説明

自走式作業機械

【課題】 車体のフレームに対する制御弁や油圧配管等の組付け作業を効率的に行うことができ、組立時、メンテナンス時の作業性を向上できるようにする。
【解決手段】 車体のフレーム3を、左,右に離間して前,後方向に延びた一対の左縦板4,右縦板5と、この左縦板4,右縦板5間を左,右方向で連結した底板6等とにより構成する。また、作業機械に設ける複数の制御弁のうち、例えば操舵用優先弁47、アンロード弁51等を複数の油圧配管と一緒に単一の取付板42に予め組付けて制御弁・配管組立体41を構成しておく。そして、このように予備組立てした制御弁・配管組立体41は、フレーム3の右縦板5に対し底板6の下側となる位置に取付板42を用いて複数のボルト等により着脱可能に取付ける構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば荷役作業を行うリフトトラック、フォークリフトまたはホイールローダ等に好適に用いられる自走式作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、リフトトラック等の自走式作業機械は、例えば地上から高所への荷物の運搬作業(荷役作業)を行なうために、自走可能な車体のフレームと、該フレームの後部側に起伏可能に設けられ複数の油圧アクチュエータによって伸縮動作されるテレスコピック式の作業装置等とにより構成されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
そして、前記車体のフレームには、該フレームの下側を前,後方向に延びるプロペラシャフト等の駆動力伝達軸を介して走行駆動される前,後の車輪と、油圧源から圧油が給排されることにより前記駆動力伝達軸を回転駆動する走行用の油圧アクチュエータと、前記油圧源からの圧油により前記車輪の操舵を行う操舵用の油圧アクチュエータ等とが設けられ、前記作業用、走行用および操舵用の油圧アクチュエータと前記油圧源との間には、各油圧アクチュエータの作動、停止等を制御する複数の制御弁がそれぞれ油圧配管等を介して設けられている。
【0004】
【特許文献1】特許第2559831号公報
【特許文献2】特開平8−118966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来技術による自走式作業機械では、例えばプロペラシャフト等の駆動力伝達軸がフレームの下側を前,後方向に延び、フレームの上側にはテレスコピック式の作業装置が起伏可能に設けられている。そして、前記各油圧アクチュエータの作動、停止等を制御する複数の制御弁と、これらの制御弁に接続される複数の油圧配管とは、前記作業装置と駆動力伝達軸とにより上,下方向で制限されたフレームの空間内に配設されるものである。
【0006】
このため、従来技術にあっては、前記複数の制御弁と油圧配管とを前記フレーム内の限られた空間内に取付ける作業に多大な労力と時間を費やし、組立時の作業性が非常に悪いという問題がある。
【0007】
また、前記各制御弁や油圧配管等の保守、点検を行うときにも、前記駆動力伝達軸と作業装置とにより上,下方向で制限されたフレームの空間内でメンテナンス作業を行う必要があり、メンテナンス作業者の負担を軽減することができないという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、車体のフレームに対する制御弁や油圧配管等の組付け作業を効率的に行うことができ、組立時、メンテナンス時の作業性を向上できるようにした自走式作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、請求項1の発明は、車体のフレームと、該フレームの下側に回転可能に設けられ前,後方向に延びる駆動力伝達軸を介して走行駆動される前,後の車輪と、油圧源から圧油が給排されることにより前記駆動力伝達軸を回転駆動する走行用の油圧アクチュエータと、前記油圧源からの圧油により前記車輪の操舵を行う操舵用の油圧アクチュエータと、前記フレームの上側に設けられ作業用の油圧アクチュエータにより駆動される作業装置と、前記油圧源と各油圧アクチュエータとの間に複数の油圧配管を介してそれぞれ設けられ前記各油圧アクチュエータの作動を制御する複数の制御弁とを備えてなる自走式作業機械に適用される。
【0010】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記複数の制御弁のうち少なくとも一部の制御弁を複数の油圧配管と共に単一のブラケットに組付けて制御弁・配管組立体を構成し、該制御弁・配管組立体は、前記駆動力伝達軸の上側で前記作業装置よりも下方となる前記フレーム内の位置に前記ブラケットを用いて着脱可能に取付ける構成としている。
【0011】
また、請求項2の発明によると、前記フレームは、左,右に離間して前,後方向に延びる一対の縦板と、該一対の縦板を左,右方向で連結した底板とによって構成し、前記制御弁・配管組立体は、前記一対の縦板のうち一方の縦板に取付ける構成としている。
【0012】
また、請求項3の発明によると、前記一部の制御弁は、前記油圧源からの圧油を前記操舵用の油圧アクチュエータに優先して供給する操舵用優先弁と、前記油圧源を駆動する原動機の負荷を軽減するために切換制御されるアンロード弁とにより構成している。
【0013】
一方、請求項4の発明によると、前記制御弁・配管組立体のブラケットは、前記複数の制御弁のうち一つの制御弁が水平に配置した状態で組付けられる水平板部と、該水平板部に対して垂直に設けられ他の制御弁が組付けられる垂直板部とを有し、前記水平板部は、前記駆動力伝達軸の上方で前記作業装置の下方となる位置に配設し、前記垂直板部は、前記作業装置の下方で前記駆動力伝達軸の左,右方向一側に配設する構成としている。
【0014】
また、請求項5の発明によると、前記ブラケットの水平板部には、前記垂直板部に組付けた前記制御弁との間に隙間を確保するための切欠きを設ける構成としている。
【0015】
また、請求項6の発明によると、前記ブラケットには、前記各制御弁間に接続される油圧配管用の配管挿通穴を設ける構成としている。
【0016】
さらに、請求項7の発明によると、前記ブラケットには、前記各制御弁間に接続される油圧配管とは別の油圧配管を固定するためのねじ座を設ける構成としている。
【発明の効果】
【0017】
上述の如く、請求項1に記載の発明は、複数の制御弁のうち少なくとも一部の制御弁を複数の油圧配管と共に単一のブラケットに組付けて制御弁・配管組立体を構成するので、前記制御弁を油圧配管等と共に前記ブラケットを介してコンパクトに予備組立することができる。そして、車体のフレーム内では、上側の作業装置と下側の駆動力伝達軸とにより上,下方向で小さく制限された空間に対し、前記制御弁・配管組立体を一括して組込むことができ、組立時、メンテンナンス時の作業性を向上することができる。
【0018】
