説明

経路探索装置及び経路探索プログラム

【課題】発着地追加時のルート探索を短時間で行うことを目的とする。
【解決手段】経路探索装置100を用いたルート探索において、異なる出発地点から同一の目的地点までの経路を探索する場合、地点指定部107が出発地点と目的地点を逆転させ、かつ、属性データ変換部103が交通規制を逆転させた地図データで経路探索部102がルート探索を行い、経路変換部105が結果情報を、逆転させる。これにより、経路探索装置100は、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算するルート探索と同様に、複数の出発地点から1つの目的地点までの経路をまとめて計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索装置及び経路探索プログラムに関するものである。本発明は、特に、ルート(経路)逆探索を行う装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のルート探索は、出発地と目的地を与えられると、その間の所要時間、走行距離、経由する交差点(ノード)のリストなどが求められるものである(例えば、特許文献1及び2参照)。従来のルート探索では、同じ出発地を持つ「出発地−目的地」の組み合わせについて、まとめて探索する機能が広く紹介されている(図9(a)参照)。この機能により、例えば1,000箇所の発着地間全てについて、所要時間と走行距離を求める、即ちルート探索を行う場合、1,000×(1,000−1)=999,000回(出発地と目的地が同一の場合、ルート探索は不要なので左記計算式となる)のルート探索をする必要がなく、1,000回のルート探索で済ませることができる(図10(a)参照)。
【特許文献1】特開2001−50770号公報
【特許文献2】特開2000−337910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の例では、既に計算された1,000箇所の発着地に対して、1箇所発着地を追加する場合、
・既存1000件を出発地とし、新規1件を目的地とする探索・・・1000件
・新規1件を出発地とし、既存1000件を目的地とする1対多探索・・・1件
の合計1001件の探索をしなくてはならなかった(図10(b)参照)。これは、他の例でも同様である。このため、従来のルート探索では、追加件数に対して、非常に長いルート探索時間を必要としていた。
【0004】
本発明は、発着地追加時のルート探索を短時間で行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る経路探索装置は、
複数の地点を示すノードデータと前記ノードデータが示す各2つの地点を結ぶ道路を示すリンクデータと前記リンクデータが示す各道路の進行方向ごとの属性を示す属性データとを含む地図データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算する経路探索部を備える経路探索装置において、
前記地図データを記憶装置に記憶する第1の地図データ記憶部と、
前記第1の地図データ記憶部により記憶された地図データに含まれる属性データを、当該属性データが示す各道路の進行方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データに処理装置により変換する属性データ変換部と、
前記属性データ変換部により変換された属性データを含む地図データを記憶装置に記憶する第2の地図データ記憶部と、
目的地点となる一の地点を前記1つの出発地点として指定するととともに、出発地点となる他の複数の地点を前記複数の目的地点として指定する地点指定部とを備え、
前記経路探索部は、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された一の地点から前記地点指定部により指定された他の複数の地点までの経路を処理装置により計算し、
前記経路探索装置は、さらに、
前記経路探索部により計算された経路を、前記他の複数の地点から前記一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置により変換し、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力する経路変換部を備えることを特徴とする。
【0006】
前記属性データは、前記属性として各道路の一方の地点から他方の地点への進行可否を示し、
前記経路探索部は、前記地図データに含まれる属性データに基づき、通行できない経路を除外して1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算することを特徴とする。
【0007】
前記属性データは、前記属性として各道路の進行方向ごとのコストを示し、
前記経路探索部は、前記地図データに含まれる属性データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までのコストの総和が最小となる経路を計算することを特徴とする。
【0008】
前記コストは、各道路の進行方向ごとの所要時間と距離と設定速度と車線数との少なくともいずれかから求められる係数であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る経路探索装置は、
複数の地点を示すノードデータと前記ノードデータが示す各2つの地点を結ぶ道路を示すリンクデータと前記リンクデータが示す各2つの道路を繋ぐ地点の進入出方向ごとの属性を示す属性データとを含む地図データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算する経路探索部を備える経路探索装置において、
前記地図データを記憶装置に記憶する第1の地図データ記憶部と、
前記第1の地図データ記憶部により記憶された地図データに含まれる属性データを、当該属性データが示す各地点の進入出方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データに処理装置により変換する属性データ変換部と、
前記属性データ変換部により変換された属性データを含む地図データを記憶装置に記憶する第2の地図データ記憶部と、
目的地点となる一の地点を前記1つの出発地点として指定するととともに、出発地点となる他の複数の地点を前記複数の目的地点として指定する地点指定部とを備え、
前記経路探索部は、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された一の地点から前記地点指定部により指定された他の複数の地点までの経路を処理装置により計算し、
前記経路探索装置は、さらに、
前記経路探索部により計算された経路を、前記他の複数の地点から前記一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置により変換し、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力する経路変換部を備えることを特徴とする。
【0010】
前記属性データは、前記属性として各2つの道路を繋ぐ地点の一方の道路から他方の道路への進入出可否を示し、
前記経路探索部は、前記地図データに含まれる属性データに基づき、通行できない経路を除外して1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算することを特徴とする。
【0011】
前記経路探索部は、前記第1の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、N個(Nは2以上の整数)の地点をそれぞれ出発地点とし、当該N個の地点のうち出発地点を除くN−1個の地点を目的地点とする経路を、N個の出発地点ごとに計算し、
前記経路探索装置は、さらに、
前記経路探索部により計算されたN個の出発地点からN個の目的地点までの経路を記憶装置に記憶する経路記憶部を備え、
前記地点指定部は、前記N個の地点以外の地点である追加地点を前記1つの出発地点として指定するとともに、前記N個の地点を前記複数の目的地点として指定し、
前記経路探索部は、前記第1の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された追加地点から前記地点指定部により指定されたN個の地点までの第1の経路を計算するとともに、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された追加地点から前記地点指定部により指定されたN個の地点までの第2の経路を計算し、
前記経路変換部は、前記経路探索部により計算された第2の経路を、前記N個の地点から前記追加地点まで逆方向に辿る第3の経路に変換し、
前記経路探索装置は、さらに、
