説明

自走移動体の高精度位置決めのための位置検出方法とそのための機構

【課題】 高精度の位置決め制御をするのに、ユニット化されたデジタイザを最終位置出しセンサとして使用し、このデジタイザを最終位置出しセンサとして機能させることによって、少なくとも2つの位置決めセンサを用いることなく高精度の位置決めを可能にする位置検出方法、並びに、そのための機構を提供すること。
【解決手段】 台車11やリフトなどの停止位置センサ13を備えた移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍にコイルとコンデンサを含み磁界の作用でエネルギを蓄える共振回路を備えた検知体を設置する一方、前記検知体に対面する移動体側に、当該検知体に対して規則的に配列した複数のループコイルを順次選択し磁界を発生させて前記共振回路にエネルギを蓄えさせると共に当該エネルギの作用を受けて前記ループコイルに発生する磁界を検出処理しその磁界の発生位置を位置データとして検出するセンサボード1を設けることにより、前記移動体の停止位置を、前記センサボード1が備えた検出精度により検出すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面内などを自走する台車や自動搬送台車、或は、エレベータなどの昇降台のように、外部駆動力又は搭載駆動力によって水平方向及び/又は垂直方向に移動する対象物を、高精度で位置決めするための位置検出方法とそのための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自走台車,自動搬送台車,昇降リフト,自動倉庫のスタッカクレーンなどのような自走式の移動体は、X−Y座標系やX−Y−Z座標系における各軸の移動データにより公知の位置決め制御を行い、最終的には位置検出センサによる検出位置に基づいて位置決め制御が行われている。
【0003】
しかし、従来の位置決め制御において最終位置出しセンサの精度を上げると、コントローラでのX,Yデータなど、各軸についてのデータ精度を上げる必要が生じ、処理データ量が徒らに大きくなるという難点がある。X,Yデータなど各軸のデータ量を従来レベルにしておくには、機械側と同じ精度で大まかに位置を検出するセンサと、最終的に位置出しをするセンサの少なくとも2つのセンサを必要とする。
【0004】
また、最終位置出しセンサの検出精度を上げるのはよいが、制御される自走式移動体の機械精度を位置出しセンサのレベルに引上げなければ、全体としての位置決め精度の向上を得ることができないため、移動体側の機械精度を向上させるには多大の手間やコストを不可欠とするという問題があって、現実的でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような自走型移動体の位置決め精度を高精度にしようとする場合の問題点に鑑み、高精度の位置決め制御をするのに、ユニット化されたデジタイザを最終位置出しセンサとして使用し、このデジタイザを最終位置出しセンサとして機能させることによって、少なくとも2つの位置決めセンサを用いることなく高精度の位置決めを可能にする位置検出方法、並びに、そのための機構を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明方法の第一の構成は、台車やリフトなどの停止位置センサを備えた移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍にコイルとコンデンサを含み磁界の作用でエネルギを蓄える共振回路を備えた検知体を設置する一方、前記検知体に対面する移動体側に、当該検知体に対して規則的に配列した複数のループコイルを順次選択し磁界を発生させて前記共振回路にエネルギを蓄えさせると共に当該エネルギの作用を受けて前記ループコイルに発生する磁界を検出処理しその磁界の発生位置を位置データとして検出するセンサボードを設けることにより、前記移動体の停止位置を、前記センサボードが備えた検出精度により検出することを特徴とするものである。
【0007】
また、上記課題を解決することができる本発明方法の第二の構成は、台車やリフトなどの停止位置センサを備えた移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍にコイルとコンデンサを含み電磁波に同調する同調回路を備えた検知体を設置する一方、前記検知体に対面する移動体側に、規則的に配列した複数のループコイルと前記ループコイルを順次選択して当該ループコイルに励起信号を付与する励起回路と励起された電磁波を前記検知体に向け送信すると共に前記検知体に生じる電磁波により前記ループコイルに発生する誘導電圧を検出する送信回路を備え前記誘導電圧を生じたループコイルの位置を位置データとして検出するセンサボードを設けることにより、前記移動体の停止位置を、前記センサボードが備えた検出精度により検出することを特徴とするものである。
