説明

著作物販売方法及びシステム

【課題】著作物の保護と流通促進とを共に実現することができる著作物販売方法及びシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、管理サーバが、著作物の暗号化データを取得したクライアント端末に対して、この著作物の付属情報により認証を行い、認証後に、クライアント端末において暗号化データを復号化させて可読可能著作物を生成させ、また著作物データを再暗号化させてクライアント配布用ファイルを生成させるとともに、著作物を取得したクライアントに対しては著作物の購入代金を確実に徴収する一方、その代金の一部を著作物の提供者には著作権料として、及び著作物を配布したクライアントには配布報酬として自動的に分配するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、著作物販売方法及びシステムに関し、詳細には、著作物を取得するクライアントに対しては確実に購入代金を徴収する一方、その著作物を他のクライアントに配布したクライアントには徴収した購入代金の一部を自動的に分配することにより、著作物の流通促進と保護とを同時に実現することができる著作物販売方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、インターネット等の情報通信技術の発展に伴い、著作物がネットワークを通じて容易に取得されるようになっている。一方、かかる情報通信技術の発展により、携帯電話やパーソナルコンピュータを用いて音楽や映像、出版物等が違法にダウンロードされる事態も増加している。
【0003】
このような著作物の違法取得は、著作権者や制作会社に不当な減収をもたらし、これらの者の新たな創作に対するインセンティブを奪う要因ともなっている。それゆえ、このような著作物の違法取得は、産業や文化の発展を阻害するおそれもはらんでいる。
【0004】
このような事態を解消するため、今日では、様々な著作物等の保護システムが発案されている。このようなシステムとしては、例えば、(1)著作権保護情報が改ざんされた場合に視聴不可の制御を行うシステム(特開2008−141764号公報参照)、(2)著作物に雑音を付加することによって高音質の音楽著作物の著作権を保護するシステム(特開2004−151512号公報参照)、(3)著作物データの不正ダウンロードを防止することにより著作権を保護するシステム(特開2004−260865号公報)等が存在している。
【0005】
詳述すると、(1)のシステムは著作権保護用の情報であるデジタルコピー制御記述子及びコンテント利用記述子に改ざんがあるかを検出し、改ざんが検出された場合は視聴不可等の制御を行って改ざんを抑制するシステムである。(2)のシステムは、第一及び第二の雑音信号源により音楽や映像等の信号に雑音を付加し又は付加した雑音を除去することにより著作物を適正保護するシステムである。また、(3)のシステムは、著作物データの再生鍵データを、ホストコンピュータによって1次暗号化し、更に販売元コンピュータによって2次暗号化することにより、著作物データの不正ダウンロードを防止するシステムである。すなわち、(1)、(2)及び(3)のシステムは、いずれも著作物の不正コピー等を防止し、著作物の利用者を制限することによって著作物の保護を図るシステムである。
【0006】
このようなシステムは、著作物等の流通を制御するという点からは一定の効果があると思われる。しかし、著作権者や制作会社には、本来、自らの著作物等を世に広く流通させたいという思いがある。また同時に、著作権者や制作会社は、著作物等を広く流通させ、流通量に見合った報酬を得たいとの思いも有している。さらに、購入代金を支払って、著作物を取得したクライアントも、取得した著作物を第三者に配布することにより配布報酬がもらえるのであれば著作物の取得費用を回収できるので、危険を冒して違法取得する必要はない。従って、著作物の保護システムとしては、著作物を取得したクライアントに対して確実に課金を行う一方、このクライアントがこの著作物を第三者に配布した場合には配布報酬を与えて購入代金回収の機会を付与することにより著作物の流通を促進させるシステムの方が望ましい。このようなシステムによれば、著作物を世に広く流通させ、産業及び文化の発展を促進するとともに、著作物の不正取得も低減することができる。しかし、このような要求を満たす著作物販売方法及びシステムは現在のところ存在していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−141764号公報
【特許文献2】特開2004−151512号公報
【特許文献3】特開2004−260865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、著作物を取得したクライアントに対しては確実に購入代金を徴収するとともに、著作物の提供者や取得した著作物を他のクライアントに配布したクライアントへその代金の一部を分配することにより、著作物の保護と流通促進とを同時に実現することのできる著作物販売方法及びシステムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた発明は、
通信ネットワークを介して複数のクライアント端末に接続可能に構成される管理サーバを用いて、著作物の販売を行う方法であって、
複数のクライアント端末からのアクセスに応じてこれらのクライアントを登録するクライアント登録ステップと、
著作物の提供者を登録する提供者登録ステップと、
提供者から提供され、管理サーバに入力された著作物データを暗号化する著作物暗号化ステップと、
著作物の識別情報を付属情報として記録する付属情報記録ステップと、
上記著作物の暗号化データと上記付属情報からなる1次クライアント配布用ファイルを1次クライアント端末に送達するファイル送達ステップと
を有するとともに、
上記1次クライアント配布用ファイルを管理サーバから送達され、又は1次クライアント端末から直接若しくは1以上のクライアント端末を介して順次配布されることによって、n次(nは1以上の自然数)クライアント配布用ファイルを取得したn次クライアント端末がある場合、
n次クライアント端末からのアクセスに基づき、上記付属情報の照合により認証する認証ステップと、
認証後、付属情報にn次クライアント情報を追加する付属情報更新ステップと、
n次クライアント端末において、著作物の暗号化データを復号化させ、可読可能著作物を生成させる可読可能著作物生成ステップと、
n次クライアント端末において、付属情報にn次クライアント情報を追加し更新させるとともに、著作物を再暗号化させて、(n+1)次クライアント配布用ファイルを生成させる配布用ファイル生成ステップと、
n次クライアントから著作物購入代金を徴収するとともに、提供者には著作権料として、及び付属情報に記録されている1次から(n−1)次のクライアントの全て又は一部には配布報酬として上記代金の一部を分配する課金・分配ステップと
を有することを特徴とする著作物販売方法である。
【0010】
当該著作物販売方法は、クライアントに対して確実に著作物購入代金を徴収することにより、著作物の不正な視聴を防止し、著作物の保護を図ることができる。また、当該著作物販売方法は、徴収した著作物購入代金の一部を著作物の提供者には著作権料として、著作物を他のクライアントに配布したクライアントには配布報酬として分配するので、提供者やクライアントに対して、著作物を提供又は配布することに対するインセンティブを与えることができる。それによって、著作物の流通を促進し、クライアントの数をねずみ算式に増加させることができる。それゆえ、当該著作物販売方法は、著作物の流通とともに増えていく複数のクライアントにより、著作物の流通を促進することができる。その上、当該著作物販売方法においては、配布等される著作物データは暗号化されており、その暗号化データを復号化して視聴するためには、クライアント端末は管理サーバへアクセスし、認証及び課金の手続を経る必要がある。従って、クライアント登録を行っていない第三者がこの著作物を取得したとしても、当該著作物を視聴することができない。このように、当該著作物販売方法は、高いセキュリティ性を有している。
【0011】
上記ファイル送達ステップが、1次クライアント端末からのアクセスに基づき、ネットワークを通じて1次クライアント配布用ファイルを送信するものであるとよい。これにより、提供者によって提供された著作物を取得したい1次クライアントは、極めて容易に当該著作物を取得することができる。その結果、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0012】
上記提供者登録ステップが提供者端末からのアクセスに応じて行われるとともに、
提供者端末から送信される著作物データを受信する著作物受信ステップを
