説明

自動車用ディスプレー装置及びこれを用いたディスプレー方法

【課題】本発明はDMB放送情報及びGPSを通じて位置情報を受信し、柔軟で透明度の調整が可能な表示画面を提供する表示部を含んだ自動車用ディスプレー装置及びこれを用いたディスプレー方法に関し、表示画面は、柔軟で自動車構造に制限されない特性を有するため、自動車に装着して多様な位置及び多様な大きさに設置してディスプレーすることができるとともに自動車の空間が確保される效果がある。また、表示画面は透明度が調整されることを特徴とするため、運転視野範囲内に設置して效果的に情報を獲得することができ、使用者の指定及び環境変化に応じて表示画面を透明に切り替えることによって運転手の視野を確保して安全運転を保障する效果がある。また、表示部をミラクルガラスと投影機で構成して装着することによって、所望の領域に選択的に投射して運転手の運転視野確保及び同乗者に所望の方向で情報を獲得することができる便宜を提供する效果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟で、透明度の調整が可能な表示画面を提供する表示部を備えた自動車用ディスプレー装置及びこれを用いたディスプレー方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動する自動車内で情報を獲得することができる方法は、自動車のセンターフェーシアパネル(centerfacia panel)にラジオ受信機や自動車用TV受信機を装着して、空中波及び地上波放送を聴取したり、視聴したりしていた。このような受信機は、単に放送受信を目的としたため、使用者が選択することができる範囲も放送受信に限定されていた。
【0003】
その後、情報技術の発達に伴って、移動通信技術と位置追跡技術を自動車に応用して多様な応用サービスを自動車運転手に提供するテレマティクス(Telematics)技術が開発されるようになった。
【0004】
テレマティクスとは、通信技術(telecommunication)と情報科学(informatics)を組み合わせた造語で、自動車を基盤に移動通信、インターネット、ナビゲーション機能などを支援する自動車遠隔情報サービスを称える。
【0005】
デジタル放送開国と携帯端末の機能が拡大するに従って、移動する自動車内でDMB(Digital Multimedia Broadcasting)を視聴したり、GPS(Global Positioning System)を利用したナビゲーションシステムを通じて位置情報を探索するための装置の開発が多様に行われている。
【0006】
今までテレマティクスシステムは、別途の装置で提供されるより、通常の携帯用端末装置、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、ナビゲーション端末装置を利用しており、その表示内容は、上記端末装置に設けられたディスプレーパネルを通じて表示される。
【0007】
図1は、DMB、GPS及びマルチメディア情報を提供する端末装置の構成を示した図である。
【0008】
上記図1を参照すれば、上記装置は、DMB信号を受信するDMB受信部51、位置情報を受信するGPS受信部53、各種マルチメディアデータを保存して再生するマルチメディア管理部55、ディスプレーパネルを含む表示部56、使用者の入力を処理する使用者インターフェース54、上記DMB及びGPS受信部と管理部を制御して、該当内容を表示部56に出力する制御部52で構成されている。
【0009】
また、必要であれば、PDA、携帯電話機能のための別途の追加要素を備えることができる。
【0010】
上記各DMB及びGPS受信部51、53とマルチメディア管理部55のDMB及びGPSとマルチメディア情報は、上記制御部52によって適切に処理されて、該当端末装置に備えられた表示部56のディスプレーパネルに表示される。
【0011】
しかし、上記一般的な端末装置を利用する場合、使用者に表示されるDMB及びGPS受信情報と、マルチメディア再生情報を表示する表示画面は、携帯用端末装置のディスプレーパネルに制限される。
【0012】
一方、上記端末装置は、普通自動車の計器盤またはインストルメントパネル(Instrument Panel)に附着されるが、センターフェーシアパネルに装着される。これによって、使用者が上記端末装置の表示内容を見るためには、運転中に視野を切り替えたり、上記端末装置と自動車のバックミラー、ステアリングホイールなどによって運転視野が充分に確保されないという問題点がある。
【0013】
図2は、上記端末装置の設置位置を示した図である。上記図2を参照すれば、上記端末装置10、20は、普通自動車の内部に設置されて、位置情報や多様なマルチメディア情報を提供する。設置位置は、一般的に計器盤またはセンターフェーシアパネルやインストルメントパネルに設置することが普通である。
