(票12)。
【0115】
【表13】


全ての対象者で、全ての実施例29から34で0.5時間で10ng/mlよりも高いリザトリプタンの血漿平均レベルに到達し、0.75時間で約20ng/ml又はそれ以上に到達した。平均血漿レベルは、1から2時間の間24から35ng/mlの範囲のレベルを維持し、3から4時間19から32ng/mlの範囲のレベルを保った。その後6時間で約10ng/mlに減少した(図3)。実施例29及び実施例30ともに、1から3時間の間を通じて30ng/ml又はそれ以上の血漿リザトリプタンレベルに到達した。この結果は、ODFは30から45分という迅速性で痛み緩和を奏することができること、及び単一の投与後少なくとも4から6時間治療効果が持続することを示唆している。言い換えれば、本ODFはマグザルト(R)ODFと比べてより長い持続効果を提供することができる。
【0116】
一次的終点:曲線下面積−AUC0−1h及びAUC0−2h
6種類のODFのうち、実施例30は最大の幾何平均値AUC0−1h値(13.28ng/ml・h)及び幾何平均値AUC0−2h値(46.03ng/ml・h)を示した。他の5種類のODFプロトタイプでは、AUC0−1h値は9.11から12.29ng/ml・hの範囲に、又AUC0−2h値は36.41から44.70ng/ml.・hの範囲であった(表12)全てのタイプのプロトタイプ間にペアワイズ比較においてAUC0−1hとAUC0−2hに統計的有意な相違はなかった(p>0.05)。しかし全ての6種のODF組成のAUC0−1hとAUC0−2h値は、文献上マクザルト(R)ODTで報告された値2.92ng/ml.・h及び18.83ng/ml.・hに比べると非常に高い値であった。マクザルト(R)の薬学的動態研究は2006年にSwanにより記載されたように、Tmaxに近い特定の時点までのAUC値(AUC0−1hとAUC0−2h)は、Tmax自体よりも、吸収率を評価するうえでより信頼できる代理値であろう。本発明のODF組成の最初の2時間で観察されたAUC値の結果は、マクザルト(R)と比較してリザトリプタンの改善された吸収と同様により迅速な効果発現を提供することが可能となることを示す。
【0117】
二次的終点:TmaxTmax−1、及びTmax−2
ODF組成のTmaxメジアン値は、実施例29及び実施例32では1.67時間であり、実施例30、31、32及び34では2時間であった(表12)。メジアンTmax値は、マクザルト(R)ODT(1.6から2.5時間)の先ほどの情報で報告された値と類似している。しかし先に議論したように、「二重ピーク」血漿プロフィールが舌下投与ODFの場合に最も観察された(図1)。これを分析するために、二重ピークプロフィールを示す対象者が同定された。さらに、2つのピーク(最初のピークをTmax−1とし、第二のピークをTmax−2とする)に到達するそれぞれの時間と、対応する最大濃度(それぞれ、Cmax−1及びCmax−2)が分析された(表11.6.1及び11.6.2)。最初のピークは通常投与後の最初の1時間で生じた。即ちこれらのプロトタイプ間でメジアンTmax−1値は0.75から1時間であった。一般的に第二のピークは第一のピークに続いて1から2時間で現れた。メジアンTmax−2は1.8から3時間の範囲であった。第一のピークが現れた際、ピーク濃度値(Cmax−1)は25から39ng/mlの範囲であり、この血漿レベルは治療効果を奏するに十分高いと考えられ、従って観察されたTmax−1値(0.75から1時間)はまた医学的にも重要であると考えられる。初期に見られたTmax−1値の結果は、既に議論した非常に高いAUC0−1h及びAUC0−2h値とを組み合わせてみると、本ODFの迅速な発現プロフィールを支持するものである。メジアンTmax値比較において、これらのプロトタイプ間では、統計分析的に有意な差は見出せなかった(p>0.05)(表11、12)。
【0118】
探索的終点:AUC0−∞、Cmax、Cmax−1及びCmax−2
表12にまとめられるように、ODFで報告される幾何平均AUC0−∞値は少なくとも123.99ng/ml・h(NAL1606−205)から最大180.96ng/ml・h(実施例29)の範囲であった。AUC0−∞値はマクザルト(R)ODTで報告されているAUC0−∞値66.13ng/ml・hに比べて多い。この結果は、マクザルト(R)と比べて薬剤吸収の強化を通じて本ODFがリザトリプタンの非常に改良された生物学的利用性を有していることを示す。ODF組成の幾何平均Cmax値は、30.81ng/ml(実施例33)から45.22ng/ml(実施例29)の範囲を示した。第一のピークの最大濃度であるCmax−1は、24.95ng/ml(実施例32)から39.00ng/ml(実施例29)の範囲であることが報告された。第二のピークの最大濃度であるCmax−2はCmax−1よりも少し高く、28.95ng/ml(NAL1606−205)から43.52ng/ml(実施例29)の範囲であった。実施例29は、6種類の組成にうち最大Cmax、Cmax−1及びCmax−2を示した。実施例29及び実施例33の間のAUC0−∞及びCmax値においては統計学的に有意の差(それぞれp<0.05)が見られた。一方他のプロトタイプ間のパラメータの他のペアワイズ統計比較においては有意な差は見られなかった。
