説明

落射照明画像用のエッジ位置測定値補正

【課題】 落射照明画像用のエッジ位置測定値補正を提供する。
【解決手段】 精密マシンビジョン検査システムにおける落射照明画像エッジ位置誤差を補正するための方法が開示される。方法には、落射照明光および透過照明光を用いてワークエッジ特徴のエッジ位置測定値を比較することが含まれる。透過照明光を用いたエッジ位置測定値は、落射照明より不確実性が低い。位置補正係数が、2つのエッジ位置測定値間の差から決定され得る。位置補正係数は、落射照明光を用いて取得された画像に基づく後続のエッジ位置測定値を補正するために記憶してもよい。いくつかの実施形態において、位置補正係数は、複数のエッジ用のエッジ位置測定値の比較に基づいて決定してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にマシンビジョン検査システムに関し、特にエッジ位置測定値における照明依存誤差を補正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精密マシンビジョン検査システム(または略して「ビジョンシステム」)を用いて、検査対象物の正確な寸法測定値を取得し、かつ様々な他の物性を検査することができる。かかるシステムには、コンピュータ、カメラおよび光学系、ならびに検査されているワークの特徴をカメラが走査できるようにするために多方向に移動可能な精密ステージを含んでもよい。市販されている1つの例示的な先行技術のシステムが、イリノイ州オーロラ(Aurora,IL)にあるMitutoyo America Corporation (MAC)から入手可能なPCベースビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよびQVPAK(登録商標)ソフトウェアである。ビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよびQVPAK(登録商標)ソフトウェアの特徴および動作が、例えば、2003年1月に発行されたQVPAK 3D CNC Vision Measuring Machine User's Guide、および1996年9月に発行されたQVPAK 3D CNC Vision Measuring Machine Operation Guideに一般的に説明されている。この製品は、例えば、QV302-PROモデルによって例示されるように、様々な倍率でワークの画像を提供するように顕微鏡タイプの光学系を用いることができ、かつ必要に応じて、どんな単一のビデオ画像の制限も超えてワーク表面を通過するようにステージを移動させることができる。単一のビデオ画像には、典型的には、かかるシステムの所望の倍率、測定解像度および物理的サイズ制限が与えられたとすると、観察または検査されているワークの一部だけが含まれる。
【0003】
マシンビジョン検査システムは、一般に自動ビデオ検査を利用する。米国特許第6,542,180号(’180特許)は、かかる自動ビデオ検査の様々な態様を教示している。’180特許で教示されているように、自動ビデオ検査装置は、一般に、各特定のワーク構成に対して、ユーザが自動検査イベントシーケンスを定義できるようにするプログラミング能力を有する。かかるプログラミングは、例えばテキストベースのプログラミングとして実行するか、またはグラフィカルユーザインターフェースの支援でユーザが実行する検査動作シーケンスに対応するマシン制御命令のシーケンスを記憶することによって、検査イベントシーケンスを徐々に「学習」する記録モードを通して実行するか、または両方の方法の組み合わせを通して実行することができる。かかる記録モードは、「学習モード」または「訓練モード」と呼ばれることが多い。一旦検査イベントシーケンスが「学習モード」において定義されると、次には、かかるシーケンスを用いて、「実行モード」中にワークの画像を自動的に取得(かつさらに解析または検査)することができる。
【0004】
特定の検査イベントシーケンス(すなわち、各画像を取得する方法、および各取得画像を解析/検査する方法)を含むマシン制御命令は、特定のワーク構成に特有の「パートプログラム」または「ワークプログラム」として一般に記憶される。例えば、パートプログラムは、どんな照明レベル、どんな倍率レベル等でも、ワークに対してカメラを配置する方法など、各画像を取得する方法を定義する。さらに、パートプログラムは、例えば、エッジ/境界検出ビデオツールなどの1つまたは複数のビデオツールを使用することによって、取得画像を解析/検査する方法を定義する。
【0005】
ビデオツール(または略して「ツール」)および他のグラフィカルユーザインターフェース機能を手動で用いて、(「手動モード」において)手動検査および/またはマシン制御動作を遂行してもよい。それらのセットアップパラメータおよび動作はまた、自動検査プログラムまたは「パートプログラム」を生成するために、学習モード中に記録することができる。ビデオツールには、例えば、エッジ/境界検出ツール、自動焦点ツール、形状またはパターンマッチングツール、寸法測定ツールなどを含んでもよい。
【0006】
マシンビジョン検査システムは、様々なタイプの照明を用いて、ワークエッジ特徴を照明してもよい。例えば、透過照明および落射照明が、’180特許で説明されている。高解像度エッジ位置測定は、エッジ位置用に用いられる画像を取得する場合に使用される照明タイプに依存して異なる結果を返す可能性がある。異なるタイプの照明を用いて得られたエッジ位置測定値の異なる結果を補正するための様々な方法が、当該技術分野で既知である。例えば、Fuらによる出版物(Thickness Correction for Edge Detection of Optical Coordinate Measuring Machines, ASPE Proceedings, October 31 - November 5, 1999, Monterey California)は、かかる測定値に関連する誤差を補償するための様々な方法を説明している。しかしながら、そこで用いられている方法は、多くの用途にとっては非実用的である。例えば、それらは時間がかかり、測定すべき特別な基準対象物を必要とする場合があり、マシンビジョン検査システムの比較的未熟なユーザが実行するには複雑すぎる可能性がある。