【0014】
この時、上記端末装置10、20は、運転手の運転視野に影響を与えないながら、所望の情報が見られるように設置されることが好ましい。
【0015】
しかし、センターフェーシアパネルに設置する場合(図面符号20を参照)、空間を容易に確保することができるが、運転中に運転手の視野を脱するので、画面を見るために視野を切り替えなければならないため、これによる危険が伴う。
【0016】
また、インストルメントパネルに設置する場合(図面符号10を参照)、容易に視聴することができるが、ステアリングホイール30、バックミラー40などに上記端末装置20が設けられて運転手の視野を狭くする問題点がある。
【0017】
最近、無線通信技術の発達に伴って、テレマティクスシステムは漸次に自動車の一部として変わっている。
【0018】
しかし、上記で説明したように、テレマティクスシステムを一般的な携帯用端末装置に取り付けた場合、各種情報を表示する表示画面は上記端末装置のディスプレーパネルに限定され、その装着位置によって運転手の視野を切り替えて、安全運転を妨害したり、運転手の視野を狭くする問題点を発生しており、これを解決するための效果的なディスプレー手段の開発が必要になってきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、本発明は、DMB及びGPS受信情報と、マルチメディア再生情報を效果的に表示することができる自動車用ディスプレー装置及びディスプレー方法を提供することにその目的がある。
【0020】
具体的に、本発明は、前面窓ガラスを含めた自動車の内部の所望の位置に装着することができ、運転中、視野を妨害しないように、柔軟で、透明度の調整が可能な表示画面を提供する自動車用ディスプレー装置を実現して、これによって、大画面を具現しながらも運転視野に影響を与えないとともに、各種情報を容易に得ることができる自動車用ディスプレー装置及びこれを用いたディスプレー方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達するために、本発明は、自動車用ディスプレー装置において、DMB放送信号を受信するDMB受信部と、現在の位置情報を受信するGPS受信部と、マルチメディア情報の保存と再生を管理するマルチメディア管理部と、自動車の動作及び周辺環境を感知するセンサー部と、使用者の入力を処理する使用者インターフェースと、曲面部に設置することができるように、柔軟で、透明度の調整が可能な表示画面を提供する表示部と、上記DMB及びGPS受信部によって受信された情報と上記マルチメディア管理部に保存された情報に基づいて表示内容を生成して、これを上記表示画面に出力し、上記センサー部または上記使用者インターフェースによる入力に基づいて、上記表示画面の透明度を制御する制御部とを含むことを特徴とする。
【0022】
この時、上記表示画面は、自動車内に少なくとも一つ設置されることを特徴とし、上記表示画面は、表示内容がない場合、透明で、表示内容がある場合、その表示領域は半透明にし、上記表示領域以外は透明にすることを特徴とする。また、上記使用者インターフェースは、上記表示画面に設けられたタッチスクリーンであることを特徴とする。
【0023】
また、上記表示部は平板表示装置であることを特徴とし、上記平板表示装置は、液晶表示装置、有機電気発光表示装置、プラズマ表示装置などを用いることができる。
【0024】
この時、上記表示部が液晶表示装置である場合、上記液晶表示装置に光を照射する補助照明をさらに含むことができる。
【0025】
また、上記センサー部は外部からの光を感知する第1センサーを含み、上記制御部は第1センサーの感知結果に基づいて上記補助照明の輝度を調整することができる。
【0026】
他に、上記表示部は、上記表示画面を構成するミラクルガラスと、上記表示内容を上記ミラクルガラスに投射する投影機を含むことを特徴とする。
【0027】
この場合、上記投影機は自動車の天井に装着されて、上記ミラクルガラスが配置された方向へ投射するようにすることができる。
【0028】
上記センサー部は、上記自動車の動作を感知する第2センサーを含むことができ、自動車の急発進、急制動、ステアリングホイールの回転角を感知することを特徴とする。
【0029】
また、上記センサー部は周辺環境を感知する第3センサーを含むことを特徴とし、自動車内外部の中の一側面に装着されて障害物を感知したり、後進する場合、後方を感知したりすることを特徴とする。
【0030】
その他、上記センサー部は、自動車部品に附着されて、自動車の情報を感知する第4センサーを含み、上記自動車情報を上記表示画面に表示することを特徴とする。
【0031】
また、上記センサー部は監視カメラを含むことができ、上記制御部は、上記監視カメラの映像を上記表示画面に出力するようにすることができる。