【0119】
他の薬学的動態パラメータ
平均T1/2は、1.77時間(実施例32)から2時間(実施例29)の範囲であった。6種類のODT組成のうちAUC0−t値は、AUC0−∞値で観察された値と同程度であった。
【0120】
口内滞在時間
舌下投与後のODFの口内滞在時間をこの研究で評価した。口内滞在時間とは、ここでは、口内でのODFの十分なかつ完全な溶解に要する時間を意味する。ODFの十分なかつ完全な溶解とは、単純にフィルムシートが破壊されるというよりもむしろ口内に残留する溶解フィルムのゲル状のいかなる粒子も見られないことと定義される。通常舌下適用した後約1から2分を要するが、完全な溶解にはより長い時間が必要かもしれない。この研究では、平均口内滞在時間は5.2±1.5分(実施例29)から8.1±1.1分(実施例33)であった。全体として、全ての投与(n=54)間の口内滞在時間は平均6.6分(最大10.5分、最小3分)であった。
【0121】
液体投与組成についてすでに表7、8及び9で報告された薬学的動態研究において、数分から10分の口内滞在時間は、迅速、即時溶解というよりはむしろ、薬剤のより速い効果発現及び吸収の改良が必要とされるものであった。この研究の結果はさらにかかる知見を裏付けるものであった。実施例29の場合のより小さなODFフィルム及び実施例34の場合の単一ODFフィルムは、口内で相対的により迅速に溶解することを示し、これらはともに実施例33の値とは有意に相違する口内滞在時間を有する(p<0.05)。口内滞在時間における全ての他のODFフィルム比較は、統計的に有意な差を示さなかった(>0.05)。
【0122】
味評価
ODF組成の味を、苦み/甘みの10点スケールにより評価した。ここで、スコアを1(非常に苦い)から10(非常に甘い)とした。結果は、4.9±1.9(実施例34)から6.7±1.7(実施例32)の範囲であることを示した。しかし、プロトタイプ間には統計的有意差は見られなかった。全体として、全ての投与(n=54)について、対象者の76%が5から10点とし、これがODF組成の平均の甘味を表した。10%付加組成、即ち実施例30、31、32及び33については、平均して甘味とする対象者は83%に増加した。
【0123】
この研究の組成は、ペパーミントオイル及びメントールを香料剤として含んでいた。ODFの味は、組成で使用するタイプの香料剤を変更することで変更することができる。
【0124】
実施例35から46についての物理的寸法
実施例35:NAL1606−211、サイズ2cmx5cm、厚さ80−120μm、重量145.3mg。
【0125】
実施例36:ロット103−6、サイズ2cmx1.8cm、厚さ80−120μm、重量40.0mg。
【0126】
実施例37:ロット103−11、サイズ2cmx1.8cm、厚さ80−120μm、重量40.0mg。
【0127】
実施例38:ロット103−22、サイズ2cmx2cm、厚さ80−120μm、重量50.0mg。
【0128】
実施例39:NAL1619、サイズ3cmx4.5cm、厚さ80−120μm、重量200mg。
【0129】
実施例40:NAL6011−セチリジン、サイズ2cmx3.5cm、厚さ80−120μm、重量100mg。
【0130】
実施例41:NAL6010−ゾルミトリプタン、サイズ2cmx2cm、厚さ80−120μm、重量50mg。
【0131】
実施例42:NAL6022−スマトリプタン、サイズ3cmx4.5cm、厚さ80−120μm、重量200mg。
【0132】
実施例43:NAL1617K−ケトプロフェン、サイズ2cmx5cm、厚さ80−120μm、重量150mg。
【0133】
上記厚さ及び寸法はほぼ測定値の平均である。次の3つの寸法は予期値である。
【0134】
(予期値) 実施例44:NAL8817−ドネペジル、2cmx2cm、厚さ80−120μm、重量50.0mg。
【0135】
(予期値) 実施例45:NAL1239−フェンタニル、2cmx1.2cm、厚さ80−120μm、重量31mg。
【0136】
(予期値) 実施例46:NAL1606−高粘度:2cmx5cm、厚さ80−120μm、重量145.3mg。
【0137】
実施例35 NAL1606リザトリプタン安息香酸塩ODF
【0138】
【表14】