さらに有するとよい。これにより、著作物の提供者は、新たに著作物を制作して提供する際に、この著作物を管理サーバに直接送信することによって、極めて容易に著作物を提供することができる。また、当該著作物販売方法は、多数の著作物を提供することが容易であるため、提供される著作物の数が増加する結果、クライアントの全体数を格段に増加させることができる。これにより、当該著作物販売方法は、1件あたりの著作物購入代金の額を低く設定しても十分な収益を上げることができるため、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0013】
上記付属情報が、クライアント端末によるファイルの累積取得回数の情報をさらに含み、上記累積取得回数が規定値に達したときに、ファイルの更なる配布を制限することができるとよい。これにより、著作物の提供者等が著作物の流通拡大に一定の限度を設けることができるとともに、いわゆるネズミ講と称されるマルチ販売方法となることを防止できる。
【0014】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合に、
上記課金・分配ステップが、付属情報に記録されている1次から(n−1)次のクライアントの全てに上記代金の一部を分配することができるとよい。これにより、著作物を取得する全てのクライアントに対して著作物の配布に対するインセンティブを与えることができ、ひいては著作物の流通をさらに促進することができる。
【0015】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配ステップが、分配するクライアントを制限することができるとよい。これにより、分配するクライアントが多くなることで配布報酬が減少することに起因して、著作物の配布に対するインセンティブが低減するのを抑制することができる。また、当該著作物販売方法は、徴収した著作物購入代金の一部を著作物の流通に対する貢献度に応じて適正に分配することができる。
【0016】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配ステップが、次数nの値が大きいほど配布報酬を多く分配することができるとよい。これにより、新たに著作物を取得したクライアントまでの流通経路が短いクライアントほど、配布報酬を多く分配される。すなわち、徴収した購入代金の一部は、その著作物を取得したクライアントに直接配布したクライアントに最も多く分配される。そのため、クライアントに対して著作物を配布することについての強いインセンティブを与えることができる。それによって、当該著作物販売方法は、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0017】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配ステップが、次数nの値が小さいほど配布報酬を多く分配することができることも好ましい。これにより、著作物の提供者からの流通経路が短いクライアントほど、配布報酬を多く分配される。すなわち、徴収した購入代金の一部は、低次のクライアントに多く配分される。それゆえ、当該著作物販売方法は、低次のクライアントを大量に獲得することができ、クライアント1人当たりの配布する回数を向上させることができる。そのため、各々のクライアントに著作物を配布することに対する強いインセンティブを与えることができる。それによって、当該著作物販売方法は、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0018】
従って、
通信ネットワークを介して複数のクライアント端末に接続可能に構成される管理サーバを用いて、著作物の販売を行うシステムであって、
上記管理サーバが、
複数のクライアント端末からのアクセスに応じてこれらのクライアントを登録するクライアント登録手段と、
著作物の提供者を登録する提供者登録手段と、
提供者から提供され、管理サーバに入力された著作物データを暗号化する著作物暗号化手段と、
上記著作物の識別情報を付属情報として記録する付属情報記録手段と、
上記著作物の暗号化データと付属情報からなる1次クライアント配布用ファイルを1次クライアントに送達するファイル送達手段と
を有するとともに、
上記1次クライアント配布用ファイルを管理サーバから送達され、又は1次クライアント端末から直接若しくは1以上のクライアント端末を介して順次配布されることによって、n次(nは1以上の自然数)クライアント配布用ファイルを取得したn次クライアント端末がある場合、
n次クライアント端末からのアクセスに基づき、上記付属情報の照合により認証する認証手段と、
認証後、上記付属情報にn次クライアント情報を追加する付属情報更新手段と
を有し、
n次クライアント端末において、著作物の暗号化データを復号化させ、可読可能著作物を生成させ、
n次クライアント端末において、付属情報にn次クライアント情報を追加し更新させるとともに、著作物を再暗号化させて、(n+1)次クライアント配布用ファイルを生成させ、
さらに、
n次クライアントから著作物購入代金を徴収するとともに、提供者には著作権料として、及び付属情報に記録されている1次から(n−1)次のクライアントの全て又は一部には配布報酬として上記代金の一部を分配する課金・分配手段と
を有することを特徴とする著作物販売システムは、クライアントに対して確実に著作物購入代金を徴収することにより、著作物の不正な視聴を防止し、著作物の保護を図ることができる。また、当該著作物販売システムは、徴収した著作物購入代金の一部を著作物の提供者には著作権料として、著作物を他のクライアントに配布したクライアントには配布報酬として分配するので、提供者やクライアントに対して、著作物を提供又は配布することに対するインセンティブを与えることができる。それによって、著作物の流通を促進し、クライアントの数をねずみ算式に増加させることができる。それゆえ、当該著作物販売システムは、著作物の流通とともに増えていく複数のクライアントにより、著作物の流通を促進することができる。その上、当該著作物販売システムにおいては、配布等される著作物データは暗号化されており、その著作物の暗号化データを復号化して視聴するためには、クライアント端末は管理サーバへアクセスし、認証及び課金の手続を経る必要がある。従って、クライアント登録を行っていない第三者がこの著作物を取得したとしても、当該著作物を視聴することができない。このように、当該著作物販売システムは、高いセキュリティ性を有している。
【0019】
上記ファイル送達手段が、1次クライアント端末からのアクセスに基づき、ネットワークを通じて1次クライアント送達用ファイルを送信するものであるとよい。これにより、提供者によって提供された著作物を取得したい1次クライアントは、極めて容易に当該著作物を取得することができる。その結果、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0020】
上記提供者登録手段が、提供者端末からのアクセスに応じて行われるとともに、
提供者端末から送信される著作物データを受信する著作物受信手段を
さらに有するとよい。これにより、著作物の提供者は、新たに著作物を制作して提供する際に、この著作物を管理サーバに直接送信することによって、極めて容易に著作物を提供することができる。また、当該著作物販売システムは、多数の著作物を提供することが容易であるため、提供される著作物の数が増加する結果、クライアントの全体数を格段に増加させることができる。これにより、当該著作物販売システムは、1件あたりの著作物購入代金の額を低く設定しても十分な収益を上げることができるため、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0021】
上記付属情報が、クライアント端末によるファイルの累積取得回数の情報をさらに含み、累積取得回数が規定値に達したときに、ファイルの更なる配布を制限することができるとよい。これにより、著作物の提供者等が著作物の流通拡大に一定の限度を設けることができるとともに、いわゆるネズミ講と称されるマルチ販売システムとなることを防止できる。
【0022】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配手段が、付属情報に記録されている1次から(n−1)次のクライアントの全てに上記代金の一部を分配することができるとよい。これにより、著作物を取得する全てのクライアントに対して著作物の配布に対するインセンティブを与えることができ、ひいては著作物の流通をさらに促進することができる。