【0032】
また、上記制御部は、上記使用者インターフェースによる入力に基づいて、上記センサー部の感知正確度を調整することもできる。
【0033】
また、上記自動車用ディスプレー装置は、外部無線通信モジュールに接続されるポートを備えることによって、携帯電話、PDA、ノート・パンコンなどの移動通信端末を通じてインターネットに接続して各種情報を受信することができる。
【0034】
これによって、上記GPS受信部を通じて受信された情報を容易に認識することができるように、地図をダウンロードした後、上記表示部にマッピングしたり、自動車の状態情報を持続的に送信して、自動車の遠隔診断サービス及び事故が発生した場合、適切な措置を受けることもできる。
【0035】
また、上記自動車用ディスプレー装置は、複数の出力ポートを備えて、上記した表示画面以外に追加的に表示画面を備えることができ、これらを自動車の所望の位置に装着することによって情報を獲得することができる。
【0036】
例えば、自動車の後部座席にある同乗者は運転席及び助手席シートや運転席と助手席との間に配置されているコンソールボックスに表示画面をさらに設置して、自動車に乗っている各使用者に便宜を提供するようにすることもできる。
【0037】
さらに、上記表示部を構成する表示画面が複数の空間に配置されている場合、上記制御部が各受信部または再生管理部が獲得した情報を、使用者インターフェースによる入力に基づいて、所望の位置の単一または複数の表示画面に同時に出力させることができ、複数の表示画面に異なる情報を出力させることもできる。
【0038】
これによって、自動車に乗っている使用者は、自分に必要な情報を取得することができる。
【0039】
上記目的を達するための本発明のディスプレー方法は、透明度の調整が可能な表示画面を備えた自動車用ディスプレー装置を用いたディスプレー方法において、DMB受信情報、GPS受信情報またはマルチメディア再生情報の中少なくとも一つを上記表示画面に表示する段階と、上記各情報の表示を中止して、上記表示画面を透明に切り替える段階とを含むことを特徴とする。
【0040】
この時、上記表示画面に表示する段階で、上記表示画面が複数である場合、上記各情報を上記複数の表示画面に同一に表示したり、少なくとも一つの表示画面に異なるように表示する段階を含むことができる。
【0041】
また、上記表示画面に表示する段階は、上記表示画面に補助照明による光を供給する段階をさらに含むこともできる。
【発明の効果】
【0042】
本発明による自動車用ディスプレー装置は、DMB放送情報、GPSによる位置情報及び各種マルチメディア情報を提供し、柔軟で、自動車の構造に制限されることなく、設置することができる表示画面を提供する表示部を含み、これは多様な位置及び多様な大きさに設置することができるとともに、自動車の空間が確保される效果がある。
【0043】
また、上記表示部を構成する表示画面は、透明度が調整されることを特徴とするため、運転視野範囲内に設置しても、效果的に上記情報を獲得することができ、使用者の指定及び環境変化に応じて、上記表示画面を透明に転換させることによって、運転手の視野を確保して安全運転を保障する效果がある。
【0044】
また、上記表示部をミラクルガラスと投影機とで構成することによって、所望の領域に選択的に投射して運転手の運転視野確保及び同乗者に所望の方向で上記情報を獲得することができるという便宜を提供する效果がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】一般的なディスプレー端末の設置位置を示した図である。
【図2】DMB、GPS及びマルチメディア情報を提供する端末の構成を示した図である。
【図3】本発明による自動車用ディスプレー装置の構成を示した図である。
【図4】本発明による上記自動車用ディスプレー装置が自動車に装着された状態を示した図である。
【図5】本発明による自動車用ディスプレー装置の表示部に含まれた表示画面の他の設置形態を示した図である。
【図6】本発明の実施例による表示部の動作状態を示した図である。
【図7】本発明によるミラクルガラスと投影機で構成された表示部を示した図である。
【図8】本発明による上記ミラクルガラスの特徴を示した図である。
【図9】本発明による自動車用ディスプレー装置のディスプレー方法に対する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、図を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。
以下では、本発明を説明するにあたって、関連する公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0047】
図3は、本発明による自動車用ディスプレー装置の構成を示した図である。