さらに、これらの方法は、エッジ特徴の厚さから生じる誤差には取り組むが、汎用マシンビジョン検査システムが遭遇する様々なエッジ条件およびワーク材料に向けられた適切な高精度補償/補正を提供しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,542,180号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像取得用に用いられる照明タイプにかかわらず、エッジ位置結果が一貫し正確であるように、エッジ位置結果を補正するための方法における改善が望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この概要は、以下で詳細な説明においてさらに説明する概念のセレクションを簡略化した形態で導入するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主な特徴を識別するように意図されておらず、それはまた、特許請求される主題の範囲を決定する際の手助けとして用いられるようにも意図されていない。用語エッジ位置(edge location)およびエッジ位置(edge position)は、一般に本明細書では区別なく用いられる。
【0010】
エッジ位置結果を補正するための方法であって、別の方法では、エッジの画像を照明するために用いられる場合に撮像されたエッジ位置におけるシフト(例えば、オフセットまたはバイアス)を引き起こす可能性がある照明タイプに対して、エッジ位置結果が一貫し正確であるようにエッジ位置結果を補正するための方法が提供される。特に、あるマシンビジョン検査システムは、その透過照明が、比較的理想的に(例えば、一貫し正確に)撮像されたエッジ位置を提供するように設計可能であることが分かった。しかしながら、対照的に、落射照明が、撮像されたエッジ位置におけるオフセットまたはバイアスをもたらすことが分かった。したがって、簡潔に言えば、様々な実施形態において、本発明による方法は、「透過照明画像」に基づいたエッジの基準測定値を確立し、「落射照明画像」における同じエッジの「落射照明測定値」を確立し、落射照明測定値と透過照明基準測定値との間の差を決定し、かつその差に基づいて落射照明画像における後続のエッジ位置測定値を補正する。かかる方法は、照明依存エッジ位置誤差を補正する従前の既知の方法より、あるビジョンシステムにおいてより単純かつより正確であると分かった。さらに、方法は、正確に作製された基準対象物の必要なしに実行可能である。いくつかの実施形態において、かかる方法は、マシンビジョン検査システム用の包括的な照明依存補正として実行してもよい。いくつかの実施形態において、かかる方法は、代表的ワークを用いる学習モード動作に基づいて特定のワークタイプまたは特定のワークエッジ用に実行して、後続の類似のワークおよび/またはエッジにおける落射照明測定値に適用可能なワーク特有またはエッジ特有の照明依存補正を確立してもよい。
【0011】
様々な実施形態において、マシンビジョン検査システムには、撮像システムと、ワークステージと、撮像システムの対物レンズからワークステージの方へ落射照明光を投射する落射照明光投射部と、ワークステージから撮像システムの方へ透過照明光を投射する透過照明光投射部と、制御システムと、が含まれる。いくつかの実施形態において、透過照明光源には、コリメートされた透過照明光を出力する光ジェネレータおよびコリメート光学系が含まれる。いくつかの実施形態において、透過照明光源にはまた、コリメート光を入力し、かつ少なくとも部分的に拡散した透過照明光を出力する出力光拡散器が含まれる。方法には、(a)ワークのエッジ特徴が撮像システムの視野にあるようにワークをワークステージ上に配置するステップであって、エッジ特徴が、落射照明光を撮像システムへ反射する領域と、透過照明光を撮像システムへ透過させる領域との間の境界を含むステップと、(b)視野の第1の位置にエッジ特徴を安定的に保持し、かつ落射照明光および透過照明光のうちの一方を用いてエッジの第1の画像を取得するステップと、(c)視野の第1の位置にエッジ特徴を安定的に保持し、かつ落射照明光および透過照明光のうちの他方を用いてエッジの第2の画像を取得するステップと、(d)第1の画像におけるエッジ特徴の画定された部分用に第1のエッジ位置測定値を決定するステップと、(e)第2の画像におけるエッジ特徴の画定された部分用に第2のエッジ位置測定値を決定するステップと、(f)第1のエッジ位置測定値と第2のエッジ位置測定値との間の差に基づいて、落射照明エッジ位置補正係数を決定するステップと、(g)落射照明光を用いて取得された画像に基づいた後続のエッジ位置測定値を補正するための落射照明エッジ位置補正係数を記憶するステップと、が含まれる。
【0012】
いくつかの実施形態において、方法には、さらに、落射照明光を用いてエッジ特徴の後続の画像を取得することと、後続の画像におけるエッジ特徴用のエッジ位置測定値を決定することと、そのエッジ位置測定値を、落射照明エッジ位置補正係数に基づいて調整することによって補正することと、を含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、方法には、さらに、ステップ(a)〜(e)を複数回実行することを含んでもよく、この場合に、エッジ位置補正係数は、結果として得られる複数の第1および第2のエッジ位置測定値に基づいて、ステップ(f)で決定される。いくつかの実施形態において、ステップ(a)〜(e)は、単一のエッジを用いて複数回実行される。いくつかの実施形態において、ステップ(a)〜(e)は、複数のエッジを用いて複数回実行される。
【0014】
いくつかの実施形態において、ステップ(g)で記憶された落射照明エッジ位置補正係数は、様々なワークに対する実行モード動作中に測定された落射照明画像エッジ位置を補正するために用いられる。いくつかの実施形態において、ステップ(a)〜(g)は、落射照明エッジ位置補正係数が、特定のタイプのワークならびに/またはそのワークにおける特定のタイプのエッジ構成および/もしくは材料用にカスタマイズされるように、代表的ワークを用いてマシンビジョン検査システムの学習モードに関連して実行してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、方法は、マシンビジョン検査システムのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)におけるユーザ選択に基づいて適用してもよい。いくつかの実施形態において、GUIには、全体的に、および/または特定の測定値等のために補正方法を適用するべきかどうかを管理する照明依存補正セレクタを含んでもよい。
【0016】