即ち、前記制御弁・配管組立体は、前記駆動力伝達軸の上側で前記作業装置よりも下方となるフレーム内の位置に前記ブラケットを用いて着脱可能に取付ける構成としているので、該制御弁・配管組立体のブラケットを車体のフレームに取付けるだけで、前記制御弁を油圧配管と共にフレームに組付ける作業を効率的に行うことができ、自走式作業機械の組立作業性を向上することができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、前記フレームを一対の縦板と底板とにより構成し、前記一対の縦板のうち一方の縦板に制御弁・配管組立体を取付ける構成としているので、例えば制御弁・配管組立体のブラケットを縦板の内側面に横方向(左,右方向)からボルト等で締結することにより取付けることができ、組立時およびメンテナンス時等の作業性を向上することができる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、油圧源からの圧油を操舵用の油圧アクチュエータに優先して供給する操舵用優先弁と、原動機の負荷を軽減するために切換制御されるアンロード弁と、これらの操舵用優先弁およびアンロード弁に接続される油圧配管等とを単一のブラケットに組付けることによって、制御弁・配管組立体を車体の外部で予備組立することができ、組立時の作業性を向上することができる。
【0021】
一方、請求項4に記載の発明によると、制御弁・配管組立体のブラケットは、水平板部と垂直板部とを有する構成としているので、前記水平板部には複数の制御弁のうち一つの制御弁を水平に配置した状態で組付けることができ、前記垂直板部には他の制御弁を組付けることができる。そして、前記制御弁・配管組立体を車体のフレームに取付けた状態では、前記ブラケットの水平板部を駆動力伝達軸の上方で作業装置の下方となる位置に配設でき、前記垂直板部は、前記作業装置の下方で駆動力伝達軸の左,右方向一側(左側または右側)となる位置に配設することができる。また、駆動力伝達軸の周囲から飛び石等の飛散物が発生しても、前記制御弁等に対する飛散物の衝突をブラケットの水平板部により防ぐことができ、これらの耐久性、寿命を向上することができる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明によると、前記ブラケットの水平板部には、前記垂直板部に組付けた制御弁との間に隙間を確保するための切欠きを設ける構成としているので、前記垂直板部側の制御弁が水平板部に接触、干渉するのを切欠きによって防ぐことができ、制御弁の振動に対する耐久性、寿命等を向上することができる。
【0023】
また、請求項6に記載の発明は、制御弁・配管組立体のブラケットに、各制御弁間に接続される油圧配管用の配管挿通穴を設ける構成としているので、この配管挿通穴内に前記制御弁間を接続する油圧配管を挿通して配管作業を容易に行うことができ、このような油圧配管を制御弁・配管組立体のブラケットにコンパクトに組付けることができる。
【0024】
さらに、請求項7に記載の発明によると、ブラケットには、各制御弁間に接続される油圧配管とは別の油圧配管を固定するためのねじ座を設ける構成としているので、このねじ座を用いてブラケットの周囲に油圧配管をコンパクトに配設することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態による自走式作業機械を、リフトトラックに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0026】
ここで、図1ないし図18は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は自走式作業機械としてのリフトトラックで、該リフトトラック1は、自走可能なホイール式の車体2と、後述の作業装置24等とにより構成されている。そして、リフトトラック1は、例えば作業現場まで自走した後に作業装置24を用いて地上から高所へと荷物を運搬する荷役作業等を行うものである。
【0027】
3は車体2のベースとなるフレームで、該フレーム3は、図2ないし図6に示すように厚肉な鋼板等を用いて形成され左,右に離間して前,後方向に延びた一対の縦板4,5(左縦板4,右縦板5)と、この縦板4,5と同様に厚肉な鋼板等を用いて形成され該縦板4,5間を左,右方向で連結(接合)した底板6と、後述の補強板7等とにより構成されている。
【0028】
そして、底板6の前部側には、後述の各前輪13を支持する前輪支持部6Aが設けられ、底板6の後部側には、後述の各後輪15を支持する後輪支持部6Bが設けられている。また、底板6には、図4、図9および図10に示す如く後輪支持部6Bの前側となる位置に長円形状の切欠き穴6Cと小径の配管挿通穴6D等とが穿設され、これらの切欠き穴6C、配管挿通穴6Dは、後述する制御弁・配管組立体41の上側となる位置に配設されている。
【0029】
7はフレーム3の右縦板5と底板6との間に溶接して設けられた補強板で、該補強板7は、例えば鋼板を図4、図9および図10に示す如く曲げ加工することにより形成されている。そして、補強板7は、後述する油圧ポンプ36の周囲で右縦板5の強度を高めると共に、底板6に対する右縦板5の接合強度等を高め、後述の機器支持部11、エンジン12等を右縦板5側で高強度に支持できるようにするものである。
【0030】
8はフレーム3の前端側に設けられたスタビライザ取付部で、該スタビライザ取付部8には、図1、図2に示すように後述のスタビライザ31が左,右方向に張出し可能にピン結合されるものである。また、フレーム3の左縦板4には、スタビライザ取付部8と後述の機器支持部11との間で前輪支持部6Aと対応した位置にシリンダ取付部9が設けられ、このシリンダ取付部9には、後述の傾き補正シリンダ34がピン結合されるものである。
【0031】
10,10はフレーム3の左縦板4に設けられたキャブ支持部で、該キャブ支持部10,10は、図3、図4に示すように左縦板4の前,後方向の中間部外側面から左側方(外向き)に張出している。そして、各キャブ支持部10は、左縦板4の内側面に設けられた支持座10Aと共に、後述のキャブ22をフレーム3の左縦板4を介して支持するものである。
【0032】
11は右縦板5の前,後方向の中間部位に設けられた機器支持部で、該機器支持部11は、図4に示す如く右縦板5から右側方に張出し、例えば原動機としてのエンジン12、後述の油圧ポンプ36,37、ラジエータ等の熱交換装置およびその他の機器類(いずれも図示せず)等を下側から支持するものである。そして、機器支持部11上には、図2に示すように機器カバー11A等が設けられ、この機器カバー11Aは、エンジン12等のメンテナンス(保守、点検)時に開閉されるものである。
【0033】
13,13はフレーム3の前部側にアクスルハウジング14等を介して回転可能に設けられた左,右の前輪で、この左,右の前輪13,13は、図2に示すようにアクスルハウジング14の左,右両端側に車軸等を介して回転可能に、かつ操舵(ステアリング)可能に取付けられている。
【0034】
そして、左,右の前輪13は、後述の走行アクチュエータ17による回転駆動力がプロペラシャフト18から車軸等を介して伝達されることにより、後述の後輪15と共に車体2を走行駆動するものである。また、左,右の前輪13は、後述のキャブ22内に配設された操舵ハンドル62A(図17参照)により操舵シリンダ20等を介して操舵される。なお、本実施の形態のリフトトラックでは、左,右の前輪13のみが操舵される2WSモード、前輪13の操舵と共に後輪15がその逆方向に操舵される4WSモード、前輪13の操舵と共に後輪15がその同方向に操舵されるクラブモードを備え、後述する操舵切換弁65の切換えにより操舵方式が変更可能になっている。
【0035】
ここで、アクスルハウジング14は、フレーム3の底板6に対し前輪支持部6Aの下面等に支持ピン(図示せず)を介して揺動可能に取付けられている。そして、アクスルハウジング14は、リフトトラック1のフレーム3が左,右方向で上,下に傾くのを、後述の傾き補正シリンダ34と共に補正する機能を有するものである。