【0139】
【表15】

NAL1606リザトリプタンODFの製造手順(投与強度:10mg):
1. プレミックスA(中間ミックス):スクロース脂肪酸エステルD1811、グリセリン、Tween80、Span80、チェリー香料、スペアミントオイル、ペパーミントオイルをエタノールとともに60℃で溶解し十分混合した。
2. プレミックスB(20%のプルラン溶液):プルラン(17.97g)を水(72.11g)に溶解し、60℃でよく混合する。
3. プレミックスC(0.5%のFD&緑#3):1gのFD%緑#3を19.9gの水によく混合する。
4. 溶液D:リザトリプタンをプレミックスBに加えてよく混合する。
5. 溶液E:溶液Dにスクラロースを添加しよく混合する。
6. 溶液F:プレミックスAを溶液Eに添加し、約60℃で混合する。
7. コーティング溶液:プレミックスCの0.5gを溶液Fに添加し、約60℃でよく混合する。
8. 混合後、コーティング溶液を完全に脱気する。
【0140】
フィルム形成プロセス
1. Werner Mathis AGのコーティング装置をフィルムのキャストに使用した。はじめに装置を80℃に加熱する。湿フィルム厚さ、即ちドクターナイフとPETフィルム表面の頂上間のギャップが、約0.7mmから約1mmの間に設定された。
2. PETフィルムを滑らかな平表面を形成するために置く。
3. 脱気したコーティング溶液をPETフィルムの断面を横切るように溶液容器から流し出す。
4. コーティング準備後、ナイフをゆっくりとコーティング溶液の上を引いて、均一の厚さのフィルになるように均一に広げる。
5. PET上の濡れたキャストされたフィルムは直ぐに約80℃に設定された装置の乾燥区画に20分間いれた。
6. 乾燥フィルムはその後、サイズ2cmx5cmの小さいサイズにカットされた。
7. PK(薬学的動態)研究のために、2cmx5cmフィルムをさらに等しい2cmx2.5cmの2つにそれぞれカットした。
【0141】
実施例36.NAL2762 ニコチンODF
【0142】
【表16】

実施例37 NAL2762 ニコチンODF
【0143】
【表17】


実施例38 NAL2762 ODF
【0144】
【表18】


物理的性質
【0145】
【表19】


実施例39 NAL1619(ジクロフェナクナトリウム及びリザトリプタン安息香酸塩) ODF
【0146】
【表20】

【0147】
【表21】

実施例40NAL6011−セチリジン ODF
【0148】
【表22】

【0149】
【表23】

実施例41 ゾルミトリプタンODF NAL1610−ロット103−50
【0150】
【表24】

【0151】
【表25】

実施例42 NAL1622−スマトリプタンODF
【0152】
【表26】

【0153】
【表27】

実施例43 NAL1617K ケトプロフェンODF
【0154】
【表28】

【0155】
【表29】

実施例44−46には、ドネペジル、フェンタニル及びリザトリプタン安息香酸塩それぞれのODFの製造法を示す。
【0156】
実施例44 NAL8817 ODF
【0157】
【表30】

