説明

耐熱性超合金(HRSA)及びステンレス鋼の旋削加工に要求される切り欠け及び摩耗用の超硬合金インサート

【課題】本発明は、耐熱性超合金及びステンレス鋼を旋削加工するために、基材及び被膜を含んで成る切削工具インサートに関する。
【解決手段】5〜7のCoと、0.15〜0.60wt%のTaCと、0.10〜0.50wt%NbCと、残部WCとを含んで成るこの基材は、19.5〜24.5kA/mの保磁力、及び0.85〜1.00のCW比を有する。この被膜は、x=0.6〜0.7である均質なAlTi1−xNの層、及び>1μmであるが<3.8μmの厚みとを含んで成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性超合金(HRSA)及びステンレス鋼の旋削加工に特に有効な被覆切削工具インサートに関する。薄いPVD被膜は、先端切れ刃及び副切れ刃の双方に対する逃げ面の耐摩耗性及び切り欠け耐摩耗性を非常に改良し、且つ、微細な粒の基材は、塑性変形に対して良好な抵抗を備える。
【背景技術】
【0002】
超合金の旋削加工は、一般的に、荒削り加工、中荒削り加工、中仕上げ削り加工、及び仕上げ削り加工に分類される。荒削り加工及び中荒削り加工において、切り込み深さは、ノーズ半径より大きく、且つ先端切れ刃及び副切れ刃の双方の切り欠け摩耗が、支配的な摩耗機構である。中仕上げ削り加工及び仕上げ削り加工において、切り込み深さは、ノーズ半径より小さく、且つ逃げ面摩耗及びクレータ摩耗が支配的である。
【0003】
副切れ刃の摩耗は、機械加工された表面の品位に影響を及ぼすので、重要な因子となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、耐熱性超合金及びステンレス鋼の旋削加工に特に有効な被覆切削工具インサートを提供することである。
【0005】
さらに、本発明の目的は、副切れ刃に改良された耐摩耗性を備えた切削工具インサートを提供することである。
【0006】
比較的薄いPVD被膜は、先端切れ刃及び副切れ刃の双方に対する逃げ面耐摩耗性及び切り欠け耐摩耗性を非常に改良し、且つ、微細な粒の基材は、耐熱性超合金及びステンレス鋼の旋削加工の際に、塑性変形に対して良好な抵抗を有することが、今驚くべきことに判明した。副切削切れ刃の摩耗は、被膜の厚みとともに増加する。この被膜の厚みが約4μmを越えたときに、この摩耗は副切れ刃上で徐々に拡大する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、超硬合金基材と被膜を被覆した切削工具インサートに関する。この超硬合金基材は、5〜7のCo好ましくは5.8〜6.2wt%のCo最も好ましくは6.0wt%のCoと、0.15〜0.60wt%のTaC好ましくは0.20〜0.30wt%のTaCと、0.10〜0.50wt%のNbC好ましくは0.10〜0.20wt%のNbCと、残部WCと、からなる。この超硬合金ボディは、また、少量のその他の元素を含むことができるが、技術的不純物に相当する水準である。この保磁力は、19.5〜24.5kA/mである。
【0008】
コバルトバインダ相は、所定量のWと合金化され、所望の特性を発明された超硬合金切削インサートに与える。バインダ相中のWは、コバルトの磁性特性に影響を及ぼし、したがって、CW比に関係付けすることができ、
CW=磁気%Co/wt%Co
として定義される。磁気%Coは磁性コバルトの重量パーセントであり、且つwt%Coは超硬合金中のCoの重量パーセントである。
【0009】
CW比は、Wの合金化の程度に依存して1〜約0.75の間で変化する。低いCW比は、より高いW含有量に相当し、且つCW比=1は、バインダ相中のWの存在しないことに相当する。
【0010】
改良された切削性能は、超硬合金ボディが、0.85〜1.00好ましくは0.9〜0.98最も好ましくは0.92〜0.97のCW比を有するときに達成されることが、本発明にしたがって判明した。
【0011】
被膜は、x=0.6〜0.67好ましくはx=0.62の均質な被膜AlTi1−xNを含む。この層の合計厚みは、>1μm、好ましくは>1.8μmであるが、<3.8μm好ましくは<3.0μmの厚みを有する。この化学組成と厚みの双方は、ノーズ半径から1mmの逃げ面及び切れ刃から200μmのところで測定された。
【0012】