【0036】
15はフレーム3の後部側にアクスルハウジング16等を介して回転可能に設けられた左,右の後輪で、これら左,右の後輪15も、アクスルハウジング16の左,右両端側に車軸等を介して回転可能に取付けられ、この場合のアクスルハウジング16も、底板6の後輪支持部6Bに支持ピン(図示せず)等を介して揺動可能に支持されている。
【0037】
そして、左,右の後輪15は、後述の走行アクチュエータ17による回転駆動力がプロペラシャフト19から車軸等を介して伝達され、前輪13と共に車体2を走行駆動する。また、左,右の後輪15は、後述の操舵ハンドル62A等によって前輪13と共に4輪操舵され、車体2の走行方向を制御するものである。
【0038】
17は底板6の下側に位置してフレーム3に設けられた走行用の油圧アクチュエータ(以下、走行アクチュエータ17という)で、該走行アクチュエータ17は、例えば走行用の油圧モータと油圧制御される変速機等を含んで構成される。そして、走行アクチュエータ17は、油圧源から圧油が給排されることにより後述のプロペラシャフト18,19を回転駆動するものである。
【0039】
18,19は走行アクチュエータ17から前,後に伸びた駆動力伝達軸としてのプロペラシャフトで、該プロペラシャフト18,19は、図5、図6に示すように前,後のアクスルハウジング14,16と走行アクチュエータ17との間に配設され、走行アクチュエータ17による回転駆動力を前輪13,後輪15に伝えるものである。
【0040】
20は左,右の前輪13,13を操舵する操舵用の油圧アクチュエータを構成する前輪側の操舵シリンダで、該操舵シリンダ20は、図4、図5に示す如く前輪支持部6Aの下側に位置してアクスルハウジング14に取付けられている。そして、操舵シリンダ20は、図17に示すように後述の油圧ポンプ36から操舵用優先弁47および操舵用操作弁62等を介して圧油が給排されることにより、前輪13の操舵を行うものである。
【0041】
21は左,右の後輪15,15を操舵する操舵用の油圧アクチュエータを構成する後輪側の操舵シリンダで、該操舵シリンダ21は、図4、図5に示す如く後輪支持部6Bの下側に位置してアクスルハウジング16に取付けられている。そして、操舵シリンダ21は、図17に示すように油圧ポンプ36から操舵用優先弁47および操舵用操作弁62等を介して圧油が給排されることにより、後輪15の操舵を行うものである。
【0042】
22はリフトトラック1の操作運転部を構成するキャブで、該キャブ22は、図3、図4に示すフレーム3の左縦板4にキャブ支持部10、支持座10A等を介して図1、図2に示す如く搭載され、内部に運転室を画成するものである。そして、キャブ22内には、オペレータが着席する後述の運転席23、操舵ハンドル62A、アクセルペダルおよび複数の操作レバー(いずれも図示せず)等が設けられている。
【0043】
23はキャブ22内に設けられた運転席で、該運転席23は、図2に示すようにフレーム3の左縦板4にキャブ22の床板(図示せず)等を介して取付けられるものである。そして、キャブ22内に乗降するオペレータは、例えば運転席23に着席した状態で操舵ハンドル62A(図17参照)、前記アクセルペダルおよび操作レバー等の操作を行うものである。
【0044】
24は車体2の後部側に俯仰動可能に設けられた荷役作業用の作業装置で、該作業装置24は、図1、図2に示す如く基端側がフレーム3(縦板4,5)の後部上端側に俯仰動可能に連結され前,後方向に延びたブーム25と、該ブーム25の先端側に上,下方向に回動可能に取付けられた荷役作業具としてのフォーク26とにより大略構成されている。そして、作業装置24は、フレーム3の上側に配置され、作業装置24のブーム25は、例えば3段(複数段)の伸縮式ブームにより構成されている。
【0045】
また、フレーム3とブーム25との間には、図1中に点線で示すブーム起伏シリンダ27が設けられ、該ブーム起伏シリンダ27は、後述の油圧ポンプ36,37から方向制御弁39Aを介して圧油が給排されることにより、図1、図2に示すブーム25を上,下に俯仰動するものである。
【0046】
28は作業装置24に設けられたブーム伸縮シリンダで、このブーム伸縮シリンダ28は、図1に示すようにブーム25の外側等に設けられ、前述した伸縮式のブーム25を長さ方向に伸縮させるものである。また、ブーム25の先端部とフォーク26との間には、作業具用シリンダとしてのフォークシリンダ29が設けられ、該フォークシリンダ29は、ブーム25の先端側でフォーク26を上,下に回動するものである。
【0047】
ここで、ブーム起伏シリンダ27、ブーム伸縮シリンダ28およびフォークシリンダ29等は、作業装置24を作動させる作業用の油圧アクチュエータを構成している。そして、これらのシリンダ27,28,29は、図18に示す後述の方向制御弁39A,39B,39Cを介して油圧ポンプ36等からの圧油が給排されることにより伸縮されるものである。
【0048】
30は車体2の前部側に設けられた車体安定化装置で、この車体安定化装置30は、図1、図2に示す如くフレーム3のスタビライザ取付部8に取付けられた左,右のスタビライザ31,31と、後述の傾き補正シリンダ34等とにより構成されている。また、左,右のスタビライザ31,31は、スタビライザシリンダ32,32を有している。
【0049】
そして、スタビライザ31は、作業装置24を用いた荷役作業時等に図1、図2に示す如くスタビライザシリンダ32をそれぞれ伸長させることによって、スタビライザ取付部8から左,右方向に張出して接地板33を地面に接地する。また、スタビライザシリンダ32を縮小させたときには、スタビライザ31の接地板33が地面から上向きに大きく上昇され、車両の走行時等にスタビライザ31が邪魔になるのを防ぐものである。
【0050】
34はフレーム3の右縦板5にシリンダ取付部9を介して取付けられた傾き補正シリンダで、該傾き補正シリンダ34は、図2に示す如く前輪13側のアクスルハウジング14に伸縮可能に当接し、フレーム3の左,右方向における傾き補正(フレームレベリング)を行うものである。
【0051】
即ち、リフトトラック1を傾斜地(例えば、車両が左,右方向に傾くような傾斜地)等に停車したときには、車体2のフレーム3が前輪13側のアクスルハウジング14等と共に左,右方向に傾くことがある。しかし、この場合にアクスルハウジング14は、底板6の前輪支持部6Aに対し前記支持ピン等を介して左,右方向で揺動可能に取付けられている。
【0052】
このために、フレーム3とアクスルハウジング14との間で傾き補正シリンダ34を適宜に伸縮させれば、傾斜地により傾いた状態のアクスルハウジング14に対して、車体2のフレーム3(底板6)側を左,右方向で相対的に傾けるように揺動でき、これによって車体2の傾きを補正できるものである。
【0053】
このように、車体安定化装置30は、荷役作業時(車両の停車時)等にスタビライザシリンダ32を用いてスタビライザ31を左,右に張出した状態で接地板33を地面に接地させると共に、傾き補正シリンダ34を用いて車体2の傾きを補正し、これによって車体2の転倒防止等を図るものである。
【0054】
35は図2に示すようにフレーム3の後部側に設けられた燃料タンクで、該燃料タンク35は、フレーム3の一部を構成する右縦板5の後部側に側方から取付けられている。そして、燃料タンク35は、例えば高強度の合成樹脂材料により略長方形状をなす中空の容器として形成され、機器カバー11A内の前記エンジン12に燃料を供給するものである。