【0023】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配手段が、分配するクライアントを制限することができるとよい。これにより、分配するクライアントが多くなることで配布報酬が減少することに起因して、著作物の配布に対するインセンティブが低減するのを抑制することができる。また、当該著作物販売システムは、徴収した著作物購入代金の一部を著作物の流通に対する貢献度に応じて適正に分配することができる。
【0024】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配手段が、次数nの値が大きいクライアントほど配布報酬を多く分配することができるとよい。これにより、新たに著作物を取得したクライアントまでの流通経路が短いクライアントほど、配布報酬を多く分配される。すなわち、徴収した購入代金の一部は、その著作物を取得したクライアントに直接配布したクライアントに最も多く分配される。そのため、クライアントに対して著作物を配布することについての強いインセンティブを与えることができる。それによって、当該著作物販売システムは、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0025】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配手段が、次数nの値が小さいクライアントほど配布報酬を多く分配することができることも好ましい。これにより、著作物の提供者からの流通経路が短いクライアントほど、配布報酬を多く分配される。すなわち、徴収した購入代金の一部は、低次のクライアントに多く配分される。それゆえ、当該著作物販売システムは、低次のクライアントを大量に獲得することができ、クライアント1人当たりの配布する回数を向上させることができる。そのため、各々のクライアントに著作物を配布することに対する強いインセンティブを与えることができる。それによって、当該著作物販売システムは、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0026】
ここで、「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものであり、著作権上保護を必要とするものである。例えば、音楽、映像、各種出版物(雑誌・小説等の電子図書、漫画、申請書、有料マニュアル、パンフレット等)などを挙げることができる。
【0027】
また、「提供者」とは、本発明に係る著作物の著作権者又は著作権者から他人に譲渡する許諾を受けた者であって、当該著作物を所定の媒体によって、直接又は間接に管理サーバに提供した者のことをいう。また、「クライアント」とは、管理サーバから、直接又は間接に著作物を取得する又は取得した者をいう。「1次クライアント」とは、管理サーバから直接又は間接にファイルを取得する又は取得した者をいい、「2次クライアント」とは、1次クライアント端末から配布されたファイルを取得する又は取得した者をいう。「n次クライアント」とは、1次クライアントから順次配布されて(n−1)次クライアントから配布されたファイルを取得する又は取得した者をいう。
【0028】
「送達」とは、管理サーバが1次クライアント端末に対し、直接的又は間接的にファイルを渡すことをいい、その方法は問わない。「送達」のうち、管理サーバと1次クライアント端末を接続するネットワークによって行われる場合を「送信」という。「配布」とは、クライアント端末が他のクライアント端末に対し、直接的又は間接的にファイルを渡すことをいい、その方法は問わない。また、「取得」とは管理サーバ又はクライアント端末がファイルを受け取ることをいい、その方法は問わない。「取得」のうち、ネットワークによって行われる場合を「受信」という。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明の著作物販売方法及びシステムは、著作物を取得したクライアントに対しては著作物の購入代金を確実に徴収する一方、その代金の一部を著作物の提供者には著作権料として、及び著作物を配布したクライアントには配布報酬として自動的に分配することにより、著作物の流通促進と保護とを同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る著作物販売システムを示す概略ブロック図である。
【図2】図1の著作物販売システムにおける動作手順を示すフローチャートである。
【図3】図1の著作物販売システムにおける1次クライアント配布用ファイルの生成手順を示すシーケンス図である。
【図4】図1の著作物販売システムにおける付属情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図1の著作物販売システムにおける1次クライアント配布用ファイルの送信手順を示すシーケンス図である。
【図6】図1の著作物販売システムにおける1次クライアント端末による著作物の視聴手順を示すシーケンス図である。
【図7】図4の付属情報に1次クライアント情報を追加した状態を示す図である。
【図8】図1の著作物販売システムとは異なる形態に係る著作物販売システムを示す概略ブロック図である。
【図9】図8の著作物販売システムにおける動作手順を示すフローチャートである。
【図10】図8の著作物販売システムにおいて管理サーバが提供者端末から著作物データを受信する際の通信手順を示すシーケンス図である。
【図11】図8の著作物販売システムの1次クライアント端末におけるファイルの取得手順及び著作物の視聴手順を示すシーケンス図である。
【図12】図8の著作物販売システムの2次クライアント端末における著作物の視聴手順を示すシーケンス図である。
【図13】図7の付属情報に2次クライアント情報を追加した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。
【0032】
図1の著作物販売システム1は、ネットワーク2と、管理サーバ3と、1次クライアント端末4とを有している。クライアント端末は、実際には、1次クライアント端末4以外にも多数存在しており、1次クライアント端末も複数存在していてもよいが、図1では煩雑さ回避のため、一つに限定して説明する。
【0033】
ネットワーク2は、典型的にはインターネットである。ネットワーク2の伝送媒体としては、イーサネット(登録商標)、光ファイバー若しくは電話回線等の有線媒体又は無線媒体といった様々なものを利用することができる。ネットワーク2は、管理サーバ3と1次クライアント端末4とを直接接続してもよく、また移動通信網用サーバ(図示せず)を介して接続してもよい。
【0034】
管理サーバ3は、クライアント登録手段6と、提供者登録手段7と、著作物暗号化手段8と、付属情報記録手段9と、ファイル送達手段10と、認証手段11と、付属情報更新手段12と、課金・分配手段13とを有している。また、管理サーバ3は、配信管理データベース5に接続している。
【0035】
クライアント登録手段6は、1次クライアント端末4、その他複数のクライアント端末からのアクセスに応じて、これらのクライアントを登録する。これにより、クライアントは、管理サーバ3にアクセスして著作物を購入することが可能になり、また、管理サーバ3や他のクライアントから取得した著作物を視聴することが可能になる。一方、これにより、管理サーバ3は、クライアントに対し、課金及び分配をすることができる。クライアントの登録は、クライアントの情報を管理サーバ3に記録することによって行われる。クライアント登録手段6によって記録されるクライアントの情報としては、ID情報、パスワード、氏名、預金口座情報(口座番号や暗証番号)等を挙げることができる。
【0036】
提供者登録手段7は、著作物の提供者を登録する。これにより、提供者は、管理サーバ3に対し、著作物を提供することが可能になり、また、これにより、管理サーバ3は、提供者に対し、クライアントから徴収された著作物購入代金の一部を著作権料として分配することが可能になる。提供者の登録は、提供者の情報を管理サーバ3に記録することによって行われる。提供者登録手段7によって記録される提供者情報としては、ID情報、パスワード、氏名、預金口座情報(口座番号や暗証番号)等を挙げることができる。
【0037】
著作物暗号化手段8は、提供者から提供され、管理サーバ3に入力された著作物データを暗号化する。
【0038】
付属情報記録手段9は、著作物の識別情報を著作物の付属情報として記録する。付属情報記録手段9によって記録される識別情報としては、著作物のシリアルナンバー等が挙げられる。
【0039】
著作物暗号化手段8によって暗号化された著作物データ及び付属情報から1次クライアント配布用ファイルが構成される。
【0040】