【0048】
上記図3を参照すれば、本発明による自動車用ディスプレー装置は、DMB放送信号を受信するDMB受信部310と、現在の位置情報を受信するGPS受信部330と、マルチメディア情報の保存と再生を管理するマルチメディア管理部350と、自動車の動作及び周辺環境を感知するセンサー部370と、使用者の入力を処理する使用者インターフェース340と、曲面部に設置することができるように、柔軟で、透明度の調整が可能な表示画面を提供する表示部360と、上記DMB及びGPS受信部310、330を通じて受信された情報と上記マルチメディア管理部350に保存された情報に基づいて表示内容を生成して、これを上記表示画面に出力し、上記センサー部370または上記使用者インターフェース340による入力に基づいて、上記表示画面の透明度を制御する制御部320とを含む。
【0049】
それぞれをさらに具体的に説明する。
【0050】
まず、DMB受信部310とGPS受信部330は、一般的な技術内容に基づくことができ、該当信号を受信するためのアンテナを含むことができる。
【0051】
上記アンテナを通じて、DMB受信部310は、各チャンネル別DMB放送サービス信号を受信復原して、選局されたチャンネルに対する放送情報を出力し、GPS受信部330は、移動通信基地局と連動されて、現在自動車の緯度及び経度データを受信して自動車の現在位置情報を出力する。
【0052】
上記DMB受信部310の受信情報は、上記使用者インターフェース340による使用者の入力によってチャンネルを選択することができることを特徴とする。
【0053】
また、マルチメディア管理部350には、各種マルチメディア情報を保存するためのロム(Read Only Memory)、ラム(Random Access Memory)、ハードディスクなどの保存装置などが含まれることができ、上記保存装置に上記DMB受信部310のチャンネル情報及び放送受信情報の保存とGPS受信部330の地図DB(Data Base)を内蔵することができる。
【0054】
また、外部媒体と接続するためのUSBポートを備えて、上記外部媒体からマルチメディア情報を獲得して保存することも可能である。
【0055】
また、使用者インターフェース340は、使用者の入力を獲得して出力する部分であり、複数のボタンやダイヤルなどが使われることができ、必要に応じて、後述する表示部360にタッチスクリーンセンサーで構成されることができる。
【0056】
したがって、DMB受信情報、GPS受信情報またはマルチメディア再生情報は、使用者インターフェース340による使用者入力情報に基づいて、上記制御部320によって処理されて、上記表示部360に表示されることができる。
【0057】
さらに、上記使用者インターフェース340は、使用者の便宜による上記センサー部370の感度を調整することによって、使用者自身に適当な表示部360の動作を設定することも可能である。
【0058】
また、上記表示部360は DMB受信情報及びGPS受信情報とマルチメディアの再生情報を使用者に表示する部分で、特に本発明による自動車用ディスプレー装置の表示部360は、曲面部に設置することができるように、柔軟で、透明度の調整が可能な表示画面を提供することを特徴としており、このために、LCD、有機ELDまたはPDPなどの平板表示装置またはミラクルガラス及び投影機が用いられる。
【0059】
これらについては、該当する部分で詳しく説明する。
【0060】
また、制御部320は、上記使用者インターフェース340または上記センサー部370の入力に基づいて、上記表示部360の動作を制御したり、上記DMB受信部310とGPS受信部330及びマルチメディア管理部350が提供する情報を信号処理して、表示部360に出力するなど、上記自動車のディスプレー装置の全般的な動作を制御する部分で、所定のアルゴリズムが内蔵したマイコン(Micom)などの論理演算装置が用いられることができる。
【0061】
さらに、上記制御部320は、上記使用者インターフェース340による入力に基づいて上記センサー部370のセンシング感度を設定することができる。
【0062】
言い換えれば、使用者は自分の嗜好に応じて、上記センサー部370の感度を適切に調整することによって、上記制御部320が上記表示部360を制御して表示させるようにすることができる。
【0063】
最後に、上記センサー部370は、自動車の動作及び周辺環境を感知して、その感知結果を制御部320に伝達する部分で、安全運転に役に立てることができる自動車の内外部の各種情報を蝕合することになる。
【0064】
このためのセンサー部370は、互いに異なる役割をする第1〜第4センサー372、374、376、378を含むことができる。
【0065】