前記経路記憶部により記憶されたN個の出発地点からN個の目的地点までの経路と前記経路探索部により計算された第1の経路と前記経路変換部により出力された第3の経路とを合わせてN+1個の出発地点からN+1個の目的地点までの経路を出力装置により出力する経路出力部を備えることを特徴とする。
【0012】
前記地点指定部は、前記リンクデータが示す道路であって複数車線の道路に接する地点を前記一の地点と前記他の複数の地点との少なくともいずれかとして指定し、
前記属性データ変換部は、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに含まれる属性データが、前記地点指定部により指定された地点が接する道路が前記地点指定部により指定された地点が接する車線の進行方向と逆方向への一方通行であることを示すように、当該属性データを処理装置により変換し、変換した属性データを含む地図データを前記第2の地図データ記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0013】
前記地点指定部は、前記リンクデータが示す道路であって複数車線の道路に接する地点を前記一の地点と前記他の複数の地点との少なくともいずれかとして指定し、
前記経路探索部は、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された一の地点又は当該地点が接する道路を繋ぐ地点から前記地点指定部により指定された他の複数の地点又は当該地点が接する道路を繋ぐ地点までの経路を計算し、
前記経路変換部は、前記経路探索部により計算された経路を、前記地点指定部により指定された他の複数の地点又は当該地点が接する道路を繋ぐ地点から前記地点指定部により指定された地点又は当該地点が接する道路を繋ぐ地点まで逆方向に辿る経路に変換することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る経路探索プログラムは、
複数の地点を示すノードデータと前記ノードデータが示す各2つの地点を結ぶ道路を示すリンクデータと前記リンクデータが示す各道路の進行方向ごとの属性を示す属性データとを含む地図データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算する経路探索処理をコンピュータに実行させる経路探索プログラムにおいて、
前記地図データを記憶装置に記憶する第1の地図データ記憶処理と、
前記地図データ記憶処理により記憶された地図データに含まれる属性データを、当該属性データが示す各道路の進行方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データに処理装置により変換する属性データ変換処理と、
前記属性データ変換処理により変換された属性データを含む地図データを記憶装置に記憶する第2の地図データ記憶処理と、
目的地点となる一の地点を前記1つの出発地点として指定するととともに、出発地点となる他の複数の地点を前記複数の目的地点として指定する地点指定処理とをコンピュータに実行させ、
前記経路探索処理は、前記第2の地図データ記憶処理により記憶された地図データに基づき、前記地点指定処理により指定された一の地点から前記地点指定処理により指定された他の複数の地点までの経路を処理装置により計算し、
前記経路探索プログラムは、さらに、
前記経路探索処理により計算された経路を、前記他の複数の地点から前記一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置により変換し、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力する経路変換処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る経路探索プログラムは、
複数の地点を示すノードデータと前記ノードデータが示す各2つの地点を結ぶ道路を示すリンクデータと前記リンクデータが示す各2つの道路を繋ぐ地点の進入出方向ごとの属性を示す属性データとを含む地図データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算する経路探索処理をコンピュータに実行させる経路探索プログラムにおいて、
前記地図データを記憶装置に記憶する第1の地図データ記憶処理と、
前記第1の地図データ記憶処理により記憶された地図データに含まれる属性データを、当該属性データが示す各地点の進入出方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データに処理装置により変換する属性データ変換処理と、
前記属性データ変換処理により変換された属性データを含む地図データを記憶装置に記憶する第2の地図データ記憶処理と、
目的地点となる一の地点を前記1つの出発地点として指定するととともに、出発地点となる他の複数の地点を前記複数の目的地点として指定する地点指定処理とをコンピュータに実行させ、
前記経路探索処理は、前記第2の地図データ記憶処理により記憶された地図データに基づき、前記地点指定処理により指定された一の地点から前記地点指定処理により指定された他の複数の地点までの経路を処理装置により計算し、
前記経路探索プログラムは、さらに、
前記経路探索処理により計算された経路を、前記他の複数の地点から前記一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置により変換し、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力する経路変換処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、経路探索装置において、属性データ変換部が、第1の地図データ記憶部により記憶された地図データに含まれる属性データを、当該属性データが示す各道路の進行方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データに処理装置により変換し、第2の地図データ記憶部が、属性データ変換部により変換された属性データを含む地図データを記憶装置に記憶し、経路探索部が、第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、一の地点を出発地点とし、他の複数の地点を目的地点とする経路を処理装置により計算し、経路変換部が、経路探索部により計算された経路を、他の複数の地点から一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置により変換し、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力することにより、発着地追加時のルート探索を短時間で行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0018】
実施の形態1.
本実施の形態では、経路探索装置が、ルート(「経路」ともいう)探索において、異なる出発地(「出発地点」ともいう)と同一の目的地(「目的地点」ともいう)を持つ「出発地−目的地」の組み合わせがある場合、出発地と目的地を逆転させ、かつ、交通規制を逆転させた地図データでルート探索を行い、結果情報を、逆転させる。これにより、異なる出発地と同一の目的地を持つ「出発地−目的地」について、まとめてルート探索を行うことが可能になる。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る経路探索装置100の構成を示す図である。
【0020】
図1において、経路探索装置100は、第1の地図データ記憶部101、経路探索部102、属性データ変換部103、第2の地図データ記憶部104、経路変換部105、経路記憶部106、地点指定部107、経路出力部108を備える。また、経路探索装置100は、記憶装置151、処理装置152、入力装置153、出力装置154などのハードウェア装置を備える(又はこれらのハードウェア装置が経路探索装置100に接続される)。これらのハードウェア装置は経路探索装置100の各部によって利用される。
【0021】