ファイル送達手段10は、1次クライアント配布用ファイルを、1次クライアントに送達する。ファイルの送達は、管理サーバ3と1次クライアント端末4とを接続するネットワーク2を通じて1次クライアント配布用ファイルを送信することによって行われる。ファイルの送達は、管理サーバ3から1次クライアント端末4に直接又は間接に送信される電子メールにファイルを添付することにより行ってもよい。また、ファイルの送達は、電子記録媒体を用いて、1次クライアント配布用ファイルを管理サーバ3から電子記録媒体に複製し、それを1次クライアント端末へ受け渡す方法により行ってもよい。そのような電子記録媒体としては、一般的にはUSBメモリ、SDメモリ、CD−R、DVD−R等を使用することができる。
【0041】
認証手段11は、1次クライアント配布用ファイルを取得した1次クライアント端末4からのアクセスに基づき、取得したファイルの付属情報の参照により認証する。具体的には、認証手段11は、付属情報記録手段9によって予め記録されている著作物の識別情報と、1次クライアント端末4から送信される1次クライアント配布用ファイルを構成する付属情報にある識別情報とを照合する。認証手段11は、両者が一致しているか否かを判断し、一致している場合に1次クライアント端末4が取得した著作物のファイルが正規のものであると認証する。
【0042】
付属情報更新手段12は、1次クライアント端末4が取得した著作物のファイルが正規のものであると認証した場合には、付属情報記録手段9によって予め記録されている著作物の付属情報に1次クライアント情報を追加して更新する。
【0043】
課金・分配手段13は、1次クライアントに対して著作物購入代金を徴収するとともに、著作物提供者に提供報酬としてその代金の一部を分配する。また、課金・分配手段13は、管理サーバ3の管理者に著作物管理手数料を分配する。課金・分配手段13は、配信管理データベース5との通信によって課金・分配処理を行う。
【0044】
配信管理データベース5は、課金・分配手段13と協働して、著作物の提供者、1次クライアント及び管理サーバ3の管理者の預金口座を管理する。すなわち、配信管理データベース5は、課金・分配手段13によって送信される課金及び分配に関する情報を基に著作物の提供者、1次クライアント及び管理サーバ3の管理者の預金額の増減を行うとともに、これらの者の預金状況を蓄積する。
【0045】
管理サーバ3は、システム的には、CPU等からなる制御部、ROM、RAM、ハードディスク、モニター、キーボードなどを備えるコンピュータにより構成されている。クライアント登録手段6、提供者登録手段7、著作物暗号化手段8、付属情報記録手段9、ファイル送達手段10、認証手段11、付属情報更新手段12、及び課金・分配手段13は、管理サーバ3のROM、ハードディスク等に記憶されているコンピュータプログラムに基づいて制御部が各部を制御することで機能するよう構成されている
【0046】
1次クライアント端末4は、ファイル取得手段14、可読可能著作物生成手段15、配布用ファイル生成手段16、ファイル配布手段17を有している。
【0047】
ファイル取得手段14は、管理サーバ3から送達された1次クライアント配布用ファイルを取得する。当該ファイルの取得は、管理サーバ3と1次クライアント端末4とを接続するネットワーク2を通じて、1次クライアント配布用ファイルを受信することによって行われる。ファイルの取得は、管理サーバ3から1次クライアント端末4に直接又は間接に送信されたファイルが添付された電子メールを受信することにより行ってもよい。また、ファイルの取得は、管理サーバ3によって複製された1次クライアント配布用ファイルを保存した電子記録媒体により行ってもよい。そのような電子記録媒体としては、一般的にはUSBメモリ、SDメモリ、CD−R、DVD−R等を使用することができる。
【0048】
可読可能著作物生成手段15は、1次クライアント端末4によって取得された1次クライアント配布用ファイルを構成する著作物の暗号化データを復号化し、可読可能著作物を生成する。
【0049】
配布用ファイル生成手段16は、1次クライアント端末4によって取得された1次クライアント配布用ファイルを構成する付属情報に1次クライアント情報を追加して更新させるとともに、著作物データを再暗号化する。このようにして、著作物の再暗号化データ及び更新された付属情報からなる2次クライアント配布用ファイルが生成する。
【0050】
ファイル配布手段17は、配布用ファイル生成手段16によって生成した2次クライアント配布用ファイルを、他のクライアント端末に対して配布する。
【0051】
1次クライアント端末4は、システム的には、CPU等からなる制御部、ROM、RAM、ハードディスク、モニター、入力ボタンなどを備えている。ファイル取得手段14、可読可能著作物生成手段15、配布用ファイル生成手段16、ファイル配布手段17は、1次クライアント端末4のROM、ハードディスク等に記憶されているコンピュータプログラムに基づいて制御部が各部を制御することで機能するよう構成されている。
【0052】
以下、図2に従って、当該著作物販売システム1の動作について説明する。
【0053】
当該著作物販売システム1においては、著作物は電子データであり、電子データとして、送達、取得、配布、保存等が行われる。電子データの形式は、著作物の種類や、クライアント端末が使用するオペレーションシステム、クライアント端末において著作物を視聴するためのアプリケーションなどにより適宜選択される。一般的には、PDF(Portable Document Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、MPEG(Moving Picture Experts Group)、GIF(Graphic Interchange Format)、BMP(Bitmap)、HTML(HyperText Markup Language)、RTF(Rich Text Format)、MP3(MPEG−1 Audio Layer−3)などが使用される。
【0054】
著作物の付属情報も電子データである。電子データの形式は特に限定されない。著作物データと、付属情報データから、著作物のファイルが構成される。著作物の電子データの形式がPDFの場合は、付属情報はその著作物データの中に埋め込むことができる。
【0055】
当該著作物販売システム1においては、著作物の電子データは、その著作物データを取得した者が管理サーバ3に対して認証及び課金等の手続を行った後でのみ視聴が可能になるように、暗号化された状態で、送達、取得、配布等が行われる。
【0056】
本発明において、著作物データを暗号化する方法又は再暗号化する方法、及び著作物の暗号化データを復号化する方法は、電子データの暗号化及び復号化に用いられるものであれば、特に限定されない。公開鍵暗号化方法であっても、共通鍵暗号化方法であってもよい。そのような方法として、例えば、AES(Advanced Encryption System)、DES(Data Encryption Standard)、Triple DES(Data Encryption Standard)、RSA(Rivest−Shamir−Adleman)、IDEA(International Data Encryption Algorithm)、FEAL(Fast Data Encipherment Algorithm)、RC(Rivest Cipher or Ron’s Code)などが挙げられる。
【0057】
また、当該著作物販売システム1においては、管理サーバ3及び1次クライアント端末4等のクライアント端末や提供者端末との間の通信は、セキュリティ確保のため、暗号化通信によって行ってもよいし、平文で通信を行ってもよい。暗号化通信の方法としては、SSL(Secure Socket Layer)又はTLS(Transport Layer Security)が好適に用いられる。当該SSL通信においては、著作物のファイルや種々の情報は、共通鍵などにより暗号化されて送信され、また、受信された後に共通鍵などによって復号化される。当該通信においては、SSL以外の暗号化通信の方法を用いてもよい。1次クライアント端末4等のクライアント端末における通信の手順は、例えば、著作物のファイルに含まれるJavaScript(登録商標)言語等で記載された情報によって、1次クライアント端末4等のクライアント端末が指示されて行うようにすることができる。
【0058】
まず、本発明の著作物販売方法及びシステムの前提となるクライアント及び提供者が管理サーバ3に登録する方法について、図3及び図5を参照して説明する。
【0059】
1次クライアントは、1次クライアント端末4から、管理サーバ3によって提供されるウェブサイトにアクセスする。1次クライアント端末4は管理サーバ3との間の通信を確立した後、1次クライアント端末4から1次クライアント情報を送信する。管理サーバ3は、クライアント登録手段6の処理によって、1次クライアント情報(ID情報、氏名、パスワード、預金口座情報等)を関連付けて、1次クライアントを登録する(STP1)。管理サーバ3は、登録が完了したことを1次クライアント端末4に通知する。1次クライアントの登録は、予め行ってもよいし、1次クライアント配布用ファイルを取得する前であれば、いつ行っても構わない。