上記第1センサー372は、上記表示部360が平板表示装置であり、特にLCDの場合使用可能であり、外部からの光を感知するための受光センサーを用いることができる。
【0066】
上記第1センサー372は、外部からの光を感知して、感知情報を上記制御部320に伝達し、上記制御部320は、これに基づいて上記表示部360がLCDの場合、表示内容を鮮明にするために、上記表示部360に装着された背面光で補助照明のオン/オフ(ON/OFF)を判断する。
【0067】
また、第2センサー374は、自動車の動作を感知する部分で、自動車の速度とステアリングホイールの回転角などを感知することができる。
【0068】
これによって上記制御部320は、上記第2センサー374の感知情報に基づいて、自動車の急制動や急発進状況及びハンドルの回転角の差による急カーブ状況を判断して、上記表示部360を構成する表示画面の透明度を調整する。
【0069】
また、第3センサー376は、自動車の周辺環境を感知する部分で、一例として、障害物を発見したり、後進する時発見される後方の事物を感知して、当該感知情報を上記制御部320に伝達することができ、上記制御部320は、上記センサー部370の感知情報に基づいて、上記表示部360を構成する表示画面の透明度を調整する。
【0070】
この時、必要であれば、第3センサー376は、自動車に附着されるカメラを含むことができ、この場合、カメラによって捕捉される画面情報を上記制御部320に伝達して、上記制御部320が上記監視カメラの映像を上記表示部360に表示させるようにすることができる。
【0071】
また、第4センサー378は、自動車の情報を感知する部分で、自動車の必要部分、例えばエンジン、燃料タンクまたはタイヤなどに附着されて、速度、燃料量、エンジンオイル、走行距離などの情報を上記制御部320に伝達することができる。
【0072】
これによって、上記制御部320は、上記情報を表示部360に表示されるようにすることができる。
【0073】
以下、本発明による自動車用ディスプレー装置の最も特徴的な部分として、表示部360の具体的な内容は図3を参照して説明する。
【0074】
まず、表示部360は、平板表示装置またはミラクルガラス及び投影機で構成されることができ、そのうち、図4〜図6に平板表示装置の場合を示している。
【0075】
図4は、本発明による上記自動車用ディスプレー装置が自動車に装着された状態を示した図である。
【0076】
上記図4を参照すれば、上記表示画面に構成されることができる平板表示装置361は、自動車のガラス110の前面の一部または全体を占めて設置され、上記センサー部370及び上記使用者インターフェース340による入力に基づいて透明度が調整されることができる。
【0077】
上記した内容を詳しく説明すると、上記平板表示装置361は、使用者の情報の獲得を容易にさせるために、ステアリングホイール100の上側に位置する運転手側の前面ガラス110、言い換えれば運転視野の範囲内に位置させることができる。
【0078】
また、ディスプレー中である場合、表示内容のある領域は半透明を保持し、表示内容のない領域は、透明を保持して、外物を部分的に確認することができ、ディスプレーしない場合、上記平板表示装置361は、透明を維持して上記平板表示装置361による運転手視野の減少を最小化する。
【0079】
また、歩行者200のような障害物が現われた場合、第3センサー376がこれに反応して生成された感知情報を制御部320に伝達し、上記制御部320はこれに基づいて上記平板表示装置361の表示動作を中止させ、上記表示部360に含まれた平板表示装置361を透明に切り替える。
【0080】
また、上記装置を構成する使用者インターフェース340によって使用者の指示を受け入れて、これに基づいて上記制御部320が表示内容の出力可否を決め、上記平板表示装置361の透明または半透明状態を調整することもできる。
【0081】
また、上記平板表示装置361がLCD(Liquid Crystal Display)で構成される場合、上記表示部360は上記平板表示装置361に表示される内容を鮮明に出力するために補助照明120を含むことができる。
【0082】
上記LCDは外部からの光が足りない場合、表示内容を認識しにくいという問題があり、上記補助照明120を通じて鮮明度を確保する。
【0083】
また、上記補助照明120は外部光量の変化によるセンサー部370の感知情報によって上記制御部320がオン/オフさせることが可能である。
【0084】
上記補助照明120の詳しい動作を説明すると、上記制御部320は、上記第1センサー372の感知情報に基づいて、外部からの光が十分であると判断した場合、上記補助照明120をオフさせる。
【0085】
また、上記制御部320は、上記第3センサー376が歩行者200などの障害物を感知した場合、その感知情報を上記制御部320に伝達して、上記補助照明120がオンの状態である場合、これをオフ(OFF)させ、平板表示装置361全体を透明に切り替えて運転視野を確保する。