第1の地図データ記憶部101は、地図データを記憶装置151に記憶する。地図データは、ノードデータとリンクデータと属性データとを含むデータである。ノードデータは複数の地点(ノード)を示し、リンクデータはノードを結ぶ複数の道路(リンク)を示す。ここで、複数の地点の各々は少なくとも1つの道路の端点となる。複数の地点のうち、特に、2つ以上の道路を繋ぐ地点を交差点という。車両などが交差点を通過(直進、左折、又は右折)する場合にどの道路から進入してどの道路へ進出するかをその交差点の進入出方向という。交差点の進入出方向は、進入元の道路と進出先の道路によって定まる(進入元及び進出先の道路それぞれにおける交差点と反対側の端点によって定まるともいえる)。進入元の道路と進出先の道路が逆になれば、交差点の進入出方向は逆方向になる。また、ここで、複数の道路の各々は2つの地点を結ぶ。車両などが道路を走行する場合にどの地点からどの地点まで進行するかをその道路の進行方向という。属性データは、各交差点の進入出方向ごとの属性、又は/及び各道路の進行方向ごとの属性を示す。本実施の形態では、属性データは、交通規制に係る属性を示すものとする。具体的には、属性データは、各交差点の進入出方向ごとの属性として、各交差点が繋ぐ2つの道路のうち、一方の道路から他方の道路への進入出可否(直進禁止、右折禁止、左折禁止などの規制の有無)を示すものとする。また、各道路の進行方向ごとの属性として、各道路が結ぶ2つの地点のうち、一方の地点から他方の地点への進行可否(一方通行の規制の有無と一方通行の規制がある場合にはその方向)を示すものとする。
【0022】
経路探索部102は、第1の地図データ記憶部101により記憶された地図データ(以下、「ルート探索用地図データ」という)に基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を処理装置152により計算する(この計算処理のことを「ルート探索」という)。本実施の形態では、経路探索部102は、ルート探索用地図データに含まれる属性データに基づき、通行できない経路を除外してルート探索を行う。属性データが、上記交通規制に係る属性以外にも、属性として各道路の進行方向ごとのコストを示す場合、経路探索部102は、ルート探索用地図データに含まれる属性データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までのコストの総和が最小となる経路を計算する。コストは、例えば各道路の進行方向ごとの所要時間(例えば、車両の走行所要時間)、距離(例えば、車両の走行距離)、設定速度(例えば、車両の平均速度)、車線数など、又はこれらから求められる係数である(例えば、所要時間を距離÷設定速度で求めてもよい)。また、コストは、例えばダイクストラ法における重み付けとして利用してもよい。この場合、例えば、経路探索部102は、1つの出発地点から複数の目的地点までの最短経路をダイクストラ法によりまとめて計算する。
【0023】
属性データ変換部103は、ルート探索用地図データに含まれる属性データ(以下、「元の属性データ」という)を、元の属性データが示す各道路の進行方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データ(以下、「読替え後の属性データ」という)に処理装置152により変換する(読替える)。また、属性データ変換部103は、ルート探索用地図データに含まれる属性データ(元の属性データ)を、元の属性データが示す各地点の進入出方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データ(読替え後の属性データ)に処理装置152により変換する。属性データ変換部103が行う処理の詳細については後述する。
【0024】
第2の地図データ記憶部104は、読替え後の属性データを含む地図データ(以下、「ルート逆探索用地図データ」という)を記憶装置151に記憶する。第2の地図データ記憶部104は、記憶装置151に記憶されたルート探索用地図データをルート逆探索用地図データに置換してもよいが、ルート探索用地図データをコピーし、コピーしたルート探索用地図データに含まれる元の属性データを読替え後の属性データに置換したものをルート逆探索用地図データとして記憶装置151に記憶するのが望ましい。
【0025】
経路探索部102は、第2の地図データ記憶部104により記憶されたルート逆探索用地図データに基づき、一の地点を出発地点とし、他の複数の地点を目的地点とする経路を処理装置152により計算する(この計算処理のことを「ルート逆探索」という)。本実施の形態では、経路探索部102は、ルート逆探索用地図データに含まれる属性データに基づき、通行できない経路を除外してルート逆探索を行う。
【0026】
経路変換部105は、経路探索部102により計算された経路を、他の複数の地点から一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置152により変換する。そして、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力装置154により出力する。
【0027】
経路記憶部106は、経路探索部102により計算された1つ又は複数の出発地点から複数の目的地点までの経路を記憶装置151に記憶する。
【0028】
地点指定部107は、経路探索部102にルート探索又はルート逆探索させる出発地点と目的地点とを入力装置153により指定する。
【0029】
経路出力部108は、経路記憶部106により記憶された経路、経路探索部102により計算された経路、経路変換部105により出力された経路、又はそれらの組み合わせを出力装置154により出力する。
【0030】
図2は、経路探索装置100のハードウェア資源の一例を示す図である。
【0031】
図2において、経路探索装置100は、例えば、1台又は複数台のコンピュータで実現できる。経路探索装置100は、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶ディスプレイ)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・Drive)、CDD905(Compact・Disc・Drive)、プリンタ装置906などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。経路探索装置100は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)、インターネットなどのネットワークに接続されている。
【0032】
経路探索装置100は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、処理装置152の一例である。CPU911は、バス912を介してROM913(Read・Only・Memory)、RAM914(Random・Access・Memory)、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカードリーダライタなどの記憶媒体が用いられてもよい。
【0033】
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置151の一例である。通信ボード915、キーボード902、FDD904などは、入力装置153の一例である。また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置154の一例である。
【0034】
通信ボード915は、LANなどに接続されている。通信ボード915は、LANに限らず、インターネット、ISDN(Integrated・Services・Digital・Network)などのWANなどに接続されていても構わない。インターネットあるいはWANなどに接続されている場合、ゲートウェイを介して接続されていても構わない。
【0035】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921により実行される。プログラム群923には、本実施の形態の説明において「〜部」、「〜手段」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。また、ファイル群924には、本実施の形態の説明において、「〜データ」、「〜情報」、「〜ID(IDentifier)」、「〜フラグ」、「〜結果」として説明するデータや情報や信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」は、ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶されたデータや情報や信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPU911の処理(動作)に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPU911の処理中、データや情報や信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0036】