測定されるエッジの比較的一貫した大きさおよび明/暗極性に対する一貫した極性を有するエッジ位置誤差を意味する「オフセット誤差」を定義してもよい。いくつかの精密マシンビジョン検査システム(例えば、前に言及したQUICK VISION(登録商標)シリーズ)に関して、落射照明を用いた未補正エッジ位置測定値は、撮像検出器において一画素単位程度以下のオフセット誤差(例えば、サブピクセル誤差)を有する可能性がある。様々なレンズおよび倍率にとって、これは、数マイクロメートル(例えば、半画素単位に対応する)以下の測定誤差に対応する可能性がある。しかしながら、本明細書で開示するように、エッジ位置測定値を補正する落射照明エッジ位置補正係数を用いることによって、落射照明測定精度が、精密基準対象物の製造公差の範囲(例えば、10分の数マイクロメートル程度)へと(実際には、かかる精密基準対象物を使用せずに)近づくように、このオフセット誤差を著しく(例えば、2〜5分の1か、さらに低く)低減することが可能である。
【0017】
落射照明エッジ位置補正係数を決定および適用するための、本明細書で開示する方法が、精密マシンビジョン検査システムの未熟練のユーザによって容易に実行されるやり方で、かつ精密基準対象物の使用なしに、サブピクセル解像度および精度の落射照明画像オフセット誤差補正を提供し得ることを理解されたい。これらの機能は、精密マシンビジョン検査システムのあるユーザによって特に尊重される。
【0018】
本発明の前述の態様および付随する利点の多くは、添付の図面に関連し以下の詳細な説明を参照してよりよく理解されると共に、より容易に理解されることになろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】汎用精密マシンビジョン検査システムの様々な典型的コンポーネントを示す図である。
【図2】本明細書で開示する機能を含む、図1のマシンビジョン検査システムの一実施形態における制御システム部およびビジョンコンポーネント部のブロック図である。
【図3】ワークエッジ特徴の走査線に沿った信号強度プロファイルと整列された代表的ワークにおける特徴の断面図を示す。
【図4】代表的ワークの特徴を含む、マシンビジョン検査システムの視野を示す。
【図5】後続のエッジ位置測定値用に照明依存補正を提供するために用いられる補正係数を決定するために、マシンビジョン検査システムを動作させるための方法およびルーチンを概説する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
図1は、本明細書で説明する方法に従って使用可能な1つの例示的なマシンビジョン検査システム10のブロック図である。マシンビジョン検査システム10には、データおよび制御信号を制御コンピュータシステム14と交換するように動作可能に接続されたビジョン測定機12が含まれる。制御コンピュータシステム14は、さらに、モニタまたはディスプレイ16、プリンタ18、ジョイスティック22、キーボード24およびマウス26とデータおよび制御信号を交換するように動作可能に接続される。モニタまたはディスプレイ16は、マシンビジョン検査システム10の動作を制御および/またはプログラムするのに適したユーザインターフェースを表示してもよい。
【0021】
ビジョン測定機12には、可動ワークステージ32と、ズームレンズまたは交換レンズを含み得る光学撮像システム34と、が含まれる。ズームレンズまたは交換レンズは、一般に、光学撮像システム34によって提供される画像用に様々な倍率を提供する。マシンビジョン検査システム10は、一般に、上記の、ビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよびQVPAK(登録商標)ソフトウェア、ならびに類似の最先端技術で市販の精密マシンビジョン検査システムに匹敵する。マシンビジョン検査システム10はまた、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,454,053号、同7,324,682号、2008年12月23日出願の米国特許出願第12/343,383号、2009年10月29日出願の同12/608,943号に説明されている。
【0022】
図2は、本明細書に開示される特徴を含むマシンビジョン検査システム100の一実施形態である制御システム部120およびビジョンコンポーネント部200のブロック図である。以下でより詳細に説明するように、制御システム部120は、ビジョンコンポーネント部200を制御するために用いられる。ビジョンコンポーネント部200には、光学アセンブリ205、光源220、230、および240、ならびに中央透明部212を有するワークステージ210が含まれる。ワークステージ210は、ワーク20を配置可能なステージ表面と略平行な平面に位置するXおよびY軸に沿って制御可能に移動できる。光学アセンブリ205には、カメラシステム260および交換可能な対物レンズ250が含まれ、かつレンズ286および288を有するタレットレンズアセンブリ280を含んでもよい。タレットレンズアセンブリの代替として、固定もしくは手動で交換可能な倍率変更レンズ、またはズームレンズ構成等を含んでもよい。以下でさらに説明するように、光学アセンブリ205は、制御可能モータ294を用いることによって、XおよびY軸に略垂直なZ軸に沿って制御可能に移動できる。
【0023】
マシンビジョン検査システム100を用いて撮像されることになるワーク20または複数のワーク20の保持するトレイもしくは固定具が、ワークステージ210上に配置される。ワークステージ210は、交換可能な対物レンズ250が、ワーク20上の位置間で、および/または複数のワーク20間で移動するために、光学アセンブリ205に対して移動するように制御してもよい。透過照明光源220、落射照明光源230、および表面光源240の1つまたは複数が、1つまたは複数のワーク20を照明するために光源光222、232、または242をそれぞれ放射してもよい。光源光は、ワーク光255として反射または透過され、ワーク光255は、交換可能な対物レンズ250およびタレットレンズアセンブリ280を通過し、カメラシステム260によって集光される。ワーク20の画像は、カメラシステム260によって捕捉されるが、信号線262で制御システム部120に出力される。光源220、230、および240は、信号線またはバス221、231および241を介して制御システム部120にそれぞれ接続してもよい。画像倍率を変更するために、制御システム部120は、信号線またはバス281を介し、軸284に沿ってタレットレンズアセンブリ280を回転させてタレットレンズを選択してもよい。
【0024】