実施例45 NAL1239フェンタニルODF組成
【0158】
【表31】


実施例46 中/高粘性水−エタノール系組成
【0159】
【表32】

中/高粘性水−エタノール系組成の製造
1. プレミックスA(中間ミックス):スクロース脂肪酸エステルD−1811、グリセリン、Tween80、Span80、チャリー香料、スペアミントオイル、ペパミントオイル、メントールを、60℃でエタノールに混合する。
2. プレミックスB:プルラン、スクラロース及びFD&C緑#3を水に溶解し十分100℃で混合する。
3. 溶液C:リザトリプタン安息香酸塩をプレミックスBに入れ十分混合する。
4. コーティング溶液D:プレミックスA及び溶液Cを合わせて100℃で十分混合する。
【0160】
中/高粘性組成から経口投与剤の製造方法
中/高粘性コーティング溶液Dはさらに次の異なる方法により経口溶解性投与剤に調製することができる。即ちスロットダイを用いて室温での押し出し又はやや高温での押し出し方法であり、例えばポリエステルである支持基板にコーティングして、リボン状、棒状、楕円状又は他の形状に押し出して、さらに80から100℃で乾燥し、続いてフィルム、タブレット又はトローチなどの単位投与形にカットする。
【0161】
中/高粘性組成から経口投与フィルム形状の製造方法
無溶媒ポリマーキャリア組成を80から200℃で高粘性流動組成物に溶融し、例えば押し出し方法(シングル又はツインスクリュ又はポンプを用いてスロットダイから)を用いて経口可溶性投与剤とすることができ、さらにリボン状、棒状、楕円状及び他の形状に形成することができる。これらを例冷却してフィルム、タブレット又はトローチ投与剤にカットすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であり、有効量の医薬活性物質及びHLBが約8から約16である吸収強化剤を含む水溶性マトリックスを含む、医薬組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記吸収強化剤が、全HLBが約8から約16である、ひとつ又それ以上のスクロース脂肪酸エステルである、医薬組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の医薬組成物であり、さらに非イオン性界面活性剤を含み、前記非イオン性界面活性剤とスクロース脂肪酸エステルとの混合物が、全HLB約8から約17を持つ、医薬組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の医薬組成物であり、前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルビテート及びソルビタン脂肪酸エステルの少なくともひとつ又はそれ以上含む、医薬組成物。
【請求項5】
請求項3に記載の医薬組成物であり、さらにグリセロール、ジンジャーオイル、シネール及びテルペンを含む群から選択される第二の吸収硬化剤を含む、医薬組成物。
【請求項6】
請求項4に記載の医薬組成物であり、前記ポリソルベートが、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタン及びポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノレートを含む群から選択される、医薬組成物。
【請求項7】
請求項4に記載の医薬組成物であり、前記ソルビタン脂肪酸エステルが、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンチロステアレート及びソルビタンモノオレートを含む群から選択される、医薬組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の医薬組成物であり、さらにプルレン又はポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートのポリマー性混合物から選択されるフィルム形成剤を含む、医薬組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記医薬活性物質が抗偏頭痛である、医薬組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記医薬活性物質がトリプタン及びその薬学的に許容される塩である、医薬組成物。
【請求項11】