【0060】
提供者は、管理サーバ3に対し、提供者情報を通知する。管理サーバ3は、提供者登録手段7の処理によって、提供者情報(ID情報、氏名、パスワード、預金口座情報等)を関連付けて、提供者を登録する(STP2)。管理サーバ3は、登録が完了したことを提供者に通知する。提供者の登録は、予め行ってもよいし、著作物を管理サーバ3に提供する前であれば、いつ行っても構わない。
【0061】
次に、図3を参照して、提供者が著作物を提供し、1次クライアント配布用ファイルを生成する方法について説明する。
【0062】
著作物の提供者は、提供する著作物をPDFの電子データとして作成する。提供者は、この著作物データを管理サーバ3に渡す。提供者の著作物が書籍等、電子データでない場合、管理サーバ3は適切な方法により電子データに変換する。管理サーバ3は、著作物暗号化手段8の処理によって、この著作物データを暗号化する(STP3)。管理サーバ3は、付属情報記録手段9の処理によって提供された著作物の識別情報を作成し、著作物の付属情報として記録する(STP4)。このとき、付属情報は、図4に示すように、著作物の識別情報と、データ情報とを含んでいる。データ情報は、著作物データ等に関する情報を含んでおり、著作物等の改ざんの有無を判断すること等に使われる。これら著作物の暗号化データ及び付属情報とから1次クライアント配布用ファイルが生成し、管理サーバ3の記憶部(図示せず)に保存される。
【0063】
続いて、図5を参照して、1次クライアント端末4による管理サーバ3からの著作物の取得方法について説明する。1次クライアントは、上述の手順によって、クライアント登録を完了しているものとする。
【0064】
1次クライアント端末4は、管理サーバ3により提供されている著作物のうち、取得を希望する著作物の受信要求を行う。これに対して、管理サーバ3は、ファイル送達手段10の処理によって、受信要求のあった著作物の1次クライアント配布用ファイルを1次クライアント端末4に送信する(STP5)。
【0065】
1次クライアント端末4は、ファイル取得手段14の処理によって、1次クライアント配布用ファイルを取得し、その記憶部(図示せず)に保存する。
【0066】
さらに、図6を参照して、1次クライアント端末4において、取得した1次クライアント配布用ファイルの著作物を視聴する方法について説明する。
【0067】
1次クライアント端末4は、その記憶部に保存された1次クライアント配布用ファイルを構成する付属情報を読み込み、管理サーバ3に送信する。管理サーバ3は受信した付属情報について、認証手段11の処理によりこの付属情報の改ざんの有無を判断するとともに、付属情報の照合を行う。管理サーバ3は、1次クライアント端末4から送信された付属情報が改ざんされておらず、かつ、この付属情報と管理サーバ3に記録されている付属情報が一致していると判断した場合に、1次クライアント端末4が取得した著作物のファイルが正規のものであると認証する(STP6)。
【0068】
かかる認証の後、管理サーバ3は、付属情報更新手段12によって、記録している付属情報に1次クライアント情報(ID情報)を追加して更新する(STP7)。この更新後には、記録されている付属情報には、図7に示すように、識別情報と、1次クライアント情報(ID情報)及びデータ情報が含まれる。
【0069】
またこの認証の後、管理サーバ3は、認証したことを1次クライアント端末4に対して通知する。1次クライアント端末4においては、認証の通知を受けた後、1次クライアント配布用ファイルを構成する著作物の暗号化データを復号化させて、可読可能著作物を生成させる(STP8)。これにより、1次クライアントは、取得した著作物を視聴することができる。また、1次クライアント端末4は、著作物のファイルを構成する付属情報に1次クライアント情報(ID情報)を追加して更新させるとともに、著作物データを再暗号化する。このようにして、著作物の再暗号化データ及び更新された付属情報からなる2次クライアント配布用ファイルを生成させる(STP9)。これによって、1次クライアント端末4は、生成した2次クライアント配布用ファイルを、他のクライアント端末に対して配布できる。
【0070】
著作物の暗号化データを復号化させて可読可能ファイルを生成させる方法としては、一般的に用いられる復号化の方法を使うことができる。復号化の方法は、1次クライアント配布用ファイルに付加されている又は1次クライアント端末4にインストールされている実行プログラムによって行う方法でもよいし、著作物の暗号化データを復号化させるための鍵を管理サーバ3から送信し、それを1次クライアント端末4において受信して、その鍵によって復号化を行う方法であってもよい。
【0071】
上述のようにして、配布用ファイルを構成する付属情報が1次クライアント情報(ID情報)を追加して更新された結果、配布用ファイルを構成する付属情報の内容は、管理サーバ3に記録されている内容(図7)と同じになる。当該付属情報を更新する方法は、1次クライアント配布用ファイルの付属情報に、1次クライアント端末4に保存されている1次クライアント情報(ID情報)を追加する方法であってもよいし、管理サーバ3において更新された付属情報を、1次クライアント端末4に送信して、配布用ファイルの付属情報と置換する方法であってもよい。
【0072】
著作物データを再暗号化させる方法としては、一般的に用いられる暗号化の方法を使うことができる。1次クライアント配布用ファイルに付加されている又は1次クライアント端末4にインストールされている実行プログラムによって行う方法であってもよいし、著作物データを再暗号化させるための鍵を管理サーバ3から送信し、それを1次クライアント端末4において受信して、その鍵によって再暗号化を行う方法であってもよい。
【0073】
また、著作物データの再暗号化は、復号化により生成した可読可能著作物のデータから、復号化した際と同じ又は異なる暗号化形式によって暗号化して行ってもよいし、取得した1次クライアント配布用ファイルを構成する著作物の暗号化データから、復号化する鍵が異なるようにデータを変更して、再暗号化データを生成させることによって行ってもよい。
【0074】
管理サーバ3は、課金・分配手段13の処理によって配信管理データベース5に対して課金・分配指示を行う(STP10)。具体的には、管理サーバ3は、1次クライアントの預金口座から、予め定めた著作物購入代金(例えば100円)を差し引く。他方、管理サーバ3は、著作物の提供者の預金口座に、著作権料として50円を支払う。さらに、管理サーバ3は、購入代金から著作権料を差し引いた金額(50円)を管理サーバ3の管理者の預金口座に支払う。かかる課金・分配処理は、課金・分配手段13の指示により、配信管理データベース5に保存される預金データをアップデートすることによって実現される。
【0075】
当該著作物販売システム1は、1次クライアントに対して確実に著作物購入代金を徴収することにより、著作物の不正な視聴を防止し、著作物の保護を図ることができる。また、当該著作物販売システム1は、1次クライアントから徴収した著作物購入代金の一部を著作物の提供者に分配するので、著作物を提供することに対するインセンティブを与えることができる。従って、当該著作物販売システム1は、著作物の流通を促進することができる。さらに、当該著作物販売システム1は、配布される著作物データが暗号化されており、管理サーバ3による認証及び課金の処理を経ることによってのみ著作物を視聴等することができるので、高いセキュリティ性を有している。
【0076】
図8の著作物販売システム18は、ネットワーク2と、管理サーバ19と、提供者端末20と、1次クライアント端末21と、2次クライアント端末22とを有している。以下の説明において、図1の著作物販売システム1と同様の構成については同一番号を付して適宜説明を省略する。なお、当該著作物販売システム18では、実際には提供者端末20は複数存在しており、またクライアント端末も1次クライアント端末21及び2次クライアント端末22以外にも多数存在している。1次クライアント端末21又は2次クライアント端末22もそれぞれ複数存在していてもよい。しかし、図8においては、煩雑さ回避のため、提供者端末20と、1次クライアント端末21と、2次クライアント端末22とに限定して説明する。
【0077】
管理サーバ19は、クライアント登録手段6と、提供者登録手段23と、著作物受信手段24と、著作物暗号化手段8と、付属情報記録手段25と、ファイル送達手段10と、認証手段11と、付属情報更新手段12と、課金・分配手段26とを有している。また、管理サーバ19は、配信管理データベース5に接続している。
【0078】