【0086】
上記補助照明120は、使用者インターフェース340による入力情報に基づいて、上記制御部320によって、オン/オフ(ON/OFF)になることができることは勿論である。
【0087】
図5は、本発明による自動車用ディスプレー装置の表示部360を構成する平板表示装置361のその他の設置形態を示した図である。
【0088】
図3を参照して説明する。
【0089】
上記図5を参照すれば、上記平板表示装置361は、使用者の嗜好によって多様に設置することができ、特に自動車の前面、側面または後面ガラスのうち一部または全部及び計器盤の一部などに設置することができる。
【0090】
また、自動車のサンルーフに上記平板表示装置361を取り付けて、運転手や同乗者がシートを平行にして横になった状態で視聴する環境を造成することも可能である。
【0091】
その他、別途のディスプレーを運転席、助手席またはコンソールボックスに上記平板表示装置361とともに配置することによって、後部座席の使用者が情報を獲得しやすい位置に上記表示部360を構成することもできる。
【0092】
また、上記制御部320が上記表示部360を制御して、複数の画面にそれぞれ異なる情報をディスプレーすることによって、各運転手及び同乗者が所望の情報を獲得することができるように構成することができる。
【0093】
図6は、本発明の実施例よる平板表示装置の動作状態を示した図である。
【0094】
図3を参照して説明する。
【0095】
上記図6を参照すれば、上記表示部360を構成する平板表示装置361は、プラスチック又はその他柔軟性のある一対の基板の間に液晶、OLED、プラズマ発光素子などの偏光または蛍光物質と、これらを制御するためのTFT及びその他の電気素子を介在した形態でもよく、その種類としては、透明性を有するLCD、有機ELDまたはPDPなどでもよい。
【0096】
上記平板表示装置361の動作状態を説明すると、(a)ディスプレーしない場合、透明に保持されて361外物210が見られ、(b)ディスプレーする場合、表示内容は半透明に表示され361、それ以外の部分は透明に表示されて、部分的に外物210が見られる。
【0097】
一方、上記表示部360は、上記したように、平板表示装置361で構成して、直接表示内容を出力する構成だけではなく、柔軟で、透明性を提供するミラクルガラスと上記ミラクルガラスに表示内容を投射する投影機で構成して、間接的に表示内容を出力することも可能である。
【0098】
本発明による自動車用ディスプレー装置として、ミラクルガラス及び投影機を用いた場合が図7に示されている。
【0099】
図3を参照して説明する。
【0100】
図7は、本発明によるミラクルガラスと投影機で構成された表示部を示した図である。
【0101】
上記図7を参照すれば、上記表示部360は表示内容を上記ミラクルガラス362に投射する投影機220と、上記投影機220の表示内容を表示するミラクルガラス362とを含む。
【0102】
上記投影機220と上記ミラクルガラス362は、それぞれ制御部320に接続されて制御される。
【0103】
上記ミラクルガラス362は、少なくとも自動車のガラスの一部領域に配置され、上記制御部320によって透明度が調整される。
【0104】
上記投影機220は、自動車の天井に装着されるように構成されることができ、上記制御部320によって投射光量及び方向を調整することができる。
【0105】
これによって、上記投影機220は、ミラクルガラス362の配置領域を指向するように調整されることができる。
【0106】
また、複数のミラクルガラス362と投影機220を配置して、運転手及び同乗者に上記自動車用ディスプレー装置が獲得した情報を同時に出力したり、分散して出力することによって、各使用者が必要な情報を獲得することができるようにする。
【0107】
また、複数のミラクルガラス362に一つの投影機220が構成される場合、上記投影機220に複数の投射ユニットを構成することによって、それぞれのミラクルガラス362に上記情報を分散させて出力することができる。
【0108】
上記ミラクルガラス362は、外部からの光が弱いほど表示内容が鮮明であるため、外部からの光が強い場合、表示内容がまともに認識されないので、上記投影機220の投射光量を増やすことによって、上記内容を認識するようにする。
【0109】
さらに、上記使用者インターフェース340による使用者入力情報または上記センサー部370による感知情報に基づいて、上記制御部320が上記投影機220の投射可否と上記ミラクルガラス362の透明転換可否を判断する。
【0110】
以下、上記表示部360を構成する上記ミラクルガラス362の特徴について詳しく説明する。
【0111】