また、本発明は、超硬合金基材と被膜からなる被覆切削工具インサートの製造方法に関する。この超硬合金基材は、慣用の粉末冶金技術の混練、加圧成形及び焼結を使用して製造し、且つ、5〜7wt%のCo好ましくは5.8〜6.2wt%のCo最も好ましくは6.0wt%のCoと、0.15〜0.60wt%のTaC好ましくは0.20〜0.30wt%のTaCと、0.10〜0.50wt%のNbCさらに好ましくは0.10〜0.20wt%のNbCと、残部WCとからなる。この超硬合金ボディは、また、少量のその他の元素を含むことができるが、そのときは、技術的不純物に相当する水準である。この保磁力は、19.5〜24.5kA/mである。
【0013】
このCW比は、0.85〜1.00好ましくは0.9〜0.98最も好ましくは0.92〜0.97の間であり、且つこのCW比は、カーボンブラックまたはタングステン粉末を粉末混合物に適量添加することにより監視される。
【0014】
吹き付け加工または研削加工のような慣用の後焼結処理の後、x=0.6〜0.67好ましくはx=0.62を有する均質なAlTi1−xNを含む被膜が、適切な組成のTiAl合金からなるターゲット材料を使用する陰極アーク蒸発を用いて、Nガス雰囲気中において堆積される。被膜の合計厚みは、>1μm好ましくは>1.8μmであるが<3.8μm好ましくは<3.8μmである。
【0015】
本発明は、Inconel718、Inconel625、Waspaloy、Udimet720、San-Mac316L、SAF2205、SAF2507のような耐熱性超合金及びステンレス鋼を、30〜180m/分の切削速度及び0.1〜0.4mm/回転の送り速度で旋削加工する上記にしたがうインサートの用途に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施例1
均質な(Ti、Al)Nの被膜が、陰極アーク蒸発によって、旋削加工用のインサートに堆積され、このインサートは、6wt%のCoと、0.16wt%のNbcと、0.23wt%のTacと、残部WCとの組成を有する超硬合金で作られ、22.4kA/mの保磁力と0.96のCW比とを備えた。この被膜は、Ti33Al67合金からなるターゲット材料を用いて堆積された。このアーク蒸発は、Nガス雰囲気中で実施された。得られた合計被膜厚みは、2.5μmであり、且つ均質なAl62Ti38N層からなっていた。
【0017】
実施例2
実施例1が繰り返され、大きな相違点は、堆積時間が4.5μmの層厚みを得るために選ばれることである。
【0018】
実施例3
A. 6wt%のCoと、0.16wt%のNbCと、0.23wt%のTacと、残部WCと、22.4kA/mの保磁力と、0.96のCW比に相当するWで合金化されたバインダ相と、を有する本発明にしたがう超硬合金旋削加工インサートは、2.9μmの(Ti、Al)NのPVD被膜を被覆した。
【0019】
B. 6wt%のCoと、0.5wt%のCrと、残部WCと、23.8kA/mの保磁力と、0.85のCW比を有する市販超硬合金。このインサートは、2.9μmの(Ti、Al)NのPVD被膜を被覆した。
【0020】
A及びBのインサートは、鋳鉄Inconel−718の軸受け外装部の旋削加工において試験がされた。
作業 :旋削加工、正面切削−荒削り加工
加工部品 :軸受け外装部
材料 :鋳鉄及び時効条件のInconel−718
切削速度 :34m/分
送り速度 :0.175mm/回転
切り込み深さ :1.78mm
インサート形式:CNMG120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0021】
結果 :7.2分の機械加工後、副切れ刃の逃げ面摩耗
等級A(本発明) :0.05mm
等級B(先行技術):0.20mm
工具は、7.2分の機械加工に相当する2つの構成物(予め決められた)の後に交換する。
【0022】
実施例4
C. 6wt%のCoと、0.16wt%のNbCと、0.23wt%のTacと、残部WCの組成を有し、23.1kA/mの保磁力と、0.93のCW比を有する市販超硬合金。このインサートは、4.3μmのPVDの(Ti、Al)N多層の被膜で被覆された。
【0023】
A及びCのインサートは、Inconel−718のゲートスプリング保持器の旋削加工において試験がされた。
作業 :旋削加工−荒削り加工