また、本実施の形態の説明において説明するブロック図やフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号は、RAM914などのメモリ、FDD904のフレキシブルディスク(FD)、CDD905のコンパクトディスク(CD)、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク(MD)、DVD(Digital・Versatile・Disc)などの記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0037】
また、本実施の形態の説明において「〜部」、「〜手段」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜工程」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」、「〜手段」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。あるいは、ソフトウェアのみ、あるいは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実現されていても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどの記録媒体に記憶される。このプログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。即ち、プログラムは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」、「〜手段」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」、「〜手段」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0038】
図3、図4、及び図8は、経路探索装置100の動作(処理)を示すフローチャートである。これらの図に示す処理により、ルート逆探索が実現し、同一の目的地に対して複数の出発地がある場合にも1回の探索で済ませることが可能となる。
【0039】
図3において、第1の地図データ記憶部101は、ルート探索用地図データを記憶装置151に記憶する(ステップS101:第1の地図データ記憶処理)。経路探索部102は、第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに基づき、処理装置152によりN個(Nは2以上の整数)の出発地点からN個の目的地点まで(出発地、目的地のN×Nの組み合わせ)のルート探索を行う(ステップS102:経路探索処理)。経路探索部102は、さらに、ルート探索を行ったN個の出発地点からN個の目的地点までの経路情報(各経路における走行所要時間、走行距離、経由交差点リストなど)を出力する。経路記憶部106は、経路探索部102によりルート探索が行われたN個の出発地点からN個の目的地点までの経路情報を経路情報データファイル(図3には、「走行所要時間/走行距離/経由交差点リスト」と記載)として、記憶装置151に記憶する(ステップS103:経路記憶処理)。また、経路情報データファイルに記憶される「経由交差点リスト」とは、地点1から地点2までの経路を、例えば経由するノードを順番に列挙したリストである。
【0040】
図4において、属性データ変換部103は、ステップS101で第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに含まれる属性データ(元の属性データ)を処理装置152により変換する(ステップS104:属性データ変換処理)。第2の地図データ記憶部104は、ルート探索用地図データとは別に、属性データ変換部103により変換された属性データ(読替え後の属性データ)を含むルート逆探索用地図データを用意して記憶装置151に記憶する(ステップS105:第2の地図データ記憶処理)。本実施の形態では、ステップS104において、属性データ変換部103は、元の属性データが示す交通規則(交通規制)を下記の通り読替える。前述したように、交通規制には道路自体についての規制と、交差点での規制の2つがある。それぞれについて説明する。
【0041】
道路(リンク)に関する規制の読替え:
道路の端点を地点1、地点2とした場合、規制の種類と読替え方法は図5に示す通りである。
【0042】
図5(a)において、属性データ変換部103は、
(1)元の属性データ201aが地点1−地点2間に規制がない(この道路の2つの進行方向はいずれも進行可である)ことを示している場合、読替え後の属性データ301aも地点1−地点2間に規制がないことを示す属性データとする。
(2)元の属性データ201aが地点1−地点2間は通行禁止である(この道路の2つの進行方向はいずれも進行不可である)ことを示している場合、読替え後の属性データ301aも地点1−地点2間が通行禁止であることを示す属性データとする。
(3)元の属性データ201aが地点1から地点2への一方通行である(この道路の地点1から地点2への進行方向は進行可であるが、地点2から地点1への進行方向は進行不可である)ことを示している場合、読替え後の属性データ301aは地点2から地点1への一方通行であることを示す属性データとする。
(4)元の属性データ201aが地点2から地点1への一方通行である(この道路の地点2から地点1への進行方向は進行可であるが、地点1から地点2への進行方向は進行不可である)ことを示している場合、読替え後の属性データ301aは地点1から地点2への一方通行であることを示す属性データとする。
【0043】
例えば、各道路の進行方向ごとの属性を示す属性データが、図5(b)に示すテーブルとして記憶装置151に記憶されているものとする。この場合、属性データ変換部103は、元の属性データ201bのテーブルに含まれる「規制」の列のデータを図5(a)に示した方法で読替えることにより(この例では、各データの値として図5(a)に示した番号を用いている)、読替え後の属性データ301bのテーブルを生成する。図5(b)に示す例では、属性データ変換部103が、規制「3」(地点1→地点2の一方通行)を、規制「4」(地点1←地点2の一方通行)に読替え、また規制「1」(地点1−地点2間規制なし)を、規制「1」に読替え(あるいは読替え不要を予め指定しておいてもよい)、読替え後の属性データ301bとして記憶装置151に記憶する。同様に、各道路の進行方向ごとの属性を示す属性データが、図5(c)に示すテーブルとして記憶されている場合、属性データ変換部103は、元の属性データ201cのテーブルに含まれる「地点1」の列のデータと「地点2」の列のデータとを相互に入れ替えることにより、読替え後の属性データ301cのテーブルを生成する。図5(c)に示す例では、属性データ変換部103が、「地点1」、「地点2」に、「A」、「B」と指定されているものを、「B」、「A」に読替えて読替え後の属性データ301bとして記憶装置151に記憶する。なお、図5(b)、図5(c)により示した属性データ変換部103による読み替えは、どちらの方法でも適宜選択できる。また、図5(b)、(c)に示した各テーブルの「時間帯」の列は、時間帯によって交通規制に係る属性が異なる場合に用いるものであるが、必須ではない。
【0044】
交差点(ノード)に関する規制の読替え:
交差点について、進入元の道路の端点を地点1、進出先の道路の端点を地点2とした場合、規制の種類と読替え方法は図6に示す通りである。
【0045】
図6(a)において、属性データ変換部103は、
(1)元の属性データ202aが地点1から交差点を経由して地点2へと通行可である(この交差点の地点1から地点2への進入出方向は進入出可である)ことを示している場合、読替え後の属性データ302aは地点2から交差点を経由して地点1へと通行可であることを示す属性データとする。
(2)元の属性データ202aが地点1から交差点を経由して地点2へは通行不可である(この交差点の地点1から地点2への進入出方向は進入出不可である)ことを示している場合、読替え後の属性データ302aは地点2から交差点を経由して地点1へは通行不可であることを示す属性データとする。
【0046】
例えば、各交差点の進入出方向ごとの属性を示す属性データが、図6(b)に示すテーブルとして記憶装置151に記憶されているものとする。この場合、属性データ変換部103は、元の属性データ202bのテーブルに含まれる「地点1」の列のデータと「地点2」の列のデータとを相互に入れ替えることにより(この例では、「規制」の列の各データの値として図6(a)に示した番号を用いている)、読替え後の属性データ302bのテーブルを生成する。なお、時間帯によって交通規制に係る属性が異なる場合には、図5(b)、(c)に示したように、各テーブルに「時間帯」の列を設けてもよい。
【0047】