【0008】
そして、上記の本発明方法を実施するための本発明機構の第一の構成は、停止位置センサを備えた台車やリフトなどの移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍に設置したコイルとコンデンサを含み磁界の作用でエネルギを蓄える共振回路を備えた検知体と、前記検知体に対面する移動体の側面に設けた規則的に配列した複数のループコイルを備えるセンサボードであって、そのセンサボードのループコイルが前記検知体に対する磁界を発生することにより検知体の共振回路にエネルギを蓄えさせると共に当該エネルギの作用を受けて前記ループコイルに生じる磁界を検出処理しその磁界の発生位置を位置データとして検出するセンサボードとを備え、前記停止位置センサで検出される移動体の停止位置を、前記検出体とセンサボードの協働作用によって得られる位置データに基づいて検出するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
更に、本発明機構の第二の構成は、停止位置センサを備えた台車やリフトなどの移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍に設置したコイルとコンデンサを含み同調回路が電磁信号を発生する検知体と、前記検知体に対面する移動体の側面に設けたセンサボードであって、そのセンサボードが前記検知体に対する電磁波を発生することにより検知体の同調回路に電磁波を発生させると共に当該電磁波を受けて誘導電圧を生じる規則的に配列されたループコイルの位置を検出しその位置を位置データとして検出するセンサボードとを備え、前記停止位置センサで検出される移動体の停止位置を、前記検出体とセンサボードの協働作用によって得られる位置データに基づいて検出するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、台車やリフトなどの停止位置センサを備えた移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍に、磁界の作用でエネルギを蓄える共振回路を備えた検知体を設置する一方、前記検知体に対面する移動体側に、当該検知体に対する磁界を発生し前記共振回路にエネルギを蓄えさせると共に当該エネルギの作用を受けて発生する磁界を検出処理しその磁界の発生位置を位置データとして検出するセンサボードを設けることにより、前記移動体の停止位置を、前記センサボードが備えた検出精度により移動体の停止位置を検出するようにしたので、2つの機械的構成の位置決めセンサを用いることなく高精度の位置決めを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の実施の形態例について図を参照して説明する。図1は本発明方法を自走台車の位置決めに使用した例の模式的な平面図、図2は本発明方法を昇降リフトの位置決めに使用した例の模式的な側面図、図3は本発明方法を自動搬送台車の位置決めに使用した例の模式的な平面図、図4と図5は本発明方法を自動倉庫のスタッカークレーンの移載装置部分に適用した例の模式図で、図4は平面から見た模式図、図5は側面から見た模式図、図6は本発明で使用する電磁誘導方式のタブレットによるセンサユニットの一例を説明するための模式図である。
【0012】
図6は、本発明に使用する電磁誘導方式のタブレット(デジタイザともいう)によるセンサユニットSUの模式的断面図で、複数のループコイルを規則的に配列したセンサコイルScが内部に配置されたセンサボード1と該ボード1の上面に配置された移動軸又は座標などを示す液晶パネル2と、前記ボード1に対向して配置される細い棒状をなす検知体としてのマーカ3とから成り、マーカ3の内部には、一例としてコイルとコンデンサを含む共振回路Hsが内蔵されている。
【0013】