様々な例示的な実施形態において、光学アセンブリ205は、制御可能モータ294を用い、ワークステージ210に対して垂直Z軸方向に可動であるが、この制御可能モータ294は、アクチュエータ、接続ケーブル等を駆動して光学アセンブリ205をZ軸に沿って移動させ、カメラシステム260によって捕捉されるワーク20の画像の焦点を変更する。本明細書で用いるように、用語Z軸は、光学アセンブリ205によって取得される画像を合焦させるために用いられるように意図された軸を指す。制御可能モータ294は、用いられる場合には、信号線296を介して入力/出力インターフェース130に接続される。
【0025】
図2に示すように、様々な例示的な実施形態において、制御システム部120には、コントローラ125、入力/出力インターフェース130、メモリ140、ワークプログラムジェネレータおよび実行器170、ならびに電源部190が含まれる。これらのコンポーネントのそれぞれは、以下で説明する追加的なコンポーネントと同様に、1つもしくは複数のデータ/制御バスおよび/またはアプリケーションプログラミングインターフェースによって、または様々な要素間の直接接続によって、相互接続してもよい。
【0026】
入力/出力インターフェース130には、撮像制御インターフェース131、運動制御インターフェース132、照明制御インターフェース133、およびレンズ制御インターフェース134が含まれる。運動制御インターフェース132には、位置制御要素132aおよび速度/加速制御要素132bを含んでもよい。しかしながら、様々な例示的な実施形態において、かかる要素を統合するか、かつ/または区別できないようにしてもよいことを理解されたい。照明制御インターフェース133には、照明制御要素133a−133nが含まれるが、これらの要素は、マシンビジョン検査システム100の様々な対応する光源に対して、例えば、選択、電力、オン/オフスイッチ、およびストローブパルスタイミングを適宜制御する。
【0027】
メモリ140には、画像ファイルメモリ部141、1つまたは複数のパートプログラム等を含み得るワークプログラムメモリ部142、およびビデオツール部143が含まれる。メモリ140にはまた照明補正係数部140cfを含んでもよく、以下でより詳細に説明するように、照明補正係数部140cfは、照明依存エッジ位置補正係数(例えば、落射照明エッジ位置補正係数)を記憶する。ビデオツール部143には、ツール部143aおよび他の類似のツール部(およそ143m)が含まれ、これらは、対応するツールのそれぞれのためのGUI、画像処理動作等を決定する。ビデオツール部143にはまた、関心領域ジェネレータ143xが含まれるが、この関心領域ジェネレータ143xは、ビデオツール部143に含まれる様々なビデオツールにおいて動作可能な様々なROIを画定する自動、半自動および/または手動の動作を支援する。1つの例示的なエッジ検出ビデオツールが、説明の便宜上明示的に表されたエッジ検出ビデオツール143edである。他のビデオツールが、類似のエッジ検出機能および動作をそれらの範囲内に含み得ることを理解されたい。エッジ検出ビデオツール143edには、照明依存補正モード部143idcを含んでもよく、以下でより詳細に説明するように、照明依存補正モード部143idcは、照明依存エッジ位置補正係数(例えば、落射照明エッジ位置補正係数)を適用して、照明依存オフセット誤差を相当に低減するかまたは除去する。したがって、様々な実施形態において、照明依存補正モード部143idcは、各個別ビデオツールの一部として、または様々な異なるビデオツールに適用可能なビデオツール部143の一般的機能とみなしてもよい。
【0028】
一般に、メモリ部140は、ワーク20の取得画像が所望の画像特性を有するように、ビジョンシステムコンポーネント部200を動作させてワーク20の画像を捕捉または取得するために利用可能なデータを記憶する。メモリ部140はまた、検査結果データを記憶してもよく、さらに、手動または自動で、取得画像に様々な検査および測定動作を実行するようにマシンビジョン検査システム100を動作させるために(例えば、一部はビデオツールとして実行される)、および入力/出力インターフェース130を介して結果を出力するために利用可能なデータを記憶してもよい。メモリ部140にはまた、入力/出力インターフェース130を介して動作可能なグラフィカルユーザインターフェースを定義するデータを含んでもよい。
【0029】
透過照明光源220、落射照明光源230、および表面光源240の信号線またはバス221、231および241は、それぞれ全て、入力/出力インターフェース130に接続される。カメラシステム260からの信号線262および制御可能モータ294からの信号線296は、入力/出力インターフェース130に接続される。画像データを搬送することに加えて、信号線262は、画像取得を開始する、コントローラ125からの信号を搬送してもよい。
【0030】
1つまたは複数の表示装置136(例えば、図1のディスプレイ16)ならびに1つまたは複数の入力装置138(例えば、図1のジョイスティック22、キーボード24およびマウス26)もまた、入力/出力インターフェース130に接続することができる。表示装置136および入力装置138は、ユーザインターフェースを表示するために用いることができるが、このユーザインターフェースには、検査動作を実行するために、および/またはカメラシステム260によって捕捉された画像を見るためにパートプログラムを生成し、かつ/もしくは修正するために、および/またはビジョンシステムコンポーネント部200を直接制御するために利用可能な様々なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)機能を含んでもよい。
【0031】
様々な例示的な実施形態において、ユーザが、マシンビジョン検査システム100を用いてワーク20用のパートプログラムを生成する場合に、ユーザは、ワークプログラミング言語を用いて、自動、半自動もしくは手動で命令を明示的に符号化することによって、またはマシンビジョン検査システム100を学習モードで動作させて所望の画像取得訓練シーケンスを提供することにより命令を生成することによって、パートプログラム命令を生成する。例えば、訓練シーケンスには、視野(FOV)におけるワーク特徴の配置、照明レベルの設定、合焦または自動合焦、画像の取得、および(例えば、ビデオツールを用いた、)画像に適用される検査訓練シーケンスの提供を含んでもよい。学習モードは、シーケンスが捕捉または記録されて、対応するパートプログラム命令に変換されるように、動作する。これらの命令は、パートプログラムが実行された場合には、パートプログラムを生成する場合に用いられたワークと一致するワークを自動で検査するために、マシンビジョン検査システムに、訓練された画像取得および検査動作を再現させる。