加工部品 :ゲートスプリングの保持器
材料 :鍛造及び時効条件のInconel−718
切削速度 :30m/分
送り速度 :0.2mm/回転
切り込み深さ :2.5mm
インサート形式:CNMG120412
注意 冷却材ありの旋削加工
【0024】
結果 :一つの構成物の後の主切れ刃に沿う逃げ面摩耗
等級A(本発明) :0.05mm
等級C(先行技術):0.10mm
工具は、2つの構成物(予め決められた)の後に交換する。
【0025】
実施例5
D. 6wt%のCoと、0.16wt%のNbCと、0.23wt%のTacと、残部WCと、24.0kA/mの保磁力と、0.93のCW比の組成を有する本発明に従う超硬合金旋削加工インサートは、2.6μmの(Ti、Al)NのPVD被膜を被覆した。
【0026】
E. 6wt%のCoと、0.5wt%のCrと、残部WCと、22.0kA/mの保磁力と、CW比=0.82を有する市販超硬合金のインサート。このインサートは、5.2μmの(Ti、Al)NのPVD被膜を被覆した。
【0027】
D及びEのインサートは、Udimet720のタービン・ホイールの旋削加工において試験された。
作業 :旋削加工、半仕上げ加工
加工部品 :タービン・ホイール
材料 :鍛造及び時効条件のUdimet720
切削速度 :46m/分
送り速度 :0.075〜0.15mm/回転
切り込み深さ :1mm
インサート形式:CNGP120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0028】
結果 :一つの構成物の後の副切れ刃に沿う逃げ面摩耗
等級D(本発明) :0.07mm
等級E(先行技術):0.13mm
工具は、13分の機械加工に相当する一つの構成物(予め決められた)の後に交換する。
【0029】
実施例6
B、C及びDのインサートは、Udimet720のタービン・ホィールの旋削加工において試験された。
作業 :旋削加工−半仕上げ加工
加工部品 :タービン・ホィール
材料 :鍛造及び時効条件のUdimet720
切削速度 :46〜55m/分
送り速度 :0.075〜0.125mm/回転
切り込み深さ :0.25〜1mm
インサート形式:CNGP120408、CNGG120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0030】
結果 :一つの構成物の後の主切れ刃に沿う逃げ面摩耗
等級A(本発明) :0.04mm
等級C(先行技術):0.09mm
等級B(先行技術):0.17mm
工具は、23.7分の機械加工に相当する一つの構成物(予め決められた)の後に交換する。
【0031】
実施例7
B、D及びEのインサートは、Udimet720のタービン・ホィールの旋削加工において試験された。
作業 :旋削加工−仕上げ加工
加工部品 :タービン・ホィール
材料 :鍛造及び時効条件のUdimet720
切削速度 :46m/分
送り速度 :0.125mm/回転
切り込み深さ :0.38mm
インサート形式:CNGP120408、CNGG120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0032】
結果 :一つの構成物の後の主切れ刃に沿う逃げ面摩耗
等級D(本発明) :0.05mm
等級E(先行技術):0.10mm
等級B(先行技術):0.10mm
工具は、5分の機械加工に相当する一つの構成物(予め決められた)の後に交換する。
【0033】
実施例8
C及びDのインサートは、Inconel−718の棒の旋削加工において試験された。
作業 :旋削加工、荒削り加工
加工部品 :鍛造及び機械加工した棒
材料 :鍛造及び時効条件のInconel−718
切削速度 :50m/分
送り速度 :0.25mm/回転
切り込み深さ :1mm
インサート形式:CNMG120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0034】
結果 :工具寿命、切削分
等級D(本発明) :5.2分
等級C(先行技術):3分
工具寿命の評価基準は、主切れ刃の0.3mmの切り欠け摩耗であった。
【0035】
実施例9
F. 5.8wt%のCoと、0.5wt%のCrと、残部WCの組成を有し、19.8kA/mの保磁力と、0.83のCW比を有する市販超硬合金。このインサートは、1.3μmの(Ti、Al)NのPVD被膜で被覆された。