なお、例えば速度情報(設定速度)など、道路の上り/下りを考慮して設定されている属性があれば、合わせて読替え(上り/下りの逆転)を行う。例えば、各道路の進行方向ごとの設定速度を示す属性データが、図7に示すテーブルとして記憶装置151に記憶されているものとする。この場合、属性データ変換部103は、元の属性データ203のテーブルに含まれる「上り」の列のデータと「下り」の列のデータとを相互に入れ替えることにより、読替え後の属性データ303のテーブルを生成する。なお、図7に示した各テーブルの「時間帯」の列は、時間帯によって(例えば、通勤ラッシュによる渋滞などを考慮して)設定速度が異なる場合に用いるものであるが、必須ではない。また、図7に示した各テーブルは、各道路を識別するために「道路」の列を含んでいるが、図5(b)、(c)に示した各テーブルの「地点1」、「地点2」の列を含んでいてもよい。
【0048】
図8に示す経路探索装置100の動作の開始前に、ステップS103では、経路記憶部106によりN個の出発地点からN個の目的地点までの経路が記憶されている。図8に示す経路探索装置100の動作の目的は、N+1個の出発地点からN+1個の目的地点までの経路を得ることである。そのためには、ステップS102で経路探索部102によりルート探索が行われたN個の地点以外の地点(以下、「追加地点」という)を新たに指定して(ノードデータが示す複数の地点から1つの地点が選択されるものとする)、追加地点から上記N個の地点までの経路と上記N個の地点から追加地点までの経路とを得る必要がある。
【0049】
図8において、地点指定部107は、追加地点を入力装置153により指定する(ステップS106:地点指定処理)。ステップS102と同様に、経路探索部102は、第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された地点(追加地点)を出発地点とし、上記N個の地点を目的地点とする第1の経路を計算する(この計算処理は通常のルート探索である)。これにより、追加地点から上記N個の地点までの経路が得られたことになる。したがって、N+1個の出発地点からN+1個の目的地点までの経路を得るために、あとは上記N個の地点から追加地点までの経路を得る必要がある。
【0050】
ステップS106において、地点指定部107は、さらに、出発地と目的地を一時的に逆転する。即ち、上記N個の地点から追加地点までの経路を得るために、地点指定部107は、追加地点を出発地点とし、上記N個の地点を目的地点として指定する。経路探索部102は、ステップS105で第2の地図データ記憶部104により記憶されたルート逆探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された地点(追加地点)を出発地点とし、上記N個の地点を目的地点とする第2の経路を計算する(この計算処理は、ルート逆探索用地図データを利用してルート探索を通常通り実施するルート逆探索である)(ステップS107:経路探索処理)。経路変換部105は、このルート探索結果について、所要時間・走行距離については探索時に対して出発地と目的地を逆転させ、即ち本来の出発地・目的地にして記憶装置151に格納する。また、経由する交差点(ノード)についても逆転させて格納する。即ち、経路変換部105は、経路探索部102により計算された第2の経路を、上記N個の地点から地点指定部107により指定された地点(追加地点)まで逆方向に辿る第3の経路に処理装置152により変換して出力する(ステップS108:経路変換処理)。これにより、上記N個の地点から追加地点までの経路も得られたことになる。
【0051】
経路出力部108は、ステップS103で経路記憶部106により記憶されたN個の出発地点からN個の目的地点までの経路、ステップS102と同様に経路探索部102により計算された第1の経路、ステップS108で経路変換部105により出力された第3の経路を合わせて、N+1個の出発地点からN+1個の目的地点までの経路を出力装置154により経路情報データファイル(図8には、「走行所要時間/走行距離/経由交差点リスト」と記載)に出力する(ステップS109:経路出力処理)。これにより、N+1個の出発地点からN+1個の目的地点までの経路が得られたこととなる。このとき、ステップS103と同様に、経路記憶部106が、経路出力部108により出力されたN+1個の出発地点からN+1個の目的地点までの経路を記憶装置151に記憶してもよい。
【0052】
このように、逆探索機能をもつルート探索を使用することにより、同じ目的地を持つ複数のルートをまとめて探索することが可能になる(図9(b)参照)。この機能により、図10(b)に示した課題について、
・既存1000件を出発地とし、新規1件を目的地とする探索・・・1件(改善部分)
・新規1件を出発地とし、既存1000件を目的地とする1対多探索・・・1件
の合計2件の探索で済むようになり(図10(c)参照)、従来よりも短時間に、発着地追加時のルート探索することが可能になる。なお、図10は、経路情報データファイル(図3、図8には、「走行所要時間/走行距離/経由交差点リスト」と記載)を模式的に表した表であるが、出発地(行方向)と目的地(列方向)で特定される枠には、発着地間の走行所要時間、走行距離、経由交差点リストが登録される。
【0053】
また、経路探索部102に関する処理は何ら変更することなく、経路探索部102に対する入力データと、出力データとを操作することで、逆探索機能を実現できることも本実施の形態の特徴である。
【0054】
さらに、本実施の形態により、発着地(地点)追加時のルート探索を短時間で行うことができ、経路情報データファイルを短時間で更新することができるようになる。それにより、例えば、経路情報を用いる配送・配車計画策定システムに、本実施の形態で出力する経路情報を受け渡すように構成するとき、更新された経路情報の受け渡しが容易になる。
【0055】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0056】
実施の形態1で説明した経路探索装置100が、例えば、荷物を配送するトラックなどの車両が走行する経路を探索する場合、現実の出発地点と目的地点において車両を左付け(「左寄せ」ともいう)することを考慮してもよい(ここでは、日本のように車両が左側通行の道路を前提としているため、「左付け」であるが、右側通行の場合には「右付け」となる)。
【0057】
図11は、車両400を左付けすることを考慮する場合に、車両400のルート探索を行う方法の一例を示す図である。
【0058】
図11において、車両400が店舗X(現実の出発地点の一例)に左付けした状態で出発し、店舗Y(現実の目的地点の一例)に左付けして到着する経路とその逆方向(店舗Yから店舗Xまでの)経路を探索することが目的である。ここで、店舗Xが左側にある道路X、店舗Yが左側にある道路Yの途中では、車両400はUターンしない、あるいはUターンできないものとする。また、図11(a)に示すように、店舗Xは道路Xの端点ではなく、地点A、Bが道路Xの端点であるとする。同様に、図11(b)に示すように、店舗Yは道路Yの端点ではなく、地点C、Dが道路Yの端点であるとする。道路X、Yは、車線数が2以上(片側1車線以上)の道路であるとする。
【0059】
以下では、図11と、実施の形態1で用いた図面を用いて、出発地点と目的地点において、車両400を左付けするルート探索及びルート逆探索を行う方法を説明する。
【0060】
本実施の形態では、経路探索部102は、ルート探索及びルート逆探索を行う際に、現実の出発地点がある道路を現実の出発地点がある側の進行方向への一方通行の道路として、現実の目的地点がある道路を現実の目的地点がある側の進行方向への一方通行の道路として用いる。以下では、説明の便宜上、現実の出発地点と目的地点がそれぞれ1つの場合について説明するが、それぞれが複数ある場合も以下と同様の処理が可能である。
【0061】
まず、出発地、目的地に左寄せにする方法について、経路探索装置100がルート逆探索の前に行う処理の流れを簡単に説明する。図8で示したステップS106で地点指定部107が出発地と目的地を一時的に逆転するが、このとき、属性データ変換部103が、出発地、目的地が接する道路に関して、出発地、目的地が接する車線の進行方向と逆方向に一方通行であるという情報をルート逆探索用地図データに付加する。その後、経路探索装置100は、ステップS107以降の処理に移る。図11に示した例では、出発地が店舗Xの場合、道路Xが地点Bから地点Aへの一方通行であり、目的地が店舗Yの場合、道路Yが地点Dから地点Cへの一方通行であるという情報がルート逆探索用地図データに付加される。
【0062】