【0032】
ワーク画像における特徴を検査するために用いられるこれらの解析および検査方法は、典型的には、メモリ140のビデオツール部143に含まれる様々なビデオツールにおいて具体化される。多くの周知のビデオツールまたは略して「ツール」が、上記したビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよび関連するQVPAK(登録商標)ソフトウェアなどの市販のマシンビジョン検査システムに含まれる。
【0033】
図3は、エッジ位置動作と関連するワークエッジ特徴320の画像における走査線に沿った信号強度プロファイル300Bの対応するセットと整列された代表的ワーク上の特徴の断面図300Aを示す。以下でより詳細に説明するように、信号強度プロファイルセット300Bは、透過照明画像において検出されたエッジ位置ELspと、落射照明画像において検出されたエッジ位置ELcpとの間の差を示す。
【0034】
ワークエッジ特徴320には、落射照明光232を撮像システムの方へ反射し、かつ透過照明光222をブロックする不透明部321と、透過照明光222を撮像システムの方へ透過させる透過部322(例えば、透明基板、穴、または単にワーク材料がない、エッジを超えた領域)と、含まれる。換言すれば、落射照明光は、不透明部321の画像を形成するワーク光源255の主な生成要因であり、透過照明光は、透過部322の画像を形成するワーク光255の主な生成要因である。信号強度プロファイルセット300Bは、落射照明画像プロファイルCPおよび透過照明画像プロファイルSPを示す。落射照明画像プロファイルCPは、ワークエッジ特徴320が、落射照明光源230からの落射照明光232で照明されてエッジ特徴320の落射照明画像を形成する場合の(例えば、画像検出画素線に沿った)エッジ検出走査線に対応する。透過照明画像プロファイルSPは、ワークエッジ特徴320が、透過照明光源220からの透過照明光222で照明されてエッジ特徴320の透過照明画像を形成する場合のエッジ検出走査線に対応する。
【0035】
落射照明画像プロファイルCPは、(例えば、マシンビジョン検査システムのビデオツールにおいて用いられる最大勾配エッジ検出器など、既知のタイプのエッジ検出アルゴリズムを適用することによって決定されるような)落射照明画像プロファイルCPのデータに基づいて決定されるエッジ位置ELcpを示す。同様に、透過照明画像プロファイルSPは、(例えば、マシンビジョン検査システムのビデオツールにおいて用いられる既知のタイプのエッジ検出アルゴリズムを適用することによって決定されるような)透過照明画像プロファイルSPのデータに基づいて決定されるエッジ位置ELspを示す。以下で説明するように、検出されたエッジ位置間には、(ELsp−ELcp)に等しい差δがある。
【0036】
サブピクセルおよび/またはサブマイクロメートルレベルの照明依存エッジ位置誤差は、検出および/または特徴付けるのが困難な場合がある。先行技術の方法は、オフセット誤差補正係数を決定するために精密基準対象物を使用した。しかしながら、基準対象物の製造公差および/または熱膨張が、かかる照明依存エッジ位置誤差と同じ程度になり得るので、かかる従前の方法は、それらが基準対象物を用いるという理由と同様に、マシンビジョン検査システムの多くのユーザのスキルを超えてそれらが複雑であるという理由で望ましくない。さらに、いくつかの先行技術の方法は、制限のある検出器解像度への配慮を欠くために、サブピクセルレベルの誤差を低減するためには適用できない可能性がある。
【0037】
本発明者らは、透過照明システムが、(例えば、精密基準対象物の製造における不確実性の範囲内の)正確なエッジ位置結果をもたらす画像を提供し得ることが分かった。ワーク画像を照明するために光ジェネレータからの光をコリメートする透過照明システムは、特に正確なエッジ位置を提供し、かつワーク間の比較的低いばらつきを示し得る。いくつかの実施形態において、拡散プレートにコリメート光を通過させる透過照明システムは、同様に、正確なエッジ位置を提供し得る。様々なタイプのワーク用に、透過照明「陰影」画像を形成する光が、一般に、表面またはエッジ半径等から反射されないことが理解されよう。したがって、透過照明画像は、反射光画像に影響する材料およびエッジプロファイル変動に比較的影響されない可能性がある。本明細書で開示する方法は、透過照明光を用いてエッジを測定し、その測定値を正確な基準測定値として用いる。その同じエッジは、落射照明光を用いて測定してもよく、エッジ位置における差(上記で概説した差δ)を、記憶し、かつ落射照明エッジ位置補正係数として用いてもよい。いくつかの実施形態において、検出器および/もしくは光学欠陥による誤差ならびに/または運動システム測定誤差を除去するために、差を決定するために用いられる画像の取得間にエッジが移動されないことが望ましい。本発明者らは、落射照明画像が、透過照明画像を用いた位置測定誤差より10倍も大きいエッジ位置誤差を示す可能性があることが分かった。本明細書で開示されるように落射照明エッジ位置補正係数を決定し適用することは、様々な用途に対して約2〜5倍、またはそれを超えて落射照明エッジ位置誤差を低減することが示された。
【0038】
落射照明エッジ位置補正係数が、特定の極性を有することを理解されたい。すなわち、オフセット誤差は、エッジのより明るい側またはエッジのより暗い側に向かっている。多くのエッジにとって、落射照明画像は、エッジのより明るい側へ向かうオフセット誤差を含むエッジの明白な位置をもたらす。したがって、かかる場合に、落射照明エッジ位置補正係数は、エッジのより暗い側へさらに向かうようにエッジ位置を補正するために適用される。この理由で、いくつかの実施形態において、落射照明エッジ位置補正係数には、それが全体的に適用され得るような大きさおよび極性の両方が含まれ、照明依存補正モード部の動作には、画像におけるエッジの極性を決定すること、および画像に対する適切な極性でエッジ位置を補正するために補正係数を適用することを含んでもよい。様々な実施形態において、落射照明エッジ位置補正係数はまた、エッジに直角な方向に沿って決定および適用してもよい。
【0039】