【0055】
36はエンジン12によって回転駆動されるメインの油圧ポンプで、該油圧ポンプ36は、後述の作動油タンク38と共に油圧源を構成し、図17、図18に示すように操舵シリンダ20,21、ブーム起伏シリンダ27、ブーム伸縮シリンダ28、フォークシリンダ29、スタビライザシリンダ32および傾き補正シリンダ34等に圧油を給排するものである。
【0056】
そして、油圧ポンプ36は、図4、図5に示す如くエンジン12に取付けられた状態で機器支持部11側からフレーム3の内側(右縦板5よりも左側)に突出し、この突出長さは、左縦板4には達しないものの、プロペラシャフト19を越える位置まで延びている。即ち、油圧ポンプ36は、フレーム3内で左,右の縦板4,5間に配設されるものである。
【0057】
37はサブの油圧ポンプで、該サブの油圧ポンプ37は、図4に示すようにメインの油圧ポンプ36よりも小型のポンプとして構成され、エンジン12と共に機器支持部11側に搭載されるものである。また、サブの油圧ポンプ37もエンジン12により駆動され、前記油圧源の一部を構成するものである。そして、サブの油圧ポンプ37は、図17に示す如く後述する供給配管50の途中でメインの油圧ポンプ36と合流して圧油の供給を行うものである。
【0058】
38は図3、図4に示すように左縦板4の外側に設けられた作動油タンク(以下、タンク38という)で、該タンク38は、例えばキャブ22の下側に配設され、油圧ポンプ36,37等と共に油圧源を構成するものである。
【0059】
39は左縦板4の内側面に設けられた作業用の制御弁装置で、該制御弁装置39は、図4に示す如くタンク38が設置された左縦板4の内側(タンク38とは反対側の面)に着脱可能に取付けられている。そして、作業用の制御弁装置39は、作業用の各油圧アクチュエータを制御する複数の制御弁を上,下に重合わせてなる制御弁ブロックとして形成され、この場合の制御弁は、図18に例示するように合計4個の方向制御弁39A,39B,39C,39Dにより構成されるものである。
【0060】
ここで、作業用の制御弁装置39は、方向制御弁39A〜39Dの間を図18に示す如くパラレル回路を用いて接続し、そのセンタバイパス管路39Eは、図17に示す油圧ポンプ36,37に後述の供給配管50等を介して接続される。そして、制御弁装置39の方向制御弁39Aは、例えば油圧ポンプ36からの圧油を作業装置24のブーム起伏シリンダ27に給排し、ブーム起伏シリンダ27の作動(伸縮)を制御するものである。
【0061】
また、制御弁装置39の方向制御弁39Bは、例えば油圧ポンプ36からの圧油をブーム伸縮シリンダ28に給排し、ブーム伸縮シリンダ28によりブーム25を長さ方向に伸縮させる。また、制御弁装置39の方向制御弁39Cは、例えば油圧ポンプ36からの圧油をフォークシリンダ29に給排し、図1に示すフォーク26をブーム25の先端側で上,下に回動させるものである。
【0062】
また、制御弁装置39の方向制御弁39Dは、後述する予備の油圧シリンダ67等に圧油を給排するものである。そして、これらの方向制御弁39A〜39Dを切換操作する各操作レバー(図示せず)は、左縦板4側から図1、図2に示すキャブ22内に向けて突出するように配置され、キャブ22内に乗込んだオペレータによって手動で傾動操作されるものである。
【0063】
40は作業用の制御弁装置39よりも前側に位置して左縦板4の内側面に設けられた車体安定用の制御弁装置で、該制御弁装置40は、図2に示す車体安定化装置30を制御する複数の制御弁を上,下に重合わせてなる制御弁ブロックとして形成され、この場合の制御弁は、図18に例示するように合計3個の方向制御弁40A,40B,40Cにより構成されるものである。
【0064】
ここで、車体安定用の制御弁装置40は、方向制御弁40A〜40Cの間を図18に示すようにパラレル回路を用いて接続し、そのセンタバイパス管路40Dは、作業用の制御弁装置39のセンタバイパス管路39Eに接続されている。そして、制御弁装置40の方向制御弁40A,40Bは、例えば油圧ポンプ36からの圧油を左,右のスタイビライザシリンダ32,32に給排し、各スタビライザシリンダ32の作動(伸縮)を制御するものである。
【0065】
また、制御弁装置40の方向制御弁40Cは、例えば油圧ポンプ36からの圧油を傾き補正シリンダ34に給排し、傾き補正シリンダ34を上,下に伸縮させる。そして、傾き補正シリンダ34は、図2に示す車体2の傾きを補正することにより、例えば傾斜地等での車体2の姿勢を安定化するものである。
【0066】
そして、車体安定用の制御弁装置40と作業用の制御弁装置39とは、図4に示すように左縦板4の前,後方向に離間して取付けられ、作業用の制御弁装置39は、作業装置24の後部側(ブーム25の基端側)に近い位置に配置されている。また、制御弁装置39よりも前側に位置する車体安定用の制御弁装置40は、図2に示す車体安定化装置30(スタビライザ取付部8、シリンダ取付部9)に近い位置に配置されている。
【0067】
41は本実施の形態で採用した制御弁・配管組立体で、該制御弁・配管組立体41は、図9〜図16に示すように後述の取付板42、操舵用優先弁47、吐出配管48,52、供給配管50、アンロード弁51、合流配管53、戻し配管54、パイロット配管55、リリーフ弁56、リリーフ配管57,58およびドレン配管59,60,61等により構成されている。
【0068】
そして、制御弁・配管組立体41は、図11、図15に示すように操舵用優先弁47、アンロード弁51およびリリーフ弁56を複数の配管48,50,52,53,54,55,57,59等と一緒に取付板42に予め取付けた状態で、この取付板42を用いてフレーム3の右縦板5に底板6の下方から着脱可能に取付けられるものである。
【0069】
42は制御弁・配管組立体41のブラケットを構成する取付板で、この取付板42は、図11ないし図16に示す如く水平板部43と垂直板部44からなる2枚の鋼板を、例えば溶接手段等で互いに接合することにより、全体としてL字状をなすブラケットを構成している。そして、水平板部43は、図12、図13に示す如く平板状の鋼板をコ字形状に曲げ加工することにより形成され、載置板部43Aと前,後の側板部43B,43Cとを有している。
【0070】
また、垂直板部44は、水平板部43に対して垂直に配置され、水平板部43の基端側が垂直板部44の表面下部側に接合されている。そして、水平板部43は、垂直板部44の表面から水平方向(左,右方向)に延び、その先端側は自由端となっている。また、水平板部43の載置板部43Aには、その基端側に位置してコ字形状をなす切欠き43Dが形成され、この切欠き43D内には、後述するアンロード弁51の下部側が隙間をもって配置されるものである。
【0071】
ここで、垂直板部44は、水平板部43の切欠き43D側を上,下方向に延びて平板状に形成され、後述のアンロード弁51が取付けられる第1の弁取付部44Aと、該第1の弁取付部44Aから斜め後方に張出して延び後述のリリーフ弁56が取付けられる第2の弁取付部44Bとにより構成されている。そして、垂直板部44は、複数(例えば、5本)のボルト等を用いてフレーム3の右縦板5に締結され、これにより取付板42(制御弁・配管組立体41)全体が右縦板5に着脱可能に取付けられるものである。