提供者登録手段23は、提供者端末からのアクセスに応じてこの提供者を登録する。提供者登録手段23によって登録される提供者の情報としては、ID情報、氏名、預金口座情報(口座番号や暗証番号)等を挙げることができる。
【0079】
著作物受信手段24は、提供者端末20から著作物送信手段27の処理によって提供される著作物を受信する。
【0080】
付属情報記録手段25は、提供者から提供された著作物の識別情報を付属情報として記録する。付属情報記録手段25によって記録される識別情報としては、著作物のシリアルナンバー及びクライアント端末によるファイルの累積取得回数の情報を示すカウンタが含まれている。
【0081】
提供者端末20は、著作物送信手段27を有している。著作物送信手段27は、著作物提供者端末20が保有する著作物を管理サーバ19に送信する。
【0082】
1次クライアント端末21及び2次クライアント端末22は、ファイル取得手段14と、可読可能著作物生成手段15と、配布用ファイル生成手段16と、ファイル配布手段17とをそれぞれ有している。
【0083】
1次クライアント端末21のファイル配布手段17は、2次クライアント配布用ファイルを、2次クライアント端末22に対して配布する。ファイルの配布は、通常、1次クライアント端末と2次クライアント端末との間における赤外線通信によって行われる。Bluetooth(登録商標)などによる通信の方法を用いてもよい。また、USBメモリやSDメモリ等の電子記録媒体を介して行ってもよく、クライアント端末間で送受信される電子メールに添付する方法を用いてもよい。
【0084】
2次クライアント端末22のファイル取得手段14は、1次クライアント端末21から配布される2次クライアント配布用ファイルを取得する。
【0085】
以下、図9に従って、当該著作物販売システム18の動作について説明する。なお図1の著作物販売システム1と同様の動作については適宜説明を省略する。
【0086】
まず、図10を参照して、提供者が提供者登録を行い、また、著作物を提供する際の、提供者端末20と管理サーバ19との通信手順について説明する。
【0087】
まず、提供者は、提供者端末20から、管理サーバ19によって提供されるウェブサイトにアクセスし、管理サーバ19と提供者端末20との間の通信を確立する。それから、提供者端末20は、提供者情報を管理サーバ19に送信する。管理サーバ19は、提供者登録手段23の処理によって、提供者の情報(ID情報、パスワード、氏名、預金口座情報(口座番号や暗証番号)等)を関連付けて、提供者を登録する。(STP12)。管理サーバ19は、提供者登録が完了したことを、提供者端末20に通知する。
【0088】
それから、提供者端末20は、著作物を提供するため、その記憶部(図示せず)に保存されている著作物データを著作物送信手段27の処理によって管理サーバ19に送信する。管理サーバ19は、著作物受信手段24によりこの著作物データを受信する(STP13)。管理サーバ19は、受信した著作物でデータをその記憶部に保存する。
【0089】
次に、図11を参照して、1次クライアント端末21が1次クライアント配布用ファイルを取得するために、著作物サーバ20と1次クライアント端末21との間で行う通信の手順を説明する。
【0090】
まず、1次クライアント端末21は、管理サーバ19との間で通信を確立する。次に、1次クライアント端末21は、管理サーバ19により提供されている著作物のうち、取得を希望する著作物の受信要求を行う。これに対して、管理サーバ19は、受信要求のあった著作物の1次クライアント配布用ファイルを、1次クライアント端末21に送信する(STP16)。1次クライアント端末21は、この1次クライアント配布用ファイルを、ファイル取得手段14によって受信する。1次クライアント端末21は、受信した1次クライアント配布用ファイルを、その記憶部に保存する。
【0091】
次に、1次クライアント端末21は、その記憶部に保存されている1次クライアント配布用ファイルの付属情報を読み込み、管理サーバ19に送信する。管理サーバ19は、受信した付属情報について、認証手段11により、この付属情報の改ざんの有無を判断するとともに、付属情報の照合を行う。管理サーバ19は、1次クライアント端末21から送信された付属情報が改ざんされておらず、かつ、この付属情報と管理サーバ19が記録している付属情報が一致していると判断した場合に、1次クライアント端末21が取得したファイルが正規のものであると認証する(STP17)。
【0092】
かかる認証の後、管理サーバ19は、付属情報更新手段12によって、記録されている付属情報に、1次クライアント情報(ID情報)を追加し更新する(STP18)。
【0093】
また、認証の後、管理サーバ19は、認証したことを1次クライアント端末21に対して通知する。1次クライアント端末21においては、認証の通知を受けた後、1次クライアント配布用ファイルを構成する著作物の暗号化データを復号化させ、可読可能著作物を生成させる(STP19)。また、1次クライアント端末21は、著作物のファイルを構成する付属情報に1次クライアント情報(ID情報)を追加し更新させるとともに、著作物データを再暗号化する。これらにより、著作物の再暗号化データ及び更新された付属情報からなる2次クライアント配布用ファイルを生成させる(STP20)。
【0094】
なお、管理サーバ19によって1次クライアント端末21が取得した著作物のファイルが認証された場合、記録されている付属情報に含まれるファイルの累積取得回数の情報を示すカウンタの数値を1増加させるとともに、1次クライアント端末21に指示を出し、1次クライアント端末21に保存されているファイルの識別情報の累積取得回数の情報を示すカウンタを1増加させる。
【0095】
さらに、管理サーバ19は、課金・分配手段26により、配信管理データベース5に対して課金・分配指示を行う(STP21)。
【0096】
上述のようにして生成した2次クライアント配布用ファイルは、1次クライアント端末21から配布され、2次クライアント端末22によって取得される。1次クライアント端末21は、複数の2次クライアント端末22に対して、配布してもよい。これによって、著作物の流通を促進させることができる。
【0097】
続いて、著作物のファイルを1次クライアント端末21から配布し、2次クライアント端末22によって取得する手順について説明する。
【0098】
まず、1次クライアントが、配布したい著作物の2次クライアント配布用ファイルを選択したうえで1次クライアント端末21の赤外線通信ボタン(図示せず)を押す。一方、2次クライアントは、1次クライアントからの赤外線通信を受信するために、2次クライアント端末22の赤外線通信ボタン(図示せず)を押す。1次クライアント及び2次クライアントが行うこれらの操作に起因して、1次クライアント端末21のファイル配布手段17と、2次クライアント端末22のファイル取得手段14が協働することによって、1次クライアント端末21に保存されている2次クライアント配布用ファイルが配布され、2次クライアント端末22に取得され、その記憶部(図示せず)に保存される。
【0099】
図12を参照して、2次クライアント端末22における著作物の視聴手順について説明する。
【0100】
事前にクライアント登録手段6の処理により、2次クライアントが管理サーバ19に登録されているものとする。具体的には、2次クライアントのID情報、パスワード、氏名、預金口座情報(口座番号や暗証番号)等が関連付けられて記憶部に保存されているものとする。
【0101】
2次クライアント端末22は、2次クライアントの操作によって、管理サーバ19によって提供されるウェブサイトに接続して所定のウェブページ(図示せず)を表示する。2次クライアント端末22は、2次クライアントの入力操作によって、ID及びパスワードを管理サーバ19に送信して、管理サーバ19と2次クライアント端末22との間の通信を確立する。
【0102】
次に、2次クライアント端末22は、その記憶部に保存されている2次クライアント配布用ファイルを構成する付属情報を読み込む。2次クライアント端末22は、この付属情報を、管理サーバ19に送信する。管理サーバ19は受信した付属情報について、認証手段11によって、この付属情報の改ざんの有無を判断するとともに、付属情報の照合を行う。管理サーバ19は、2次クライアント端末22から送信された2次クライアント配布用ファイルを構成する付属情報に含まれる識別情報及び1次クライアント情報(ID情報)が改ざんされておらず、かつ、この識別情報及び1次クライアント情報(ID情報)と、管理サーバ19が記録している識別情報及び1次クライアント情報(ID情報)とが一致していると判断した場合に、2次クライアント端末22が取得したファイルが正規のものであると認証する(STP17)。
【0103】