例えば、実施の形態1で説明した図8のステップS106において、地点指定部107は、店舗Xと店舗Yを指定する。ここでは、店舗Xと店舗Yもそれぞれノードデータが示す複数の地点の1つであるとする。属性データ変換部103は、一時的に、第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに含まれる属性データを処理装置152により変換する。具体的には、属性データ変換部103は、属性データを、道路Xが地点Aから地点Bへの一方通行であり、道路Yが地点Cから地点Dへの一方通行であることを示すものに変換する。図3のステップS102と同様に、経路探索部102は、第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された店舗Xを出発地点とし、店舗Yを目的地点とする経路を計算する。このとき、ルート探索用地図データに含まれる属性データは、道路Xが地点Aから地点Bへの一方通行であり、道路Yが地点Cから地点Dへの一方通行であることを示しているため、経路探索部102は、経路中、最初に経由する地点(出発地点の直後の地点)を地点Bとし、最後に経由する地点(目的地点の直前の地点)を地点Cとしてルート探索を行うことになる。属性データ変換部103は、ルート探索が完了した後、道路X、Yに係る属性を変換した属性データを元に戻す。また、属性データ変換部103は、一時的に、第2の地図データ記憶部104により記憶されたルート逆探索用地図データに含まれる属性データを処理装置152により変換する。具体的には、属性データ変換部103は、属性データを、道路Xが地点Bから地点Aへの一方通行であり、道路Yが地点Dから地点Cへの一方通行であることを示すものに変換する。図8のステップS107において、経路探索部102は、第2の地図データ記憶部104により記憶されたルート逆探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された店舗Xを出発地点とし、店舗Yを目的地点とする経路を計算する。このとき、ルート逆探索用地図データに含まれる属性データは、道路Xが地点Bから地点Aへの一方通行であり、道路Yが地点Dから地点Cへの一方通行であることを示しているため、経路探索部102は、経路中、最初に経由する地点を地点Aとし、最後に経由する地点を地点Dとしてルート逆探索を行うことになる。属性データ変換部103は、ルート逆探索が完了した後、道路X、Yに係る属性を変換した属性データを元に戻す。ステップS108において、経路変換部105は、経路探索部102により計算された経路を、店舗Yから店舗Xまで逆方向に辿る経路に変換して出力する。このとき、経路変換部105により出力される経路中、最初に経由する地点は地点D、最後に経由する地点は地点Aとなっている。ステップS109において、経路出力部108は、経路探索部102により計算された店舗Xから店舗Yまでの経路と経路変換部105により出力された店舗Yから店舗Xまでの経路とを出力する。
【0063】
以上のように、本実施の形態では、地点指定部107が、リンクデータが示す道路であって複数車線(片側1車線以上)の道路に接する地点(図11の例では、店舗X、Y)を出発地点、目的地点、又はその両方として指定する(図11の例では、ルート検索時は店舗Xが出発地点、店舗Yが目的地点、ルート逆検索時には店舗Yが出発地点、店舗Xが目的地点)。属性データ変換部103は、第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに含まれる属性データが、地点指定部107により指定された店舗X、Yが接する道路(図11の例では、道路X、Y)が地点指定部107により指定された店舗X、Yが接する車線(図11の例では、道路X、Yの左車線)の進行方向(図11の例では、地点A→地点B、地点C→地点D)への一方通行であることを示すように、当該属性データを処理装置152により変換する。そして、変換した属性データを含む地図データを第1の地図データ記憶部101にルート探索用地図データとして記憶させる。経路探索部102は、第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された店舗Xから店舗Yまでの第1の経路を計算する。また、属性データ変換部103は、第2の地図データ記憶部104により記憶されたルート逆探索用地図データに含まれる属性データが、地点指定部107により指定された店舗X、Yが接する道路(図11の例では、道路X、Y)が地点指定部107により指定された店舗X、Yが接する車線(図11の例では、道路X、Yの左車線)の進行方向と逆方向(図11の例では、地点B→地点A、地点D→地点C)への一方通行であることを示すように、当該属性データを処理装置152により変換する。そして、変換した属性データを含む地図データを第2の地図データ記憶部104にルート逆探索用地図データとして記憶させる。経路探索部102は、第2の地図データ記憶部104により記憶されたルート逆探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された店舗Xから店舗Yまでの第2の経路を計算する。経路変換部105は、経路探索部102により計算された第2の経路を、店舗Yから店舗Xまで逆方向に辿る第3の経路に変換する。経路出力部108は、経路探索部102により計算された第1の経路と経路変換部105により出力された第3の経路とを出力する。これにより、車両400を左付けすることを考慮して車両400のルート探索を行うことが可能となる。また、本実施の形態においても、経路探索部102に関する処理は何ら変更することなく、経路探索部102に対する入力データと、出力データとを操作することで、逆探索機能を実現できることが特徴である。
【0064】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態2との差異を説明する。
【0065】
図11を用いて説明したように、実施の形態2は、経路探索部102に関する処理は何ら変更することなく、経路探索部102に対する入力データと、出力データとを操作することで、車両400を左付けするルート逆検索の機能を実現するものである。一方、本実施の形態は、経路探索部102に関する処理を変更することにより、車両400を左付けするルート逆検索の機能を実現するものである。
【0066】
以下では、図11と、実施の形態1で用いた図面を用いて、出発地点と目的地点において、車両400を左付けするルート探索及びルート逆探索を行う方法を説明する。
【0067】
第1の方法として、経路探索部102は、ルート探索及びルート逆探索を行う際に、現実の出発地点から前進したときの最初の地点を出発地点として、現実の目的地点から後退したときの最初の地点を目的地点として用いることができる。以下では、説明の便宜上、現実の出発地点と目的地点がそれぞれ1つの場合について説明するが、それぞれが複数ある場合も以下と同様の処理が可能である。
【0068】
例えば、実施の形態1で説明した図8のステップS106において、地点指定部107は、処理装置152により、店舗Xをルート探索用の出発地点として地点Bに読替え、店舗Yをルート探索用の目的地点として地点Cに読替え、読替えた地点B、Cを指定する(この読替え処理は、経路探索部102がルート探索をする際に独自に行ってもよい)。図3のステップS102と同様に、経路探索部102は、第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された地点Bを出発地点とし、地点Cを目的地点とする経路を計算する。また、図8のステップS106において、地点指定部107は、店舗Yから店舗Xまでの経路をルート逆探索するために、さらに、出発地と目的地を一時的に逆転する。即ち、地点指定部107は、目的地となる店舗Xをルート逆探索用の出発地点として地点Aに読替え、出発地となる店舗Yをルート逆探索用の目的地点として地点Dに読み替え、読替えた地点A、Dを指定する(この読替え処理は、経路探索部102がルート逆探索をする際に独自に行ってもよい)。図8のステップS107において、経路探索部102は、第2の地図データ記憶部104により記憶されたルート逆探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された地点Aを出発地点とし、地点Dを目的地点とする経路を計算する。ステップS108において、経路変換部105は、経路探索部102により計算された経路を、地点Dから地点Aまで逆方向に辿る経路に変換して出力する。ステップS109において、経路出力部108は、経路探索部102により計算された地点Bから地点Cまでの経路と経路変換部105により出力された地点Dから地点Aまでの経路とを、それぞれ店舗Xから店舗Yまでの経路とその逆方向の経路として出力する。
【0069】
第2の方法として、経路探索部102は、ルート探索及びルート逆探索を行う際に、現実の出発地点がある道路を経路中の最初の道路(進行方向は、現実の出発地点がある側の進行方向)として、現実の目的地点がある道路を経路中の最後の道路(進行方向は、現実の目的地点がある側の進行方向)として用いることができる。以下では、説明の便宜上、現実の出発地点と目的地点がそれぞれ1つの場合について説明するが、それぞれが複数ある場合も以下と同様の処理が可能である。