上記ミラクルガラス362は、液晶分子をカプセルに封入して、液晶膜(シート)に製造した後、この両面に電導膜のある透明なフィルムをそれぞれ附着した特殊LCDフィルムを含み、電源のオン/オフ(ON/OFF)または動作モードによって透明または不透明になる特徴がある。
【0112】
従って、上記ミラクルガラス362が不透明状態を保持している場合、投影機220を通じて表示内容を投射して認識することができる。
【0113】
図8は、本発明による上記ミラクルガラスの特徴を示した図である。
【0114】
上記図8を参照すれば、(a)上記ミラクルガラスは電源遮断時または不透明モード362において、上記液晶分子は配列方向が不規則で、これにより不透明状態になって、外物210が見られなくなる。(b)電源印加時または透明モード362では、液晶分子の配列方向が規則的であるので、透明状態になって、外物210を認識することができるようになる。(c)上記したように、不透明モード362になると、自動車内部に別途に設置された投影機220を通じて上記ミラクルガラスに表示内容を投射して出力する。
【0115】
このように、上記自動車用ディスプレー装置は、多様なディスプレーモジュールを用いて具現することができ、多様な箇所に配置されて運転手と同乗者に效率的に情報を提供し、運転手の視野を確保する。
【0116】
以下、自動車用ディスプレー装置の詳細な動作方法について説明する。
【0117】
図9は、本発明による自動車用ディスプレー装置のディスプレー方法に対する流れ図である。
【0118】
図3を参照して説明する。
【0119】
図示したように、自動車に附着された表示部360が作動すると、DMB及びGPS受信部310、330が受信したDMB放送受信情報、位置情報またはマルチメディア情報が制御部320を経って、上記表示部360の表示画面を通じて表示される(st1)。
【0120】
その後、上記表示画面がLCD以外の平板表示装置やミラクルガラスの場合、上記制御部320は使用者インターフェース340による使用者の入力またはセンサー部370が生成した感知情報によって(st6〜st7)上記表示部360を制御して透明度を調整する(st8)。
【0121】
この場合、上記表示部360の表示画面が平板表示装置の中LCDで構成される場合、上記st1段階後、上記センサー部370は、外部からの光を感知して感知情報を上記制御部320に伝達し(st2)、上記制御部320は、上記情報に基づいて、上記表示画面の表示内容が、使用者が認識するのに十分であるか否かを判断して、補助照明のオン/オフ(ON/OFF)を決める(st3〜st5)。
【0122】
その後、上記したst6〜st8段階を経って、上記表示画面の透明度を調整する。
【符号の説明】
【0123】
100 ステアリングホイール
110 自動車用ガラス前面
120 補助照明
200 歩行者
210 外物
220 投影機
310 DMB受信部
320 制御部
330 GPS受信部
340 使用者インターフェース
350 マルチメディア管理部
360 表示部
370 センサー部
361 平板表示装置
362 ミラクルガラス
372 第1センサー
374 第2センサー
376 第3センサー
378 第4センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用ディスプレー装置において、
DMB放送信号を受信するDMB受信部と、
現在の位置情報を受信するGPS受信部と、
マルチメディア情報の保存と再生を管理するマルチメディア管理部と、
自動車の動作及び周辺環境を感知するセンサー部と、
使用者の入力を処理する使用者インターフェースと、
曲面部に設置することができるように、柔軟で、透明度の調整が可能な表示画面を提供する表示部と、
上記DMB及びGPS受信部を通じて受信された情報と上記マルチメディア管理部に保存された情報に基づいて表示内容を生成して、これを上記表示画面に出力し、上記センサー部または上記使用者インターフェースによる入力に基づいて、上記表示画面の透明度を制御する制御部とを含むことを特徴とする自動車用ディスプレー装置。
【請求項2】
上記表示画面は自動車内に少なくとも一つ設置されることを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項3】
上記表示画面が複数である場合、上記使用者インターフェースによる入力に基づいて指定された表示画面に、指定された情報を表示することを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項4】
上記表示画面は、表示内容がない場合、透明で、表示内容がある場合、その表示領域は半透明にし、上記表示領域以外は透明にすることを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項5】