かかる認証の後、管理サーバ19は、付属情報更新手段12によって、記録されている付属情報に2次クライアント情報(ID情報)を追加し更新する(STP18)。この更新の後は、記録されている付属情報には、図13に示すように、識別情報と、1次クライアント情報(ID情報)、2次クライアント情報(ID情報)及びデータ情報が含まれる。また、管理サーバ19は、記録されている付属情報に含まれるファイルの累積取得回数の情報を示すカウンタの数値を1増加させるとともに、2次クライアント端末22に指示を出し、2次クライアント端末22に保存されているファイルの識別情報の累積取得回数を示すカウンタを1増加させる。
【0104】
また、認証の後、管理サーバ19は、認証したことを2次クライアント端末22に対して通知する。2次クライアント端末22においては、認証の通知を受けた後、2次クライアント配布用ファイルを構成する著作物の暗号化データを復号化させ、可読可能著作物を生成させる(STP19)。また、2次クライアント端末22は、著作物のファイルを構成する付属情報に2次クライアント情報(ID情報)を追加し更新させるとともに、著作物データを再暗号化する。これらにより、著作物の再暗号化データ及び更新された付属情報からなる3次クライアント配布用ファイルを生成させる(STP20)。
【0105】
さらに、管理サーバ19は、課金・分配手段26の処理によって配信管理データベース5に対して課金・分配をする指示を行う(STP21)。具体的には、管理サーバ19は、課金・分配手段26の処理により、2次クライアントの預金口座から、予め定めた著作物購入代金(例えば100円)を徴収する。他方、管理サーバ19は、提供者の預金口座に著作権料(例えば50円)を支払う。また、管理サーバ19は、管理サーバ19の管理者の預金口座に、管理手数料として25円を支払う。さらに、著作物の付属情報に記録されている1次クライアントに対して、配布報酬(例えば25円)を支払う。
【0106】
当該著作物販売システム18は、3次以降の任意のn次クライアントに対しても、上述の2次クライアントに対するステップと同様のステップにより著作物を販売することができる。各クライアント端末は、複数のクライアント端末に対して、ファイルを配布することができるので、当該著作物販売システム18は、著作物の流通を大幅に促進させることができる。
【0107】
当該著作物販売システム18は、クライアントに対して確実に著作物購入代金を徴収することにより、著作物の不正な視聴を防止し、著作物の保護を図ることができる。また、当該著作物販売システム18は、徴収した著作物購入代金の一部を著作物の提供者には著作権料として、著作物を他のクライアントに配布したクライアントには配布報酬として分配するので、提供者やクライアントに対して、著作物を提供又は配布することに対するインセンティブを与えることができる。それによって、著作物の流通を促進し、クライアントの数をねずみ算式に増加させることができる。それゆえ、当該著作物販売システム18は、著作物の流通とともに増えていく複数のクライアントにより、著作物の流通を促進することができる。その上、当該著作物販売システム18においては、配布等される著作物データを暗号化しており、その著作物の暗号化データを復号化して視聴するためには、クライアントは管理サーバ19へアクセスし、認証及び課金の手続を経る必要がある。従って、クライアント登録を行っていない第三者がこの著作物データを取得したとしても、当該著作物を視聴することができない。このように、当該著作物販売システム18は、高いセキュリティ性を有している。
【0108】
当該著作物販売システム18は、提供者が著作物を提供する際に、その著作物データを管理サーバ19に直接送信することによって、極めて容易に著作物を提供することができる。また、当該著作物販売システム18は、多数の著作物を提供することが容易であるため、提供される著作物の数が増加する結果、クライアントの全体数を格段に増加させることができる。これにより、当該著作物販売システム18は、1件あたりの著作物購入代金の額を低く設定しても十分な収益を上げることができるため、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0109】
当該著作物販売システム18は、付属情報として、クライアント端末によるファイルの累積取得回数の情報を示すカウンタを含んでいる。当該著作物販売システム18は、このカウンタの数値が規定値に達した場合に他のクライアント端末への著作物の配布を制限することができる。具体的には、著作物の取得カウンタのカウントが規定の数値(例えば10回)に達した場合に、新たなクライアント端末への著作物の配布を制限する。従って、当該著作物販売システム18は、提供者等が著作物の流通拡大に一定の限度を設けることができるとともに、いわゆるネズミ講と称されるマルチ販売システムとなることを防止できる。
【0110】
当該著作物販売システム18の課金・分配手段26は、付属情報に記録されている全てのクライアントに対して上記代金の一部を分配することができる。これにより、著作物を取得した全てのクライアントに対して著作物を配布させることに対するインセンティブを与えることができ、ひいては著作物の流通を促進することができる。
【0111】
当該著作物販売システム18の課金・分配手段26は、著作物購入代金の一部を分配するクライアントを一定の範囲に制限することができる。これにより、当該著作物販売システム18は、分配するクライアントが多くなることで配布報酬が減少することに起因して、著作物の配布に対するインセンティブが低減するのを抑制することができる。また、当該著作物販売システム18は、徴収した著作物購入代金の一部を著作物の流通に対する貢献度に応じて適正に分配することができる。
【0112】
当該著作物販売システム18の課金・分配手段26は、付属情報にその情報が記録されている一又は複数のクライアントに対して徴収した著作物購入代金を分配するものであり、この著作物購入代金の分配割合を任意に設定することが可能である。従って、次数nの値が大きいクライアントほど配布報酬を多く分配することができ、これにより、新たに著作物を取得したクライアントまでの流通経路が短いクライアントほど、配布報酬を多く分配される。すなわち、徴収した購入代金の一部は、その著作物を取得したクライアントに直接配布したクライアントに最も多く分配される。そのため、クライアントに対して著作物を配布することについての強いインセンティブを与えることができる。それによって、当該著作物販売システムは、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0113】
また、当該著作物販売システム18は、nの値が小さいほど分配する配布報酬を多くすることができるので、これにより、著作物の提供者からの流通経路が短いクライアントほど、配布報酬を多く分配される。すなわち、徴収した購入代金の一部は、低次のクライアントに多く配分される。それゆえ、当該著作物販売システム18は、低次のクライアントを大量に獲得することができ、クライアント1人当たりの配布する回数を向上させることができる。そのため、各々のクライアントに著作物を配布することに対する強いインセンティブを与えることができる。それによって、当該著作物販売システム18は、著作物の流通をさらに促進することができる。
【0114】
なお、当該著作物販売方法及びシステムは、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、著作物の視聴を望むクライアントに対する課金及び著作物購入代金の分配は、著作物が可読可能となる前の段階であれば、いずれの時点において行われてもよい。当該著作物販売方法及びシステムは、共通のIDを持つ複数のクライアントをグループとして登録することができ、このグループの一人が取得した著作物を同じグループ内の他のクライアントにも自由に視聴させることができるようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0115】
以上のように、本発明の著作物販売方法及びシステムは、著作物を取得するクライアントに対しては確実に購入代金を徴収するとともに、その代金の一部を著作物の提供者には著作権料として、及びその著作物を順次配布させたクライアントには配布報酬として自動的に分配することにより、著作物の流通促進と保護とを同時に実現するのに適している。
【符号の説明】
【0116】
1 著作物販売システム
2 ネットワーク
3 管理サーバ
4 1次クライアント端末
5 配信管理データベース
6 クライアント登録手段
7 提供者登録手段
8 著作物暗号化手段
9 付属情報記録手段
10 ファイル送達手段
11 認証手段
12 付属情報更新手段
13 課金・分配手段
14 ファイル取得手段
15 可読可能著作物生成手段
16 配布用ファイル生成手段
17 ファイル配布手段
18 著作物販売システム
19 管理サーバ
20 提供者端末