【0070】
例えば、実施の形態1で説明した図8のステップS106において、地点指定部107は、店舗Xと店舗Yを指定する。図3のステップS102と同様に、経路探索部102は、第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された店舗Xを地点Aに読替えて出発地点とし、店舗Yを地点Dに読替えて目的地点とする経路を計算する。このとき、経路探索部102は、経路中、最初の道路を道路X(地点Aから地点Bへの進行方向)に固定し、最後の道路を道路Y(地点Cから地点Dへの進行方向)に固定する。また、図8のステップS107において、経路探索部102は、第2の地図データ記憶部104により記憶されたルート逆探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された店舗Xを地点Bに読替えて出発地点とし、店舗Yを地点Cに読替えて目的地点とする経路を計算する。このとき、経路探索部102は、経路中、最初の道路を道路X(地点Bから地点Aへの進行方向)に固定し、最後の道路を道路Y(地点Dから地点Cへの進行方向)に固定する。ステップS108において、経路変換部105は、経路探索部102により計算された経路を、地点Cから地点Bまで逆方向に辿る経路に変換して出力する。ステップS109において、経路出力部108は、経路探索部102により計算された地点Aから地点Dまでの経路(道路Xを経路から削除して、地点Bから地点Dまでの経路としてもよい)と経路変換部105により出力された地点Cから地点Bまでの経路(道路Yを経路から削除して、地点Dから地点Bまでの経路としてもよい)とを、それぞれ店舗Xから店舗Yまでの経路とその逆方向の経路として出力する。
【0071】
以上のように、本実施の形態では、地点指定部107が、リンクデータが示す道路であって複数車線(片側1車線以上)の道路に接する地点(図11の例では、店舗X、Y)を出発地点、目的地点、又はその両方として指定する(図11の例では、ルート検索時は店舗Xが出発地点、店舗Yが目的地点、ルート逆検索時には店舗Yが出発地点、店舗Xが目的地点)。経路探索部102は、第1の地図データ記憶部101により記憶されたルート探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された店舗Xが接する道路Xを繋ぐ地点(図11の例では、地点A又はB)から地点指定部107により指定された店舗Yが接する道路Yを繋ぐ地点(図11の例では、地点C又はD)までの第1の経路を計算する。また、経路探索部102は、第2の地図データ記憶部104により記憶されたルート逆探索用地図データに基づき、地点指定部107により指定された店舗Xが接する道路Xを繋ぐ地点(図11の例では、地点A又はB)から地点指定部107により指定された店舗Yが接する道路Yを繋ぐ地点(図11の例では、地点C又はD)までの第1の経路を計算する。経路変換部105は、経路探索部102により計算された第2の経路を、地点C又はDから地点A又はBまで逆方向に辿る第3の経路に変換する。経路出力部108は、経路探索部102により計算された第1の経路と経路変換部105により出力された第3の経路とを出力する。これにより、車両400を左付けすることを考慮して車両400のルート探索を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施の形態1に係る経路探索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1における経路探索装置のハードウェア資源の一例を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る経路探索装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係る経路探索装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における元の属性データと読替え後の属性データとを示す図である。
【図6】実施の形態1における元の属性データと読替え後の属性データとを示す図である。
【図7】実施の形態1における元の属性データと読替え後の属性データとを示す図である。
【図8】実施の形態1に係る経路探索装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1におけるルート探索の概念を示す図である。
【図10】実施の形態1におけるルート探索の概念を示す図である。
【図11】実施の形態2におけるルート探索の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
100 経路探索装置、101 第1の地図データ記憶部、102 経路探索部、103 属性データ変換部、104 第2の地図データ記憶部、105 経路変換部、106 経路記憶部、107 地点指定部、108 経路出力部、151 記憶装置、152 処理装置、153 入力装置、154 出力装置、201,202,203 元の属性データ、301,302,303 読替え後の属性データ、400 車両、500 店舗、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 オペレーティングシステム、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の地点を示すノードデータと前記ノードデータが示す各2つの地点を結ぶ道路を示すリンクデータと前記リンクデータが示す各道路の進行方向ごとの属性を示す属性データとを含む地図データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算する経路探索部を備える経路探索装置において、
前記地図データを記憶装置に記憶する第1の地図データ記憶部と、
前記第1の地図データ記憶部により記憶された地図データに含まれる属性データを、当該属性データが示す各道路の進行方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データに処理装置により変換する属性データ変換部と、
前記属性データ変換部により変換された属性データを含む地図データを記憶装置に記憶する第2の地図データ記憶部と、
目的地点となる一の地点を前記1つの出発地点として指定するととともに、出発地点となる他の複数の地点を前記複数の目的地点として指定する地点指定部とを備え、
前記経路探索部は、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された一の地点から前記地点指定部により指定された他の複数の地点までの経路を処理装置により計算し、
前記経路探索装置は、さらに、
前記経路探索部により計算された経路を、前記他の複数の地点から前記一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置により変換し、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力する経路変換部を備えることを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
前記属性データは、前記属性として各道路の一方の地点から他方の地点への進行可否を示し、
前記経路探索部は、前記地図データに含まれる属性データに基づき、通行できない経路を除外して1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記属性データは、前記属性として各道路の進行方向ごとのコストを示し、
前記経路探索部は、前記地図データに含まれる属性データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までのコストの総和が最小となる経路を計算することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記コストは、各道路の進行方向ごとの所要時間と距離と設定速度と車線数との少なくともいずれかから求められる係数であることを特徴とする請求項3に記載の経路探索装置。
【請求項5】
複数の地点を示すノードデータと前記ノードデータが示す各2つの地点を結ぶ道路を示すリンクデータと前記リンクデータが示す各2つの道路を繋ぐ地点の進入出方向ごとの属性を示す属性データとを含む地図データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算する経路探索部を備える経路探索装置において、
前記地図データを記憶装置に記憶する第1の地図データ記憶部と、
前記第1の地図データ記憶部により記憶された地図データに含まれる属性データを、当該属性データが示す各地点の進入出方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データに処理装置により変換する属性データ変換部と、