前に示したように、サブピクセルレベルのオフセット誤差を低減するために、制限のある検出器解像度を考慮することが必要になる場合がある。図4は、マシンビジョン検査システムの視野400を示すが、この視野400には、非常に高しい精度を備えた落射照明エッジ位置補正係数を決定するために有利になり得る構成を有するエッジ特徴420a−420dを含むワークが含まれる。
【0040】
視野400には、正方形不透明部421および透過部422が含まれ、これらは、図3の不透明部321および透過部322に対して前に説明したように動作し得る。正方形形状は、例示であり限定ではない。図示の関心領域ROIa、ROIb、ROIcおよびROIdは、様々なエッジ特徴420a−420dを測定するように構成されたそれぞれのエッジ位置ビデオツール143edに関連付けられる。ビデオツールの第1のインスタンスは、それらのそれぞれのエッジを透過照明画像を用いて測定してもよく、ビデオツールの第2のインスタンスは、それらのそれぞれのエッジを落射照明画像を用いて測定してもよい。場合によっては、複数回および/または複数の位置で、落射照明光および透過照明光を用いてエッジ位置の差を測定し、光学装置もしくは検出器の不揃いまたは振動等から生じる、局所的または一時的な測定ノイズ源を含みにくい平均値に基づいて、落射照明エッジ位置補正係数を決定することが有利である。
【0041】
さらに、関心領域ROIa〜ROIdにおけるエッジが、検出器の行および列方向に対して回転されることが理解されよう。したがって、様々な走査線SLは、各走査線に沿ってエッジと画素との間の異なる関係で信号強度プロファイルをサンプリングする。エッジ位置は、ROIにおける複数の走査線から決定される。実際には、これは、検出器画素間隔より高密度のサンプリングでエッジ信号強度プロファイルをサンプリングすることとほぼ同様であり、かつより高い解像度でエッジ位置を決定できるようにする。これは、サブピクセルオフセット誤差を補正しようと試みる場合には重要になり得る。
【0042】
さらに、正方形不透明部421が、既知の寸法を有する対象物である場合に、正方形の対向する側の透過照明測定値間の距離は、必要に応じて、正方形の既知の寸法と比較し、透過照明測定値が無視できるオフセット誤差しか有しないことを検証してもよい。
【0043】
図5は、後続のエッジ位置測定値用の照明依存補正を提供するために用いられる落射照明エッジ位置補正係数を決定するために、マシンビジョン検査システムを動作させるための方法およびルーチンを概説する流れ図500である。
【0044】
ブロック510において、マシンビジョン検査システムが提供されるが、このマシンビジョン検査システムには、撮像システム(例えば、光学アセンブリ205)と、ワークステージ(例えば、ワークステージ210)と、撮像システムの対物レンズ(例えば、対物レンズ250)からワークステージの方へ落射照明光(例えば、落射照明光232)を投射する落射照明光投射部(例えば、落射照明光源230)と、ワークステージから撮像システムの方へ透過照明光(例えば、透過照明光222)を投射する透過照明光投射部(例えば、透過照明光源220)と、制御システム(例えば、制御システム部120)と、が含まれる。
【0045】
ブロック520において、ワークのエッジ特徴(例えば、エッジ特徴320または420)が撮像システムの視野(例えば、視野400)にある状態でワーク(例えば、ワーク20)がワークステージ上に配置され、この場合に、エッジ特徴には、落射照明光を撮像システムへ反射する領域(例えば、不透明部321または421)と、透過照明光を撮像システムへ透過させる領域(例えば、反射部322または422)との間の境界が含まれる。
【0046】
ブロック530において、エッジ特徴は、視野の第1の位置で安定的に保持され、エッジの第1の画像が、落射照明光および透過照明光のうちの一方を用いて取得される。
【0047】
ブロック540において、エッジ特徴は、視野の第1の位置で安定的に保持され、エッジの第2の画像が、落射照明光および透過照明光のうちの他方を用いて取得される。
【0048】
ブロック550において、第1のエッジ位置測定値が、第1の画像におけるエッジ特徴の画定された部分用に決定される。例えば、第1のエッジ位置測定値は、落射照明画像プロファイルCPもしくは透過照明画像プロファイルSPの最初の1つの解析、または第1の画像におけるエッジを横切るそれぞれの走査線における複数のかかるプロファイルの解析に基づいて決定してもよい。
【0049】
ブロック560において、第2のエッジ位置測定値が、第2の画像におけるエッジ特徴の画定された部分用に決定される。例えば、第2のエッジ位置測定値は、落射照明画像プロファイルCPもしくは透過照明画像プロファイルSPのもう一方の解析、または第1の画像におけるエッジを横切るそれぞれの走査線における複数のかかるプロファイルの解析に基づいて決定してもよい。
【0050】
ブロック570において、落射照明エッジ位置補正係数が、第1のエッジ位置測定値と第2のエッジ位置測定値との間の差に基づいて(例えば、差δに基づいて)決定される。
【0051】
ブロック580において、落射照明エッジ位置補正係数は、落射照明光を用いて取得された画像に基づいた後続のエッジ位置測定値を補正するために記憶される。図2の例示的な実施形態において、落射照明エッジ位置補正係数は、メモリ140の照明補正係数部140cfに記憶される。
【0052】
いくつかの実施形態または用途において、エッジ位置補正係数は、落射照明光を用いるブロック550または560のやり方と類似したやり方で決定された測定値を調整するために用いてもよい。かかる場合に、方法には、追加ステップ、すなわち、落射照明光を用いてエッジ特徴の後続の画像を取得するステップと、後続の画像におけるエッジ特徴用のエッジ位置測定値を決定するステップと、このエッジ位置測定値を、落射照明エッジ位置補正係数に基づいて調整することによって補正するステップと、を含んでもよい。これらのステップは、図2の照明依存補正モード部143idcを介して実行してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、流れ図500に示す方法およびルーチンには、1つのエッジまたは複数のエッジおよび/または異なるエッジ方向用に、ブロック510〜560におけるステップを繰り返し実行することが含まれ、次に、ブロック570において、落射照明エッジ位置補正係数は、例えば、結果として得られる複数のそれぞれ第1および第2のエッジ位置測定値に基づいて、または結果として得られるそれぞれ第1および第2のエッジ位置測定値の差の平均に基づいて、または図4に関連して前に概説したように、決定される。
【0054】