請求項10に記載の医薬組成物であり、前記トリプタンが、エレトリプタン、フロバトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、アルモトリプタン及びそれらの薬学的に許容される塩から選択される、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記活性物質が、喫煙中止剤、麻薬性鎮痛剤、麻酔剤、鎮咳剤、非麻酔性鎮痛剤、例えば非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDS)、勃起不全剤、女性性不全剤、抗ヒスタミン剤及び風邪及びアレルギー剤、咳剤、呼吸不全剤、胸焼け及び消化不良剤、制吐剤、睡眠剤、下痢剤、口腔衛生剤、CGRPレセプターアンタゴニスト、偏頭痛治療剤、ホルモン交換薬剤、アルツハイマー病薬、カフェイン及びそのカフェインの塩を含む群から選択される、医薬組成物。
【請求項13】
請求項11に記載の医薬組成物であり、前記トリプタンがリザトリプタン及びその薬学的に許容される塩である、医薬組成物。
【請求項14】
請求項9に記載の医薬組成物であり、前記医薬組成物がさらに、非ステロイド系抗炎症剤を含む、医薬組成物。
【請求項15】
請求項11に記載の医薬組成物であり、前記トリプタンがゾルミトリプタン及びその薬学的に許容される塩である、医薬組成物。
【請求項16】
請求項11に記載の医薬組成物であり、前記トリプタンがスマトリプタン及びその薬学的に許容される塩である、医薬組成物。
【請求項17】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記医薬組成物が、口内に約0.25分から約15分で溶解する、医薬組成物。
【請求項18】
請求項8に記載の医薬組成物であり、前記フィルム形成剤がプルランである、医薬組成物。
【請求項19】
請求項10に記載の医薬組成物であり、前記トリプタンが、塩基として約1mgから50mgの量である、医薬組成物。
【請求項20】
請求項8に記載の医薬組成物であり、前記ポリマー性混合物の前記ポリビニルピロリドン対ポリマー性アルギネートとの比が、約5:1から約1:3である、医薬組成物。
【請求項21】
請求項2に記載の医薬組成物であり、前記スクロース脂肪酸エステルが、モノマー含量が約20%から約80%で含まれる、医薬組成物。
【請求項22】
請求項2に記載の医薬組成物であり、前記スクロース脂肪酸エステルが、スクロースステアレート、スクロースパリミテート、スクロースラリレート、スクロースベヘネート、スクロースオレート及びスクロースエルケートを含む群から選択される、医薬組成物。
【請求項23】
請求項8に記載の医薬組成物であり、前記ポリマー性混合物が、前記ポリマー性混合物の重量に対して、ポリビニルピロリドンが約5重量%から95重量%、及びポリマー性アルギネートが約5重量%から95重量%である、医薬組成物。
【請求項24】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記マトリックスがフィルムである、医薬組成物。
【請求項25】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記マトリックスがタブレットである、医薬組成物。
【請求項26】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記マトリックスが液体である、医薬組成物。
【請求項27】
請求項24に記載の医薬組成物であり、さらにポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートのポリマー性混合物を含む、医薬組成物。
【請求項28】
請求項24に記載の医薬組成物であり、前記口内に置かれた前記フィルムが約0.25分から約15分で溶解する、医薬組成物。
【請求項29】
請求項25に記載の医薬組成物であり、前記口内に置かれた前記タブレットが、約0.25分から約15で溶解する、医薬組成物。請求項29に記載の医薬組成物であり、前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルビテート及びソルビタン脂肪酸エステルの少なくともひとつを含む、医薬組成物。
【請求項30】
請求項24に記載の医薬組成物であり、前記フィルムが厚さ、約0.01mmから約5mmである、医薬組成物。
【請求項31】
請求項24に記載の医薬組成物であり、前記フィルムが、表面積約0.25cmから20cm、及び重量が約1mgから約200mgである、医薬組成物。
【請求項32】
請求項24に記載の医薬組成物であり、前記フィルムの表面積が、1cm2から10cm2、及び重量が約10mgから約200mgである、医薬組成物。
【請求項33】
請求項24に記載の医薬組成物であり、前記フィルムが、ひとつ又はそれ以上の吸収強化剤を、前記フィルムに対し、約0.1重量%から約20重量%含む、医薬組成物。
【請求項34】
請求項24に記載の医薬組成物であり、前記フィルムが、ひとつ又はそれ以上の吸収強化剤を、前記フィルムに対し、約0.1重量%から約15重量%含む、医薬組成物。