【0072】
そして、この状態で取付板42の水平板部43は、図6ないし図8に示すプロペラシャフト19の上方となる位置で、かつ図1に示す作業装置24に対しては下方となる位置に配設される。また、取付板42の垂直板部44は、作業装置24の下方となる位置で、プロペラシャフト19に対しては左,右方向一側(図8中の右縦板5側)に配設されるものである。
【0073】
45は水平板部43の側板部43Cに穿設された配管挿通穴で、該配管挿通穴45は、図12に示すように垂直板部44に近い位置で側板部43Cに円形穴として形成され、後述のリリーフ配管58が図16に示す如く挿通されるものである。
【0074】
46は水平板部43の側板部43Bに設けられたねじ座で、該ねじ座46は、図12に示すように側板部43Bの外側面(前側面)に溶接等の手段を用いて固着され、ねじ座46には後述の戻し配管64が図8、図16に示す如く着脱可能に固定されるものである。
【0075】
47は水平板部43の載置板部43A上に組付けられる制御弁としての操舵用優先弁で、該操舵用優先弁47は、一般にステアリング用のプライオリティ弁と呼ばれ、その流入側は図17に示す油圧配管としての吐出配管48を介して油圧ポンプ36の吐出側に接続されている。また、操舵用優先弁47の流出側は、油圧配管としての供給配管49,50に選択的に接続され、常時は図17に示す如く優先位置(a)に配置される。
【0076】
そして、操舵用優先弁47は、優先位置(a)にあるときに油圧ポンプ36から吐出配管48を介して供給される圧油を、供給配管49、後述の操舵用操作弁62を介して操舵シリンダ20,21に優先して供給するものである。また、操舵用優先弁47は、図17に示す優先位置(a)から切換位置(b)に切換わったときに、油圧ポンプ36からの圧油を供給配管50等を介して作業用,車体安定用の制御弁装置39,40側に供給するものである。
【0077】
51は制御弁・配管組立体41の一部を構成する制御弁としてのアンロード弁で、該アンロード弁51は、図11〜図16に示すように取付板42の垂直板部44(第1の弁取付部44A)にボルト等を介して組付けられ、その下部側は水平板部43の切欠き43D内に隙間をもって配置されるものである。
【0078】
ここで、アンロード弁51は、図17に示す如く流入側が油圧配管としての吐出配管52を介してサブの油圧ポンプ37の吐出側に接続され、その流出側は油圧配管としての合流配管53と戻し配管54とに選択的に接続される。そして、アンロード弁51は、図17に示す供給位置(c)に常時は配置され、油圧ポンプ37から吐出配管52を介して供給される圧油を合流配管53、供給配管50等を介して作業用,車体安定用の制御弁装置39,40側に供給する。
【0079】
また、アンロード弁51は、合流配管53の途中位置に油圧配管としてのパイロット配管55を介して接続され、該パイロット配管55からのパイロット圧がアンロード弁51の設定圧以上に上昇すると、供給位置(c)から戻し位置(d)に切換わる。
【0080】
そして、戻し位置(d)に切換わったアンロード弁51は、吐出配管52を戻し配管54に連通させることにより、油圧ポンプ37をアンロード(無負荷)状態とする。これによりアンロード弁51は、油圧ポンプ37を駆動するエンジン12(図4参照)の負荷を軽減し、エンジンストール(エンスト)等の発生を防止する機能を有するものである。
【0081】
56はアンロード弁51と共に制御弁・配管組立体41の一部を構成する制御弁としてのリリーフ弁で、該リリーフ弁56は、図11〜図16に示すように取付板42の垂直板部44(第2の弁取付部44B)にボルト等を介して組付けられ、第1の弁取付部44Aに設けたアンロード弁51に対し斜め上側となる位置に配設されるものである。
【0082】
ここで、リリーフ弁56は、図17に示す如く吐出配管52と戻し配管54との間に油圧配管としてのリリーフ配管57,58を介して接続され、例えば吐出配管52、合流配管53内の圧力を予め決められた設定圧以下の圧力に抑える。そして、リリーフ弁56は、吐出配管52内の圧力が設定圧を越えると開弁し、このときの過剰圧をリリーフ配管57,58を介して戻し配管54側にリリーフさせるものである。
【0083】
この場合、流入側のリリーフ配管57は、図11、図16に示すようにアンロード弁51の上面側からリリーフ弁56に向けて延びるように配設され、流出側のリリーフ配管58は、リリーフ弁56の下面側から水平板部43の配管挿通穴45に向けて延びている。そして、このリリーフ配管58は、配管挿通穴45を介してアンロード弁51の下方位置に挿通された状態で、図8に示すように戻し配管54の途中位置に接続されている。
【0084】
59,60,61はタンク38に接続される油圧配管としてのドレン配管で、該ドレン配管59〜61のうちドレン配管59は、図17に示すようにアンロード弁51のばね室(図示せず)側を後述の戻し配管64等を介してタンク38に接続するものである。また、ドレン配管60は、アンロード弁51の内部に圧力がこもるのを防止するために、ドレン配管59の途中に接続されている。
【0085】
一方、ドレン配管61は、図17に示す如く操舵用優先弁47のばね室側に接続され、後述の操舵用操作弁62から導出配管63を介して導かれる圧油をタンク38側に排出する。そして、ドレン配管61は、図16に示す如く他のドレン配管59,60と共に後述の戻し配管64に接続されている。
【0086】
62は車両をパワーステアリング操作するための操舵用操作弁で、該操舵用操作弁62は、キャブ22内のオペレータが操舵ハンドル62Aを手動で操作するときに、その操舵角に対応した圧油を供給配管49等を介して操舵シリンダ20,21に給排し、所謂パワーステアリング装置として前輪13と後輪15の舵取り操作を行うものである。
【0087】
ここで、操舵用操作弁62は、図17に示す如く供給配管49を介して操舵用優先弁47に接続されると共に、両者の間には油圧配管としての導出配管63が設けられている。そして、この導出配管63は、操舵用操作弁62(操舵ハンドル62A)の操作量に対応した圧力を、供給配管49との間で操舵用操作弁62の前,後差圧として導出する。
【0088】
そして、操舵用優先弁47は、供給配管49と導出配管63との間の差圧に従って優先位置(a)と切換位置(b)とに切換わる。即ち、操舵ハンドル62Aを操作したときには、供給配管49と導出配管63との間の差圧が小さくなるために、操舵用優先弁47は優先位置(a)に保持され、ハンドル操作を解除したときには、前記差圧が大きくなるために操舵用優先弁47は優先位置(a)から切換位置(b)に切換わるものである。
【0089】
64は油圧配管としての戻し配管で、該戻し配管64は、例えば操舵シリンダ20,21から操舵用操作弁62を介して排出される戻り油を、図17に示す如くタンク38にリターンさせるものである。また、制御弁装置39,40からの戻り油等も戻し配管64内にリターンされる。
【0090】
ここで、戻し配管64は、その途中部位が図8、図16に示す如く取付板42のねじ座46に着脱可能に固定され、フレーム3内に安定した姿勢で保持されている。また、戻し配管64の途中位置には、図16に示すようにねじ座46に近い位置でドレン配管59,61が接続されている。
【0091】