上記センサユニットSUの動作原理は、マーカ3をセンサボード1に対向させた状態でそのセンサボード1のセンサコイルScに電流を流すと、当該ボード1の前面に磁界が生じ、マーカ3の共振回路Hsにエネルギが蓄えられる。この状態で、センサボード1のコイル側の電流を止めてマーカ3に蓄えられたエネルギを用いてマーカ3側からの磁界をセンサコイルSc側に送り出すと、マーカ3のセンサボード1の上での位置情報が得られる。本発明はこの位置情報を最終位置出し情報として利用しようとするものである。因みに、上記センサユニットSUは、そのセンサボード1の有効読取り長が4〜15mm、読取り分解能が0.05mm、座標精度が±0.4mm、センサボード1の表面とマーカ3の先端との間隔が4〜14mmのユニットである。このセンサユニットSUは、「ペンタブレットデバイス」の商品名で(株)ワコムにより市販されているので、本発明ではこの市販品を利用した。
【0014】
上記態様のパレタイザ型式のセンサユニットSUは、図1〜図3、及び、図4と図5の態様で、高精度の位置決め制御を行うための最終位置出しセンサとして使用するので、次にこの点について説明する。
【0015】
図1において、11は自走台車、12a,12bは前記台車11の走行を支持案内するガイドレール、13は前記台車11との間で光や音波などを利用して当該台車11の停止位置を検出する停止センサで、従来技術では、自走台車11の位置決めは、移動軸(図1ではX軸)に関する移動データに基づいて走行して来た自走台車11が停止センサ13の前を横切ったことを当該センサ13が検出すると、自走台車11の走行駆動源を停止制御するようになされているが、この位置決め態様であると、精度が粗くなり易く、位置決め精度に限界があった。
【0016】
そこで本発明では、図1に例示したように、移動軸に関する移動データに基づいて自走台車11を走行させ、停止センサ13の作用で停止をさせる点は、従来手法と基本的に同様であるが、自走台車11にセンサユニットSUのセンサボード1を取付ける一方、その台車11の最終停止位置乃至はその近傍の固定系に、前記センサボード1に対向させてマーカ3を設置する構成とした。
【0017】
図1の上記構成により、自走台車11を停止センサ13などの作用で停止させたとき又は停止させるとき、センサユニットSUを起動させることによって、自走台車11の停止位置を、一例として±0.4mmの座標精度で検出できるので、この精度で最終位置出しをすることができる。この理由について次に説明する。
【0018】
図1の自走台車11の停止センサ13による位置決め精度が、移動軸(ここではX軸)に設定される目的地(最終停止点)に対し例えば±7mmであったとする。このとき、自走台車11に取付けるセンサボード1に対向して固定系に配置するマーカ3を、前記停止点におけるセンサボード1の有効読取り長さ15mmの中点を原点としてレール12aなどの固定系に設けておく。
【0019】
いま、一例として前記台車11が停止センサ13の検出出力に基づいて停止点の±7mmの範囲で停止したとき、マーカ3のセンサボード1に設定した原点に対する位置を検出し、その検出値がセンサボード1に予め設定されている原点(センサボード1の有効読取り長15mmの中点)と一致しているか否か、並びに、不一致であれば原点から+側又は−側にどれだけの距離(量)離れているかを検出し、原点と一致しない離れている検出値であれば、その検出値をゼロにする補正動作を自走台車11に行わせる。このようにすれば、自走台車11は、このセンサユニットSUにおけるセンサボード1の座標精度±0.4mmの精度によって停止点に位置決め制御できることとなる。
【0020】
図2は、上記自走台車11に代えてセンサユニットSUを昇降リフト21に適用した例である。図1の自走台車11と異なるのは、移動軸が上,下方向、つまりY軸であること、走行ガイドレール12a,12bがY軸方向の昇降レール22a,22bとなることの2点で、センサユニットSUのセンサボード1とマーカ3の関係は、センサボード1を昇降リフト21に、マーカ3を固定系に配置する点で共通し、従って、昇降停止位置の検出とその位置決め制御の内容は移動軸の違いだけで、図1の例と基本的に同じである。なお、図2において23は昇降停止センサである。
【0021】
図3は、上述した図1と図2に示した構成を、レールを備えないバッテリとモータなどを主体に形成された自動搬送台車31に適用した例である。自動搬送台車31は、充電ステーションのように規定の位置に設置された少なくとも1箇所乃至複数箇所のステーション32に自動搬送されて位置決めされるので、前述の実施例の場合と同様に、移動する自動搬送台車31にセンサユニットSUのセンサボード1を取付ける一方、固定系のステーション32にセンサボード1に対向したマーカ3を設けている。33は停止センサである。図3の例における自動搬送台車31の停止センサ33などによる停止と、センサユニットSUの機能を利用した高精度な停止位置の検出と、この検出に基づく位置決めの補正も、上記の図1,図2の例と基本的に同じである。