【請求項35】
請求項24に記載の医薬組成物であり、前記フィルムが、吸収強化剤を、前記フィルムに対し、約1重量%から約10重量%含む、医薬組成物。
【請求項36】
請求項25に記載の医薬組成物であり、前記タブレットが、吸収強化剤を、前記タブレットに対し、約0.1重量%から約20重量%含む、医薬組成物。
【請求項37】
請求項25に記載の医薬組成物であり、前記タブレットが、吸収強化剤を、前記タブレットに対し、約1重量%から約15重量%含む、医薬組成物。
【請求項38】
請求項26に記載の医薬組成物であり、前記液体が、吸収強化剤を、前記液体に対し、約0.1重量%から約10重量%含む、医薬組成物。
【請求項39】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記医薬活性物質が、患者の偏頭痛治療又は予防のための薬剤であり、前記偏頭痛の治療又は予防の有効量を含む、医薬組成物。
【請求項40】
請求項4に記載の医薬組成物であり、前記ポリマー混合物が、前記ポリマー混合物に対して、ポリビニルピロリドンが約5重量%から約95重量%及びポリマー性アルギネートが約5重量%から約95重量%含む、医薬組成物。
【請求項41】
請求項1に記載の医薬組成物であり、前記マトリックスが吸収強化剤又は吸収強化剤の組み合わせを、前記マトリックスに対して、約0.1重量%から約20重量%の合計重量を含む、医薬組成物。
【請求項42】
請求項2に記載の医薬組成物であり、前記スクロース脂肪酸エステルが、C12からC20の飽和脂肪酸のスクロースエステルである、医薬組成物。
【請求項43】
請求項2に記載の医薬組成物であり、前記スクロース脂肪酸エステルがスクロースステアレートである、医薬組成物。
【請求項44】
請求項13に記載の医薬組成物であり、前記リザトリプタンが、塩基として約2.5から約15mg含まれる、医薬組成物。
【請求項45】
請求項15に記載の医薬組成物であり、前記ゾルミトリプタンが、塩基として約1から約7.5mg含まれる、医薬組成物。
【請求項46】
請求項16に記載の医薬組成物であり、前記スマトリプタンが、塩基として約3から約100mg含まれる、医薬組成物。
【請求項47】
制御放出マトリックスであり、ポリマー性混合物から形成され、前記ポリマー性混合物が、前記ポリマー性混合物に対してポリビニルピロリドンが約5重量%から約95重量%及びポリマー性アルギネートが約5重量%から約95重量%を含む、水溶性フィルムを、前記口内に挿入するためのサイズであるキャリア装置とともに含む、制御放出マトリックス。
【請求項48】
前記47に記載の制御放出マトリックスであり、前記ポリマー性混合物中のポリビニルピロリドン対ポリマー性アルギネートの比は、約5:1から約1:3である、制御放出マトリックス。
【請求項49】
請求項47に記載の制御放出マトリックスであり、前記フィルムが、表面積約1cmから約10cm及び重量約10mgから約200mgである、制御放出マトリックス。
【請求項50】
請求項47に記載の制御放出マトリックスであり、前記フィルムがひつつ又はそれ以上の吸収強化剤を含む、制御放出マトリックス。
【請求項51】
請求項50に記載の制御放出マトリックスであり、前記強化剤が、合計HLBが約8から約16を有する一つ又はそれ以上のスクロース脂肪酸エステルを含む、制御放出マトリックス。
【請求項52】
請求項51に記載の制御放出マトリックスであり、前記スクロース脂肪酸エステルが、約20%から約80%のモノマー含有量である、制御放出マトリックス。
【請求項53】
請求項52に記載の制御放出マトリックスであり、前記スクロース脂肪酸エステルが、スクロースステアレート、スクロースパリミテート、スクロースラウレート、スクロースベヘネート、スクロースオレート及びスクロースエルケートを含む群から選択される、制御放出マトリックス。
【請求項54】
請求項50に記載の制御放出マトリックスであり、前記吸収強化剤が、前記フィルムに対して約1重量%から約20重量%の量である、制御放出マトリックス。
【請求項55】
請求項50に記載の制御放出マトリックスであり、さらに、グリセロール、Tween、Span、ジンジャーオイル、シネロール及びテルペンを含む群から選択される、第二の吸収強化剤を含む、制御放出マトリックス。
【請求項56】
請求項50に記載の制御放出マトリックスであり、さらに水溶性治療薬を含む、制御放出マトリックス。
【請求項57】
患者の偏頭痛を緩和する方法であり、前記患者の口内の口内粘膜へ水溶性マトリックスとして前記経口単位投与量を投与することを含み、