65は図17に示す如く操舵シリンダ20,21間に位置して操舵シリンダ21と操舵用操作弁62との間に設けられた操舵切換弁で、該操舵切換弁65は、例えばオペレータの手動操作等に従って切換えられる4ポート3位置の電磁式方向制御弁により構成され、後輪側の操舵シリンダ21に対する圧油の給排,停止を制御するものである。これにより、車体2の後輪15は、オペレータの任意操作で所謂4WS制御されたり、操舵停止等の制御が行われたりするものである。
【0092】
次に、66は作業装置24に設けられるレベルシリンダで、該レベルシリンダ66は、図18に示す如く制御弁装置39の方向制御弁39Cに対してフォークシリンダ29と並列となるように接続されている。そして、レベルシリンダ66は、ブーム起伏シリンダ27に追従して伸縮ように作業装置24に設けられ、図1に示すブーム25の起伏動作に対してフォーク26の姿勢を自動的に補正するものである。
【0093】
これにより、作業装置24のフォーク26は、ブーム25が上,下に俯仰動されるときにもフォーク19の先端部がほぼ水平状態を保つように、レベルシリンダ66によって前,後方向の傾きが補正される。なお、制御弁装置39の方向制御弁39Dには、図18に示す如く予備の油圧シリンダ67が接続され、この油圧シリンダ67にも、例えば油圧ポンプ36からの圧油が方向制御弁39Dを介して給排されるものである。
【0094】
68,69は作業用の制御弁装置39と車体安定用の制御弁装置40と間を接続する油圧配管で、該油圧配管68,69は、図17、図18に示すように制御弁装置39,40間に設けられ、このうちの一方の油圧配管68は、図18に示す如く制御弁装置40のセンタバイパス管路40Dを制御弁装置39のセンタバイパス管路39Eに接続するものである。
【0095】
また、他方の油圧配管69は、図18に示すセンタバイパス管路40Dのうち方向制御弁40Cよりも下流側となる低圧側管路部40Eを、制御弁装置39の低圧側管路部39Fに接続するものである。そして、この油圧配管69は、図18に示すように別の油圧配管70、戻し配管64等を介してタンク38に接続されている。
【0096】
本実施の形態によるリフトトラック1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0097】
まず、リフトトラック1のキャブ22内に乗込んだオペレータが、運転席23に着席した状態でエンジン12を起動すると、これによって油圧ポンプ36,37等が回転駆動される。そして、例えば走行用の油圧モータ、変速機等からなる走行アクチュエータ17は、圧油が給排されることによりプロペラシャフト18,19に発生する回転駆動力を前輪13,後輪15に伝えて車両(車体2)を走行駆動する。
【0098】
また、キャブ22内のオペレータが操舵ハンドル62Aを操作したときには、図17に示す油圧ポンプ36から吐出配管48、操舵用優先弁47および供給配管49を介して供給される圧油が、操舵用操作弁62を通じて操舵シリンダ20,21に給排される。これにより、前輪13,後輪15が操舵(パワーステアリング操作)され、リフトトラック1を作業現場等へと自走させるものである。
【0099】
この場合、操舵用優先弁47は、操舵用操作弁62の前,後差圧、即ち供給配管49と導出配管63との間の差圧に従って優先位置(a)と切換位置(b)とに切換わる。そして、操舵ハンドル62Aを操作したときには、供給配管49と導出配管63との間の差圧が小さくなるために、操舵用優先弁47は優先位置(a)に保持される。
【0100】
一方、ハンドル操作を解除したときには、前記差圧が大きくなるために操舵用優先弁47は優先位置(a)から切換位置(b)に切換わる。そして、この状態で作業装置24のフォーク26に荷物(図示せず)等を積載するときには、車両を荷物の方向に向けてゆっくりと前進させることにより、フォーク26を荷物の下側へと差込むように配置する。
【0101】
このときに、操舵用優先弁47は優先位置(a)から切換位置(b)に切換わった状態で、メインの油圧ポンプ36からの圧油を供給配管50を介して作業用の制御弁装置39に向け供給すると共に、サブの油圧ポンプ37も、吐出配管52、アンロード弁51および合流配管53を通じて供給配管50内に圧油を供給するものである。
【0102】
そして、この状態で作業用の制御弁装置39のうち、例えば図18に示す方向制御弁39Cを切換操作すると、油圧ポンプ36,37からの圧油をフォークシリンダ29に給排して該シリンダ29を伸長方向に駆動できる。そして、フォークシリンダ29を僅かに伸長させることにより、例えば図1に示す作業装置24の先端側でフォーク26を僅かに上向きに回動させ、フォーク26の上側に荷物を安定させた状態で積込むことができる。
【0103】
また、フォーク26の上側に荷物を積載した状態で、作業装置24を用いて上方(高所)へと荷物を持上げる荷役作業を行うときには、荷物の重量による影響等で車両が転倒するような外力を受けることがある。そして、車両の転倒を防ぐためには、左,右のスタビライザ31,31を図1、図2に示す如く各スタビライザシリンダ32により左,右に張出した状態に配置する必要がある。
【0104】
そこで、このような場合には、キャブ22内のオペレータがスタビライザ操作レバー(図示せず)を傾動操作して車体安定用の制御弁装置40に設けた方向制御弁40A,40B(図18参照)を切換操作することにより、左,右のスタビライザシリンダ32,32を伸長方向に駆動する。
【0105】
これによって、リフトトラック1の各スタビライザ31を、図1、図2に示す如くスタビライザシリンダ32で左,右方向に張出す方向に駆動して、接地板33を地面に接地することができ、荷役作業等にあたって車体2を安定した状態に保持できると共に、これにより車体2の転倒防止等を図ることができる。
【0106】
次に、このように車体2を安定化した状態で作業装置24を作動させるときには、例えば図18に示す方向制御弁39Aを切換操作することにより、ブーム起伏シリンダ27を伸縮動作させ、作業装置24のブーム25を上,下に起伏(俯仰動)することができる。また、この状態で方向制御弁39Bを切換操作すれば、ブーム伸縮シリンダ28を伸縮動作させ、作業装置24のブーム25を長手方向に伸縮させることができる。
【0107】
また、方向制御弁39Cを切換操作することにより、フォークシリンダ29を伸縮動作させ、作業装置24の先端側でフォーク26を上,下に回動することができ、例えば前述の如くフォーク26上に積載した荷物等を適宜な場所(荷下ろし場所)へと運搬することができる。
【0108】
そして、このように作業装置24のブーム25、フォーク26等を複合操作するときにも、作業用の制御弁装置39と車体安定用の制御弁装置40には、図17に示す油圧ポンプ36,37からの圧油が合流配管53、供給配管50を通じて十分な流量で供給されるから、前述の如き複合操作を安定して行うことができる。
【0109】
また、荷物の荷下ろしが完了した後には、キャブ22内のオペレータが操作レバー等を傾動操作して作業装置24のブーム25を縮小させると共に、このブーム25を下向きに俯動(下降)させ、図1、図2に示す如く作業装置24をフレーム3上に格納するように配置することができる。
【0110】
また、リフトトラック1(車両)を走行させるときには、左,右のスタビライザ31,31を予め上向きに上昇させ、それぞれの接地板33を地面から大きく離間させることにより、車両の走行時等にスタビライザ31が邪魔になるのを防ぐようにする。
【0111】