【0036】
D、E及びFのインサートは、Udimetのタービン・ホイールの旋削加工において試験なされた。
作業 :旋削加工−仕上げ加工
加工部品 :タービン・ホイール
材料 :鍛造及び時効条件のUdimet720
切削速度 :46m/分
送り速度 :0.15mm/回転
切り込み深さ :0.1〜0.5mm
インサート形式:CNGP120408、CNGG120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0037】
結果 :一つの構成物の後の副切れ刃に沿う逃げ面摩耗
等級D(本発明) :0.07mm
等級E(先行技術):0.15mm
等級F(先行技術):0.15mm
工具は、8.3分の機械加工に相当する1つの構成物(予め決められた)の後に交換する。
【0038】
実施例10
G. 6wt%のCoと、0.16wt%のNbCと、0.23wt%のTaCと、残部WCの組成を有し、24.0kA/mの保磁力と、0.93のCW比を有する本発明にしたがう超硬合金の旋削加工インサートは、2.6μmの(Ti、Al)NのPVD被膜で被覆された。
【0039】
C、E及びGのインサートは、Inconel718の鋳物の旋削加工において試験がされた。
作業 :旋削加工−仕上げ加工
加工部品 :鋳物
材料 :鍛造及び時効条件のInconel718
切削速度 :37m/分
送り速度 :0.2mm/回転
切り込み深さ :0.25mm
インサート形式:CNMG120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0040】
結果 :一つの構成物の後の副切れ刃に沿う逃げ面摩耗
等級G(本発明) :0.06mm
等級E(先行技術):0.17mm
等級C(先行技術):0.22mm
工具は、9.7分の機械加工に相当する1つの構成物(予め決められた)の後に交換する。
【0041】
実施例11
H. 6wt%のCoと、0.16wt%のNbCと、0.23wt%のTaCと、残部WCの組成を有し、21.6kA/mの保磁力と、0.95のCW比を有する本発明にしたがう超硬合金の旋削加工インサートは、2.7μmの(Ti、Al)NのPVD被膜で被覆された。
【0042】
C及びHのインサートは、Inconel718の棒の旋削加工において試験がされた。
作業 :旋削加工−半仕上げ加工
加工部品 :鍛造及び機械加工された棒
材料 :鍛造及び時効条件のInconel718
切削速度 :70m/分
送り速度 :0.15mm/回転
切り込み深さ :0.5mm
インサート形式:CNGP120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0043】
結果 :工具寿命、切削時間
等級H(本発明) :5分
等級C(先行技術):2.5分
工具の判定基準は、主切刃上の0.3mmのノッチ摩耗である。
【0044】
実施例12
I. 6wt%のCoと、0.16wt%のNbCと、0.23wt%のTaCと、WCの組成を有し、1.2μmの平均WC粒と、22.0kA/mの保磁力と、0.97のCW比を有する本発明にしたがう超硬合金の旋削加工インサートは、2.4μmの厚みの(Ti、Al)NのPVD被膜で被覆された。
【0045】
B、C及びIのインサートは、Inconel718の棒の旋削加工において試験がされた。
作業 :旋削加工−荒削り加工
加工部品 :鍛造及び機械加工された棒
材料 :鍛造及び時効条件のInconel718
切削速度 :50m/分
送り速度 :0.2mm/回転
切り込み深さ :1.5mm
インサート形式:CNMG120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0046】
結果 :工具寿命、切削時間
等級I(本発明) :5.5分
等級B(先行技術):4.5分
等級C(先行技術):3.2分
工具の判定基準は、主切刃上のノッチ摩耗=0.3mmである。
【0047】
実施例13
J. 等級Iと同一組成を有する本発明にしたがう超硬合金の旋削加工インサートが、4.7μmの(Ti、Al)NのPVD被膜で被覆された。
【0048】
等級I(本発明)等級J及び等級C(先行技術)のインサートが、Inconel718の棒の旋削加工において試験がされた。
作業 :旋削加工−荒削り加工