いくつかの実施形態またはいくつかのパートプログラムにおいて、落射照明エッジ位置補正係数は、所望のワーク(例えば、較正対象物または標準ワーク)に基づいて決定され、全体的に適用される。すなわち、それは、様々なワークおよび/またはエッジに対する実行モード動作中に測定された落射照明画像エッジ位置を補正するために用いられる。
【0055】
いくつかの実施形態において、または特定のパートプログラムを生成する場合に、落射照明エッジ位置補正係数は、(例えば、流れ図500に示す方法およびルーチンを用いて)学習モード中に特定の代表的ワーク用に決定し、類似のワークに対する実行モード動作中に、その代表的ワークの落射照明画像の代わりに全体的に適用してもよい。別の場合に、いくつかの実施形態において、またはあるパートプログラムを生成する場合に、落射照明エッジ位置補正係数は、学習モード中に代表的ワークにおける特定のエッジ構成用に決定し、類似のワークに対する実行モード動作中に、その特定のエッジ構成の落射照明画像にのみ適用してもよい。透過照明画像と比較して、落射照明画像におけるエッジ位置は、エッジの特定の材料および構成(例えば、その厚さ、表面仕上げ、形状等を含む)に一層敏感である。したがって、落射照明エッジ位置補正係数をマシンビジョン検査システムにおいて全体的に適用することによって、落射照明画像エッジ位置誤差が最初の段階まで低減され得ることが理解されよう。誤差低減のさらなる段階が、代表的ワークを用いて学習モード動作中に決定されるワーク特有の落射照明エッジ位置補正係数を適用することを含む実行モード動作を実行するパートプログラムを用いて達成可能である。誤差低減のさらなる段階が、(例えば、特定のエッジにおけるビデオツールの特定インスタンス用の)エッジ特有の落射照明エッジ位置補正係数であって、代表的ワークにおけるその特定のエッジおよび/またはビデオツールインスタンス用に学習モード動作中に決定されたエッジ特有の落射照明エッジ位置補正係数を適用することを含む実行モード動作を実行するパートプログラムで達成可能である。
【0056】
いくつかの実施形態において、落射照明エッジ位置補正係数に基づいて落射照明画像エッジ位置を補正するための、本明細書で開示する方法は、マシンビジョン検査システムのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)におけるユーザ選択に基づいて適用してもよい(または適用しなくてもよい)。GUIは、マシンビジョン検査システムの制御システムを用いて実現してもよい。いくつかの実施形態において、GUIには、GUIに含まれるビデオツールパラメータリスト/編集ボックスに含まれた照明依存補正セレクタ(例えば、チェックボックスまたはラジオボタン)を含んでもよい。GUIには、次のものを含んでもよい。すなわち、補正方法が、パートプログラム内の全ての落射照明画像におけるエッジ検出に全体的に適用されるかどうかを決定するグローバル照明依存補正セレクタ(例えば、デフォルトリスト/編集ボックスにおけるチェックボックス)、および/またはツール特有の照明依存補正セレクタ(例えば、落射照明画像に適用されるビデオツールの特定のインスタンス用のツールパラメータリスト/編集ボックスにおけるチェックボックス)であって、補正方法が、パートプログラム内のビデオツールのその特定のインスタンスにおいてエッジ検出に適用されるかどうかを決定するツール特有の照明依存補正セレクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、それぞれの落射照明エッジ位置補正係数は、異なるタイプのエッジ特徴(例えば、厚い銅エッジ、薄い金エッジ、薄いクロムエッジ等)用に決定してもよく、GUIには、特定のワークまたはビデオツールの特定のインスタンス用に実行される、それぞれの補正係数の特定の1つをユーザが選択できるようにする1つまたは複数のセレクタを含んでもよい。
【0057】
本発明の様々な好ましい例示的な実施形態を図示し説明したが、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、これらの実施形態において様々な変更をなし得ることが理解されよう。
【符号の説明】
【0058】
10・・・マシンビジョン検査システム 12・・・ビジョン測定機 14・・・制御コンピュータシステム 16・・・ディスプレイ 18・・・プリンタ 20・・・ワーク 22・・・ジョイスティック 24・・・キーボード 26・・・マウス 32・・・可動ワークステージ 34・・・光学撮像システム 100・・・マシンビジョン検査システム 120・・・制御システム部 125・・・コントローラ 130・・・入力/出力インターフェース 131・・・撮像制御インターフェース 132・・・運動制御インターフェース 132a・・・位置制御要素 132b・・・速度/加速制御要素 133・・・照明制御インターフェース 133a〜133n・・・照明制御要素 134・・・レンズ制御インターフェース 136・・・表示装置 138・・・入力装置 140・・・メモリ 140cf・・・照明補正係数部 141・・・画像ファイルメモリ部 142・・・ワークプログラムメモリ部 143・・・ビデオツール部 143a・・・ツール部 143idc・・・照明依存補正モード部 143ed・・・エッジ検出ビデオツール 143m・・・ツール部 143x・・・関心領域ジェネレータ 170・・・ワークプログラムジェネレータおよび実行器 190・・・電源部 200・・・ビジョンコンポーネント部 205・・・光学アセンブリ 210・・・ワークステージ 212・・・中央透明部 220・・・透過照明光源 221、231、241、281・・・信号線またはバス 222、232、242・・・光源光 230・・・落射照明光源 240・・・表面光源 250・・・対物レンズ 255・・・ワーク光 260・・・カメラシステム 262・・・信号線 280・・・タレットレンズアセンブリ 284・・・軸 286、288・・・レンズ 294・・・制御可能モータ 296・・・信号線 320・・・ワークエッジ特徴 321・・・不透明部 322、422・・・透過部 400・・・視野 420a〜420d・・・エッジ特徴 421・・・正方形不透明部 CP・・・落射照明画像プロファイル ELcp・・・エッジ位置 ELsp・・・エッジ位置 ROIa〜ROId・・・関心領域 SL・・・走査線 SP・・・透過照明画像プロファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像システムと、可動ワークステージと、前記撮像システムの対物レンズから前記ワークステージの方へ落射照明光を投射する落射照明光投射部と、前記ワークステージから前記撮像システムの方へ透過照明光を投射する透過照明光投射部と、制御システムと、を含むマシンビジョン検査システムの動作において歪んだ落射照明エッジ位置を補正するための方法であって、