また、例えば作業現場が傾斜地等の場合には、キャブ22内のオペレータが車体安定用の制御弁装置40の方向制御弁40Cを切換操作することにより、油圧ポンプ36,37からの圧油を傾き補正シリンダ34に給排でき、図2に示す前輪13側のアクスルハウジング14上で傾き補正シリンダ34を伸縮させ、フレーム3の左,右方向における傾き補正(フレームレベリング)を行うことができる。
【0112】
一方、前述の如く作業装置24のブーム25、フォーク26等を作動させている途中で、例えばブーム起伏シリンダ27、ブーム伸縮シリンダ28またはフォークシリンダ29等に過負荷が作用すると、図17に示すアンロード弁51は、パイロット配管55からのパイロット圧がアンロード弁51の設定圧を越えることにより、供給位置(c)から戻し位置(d)に切換わる。
【0113】
そして、戻し位置(d)に切換わったアンロード弁51は、吐出配管52を戻し配管54に連通させることにより、油圧ポンプ37をアンロード(無負荷)状態とし、油圧ポンプ37を駆動するエンジン12(図4参照)の負荷を軽減すると共に、エンジンストール(エンスト)等の発生を防止することができる。
【0114】
ところで、このようなアンロード弁51は、操舵用優先弁47およびリリーフ弁56と共に車体2のフレーム3内(例えば、縦板4,5の間)に配設されるものである。しかし、フレーム3内には、作業用,車体安定用の制御弁装置39,40等が多数の油圧配管と一緒に組込まれる上に、図1に示す如く上方には作業装置24が設けられ、下側はプロペラシャフト18,19により上,下方向で制限された空間となっている。
【0115】
このため、前述の如き複数の制御弁装置39,40、操舵用優先弁47、アンロード弁51およびリリーフ弁56等を多数の油圧配管と一緒にフレーム3内の限られた空間内に取付ける作業は、多大な労力と時間を費やし、組立時の作業性が悪い上に、メンテナンス作業時にも作業者の負担が増大することになる。
【0116】
そこで、本実施の形態にあっては、操舵用優先弁47、アンロード弁51およびリリーフ弁56を、図11、図15に示す如く油圧配管としての吐出配管48,52、供給配管50、合流配管53、戻し配管54、パイロット配管55、リリーフ配管57およびドレン配管59,60,61等と一緒に取付板42に予め組付けて制御弁・配管組立体41を構成している。
【0117】
そして、このように予備組立てした制御弁・配管組立体41は、図9、図10および図15に示すようにフレーム3の底板6よりも下側となる位置で右縦板5に、その内側から取付板42を用いて複数のボルト等により着脱可能に取付ける構成としているので、車体2のフレーム3に対する操舵用優先弁47、アンロード弁51、リリーフ弁56および複数の配管48,50,52,53,54,55,57,59等の組付け作業を効率的に行うことができる。
【0118】
即ち、予備組立てした制御弁・配管組立体41をフレーム3の右縦板5に取付板42を介して取付けるため、従来技術のようにフレームに対する制御弁の取付作業と、複数の配管等を組付ける配管作業とを別々に行う必要がなくなる。そして、制御弁・配管組立体41の取付板42をフレーム3の右縦板5に取付けるだけで、操舵用優先弁47、アンロード弁51、リリーフ弁56および複数の配管48,50,52,53,54,55,57,59等をフレーム3に対し一括して組付けることができ、組立時の作業性を向上することができる。
【0119】
そして、制御弁・配管組立体41の取付板42には、操舵用優先弁47、吐出配管48,52、供給配管50、アンロード弁51、合流配管53、戻し配管54、パイロット配管55、リリーフ弁56、リリーフ配管57,58およびドレン配管59,60,61等が予め組付けられている。
【0120】
このために、操舵用優先弁47、アンロード弁51およびリリーフ弁56等の動きを微調整する調整作業、複数の配管48,50,52,53,54,55,57,59の配置(配管位置)の調整作業等を、車体2内ではなく、例えば組立工場等の広い作業スペースを利用して容易に行うことができる。
【0121】
そして、制御弁・配管組立体41は、操舵用優先弁47、アンロード弁51およびリリーフ弁56等の動きを調整する作業、複数の配管48,50,52,53,54,55,57,59の配置(配管位置)の調整作業等を完了した状態で、取付板42を用いてフレーム3の右縦板5に対し、該右縦板5の内側面に横方向(左,右方向)からボルト等で締結するように取付けることができ、車体2のフレーム3に対する取付作業を円滑に行うことができると共に、組立時の作業性を向上することができる。
【0122】
また、制御弁・配管組立体41は、操舵用優先弁47、アンロード弁51、リリーフ弁56を複数の配管48,50,52,53,54,55,57,59等と一緒に単一の取付板42に組付ける構成としているので、制御弁・配管組立体41全体をコンパクトに形成することができると共に、組立時の誤差等も小さく抑えることができる。
【0123】
従って、本実施の形態によれば、車体2のフレーム3に対する操舵用優先弁47、アンロード弁51、リリーフ弁56および複数の配管48,50,52,53,54,55,57,59等の組付け作業を取付板42を用いて効率的に行うことができ、組立時、メンテナンス時の作業性を大幅に向上することができる。
【0124】
また、制御弁・配管組立体41の取付板42は、水平板部43と垂直板部44とからなるL字状のブラケットとして構成としているので、水平板部43の載置板部43A上には、例えば操舵用優先弁47を水平に配置した状態で組付けることができ、垂直板部44にはアンロード弁51とリリーフ弁56とを組付けることができる。
【0125】
そして、制御弁・配管組立体41を車体2のフレーム3に取付けた状態では、取付板42の水平板部43をプロペラシャフト19の上方で作業装置24の下方となる位置に配設でき、垂直板部44は、作業装置24の下方でプロペラシャフト19駆動力伝達軸の左,右方向一側(例えば、右側)となる位置に配設することができる。
【0126】
この結果、プロペラシャフト19の周囲等から飛び石等の飛散物が発生した場合でも、この飛散物が水平板部43上の操舵用優先弁47および配管48,52,53,57等に衝突するのを、取付板42の水平板部43により防止でき、これらの配管や弁等の耐久性、寿命を高めることができる。
【0127】
また、取付板42の水平板部43には、その基端側(垂直板部44側)に位置してコ字形状をなす切欠き43Dを形成しているので、垂直板部44の弁取付部44Aに設けたアンロード弁51の下部側を、この切欠き43D内に隙間をもって配置することができる。これにより、垂直板部44側のアンロード弁51が水平板部43に接触、干渉するのを切欠き43Dによって防ぐことができ、アンロード弁51等の振動に対する耐久性、寿命等を向上することができる。
【0128】
また、取付板42の水平板部43には、側板部43Cの基端側(垂直板部44に近い位置)に配管挿通穴45を形成しているので、図8、図16に示す如くリリーフ弁56の下面とアンロード弁51の下面側との間で配管挿通穴45を介してリリーフ配管58を引き回すことができ、配管作業を容易に行うことができると共に、このようなリリーフ配管58等の油圧配管を制御弁・配管組立体41の取付板42にコンパクトに組付けることができる。
【0129】
さらに、水平板部43の側板部43Bには、その外側面(前側面)に溶接等の手段でねじ座46を固着して設けているので、図8、図16に示すように管径の大きい油圧配管からなる戻し配管64を、取付板42のねじ座46に着脱可能に固定することができ、タンク38に圧油を戻すための戻し配管64をねじ座46により、取付板42の周囲にコンパクトに配設することができる。