【0022】
図4の自動倉庫などの移載手段であるスタッカクレーンのピッカー41は、図4に示すY軸に沿った垂直方向(昇降)での動作と、X軸に沿った水平方向での動作を、ポール42yとレール42xに沿って行う。従って、センサユニットSUは、各軸(X軸とY軸)に沿って2組のユニットを用いてもよいが、一つのセンサユニットSUにおけるセンサボード1は、X軸方向とY軸方向において距離データの読取り能力を備えているので、1台のセンサボード1でX軸とY軸とのセンサボード1を兼用させ、固定系に設けるマーカ3を、Y軸系のマーカ3yとX軸系のマーカ3xとに分け、各軸のマーカ3x,3yを保管棚42zにおける各区画42mに夫々に配置するようにした。
そして、各軸(Y軸又はX軸)におけるピッカー41の最終停止位置の位置検出とそれに基づく補正制御は、各軸ごとに、図1〜図3の例と同等の内容で行われる。
【0023】
図4,図5のスタッカクレーンでは、マーカ3x,3yの共振回路に、一例として機械的構成の開閉器(スイッチ)を挿入し、保管棚42zの任意の区画42mの内部に存在する荷物Wが前記スイッチを押すようにしておくと、荷物で押されたスイッチがマーカ内の閉成している共振回路を開放するか、又は、開成している共振回路を閉成する構成を付与しておけば、前記マーカ3x又は3yは、センサボード1と協働してピッカー41が或る区画42mに移動して来たとき、当該区画42mの内部に荷物Wが有るか無いかを判断するための信号をセンサボード1に形成させることができるので、区画42mの荷物Wの有無を検出する機構として利用することができる。
【0024】
上記実施例のマーカ3は、電源を有しないもので構成したが、本発明では電池などの内部電源を有するもの、或は、外部電源をケーブル等を介して導入したものであってもよい。電源を備えたマーカ3では、バーコードセンサなどのセンサ機能を持たせてこのマーカ経由で区画内の荷物に関する情報、例えば荷物の名称やコードなどを外部に出力させることができる利点がある。但し、内部電源は消耗による交換を必要とし、また、外部電源は配線を不可欠とするので、面倒な面がある。
また、マーカ3に、その動作条件を変更したものを使用することにより、位置決め対象の相対的位置検出と絶対的位置検出とを選択した態様で本発明の実施をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は以上の通りであって、次のような固有の効果を得ることができる。
(1) 従来手法で最終位置出しセンサの精度を上げると、位置決め制御用のコントローラでのX,Yデータも精度を上げる必要が生じるが、本発明ではセンサユニットの周辺位置(有効読取り長さの範囲内)までをX,Yデータで追い込み、最終位置はボードセンサ上でのX,Y軸上の位置が位置データとして認識できるため、ラフな制御での精度の高い位置決めが可能になる。因みに、従来方法であれば、大まかに位置を検出するセンサと最終的に位置を検出するセンサの2つ以上のセンサの組み合わせが必要であったが、これが不要になる。
(2) センサユニットにおけるマーカ側を固定位置においた場合、センサボードとマーカの間は非接触であり、その上、金属検出センサの非接触距離(通常5mm位)などに比べ、非接触距離が大きく(例えば15mm位)取れるため、機械側の精度が楽になる。因みに、本発明で用いるセンサユニットは従来方法の3倍以上近く検出体と離れた(平均15mm程度)状態でも、位置検出ができるため、接触による障害等が生じ難い一方、機械要素の設計において大きな自由度を取ることができる。
(3) 一般的なセンサを複数個使用する従来方法に比べ、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明方法を自走台車の位置決めに使用した例の模式的な平面図。
【図2】本発明方法を昇降リフトの位置決めに使用した例の模式的な側面図。
【図3】本発明方法を自動搬送台車の位置決めに使用した例の模式的な平面図。
【図4】本発明方法を自動倉庫のスタッカークレーンの移載装置部分に適用した例の平面から見た模式図。
【図5】本発明方法を自動倉庫のスタッカークレーンの移載装置部分に適用した例の側面から見た模式図。
【図6】本発明で使用する電磁誘導方式のタブレットによるセンサユニットの一例を説明するための模式図。