(a)ワークのエッジ特徴が前記撮像システムの視野にあるように前記ワークを前記ワークステージ上に配置するステップであって、前記エッジ特徴が、落射照明光を前記撮像システムへ反射する領域と、透過照明光を前記撮像システムへ透過させる領域との間の境界を含むステップと、
(b)前記視野の第1の位置に前記エッジ特徴を安定的に保持し、かつ前記落射照明光および前記透過照明光のうちの一方を用いて前記エッジの第1の画像を取得するステップと、
(c)前記視野の前記第1の位置に前記エッジ特徴を安定的に保持し、かつ前記落射照明光および前記透過照明光のうちの他方を用いて前記エッジの第2の画像を取得するステップと、
(d)前記第1の画像における前記エッジ特徴の画定された部分用に第1のエッジ位置測定値を決定するステップと、
(e)前記第2の画像における前記エッジ特徴の前記画定された部分用に第2のエッジ位置測定値を決定するステップと、
(f)前記第1のエッジ位置測定値と前記第2のエッジ位置測定値との間の差に基づいて、落射照明エッジ位置補正係数を決定するステップと、
(g)落射照明光を用いて取得された画像に基づく後続のエッジ位置測定値を補正するための前記落射照明エッジ位置補正係数を記憶するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ステップ(a)〜(e)を複数回実行することをさらに含み、前記エッジ位置補正係数が、前記結果として得られる複数の第1および第2のエッジ位置測定値に基づいてステップ(f)で決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(a)〜(e)が、複数の異なるエッジ用に実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(h)前記落射照明光を用いて、ワークにおけるエッジ特徴の後続の画像を取得するステップと、
(i)前記後続の画像における前記エッジ特徴用のエッジ位置測定値を決定するステップと、
(j)そのエッジ位置測定値を、前記落射照明エッジ位置補正係数に基づいて調整することによって補正するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ(h)、(i)および(j)の動作が、照明依存エッジ位置補正動作を含むエッジ検出ビデオツールの動作によって実行される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(a)〜(g)が、前記マシンビジョン検査システムの学習モード動作中に特定の代表的ワーク用に実行され、
前記ステップ(h)〜(j)の動作が、照明依存エッジ位置補正動作を含むエッジ検出ビデオツールに関連する訓練に基づいてパートプログラムに記録され、前記訓練が、前記学習モード動作中に、その特定の代表的ワークを用いて実行され、
前記ステップ(h)、(i)および(j)の動作が、前記マシンビジョン検査システムの実行モード動作中に、前記代表的ワークと類似のワーク用に前記パートプログラムを実行することによって実行される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップ(a)〜(g)が、前記マシンビジョン検査システムの学習モード動作中に前記代表的ワークにおける特定のエッジ用に実行され、
前記ステップ(h)〜(j)の動作が、照明依存エッジ位置補正動作を含むエッジ検出ビデオツールに関連する訓練に基づいてパートプログラムに記録され、前記訓練が、前記学習モード動作中に、前記代表的ワークにおけるその特定のエッジ用いて実行され、
前記ステップ(h)、(i)および(j)の動作が、前記マシンビジョン検査システムの実行モード動作中に、前記代表的ワークと類似のワーク用に前記パートプログラムを実行することによって実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
照明依存エッジ位置補正動作を含む前記エッジ検出ビデオツールが、ステップ(j)が実行されるか否かを決定する照明依存補正セレクタを含むグラフィカルユーザインターフェースを含み、前記方法が、ステップ(j)が実行されるように前記照明依存補正セレクタを設定する、前記マシンビジョン検査システムのユーザを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つのそれぞれの落射照明エッジ位置補正係数が記憶されるように、前記ステップ(a)〜(g)が、第1のタイプのエッジ特徴用に実行され、かつ前記ステップ(a)〜(g)が、第2のタイプのエッジ特徴用に実行され、
前記方法が、
(h)前記落射照明光を用いて、ワークにおけるエッジ特徴の後続の画像を取得するステップと、
(i)前記後続の画像における前記エッジ特徴用のエッジ位置測定値を決定するステップと、
(j) そのエッジ位置測定値を、落射照明エッジ位置補正係数に基づいて調整することによって補正するステップと、
を実行するために照明依存エッジ位置補正動作を含むエッジ検出ビデオツールを用いることをさらに含み、
前記マシンビジョン検査システムが、前記それぞれの落射照明エッジ位置補正係数のどれがステップ(j)において適用されるかをユーザが選択できるようにする選択機能を含むグラフィカルユーザインターフェースを含み、前記方法が、その選択機能を動作させる、前記マシンビジョン検査システムのユーザを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記透過照明光投射部が、コリメート光を出力する光ジェネレータおよびコリメート光学装置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記透過照明光投射部が、前記コリメート光を入力し、かつ少なくとも部分的に拡散した透過照明光を出力する出力光拡散器を含む、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−198208(P2012−198208A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−62642(P2012−62642)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】