21 1次クライアント端末
22 2次クライアント端末
23 提供者登録手段
24 著作物受信手段
25 付属情報記録手段
26 課金・分配手段
27 著作物送信手段

















【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して複数のクライアント端末に接続可能に構成される管理サーバを用いて、著作物の販売を行う方法であって、
複数のクライアント端末からのアクセスに応じてこれらのクライアントを登録するクライアント登録ステップと、
著作物の提供者を登録する提供者登録ステップと、
提供者から提供され、管理サーバに入力された著作物データを暗号化する著作物暗号化ステップと、
著作物の識別情報を付属情報として記録する付属情報記録ステップと、
上記著作物の暗号化データと上記付属情報からなる1次クライアント配布用ファイルを1次クライアント端末に送達するファイル送達ステップと
を有するとともに、
上記1次クライアント配布用ファイルを管理サーバから送達され、又は1次クライアント端末から直接若しくは1以上のクライアント端末を介して順次配布されることによって、n次(nは1以上の自然数)クライアント配布用ファイルを取得したn次クライアント端末がある場合、
n次クライアント端末からのアクセスに基づき、上記付属情報の照合により認証する認証ステップと、
認証後、付属情報にn次クライアント情報を追加する付属情報更新ステップと、
n次クライアント端末において、著作物の暗号化データを復号化させ、可読可能著作物を生成させる可読可能著作物生成ステップと、
n次クライアント端末において、付属情報にn次クライアント情報を追加し更新させるとともに、著作物を再暗号化させて、(n+1)次クライアント配布用ファイルを生成させる配布用ファイル生成ステップと、
n次クライアントから著作物購入代金を徴収するとともに、提供者には著作権料として、及び付属情報に記録されている1次から(n−1)次のクライアントの全て又は一部には配布報酬として上記代金の一部を分配する課金・分配ステップと
を有することを特徴とする著作物販売方法。
【請求項2】
上記ファイル送達ステップが、1次クライアント端末からのアクセスに基づき、ネットワークを通じて1次クライアント配布用ファイルを送信するものである請求項1に記載の著作物販売方法。
【請求項3】
上記提供者登録ステップが提供者端末からのアクセスに応じて行われるとともに、
提供者端末から送信される著作物データを受信する著作物受信ステップを
さらに有する請求項1又は請求項2に記載の著作物販売方法。
【請求項4】
上記付属情報が、クライアント端末によるファイルの累積取得回数の情報をさらに含み、累積取得回数が規定値に達したときに、ファイルの更なる配布を制限することができる請求項1、請求項2又は請求項3に記載の著作物販売方法。
【請求項5】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配ステップが、付属情報に記録されている1次から(n−1)次のクライアントの全てに上記代金の一部を分配することができる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の著作物販売方法。
【請求項6】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配ステップが、分配するクライアントを制限することができる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の著作物販売方法。
【請求項7】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配ステップが、次数nの値が大きいクライアントほど配布報酬を多く分配することができる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の著作物販売方法。
【請求項8】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配ステップが、次数nの値が小さいクライアントほど配布報酬を多く分配することができる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の著作物販売方法。
【請求項9】
通信ネットワークを介して複数のクライアント端末に接続可能に構成される管理サーバを用いて、著作物の販売を行うシステムであって、
上記管理サーバが、
複数のクライアント端末からのアクセスに応じてこれらのクライアントを登録するクライアント登録手段と、
著作物の提供者を登録する提供者登録手段と、
提供者から提供され、管理サーバに入力された著作物データを暗号化する著作物暗号化手段と、
上記著作物の識別情報を付属情報として記録する付属情報記録手段と、
上記著作物の暗号化データと付属情報からなる1次クライアント配布用ファイルを1次クライアントに送達するファイル送達手段と
を有するとともに、
上記1次クライアント配布用ファイルを管理サーバから送達され、又は1次クライアント端末から直接若しくは1以上のクライアント端末を介して順次配布されることによって、n次(nは1以上の自然数)クライアント配布用ファイルを取得したn次クライアント端末がある場合、
n次クライアント端末からのアクセスに基づき、上記付属情報の照合により認証する認証手段と、
認証後、上記付属情報にn次クライアント情報を追加する付属情報更新手段と
を有し、
n次クライアント端末において、著作物の暗号化データを復号化させ、可読可能著作物を生成させ、
n次クライアント端末において、付属情報にn次クライアント情報を追加し更新させるとともに、著作物を再暗号化させて、(n+1)次クライアント配布用ファイルを生成させ、
さらに、
n次クライアントから著作物購入代金を徴収するとともに、提供者には著作権料として、及び付属情報に記録されている1次から(n−1)次のクライアントの全て又は一部には配布報酬として上記代金の一部を分配する課金・分配手段と
を有することを特徴とする著作物販売システム。
【請求項10】
上記ファイル送達手段が、1次クライアント端末からのアクセスに基づき、ネットワークを通じて1次クライアント送達用ファイルを送信するものである請求項9に記載の著作物販売システム。
【請求項11】
上記提供者登録手段が、提供者端末からのアクセスに応じて行われるとともに、
提供者端末から送信される著作物データを受信する著作物受信手段を
さらに有する請求項9又は請求項10に記載の著作物販売システム。
【請求項12】
上記付属情報が、クライアント端末によるファイルの累積取得回数の情報をさらに含み、累積取得回数が規定値に達したときにファイルの更なる配布を制限することができる請求項9、請求項10又は請求項11に記載の著作物販売システム。
【請求項13】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配手段が、付属情報に記録されている1次から(n−1)次のクライアントの全てに上記代金の一部を分配することができる請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の著作物販売システム。
【請求項14】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配手段が、分配するクライアントを制限することができる請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の著作物販売システム。
【請求項15】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配手段が、次数nの値が大きいクライアントほど配布報酬を多く分配することができる請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の著作物販売システム。
【請求項16】
上記付属情報に複数のクライアント情報が記録されている場合、
上記課金・分配手段が、次数nの値が小さいクライアントほど配布報酬を多く分配することができる請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の著作物販売システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−65592(P2011−65592A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217954(P2009−217954)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(509264372)株式会社シーエスサービス (3)
【Fターム(参考)】