【符号の説明】
【0027】
SU センサユニット
1 センサボード
2 液晶パネル
3 マーカ
11 自走台車
12a,12b 走行ガイドレール
13 停止センサ
21 昇降リフト
22a,22b 昇降レール
31 自動搬送台車
32 固定系のステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車やリフトなどの停止位置センサを備えた移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍にコイルとコンデンサを含み磁界の作用でエネルギを蓄える共振回路を備えた検知体を設置する一方、前記検知体に対面する移動体側に、当該検知体に対して規則的に配列した複数のループコイルを順次選択し磁界を発生させて前記共振回路にエネルギを蓄えさせると共に当該エネルギの作用を受けて前記ループコイルに発生する磁界を検出処理しその磁界の発生位置を位置データとして検出するセンサボードを設けることにより、前記移動体の停止位置を、前記センサボードが備えた検出精度により検出することを特徴とする自走移動体の高精度位置決めのための位置検出方法。
【請求項2】
台車やリフトなどの停止位置センサを備えた移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍にコイルとコンデンサを含み電磁波に同調する同調回路を備えた検知体を設置する一方、前記検知体に対面する移動体側に、規則的に配列した複数のループコイルと前記ループコイルを順次選択して当該ループコイルに励起信号を付与する励起回路と励起された電磁波を前記検知体に向け送信すると共に前記検知体に生じる電磁波により前記ループコイルに発生する誘導電圧を検出する送信回路を備え前記誘導電圧を生じたループコイルの位置を位置データとして検出するセンサボードを設けることにより、前記移動体の停止位置を、前記センサボードが備えた検出精度により検出することを特徴とする自走移動体の高精度位置決めのための位置検出方法。
【請求項3】
停止位置センサを備えた台車やリフトなどの移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍に設置したコイルとコンデンサを含み磁界の作用でエネルギを蓄える共振回路を備えた検知体と、前記検知体に対面する移動体の側面に設けた規則的に配列した複数のループコイルを備えるセンサボードであって、そのセンサボードのループコイルが前記検知体に対する磁界を発生することにより検知体の共振回路にエネルギを蓄えさせると共に当該エネルギの作用を受けて前記ループコイルに生じる磁界を検出処理しその磁界の発生位置を位置データとして検出するセンサボードとを備え、前記停止位置センサで検出される移動体の停止位置を、前記検出体とセンサボードの協働作用によって得られる位置データに基づいて検出するようにしたことを特徴とする自走移動体の高精度位置決めのための位置検出機構。
【請求項4】
停止位置センサを備えた台車やリフトなどの移動体における固定系の位置決め点乃至その近傍に設置したコイルとコンデンサを含み同調回路が電磁信号を発生する検知体と、前記検知体に対面する移動体の側面に設けたセンサボードであって、そのセンサボードが前記検知体に対する電磁波を発生することにより検知体の同調回路に電磁波を発生させると共に当該電磁波を受けて誘導電圧を生じる規則的に配列されたループコイルの位置を検出しその位置を位置データとして検出するセンサボードとを備え、前記停止位置センサで検出される移動体の停止位置を、前記検出体とセンサボードの協働作用によって得られる位置データに基づいて検出するようにしたことを特徴とする自走移動体の高精度位置決めのための位置検出機構。
【請求項5】
検知体は、内部に電源を備えるか又は外部から電源を導入した請求項3又は4の自走移動体の高精度位置決めのための位置検出機構。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−17326(P2007−17326A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−200113(P2005−200113)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(391059425)シーメンス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】