前記マトリックスが、前記マトリックスに分散された、エレトリプタン、フロバトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタ及びアルモトリプタン又はそれらの薬学的に許容される塩を含む群から選択された医薬活性物質を含み、
前記医薬活性物質が、前記マトリックス中に前記偏頭痛に対処する有効量として存在し、
前記マトリックスが、HLB約8から16を有するひとつ又はそれ以上のスクロース脂肪酸エステルを含む、方法。
【請求項58】
請求項57に記載の方法であり、さらに、ポリビニルピロリドン及びポリマー性アルギネートのポリマー性混合物を含む、方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法であり、ポリビニルピロリドン対ポリマー性アルギネートの比が、約5:1から1:3である、方法。
【請求項60】
請求項58に記載の方法であり、前記ポリマー性混合物が、前記ポリマー性混合物に対して、約5重量%から95重量%のポリビニルピロリドン及び約5重量%から95重量%のポリマー性アルギネートを含む、方法。
【請求項61】
請求項58に記載の方法で、前記医薬活性物質がリザトリプタン及びその薬学的に許容される塩である、方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法であり、前記リザトリプタンが、塩基として約2.5から約15mg含まれる、方法。
【請求項63】
請求項58に記載の方法であり、前記医薬活性物質が、前記マトリックス中に、塩基として約1mgから約50mgの量存在する、方法。
【請求項64】
請求項57に記載の方法であり、前記マトリックスが前記患者の舌下に置かれる、方法。
【請求項65】
請求項58に記載の方法であり、前記マトリックスが、患者の口内の頬側に置かれる、方法。
【請求項66】
請求項58に記載の方法であり、前記スクロース脂肪酸エステルが、約20%から約80%のモノマー含有量を有する、方法。
【請求項67】
請求項58に記載の方法であり、前記スクロース脂肪酸エステルが、スクロースステアレート、スクロースパリミテート、スクロースラウレート、スクロースベヘネート、スクロースオレート及びスクロースエルケートを含む群から選択される、方法。
【請求項68】
請求項58に記載の方法であり、前記吸収強化剤が、前記フィルムに対して約1重量%から約20重量%の量で存在する、方法。
【請求項69】
請求項58に記載の方法であり、さらに、合計HLBが約8から約17であるスクロース脂肪酸エステルと非イオン性界面活性剤を含む、方法。
【請求項70】
請求項58に記載の方法であり、さらに、グリセロール、tween、span、ジンジャーオイル、シネロール及びテルペンを含む群から選択される第二の吸収強化剤を含む、方法。
【請求項71】
請求項58に記載の方法であり、前記マトリックスがフィルムである、方法。
【請求項72】
請求項58に記載の方法であり、前記マトリックスがタブレットである、方法。
【請求項73】
請求項58に記載の方法であり、前記マトリックスが液体である、方法。
【請求項74】
請求項58に記載の方法であり、さらに、フィルム形成剤としてプルランを含む、方法。
【請求項75】
請求項58に記載の方法であり、前記活性物質が、約0.25分から約15分の期間に亘り放出される、方法。
【請求項76】
請求項58に記載の方法であり、前記活性物質が、約0.5分から約10分に亘って放出される、方法。
【請求項77】
医薬輸送の方法であり、
少なくとも前記薬剤の1%から80%以上の第一のフラクション(F1)が輸送され、経口粘膜により吸収され体系的に吸収され、及び
前記薬剤の1%から80%以上の第二のフラクションが輸送され、食道及び胃腸にそって連続的に吸収され、
前記第一のフラクション(F1)は、迅速な作用発現及び生物学的利用性を改善する結果を与え、前記第二のフラクション(F2)は作用により長い遅延と生物額的利用性を改善する結果を与え、その結果F1及びF2の組み合わせが生物学的利用性の改善を与える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−513955(P2012−513955A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535603(P2011−535603)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/062776
【国際公開番号】WO2010/062688
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(511111367)エヌエーエル ファーマスーティカルズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】