前記属性データ変換部により変換された属性データを含む地図データを記憶装置に記憶する第2の地図データ記憶部と、
目的地点となる一の地点を前記1つの出発地点として指定するととともに、出発地点となる他の複数の地点を前記複数の目的地点として指定する地点指定部とを備え、
前記経路探索部は、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された一の地点から前記地点指定部により指定された他の複数の地点までの経路を処理装置により計算し、
前記経路探索装置は、さらに、
前記経路探索部により計算された経路を、前記他の複数の地点から前記一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置により変換し、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力する経路変換部を備えることを特徴とする経路探索装置。
【請求項6】
前記属性データは、前記属性として各2つの道路を繋ぐ地点の一方の道路から他方の道路への進入出可否を示し、
前記経路探索部は、前記地図データに含まれる属性データに基づき、通行できない経路を除外して1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算することを特徴とする請求項5に記載の経路探索装置。
【請求項7】
前記経路探索部は、前記第1の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、N個(Nは2以上の整数)の地点をそれぞれ出発地点とし、当該N個の地点のうち出発地点を除くN−1個の地点を目的地点とする経路を、N個の出発地点ごとに計算し、
前記経路探索装置は、さらに、
前記経路探索部により計算されたN個の出発地点からN個の目的地点までの経路を記憶装置に記憶する経路記憶部を備え、
前記地点指定部は、前記N個の地点以外の地点である追加地点を前記1つの出発地点として指定するとともに、前記N個の地点を前記複数の目的地点として指定し、
前記経路探索部は、前記第1の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された追加地点から前記地点指定部により指定されたN個の地点までの第1の経路を計算するとともに、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された追加地点から前記地点指定部により指定されたN個の地点までの第2の経路を計算し、
前記経路変換部は、前記経路探索部により計算された第2の経路を、前記N個の地点から前記追加地点まで逆方向に辿る第3の経路に変換し、
前記経路探索装置は、さらに、
前記経路記憶部により記憶されたN個の出発地点からN個の目的地点までの経路と前記経路探索部により計算された第1の経路と前記経路変換部により出力された第3の経路とを合わせてN+1個の出発地点からN+1個の目的地点までの経路を出力装置により出力する経路出力部を備えることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の経路探索装置。
【請求項8】
前記地点指定部は、前記リンクデータが示す道路であって複数車線の道路に接する地点を前記一の地点と前記他の複数の地点との少なくともいずれかとして指定し、
前記属性データ変換部は、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに含まれる属性データが、前記地点指定部により指定された地点が接する道路が前記地点指定部により指定された地点が接する車線の進行方向と逆方向への一方通行であることを示すように、当該属性データを処理装置により変換し、変換した属性データを含む地図データを前記第2の地図データ記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の経路探索装置。
【請求項9】
前記地点指定部は、前記リンクデータが示す道路であって複数車線の道路に接する地点を前記一の地点と前記他の複数の地点との少なくともいずれかとして指定し、
前記経路探索部は、前記第2の地図データ記憶部により記憶された地図データに基づき、前記地点指定部により指定された一の地点又は当該地点が接する道路を繋ぐ地点から前記地点指定部により指定された他の複数の地点又は当該地点が接する道路を繋ぐ地点までの経路を計算し、
前記経路変換部は、前記経路探索部により計算された経路を、前記地点指定部により指定された他の複数の地点又は当該地点が接する道路を繋ぐ地点から前記地点指定部により指定された地点又は当該地点が接する道路を繋ぐ地点まで逆方向に辿る経路に変換することを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の経路探索装置。
【請求項10】
複数の地点を示すノードデータと前記ノードデータが示す各2つの地点を結ぶ道路を示すリンクデータと前記リンクデータが示す各道路の進行方向ごとの属性を示す属性データとを含む地図データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算する経路探索処理をコンピュータに実行させる経路探索プログラムにおいて、
前記地図データを記憶装置に記憶する第1の地図データ記憶処理と、
前記地図データ記憶処理により記憶された地図データに含まれる属性データを、当該属性データが示す各道路の進行方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データに処理装置により変換する属性データ変換処理と、
前記属性データ変換処理により変換された属性データを含む地図データを記憶装置に記憶する第2の地図データ記憶処理と、
目的地点となる一の地点を前記1つの出発地点として指定するととともに、出発地点となる他の複数の地点を前記複数の目的地点として指定する地点指定処理とをコンピュータに実行させ、
前記経路探索処理は、前記第2の地図データ記憶処理により記憶された地図データに基づき、前記地点指定処理により指定された一の地点から前記地点指定処理により指定された他の複数の地点までの経路を処理装置により計算し、
前記経路探索プログラムは、さらに、
前記経路探索処理により計算された経路を、前記他の複数の地点から前記一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置により変換し、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力する経路変換処理をコンピュータに実行させることを特徴とする経路探索プログラム。
【請求項11】
複数の地点を示すノードデータと前記ノードデータが示す各2つの地点を結ぶ道路を示すリンクデータと前記リンクデータが示す各2つの道路を繋ぐ地点の進入出方向ごとの属性を示す属性データとを含む地図データに基づき、1つの出発地点から複数の目的地点までの経路を計算する経路探索処理をコンピュータに実行させる経路探索プログラムにおいて、
前記地図データを記憶装置に記憶する第1の地図データ記憶処理と、
前記第1の地図データ記憶処理により記憶された地図データに含まれる属性データを、当該属性データが示す各地点の進入出方向ごとの属性をそれぞれ逆方向の属性として示す属性データに処理装置により変換する属性データ変換処理と、
前記属性データ変換処理により変換された属性データを含む地図データを記憶装置に記憶する第2の地図データ記憶処理と、
目的地点となる一の地点を前記1つの出発地点として指定するととともに、出発地点となる他の複数の地点を前記複数の目的地点として指定する地点指定処理とをコンピュータに実行させ、
前記経路探索処理は、前記第2の地図データ記憶処理により記憶された地図データに基づき、前記地点指定処理により指定された一の地点から前記地点指定処理により指定された他の複数の地点までの経路を処理装置により計算し、
前記経路探索プログラムは、さらに、
前記経路探索処理により計算された経路を、前記他の複数の地点から前記一の地点まで逆方向に辿る経路に処理装置により変換し、変換した経路を複数の出発地点から1つの目的地点までの経路として出力する経路変換処理をコンピュータに実行させることを特徴とする経路探索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−263785(P2007−263785A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−89969(P2006−89969)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】