【0130】
なお、前記実施の形態では、操舵用優先弁47、アンロード弁51およびリリーフ弁56を複数の配管48,50,52,53,54,55,57,59等と一緒に取付板42に組付けることにより、制御弁・配管組立体41を構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば操舵用優先弁47、アンロード弁51、リリーフ弁56以外の制御弁を複数の油圧配管と一緒に、取付板42等のブラケットに組付けて制御弁・配管組立体を構成するようにしてもよい。
【0131】
また、前記実施の形態では、自走式作業機械として荷役作業等に用いられるリフトトラック1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式油圧ショベル、油圧クレーン、ホイールローダ等のように、フレームの下側にプロペラシャフト等の駆動力伝達軸が設けられた自走式作業機械に広く適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の実施の形態によるリフトトラックを示す正面図である。
【図2】図1のリフトトラックを反対側の斜め前方からみた斜視図である。
【図3】図1中の前輪、後輪、キャブおよび作業装置等を取外した状態で車体のフレーム、制御弁・配管組立体等を示す正面図である。
【図4】図3中のフレーム、制御弁・配管組立体等を上方からみた平面図である。
【図5】図3中のフレーム、制御弁・配管組立体等を下方からみた底面図である。
【図6】フレーム、制御弁・配管組立体等を図4中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。
【図7】図4中の制御弁・配管組立体をフレームの一部と共に示す平面拡大図である。
【図8】図5中の制御弁・配管組立体をフレームの一部と共に示す底面拡大図である。
【図9】制御弁・配管組立体をフレームに取付けた状態を斜め前方からみた斜視図である。
【図10】図9中の制御弁・配管組立体を拡大して示す斜視図である。
【図11】図10中の制御弁・配管組立体を単体として示す斜視図である。
【図12】図11中の取付板を示す斜視図である。
【図13】図12の取付板を上側からみた平面図である。
【図14】図13に示す取付板の右側面図である。
【図15】図10中の制御弁・配管組立体をフレームに取付ける途中の状態を示す斜視図である。
【図16】図11の制御弁・配管組立体等を反対側からみた斜視図である。
【図17】制御弁・配管組立体を構成する操舵用優先弁、アンロード弁およびリリーフ弁を油圧ポンプ、油圧配管等と共に示す油圧回路図である。
【図18】図17中の作業用,車体安定用の制御弁装置を構成する複数の方向制御弁を作業装置の各シリンダ等と一緒に示す油圧回路図である。
【符号の説明】
【0133】
1 リフトトラック(自走式作業機械)
2 車体
3 フレーム
4 左縦板
5 右縦板
6 底板
12 エンジン(原動機)
13 前輪
15 後輪
17 走行アクチュエータ(走行用の油圧アクチュエータ)
18,19 プロペラシャフト(駆動力伝達軸)
20,21 操舵シリンダ(操舵用の油圧アクチュエータ)
22 キャブ
24 作業装置
25 ブーム
26 フォーク(荷役作業具)
27 ブーム起伏シリンダ(油圧アクチュエータ)
28 ブーム伸縮シリンダ(油圧アクチュエータ)
29 フォークシリンダ(油圧アクチュエータ)
36,37 油圧ポンプ(油圧源)
38 作動油タンク
39 作業用の制御弁装置
40 車体安定用の制御弁装置
41 制御弁・配管組立体
42 取付板(ブラケット)
43 水平板部
43D 切欠き
44 垂直板部
45 配管挿通穴
46 ねじ座
47 操舵用優先弁(制御弁)
48,52 吐出配管(油圧配管)
49,50 供給配管(油圧配管)
51 アンロード弁(制御弁)
53 合流配管(油圧配管)
54,64 戻し配管(油圧配管)
55 パイロット配管(油圧配管)
56 リリーフ弁(制御弁)
57,58 リリーフ配管(油圧配管)
59,60,61 ドレン配管(油圧配管)
63 導出配管(油圧配管)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のフレームと、該フレームの下側に回転可能に設けられ前,後方向に延びる駆動力伝達軸を介して走行駆動される前,後の車輪と、油圧源から圧油が給排されることにより前記駆動力伝達軸を回転駆動する走行用の油圧アクチュエータと、前記油圧源からの圧油により前記車輪の操舵を行う操舵用の油圧アクチュエータと、前記フレームの上側に設けられ作業用の油圧アクチュエータにより駆動される作業装置と、前記油圧源と各油圧アクチュエータとの間に複数の油圧配管を介してそれぞれ設けられ前記各油圧アクチュエータの作動を制御する複数の制御弁とを備えてなる自走式作業機械において、
前記複数の制御弁のうち少なくとも一部の制御弁を複数の油圧配管と共に単一のブラケットに組付けて制御弁・配管組立体を構成し、
該制御弁・配管組立体は、前記駆動力伝達軸の上側で前記作業装置よりも下方となる前記フレーム内の位置に前記ブラケットを用いて着脱可能に取付ける構成としたことを特徴とする自走式作業機械。
【請求項2】
前記フレームは、左,右に離間して前,後方向に延びる一対の縦板と、該一対の縦板を左,右方向で連結した底板とによって構成し、前記制御弁・配管組立体は、前記一対の縦板のうち一方の縦板に取付ける構成としてなる請求項1に記載の自走式作業機械。
【請求項3】
前記一部の制御弁は、前記油圧源からの圧油を前記操舵用の油圧アクチュエータに優先して供給する操舵用優先弁と、前記油圧源を駆動する原動機の負荷を軽減するために切換制御されるアンロード弁とにより構成してなる請求項1または2に記載の自走式作業機械。
【請求項4】
前記制御弁・配管組立体のブラケットは、前記複数の制御弁のうち一つの制御弁が水平に配置した状態で組付けられる水平板部と、該水平板部に対して垂直に設けられ他の制御弁が組付けられる垂直板部とを有し、前記水平板部は、前記駆動力伝達軸の上方で前記作業装置の下方となる位置に配設し、前記垂直板部は、前記作業装置の下方で前記駆動力伝達軸の左,右方向一側に配設する構成としてなる請求項1,2または3に記載の自走式作業機械。
【請求項5】
前記ブラケットの水平板部には、前記垂直板部に組付けた前記制御弁が隙間をもって配置される弁挿通用の切欠きを設けてなる請求項4に記載の自走式作業機械。
【請求項6】
前記ブラケットには、前記各制御弁間に接続される油圧配管用の配管挿通穴を設けてなる請求項1,2,3,4または5に記載の自走式作業機械。
【請求項7】
前記ブラケットには、前記各制御弁間に接続される油圧配管とは別の油圧配管を固定するためのねじ座を設けてなる請求項1,2,3,4,5または6に記載の自走式作業機械。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2006−160492(P2006−160492A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−357052(P2004−357052)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】