上記表示部は平板表示装置であることを特徴とする請求項4記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項6】
上記平板表示装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、有機電気発光表示装置(Organic Electro Luminescence Display)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel)の中から選ばれた一つであることを特徴とする請求項5記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項7】
上記表示部が液晶表示装置である場合、上記液晶表示装置に光を照射する補助照明をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項8】
上記センサー部は、外部からの光を感知する第1センサーを含み、上記制御部は、第1センサーの感知結果に基づいて上記補助照明の輝度を調整することを特徴とする請求項7記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項9】
上記使用者インターフェースは、上記表示画面に設けられたタッチスクリーンであることを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項10】
上記表示部は、
上記表示画面を構成するミラクルガラスと、上記表示内容を上記ミラクルガラスに投射する投影機とを含むことを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項11】
上記投影機は、自動車の天井に装着されることを特徴とする請求項10記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項12】
上記センサー部は、上記自動車の動作を感知する第2センサーを含むことを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項13】
上記センサー部は、周辺環境を感知する第3センサーを含むことを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項14】
上記センサー部は、自動車情報を感知する第4センサーを含み、上記制御部は上記自動車情報を上記表示画面に表示することを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項15】
上記センサー部は監視カメラを含み、上記制御部は上記監視カメラの映像を上記表示画面に出力することを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項16】
上記制御部は、上記使用者インターフェースによる入力に基づいて、上記センサー部の感知正確度を調整することを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項17】
上記自動車用ディスプレー装置は、外部通信モジュールによってインターネット網に接続することができることを特徴とする請求項1記載の自動車用ディスプレー装置。
【請求項18】
透明度の調整が可能な表示画面を備えた自動車用ディスプレー装置を用いたディスプレー方法において、
(a)DMB受信情報、GPS受信情報またはマルチメディア再生情報の中、少なくとも一つを上記表示画面に表示する段階と、
(b)上記各情報の表示を中止して、上記表示画面を透明に切り替える段階とを含むディスプレー方法。
【請求項19】
上記(a)段階は、上記表示画面が複数である場合、上記各情報を上記複数の表示画面に同一に表示したり、少なくとも一つの表示画面に異なるように表示する段階を含むことを特徴とする請求項18記載のディスプレー方法。
【請求項20】
上記(a)段階は、上記表示画面に補助照明による光を供給する段階をさらに含むことを特徴とする請求項18記載のディスプレー方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−532287(P2010−532287A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548152(P2009−548152)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【国際出願番号】PCT/KR2008/000526
【国際公開番号】WO2008/093983
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509215123)
【Fターム(参考)】