加工部品 :鍛造及び機械加工された棒
材料 :鍛造及び時効条件のInconel718
切削速度 :50m/分
送り速度 :0.2mm/回転
切り込み深さ :1.5mm
インサート形式:CNMG120408
注意 冷却材ありの旋削加工
【0049】
結果 :4分の機械加工後の副切れ刃上の逃げ面摩耗
等級J(本発明) :0.12mm
等級J(本発明外):0.26mm
等級C(先行技術):0.26mm
図1の図表は、長時間の副切れ刃上の最高逃げ面摩耗を示し、Wはmmで表した副切れ刃上の最大摩耗であり、Tは分で示した切削時間である。白抜き菱形は等級I(本発明)を示し、黒塗り四角形は等級J(本発明外)を示し、且つ黒塗り三角形は等級C(先行技術)を示す。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明(白抜きの菱形)、本発明外(黒塗りの四角形)、及び先行技術(黒塗りの三角形)にしたがうインサートについての長時間に渡る副切れ刃上の摩耗をしめす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱性超合金及びステンレス鋼を旋削加工するために、基材及び被膜を含んで成る切削工具インサートであって、
前記基材が、5〜7好ましくは5.8〜6.2wt%のCo最も好ましくは6.0wt%のCoと、0.15〜0.60wt%のTaC好ましくは0.20〜0.30wt%のTaCと、0.10〜0.50wt%のNbC好ましくは0.10〜0.20wt%のNbCと、残部WCとを含んで成り、19.5〜24.5kA/mの保磁力と、0.85〜1.00好ましくは0.9〜0.98最も好ましくは0.92〜0.97のCW比と、からなり、且つ
前記被膜が、x=0.6〜0.67好ましくはx=0.62である均質なAlTi1−xNの層、及び>1μm好ましくは>1.8μmであるが<3.8μm好ましくは<3.0μmの厚みを含む、
ことを特徴とする耐熱性超合金及びステンレス鋼を旋削加工するために、基材及び被膜を含んで成る切削工具インサート。
【請求項2】
耐熱性超合金及びステンレス鋼を旋削加工するため下記の超硬合金基材及び被膜からなる被覆切削工具インサートを製造する方法であって、
慣用の粉末冶金技術の混練、加圧成形及び焼結を使用して、前記基材を準備し、
前記基材が、5〜7wt%のCo好ましくは5.8〜6.2wt%のCo最も好ましくは6.0wt%のCoと、0.15〜0.60wt%のTaC好ましくは0.20〜0.30wt%のTaCと、0.10〜0.50wt%のNbC好ましくは0.10〜0.20wt%のNbCと、残部WCとからなり、19.5〜24.5kA/mの保磁力と、0.85〜1.00好ましくは0.9〜0.98最も好ましくは0.92〜0.97の間のCW比とを有し、且つ
慣用の後焼結処理の後、x=0.6〜0.67好ましくはx=0.62であるAlTi1−xNを含む被膜を、適切な組成のTiAl合金からなるターゲット材料を用いる陰極アーク蒸発によって、Nガス雰囲気中において堆積することにより、前記被膜の合計厚みが、>1μm好ましくは>1.8μmであるが<3.8μm好ましくは<3.0μmである、
ことを特徴とする耐熱性超合金及びステンレス鋼を旋削加工するために、超硬合金基材及び被膜からなる切削工具インサートを製造する方法。
【請求項3】
Inconel718、Inconel625、Waspaloy、Udimet720、San-Mac316L、SAF2205、SAF2507のような耐熱性超合金及びステンレス鋼を、30〜180m/分の切削速度及び0.1〜0.4mm/回転の送り速度で旋削加工するため請求項1にしたがうインサートの用途。

【図1】
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【公開番号】特開2007−203450(P2007−203450A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−336981(P2006−336981)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(505277521)サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ (284)
【Fターム(参考)】